説明

情報コード、情報コード生成装置、情報コード生成プログラム、情報コード読取装置

【課題】情報コードの読み取りは容易ながら格納する情報量の増大を可能とする。
【解決手段】情報コード40は、白色のセル24と白色以外の着色されたセル24とを含む複数のセル24を備え、着色されたセル24は、複数の要素色から選択される1色または2色以上の混色により形成され、複数の要素色は、すべての2色以上の組み合わせの混色で形成される各色および混色しない元の各色が互いに異なり、すべての色を混色したときに黒色になる白色および黒色以外の複数色と、黒色とであり、複数の要素色のすべての混色により形成された黒色のセル24と、黒色以外の複数色の混色により形成された黒色のセル24と、混色なしの要素色の黒色で形成された黒色のセル24とが、互いに濃度が異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報をコード化した情報コード、情報コード生成装置、情報コード生成プログラム、情報コード読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、QRコード(登録商標)等の情報コードが知られている。このような情報コードでは、一般に、白色のモジュールと黒色のモジュールの配列により情報を表現している。
【0003】
白黒のモジュールで表現できる情報量には限りがある。そこで、情報コードが保持する情報量を増大させるため、種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1では、減法混色の3原色であるシアン、マゼンタ、イエローを用いた情報コードが提案されている。特許文献1の情報コードは、減法混色の3原色の各色によるコードを重ね合わせて形成され、読取装置において3原色のコードに分解して解読されるものである。これにより、特許文献1の情報コードでは、白黒の情報コードよりも保持できる情報量を多くすることができる。
【0004】
また、特許文献2では、減法混色の3原色の各原色の濃度を複数の段階に分類し、分類された各濃度の原色の組み合わせに文字列等を対応させ、その対応に基づきデータ列を各濃度の原色の組み合わせの色に変換してコード化する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−174204号公報
【特許文献2】特開2002−342702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、白黒の情報コードに対して3倍の情報量が限度であった。
【0007】
また、特許文献2の技術では、既存のコード体系ではなく、新たに考案されたコード体系を用いる必要があった。また、各色の濃度を高精度で判別するために高度な読み取り技術が要求されるなど、情報コードの読み取りが困難であった。
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、読み取りは容易ながら情報量の増大を可能とした情報コード、その情報コードを生成する情報コード生成装置および情報コード生成プログラム、その情報コードを読み取る情報コード読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報コードの第1の特徴は、白色のモジュールと白色以外の着色されたモジュールとを含む複数のモジュールを備え、前記着色されたモジュールは、減法混色の3原色および黒色を要素色として前記要素色から選択される1色または2色以上の混色により形成され、前記要素色である減法混色の3原色および黒色のすべての混色により形成された黒色のモジュールと、減法混色の3原色の混色により形成された黒色のモジュールと、混色なしの前記要素色の黒色で形成された黒色のモジュールとが、互いに濃度が異なることにある。
【0010】
本発明に係る情報コードの第2の特徴は、前記要素色である減法混色の3原色および黒色、減法混色の3原色および黒色のすべての混色により形成される黒色、および減法混色の3原色の混色により形成される黒色の少なくとも1つについての基準色を提示する基準マークを備えることにある。
【0011】
本発明に係る情報コードの第3の特徴は、黒色のモジュールと黒色以外のモジュールとを含む複数のモジュールを備え、前記黒色のモジュールは、複数段階の濃度のうちのいずれかの濃度で形成されていることにある。
【0012】
本発明に係る情報コード生成装置の特徴は、白色のモジュールと白色以外の着色されたモジュールとを含む複数のモジュールを備える情報コードを生成する情報コード生成装置であって、前記着色されたモジュールを形成するために使用する要素色である減法混色の3原色および黒色のそれぞれに対応する、白色のモジュールおよび前記要素色のモジュールを有するコードである単位コードを生成する単位コード生成部と、前記各要素色に対応する単位コードを重ね合わせ、白色と前記要素色とが重なるモジュールは前記要素色のモジュールとし、2色以上の前記要素色が重なるモジュールはそれらを混色したモジュールとすることで、前記各要素色に対応する単位コードを合成して前記情報コードを生成する合成部とを備え、前記単位コード生成部は、前記要素色である減法混色の3原色および黒色のすべての混色により形成される黒色のモジュールと、減法混色の3原色の混色により形成される黒色のモジュールと、混色なしの前記要素色の黒色で形成される黒色のモジュールとが、互いに異なる濃度となるように、前記各要素色の濃度を設定することにある。
【0013】
本発明に係る情報コード生成装置の特徴において、前記合成部は、前記要素色である減法混色の3原色および黒色、減法混色の3原色および黒色のすべての混色により形成される黒色、および減法混色の3原色の混色により形成される黒色の少なくとも1つについての基準色を提示する基準マークを前記情報コードに付加することが好ましい。
