情報保秘機能を有する電話システム
【課題】シークレットモードを解除する操作がいらない情報保秘機能を有する電話システムを提供する。
【解決手段】主装置1と複数のボタン電話機2−1〜2−nから構成される電話システムにおいて、ボタン電話機2−1〜2−nは、無線通信により得たID情報を蓄積する1又は2以上の媒体3−1〜3−nのID情報を主装置1へ通知する手段を備え、主装置1は、ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体の該ID情報を判定対象とするか否かを予め記憶しておく記憶手段と、ボタン電話機から通知されたID情報が記憶手段に記憶されているID情報であるか否かを判定し当該ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体がボタン電話機の近傍に存在し且つ通知されたID情報が判定対象とされているID情報であると判定した場合にシークレットモードを自動的に解除するシークレットモード自動解除手段を備えたことを特徴とする。
【解決手段】主装置1と複数のボタン電話機2−1〜2−nから構成される電話システムにおいて、ボタン電話機2−1〜2−nは、無線通信により得たID情報を蓄積する1又は2以上の媒体3−1〜3−nのID情報を主装置1へ通知する手段を備え、主装置1は、ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体の該ID情報を判定対象とするか否かを予め記憶しておく記憶手段と、ボタン電話機から通知されたID情報が記憶手段に記憶されているID情報であるか否かを判定し当該ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体がボタン電話機の近傍に存在し且つ通知されたID情報が判定対象とされているID情報であると判定した場合にシークレットモードを自動的に解除するシークレットモード自動解除手段を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システムに関し、特にボタン電話機の電話帳、発信履歴及び着信履歴等を他人に知られる(確認される)ことを防ぐ情報保秘機能を有する電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話に代表されるモバイル通信端末装置においては、他人の手に触れる可能性もあり、他の人に知られたくない電話帳や通信履歴を表示させないためにシークレットモードを設けて、シークレットモード時には表示させないものがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
また、最近はボタン電話機においても、電話帳を持っているものや、発信履歴や着信履歴等の通信履歴を残し、次回以降の発信操作を簡略化するための各種機能を持ったものが一般的となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−307706号公報
【特許文献2】特開平11−113062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記背景技術において、ボタン電話機は、一般的には机上等に据え置きしているため、外出時や休日などの離席時には他の人(社外の業者等も含む)が操作することが可能であり、電話帳や通話履歴などを他の人に知られてしまう可能性がある。
【0006】
他人に知られたくない場合には、ボタン電話機をシークレットモードに設定しておく必要があるが、シークレットモードの状態では電話帳に登録された相手に電話をかける場合や、通信履歴を確認する場合には、自分で見る場合でも一旦シークレットモードを解除する必要がある。シークレットモードの解除操作は、簡単な操作では解除されない様に暗証番号の入力など複雑な操作を必要とし煩わしい。
【0007】
また、一旦シークレットモードを解除した時に、再度シークレットモードにし忘れると、他の人に知られてしまう危険がある。
【0008】
本発明の目的は、シークレットモードを解除する操作がいらない情報保秘機能を有する電話システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、主装置と複数のボタン電話機から構成される電話システムにおいて、前記ボタン電話機は、無線通信により得たID情報を蓄積する1又は2以上の媒体のID情報を主装置へ通知する手段を備え、前記主装置は、ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体の該ID情報を判定対象とするか否かを予め記憶しておく記憶手段と、前記ボタン電話機から通知されたID情報が前記記憶手段に記憶されているID情報であるか否かを判定し当該ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体が前記ボタン電話機の近傍に存在し且つ前記通知されたID情報が判定対象とされているID情報であると判定した場合にシークレットモードを自動的に解除するシークレットモード自動解除手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記記載の電話システムにおいて、前記ボタン電話機は、前記シークレットモードを手動で設定または解除の操作をする操作手段を備え、前記主装置は、該操作手段による操作を検出すると前記ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体の存在に関係なく前記シークレットモードを設定または解除する設定または解除手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ID情報を蓄積する媒体がボタン電話機の近傍に存在し且つ通知されたID情報が判定対象とされているID情報であると判定した場合にシークレットモードを自動的に解除するので、シークレットモードを解除する操作がいらない情報保秘機能を有する電話システムを得ることができる。
【0012】
また本発明によれば、ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体の存在に関係なくシークレットモードを設定または解除することができる情報保秘機能を有する電話システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第1及び第2の実施例の全体構成を示す図である。
【図2】図1における主装置と主装置に接続された複数のボタン電話機の内部構成を示す図である。
【図3】図1におけるRFIDタグを有する社員証の外観例及び構成を示す図である。
【図4A】図1の記憶部の記憶情報テーブルに記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す図で、その初期設定の例を示す図である。
【図4B】図1の記憶部の記憶情報テーブルに記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す図で、ボタン電話機を扱う人が対象の組合せを設定した例を示す図である。
【図4C】図1の記憶部の記憶情報テーブルに記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す図である。
【図5】本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第1の実施例により、シークレットモードをオン及びオフする動作フローチャートを示す図である。
