説明

心室間隔壁厚を自動計測するための方法及び装置

【課題】心室間隔壁厚を自動計測するための方法及び装置を提供すること。
【解決手段】心室間隔壁厚を自動的に計測するための方法を提供する。一実施形態では本方法は、心臓の一連の超音波画像を収集するステップと、該一連の超音波画像に対して隔壁切り出しアルゴリズム(210)を適用することによって隔壁マスク(212)を収集するステップと、弁先端位置特定アルゴリズム(220)を用いて僧房弁先端(222)を位置特定するステップと、心室間隔壁厚アルゴリズム(230)を用いて心室間隔壁の厚さ(234)を算定するステップと、を含む。この心室間隔壁厚アルゴリズムは、隔壁マスク(212)及び位置特定済みの僧帽弁先端(222)を入力として使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示している主題は、全般的には超音波診断システムに関し、また具体的には心室間隔壁(心室中隔)厚を自動計測するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
心拡張期における心室間隔壁(IVSd)の厚さの計測は、これが左心室サイズと共に心臓肥大に関する主要な指標であることから、心エコー図における基礎的計測の1つとして受け容れられている。心臓肥大によりその他の心臓合併症が引き起こされる可能性があるため、スクリーニング目的でIVSdの厚さの計測を用いることができる。さらにIVSdの厚さは、自由行動下24h血圧との相関も示している。
【0003】
手動計測プロトコルでは、IVSdの厚さの計測が隔壁領域の中心線と直交しかつ僧帽弁先端を通過する計測線に沿って実行されるように指定している。しかし隔壁厚さに対する従来の手動計測では、観測者の経験に応じて観測者によるバラツキを生じる。例えば隔壁厚の計測値は、観測者が異なると変動する。さらに隔壁厚の計測値は、同じ観測者でも場面が異なると変動するのが通例である。隔壁厚の計測におけるこうしたバラツキは、間違った診断を生じさせ得るようなバラツキに繋がる可能性がある。例えば診断を誤ると、肥大のある対象者が健全に分類されたり、また健全な対象者が肥大に分類されたりすることに繋がりかねず、このいずれの場合も望ましくない結果を生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第20090281424号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本技術分野において、IVSdの厚さの計測値のバラツキを管理または抑制するための装置及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
心拡張期における心室間隔壁の厚さを自動計測するための方法を提供する。一実施形態による方法は、心臓の一連の超音波画像を収集するステップと、該一連の超音波画像に対して隔壁切り出しアルゴリズムを適用することによって隔壁マスクを収集するステップと、弁先端位置特定アルゴリズムを用いて僧帽弁先端を位置特定するステップと、心室間隔壁厚アルゴリズムを用いて心室間隔壁の厚さを算定するステップと、を含む。この心室間隔壁厚アルゴリズムは、入力として隔壁マスクと位置特定した僧帽弁先端とを使用する。
【0007】
心室間隔壁厚を自動計測するための装置を提供する。一実施形態による装置は、心臓の一連の超音波画像を収集するトランスジューサと、中央プロセッサと、を備える。この中央プロセッサは、該一連の超音波画像に対して隔壁切り出しアルゴリズムを適用すること、弁先端位置特定アルゴリズムを用いて僧帽弁先端を位置特定すること並びに心室間隔壁厚アルゴリズムを用いて心室間隔壁の厚さを算定することによって隔壁マスクを収集するように構成されている。この心室間隔壁厚アルゴリズムは入力として、隔壁マスクと位置特定した僧帽弁先端とを使用する。
【0008】
本発明に関するこれらの特徴、態様及び利点、並びにその他の特徴、態様及び利点については、同じ参照符号が図面全体を通じて同じ部分を表している添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによってより理解が深まるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本システムの一実施形態による心室間隔壁厚を自動計測するための超音波装置の概要図である。
【図2】本方法の一実施形態による心室間隔壁厚を自動計測するための方法を表した流れ図である。
【図3】本方法の一実施形態による心室間隔壁の切り出し方法を表した流れ図である。
【図4a】一実施形態による心室間隔壁境界を表すための2つの1次元関数の初期化並びに心室間隔壁切り出しアルゴリズムによって分界設定した3つの領域を示した心室間隔壁の胸骨傍長軸(Parasternal Long Axis:PLAX)像超音波画像である。
【図4b】別の実施形態による心室間隔壁切り出しアルゴリズムの中間反復を表した心室間隔壁のPLAX像超音波画像である。
【図4c】別の実施形態によるエネルギー関数の収束を表した心室間隔壁のPLAX像超音波画像である。
【図5a】本技法の一実施形態による弁先端位置特定のための方法を表した流れ図である。
【図5b】本技法の一実施形態による単一弁先端位置特定のための方法を表した流れ図である。