【0014】
本発明に係る情報コード生成プログラムの特徴は、白色のモジュールと白色以外の着色されたモジュールとを含む複数のモジュールからなる情報コードを生成する情報コード生成プログラムであって、前記着色されたモジュールを形成するために使用する要素色である減法混色の3原色および黒色のそれぞれに対応する、白色のモジュールおよび前記要素色のモジュールからなるコードである単位コードを生成するステップと、前記各要素色に対応する単位コードを重ね合わせ、白色と前記要素色とが重なるモジュールは前記要素色のモジュールとし、2色以上の前記要素色が重なるモジュールはそれらを混色したモジュールとすることで、前記各要素色に対応する単位コードを合成して前記情報コードを生成するステップとをコンピュータに実行させ、前記複数の単位コードを生成するステップにおいて、前記要素色である減法混色の3原色および黒色のすべての混色により形成される黒色のモジュールと、減法混色の3原色の混色により形成される黒色のモジュールと、混色なしの前記要素色の黒色で形成される黒色のモジュールとが、互いに異なる濃度となるように、前記各要素色の濃度を設定することにある。
【0015】
本発明に係る情報コード生成プログラムの特徴において、前記情報コードを生成するステップにおいて、前記要素色である減法混色の3原色および黒色、減法混色の3原色および黒色のすべての混色により形成される黒色、および減法混色の3原色の混色により形成される黒色の少なくとも1つについての基準色を提示する基準マークを前記情報コードに付加することが好ましい。
【0016】
本発明に係る情報コード読取装置の特徴は、本発明の情報コードを読み取る情報コード読取装置であって、前記情報コードが撮像された画像データに基づき、前記情報コード内の色、および前記情報コード内の黒色の領域の濃度を検出する検出部と、前記検出部で検出した前記情報コード内の色、および黒色の領域の濃度に基づき、前記情報コードを前記要素色ごとの単位コードに分解する分解部と、前記各単位コードを解読するとともに、前記各単位コードを解読して得られた情報を合成して前記情報コードが示す情報を取得する解読部とを備えることにある。
【0017】
本発明に係る情報コードを読み取る情報コード読取プログラムの特徴は、前記情報コードが撮像された画像データに基づき、前記情報コード内の色、および前記情報コード内の黒色の領域の濃度を検出するステップと、前記情報コード内の色、および黒色の領域の濃度に基づき、前記情報コードを前記要素色ごとの単位コードに分解するステップと、前記各単位コードを解読するとともに、前記各単位コードを解読して得られた情報を合成して前記情報コードが示す情報を取得するステップとをコンピュータに実行させることにある。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る情報コードの第1の特徴によれば、着色されたモジュールは、要素色である減法混色の3原色および黒色から選択される1色または2色以上の混色により形成されている。そして、要素色のすべての混色により形成される黒色と、減法混色の3原色の混色により形成される黒色と、混色なしの要素色の黒色とが、互いに異なる濃度となっている。これにより、要素色に黒色が用いられていても、読取装置において、各モジュールの要素色を判別できる。このため、情報コードで着色されたセルを生成するための要素色に黒色を使用することで、保持できる情報量の増大が可能となる。また、読取装置において、細かい濃度の判別等が要求されず、高度な読み取り技術は不要である。また、情報コードの生成、解読には既存のコード体系が使用できる。このため、情報コードの読み取りが容易である。
【0019】
本発明に係る情報コードの第2の特徴によれば、基準色を提示する基準マークを備えるので、読取装置における読み取り誤差を低減できる。
【0020】
本発明に係る情報コードの第3の特徴によれば、黒色のモジュールが複数段階の濃度のうちのいずれかの濃度で形成されているので、黒色のモジュールで複数の値に対応可能となり、情報コードが保持する情報量を増大できる。
【0021】
本発明に係る情報コード生成装置の特徴によれば、減法混色の3原色および黒色を要素色とし、要素色のすべての混色により形成される黒色と、減法混色の3原色の混色により形成される黒色と、混色なしの要素色の黒色とが、互いに異なる濃度となるように、各要素色の濃度を設定することで、本発明の情報コードを生成できる。
【0022】
本発明に係る情報コード生成プログラムの特徴によれば、減法混色の3原色および黒色を要素色とし、要素色のすべての混色により形成される黒色と、減法混色の3原色の混色により形成される黒色と、混色なしの要素色の黒色とが、互いに異なる濃度となるように、各要素色の濃度を設定することで、本発明の情報コードを生成できる。
【0023】
本発明に係る情報コード読取装置の特徴によれば、情報コードが撮像された画像データに基づき、情報コード内の色、および情報コード内の黒色の領域の濃度を検出し、その検出結果に基づき、情報コードを要素色ごとの各単位コードに分解する。そして、各単位コードを既存のコード解読方法に従って解読し、得られた情報を合成することで、本発明の情報コードを容易に解読できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施の形態に係る情報コード生成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】情報コード生成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】QRコードを説明するための図である。