【図6】本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第2の実施例により、ボタン電話機2−1のシークレットモードをオフする動作フローチャートを示す図である。
【図7】本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第3の実施例により、シークレットモードをオンする動作フローチャートを示す図である。
【図8】本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第4の実施例の全体構成を示す図である。
【図9】本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第5の実施例の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第1及び第2の実施例の全体構成を示す図である。図1において、電話システムは、1以上の外線および複数の内線を収容する主装置1と、主装置1と何らかの手段(有線接続、無線接続)により接続された複数のボタン電話機2−1〜2−nから構成される。
【0016】
複数のボタン電話機2−1〜2−nの各RFID(Radio Frequency Identification)エリア対象のID情報を蓄積する媒体の一例であるところの、社員証等に付加されたRFID(Radio Frequency Identification)タグ3−1〜3−nを所持している人が、対象RFIDエリア内に居る場合には、シークレットモードは解除された状態にあり、RFIDタグを所持した人が移動して対象RFIDエリア外に出た場合には、シークレットモードが設定される。
【0017】
図2は、図1における主装置1と主装置1に接続された複数のボタン電話機2−1〜2−nの内部構成を示す図である。
【0018】
主装置1は、中央制御部11と、通話路スイッチ12と、1以上の外線回路13−1〜13−mと、複数の内線回路14−1〜14−nと、記憶部15を有して構成される。
【0019】
中央制御部11は、主装置1の各回路からの入力情報(複数のボタン電話機2−1〜2−nからの情報も含む)に対する解析や判断、記憶部15に対する情報の入出力、各回路の制御を行う。
【0020】
通話路スイッチ12は、主装置1内の交換処理(外線と内線の接続、他)を行う。
【0021】
外線回路13−1〜13−mは、外線に接続されるインタフェース回路である。ここで言う外線は、一般公衆回線、IP電話事業者の回線、専用線、私設線、携帯等の無線使用回線(無線/有線変換アダプタ使用)等も含まれる。
【0022】
内線回路14−1〜14−nは、ボタン電話機2−1〜2−nと音声データ、制御データの通信を行うためのインタフェース回路である。
【0023】
記憶部15は、通常の記憶部としての働きの他に、シークレットモードを切替えるためのID情報、ボタン情報、暗証番号が記憶される。
【0024】
また、記憶部15には本発明で保秘すべき電話帳、履歴、等の情報が記憶されるが、この情報は必ずしも主装置の記憶部でなくても良く、例えば、後で説明するボタン電話機2−1〜2−nに持つことも可能である。
【0025】
また、ボタン電話機2−1〜2−nの各々は、制御部21と、データ送受信回路22と、音声処理部23と、送受話器24と、スピーカ25と、入力回路26と、表示回路27と、RFID(Radio Frequency Identification)リーダー/ライター28を有して構成される。
【0026】
制御部21は、ボタン電話機内の各回路からの入力情報に対する解析や判断、各回路の制御を行う。
【0027】
データ送受信回路22は、内線回路14−1〜14−nを介して主装置1と音声データ、制御データの通信を行うためのインタフェース回路である。
【0028】
音声処理部23は、音声のデジタル/アナログ変換、アナログ/デジタル変換と、ボタン電話機内の送受話器24やスピーカ25等との通話路切替および音量を制御する。
【0029】
送受話器24は、一般的な通話時の送話、受話を行うためのハンドセットである。
【0030】
スピーカ25は、着信音の送出や、スピーカによる拡声受話に使用する。
【0031】
入力回路26は、ダイヤルキーや機能キーなどの各種情報入力手段である。
【0032】
表示回路27は、電話番号、通話時間等を表示する。
【0033】
RFIDリーダー/ライター28は、RF信号を送出して、ID情報を蓄積する媒体の一例であるところの、社員証等に付加されたRFIDタグ3−1〜3−n(図1)の内の該当RFIDタグに電力を供給するとともに、該当RFIDタグと各種情報の送受信を行う。
【0034】
図3は、図1におけるRFIDタグ3−1〜3−nの外観例及び構成を示す図である。図3は、RFIDタグを付加した社員証3の一例である。社員証3の内部にRFIDタグ3−1が付加され、RFIDタグ3−1にはID情報の記憶部3−11がある。
【0035】
図3で示した社員証は一例であり社員証の他に、名札、携帯電話等の普段携帯する物でRFIDタグを付加できるものであれば同様の動作が可能である。
【0036】
図4Aは、図2の記憶部15の記憶情報テーブルに記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す図で、その初期設定の例を示す図である。
【0037】
図4Aにおいて、縦軸のID情報0001〜nは、図1のRFIDタグ3−1〜3−nの各々の記憶部3−11(図3)に記憶されている各RFIDタグ固有のID情報を示し、各ID情報0001〜nに対するボタン電話機2−1〜2−nの対象/非対象及び存在状況を示すエリア情報は、初期設定として全て“0”に設定する。
【0038】
その後、ボタン電話機2−1〜2−nを扱う人は、ボタン電話機2−1〜2−nとRFIDタグ3−1〜3−nとの対象の組合せを設定し、対象の組合せを“1”に設定し、非対象の組合せを“0”のままとする。
【0039】
図4Bは、図1の記憶部15の記憶情報テーブルに記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す図で、ボタン電話機2−1〜2−nを扱う人が対象の組合せを設定した例を示す図である。
【0040】
図1においては、ボタン電話機2−1はRFIDタグ3−1を対象の組合せとし、ボタン電話機2−2はRFIDタグ3−2を対象の組合せとする。したがって、ID情報0001に対するボタン電話機2−1のエリア情報を“1”に書き換えて設定し、ID情報0002に対するボタン電話機2−2のエリア情報を“1”に書き換えて設定した。非対象の組合せは“0”のままである。
【0041】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第1の実施例について説明する。
【0042】
図5は、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第1の実施例により、シークレットモードをオン及びオフする動作フローチャートを示す図である。
【0043】
図1におけるボタン電話機2−1〜2−n、RFIDタグ3−1〜3−nが図1の位置関係にあるとした場合、電話装置の主装置1は、中央制御部11で、RFIDタグ3−1〜3−nがボタン電話機2−1〜2−nの各RFIDエリア内に存在するか否かを検出する検出タイミングか否かを判定し(S101)、検出タイミングの場合に全ボタン電話機2−1〜2−nに、主装置1の内線回路14−1〜14−n(図2)からID要求を送信する(S102〜S103)。
【0044】
尚、ボタン電話機2−1〜2−nへのID要求送出は、全てのボタン電話機2−1〜2−nに一斉に行っても、順番に行っても良い。
【0045】
