説明

情報再生装置及び情報再生方法

【課題】より少ないリトライ処理回数でリトライ条件の最適な並べ替えを実現する方法、更に前回のリトライまでで読み出したデータを保持するリトライ処理でも同様にリトライ設定の採用順序を最適な順序に並べ替える方法を提供する。
【解決手段】各リトライ再生時に各設定で読み出しを行った結果の誤り訂正結果もしくは誤り検出結果を求め、リトライ再生成功後にその結果に基づいて各リトライ再生条件の優劣を判別し、優れている再生条件ほど優先的に選択されるようにリトライ条件の選択順序を並べ替える。また、バッファメモリー内に通常再生時のデータ領域とは別にリトライ再生用のデータ格納領域を設け、リトライ再生時の誤り訂正や誤り検出はリトライ用のデータ格納領域に対して行う一方で、リトライ設定におけるリードが完了すると、誤りが無くなったデータ部分を通常再生領域に複写し、通常再生領域に誤りがないデータを蓄積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてデータストレージ媒体からのデータ読み出し技術に関し、特にリトライ再生処理に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術として、例えば、特許文献1(特開平11−66763号公報)と特許文献2(2001−307434号公報)がある。特許文献1の要約の課題には、「リトライ処理の繰り返し回数を減少させることが可能であるデータディスクの読み出し方法および読み出し手順を記録した記録媒体を提供する」と記載され、解決手段には、「データディスクの任意の読み出しアドレスにおいてエラーが発生した際にリードリトライ処理を実行するにあたって、当該読み出しアドレスにおけるリードリトライ記録の有無を検索し、当該読み出しアドレスにおけるリードリトライ記録が存在しない場合には予め設定される所定のパラメータに基づいてリードリトライ処理を実行するとともに存在する場合には当該リードリトライ記録に対応して記録された複数のパラメータの内の1つを所定の順序で採用してリードリトライ処理を実行し、複数のパラメータの各々に対してリトライの成功回数を付与し、複数のパラメータの各々のリトライの成功回数が大きい順となるように採用順序を入れ替える」と記載されている。
【0003】
また、特許文献2の要約の課題には、「訂正不可能なエラーが発生した領域についてデータを再び再生して書き直す場合に、確実にエラーレートを改善する」ことが記載され、解決手段として、「記録媒体の一部分を標準速よりも高速で再生して再生データを得て、少なくとも2種類の誤り訂正符号を用いて再生データの誤り訂正を行い、誤り訂正の成否に関する情報を記憶する。誤りを訂正できなかった再生データが存在する場合に、記録媒体の部分を再び高速再生して再生データを得て、記憶された誤り訂正の成否に関する情報に基づいて再生データを書き換える」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−66763号公報
【特許文献2】特開2001−307434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CD(Compact Disc), DVD(Digital Versatile Disc), BD(Blu-ray Disc)をはじめとしたデータ記録媒体の再生処理では、媒体上に記録されたデータパターンをピックアップ装置(磁気記録媒体であれば磁気ヘッド)で走査して得た電気信号を元に、デジタルデータを得る。多くの場合においては、この課程で発生するデータ誤りを訂正できるように、記録されたデジタルデータには誤り訂正符号が付加されているが、この誤り訂正符号でもデジタルデータを復元できなかった場合においては、当該箇所の復元が可能となるまで同一箇所の再生処理を行う、リードリトライ処理と呼ばれる処理を行う。しかし、特にこれらのデータ記録媒体から動画や音声を再生する用途においては、リードリトライ回数が大きくなると必要とするデータの転送レートを確保できず、画像や音声の乱れを招くこととなるので、なるべく小さい回数でリードリトライを成功させることが求められる。
【0006】