【図4】情報コード生成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】(a)は、要素色のうちの黒色に対応する単位コードの一例を示す図、(b)は、シアンに対応する単位コードの一例を示す図、(c)は、マゼンタに対応する単位コードの一例を示す図、(d)は、イエローに対応する単位コードの一例を示す図である。
【図6】単位コードを重ね合わせる様子を概念的に示す図である。
【図7】要素色の重ね合わせによって形成される色を示す表である。
【図8】第1の実施の形態に係る情報コードを示す図である。
【図9】第1の実施の形態に係る情報コード読取装置の機能構成を示すブロック図である。
【図10】情報コード読取装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図11】情報コード読取装置における読取処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】情報コード読取装置の読取処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図13】基準色の提示の一例を示す図である。
【図14】第2の実施の形態に係る情報コードを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る情報コード生成装置の機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報コード生成装置1は、入力部2と、単位コード生成部3と、合成部4とを備える。
【0027】
入力部2は、コード化対象の情報の入力を受け付け、これを単位コード生成部3に供給する。
【0028】
単位コード生成部3は、コード化対象の情報に基づき、要素色である減法混色の3原色(シアン、マゼンタ、イエロー)および黒色の4色それぞれに対応する単位コードを生成する。単位コードは、第1の実施の形態の情報コードを構成する各要素色に対応するコードである。単位コード生成部3は、コード化対象の情報を分割し、分割した情報を各要素色に割り当て、分割した情報を表現する各単位コードを生成する。第1の実施の形態では、情報コード生成装置1で生成する情報コードとして、2次元コードであるQRコードを例に説明する。単位コード生成部3は、所定の規則に基づき、要素色のそれぞれに対応するQRコードを、単位コードとして生成する。
【0029】
単位コード生成部3は、各要素色の濃度について、最高濃度を「1」としたとき、シアン、マゼンタ、イエローはそれぞれ濃度を「2/9」、黒色は濃度を「1/3」に設定する。このように濃度を設定することで、要素色のすべて(シアン、マゼンタ、イエロー、黒色)の混色により形成される黒色と、要素色のうち黒色を除く減法混色の3原色(シアン、マゼンタ、イエロー)の混色により形成される黒色と、混色なしの要素色の黒色とが、互いに異なる濃度となる。混色なしの要素色の黒色は濃度が「1/3」であるのに対して、シアン、マゼンタ、イエローの混色による黒色の濃度は「2/3」、4色の要素色のすべての混色による黒色の濃度は「3/3(=1)」(最高濃度)となる。なお、上記の濃度の設定は一例であり、これに限定されない。
【0030】
合成部4は、単位コード生成部3で生成された各要素色に対応する単位コードを重ね合わせて合成することで、カラーの情報コードを生成する。
【0031】
次に、情報コード生成装置1の具体的なハードウェア構成について説明する。情報コード生成装置1は、パーソナルコンピュータ等により構成される。図2は、情報コード生成装置1のハードウェア構成例を示す図である。
【0032】
図2に示すように、情報コード生成装置1は、CPU11と、RAM12と、ROM13と、記憶装置14と、入力装置15とを備える。
【0033】
CPU11は、情報コード生成装置1全体を統括的に制御する中央演算処理装置である。
【0034】
RAM12は、一時的なデータの保存や演算時におけるCPU11のワークエリアとして使用されるものである。
【0035】
ROM13は、CPU11の制御プログラムであるオペレーティングシステム(OS)等を記憶するものである。
【0036】
記憶装置14は、ハードディスク等からなり、情報コード生成プログラム16を格納している。CPU11が情報コード生成プログラム16を実行することにより、図1の単位コード生成部3、合成部4の機能が実現される。
【0037】
入力装置15は、キーボードやマウス等からなり、図1の入力部2の機能を果たすものである。
【0038】
ここで、周知のQRコードについて、図3を参照して説明する。図3に示すように、QRコード20は、データ領域21と、位置検出パターン22a,22b,22cと、周辺領域23とを備える。
【0039】
データ領域21は、情報が記録される領域である。データ領域21は、複数の矩形状のセル(モジュール)24が縦横に配列されて構成される。各セル24は、所定の規則により、コード化対象の情報に応じて、白色または黒色で表示される。
【0040】
位置検出パターン22a,22b,22cは、QRコード20を読み取る読取装置において、QRコード20を撮像する際の位置合わせに用いられるものである。位置検出パターン22a,22b,22cは、QRコード20の三隅に配置される。位置検出パターン22a,22b,22cは、黒色の外枠25と、白色の中枠26と、黒色の中心部27とからなる。
【0041】
周辺領域23は、QRコード20をその周囲と区別するために設けられる領域である。周辺領域23は、データ領域21および位置検出パターン22a,22b,22cを囲む白色の領域である。
