情報中継装置および車載情報端末
【課題】本発明は、車載情報端末がDSRC通信を利用してインターネット接続を行なう場合にのみ、DSRC通信をインターネット通信として車載情報端末に中継する情報中継装置と、当該情報中継装置の中継によって外部とDSRC通信を行う車載情報端末とを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明による情報中継装置は、外部とDSRC車載装置1および車載情報端末2との通信特性を示す通信特性情報を取得する通信特性情報取得部203と、DSRC−PPP通信の利用の可否状態を含む車載情報端末3の状態を示す車載情報端末状態情報を取得する車載情報端末状態情報取得部205と、通信特性情報と車載情報端末状態情報とに基づいて、DSRC車載装置1を介して外部とDSRC−PPP通信の接続を行い、DSRC−PPP通信データを車載情報端末3に中継するDSRC−PPP通信接続・中継処理部209とを備える。
【解決手段】本発明による情報中継装置は、外部とDSRC車載装置1および車載情報端末2との通信特性を示す通信特性情報を取得する通信特性情報取得部203と、DSRC−PPP通信の利用の可否状態を含む車載情報端末3の状態を示す車載情報端末状態情報を取得する車載情報端末状態情報取得部205と、通信特性情報と車載情報端末状態情報とに基づいて、DSRC車載装置1を介して外部とDSRC−PPP通信の接続を行い、DSRC−PPP通信データを車載情報端末3に中継するDSRC−PPP通信接続・中継処理部209とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設置されたDSRC車載装置を介して外部とDSRC通信を行うことが可能な車載情報端末と、当該車載情報端末とDSRC車載装置との間においてDSRC通信を中継する情報中継装置とを備える車側システムにおける車載情報端末および情報中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に設置されたDSRC(Dedicated Short Range Communication)通信装置に接続されたカーナビなどの車載情報端末が、DSRC通信を介したPPP(Point to Point Protocol)通信を用いてインターネット接続を行う技術がある(例えば、非特許文献1,2参照)。
【0003】
非特許文献1に記載の技術は、DSRC通信上でインターネットに利用する通信プロトコルであるIP通信(UDPやTCPなど)とそれ以外の通信(非IP通信)とを同時利用または一方の通信プロトコルを選択して利用するものであり、路側に設置されたサーバ等からURI(Uniform Resource Identifier)などを車載情報端末に通知し、車載情報端末が通知されたURIが示すWEBサイトへIP通信を介してインターネット接続することを想定している。
【0004】
また、3G(3rd Generation)や4G(4th Generation)通信、または無線LAN(IEEE802.11a/b/g/nなど)の通信メディアをインターネット通信に利用する技術があり、このような通信メディアを複数搭載し、当該複数の通信メディアのうちの1つの通信メディアを選択して利用することによって、インターネット接続を行う無線通信端末(例えば、スマートフォン)などがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に記載の技術は、車載情報端末が複数の通信メディアを利用可能であり、車載情報端末で無線通信の電波強度などの通信品質等を考慮して利用する通信メディアを選択する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−268085号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「狭域通信(DSRC)アプリケーションサブレイヤ 標準規格」、ARIB STD−T88 1.1版、社団法人電波産業会、平成19年12月12日
【非特許文献2】「狭域通信(DSRC)基本アプリケーションインタフェース仕様ガイドライン」、ITS FORUM RC−004 1.1版、ITS情報通信システム推進会議、平成19年3月28日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、非特許文献1では、DSRC通信を通信メディアとしてインターネット通信として利用する運用を想定しているが、特許文献2に記載の車載情報端末は、非特許文献1の運用について認知する手段がないため、非特許文献1に記載の技術を適用してDSRC通信をインターネット通信に利用するために選択することができなかった。
【0009】
また、車載情報端末には複数のアプリケーションが搭載されており、車載情報端末の利用者(ユーザー)が、それらのアプリケーションを選択して利用する場合がある。
【0010】
また、上述のアプリケーションは、例えばGoogle Mapなどのインターネットを介して取得した地図を表示するものや、インターネットのWEBサイトを閲覧するSafariなどのブラウザのようなものを指すものとする。
【0011】
これらのアプリケーションは、車載情報端末が提供する通信メディア(無線LAN、3Gなど)を利用してインターネットに接続することを前提としている。
【0012】
しかしながら、ユーザーがDSRC通信を通信メディアとして利用してインターネット接続を行うアプリケーション(DSRC−PPPアプリケーション)の実現においては、DSRC−PPPアプリケーション利用中に限ってインターネット接続に利用する通信メディアとしてDSRC通信を選択する手段が必要となるが、そのような手段を提供する製品や技術はなかった。
【0013】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、車載情報端末がDSRC通信を利用してインターネット接続を行なう場合にのみ、DSRC通信をインターネット通信として車載情報端末に中継する情報中継装置と、当該情報中継装置の中継によって外部とDSRC通信を行う車載情報端末とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明による情報中継装置は、車両に設置され、DSRC車載装置と車載情報端末とを通信可能に中継する情報中継装置であって、外部とDSRC車載装置および車載情報端末との通信特性を示す通信特性情報を取得する通信特性情報取得手段と、DSRC−PPP通信の利用可否状態を含む車載情報端末の状態を示す車載情報端末状態情報を取得する車載情報端末状態情報取得手段と、DSRC車載装置および車載情報端末の通信特性情報と、車載情報端末の車載情報端末状態情報とに基づいて、DSRC車載装置を介して外部とDSRC−PPP通信の接続を行い、DSRC−PPP通信によるデータであるDSRC−PPP通信データを車載情報端末に中継するDSRC−PPP通信接続・中継手段とを備える。
【0015】
また、本発明による車載情報端末は、車両に設置され、DSRC車載装置および情報中継装置を介して外部とDSRC−PPP通信を含む通信メディアを選択して用いることが可能な車載情報端末であって、DSRC−PPP通信の利用の可否状態を含む車載情報端末の状態を示す車載情報端末状態情報を情報中継装置に出力する車載情報端末状態情報出力手段を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、外部とDSRC車載装置および車載情報端末との通信特性を示す通信特性情報を取得する通信特性情報取得手段と、DSRC−PPP通信の利用状態(停止中、利用中、一時停止、または利用不可など)およびDSRC−PPP通信を実現する機能の搭載有無、および、DSRC−PPP通信を実現する機能の動作状態(停止中、利用中、一時停止、または利用不可など)を示す車載情報端末状態情報を取得する車載情報端末状態情報取得手段と、DSRC車載装置および車載情報端末の通信特性情報と、車載情報端末の車載情報端末状態情報とに基づいて、DSRC車載装置を介して外部とDSRC−PPP通信の接続を行い、DSRC−PPP通信によるデータであるDSRC−PPP通信データを車載情報端末に中継するDSRC−PPP通信接続・中継手段を備えるため、車載情報端末がDSRC通信を利用してインターネット接続を行なう場合にのみ、DSRC通信をインターネット通信として車載情報端末に中継することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1による路車間通信システムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1による車側システムの構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の接続処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2による車側システムの構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態3による車側システムの構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態3による車載情報端末の表示の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態3による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の接続処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態4による車側システムの構成の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態4による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の切断処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態5による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の停止処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態5による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の再開処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて以下に説明する。
【0019】
〈実施の形態1〉
図1は、本発明の実施の形態1による路車間通信システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、情報中継装置2は、車両に設置され、DSRC車載装置1と車載情報端末3とを通信可能に中継するように接続されている。
【0020】
DSRC車載装置1は、DSRC路側装置4とDSRC通信を行う(非特許文献1,2参照)。また、DSRC路側サーバ5は、DSRC路側装置4を介してDSRC車載装置1に提供するコンテンツ情報を保持している。なお、コンテンツ情報は、WEBサイト、画像、あるいは音声など様々な形式の情報を含むものとする。
【0021】
また、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間は、IP通信することが可能な構成となっており、情報中継装置2は、DSRC車載装置1およびDSRC路側装置4を介してDSRC路側サーバ5にPPP通信接続することが可能である。
【0022】
また、車載情報端末3は、無線LAN通信、3G(3rd Generation)や4G(4th Generation)通信などの無線通信を用いて車外(外部)の路側サーバ6にアクセス(通信接続)することが可能である。
【0023】
なお、車載情報端末3は、インターネット接続に利用する通信メディアを1つとし、インターネットに接続可能な通信メディアが複数存在する場合は、車載情報端末3にて定められた所定のルールに従ってインターネット通信に利用する通信メディアを1つ選択するものとする。
【0024】
また、図1に示す路車間通信システムは、車側システムと路側システムとから構成され、車側システムは、DSRC車載装置1、情報中継装置2、および車載情報端末3を備え、路側システムは、DSRC路側装置4、DSRC路側サーバ5、路側サーバ6を備えるものとし、当該路車間通信システムの構成は、以下の各実施の形態に共通するものである。
【0025】
また、DSRC車載装置1および車載情報端末3の各々は、DSRC路側サーバ5あるいは路側サーバ6の各々に対して通信する路車間通信端末としての機能を有するものとする。
【0026】
また、以下の説明において、情報中継装置2とDSRC車載装置1との間における通信、および、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信など車内での通信を第1通信とも称する。また、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間におけるDSRC通信、および、車載情報端末3と路側サーバ6との間における無線通信(例えば、3G、無線LANなど)などの路車間通信を第2通信とも称する。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態1による車側システムの構成の一例を示す図である。図2に示すように、本実施の形態1による車側システムは、DSRC車載装置1と、車載情報端末3と、DSRC車載装置1と車載情報端末3との間において通信を中継して接続することが可能な情報中継装置2とを備えている。
【0028】
DSRC車載装置1は、情報中継装置2との間における通信(第1通信)の制御を行う通信制御部101と、DSRC路側装置4との間において行われる通信(第2通信)の通信メディア(例えば、DSRC、無線LANなど)、通信種別(非IP、IP)、通信接続状態(切断、接続)を含む第2通信特性情報を情報中継装置2に出力する第2通信特性情報出力部102と、DSRC路側装置4との間におけるDSRC通信の処理を行うDSRC通信処理部103とを備える。
【0029】
また、情報中継装置2は、通信可能に接続されたDSRC車載装置1と車載情報端末3との間における通信の中継制御を行う中継通信制御部201と、DSRC路側装置4(外部)から受信して車載情報端末3に中継する通信データであるDSRC−PPP通信データを蓄積する中継通信データ蓄積部202(中継通信データ蓄積手段)と、DSRC路側装置4および路側サーバ6(外部)とDSRC車載装置1および車載情報端末3との通信特性を示す第2通信特性情報(通信特性情報)をDSRC車載装置1あるいは車載情報端末3からを取得する第2通信特性情報取得部203(通信特性情報取得手段)と、取得した第2通信特性情報を蓄積する第2通信特性情報蓄積部204と、車載情報端末3のDSRC−PPPアプリケーションの搭載有無(例えば、車載情報端末3にDSRC−PPP通信を利用するアプリケーションがインストールされているか、いないか)およびDSRC−PPP通信アプリケーションの利用状態(停止中、利用中、一時停止、または利用不可など)やDSRC−PPP通信の利用の可否(例えば、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を実現する通信機能の搭載有無(例えば、後述のDSRC−PPP通信処理部304を車載情報端末3が持つか否か)、および、DSRC−PPP通信を実現する通信機能の動作状態(例えば、DSRC−PPP通信処理部304がDSRC−PPP通信処理を利用していない、利用している、利用を一時中断している、または、利用不可など)を示す車載情報端末状態情報を取得する車載情報端末状態情報取得部205(車載情報端末状態情報取得手段)と、取得した車載情報端末状態情報を蓄積する車載情報端末状態情報蓄積部206と、車載情報端末3から取得した第2通信特性情報および車載情報端末状態情報に基づいて、車載情報端末3との間でインターネット通信を可能とするか否かの中継通信モードの切り替え(IP通信不可/可能、非IP/IP通信)を制御する中継通信モード制御部207(中継通信モード制御手段)と、DSRC車載装置1および車載情報端末3の第2通信特性情報と、車載情報端末3の車載情報端末状態情報とに基づいて、DSRC車載装置1を介してDSRC路側サーバ5(外部)とDSRC−PPP通信の接続を行い、DSRC−PPP通信によるデータであるDSRC−PPP通信データを車載情報端末3に中継するDSRC−PPP通信接続・中継処理部209(DSRC−PPP通信接続・中継手段)とを備える。
【0030】
また、車載情報端末3は、DSRC車載装置1および情報中継装置2を介してDSRC路側サーバ5とDSRC−PPP通信を含む通信メディアを選択して用いることが可能であり、情報中継装置2との間における通信(第1通信)の制御を行う通信制御部301と、路側サーバ6との間において行われる通信(第2通信)の第2通信特性情報を情報中継装置2に出力する第2通信特性情報出力部302と、DSRC−PPP通信の利用の可否状態を含む車載情報端末3の状態を示す車載情報端末状態情報を情報中継装置2に出力する車載情報端末状態情報出力部303(車載情報端末状態情報出力手段)と、DSRC−PPP通信の処理を行うDSRC−PPP通信処理部304と、無線LANやBuetooth(登録商標)などの狭域無線通信の処理を行う狭域無線通信処理部305と、3Gや4G通信などの広域無線通信の処理を行う広域無線通信処理部306と、通信メディアの接続状態に応じてインターネット通信に利用する通信メディアを選択する通信メディア選択部307と、WEBブラウザなどのインターネット通信を経て取得したコンテンツを再生する処理を行うインターネット通信処理部308(インターネット閲覧するHTTP通信などを実現する機能)と、DSRC−PPP通信を利用するDSRC−PPPアプリケーション309と、その他のアプリケーション310とを備える。