【図6a】一実施形態による目下の心臓のPLAX像超音波画像と以前の心臓のPLAX像超音波画像の間のフレーム差を表した図である。
【図6b】別の実施形態による1組の候補画素を表した心臓のPLAX像超音波画像である。
【図6c】一実施形態による2つの弁先端に関する2つのクラスターを表した心臓の4CH像超音波画像である。
【図6d】一実施形態による位置特定された2つの弁先端を表した心臓の4CH像超音波画像である。
【図6e】別の実施形態による位置特定された僧帽弁先端を表した心臓のPLAX像超音波画像である。
【図7】一実施形態による心室間隔壁厚を計測するための方法を表した流れ図である。
【図8a】一実施形態による心室間隔壁の骨格指定を表した心室間隔壁の部分超音波画像である。
【図8b】別の実施形態による心室間隔壁の切り詰めした中央軸を表した心室間隔壁の部分超音波画像である。
【図8c】別の実施形態による中央軸のそれぞれの領域に対して当てはめられたn個のラインセグメントのうちの1つを表した心室間隔壁の部分超音波画像である。
【図8d】別の実施形態による心室間隔壁厚を自動計測する方法を表した心臓のPLAX像超音波画像である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本システムの一実施形態による心拡張期における心室間隔壁(IVSd)の厚さを自動計測するための超音波装置100の概要図である。超音波装置100は、トランスジューサアレイ110と、T/R ASIC120などの送信/受信(T/R)プロセッサと、処理用ASIC140などの処理セクションと、電源190と、を備える。処理用ASIC140には周辺構成要素が結合されるのが典型的である。T/R ASIC120は、トランスジューサアレイ110の素子を駆動させ、これらの素子が受け取ったエコーを受け取る。T/R ASIC120はさらに、トランスジューサアレイ110の送信及び受信開口並びに受け取ったエコー信号の利得を制御する。T/R ASIC120が受け取ったエコーは処理用ASIC140に提供され、これにより個々のトランスジューサ素子からのエコーが走査線信号になるようにビーム形成される。処理用ASIC140はさらに、送信波形、タイミング、開口及び集束も制御している。さらに処理用ASICは、時間利得制御のためのタイミング信号を提供すると共に、トランスジューサアレイ110に加えられるパワーを監視し制御している。処理用ASIC140には、ビーム形成処理用ASIC140により使用されるデータを保存するメモリデバイス150が接続されている。超音波装置100を成すこれら様々なASICは単に一例であり限定ではないことは当業者であれば理解されよう。超音波システム100を成すこれらのASICの機能は、現場プログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、ARMプロセッサあるいは複数の機能を実行するマルチCPUなどより高次のプロセッサ(ただし、これらに限らない)によって提供することが可能である。
【0011】
図示した実施形態では処理用ASIC140はさらに、走査変換モジュール142、ディジタル信号処理ユニット(DSPU)144、制御器146及び中央プロセッサ148を備える。ビーム形成した走査線信号は走査線信号をフィルタ処理するDSPU144に結合させており、また超音波Bモード情報は映像出力信号の走査変換及び生成のための走査変換モジュール142に結合させている。処理用ASIC140は一例ではさらに、ディスプレイに時刻、日付及び患者IDなどの英数字情報を追加する。超音波画像に対してグラフィックスプロセッサ(図示せず)によって深度及び焦点マーカー及びカーソルなどの情報を重ね合わせている。超音波画像フレームは典型的には、処理用ASIC140に結合された映像メモリ130内に保存されており、これによりこれらをライブのCineloop(商標)リアルタイム映像シーケンスなどにおいて呼び出して再生することが可能である。この映像情報は、幾つかのフォーマット(例えば、映像表示フォーマットの中でもとりわけ、NTSCやPALテレビジョンフォーマット、LCDディスプレイ132向けRBG駆動信号)の映像出力として伝送することが可能である。中央プロセッサ148は、例えば図2に関連して検討したIVSdの厚さを計測するための方法200などの超音波データ解析ルーチンを実行するように構成されている。
【0012】
制御器146は中央プロセッサ148及びDSPU144に結合させており、また制御器146は超音波装置100の全体にわたる処理及び制御機能を制御し同期させている。制御器146はさらに、ユーザ入力を受け付けるためのユーザ制御180に結合させると共に、超音波装置100の動作を指令しかつ制御している。処理用ASIC140にはプログラムメモリ160を結合させており、これが制御器146により使用可能な(例えば、超音波装置100を操作し制御するための)ソフトウェアルーチンを保存している。
【0013】
処理用ASIC140はさらに、この例ではPCMCIAインタフェース170として構成させているデータポートに結合させている。インタフェース170によって、その他のモジュール及び機能を超音波装置100に装填することが可能となる。インタフェース170は例えば、遠隔の箇所との超音波情報の送受信のためにモデムその他の通信リンクに接続させることが可能である。
