説明

心臓かん流造影のためのルビジウムジェネレータならびにその構成および維持する方法

82Sr/82Rbジェネレータカラムは、容器を流体密封状態で閉じるためのカバーを有し、容器内に流体を送達するための導管の接続用の注入口と、容器から流体を伝導するための導管の接続用の排出口とをさらに有する、流体不浸透性円筒容器を使用して作られる。イオン交換材料は該容器を満たし、イオン交換材料が1平方インチにつき1.5ポンドの流体圧力(10kPa)で少なくとも5ml/分の速度で溶出することを可能にする密度まで容器内に圧縮される。ジェネレータカラムは、82Srを繰り返し再充填することが可能である。ジェネレータカラムは、3次元または2次元いずれかのポジトロン放出断層撮影システムと適合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に核医学に関し、具体的には、心臓かん流造影用のルビジウムジェネレータおよび同上を構成し維持する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
当該分野で周知のように、82Rbは、非侵襲的方法での心筋かん流(血流)の測定用のポジトロン放出断層撮影(PET)トレーサとして使用される。
【0003】
PET技術における近年の改善は、3次元ポジトロン放出断層撮影(3D PET)を導入している。3D PET技術は、冠動脈疾患の疑いがある患者においてより効率的な診断および予後を可能にするが、3D PETは、評価されている患者への82Rb活性の送達の非常に正確な制御を必要とする。
【0004】
当該分野でよく理解されているように、心筋かん流造影用の82Rbは、PET造影中に患者の体内に注入される82Rb溶出液([82Rb]塩化ルビジウム注入)を生成するために、無菌食塩水(0.9%塩化ナトリウム注入)を使用して溶出される、ストロンチウム・ルビジウム(82Sr/82Rb)ジェネレータを使用して生成される。3D PETの上記の感度のため、実際に達成可能な限り患者の心臓から遠くに、82Rb溶出を患者へ送達することが望ましい。このことは、82Rb溶出注入部位として、例えば患者の手の小静脈を使用することによって、最適に達成される。しかしながら、低圧での低流速の溶出、および精密流量制御が必要となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、低圧溶出を可能にし、患者溶出注入の精密流量制御を容易にする82Rbジェネレータの必要性が存在する。
【0006】
したがって、本発明の目的は、低圧溶出を可能にし、患者溶出の精密流量制御を容易にするルビジウムジェネレータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、82Rbではなく82Srと強結合するイオン交換材料でジェネレータカラムを満たし、流体溶液が、1平方インチにつき1.5ポンドの流体圧力(10kPa)で少なくとも5ml/分の速度で、ジェネレータカラムにポンプで通されることを可能にする密度まで、イオン交換材料を圧縮するステップと、イオン交換材料を調整するステップと、ジェネレータカラムに82Srの溶液を装填するステップとを包含する、低圧溶出用の82Sr/82Rbジェネレータカラムを調製する方法を提供する。
【0008】
容器を流体密封状態で閉じるためのカバーを有し、容器内に流体を送達するための導管の接続用の注入口と、容器から前記流体を伝導するための導管の接続用の排出口とをさらに有する、流体不浸透性円筒容器と、容器を満たすイオン交換材料であって、イオン交換材料が1平方インチにつき1.5ポンドの流体圧力(10kPa)で少なくとも5ml/分の速度で溶出することを可能にする密度まで、容器内に圧縮されるイオン交換材料とを備える、82Sr/82Rbジェネレータカラムをさらに提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面と組み合わせて得られる、次のような詳細な説明から明白となるであろう。
【0010】
添付図面の全体を通して、類似特徴は類似参照数字によって識別されることが留意されるであろう。
【0011】
