説明

情報再生装置および再生速度制御方法

【課題】コンテンツのフレーム情報量を自動的に抽出し、抽出したフレーム情報量に応じてコンテンツの再生速度を調整することで、コンテンツを視聴者にとって最適な再生速度に自動変換して出力可能な情報再生装置および再生速度制御方法を提供すること。
【解決手段】情報再生装置は再生するコンテンツのフレーム情報量を検出する手段(108)と、再生するコンテンツの再生速度をフレーム情報量に基づいて調整する手段(109)とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は媒体に記録されている、あるいはインターネット等を介して供給された映像コンテンツを再生する情報再生装置および再生速度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DVDやHD DVD等のビデオ・ディスク、およびこれらを再生するプレーヤやHDD/DVDレコーダが急速に普及している。テレビ放送番組等のコンテンツデータもHDDやDVDに一度録画してから視聴するというスタイルが主流になってきた。このような状況において、視聴者にとっては膨大なコンテンツを視聴するための時間不足が大きな課題となっている。
【0003】
従来、ビデオテープレコーダ等の音声の再生を伴う情報再生装置においては、再生時にユーザが動画全体を短時間で見ることができるように倍速再生機能や高速早送り機能等が備えられている。一例として、再生時にユーザが見やすくなると共に聞きづらさを解消できる変速再生装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この装置では、映像データ及び音声データを含むコンテンツの記録手段への記録時に、コンテンツのシーンチェンジ毎に、シーンチェンジ間の区間コンテンツの内容を音声データ及び映像データ毎に複数の要素毎に分類してマップを作成して記録手段へ記録し、記録手段からのコンテンツの再生時に、再生される区間コンテンツに対応する音声データ及び映像データに関する要素をマップから読出して、当該区間コンテンツの再生速度を可変にする。具体的には、音声については会話部分、音楽・効果音部分、無音部分に分類し、映像については動きの激しい部分、中程度の動き部分、静止画に近い部分に分類して、これらの組み合わせで再生速度が決まる。
【0005】
一方、次世代HD DVDでは、単一の主映像に対して、関連する付加情報を含んだ複数種類の副映像が提供され、2種以上の副映像を同時表示させる等、バリエーションに富んだ視聴が可能となる。このような状況においては、フレーム当たりの情報量が増加するため、シーンに応じては通常よりも低速に再生させたいといった要求が生じてくる。
【特許文献1】特開2006−121570号公報(段落0024)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の装置は、コンテンツの記録時にマップを作成して記録しなければならず、作成のための回路を付加するハードウェア的な負担と、作成のための時間が必要であるという処理的な負担と、記録するための記憶エリアを余計に必要とする点が問題である。さらに、マップ作成のために一度コンテンツの記録を行うことが前提であるため、コンテンツの記録という操作自体が許可されていないコピープロテクションのかかったコンテンツ再生には適さないという問題もある。さらに、特許文献1記載の装置は、通常よりも低速に再生させたいといった要求に対処できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、コンテンツのフレーム情報量を自動的に抽出し、抽出したフレーム情報量に応じてコンテンツの再生速度を調整することで、コンテンツを視聴者にとって最適な再生速度に自動変換して出力可能な情報再生装置および再生速度制御方法を提供することである。
【0008】
本発明の一態様による情報再生装置は再生するコンテンツのフレーム情報量を検出する手段と、再生するコンテンツの再生速度を前記フレーム情報量に基づいて調整する手段とを具備するものである。
【0009】
本発明の他の態様による再生速度制御方法は再生するコンテンツのフレーム情報量を検出するステップと、再生するコンテンツの再生速度を前記フレーム情報量に基づいて調整するステップとを具備するものである。
【発明の効果】
【0010】