ID要求を受信(S201〜S301)したボタン電話機2−1〜2−nは、RFIDリーダー/ライター28からRF信号を送出する(S202〜S302)。RFIDエリア内にあるRFIDタグ3−1(図3)はRF信号によりパワーが供給され動作を開始する。
【0046】
このRF信号にはコマンドが含まれ、RFIDタグ3−1(図3)はそのコマンドを受け取ると、記憶部3−11に記憶されたID情報を送信し、ボタン電話機2−1〜2−nのRFIDリーダー/ライター28(図2)は、RFIDタグ3−1(図3)から送信されたID情報を受信する(S203〜S303)。
【0047】
ボタン電話機2−1〜2−nは、RFIDタグ3−1(図3)からのデータ受信を制御部21で一定時間監視してタイムオーバーしたかを判定し(S204〜S304)、タイムオーバーした場合にその時間内に受信したID情報をデータ送受信回路22から主装置1に送信する(S205〜S305)。
【0048】
主装置1は、ボタン電話機2−1〜2−nから受信したID情報を基に、中央制御部11がボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を、記憶部15の記憶情報テーブルに記憶する(S104)。この場合に記憶されるデータの例は図4Cのようになる。
【0049】
図4Cは、図1の記憶部15の記憶情報テーブルに記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す図である。
【0050】
この場合、図1において、RFIDタグ3−1のID情報が0001で、RFIDタグ3−2のID情報が0002の場合である。
【0051】
RFIDタグ3−1が対象ボタン電話機2−1のRFIDエリアに存在している場合、主装置1は対象ボタン電話機2−1からRFIDタグ3−1のID情報0001を受信するので、受信したID情報0001を基に、図4CのID情報0001に対するボタン電話機2−1のエリア情報“1”を“2”に書き換えて記憶した。
【0052】
またRFIDタグ3−2が移動して対象ボタン電話機2−2のRFIDエリアから離れている場合は、ボタン電話機2−2はRFIDタグ3−2からのID情報0002を受信できず、それにともない主装置1もRFIDタグ3−2からのID情報0002を受信できないので、図4CのID情報0002に対するボタン電話機2−2のエリア情報“1”はそのままとする。
【0053】
またRFIDタグ3−2が非対象ボタン電話機2−1のRFIDエリアに移動すると、主装置1は非対象ボタン電話機2−1からRFIDタグ3−2のID情報0002を受信するので、この場合、図4CのID情報0002に対するボタン電話機2−1のエリア情報“0”を書き換えないで“0”のままとする。すなわち非対象のエリアはRFIDタグの状態に関係なく変化させない。
【0054】
次に、主装置11の中央制御部11は、記憶部15(図2)に記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す記憶情報テーブルを参照し、あるボタン電話機にて全てのID情報のエリア番号が“2”以外かを判定し(図5のS105)、“2”以外の場合(S105のYes)、シークレットモードをオンに設定し、記憶部15に記憶する(S106)。
【0055】
但し、全てのID情報に対して状態が“0”の場合には、本機能の対象外とし、シークレットモードのオン・オフは実施されない。
【0056】
また、いずれか1つ以上のID情報に対して状態が“2”であった場合(S105のNo)には、中央制御部11はシークレットモードをオフに設定し、記憶部15に記憶する(S107)。
【0057】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第2の実施例について説明する。
この第2の実施例においては、第1の実施例と、以下に示すボタン操作によるシークレットモードをオン又はオフする組合わせであり、第1の実施例で説明した部分は以下の説明では省略及び簡略化する。
【0058】
第1の実施例によれば、RFIDエリア内にRFIDタグが無い場合には、シークレットモードはオンになり、電話帳や通話履歴を見ることはできない。しかしながら、RFIDの付加された例えば社員証を偶然に家に置き忘れた様な場合には、RFIDタグはRFIDエリア外にあるが、自分のボタン電話機を使用しなければならない。
【0059】
その場合には、シークレットモードをオフにしたい人は、自分のボタン電話機例えば2−1の入力回路26からシークレットモードをオフするための機能ボタンを押してから、予め設定されている暗証番号を入力する。ボタン電話機2−1の制御部21は機能ボタン及び暗証番号が押されたことを認識し、データ送受信回路22から主装置1へボタン情報を送信する。
【0060】
この場合、ボタン電話機2−1は押されたキー情報のみを主装置1に送り、機能ボタン及び暗証番号の認識は主装置1で行っても良い。また、シークレットモードをオフする操作は、機能ボタンと暗証番号の組合わせでなく、ダイヤル操作等のその他の手段により行うことでも良い。
【0061】
これ以降の動作を図6に示す。
【0062】
図6は、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第2の実施例により、ボタン電話機2−1のシークレットモードをオフする動作フローチャートを示す図である。
【0063】
図2における主装置1の中央制御部11は内線回路14−1を経由してボタン電話機2−1から送信されたボタン情報を受信する(S401)。受信したボタン情報を記憶部15のボタン情報記憶エリアに記憶する(S402)。
【0064】
次に、ボタン情報がシークレットモードをオフする機能ボタン+暗証番号であったかを中央制御部11が判定し(S403)、そうであった場合には、記憶部15のボタン情報記憶エリアに“0”をセットする(S404)。
【0065】
次に、記憶部15のボタン情報記憶エリアが“0”以外かを中央制御部11が判定し(S405)、“0”以外でない場合(S405のNo)は、ID情報に関係なくシークレットモードをオフに設定し、記憶部15に記憶する(S409)。
【0066】
記憶部15のボタン情報記憶エリアが“0”以外の場合(S405のYes)は、記憶部15のID情報記憶エリア(図4)のID情報を読み出し(S406)、ある電話機にて全てのID情報に対して状態が“2”以外かを中央制御部11が判定し(S407)、“2”以外の場合(S407のYes)には、中央制御部11はシークレットモードをオンに設定し、記憶部15に記憶する(S408)。
【0067】
但し、全てのIDに対して状態が“0”の場合には、本機能の対象外とし、シークレットモードのオン・オフは実施されない。
【0068】
また、いずれか1つ以上のID情報に対して状態が“2”であった場合には(S407のNo)、中央制御部11はシークレットモードをオフに設定し、記憶部15に記憶する(S409)。
【0069】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第3の実施例について説明する。
【0070】
ボタン電話機2−1の操作によりシークレットモードをオンする場合には、シークレットモードをオンにしたい人は、図2におけるボタン電話機2−1の入力回路26からシークレットモードをオンするための機能ボタンを押す。ボタン電話機2−1の制御部21は機能ボタンが押されたことを認識し、データ送受信回路22から主装置1へボタン情報を送信する。
【0071】
この場合、ボタン電話機2−1は押されたキー情報のみを主装置1に送り、機能ボタンの認識は主装置1で行っても良い。また、シークレットモードをオンする操作は、機能ボタンでなく、ダイヤル操作等のその他の手段により行うことでも良い。