【0031】
なお、路側システムとして備えられているDSRC路側サーバ5は、DSRC通信を介してPPP通信接続を行うサーバとして機能しており、DSRC路側サーバ5にPPP通信接続した装置(例えば、情報中継装置2)はインターネット通信が可能になるものとする。
【0032】
次に、DSRC車載装置1、情報中継装置2、および車載情報端末3を用いてインターネット通信を利用する場合の動作について説明する。なお、以下では、DSRC通信を介したインターネット通信(PPP通信)のことをDSRC−PPP通信とも称する。
【0033】
図3は、本実施の形態1による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の接続処理を示すフローチャートである。
【0034】
図3に示すDSRC−PPP通信の接続処理の前提として、車載情報端末3において、第2通信特性情報出力部302は、現在インターネット通信に利用している無線通信メディア(例えば、無線LANや3Gなど)を第2通信特性情報として情報中継装置2に出力する。また、車載情報端末状態情報出力部303は、車載情報端末3がDSRC−PPP通信に利用状態(DSRC−PPPアプリケーションの搭載有無、および、DSRC−PPPアプリケーションが利用可能な状態になっているか否か)、および、DSRC−PPP通信の処理を行うDSRC−PPP通信処理部304の動作状態(利用していない、利用中、一時停止、または、利用不可など)を車載情報端末状態情報として情報中継装置2に通知(出力)する。情報中継装置2では、車載情報端末3から出力された第2通信特性情報を第2通信特性情報取得部203にて取得し、車載情報端末状態情報を車載情報端末状態情報取得部205にて取得する。
【0035】
なお、車載情報端末状態情報出力部303は、車載情報端末3上のDSRC−PPPアプリケーション309の利用状態とDSRC−PPP通信処理部304の動作状態を取得することができるものとし、DSRC−PPPアプリケーション309はその利用状態を、DSRC−PPP通信処理部304はその動作状態を出力する機能を有するものとする。DSRC−PPPアプリケーション309またはDSRC−PPP通信処理部304が車載情報端末3に搭載されていない場合(DSRC−PPPアプリケーション309またはDSRC−PPP通信処理部304から利用状態もしくは動作状態を取得できない場合)は、車載情報端末状態情報出力部303がDSRC−PPPアプリケーション309またはDSRC−PPP通信処理部304が「利用不可」と扱ってよいものとする。
【0036】
上述の車載情報端末状態情報出力部303における車載情報端末3上のDSRC−PPPアプリケーション309の利用状態とDSRC−PPP通信処理部304の動作状態の取得方法としては、例えば、車載情報端末3のOS(Operation System)やSDK(Software Development Kit)が備えているAPI(Application Program Interface)を利用して取得する方法などがある。
【0037】
また、DSRC−PPPアプリケーション309とDSRC−PPP通信処理部304がインターフェースを備えることで、上述のDSRC−PPPアプリケーション309の利用状態とDSRC−PPP通信処理部304の動作状態を車載情報端末状態情報出力部303に通知してもよいものとする。
【0038】
なお、車載情報端末3から情報中継装置2に対して第2通信特性情報および車載情報端末状態情報を出力するタイミングは、車載情報端末3の第2通信特性情報の内容が変化した時点(例えば、インターネット通信に利用していた通信メディアが切り替わった時点、または、DSRC−PPP通信の利用状態の変化(例えば、DSRC−PPPアプリケーション309が利用中から停止中に変化)した時点)において、車載情報端末3から情報中継装置2に出力することが望ましいが、情報中継装置2が車載情報端末3に対して任意のタイミングで第2通信特性情報および車載情報端末状態情報を問い合わせるようにしてもよい。
【0039】
図3に示すように、DSRC車載装置1は、DSRC路側装置4との間でDSRC通信接続を完了させる(ステップS301)。
【0040】
ステップS301の後、DSRC車載装置1の第2通信特性情報出力部102は、DSRC路側装置4との間でDSRC通信の通信の切断または接続を示す情報と、DSRC路側装置4がDSRC−PPP通信を利用できるか否かを示す情報を、第2通信特性情報として情報中継装置2に出力する(ステップS302)。
【0041】
また、DSRC通信接続処理は、例えば、上述の非特許文献に記載の処理に従って、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4間で行われるものとする。
【0042】
当該DSRC通信接続において、DSRC−PPP通信が利用できるか否かをDSRC車載装置1で行う方法としては、例えば、DSRC車載装置1がDSRC通信接続時にDSRC路側装置4から通知される上述の非特許文献1のASL基地局プロファイル(RoadSideProfile)のASL−NCP情報(accessControl)にpppControlが格納されているか否かを判定して、格納されている場合は情報中継装置2にDSRC−PPP通信利用可を示す情報を、格納されていない場合はDSRC−PPP通信利用不可を示す情報を情報中継装置2に出力する。
【0043】
上述のDSRC通信の切断または接続を示す情報やDSRC路側装置4がDSRC−PPP通信を利用できるか否かを示す情報は、それぞれ内容を情報中継装置2に通知することができれば電文の構造や出力方法は問わないものとする。
【0044】
DSRC−PPP通信利用可を示す情報を情報中継装置2に通知しない場合は「DSRC−PPP通信利用不可」と予め所定のルールを決めてもよいものとし、その場合はDSRC車載装置1の第2通信特性情報出力部102はDSRC−PPP通信利用不可を示す情報を出力しなくてもよいものとする。
【0045】
ステップS302の後、情報中継装置2は、第2通信特性情報取得部203にてDSRC車載装置1から取得した第2通信特性情報の内容、および車載情報端末3の第2通信特性情報の内容と、車載情報端末状態情報取得部205にて取得した車載情報端末3の車載通信端末状態情報の内容とを確認し、「DSRC接続完了」かつ「DSRC路側装置4がDSRC−PPP通信利用可」で、かつ、「車載情報端末3がDSRC−PPP通信利用可」であるか否かを判定する(ステップS303)。
【0046】
ステップS303において、「DSRC接続完了」かつ「DSRC路側装置4がDSRC−PPP通信利用可」で、かつ、「車載情報端末3がDSRC−PPP通信利用可」であると判定された場合は、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209は、DSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信を開始する(ステップS304)。
【0047】
一方、ステップS303において、「DSRC接続完了」かつ「DSRC路側装置4がDSRC−PPP通信利用可」であり、かつ、「車載情報端末3がDSRC−PPP通信利用可」でないと判定された場合は、情報中継装置2はDSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信を開始せず、DSRC−PPP通信の接続処理を終了する(ステップS305)。
【0048】
ここで、「DSRC接続完了」かつ「DSRC路側装置4がDSRC−PPP通信利用可」である場合とは、例えば、上述の非特許文献に記載の処理に従ってDSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間におけるDSRC通信接続処理が完了し、当該DSRC通信接続時に、DSRC路側装置4が対応しているNCP(Network Control Protocol)としてPPPCP(Point to Point Protocol Control Protocol)をDSRC車載装置1に通知している状態のことである。
【0049】
また、ステップS303において、「車載情報端末3がDSRC−PPP通信利用可」である場合とは、車載情報端末3がDSRC−PPPアプリケーション309を起動しており、かつ、利用可能な状態(例えば、車載情報端末3にてDSRC−PPP通信処理部304が利用可能な状態、または、利用している状態)をいう。
【0050】
ステップS304の後、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209にてDSRC−PPP通信接続が完了する(ステップS306)。
【0051】
ステップS306の後、車載情報端末3にてインターネット通信に利用している通信メディアがDSRC−PPP通信ではない場合、情報中継装置2の中継通信モード制御部207は、車載情報端末3との間においてインターネット通信可能とする通信環境を構築する(ステップS307)。すなわち、中継通信モード制御部207は、車載情報端末3がDSRC−PPP通信の利用が可能な状態である場合において、図2に示す情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信を、「非IP通信」から「IP通信」となるように通信環境を構築する(中継通信モードを変更するよう制御する)。情報中継装置2と車載情報端末3との間においてインターネット通信可能とする通信環境が構築されると、車載情報端末3の通信メディア選択部307は、DSRC−PPP通信をインターネット通信路として選択する。
【0052】
ここで、上記の「通信環境の構築」とは、車載情報端末3と情報中継装置2との間における通信がインターネット通信に優先利用されるようにIPアドレスを割り当てる。例えば、車載情報端末3がDSRC通信によるインターネットを利用しない場合は、車載情報端末3と情報中継装置2との間でルーティングが不可能なIPアドレス(例えば、クラスBのアドレス)を割り当てる、または、インターネット接続に必要なゲートウェイのアドレスを車載情報端末3に通知または設定しないようにする。インターネットを利用する場合は、ルーティングが可能なクラスCのIPアドレスを割り当てる。なお、上記の割り当て方法については、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)などを利用しても良いが、無線LANなどを利用する場合は、予め車載情報端末3にクラスBとクラスCの利用が登録されたSSID(Service Set Identifier)を登録しておき、情報中継装置2でSSIDを切り替えて行っても良い。
【0053】
以上のことから、本実施の形態1による情報中継装置2は、DSRC車載装置1から、DSRC通信の接続/未接続の情報、および当該DSRC通信を介してDSRC−PPP通信の利用が可能か否かの情報を含む第2通信特性情報と、車載情報端末3から、現在インターネット通信に利用している無線通信メディアの情報を含む第2通信特性情報とを第2通信特性情報取得部203にて取得し、また、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を利用可能か否かの情報を含む車載通信端末状態情報を車載情報端末状態情報取得部205にて取得し、これらの情報に基づいて、DSRC車載装置1がDSRC路側装置4とDSRC−PPP通信可能な状態であり、かつ、車載情報端末3がDSRC−PPPアプリケーション309を起動している、または、起動した場合のみにおいて、DSRC−PPP通信データを車載情報端末3に中継しているため、車載情報端末3はDSRC−PPP通信をインターネット通信路として利用することができる。
【0054】
従って、車載情報端末3がDSRC−PPPアプリケーション309を起動していない、または、DSRC−PPPアプリケーション309を搭載していない場合は、車載情報端末3のインターネット通信路をDSRC−PPP通信に変更することがないため、DSRC−PPP通信以外の通信メディアをインターネット通信に利用するその他のアプリケーション310の動作を阻害することはない。
【0055】
すなわち、複数のアプリケーションが1つの端末にインストールされ、ユーザーがアプリケーションを選択して1度に1つのアプリケーションをユーザーが直接利用する形態の車載情報端末3(例えば、スマートフォンなど)においては、DSRC−PPPアプリケーション309を起動した場合のみ情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用できるようになるため、DSRC−PPP通信以外の3GやWiMax通信などの利用を前提としたWEBブラウザなどのその他のアプリケーション310を立ち上げた際に、DSRC−PPP通信がインターネット通信に利用されることがないという効果を奏する。
【0056】
一方で、本実施の形態1のように車載情報端末3に対するDSRC−PPP通信接続を行なわない場合は、例えば、車両内に持ち込んだ車載情報端末が上述のDSRC−PPP通信機能を利用していなくても、情報中継装置は車載情報端末3に対してDSRC−PPP通信を利用可能な状態としてしまうため、車載情報端末3は、3Gや無線LANなど本来利用したいWEBブラウザなど、その他の機能におけるインターネット通信が利用できなくなる。
【0057】
なお、図3のステップS304において、情報中継装置2は、車載情報端末3にてDSRC−PPP通信が利用できる場合に限って、DSRC路側サーバ5に対してDSRC−PPP通信接続処理を開始する。
【0058】
上記の路車間通信システムの運用の一例として、DSRC路側サーバ5は、DSRC−PPP通信の接続が完了したDSRC車載装置1をDSRC−PPP通信を介したインターネット接続が可能であると判定し、DSRC路側サーバ5から当該DSRC路側サーバ5の特定のWEBサイトにアクセスするためのURIをDSRC車載装置1に対して配信する場合がある。
【0059】
本実施の形態1によれば、このURIがDSRC車載装置1で受信され、情報中継装置2を経由して車載情報端末3に通知された時点において、当該車載情報端末3ではDSRC−PPP通信を利用するアプリケーション(たとえば専用のブラウザ)が起動しているため、車載情報端末3は通知されたURIの示すWEBサイトに即座にアクセスすることを可能とする効果を奏する。
【0060】
〈実施の形態2〉
実施の形態1では、DSRC車載装置1が「DSRC接続完了」して「DSRC−PPP通信が利用可」であり、かつ、車載情報端末3が「DSRC−PPP通信が利用可」である場合に、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209は、DSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信を開始している(図3のステップS208参照)。
【0061】
一方、本実施の形態2では、DSRC車載装置1が「DSRC接続完了」して「DSRC−PPP通信が利用可」である場合に、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209は、DSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信を開始することを特徴としている。この場合、情報中継装置2は、DSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信接続が完了した後に、車載情報端末3が「DSRC−PPP通信が利用可」となった時点で、図3のステップS307と同様の処理を行い、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を介したインターネット通信を利用することを可能とする。
【0062】
上記より、例えば、車載情報端末3がDSRC−PPPアプリケーション309を起動した場合において、DSRC路側サーバ5と情報中継装置2との間にて行われるDSRC−PPP通信接続に要するDSRC−PPP接続時間T1とし、情報中継装置2にて車載情報端末3がDSRC−PPP通信を介したインターネット通信の利用が可能な通信環境を構築するために要する通信環境構築時間T2とすると、実施の形態1では車載情報端末3がDSRC−PPPアプリケーション309を起動した直後からDSRC−PPP通信が利用可能になるまでの時間はT1+T2時間必要となるが、本実施の形態2ではT2時間必要となるだけであるため、車載情報端末3を利用するユーザーに対して、実施の形態1よりも短時間でDSRC−PPP通信を利用することが可能な通信環境を提供することができる。
【0063】