視聴者は途中で再生を中断することなく、コンテンツを短時間にかつ理解し易い速度で視聴することが可能となり、膨大なコンテンツを効率よく視聴することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明による情報再生装置の実施の形態を説明する。本発明はハードディスクHDDや光ディスクDVD等の情報記録媒体に記録されたコンテンツの再生や、インターネットでダウンロードしたコンテンツの再生に適用可能である。DVDやHD DVD等のビデオ・ディスクを再生するプレーヤやHDD/DVDレコーダに限らず、HDD内蔵のテレビジョン受像機に適用可能である。
【0012】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る情報再生装置のシステム全体の構成図を示す。受信部101は、ネットワーク経由でコンテンツデータを受信するための処理部である。ここで、ネットワークは衛生放送、地上波放送、CATV、IP放送などの放送波や、インターネット等による通信も含み、いずれかに限定されるものではない。
【0013】
システム制御部103は、本システムの各処理部の動作を統括的に制御するための処理部である。システム制御部103に接続されている操作部104は、リモコン等外部からの各種制御コマンドを受信し、システム制御部103に制御コマンドを渡すものである。制御コマンドとは、例えば、番組データの録画や録画した番組の再生等を指示するコマンドである。
【0014】
受信部101が受信したコンテンツデータは、システム制御部103から録画指示が発行された場合、エンコーダ102にてエンコードされ、ハードディスクドライブ105を介してハードディスクHに記録、または光ディスクドライブ106を介して光ディスクDに記録される。
【0015】
システム制御部103より、ハードディスクHまたは光ディスクDのコンテンツの再生指示が発行された場合は、各記録媒体から読み出されたコンテンツデータがデコーダ107でデコードされた後、出力制御部110に供給される。出力制御部110は、デコードされた映像データと音声データに含まれるPTS(Presentation Time Stamp)等の表示時刻に関する情報と、再生装置が持っているSTC(System Time Clock)の情報を用いて映像と音声の同期をとり、表示画面に出力する。以上が、通常再生の際のデータの流れである。
【0016】
本実施形態では、デコーダ107のデコード結果からフレーム情報量を定量的に抽出する処理部108と、抽出された情報量に応じて表示時刻情報PTS等で既定されている再生時刻/再生速度を調整、管理する再生速度管理部109をさらに備える。フレーム情報量とは各フレームの重要度に関するもので、そのフレームを視聴するのにどれだけ時間が必要かを示す。例えば、字幕を有するコンテンツの場合は、字幕映像である副映像のサイズ、字幕の文字数をフレーム情報量とすることができる。字幕の情報量が少ない場合は、再生速度を高速にしても問題ない。字幕の情報量が多い場合は、ゆっくり再生しないと字幕を読みきれない場合があるので再生速度は低速にすることが好ましい。これ以外に、動きベクトル、音声情報量等をフレーム情報量とすることもできる。ドラマで主人公を含む数人が見つめ合っているシーン等の動きが無い部分は高速で再生しても構わないが、動きが激しい場合は、情報量が多いので再生速度は低速にすることが好ましい。音声が少ないシーンは高速で再生しても構わないが、音声が多いシーンは聞き取れないことを回避するためにゆっくり再生することが好ましい。
【0017】
このように本実施形態では、情報量の少ないシーン(あまり重要でないシーン)のみをより高速に、情報量の多いシーン(重要なシーン)は視聴可能な範囲で高速に再生するよう自動的に調整する。これにより視聴者はコンテンツをノーカットで短時間に、かつ理解し易い速度で視聴可能となり、視聴効率が大幅に向上される。
【0018】
以下、具体例の一例として、フレーム情報量として副映像の表示領域サイズを利用する例を説明する。コンテンツには副映像がまったく存在しないシーンも多く含まれるが、副映像が存在しないシーンは高速再生し、副映像が存在するシーンはそのフレーム情報量に応じて再生速度を自動調整する場合について説明する。
【0019】
図2〜図18を参照してDVD規格の副映像のフォーマットを説明する。
【0020】