【0042】
次に、情報コード生成装置1の動作について説明する。
【0043】
図4は、情報コード生成装置1の動作を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS10において、入力部2からコード化対象の情報を受け取ると、単位コード生成部3は、4色の要素色に対応する単位コードを生成するため、コード化対象の情報を4つに分割する。例えば、社名、住所、電話番号、およびウェブサイトのURLを含む企業に関する情報をコード化対象とする場合に、単位コード生成部3は、コード化対象の情報を、社名、住所、電話番号、URLの4つに分割する。ここでは、社名、住所、電話番号、URLの各情報は、図3に示したような公知の白黒のQRコード20では格納できない大きさの情報であるものとする。
【0044】
次いで、ステップS20において、単位コード生成部3は、分割した情報を4色の要素色に割り当て、既存のQRコードにおけるコード化の規則に従って、各要素色に対応する単位コードを生成する。ここで、単位コード生成部3は、分割した情報を各要素色に割り当てる際、元の情報の先頭側から、予め決定された色順で割り当てるようにする。
【0045】
図5(a)は、要素色のうちの黒色に対応する単位コード30Kの一例を示す図、図5(b)は、シアンに対応する単位コード30Cの一例を示す図、図5(c)は、マゼンタに対応する単位コード30Mの一例を示す図、図5(d)は、イエローに対応する単位コード30Yの一例を示す図である。単位コード30K,30C,30M,30Yは、図1に示したような周知のQRコードの黒色の表示部分を、それぞれに対応する要素色で表示したものである。つまり、単位コード30K,30C,30M,30Yでは、各セル24は、対応する要素色または白色で表示される。また、単位コード30K,30C,30M,30Yの位置検出パターン22a,22b,22cも、対応する要素色を用いて表示される。
【0046】
例えば、上述の例を用いれば、単位コード30Kは、社名である「株式会社○○」をQRコードの規則に従ってコード化したものとする。単位コード30Cは、住所である「東京都○○区○○1−1−1」をQRコードの規則に従ってコード化したものとする。単位コード30Mは、電話番号である「03−××××−××××」をQRコードの規則に従ってコード化したものとする。単位コード30Yは、URLである「http://www.××××.co.jp/」をQRコードの規則に従ってコード化したものとする。
【0047】
次いで、ステップS30において、合成部4は、単位コード30K,30C,30M,30Yを重ね合わせて合成した情報コードを生成する。図6は、単位コード30K,30C,30M,30Yを重ね合わせる様子を概念的に示す図である。合成部4は、図6のように単位コード30K,30C,30M,30Yを重ね合わせたときに、白色と要素色とが重なるセル24は要素色とし、2色以上の要素色が重なるセル24はそれらを混色した色とする。また、合成部4は、白色のみが重なるセル24については白色とし、位置検出パターン22a,22b,22cについては、全要素色を混色した濃度「1」の黒色とする。このような重ね合わせによって形成される色(合成色)は、図7に示す色番号C−1〜C−16の16通りである。図7において、例えば、色番号C−6は、シアンとイエローとが合成された緑色であることを示す。色番号C−1〜C−16の各色に対応する要素色の組み合わせは一意に決まるものである。
【0048】
上記のように合成部4により単位コード30K,30C,30M,30Yを合成して生成される情報コードの一例を図8に示す。図8に示すように、情報コード40におけるデータ領域21の各セル24は、白色か、白色以外に着色されて形成される。着色されたセル24の色は、4つの要素色から選択される1色または2色以上の混色により形成されている。
【0049】
ここで、情報コード40において表示される黒色については、図7、図8に示すように、互いに濃度(合成色濃度)が異なる色番号C−9,C−8,C−16の3通りがある。混色なしの要素色の黒色(C−9:グレー)は濃度が「1/3」、減法混色の3原色(シアン、マゼンタ、イエロー)の混色による黒色(C−8:暗いグレー)は濃度が「2/3」、4色の要素色のすべての混色による黒色(C−16)は濃度が「3/3(=1)」(最高濃度)である。
【0050】
情報コード生成装置1により生成された情報コード40の画像データは、例えば、印刷装置に送られ、印刷装置において情報コード40が紙媒体等に印刷される。
【0051】
次に、情報コード40を読み取るための情報コード読取装置について説明する。
【0052】
図9は、情報コード読取装置の機能構成を示すブロック図である。図9に示すように、情報コード読取装置50は、撮像部51と、検出部52と、分解部53と、解読部54と、表示部55とを備える。
【0053】
撮像部51は、情報コード40を撮像し、R,G,B成分からなる画像データを生成する。
【0054】
検出部52は、情報コード40が撮像された画像データに基づき、情報コード40内の色、および情報コード40内の黒色の領域の濃度を検出する。
【0055】
分解部53は、情報コード40内の色、および情報コード40内の黒色の領域の濃度に基づき、情報コード40を要素色ごとの単位コード30K,30C,30M,30Yに分解する。
【0056】
解読部54は、各単位コード30K,30C,30M,30Yを解読(デコード)し、各単位コード30K,30C,30M,30Yを解読して得られた情報を合成して情報コード40が示す情報を取得する。
【0057】
表示部55は、解読部54が情報コード40を解読して得られた情報を表示するものである。
