説明

必要に応じて充填剤が添加されたポリウレタンからのプラスチック成形品およびそれらの使用

【課題】特性を改善し、ショット時間を長くすると同時に、一定の計測流量で、成形品を製造すること。
【解決手段】必要に応じて充填剤が添加されたポリウレタンを含んでなるプラスチック成形品であって、該ポリウレタンは、a)ポリイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートプレポリマー;b)b1)ポリオール成分と、b2)ポリ尿素含有ポリオール分散体およびb3)ポリイソシアネートのアルカノールアミンとの重付加生成物含有多分散体からなる群から選択される充填剤含有ポリオール成分とを含んでなるイソシアネート反応性成分;c)鎖延長剤および/または架橋剤;d)三量体化触媒;e)必要に応じてウレタン触媒;f)必要に応じて発泡触媒;g)必要に応じて安定化剤および/または補助物質;およびh)必要に応じて補強剤;の反応生成物を含んでなる、プラスチック成形品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い靭性、曲げ強度および熱安定性を示す、必要に応じて充填剤が添加されたポリウレタンから製造されたプラスチック成形品に関する。また、本発明は、これらのプラスチック成形品の製造方法、およびこれらからの大きな成形部品の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許4,299,924(特許文献1)は、高い熱安定性、高い靭性および高い曲げ強度を有するポリイソシアヌレート(PIR)プラスチックの製造方法を記載している。使用されるポリオール成分は、エチレン性不飽和モノマー(例えば、スチレン、アクリロニトリル等)によって変性されたポリマーポリオールからなる。ポリオールは、プラスチックを製造するため高過剰のイソシアネートまたは高インデックスで加工される。結果として、体積流量は、イソシアネート側でポリオール側よりも数倍大きくなる。これは、考慮すべき生産工学の問題を導く。
【特許文献1】米国特許4,299,924
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、特性、例えば、靭性、熱安定性および曲げ強度を改善し、ショット時間を長くすると同時に、一定の計測流量で、成形品、特に大きな成形品を製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的は、本発明のプラスチック成形品によって達成できる。
したがって、本発明は、必要に応じて充填剤が添加されたポリウレタンからのプラスチック成形品であって、該ポリウレタンは、
a) 少なくとも一つのポリイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートプレポリマー;
b)b1) 少なくとも一つの従来のポリオール成分と、
b2) 一以上のポリ尿素含有ポリオール分散体
および
b3) 一以上の、ポリイソシアネートのアルカノールアミンとの重付加生成物含有多分散体
からなる群から選択される少なくとも一つの充填剤含有ポリオール成分と
を含んでなるイソシアネート反応性成分;
c) 少なくとも一つの鎖延長剤および/または架橋剤;
d) 少なくとも一つの三量体化触媒;
e) 必要に応じて、一以上のウレタン触媒;
f) 必要に応じて、一以上の発泡触媒;
g) 必要に応じて、一以上の安定化剤および/または補助物質;
および
h) 必要に応じて、一以上の補強剤;
の反応生成物を含んでなる、プラスチック成形品を提供する。
【0005】
これらの処方物中に成分b2)および/またはb3)、特にPHD分散体b2)が存在することは、イソシアネートインデックスが低い場合でさえも、より長いゲル化時間、より高い熱安定性および高い曲げ強度をもたらす。
【0006】
特定のポリオール成分b2)またはb3)に基づく充填剤含量は、それぞれ、約2〜約40重量%、好適には約3〜約30重量%のPHDまたはPIPA充填剤の範囲にある。
【0007】
イソシアネートインデックスは、150と1000との間にある(イソシアネートインデックス:100が乗じられた、NCO反応性基に対するNCO基のモル比)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明にしたがってポリウレタン成形品の製造に成分a)として使用されるのに適当な出発材料としては、例えば、脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族およびヘテロ環式ポリイソシアネートが挙げられる。このようなポリイソシアネートとしては、例えば、W. Siefkenによって、Justus Liebigs Annalen der Chemie、562、75〜136頁中に記載されるもの、および、例えば、式:
Q(NCO)
〔式中、nは、2〜4、好適には2を表し、および
Qは、2〜18個の炭素原子、好適には6〜10個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基;4〜15個の炭素原子、好適には5〜10個の炭素原子を含む脂環族炭化水素基;6〜15個の炭素原子、好適には6〜13個の炭素原子を含む芳香族炭化水素基;または8〜15個の炭素原子、好適には8〜13個の炭素原子を含む芳香脂肪族炭化水素基を表す。〕
に対応するものが挙げられる。
