説明

患者を移送し、患者の温度を制御するための患者坦持システム及び方法

患者を移送し、患者の温度を制御するための患者坦持システム及び方法。本システムは、距離によって分離された第1の面及び第2の面と、第1の面と第2の面との間の距離にわたって部分的に延在する複数個の坦持構造と、プレナムと、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つを通り、かつプレナムと流体連通状態に形成される複数個の開口部と、を含むことができる膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォームを含むことができる。本システムは、流体をプレナムの中に移動させ、複数個の開口部の外に移動させるように構成された流体源を更に含むことができる。患者を移送する方法は、流体をプレナムの中に移動させ、複数個の開口部の外に移動させて、流体パレットを形成することを含むことができる。患者の温度を制御する方法は、温度制御流体をプレナムの中に移動させ、複数個の開口部の外に移動させることを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、患者坦持システムに関し、特に患者を移送し、かつ/又は例えば積極的に患者を加温及び/若しくは冷却することにより患者の温度を制御するための、患者坦持システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病院及び養護施設等の医療施設の患者、特に歩行不能な患者は、1つの場所から別の場所に移送される必要がある場合がある。例えば、患者は、病院のベッド、台車付き担架又は担架、手術室の手術台、心臓カテーテル検査室、診断台(例えば、CT、MRI、及び/又は他の診断評価中に使用される台)等のうちの少なくとも1つ、及びそれらの組み合わせの間で、移送される場合がある。例えば、患者は、患者の病室に置いておかなければならない病院のベッドから台車付き担架に、その後、台車付き担架から手術台等の治療台へ移送される必要がある場合がある。治療後、患者を扱う逆の順序が生じる必要があるかもしれない。そのような患者の移送の多くは、水平又はほぼ水平の移送となるように、同じレベルの又はほぼ同じレベルの面間で発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかの患者の移送の状況において、特に高齢者又は脆弱な皮膚を持つ患者の皮膚の損傷を避けるため、また患者が治癒していない外科切開部を有するとき等に、患者に痛み又は不快感をもたらすのを避けるために、坦持面に沿った患者の摺動は最小限に抑えられる。しかしながら、患者の快適さと作業者の安全の両方のために、患者を持ち上げることは最小限に抑えられる必要があるかもしれない。いくつかの場合において、摺動と持ち上げの組み合わせが利用される場合があり、かつ/又は複数の医療作業者が移動に関わる必要がある場合がある。
【0004】
加えて、患者の温度を制御することは、良好な介護に重要な要素であり得る。例えば、患者加温装置は、外科手術等の種々の医療手順中に、患者又は患者の一部分を積極的に加温(例えば、選択的に加温)するために使用され得る。そのような状況において、外科手術の延長等の医療手順中の深部体温の有害な低下の可能性を避けるために、患者の全身が加温されるか、又は患者の一部分が加温され得る。他の状況において、例えば心臓手術中又は心停止直後に患者を冷却することが有益である場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のいくつかの態様は、患者坦持システムを提供する。患者坦持システムは、第1の面、及び第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、距離により第1の面から分離された第2の面を含むことができる膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォームを含むことができる。プラットフォームは、複数個の坦持構造が、所望により、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つに結合される、第1の面と第2の面との間の距離にわたって少なくとも部分的に延在する複数個の坦持構造と、第1の面、第2の面、及び複数個の坦持構造により少なくとも部分的に画定されるプレナムとを更に含むことができる。プラットフォームは、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分を通り、かつプレナムと流体連通状態に形成される複数個の開口部を更に含むことができる。患者坦持システムは、プレナムに流体結合される流体源を更に含むことができ、流体源は、流体を流体源からプレナムの中に移動させ、複数個の開口部の外に移動させるように構成される正圧流体源である。
【0006】
本開示のいくつかの態様は、患者を移送するための方法を提供する。本方法は、第1の面、及び第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、距離によって第1の面から分離された第2の面を含むことができる膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォームを含む患者坦持システムを提供することを含むことができる。プラットフォームは、第1の面と第2の面との間の距離にわたって部分的に延在する複数個の坦持構造であって、所望により、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つに結合される複数個の坦持構造と、第1の面、第2の面、及び複数個の坦持構造により少なくとも部分的に画定されるプレナムとを更に含むことができる。プラットフォームは、第2の面の少なくとも一部分を通り、かつ流体が複数個の開口部を介してプレナムから出ることを可能にするようにプレナムと流体連通状態に形成される複数個の開口部を更に含むことができる。方法は、プラットフォームをその無圧状態から200%を超えて膨張させることなく、プレナムを充填するように流体をプレナムの中に移動させることと、流体を複数個の開口部の外に移動させて、例えば第1の面及び第2の面のうちの1つに隣接して流体パレットを形成することとを更に含むことができる。
【0007】
本開示のいくつかの態様は、患者の温度を制御するための方法を提供する。本方法は、第1の面、及び第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、距離によって第1の面から分離された第2の面を含むことができる膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォームを含む患者坦持システムを提供することを含むことができる。プラットフォームは、複数個の坦持構造が、所望により、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つに結合される、第1の面と第2の面との間の距離にわたって部分的に延在する複数個の坦持構造、並びに第1の面、第2の面、及び複数個の坦持構造により少なくとも部分的に画定されるプレナムを更に含むことができる。プラットフォームは、第1の面の少なくとも一部分を通り、かつ流体が複数個の開口部を介してプレナムから出ることを可能にするようにプレナムと流体連通状態に形成される、複数個の開口部を更に含むことができる。方法は、温度制御流体をプレナムの中に移動させ、複数個の開口部の外に移動させることを含むことができる。
【0008】
本開示のいくつかの態様は、第1の面、及び第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、第1の距離によって第1の面から分離された第2の面を含むことができる膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォーム含む患者坦持システムを提供する。プラットフォームは、第1の面と第2の面との間の第1の距離にわたって少なくとも部分的に延在する第1の複数個の坦持構造であって、所望により、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つに結合される複数個の坦持構造と、第1の面、第2の面、及び複数個の坦持構造により少なくとも部分的に画定される第1のプレナムとを更に含むことができる。プラットフォームは、第2の面に対して実質的に平行に位置付けられ、かつ第1の面に対向して位置する第3の面を更に含むことができ、第3の面は、第2の距離によって第2の面、及び第2の面と第3の面との間の第2の距離にわたって少なくとも部分的に延在する第2の複数個の坦持構造から分離される。複数個の坦持構造は、所望により、第2の面及び第3の面のうちの少なくとも1つに結合され得る。プラットフォームは、第3の面及び第2の複数個の坦持構造により少なくとも部分的に画定される第2のプレナムと、第3の面の少なくとも一部分を通り、かつ第2のプレナムと流体連通状態に形成される複数個の開口部とを更に含むことができる。患者坦持システムは、第2のプレナムに流体結合される流体源を更に含むことができ、流体源は、流体を流体源から第2のプレナムの中に移動させ、複数個の開口部の外に移動させるように構成される正圧流体源である。
【0009】
本開示のいくつかの態様は、患者の温度を制御し、患者を移送するための方法を提供する。本方法は、第1の面、及び第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、第1の距離によって第1の面から分離された第2の面を含むことができる膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォームを含む患者坦持システムを提供することを含むことができる。プラットフォームは、第1の面と第2の面との間の第1の距離にわたって少なくとも部分的に延在する第1の複数個の坦持構造であって、所望により、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つに結合される複数個の坦持構造と、第1の面、第2の面、及び複数個の坦持構造により少なくとも部分的に画定される第1のプレナムとを更に含むことができる。プラットフォームは、第2の面に対して実質的に平行に位置付けられ、かつ第1の面に対向して位置する第3の面を更に含むことができ、第3の面は、第2の距離によって第2の面、及び第2の面と第3の面との間の第2の距離にわたって少なくとも部分的に延在する第2の複数個の坦持構造から分離される。複数個の坦持構造は、所望により、第2の面及び第3の面のうちの少なくとも1つに結合され得る。プラットフォームは、第3の面及び第2の複数個の坦持構造により少なくとも部分的に画定される第2のプレナムと、第3の面の少なくとも一部分を通り、かつ第2のプレナムと流体連通状態に形成される複数個の開口部とを更に含むことができる。本方法は、温度制御第1流体を第1のプレナムの中に提供することと、流体を第2のプレナムの中に移動させ、所望により、複数個の開口部の外に移動させて、例えば第3の面に隣接して流体パレットを形成することとを更に含むことができる。
【0010】
本開示のその他の特徴及び態様は、発明を実施する形態及び添付図面を熟考することによって、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本開示の一実施形態による患者坦持システムの底部斜視図。
【図2】本開示の別の実施形態による患者坦持システムの上面斜視図。
【図3】図2の線3−3に沿った、図2の患者坦持システムの横断面図。
【図4】本開示の別の実施形態による患者坦持システムの横断面図。
【図5】二重プレナムを備えた、本開示の別の実施形態による患者坦持システムの横断面図。
【図6A】本開示の別の実施形態による患者坦持システムであり、患者坦持システムはロール形態で提供されるプラットフォームを含む。
【図6B】図6Aの患者坦持システムの概略的な横断面図。
【図7】本開示の別の実施形態による患者坦持システムの分解図。
【図8】本開示の別の実施形態による患者坦持システムの概略的な横断面図。
【図9】二重プレナムを備えた、本開示の別の実施形態による患者坦持システムの概略的な横断面図。
【図10】二重プレナムを備えた、本開示の別の実施形態による患者坦持システムの概略的な横断面図。
【図11】本開示の別の実施形態による患者坦持システムの概略的な横断面図。
【図12】本開示の別の実施形態による患者坦持システムの概略的な横断面図。
【図13】本開示の別の実施形態による患者坦持システムの、両面を断面で示した、部分的な斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示のいずれの実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、以下の記述で説明される、又は以下の図面に図示される構成の詳細及び構成要素の配置の用途に限定されないことが理解される。本発明には他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することが可能である。更に、本明細書で使用される専門語句及び専門語は説明を目的としたものであり、発明を限定するものとして見なされるべきではない点は理解されるべきである。「含む(including)」、「備える(comprising)」、又は「有する(having)」、及びこれらの変形は、それらの後に列記される要素及びそれらの均等物、並びに更なる要素を包含することを意味するものである。特に特定又は制限されない限り、「坦持される」、「連結される」、「結合される」、及び「流体結合される」という用語、並びにそれらの変形は、広く使用され、直接的及び間接的の両方の坦持、連結、結合、及び流体結合を包含する。更に、「連結される」及び「結合される」とは物理的又は機械的な連結若しくは結合に限定されるものではない。その他の実施形態を利用することも可能であり、本開示の範囲から逸脱することなく構造的又は論理的な変更を行うことが可能である点は理解されるべきである。更に、「前」、「後」、「上」、「下」等の用語は、各要素を互いの関連において述べるためにのみ用いられ、決して装置の特定の向きを記載するものではなく、装置の必要な又は要求される向きを指示又は示唆するものでもなく、本明細書で述べられる発明が使用時にどのように使用、取り付け、表示、又は配置されるかを特定するものでもない。
【0013】
本開示は、一般に、患者を移送させる、並びに/又は例えば積極的に患者を加温する及び/若しくは冷却することにより患者の体温を制御するための患者坦持システム及び方法に関する。いくつかの実施形態において、患者坦持システムは、単に患者の移送又は患者の温度制御のために構成され得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、患者坦持システムは、所望に応じて、患者の移送若しくは患者の温度制御のいずれかを提供するように、又は患者の移送及び患者の温度制御を同時に提供するように構成され得る。
【0014】
上述のように、医療施設において、種々の面又は構造間で患者を移送することができる。患者の移送手配は、少なくとも一部には移動を実行する医療従事者が少ない、患者の平均体重の増加、及び医療従事者の平均年齢の増加のため、より困難になってきている。多くの病院が「持ち上げなし」方針を設けているが、患者の摺動は、作業者にとって困難又は苦痛である可能性があり、患者にも痛み又は不快感をもたらす可能性がある。
【0015】
医療環境における多くの患者の移送は、患者が1つの平坦な面から別の平坦な面に移動され、両方の面がほぼ同じ高さである、「平坦」移動として称されるものを含む。そのような平坦な移動を補助するために、プラスチックのゴミ袋、ローラー板、空気補助マットレス等を含む、種々の目的物及び装置が使用されてきた。
【0016】
空気補助マットレスは、一般に底面に空孔を含む。患者が寝返りを打ち、空気の抜かれたマットレスが患者の下に設置される。その後、マットレスを膨らませる(例えば、HEPAフィルタをかけた真空掃除機等の加圧側を使用して)。マットレスが完全に膨らんだとき、空気が底部の空孔から流出し、本質的に患者を空気パレットの上に置く。そのような空気補助マットレスは、少なくとも以下を含む、いくつかの欠点を含む。
【0017】
i.「バルーニング(Ballooning)」及び/又は「ホットドック(Hot dogging)」−マットレスは膨らませる間に膨れ上がることがあって、荷重はマットレスの設置面積上で不均衡になる。1つの領域が凹むとき(例えば患者の体重により)、別の離れた領域が膨らむという意味では、マットレスの薄くて可撓性の布地は半球形になる傾向がある場合があり、これは患者を落とす可能性がある不安定な状況を作り出す可能性がある。バルーニング又はホットドックを抑止するために、いくつかの装置は、マットレスの上面及び底面に縫い合わされた広範囲に及ぶ内部シートを含む。これらの内部シートは、バルーニングを制限するが、これらは個別に縫い合わされなければならないため、装置の費用も大幅に追加される。
【0018】
ii.時間の浪費及び複数のステップ−一般には、マットレスを完全に膨張させる必要があり(例えば、空気パレットの十分な剛性及び空気圧を確実にするため)、一方で、患者は約6〜10インチ(15〜25cm)の高さにバックルで締められる。マットレスを膨張させることは時間がかかり、騒がしく、患者の移送は、マットレスが膨張するのを待つために保留される。
【0019】
iii.殺菌−マットレスの布地は、一般に、気密封止を形成するために、内面上に閉鎖性フィルムを有する耐久性のニット又は織布型構造である。比較的費用が高い空気補助マットレスはそれらの再利用につながる。布地の孔は、殺菌するのが困難である面を作り出し、殺菌した装置の識別は、不可能ではないにしても、困難である可能性がある。加えて、汚染物質の粒子及び微生物(ウイルス、バクテリア、胞子)がマットレス材料の中に侵入し、マットレスを膨らせるときに、圧力は粒子を外に追い出し、空気中に送り込む。
【0020】
iv.手間がかかる−多くの場合、臨床医は病院中の限られた数の高価な空気補助マットレスを追跡する必要があり、マットレスが置き違えられる場合が多い。
【0021】
v.かさばる−マットレスは、一般に、耐久性のために重質な布地から形成され、一般にマットレスは保管する及び効率的に移動するのが困難である重くてかさばる装置となる。
【0022】
対照的に、本開示のシステム及び方法は、一般に、流体(例えば、液体、気体、又はそれらの組み合わせ)で充填され得るプレナムを画定する3次元の膨張不可なプラットフォームを目的とし、これは、流体を、プラットフォームの上に位置付けられた患者の下に流体パレット(例えば、空気パレット)を作り出し、かつ/又は患者を対流によって加温若しくは冷却するように位置付けられるプレナムの中に移動させ、複数個の開口部の外に移動させることができる。空気補助マットレスと違い、膨張不可なプラットフォームが十分に充填するのを待つ時間を無駄にする必要がない。加えて、膨張不可なプラットフォームは、自己坦持及び/又は非折り畳み式プラットフォームであることができ、「バルーニング」又は「ホットドック」を回避することができる。膨張不可なプラットフォームの面の一部分又は全ては、平滑であり、清浄及び殺菌が容易であり得る。本開示の膨張不可なプラットフォームは、低費用で効率的な製造に設計され得、これらは使い捨ての患者パレットとして機能できるほど低い費用であり得る。いくつかの実施形態において、患者は、本開示のプラットフォーム又はパレットの上に配置され、パレットを離れることなく、又はほとんど離れることなく病院中を移動することができる。
【0023】
一般に、プラットフォームは、第1の面、及び第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、かつ分離層によって第1の面からギャップにより分離される第2の面を含むことができる。分離層は、複数個の坦持構造により形成されるか、又はそれらを含み、これは、1つの面から他(又は両方の)面に向かって延在することができ、かつ所望により、プラットフォームを形成する面のうちの1つ又はその両方の主面に沿って延在することができる。分離層は、少なくとも2つの機能を果たす:(i)分離層は、患者が上面に横たわっているとき等の荷重下のときでさえ、上(第1)面と底(第2)面との間の分離を維持することができる、及び(ii)分離層は、加圧流体を流体源(例えば、送風機)から出口開口部に移動させるために、第1及び第2の面と連結してプレナムを形成する流体管としての機能を果たすことができる。複数個の坦持構造は、第1及び第2の面の分離を維持するために機能することができ、流体をプレナム(複数可)の中に移動させ、複数個の開口部の外に移動させるために、正圧流体源に流体結合され得るプレナム、又は一連のプレナム(例えばチャネル)を少なくとも部分的に画定することができる(すなわち、患者の移送及び/又は熱制御のために)。つまり、流体は、複数個の坦持構造により少なくとも部分的に画定され得る一連のチャネル又はダクトに沿ってプラットフォームの中で移動してもよく、かつ/又は複数個の坦持構造の周囲及び/若しくはそれを通る単一チャンバ(すなわち、プレナム)の中で移動してもよい。本開示の患者坦持システム及び方法の種々の実施形態は、図面を参照に以下により詳細に説明される。本開示のシステム及び方法は、患者の移送、即自的又は長期にわたる積極的な患者の加温若しくは冷却、即自的又は長期にわたる介護患者における褥瘡の減少、尿及び他の流体の管理、並びにそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない種々の患者の看護用途に有用であってもよい。
【0024】
単に一例として、褥瘡は、患者の滞在中、患者の下に流体流(例えば、空気流)を提供し、健康な皮膚の高潔を維持することにより発生が抑止され得る。例えば、湿度が更に制御され得る温風又は冷風が患者の下で循環され得る。例えば、湿った皮膚は、圧力及び/又は剪断力により非常に損傷し易く、よって患者の下に比較的乾燥した流体(例えば、相対湿度が50%未満の空気、いくつかの実施形態では、30%未満の空気)を循環させることが有益であり得る。加えて、順応性の及び/又は膨張可能なクッション等の更なる付属品が、所望に応じて患者のかかとの下等の、患者の下に置かれてもよい。クッションが膨張可能である実施形態において、クッションは上述のプレナムと同じ流体源に流体結合されてもよいため、プレナムが加圧されるとクッションが膨らむ。
【0025】
結果として、本開示のシステム及び方法は、種々の用途に使用され得る。更に、本開示のシステム及び方法のいくつかの実施形態は、以下の特徴の少なくともいくつかを提供することができる:
i.使い捨て−プラットフォームは、医療施設での患者の滞在中、所与の患者が使い続けることができ、その後処分され、したがって装置を追跡する必要がない、