【0058】
次に、情報コード読取装置50の具体的なハードウェア構成について説明する。情報コード読取装置50は、例えば、カメラ機能付き携帯電話端末により構成される。図10は、情報コード読取装置50のハードウェア構成例を示す図である。
【0059】
図10に示すように、情報コード読取装置50は、CPU61と、RAM62と、ROM63と、撮像装置64と、記憶装置65と、表示装置66とを備える。
CPU61は、情報コード読取装置50全体を統括的に制御する中央演算処理装置である。
【0060】
RAM62は、一時的なデータの保存や演算時におけるCPU61のワークエリアとして使用されるものである。
【0061】
ROM63は、CPU61の制御プログラムであるOS等を記憶するものである。
撮像装置64は、CCD(Charge Coupled Device)等を備え、被写体を撮像してR,G,B成分からなる画像データを生成する。撮像装置64は、図9の撮像部51の機能を果たすものである。
【0062】
記憶装置65は、ハードディスク等からなり、情報コード読取プログラム67を格納している。CPU61が情報コード読取プログラム67を実行することにより、図9の検出部52、分解部53、解読部54の機能が実現される。
表示装置66は、液晶ディスプレイ等からなり、図9の表示部55の機能を果たすものである。
【0063】
次に、情報コード読取装置50の動作について説明する。
【0064】
撮像部51は、情報コード40を撮像し、画像データを生成する。検出部52は、情報コード40が撮像された画像データに基づき、情報コード40内の色、および情報コード40内の黒色の領域の濃度を検出する。ここで、情報コード40の位置検出パターン22a,22b,22cは、全要素色を混色した濃度「1」の黒色である。検出部52は、位置検出パターン22a,22b,22cを基準として、情報コード40内の黒色の領域の濃度を検出することで、正確に濃度を検出できる。位置検出パターン22a,22b,22cは、請求項の基準マークとして機能する。
【0065】
検出部52の検出結果に基づき、分解部53は、情報コード40を要素色ごとの単位コード30K,30C,30M,30Yに分解する。図7に示した合成色と要素色との関係から、分解部53は、情報コード40を単位コード30K,30C,30M,30Yに分解できる。
【0066】
そして、解読部54は、各単位コード30K,30C,30M,30Yをそれぞれ解読し、得られた情報を合成して情報コード40が示す情報を取得する。
【0067】
上記のように情報コード読取装置50において情報コード40を単位コード30K,30C,30M,30Yに分解して解読する処理手順の一例を、図11、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0068】
まず、ステップS110において、検出部52は、変数iに1を設定する。
【0069】
次いで、ステップS120において、検出部52は、情報コード40のデータ領域21のi番目のセル24の色を検出する。i番目のセル24が黒色の場合は、検出部52は、その黒色の濃度も検出する。なお、検出部52が色を検出するセル24の順番は任意に決定すればよい。
【0070】
次いで、ステップS130において、分解部53は、ステップS120での検出部52の検出結果に基づき、i番目のセル24における黒色成分の濃度が「1/3」または「1」であるか否かを判断する。
【0071】
ここで判断される黒色成分の濃度は、セル24に表示されている色(合成色)が黒色の場合(色番号C−9,C−8,C−16)は、合成色の濃度であり、セル24に表示されている色が黒色以外の場合は、当該合成色に要素色として含まれる黒色の濃度となる。黒色成分の濃度が「1/3」であるのは、図7に示すように、色番号C−9〜C−15であり、これらは、要素色として黒色が含まれているものである。また、黒色成分の濃度が「1」であるのは、色番号C−16であり、これは、濃度「1/3」である要素色の黒色、シアン、マゼンタ、イエローの混色により形成されるものである。したがって、i番目のセル24の色に含まれる黒色成分の濃度が「1/3」または「1」であると判断した場合(ステップS130:YES)、要素色として黒色が含まれるため、ステップS140において、分解部53は、黒色層におけるi番目のセル24に黒色を割り当てる。次いで、ステップS150において、分解部53は、情報コード40におけるi番目のセル24の色成分から要素色の黒色成分を除く。その後、ステップS170に進む。
【0072】
一方、セル24に含まれる黒色成分の濃度が「2/3」であるのは、図7に示すように、合成色が濃度「2/3」の黒色(暗いグレー)である色番号C−8であり、これには要素色に黒色は含まれていない。色番号C−8の黒色はシアン、マゼンタ、イエローの混色により形成されたものである。また、黒色成分の濃度が「0」であるのは、色番号C−1〜C−7であり、これらにも要素色に黒色は含まれていない。したがって、i番目のセル24の色に含まれる黒色成分の濃度が「1/3」でも「1」でもない、つまり「2/3」または「0」であると判断した場合(ステップS130:NO)、要素色として黒色が含まれないため、ステップS160において、分解部53は、黒色層におけるi番目のセル24に白色を割り当てる。その後、ステップS170に進む。
【0073】
ステップS170では、検出部52は、変数iがデータ領域21における最後のセル24であることを示すIであるか否かを判断する。i=Iである場合(ステップS170:YES)、ステップS190に進む。i=Iでない場合(ステップS170:NO)、ステップS180において、検出部52は、変数iに1を加算する。その後、ステップS120に戻る。