これに対して、特許文献1ではデータディスクの任意の読み出しアドレスにおいてエラーが発生した際にリードリトライ処理を実行するにあたって、当該読み出しアドレスにおけるリードリトライ記録の有無を検索し、当該読み出しアドレスにおけるリードリトライ記録が存在しない場合には予め設定される所定のパラメータに基づいてリードリトライ処理を実行するとともに存在する場合には当該リードリトライ記録に対応して記録された複数のパラメータ内の1つを所定の順序で採用してリードリトライ処理を実行し、複数のパラメータの各々に対してリトライの成功回数を付与し、複数パラメータの各々のリトライ成功回数が大きい順となるように採用順序を入れ替えることによって、リトライの成功までの回数を減らす発明が記載されている。
【0007】
また、本問題に関する別の発明が特許文献2に記載されている。特許文献2にはリードリトライ処理を効率的に行う方法と装置に関して記載されている。これによれば、記録媒体の一部分を標準速よりも高速で再生して再生データを得て、誤り訂正の成否に関する情報を記憶するとともに、誤りを訂正できなかった再生データが存在する場合に、記録媒体の部分を再び高速再生して再生データを得て、記憶された誤り訂正の成否に関する情報に基づいて再生データを書き換えることによって、訂正不可能なエラーが発生した領域についてデータを再び再生して書き直す場合におけるエラーレートの改善を図っている。
【0008】
ところが、特許文献1記載の方法では、リトライの成功回数が大きい順となるように採用順序の並べ替えを行っているが、このようにして最適な順序に並べ替えを行うためには多くのリトライ処理を行わなくてはならない。
【0009】
更に、特許文献2記載の方法では、前回のリトライまでで読み出しにデータを保持するため、あるリトライ設定でリトライ再生に成功するためには、それまでのリトライ設定すべてで読み出しに失敗したデータさえ読み出しに成功すればよい。このため、リトライ再生に成功した最後の設定が必ずしも最善とは限らない。したがって、特許文献1記載の方法のようにリトライの成功回数によって最適な順序に並べ替えを行う処理と組み合わせることはできない。
【0010】
これらに対し、本発明では特許文献1記載の方法よりも少ないリトライ処理回数でリトライ条件の最適な並べ替えを実現する方法を提供することが本発明の第一の課題である。さらに、前回のリトライまでで読み出しにデータを保持するリトライ処理においても、同様にリトライ設定の採用順序を最適な順序に並べ替えることができる方法を提供することが第二の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は、一例として、特許請求の範囲に記載の発明により解決できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、より少ないリトライ処理回数でリトライ条件の最適な並べ替えを実現することができる。また、本発明によれば、前回のリトライまでで読み出しに成功したデータを保持する効果を得ながら、リトライ設定の採用順序を最適な順序に並べ替えることができる方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のドライブ装置の構成図である。
【図2】セクタ構造を示した図である。
【図3】誤り訂正符号の付加形式を表した図である。
【図4】リトライ設定リストの一例である。
【図5】誤り訂正結果フラグテーブルの一例である。
【図6】リトライリスト参照順序テーブルの一例である。
【図7】実施例1でのデータ格納処理の一例である。
【図8】実施例1でのリトライ順序更新処理である。
【図9】実施例2におけるメモリーコントローラーの構成例である。
【図10】実施例2におけるデータ格納処理の一例である。
【図11】実施例2でのリトライ順序更新処理の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に従う情報再生装置の実施の形態について説明する。実施形態の一例では、各リトライ再生を行う際に、各設定で読み出しを行った結果の誤り訂正結果もしくは誤り検出結果を求め、リトライ再生に成功した後にその結果に基づいて各リトライ再生条件の優劣を判別し、優れていると判断される再生条件ほど優先的に選択されるようにリトライ条件の選択順序を並べ替える。これにより、より少ないリトライ処理回数でリトライ条件の最適な並べ替えを実現することができる。