ii.殺菌可能−プラットフォームは非吸収性で清浄が容易である(例えば、非多孔性)材料から形成され得るため、環境に曝される面を殺菌する必要がない、又は容易に殺菌する若しくはきれいに拭くことが容易である、
iii.膨張不可−流体を複数個の開口部の外に移動させるために、プラットフォームが膨らむのを待つ必要がない、
iv.患者の移送用途における作業者の安全の増加する、
v.患者の熱制御用途において、プラットフォームは、下から患者を加温又は冷却することができ、臨床医が患者に自由にアクセスできる、
vi.装置のプラットフォームは患者の下に位置し、膨張可能な坦持システムで可能である等の、患者がプラットフォームから滑り落ちるのを抑止する、及び
これらの組み合わせ。
【0026】
図1は、本開示の一実施形態による患者坦持システム100を図示する。患者坦持システム100は、所望によりコネクタ106(例えば、ホース)及び/又はマニホールド108を介して流体源104に機械的に結合され、かつ流体結合されるプラットフォーム102を含む。流体源104は、例えば、患者の移送及び/又は患者の加温/冷却用途のために、正圧下で流体をプラットフォーム102に提供するように構成され得る。コネクタ106及びマニホールド108は単に一例として示され、プラットフォーム102を、種々の適切な手段により流体源104と流体連通状態に位置付けることができることを理解するべきである。
【0027】
流体源104は、ポンプ若しくは送風機、HEPA真空掃除機の加圧側、他の適切な流体源、又はそれらの組み合わせ等の正圧下で、流体をプラットフォーム102に提供することが可能な任意の適切な流体源を含むことができる。いくつかの実施形態において、流体源104は、ベッドのリネン等の多孔質の面の上でも患者を移動するために必要な力を大幅に減少させるために、十分な量及び圧力で流体を送達することが可能であってもよい。いくつかの実施形態において、流体源104は、少なくとも約3kPaの圧力、いくつかの実施形態においては少なくとも約5kPa、いくつかの実施形態においては少なくとも約10kPa、いくつかの実施形態においては少なくとも約15kPa、いくつかの実施形態においては少なくとも約20kPa、及びいくつかの実施形態においては少なくとも約35kPaの圧力を送達することができる(及びプラットフォーム102はそれらの内部圧に耐えることができる)。いくつかの実施形態において、流体源104は、少なくとも約500L/分、いくつかの実施形態においては少なくとも約1000L/分、いくつかの実施形態においては少なくとも約1500L/分、及びいくつかの実施形態においては少なくとも約2000L/分の体積流量で流体を送達することが可能であってもよい。加えて、患者坦持システム100は、交流、直流、若しくは電池、又はそれらの組み合わせで動作するように構成され得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、流体源104は、塵、くず、バクテリア、ウイルス等の汚染物質を除去するための空気フィルタを含むことができる。いくつかの実施形態において、そのようなフィルタは、流体源104の入口、若しくはマニホールド108の入口129、若しくは両方の位置に設置され得る。いくつかの実施形態において、プラットフォーム102のプレナム120(以下に説明する)及び/又はマニホールド108を画定する内部面はまた、適切な濾過材料で少なくとも部分的に充填され、かつ/又は塵及び微生物を捕捉するために帯電されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、流体源104は、熱移送(又は熱制御)ユニットを含む又はそれに結合され得るため、プラットフォーム102に提供される流体源は、所望に応じて、例えば患者の熱制御のために加熱又は冷却され得る。そのような実施形態の例は、例えば図5に関連して、以下により詳細に説明される。
【0030】
図1に示されるように、いくつかの実施形態において、患者坦持システム100は、特定の用途のために、所望の寸法及び/又は形状を形成するように一緒に結合され得る複数個のプラットフォーム又はプラットフォームセグメント102を含むことができる。第2のプラットフォーム102Aの概要図は、図1に破線で示される。そのような実施形態において、それぞれのプラットフォーム102は、それぞれ独立して流体源104に流体結合され得、それぞれのプラットフォーム102は個別の流体源104に流体結合され得、プラットフォーム102は、相互に及び流体源104又はそれらの組み合わせで流体連通状態であり得る。プラットフォームセグメント102は、都合のよいパッケージング及び保管のために、プラットフォームセグメント102を折り重ねて容易に折り畳み、かつ/又は巻き取ることが可能であるように構成されてもよい。例えば図1に示されるように、いくつかの実施形態において、患者坦持システム100は、1つ以上のプラットフォームセグメント102を結合するように(例えば、機械的及び/又は流動的に)位置する1つ以上の連結部分103を含むことができる。そのような連結部分103は、膨張可能又は膨張不可であってもよく、プラットフォームセグメント102を折り畳み、かつ/又は積み重ね(例えば、特に剛性プラットフォームセグメント102が利用される場合)を容易にするために可撓性であり得る。連結部分103は中実又は中空であり得る。中空である場合、連結部分103は、1つ以上のプラットフォームセグメント102の1つ以上のプレナム(複数可)120と流体連通状態にあり得る。
【0031】
いくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、可撓性の連結部分103により相互に分離される複数個の小さくて比較的剛性のセグメントから形成され得るため、プラットフォームセグメント又はパネルが比較的剛性であっても、全体としてのプラットフォーム102は多少可撓性の性質を持つことができる。そのような実施形態において、セグメント又はパネルは、相互に容易に結合され、かつ/又は相互に分離されて、例えば特定の大きさの患者を収容するように、所望の形状及び寸法に容易に作製され得るモジュラー式のプラットフォームを作り出す。プラットフォーム102が、1つの部分若しくはセグメント又は複数個の部分から形成されるかどうかに関わらず、いくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、約8フィート(2.4m)の全長、約4フィート(1.2m)の全幅を含むことができる。
【0032】
図1に更に示されるように、プラットフォーム102は、第1(上)シート又は面110、及び第1の面110に対して実質的に平行に位置付けられ、かつ距離dによって第1の面110から分離される第2(底)シート又は面112を含むことができる。結果として、第1の面110及び第2の面112のそれぞれは、その長さ及び幅の方向に延在し、かつ他の面の主面に面する主面を画定することができる。一定距離dは簡略化のために図1に示されるが、距離dはプラットフォーム102全体を通して変更することができ、全プラットフォーム102に対して一定の又は固定された距離dである必要はないことを理解するべきである。
【0033】
いくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、患者の少なくとも胴体部分を坦持するのに十分に大きくて頑丈であり得、薄くて低いプロファイルであり得、比較的高引張及び/又は曲げ強度であり得、かつ流体の開口部122から(及び/又は例えば患者の加温及び/若しくは冷却を提供するための任意の追加開口部から)の流出を提供するために加圧されるように構成され得る。開口部122は、直線貫通孔の画定、角度を持った方向付け、非線形通路の画定、長さ並びに深さを有することによるスリットの画定、他の適切な構成、又はそれらの組み合わせを含む任意の構成を有することができる。
【0034】
プラットフォーム102の厚さ又はプロファイルに関するいくつかの実施形態においては、プラットフォーム102は、約1インチ(約2.5cm)未満、いくつかの実施形態においては約0.5インチ(約1.3cm)未満、いくつかの実施形態においては約0.25インチ(約0.6cm)未満、及びいくつかの実施形態においては約0.125インチ(約0.3cm)未満の厚さを有することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、プラットフォーム102又はその一部分は、X線診断手順を妨げないように放射線透過性であり得る。他の実施形態において、プラットフォーム102は、磁気共鳴映像法(MRI)機器の磁石に干渉する又はそれにひきつけられる可能性がある材料を含まない。更にいくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、使用中に患者に結合又は密着されず、これにより患者の皮膚の損傷を回避することができる。
【0036】
プラットフォーム102又はその一部分(例えば第1の面110及び第2の面112)は、複合材料、ポリマー材料(例えば、熱可塑性、熱硬化性、生分解性、又はそれらの組み合わせ)、又はそれらの組み合わせ等の種々の材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、プラットフォーム102又はその一部分(例えば、第1の面110及び第2の面112)は、バクテリア及び他の土壌の保有に耐性を示す非吸収性、微小多孔性、及び/又は無孔の材料から形成され得る。結果として、プラットフォーム102又はそのそれぞれの部分は、容易に清浄及び/又は殺菌され得る。加えて、いくつかの実施形態において、プラットフォーム102又はその一部分(例えば、第1の面110及び第2の面112)は、微生物がプラットフォーム102に回収され、かつ/又はその上で繁殖するのを抑止するための抗菌性の層又はコーティングを含むことができる。いくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、酸化剤(例えば、漂白剤、過酸化水素、希釈過酢酸等)、四級アンモニウム消毒剤(例えば、ジメチルジデシルアンモニウム臭化物)、フェノール化合物(例えばトリクロサン)、洗浄界面活性剤(例えばナトリウムドデシルサルフェート)、並びに溶媒(例えば、ヘキシルセロソルブ又はヘキシルカルビトール等のグリコールエーテル)等の一般的な消毒剤及び洗浄剤と融和性である材料から形成され得る。
【0037】
熱可塑性材料の例としては、ポリオレフィン類(例えば、ポリエチレン(高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセンポリエチレン等、及びそれらの組み合わせ)、ポリプロピレン(例えば、アタクチック及びシンジオタクチックポリプロピレン))、ポリアミド類(例えばナイロン)、ポリウレタン、ポリアセタール(デルリン等)、ポリアクリレート類、並びにポリエステル類(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、及びポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル)、フッ素樹脂類(3M company,St.Paul,MNのTHV等)、並びにそれらの組み合わせのうちの1つ以上が挙げられる。
【0038】
熱硬化性材料の例としては、ポリウレタン類、シリコーン類、エポキシ類、メラミン、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、及びそれらの組み合わせのうちの1つ以上が挙げられる。
【0039】
生分解性ポリマーの例としては、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(カプロラクトン)、ラクチド及びグリコリドのコポリマー、ポリ(コハク酸エチレン)、ポリヒドロキシブチレート、及びそれらの組み合わせのうちの1つ以上が挙げられる。
【0040】
ポリマー性プラットフォーム102を利用する実施形態において、プラットフォーム102は、押出成形、成形、又はそれらの組み合わせ等の比較的容易な製造方法を含む、種々の方法によって形成され得る。
【0041】
いくつかの実施形態において、プラットフォーム102の1つ以上の面(例えば、第1の面110及び/又は第2の面112の主面)又はそれらの一部分は、低摩擦面を含むことができ、これは、それぞれの面の材料の組成及び質感により、又は面(例えば、低摩擦層をプラットフォーム102の所望の一部分に結合すること等により、コーティングで)処理することにより実現され得る。「低摩擦」面は、一般に、低動態摩擦係数を有する面を指すために使用され得る。いくつかの実施形態において、低摩擦面は、ASTM D1894−08プラスチックフィルム及びシートの静電気及び動態摩擦係数により、同じ材料の別の小片に対して摺動される平坦なフィルム上で測定されたとき、約1を超えない、いくつかの実施形態においては約0.5を超えない、及びいくつかの実施形態においては約0.25を超えない動態摩擦係数を含むことができる。第1の面110及び第2の面112は、同じ又は異なる材料から形成され得るため、プラットフォーム102の所望の一部分は、所望のレベルの剛性及び可撓性を有する。
【0042】
「可撓性」という用語は、一般に、ドレープ性の材料を指すために使用され得る。つまり、周囲条件で実施したときに、直立(長い端が上)に持ったときの5cm×15cmの材料の部分は、その自身の重量下で、対向する端がホルダに又はそれより下に垂れるように曲がる。「剛性」という用語は、一般に、本質的にドレープ性ではない材料を指すために使用され得る。つまり、周囲条件で実施したときに、直立(長い端が上)に持ったときの5cm×15cmの材料の部分は、ほとんど又は全くたわまずに真っすぐに立つ。いくつかの実施形態において、剛性材料は、垂直から20度未満のたわみを示すことができる。「半剛性」材料は、20度を超えるたわみを示すものであり得るが、その対向する端はホルダより下に曲がらないものである。
【0043】
いくつかの実施形態において、プラットフォーム102全体は可撓性材料(又は可撓性材料の組み合わせ)から形成され、いくつかの実施形態において、プラットフォーム102全体は剛性材料(又は剛性材料の組み合わせ)から形成される。しかしながら、いくつかの実施形態において、第1の面110又はその一部分は可撓性材料から形成され得、第2の面112又はその一部分は剛性材料から形成され得る、又はその逆もまた同様である。例えば、いくつかの実施形態において、第1の面110又は第2の面112は、完全に剛性材料から形成され、一方、他の面112又は110の一部分は剛性材料から形成され、残りの他の面112又は110の一部分は可撓性材料から形成される。更なる一例として、第1の面110又は第2の面112は、完全に可撓性材料から形成され得、一方、他の面112又は110の一部分は可撓性材料から形成され、残りの他の面112又は110の一部分は剛性材料から形成される。そのように、種々の組み合わせが可能であり、意図され得る。
【0044】
プラットフォーム102は、比較的薄く、患者の滞在中又は手順中、患者と共に容易に運搬することができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、例えば患者の移送用途において2つの移送面の間に存在し得るギャップを埋めるのに十分な強度も有することができる。いくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、比較的硬く、無圧状態の少なくとも1つの長軸において、少なくとも約5N、いくつかの実施形態においては少なくとも約10N、及びいくつかの実施形態においては少なくとも約20Nの曲げ強度(例えば、3点曲げ強度)を有することができる。本明細書に使用される「曲げ強度」とは、本開示のプラットフォームの一実施形態の両方の長軸において実施されるとき、実施例1及びASTM D790−07手順Bにより決定され、これは試験目的のために幅20mm及び長さ100mmに裁断された。
【0045】
いくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、比較的可撓性であってもよく、これは、巻き取る又は折り畳むこと等によりプラットフォーム102の容易な保管及び運搬を提供することができる。そのような実施形態において、プラットフォーム102の曲げ強度は、約5Nを超えない、及びいくつかの実施形態においては約2Nを超えなくてもよい。いくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、幅20mm及び長さ100mmに裁断されるとき、非常に可撓性であってもよいため、無圧状態の少なくとも1つの長軸において曲げ強度を決定するための坦持体を測ることができない。無圧状態において比較的可撓性であるプラットフォーム102は、加圧状態において比較的剛性又は硬くてもよい。例えば、加圧されないときに可撓性であるいくつかのプラットフォーム102は、それらが加圧されるときの比較的剛性なプラットフォーム102に関して、上述の曲げ強度を含むことができる。そのように、比較的可撓性の無圧プラットフォーム102は、例えば患者を坦持するための、その加圧された状態において十分に剛性であり得る。
【0046】
プラットフォーム102が剛性、可撓性、又はそれらの組み合わせであるかどうかに関わらず、プラットフォーム102は、3次元で膨張不可な構造であり得る。「膨張不可」という用語は、一般に、無圧状態と比較して、使用中の内部圧の増加に応じて200%を超えない寸法の1次元変化(例えば長さ、高さ)又は寸法の3次元変化(例えば体積)を示す目的物を指すために使用され得る。いくつかの実施形態において、「膨張不可」とは、無圧状態と比較して、使用中の内部圧の増加に応じて100%を超えない、いくつかの実施形態においては50%を超えない、いくつかの実施形態においては30%を超えない、及びいくつかの実施形態においては10%を超えない1次元的又は3次元的に変化する目的物を指すことができる。いくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、寸法(例えば1次元及び/又は3次元)において検出可能な変化がない。
【0047】
寸法のパーセント増加の試験の目的において、寸法は、約1.5psig(約10.5kPa)のプレナムの内部圧を用いて測定され得る。試験を容易にするために、プラットフォーム102の15cm×15cm部分は、初期の弛緩した、無圧寸法(例えば、1次元及び/又は3次元)を推定するために形成され得る(例えば、裁断され得る)。
【0048】
加えて、プラットフォーム102は、自己坦持式であり得る。「自己坦持式」という用語は、一般に、周囲条件下で、その自身の重量下で崩壊しない目的物を指すために使用され得る。例えば、いくつかの実施形態において、「自己坦持式」という用語は、一般に、ギャップが周囲条件下(すなわち、プレナムに提供される正圧がない、0psig、0Pa)で第1の面と第2の面との間で維持されるプラットフォームを指すことができる。つまり、「自己坦持式」という用語は、一般に、第1の面及び第2の面が周囲条件下で相互に接触しないプラットフォームを指すことができる。「周囲条件」とは、一般に、室温(例えば、約25℃)及び大気圧(例えば、ゼロのゲージ圧)を指すことができる。
【0049】
更にいくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、非折り畳み式であり得る。「非折り畳み式」という用語は、一般に、閾値圧又は荷重以下の外部から印加された圧力に応じて崩壊しない目的物を指すために使用され得る。いくつかの実施形態において、閾値圧又は荷重は、約700Pa、いくつかの実施形態においては約3kPa、いくつかの実施形態においては約5kPa、いくつかの実施形態においては約10kPa、いくつかの実施形態においては約15kPa、いくつかの実施形態においては、いくつかの実施形態においては約20kPa、いくつかの実施形態において約40kPa、及びいくつかの実施形態において約50kPaであり得る。プラットフォームが折り畳み式であるかどうかの測定は、荷重部分(複数可)の中心で行うことができ、既知の重量及び面積(例えば、7.5cm平方)の硬い金属プレートを利用し、第1及び第2の面が「崩壊」し、相互に接触するまでプレートの上に重量(複数可)を加えることにより達成され得る。同じ部分での反復測定は低い値をもたらす可能性があるため、測定はそれぞれのサンプルにおいて1回行われ得る。「閾値」圧は、荷重下の部分の上面及び底面の任意の部分が接触する場合の外部から印加された圧力として測定され得る。
【0050】
例えば、いくつかの実施形態において、「非折り畳み式」という用語は、一般に、ギャップが閾値圧を超えない外部圧に応じて第1の面と第2の面との間で維持されるプラットフォームを指すことができる。つまり、「非折り畳み式」という用語は、一般に、第1の面及び第2の面が閾値圧を超えない外部から印加された圧力に応じて相互に接触しないプラットフォームを指すことができる。以下により詳細に説明されるように、第1と第2の面との間のギャップの維持は、第1と第2の面との間の距離にわたって少なくとも部分的に延在する坦持構造を利用することにより、少なくとも部分的に達成され得る。いくつかの実施形態において、プラットフォーム102(例えば、そのような坦持構造を含む)は、崩壊することなく、少なくとも約35kPaの圧力又は荷重、いくつかの実施形態においては少なくとも約50kPaの荷重、及びいくつかの実施形態においては少なくとも約75kPaの荷重を坦持することができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、プラットフォーム102の材料構成及び/又は構造により(例えば、プラットフォーム102の膨張不可、自己坦持式の性質の結果として)、プラットフォーム102は、破裂、亀裂、又は破損することなく、有意な内部圧(例えば、流体源104により提供されるような上に列挙されるもの)に耐えることができ、これは、プラットフォーム102に比較的大きな患者(例えば、350lb(約160kg)を超える重量の患者等の病的肥満患者)を坦持させることを可能にする。患者の移送用途において、これは、プラットフォーム102に大きな患者を持ち上げ、移動させることを可能にする。これは、マットレスが10kPa又は15kPa未満等の比較的低い内部圧にしか耐えることができない膨張可能なマットレスシステムに対して有意な利点であり得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、膨張不可の自己坦持式プラットフォーム102の利用により、時間がかかって騒音がする膨張プロセス、バルーニングとホットドッグとこれらの特性に伴う潜在的な落下の危険性、及び再利用されるように設計された大きなかさばる物体の保管と運搬等の、膨張可能な装置に関連する上で指摘された問題点のいくつかを回避することができる。
【0053】
いくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、プラットフォーム102の材料構成及び/又は構造の結果として、膨張不可の自己坦持式及び/又は非折り畳み式であり得る。いくつかの実施形態において、図1の面を一部切り取った部分に示されるように、患者坦持システム100は、第1の面110と第2の面112との間の距離d又はギャップにわたって少なくとも部分的に延在することができる1つ以上の坦持構造114を更に含むことができる。そのような実施形態において、坦持構造114は、プラットフォーム102が自己坦持式及び/非折り畳み式であることに少なくとも部分的に関与し、坦持構造114の少なくとも一部は、第1の面110及び/又は第2の面112の主面に対して実質的に直角に延在する構成要素を含むことができる。
【0054】
坦持構造114は、所望により、第1の面110及び第2の面112のうちの1つ又は両方に結合され得る。いくつかの実施形態において、坦持構造114の少なくとも一部は、第1の面110及び第2の面110のうちの1つ又は両方と一体に形成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、プラットフォーム102又はその一部分は、押出され、かつ/又は成形されて、第1の面110及び第2の面112のうちの1つ又は両方と一体に形成される坦持構造114を形成することができる。いくつかの実施形態において、第1の面110、第2の面112、及び坦持構造114は、単一型で一体構造を形成する(例えば、以下の図3、4、及び11〜13、並びに付随する説明を参照)。
【0055】
更に、第1の面110及び/又は第2の面112は、あるいは、坦持構造114と一体に形成されない別の材料のシートであり得ることを理解するべきである。つまり、第1の面110、第2の面112、及び/又は坦持構造114は、相互に異なる材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、第1の面110及び/又は第2の面112は、シートの形態であってもよく、坦持構造114と一体に形成されなくてもよい。むしろ、そのような実施形態において、第1の面110及び/又は第2の面112は、接着剤結合、溶解結合、又は適切な機械的締結を含むがこれらに限定されない、当業者に既知の様々な手段により坦持構造114に接合される、接着される、固定される、又は結合され得る。
【0056】
よって、いくつかの実施形態において、「シート」という用語は、「面」という用語と互換的に使用され得る。いくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、シートの形態(例えば、第1の面110及び第2の面112を形成する1つの大きな管状シート又は2つの別のシートのいずれか)で第1の面110及び第2の面112で構築され得る。そのような実施形態において、坦持構造114は第1の面110と第2の面112との間に位置し得、坦持構造114は、任意の様式で第1の面110及び第2の面112を形成するシート(複数可)に接着ないしは別の方法で結合されない。例えば、そのような坦持構造114は、第1の面110と第2の面112との間の距離にわたって少なくとも部分的に延在し、プラットフォーム102が崩壊するのを抑止し、プラットフォーム102の1つ以上のプレナム120を少なくとも部分的に画定するポスト、レール、中実チューブ、中空チューブ、壁、部分的な壁、又は他の適切な構造を含むことができる。いくつかの実施形態において、坦持構造114は、第1の面110及び第2の面112のうちの1つ又は両方に結合される(例えば、それらに化学的又は機械的に固定されることにより、及び/又はそれらと一体に形成されることにより)。坦持構造114が第1の面110及び/又は第2の面112に結合されるかどうかに関わらず、坦持構造114は、一般に、そこを通る流体移動を容易にする1つ以上のチャネル又は流体経路の「開放型」ネットワークを画定する。
【0057】
第1及び第2の面110及び112の少なくとも一部分は、所望により、一緒に結合され得るが(例えば、少なくとも部分的に坦持構造114を介して)、第1及び第2の面110及び112は、それらの間の距離dを維持し、それらの間にチャンバ又はプレナム120を提供する。プレナム120は、第1の面110、第2の面112、及び複数個の坦持構造114により、少なくとも部分的に画定される。プレナム120は、コネクタ106及びマニホールド108を介して、流体源104に流体結合される。単に一例として、図1に図示される実施形態において、それぞれの坦持構造114は、一般に、第1の面110と第2の面112との間のz方向に沿って延在し、第1の面110と第2の面112との間の距離dの維持を補助するz次元を含む。加えて、図1のそれぞれの坦持構造114は、x又はy方向に沿った第1及び第2の面110及び112のうちの1つ又は両方の主面に沿って(又は実質的にそれに対して平行に)延在するz次元に実質的に直角に向けられるx次元(又はy次元)も含む。
【0058】
しかしながら、坦持構造114は、図1に示される形状を有する必要はないことに留意するべきである。むしろ、坦持構造114は、円筒形、角錘、矩形、三角形、及びフック形状(例えば、以下の図6B〜10及びそれらの付随する説明を参照)、平行六面体、球形、半球形、多角形、円錘、円錘台形、他の適切な形状、及びそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない種々の形状(3次元又は断面形状を含む)を有することができる。坦持構造114は、(i)z次元並びにx及び/又はy次元を含む(すなわち、z方向並びにx及び/又はy方向に延在する)レール又は壁、(ii)主としてz次元を含む(すなわち、主として第1面110と第2の面112との間に延在する)ポスト、ペグ、又はピン、及び(iii)それらの組み合わせの形態であり得ることに更に留意するべきである。そのようなポスト又はペグは、図6B〜10に関連して以下により詳細に説明されるように、キャップ、囲い板、伸長部等を更に含むことができる。
【0059】
加えて、坦持構造114は、以下により詳細に説明されるように、任意の所望の構成で配置され得る。坦持構造114は一般にプラットフォーム102の一部分を形成するため、坦持構造114は、プラットフォーム102に関して上述される材料のいずれかから形成され得る。坦持構造114は、所望の荷重又は圧力を坦持するために、圧縮下で所望の強度を含むように形成され得る。
【0060】
加えて、図1に示されるように、いくつかの実施形態において、複数個の開口部122は第2の面112の少なくとも一部分を通して形成され得るため、開口部122は、流体が開口部122を介してプレナムから出ることを可能にするようにプレナム120と流体連通状態である。単に一例として、図1に図示される患者坦持システム100は患者の移送用途のために構成されるため、開口部122は、使用中に患者から離れて面するように適合される第2の面122のみを通り、使用中に患者に面するように適合される第1の面を通らずに形成される。しかしながら、以下により詳細に説明するように、いくつかの実施形態において、患者坦持システムは、患者の移送、患者の加温若しくは冷却、それらの組み合わせ、及び/又は他の用途のために構成され得る。そのような実施形態において、第2の面112を通って形成される開口部に加えて、又はそれに代わって、更なる開口部が第1の面110を通って形成され得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、開口部122は、常に開放されていてもよく(例えば、穿孔)、いくつかの実施形態において、開口部122のうちの少なくとも一部は、プレナム120又はその一部分内が閾値圧に達したときにのみ開放されるように構成され得る、一方向弁(例えば、一方向の圧力作動弁)を含むか、又はそれに結合され得る。そのような弁は、種々の手動又は自動弁、電子圧力変換器、逆止め弁(例えば、ダックビル型弁、ボール式逆止め弁、ダイヤフラム型逆止め弁、スイング逆止め弁、止め逆止め弁、リフト逆止め弁、リード弁等)、又はストップコック弁、チョウ型弁、絞り弁、一定容積絞り弁、タイマー弁(timer valves)、先細り弁(tapered valves)(例えば、開口部122がプレナム側から第1の面110又は第2の面112に向かって先細る)等の他の種類の弁、他の適切な弁、又はそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、開放型開口部122及び弁付き開口部122の組み合わせが利用され得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、図3に示されるように、開口部222は、実質的に真っすぐであってもよく、第1の面210及び/又は第2の面212の主面に対して実質的に直角に向けられ得る。そのような構成は、患者の移送用途に有用であり得、流体は、十分な流体パレットを提供するために、ベッド若しくは台等の別の面又は構造に向かって開口部222から効率良く確実に出ることができる。しかしながら、例えば、所望に応じて開口部222から出る流体を方向づけるための、他の開口部の構成及び向きが利用され得ることを理解するべきである。加えて、いくつかの実施形態において、開口部222は、第1の面210及び/又は第2の面212を通る真っすぐな通路を取らなくてもよい。
【0063】
本開示の開口部122(例えば、図1の開口部122、又は図3の開口部222)は、規則的なパターン若しくはアレイ、又は不規則若しくはランダムな配置を含む、種々の配置に配置され得る。いくつかの実施形態において、開口部122は、非常に小さい空孔又は穿孔であり得る。更に、開口部122は、円形、正方形、矩形、三角形、多角形、他の適切な形状、及びそれらの組み合わせを含む、種々の断面形状(例えば、第1及び第2の面110及び122に実質的に垂直である平面に沿って分割されるとき)を有する。単に一例として、いくつかの実施形態において、開口部122は実質的に円形の断面形状及び約0.070インチ(0.18cm)の直径を有し、開口部122はグリッド配置に配置され、開口部122は、約平方インチ毎(約6.5平方センチメートル毎)に設置され得る。しかしながら、開口部の寸法、形状、及び配置は、所望の用途に基づき決定され得る。単に一例として、いくつかの実施形態において、開口部122は、押出しプロセス、又は面に温又は冷針穿孔を形成すること等の二次プロセスにより、第1の面110及び/又は第2の面112に形成され得る。
【0064】
加えて、いくつかの実施形態において、図1に示されるように、プラットフォーム102(又は第1若しくは第2の面110若しくは112)は、開口部122が形成される第1の部分126と、開口部122が形成されない第2の部分128とを含むことができる。結果として、開口部122は、第1の面110又は第2の面112の主面全体にわたって形成される必要はない。むしろ、開口部122は、所与の用途に必要なところに形成され得る。
【0065】
いくつかの実施形態において、第1の部分126は、プラットフォーム102の中央に対して第2の部分の外側方向に位置することができる。例えば、そのような実施形態において、開口部122はプラットフォーム102の周囲に向かって形成されてもよく、一方、プラットフォーム102の中央は実質的に開口部122を含まなくてもよい。これは、例えば、第1の面110が第1の部分を通るが第2の部分を通らずに形成される開口部を含む、患者の熱制御を利用する実施形態における場合であり得る。そのような開口部は、患者坦持システム100の第2の面112を通って形成される、示される開口部122の代わりに又はそれに加えて利用され得る。
【0066】
いくつかの実施形態において、図1に示されるように、プラットフォーム102の第2の部分128は、第1の部分126の外側に向かって、又はプラットフォーム102の周囲に向かって位置してもよいため、第2の部分128は、開口部が形成されない外周辺領域を含む。そのような構成は、図1に示されるように、患者の移送を利用する実施形態において、プラットフォーム102の所望の領域に流体パレットを集中させるために使用され得る。
【0067】
いくつかの実施形態において、プラットフォーム102は、開口部122を備える複数の第1の部分126及び/又は開口部を備えない複数の第2の部分128を含むことができ、複数の第1の部分126及び/又は第2の部分128は、特定の使用のために所望に応じて配置され得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、上述のように、第1の面110は、患者の移送のために使用され得る開口部122に加え、例えば、患者の熱制御のために使用されるように適合される、更なる開口部(例えば、図2を参照)を含むことができる。そのような実施形態において、第2の面112は、図1に示されるように、第1の部分126及び第2の部分128を含むことができ、第1の面110は1つ以上の第1の部分及び/又は患者の熱制御等の所望の機能を実現するように位置付けられ、配置される第2の部分を更に含むことができる。第1の面110上の第1の部分(複数可)は、第2の面112上の第1の部分(複数可)126に対応する必要はない。例えば、いくつかの実施形態において、第1の面110は、開口部を含まない第2の部分に対して、第1の面110の周囲に向かって位置する開口部を備える第1の部分を含むことができる。そのような開口部は、例えば、第1の面110に隣接して位置付けられる患者に加熱した(例えば、約35〜42℃)流体(例えば温風)を送達するように位置付けられ得る。そのような実施形態の第2の面112は、図1に示されるように、開口部122を備える第1の部分126と、開口部122を含まない第2の部分128とを更に含むことができる。そのような実施形態において、第1の面110に形成される開口部はプラットフォーム102の周囲に向かって位置することができ、一方、第2の面112に形成される開口部122はプラットフォーム102の中央に向かって形成される。
【0069】
上述のように、坦持構造114は、プレナム120が流体源104及び開口部122の両方と流体連通することが可能である任意の所望の構成を有することができる。図1に示される実施形態において、坦持構造114は、プレナム120を、それぞれマニホールド108に流体結合され、かつ流体源104と流体連通状態にある複数個のプレナム120(例えば、流体チャネル)に分割する壁を形成する。しかしながら、それぞれの坦持構造114は、第1及び第2の面110及び112の長さに沿って延在する必要はなく、複数個のプレナム120は、他から完全に分離される必要はないことを理解するべきである。いくつかの実施形態において、坦持構造は、非常に短く、更にポスト、ペグ、ピン等の形態であってもよいため、第1と第2の面110及び112との間の空間は1つのプレナム120を画定する。そのような場合、坦持構造114は、規則的なアレイ又はパターンに配置される必要はないが、不規則であるか、又は領域に配置され得る。更にいくつかの実施形態において、より小さい別個のプレナム(例えば、チャネル、ポケット、チャンバ)の組み合わせ及びより大きなプレナムが利用され得る。そのような構成は、例えば、ポスト様及びレール様の坦持構造114が利用されるときに実践され得る。
【0070】
図1において平坦な平面シートとして示されるが、第1及び第2の面110及び112は平面的である必要はない。むしろ、第1及び第2の面110及び112は、種々の断面形状を有することができる。例えば、第1の面110及び第2の面112のうちの1つ又は両方は、くぼみ若しくは凹(例えば、凹部又は凸部ドーム)又は種々の他の形状を有することができる。いくつかの実施形態において、そのような凹は、坦持構造114の取り付け手段を形成することができ、かつ/又はそれらは1つ以上の開口部122を含むことができる(例えば、図12及び13並びに付随する説明を参照)。いくつかの実施形態において、第1の面110及び第2の面112のうちの1つ又は両方は、正弦波形状断面形状等の、種々の他の断面形状を有することができる。
【0071】
更にいくつかの実施形態において、坦持構造114は、図1に示されるように、全て同じ寸法である。しかしながら、いくつかの実施形態において、様々な形状及び/又は寸法(例えば高さ)の種々の坦持構造114が利用され得る。
【0072】
坦持構造114を含む患者坦持システム100のプラットフォーム102の少なくとも一部分として使用され得る材料の一例としては、CORRUBOARD対壁中空プロファイルのプラスチックシート(Corplast Packaging Industry,Malaysiaから入手可能;www.corplast.comを参照)である。
【0073】
いくつかの実施形態において、患者坦持システム100は、プレナム(複数可)120への1つ以上の入口127、プレナム(複数可)120、及び開口部122により少なくとも部分的に画定され得る1つ以上の流体通路125を含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の流体通路125は、流体源104、所望によりコネクタ106及び/又はマニホールド108、所望により1つ以上の入口127、プレナム(複数可)120、及び開口部122により画定され得る。
【0074】
いくつかの実施形態において、プレナム(複数可)120への入口(複数可)127での流体圧(マニホールド108への入口129、又はプレナム120への入口127で測定され得る)は、少なくとも約3kPa、いくつかの実施形態においては少なくとも約5kPa、いくつかの実施形態においては少なくとも約10kPa、及びいくつかの実施形態においては少なくとも約15kPaであり得る。いくつかの実施形態において、プレナム(複数可)120への入口(複数可)127での流体圧は、約40kPaを超えない、いくつかの実施形態においては約35kPaを超えない、及びいくつかの実施形態においては約20kPaを超えなくてもよい。
【0075】
マニホールド108への入口129は、マニホールド108の一端にあるように示されるが、入口129はマニホールド108の長さに沿った任意の点、又はコネクタ106とマニホールド108との間のマニホールド108の長さに沿った複数の位置(例えば、Yホース(及び所望により更なるコネクタ)を利用することにより)等に位置し得ることに留意するべきである。
【0076】
図1に示されるように、いくつかの実施形態において、患者坦持システム100は、開口部122の外に出る流体を方向づけるために使用され得るスカート130(又は時折「流体スカート」、「エプロン」、「シール」、「バッフル」とも称される)を更に含むことができる。例えば、図1に示されるように、スカート130は、第2の面112(及び/又は更なる開口部が第1の面110に形成される場合、第1の面110)に結合され、開口部122が形成される第1の部分126と、開口部122の外に流れ出る流体がプラットフォーム102の側面、例えば、第2の面112に対して実質的に平行な方向に漏れるのを抑止するために、開口部が形成されない第2の部分128との間に位置し得る。つまり、患者坦持システム100は、所望に応じて、開口部122の外に出る流体の方向付けを補助するために(例えば、第1の面110及び第2の面112のうちの1つ又は両方に対して実質的に平行な方向に流体が開口部122の外に出るのを抑止するために)、開口部122に隣接して位置付けられるスカート130を含むことができる。エプロン又はスカート130は流体を含有し、坦持面からプラットフォーム102を持ち上げるのを容易にする働きをし、よって、荷重プラットフォーム102を移動させるのに必要な力を減少させることができる。スカート130は、十分な流体パレットを作り出し、プラットフォーム102及び患者を持ち上げるのに十分な力をプラットフォーム102下に生成するのを補助するため、並びにプラットフォーム102及び患者を移動させることを可能にするための患者の移送用途に特に有用であり得る。しかしながら、スカート130は、他の使用又は用途にも利用され得る。
【0077】
スカート130は、プラットフォーム102の第1の部分126と第2の部分128との間に位置付けられる部分を含むときの例として図1に示される。しかしながら、スカート130は、開口部122の外に出る流体の方向付けを補助するために、必要に応じて位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、スカート130は、プラットフォーム102(又は第1及び/又は第2の面110及び/又は112)の外側端部に隣接して(又は周囲に沿って)位置することができる。加えて、いくつかの実施形態において、図1に示されるように、スカート130はグリッドパターンを含むことができる。そのように、図1のスカート130は、プラットフォーム102の幅に沿って向けられる複数個の部分と、複数個の個別の流体パレットのセル又は個別の流体パレットを形成するように交差するプラットフォーム102の長さに沿って向けられる複数個の部分とを含む。結果として、スカート130の一部分が、使用中に抑圧される、よじれる、崩壊する、ないしは別の方法で損なわれる場合、患者坦持システム100の流体パレット全体に影響を及ぼすことなく、流体パレットの一部分(又は個別のセル)のみに影響を及ぼすであろう。そのようなグリッド様のスカート130構成は、単に一例として図1に示され、スカート130は、代わりに、例えば、第1の部分126と第2の部分128との間に位置する単に1つの周囲スカートを含むことができる(例えば、スカート130の大半の周囲境界部分のみが利用された場合)ことを理解するべきである。別の方法としては、流体パレットを別個の部分に効率的に分割して、流体をそのような部分の下に閉じ込める多くの他の適切な多重スカート構成が可能である。他のスカート構成が可能であり、本開示の趣旨及び範囲内である。
【0078】
図1に図示される実施形態において、スカート130は、低摩擦面を有する発泡テープから形成される(例えば、独立気泡ポリエチレン発泡体アクリル系接着テープ、3M Company,St.Paul,MNからMicrofoam Tapeとして入手可能)。
【0079】
いくつかの実施形態において、スカート130は、不均等な面(例えば、ベッド、台車付き担架等)に順応することができる。例えば、いくつかの実施形態において、スカート130は、エラストマー性シール、独立気泡発泡体、又は膨張可能な袋等の順応性又は変形可能な材料から形成され得る。膨張可能なスカート130を利用することにより、プラットフォーム102は、配送及び保管において低プロファイルを有することができるが、流体を捕捉し、プラットフォーム102を不均等な面に移動させることを容易にするためにスカート130を膨張させるときに、より大きな深度も有することができる。スカート130が膨張可能である実施形態において、スカート130は、プラットフォーム102が流体源104からの流体で加圧されるのと同時に膨張させることができる。つまり、いくつかの実施形態において、スカート130は、直接的及び/間接的に(例えばプレナム120を介して)流体源104にも流体結合され得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、スカート130は、専用の流体源に流体結合され得る。いくつかの実施形態において、スカート130は、マニホールド108に連結されたコネクタ(チューブ等)を介して膨張され得る。例えば、スカート130は、マニホールド108の一端に連結された流体導管を介して膨張され得るレイフラットチューブの部分であり得る。他の実施形態において、膨張可能なスカート130は、両端に沿って第2の面112に封止されるシート部分(例えばフィルム、例えば、幅が約5cm〜10cmの範囲)であってもよく、前記端部の間の過剰材料を、例えば、シート下の穿孔又は開口部を介して膨張させることが可能である。