すなわち、本実施の形態2では、例えば、ユーザーが車載情報端末3にてDSRC−PPPアプリケーション309を立ち上げた(起動した)際に「通信接続中ですので、しばらくお待ち下さい・・・」といった所定のメッセージがDSRC−PPP通信が利用可能な状態になるまで表示される場合において、当該所定のメッセージの表示時間を実施の形態1よりも短くすることができるという効果を奏する。
【0064】
上述の通り、実施の形態1において、DSRC路側サーバ5は、情報中継装置2との間にてDSRC−PPP通信接続が完了した後に、当該DSRC路側サーバ5の特定のWEBサイトにアクセスするためのURIをDSRC車載装置1に対して配信し、当該URIを情報中継装置2を経由して車載情報端末3に通知することにより、車載情報端末3から当該URIで示されたWEBサイトにアクセスしていた。
【0065】
しかし、本実施の形態2では、車載情報端末3が上記WEBサイト(DSRC路側サーバ5の特定のWEBサイト)にアクセスする準備が整っていない(例えば、専用ブラウザやアプリケーションが起動していない)場合、または、上記WEBサイトにアクセスする機能を持たない場合であっても、情報中継装置2からDSRC路側サーバ5に対してDSRC−PPP通信接続を行う。その結果、車載情報端末3が上記WEBサイトにアクセスできない場合であっても、DSRC路側サーバ5は上記WEBサイトのURIをDSRC車載装置1に対して配信するため、情報中継装置2がDSRC車載装置1にて受信したURIを車載情報端末3に転送(中継)しても、車載情報端末3はURIで示されたWEBサイトにアクセスできない場合が生じるという問題がある。
【0066】
上記の問題を解決するために本実施の形態2では、図4に示すように、情報中継装置2は、中継通信モード制御部207にて選択された中継通信モードと、車載情報端末3から取得した車載情報端末状態情報と基づいて、中継通信データ蓄積部202に蓄積されたDSRC−PPP通信データを抽出して車載情報端末3に出力するか否かの制御を行う中継データ出力制御部208(中継データ出力制御手段)を備えることを特徴としている。その他の構成は実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0067】
ここで、「中継通信モード」とは、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信が、「インターネット通信可能か、または不可か」のいずれであるかを示したものであり、中継通信モードの切り替えは中継通信モード制御部207にて行われるものとする。なお、中継通信モード制御部207における具体的な中継通信モードの切り替え方法は、実施の形態1と同様であるものとする。
【0068】
次に、本実施の形態による情報中継装置2の具体的な処理について説明する。
【0069】
情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209は、DSRC車載装置1が「DSRC接続完了」して「DSRC−PPP通信が利用可」である場合において、DSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信接続処理を行う。情報中継装置2とDSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信接続が完了すると、DSRC路側サーバ5から情報中継装置2に対して、DSRC路側サーバ5の特定のWEBサイトのURIが通知される。このとき、中継通信モードがインターネット通信不可であるか、または、車載情報端末3にてDSRC−PPP通信が利用できない状態である場合には、DSRC路側サーバ5から通知されたURIは、中継データ出力制御部208によって中継通信データ蓄積部202に一時記憶され、当該URIが車載情報端末3に出力しないようにする。
【0070】
その後、中継データ出力制御部208は、中継通信モードがインターネット通信可能に切り替わるか、または、車載情報端末3にてDSRC−PPP通信が利用できる状態となった場合において、中継通信データ蓄積部202に蓄積したURI(DSRC−PPP通信データ)を検索し、記憶されているURIがあれば当該URIを車載情報端末3に出力する。
【0071】
なお、中継通信データ蓄積部202に一時記憶されたURIは、情報中継装置2の第2通信特性情報取得部203がDSRC車載装置1からDSRC通信切断通知を受信する(受信したURIは当該DSRC通信が接続中のみ有効)か、または、URIを中継通信データ蓄積部202に記憶した時点から所定の時間経過時まで有効とする。すなわち、中継通信データ蓄積部202に蓄積されたDSRC−PPP通信データ(例えば、上記のURI)は、DSRC車載装置1からDSRC通信の切断通知を受信するか、または、DSRC−PPP通信データを中継通信データ蓄積部202に蓄積した時点から所定の時間経過すると無効になる。無効になったDSRC−PPP通信データは、中継通信データ蓄積部202から消去してもよい。
【0072】
以上のことから、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を利用することができない場合において、DSRC路側サーバ5がDSRC−PPP通信を介して所定のURIにアクセスすることを要求してきた場合であっても、情報中継装置2は、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を介したインターネット通信が利用可能になった時点で、当該URIを車載情報端末3に通知することができる。
【0073】
なお、上記では、中継通信データ蓄積部202および中継データ出力制御部208を情報中継装置2に備えているものとして説明したが、中継通信データ蓄積部202および中継データ出力制御部208を車載情報端末3に備えて上記と同様な処理を行うようにしても上記と同様の効果を奏する。その際において、中継通信データ蓄積部202に一時記憶されたURIの有効期限は上記と同様の扱いとし、DSRC車載装置1から情報中継装置2に通知される情報(DSRC通信の切断の情報など)は、情報中継装置2の中継通信制御部201を介して、車載情報端末3の通信制御部301に同じ情報として通知されるものとする。
【0074】
〈実施の形態3〉
実施の形態1,2では、車載情報端末3にてユーザーが任意のタイミングでDSRC−PPPアプリケーション309を起動したときに、DSRC路側サーバ5から配信されたURIで示されたWEBサイトに接続する場合について説明したが、そのような場合において、ユーザーは車載情報端末3がDSRC−PPP通信を利用することが可能な環境に存在するか否かを確認する必要があった。
【0075】
本実施の形態3では、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を利用することが可能な環境に存在する場合において、ユーザーに対してその旨(DSRC−PPP通信を利用することが可能であること)を通知する方法について説明する。
【0076】
図5は、本実施の形態3による車側システムの構成の一例を示す図である。図5に示すように、本実施の形態3による車載情報端末3は、情報中継装置2からURIを通知された場合(DSRC路側サーバ5とのDSRC−PPP通信が可能な場合)、DSRC−PPPアプリケーション309が車載情報端末3に搭載され、かつ当該機能が起動していない場合にはDSRC−PPP通信機能開始(DSRC−PPP通信を開始することが可能である旨)をユーザーに通知するDSRC−PPP通信開始通知部311(DSRC−PPP通信開始通知手段)と、DSRC−PPP通信を開始する際に、車載情報端末3が情報中継装置2の中継通信モード制御部207に対して、DSRC−PPP通信をインターネット通信として利用可能とするような通信環境の構築(中継通信モードの変更)を要求する中継通信モード変更要求部312(中継通信モード変更要求手段)とを備えることを特徴としている。その他の構成は、実施の形態1,2と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0077】
図6は、本実施の形態3による車載情報端末3の表示の一例を示す図である。図6に示すように、車載情報端末3は表示画面350を備え、表示画面350には車載情報端末3が利用可能なアプリケーション一覧351が表示されている。情報中継装置2からURIが通知された場合において、DSRC−PPP通信開始通知部311は、DSRC−PPP通信開始するアプリケーションが当該車載情報端末3に搭載され、かつ、当該機能が起動していない場合に、DSRC−PPP通信機能開始通知352を表示画面350に表示する。
【0078】
DSRC−PPP通信機能開始通知352では、起動するアプリケーションの名称と、起動時にDSRC−PPP通信をインターネット通信に利用する際に生じる制限事項とが表示され、当該機能の起動についてユーザーに確認を行うものとする。
【0079】
図7は、本実施の形態3による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の接続処理を示すフローチャートである。以下、図7に基づき、車載情報端末3のユーザーが、DSRC−PPP通信開始通知部311から通知された情報を元にDSRC−PPP通信を利用するまでの手順について説明する。
【0080】
なお、本実施の形態3では、実施の形態1,2にかかわらず、情報中継装置2から車載情報端末3に対してDSRC−PPP通信を介してアクセスするWEBサイトのURIが通知された時点で、車載情報端末3がDSRC−PPPアプリケーション309を起動していない、または、スリープ(一時停止)している場合に対応する処理について説明するものとする。
【0081】
まず、情報中継装置2から車載情報端末3にDSRC路側サーバ5から配信されたURIが通知される(ステップS701)。
【0082】
ステップS701の後、車載情報端末3のDSRC−PPP通信開始通知部311は、DSRC−PPP通信処理部304が起動していない場合(一時停止状態(スリープ状態)も含む)は、DSRC−PPP通信機能開始通知352(図6参照)を表示し、DSRC−PPP通信の利用の有無(DSRC−PPP通信を開始するか否か)をユーザーに確認する(ステップS702)。
【0083】
ステップS702において、ユーザーがDSRC−PPP通信を利用することを選択した場合(ステップS702のYES)、車載情報端末3はDSRC−PPP通信処理部304を起動し、DSRC−PPP通信を介したインターネット通信を開始する。なお、車載情報端末の起動とは、専用のブラウザを起動することをいう(ステップS703)。
【0084】
一方、ステップS702において、ユーザーがDSRC−PPP通信を利用することを選択しなかった場合(ステップS702のNO)、DSRC−PPP通信の接続処理を終了する(ステップS704)。
【0085】
ステップS703の後、車載情報端末3の通信メディア選択部307にて、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に選択されているか否か(通信メディアがインターネットで利用可能か否か)を判定する(ステップS705)。
【0086】
ステップS705において、車載情報端末3の通信メディア選択部307にて、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に選択されていない場合(通信メディアがインターネットで利用不可の場合)、車載情報端末3の中継通信モード変更要求部312は情報中継装置2に対して、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアをインターネット通信可能なようにモード変更することを要求し、情報中継装置2の中継通信モード制御部207は情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアをインターネット通信可能なように通信環境を変更する(ステップS706)。
【0087】
一方、ステップS705において、車載情報端末3の通信メディア選択部307にて、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に選択されている場合(通信メディアがインターネットで利用可能の場合)、車載情報端末3は、ステップS701にて情報中継装置2から通知されたURIで示されるWEBサイトにDSRC−PPP通信を介してアクセスする(ステップS707)。
【0088】
以上のことから、本実施の形態3では、車載情報端末3のユーザーがDSRC−PPP通信を利用していない場合において、当該ユーザーに対してDSRC−PPP通信の利用可能なタイミングを通知するとともに、ユーザーがDSRC−PPP通信の利用を選択した時点で車載情報端末3と情報中継装置2との間における通信メディアをインターネット通信路とする。また、車載情報端末3は、DSRC−PPP通信利用時に、当該DSRC−PPP通信を主要インターネット通信の回線として利用することをユーザーに明示する。
【0089】
上記より、複数の通信メディアに対応し、かつ、いずれか1つの通信メディアをインターネット通信に利用する車載情報端末3において、ユーザーがDSRC−PPP通信を利用する場合に限って当該DSRC−PPP通信を車載情報端末3のインターネット通信として利用可能とすることによって、例えば、車載情報端末3のユーザーにDSRC−PPP通信を利用する意図がないにもかかわらず、DSRC−PPP通信をインターネット通信回線として利用させることがなくなる。
【0090】
また、DSRC−PPP通信利用時には他の通信メディアをインターネット通信として利用できないことを明示するなど、ユーザーに正しい使用方法を示すことで、ユーザーがDSRC−PPP通信利用中にDSRC−PPP通信を利用するWEBブラウザを起動してもインターネットには接続されないなど、ユーザーに誤った使用をさせることを抑制する効果も奏する。
【0091】
〈実施の形態4〉
本実施の形態4では、車載情報端末3におけるDSRC−PPP通信の切断について説明する。ここで、「DSRC−PPP通信の切断」とは、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209によって、情報中継装置2とDSRC路側サーバ5との間におけるDSRC−PPP通信を切断することをいう。なお、本実施の形態4では、DSRC車載装置1から情報中継装置2に対してDSRC通信を切断する旨の通知があった場合におけるDSRC−PPP通信の切断について説明する。
【0092】
図8は、本実施の形態4による車側システムの構成の一例を示す図である。図8に示すように、本実施の形態4による車載情報端末3は、DSRC−PPP通信の切断処理を行うDSRC−PPP通信切断・再接続処理部313(DSRC−PPP通信切断処理手段)を備えることを特徴としている。
【0093】
なお、本実施の形態4では、実施の形態3による車載情報端末3にDSRC−PPP通信切断・再接続処理部313を追加して備えた場合を図示しているが、実施の形態1,2の車載情報端末3にDSRC−PPP通信切断・再接続処理部313を追加しても同様の効果が得られるため、本実施の形態4を実施の形態3に適用することを限定するものではない。
【0094】
図9は、本実施の形態4による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の切断処理を示すフローチャートである。
【0095】
まず、DSRC車載装置1から、「DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間におけるDSRC通信の切断」、または、「DSRC路側サーバ5からのDSRC−PPP切断要求」のいずれかを示す情報が情報中継装置2に対して通知される(ステップS901)。
【0096】
ステップS901の後、情報中継装置2の中継通信制御部201は、ステップS901にて通知された情報を車載情報端末3に転送する(ステップS902)。車載情報端末3のDSRC−PPP通信切断・再接続処理部313は、情報中継装置2からDSRC−PPP通信切断通知を受信すると、DSRC−PPP通信処理部304を停止する(例えば、WEBブラウザを閉じる)。
【0097】
ステップS902の後、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209は、情報中継装置2とDSRC路側サーバ5との間におけるDSRC−PPP通信接続を切断する(ステップS903)。すなわち、DSRC−PPP通信切断・再接続処理部313は、DSRC路側サーバ5とのDSRC−PPP通信が不可能になった場合において当該DSRC−PPP通信の切断処理を行う。
【0098】
ステップS903の後、情報中継装置2の中継通信モード制御部207は、車載情報端末3と情報中継装置2との間における通信メディアを、車載情報端末3のインターネット通信利用不可とする(ステップS904)。
【0099】
以上のことから、本実施の形態4では、車載情報端末3はDSRC−PPP通信切断・再接続処理部313を備え、DSRC路側サーバ5とのDSRC−PPP通信が不可能になった場合においてDSRC−PPP通信切断・再接続処理部313がDSRC−PPP通信の切断処理を行うため、DSRC−PPP通信が利用できなくなったタイミングを車載情報端末3のユーザーが知ることができるため、DSRC−PPP通信以外の通信メディアがインターネット通信に利用可能な場合は、速やかに他の通信メディアをインターネット通信として利用することが可能となる。