これらのような適当なポリイソシアネートとしては、例えば、独国特許出願公開DE-OS 2 832 253、10〜11頁(これは米国特許4,263,408に対応すると考えられ、この開示は参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されているものが挙げられる。
【0009】
特に好適なポリイソシアネートとしては、通常、技術的に容易に入手できるポリイソシアネート、例えば、2,4-および/または2,6-トルエンジイソシアネートならびにこれらの異性体の任意の所望の混合物(「TDI」)、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、例えば、アニリン/ホルムアルデヒド縮合およびその後のホスゲン化によって製造されたもの(「粗MDI」)、およびカルボジイミド基、ウレタン基、アロファネート基、イソシアヌレート基、尿素基および/またはビウレット基を有するポリイソシアネート(すなわち、いわゆる「変性ポリイソシアネート」)、および最も好適には、2,4-および/または2,6-トルエンジイソシアネートまたは4,4’-および/または2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート由来の変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネートを変性するための上記基の含量は、使用されるイソシアネートに基づいて、30重量%までとすることができる。
【0010】
本発明において成分b2)およびb3)として使用されるのに適当なポリオールとしては、自体既知の「ポリマー-変性」PHDまたはPIPAポリオールが挙げられる。高分子ヒドロキシル化合物含有ポリマーの分散体が好適である。該分散体は、好適には、1〜8個の第一級および/または第二級ヒドロキシル基を有する分子量400〜10,000のベース化合物中、ポリイソシアネートをポリアミンおよび/またはヒドラジン、または第一級および/または第二級アミノ基を有するアルカノールアミンと反応させることによって製造される。
【0011】
このような高分子ヒドロキシル化合物含有ポリマーの分散体は、既知であり、例えば、独国特許出願公開DE-AS 25 19 004、DE-OS 25 50 796、DE-OS 25 50 797、DE-OS 25 50 860、DE-OS 25 50 833、DE-OS 25 50 862、DE-OS 26 38 759、DE-OS 26 39 254、米国特許4,374,209(この開示は、参照により本明細書中に組み込まれる)、欧州特許出願公開EP-A 0 079 115および米国特許4,381,351(この開示は、参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されている。独国特許出願公開DE-OS 25 50 796は、米国特許4,305,857および4,310,449に対応すると考えられる(これらの開示は、参照により本明細書中に組み込まれる);独国特許出願公開DE-OS 25 50 797は、米国特許4,147,680、4,305,858および4,310,448に対応すると考えられる(これらの開示は、参照により本明細書中に組み込まれる);独国特許出願公開DE-OS 25 50 860は、米国特許4,092,275および4,184,990に対応すると考えられる(これらの開示は、参照により本明細書中に組み込まれる);独国特許出願公開DE-OS 25 50 833およびDE-OS 25 50 862は、米国特許4,089,835に対応すると考えられる(この開示は、参照により本明細書中に組み込まれる);独国特許出願公開DE-OS 26 38 759は、米国特許4,324,716に対応すると考えられる(この開示は、参照により本明細書中に組み込まれる);および独国特許出願公開DE-OS 26 39 254は、米国特許4,206,109および4,260,530に対応すると考えられる(これらの開示は、参照により本明細書中に組み込まれる)。
【0012】
また、ポリエーテル中のポリイソシアネートとアルカノールアミンとの反応生成物の分散体、例えば、独国特許出願公開DE-OS 3 103 757(この開示は、参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されるもの等も使用することができる。
【0013】
イソシアネート反応性成分b)の成分b1)は、好適には、数平均分子量2,000〜16,000および官能価2〜6を有するポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールからなる。
【0014】
このようなポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールは、当業者に既知であり、例えば、G. Oertel、Kunststoffhandbuch、第7巻、Carl Hanser Verlag、第3版、ミュンフェン/ウィーン、1993年、57〜75頁中により詳細に記載されている。これらのポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールは、従来のポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールであり、固形分に関して充填剤未添加と称することができる。