【0080】
プラットフォーム102を作製するいくつかの方法において、スカート130は、スカート130を使用中に膨張させるときに生じ得る剪断力の結果として、スカート130がプラットフォーム102から外れるのを抑止するために、プラットフォーム102に結合される前に膨張させることができる。スカート130がプラットフォーム102に結合された後、次いで、運搬及び保管のためにスカート130の空気を抜くことができる。
【0081】
いくつかの実施形態において、プラットフォーム102の一部分(例えば、第1の面110及び第2の面112のうちの1つ又は両方)は、スカート130がプラットフォーム102に結合されるときに位置付けられ得る凹又は陥凹を含むことができる。
【0082】
いくつかの実施形態において、患者坦持システム100(又はプラットフォーム102)は、所望の用途に特有であり得る更なる付属品を含むことができる。例えば、図1に示されるように、いくつかの実施形態において、例えば患者の移送用途において、流体パレットにわたってプラットフォーム102を移動させるのを補助するために、1つ以上のハンドル134がプラットフォーム102に形成されるか、又はそれに結合され得る。単に一例として、患者坦持システム100は、それぞれがヒトの手を受容するように寸法決定されるハンドル134として、4つの矩形形状の開口部又は切欠部分を含む。しかしながら、異なる種類のハンドル(例えば、剛性ハンドル、可撓性ハンドル等)が利用されてもよく、そのようなハンドルは、第1の面110及び第2の面112のうちの1つ又は両方等のプラットフォーム102に結合され得ることに留意するべきである。例えば、いくつかの実施形態において、ハンドル134は、第1の面110及び/又は第2の面112に結合され得るストラップ、ループ等を含むことができる。
【0083】
図1のハンドル134は、プラットフォーム102の端部、並びに使用中のプラットフォーム102の上に位置付けられる患者の長手方向軸線に対して実質的に平行である。しかしながら、いくつかの実施形態において、ハンドル134は、プラットフォーム102の端部及び/又はプラットフォームの長手方向軸線(若しくはプラットフォーム102の上に位置付けられる患者の長手方向軸線)に対して、少なくとも約20度、いくつかの実施形態においては少なくとも約30度、及びいくつかの実施形態においては約45度の角度に向けられ得ることに留意するべきである。いくつかの実施形態において、ハンドル134は、約75度を超えない、及びいくつかの実施形態においては約60度を超えない角度に向けられ得る。いくつかの実施形態において、マニホールド108付近に位置付けられるハンドル134は、マニホールド108から更に離れて位置付けられるハンドル134に対して、例えば、マニホールド108に平行なプラットフォーム102を2等分する対称中心線に対して対称に向けられる。
【0084】
加えて、いくつかの実施形態において、図1に示されるように、患者坦持システム100は、患者をプラットフォーム102に固定し、かつ/又はプラットフォーム102をベッド、台、台車付き担架等の下面若しくは構造に固定するために使用され得るストラップ136を更に含むことができる。
【0085】
いくつかの実施形態において、患者坦持システム100は、「ホース噴射(hosing)」と呼ばれる現象が生じるのを阻止する、つまり、臨床医が温風を放出するホースを患者の皮膚に直接隣接して設置することを抑止するように構成されるシステムを更に含むことができる。そのようなシステムは、例えば、不十分な圧力低下を検出するために位置付けられるコネクタ106及び/又はセンサの上に弁を含むことができる。そのようなシステムの一例は、米国特許第7,338,515号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
患者坦持システム100が患者の移送用途のために設計されるいくつかの実施形態において、患者坦持システム100又はその一部分は所与の坦持面上に留まるように設計され得る。例えば、いくつかの実施形態において、患者坦持システム100又はその一部分は、ベッド、台車付き担架、手術室台、放射台等の医療施設の大半の又は全ての坦持面上に存在し得る。そのような実施形態において、患者は、患者坦持システム100の上に設置される更なる移送シート又は面(例えば、以下に説明される図2のライナー250)に横になることができる。しかしながら、これらの実施形態において、患者の坦持システム100は、プレナム120の外に出る流体が坦持面から離れて上方に向かって、かつ移送シート(及び患者)に向かって方向付けされるように逆位置で坦持面上に設置され得る。よって、流体の流れが開始すると、移送シート及び患者は、流体パレット上で上昇し、移送を容易にすることができる。この実施形態において、移送シートはプレナムを含まない受動シートであるか、又は移送シートは更なる患者坦持システム100(又はプラットフォーム102等のその一部分)であってもよいため、流体は両面から対向様式で方向付けされ、移送に伴う摩擦力を更に低下させる。能動的又は受動的に関わらず、移送シートは、可撓性(例えば、プラスチックフィルム又は布地)、半剛性(例えば、100〜500マイクロメートルの厚さのポリオレフィン等のより厚いプラスチックフィルム)、又は剛性シート(例えば、500マイクロメートルを超える厚さを有する厚いプラスチックフィルム(例えば、ポリオレフィン)若しくは移送ボード等)であり得る。移送シートは、成形プラスチックシート等の、平坦であるか、又は起伏があってもよい。移送シートは、患者坦持システム100について説明される更なる特徴、並びにスカート、ハンドル、患者パッド、ストラップ等を含むがこれらに限定されない坦持システム200及び300等の、他の坦持システムについて後に説明されるもののいずれかを有することができる。
【0087】
結果として、患者坦持システム100が坦持面に結合されたままであるように設計される実施形態において、開口部122は、流れを患者に向かって方向付けるように位置付けることができるため、患者坦持システム100は患者の移送及び/又は患者の熱制御のために使用され得る。
【0088】
図2及び3は、本開示の別の実施形態による患者坦持システム200を図示し、同じ番号は同じ要素を表す。患者坦持システム200は、図1の図示される実施形態に関連して上述されるものと同一の多くの要素及び特徴を共有する。したがって、図1に図示された実施形態の要素及び特徴に相当する要素及び特徴には、200番台の同様の参照番号を付すものとする。図2及び3に図示される実施形態の特徴及び要素(並びにそれらの特徴及び要素の代替物)のより完全な説明については、図1に付随する上記の説明文を参照されたい。
【0089】
図2及び3は、本開示の患者坦持システムに利用され得る種々の更なる付属品又は特徴を特に図示する。
【0090】
患者坦持システム200は、患者の移送及び/又は患者の熱制御用に構成される。そのように、患者坦持システム200は、所望によりコネクタ206(例えば、ホース)及び/又はマニホールド208を介して流体源204に機械的に結合され、かつ流体結合されるプラットフォーム202を含む。図3はより詳細にプラットフォーム202を図示する。
【0091】
図1の実施形態と同様に、図2及び3のプラットフォーム202は、第1(上)の面210、及び第1の面210に対して実質的に平行に位置付けられ、かつ流体源204と流体連通状態にあるそれらの間にチャンバ又はプレナム220を提供するための距離dによって第1の面210から分離される第2(低)の面212を含む。結果として、プレナム220は、流体源204から正圧下で流体を受容することができる。第1の面210及び第2の面212のそれぞれは、その長さ及び幅の方向に延在し、かつある一部分において、他の面の主面に面する主面を含む。第1の面210に隣接する、プラットフォーム102の上に位置する患者Pを示す。
【0092】
加えて、患者坦持システム200は、図1に示され、上述されるものと同様のハンドル234及びストラップ236を更に含む。
【0093】
図3に示されるように、患者坦持システム200は、第1の面210と第2の面212との間の距離d又はギャップにわたって少なくとも部分的に延在することができる坦持構造214を更に含むことができる。加えて、こうである必要はないが、坦持構造214は、第1の面210及び第2の面212の両方に結合され、それらと一体に形成されるものとして示される。例えば、いくつかの実施形態において、坦持構造214が第1の面210及び/又は第2の面212のいずれかと一体に形成さない、又はそれらに結合されない構造を形成することも可能である。
【0094】
上述のように、そのようなプラットフォーム202は、押出及び/又は成形等の製造方法を容易にするように作製され得る。
【0095】
プレナム220は、第1の面210、第2の面212、及び坦持構造214により少なくとも部分的に画定され得る。坦持構造214は、図1の坦持構造114と同様にx及び/又はy次元を含み、かつプラットフォーム202(例えば、「円柱形」)の長さに沿って延在することができ、本質的に、プレナム220をそれぞれが流体源204と流体連通状態にある複数個のプレナム220に分割できる、坦持構造214は「ポスト様」であるか、又は1つの大きなプレナム220を画定するようにプラットフォーム202の全長に沿って延在しない長さを有する、又はそれらの組み合わせである。
【0096】
図3に更に示されるように、患者坦持システム200は、患者の移送及び/又は患者の熱制御用途に使用するために構成され得るため、患者の加温/冷却のために使用され得る第1の面210は、そこを通って形成される第1の開口部222Aを含み、患者の移送に使用され得る第2の面212は、そこに形成される第2の開口部222Bを含む。上述のように、開口部222は、開放型又は弁付きであり得る。単に一例として、坦持構造214及び開口部222は、規則的な及び不規則なアレイに配置されるように示されるが、上述のようにそうである必要はない。
【0097】
患者坦持システム200を患者の熱制御及び/又は患者の移送に使用することを可能にするために、いくつかの実施形態において、流体源204は、熱移送(又は熱制御)ユニット205を含むか、又はそれに結合され得る。熱移送ユニット205は、単に一例として図2に概略的に示されるが、任意の適切な熱移送ユニットが熱をプレナム220の流体の中又は外のいずれかに移送させるために利用され得ることを理解するべきである。
【0098】
図2は、第1の開口部222Aから外に出て、患者Pを包囲する流体を表す点線の矢印240、及び第2の開口部222の外から出る流体を表す実線の矢印242を図示する。
【0099】
患者の加温及び/又は冷却用途において、患者坦持システム200は、図2に示されるブランケット244等の、1つ以上のブランケット、ドレープ、シート等を含むか、又はそれらと組み合わせて使用して、第1の開口部222Aの外に出て、加温された流体で患者Pを包囲する、温度制御流体の捕捉を補助することができる。そのような加温流体は、患者Pの少なくとも選択された一部分を対流により加温するために、第1の開口部222Aの外から出ることができる。例えば、図2に示されるように、いくつかの実施形態において、ブランケット244は、患者Pの一部分のみを覆うことができるため、患者の他の部分は、アクセス可能なままであり得る。しかしながら、いくつかの実施形態における所与の手順において、患者P全体がアクセス可能である必要がある場合、患者坦持システム200は、任意のブランケット又はドレープを含まない、又はそれらと組み合わせて使用されなくてもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、開口部222は、種々の形状及び寸法の種々の開口部222を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、第1の開口部222Aは、患者Pを加温又は冷却するために使用される温度制御流体の流量を増加するための、1つ以上の大きな排出口を含むことができる。同様に、いくつかの実施形態において、そのような大きな開口部は、患者Pの所望の持ち上げに到達することを補助するために、第2の開口部222Bに利用され得る。
【0101】
図1に図示される実施形態に関して上述されるように、第1の開口部222A及び第2の開口部222Bは、第1の面210及び第2の面212のそれぞれの面全体にわたり形成される必要はない。むしろ、図2に示されるように、いくつかの実施形態において、第1の開口部222Aは、第1の面210の第1の部分226Aに形成され、第1の面210の第2の部分228Aに形成されなくてもよく、第1の開口部222Bは、第2の面212の第1の部分226Bに形成され、第2の面212の第2の部分228Bに形成されなくてもよい。第1の面210の第1の部分226Aは、第2の面212の第1の部分226Bと対応する必要はないが、いくつかの実施形態においては対応してもよく、第1の面210の第2の部分228Aは、第2の面212の第2の部分228Bと対応する必要はないが、いくつかの実施形態においては対応してもよい。
【0102】
いくつかの実施形態において、患者坦持システム200は、患者の移送又は患者の熱制御のいずれかに使用されるのに必要な特徴の全てを含む。そのような実施形態において、例えば、第2の開口部222Bは、圧力作動弁を含むか、又はそれに結合され得るため、流体は、プレナム220の開口圧力に到達するまで第2の開口部222Bの外から出ない。プレナム220は、(i)患者を加温若しくは冷却するために、プレナム220に流入し、第1の開口部222Aから流出するであろう低圧加熱流体(例えば、約35〜42℃の温度)若しくは低圧深冷流体(例えば、いくつかの実施形態において、2〜20℃の範囲、及びいくつかの実施形態においては4〜15℃の範囲の温度を有する)、又は(ii)患者の移送のために、プレナム220に流入し、第2の開口部222Bから流出するであろう高圧冷却流体(例えば、周辺温度)のいずれかを要求に応じて供給するであろう制御ユニットによって制御され得る。そのような実施形態において、低圧加熱又は深冷流体は、第2の開口部222Bの弁を作動させるのに不十分な圧力か、又は弁が使用されない場合、患者Pをプラットフォーム202の上に位置付けるときに、プラットフォーム202を持ち上げるのに不十分な圧力のいずれかを有するように適合され得る。しかしながら、非温度制御流体(例えば、周辺温度)は、第2の開口部222Bの弁を作動させるか、又はプラットフォーム202及び患者Pを持ち上げるかのいずれかに不十分な圧力を有するだろう。
【0103】
他の実施形態において、患者坦持システム200は、患者の移送及び熱制御を同時に提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、これは、単に2つのプラットフォーム202、つまり、第1の開口部222Aを有するものと、第2の開口部222Bを有する別のものを利用することにより達成することができる。そのような実施形態において、一方のプラットフォーム202の第2の面212は、所望により、他方のプラットフォーム202の第1の面210に結合され得る。
【0104】
更に他の実施形態において、患者の移送及び患者の熱制御を同時に提供することができるように、二重プレナム構成を備えるシステムが利用され得、ここで、1つ以上の第1のプレナムが患者加温/冷却を提供するように構成され、1つ以上の第2のプレナムが患者の移送を提供するように構成される。そのようなシステムの例としては、図5、9、及び10に示され、以下に説明される。
【0105】
図2に示されるように、いくつかの実施形態において、プラットフォーム202は、例えば、患者の移送中の面又は目的物(例えばベッドリネン)上のプラットフォーム202の端部がたるむのを回避するための曲線縁246を含むことができる。図2に示されるように、いくつかの実施形態において、曲線縁246は、第1の面210に向かって上方に湾曲され得る。いくつかの実施形態において、プラットフォーム202は、第2の面212に向かって下向きに湾曲する端部を含むことができ、そのような端部は、流体の流れを方向付け、患者の移送において面から離れてプラットフォーム202及び患者Pを持ち上げることを補助するためのスカート(上述の図1のスカート130等)に加えて、又はその代わりに使用され得る。
【0106】
図2に更に示されるように、いくつかの実施形態において、患者坦持システム200(又はプラットフォーム202)は、プラットフォーム202から患者Pが落ちるのを阻止するために、第1の面210の周囲に向かって位置する周縁構造248を更に含むことができる。周縁構造248は、種々の材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、周縁構造248は、剛性の壁又は出っ張りであってもよく、いくつかの実施形態において、図2に示されるように、周縁構造248は順応性又は変形可能であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、周縁構造248は、独立気泡発泡体又は膨張可能な袋等の変形可能な材料から形成され得る。膨張可能な周縁構造248を利用することにより、プラットフォーム102は、運搬及び保管において低プロファイルを有するが、使用中の安全特性として周縁構造248を含むことができる。周縁構造248が膨張可能である実施形態において、周縁構造248は、プラットフォーム102が流体源204からの流体で加圧されるのと同時に膨張させることができる。つまり、いくつかの実施形態において、周縁構造248は、直接的及び/又は間接的に(例えばプレナム220を介して)流体源204にも流体結合され得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、周縁構造248は、専用の流体源に流体結合され得る。いくつかの実施形態において、周縁構造248は、プラットフォーム202(例えば、上述のスカート130と同様の)に結合されたレイフラットチューブの1つ以上の断片から形成され得る。他の実施形態において、周縁構造248は、両端に沿って第1の面110に封止されるシート部分(例えばフィルム、例えば、幅が約5cm〜10cmの範囲)であってもよく、前記端部の間の過剰材料を、例えば、シート下の穿孔又は開口部を介して膨張させることが可能である。
【0107】
同様に、患者坦持システム200は、頭、腰、かかと等の患者Pの所望の部分の下に更なるパッドを提供する必要がある場合には、第1の面210に結合され得る更なるパッド又は膨張可能な袋を含むことができる。
【0108】
図2に更に示されるように、いくつかの実施形態において、患者坦持システム200(又はプラットフォーム202)は、1つ以上のライナー又はカバー250を更に含むことができる。そのようなライナー250は、使い捨てであり得、種々の形状及び寸法であり得、いくつかの異なる使用に適合され得る。例えば、図2に示されるように、いくつかの実施形態において、ライナー250は、第1の面210の大部分にわたって延在する必要がないが、むしろ患者Pの一部分の真下に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、ライナー250は、低摩擦の面を含むことができ、患者(例えば、動けない又は歩行不能な患者)をプラットフォーム202の第1の面210上に乗せるのを容易にするための、スリップシートとして使用され得る。他の実施形態において、ライナー250は吸収性であり得、プラットフォームの流体を吸収することができる。
【0109】
いくつかの実施形態において、ライナー250は、開口部222の一部から流体が流出するのを選択的に阻止するために、開口部222の少なくとも一部に隣接して位置付けることができる流体阻止層を含むことができる。これは、例えば、対流加温から患者Pの特定の領域を阻止するために使用され得る。いくつかの実施形態において、患者坦持システム200は第1の開口部222Aの全てを覆うライナー250を含むことができ、ライナー250はその長さに沿って様々な位置に穿孔を含むことができるため、臨床医は、患者Pの所望の部分を加熱又は冷却/深冷流体に曝すために、どこのライナー250を取り除くかを決定することができる。
【0110】
いくつかの実施形態において、複数のライナー250が利用することができ、複数のライナー250は、スリップシート、吸収剤、流体阻止層、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0111】
図3に示されるように、いくつかの実施形態において患者坦持システム200は、坦持構造214と同様のポスト、レール等であり得る複数個の坦持突出部254(図2に示さず)を更に含むことができる。坦持突出部254はマイクロ複製により形成され得、本質的に「爪床」面を患者Pに提供するように第1の面210に結合され得る。患者Pのためのそのような坦持面は、患者Pの下及び/又は周囲に優れた流体循環(第1の開口部222Aから及び患者Pを包囲する空気の両方)を提供することができる。複数個の坦持突出部254は、「通気性」又は流体循環を備えることなく、実質的に低摩擦の面を患者に提供することもできる。坦持構造214と同様に、坦持突出部254は、必要な任意の形状又は寸法から形成され得、任意の適切な構成に配置され得る。しかしながら、プラットフォーム202内の坦持構造214と違い、坦持突出部254は、患者Pに面するように適合され、周囲に曝されるように位置付けられる。
【0112】
図4は、本開示の別の実施形態による患者坦持システム300の少なくとも一部分を図示し、同様の番号は同様の要素を表す。患者坦持システム300は、図1〜3の図示される実施形態に関連して上述されるものと同一の多くの要素及び特徴を共有する。したがって、図1〜図3の図示される実施形態の要素及び特徴に相当する要素及び特徴には、300番台の同様の参照番号を付すものとする。図4に図示される実施形態の特徴及び要素(並びにそのような特徴及び要素の代替物)のより完全な説明については、図1〜3に付随する上記の説明文を参照されたい。
【0113】