【0074】
ステップS190では、分解部53は、変数iに1を設定する。
【0075】
次いで、ステップS200において、分解部53は、情報コード40のi番目のセル24にシアン成分が含まれているか否かを判断する。i番目のセル24にシアン成分が含まれていると判断した場合(ステップS200:YES)、ステップS210において、分解部53は、シアン層におけるi番目のセル24にシアンを割り当てる。その後、ステップS230に進む。
【0076】
i番目のセル24にシアン成分が含まれていないと判断した場合(ステップS200:NO)、ステップS220において、分解部53は、シアン層におけるi番目のセル24に白色を割り当てる。その後、ステップS230に進む。
【0077】
ステップS230では、分解部53は、情報コード40のi番目のセル24にマゼンタ成分が含まれているか否かを判断する。i番目のセル24にマゼンタ成分が含まれていると判断した場合(ステップS230:YES)、ステップS240において、分解部53は、マゼンタ層におけるi番目のセル24にマゼンタを割り当てる。その後、ステップS260に進む。
【0078】
i番目のセル24にマゼンタ成分が含まれていないと判断した場合(ステップS230:NO)、ステップS250において、分解部53は、マゼンタ層におけるi番目のセル24に白色を割り当てる。その後、ステップS260に進む。
【0079】
ステップS260では、分解部53は、情報コード40のi番目のセル24にイエロー成分が含まれているか否かを判断する。i番目のセル24にイエロー成分が含まれていると判断した場合(ステップS260:YES)、ステップS270において、分解部53は、イエロー層におけるi番目のセル24にイエローを割り当てる。その後、ステップS290に進む。
【0080】
i番目のセル24にイエロー成分が含まれていないと判断した場合(ステップS260:NO)、ステップS280において、分解部53は、イエロー層におけるi番目のセル24に白色を割り当てる。その後、ステップS290に進む。
【0081】
ステップS290では、分解部53は、変数iが情報コード40のデータ領域21における最後のセル24であることを示すIであるか否かを判断する。i=Iである場合(ステップS290:YES)、ステップS310に進む。i=Iでない場合(ステップS290:NO)、ステップS300において、分解部53は、変数iに1を加算する。その後、ステップS200に戻る。
【0082】
以上により、黒色層、シアン層、マゼンタ層、イエロー層に、図5に示した単位コード30K,30C,30M,30Yが復元される。
【0083】
ステップS310では、解読部54は、各単位コード30K,30C,30M,30Yをそれぞれ解読する。単位コード30K,30C,30M,30Yは、通常のQRコードの解読方法により解読可能である。前述の例を用いれば、解読部54は、単位コード30Kを解読することにより、社名である「株式会社○○」という情報を得る。また、解読部54は、単位コード30Cを解読することにより、住所である「東京都○○区○○1−1−1」という情報を得る。また、解読部54は、単位コード30Mを解読することにより、電話番号である「03−××××−××××」という情報を得る。また、解読部54は、単位コード30Yを解読することにより、URLである「http://www.××××.co.jp/」という情報を得る。
【0084】
そして、ステップS320において、解読部54は、単位コード30K,30C,30M,30Yをそれぞれ解読して得られた情報を合成する。この際、解読部54は、各単位コード30K,30C,30M,30Yに対応する情報を合成する順は、情報コード生成装置1で情報コード40を生成する際、分割した情報を割り当てた色順と一致するようにする。前述の例を用いれば、情報コード生成装置1において、単位コード30K,30C,30M,30Yの順で、社名、住所、電話番号、URLの順で並ぶ情報を割り当てた場合、解読部54は、単位コード30K,30C,30M,30Yの順で、解読により得られた情報を合成する。これにより、解読部54は、社名、住所、電話番号、URLの順に並んだ情報を得られる。
【0085】
以上のように、情報コード40に保持された情報が得られる。解読部54は、このように情報コード40を解読して得られた情報を表示部55に表示させ、ユーザに通知する。
【0086】
以上説明したように、第1の実施の形態の情報コード40では、着色されたセル24を形成するための要素色として、減法混色の3原色に加えて、黒色が用いられている。ここで、要素色のすべての混色により形成される黒色と、減法混色の3原色の混色により形成される黒色と、混色なしの要素色の黒色とが、互いに異なる濃度となっている。これにより、要素色に黒色が用いられていても、情報コード読取装置50において、情報コード40の各セル24の要素色を判別できる。このため、情報コード40によれば、着色されたセル24を生成するための要素色として、減法混色の3原色に加えて黒色を使用することで、保持できる情報量の増大が可能となる。
【0087】
また、情報コード40では、情報コード読取装置50において、濃度の判別は黒色の3段階のみであり、それ以外に細かい濃度の判別等が要求されず、高度な読み取り技術は不要である。また、情報コード40の生成、解読には既存のQRコード等のコード体系が使用できる。このため、情報コード40は読み取りが容易である。また、既存の携帯電話端末等に情報コード生成プログラム16、情報コード読取プログラム67を組み込むことで、情報コード40の生成、読み取りを行うことができる。
【0088】