本発明は、ポジトロン放出断層撮影心臓かん流造影において使用するための82Sr/82Rbジェネレータカラムを提供する。本発明に従って、ジェネレータカラムは、82Rbではなく82Srと強結合するイオン交換材料で満たされる。イオン交換材料は、流体溶液が、1平方インチにつき1.5ポンドの流体圧力(10kPa)で少なくとも5ml/分の速度で、ジェネレータカラムにポンプで通されることを可能にする密度まで、容器内に圧縮される。ジェネレータカラムは、イオン交換材料で一杯になった後、過剰ナトリウム陽イオン源で調整されて、82Srの溶液が装填される。本発明に従ったジェネレータカラムは、蠕動性ポンプを使用して低圧注入を可能にし、患者溶出の精密流量制御を容易にする。有利なことには、本発明に従ったジェネレータカラムは、82Srを複数回補充することも可能である。これには明確な利点がある。第1に、前回の装填からカラム内に残っている残留82Srが無駄にならない。第2に、ジェネレータカラムを構築および調整する費用が複数の82Sr装填に分配されるため、心臓かん流造影のために82Rbを使用する全体的な費用が削減される。
【0012】
図1は、本発明に従った方法を使用した、82Rbジェネレータカラム10の充填を図示する。当技術分野で周知のように、ジェネレータカラム10は、市販のステンレス鋼ハードウェア部品で構成される。図1に示される実施形態では、ナットおよびフェルール12、14を有する一対のSWAGELOK(登録商標)還元アダプタが、イオン交換材料18で一杯になっているステンレス管16の対向する端に接続されている。本発明の一実施形態では、イオン交換材料18は、NHOH/NHCl緩衝液(pH10)で湿らせたα−水和二酸化スズ(SnO.xHO、式中、xは1〜2に等しい)である。
【0013】
25ミクロンフィルタ24は、円筒16の底を、その排出口端において閉じる。同様に、円筒16がイオン交換材料18で一杯になった後に、25ミクロンフィルタ22は、円筒16の注入口端を閉じる。
【0014】
本発明の特徴は、イオン交換材料が密集するため高圧溶出が必要とされる従来技術のジェネレータカラムと異なり、流体溶液が1平方インチにつき1.5ポンドの流体圧力(10kPa)で少なくとも5ml/分の速度で、ジェネレータカラムにポンプで通されることを可能にする密度までしか、イオン交換材料18が容器内に圧縮されないことである。図1に示されるように、イオン交換材料18の必要充填を達成する簡単かつ実用的な方法は、約0.1ジュールを出す、実験レンチなどの器具26でジェネレータカラム10の側面を繰り返し衝打することである。経験により、50から100回の間の衝打が、イオン交換材料18の必要密度を達成するために必要とされることが示されている。
【0015】
ジェネレータカラム10の充填が完了した後、イオン交換材料18を円筒16内に導入するために使用されたじょうご20を取り除き、イオン交換材料を円筒16の最上部と同じ高さにする。ジェネレータカラム10内に充填されたイオン交換材料は、充填状態で3g/cmまでの密度を有する。そしてフィルタ22を円筒16の最上部に配置し、SWAGELOKアダプタ、ナット、およびフェルール12を、当技術分野で周知の方法で円筒の最上部に固定する。当業者によって理解されるように、本発明に従ったジェネレータカラム10は、無菌部品を使用して無菌条件下で構成され、組み立て後に漏れについて圧力試験をすることができる。
【0016】
図2は、遮蔽体40内に吊るされたジェネレータカラム10の断面図である。遮蔽体40は、ステンレス鋼シェル44に任意に入れられる、鉛、タングステン、または劣化ウランなどの、高密度遮蔽物質42でできている。遮蔽体42は、それを通って注入口ライン34および排出口ライン36が延在する開口を有する遮蔽蓋50を含む。注入口ライン34は、ジェネレータカラム10の注入口端30に接続される。排出口ライン36は、ジェネレータカラム10の排出口端32に接続される。注入口および排出口ラインは、Luer付属品56および58を使用して、外部管ライン60および62に接続される。遮蔽蓋50は同様に、ステンレス鋼シェル54に入れられる、鉛、タングステン、または劣化ウランなどの、遮蔽物質52で構成される。
【0017】
ジェネレータカラム10がイオン交換材料18で一杯になった後、図1を参照して上記に説明されるように、患者溶出が開始可能となる前に、ジェネレータカラム10に82Srを装填しなければならない。図2に概略的に図示されるように、一実施形態では、シリンジポンプ80を使用し、注入口管60を通して供給70からジェネレータカラム10へ82Srを送達する。82Srは、ジェネレータカラム10内でイオン交換材料18によって結合される。廃液は、当技術分野で周知の方法で、排出口管36および排出口ライン62を通して、遮蔽された廃棄物容器90へと排出される。