患者坦持システム300は、患者の移送及び/又は患者の熱制御用に構成され得、図2及び3に示され、上述される患者坦持システム200のプラットフォーム202と実質的に同じであるプラットフォーム302を含む。そのように、プラットフォーム302は、第1(上)の面310、及び第1の面310に対して実質的に平行に位置付けられ、かつそれらの間にチャンバ又はプレナム320を提供するための距離dによって第1の面310から分離される第2(低)の面312を含む。プラットフォーム302は、第1の面310と第2の面312との間の距離d又はギャップにわたって少なくとも部分的に延在することができる坦持構造314を更に含むことができる。加えて、坦持構造314は、第1の面310及び第2の面312の両方に結合され、それらと一体に形成されるものとして示される。
【0114】
図3に示されるプラットフォーム202と同様に、患者の熱制御に使用され得るプラットフォーム302の第1の面310は、そこを通って形成される第1の開口部322Aを含むことができ、患者の移送に使用され得る第2の面312は、そこに形成される第2の開口部322Bを含むことができる。
【0115】
図4に示されるように、患者坦持システム300は、順応性を提供するために第1の面310に結合され得る順応性物質356と、患者にとってより順応性で圧力分散式の坦持面とを更に含むことができる。順応性物質356は、発泡体、ゲル、又は1つ以上の膨張可能な袋、並びにそれらの組み合わせ等の順応性又は変形可能な材料から形成され得る。結果として、順応性物質356は、患者が褥瘡を発症するのを防止する機能を果たすことができる。いくつかの実施形態において、順応性物質356は、例えば、衛生状態を向上し、異臭を低減するために、微生物を死滅するための1つ以上の抗菌剤で処理され得る。
【0116】
順応性物質356は、開放気泡発泡体、布地(例えば、不織布、織布、ニット、又はそれらの組み合わせ)、ゲルパッド、又はそれらの組み合わせの1つ以上を含むが、これらに限定されない種々の材料から形成され得る。
【0117】
膨張可能な順応性物質356を利用することにより、プラットフォーム302は、運搬及び保管のために低プロファイルを有するが、順応性物質356を使用中に膨張させるときにより大きな深度も有することができる。順応性物質356が膨張可能である実施形態において、順応性物質356は、プラットフォーム302が流体で加圧されるのと同時に膨張させることができる。つまり、いくつかの実施形態において、順応性物質356は、直接的及び/又は間接的のいずれかで(例えば、プレナム320を介して)、プラットフォーム302が結合される同じ流体源にも流体結合され得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、順応性物質356は、専用の流体源に流体結合され得る。
【0118】
患者の移送に適合される実施形態において、プラットフォーム302の下に形成される流体パレットが順応性物質356の膨張レベルに依存しないため、流体パレットはまた、順応性物質356が十分な内部圧に完全に膨張することを必要とすることなく、比較的迅速にプラットフォーム302下に作製され得る。むしろ、順応性物質356は、必要に応じて、流体パレットの必要性に関係なく膨張され得る。順応性物質356が、プラットフォーム302が加圧されるのと同じ流体源によって膨張される実施形態においても、1つ以上の弁が、必要ならば、単にプラットフォーム302に流体を供給するために、順応性物質356への流体通路を閉鎖するように使用され得る。加えて、膨張後、順応性物質356への流れを制御する弁(複数可)は、順応性物質356の収縮を防止するために閉鎖され得る。
【0119】
いくつかの実施形態において、図4に示されるように、順応性物質356は、プラットフォーム356の材料構成(例えば、多孔質材料)により提供され得るか、又はプラットフォーム356中に形成され得るかのいずれかである、第3の開口部322Cを含むことができる。そのような第3の開口部322Cは、第1の開口部322Aと流体連通することができるため、患者の熱制御(すなわち、加温及び/又は冷却)はまた、順応性物質356を利用する実施形態においても提供され得る。
【0120】
更に、いくつかの実施形態において、順応性物質356は、プラットフォーム302上に位置付けながら患者を移動し、かつ褥瘡の発症を抑止するために、患者に振動療法を提供するように構成される。
【0121】
いくつかの実施形態において、図4の順応性物質356は、順応性物質356が坦持突出部254の少なくとも高さで第1の面210又は310の上に常に留まるように、図3の坦持突出部254と組み合わせることができる。つまり、坦持突出部254は、順応性物質356の上面又は一部分が第1の面210又は310に接触する点に完全に圧縮されるのを防止するだろう。
【0122】
図5は、本開示の別の実施形態による患者坦持システム400の少なくとも一部分を図示し、同様の番号は同様の要素を表す。患者坦持システム400は、図1〜3の図示される実施形態に関連して上述されるものと同一の多くの要素及び特徴を共有する。したがって、図1〜図3の例示される実施形態の要素及び特徴に相当する要素及び特徴には、400番台の同様の参照番号を付すものとする。図5に図示される実施形態の特徴及び要素(並びにそのような特徴及び要素の代替物)のより完全な説明については、図1〜3に付随する上記の説明文を参照されたい。
【0123】
患者坦持システム400は、患者の移送及び/又は患者の熱制御(例えば、加温又は冷却)用に構成され、上述のように、プラットフォーム402が二重プレナム構成を含むことを除き、図2及び3に示され、上述される患者坦持システム200のプラットフォーム202と実質的に同じであるプラットフォーム402を含む。そのように、プラットフォーム402は、第1の面410、最内層を形成する第2の面412、及び第3の面460を含む。第2の面412は、第1の面410に対して実質的に平行に位置付けられ、かつ第1の距離dによって第1の面410から分離されて、その間に1つ以上の第1のプレナム420Aを提供することができる。第3の面460は、第1の面410及び第2の面412に対して実質的に平行に位置付けられ、かつ第1の面410と対向する第2の面412側上に位置することができる。第3の面460は、第2の距離dによって第2の面412から分離されて、1つ以上の第2のプレナム420Bを提供することができる。プラットフォーム402は、第1の面410と第2の面412との間の第1の距離d又はギャップにわたって少なくとも部分的に延在することができる複数個の第1の坦持構造414Aと、第2の面412と第3の面460との間の第2の距離d又はギャップにわたって少なくとも部分的に延在することができる複数個の第2の坦持構造414Bとを更に含むことができる。加えて、こうである必要はないが、坦持構造414は、第1の面410、第2の面412、及び第3の面460の両方に結合され、それらと一体に形成されるように示される。上述のように、いくつかの実施形態において、2つの同一の又は独自に構築されたプラットフォーム(図1のプラットフォーム102等)を積み重ね、所望により一緒に接着することにより、プラットフォーム402と同様の構造を形成することも可能である。
【0124】
更に、図5に示されるように、患者の加温及び/又は冷却に使用され得るプラットフォーム402の第1の面410は、そこを通って形成される第1の開口部422Aを含むことができ、患者の移送に使用され得る第3の面460は、そこに形成される第2の開口部422Bを含むことができる。
【0125】
そのような実施形態において、患者の移送及び患者の熱制御機能は、相互に完全に独立できるため、患者の移送及び患者の熱制御は、所与の患者又は手順の必要性により、別々に又は同時に提供され得る。
【0126】
いくつかの実施形態において、二重プレナム構成を有するプラットフォーム402は、押出及び/又は成形により形成され得る。いくつかの実施形態において、第1の面410、第2の面412、第1の坦持構造414A、及び第2の坦持構造414B等のプラットフォーム402の一部分のみが一体に形成され、その後、第3の面460がギャップ制御加熱ニップローラーを使用することにより等の、種々の方法により第2の坦持構造414Bに結合され得る。
【0127】
いくつかの実施形態において、患者坦持システム400は、患者の対流熱制御用に第1の開口部422Aを含む必要がない。むしろ、温度制御(例えば、加熱又は深冷)流体(例えば、液体)が患者を放射状に加熱又は冷却するために患者の下の第1のプレナム(複数可)420Aに提供される、患者の熱制御システムが利用され得る。そのような実施形態において、第1のプレナム(複数可)420Aは、第1のプレナム(複数可)420Aの流体を熱的に制御する(すなわち、熱を流体の中又は外に移送する)ように構成される熱移送(又は熱制御)ユニットと流体連通状態にあってもよい。加えて、いくつかの実施形態において、流体は再利用されるか、又は第1のプレナム(複数可)420Aからまた熱移送ユニットに再循環され得る。そのような熱移送ユニットは、第2のプレナム(複数可)420Bと流体連通状態の別の流体源から独立して操作することができる専用の流体源の一部分に結合され得るか、又はそれを形成することができる。結果として、第2のプレナム(複数可)420B及び第2の開口部422Bは、患者の移送等の別の用途に利用され得る。
【0128】
「第1の」面、「第2の」面、及び「第3の」面という用語は、単に一例として図面において使用及び配置されるが、上面410が代わりに第2の面又は第3の面と称され、中央の面412が代わりに第1の面又は第3の面と称され得ること等を理解するべきである。
【0129】
他の二重プレナム構成を図9及び10に示し、以下に説明する。
【0130】
図6A及び6Bは、本開示の別の実施形態による患者坦持システム500の少なくとも一部分を図示し、同様の番号は同様の要素を表す。患者坦持システム500は、図1〜3の図示される実施形態に関連して上述されるものと同一の多くの要素及び特徴を共有する。したがって、図1〜図3の例示される実施形態の要素及び特徴に相当する要素及び特徴には、500番台の同様の参照番号を付すものとする。図6A及び6Bに示される実施形態の特徴及び要素(並びにそのような特徴及び要素の代替物)のより完全な説明については、図1〜3に付随する上記の説明文を参照されたい。
【0131】
患者坦持システム500は、患者の移送及び/又は患者の熱制御用に構成され得、可撓性のプラットフォーム502を含む。そのように、図6Aに示されるプラットフォーム502は、ロール565で提供され得、その長さに沿って穿孔566を含むことができるため、所望の量のプラットフォーム502が特定の用途(例えば、異なる患者の大きさ又は異なる使用に適するように)のために取り外され、使用され得る。
【0132】
図6Bに示されるように、プラットフォーム502は、第1(上)の面510、及び第1の面510に対して実質的に平行に位置付けられ、かつそれらの間にチャンバ又はプレナム520を提供するための距離dによって第1の面510から分離される第2(低)の面512を含む。示されるように、プラットフォーム502は、第2の面512と一体に形成され、第1の面510と第2の面512との間の距離d又はギャップにわたって少なくとも部分的に延在することができる坦持構造514を更に含むことができる。坦持構造514が第2の面512と一体に形成される結果として、少なくとも第2の面512及び坦持構造514は、押出及び/又は成形等の容易な製造方法によって提供され得る。いくつかの実施形態において、坦持構造514は、第1の面510とも一体に形成され得るが、図6Bに図示される実施形態において、第1の面510は別々に形成され、その後、第1の面510を坦持構造514の上に接着するために、例えばギャップ制御加熱ニップローラーを使用して坦持構造514の上に結合され得る。
【0133】
上述の実施形態のいくつかと同様に、患者の熱制御に使用され得るプラットフォーム502の第1の面510は、そこを通って形成される第1の開口部522Aを含むことができ、患者の移送に使用され得る第2の面512は、そこに形成される第2の開口部522Bを含むことができる。
【0134】
坦持構造514は、別の形状の坦持構造の例である。坦持構造514はそれぞれ、様々なファスナーシステムに使用されているインターロックフックの構造と同様の、ステム570及びキャップ572を含む。それぞれの坦持構造514のステム570及びキャップ572は、同じ又は異なる材料から形成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、キャップ572は、ステム570を形成する材料より低い融点を有する材料から形成されるため、キャップ572は、坦持構造514を第1の面510に接着するための接着剤(例えば、低融解接着剤又はホットメルト接着剤)として少なくとも部分的に機能することができる。例えば、いくつかの実施形態において、キャップ572は、ENGAGE及び/又はAFFINITYポリオレフィン(Dow Chemical Company,Midland,MIから入手可能)から形成され得、ステム570はTOTALポリプロピレン(Total Petrochemicals,Houston,TXから入手可能)から形成され得る。この様式において、キャップ572は、坦持構造514のステム570より低い融点を有することができ、これは第1の面510をキャップ572に熱的に接着することを容易にできる。そのような構造は、例えば同時押出プロセスにより形成され得る。
【0135】
加えて、それぞれの坦持構造514のキャップ572は、図8に関連して以下により詳細に説明されるように、プラットフォーム502の1つ以上の構造を係合するように適合され得る1つ以上のフランジ574を含むことができる。
【0136】
図6Bに示されるように、キャップ572は、囲い板様、又はマッシュルーム様の形状(米国特許第5,077,870号に開示されるもの等)を含む。しかしながら、j又はフック形状のキャップ572、平頭キャップ572(米国特許第5,679,302号に開示されるもの等)、その上面に形成される溝を有する平頭キャップ572(米国特許第6,000,106号に開示されるもの等)、球形キャップ572、半球形キャップ572、若しくは他の適切な形状のキャップ572、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない他の形状を有するキャップ572も利用され得る。上述のそれぞれの参照は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0137】
坦持構造514は、上述の参照に記載されるもの、押出(例えば、異形押出)、同時押出、成形、重ね継ぎ、伸長、マイクロ複製、及びそれらの組み合わせ等の種々の方法により形成され得る。異形押出プロセスの例は、米国特許第6,106,922号(Cejkaら)、米国特許第3,586,220号(Reinsberg)、米国特許第4,894,060号(Nestegard)、米国特許第4,187,068号(Vassar)、及び米国特許第3,422,648号(Lemelson)に記載され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0138】
いくつかの実施形態において、代表的な異形押出プロセスは、溶融状態のポリマー樹脂を融解し、押出ダイに搬送する1つ以上の一軸又は二軸押出機を含むことができる。押出ダイは、画定された幾何学的形状又はプロファイルに溶融ポリマーを圧出することができる。例えば、二乗正弦波に類似する断面プロファイルは、基部の矩形に結合することができ、これは、柱状物、うね、及び/又はチャネルが形成される細長い基部を有する細長いポリマー物品を産生する。溶融形状ポリマーは、その後、その形状を弛緩する前に迅速に冷却される。冷却は、温度制御水等の熱移送流体中にポリマーを直接押出すことにより行うことができる。
【0139】
いくつかの実施形態において、坦持構造514は、第1の面510と第2の面512との間のz方向に沿って延在することに加え、x又はy方向に沿って(すなわち、第1の面510及び第2の面512のうちの1つ又は両方の主面に沿って)延在し、レール又は円柱様の形状を形成することができる。坦持構造514が円柱形である実施形態において、プレナム520は、図1の坦持構造114に関連して上述されるように、複数個のプレナム520に分割され得る。
【0140】
いくつかの実施形態において、第1の面510は、坦持構造514のキャップ572に接着され得る多孔性でない、微多孔性、又は穿孔/有孔の材料を含むことができる。
【0141】
図7は、本開示の別の実施形態による患者坦持システム600の少なくとも一部分を図示し、同様の番号は同様の要素を表す。患者坦持システム600は、図1〜3及び図6A〜6Bの図示される実施形態に関連して上述されるものと同一の多くの要素及び特徴を共有する。したがって、図1〜3及び図6A〜6Bの図示された実施形態の要素及び特徴に相当する要素及び特徴には、600番台において同様の参照番号を付すものとする。図7に図示される実施形態の特徴及び要素(並びにそのような特徴及び要素の代替物)のより完全な説明については、図1〜3及び図6A〜6Bに付随する上記の説明文を参照されたい。
【0142】
患者坦持システム600は、患者の移送及び/又は患者の熱制御用に構成され得、図6A及び6Bに示され、上述される患者坦持システム500のプラットフォーム502と実質的に同じであるプラットフォーム602を含む。そのように、プラットフォーム602は、第1(上)の面610、及び第1の面610に対して実質的に平行に位置するように適合され、かつそれらの間にチャンバ又はプレナム620を提供するためのギャップによって第1の面610から分離される第2(低)の面612を含む。プラットフォーム602は、第1の面610と第2の面612との間のギャップにわたって少なくとも部分的に延在することができる坦持構造614を更に含むことができる。坦持構造614は、図6A〜6Bの坦持構造514と実質的に同じであり、インターロックフックの形態でもある。坦持構造614は、第2の面612と一体に形成されるものとしても示される。図7は、第1の面610が坦持構造614に結合される前の分解図を示す。
【0143】
図6A〜6Bに示されるプラットフォーム502と同様に、患者の対流熱制御に使用され得るプラットフォーム602の第1の面610は、そこを通って形成される第1の開口部622Aを含むことができ、患者の移送(例えば、低摩擦流体パレットを作り出す)に使用され得る第2の面612は、そこに形成される第2の開口部622Bを含むことができる。開口部622は、第1の面610が第2の面612に接着される前又は後に形成され得る。
【0144】
坦持構造614は、単に一例として、チャネル又は柱様の形状よりむしろポスト様の形状を有するものとして示される。加えて、単に一例として、坦持構造614は、3M DUAL LOCKインターロックフック(3M Compasny,St.Paul,MNから入手可能)の構成と同様の2つの坦持構造614により形成される幅を有する列に配置として示される。
【0145】
図6A〜6B及び7のインターロックフック型坦持構造514及び614の形状及び構成は、それぞれ、単に一例として示されるが、インターロックフック型坦持構造514及び614の種々の形状、配置、及び構成は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく利用され得ることを理解するべきである。
【0146】
図8は、本開示の別の実施形態による患者坦持システム700の少なくとも一部分を図示し、同様の番号は同様の要素を表す。患者坦持システム700は、図1〜3及び図6A〜7の図示される実施形態に関連して上述されるものと同一の多くの要素及び特徴を共有する。したがって、図1〜3及び図6A〜7の図示された実施形態の要素及び特徴に相当する要素及び特徴には、700番台において同様の参照番号を付すものとする。図8に図示される実施形態の特徴及び要素(並びにそのような特徴及び要素の代替物)のより完全な説明については、図1〜3及び図6A〜7に付随する上記の説明文を参照されたい。
【0147】
患者坦持システム700は、患者の移送及び/又は患者の熱制用に構成され得、第1(上)の面710、及び第1の面710に対して実質的に平行に位置するように適合され、かつそれらの間にチャンバ又はプレナム720を提供するための少なくともdの距離によって第1の面710から分離される第2(低)の面712を含むプラットフォーム702を含む。プラットフォーム702は、第1の面710に結合され(単に一例として、それと一体に形成される)、第1の面710と第2の面712との間の距離dにわたって少なくとも部分的に延在することができる第1の坦持構造714Aを更に含むことができる。示されるように、プラットフォーム702は、第2の面712に結合され(単に一例として、それと一体に形成される)、第1の面710と第2の面712との間の距離dにわたって少なくとも部分的に延在することもできる第2の坦持構造714Bを更に含むことができる。第1の坦持構造714A及び第2の坦持構造714Bは、インターロックフック形状を含むものとして示され、それぞれ、図6A〜6B及び7の坦持構造514及び614に関連して上述される特徴(及びそれの代替物)のいずれかを含むことができる。
【0148】
第1の坦持構造714Aのそれぞれは、第1のステム770A及び第1のキャップ772Aを含む。同様に、第2の坦持構造714Bのそれぞれは、第2のステム770B及び第2のキャップ772Bを含む。示すように、第1のキャップ772Aは、第1の面710及び第2の面712を結合する手段として、1つ以上のプレナム(複数可)720用にそこの間にギャップを提供すると同時に、第2のキャップ772Bを係合する(例えば、それと連結する)ように構成され得る。結果として、それぞれの第1のキャップ772Aは、第2の面712と接触することができ、それぞれの第2のキャップ772Bは、第1の面710と接触することができる。加えて、プラットフォーム702は、第1の坦持構造714A及び第2の坦持構造714Bを結合することにより形成され得る。
【0149】
より具体的には、それぞれの第1のキャップ772Aは、第2のキャップ772Bの1つ以上のうちの1つ以上の第2のフランジ774Bと係合することができる1つ以上の第1のフランジ774Aを含むことができる。結果として、第1の面710及び第2の面712が、第1のキャップ772Aが第2の面712と接触し、第2のキャップ772Bが第1の面710と接触するように相互に向かって押されるとき、第1の面710及び第2の面712は、距離d離れて位置付けられ得る。第1の面710及び第2の面712が距離d離れて位置付けられるとき、第1のフランジ(複数可)774Aは、図8に示されるように、第2のフランジ(複数可)774Bから距離dに位置付けられ得る。
【0150】
しかしながら、図8に図示される実施形態において、第1の面710及び第2の面712は、固定距離離れて位置付けられる必要はなく、第1の面710は第2のキャップ772Bから分離することができ、第2の面712は第1のキャップ772Aから分離することができるため、第1の面710及び第2の面712は、相互に総距離d+d離れて位置付けられ得る。使用において、患者を第1の面710の上に位置付けるとき、プラットフォーム702の材料構成及び構造は患者の体重を坦持し、第1の面710及び第2の面712は約距離d離れて位置付けられる。患者が移動されると、第1の面710及び第2の面712はわずかに分離することができるため、少なくとも一部分では、第1の面710が、最大約総距離d+dで第2の面712から分離され得る。