【0015】
また、他の一例では、バッファメモリー内のデータ配置に関して、通常再生時のデータ領域とは別にリトライ再生用のデータ格納領域を設け、リトライ再生時の誤り訂正や誤り検出はリトライ用のデータ格納領域に対して行う。これによって、前回のリトライ処理での結果に影響されず、リトライ再生条件の優劣指標とできる誤り訂正結果や誤り検出結果を得ることが可能となる。その一方で、リトライ設定におけるリードが完了するとともに誤りが無くなったデータ部分のみを通常再生領域に複写する手段を設ける。これによって、通常再生領域に誤りがないデータを蓄積することが可能である。
さらに、これらの例に従って得られた誤り訂正結果や誤り検出結果に基づいてリトライ再生条件の選択順序を並べ替えることができる。
【0016】
以下、実施例を詳しく説明する。
【0017】
(ディスクのデータ形式)
本発明の中心であるリードリトライ処理に関する説明の前に、前提とするディスクのデータ形式について説明する。
【0018】
誤り訂正符号などを除いた基本部分データは65536バイト(32セクタ)のユーザデータを単位として生成され、次の5手順で生成される。
生成手順1: 2048バイト(1セクタ)ごとのユーザデータに対して、4バイトのエラー検出符号(EDC)を付加する
生成手順2: 生成手順1によって得られたデータを32個集めて図2に表される192行x348列の形式に並べる
生成手順3: 生成手順2で得られたデータに対して、スクランブルを行う
生成手順4: 生成手順3で得られたデータに対して、348行の各々に対して縦方向に192バイトのデータに対して32バイトのパリティの付加を行う。このパリティの付加されたデータ単位を誤り訂正符号(ECC)とよぶ。得られたデータは、図3に示すような224行x 348列の構成となる。この構成はECCブロックと呼ぶ。
生成手順5: 生成手順4で得られたデータに対して、インターリーブを行う
このようにして求めたデータに対して変調処理を行うことによって、ディスク(101)に記録するデータが生成される。
【0019】
逆に、ディスクから読み出した再生信号から二値化判別回路(109)によって判別した二値化データから、ホスト機器(118)に転送するデータを再生する手順は次のとおりである。
再生手順1: ディスクから読み出したデータを復調する。
再生手順2: ECCブロックをデインタリーブする。
再生手順3: 誤り訂正を行う。訂正に失敗した場合、リトライ再生処理に移行する。
再生手順4: 再生手順4で得られたデータに対してデスクランブルを行う。
再生手順5: 再生手順5で得られたデータに対して誤り検出を行う。誤りが検出された場合、リトライ再生処理に移行する。
再生手順5によって、誤りが検出されなければ、記録されたデータが正しく復元できたことになる。
以上がディスクに記録されたデータ形式の生成手順ならびに再生手順の概略である。
【0020】
(光ディスク再生装置の構成)
つぎに、リトライ再生処理に関する説明の前に、前提とする光ディスク再生装置の構成に関して説明する。
【0021】
図1に光ディスク再生装置の構成例を示す。
(101)はディスク、(102)は光ピックアップ、(103) はサーボ信号生成回路、(104) はサーボ補償器、(105) は等化回路1、(106) はA/D変換回路、(107) はPLL回路、(108) は等化回路2、(109) は二値化判別回路、(110) は復調回路、(111) はメモリーコントローラー、(112) はバッファメモリー、(113) は誤り訂正回路、(114) はホストインタフェース、(115) はマイコンインタフェース、(116) はマイクロプロセッサ、(117) はデータメモリー、(118) はホスト機器、(119)はプログラムメモリー、(120)はリトライ設定リスト、(121)は誤り訂正結果フラグテーブル、(122)はリトライリスト参照順序テーブル、(123)はリトライカウンタである。