情報コード生成装置1は、上記のような要素色のすべての混色により形成される黒色と、減法混色の3原色の混色により形成される黒色と、混色なしの要素色の黒色とが、互いに異なる濃度となるように、各要素色の濃度を設定することで、情報コード40を生成できる。
【0089】
情報コード読取装置50は、情報コード40が撮像された画像データに基づき、情報コード40内の色、および情報コード40内の黒色の領域の濃度を検出し、その検出結果に基づき、情報コード40を要素色ごとの各単位コード30K,30C,30M,30Yに分解する。そして、情報コード読取装置50は、各単位コード30K,30C,30M,30Yを既存のコード解読方法に従って解読し、得られた情報を合成することで、情報コード40を容易に解読できる。
【0090】
なお、第1の実施の形態では、情報コード40の位置検出パターン22a,22b,22cが、全要素色を混色した濃度「1」の黒色の基準色を示す基準パターンであるとしたが、位置検出パターン22a,22b,22cに他の色の基準色を提示するようにしてもよい。例えば、各要素色(シアン、マゼンタ、イエロー、黒色)、すべての要素色の混色により形成される黒色、減法混色の3原色の混色により形成される黒色、の少なくともいずれかの基準色を示すようにすることができる。
【0091】
基準色の提示の一例を図13に示す。図13では、位置検出パターン22a,22b,22cの中心部27をそれぞれシアン、マゼンタ、イエローの基準色とし、外枠25をすべての要素色(シアン、マゼンタ、イエロー、黒色)の混色により形成される黒色の基準色としている。情報コード40が印刷媒体に印刷される場合に、使用される印刷媒体や印刷装置の種類によって、情報コード40の色合いが異なる可能性がある。情報コード読取装置50において、上記のように情報コード40に提示された基準色を基準としてデータ領域21内の各色を判断することで、情報コード40が印刷される印刷媒体等の種類によらず、読み取り誤差を低減し、正確な読み取りが可能となる。
【0092】
また、情報コード40では、位置検出パターン22a,22b,22cに基準色を提示する基準パターンとしての機能を持たせたが、これに限らず、別個の基準パターンを設けるようにしてもよい。
【0093】
また、第1の実施の形態では、4つの要素色(シアン、マゼンタ、イエロー、黒色)すべてを用いた情報コード40を示したが、コード化対象の情報量によっては、3色以下の要素色で構成することが可能である。
【0094】
また、QRコードに限らず、他の2次元コードやバーコード等にも本発明は適用可能である。
【0095】
(第2の実施の形態)
図14は、第2の実施の形態に係る情報コードを示す図である。図14に示すように、情報コード70は、データ領域71と、周辺領域72とを備える。
【0096】
データ領域71は、情報が記録される領域である。データ領域71は、複数の矩形状のセル24が縦横に配列されて構成される。各セル24は、コード化対象の情報に応じて、白色または黒色で表示される。黒色には、最高濃度を「1」として、「2/5」、「3/5」、「4/5」、「1」の4段階の濃度が設定されており、黒色のセル24は、4段階の濃度のうちのいずれかの濃度で形成されている。例えば、白色のセル24には「0」の値が対応し、黒色のセル24には、濃度に応じて「1」〜「4」の値が対応する。このようなセル24の配列により、情報コード70は、情報を表現する。
【0097】
周辺領域72は、情報コード70をその周囲と区別するために設けられる領域である。周辺領域72は、データ領域71を囲む白色の領域である。
【0098】
情報コード70の生成は、図2に示した情報コード生成装置1と同様の構成の装置により行われる。ここで、情報コード70を生成する場合、情報コード生成プログラム16として、情報コード70を生成するためのプログラムが用いられる。CPU11は、コード化対象の情報に基づき、情報コード生成プログラム16に従い、各セル24に、白色および各濃度の黒色のうちのいずれかを割り当て、情報コード70の画像データを生成する。
【0099】
生成された情報コード70の画像データは、例えば、印刷装置に送られ、印刷装置において情報コード70が紙媒体等に印刷される。
【0100】
黒色のセル24は、減法混色の3原色および黒色から選択される2色以上の混色により形成されたものでもよい。例えば、濃度「1」の黒色のセル24は、それぞれ濃度「1/5」のシアン、マゼンタ、イエローと濃度「2/5」の黒色との混色により形成できる。濃度「4/5」の黒色のセル24は、濃度「1/10」のシアンと濃度「7/10」の黒色との混色により形成できる。濃度「3/5」の黒色のセル24は、それぞれ濃度「1/5」のシアン、マゼンタ、イエローの混色により形成できる。ここで、上記の濃度「4/5」の黒色は、黒色にわずかのシアンを混ぜたものであるが、このような色も黒色に非常に近い色であり、黒色と見なす。つまり、黒色のセル24を形成する黒色として、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色の4色の混色により形成されるもの、シアン、マゼンタ、イエローの3色の混色により形成されるもの、黒色とわずかの他の色との混色により形成されるもの、混色なしの黒色で形成されるものがあり得る。
【0101】
なお、黒色のセル24の濃度は、上述のような濃度の4段階に限らず、複数段階であればよい。
【0102】
情報コード70の読み取りは、図10に示した情報コード読取装置50と同様の構成の装置により行われる。ここで、情報コード70を読み取る場合、情報コード読取プログラム67として、情報コード70を読み取り解読するためのプログラムが用いられる。CPU61は、撮像部51が情報コード70を撮像して得られた画像データから各セル24の色および濃度を検出し、検出結果を用いて、情報コード読取プログラム67に従い、情報コード70を解読する。