【0014】
超音波装置に対する電力は電源190によって提供する。この電源は、電源により供給された電圧をT/R ASIC120がトランスジューサアレイ110の各素子を駆動させるのに必要な適当な電圧に変換するための変換器を含むことがある。
【0015】
超音波装置100のアーキテクチャは、超音波装置を大型でありながら可搬性が得られるようにカート上に装着可能とする、デスクトップのサイズとする、あるいは携帯電話などのハンドへルド型デバイスのサイズとするように設計することがある。
【0016】
一実施形態では超音波装置100はハンドへルド型デバイスである。超音波装置100がハンドへルド型デバイスである場合にIVSdの厚さを計測する自動式方法は、デバイスがハンドへルド型であるためにIVSd厚計測の自動方法を極めて柔軟かつ広範に適用できるため有利に活用することができる。超音波装置100は機能及び特徴の適切な選択並びに集積回路や超音波テクノロジーの有効な利用を通じてハンドへルド型デバイスとしてパッケージ実装されている。集積回路の適切な使用に関する一例(限定ではなく)として制御器146は、ハンドへルド型デバイスとしてパッケージ実装された超音波装置100内のRISC(縮小命令セット制御器)プロセッサである。
【0017】
図2は、本開示の一実施形態によるIVSdの厚さを自動計測するための方法200を表した流れ図である。方法200は、ステップ210の心室間隔壁切り出しアルゴリズム(ISSA)及びステップ220の弁先端位置特定アルゴリズム(VTLA)で開始される。ステップ210では、例えば図1の超音波装置100と同様の超音波装置を用いて収集した心室間隔壁の画像が、ISSAを用いて切り出しされる。ステップ212では、ISSAにより隔壁マスクが提供される。心室間隔壁切り出しアルゴリズム(ISSA)については図3を参照しながらさらに詳細に記載しており、また図4a、図4b及び図4cにおいてある種のステップに関する例証画像を提供している。ステップ220では、例えば図1の超音波装置100と同様の超音波装置を用いて収集した超音波画像シーケンスに対して弁先端位置特定アルゴリズム(VTLA)を適用することによって僧帽弁先端が位置特定される。ステップ222では、VTLAによって僧帽弁先端箇所が提供される。弁先端位置特定アルゴリズム(VTLA)については図5a、図5bを参照しながら方法222において後で詳細に記載しており、また図6a、図6b及び図6cにおいてある種のステップに関する例証画像を提供している。
【0018】
ステップ230では、心室間隔壁厚アルゴリズムすなわちIVSTアルゴリズムに対する入力として、心室間隔壁マスクと位置特定済みの僧帽弁先端の両方が提供される。本明細書に記載した心室間隔壁マスク及び位置特定済みの僧帽弁先端を取得するための計測順序は限定ではなく単に例示であることは当業者であれば理解されよう。例えば最初に心室間隔壁マスクを収集し、これに続いて位置特定された僧帽弁先端を収集することがある。引き続きステップ230において、IVSTアルゴリズムに対する入力として、心室間隔壁マスクと位置特定済みの僧帽弁先端の両方が提供される。ステップ232では、IVSTアルゴリズムが計測線を特定する。特定された計測線は、心室間隔壁の中心線と直交しかつ僧帽弁の先端を通過する計測線となるようにしている。ステップ234では、IVSTアルゴリズムがIVSdの厚さを算定する。IVSdの厚さは、計測線と隔壁マスクの間の交点同士間の距離として算定される。IVSTアルゴリズムについては図7を参照しながらさらに詳細に記載しており、また図8a、図8b、図8c及び図8dにおいてステップの例証画像を提供している。
【0019】
図3は、本開示の一実施形態による心室間隔壁の切り出し方法210を表した流れ図である。方法210は、心室間隔壁切り出しアルゴリズム(ISSA)をより詳細に表したものである。方法210は、心室間隔壁境界が2つの別々の1次元プロフィールとして表現されるステップ310で開始される。僧帽弁に近い心室間隔壁境界のことを近位隔壁境界と呼んでおり、これを1次元プロフィールf(x)と表現している。僧帽弁から遠い側の心室間隔壁境界のことを遠位隔壁境界と呼んでおり、これを1次元プロフィールg(x)と表現している。
【0020】
引き続きステップ320では、ISSAによって隔壁の超音波画像を複数の領域に分界設定している(一例では、3つの領域に分割している)。この3つの領域は、領域1、領域2及び領域3を含む。この3つの領域については図4a〜4cにおいて例証しており、以下でさらに詳細に記載することにする。さらにステップ330ではISSAによって、局所領域強度統計値と形状拘束を組み合わせたものである隔壁マスクに関するエネルギー関数が規定される。形状拘束はさらに、平滑度及び幅拘束を含む。エネルギー関数は次式により得られる。
【0021】
【数1】

変数μ1、μ2及びμ3のそれぞれは、領域1、領域2及び領域3のそれぞれに関する平均強度である。変数wは、評価される隔壁の厚さに関する定数であり、一例では1センチメートルである。隔壁マスクの展開(evolution)は、エネルギーを最小化させるような解によってガイドされる。ステップ340では∇Eが0に設定される。このためステップ350において関数f及びgに関する次の更新式が得られる。
