説明

情報カード、情報カードの組合せ及び情報カード読取システム

【課題】時間をかけずに読込作業を行なえる情報カード、情報カードの組合せ及び情報カード読取システムを提供する。
【解決手段】光学読み取り可能な情報表示部21の表示位置21〜23が予め複数設定されている情報カード20であって、情報表示部21は、カード属性に応じて選択された表示位置21〜23に形成され、選択された以外の表示位置22、23は、読み取り光が透過可能な透過部22、23となることを特徴とする情報カード20である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードゲームなどに使用される情報カード、情報カードの組合せ及び情報カード読取システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カードゲームは、カード表面に記載された情報を基に、他のカードの情報と比較し、優位を競い合うなどして楽しまれている。最近では、カードに記載する情報にバーコードを用い、バーコード読取部を有した電子機器によりカードの情報を管理し、ゲームを進行させるゲーム機なども存在する(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1は、バーコードをカード表面に記載し、スキャナー(バーコード読取部)を備えたゲーム機にカード内容を読み取らせ、予めゲーム機内に準備されたプログラムにより、映像を交えてゲームを進行できる遊戯性の高いゲーム機である。遊戯性を更に高めるために、カードを1枚だけでなく複数枚使用し、各カードに異なった役割を記したバーコードを記載し、そのカードをゲーム機に読み取らせてゲームを実施するものなども提案されている。このようなゲーム機は、ゲーム開始前にカードのバーコードをゲーム機に読み取らせる作業があり、カードを1枚ずつ読み取らせなくてはならないので、カードの枚数が多ければ多いほど、カードを読み取らせる手間が大きくなるという問題がある。
【特許文献1】特開平06−238031
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、時間をかけずに読込作業を行なえる情報カード、情報カードの組合せ及び情報カード読取システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を括弧内に付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、光学読み取り可能な情報表示部(21)の表示位置(21〜23)が予め複数設定されている情報カード(20)であって、前記情報表示部(21)は、カード属性に応じて選択された表示位置(21)に形成され、前記選択された以外の表示位置(22、23)は、読み取り光が透過可能な透過部(22、23)となることを特徴とする情報カード(20)である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の情報カード(20)であり、前記カード属性が異なるものを、複数枚重ね合わせたことを特徴とする情報カードの組合せ(10)である。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載の情報カードの組合せ(10)の前記各情報表示部(21、32、43)を読み取る光学読取部(120)と、前記光学読取部の読み取り内容を出力する出力部(120)とを備える情報カード読取システムである。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、以下のような効果がある。
(1)情報カードは、カード属性に応じて選択された表示位置に情報表示部を備え、それ以外の表示位置に透過部を備えているので、カード属性の異なる情報カードを重ね合わせることにより、各情報カードの情報表示部を同時に表出し、読み取ることができる。
(2)情報カード読取システムは、光学読取部と出力部とを備えているので、情報カードの組合せに表出した各情報表示部を同時又は順に読み取り、読取内容を容易に外部へ出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、時間をかけずに読取作業を行なえる情報カード、情報カードの組合せ及び情報カード読取システムを提供するという目的を、複数の表示位置を備えた情報カードに、カード属性に応じて選択された表示位置に情報表示部を設け、それ以外の表示位置に透過部を設けることによって実現する。
【実施例1】
【0010】
以下、図面等を参照して、本発明の実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明による実施例1のゲームカードの詳細を示す図である。なお、図1(B)は、図1(A)のゲームカードを重ね合わせたときの平面図を示す。図2は、本発明による実施例1のゲームカード読取システムを用いたゲーム機を示す図である。
ゲームカード10は、図1に示すように、表面に3つの表示位置を有したキャラクターカード20、第1の技カード30及び第2の技カード40の3枚を一組(情報カードの組合せ)としている。キャラクターカード20、第1の技カード30及び第2の技カード40のそれぞれの情報により個性を持ったキャラクターを形成でき、他のゲームカード10のキャラクターと対戦させることができる。
【0011】
キャラクターカード20は、第1の表示位置21にバーコードを備え、第2及び第3の表示位置22、23に孔を設けている。第1の表示位置21のバーコードは、キャラクターの体力や性格などの情報が記されている。
第1の技カード30は、第2の表示位置32にバーコードを備え、第1及び第3の表示位置31、33に孔を設けている。第2の表示位置32のバーコードは、キャラクターの使える技の情報が記されている。
第2の技カード40は、第3の表示位置43にバーコードを備え、第1及び第2の表示位置41、42に孔を設けている。第3の表示位置43のバーコードは、第1の技カード30と同様に、キャラクターの使える技の情報が記されている。
【0012】
ゲーム機100は、図2に示すように、ゲームカード10及びスキャナー120により形成されるゲームカード読取システム及び操作部140を2組と、制御部110及び表示部130とを備えており、2人のプレーヤが同時に遊戯することができ、2人プレイの場合は、互いのゲームカード10により対戦することができる。なお、2組のゲームカード10、スキャナー120及び操作部140は、個々の説明を要するときに、末尾に統一した数字(−1又は−2)を付して表示する。
【0013】
制御部110は、スキャナー120、表示部130及び操作部140を統括制御し、内包するゲームプログラムによりゲームの進行を制御する制御回路である。