副映像を構成する副映像ユニット(SPU:Sub Picture Unit)は、図2に示すように、副映像ユニットヘッダ(SPUH:Sub−picture Unit Header)301、副映像ピクセルデータ(PXD:Pixel Data)302、表示制御シーケンステーブル(SP_DCSQT:SP Display Control Sequence Table)303から構成される。副映像ピクセルデータ(PXD)302は2ビット/1ピクセルである。表示制御シーケンステーブル(SP_DCSQT)303は表示制御シーケンSP_DCSQ#0〜#nからなる。
【0021】
副映像ユニットSPUの詳細なデータ構造を図3に示す。副映像ユニットヘッダ(SPUH)301はSPUの識別情報SPU_IDと、SPUのサイズSPU_SZと、DCSQTの先頭アドレスSP_DCSQT_SAを含む。副映像ピクセルデータ(PXD)302はランレングス圧縮されたピクセルデータである。HD DVD規格では、副映像データ(PXD)が8ビット/1ピクセルを別のランレングス圧縮規則に従って圧縮したフォーマットも定義されている。
【0022】
同一のPXDに対して、複数の表示制御シーケンSP_DCSQ#0〜#nが存在し得る。例えば、カラオケの字幕等、同一の表示文字を時間と共に色を変更したりスクロールして表示させたい場合の用途として、同一のPXDに対して複数のDCSQが存在する。
【0023】
各表示制御シーケンスSP_DCSQ#0〜#nは表示制御シーケンスSP_DCSQの開始時刻SP_DCSQ_STMと、次のSP_DCSQ先頭アドレスSP_NX_DCSQ_SAと、表示制御コマンドSP_DCCMDを含む。
【0024】
表示制御コマンドSP_DCCMDは表示開始タイミング強制設定コマンドFSTA_DSP(図6参照)と、表示開始タイミング設定コマンドSTA_DSP(図7参照)と、表示停止タイミング設定コマンドSTP_DSP(図8参照)と、カラーコード設定コマンドSET_COLOR(図9参照)と、コントラスト設定コマンドSET_CONTR(図10参照)と、表示領域設定コマンドSET_DAREA(図11参照)と、PXD先頭アドレス設定(SD)コマンドSET_DSPXA(図12参照)と、カラーコード/コントラスト変更コマンドCHG_COLCON(図13参照)と、PXD先頭アドレス設定(HD)コマンドSET_DSPXA2(図17参照)と、表示制御コマンドの終了コマンドCMD_END(図18参照)とを含む。
【0025】
ピクセルデータは図4に示すランレングス圧縮規則に従って圧縮されたビットマップデータである。ビットマップの各2bitのピクセルデータの割り当ては図5に示す通りである。背景ピクセルには00、パターンピクセルには01、強調ピクセル1には10、強調ピクセル2には11が割り当てられる。
【0026】
ランレングス圧縮ルールは同じ値のピクセルデータが連続(継続)する場合、その継続ピクセル数に応じて変わる。
【0027】
(1)4ビットが1つの単位(ユニット)として設定されるケース(図4(a))
同じ値の画素データ(ピクセルデータ)が1〜3連続する場合、最初の2ビットは、画素数(ピクセル数)を示し、次に続く2ビットで具体的なピクセルデータが表される。
【0028】
(2)8ビットが1つの単位として設定されるケース(図4(b))
同じ値のピクセルデータが4〜15連続する場合、最初の2ビットは、0とされる。そして次に続く4ビットがピクセル数を示し、次に続く2ビットで具体的なピクセルデータが表される。
【0029】
(3)12ビットが1つの単位として設定されるケース(図4(c))
同じ値のピクセルデータが16〜63連続する場合、最初の4ビットは、0とされる。そして次に続く6ビットがピクセル数を示し、次に続く2ビットで具体的なピクセルデータが表される。
【0030】
(4)16ビットが1つの単位として設定されるケース(図4(d))
同じ値のピクセルデータが64〜255連続する場合、最初の6ビットは、0とされる。そして次に続く8ビットがピクセル数を示し、次に続く2ビットで具体的なピクセルデータが表される。
【0031】
(5)16ビットが1つの単位として設定されるケース(図4(e))
同じ値のピクセルデータが1ラインの最後まで連続する場合、最初の14ビットは、0とされる。そして次に続く2ビットで具体的なピクセルデータが表される。
【0032】
表示開始タイミング強制設定コマンドFSTA_DSPは副映像の表示状態のオン/オフに関わりなく副映像ユニットの表示を強制的に開始させるコマンドであり、そのコードは図6に示すように00hである。