【0022】
ディスク(101)は図示しないスピンドルモータによって回転しており、記録膜には螺旋状のトラック上に記録データに対応した二値化パターンが配置されている。光ピックアップ(102)は、ディスク(101)上に記録された二値化パターンに対して合焦するようにレーザ光を照射するとともに、戻り光量によって振幅が変化する電気信号に変換する。
【0023】
サーボ信号生成回路(103) では、光ピックアップ(102)で検出された電気信号から、レーザ光の焦点位置のディスク面に対する垂直方向のずれ量に対応するフォーカスエラー信号や、半径方向のずれ量に対応するトラッキングエラー信号をはじめとしたサーボ誤差信号と二値化データに対応した再生信号を得る。サーボ補償器(104) はサーボ誤差信号に基づいたフィードバック制御を安定して行うために周波数特性を調整するデジタルフィルタ回路であり、この出力は図示しないドライバ回路を通して光ピックアップ(102)に内蔵されたトラッキングアクチュエータやフォーカシングアクチュエータを駆動し、サーボ誤差信号を小さくするように制御する。
【0024】
等化回路1 (105)は光ピックアップによって得られた再生信号を入力として、後段での処理に適したように波形等化を行うアナログフィルタ回路である。A/D変換回路(106)は、等化回路1 (105)によって波形等化された再生信号をPLL回路(107)で生成されるクロックのタイミングにおいてサンプリングとA/D変換を行う。PLL回路(107)はA/D変換回路(106)でサンプリングされた再生波形から、理想とするサンプリング時刻との実際のサンプリング時刻との間の誤差量を検出し、これを抑圧するように可制御発振器の発振クロックを制御することによってA/D変換回路(106)に入力された再生信号に位相同期したクロックを得る。等化回路2(108)はA/D変換回路(106)によって量子化・標本化された再生信号を入力として、二値化判別回路(109)を用いた二値化データ判別に適するように波形等化を行う、デジタルフィルタ回路である。二値化判別回路(109)は等化回路2(108)の出力波形から、ディスク(101)に記録された二値化パターンを判別する回路である。
【0025】
復調回路(110) はディスク規格によって予め定められた変調則にしたがって、二値化判別回路(109)によって得られたデータ列に対して復調を行い、メモリーコントローラー(111)を通してバッファメモリー(112) に復調データを格納する。誤り訂正回路(113)は、バッファメモリー(112)に格納された復調データに対して誤り訂正を行い、訂正したデータをバッファメモリー(112)に上書きし、続いて訂正されたデータに対してデスクランブルと誤り検出を行う。ホストインタフェース(114)は誤り訂正回路(113)によって誤りデータが訂正され、誤り検出によって誤りデータが無いと判定されたデータをホスト機器(118)に転送する。メモリーコントローラー(111)は復調回路(110), 誤り訂正回路(113) やホストインタフェース(114)などからのバッファメモリー(112)へのデータの格納要求と読み出し要求に従って、アクセス優先順位に従ったアクセス権の調停や、バッファメモリー(112)に対するアドレス信号生成、ライトイネーブル信号、書き込みデータ、読み出しデータの転送の制御を行う。
【0026】
マイコンインタフェース(115)は、マイクロプロセッサ(116)から各機能回路へのレジスタライトを初めとした設定機能および各機能回路からマイクロプロセッサ(116)へのレジスタリードを初めとした内部状態取得のためのインタフェース回路である。マイクロプロセッサ(116)は、(119)はプログラムメモリーに格納された処理プログラムに従ってドライブ装置のソフトウェア制御を行う。データメモリー(117)はマイクロプロセッサ(116)からアクセス可能な書き換え可能なメモリー素子であり、マイクロプロセッサ(116)の処理に用いる更新を要する各種データの格納に用いる。データメモリー(117)は、図1のようにマイクロプロセッサに直接接続せずに、バッファメモリー(112)内にこの目的の領域を割り当ててもよい。プログラムメモリー(119)はマイクロプロセッサ(116)の処理プログラムを格納するメモリー素子である。この処理プログラムにはリトライ設定リスト(120)の情報が含まれる。