【0015】
適当なポリエーテル鎖は、好適には、アルコキシル化剤としてエチレンおよび/またはプロピレンを使用する、適当な開始剤化合物のアルコキシル化によって、既知の方法で合成することができる。選択された開始剤は、好適には、上記ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールの場合、開始剤官能価2〜6を与えるヒドロキシル基含有化合物である。可能性のある開始剤化合物の例は、ソルビトール、スクロール、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコールおよび水であり、開始剤混合物(または添加された水)は、記載された官能価の結果になるように測定される(または得られる)。
【0016】
また、ポリエステルポリオールは、多官能性カルボン酸と適当なヒドロキシル化合物との重縮合によって、ヒドロキシカルボン酸の重縮合によって、環式エステル(ラクトン)の重合によって、カルボン酸無水物とエポキシドとの重付加によって、および酸クロリドとヒドロキシル化合物のアルカリ金属塩との反応によって、既知の方法で合成される。好適には、ポリエステルは、多官能性カルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸およびコハク酸)と適当なヒドロキシル化合物(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセロールおよびトリメチロールプロパン)との重縮合によって製造される。
【0017】
本発明にしたがって鎖延長剤c)として使用されるのに適当な化合物としては、好適には、一分子当たり2〜6個のヒドロキシル基および分子量62〜499を有するものが挙げられる。例として挙げられるものは、エチレングリコール、ブチレングリコール、アンヒドロソルビトール、ビス(ヒドロキシエチル)ハイドロキノン、ビス(ヒドロキシエチル)ビスフェノールA、および特にエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオールおよび1,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)ハイドロキノン、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびそれらのアルコキシル化生成物または任意の所望のそれらの混合物である。
【0018】
ポリウレタンの製造のための可能性のある触媒e)およびf)は、ポリウレタン化学において、全ての既知の触媒および/または既知の触媒系である。これに関して、例えば、上記Kunststoffhandbuch、第7巻(ポリウレタン)、改訂第3版、Carl Hanser Verlag、ミュンフェン/ウィーン、1993年、104頁以下に対して参照がなされる。特に挙げることができる触媒は、第三級アミンに基づくもの、例えば、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N-メチルイミダゾール、ジメチルアミノプロピルアミン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エンおよび1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ならびに金属-有機化合物、例えば、ジアルキルスズアルキルメルカプチド、ジアルキルスズカルボキシレート、スズ(II)カルボキシレート、亜鉛カルボキシレート、ジアルコキシチタンカルボキシレートおよびチタンアセチルアセトネートである。
【0019】
イソシアヌレート単位を合成するために使用される三量体化触媒d)は、好適には、自体既知のアルカリ金属またはアンモニウムカルボキシレートである。幾つかの例としては、酢酸カリウムおよびカリウム2-エチルヘキサノエート、ならびにAir ProductsからのDABCO TMRが挙げられる。他の触媒は、Kunststoffhandbuch、第7巻、Carl Hanser Verlag、第3版、1993年、108頁に記載されている。
【0020】
本発明に使用される補強剤h)としては、無機質で層状および/または針状構造を有するものが挙げられる。特に、それらは、ケイ酸塩、例えば、珪灰石型のケイ酸カルシウムならびに雲母およびカオリン型のケイ酸アルミニウムである。このようなケイ酸塩系補強剤は、ソロケイ酸塩、シクロケイ酸塩、イノケイ酸塩またはフィロケイ酸塩として既知であり、例えば、Hollemann-Wiberg、W. de Gruyter Verlag (1985)、768〜778頁に記載されている。
【0021】
変性ポリエーテルシロキサン、例えば、Kunststoffhandbuch、第7巻、Carl Hanser Verlag、第3版、1993年、113頁に記載されているものは、好適には、安定化剤g)として使用することができる。
【0022】
本発明の成形品は、例えば、独国特許出願公開DE-A 2 622 951 (US 421 18 53)またはDE-A 3 914 718に記載されているように、既知の反応射出成形技術(RIM方法)によって製造することができる。NCO反応性基含有成分に対するNCO基含有成分の量比は、好適には、150〜1000のイソシアネートインデックスが得られるような様式で選択される。反応混合物は、成形品が少なくとも0.8、好適には1.0〜1.4g/cmの密度を有するような量で型に導入される。また、密度は、一緒に使用される充填剤のタイプおよび量に大きく依存する。