【0072】
これ以降の動作を図7に示す。
【0073】
図7は、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第3の実施例により、シークレットモードをオンする動作フローチャートを示す図である。
【0074】
図2における主装置1の中央制御部11は内線回路14−1を経由してボタン電話機2−1から送信されたボタン情報を受信する(S501)。受信したボタン情報を記憶部15のボタン情報記憶エリアに記憶する(S502)。
【0075】
ボタン情報がシークレットモードをオンする機能ボタンであったかを中央制御部11が判定し(S503)、そうであった場合には、記憶部15のボタン情報記憶エリアに“0”以外をセットする(S504)。
【0076】
次に、記憶部15のボタン情報記憶エリアが0以外かを中央制御部11が判定し(S505)、“0”以外でない場合(S505のNo)は、ID情報に関係なくシークレットモードをオフに設定し、記憶部15に記憶する(S509)。
【0077】
記憶部15のボタン情報記憶エリアが“0”以外の場合(S505のYes)は、記憶部15のID情報記憶エリア(図4)のID情報を読み出し(S506)、ある電話機にて全てのIDに対して状態が“2”以外かを中央制御部11が判定し(S507)、“2”以外である場合には(S507のYes)、中央制御部11はシークレットモードをオンに設定し、記憶部15に記憶する(S508)。
【0078】
但し、全てのIDに対して状態が“0”の場合には、本機能の対象外とし、シークレットモードのオン・オフは実施されない。
【0079】
また、いずれか1つ以上のID情報に対して状態が“2”であった場合には(S507のNo)、中央制御部11はシークレットモードをオフに設定し、記憶部15に記憶する(S509)。
【0080】
但し、使用する場所の状況により、いずれか1つ以上のID情報に対して状態が“2”であった場合でも、強制的にシークレットモードをオンするようにしても良い。
【0081】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第4の実施例について説明する。
【0082】
図8は、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第4の実施例の全体構成を示す図である。
【0083】
第1、第2及び第3の実施例においては、図1に示すボタン電話機2−1〜2−nの1台1台に、図2に示すRFIDリーダー/ライターを配置したが、必ずしも全てのボタン電話機にある必要は無い。
【0084】
図8においてはボタン電話機2−1と2−2を1つのグループとして、ボタン電話機2−1をRFIDリーダー/ライター付きのボタン電話機とし、ボタン電話機2−2をRFIDリーダー/ライターの付かないボタン電話機として、主装置1にてグループ管理を行うことにより、第1の実施例と同等の効果を得ることができる。
【0085】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第5の実施例について説明する。
【0086】
図9は、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第5の実施例の全体構成を示す図である。
【0087】
第1、第2、第3及び第4の実施例においては、RFIDリーダー/ライターをボタン電話機に配置したが、必ずしもボタン電話機にある必要はない。
【0088】
主装置1、主装置1と何らかの手段(有線接続、無線接続)により接続されたボタン電話機2−1〜2−n以外に、主装置1と何らかの手段(有線接続、無線接続)により接続された端末例えばRFIDリーダー/ライター端末29−1〜29−nを配置しても、RFIDリーダー/ライター端末29−1〜29−nとボタン電話機2−1〜2−nの組合わせを予め主装置1に登録して置くことにより、第1、第2、第3及び第4の実施例と同等の効果を得ることができる。
【0089】
また、この場合のRFIDリーダー/ライター端末29−1〜29−nとボタン電話機2−1〜2−nの組合わせは1対1でも良いし、複数のボタン電話機に対して1つのRFIDリーダー/ライターでも良い。
【0090】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第6の実施例を説明する。但し、図及び動作フローチャートは省略する。
【0091】
第1、第2、第3、第4及び第5の実施例においては、ボタン電話装置において実現しているが、必ずしもボタン電話装置である必要は無く、留守番機能付き電話機、FAX付き電話機等の一般電話機等においても実現が可能である。
【0092】
また、RFIDタグには、電池を持つものと、電池を持たずにRFIDリーダー/ライターからのRF信号によりパワーを得るものがあり、上記、第1、第2、第3、第4及び第5の実施例においては、電池を持たない例を記述しているが、何れの方式でも同様に可能である。
【0093】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第7の実施例を説明する。但し、図及び動作フローチャートは省略する。
【0094】
第1、第2、第3、第4、第5及び第6の実施例においては、使用者が居るか否かの確認にRFIDタグとRFIDリーダー/ライターを使用することにより実現しているが、必ずしもRFIDタグ及びRFIDリーダー/ライターを使用する必要は無く、ブルートゥース、省電力無線、微弱無線、無線LAN等の無線方式を使用しても実現が可能である。
【0095】
なお、以上の各実施例において、保秘する情報として、電話帳、発信履歴、着信履歴等を前提に説明しているが、本発明はこれに限るものではない。
【0096】
すなわちボタン電話機が留守番機能やメール通信機能を具備している場合、留守番メッセージやメール送受信文書等のボタン電話機2−1〜2−nまたは主装置1に残留する情報一般に対して、本発明により情報を保秘可能である。
【0097】
さらに転送等の各種設定情報を保秘可能であり、第3者による悪意の設定変更も防止できる。
【符号の説明】
【0098】
1…主装置、2−1〜2−n…ボタン電話機、3−1〜3−n…RFIDタグ、11…中央制御部、12…通話路スイッチ、13−1〜13−n…外線回路、14−1〜14−n…内線回路、15…記憶部、21…制御部、22…データ送受信回路、23…音声処理部、24…送受話器、25…スピーカ、26…入力回路、27…表示回路、28…RFIDリーダー/ライター、3…社員証、3−11…記憶部、29−1〜29−n…RFIDリーダー/ライター端末。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システムに関し、特にボタン電話機の電話帳、発信履歴及び着信履歴等を他人に知られる(確認される)ことを防ぐ情報保秘機能を有する電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話に代表されるモバイル通信端末装置においては、他人の手に触れる可能性もあり、他の人に知られたくない電話帳や通信履歴を表示させないためにシークレットモードを設けて、シークレットモード時には表示させないものがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
また、最近はボタン電話機においても、電話帳を持っているものや、発信履歴や着信履歴等の通信履歴を残し、次回以降の発信操作を簡略化するための各種機能を持ったものが一般的となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−307706号公報