【0151】
そのような構造は、第1及び第2の面710又は712のうちの1つを対向する面712又は710のキャップ772に接着する必要性を回避することができる。
【0152】
患者の熱制御に使用され得るプラットフォーム702の第1の面710は、そこを通って形成される第1の開口部722Aを含むことができ、患者の移送に使用され得る第2の面712は、そこに形成される第2の開口部722Bを含むことができる。開口部722は、第1の坦持構造714Aが第2の坦持構造714Bに結合される(例えば、それと相互係合される)前又は後に形成され得る。
【0153】
図9は、本開示の別の実施形態による患者坦持システム800の少なくとも一部分を図示し、同様の番号は同様の要素を表す。患者坦持システム800は、図1〜3、5、図6A〜6B、及び7の図示される実施形態に関連して上述されるものと同一の多くの要素及び特徴を共有する。したがって、図1〜3、5、6A〜6B、及び7に図示される実施形態の要素及び特徴に相当する要素及び特徴には、800番台において同様の参照番号を付すものとする。図9に図示される実施形態の特徴及び要素(並びにそのような特徴及び要素の代替物)をより完全な説明については、図1〜3、5、6A〜6B、及び7に付随する上記の説明文を参照されたい。
【0154】
患者坦持システム800は、患者の移送及び/又は患者の熱制御用に構成され得る。患者坦持システム800は、プラットフォーム802が図5のプラットフォーム402と同様の二重プレナム構成を含むことを除き、図6A〜6Bのプラットフォーム502と実質的に同様のプラットフォーム802を含むことができる。
【0155】
そのように、プラットフォーム802は、第1の面810、最内層を形成する第2の面812、及び第3の面860を含む。第2の面812は、第1の面810に対して実質的に平行に位置付けられ、かつ第1の距離dによって第1の面810から分離されて、1つ以上の第1のプレナム820Aを提供することができる。第3の面860は、第1の面810及び第2の面812に対して実質的に平行に位置付けられ、かつ第1の面810と対向する第2の面812側上に位置することができる。第3の面860は、第2の距離dによって第2の面812から分離されて、1つ以上の第2のプレナム820Bを提供することができる。
【0156】
プラットフォーム802は、第1の面810と第2の面812との間の第1の距離d又はギャップにわたって少なくとも部分的に延在することができる複数個の第1の坦持構造814Aを更に含むことができ、これは、単に一例として、図6A及び6Bのプラットフォーム502と同様に、第2の面812と一体に形成されるように示される。第1の面810は、図6A及び6Bに関連して上述される第1の坦持構造814Aに結合され得る。
【0157】
プラットフォーム802は、第2の面812と第3の面860との間の第2の距離d又はギャップにわたって少なくとも部分的に延在することができる複数個の第2の坦持構造814Bを更に含むことができ、これは、単に一例として、第3の面860と一体に形成されるように示される。第2の面812は、第1の面810が第1の坦持構造814Aに結合されるのと同様の様式で、第2の坦持構造814Bに結合され得る。第1の面810は、第2の面812が第2の坦持構造814Bに結合されるのと同時に第1の坦持構造814Aに結合され得るか、又はこれらの結合ステップは連続して実施され得る。
【0158】
更に、患者の対流熱制御に使用され得るプラットフォーム802の第1の面810は、そこを通って形成される第1の開口部822Aを含むことができ、患者の移送に使用され得る第3の面860は、そこに形成される第2の開口部822Bを含むことができる。
【0159】
そのような実施形態において、患者の移送及び患者の加温/冷却機能は、相互に完全に独立できるため、患者の移送及び患者の加温/冷却は、所与の患者又は手順の必要性により、別々に又は同時に提供され得る。
【0160】
いくつかの実施形態において、第2の面812及び第1の坦持構造814Aを備える構造、並びに第3の面860及び第2の坦持構造814Bを備える構造は、それぞれ、押出及び/又は成形により形成され得る。その後、ギャップ制御加熱ニップローラーを使用する等の、種々の方法により、第1の面810が第1の坦持構造814Aに結合され、第2の面812が第2の坦持構造814Bに結合され得る。
【0161】
図10は、本開示の別の実施形態による患者坦持システム900の少なくとも一部分を図示し、同様の番号は同様の要素を表す。患者坦持システム900は、図1〜3、5、図6A〜6B、7、及び8の図示される実施形態に関連して上述されるものと同一の多くの要素及び特徴を共有する。したがって、図1〜3、5、6A〜6B、7、及び8に図示される実施形態の要素及び特徴に相当する要素及び特徴には、900番台において同様の参照番号を付すものとする。図10に図示される実施形態の特徴及び要素(並びにそのような特徴及び要素の代替物)をより完全な説明については、図1〜3、5、6A〜6B、7及び8に付随する上記の説明文を参照されたい。
【0162】
患者坦持システム900は、患者の移送及び/又は患者の熱制御用に構成され得る。患者坦持システム900は、図9のプラットフォーム802と実質的に同じプラットフォーム902を含むことができる。そのように、プラットフォーム902は、第1の面910、最内層を形成する第2の面912、及び第3の面960を含む。第2の面912は、第1の面910に対して実質的に平行に位置付けられ、かつ第1の距離dによって第1の面910から分離されて、1つ以上の第1のプレナム920Aを提供することができる。第3の面960は、第1の面910及び第2の面912に対して実質的に平行に位置付けられ、かつ第1の面910と対向する第2の面912側上に位置することができる。第3の面960は、第2の距離dによって第2の面912から分離されて、1つ以上の第2のプレナム920Bを提供することができる。
【0163】
図9のプラットフォーム802において、第1の坦持構造814Aは、第2の面812から第1の面810に向かって延在し、第2の坦持構造814Bは、第3の面860から第2の面812に向かって延在する。しかしながら、図10のプラットフォーム902は、第2の面912に結合され(例えば、それと一体に形成される)、かつ第2の面912から第1の面910に向かって延在する第1の坦持構造914Aと、同様に第2の面912に結合され(例えば、それと一体に形成される)、かつ第2の面912から第3の面960に向かって延在する第2の坦持構造914Bとを含む。
【0164】
結果として、いくつかの実施形態において、第2の面912と、第1及び第2の坦持構造914A及び914Bとを備える構造は、それぞれ、押出及び/又は成形により形成され得る。二重プレナムプラットフォーム902を形成するために、図6A及び6Bに関連して上述される同様の様式で(例えば、ギャップ制御加熱ニップローラーを使用して)、第1の面910は第1の坦持構造914Aに結合され得、第3の面960は第2の坦持構造914Bに結合され得る。
【0165】
更に、患者の加温/冷却に使用され得るプラットフォーム902の第1の面910は、そこを通って形成される第1の開口部922Aを含むことができ、患者の移送に使用され得る(例えば、摩擦を低減するために流体補助パレットを介して)第3の面960は、そこに形成される第2の開口部922Bを含むことができる。
【0166】
そのような実施形態において、患者の移送及び患者の加温/冷却機能は、相互に完全に独立できるため、患者の移送及び患者の加温/冷却は、所与の患者又は手順の必要性により、別々に又は同時に提供され得る。
【0167】
患者の加温用途において、流体(例えば空気)は、種々の手段により加熱され得る。例えば、いくつかの実施形態において、電気抵抗ヒーターが利用され得る。そのような熱強制空気対流ユニットの1つは、米国特許第7,014,431号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0168】
患者冷却用途において、流体(例えば空気)は、現在の空調機に非常よく似た電気冷蔵ユニットを介して冷却され得る。あるいは、空気は加圧空気の膨張により冷却され得る。
【0169】
図11は、本開示の別の実施形態による患者坦持システム1000の少なくとも一部分を図示し、同様の番号は同様の要素を表す。患者坦持システム1000は、図1〜3、及び可能性として他に図示される実施形態に関連して上述されるものと同一の多くの要素及び特徴を共有する。したがって、図1〜図3の図示される実施形態の要素及び特徴に相当する要素及び特徴には、1000番台の同様の参照番号を付すものとする。図11に図示される実施形態の特徴及び要素(並びにそのような特徴及び要素の代替物)のより完全な説明については、図1〜3に付随する上記の説明文を参照されたい。
【0170】
患者坦持システム1000は、患者の移送及び/又は患者の熱制御用に構成され得、並んで配置され、図11の頁の平面の内外に延在する複数個の剛性、半剛性、又は可撓性のチューブ1001(又はそれらの組み合わせ)により形成されるプラットフォーム1002を含む。図11に示される、チューブ1001は、可撓性、半剛性、又は剛性であり得る一連のスペーサー要素1007により一緒に結合され得る。チューブ1001が可撓性である実施形態において、チューブ1001は更に膨張不可であり得る。可撓性チューブ1001は、例えばパッキング又は取り扱いのための巻き取り又は折り畳みを容易にすることができるが、半剛性又は剛性のチューブ1001は、更なる構造の一体性、及び流体パレット及び/又は患者の熱制御のより都合のよい作製を提供する場合がある。可撓性のスペーサー要素1007を利用する実施形態において、スペーサー要素1007は、チューブ1001自体が特に可撓性でなくても、プラットフォーム1002の折り畳み又は巻き取りを容易にすることができる。単に一例として、そのような可撓性のスペーサー要素1007は、可撓性のエラストマー若しくは薄い可撓性ポリマー(例えばポリオレフィン)、他の適切なエラストマー若しくはポリマー、又はそれらの組み合わせから形成され得る。
【0171】
図11に示されるように、プラットフォーム1002は、それぞれ、チューブ1001の面により少なくとも部分的に画定され得る第1の面1010及び第2の面1012、並びに/又はスペーサー要素1007を含み、チューブ1001は中空であり得る。チューブ1001は、略楕円形又は長方形の断面形状を有するものとして、図11に単に一例として示される。結果として、第1の面1010及び第2の面1012は、可変距離d離れて分離され得る。例えば、距離dは、示されるように、チューブ1001の横断寸法により変動することができ、それぞれのチューブ1001の水平の中心に向かって増加することができ、そしてスペーサー要素1007に向かって減少することができる。それぞれのチューブ1001の中空の断面形状は、第1の面1010と第2の面1012との間にチャンバ又はプレナム1020を提供する。あるいは、いくつかの実施形態において、スペーサー要素1007も中空であってもよいため、プラットフォーム1002は、チューブ1001及びスペーサー1007により形成される1つの連続したプレナム1020を含む。いくつかの実施形態において、単一チューブ1001により形成されるプレナム1020と、2つ以上のチューブ1001及び/又はスペーサー要素1007により形成されるプレナム1020との組み合わせが利用され得る。
【0172】
加えて、チューブ1001の側面又は壁1009の少なくとも一部分は、患者坦持システム1000の坦持構造1014として機能することができる。結果として、図11のプラットフォーム1002は、第1の面1010及び第2の面1012により一体に形成される坦持構造1014を含むことができる。坦持構造1014が第1の面1012及び第2の面1012と一体に形成される結果として、チューブ1001は、押出及び/又は成形等の容易な製造方法によって提供され得る。更に、いくつかの実施形態において、スペーサー要素1007は、図11に示されるチューブ11により一体に形成され得る。スペーサー要素1007がチューブ1001の1つ以上とは異なる材料から形成される実施形態においても、全体としてのプラットフォーム1002(例えば、スペーサー要素1007を含む)は、押出(例えば、同時押出)及び/又は成形等の容易な製造方法によって提供され得る。
【0173】
チューブ1001(例えば、チューブ1001が可撓性材料から形成されるとき)は、本明細書に記載されるもののいずれか等の、更なる内部坦持構造も含むことができ、これは、図11に示される坦持構造1014の代わりに又はそれに加えて、必要な坦持及び流体経路の画定を提供することができる。
【0174】
チューブ1001の楕円形又は長方形の断面形状は、単に一例として示され、円形、三角形、台形、正方形、矩形、ひし形、多角形、他の適切な断面形状、及びそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、種々の他の中空の断面形状が利用され得ることを理解するべきである。例えば、多角形の断面形状のチューブは、図12に示され、以下に説明される。同様に、スペーサー要素1007が単に一例として図11に示されるが、スペーサー要素1007を介して一緒に結合されるより、プラットフォーム1002が相互に直接結合されるか、又は一緒に一体に形成されるチューブ1001を代わりに含むことができることを理解するべきである。そのような実施形態において、プラットフォーム1002は、それぞれが単一のチューブ1001により形成される複数個のプレナム1020、複数個のチューブ1001により形成される1つのプレナム1020、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0175】
図11に示されるように、プラットフォーム1002のスペーサー要素1007は、上部から底部までチューブ1001より薄い(すなわち、図11の垂直方向において、より小さい寸法を有する)。加えて、スペーサー要素1007は、チューブ1001の垂直の中心に対して中央に位置する。結果として、第1の面1010及び第2の面1012は、それぞれ、チューブ壁1009及び/又はスペーサー要素1007(利用される場合)の少なくとも一部分により画定される複数個の陥凹1011を含む。スペーサー要素1007を含まない実施形態において、陥凹1011は、少なくとも一部チューブ1001の断面形状により、隣接したチューブ1001の間に形成され得る。
【0176】
チューブ1001は、機械方向(すなわち、図11の頁の内外に延在する方向)に連続又は不連続であるように形成され得るため、チューブ1001は、それぞれ、プラットフォーム1002の全長に沿って延在する長さを有する長いチューブとして提供され得る、それぞれ機械方向に短い長さを有するビーズ(例えば、プラットフォーム1002の幅及び/又は長さに沿って流体連結され得る)として提供され得る、又はそれらの組み合わせである。
【0177】
上述の実施形態のいくつかと同様に、患者の熱制御に使用され得るプラットフォーム1002の第1の面1010は、そこを通って形成される第1の開口部1022Aを含むことができ、患者の移送に使用され得る第2の面1012は、そこに形成される第2の開口部1022Bを含むことができる。チューブ1001は、それぞれ、その機械方向の長さに沿って1つ以上の第1の開口部1022A、並びにその機械方向の長さに沿って1つ以上の第2の開口部1022Bを含むものとして、単に一例として示される。しかしながら、いくつかの実施形態において、それぞれのチューブ1001は、第1の開口部1022Aのみ、第2の開口部1022Bのみを代わりに含むことができるか、又は第1及び第2の開口部1022A及び1022Bは、その機械方向の長さに沿って変動する又は交代することができるため、両方は同じ断面で目視できないことを理解するべきである。更に、上述の他の実施形態と同様に、第1の開口部1022A及び第2の開口部1022Bのいずれも、例えば、所望するときのみ又は特定の条件下でのみ開放するように作動され得る1つ以上の弁を含むことができる。
【0178】
第1及び第2の開口部1022A及び1022Bは、両方とも、チューブ1001のそれぞれの上部中心及び底部中心を通って形成されるものとして示される。しかしながら、第1の開口部1022A及び/又は第2の開口部1022Bは、隣接するチューブ1001の間に形成される陥凹1011に向かって代わりに形成され得ることを理解するべきである。そのような実施形態において、それぞれの陥凹1011を画定する構造(複数可)は、スカート1030の少なくとも一部分も画定することができるため、それぞれの陥凹1011はスカート1030として機能し、例えば、プラットフォーム1002の側面に流体が即時に漏れるのを抑止するために、流体を保持し、かつ/又は開口部1022A若しくは1022Bの外に流体の流れを方向付けることができる。そのような構成の例は、図12に示され、以下に説明される。
【0179】
図12は、本開示の別の実施形態による患者坦持システム1100の少なくとも一部分を図示し、同様の番号は同様の要素を表す。患者坦持システム1100は、図1〜3、11、及び可能性として他に図示される実施形態に関連して上述されるものと同一の多くの要素及び特徴を共有する。したがって、図1〜3及び図11に示される実施形態の要素及び特徴に相当する要素及び特徴には、1100番台の同様の参照番号を付すものとする。図12に図示される実施形態の特徴及び要素(並びにそのような特徴及び要素の代替物)のより完全な説明については、図1〜3及び11に付随する上記の説明文を参照されたい。
【0180】
患者坦持システム1100は、患者の移送及び/又は患者の熱制御用に構成され得、並んで配置され、図12の頁の平面の内外に延在する複数個の剛性、半剛性、又は可撓性のチューブ1101(又はそれらの組み合わせ)により形成されるプラットフォーム1102を含む。図12に示されるように、チューブ1101は一緒に結合され得、いくつかの実施形態において(示さず)、相互に一体に形成され得る。図11のプラットフォーム1002と違い、プラットフォーム1102は、隣接するチューブ1101の間にスペーサー要素を含まない。
【0181】
図12に示されるように、プラットフォーム1102は、それぞれ、チューブ1101により画定され得る第1の面1110及び第2の面1112を含み、チューブ1101は中空であり得る。チューブ1101は、多角形の断面形状、特にチューブ1101が隣接するチューブ1101に結合される垂直な側面が最長である不均一な八角形の形状を有するように、図12に単に一例として示される。しかしながら、他の断面形状が可能であり、本開示の趣旨及び範囲内である。チューブ1101の図示される八角形の形状のため、第1の面1110及び第2の面1112は、それぞれのチューブ1101の側面のdからそれぞれのチューブ1101の水平の中心のdまでの範囲の可変距離離れて分離され得る。
【0182】
加えて、チューブ1101の側面又は壁1109の少なくとも一部分は、患者坦持システム1100の坦持構造1114として機能することができる。結果として、図12のプラットフォーム1102は、第1の面1110及び第2の面1112により一体に形成される坦持構造1114を含むことができる。結果として、プラットフォーム1102は、押出及び/又は成形等の容易な製造方法により提供され得る。あるいは、又は加えて、内部坦持構造(複数可)は、図11に関連して上述されるように提供され得る。つまり、1つ以上の坦持構造が、坦持構造1114に加えて又はその代わりにチューブ1101内に提供され得る。プラットフォーム1102の断面の個別の八角形の形状のため、プラットフォーム1102は複数個の又は一連のチューブ1101を含むものとして記載される。しかしながら、プラットフォーム1102は、例えば、図3のプラットフォーム202と同様に、単に第1の面1110、第2の面1112、及び坦持構造1114と記載され得る。
【0183】
それぞれのチューブ1101の中空の断面形状は、第1の面1110と第2の面1112との間にチャンバ又はプレナム1120を提供する。あるいは、いくつかの実施形態において、坦持構造1114は、そこに1つ以上の開口部を含むことができるため、1つの連続したプレナム1120は、プラットフォーム1102に形成され得る。いくつかの実施形態において、単一チューブ1101により形成されるプレナム1120と、2つ以上のチューブ1101により形成されるプレナム1120との組み合わせが利用され得る。
【0184】
図12に示されるように、チューブ1101の断面形状により、プラットフォーム1102は、その幅に沿って高さか変動し、第1の面1110及び第2の面1112は、それぞれ、チューブ壁1109の少なくとも一部分により画定される複数個の陥凹1111を含む。
【0185】
上述の実施形態のいくつかと同様に、患者の熱制御に使用され得るプラットフォーム1102の第1の面1110は、そこを通って形成される第1の開口部1122Aを含むことができ、患者の移送に使用され得る第2の面1112は、そこに形成される第2の開口部1122Bを含むことができる。チューブ1101は、それぞれ、その機械方向の長さに沿って1つ以上の第1の開口部1122A、並びにその機械方向の長さに沿って1つ以上の第2の開口部1122Bを含むものとして、単に一例として示される。しかしながら、いくつかの実施形態において、それぞれのチューブ1101は、第1の開口部1122Aのみ、第2の開口部1122Bのみを代わりに含むことができるか、又は第1及び第2の開口部1122A及び1122Bは、その機械方向の長さに沿って変動する又は交代することができるため、両方は同じ断面で目視できないことを理解するべきである。更に、上述の他の実施形態と同様に、第1の開口部1122A及び第2の開口部1122Bのいずれも、例えば、所望するときのみ又は特定の条件下でのみ開放するように作動され得る1つ以上の弁を含むことができる。
【0186】
第1及び第2の開口部1122A及び1122Bは、陥凹1111又は第1及び第2の面1110及び1112の陥凹領域に形成されるものとして示される。そのように、それぞれの陥凹1111を画定するチューブ1101の壁1109は、スカート1130の少なくとも一部分も画定することができるため、面1110及び/又は1112のそれぞれの陥凹領域は、スカート1130として機能し、例えば、プラットフォーム1102の側面に流体が即時に漏れるのを抑止するために、流体を保持し、かつ/又は開口部1122A又は1122Bの外に流体の流れを方向付けることができる。結果として、第1の面1110及び/又は第2の面1112は、流体の流れを制御し、かつ/又は方向付けるために使用される患者坦持システム1100のスカート(複数可)1130を含む又はそれを画定することができる。