スキャナー120は、ゲームカード10のバーコードを読み取る光学読取部と、読み取った内容を制御部110へ出力する出力部とを備えている情報読取装置である。
表示部130は、ゲーム内容などを表示するディスプレイである。
操作部140は、ゲーム開始や終了などのプレーヤの指示を制御部110へ伝達させる複数の操作用ボタンである。
【0014】
次に、実施例1のゲームカード読取システムを用いたゲーム機100の動作を説明する。図3は、ゲーム機100の動作を示すフローチャートである。
制御部110は、図3に示すように、操作部140からゲーム開始の指示を受けたら(S201)、プレーヤの人数の選択を表示部130に表示する(S202)。
1人プレイが操作部140により選択された場合は(S202、No)、表示部130にゲームカード10−1の読み取り方法を表示し(S203)、プレーヤによるゲームカード10−1の読み取り作業を待つ。ゲームカード10−1は、図1(A)のように、キャラクターカード20、第1の技カード30及び第2の技カード40の3枚を重ね合わせ(矢印A)、図1(B)に示すように、各カードの孔が各カードのバーコードを表出させることにより、各バーコードを同時に読み取らせることができる。
【0015】
制御部110は、図2に示すように、キャラクターカード20、第1の技カード30及び第2の技カード40の3枚を重ねてスキャナー120−1に通過させることにより(矢印B)、ゲームカード10−1のバーコードを読み取り(S204)、表示部130に読み取った各カードの情報を表示する(S205)。続いて、対戦相手をゲームプログラム内から任意に選択し、対戦ゲームを開始する(S206)。
【0016】
2人プレイが選択された場合は(S202、Yes)、1人プレイのときと同様にして、表示部130にゲームカード10の読み取り方法を表示する(S207)。次に、図2に示すように、スキャナー120−1及びスキャナー120−2によりゲームカード10−1及びゲームカード10−2のバーコードを読み取り(S208)、表示部130に読み取った各カードの情報を表示部130に表示して(S209)、2人のプレーヤによる対戦ゲームを開始する(S210)。
制御部110は、対戦相手のどちらかが負けるまでゲームを継続し、勝敗が決着すると(S211)、ゲームを終了させる(S212)。
【0017】
このようなゲームカード10を用いたゲーム機100は、ゲームの進行に応じて、再度、ゲームカード10を読み込ませ、キャラクター情報を更新する機能など追加することで遊戯性を高めることができる。また、第1の技カード30及び第2の技カード40は、例えば、強力な技を第1の技カード30に、通常の技を第2の技カード40に設定し、1つのキャラクターに強力な技を2つ持たせないようにすることなどができ、また、技の種類及び効果の異なる第1及び第2の技カード30、40を複数種類備えることにより、同じキャラクターでも異なった技を持たせることなどができ、遊戯性の幅を広げることができる。
【0018】
以上より、実施例1のゲーム機に用いたゲームカード読取システムには以下のような効果がある。
(1)キャラクターカード20、第1の技カード30及び第2の技カード40は、種類に応じて選択された表示位置にバーコードを備え、それ以外の表示位置に孔を備えているので、各カードを重ね合わせることにより、各バーコードを同時に読み取ることができる。
(2)ゲームカード読取システムは、光学読取部と出力部とを有したスキャナー120を備えているので、ゲームカード10に表出した各バーコードを同時又は順に読み取り、読取内容を容易に制御部110へ出力することができる。
【0019】
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)実施例1では、ゲームカード10にキャラクターカード20など3枚のカードを用いたが、それ以外の枚数でもよい。ただし、そのときは各カードの表示位置も枚数に応じて増減させる必要がある。
(2)実施例1では、ゲームカード10を、キャラクターカード20、第1の技カード30、第2の技カード40の順で重ねたが、その他の順序で重ねてもよい。
【0020】
(3)実施例1では、情報表示部としてバーコードを用いたが、それ以外の機械読取記号などを用いてもよい。例えば、OCR文字や、カラージップコードなどを使用することも可能である。
(4)実施例1では、ゲームカード10を例にして記載したが、その他の用途に用いてもよい。例えば、スーパーなどの小売店において、会員カードと、セールの期間などに配られる割引特典などを持たせた第1及び第2のサービスカードとにより情報カードを形成することも可能である。
(5)実施例1では、ゲームカード10のキャラクターカード20、第1の技カード30、第2の技カード40は、複数の孔が設けられたが、孔以外の構造を用いてもよい。例えば、各カードを孔の位置以外を印刷した透明基材で形成し、各カードを重ねてもバーコードが読み取れるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による実施例1のゲームカードの詳細を示す図である。
【図2】本発明による実施例1のゲームカード読取システムを用いたゲーム機を示す図である。
【図3】本発明による実施例1のゲームカード読取システムを用いたゲーム機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0022】
10 ゲームカード
20 キャラクターカード
30 第1の技カード
40 第2の技カード
100 ゲーム機
110 制御部
120 スキャナー



【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学読み取り可能な情報表示部の表示位置が予め複数設定されている情報カードであって、
前記情報表示部は、カード属性に応じて選択された表示位置に形成され、
前記選択された以外の表示位置は、読み取り光が透過可能な透過部となること、
を特徴とする情報カード。
【請求項2】
請求項1に記載の情報カードであり、前記カード属性が異なるものを、複数枚重ね合わせたこと、
を特徴とする情報カードの組合せ。
【請求項3】
請求項2に記載の情報カードの組合せの前記各情報表示部を読み取る光学読取部と、
前記光学読取部の読み取り内容を出力する出力部と、
を備える情報カード読取システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−252783(P2007−252783A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83642(P2006−83642)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】