【0027】
なお前述のように、本実施例のデータ形式には誤り訂正符号(ECC)と、誤り検出符号(EDC)が付加されている。本形態の誤り訂正回路(113)はこれらに対する誤り訂正処理と誤り検出処理を行うとともに、訂正処理の結果として以下の2つの情報をマイクロプロセッサ(116)が取得できるようにする。取得の手段としては、レジスタに表示してもよいし、バッファメモリー(112)に格納してもよい。
【0028】
マイクロプロセッサ(116)が取得できるようにする誤り訂正結果情報
・ECCブロックの訂正処理によって、1ブロックあたりの訂正不能と判定されたECCの有無
・1ブロックあたりのEDCによって誤りが検出された全てのセクタ位置を表す情報
また、リトライ設定リスト(120)は、設定番号とそれに対応した各種ドライブパラメータとのテーブルを有する。図4に示す例において、G_FCS、G_TRK、EQ1BST、EQ1FCH、EQ1FCLはそれぞれFocusingサーボゲイン設定、Trackingサーボゲイン設定、波形等化器1ブースト量設定、波形等化器1高域カットオフ周波数設定、波形等化器1低域カットオフ周波数設定であり、設定番号に対応付けた配列となっている。
【0029】
誤り訂正結果フラグテーブル(121)は当該ブロック再生時の誤り訂正符号もしくは誤り検出符号ごとの結果を表すフラグを、リトライ番号ごとに並べたテーブルである。誤り訂正であれば、訂正可否でフラグを判定すればよく、誤り検出であれば誤りシンボルの有無によってフラグを判定すればよい。図5に示す例では、縦方向をリトライ回数として、横方向に1ブロックを成す32セクタとして、誤り検出結果EDCNG(I,j) (Iはリトライ回数,jはセクタ番号)を並べた二次元配列を成している。
リトライカウンタ(123)は当該再生位置におけるリトライ回数を示すカウンタ値であり、リトライ再生処理に失敗した場合にインクリメントし、成功した場合に0に戻す。
【0030】
リトライリスト参照順序テーブル(122)はリトライパラメータの実行される順序とリトライ設定リスト(120)の設定番号を対応付けるテーブルであり、マイクロプロセッサ(116)はリトライ再生処理に失敗しリトライカウンタ(123)を更新するとともに、 更新されたカウント値とリトライリスト参照順序テーブル(122)に基づいてリトライ設定リスト(120)の設定番号を探索し、該当するパラメータを設定して、リトライ再生を再試行する。図6に示す例では、リトライカウンタ(123)が1のときは、リトライ設定番号3のリトライ設定を行い、リトライカウンタ(123)が2のときはリトライ設定番号5の設定、リトライカウンタ(123)が3のときはリトライ設定番号2の設定をそれぞれ行う。
【実施例1】
【0031】
本発明の実施例1に関して以下に記す。
【0032】
(データの格納処理)
図7は本発明における、復調回路(110)により復調されたデータをメモリーコントローラー(111)を介してバッファメモリー(112)に格納し、誤り訂正回路(113)による処理を経てホスト機器(118)へ転送されるまでのデータ格納処理の一例を表している。
【0033】
(700)はリード開始のステップである。具体的には、次の4ステップをさらに包含する。
ステップ1:ホストインタフェース(114)を介してホスト機器(118)からデータ読出し要求を受ける
ステップ2: データ読出し要求に従い、ディスク(101)上の指定領域にレーザ光を照射する。
ステップ3: 得られた戻り光を電気信号に変換し、再生信号等化回路1(105)から二値化判別回路(109)に至る処理を経て、ディスク(101)に記録されたマークのパターンを判別する。
ステップ4: 得られたデータを復調回路(110)によって復調を行う。
【0034】
(701) はバッファメモリー(112)にデータを格納するステップである。本実施例では復調回路(110)によって復調されたデータに対して、デインタリーブを行いつつバッファメモリー(112)に格納する。
【0035】