【特許文献2】特開平11−113062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記背景技術において、ボタン電話機は、一般的には机上等に据え置きしているため、外出時や休日などの離席時には他の人(社外の業者等も含む)が操作することが可能であり、電話帳や通話履歴などを他の人に知られてしまう可能性がある。
【0006】
他人に知られたくない場合には、ボタン電話機をシークレットモードに設定しておく必要があるが、シークレットモードの状態では電話帳に登録された相手に電話をかける場合や、通信履歴を確認する場合には、自分で見る場合でも一旦シークレットモードを解除する必要がある。シークレットモードの解除操作は、簡単な操作では解除されない様に暗証番号の入力など複雑な操作を必要とし煩わしい。
【0007】
また、一旦シークレットモードを解除した時に、再度シークレットモードにし忘れると、他の人に知られてしまう危険がある。
【0008】
本発明の目的は、シークレットモードを解除する操作がいらない情報保秘機能を有する電話システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、主装置と複数のボタン電話機から構成される電話システムにおいて、前記ボタン電話機は、無線通信により得たID情報を蓄積する1又は2以上の媒体のID情報を主装置へ通知する手段を備え、前記主装置は、ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体の該ID情報を判定対象とするか否かを予め記憶しておく記憶手段と、前記ボタン電話機から通知されたID情報が前記記憶手段に記憶されているID情報であるか否かを判定し当該ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体が前記ボタン電話機の近傍に存在し且つ前記通知されたID情報が判定対象とされているID情報であると判定した場合にシークレットモードを自動的に解除するシークレットモード自動解除手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記記載の電話システムにおいて、前記ボタン電話機は、前記シークレットモードを手動で設定または解除の操作をする操作手段を備え、前記主装置は、該操作手段による操作を検出すると前記ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体の存在に関係なく前記シークレットモードを設定または解除する設定または解除手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ID情報を蓄積する媒体がボタン電話機の近傍に存在し且つ通知されたID情報が判定対象とされているID情報であると判定した場合にシークレットモードを自動的に解除するので、シークレットモードを解除する操作がいらない情報保秘機能を有する電話システムを得ることができる。
【0012】
また本発明によれば、ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体の存在に関係なくシークレットモードを設定または解除することができる情報保秘機能を有する電話システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第1及び第2の実施例の全体構成を示す図である。
【図2】図1における主装置と主装置に接続された複数のボタン電話機の内部構成を示す図である。
【図3】図1におけるRFIDタグを有する社員証の外観例及び構成を示す図である。
【図4A】図1の記憶部の記憶情報テーブルに記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す図で、その初期設定の例を示す図である。
【図4B】図1の記憶部の記憶情報テーブルに記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す図で、ボタン電話機を扱う人が対象の組合せを設定した例を示す図である。
【図4C】図1の記憶部の記憶情報テーブルに記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す図である。
【図5】本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第1の実施例により、シークレットモードをオン及びオフする動作フローチャートを示す図である。
【図6】本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第2の実施例により、ボタン電話機2−1のシークレットモードをオフする動作フローチャートを示す図である。
【図7】本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第3の実施例により、シークレットモードをオンする動作フローチャートを示す図である。
【図8】本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第4の実施例の全体構成を示す図である。
【図9】本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第5の実施例の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第1及び第2の実施例の全体構成を示す図である。図1において、電話システムは、1以上の外線および複数の内線を収容する主装置1と、主装置1と何らかの手段(有線接続、無線接続)により接続された複数のボタン電話機2−1〜2−nから構成される。
【0016】
複数のボタン電話機2−1〜2−nの各RFID(Radio Frequency Identification)エリア対象のID情報を蓄積する媒体の一例であるところの、社員証等に付加されたRFID(Radio Frequency Identification)タグ3−1〜3−nを所持している人が、対象RFIDエリア内に居る場合には、シークレットモードは解除された状態にあり、RFIDタグを所持した人が移動して対象RFIDエリア外に出た場合には、シークレットモードが設定される。
【0017】
図2は、図1における主装置1と主装置1に接続された複数のボタン電話機2−1〜2−nの内部構成を示す図である。
【0018】
主装置1は、中央制御部11と、通話路スイッチ12と、1以上の外線回路13−1〜13−mと、複数の内線回路14−1〜14−nと、記憶部15を有して構成される。
【0019】
中央制御部11は、主装置1の各回路からの入力情報(複数のボタン電話機2−1〜2−nからの情報も含む)に対する解析や判断、記憶部15に対する情報の入出力、各回路の制御を行う。
【0020】
通話路スイッチ12は、主装置1内の交換処理(外線と内線の接続、他)を行う。
【0021】
外線回路13−1〜13−mは、外線に接続されるインタフェース回路である。ここで言う外線は、一般公衆回線、IP電話事業者の回線、専用線、私設線、携帯等の無線使用回線(無線/有線変換アダプタ使用)等も含まれる。
【0022】
内線回路14−1〜14−nは、ボタン電話機2−1〜2−nと音声データ、制御データの通信を行うためのインタフェース回路である。
【0023】
記憶部15は、通常の記憶部としての働きの他に、シークレットモードを切替えるためのID情報、ボタン情報、暗証番号が記憶される。
【0024】