【0100】
〈実施の形態5〉
本実施の形態5では、車載情報端末3におけるDSRC−PPP通信の利用停止/再開の方法について説明する。ここで、「DSRC−PPP通信の利用停止/再開」とは、DSRC−PPP通信の接続/切断状態にかかわらず、車載情報端末3にてDSRC−PPP通信を利用する機能(DSRC−PPP通信処理部304)を停止する場合と、停止した当該機能の利用を再び開始する場合とのことをいう。なお、本実施の形態5による車側システム構成は、実施の形態4と同様とするが、他の実施の形態1〜3のいずれにも適用可能である。
【0101】
次に、情報中継装置2と車載情報端末3との間におけるDSRC−PPP通信の利用を停止(DSRC−PPP通信を切断)する際の処理について説明する。
【0102】
図10は、本実施の形態5による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の停止処理を示すフローチャートである。
【0103】
まず、車載情報端末3のDSRC−PPP通信機能を停止する(ステップS1001)。すなわち、DSRC−PPP通信処理部304を停止する。このとき、DSRC−PPP通信切断・再接続処理部313(DSRC−PPP通信切断処理手段)は、DSRC−PPP通信の切断処理を行う。
【0104】
ステップS1001の後、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用されているか否かを確認する(ステップS1002)。
【0105】
ステップS1002において、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用されている場合(すなわち、通信メディア選択部307がインターネット利用可能な通信メディアを選択している場合、ステップS1002のYES)、車載情報端末3の中継通信モード変更要求部312は、情報中継装置2の中継通信モード制御部207に対して、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアが車載情報端末3でインターネット通信に利用されないように(インターネット通信を不可能とするように)中継通信モードの変更を要求する(ステップS1003)。
【0106】
ステップS1003の後、上記変更の要求を受けた情報中継装置2の中継通信モード制御部207は、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアが車載情報端末3でインターネット通信利用不可とする(ステップS1004)。
【0107】
ステップS1002において、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用されていない場合(ステップS1002のNO)、DSRC−PPP通信の停止処理を終了する(ステップS1005)。
【0108】
次に、情報中継装置2と車載情報端末3との間におけるDSRC−PPP通信の利用を再開する際の処理について説明する。
【0109】
図11は、本実施の形態5による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の再開処理を示すフローチャートである。
【0110】
まず、車載情報端末3のDSRC−PPP通信処理を実現する機能を起動する(ステップS1101)。すなわち、DSRC−PPP通信処理部304を起動する。このとき、DSRC−PPP通信切断・再接続処理部313(DSRC−PPP通信接続処理手段)は、DSRC−PPP通信の接続処理を行う。
【0111】
ステップS1101の後、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用されていないか否かを確認する(ステップS1102)。
【0112】
ステップS1102において、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用されていない場合(ステップS1102のYES)、車載情報端末3の中継通信モード変更要求部312は、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209に対して、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアを車載情報端末3がインターネット通信利用可とするように(インターネット通信を可能とするように)中継通信モードの変更を要求する(ステップS1103)。
【0113】
一方、ステップS1102において、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用されている場合(ステップS1102のNO)、ステップS1104に移行する。
【0114】
ステップS1103あるいはステップS1102(NOが選択された場合)の後、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間におけるDSRC通信が接続され、かつ、DSRC路側サーバ5がDSRC−PPP通信に対応しているか否かを確認する(ステップS1104)。なお、情報中継装置2は、第2通信特性情報を取得して事前に上記情報を認知していることが前提であるものとする。
【0115】
ステップS1104において、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間におけるDSRC通信が接続され、かつ、DSRC路側サーバ5がDSRC−PPP通信に対応していない場合(ステップS1104のNO)、情報中継装置2の中継通信モード制御部207は、車載情報端末3と情報中継装置2との間における通信メディアを車載情報通信端末3のインターネット通信利用不可とし、その理由(例えば、「エラー情報:DSRC通信切断/DSRC−PPP通信に対応していない路側サーバ」などのエラーメッセージ)を車載情報端末3に通知し、車載情報端末3は、通知されたエラーメッセージを図6に示すような表示画面350(通知手段)に表示するとともにDSRC−PPP通信処理部304を停止する(ステップS1105)。すなわち、車載情報端末3の表示画面350(通知手段)は、DSRC−PPP通信の利用が開始できない場合はその旨を通知する。
【0116】
一方、ステップS1104において、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間におけるDSRC通信が接続され、かつ、DSRC路側サーバ5がDSRC−PPP通信に対応している場合(ステップS1104のYES)、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209は、DSRC路側サーバ5との間におけるDSRC−PPP通信接続が完了しているか否かを確認する(ステップS1106)。
【0117】
ステップS1106において、情報中継装置2とDSRC路側サーバ5との間におけるDSRC−PPP通信接続が完了していない場合(ステップS1106のNO)、情報中継装置2は、DSRC−PPP通信接続をDSRC路側サーバ5に対して開始し、当該接続完了後、情報中継装置2の中継通信モード制御部207は、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアを車載情報端末3でインターネット通信に利用可能とし、ステップS1108に移行する(ステップS1107)。
【0118】
ステップS1106にて情報中継装置2とDSRC路側サーバ5との間におけるDSRC−PPP通信接続が完了している場合(YESが選択された場合)あるいはステップS1107の後、車載情報端末3の通信メディア選択部307は、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用することが選択されると、インターネット通信処理部308(インターネット閲覧するHTTP通信などを実現する機能)を起動して、DSRC−PPP通信を介したインターネット通信を開始する(ステップS1108)。
【0119】
以上のことから、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を利用しない場合は、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信が車載情報端末3でインターネット通信に利用されないようにし、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を利用する場合のみにインターネット通信に利用されるように変更することによって、例えば、車載情報端末3において、DSRC−PPPアプリケーションAを一度終了して、DSRC−PPP通信以外の通信をインターネットで利用するアプリケーションBを立ち上げた場合に、アプリケーションBを利用したインターネット通信接続を正常に行うことができる。反対に、アプリケーションBを立ち下げて(切断して)、アプリケーションAを起動した場合においても、アプリケーションAを利用したDSRC−PPP通信を介したインターネット通信を利用することが可能となる。
【0120】
また、例えば、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間においてDSRC通信が接続されていない場合など、車載情報端末3にてDSRC−PPP通信が利用可能でない場合には、車載情報端末3にその旨を通知することによって、車載情報端末3のユーザーはDSRC−PPP通信が利用できないことを認識することができ、上述のアプリケーションAを数回繰り返して立ち上げるなどして当該アプリケーションAが利用できないことを確認する必要がなくなるという効果を奏する。
【0121】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0122】
1 DSRC車載装置、2 情報中継装置、3 車載情報端末、4 DSRC路側装置、5 DSRC路側サーバ、6 路側サーバ、101 通信制御部、102 第2通信特性情報出力部、103 DSRC通信処理部、201 中継通信制御部、202 中継通信データ蓄積部、203 第2通信特性情報取得部、204 第2通信特性情報蓄積部、205 車載情報端末状態情報取得部、206 車載情報端末状態情報蓄積部、207 中継通信モード制御部、208 中継データ出力制御部、209 DSRC−PPP通信接続・中継処理部、301 通信制御部、302 第2通信特性情報出力部、303 車載情報端末状態情報出力部、304 DSRC−PPP通信処理部、305 狭域無線通信処理部、306 広域無線通信処理部、307 通信メディア選択部、308 インターネット通信処理部、309 DSRC−PPPアプリケーション、310 その他のアプリケーション、311 DSRC−PPP通信開始通知部、312 中継通信モード変更要求部、313 DSRC−PPP通信切断・再接続処理部、350 表示画面、351 アプリケーション一覧、352 DSRC−PPP通信機能開始通知。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設置されたDSRC車載装置を介して外部とDSRC通信を行うことが可能な車載情報端末と、当該車載情報端末とDSRC車載装置との間においてDSRC通信を中継する情報中継装置とを備える車側システムにおける車載情報端末および情報中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に設置されたDSRC(Dedicated Short Range Communication)通信装置に接続されたカーナビなどの車載情報端末が、DSRC通信を介したPPP(Point to Point Protocol)通信を用いてインターネット接続を行う技術がある(例えば、非特許文献1,2参照)。
【0003】
非特許文献1に記載の技術は、DSRC通信上でインターネットに利用する通信プロトコルであるIP通信(UDPやTCPなど)とそれ以外の通信(非IP通信)とを同時利用または一方の通信プロトコルを選択して利用するものであり、路側に設置されたサーバ等からURI(Uniform Resource Identifier)などを車載情報端末に通知し、車載情報端末が通知されたURIが示すWEBサイトへIP通信を介してインターネット接続することを想定している。
【0004】
また、3G(3rd Generation)や4G(4th Generation)通信、または無線LAN(IEEE802.11a/b/g/nなど)の通信メディアをインターネット通信に利用する技術があり、このような通信メディアを複数搭載し、当該複数の通信メディアのうちの1つの通信メディアを選択して利用することによって、インターネット接続を行う無線通信端末(例えば、スマートフォン)などがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に記載の技術は、車載情報端末が複数の通信メディアを利用可能であり、車載情報端末で無線通信の電波強度などの通信品質等を考慮して利用する通信メディアを選択する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−268085号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「狭域通信(DSRC)アプリケーションサブレイヤ 標準規格」、ARIB STD−T88 1.1版、社団法人電波産業会、平成19年12月12日
【非特許文献2】「狭域通信(DSRC)基本アプリケーションインタフェース仕様ガイドライン」、ITS FORUM RC−004 1.1版、ITS情報通信システム推進会議、平成19年3月28日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、非特許文献1では、DSRC通信を通信メディアとしてインターネット通信として利用する運用を想定しているが、特許文献2に記載の車載情報端末は、非特許文献1の運用について認知する手段がないため、非特許文献1に記載の技術を適用してDSRC通信をインターネット通信に利用するために選択することができなかった。
【0009】
また、車載情報端末には複数のアプリケーションが搭載されており、車載情報端末の利用者(ユーザー)が、それらのアプリケーションを選択して利用する場合がある。
【0010】
また、上述のアプリケーションは、例えばGoogle Mapなどのインターネットを介して取得した地図を表示するものや、インターネットのWEBサイトを閲覧するSafariなどのブラウザのようなものを指すものとする。
【0011】
これらのアプリケーションは、車載情報端末が提供する通信メディア(無線LAN、3Gなど)を利用してインターネットに接続することを前提としている。
【0012】
しかしながら、ユーザーがDSRC通信を通信メディアとして利用してインターネット接続を行うアプリケーション(DSRC−PPPアプリケーション)の実現においては、DSRC−PPPアプリケーション利用中に限ってインターネット接続に利用する通信メディアとしてDSRC通信を選択する手段が必要となるが、そのような手段を提供する製品や技術はなかった。
【0013】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、車載情報端末がDSRC通信を利用してインターネット接続を行なう場合にのみ、DSRC通信をインターネット通信として車載情報端末に中継する情報中継装置と、当該情報中継装置の中継によって外部とDSRC通信を行う車載情報端末とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明による情報中継装置は、車両に設置され、DSRC車載装置と車載情報端末とを通信可能に中継する情報中継装置であって、外部とDSRC車載装置および車載情報端末との通信特性を示す通信特性情報を取得する通信特性情報取得手段と、DSRC−PPP通信の利用可否状態を含む車載情報端末の状態を示す車載情報端末状態情報を取得する車載情報端末状態情報取得手段と、DSRC車載装置および車載情報端末の通信特性情報と、車載情報端末の車載情報端末状態情報とに基づいて、DSRC車載装置を介して外部とDSRC−PPP通信の接続を行い、DSRC−PPP通信によるデータであるDSRC−PPP通信データを車載情報端末に中継するDSRC−PPP通信接続・中継手段とを備える。
【0015】