【0187】
チューブ1101は、機械方向(すなわち、図12の頁の内外に延在する方向)に連続又は不連続であるように形成され得るため、チューブ1101は、それぞれ、プラットフォーム1102の全長に沿って延在する長さを有する長いチューブとして提供され得る、それぞれ機械方向に短い長さを有するビーズ(例えば、プラットフォーム1102の幅及び/又は長さに沿って流体連結され得る)として提供され得る、又はそれらの組み合わせである。
【0188】
図13は、本開示の別の実施形態による患者坦持システム1200の少なくとも一部分を図示し、同様の番号は同様の要素を表す。患者坦持システム1200は、図1〜3、11、12、及び可能性として他に図示される実施形態に関連して上述されるものと同一の多くの要素及び特徴を共有する。したがって、図1〜3、11及び12に図示される実施形態の要素及び特徴に相当する要素及び特徴には、1200番台において同様の参照番号を付すものとする。図13に図示される実施形態の特徴及び要素(並びにそのような特徴及び要素の代替物)のより完全な説明については、図1〜3、11、及び12に付随する上記の説明文を参照されたい。
【0189】
患者坦持システム1200は、患者の移送及び/又は患者の熱制御用に構成され得、図3のプラットフォーム202と実質的に同様に形成されるプラットフォーム1202を含む(簡略化のために坦持突出部を含まずに示す)。つまり、プラットフォーム1202は、第1(上)の面1210、及び第1の面1210に対して実質的に平行に位置付けられ、かつ以下により詳細に説明される第1及び第2の面1210及び1212に形成されるくぼみ又は凹により変動する距離dにより、第1の面1210から分離される第2(底)の面1212を含む。1つ以上のチャンバ又はプレナム1220は、第1の面1210と第2の面1212との間に形成される。図13に示されるように、第1の面1210及び第2の面1212のそれぞれは、その長さ及び幅の方向に延在し、かつある一部分において、他の面の主面に面する主面を含む。
【0190】
図13に示されるように、患者坦持システム1200は、第1の面1210と第2の面1212との間の距離d又はギャップにわたって少なくとも部分的に延在することができる坦持構造1214を更に含むことができる。加えて、こうである必要はないが、坦持構造1214は、第1の面1210及び第2の面1212の両方に結合され、それらと一体に形成されるものとして示される。上述のように、そのようなプラットフォーム1202は、押出及び/又は成形等の製造方法を容易にするように作製され得る。
【0191】
プレナム(複数可)1220は、第1の面1210、第2の面1212、及び坦持構造1214により少なくとも部分的に画定され得る。坦持構造1214は、図1の坦持構造114と同様のx及び/又はy次元を含むことができ、プラットフォーム1202(例えば「円柱形」)の長さLに沿って延在することができ、本質的にプレナム1220を複数個のプレナム1220に分割する。他の実施形態において、上の実施形態において説明され図示されるように、坦持構造1214は、代わりに「ポスト様」であるか、又はそれらが1つの大きなプレナム1220を画定するようにプラットフォーム1202(例えば、一連の短い又は部分長壁のような)の全長Lに沿って延在しない長さを有してもよい。いくつかの実施形態において、円柱形、ポスト様、及び又は「部分壁」の坦持構造1214の組み合わせが利用され得る。
【0192】
患者坦持システム1200は、患者の移送及び/又は患者の熱制御用途に使用するために構成され得、例えば、患者の加温/冷却のために使用され得る第1の面1210は、そこを通って形成される第1の開口部1222Aを含むことができ、例えば、患者の移送に使用され得る第2の面1212は、そこに形成される第2の開口部1222Bを含むことができる。上述のように、開口部1222は、開放型又は弁付きであり得る。単に一例として、坦持構造1214及び開口部1222は、規則的な及び不規則なアレイに配置されるものとして示されるが、上述のようにそうである必要はない。
【0193】
図13のプラットフォーム1202と図3のプラットフォーム202との間の相違は、図13のプラットフォーム1202は、第1の面1210中に形成される複数個の凹、くぼみ、陥凹1211等を含み、第2の面1212及び開口部1222は、こうである必要はないが、陥凹1211、特に陥凹1211の中央に形成されることである。いくつかの実施形態において、第1の面1210のみ又は第2の面1212のみが陥凹1211を含む。
【0194】
プラットフォーム1202は、例えば、上述と同様の押出プロセスにより形成され、その後(例えば、プラットフォーム1202が押出プロセスからまだ温かいように直後に)エンボス加工ロールを通過させ(例えば、ニップローラーの間)、陥凹1211を第1の面1210及び/又は第2の面1212にエンボス加工する。エンボス加工ロール(複数可)は、第1の面1210及び/又は第2の面1212を穿刺又は切り離すための手段も含むことができるため、開口部1222は、陥凹1211に形成され、そこに同時に形成される。
【0195】
陥凹1211により、第1及び第2の面1210及び1212は、図13のプラットフォーム1202の分割された面に示されるように、波状又はくぼんだプロファイルを有することができる。陥凹1211(及び開口部1222)は、定期的に、図13のプラットフォーム1202上に配置されるものとして示されるが、こうである必要はない。むしろ、任意の所望のエンボス加工パターン(規則的、不規則、ランダム、又はそれらの組み合わせ)を利用し、任意の所望のパターン又は陥凹1211及び開口部1222の配置を形成することができる。更に、エンボス加工は、単に一例として記載されるが、陥凹1211及び/又は開口部1222を形成するための他の適切なプロセスが利用され得ることを理解するべきである。
【0196】
上述のように、第1及び第2の開口部1222A及び1222Bは、陥凹1211又は第1及び第2の面1210及び1212の陥凹領域に形成されるものとして示される。そのように、それぞれの陥凹1211を画定する構造(複数可)及び/又は面(複数可)は、例えば、プラットフォーム1202の側面に流体が即時に漏れるのを抑止するために、流体を保持し、かつ/又は開口部1222A又は1222Bの外に流体の流れを方向付けるように機能することができるスカート1230の少なくとも一部分も画定することができる。結果として、第1の面1210及び/又は第2の面1212は、流体の流れを制御し、かつ/又は方向付けるために使用される患者坦持システム1200のスカート(複数可)1230を含む又はそれを画定することができる。
【0197】
患者坦持システム100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、及び1200のそれぞれは上に個別に記載されるが、本明細書に記載される患者坦持システムのいずれかの任意の組み合わせが特定の用途の必要性に応じて組み合わされ得ることを理解するべきである。
【0198】
当業者に理解されるように、患者の移送及び/又は患者の熱制御用途を含む、上記患者坦持システム100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200のいずれかが種々の用途に利用され得る。
【0199】
例えば、上記患者坦持システム100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200のいずれかが、プラットフォーム102、202、302、402、502、602、702、802、902、1020、1120、1220を膨張させることなく、プレナム(複数可)120、220、320、420、520、620、720、820、920、1020、1120、1220を充填するために、流体をプレナム(複数可)120、220、320、420、520、620、720、820、920、1020、1120、1220に移動させることにより、及び第2の面112、212、312、512、612、712、1012、1112、1212又は第3の面460、860、960に隣接する流体パレットを形成するために、流体を開口部(例えば、第2の開口部)122、222、322、422、522、622、722、822、922、1022、1122、1222の外に移動させることにより、患者を移送するために使用され得る。そのような方法は、プラットフォーム102、202、302、402、502、602、702、802、902、1002、1102、1202の第1の面110、210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210の上に位置付けられる患者を提供することと、流体パレットを介してプラットフォーム102、202、302、402、502、602、702、802、902、1002、1102、1202の上に患者を移送することとを更に含むことができる。
【0200】
更なる例として、上記患者坦持システム100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200のいずれかが、プラットフォーム102、202、302、402、502、602、702、802、902、1002、1102、1202の第1の面110、210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210の上に位置付けられる患者を対流により加温するために、加熱流体をプレナム(複数可)120、220、320、420、520、620、720、820、920、1020、1120、1220の中に移動させ、開口部(例えば第1の開口部)122、222、322、422、522、622、722、822、922、1022、1122、1222の外に移動させることにより患者を加温するために使用され得る。
【0201】
以下の実施例は、本開示のプラットフォームの曲げ強度を測定するための1つの代表的な測定手順の例示であることが意図され、制限することを意図するものではない。
【0202】
実施形態
実施形態1は、患者坦持システムであり、
膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォームであって、
第1の面と、
第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、距離によって第1の面から分離される第2の面と、
第1の面と第2の面との間の距離にわたって少なくとも部分的に延在する複数個の坦持構造であって、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つに結合される、複数個の坦持構造と、
第1の面、第2の面、及び複数個の坦持構造によって少なくとも部分的に画定されるプレナムと、
第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分を通り、かつプレナムと流体連通状態に形成される複数個の開口部と、を備える、プラットフォームと、
プレナムに流体結合される流体源であって、流体を流体源からプレナムの中に移動させ、複数個の開口部の外に移動させるように構成される正圧流体源である、流体源と、を備える。
【0203】
実施形態2は、患者を移送するための方法であり、本方法は、
膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォームであって、
第1の面と、
第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、距離によって第1の面から分離される第2の面と、
第1の面と第2の面との間の距離にわたって少なくとも部分的に延在する複数個の坦持構造であって、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つに結合される、複数個の坦持構造と、
第1の面、第2の面、及び複数個の坦持構造によって少なくとも部分的に画定されるプレナムと、
第2の面の少なくとも一部分を通り、かつプレナムと流体連通状態に形成される複数個の開口部であって、流体が複数個の開口部を介してプレナムから出ることを可能にする、複数個の開口部と、を備える、プラットフォームを備える、患者坦持システムを提供することと、
プラットフォームをその無圧状態から200%を超えて膨張させることなく、プレナムを充填するように流体をプレナムの中に移動させることと、
流体を複数個の開口部の外に移動させることと、を含む。
【0204】
実施形態3は、患者の温度を制御するための方法であり、本方法は、
膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォームであって、
第1の面と、
第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、距離によって第1の面から分離される第2の面と、
第1の面と第2の面との間の距離にわたって少なくとも部分的に延在する複数個の坦持構造であって、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つに結合される、複数個の坦持構造と、
第1の面、第2の面、及び複数個の坦持構造によって少なくとも部分的に画定されるプレナムと、
第1の面の少なくとも一部分を通り、かつプレナムと流体連通状態に形成される複数個の開口部であって、流体が複数個の開口部を介してプレナムから出ることを可能にする複数個の開口部と、を備える、プラットフォームを備える、患者坦持システムを提供することと、
温度制御流体をプレナムの中に移動させ、複数個の開口部の外に移動させることと、を含む。
【0205】
実施形態4は、実施形態2又は3の方法であり、患者坦持システムは、プラットフォームのプレナムに流体結合される流体源を更に備え、流体源は、流体を流体源からプレナムの中に移動させ、複数個の開口部の外に移動させるように構成される正圧流体源である。
【0206】
実施形態5は、実施形態1の患者坦持システム又は実施形態2〜4のいずれかの方法であり、第1の面の少なくとも一部分及び第2の面の少なくとも一部分が一緒に結合される。
【0207】
実施形態6は、実施形態1若しくは5の患者坦持システム、又は実施形態2〜5のいずれかの方法であり、第1の面、第2の面、及び複数個の坦持構造は一体に形成される。
【0208】
実施形態7は、実施形態1及び5〜6のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜6のいずれかの方法であり、プラットフォームの少なくとも一部分は異形押出プロセスにより形成される。
【0209】
実施形態8は、実施形態1及び5〜7のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜7のいずれかの方法であり、プラットフォームは、ロール又は折り畳み形態で提供される。
【0210】
実施形態9は、実施形態1及び5〜8のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜8のいずれかの方法であり、プラットフォームは、複数個のプラットフォーム積み重ね構成で提供される複数個のプラットフォームのうちの1つである。
【0211】
実施形態10は、実施形態1及び5〜9のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜9のいずれかの方法であり、プラットフォームは、非折り畳み式である。
【0212】
実施形態11は、実施形態10の患者坦持システム又は方法であり、第1の面及び第2の面は、最大約15kPaの外部加重下で離間される。
【0213】
実施形態12は、実施形態1及び5〜11のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜11のいずれかの方法であり、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分は可撓性である。
【0214】
実施形態13は、実施形態1及び5〜12のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜12のいずれかの方法であり、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分は剛性である。
【0215】
実施形態14は、実施形態1及び5〜13のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜13のいずれかの方法であり、第1の面及び第2の面を分離する距離は可変である。
【0216】
実施形態15は、実施形態1及び5〜14のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態4〜14のいずれかの方法であり、複数個の坦持構造は、マニホールドを介して流体源に流体結合されるプレナムの複数個の流体チャネルを少なくとも部分的に画定する。
【0217】
実施形態16は、実施形態1及び5〜15のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態4〜15のいずれかの方法であり、プレナムは、流体源と流体連通状態に位置するマニホールドに流体結合される。
【0218】
実施形態17は、実施形態1及び5〜16のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜16のいずれかの方法であり、プラットフォームに流体通路を更に備え、本流体通路は、プレナムの入口、プレナム、及び複数個の開口部により少なくとも部分的に画定される。
【0219】
実施形態18は、実施形態1及び5〜17のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜17のいずれかの方法であり、プレナムは、約35kPaを超えない入口での流体圧を含む。
【0220】
実施形態19は、実施形態1及び5〜18のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜18のいずれかの方法であり、プレナムは、少なくとも約3kPaの入口での流体圧を含む。
【0221】
実施形態20は、実施形態1及び5〜19の患者坦持システム、又は実施形態2〜19のいずれかの方法であり、複数個の坦持構造は、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つと一体に形成される。
【0222】
実施形態21は、実施形態1及び5〜20の患者坦持システム、又は実施形態2〜20のいずれかの方法であり、複数個の坦持構造は、複数個のフックを含む。
【0223】
実施形態22は、実施形態21の患者坦持システム又は方法であり、複数個のフックのそれぞれは、ステム及びステムに結合されたキャップを含み、複数個のフックは、第2の面と一体に形成されるため、ステムは、第2の面から第1の面に向かって延在し、キャップの上面は、第1の面に面するように構成される。
【0224】
実施形態23は、実施形態21若しくは22の患者坦持システム又は方法であり、複数個のフックのそれぞれは円柱形であり、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つの主面に平行する方向に更に延在する。
【0225】
実施形態24は、実施形態1及び5〜23のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜23のいずれかの方法であり、複数個の坦持構造は、第1の面に結合される第1の複数個の坦持構造であり、第2の面に結合され、かつ第1の面と第2の面との間の距離にわたって少なくとも部分的に延在するように位置する第2の複数個の坦持構造を更に備える。
【0226】
実施形態25は、実施形態24の患者坦持システム又は方法であり、第1の複数個の坦持構造は、第1の複数個のインターロックフックを含み、第2の複数個の坦持構造は、第2の複数個のインターロックフックを含み、第1の複数個のインターロックフックは、第2の複数個のインターロックフックと連結される。
【0227】
実施形態26は、実施形態1及び5〜25のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜25のいずれかの方法であり、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的にポリオレフィンから形成される。
【0228】
実施形態27は、実施形態1及び5〜26のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜26のいずれかの方法であり、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に脂肪族ポリエステル樹脂から形成される。
【0229】
実施形態28は、実施形態1及び5〜27のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜27のいずれかの方法であり、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つは、それ自体の上を摺動する材料を用いてASTM D1894−08により測定されるときに0.5未満の動態摩擦係数を有する接触面を含む。
【0230】
実施形態29は、実施形態1及び5〜28のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜28のいずれかの方法であり、複数個の開口部が形成される第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つは、複数個の開口部を備える第1の部分と、開口部が形成されない第2の部分とを含む。
【0231】
実施形態30は、実施形態29の患者坦持システム又は方法であり、第1の部分は、プラットフォームの中心に対して第2の部分の外側に向かって位置する。
【0232】
実施形態31は、実施形態29の患者坦持システム又は方法であり、第2の部分は、プラットフォームの中心に対して第1の部分の外側に向かって位置する。
【0233】
実施形態32は、実施形態1及び5〜31のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜31のいずれかの方法であり、複数個の開口部は、第1の面に形成される第1の複数個の開口部であり、第2の面に形成される第2の複数個の開口部を更に備える。
【0234】
実施形態33は、実施形態1及び5〜32のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜32のいずれかの方法であり、第1の複数個の開口部は、第1の面の周囲に隣接して形成され、第2の複数個の開口部は、第2の面の中心に向かって位置する。
【0235】