また、記憶部15には本発明で保秘すべき電話帳、履歴、等の情報が記憶されるが、この情報は必ずしも主装置の記憶部でなくても良く、例えば、後で説明するボタン電話機2−1〜2−nに持つことも可能である。
【0025】
また、ボタン電話機2−1〜2−nの各々は、制御部21と、データ送受信回路22と、音声処理部23と、送受話器24と、スピーカ25と、入力回路26と、表示回路27と、RFID(Radio Frequency Identification)リーダー/ライター28を有して構成される。
【0026】
制御部21は、ボタン電話機内の各回路からの入力情報に対する解析や判断、各回路の制御を行う。
【0027】
データ送受信回路22は、内線回路14−1〜14−nを介して主装置1と音声データ、制御データの通信を行うためのインタフェース回路である。
【0028】
音声処理部23は、音声のデジタル/アナログ変換、アナログ/デジタル変換と、ボタン電話機内の送受話器24やスピーカ25等との通話路切替および音量を制御する。
【0029】
送受話器24は、一般的な通話時の送話、受話を行うためのハンドセットである。
【0030】
スピーカ25は、着信音の送出や、スピーカによる拡声受話に使用する。
【0031】
入力回路26は、ダイヤルキーや機能キーなどの各種情報入力手段である。
【0032】
表示回路27は、電話番号、通話時間等を表示する。
【0033】
RFIDリーダー/ライター28は、RF信号を送出して、ID情報を蓄積する媒体の一例であるところの、社員証等に付加されたRFIDタグ3−1〜3−n(図1)の内の該当RFIDタグに電力を供給するとともに、該当RFIDタグと各種情報の送受信を行う。
【0034】
図3は、図1におけるRFIDタグ3−1〜3−nの外観例及び構成を示す図である。図3は、RFIDタグを付加した社員証3の一例である。社員証3の内部にRFIDタグ3−1が付加され、RFIDタグ3−1にはID情報の記憶部3−11がある。
【0035】
図3で示した社員証は一例であり社員証の他に、名札、携帯電話等の普段携帯する物でRFIDタグを付加できるものであれば同様の動作が可能である。
【0036】
図4Aは、図2の記憶部15の記憶情報テーブルに記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す図で、その初期設定の例を示す図である。
【0037】
図4Aにおいて、縦軸のID情報0001〜nは、図1のRFIDタグ3−1〜3−nの各々の記憶部3−11(図3)に記憶されている各RFIDタグ固有のID情報を示し、各ID情報0001〜nに対するボタン電話機2−1〜2−nの対象/非対象及び存在状況を示すエリア情報は、初期設定として全て“0”に設定する。
【0038】
その後、ボタン電話機2−1〜2−nを扱う人は、ボタン電話機2−1〜2−nとRFIDタグ3−1〜3−nとの対象の組合せを設定し、対象の組合せを“1”に設定し、非対象の組合せを“0”のままとする。
【0039】
図4Bは、図1の記憶部15の記憶情報テーブルに記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す図で、ボタン電話機2−1〜2−nを扱う人が対象の組合せを設定した例を示す図である。
【0040】
図1においては、ボタン電話機2−1はRFIDタグ3−1を対象の組合せとし、ボタン電話機2−2はRFIDタグ3−2を対象の組合せとする。したがって、ID情報0001に対するボタン電話機2−1のエリア情報を“1”に書き換えて設定し、ID情報0002に対するボタン電話機2−2のエリア情報を“1”に書き換えて設定した。非対象の組合せは“0”のままである。
【0041】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第1の実施例について説明する。
【0042】
図5は、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第1の実施例により、シークレットモードをオン及びオフする動作フローチャートを示す図である。
【0043】
図1におけるボタン電話機2−1〜2−n、RFIDタグ3−1〜3−nが図1の位置関係にあるとした場合、電話装置の主装置1は、中央制御部11で、RFIDタグ3−1〜3−nがボタン電話機2−1〜2−nの各RFIDエリア内に存在するか否かを検出する検出タイミングか否かを判定し(S101)、検出タイミングの場合に全ボタン電話機2−1〜2−nに、主装置1の内線回路14−1〜14−n(図2)からID要求を送信する(S102〜S103)。
【0044】
尚、ボタン電話機2−1〜2−nへのID要求送出は、全てのボタン電話機2−1〜2−nに一斉に行っても、順番に行っても良い。
【0045】
ID要求を受信(S201〜S301)したボタン電話機2−1〜2−nは、RFIDリーダー/ライター28からRF信号を送出する(S202〜S302)。RFIDエリア内にあるRFIDタグ3−1(図3)はRF信号によりパワーが供給され動作を開始する。
【0046】
このRF信号にはコマンドが含まれ、RFIDタグ3−1(図3)はそのコマンドを受け取ると、記憶部3−11に記憶されたID情報を送信し、ボタン電話機2−1〜2−nのRFIDリーダー/ライター28(図2)は、RFIDタグ3−1(図3)から送信されたID情報を受信する(S203〜S303)。
【0047】
ボタン電話機2−1〜2−nは、RFIDタグ3−1(図3)からのデータ受信を制御部21で一定時間監視してタイムオーバーしたかを判定し(S204〜S304)、タイムオーバーした場合にその時間内に受信したID情報をデータ送受信回路22から主装置1に送信する(S205〜S305)。
【0048】
主装置1は、ボタン電話機2−1〜2−nから受信したID情報を基に、中央制御部11がボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を、記憶部15の記憶情報テーブルに記憶する(S104)。この場合に記憶されるデータの例は図4Cのようになる。
【0049】
図4Cは、図1の記憶部15の記憶情報テーブルに記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す図である。
【0050】
この場合、図1において、RFIDタグ3−1のID情報が0001で、RFIDタグ3−2のID情報が0002の場合である。
【0051】
RFIDタグ3−1が対象ボタン電話機2−1のRFIDエリアに存在している場合、主装置1は対象ボタン電話機2−1からRFIDタグ3−1のID情報0001を受信するので、受信したID情報0001を基に、図4CのID情報0001に対するボタン電話機2−1のエリア情報“1”を“2”に書き換えて記憶した。
【0052】
またRFIDタグ3−2が移動して対象ボタン電話機2−2のRFIDエリアから離れている場合は、ボタン電話機2−2はRFIDタグ3−2からのID情報0002を受信できず、それにともない主装置1もRFIDタグ3−2からのID情報0002を受信できないので、図4CのID情報0002に対するボタン電話機2−2のエリア情報“1”はそのままとする。
【0053】
またRFIDタグ3−2が非対象ボタン電話機2−1のRFIDエリアに移動すると、主装置1は非対象ボタン電話機2−1からRFIDタグ3−2のID情報0002を受信するので、この場合、図4CのID情報0002に対するボタン電話機2−1のエリア情報“0”を書き換えないで“0”のままとする。すなわち非対象のエリアはRFIDタグの状態に関係なく変化させない。
【0054】