【0022】
【数2】

変数Mは、f(x)及び/またはg(x)のセグメント数を意味している。この解は一例では反復式に得られており、また変分法(variational calculus method)を通じて解かれるのが一般的である。ステップ360では、これらの式を各反復ごとに更新している。具体的に一実施形態では、各反復において近位隔壁境界プロフィール及び遠位隔壁境界プロフィールを更新しながら隔壁マスクが収束するまで勾配降下を実行している。ステップ370では、収束または終了基準(例えば、所定の反復数か定常状態の実現のいずれか)によって定常状態を実現している。定常状態は、連続する反復に関する平均関数変位が所定のしきい値未満であるときにこれが達成されたと見なされるのが一般的である。図2で指摘したように、ステップ212において隔壁マスクが取得される。
【0023】
図4aは、一実施形態による心室間隔壁境界を表すための2つの1次元関数の初期化並びに心室間隔壁切り出しアルゴリズムによって分界設定した3つの領域を示した心室間隔壁の胸骨傍長軸(PLAX)像超音波画像400である。例えば図3のステップ310における心室間隔壁境界を表している2つの1次元プロフィールの初期化を図4aに表している。図示した実施形態では近位隔壁境界をf(x)410と表現している。同様に遠位隔壁境界をg(x)420と表現している。
【0024】
さらに、例えば図3のステップ320でISSAによって分界設定した3つの領域は図示した実施形態では、領域1(440)、領域2(430)及び領域3(450)を含む。例えば領域2(230)と領域3(450)の境界を示すラインマーキングは、単に例証を目的としたものであり、ISSAによる計算で使用される実際の領域ではない。領域1(440)は、近位隔壁境界420と遠位隔壁境界410の間の隔壁領域を意味している。領域2(430)は、近位隔壁境界420の下側のエリアを意味している。領域3は、遠位隔壁境界410の上側のエリアを意味している。
【0025】
図4bは、本開示の一実施形態による例えば図3のステップ350におけるISSAの中間反復を表した心室間隔壁のPLAX像超音波画像400である。図示した実施形態では、先行反復セグメント460は反復n−1における近位隔壁境界420のセグメントを表している。後行反復セグメント470は反復nにおける近位隔壁境界420のセグメントを表している。同様に、先行反復セグメント480は反復(n−1)における遠位隔壁境界410のセグメントを表している。後行反復セグメント490は反復nにおける遠位隔壁境界410のセグメントを表している。
【0026】
図4cは、本開示の一実施形態による例えば図3のステップ370におけるエネルギー関数の収束を表した心室間隔壁のPLAX像超音波画像400である。エネルギー関数が収束すると、ISSAにより隔壁マスクが提供される。図示した実施形態では隔壁マスクは、近位隔壁境界420と近位隔壁境界410によって明瞭に画定されている。
【0027】
図5aは、本開示の一実施形態による弁先端位置特定のための方法を表した流れ図である。方法220はVTLA処理を詳細に表したものである。方法220は、内部解剖構造(例えば、心臓)の超音波画像シーケンスが収集されるステップ510で開始される。ステップ510で収集される画像は内部解剖構造の弁の描出を可能にした内部解剖構造の超音波画像であることは当業者であれば理解されよう。例えばステップ510で収集される画像は、心臓の超音波画像に関する像の中でもとりわけPLAX像または4CH像である。ステップ520では、画像シーケンスからの生データが例えば図1の中央プロセッサ148によって処理するためにVTLAに送られる。ステップ530では、VTLAによって目下のフレームに関するモーションマップが計算される。モーションマップの計算には、連続するフレーム差の計算が不可欠である。このフレーム差は、目下のフレームと以前のフレームの間の差あるいは目下のフレームと次のフレームの間の差のいずれかに基づいて計算される。モーションマップの計算は一例では、フレーム差に基づくと共に、IVSdの厚さの自動計測に適するような計算時間の節減を提供することができる。
【0028】
さらにステップ535では、収集した超音波画像シーケンス内の各フレームごとのモーションマップがVTLAによって計算される。本開示の一実施形態ではVTLAは、連続するフレーム差を計算する。この連続するフレーム差は例えば、以下の代表的な論理に従って計算される。

1)frameNumber:隔壁計測の実行を要する目下のフレーム
2)frameOffset:目下のフレームと次の/以前のフレームの間の差
と規定すると、
prevFrameNumber←frameNumber−frameOffset
nextFrameNumber←frameNumber+frameOffset
prevFrameNumberが妥当なフレームを示す場合;
目下のフレームと以前のフレームを比較する
nextFrameNumberが妥当なフレームを示す場合;
目下のフレームと次のフレームを比較する