実施形態34は、実施形態1及び5〜33のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜33のいずれかの方法であり、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つに結合される第2の複数個の坦持構造を更に備え、かつそこから外側方向に延在するため、第2の複数個の坦持構造は周囲に曝される。
【0236】
実施形態35は、実施形態1及び5〜34のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜34のいずれかの方法であり、プレナムは第1のプレナムであり、複数個の坦持構造は第1の複数個の坦持構造であり、複数個の開口部は第1の複数個の開口部であり、第1の複数個の開口部は第2の面の少なくとも一部分を通って形成され、プラットフォームは、
第1の面に対して実質的に平行であり、かつ第2の面に反対に向けられる第3のシートであって、第2の距離によって第1の面から分離される第3のシートと、
第1の面と第3のシートとの間の第2の距離にわたって少なくとも部分的に延在する第2の複数個の坦持構造であって、第1の面及び第3のシートのうちの少なくとも1つに結合される、第2の複数個の坦持構造と、
第1の面、第3のシート、及び第2の複数個の坦持構造によって少なくとも部分的に画定される第2のプレナムと、を更に備える。
【0237】
実施形態36は、実施形態35の患者坦持システム又は方法であり、第3のシートの少なくとも一部分を通り、かつ第2のプレナムと流体連通状態に形成される、第2の複数個の開口部を更に備え、流体が第2の複数個の開口部を介して第2のプレナムから出ることを可能にする。
【0238】
実施形態37は、実施形態35若しくは36の患者坦持システム又は方法であり、第2のプレナムは、第2の流体源と流体連通状態にある。
【0239】
実施形態38は、実施形態1及び5〜37のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜37のいずれかの方法であり、第1の面及び複数個の開口部に隣接する第2の面のうちの少なくとも1つに結合されるスカートを更に備え、複数個の開口部から出る流体を方向づける。
【0240】
実施形態39は、実施形態38の患者坦持システム又は方法であり、スカートは膨張可能である。
【0241】
実施形態40は、実施形態38若しくは39の患者坦持システム又は方法であり、スカートは、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つに対して実質的に平行な方向に流体が複数個の開口部から出るのを抑止するように位置する。
【0242】
実施形態41は、実施形態38〜40のいずれかの患者坦持システム又は方法であり、流体源は、スカートの中に流体を移動させるために、スカートに更に流体結合される。
【0243】
実施形態42は、実施形態38〜41のいずれかの患者坦持システム又は方法であり、スカートはプラットフォームの端部に隣接して位置付けられる。
【0244】
実施形態43は、実施形態38〜42のいずれかの患者坦持システム又は方法であり、プラットフォームは、複数個の開口部を備える第1の部分と、開口部が形成されない第2の部分とを含み、スカートは、プラットフォームの第1の部分と第2の部分との間に位置する。
【0245】
実施形態44は、実施形態38〜43のいずれかの患者坦持システム又は方法であり、スカートは、変形可能な材料から形成される。
【0246】
実施形態45は、実施形態1及び5〜44のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜44のいずれかの方法であり、第1の面は、患者に面するように適合され、複数個の開口部は、第1の面にのみ形成される。
【0247】
実施形態46は、実施形態1及び5〜45のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜45のいずれかの方法であり、第1の面は、患者に面するように適合され、複数個の開口部は、第2の面にのみ形成される。
【0248】
実施形態47は、実施形態1及び5〜46のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜46のいずれかの方法であり、プラットフォームは外縁を含み、外縁は、第1の面又は第2の面のうちの1つに向かって湾曲する。
【0249】
実施形態48は、実施形態1及び5〜47のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜47のいずれかの方法であり、第1の面と第2の面との間の距離は、z軸線に沿って向けられるため、複数個の坦持構造はz次元を含み、複数個の坦持構造の少なくとも一部は、z次元に直角に向けられるx次元及びy次元のうちの少なくとも1つを更に含む。
【0250】
実施形態49は、実施形態1及び5〜48のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜48のいずれかの方法であり、複数個の坦持構造は、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つの主面に平行する方向に更に延在する。
【0251】
実施形態50は、実施形態1及び5〜49のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜49のいずれかの方法であり、第1の面及び第2の面のうちの1つに結合される順応性物質を更に備え、患者にクッションを提供する。
【0252】
実施形態51は、実施形態50の患者坦持システム又は方法であり、第1の面は、患者に面するように適合され、順応性物質は第1の面に結合される。
【0253】
実施形態52は、実施形態50又は51の患者坦持システム又は方法であり、複数個の開口部は、第1の複数個の開口部であり、順応性物質は、第1の複数個の開口部と流体連通状態に位置する第2の複数個の開口部を更に含む。
【0254】
実施形態53は、実施形態50〜52のいずれかの患者坦持システム又は方法であり、順応性物質は、連続気泡発泡体、不織布、織布地、ニット布地、ゲルパッド、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む材料から形成される。
【0255】
実施形態54は、実施形態50〜53のいずれかの患者坦持システム又は方法であり、順応性物質は抗菌コーティングを含む。
【0256】
実施形態55は、実施形態50〜54のいずれかの患者坦持システム又は方法であり、順応性物質は膨張可能である。
【0257】
実施形態56は、実施形態55の患者坦持システム又は方法であり、流体源は、順応性物質に更に流体結合される。
【0258】
実施形態57は、実施形態1及び5〜56のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜56のいずれかの方法であり、プラットフォームの第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つに隣接して位置付けられるように構成されるライナーを更に備える。
【0259】
実施形態58は、実施形態57の患者坦持システム又は方法であり、ライナーはスリップシートを含む。
【0260】
実施形態59は、実施形態1及び5〜58のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜58のいずれかの方法であり、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つは、非吸収材料から形成される。
【0261】
実施形態60は、実施形態1及び5〜59のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜59のいずれかの方法であり、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つは、抗菌コーティングを含む。
【0262】
実施形態61は、実施形態1及び5〜60のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜60のいずれかの方法であり、プラットフォームは、流体連通状態に位置する複数個のプラットフォームセグメントのうちの1つである。
【0263】
実施形態62は、実施形態1及び5〜61のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜61のいずれかの方法であり、プラットフォームを通って形成される開口部を含む、少なくとも1つのハンドルを更に備える。
【0264】
実施形態63は、実施形態1及び5〜62のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜62のいずれかの方法であり、プラットフォームに結合される少なくとも1つのストラップを更に備える。
【0265】
実施形態64は、実施形態1及び5〜63のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜63のいずれかの方法であり、流体は温度制御気体を備える。
【0266】
実施形態65は、実施形態64の患者坦持システム又は方法であり、温度制御気体は、熱風を備える。
【0267】
実施形態66は、実施形態64の患者坦持システム又は方法であり、温度制御気体は、冷風を備える。
【0268】
実施形態67は、実施形態1及び5〜66のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜66のいずれかの方法であり、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つは、ASTM D790−07の手順Bにより試験されるとき、少なくとも約5Nの3点曲げ強度を有する。
【0269】
実施形態68は、実施形態1及び5〜67のいずれかの患者坦持システム、又は実施形態2〜67のいずれかの方法であり、流体が複数個の開口部から流出するのを選択的に阻止するために、複数個の開口部の少なくとも一部に隣接して位置付けられる流体阻止層を更に備える。
【0270】
実施形態69は、実施形態2、4〜68のいずれかの方法であり、
プラットフォームの第1の面の上に位置付けられた患者を提供することと、
流体パレットを使用して、患者をプラットフォーム上に移送することと、を更に含む。
【0271】
実施形態70は、実施形態3〜68のいずれかの方法であり、
プラットフォームの第1の面の上に位置付けられた患者を提供することと、
複数個の開口部から出る温度制御流体を用いて、患者の温度を制御することと、を更に含む。
【0272】
実施形態71は、患者坦持システムであり、
膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォームであって、
第1の面と、
第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、第1の距離によって第1の面から分離される第2の面と、
第1の面と第2の面との間の第1の距離にわたって少なくとも部分的に延在する第1の複数個の坦持構造であって、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つに結合される、複数個の坦持構造と、
第1の面、第2の面、及び複数個の坦持構造によって少なくとも部分的に画定される第1のプレナムと、
第2の面に対して実質的に平行に位置付けられ、かつ第1の面に対向して位置する第3のシートであって、第2の距離によって第2の面から分離される第3のシートと、
第2の面と第3のシートとの間の第2の距離にわたって少なくとも部分的に延在する第2の複数個の坦持構造であって、第2の面及び第3のシートのうちの少なくとも1つに結合される、複数個の坦持構造と、
第3のシート及び第2の複数個の坦持構造によって少なくとも部分的に画定される第2のプレナムと、
第3のシートの少なくとも1つの少なくとも一部分を通り、かつ第2のプレナムと流体連通状態に形成される複数個の開口部と、を備える、プラットフォームと、
第2のプレナムに流体結合される流体源であって、流体を流体源から第2のプレナムの中に移動させ、複数個の開口部の外に移動させるように構成される正圧流体源である流体源と、を備える。
【0273】
実施形態72は、実施形態71の患者坦持システムであり、第1のプレナムに流体結合される熱移送ユニットを更に備え、熱移送ユニットは、第1のプレナムにおいて流体を熱的に制御するように構成される。
【0274】
実施形態73は、患者の温度を制御し、患者を移送するための方法であり、本方法は、
膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォームであって、
第1の面と、
第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、第1の距離によって第1の面から分離される第2の面と、
第1の面と第2の面との間の第1の距離にわたって少なくとも部分的に延在する第1の複数個の坦持構造であって、第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つに結合される、複数個の坦持構造と、
第1の面、第2の面、及び複数個の坦持構造によって少なくとも部分的に画定される第1のプレナムと、
第2の面に実質的に平行に位置し、かつ第1の面に対向して位置する第3のシートであって、第2の距離によって第2の面から分離される第3のシートと、
第2の面と第3のシートとの間の第2の距離にわたって少なくとも部分的に延在する第2の複数個の坦持構造であって、第2の面及び第3のシートのうちの少なくとも1つに結合される、複数個の坦持構造と、
第3のシート及び第2の複数個の坦持構造によって少なくとも部分的に画定される第2のプレナムと、
第3のシートの少なくとも1つの少なくとも一部分を通り、かつ第2のプレナムと流体連通状態に形成される複数個の開口部と、を備える、プラットフォームを備える、患者坦持システムを提供することと、
温度制御された第1の流体を第1のプレナムに提供することと、
流体を第2のプレナムの中に移動させ、複数個の開口部の外に移動させることと、を含む。
【実施例】
【0275】
実施例1:プラットフォーム曲げ強度の測定
厚さ6mm、長さ8ft(2.4m)、及び幅4ft(1.2m)のプラットフォーム(波形化プラスチックシート、物品# 10005、Wisconsin Packaging Corp.,Fort Atkinson,WIより)を入手した。このプラットフォームは、上面及び底面の両方と一体に形成された(おそらく異形押出により形成される)プレナム坦持構造を有する。坦持構造は、長さ方向に延在する柱状物又はリブを形成した。この材料の曲げ強度は、アメリカ材料試験協会(ASTM)の試験方法D790−07手順Bに記載される3点曲げ試験を使用して決定された。材料は、両方の主軸線、すなわち、長さ若しくは機械方向及び幅若しくは横断方向の曲げ強度について試験された。サンプルを幅20mm、長さ100mmに打ち抜いた。支間長(坦持体の中心から坦持体の中心までは80mmであった)。荷重突出部及び坦持ロッドは直径20mmであった。坦持体の長さは205mmであった。基部から坦持ロッドの中心までの坦持体の高さは、110mmであった。基部は、長さ300mm、幅115mmであった。プラットフォーム材料は延性であり、破損しないため、手順Bが使用された。クロスヘッド速度は、21.3mm/分で実行された。最大たわみ荷重が記録され、結果を以下の表1に示す。
【0276】
【表1】

【0277】
上記され、図面に示した実施形態はあくまで一例として示したものであり、本開示の概念及び原理に対する限定を意図したものではない。したがって、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく各要素並びにその構成及び配置における様々な変更が可能である点は認識されるであろう。本開示の様々な特徴及び態様が以下の「特許請求の範囲」において記載される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォームであって、
第1の面と、
前記第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、距離によって前記第1の面から分離される第2の面と、
前記第1の面と前記第2の面との間の前記距離にわたって少なくとも部分的に延在する複数個の坦持構造と、
前記第1の面、前記第2の面、及び前記複数個の坦持構造によって少なくとも部分的に画定されるプレナムと、
前記第1の面及び前記第2の面のうちの少なくとも一方の少なくとも一部分を通り、かつ前記プレナムと流体連通状態に形成される複数個の開口部と、
を備える、プラットフォームと、
前記プレナムに流体結合される流体源であって、流体を前記流体源から前記プレナムの中に移動させ、前記複数個の開口部の外に移動させるように構成される正圧流体源である、流体源と、
を備える、患者担持システム。
【請求項2】
膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォームであって、
第1の面と、
前記第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、距離によって前記第1の面から分離される第2の面と、
前記第1の面と前記第2の面との間の前記距離にわたって少なくとも部分的に延在する複数個の坦持構造と、
前記第1の面、前記第2の面、及び前記複数個の坦持構造によって少なくとも部分的に画定されるプレナムと、
前記第2の面の少なくとも一部分を通り、かつ前記プレナムと流体連通状態に形成される複数個の開口部であって、流体が前記複数個の開口部を介して前記プレナムから出ることを可能にする、複数個の開口部と、
を備える、プラットフォームを備える、患者坦持システムを提供することと、
前記プラットフォームをその無圧状態から200%を超えて膨張させることなく、前記プレナムを充填するように流体を前記プレナムの中に移動させることと、
流体を前記複数個の開口部の外に移動させることと、
を含む、患者を移送するための方法。
【請求項3】
膨張不可かつ自己坦持式のプラットフォームであって、
第1の面と、
前記第1の面に対して実質的に平行に位置付けられ、距離によって前記第1の面から分離される第2の面と、
前記第1の面と前記第2の面との間の前記距離にわたって少なくとも部分的に延在する複数個の坦持構造と、
前記第1の面、前記第2の面、及び前記複数個の坦持構造によって少なくとも部分的に画定されるプレナムと、
前記第1の面の少なくとも一部分を通り、かつ前記プレナムと流体連通状態に形成される複数個の開口部であって、流体が前記複数個の開口部を介して前記プレナムから出ることを可能にする複数個の開口部と、
を備える、プラットフォームを備える、患者坦持システムを提供することと、
温度制御流体を前記プレナムの中に移動させ、前記複数個の開口部の外に移動させることと、
を含む、患者の温度を制御するための方法。
【請求項4】
前記患者坦持システムが、前記プラットフォームの前記プレナムに流体結合される流体源を更に備え、前記流体源が、流体を前記流体源から前記プレナムの中に移動させ、前記複数個の開口部の外に移動させるように構成される正圧流体源である、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数個の坦持構造のうちの少なくとも1つが、前記第1の面及び前記第2の面のうちの少なくとも1つに結合される、請求項1に記載の患者坦持システム又は請求項2若しくは3に記載の方法。
【請求項6】
前記複数個の坦持構造のうちの少なくとも1つが、前記第1の面及び前記第2の面のうちの少なくとも一方と一体に形成される、請求項1に記載の患者坦持システム又は請求項2若しくは3に記載の方法。
【請求項7】
前記プレナムが、約35kPaを超えない入口での流体圧を含む、請求項1に記載の患者坦持システム又は請求項2若しくは3に記載の方法。
【請求項8】
前記複数個の坦持構造が、複数個のフックを含む、請求項1に記載の患者坦持システム又は請求項2若しくは3に記載の方法。
【請求項9】
前記プレナムが第1のプレナムであり、前記複数個の坦持構造が第1の複数個の坦持構造であり、前記複数個の開口部が第1の複数個の開口部であり、前記第1の複数個の開口部が前記第2の面の少なくとも一部分を通って形成され、前記プラットフォームが、
前記第1の面に対して実質的に平行で、前記第2の面に対して反対に向けられた第3の面であって、第2の距離によって前記第1の面から分離される第3の面と、
前記第1の面と前記第3の面との間の前記第2の距離にわたって少なくとも部分的に延在する第2の複数個の坦持構造であって、前記第1の面及び前記第3の面のうちの少なくとも1つに結合される、第2の複数個の坦持構造と、
前記第1の面、前記第3の面、及び前記第2の複数個の坦持構造によって少なくとも部分的に画定される第2のプレナムと、
を備える、請求項1に記載の患者坦持システム又は請求項2若しくは3に記載の方法。
【請求項10】
前記第3の面の少なくとも一部分を通り、かつ前記第2のプレナムと流体連通状態に形成される、第2の複数個の開口部を更に備え、流体が前記第2の複数個の開口部を介して前記第2のプレナムから出ることを可能にする、請求項9に記載の患者坦持システム又は方法。
【請求項11】
前記プラットフォームの前記第1の面及び前記第2の面のうちの少なくとも1つに隣接して位置付けられるように構成されるライナーを更に備える、請求項1に記載の患者坦持システム又は請求項2若しくは3に記載の方法。
【請求項12】
前記複数個の開口部から流体が流出するのを選択的に阻止するように、前記複数個の開口部の少なくともいくつかに隣接して位置付けられる流体阻止層を更に備える、請求項1に記載の患者坦持システム又は請求項2若しくは3に記載の方法。
【請求項13】
患者を前記プラットフォームの前記第1の面の上に位置付けることと、
流体パレットを使用して、前記患者を前記プラットフォームの上に移送することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
患者を前記プラットフォームの前記第1の面の上に位置付けることと、
前記複数個の開口部から出る温度制御流体を用いて、前記患者の温度を制御することと、を更に含む、請求項3に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公表番号】特表2013−521011(P2013−521011A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555172(P2012−555172)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/026177
【国際公開番号】WO2011/106600
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】