【0018】
図3は、心臓かん流造影用の82Rb源として日常的に使用するために構成された、ジェネレータカラム10の概略図である。無菌食塩水100の供給源は、食塩水供給管104に接続される。無菌食塩水100は、ポンプ102によって、食塩水供給管104に通される。本発明の一実施形態では、ポンプ102は蠕動性ポンプである。代替的実施形態に従って、ポンプ102は図2に示されるシリンジポンプ80である。
【0019】
当業者によって理解されるように、ポンプ102は、制御された弁108に接続された注出口管106を介して82Rb溶出液を提供するために注入口管104を介してジェネレータカラム10にポンプで通される無菌食塩水100の流速および量を調節する、制御アルゴリズムによって制御される。弁108は、較正溶出または患者溶出110用に、または遮蔽された廃棄物容器90へ、送達ライン112を通して溶出液を方向づける。当業者によってさらに理解されるように、図3に示されるシステムの制御は複雑であり、溶出制御は本発明の対象ではないため、流体の経路および制御機構の全てが描かれているわけではない。
【0020】
図4は、本発明に従ったジェネレータカラム10を構成する際の原則的なステップを解説するフローチャートである。過程は、図1を参照して上記に説明されるように、イオン交換材料を調製し、ジェネレータカラムを充填することによって始まる(ステップ200)。そしてジェネレータカラムは、イオン交換材料18をナトリウム陽イオンで飽和することによって調整される。一実施例では、このことは、0.5ml/分の流速で120mlの2M NaClをカラムに通過させ、続いて12時間の期間待機することによって、達成される。そして500mlの無菌食塩水を、10ml/分の流速でカラムに通過させる。カラムを通過させた最初の無菌食塩水のpHを検査することによって、非破壊pH検査を行う(ステップ202)。この非破壊pH検査は、ジェネレータカラム10の寿命を延長する。
【0021】
ジェネレータカラム10のpHがアルカリ性ではないことが決定された場合(ステップ204)、ジェネレータカラム10は欠陥品であり、処分される(ステップ224)。食塩水がステップ204でアルカリ性と決定されると、図3を参照して上記で簡潔に説明される機器を使用して、当技術分野で周知の方法で、ジェネレータカラムに82Srを装填する(ステップ206)。82Srをジェネレータカラム10に装填した後、ジェネレータカラム10は1.0Lの無菌食塩水で洗浄して、二酸化スズの痕跡およびあらゆる放射性核不純物を除去する。そしてジェネレータカラムは無菌食塩水で溶出し、溶出液は、微量金属、無菌、放射性核純度、ピロゲン、およびpHについて検査する(ステップ208)。これらの試験の全てに合格した場合(ステップ210)、ジェネレータカラム10は使える状態である(ステップ212)。試験のいずれか1つが不合格だった場合、82Srはジェネレータカラム10から任意に回復され(ステップ222)、ジェネレータカラム10は処分される(ステップ224)。
【0022】
ジェネレータの使用中、図5を参照して詳細に説明されるように、患者の安全および品質管理の目的で、日常検査が行われる。全ての日常試験に合格する限り、ジェネレータカラムは患者溶出に継続して使用することが可能である。当業者によって理解されるように、日常試験の1つは、82Rb産出量の尺度である。ステップ214で日常試験の1つが不合格だったと決定された場合、ジェネレータカラム10の補充が許可されるかどうかがさらに決定される(ステップ216)。不十分な82Rb産出量のみによって日常試験が不合格であった場合は、補充が許可される。その他なんらかの理由で日常試験が不合格であった場合、ジェネレータカラム10をさらに使用することはできず、上記のように、ジェネレータカラム10が処分される(ステップ224)の前に、82Srは任意に回復される(ステップ222)。82Srの補充が許可された場合、ステップ218では、ジェネレータカラム10の82Srの補充の数が所定の補充制限を越えたかどうかが決定される。本発明に従ったジェネレータカラムは、有意な82Sr漏出が発生する前に少なくとも3回、82Srを装填することが可能である。ステップ218で補充制限に達したと決定された場合、特定の権限は、ジェネレータカラムを洗浄し、溶出液を微量金属、無菌、放射性核純度、ピロゲン、およびpHについて検査することを要求する。ステップ218で補充制限に達していないと決定された場合、過程はステップ206に再び分岐し、ジェネレータカラムに82Srを補充し、ステップ208〜218が繰り返される。