また、本発明による車載情報端末は、車両に設置され、DSRC車載装置および情報中継装置を介して外部とDSRC−PPP通信を含む通信メディアを選択して用いることが可能な車載情報端末であって、DSRC−PPP通信の利用の可否状態を含む車載情報端末の状態を示す車載情報端末状態情報を情報中継装置に出力する車載情報端末状態情報出力手段を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、外部とDSRC車載装置および車載情報端末との通信特性を示す通信特性情報を取得する通信特性情報取得手段と、DSRC−PPP通信の利用状態(停止中、利用中、一時停止、または利用不可など)およびDSRC−PPP通信を実現する機能の搭載有無、および、DSRC−PPP通信を実現する機能の動作状態(停止中、利用中、一時停止、または利用不可など)を示す車載情報端末状態情報を取得する車載情報端末状態情報取得手段と、DSRC車載装置および車載情報端末の通信特性情報と、車載情報端末の車載情報端末状態情報とに基づいて、DSRC車載装置を介して外部とDSRC−PPP通信の接続を行い、DSRC−PPP通信によるデータであるDSRC−PPP通信データを車載情報端末に中継するDSRC−PPP通信接続・中継手段を備えるため、車載情報端末がDSRC通信を利用してインターネット接続を行なう場合にのみ、DSRC通信をインターネット通信として車載情報端末に中継することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1による路車間通信システムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1による車側システムの構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の接続処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2による車側システムの構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態3による車側システムの構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態3による車載情報端末の表示の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態3による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の接続処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態4による車側システムの構成の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態4による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の切断処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態5による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の停止処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態5による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の再開処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて以下に説明する。
【0019】
〈実施の形態1〉
図1は、本発明の実施の形態1による路車間通信システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、情報中継装置2は、車両に設置され、DSRC車載装置1と車載情報端末3とを通信可能に中継するように接続されている。
【0020】
DSRC車載装置1は、DSRC路側装置4とDSRC通信を行う(非特許文献1,2参照)。また、DSRC路側サーバ5は、DSRC路側装置4を介してDSRC車載装置1に提供するコンテンツ情報を保持している。なお、コンテンツ情報は、WEBサイト、画像、あるいは音声など様々な形式の情報を含むものとする。
【0021】
また、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間は、IP通信することが可能な構成となっており、情報中継装置2は、DSRC車載装置1およびDSRC路側装置4を介してDSRC路側サーバ5にPPP通信接続することが可能である。
【0022】
また、車載情報端末3は、無線LAN通信、3G(3rd Generation)や4G(4th Generation)通信などの無線通信を用いて車外(外部)の路側サーバ6にアクセス(通信接続)することが可能である。
【0023】
なお、車載情報端末3は、インターネット接続に利用する通信メディアを1つとし、インターネットに接続可能な通信メディアが複数存在する場合は、車載情報端末3にて定められた所定のルールに従ってインターネット通信に利用する通信メディアを1つ選択するものとする。
【0024】
また、図1に示す路車間通信システムは、車側システムと路側システムとから構成され、車側システムは、DSRC車載装置1、情報中継装置2、および車載情報端末3を備え、路側システムは、DSRC路側装置4、DSRC路側サーバ5、路側サーバ6を備えるものとし、当該路車間通信システムの構成は、以下の各実施の形態に共通するものである。
【0025】
また、DSRC車載装置1および車載情報端末3の各々は、DSRC路側サーバ5あるいは路側サーバ6の各々に対して通信する路車間通信端末としての機能を有するものとする。
【0026】
また、以下の説明において、情報中継装置2とDSRC車載装置1との間における通信、および、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信など車内での通信を第1通信とも称する。また、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間におけるDSRC通信、および、車載情報端末3と路側サーバ6との間における無線通信(例えば、3G、無線LANなど)などの路車間通信を第2通信とも称する。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態1による車側システムの構成の一例を示す図である。図2に示すように、本実施の形態1による車側システムは、DSRC車載装置1と、車載情報端末3と、DSRC車載装置1と車載情報端末3との間において通信を中継して接続することが可能な情報中継装置2とを備えている。
【0028】
DSRC車載装置1は、情報中継装置2との間における通信(第1通信)の制御を行う通信制御部101と、DSRC路側装置4との間において行われる通信(第2通信)の通信メディア(例えば、DSRC、無線LANなど)、通信種別(非IP、IP)、通信接続状態(切断、接続)を含む第2通信特性情報を情報中継装置2に出力する第2通信特性情報出力部102と、DSRC路側装置4との間におけるDSRC通信の処理を行うDSRC通信処理部103とを備える。
【0029】
また、情報中継装置2は、通信可能に接続されたDSRC車載装置1と車載情報端末3との間における通信の中継制御を行う中継通信制御部201と、DSRC路側装置4(外部)から受信して車載情報端末3に中継する通信データであるDSRC−PPP通信データを蓄積する中継通信データ蓄積部202(中継通信データ蓄積手段)と、DSRC路側装置4および路側サーバ6(外部)とDSRC車載装置1および車載情報端末3との通信特性を示す第2通信特性情報(通信特性情報)をDSRC車載装置1あるいは車載情報端末3からを取得する第2通信特性情報取得部203(通信特性情報取得手段)と、取得した第2通信特性情報を蓄積する第2通信特性情報蓄積部204と、車載情報端末3のDSRC−PPPアプリケーションの搭載有無(例えば、車載情報端末3にDSRC−PPP通信を利用するアプリケーションがインストールされているか、いないか)およびDSRC−PPP通信アプリケーションの利用状態(停止中、利用中、一時停止、または利用不可など)やDSRC−PPP通信の利用の可否(例えば、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を実現する通信機能の搭載有無(例えば、後述のDSRC−PPP通信処理部304を車載情報端末3が持つか否か)、および、DSRC−PPP通信を実現する通信機能の動作状態(例えば、DSRC−PPP通信処理部304がDSRC−PPP通信処理を利用していない、利用している、利用を一時中断している、または、利用不可など)を示す車載情報端末状態情報を取得する車載情報端末状態情報取得部205(車載情報端末状態情報取得手段)と、取得した車載情報端末状態情報を蓄積する車載情報端末状態情報蓄積部206と、車載情報端末3から取得した第2通信特性情報および車載情報端末状態情報に基づいて、車載情報端末3との間でインターネット通信を可能とするか否かの中継通信モードの切り替え(IP通信不可/可能、非IP/IP通信)を制御する中継通信モード制御部207(中継通信モード制御手段)と、DSRC車載装置1および車載情報端末3の第2通信特性情報と、車載情報端末3の車載情報端末状態情報とに基づいて、DSRC車載装置1を介してDSRC路側サーバ5(外部)とDSRC−PPP通信の接続を行い、DSRC−PPP通信によるデータであるDSRC−PPP通信データを車載情報端末3に中継するDSRC−PPP通信接続・中継処理部209(DSRC−PPP通信接続・中継手段)とを備える。
【0030】
また、車載情報端末3は、DSRC車載装置1および情報中継装置2を介してDSRC路側サーバ5とDSRC−PPP通信を含む通信メディアを選択して用いることが可能であり、情報中継装置2との間における通信(第1通信)の制御を行う通信制御部301と、路側サーバ6との間において行われる通信(第2通信)の第2通信特性情報を情報中継装置2に出力する第2通信特性情報出力部302と、DSRC−PPP通信の利用の可否状態を含む車載情報端末3の状態を示す車載情報端末状態情報を情報中継装置2に出力する車載情報端末状態情報出力部303(車載情報端末状態情報出力手段)と、DSRC−PPP通信の処理を行うDSRC−PPP通信処理部304と、無線LANやBuetooth(登録商標)などの狭域無線通信の処理を行う狭域無線通信処理部305と、3Gや4G通信などの広域無線通信の処理を行う広域無線通信処理部306と、通信メディアの接続状態に応じてインターネット通信に利用する通信メディアを選択する通信メディア選択部307と、WEBブラウザなどのインターネット通信を経て取得したコンテンツを再生する処理を行うインターネット通信処理部308(インターネット閲覧するHTTP通信などを実現する機能)と、DSRC−PPP通信を利用するDSRC−PPPアプリケーション309と、その他のアプリケーション310とを備える。
【0031】
なお、路側システムとして備えられているDSRC路側サーバ5は、DSRC通信を介してPPP通信接続を行うサーバとして機能しており、DSRC路側サーバ5にPPP通信接続した装置(例えば、情報中継装置2)はインターネット通信が可能になるものとする。
【0032】
次に、DSRC車載装置1、情報中継装置2、および車載情報端末3を用いてインターネット通信を利用する場合の動作について説明する。なお、以下では、DSRC通信を介したインターネット通信(PPP通信)のことをDSRC−PPP通信とも称する。
【0033】
図3は、本実施の形態1による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の接続処理を示すフローチャートである。
【0034】
図3に示すDSRC−PPP通信の接続処理の前提として、車載情報端末3において、第2通信特性情報出力部302は、現在インターネット通信に利用している無線通信メディア(例えば、無線LANや3Gなど)を第2通信特性情報として情報中継装置2に出力する。また、車載情報端末状態情報出力部303は、車載情報端末3がDSRC−PPP通信に利用状態(DSRC−PPPアプリケーションの搭載有無、および、DSRC−PPPアプリケーションが利用可能な状態になっているか否か)、および、DSRC−PPP通信の処理を行うDSRC−PPP通信処理部304の動作状態(利用していない、利用中、一時停止、または、利用不可など)を車載情報端末状態情報として情報中継装置2に通知(出力)する。情報中継装置2では、車載情報端末3から出力された第2通信特性情報を第2通信特性情報取得部203にて取得し、車載情報端末状態情報を車載情報端末状態情報取得部205にて取得する。
【0035】
なお、車載情報端末状態情報出力部303は、車載情報端末3上のDSRC−PPPアプリケーション309の利用状態とDSRC−PPP通信処理部304の動作状態を取得することができるものとし、DSRC−PPPアプリケーション309はその利用状態を、DSRC−PPP通信処理部304はその動作状態を出力する機能を有するものとする。DSRC−PPPアプリケーション309またはDSRC−PPP通信処理部304が車載情報端末3に搭載されていない場合(DSRC−PPPアプリケーション309またはDSRC−PPP通信処理部304から利用状態もしくは動作状態を取得できない場合)は、車載情報端末状態情報出力部303がDSRC−PPPアプリケーション309またはDSRC−PPP通信処理部304が「利用不可」と扱ってよいものとする。
【0036】
上述の車載情報端末状態情報出力部303における車載情報端末3上のDSRC−PPPアプリケーション309の利用状態とDSRC−PPP通信処理部304の動作状態の取得方法としては、例えば、車載情報端末3のOS(Operation System)やSDK(Software Development Kit)が備えているAPI(Application Program Interface)を利用して取得する方法などがある。
【0037】
また、DSRC−PPPアプリケーション309とDSRC−PPP通信処理部304がインターフェースを備えることで、上述のDSRC−PPPアプリケーション309の利用状態とDSRC−PPP通信処理部304の動作状態を車載情報端末状態情報出力部303に通知してもよいものとする。
【0038】
なお、車載情報端末3から情報中継装置2に対して第2通信特性情報および車載情報端末状態情報を出力するタイミングは、車載情報端末3の第2通信特性情報の内容が変化した時点(例えば、インターネット通信に利用していた通信メディアが切り替わった時点、または、DSRC−PPP通信の利用状態の変化(例えば、DSRC−PPPアプリケーション309が利用中から停止中に変化)した時点)において、車載情報端末3から情報中継装置2に出力することが望ましいが、情報中継装置2が車載情報端末3に対して任意のタイミングで第2通信特性情報および車載情報端末状態情報を問い合わせるようにしてもよい。
【0039】
図3に示すように、DSRC車載装置1は、DSRC路側装置4との間でDSRC通信接続を完了させる(ステップS301)。
【0040】
ステップS301の後、DSRC車載装置1の第2通信特性情報出力部102は、DSRC路側装置4との間でDSRC通信の通信の切断または接続を示す情報と、DSRC路側装置4がDSRC−PPP通信を利用できるか否かを示す情報を、第2通信特性情報として情報中継装置2に出力する(ステップS302)。
【0041】
また、DSRC通信接続処理は、例えば、上述の非特許文献に記載の処理に従って、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4間で行われるものとする。
【0042】
当該DSRC通信接続において、DSRC−PPP通信が利用できるか否かをDSRC車載装置1で行う方法としては、例えば、DSRC車載装置1がDSRC通信接続時にDSRC路側装置4から通知される上述の非特許文献1のASL基地局プロファイル(RoadSideProfile)のASL−NCP情報(accessControl)にpppControlが格納されているか否かを判定して、格納されている場合は情報中継装置2にDSRC−PPP通信利用可を示す情報を、格納されていない場合はDSRC−PPP通信利用不可を示す情報を情報中継装置2に出力する。
【0043】
上述のDSRC通信の切断または接続を示す情報やDSRC路側装置4がDSRC−PPP通信を利用できるか否かを示す情報は、それぞれ内容を情報中継装置2に通知することができれば電文の構造や出力方法は問わないものとする。
【0044】
DSRC−PPP通信利用可を示す情報を情報中継装置2に通知しない場合は「DSRC−PPP通信利用不可」と予め所定のルールを決めてもよいものとし、その場合はDSRC車載装置1の第2通信特性情報出力部102はDSRC−PPP通信利用不可を示す情報を出力しなくてもよいものとする。
【0045】
ステップS302の後、情報中継装置2は、第2通信特性情報取得部203にてDSRC車載装置1から取得した第2通信特性情報の内容、および車載情報端末3の第2通信特性情報の内容と、車載情報端末状態情報取得部205にて取得した車載情報端末3の車載通信端末状態情報の内容とを確認し、「DSRC接続完了」かつ「DSRC路側装置4がDSRC−PPP通信利用可」で、かつ、「車載情報端末3がDSRC−PPP通信利用可」であるか否かを判定する(ステップS303)。
【0046】
ステップS303において、「DSRC接続完了」かつ「DSRC路側装置4がDSRC−PPP通信利用可」で、かつ、「車載情報端末3がDSRC−PPP通信利用可」であると判定された場合は、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209は、DSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信を開始する(ステップS304)。
【0047】