(704)はECCの誤り訂正を行う処理である。本処理は誤り訂正回路(113)がバッファメモリー(112)に格納されたデータに基づいて行う。訂正されたシンボルデータはバッファメモリー(112)に再格納する。
【0036】
(705)はECC訂正不能情報を得るステップである。より具体的には、誤り訂正回路(113)でのECC訂正を行った結果の訂正不能ECC情報をマイクロプロセッサ(116)が得る。
【0037】
(706)はEDCによるエラー検出処理を行うステップである。本処理は誤り訂正回路(113)がバッファメモリー(112)に格納されたデータに基づいて行う。
【0038】
(707)は訂正結果フラグ(EDC_NG)を取得するステップである。より具体的には、誤り訂正回路(113)での誤り検出処理を行った結果の誤り検出EDC情報をマイクロプロセッサ(116)が取得する。誤り検出の失敗が実質的に無視できる場合においては、EDCでの誤り検出結果を採用しても良いし、EDCによる誤り検出漏れの発生を考慮するならば、(705)のステップで得られる訂正不能ECC情報に基づき、EDCによる誤り検出によってエラーが検出されなかった場合のみでなくECCでの誤り訂正にも成功した場合のみにおいてEDC_NGを0になるように設定するように、ECCの訂正結果も考慮して訂正結果フラグ(EDC_NG)を決めても良い。すなわち、図2の例によれば、シンボルd(0,0)からシンボルd(2051,0)のなすセクタに関しては、この間のセクタに対するEDCでの誤り検出結果に関してエラーが発生していないこと加えて、当該セクタをなすECC(0)からECC(10)のすべてにおいて訂正不能が発生していないことがEDC_NG=0とする条件であり、これ以外においてEDC_NG=1とする。同様に、シンボルd(0,1)からd(2051,1)がなすセクタに関しては、当該セクタでの誤り検出結果に関してエラーが発生していないこと加えて、ECC(10)からECC(21)のすべてにおいて誤り訂正不能ではないことがEDC_NG=0とする条件である。
(709)は訂正不能と判定されたECCの有無を判別するステップである。訂正不能と判定されたECCが存在すれば、リトライ処理に移行し、存在しなければ後段の処理に移行する。
(710)は取得された誤り検出結果フラグEDC_NGに従い、誤りが検出されたか否かを判別するステップである。誤りが存在すると判定されたECCが存在すればリトライ処理に移行し、存在しなければ後段の処理に移行する。
(711)はホストへデータを転送行うとともに、リトライリスト参照順序テーブル(112)を更新するステップである。
(712)はリトライ番号更新するステップである。
(713)はリトライ参照順序テーブル(122)を参照して、リトライ設定番号を取得するステップである。
(714)はリトライ設定リスト(120)を参照し、リトライ設定番号に応じたパラメータを設定するステップである。
【0039】
斯様にすれば、リトライ回数に応じてリトライ参照順序テーブル(122)およびリトライ設定リスト(120)に従った順序および設定でのリトライ再生処理が可能である。
(リトライ順序更新処理)
次に、本実施例におけるリトライ順序更新処理(712)について、図8を用いて説明する。なお、ここではリトライ再生に成功するまでに要した回数をN回としている。また、nは更新するリトライ順序の番号としている。
【0040】
(801)は,リトライ順序テーブル(122)を取得するとともに、更新する前にデータメモリー(117)の別の領域に退避するステップである。
(802)は次のステップ(803)でのサーチ対象設定を初期化し、リトライ順序1からNのすべてに設定するステップである。
(803)はサーチ対象のリトライ設定の中から、EDCNG=1(誤りが存在すると判定されたセクタ)の数がもっとも少なかったリトライ設定番号をサーチするステップである。
(804)は、ステップ(803)によってサーチされた結果のリトライ設定番号が、次回のリトライ順序n番目に対するリトライ設定となるようにリトライ順序テーブル(102)を更新するステップである。
(805)は、ステップ(803)によってサーチされた結果のリトライ設定番号をリトライ順序n+1番目以降に対するサーチ対象から除外するステップである。