【0033】
表示開始タイミング設定コマンドSTA_DSPは副映像ユニットの表示を開始させるコマンドであり、そのコードは図7に示すように01hである。
【0034】
表示停止タイミング設定コマンドSTP_DSPは副映像ユニットの表示を停止させるコマンドであり、そのコードは図8に示すように02hである。
【0035】
カラーコード設定コマンドSET_COLORはピクセルデータの各ピクセルのカラーを設定するコマンドであり、そのコードは図9に示すように03hである。拡張フィールドに強調ピクセル2、強調ピクセル1、パターンピクセル、背景ピクセルのカラーコードが記述される。
【0036】
コントラスト設定コマンドSET_CONTRはピクセルデータの各ピクセルとメインピクセルとのコントラストを設定するコマンドであり、そのコードは図10に示すように04hである。拡張フィールドに強調ピクセル2、強調ピクセル1、パターンピクセル、背景ピクセルのコントラストが記述される。
【0037】
表示領域設定SET_DAREAコマンドはピクセルデータの表示領域を矩形で設定するコマンドであり、そのコードは図11に示すように05hである。拡張フィールドに矩形の表示領域の開始/終了点のX/Y座標を記述する。
【0038】
PXD先頭アドレス設定(SD)コマンドSET_DSPXAは表示の先頭ピクセルデータのアドレスを設定するコマンドであり、そのコードは図12に示すように06hである。拡張フィールドにトップ/ボトムフィールドのPXD先頭アドレスを記述する。
【0039】
カラーコード/コントラスト変更コマンドCHG_COLCONは再生中の各ビデオフレーム変更のピクセルデータのカラーとコントラストを変更するするコマンドであり、そのコードは図13に示すように07hであり、拡張フィールドに拡張フィールドのサイズとピクセルコントロールデータPXCDを記述する。
【0040】
ピクセルコントロールデータPXCDはピクセルデータのカラーとコントラストを制御するためのデータであり、図14に示すようにラインコントロール情報LN_CTLIとピクセルコントロール情報PX_CTLIとを含む。ラインコントロール情報LN_CTLIは同じ変更がなされるラインを指定するものであり、ピクセルコントロール情報PX_CTLIは変更がなされるライン上の位置を指定するものである。
【0041】
ラインコントロール情報LN_CTLIは図15に示すように変更開始ライン、変更点数、変更終了ラインを記述する。
【0042】
ピクセルコントロール情報PX_CTLIは図16に示すように変更開始点、変更終了点、変更後の強調ピクセル2、強調ピクセル1、パターンピクセル、背景ピクセルのカラー/コントラストを記述する。
【0043】
PXD先頭アドレス設定(HD)コマンドSET_DSPXA2は表示の先頭ピクセルデータのアドレスを設定するコマンドであり、そのコードは図17に示すように86hである。拡張フィールドにトップ/ボトムフィールドのPXD先頭アドレスを記述する。
【0044】
表示制御コマンドの終了コマンドCMD_ENDは表示制御シーケンスを終了させるコマンドであり、そのコードは図18に示すようにFFhである。
【0045】
図19を利用して再生速度を制御するための処理手順を説明する。
【0046】
ブロック201でデコーダ107はSTC/PTS値をシステム制御部103から取得する。
【0047】
ブロック202で補正係数を用いてSTCを補正する。補正後のSTCをSTC’とすると、補正は以下のように表される。
【0048】
STC’=STC×補正係数
補正係数は後述するブロック206で決定されるが、未だ決定されていない場合は、補正しない。
【0049】
ブロック203で副映像ユニットをデコードし、以下の式に基づき現在有効な(表示すべき)副映像ユニットSPU#とその表示制御シーケンスDCSQ#を求める。現在の副映像ユニットをSPU#nとし、SPU#nのPTSをPTS(SPU#n)とし、
STC’≧PTS(SPU#n)
ならば、次のSPU#n+1に進む。
【0050】
STC’<PTS(SPU#n)ならば、そのSPU#nが有効となる。
【0051】
有効なSPUが決まると、その表示制御シーケンスDCSQ#0〜#nの中から
STC’=PTS+(DCSQ_STM<<10)を満足する表示制御シーケンスDCSQ#を求める。なお、“DCSQ_STM<<10”とはDCSQ_STMを10ビット左シフトを意味する。DCSQ_STM<<10とPTSとを加算すると、表示しなければならない時間が分かる。