【0023】
型に導入される反応混合物の出発温度は、通常、20〜80℃の範囲である。型の温度は、通常、30〜130℃、好適には60〜100℃の範囲である。使用される型は、既知であり、好適には、鋼鉄またはアルミニウム、あるいはエポキシドが被覆された金属から作製される。離型性を改善するため、内壁は、既知の離型剤で被覆することができる。
【0024】
型中に製造された成形品は、通常、20〜300秒の型滞留時間後に離型することができる。適当であれば、離型に続いて、60〜180℃で30〜120分間焼き戻しを行う。
【0025】
本発明のプラスチック成形品は、例えば、自動車および商用自動車産業における、大きなおよび特に熱ストレス部品に特に適当である。
【0026】
以下の実施例は、本発明の方法をさらに詳細に例示する。上記のように開示された本発明は、これらの実施例によって精神または範囲のいずれも限定されるものではない。当業者は、以下の手順の条件の既知の変形を使用することができることを容易に理解する。他に示さない限り、全ての温度は、摂氏温度であり、全てのパーセンテージは、重量%である。
【実施例】
【0027】
以下の成分を実施例に使用した:
(PHD分散体1)
ポリ尿素含量20重量%およびOH価28mgKOH/gを有するポリ尿素分散体。Bayer MaterialScience AGから市販されている。
(SAN分散体1)
スチレン8%とアクリロニトリル12%を含んでなり、OH価28mgKOH/gを有する、SAN含量20重量%を有するスチレン/アクリロニトリル分散体。Bayer MaterialScience AGから市販されている。
(ポリエーテル1)
開始剤トリメチロールプロパンへのプロピレンオキシドおよびエチレンオキシド(重量比78/22)の付加により製造された、主に第一級OH基を含有する、OH価28を有するポリエーテル。
(ポリエーテル2)
開始剤プロピレングリコールへのプロピレンオキシドおよびエチレンオキシド(重量比50/50)の付加により製造された、主に第一級OH基を含有する、OH価56を有するポリエーテル。
(ポリエーテル3)
開始剤グリセロールへのプロピレンオキシドおよびエチレンオキシド(重量比28/72)の付加により製造された、主に第一級OH基を含有する、OH価37を有するポリエーテル。
(NCOプレポリマー1)
(i)アニリン/ホルムアルデヒド縮合生成物のホスゲン化によって製造され、粘度320cP(25℃)およびNCO含量約31.5重量%を有するポリイソシアネート90重量部(0.675モルのNCO)および(ii)544重量部のペンタエリスリトール、3390重量部のオレイン酸および292重量部のアジピン酸の反応生成物(OH価19.5、酸価25.0および分子量約1246)を含んでなる脂肪酸エステル10重量部(0.008モルのOH)の反応生成物を含んでなるプレポリマー。二成分、すなわち(i)および(ii)を70℃で反応させた。反応混合物を、攪拌しながら、70℃で4時間維持した。反応が完了したとき、反応生成物を含有するポリイソシアネートのNCO含量は、約28%であった。このポリイソシアネートプレポリマーは、成分E、米国特許出願公開20040127591(これは、独国特許DE-B 102 59 184に対応すると考えられ、この開示は、参照により本明細書中に組み込まれる)の実施例におけるイソシアネートにしたがって製造された。
(Polycat 15)
ビス(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)アミン(ウレタン触媒)
(補強剤)
珪灰石、Rimgloss 1としてNYCO Minerals(Willsboro NY、米国)から市販されている。
【0028】
ポリオール温度:30〜40℃
イソシアネート温度:30〜40℃
型温度:85℃
型滞留時間:240秒
【0029】
表1に記載した処方物を、反応射出成形技術によって加工した。正に調節されたミキシングヘッド中で激しく攪拌した後、成分を、高圧計量装置を使用して、圧力下、ゲートを通して温度85℃および寸法300×200×3mmのホットプレート型に導入した。試験前に、型を、Acmos Chemie(ブレーメン)からの離型剤Acmos 36-5130で処理した。
【0030】
【表1】

【0031】
PHDポリ尿素分散体から製造されたPIR基含有PUR成形品は、
高いHDT(加熱撓み温度)値、
高い曲弾性率、
良好な靭性、
および
ゆっくりした反応挙動
を有する生成物および材料をもたらす。
【0032】
本発明を上記で例示の目的をもって詳細に説明したが、このような詳説が単にその目的のためであって、本発明は、特許請求の範囲によって限定され得る場合を除いて、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、当業者によって変形がなされ得ると理解されるべきである。
【0033】
以下、本発明の好適な実施態様を示す。
〔1〕必要に応じて充填剤が添加されたポリウレタンを含んでなり、高い靭性、曲げ強度および熱安定性を示すプラスチック成形品であって、該ポリウレタンは、
a) 少なくとも一つのポリイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートプレポリマー;
b)b1) 少なくとも一つのポリオール成分と、