【0103】
上述したように、情報コード70は、黒色のセル24が複数段階の濃度のうちのいずれかの濃度で形成されている。これにより、黒色のセル24で複数の値に対応可能となり、情報コード70が保持する情報量を増大できる。
【0104】
なお、黒色以外のセル24は白色に限らず、他の色を用いてもよい。黒色以外に複数の色を用い、色ごとに対応する値が設定されるようにしてもよい。
【0105】
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 情報コード生成装置
2 入力部
3 単位コード生成部
4 合成部
11,61 CPU
12,62 RAM
13,63 ROM
14,65 記憶装置
15 入力装置
16 情報コード生成プログラム
20 QRコード
21,71 データ領域
22a,22b,22c 位置検出パターン
30K,30C,30M,30Y 単位コード
40,70 情報コード
51 撮像部
52 検出部
53 分解部
54 解読部
55 表示部
64 撮像装置
66 表示装置
67 情報コード読取プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色のモジュールと白色以外の着色されたモジュールとを含む複数のモジュールを備え、
前記着色されたモジュールは、減法混色の3原色および黒色を要素色として前記要素色から選択される1色または2色以上の混色により形成され、
前記要素色である減法混色の3原色および黒色のすべての混色により形成された黒色のモジュールと、減法混色の3原色の混色により形成された黒色のモジュールと、混色なしの前記要素色の黒色で形成された黒色のモジュールとが、互いに濃度が異なることを特徴とする情報コード。
【請求項2】
前記要素色である減法混色の3原色および黒色、減法混色の3原色および黒色のすべての混色により形成される黒色、および減法混色の3原色の混色により形成される黒色の少なくとも1つについての基準色を提示する基準マークを備えることを特徴とする請求項1に記載の情報コード。
【請求項3】
黒色のモジュールと黒色以外のモジュールとを含む複数のモジュールを備え、
前記黒色のモジュールは、複数段階の濃度のうちのいずれかの濃度で形成されていることを特徴とする情報コード。
【請求項4】
白色のモジュールと白色以外の着色されたモジュールとを含む複数のモジュールを備える情報コードを生成する情報コード生成装置であって、
前記着色されたモジュールを形成するために使用する要素色である減法混色の3原色および黒色のそれぞれに対応する、白色のモジュールおよび前記要素色のモジュールを有するコードである単位コードを生成する単位コード生成部と、
前記各要素色に対応する単位コードを重ね合わせ、白色と前記要素色とが重なるモジュールは前記要素色のモジュールとし、2色以上の前記要素色が重なるモジュールはそれらを混色したモジュールとすることで、前記各要素色に対応する単位コードを合成して 前記情報コードを生成する合成部とを備え、
前記単位コード生成部は、前記要素色である減法混色の3原色および黒色のすべての混色により形成される黒色のモジュールと、減法混色の3原色の混色により形成される黒色のモジュールと、混色なしの前記要素色の黒色で形成される黒色のモジュールとが、互いに異なる濃度となるように、前記各要素色の濃度を設定することを特徴とする情報コード生成装置。
【請求項5】
白色のモジュールと白色以外の着色されたモジュールとを含む複数のモジュールからなる情報コードを生成する情報コード生成プログラムであって、
前記着色されたモジュールを形成するために使用する要素色である減法混色の3原色および黒色のそれぞれに対応する、白色のモジュールおよび前記要素色のモジュールからなるコードである単位コードを生成するステップと、
前記各要素色に対応する単位コードを重ね合わせ、白色と前記要素色とが重なるモジュールは前記要素色のモジュールとし、2色以上の前記要素色が重なるモジュールはそれらを混色したモジュールとすることで、前記各要素色に対応する単位コードを合成して前記情報コードを生成するステップとをコンピュータに実行させ、
前記複数の単位コードを生成するステップにおいて、前記要素色である減法混色の3原色および黒色のすべての混色により形成される黒色のモジュールと、減法混色の3原色の混色により形成される黒色のモジュールと、混色なしの前記要素色の黒色で形成される黒色のモジュールとが、互いに異なる濃度となるように、前記各要素色の濃度を設定することを特徴とする情報コード生成プログラム。
【請求項6】
請求項1または2に記載の前記情報コードを読み取る情報コード読取装置であって、
前記情報コードが撮像された画像データに基づき、前記情報コード内の色、および前記情報コード内の黒色の領域の濃度を検出する検出部と、
前記検出部で検出した前記情報コード内の色、および黒色の領域の濃度に基づき、前記情報コードを前記要素色ごとの単位コードに分解する分解部と、
前記各単位コードを解読するとともに、前記各単位コードを解読して得られた情報を合成して前記情報コードが示す情報を取得する解読部と
を備えることを特徴とする情報コード読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−226710(P2012−226710A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96429(P2011−96429)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】