ステップ540では、VTLAによって各フレームごとに1組の候補画素が特定される。1組の候補画素内で特定される候補画素の数は、例えば100個の候補画素など所定の数としている。この候補画素は、フレーム内において大きなモーションに対応する箇所を取り込むためにフレーム差が極めて大きい画素を検討することによって特定される。例えば候補画素は、curr_prev_FrameDiff及びnext_curr_FrameDiffを検討して特定される。さらにVTLAは、関心領域(ROI)などの拘束を用いて1組の候補画素を切り詰めかつ精細化する。
【0029】
ステップ550においてVTLAは、1組の候補画素をM個のクラスター(ここで、MはVTLAが位置特定している弁先端の数)にするように集団化している。1組の候補画素を集団化するには、周知の任意の集団化方式(例えば、k平均集団化(k−means clustering))を用いることがある。引き続きステップ560では、VTLAによってクラスター中心が計算される。このクラスター中心は、当技術分野で一般に知られる技法を用いて計算される(例えば、クラスター中心は1組の候補画素の中間に基づいて計算されることがある)。クラスター中心は僧帽弁先端の箇所を示している。ステップ570ではVTLAは、時間的平滑化を用いることによって僧帽弁先端の平滑化済み箇所を計算する。僧帽弁先端の代表的箇所は、以前のフレームからの僧帽弁先端の代表的箇所の平均を計算することによって精細化させている。
【0030】
図5bは、本技法の一実施形態による単一弁先端位置特定のための方法を表した流れ図である。方法200と同様に方法220bは、超音波画像シーケンスが収集されるステップ510で開始される。ステップ510で収集される画像シーケンスは例えば、Bモードによる胸骨傍長軸(PLAX)像画像である。Bモードでは高フレーム速度機能を有しており最も広い視野域と高い画像分解能が得られるため、PLAX像画像が収集される。さらにPLAX像によれば僧帽弁の良好な描出が得られる。
【0031】
ステップ520では画像シーケンスからの生データが処理のためにVTLAに送られ、またステップ530ではVTLAによって目下のフレームに関するモーションマップが計算される。さらにステップ535においてVTLAは、収集した超音波画像のシーケンス内で各フレームごとにモーションマップを計算する。ステップ540ではVTLAは、各フレームごとに1組の候補画素を特定する。
【0032】
ステップ555において方法220bは方法220と異なる。方法220bは単一弁の位置特定向けに簡略化してあるため、方法200のステップ550での集団化はステップ555における単純な中間の計算で近似される。ステップ555では、候補画素の中間の箇所が計算される。引き続きステップ570においてVTLAは、時間的平滑化を用いることによって僧帽弁先端の平滑化済み箇所を計算する。方法220bは、心臓のPLAX像超音波画像内での単一弁の位置特定用に簡略化しているためVTLAによる高速でリアルタイムの実現形態が可能となる。
【0033】
図6aは、一実施形態による目下の心臓のPLAX像超音波画像と以前の心臓のPLAX像超音波画像の間のフレーム差600を表した図である。図示した実施形態ではフレーム差600が目下のPLAX像超音波画像と直前の心臓のPLAX像超音波画像の間の差であるが、目下のPLAX像超音波画像と後続のPLAX像超音波画像の間のフレーム差をフレーム差の取得のために使用することもある。このフレーム差は、目下のフレームに関するモーションマップの計算(例えば、図5a及び図5bのステップ530の計算)のためにVTLAによって使用される。
【0034】
図6bは、別の実施形態による1組の候補画素を表した心臓のPLAX像超音波画像である。図示した実施形態の心臓のPLAX像超音波画像は、目下のフレーム610を示しており、また例えば図5bに示した方法220bのステップ540においてVTLAによって特定されかつ切り詰めされた1組の候補画素615を示している。
【0035】
図6cは、一実施形態による2つの弁先端に関する2つのクラスターを表した心臓の4CH像超音波画像である。図示した実施形態の心臓の4CH像超音波画像は目下のフレーム620を示しており、1組の候補画素を例えば図5aに示した方法220のステップ550においてVTLAによって位置特定された2つの弁先端に関する2つのクラスター622及び624に集団化して示している。
【0036】
図6dは、一実施形態に従って位置特定された2つの弁先端を表した心臓の4CH像超音波画像である。図示した実施形態の心臓の4CH像超音波画像は目下のフレーム620を示しており、また例えば図5aに示した方法220のステップ222においてVTLAによって位置特定された2つの弁先端630及び640を示している。この2つの弁先端630及び640は、例えば図5aに示した方法220のステップ560においてクラスター622と624のそれぞれに関してクラスター中心を計算することによって位置特定されている。
【0037】
図6eは、一実施形態に従って位置特定された僧帽弁先端を表した心臓のPLAX像超音波画像である。図示した実施形態の心臓のPLAX像超音波画像は目下のフレーム610を示しており、また例えば図5bの方法220bのステップ222においてVTLAによって位置特定済みの僧帽弁先端625を示している。僧帽弁先端625は、例えば図5bに示した方法220bのステップ555において候補画素(例えば、図6bの候補画素615と同様の画素)に関する中間の箇所を計算することによって位置特定されている。
【0038】