b2) 一以上のポリ尿素含有ポリオール分散体
および
b3) 少なくとも一つの、ポリイソシアネートのアルカノールアミンとの重付加生成物含有多分散体
からなる群から選択される少なくとも一つの充填剤含有ポリオール成分と
を含んでなるイソシアネート反応性成分;
c) 少なくとも一つの鎖延長剤および/または架橋剤;
d) 少なくとも一つの三量体化触媒;
e) 必要に応じて、一以上のウレタン触媒;
f) 必要に応じて、一以上の発泡触媒;
g) 必要に応じて、一以上の安定化剤および/または補助物質;
および
h) 必要に応じて、一以上の補強剤;
の反応生成物を含んでなり、
イソシアネートインデックスは、200〜1000である、プラスチック成形品。
〔2〕成分b2)および/またはb3)の固形分は、2〜40重量%の範囲にある、上記〔1〕に記載のプラスチック成形品。
〔3〕成分b2)および/またはb3)の固形分は、3〜30重量%の範囲にある、上記〔2〕に記載のプラスチック成形品。
〔4〕成分a)は、少なくとも一つの芳香族ポリイソシアネートおよび/または少なくとも一つの芳香族ポリイソシアネートプレポリマーを含んでなる、上記〔1〕に記載のプラスチック成形品。
〔5〕b2)およびb3)は、約400〜約10,000の範囲の分子量を有し、約1〜約8個の第一級および/または第二級ヒドロキシル基を有する、上記〔1〕に記載のプラスチック成形品。
〔6〕b1)は、約2000〜約16,000の数平均分子量および約2〜約6の官能価を有する一以上のポリエーテルポリオールおよび/または一以上のポリエステルポリオールを含んでなる、上記〔1〕に記載のプラスチック成形品。
〔7〕必要に応じて充填剤が添加されたポリウレタンを含んでなり、高い靭性、曲げ強度および熱安定性を示すプラスチック成形品を製造するための方法であって、
a) 少なくとも一つのポリイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートプレポリマー;
b)b1) 少なくとも一つのポリオール成分と、
b2) 一以上のポリ尿素含有ポリオール分散体
および
b3) 少なくとも一つの、ポリイソシアネートのアルカノールアミンとの重付加生成物含有多分散体
からなる群から選択される少なくとも一つの充填剤含有ポリオール成分と
を含んでなるイソシアネート反応性成分;
c) 少なくとも一つの鎖延長剤および/または架橋剤;
d) 少なくとも一つの三量体化触媒;
e) 必要に応じて、一以上のウレタン触媒;
f) 必要に応じて、一以上の発泡触媒;
g) 必要に応じて、一以上の安定化剤および/または補助物質;
および
h) 必要に応じて、一以上の補強剤;
を、イソシアネートインデックス200〜1000にて反応させることを含む、方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要に応じて充填剤が添加されたポリウレタンを含んでなり、高い靭性、曲げ強度および熱安定性を示すプラスチック成形品であって、該ポリウレタンは、
a) 少なくとも一つのポリイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートプレポリマー;
b)b1) 少なくとも一つのポリオール成分と、
b2) 一以上のポリ尿素含有ポリオール分散体
および
b3) 少なくとも一つの、ポリイソシアネートのアルカノールアミンとの重付加生成物含有多分散体
からなる群から選択される少なくとも一つの充填剤含有ポリオール成分と
を含んでなるイソシアネート反応性成分;
c) 少なくとも一つの鎖延長剤および/または架橋剤;
d) 少なくとも一つの三量体化触媒;
e) 必要に応じて、一以上のウレタン触媒;
f) 必要に応じて、一以上の発泡触媒;
g) 必要に応じて、一以上の安定化剤および/または補助物質;
および
h) 必要に応じて、一以上の補強剤;
の反応生成物を含んでなり、
イソシアネートインデックスは、200〜1000である、プラスチック成形品。
【請求項2】
必要に応じて充填剤が添加されたポリウレタンを含んでなり、高い靭性、曲げ強度および熱安定性を示すプラスチック成形品を製造するための方法であって、
a) 少なくとも一つのポリイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートプレポリマー;
b)b1) 少なくとも一つのポリオール成分と、
b2) 一以上のポリ尿素含有ポリオール分散体
および
b3) 少なくとも一つの、ポリイソシアネートのアルカノールアミンとの重付加生成物含有多分散体
からなる群から選択される少なくとも一つの充填剤含有ポリオール成分と
を含んでなるイソシアネート反応性成分;
c) 少なくとも一つの鎖延長剤および/または架橋剤;
d) 少なくとも一つの三量体化触媒;
e) 必要に応じて、一以上のウレタン触媒;
f) 必要に応じて、一以上の発泡触媒;
g) 必要に応じて、一以上の安定化剤および/または補助物質;
および
h) 必要に応じて、一以上の補強剤;
を、イソシアネートインデックス200〜1000にて反応させることを含む、方法。

【公開番号】特開2006−169531(P2006−169531A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−361361(P2005−361361)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】