【0023】
図5は、本発明に従ったジェネレータカラム10の日常的な使用に関与する原則的なステップを解説するフローチャートである。ジェネレータカラム10の毎日の使用前に、ジェネレータカラム10から廃棄物容器90内へのあらゆるストロンチウム漏出を取り除くために、ジェネレータカラム10を50mlの無菌食塩水で洗浄する(ステップ300)。そして操作者は、較正溶出を行う(ステップ304)前に、所定の期間待機する(ステップ302)。当業者によってよく理解されるように、安定条件下で、ジェネレータカラムは、約10分後に達成される82Sr/82Rb平衡を維持する。その結果として、較正溶出が行われる前の所定の待機は、少なくとも10分である。必要待機後、ジェネレータカラムは、約15ml/分の一定流速において、約15mlの無菌食塩水で溶出される。較正溶出液は、82Rb産出量および82Sr漏出について検査される(ステップ306)。ステップ308では、82Rb産出量が所定の放射能制限を超過しているかどうかが決定される。当業者によって理解されるように、82Rbの半減期は非常に短い(つまり76秒)。その結果として、一実施形態では、82Rb産出量は、当技術分野で周知の方法で、溶出中にポジトロンカウンタを使用して測定される。
【0024】
ステップ310では、82Sr、85Sr漏出が所定の漏出制限未満であるかどうかが決定される。同様に当業者によって理解されるように、全ての権限は、82Sr、85Sr漏出の許容レベルに対する閾値を定義する。当業者によってさらに理解されるように、ストロンチウム漏出は、残留82Rbの量が有意であり、試験結果をゆがめない時点である、約20分が経過した後、溶出の放射能を検査することによって容易に決定される。
【0025】
日常的な使用の開始前に、ジェネレータカラム10を通して洗浄および溶出された全ての流体の累積量をコンピュータで計算する。本発明に従ったジェネレータカラム10は、繰り返し82Srが補充されるため、各ジェネレータカラムは、一実施形態では通し番号である、一意の識別子によって識別される。ジェネレータカラム10のユーザに、ジェネレータカラム10を補充するための設備がない場合は、ユーザは、その使用中に、カラムを通して洗浄および溶出された流体の累計とともに、ジェネレータカラム10を製造業者に返却しなければならない。同様に、補充されたカラムがユーザに供給される時に、全ての以前の補充および使用中にカラムを洗浄および溶出するために使用された流体の累積量がユーザに提供される。ジェネレータカラム10の洗浄および溶出中に使用される流体の量を制御するために使用される制御ソフトウェアは、累積量を容認し、それを保存する。そして制御ソフトウェアは、ジェネレータカラム10のその後の各洗浄または溶出後に、累積量をコンピュータで計算する。その計算された累積量は、所定量制限と比較される(ステップ312)。本発明の一実施形態に従って、経験的データは、有意な82Sr漏出が経験される前に、10から30リットルの食塩水100をジェネレータカラム10にポンプで通すことが可能であると示しているため、量制限は10から30リットルの間で設定することができる。
【0026】
試験308〜312のそれぞれの合格に成功した場合、患者溶出(ステップ314)は、当技術分野で周知の方法で行うことができる。各溶出後、約5から10分といった所定の期間待機し(ステップ316)、82Rbを再生させることが必要である。各溶出後、累積量に、患者溶出中にジェネレータカラム10にポンプで通した流体の量を足すことによって、累積量を再計算する。そして、制御システムの日付が変わったか、つまり新しい1日が始まったかどうかが決定される(ステップ318)。そうでない場合、累積量は所定量制限と比較される。量制限を越えた場合、ジェネレータカラムは処分される(ステップ324)。
【0027】