図7は、一実施形態による心室間隔壁厚を計測するための方法700を表した流れ図である。方法700は、IVSTアルゴリズム処理を詳細に表したものである。方法700は、IVSTアルゴリズムが心室間隔壁骨格または心室間隔壁の中央軸を算定するステップ710で開始される。心室間隔壁骨格の算定のためには標準的な骨格指定アルゴリズムのいずれを利用することもできる。しかし標準的な骨格指定アルゴリズムは隔壁境界が平滑でないために複数の枝(branch)に悩まされることになる。IVSTアルゴリズムでは標準的な骨格指定アルゴリズムに追加して切り詰めステップ(ステップ720)を利用し、骨格のうちの最長の枝のみを保持している。この切り詰めステップによって複数の枝が排除される。
【0039】
ステップ730においてIVSTアルゴリズムは、中央軸を複数の領域に分割する。この複数の領域は任意の数nを成す(例えば、n=10とする)ことがある。引き続きステップ740においてIVSTアルゴリズムは、これらn個の領域の各々内に直線回帰を用いてラインセグメントを当てはめする。ステップ750では、中央軸のn個の領域に対してn個のラインセグメントが当てはめられる。これらのラインセグメントの各々は次式のように規定される。
【0040】
y=Xβ+ε、
上式において、Xは計画行列、βはパラメータベクトル、yは観測行列、またεは最小2乗当てはめ誤差である。最小2乗のラインパラメータは次式で与えられる。
【0041】
β=(XTX)-1T
ステップ760ではIVSTアルゴリズムによって、n個のラインセグメントの各々までの距離が最短である位置特定された僧帽弁先端(例えば、図6cの僧帽弁先端620)を通過する投影線が特定される。これらの投影線の各々は、距離を最短としたためにそれぞれのラインセグメントと直交する。引き続きステップ770において、投影線の中からn個のラインセグメントと僧帽弁の間が最小のものを計測線として選択する。IVSTアルゴリズムは計測線の選択のために次の計算を使用する。
【0042】
iを投影線とそれぞれのラインセグメントとの交点とし、psを投影線の始点とし、peを投影線の終点とし、pmを投影線が僧帽弁を通過する点とし、かつtをpiからpsまでの距離としてみる。点pmの線
【0043】
【数3】

との交差箇所piは、以下の関数を用いて算定される。
【0044】
【数4】

上式において、tは[0,1]の間にある。
【0045】
i=ps+t*(pe−ps
これらの処理式を用いると、点piと点pmの間のユークリッド距離が算定される。この計算は、心室間隔壁領域のすべてのラインセグメントについて反復されており、piとpsの間の距離が最短の投影線が計測線として選択される。
【0046】
ステップ780では、心室間隔壁マスクと計測線間の2つの交点が決定される。近位隔壁境界(例えば、図4の近位隔壁境界410と同様のもの)と計測線との間の交点を本明細書では点1で示すことにする。遠位隔壁境界(例えば図4の遠位隔壁境界420と同様のもの)と計測線との間の交点を本明細書では点2で示すことにする。ステップ790では、IVSTアルゴリズムはIVSdの厚さを点1と点2の間の距離として算定する。
【0047】
図8aは、本開示の一実施形態による心室間隔壁の骨格指定を表した心室間隔壁の部分超音波画像800である。図示した実施形態では超音波画像800は、IVSTアルゴリズムによって(例えば、図7を参照した方法700のステップ710において)算定した心室間隔壁の中央軸810を表している。
【0048】
図8bは、本発明の一実施形態による心室間隔壁の切り詰めした中央軸を表した心室間隔壁の部分超音波画像800である。図示した実施形態では超音波画像800はIVSTアルゴリズムによって(例えば、図7を参照した方法700のステップ720において)切り詰めされた心室間隔壁の中央軸810を表している。
【0049】
図8cは、一実施形態による中央軸810のそれぞれの領域822に対して当てはめたn個のラインセグメント812のうちの1つを表している心室間隔壁の部分超音波画像800である。図示した実施形態では超音波画像800は、(例えば、図7を参照した方法700のステップ750において)中央軸の領域822に対して当てはめられたラインセグメント812を表している。一例では、中央軸内の僧帽弁先端を通過する各点と直交する最短の投影線を見出すことになるが、こうした計算は中央軸内には多数の点が存在するため極めてメモリ集約的となる。自動化を可能にするようにIVSd厚の計測方法の計算を扱いやすくするために、IVSTアルゴリズムは中央軸をn個の領域に分割し、このn個の中央軸領域で当てはめをするラインセグメントと直交する投影線を計算するという方式を使用している。
【0050】
図8dは、本開示の一実施形態によるIVSdの厚さを自動計測する方法を表した心臓のPLAX像超音波画像800である。図示した実施形態ではIVSdの厚さを自動計測する方法は、点1(850)と点2(840)の間の距離を算定するステップを含む。計測線870は、pm860の位置で僧帽弁先端を通過しかつpi845において中央軸410と直交するように図示している。中央軸810はn個のラインセグメント812を含む。IVSTアルゴリズムは例えば図7を参照した方法700のステップ790において心室間隔壁の厚さを点1(850)と点2(840)の間の距離として算定する。