一方、ステップS303において、「DSRC接続完了」かつ「DSRC路側装置4がDSRC−PPP通信利用可」であり、かつ、「車載情報端末3がDSRC−PPP通信利用可」でないと判定された場合は、情報中継装置2はDSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信を開始せず、DSRC−PPP通信の接続処理を終了する(ステップS305)。
【0048】
ここで、「DSRC接続完了」かつ「DSRC路側装置4がDSRC−PPP通信利用可」である場合とは、例えば、上述の非特許文献に記載の処理に従ってDSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間におけるDSRC通信接続処理が完了し、当該DSRC通信接続時に、DSRC路側装置4が対応しているNCP(Network Control Protocol)としてPPPCP(Point to Point Protocol Control Protocol)をDSRC車載装置1に通知している状態のことである。
【0049】
また、ステップS303において、「車載情報端末3がDSRC−PPP通信利用可」である場合とは、車載情報端末3がDSRC−PPPアプリケーション309を起動しており、かつ、利用可能な状態(例えば、車載情報端末3にてDSRC−PPP通信処理部304が利用可能な状態、または、利用している状態)をいう。
【0050】
ステップS304の後、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209にてDSRC−PPP通信接続が完了する(ステップS306)。
【0051】
ステップS306の後、車載情報端末3にてインターネット通信に利用している通信メディアがDSRC−PPP通信ではない場合、情報中継装置2の中継通信モード制御部207は、車載情報端末3との間においてインターネット通信可能とする通信環境を構築する(ステップS307)。すなわち、中継通信モード制御部207は、車載情報端末3がDSRC−PPP通信の利用が可能な状態である場合において、図2に示す情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信を、「非IP通信」から「IP通信」となるように通信環境を構築する(中継通信モードを変更するよう制御する)。情報中継装置2と車載情報端末3との間においてインターネット通信可能とする通信環境が構築されると、車載情報端末3の通信メディア選択部307は、DSRC−PPP通信をインターネット通信路として選択する。
【0052】
ここで、上記の「通信環境の構築」とは、車載情報端末3と情報中継装置2との間における通信がインターネット通信に優先利用されるようにIPアドレスを割り当てる。例えば、車載情報端末3がDSRC通信によるインターネットを利用しない場合は、車載情報端末3と情報中継装置2との間でルーティングが不可能なIPアドレス(例えば、クラスBのアドレス)を割り当てる、または、インターネット接続に必要なゲートウェイのアドレスを車載情報端末3に通知または設定しないようにする。インターネットを利用する場合は、ルーティングが可能なクラスCのIPアドレスを割り当てる。なお、上記の割り当て方法については、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)などを利用しても良いが、無線LANなどを利用する場合は、予め車載情報端末3にクラスBとクラスCの利用が登録されたSSID(Service Set Identifier)を登録しておき、情報中継装置2でSSIDを切り替えて行っても良い。
【0053】
以上のことから、本実施の形態1による情報中継装置2は、DSRC車載装置1から、DSRC通信の接続/未接続の情報、および当該DSRC通信を介してDSRC−PPP通信の利用が可能か否かの情報を含む第2通信特性情報と、車載情報端末3から、現在インターネット通信に利用している無線通信メディアの情報を含む第2通信特性情報とを第2通信特性情報取得部203にて取得し、また、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を利用可能か否かの情報を含む車載通信端末状態情報を車載情報端末状態情報取得部205にて取得し、これらの情報に基づいて、DSRC車載装置1がDSRC路側装置4とDSRC−PPP通信可能な状態であり、かつ、車載情報端末3がDSRC−PPPアプリケーション309を起動している、または、起動した場合のみにおいて、DSRC−PPP通信データを車載情報端末3に中継しているため、車載情報端末3はDSRC−PPP通信をインターネット通信路として利用することができる。
【0054】
従って、車載情報端末3がDSRC−PPPアプリケーション309を起動していない、または、DSRC−PPPアプリケーション309を搭載していない場合は、車載情報端末3のインターネット通信路をDSRC−PPP通信に変更することがないため、DSRC−PPP通信以外の通信メディアをインターネット通信に利用するその他のアプリケーション310の動作を阻害することはない。
【0055】
すなわち、複数のアプリケーションが1つの端末にインストールされ、ユーザーがアプリケーションを選択して1度に1つのアプリケーションをユーザーが直接利用する形態の車載情報端末3(例えば、スマートフォンなど)においては、DSRC−PPPアプリケーション309を起動した場合のみ情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用できるようになるため、DSRC−PPP通信以外の3GやWiMax通信などの利用を前提としたWEBブラウザなどのその他のアプリケーション310を立ち上げた際に、DSRC−PPP通信がインターネット通信に利用されることがないという効果を奏する。
【0056】
一方で、本実施の形態1のように車載情報端末3に対するDSRC−PPP通信接続を行なわない場合は、例えば、車両内に持ち込んだ車載情報端末が上述のDSRC−PPP通信機能を利用していなくても、情報中継装置は車載情報端末3に対してDSRC−PPP通信を利用可能な状態としてしまうため、車載情報端末3は、3Gや無線LANなど本来利用したいWEBブラウザなど、その他の機能におけるインターネット通信が利用できなくなる。
【0057】
なお、図3のステップS304において、情報中継装置2は、車載情報端末3にてDSRC−PPP通信が利用できる場合に限って、DSRC路側サーバ5に対してDSRC−PPP通信接続処理を開始する。
【0058】
上記の路車間通信システムの運用の一例として、DSRC路側サーバ5は、DSRC−PPP通信の接続が完了したDSRC車載装置1をDSRC−PPP通信を介したインターネット接続が可能であると判定し、DSRC路側サーバ5から当該DSRC路側サーバ5の特定のWEBサイトにアクセスするためのURIをDSRC車載装置1に対して配信する場合がある。
【0059】
本実施の形態1によれば、このURIがDSRC車載装置1で受信され、情報中継装置2を経由して車載情報端末3に通知された時点において、当該車載情報端末3ではDSRC−PPP通信を利用するアプリケーション(たとえば専用のブラウザ)が起動しているため、車載情報端末3は通知されたURIの示すWEBサイトに即座にアクセスすることを可能とする効果を奏する。
【0060】
〈実施の形態2〉
実施の形態1では、DSRC車載装置1が「DSRC接続完了」して「DSRC−PPP通信が利用可」であり、かつ、車載情報端末3が「DSRC−PPP通信が利用可」である場合に、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209は、DSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信を開始している(図3のステップS208参照)。
【0061】
一方、本実施の形態2では、DSRC車載装置1が「DSRC接続完了」して「DSRC−PPP通信が利用可」である場合に、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209は、DSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信を開始することを特徴としている。この場合、情報中継装置2は、DSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信接続が完了した後に、車載情報端末3が「DSRC−PPP通信が利用可」となった時点で、図3のステップS307と同様の処理を行い、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を介したインターネット通信を利用することを可能とする。
【0062】
上記より、例えば、車載情報端末3がDSRC−PPPアプリケーション309を起動した場合において、DSRC路側サーバ5と情報中継装置2との間にて行われるDSRC−PPP通信接続に要するDSRC−PPP接続時間T1とし、情報中継装置2にて車載情報端末3がDSRC−PPP通信を介したインターネット通信の利用が可能な通信環境を構築するために要する通信環境構築時間T2とすると、実施の形態1では車載情報端末3がDSRC−PPPアプリケーション309を起動した直後からDSRC−PPP通信が利用可能になるまでの時間はT1+T2時間必要となるが、本実施の形態2ではT2時間必要となるだけであるため、車載情報端末3を利用するユーザーに対して、実施の形態1よりも短時間でDSRC−PPP通信を利用することが可能な通信環境を提供することができる。
【0063】
すなわち、本実施の形態2では、例えば、ユーザーが車載情報端末3にてDSRC−PPPアプリケーション309を立ち上げた(起動した)際に「通信接続中ですので、しばらくお待ち下さい・・・」といった所定のメッセージがDSRC−PPP通信が利用可能な状態になるまで表示される場合において、当該所定のメッセージの表示時間を実施の形態1よりも短くすることができるという効果を奏する。
【0064】
上述の通り、実施の形態1において、DSRC路側サーバ5は、情報中継装置2との間にてDSRC−PPP通信接続が完了した後に、当該DSRC路側サーバ5の特定のWEBサイトにアクセスするためのURIをDSRC車載装置1に対して配信し、当該URIを情報中継装置2を経由して車載情報端末3に通知することにより、車載情報端末3から当該URIで示されたWEBサイトにアクセスしていた。
【0065】
しかし、本実施の形態2では、車載情報端末3が上記WEBサイト(DSRC路側サーバ5の特定のWEBサイト)にアクセスする準備が整っていない(例えば、専用ブラウザやアプリケーションが起動していない)場合、または、上記WEBサイトにアクセスする機能を持たない場合であっても、情報中継装置2からDSRC路側サーバ5に対してDSRC−PPP通信接続を行う。その結果、車載情報端末3が上記WEBサイトにアクセスできない場合であっても、DSRC路側サーバ5は上記WEBサイトのURIをDSRC車載装置1に対して配信するため、情報中継装置2がDSRC車載装置1にて受信したURIを車載情報端末3に転送(中継)しても、車載情報端末3はURIで示されたWEBサイトにアクセスできない場合が生じるという問題がある。
【0066】
上記の問題を解決するために本実施の形態2では、図4に示すように、情報中継装置2は、中継通信モード制御部207にて選択された中継通信モードと、車載情報端末3から取得した車載情報端末状態情報と基づいて、中継通信データ蓄積部202に蓄積されたDSRC−PPP通信データを抽出して車載情報端末3に出力するか否かの制御を行う中継データ出力制御部208(中継データ出力制御手段)を備えることを特徴としている。その他の構成は実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0067】
ここで、「中継通信モード」とは、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信が、「インターネット通信可能か、または不可か」のいずれであるかを示したものであり、中継通信モードの切り替えは中継通信モード制御部207にて行われるものとする。なお、中継通信モード制御部207における具体的な中継通信モードの切り替え方法は、実施の形態1と同様であるものとする。
【0068】
次に、本実施の形態による情報中継装置2の具体的な処理について説明する。
【0069】
情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209は、DSRC車載装置1が「DSRC接続完了」して「DSRC−PPP通信が利用可」である場合において、DSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信接続処理を行う。情報中継装置2とDSRC路側サーバ5との間でDSRC−PPP通信接続が完了すると、DSRC路側サーバ5から情報中継装置2に対して、DSRC路側サーバ5の特定のWEBサイトのURIが通知される。このとき、中継通信モードがインターネット通信不可であるか、または、車載情報端末3にてDSRC−PPP通信が利用できない状態である場合には、DSRC路側サーバ5から通知されたURIは、中継データ出力制御部208によって中継通信データ蓄積部202に一時記憶され、当該URIが車載情報端末3に出力しないようにする。
【0070】
その後、中継データ出力制御部208は、中継通信モードがインターネット通信可能に切り替わるか、または、車載情報端末3にてDSRC−PPP通信が利用できる状態となった場合において、中継通信データ蓄積部202に蓄積したURI(DSRC−PPP通信データ)を検索し、記憶されているURIがあれば当該URIを車載情報端末3に出力する。
【0071】
なお、中継通信データ蓄積部202に一時記憶されたURIは、情報中継装置2の第2通信特性情報取得部203がDSRC車載装置1からDSRC通信切断通知を受信する(受信したURIは当該DSRC通信が接続中のみ有効)か、または、URIを中継通信データ蓄積部202に記憶した時点から所定の時間経過時まで有効とする。すなわち、中継通信データ蓄積部202に蓄積されたDSRC−PPP通信データ(例えば、上記のURI)は、DSRC車載装置1からDSRC通信の切断通知を受信するか、または、DSRC−PPP通信データを中継通信データ蓄積部202に蓄積した時点から所定の時間経過すると無効になる。無効になったDSRC−PPP通信データは、中継通信データ蓄積部202から消去してもよい。
【0072】
以上のことから、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を利用することができない場合において、DSRC路側サーバ5がDSRC−PPP通信を介して所定のURIにアクセスすることを要求してきた場合であっても、情報中継装置2は、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を介したインターネット通信が利用可能になった時点で、当該URIを車載情報端末3に通知することができる。
【0073】
なお、上記では、中継通信データ蓄積部202および中継データ出力制御部208を情報中継装置2に備えているものとして説明したが、中継通信データ蓄積部202および中継データ出力制御部208を車載情報端末3に備えて上記と同様な処理を行うようにしても上記と同様の効果を奏する。その際において、中継通信データ蓄積部202に一時記憶されたURIの有効期限は上記と同様の扱いとし、DSRC車載装置1から情報中継装置2に通知される情報(DSRC通信の切断の情報など)は、情報中継装置2の中継通信制御部201を介して、車載情報端末3の通信制御部301に同じ情報として通知されるものとする。
【0074】
〈実施の形態3〉
実施の形態1,2では、車載情報端末3にてユーザーが任意のタイミングでDSRC−PPPアプリケーション309を起動したときに、DSRC路側サーバ5から配信されたURIで示されたWEBサイトに接続する場合について説明したが、そのような場合において、ユーザーは車載情報端末3がDSRC−PPP通信を利用することが可能な環境に存在するか否かを確認する必要があった。
【0075】
本実施の形態3では、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を利用することが可能な環境に存在する場合において、ユーザーに対してその旨(DSRC−PPP通信を利用することが可能であること)を通知する方法について説明する。
【0076】
図5は、本実施の形態3による車側システムの構成の一例を示す図である。図5に示すように、本実施の形態3による車載情報端末3は、情報中継装置2からURIを通知された場合(DSRC路側サーバ5とのDSRC−PPP通信が可能な場合)、DSRC−PPPアプリケーション309が車載情報端末3に搭載され、かつ当該機能が起動していない場合にはDSRC−PPP通信機能開始(DSRC−PPP通信を開始することが可能である旨)をユーザーに通知するDSRC−PPP通信開始通知部311(DSRC−PPP通信開始通知手段)と、DSRC−PPP通信を開始する際に、車載情報端末3が情報中継装置2の中継通信モード制御部207に対して、DSRC−PPP通信をインターネット通信として利用可能とするような通信環境の構築(中継通信モードの変更)を要求する中継通信モード変更要求部312(中継通信モード変更要求手段)とを備えることを特徴としている。その他の構成は、実施の形態1,2と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0077】