ステップ318で制御システムの日付が変わったと決定された場合、ジェネレータカラム10は、上記のように、洗浄してステップ300〜312ごとに再検査しなければならない。これらの試験が、82Rb産出量が所定制限未満であると決定した場合(ステップ308)、ステップ320では補充制限を越えたかどうかが決定され、そうでない場合は、ジェネレータカラム10は補充および使用前検査のために戻される(ステップ322)。そうでなければ、ジェネレータカラムは処分される(ステップ324)。試験308〜312のいずれかが不合格であった場合、ジェネレータカラム10は、ジェネレータカラム10を補充することが可能であるかどうかを決定し(ステップ320)、補充できない場合はジェネレータカラム10を処分する(ステップ324)、製造業者に返却することができることに、注目すべきである。
【0028】
本発明に従ったジェネレータカラム10は、心臓かん流造影の費用を削減する一方で、精密に流量制御することが可能である、低圧で低流速の溶出を可能にすることによって、3D PET造影システムとの適合性を確実にする。調査は、上記の手順および制限に従って使用すると、本発明に従ったジェネレータカラム10は少なくとも6ヶ月の期間、無菌でピロゲンを含まないままであることを、決定的に確立している。
【0029】
本発明は、3D PET造影システムを参照して説明したが、ジェネレータカラム10は、2D PET造影システムと平等に適合し、低費用、精密な流量制御、低圧および低流溶出、および長い耐用年数という同じ利点を提供することが、理解されるべきである。
【0030】
上記の本発明の実施形態は、模範的となることのみを目的としている。したがって、本発明の範囲は、添付の請求項の範囲によってのみ制限されることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明に従ったジェネレータカラムの充填を図示する概略図である。
【図2】図2は、遮蔽体内に吊るされ、82Srが装填されている、図1に示されるジェネレータカラムの概略図である。
【図3】図3は、較正および患者溶出のために構成された、図1に示されるジェネレータカラムの概略図である。
【図4】図4は、図1〜3に示されるジェネレータカラムを作製するための、本発明に従った方法を解説するフローチャートである。
【図5】図5は、図3に示されるジェネレータカラムの使用における、原則的なステップを解説するフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
82Rbではなく82Srと強結合するイオン交換材料でジェネレータカラムを満たし、少なくとも5ml/分の流体溶液が、1平方インチにつき1.5ポンドの流体圧力(10kPa)で該ジェネレータカラムにポンプを介して送られることが可能な密度まで、該イオン交換材料を圧縮するステップと、
該イオン交換材料を調整するステップと
該ジェネレータカラムに82Srの溶液を装填するステップと、
を包含する、低圧溶出用の82Sr/82Rbジェネレータカラムを作成する方法。
【請求項2】
前記イオン交換材料を圧縮するステップは、3g/cm以下の密度に該イオン交換材料を圧縮するステップを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イオン交換材料を圧縮するステップは、制御された力で前記ジェネレータカラムを繰り返し衝打するステップを包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ジェネレータカラムを繰り返し衝打するステップは、約0.1ジュールを該ジェネレータカラムに移動する制御された力を繰り返し送達するステップを包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記イオン交換材料を圧縮するために、50〜100回の間で前記ジェネレータカラムを繰り返し衝打して、前記制御された力を送達するステップをさらに包含する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記イオン交換材料を調整するステップは、該材料をナトリウムイオン源で溶出するステップと、次いで前記カラムを無菌食塩水で洗浄するステップを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ジェネレータカラムが前記ナトリウムイオン源で溶出された後に、前記無菌食塩水のpHを測定するステップをさらに包含する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ジェネレータカラムを所定量の無菌食塩水で溶出し、溶出液を検査して、該溶出液に微量金属がないかどうかを決定し、該溶出液に放射性核不純物がないかどうかを決定し、該溶出液のpHを測定し、該溶出液が無菌であるかどうかを決定し、該溶出液にピロゲンがないかどうかを決定するステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記食塩水による前記ジェネレータカラムの溶出が所定制限未満の82Rb活性を生じる程度までに82Srが減少した後、補充の総数が所定の放射能制限に達するまで、該ジェネレータカラムに82Srを補充するステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