【0051】
本明細書で検討している様々な実施形態(あるいは、その等価形態)は幾つかの利点を提供することができる。例えばIVSdの厚さの計測を自動化することによって観測者間や同一観測者内のバラツキの問題が排除される。本明細書で検討している様々な実施形態は、IVSdの厚さ計測で必要となる解剖構造、僧帽弁と心室間隔壁の両者に対する全自動のリアルタイム追跡を提供できるという技術的効果を有する。さらに、VTLAを用いてフレーム差分計算方式に基づいて僧帽弁先端を位置特定することによって実行時間が短くなる。フレーム差分計算方式によれば、従来の位置特定アルゴリズムに関する初期化や形状モデル化の制限が排除される。VTLAによればBモード画像シーケンスにおいて僧帽弁先端を自動的に位置特定するためのロバストな解決法が提供される。これらの理由のため、本明細書で検討している実施形態によって、再現性及び時間の節約という恩恵をもたらすようなIVSdの自動厚さ計測が実現される。
【0052】
本明細書で使用している技術用語や科学用語は、特に別の規定を述べていない場合、本発明の属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用する場合「第1の」、「第2の」その他の用語は、順序、数量または重要性を示すものではなく、むしろある要素を別の要素と区別するために使用したものである。さらに「a」や「an」の語も数量の制限を示すものではなくむしろ対象の項目が少なくとも1つ存在することを示したものであると共に、「前部」、「後部」、「底部」及び/または「上部」という用語は(特に、別の指摘がない場合)単に記述の便宜上使用したものであり、ある任意の位置や空間的向きを限定するものではない。範囲を開示している場合に、同じ構成要素や特性を目的としたすべての範囲に関する端点は包含的(inclusive)でありかつ独立に組み合わせ可能である(例えば、「約25wt.%まであるいはより具体的に約5wt.%〜約20wt.%」という範囲はその端点並びに「約5wt.%〜約25wt.%」の範囲の中間にあるすべての値を包含している、等々である)。数量に関連して用いる「約」という修飾語は述べられた値を包含すると共に、そのコンテキストにより指示される意味を有する(例えば、当該数量の計測に関連する誤差の程度を含む)。
【0053】
本発明のある種の特徴についてのみ本明細書において図示し説明してきたが、当業者によって多くの修正及び変更がなされるであろう。したがって添付の特許請求の範囲が、本発明の真の精神の範囲に属するこうした修正や変更のすべてを包含させるように意図したものであることを理解されたい。
【符号の説明】
【0054】
100 超音波装置
110 トランスジューサアレイ
120 送信/受信ASIC
130 映像メモリ
132 LCDディスプレイ
140 処理用ASIC
142 走査変換モジュール
144 ディジタル信号処理ユニット
146 制御器
148 中央プロセッサ
150 メモリデバイス
160 プログラムメモリ
170 PCMCIAインタフェース
180 ユーザ制御
190 電源
200 IVSdの厚さを自動計測するための方法
210 隔壁切り出しのための方法
212 隔壁マスク
220 弁先端を位置特定するための方法
220b 単一弁先端を位置特定するための方法
222 僧帽弁先端
230 心室間隔壁マスク厚アルゴリズム
234 心室間隔壁の厚さ
400 心室間隔壁のPLAX像超音波画像
410 近位隔壁境界
420 遠位隔壁境界
430 領域2
440 領域1
450 領域3
460 近位隔壁境界の先行反復セグメント
470 近位隔壁境界の後行反復セグメント
480 遠位隔壁境界の先行反復セグメント
490 遠位隔壁境界の後行反復セグメント
600 目下のフレームと以前のフレームの間のフレーム差
610 目下のフレームのPLAX像超音波画像
615 フレーム610の候補画素組
620 目下のフレームを表した心臓の4CH像超音波画像
622 フレーム620の候補画素組
624 フレーム620の候補画素組
630 候補画素組622の弁先端
640 候補画素組624の弁先端
625 僧帽弁先端
700 IVSdの厚さを計測する方法
800 心室間隔壁の部分超音波画像
810 心室間隔壁の中央軸
812 n個のラインセグメント
822 中央軸領域
840 点2
845 pi
850 点1
860 pm
870 計測線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心室間隔壁厚を自動計測するための方法(200)であって、
心臓の一連の超音波画像を収集するステップと、
前記一連の超音波画像に対して隔壁切り出しアルゴリズム(210)を適用することによって隔壁マスク(212)を収集するステップと、
弁先端位置特定アルゴリズム(220)を用いて僧房弁先端(222)を位置特定するステップと、
隔壁マスク(212)及び位置特定済みの僧帽弁先端(222)を入力として使用する心室間隔壁厚アルゴリズム(230)を用いて心室間隔壁の厚さ(234)を算定するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記心室間隔壁厚アルゴリズム(230)は、
心室間隔壁の中央軸(810)と直交しかつ僧帽弁の先端(222)を通過する計測線(870)を特定すること、