【0052】
ブロック204では求められたSPU#のDCSQ#をデコードする。
【0053】
ブロック205ではDCSQ#のデコード結果の中の表示領域設定コマンドSET_DAREA(図11)の中の矩形の副映像の表示領域の開始/終了点のX/Y座標に基づいて副映像の表示領域サイズ(画素数)を算出する。
【0054】
図20は副映像の最大有効表示領域を示す。副映像の表示領域をM行目からN行目のJ画素目〜K画素目までとすると、最大有効表示領域は以下のようになる。
【0055】
0≦Max_X≦719(SDコンテンツの場合)、1919(HDコンテンツの場合)
2≦Max_Y≦479(NTSC(SD)方式の場合)、574(PAL(SD)方式の場合)、1079(HDコンテンツの場合)
0≦J≦K≦Max_X
2≦M≦N≦Max_Y
ブロック206ではブロック205で算出した副映像の表示領域サイズに応じてSTC補正量を決定する。例えば、図21のような表示領域サイズと補正係数との関係を表すデータベースを予め用意しておいても良い。図21はフルHDサイズの場合の例であり、ここでは、副映像の表示領域サイズが全画面の1/2以上を占めている場合は×0.8(やや低速)、1/4以上〜1/2未満を占めている場合は×1.0(等速)、副映像が存在しない場合は×2.0(2倍速)と設定している。このデータベースは装置の出荷前に製造者が予め設定しても良いし、ユーザ操作により外部から指定可能としても良い。各表示領域毎の調整量や表示領域の分類数は図21に限定されず任意に変更してよい。
【0056】
ブロック207で再生終了指示が発行されたか否かを判定し、再生終了指示が発行されるまでブロック201からの処理を繰り返し実行する。
【0057】
以上説明したように、第1の実施によれば、再生したコンテンツからフレーム情報量を抽出し、情報量の少ないシーン(あまり重要でないシーン)のみをより高速に、情報量の多いシーン(重要なシーン)は視聴可能な範囲で高速に再生するようにコンテンツの再生速度を自動的に調整可能となる。このため、視聴者にとっては、コンテンツをノーカットで短時間に、かつ理解し易い速度で視聴可能となり、視聴効率が大幅に向上される。
【0058】
変形例
本発明は上述した実施の形態に限定されず、種々変形して実施可能である。例えば、上述の説明ではフレーム情報量は副映像の表示領域サイズとしたが、これに限らず、コンテンツに含まれる字幕情報の情報量(文字数等)、音声情報の情報量、フレームの動きベクトル等を用いても良い。また、高速再生を行う場合には、音声出力を自動的にオフにする機能を追加しても良い。再生速度調整用の図21のデータベースをユーザがコンテンツ毎に嗜好に応じて変更した場合、変更後のデータベースを不揮発性の記憶エリアにコンテンツに対応して記憶するようにしても良い。
【0059】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係る情報再生装置のシステム全体を示すブロック図。
【図2】副映像ユニットSPUのデータ構造を示す図。
【図3】副映像ユニットSPUの詳細なデータ構造を示す図。
【図4】副映像ピクセルデータPXDに適用されるランレングス圧縮ルールを示す図。
【図5】副映像ピクセルデータPXDの割当てを示す図。
【図6】表示開始タイミング強制設定コマンドFSTA_DSPのデータ構造を示す図。
【図7】表示開始タイミング設定コマンドSTA_DSPのデータ構造を示す図。
【図8】表示停止タイミング設定コマンドSTP_DSPのデータ構造を示す図。
【図9】カラーコード設定コマンドSET_COLORのデータ構造を示す図。
【図10】コントラスト設定コマンドSET_CONTRのデータ構造を示す図。
【図11】表示領域設定コマンドSET_DAREAのデータ構造を示す図。
【図12】PXD先頭アドレス設定(SD)コマンドSET_DSPXAのデータ構造を示す図。
【図13】カラーコード/コントラスト変更コマンドCHG_COLCONのデータ構造を示す図。
【図14】ピクセルコントロールデータPXCDの内容を示す図。
【図15】ラインコントロールデータLN_CTLIの内容を示す図。
【図16】ピクセルコントロールデータPX_CTLIの内容を示す図。
【図17】PXD先頭アドレス設定(HD)コマンドSET_DSPXA2のデータ構造を示す図。
【図18】表示強制終了コマンドCMD_ENDのデータ構造を示す図。