図6は、本実施の形態3による車載情報端末3の表示の一例を示す図である。図6に示すように、車載情報端末3は表示画面350を備え、表示画面350には車載情報端末3が利用可能なアプリケーション一覧351が表示されている。情報中継装置2からURIが通知された場合において、DSRC−PPP通信開始通知部311は、DSRC−PPP通信開始するアプリケーションが当該車載情報端末3に搭載され、かつ、当該機能が起動していない場合に、DSRC−PPP通信機能開始通知352を表示画面350に表示する。
【0078】
DSRC−PPP通信機能開始通知352では、起動するアプリケーションの名称と、起動時にDSRC−PPP通信をインターネット通信に利用する際に生じる制限事項とが表示され、当該機能の起動についてユーザーに確認を行うものとする。
【0079】
図7は、本実施の形態3による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の接続処理を示すフローチャートである。以下、図7に基づき、車載情報端末3のユーザーが、DSRC−PPP通信開始通知部311から通知された情報を元にDSRC−PPP通信を利用するまでの手順について説明する。
【0080】
なお、本実施の形態3では、実施の形態1,2にかかわらず、情報中継装置2から車載情報端末3に対してDSRC−PPP通信を介してアクセスするWEBサイトのURIが通知された時点で、車載情報端末3がDSRC−PPPアプリケーション309を起動していない、または、スリープ(一時停止)している場合に対応する処理について説明するものとする。
【0081】
まず、情報中継装置2から車載情報端末3にDSRC路側サーバ5から配信されたURIが通知される(ステップS701)。
【0082】
ステップS701の後、車載情報端末3のDSRC−PPP通信開始通知部311は、DSRC−PPP通信処理部304が起動していない場合(一時停止状態(スリープ状態)も含む)は、DSRC−PPP通信機能開始通知352(図6参照)を表示し、DSRC−PPP通信の利用の有無(DSRC−PPP通信を開始するか否か)をユーザーに確認する(ステップS702)。
【0083】
ステップS702において、ユーザーがDSRC−PPP通信を利用することを選択した場合(ステップS702のYES)、車載情報端末3はDSRC−PPP通信処理部304を起動し、DSRC−PPP通信を介したインターネット通信を開始する。なお、車載情報端末の起動とは、専用のブラウザを起動することをいう(ステップS703)。
【0084】
一方、ステップS702において、ユーザーがDSRC−PPP通信を利用することを選択しなかった場合(ステップS702のNO)、DSRC−PPP通信の接続処理を終了する(ステップS704)。
【0085】
ステップS703の後、車載情報端末3の通信メディア選択部307にて、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に選択されているか否か(通信メディアがインターネットで利用可能か否か)を判定する(ステップS705)。
【0086】
ステップS705において、車載情報端末3の通信メディア選択部307にて、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に選択されていない場合(通信メディアがインターネットで利用不可の場合)、車載情報端末3の中継通信モード変更要求部312は情報中継装置2に対して、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアをインターネット通信可能なようにモード変更することを要求し、情報中継装置2の中継通信モード制御部207は情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアをインターネット通信可能なように通信環境を変更する(ステップS706)。
【0087】
一方、ステップS705において、車載情報端末3の通信メディア選択部307にて、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に選択されている場合(通信メディアがインターネットで利用可能の場合)、車載情報端末3は、ステップS701にて情報中継装置2から通知されたURIで示されるWEBサイトにDSRC−PPP通信を介してアクセスする(ステップS707)。
【0088】
以上のことから、本実施の形態3では、車載情報端末3のユーザーがDSRC−PPP通信を利用していない場合において、当該ユーザーに対してDSRC−PPP通信の利用可能なタイミングを通知するとともに、ユーザーがDSRC−PPP通信の利用を選択した時点で車載情報端末3と情報中継装置2との間における通信メディアをインターネット通信路とする。また、車載情報端末3は、DSRC−PPP通信利用時に、当該DSRC−PPP通信を主要インターネット通信の回線として利用することをユーザーに明示する。
【0089】
上記より、複数の通信メディアに対応し、かつ、いずれか1つの通信メディアをインターネット通信に利用する車載情報端末3において、ユーザーがDSRC−PPP通信を利用する場合に限って当該DSRC−PPP通信を車載情報端末3のインターネット通信として利用可能とすることによって、例えば、車載情報端末3のユーザーにDSRC−PPP通信を利用する意図がないにもかかわらず、DSRC−PPP通信をインターネット通信回線として利用させることがなくなる。
【0090】
また、DSRC−PPP通信利用時には他の通信メディアをインターネット通信として利用できないことを明示するなど、ユーザーに正しい使用方法を示すことで、ユーザーがDSRC−PPP通信利用中にDSRC−PPP通信を利用するWEBブラウザを起動してもインターネットには接続されないなど、ユーザーに誤った使用をさせることを抑制する効果も奏する。
【0091】
〈実施の形態4〉
本実施の形態4では、車載情報端末3におけるDSRC−PPP通信の切断について説明する。ここで、「DSRC−PPP通信の切断」とは、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209によって、情報中継装置2とDSRC路側サーバ5との間におけるDSRC−PPP通信を切断することをいう。なお、本実施の形態4では、DSRC車載装置1から情報中継装置2に対してDSRC通信を切断する旨の通知があった場合におけるDSRC−PPP通信の切断について説明する。
【0092】
図8は、本実施の形態4による車側システムの構成の一例を示す図である。図8に示すように、本実施の形態4による車載情報端末3は、DSRC−PPP通信の切断処理を行うDSRC−PPP通信切断・再接続処理部313(DSRC−PPP通信切断処理手段)を備えることを特徴としている。
【0093】
なお、本実施の形態4では、実施の形態3による車載情報端末3にDSRC−PPP通信切断・再接続処理部313を追加して備えた場合を図示しているが、実施の形態1,2の車載情報端末3にDSRC−PPP通信切断・再接続処理部313を追加しても同様の効果が得られるため、本実施の形態4を実施の形態3に適用することを限定するものではない。
【0094】
図9は、本実施の形態4による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の切断処理を示すフローチャートである。
【0095】
まず、DSRC車載装置1から、「DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間におけるDSRC通信の切断」、または、「DSRC路側サーバ5からのDSRC−PPP切断要求」のいずれかを示す情報が情報中継装置2に対して通知される(ステップS901)。
【0096】
ステップS901の後、情報中継装置2の中継通信制御部201は、ステップS901にて通知された情報を車載情報端末3に転送する(ステップS902)。車載情報端末3のDSRC−PPP通信切断・再接続処理部313は、情報中継装置2からDSRC−PPP通信切断通知を受信すると、DSRC−PPP通信処理部304を停止する(例えば、WEBブラウザを閉じる)。
【0097】
ステップS902の後、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209は、情報中継装置2とDSRC路側サーバ5との間におけるDSRC−PPP通信接続を切断する(ステップS903)。すなわち、DSRC−PPP通信切断・再接続処理部313は、DSRC路側サーバ5とのDSRC−PPP通信が不可能になった場合において当該DSRC−PPP通信の切断処理を行う。
【0098】
ステップS903の後、情報中継装置2の中継通信モード制御部207は、車載情報端末3と情報中継装置2との間における通信メディアを、車載情報端末3のインターネット通信利用不可とする(ステップS904)。
【0099】
以上のことから、本実施の形態4では、車載情報端末3はDSRC−PPP通信切断・再接続処理部313を備え、DSRC路側サーバ5とのDSRC−PPP通信が不可能になった場合においてDSRC−PPP通信切断・再接続処理部313がDSRC−PPP通信の切断処理を行うため、DSRC−PPP通信が利用できなくなったタイミングを車載情報端末3のユーザーが知ることができるため、DSRC−PPP通信以外の通信メディアがインターネット通信に利用可能な場合は、速やかに他の通信メディアをインターネット通信として利用することが可能となる。
【0100】
〈実施の形態5〉
本実施の形態5では、車載情報端末3におけるDSRC−PPP通信の利用停止/再開の方法について説明する。ここで、「DSRC−PPP通信の利用停止/再開」とは、DSRC−PPP通信の接続/切断状態にかかわらず、車載情報端末3にてDSRC−PPP通信を利用する機能(DSRC−PPP通信処理部304)を停止する場合と、停止した当該機能の利用を再び開始する場合とのことをいう。なお、本実施の形態5による車側システム構成は、実施の形態4と同様とするが、他の実施の形態1〜3のいずれにも適用可能である。
【0101】
次に、情報中継装置2と車載情報端末3との間におけるDSRC−PPP通信の利用を停止(DSRC−PPP通信を切断)する際の処理について説明する。
【0102】
図10は、本実施の形態5による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の停止処理を示すフローチャートである。
【0103】
まず、車載情報端末3のDSRC−PPP通信機能を停止する(ステップS1001)。すなわち、DSRC−PPP通信処理部304を停止する。このとき、DSRC−PPP通信切断・再接続処理部313(DSRC−PPP通信切断処理手段)は、DSRC−PPP通信の切断処理を行う。
【0104】
ステップS1001の後、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用されているか否かを確認する(ステップS1002)。
【0105】
ステップS1002において、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用されている場合(すなわち、通信メディア選択部307がインターネット利用可能な通信メディアを選択している場合、ステップS1002のYES)、車載情報端末3の中継通信モード変更要求部312は、情報中継装置2の中継通信モード制御部207に対して、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアが車載情報端末3でインターネット通信に利用されないように(インターネット通信を不可能とするように)中継通信モードの変更を要求する(ステップS1003)。
【0106】
ステップS1003の後、上記変更の要求を受けた情報中継装置2の中継通信モード制御部207は、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアが車載情報端末3でインターネット通信利用不可とする(ステップS1004)。
【0107】
ステップS1002において、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用されていない場合(ステップS1002のNO)、DSRC−PPP通信の停止処理を終了する(ステップS1005)。
【0108】
次に、情報中継装置2と車載情報端末3との間におけるDSRC−PPP通信の利用を再開する際の処理について説明する。
【0109】
図11は、本実施の形態5による車側システムにおけるDSRC−PPP通信の再開処理を示すフローチャートである。
【0110】
まず、車載情報端末3のDSRC−PPP通信処理を実現する機能を起動する(ステップS1101)。すなわち、DSRC−PPP通信処理部304を起動する。このとき、DSRC−PPP通信切断・再接続処理部313(DSRC−PPP通信接続処理手段)は、DSRC−PPP通信の接続処理を行う。
【0111】
ステップS1101の後、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用されていないか否かを確認する(ステップS1102)。
【0112】
ステップS1102において、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用されていない場合(ステップS1102のYES)、車載情報端末3の中継通信モード変更要求部312は、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209に対して、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアを車載情報端末3がインターネット通信利用可とするように(インターネット通信を可能とするように)中継通信モードの変更を要求する(ステップS1103)。
【0113】
一方、ステップS1102において、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用されている場合(ステップS1102のNO)、ステップS1104に移行する。
【0114】
ステップS1103あるいはステップS1102(NOが選択された場合)の後、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間におけるDSRC通信が接続され、かつ、DSRC路側サーバ5がDSRC−PPP通信に対応しているか否かを確認する(ステップS1104)。なお、情報中継装置2は、第2通信特性情報を取得して事前に上記情報を認知していることが前提であるものとする。
【0115】
ステップS1104において、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間におけるDSRC通信が接続され、かつ、DSRC路側サーバ5がDSRC−PPP通信に対応していない場合(ステップS1104のNO)、情報中継装置2の中継通信モード制御部207は、車載情報端末3と情報中継装置2との間における通信メディアを車載情報通信端末3のインターネット通信利用不可とし、その理由(例えば、「エラー情報:DSRC通信切断/DSRC−PPP通信に対応していない路側サーバ」などのエラーメッセージ)を車載情報端末3に通知し、車載情報端末3は、通知されたエラーメッセージを図6に示すような表示画面350(通知手段)に表示するとともにDSRC−PPP通信処理部304を停止する(ステップS1105)。すなわち、車載情報端末3の表示画面350(通知手段)は、DSRC−PPP通信の利用が開始できない場合はその旨を通知する。
【0116】
一方、ステップS1104において、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間におけるDSRC通信が接続され、かつ、DSRC路側サーバ5がDSRC−PPP通信に対応している場合(ステップS1104のYES)、情報中継装置2のDSRC−PPP通信接続・中継処理部209は、DSRC路側サーバ5との間におけるDSRC−PPP通信接続が完了しているか否かを確認する(ステップS1106)。
【0117】
ステップS1106において、情報中継装置2とDSRC路側サーバ5との間におけるDSRC−PPP通信接続が完了していない場合(ステップS1106のNO)、情報中継装置2は、DSRC−PPP通信接続をDSRC路側サーバ5に対して開始し、当該接続完了後、情報中継装置2の中継通信モード制御部207は、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアを車載情報端末3でインターネット通信に利用可能とし、ステップS1108に移行する(ステップS1107)。
【0118】
ステップS1106にて情報中継装置2とDSRC路側サーバ5との間におけるDSRC−PPP通信接続が完了している場合(YESが選択された場合)あるいはステップS1107の後、車載情報端末3の通信メディア選択部307は、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信メディアがインターネット通信に利用することが選択されると、インターネット通信処理部308(インターネット閲覧するHTTP通信などを実現する機能)を起動して、DSRC−PPP通信を介したインターネット通信を開始する(ステップS1108)。