次に、主装置11の中央制御部11は、記憶部15(図2)に記憶された、ボタン電話機毎の対象/非対象及び存在状況を示す記憶情報テーブルを参照し、あるボタン電話機にて全てのID情報のエリア番号が“2”以外かを判定し(図5のS105)、“2”以外の場合(S105のYes)、シークレットモードをオンに設定し、記憶部15に記憶する(S106)。
【0055】
但し、全てのID情報に対して状態が“0”の場合には、本機能の対象外とし、シークレットモードのオン・オフは実施されない。
【0056】
また、いずれか1つ以上のID情報に対して状態が“2”であった場合(S105のNo)には、中央制御部11はシークレットモードをオフに設定し、記憶部15に記憶する(S107)。
【0057】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第2の実施例について説明する。
この第2の実施例においては、第1の実施例と、以下に示すボタン操作によるシークレットモードをオン又はオフする組合わせであり、第1の実施例で説明した部分は以下の説明では省略及び簡略化する。
【0058】
第1の実施例によれば、RFIDエリア内にRFIDタグが無い場合には、シークレットモードはオンになり、電話帳や通話履歴を見ることはできない。しかしながら、RFIDの付加された例えば社員証を偶然に家に置き忘れた様な場合には、RFIDタグはRFIDエリア外にあるが、自分のボタン電話機を使用しなければならない。
【0059】
その場合には、シークレットモードをオフにしたい人は、自分のボタン電話機例えば2−1の入力回路26からシークレットモードをオフするための機能ボタンを押してから、予め設定されている暗証番号を入力する。ボタン電話機2−1の制御部21は機能ボタン及び暗証番号が押されたことを認識し、データ送受信回路22から主装置1へボタン情報を送信する。
【0060】
この場合、ボタン電話機2−1は押されたキー情報のみを主装置1に送り、機能ボタン及び暗証番号の認識は主装置1で行っても良い。また、シークレットモードをオフする操作は、機能ボタンと暗証番号の組合わせでなく、ダイヤル操作等のその他の手段により行うことでも良い。
【0061】
これ以降の動作を図6に示す。
【0062】
図6は、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第2の実施例により、ボタン電話機2−1のシークレットモードをオフする動作フローチャートを示す図である。
【0063】
図2における主装置1の中央制御部11は内線回路14−1を経由してボタン電話機2−1から送信されたボタン情報を受信する(S401)。受信したボタン情報を記憶部15のボタン情報記憶エリアに記憶する(S402)。
【0064】
次に、ボタン情報がシークレットモードをオフする機能ボタン+暗証番号であったかを中央制御部11が判定し(S403)、そうであった場合には、記憶部15のボタン情報記憶エリアに“0”をセットする(S404)。
【0065】
次に、記憶部15のボタン情報記憶エリアが“0”以外かを中央制御部11が判定し(S405)、“0”以外でない場合(S405のNo)は、ID情報に関係なくシークレットモードをオフに設定し、記憶部15に記憶する(S409)。
【0066】
記憶部15のボタン情報記憶エリアが“0”以外の場合(S405のYes)は、記憶部15のID情報記憶エリア(図4)のID情報を読み出し(S406)、ある電話機にて全てのID情報に対して状態が“2”以外かを中央制御部11が判定し(S407)、“2”以外の場合(S407のYes)には、中央制御部11はシークレットモードをオンに設定し、記憶部15に記憶する(S408)。
【0067】
但し、全てのIDに対して状態が“0”の場合には、本機能の対象外とし、シークレットモードのオン・オフは実施されない。
【0068】
また、いずれか1つ以上のID情報に対して状態が“2”であった場合には(S407のNo)、中央制御部11はシークレットモードをオフに設定し、記憶部15に記憶する(S409)。
【0069】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第3の実施例について説明する。
【0070】
ボタン電話機2−1の操作によりシークレットモードをオンする場合には、シークレットモードをオンにしたい人は、図2におけるボタン電話機2−1の入力回路26からシークレットモードをオンするための機能ボタンを押す。ボタン電話機2−1の制御部21は機能ボタンが押されたことを認識し、データ送受信回路22から主装置1へボタン情報を送信する。
【0071】
この場合、ボタン電話機2−1は押されたキー情報のみを主装置1に送り、機能ボタンの認識は主装置1で行っても良い。また、シークレットモードをオンする操作は、機能ボタンでなく、ダイヤル操作等のその他の手段により行うことでも良い。
【0072】
これ以降の動作を図7に示す。
【0073】
図7は、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第3の実施例により、シークレットモードをオンする動作フローチャートを示す図である。
【0074】
図2における主装置1の中央制御部11は内線回路14−1を経由してボタン電話機2−1から送信されたボタン情報を受信する(S501)。受信したボタン情報を記憶部15のボタン情報記憶エリアに記憶する(S502)。
【0075】
ボタン情報がシークレットモードをオンする機能ボタンであったかを中央制御部11が判定し(S503)、そうであった場合には、記憶部15のボタン情報記憶エリアに“0”以外をセットする(S504)。
【0076】
次に、記憶部15のボタン情報記憶エリアが0以外かを中央制御部11が判定し(S505)、“0”以外でない場合(S505のNo)は、ID情報に関係なくシークレットモードをオフに設定し、記憶部15に記憶する(S509)。
【0077】
記憶部15のボタン情報記憶エリアが“0”以外の場合(S505のYes)は、記憶部15のID情報記憶エリア(図4)のID情報を読み出し(S506)、ある電話機にて全てのIDに対して状態が“2”以外かを中央制御部11が判定し(S507)、“2”以外である場合には(S507のYes)、中央制御部11はシークレットモードをオンに設定し、記憶部15に記憶する(S508)。
【0078】
但し、全てのIDに対して状態が“0”の場合には、本機能の対象外とし、シークレットモードのオン・オフは実施されない。
【0079】
また、いずれか1つ以上のID情報に対して状態が“2”であった場合には(S507のNo)、中央制御部11はシークレットモードをオフに設定し、記憶部15に記憶する(S509)。
【0080】
但し、使用する場所の状況により、いずれか1つ以上のID情報に対して状態が“2”であった場合でも、強制的にシークレットモードをオンするようにしても良い。
【0081】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第4の実施例について説明する。
【0082】
図8は、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第4の実施例の全体構成を示す図である。
【0083】
第1、第2及び第3の実施例においては、図1に示すボタン電話機2−1〜2−nの1台1台に、図2に示すRFIDリーダー/ライターを配置したが、必ずしも全てのボタン電話機にある必要は無い。
【0084】
図8においてはボタン電話機2−1と2−2を1つのグループとして、ボタン電話機2−1をRFIDリーダー/ライター付きのボタン電話機とし、ボタン電話機2−2をRFIDリーダー/ライターの付かないボタン電話機として、主装置1にてグループ管理を行うことにより、第1の実施例と同等の効果を得ることができる。