前記計測線(870)と心室間隔壁の近位境界(410)の交点である計測線上の第1の点(850)と計測線(870)と心室間隔壁の遠位境界(420)の交点である計測線(870)上の第2の点(840)との間の距離を算定すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記隔壁切り出しアルゴリズム(210)はエネルギー最小化に基づくと共に、エネルギーはさらに局所領域強度統計値及び隔壁形状拘束を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記隔壁形状拘束は平滑度及び幅の拘束を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記弁先端位置特定アルゴリズム(220、220b)は、
超音波画像シーケンスの目下のフレーム(610、620)のモーションマップを計算すること、
前記モーションマップを含んだ所定の数の候補画素からなる1組の候補画素(615)を特定することであって、該候補画素の各々は目下のフレーム内のモーションが大きい箇所に対応する候補画素(615)の特定、
前記候補画素組(615)に関して僧帽弁先端(625)を示す中間の箇所を計算すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
収集される前記心臓の超音波画像は胸骨傍長軸像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
内部解剖構造の少なくとも1つの弁先端(630、640、625)を位置特定する方法であって、
内部解剖構造の一連の超音波画像を収集するステップと、
超音波画像シーケンスの目下のフレーム(620、610)のモーションマップを計算するステップと、
前記モーションマップを含んだ所定の数の候補画素からなる1組の候補画素(622、624、615)を特定するステップであって、該候補画素の各々は目下のフレーム(620、610)内のモーションが大きい箇所に対応する候補画素特定ステップと、
前記少なくとも1組の候補画素(622、624、615)を1つのクラスターにするように集団化するステップと、
少なくとも1つの弁先端(630、640、625)を示す前記クラスターの中心を計算するステップと、
を含む方法。
【請求項8】
収集される前記内部解剖構造の超音波画像は内部解剖構造の弁の描出が可能な像を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
心室間隔壁厚を自動計測するための超音波装置(100)であって、
心臓の一連の超音波画像を収集するようにそれを駆動する送信/受信プロセッサ(120)に結合させたトランスジューサアレイ(110)と、
該超音波装置(100)の機能を制御しかつ同期させている送信/受信プロセッサ(120)に結合させた、走査変換モジュール(142)、ディジタル信号処理ユニット(144)、制御器(146)及び中央プロセッサ(148)を備えた処理セクションと、
前記処理セクションが使用するデータを保存するために該処理セクションに結合させたメモリデバイス(150)と、
処理セクションに結合させた、制御器(146)が使用するソフトウェアルーチンを保存するプログラムメモリ(160)と、を備えており、
前記制御器(146)は該超音波装置(100)の処理及び制御機能を制御しかつ同期するために、中央プロセッサ(148)、ディジタル信号処理ユニット(144)及び制御器(146)に結合されていること、
前記中央プロセッサ(148)は一連の超音波画像に対して隔壁切り出しアルゴリズム(210)を適用することによって隔壁マスク(212)を収集するように構成されており、該プロセッサは弁先端位置特定アルゴリズム(220、220b)を用いて僧帽弁先端(625)を位置特定するように構成されており、かつ該中央プロセッサ(148)はさらに、隔壁マスク(212)及び位置特定済みの僧帽弁先端(625)を入力として使用する心室間隔壁厚アルゴリズム(230)を用いて心室間隔壁の厚さを算定するように構成されていること、
を特徴とする超音波装置(100)。
【請求項10】
前記超音波撮像装置(100)がハンドへルド型デバイスとして構成されている請求項9に記載の超音波装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図4c】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図6c】
image rotate

【図6d】
image rotate

【図6e】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8a】
image rotate

【図8b】
image rotate

【図8c】
image rotate

【図8d】
image rotate


【公開番号】特開2012−11196(P2012−11196A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−142404(P2011−142404)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】