【0119】
以上のことから、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を利用しない場合は、情報中継装置2と車載情報端末3との間における通信が車載情報端末3でインターネット通信に利用されないようにし、車載情報端末3がDSRC−PPP通信を利用する場合のみにインターネット通信に利用されるように変更することによって、例えば、車載情報端末3において、DSRC−PPPアプリケーションAを一度終了して、DSRC−PPP通信以外の通信をインターネットで利用するアプリケーションBを立ち上げた場合に、アプリケーションBを利用したインターネット通信接続を正常に行うことができる。反対に、アプリケーションBを立ち下げて(切断して)、アプリケーションAを起動した場合においても、アプリケーションAを利用したDSRC−PPP通信を介したインターネット通信を利用することが可能となる。
【0120】
また、例えば、DSRC車載装置1とDSRC路側装置4との間においてDSRC通信が接続されていない場合など、車載情報端末3にてDSRC−PPP通信が利用可能でない場合には、車載情報端末3にその旨を通知することによって、車載情報端末3のユーザーはDSRC−PPP通信が利用できないことを認識することができ、上述のアプリケーションAを数回繰り返して立ち上げるなどして当該アプリケーションAが利用できないことを確認する必要がなくなるという効果を奏する。
【0121】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0122】
1 DSRC車載装置、2 情報中継装置、3 車載情報端末、4 DSRC路側装置、5 DSRC路側サーバ、6 路側サーバ、101 通信制御部、102 第2通信特性情報出力部、103 DSRC通信処理部、201 中継通信制御部、202 中継通信データ蓄積部、203 第2通信特性情報取得部、204 第2通信特性情報蓄積部、205 車載情報端末状態情報取得部、206 車載情報端末状態情報蓄積部、207 中継通信モード制御部、208 中継データ出力制御部、209 DSRC−PPP通信接続・中継処理部、301 通信制御部、302 第2通信特性情報出力部、303 車載情報端末状態情報出力部、304 DSRC−PPP通信処理部、305 狭域無線通信処理部、306 広域無線通信処理部、307 通信メディア選択部、308 インターネット通信処理部、309 DSRC−PPPアプリケーション、310 その他のアプリケーション、311 DSRC−PPP通信開始通知部、312 中継通信モード変更要求部、313 DSRC−PPP通信切断・再接続処理部、350 表示画面、351 アプリケーション一覧、352 DSRC−PPP通信機能開始通知。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置され、DSRC(Dedicated Short Range Communication)車載装置と車載情報端末とを通信可能に中継する情報中継装置であって、
外部と前記DSRC車載装置および前記車載情報端末との通信特性を示す通信特性情報を取得する通信特性情報取得手段と、
DSRC−PPP(Point to Point Protocol)通信の利用の可否状態を含む前記車載情報端末の状態を示す車載情報端末状態情報を取得する車載情報端末状態情報取得手段と、
前記DSRC車載装置および前記車載情報端末の前記通信特性情報と、前記車載情報端末の前記車載情報端末状態情報とに基づいて、前記DSRC車載装置を介して前記外部と前記DSRC−PPP通信の接続を行い、前記DSRC−PPP通信によるデータであるDSRC−PPP通信データを前記車載情報端末に中継するDSRC−PPP通信接続・中継手段と、
を備える、情報中継装置。
【請求項2】
前記DSRC−PPP通信接続・中継手段は、前記DSRC車載装置が前記外部と前記DSRC通信接続されて前記DSRC−PPP通信の利用が可能であり、かつ、前記車載情報端末が前記DSRC−PPP通信の利用が可能な状態である場合に、前記DSRC車載装置を介して前記外部と前記DSRC−PPP通信の接続を行い、前記DSRC−PPP通信によるデータであるDSRC−PPP通信データを前記車載情報端末に中継することを特徴とする、請求項1に記載の情報中継装置。
【請求項3】
前記DSRC−PPP通信接続・中継手段は、前記DSRC車載装置が前記外部と前記DSRC通信接続されて前記DSRC−PPP通信の利用が可能である場合に、前記DSRC車載装置を介して前記外部と前記DSRC−PPP通信の接続を行い、当該接続の後、前記車載情報端末が前記DSRC−PPP通信の利用が可能な状態になると、前記DSRC−PPP通信によるデータであるDSRC−PPP通信データを前記車載情報端末に中継することを特徴とする、請求項1に記載の情報中継装置。
【請求項4】
前記車載情報端末から取得した前記通信特性情報および前記車載情報端末状態情報に基づいて、前記車載情報端末との間でインターネット通信を可能とするか否かの中継通信モードの切り替えを制御する中継通信モード制御手段をさらに備え、
前記中継通信モード制御部は、前記車載情報端末が前記DSRC−PPP通信の利用が可能な状態である場合において、前記車載情報端末との間で前記インターネット通信を可能とするように前記中継通信モードを制御することを特徴とする、請求項2または3に記載の情報中継装置。
【請求項5】
前記外部から受信して前記車載情報端末に中継する前記DSRC−PPP通信データを蓄積する中継通信データ蓄積手段と、
前記中継通信モードおよび前記車載情報端末状態情報に基づいて、前記中継通信データ蓄積手段に蓄積された前記DSRC−PPP通信データを前記車載情報端末に出力するか否かの制御を行う中継データ出力制御手段と、
をさらに備え、
前記中継データ出力制御手段は、前記中継通信モードが前記インターネット通信を可能に切り替わるか、あるいは、前記車載情報端末が前記DSRC−PPP通信の利用が可能な状態になった場合において、前記中継通信データ蓄積手段にて蓄積された前記DSRC−PPP通信データを前記車載情報端末に出力することを特徴とする、請求項4に記載の情報中継装置。
【請求項6】
前記中継通信データ蓄積手段に蓄積された前記DSRC−PPP通信データは、前記DSRC車載装置から前記DSRC通信の切断通知を受信するか、あるいは、前記DSRC−PPP通信データを前記中継通信データ蓄積手段に蓄積した時点から所定の時間経過すると無効になることを特徴とする、請求項5に記載の情報中継装置。
【請求項7】
車両に設置され、DSRC(Dedicated Short Range Communication)車載装置および情報中継装置を介して外部とDSRC−PPP(Point to Point Protocol)通信を含む通信メディアを選択して用いることが可能な車載情報端末であって、
前記DSRC−PPP通信の利用の可否状態を含む前記車載情報端末の状態を示す車載情報端末状態情報を前記情報中継装置に出力する車載情報端末状態情報出力手段を備える、車載情報端末。
【請求項8】
前記外部から受信した前記DSRC−PPP通信データを蓄積する中継通信データ蓄積手段と、
前記情報中継装置によって切り替え制御される、前記情報中継装置と前記車載情報端末との間でインターネット通信を可能とするか否かの中継通信モードと、前記車載情報端末状態情報とに基づいて、前記中継通信データ蓄積手段に蓄積された前記DSRC−PPP通信データを前記車載情報端末にて利用するために出力するか否かの制御を行う中継データ出力制御手段と、
をさらに備え、
前記中継データ出力制御手段は、前記中継通信モードが前記インターネット通信を可能に切り替わるか、あるいは、前記車載情報端末が前記DSRC−PPP通信の利用が可能な状態になった場合において、前記中継通信データ蓄積手段にて蓄積された前記DSRC−PPP通信データを前記車載情報端末にて利用するために出力することを特徴とする、請求項7に記載の車載情報端末。
【請求項9】
前記外部との前記DSRC−PPP通信が可能な場合において、当該DSRC−PPP通信を開始することが可能である旨をユーザーに通知するDSRC−PPP通信開始通知手段と、
前記DSRC−PPP通信を開始する際に、前記インターネット通信を可能とするように前記中継通信モードの変更を前記情報中継装置に要求する中継通信モード変更要求手段と、
をさらに備える、請求項7または8に記載の車載情報端末。
【請求項10】
前記DSRC−PPP通信の切断処理を行うDSRC−PPP通信切断処理手段をさらに備え、
前記DSRC−PPP通信切断処理手段は、前記外部との前記DSRC−PPP通信が不可能になった場合において当該DSRC−PPP通信の切断処理を行うことを特徴とする、請求項7ないし9のいずれかに記載の車載情報端末。
【請求項11】
前記DSRC−PPP通信切断処理手段は、前記DSRC−PPP通信の利用を停止した場合において当該DSRC−PPP通信の切断処理を行い、
前記中継通信モード変更要求手段は、前記インターネット通信を不可能とするように前記中継通信モードの変更を前記情報中継装置に要求することを特徴とする、請求項7ないし10のいずれかに記載の車載情報端末。
【請求項12】
前記DSRC−PPP通信の接続処理を行うDSRC−PPP通信接続処理手段をさらに備え、
前記DSRC−PPP通信接続処理手段は、前記DSRC−PPP通信の利用を開始した場合において当該DSRC−PPP通信の接続処理を行い、
前記中継通信モード変更要求手段は、前記インターネット通信を可能とするように前記中継通信モードの変更を前記情報中継装置に要求することを特徴とする、請求項7ないし11のいずれかに記載の車載情報端末。
【請求項13】
前記DSRC−PPP通信の利用が開始できない場合はその旨を通知する通知手段をさらに備える、請求項12に記載の車載情報端末。
【請求項1】
車両に設置され、DSRC(Dedicated Short Range Communication)車載装置と車載情報端末とを通信可能に中継する情報中継装置であって、
外部と前記DSRC車載装置および前記車載情報端末との通信特性を示す通信特性情報を取得する通信特性情報取得手段と、
DSRC−PPP(Point to Point Protocol)通信の利用の可否状態を含む前記車載情報端末の状態を示す車載情報端末状態情報を取得する車載情報端末状態情報取得手段と、
前記DSRC車載装置および前記車載情報端末の前記通信特性情報と、前記車載情報端末の前記車載情報端末状態情報とに基づいて、前記DSRC車載装置を介して前記外部と前記DSRC−PPP通信の接続を行い、前記DSRC−PPP通信によるデータであるDSRC−PPP通信データを前記車載情報端末に中継するDSRC−PPP通信接続・中継手段と、
を備える、情報中継装置。
【請求項2】
前記DSRC−PPP通信接続・中継手段は、前記DSRC車載装置が前記外部と前記DSRC通信接続されて前記DSRC−PPP通信の利用が可能であり、かつ、前記車載情報端末が前記DSRC−PPP通信の利用が可能な状態である場合に、前記DSRC車載装置を介して前記外部と前記DSRC−PPP通信の接続を行い、前記DSRC−PPP通信によるデータであるDSRC−PPP通信データを前記車載情報端末に中継することを特徴とする、請求項1に記載の情報中継装置。
【請求項3】
前記DSRC−PPP通信接続・中継手段は、前記DSRC車載装置が前記外部と前記DSRC通信接続されて前記DSRC−PPP通信の利用が可能である場合に、前記DSRC車載装置を介して前記外部と前記DSRC−PPP通信の接続を行い、当該接続の後、前記車載情報端末が前記DSRC−PPP通信の利用が可能な状態になると、前記DSRC−PPP通信によるデータであるDSRC−PPP通信データを前記車載情報端末に中継することを特徴とする、請求項1に記載の情報中継装置。
【請求項4】
前記車載情報端末から取得した前記通信特性情報および前記車載情報端末状態情報に基づいて、前記車載情報端末との間でインターネット通信を可能とするか否かの中継通信モードの切り替えを制御する中継通信モード制御手段をさらに備え、
前記中継通信モード制御部は、前記車載情報端末が前記DSRC−PPP通信の利用が可能な状態である場合において、前記車載情報端末との間で前記インターネット通信を可能とするように前記中継通信モードを制御することを特徴とする、請求項2または3に記載の情報中継装置。
【請求項5】
前記外部から受信して前記車載情報端末に中継する前記DSRC−PPP通信データを蓄積する中継通信データ蓄積手段と、
前記中継通信モードおよび前記車載情報端末状態情報に基づいて、前記中継通信データ蓄積手段に蓄積された前記DSRC−PPP通信データを前記車載情報端末に出力するか否かの制御を行う中継データ出力制御手段と、
をさらに備え、
前記中継データ出力制御手段は、前記中継通信モードが前記インターネット通信を可能に切り替わるか、あるいは、前記車載情報端末が前記DSRC−PPP通信の利用が可能な状態になった場合において、前記中継通信データ蓄積手段にて蓄積された前記DSRC−PPP通信データを前記車載情報端末に出力することを特徴とする、請求項4に記載の情報中継装置。
【請求項6】
前記中継通信データ蓄積手段に蓄積された前記DSRC−PPP通信データは、前記DSRC車載装置から前記DSRC通信の切断通知を受信するか、あるいは、前記DSRC−PPP通信データを前記中継通信データ蓄積手段に蓄積した時点から所定の時間経過すると無効になることを特徴とする、請求項5に記載の情報中継装置。
【請求項7】
車両に設置され、DSRC(Dedicated Short Range Communication)車載装置および情報中継装置を介して外部とDSRC−PPP(Point to Point Protocol)通信を含む通信メディアを選択して用いることが可能な車載情報端末であって、
前記DSRC−PPP通信の利用の可否状態を含む前記車載情報端末の状態を示す車載情報端末状態情報を前記情報中継装置に出力する車載情報端末状態情報出力手段を備える、車載情報端末。
【請求項8】
前記外部から受信した前記DSRC−PPP通信データを蓄積する中継通信データ蓄積手段と、
前記情報中継装置によって切り替え制御される、前記情報中継装置と前記車載情報端末との間でインターネット通信を可能とするか否かの中継通信モードと、前記車載情報端末状態情報とに基づいて、前記中継通信データ蓄積手段に蓄積された前記DSRC−PPP通信データを前記車載情報端末にて利用するために出力するか否かの制御を行う中継データ出力制御手段と、
をさらに備え、
前記中継データ出力制御手段は、前記中継通信モードが前記インターネット通信を可能に切り替わるか、あるいは、前記車載情報端末が前記DSRC−PPP通信の利用が可能な状態になった場合において、前記中継通信データ蓄積手段にて蓄積された前記DSRC−PPP通信データを前記車載情報端末にて利用するために出力することを特徴とする、請求項7に記載の車載情報端末。
【請求項9】
前記外部との前記DSRC−PPP通信が可能な場合において、当該DSRC−PPP通信を開始することが可能である旨をユーザーに通知するDSRC−PPP通信開始通知手段と、
前記DSRC−PPP通信を開始する際に、前記インターネット通信を可能とするように前記中継通信モードの変更を前記情報中継装置に要求する中継通信モード変更要求手段と、
をさらに備える、請求項7または8に記載の車載情報端末。
【請求項10】
前記DSRC−PPP通信の切断処理を行うDSRC−PPP通信切断処理手段をさらに備え、
前記DSRC−PPP通信切断処理手段は、前記外部との前記DSRC−PPP通信が不可能になった場合において当該DSRC−PPP通信の切断処理を行うことを特徴とする、請求項7ないし9のいずれかに記載の車載情報端末。
【請求項11】
前記DSRC−PPP通信切断処理手段は、前記DSRC−PPP通信の利用を停止した場合において当該DSRC−PPP通信の切断処理を行い、
前記中継通信モード変更要求手段は、前記インターネット通信を不可能とするように前記中継通信モードの変更を前記情報中継装置に要求することを特徴とする、請求項7ないし10のいずれかに記載の車載情報端末。
【請求項12】
前記DSRC−PPP通信の接続処理を行うDSRC−PPP通信接続処理手段をさらに備え、
前記DSRC−PPP通信接続処理手段は、前記DSRC−PPP通信の利用を開始した場合において当該DSRC−PPP通信の接続処理を行い、
前記中継通信モード変更要求手段は、前記インターネット通信を可能とするように前記中継通信モードの変更を前記情報中継装置に要求することを特徴とする、請求項7ないし11のいずれかに記載の車載情報端末。
【請求項13】
前記DSRC−PPP通信の利用が開始できない場合はその旨を通知する通知手段をさらに備える、請求項12に記載の車載情報端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−115680(P2013−115680A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261299(P2011−261299)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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