【0085】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第5の実施例について説明する。
【0086】
図9は、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第5の実施例の全体構成を示す図である。
【0087】
第1、第2、第3及び第4の実施例においては、RFIDリーダー/ライターをボタン電話機に配置したが、必ずしもボタン電話機にある必要はない。
【0088】
主装置1、主装置1と何らかの手段(有線接続、無線接続)により接続されたボタン電話機2−1〜2−n以外に、主装置1と何らかの手段(有線接続、無線接続)により接続された端末例えばRFIDリーダー/ライター端末29−1〜29−nを配置しても、RFIDリーダー/ライター端末29−1〜29−nとボタン電話機2−1〜2−nの組合わせを予め主装置1に登録して置くことにより、第1、第2、第3及び第4の実施例と同等の効果を得ることができる。
【0089】
また、この場合のRFIDリーダー/ライター端末29−1〜29−nとボタン電話機2−1〜2−nの組合わせは1対1でも良いし、複数のボタン電話機に対して1つのRFIDリーダー/ライターでも良い。
【0090】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第6の実施例を説明する。但し、図及び動作フローチャートは省略する。
【0091】
第1、第2、第3、第4及び第5の実施例においては、ボタン電話装置において実現しているが、必ずしもボタン電話装置である必要は無く、留守番機能付き電話機、FAX付き電話機等の一般電話機等においても実現が可能である。
【0092】
また、RFIDタグには、電池を持つものと、電池を持たずにRFIDリーダー/ライターからのRF信号によりパワーを得るものがあり、上記、第1、第2、第3、第4及び第5の実施例においては、電池を持たない例を記述しているが、何れの方式でも同様に可能である。
【0093】
次に、本発明による情報保秘機能を有する電話システムの第7の実施例を説明する。但し、図及び動作フローチャートは省略する。
【0094】
第1、第2、第3、第4、第5及び第6の実施例においては、使用者が居るか否かの確認にRFIDタグとRFIDリーダー/ライターを使用することにより実現しているが、必ずしもRFIDタグ及びRFIDリーダー/ライターを使用する必要は無く、ブルートゥース、省電力無線、微弱無線、無線LAN等の無線方式を使用しても実現が可能である。
【0095】
なお、以上の各実施例において、保秘する情報として、電話帳、発信履歴、着信履歴等を前提に説明しているが、本発明はこれに限るものではない。
【0096】
すなわちボタン電話機が留守番機能やメール通信機能を具備している場合、留守番メッセージやメール送受信文書等のボタン電話機2−1〜2−nまたは主装置1に残留する情報一般に対して、本発明により情報を保秘可能である。
【0097】
さらに転送等の各種設定情報を保秘可能であり、第3者による悪意の設定変更も防止できる。
【符号の説明】
【0098】
1…主装置、2−1〜2−n…ボタン電話機、3−1〜3−n…RFIDタグ、11…中央制御部、12…通話路スイッチ、13−1〜13−n…外線回路、14−1〜14−n…内線回路、15…記憶部、21…制御部、22…データ送受信回路、23…音声処理部、24…送受話器、25…スピーカ、26…入力回路、27…表示回路、28…RFIDリーダー/ライター、3…社員証、3−11…記憶部、29−1〜29−n…RFIDリーダー/ライター端末。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主装置と複数のボタン電話機から構成される電話システムにおいて、前記ボタン電話機は、無線通信により得たID情報を蓄積する1又は2以上の媒体のID情報を主装置へ通知する手段を備え、前記主装置は、ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体の該ID情報を判定対象とするか否かを予め記憶しておく記憶手段と、前記ボタン電話機から通知されたID情報が前記記憶手段に記憶されているID情報であるか否かを判定し当該ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体が前記ボタン電話機の近傍に存在し且つ前記通知されたID情報が判定対象とされているID情報であると判定した場合にシークレットモードを自動的に解除するシークレットモード自動解除手段を備えたことを特徴とする情報保秘機能を有する電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電話システムにおいて、前記ボタン電話機は、前記シークレットモードを手動で設定または解除の操作をする操作手段を備え、前記主装置は、該操作手段による操作を検出すると前記ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体の存在に関係なく前記シークレットモードを設定または解除する設定または解除手段を備えたことを特徴とする情報保秘機能を有する電話システム。
【請求項1】
主装置と複数のボタン電話機から構成される電話システムにおいて、前記ボタン電話機は、無線通信により得たID情報を蓄積する1又は2以上の媒体のID情報を主装置へ通知する手段を備え、前記主装置は、ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体の該ID情報を判定対象とするか否かを予め記憶しておく記憶手段と、前記ボタン電話機から通知されたID情報が前記記憶手段に記憶されているID情報であるか否かを判定し当該ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体が前記ボタン電話機の近傍に存在し且つ前記通知されたID情報が判定対象とされているID情報であると判定した場合にシークレットモードを自動的に解除するシークレットモード自動解除手段を備えたことを特徴とする情報保秘機能を有する電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電話システムにおいて、前記ボタン電話機は、前記シークレットモードを手動で設定または解除の操作をする操作手段を備え、前記主装置は、該操作手段による操作を検出すると前記ID情報を蓄積する1又は2以上の媒体の存在に関係なく前記シークレットモードを設定または解除する設定または解除手段を備えたことを特徴とする情報保秘機能を有する電話システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−78126(P2011−78126A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275426(P2010−275426)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【分割の表示】特願2005−127512(P2005−127512)の分割
【原出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【分割の表示】特願2005−127512(P2005−127512)の分割
【原出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】
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