【図19】再生速度制御の処理フローを示す図。
【図20】副映像の有効表示領域を示す図。
【図21】再生速度調整用のデータベースを示す図。
【符号の説明】
【0061】
101…受信部、102…エンコーダ、103…システム制御部、104…操作部、105…ハードディスクドライブ、106…光ディスクドライブ、107…デコーダ、108…フレーム情報量抽出部、109…再生速度管理部、110…出力制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生するコンテンツのフレーム情報量を検出する手段と、
再生するコンテンツの再生速度を前記フレーム情報量に基づいて調整する手段と、
を具備する情報再生装置。
【請求項2】
再生するコンテンツの単位情報から取得した表示時刻情報をシステムタイムクロックと比較することにより単位情報の再生タイミングを決定する再生制御手段をさらに具備し、
前記調整手段は前記システムタイムクロックを前記フレーム情報量に基づいて調整し、
前記再生制御手段は前記表示時刻情報と調整後のシステムタイムクロックとを比較することを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
【請求項3】
前記調整手段は前記フレーム情報量が少ない程再生速度を高速に、フレーム情報量が多い程再生速度を低速に調整することを特徴とする請求項2記載の情報再生装置。
【請求項4】
前記調整手段はフレーム情報量と調整量との関係を予め設定したデータベースを含み、該データベースはユーザ操作により変更可能であることを特徴とする請求項3記載の情報再生装置。
【請求項5】
前記検出手段は再生するコンテンツに含まれる副映像の表示領域のサイズ、字幕情報の情報量、音声情報の情報量、フレームの動きベクトルの少なくともいずれかに基づいてフレーム情報量を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の情報再生装置。
【請求項6】
前記検出手段は副映像ユニットの表示制御シーケンスに含まれる表示領域設定コマンドのデコード結果に基いて副映像の表示領域のサイズを求める手段を具備することを特徴とする請求項5記載の情報再生装置。
【請求項7】
再生するコンテンツのフレーム情報量を検出するステップと、
再生するコンテンツの再生速度を前記フレーム情報量に基づいて調整するステップと、
を具備する再生速度制御方法。
【請求項8】
再生するコンテンツの単位情報から表示時刻情報を取得するステップと、
前記表示時刻情報をシステムタイムクロックと比較することにより単位情報の再生タイミングを決定するステップをさらに具備し、
前記調整ステップは前記システムタイムクロックを前記フレーム情報量に基づいて調整し、
前記再生タイミング決定ステップは前記表示時刻情報と調整後のシステムタイムクロックとを比較することを特徴とする請求項7記載の再生速度制御方法。
【請求項9】
前記調整ステップは前記フレーム情報量が少ない程再生速度を高速に、フレーム情報量が多い程再生速度を低速に調整することを特徴とする請求項8記載の再生速度制御方法。
【請求項10】
前記調整ステップはフレーム情報量と調整量との関係を予め設定したデータベースに基づいて調整量を決定し、
前記データベースはユーザ操作により変更可能であることを特徴とする請求項9記載の再生速度制御方法。
【請求項11】
前記検出ステップは再生するコンテンツに含まれる副映像の表示領域のサイズ、字幕情報の情報量、音声情報の情報量、フレームの動きベクトルの少なくともいずれかに基づいてフレーム情報量を検出することを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか一項記載の再生速度制御方法。
【請求項12】
前記検出ステップは副映像ユニットの表示制御シーケンスに含まれる表示領域設定コマンドのデコード結果に基いて副映像の表示領域のサイズを求めることを特徴とする請求項11記載の再生速度制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−182803(P2009−182803A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20948(P2008−20948)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】