一日ごとに前記ジェネレータカラムを所定量の無菌食塩水で洗浄して、あらゆる82Srまたは85Srの漏出を除くステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記洗浄するステップの後に所定の期間待機するステップと、一定の流速において所定量の無菌食塩水で前記ジェネレータカラムを溶出し、82Rb活性の較正溶出液を得るステップをさらに包含する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
活性較正のための溶出の間、前記較正溶出液の総82Rb活性を測定するステップをさらに包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
所定の期間が経過した後、前記較正溶出液の放射線活性レベルを測定して、前記試験溶出液中の82Srまたは85Srの濃度が、所定の漏出制限未満であるかどうかを決定するステップをさらに包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記較正溶出液を得た後、所定の期間待機し、無菌食塩水で前記ジェネレータカラムを溶出して82Rb活性の患者溶出液を得るステップと、
各洗浄または溶出後に、各ジェネレータカラムについて、前記ジェネレータを通して洗浄および溶出された無菌食塩水の累積量を計算し、該累積量が所定量制限を超えると、該ジェネレータカラムを処分するステップと
をさらに包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
容器を流体密封状態で閉じるためのカバーを有し、該容器内に流体を送達するための導管の接続用の注入口と、該容器から該流体を導くための導管の接続用の排出口とをさらに有する、流体不浸透性円筒容器と、
該容器を満たすイオン交換材料であって、該イオン交換材料が1平方インチにつき1.5ポンドの流体圧力(10kPa)で少なくとも5ml/分の速度で溶出することを可能にする密度まで該容器内に圧縮される、イオン交換材料と
を備える、82Sr/82Rbジェネレータカラム。
【請求項16】
前記イオン交換材料は、α−水和二酸化スズを備える、請求項15に記載の82Sr/82Rbジェネレータカラム。
【請求項17】
前記ジェネレータカラム内の前記α−水和二酸化スズの全体積は、約1.5cmである、請求項16に記載の82Sr/82Rbジェネレータカラム。
【請求項18】
前記α−水和二酸化スズは、約3g/cmの密度を有する、請求項17に記載の82Sr/82Rbジェネレータカラム。
【請求項19】
前記注入口および前記排出口のそれぞれにおいて、粒子フィルタをさらに備える、請求項15に記載の82Sr/82Rbジェネレータカラム。
【請求項20】
前記ジェネレータカラムを洗浄および溶出するための蠕動性ポンプまたはシリンジポンプをさらに備える、請求項15に記載の82Sr/82Rbジェネレータカラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−520953(P2009−520953A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546047(P2008−546047)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/CA2006/002043
【国際公開番号】WO2007/071022
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(508186820)オタワ ハート インスティテュート リサーチ コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】