(806)は、更新するリトライ順序の番号nがリトライ再生に成功するまでに要した回数Nに達したか否かを判定するステップであり、達していない場合は、ステップ(807)によってnの値をインクリメントしたのち(803), (804), (805)の各ステップを再実行する。またリトライ再生に成功するまでに要した回数Nに達した場合はリトライ順序更新を終了する。
【0041】
斯様な処理によって、リトライ順序テーブル(122)はリトライ成功後、EDCによる誤り検出セクタ数が少ない順、すなわち、当該領域での再生性能が良好であると判断される順で早いリトライ順序で実行されるように更新することができる。
【0042】
また、図8では1 ブロック内の誤り検出セクタ数を指標としてリトライ順序テーブル(122)を更新する例について記述したが、ECCでの誤り訂正不能となるケースがEDCでの誤り検出において誤りが存在するケースとほとんど等価であると見なすならば、EDC_NGの代わりにECCの誤り訂正不能数を指標として同様なリトライ順序テーブル(122)の更新処理を行ってもよい。
【0043】
以上に記したデータの格納処理とリトライ順序更新処理によって、各リトライ再生を行う際に、各設定で読み出しを行った結果の誤り訂正結果もしくは誤り検出結果を求め、リトライ再生に成功した後にその結果に基づいて各リトライ再生条件の優劣を判別し、優れていると判断される再生条件ほど優先的に選択されるようにリトライ条件の選択順序を並べ替えられる。
【0044】
このようにして、少ないリトライ処理回数でリトライ条件の最適な並べ替えを実現する方法を提供することが実現可能である。
【実施例2】
【0045】
次に、実施例2を以下に記す。
【0046】
(メモリーコントローラー(111)およびバッファメモリー(112)の構成)
本実施例におけるメモリーコントローラー(111)の一例を図9に示す。
メモリーコントローラー(111)は再生モード設定手段(901)、アクセス制御手段(902)、データコピー手段(903)、メモリアドレス生成手段(904)、セレクタ(905)とを有する。また、バッファメモリー(112)には通常リードデータ格納領域(906)とリトライ用格納領域(907)を有する。
【0047】
再生モード設定手段(901)は通常再生(リトライを行う前の再生処理)か、リトライ再生かを設定する手段であり、たとえばマイクロプロセッサ (116)によって書き込み可能なレジスタである。
【0048】
アクセス制御手段 (902)は、復調回路(110)、誤り訂正回路(113) 、ホストインタフェース(114)からのバッファメモリー(112)へのアクセス要求にしたがって、バッファメモリー(112)との間のデータの書き出しと読み出しの制御を行う。また、アクセスを要求されたデータに関するブロック内での位置情報(シンボル位置情報)をメモリアドレス生成手段(904)に出力する。
【0049】
データコピー手段(903)は、マイクロプロセッサ(116)からのデータコピーコマンドにしたがって、アクセス制御手段 (902)に対して、マイクロプロセッサ(116)の指定する領域に対する読み出しと別の領域に対する書き出しの要求を発行する。
【0050】
メモリアドレス生成手段(904)は、アクセス制御手段 (902)の生成したシンボル位置情報を受けて、通常リードデータ格納領域アドレスとリトライ用格納領域アドレスの二種類のアドレス情報を生成する。
【0051】
セレクタ(905)はメモリアドレス生成手段(904)によって生成された通常リードデータ格納領域アドレスとリトライ用格納領域アドレスのうち一方を選択し、バッファメモリー(112)へ出力する。より具体的には、再生モード設定手段(901)での選択結果がリトライ処理であり、かつアクセス要求の種別が復調データの格納、誤り訂正/検出, データコピー読み出しのいずれかのときはリトライ用格納領域アドレスを選択し、これら以外の場合は通常リードデータ格納領域アドレスを選択する。
【0052】
通常リードデータ格納領域(906)はメモリアドレス生成手段(904)の生成するアドレス信号のうちの通常リードデータ格納領域アドレスに対応するデータ格納領域であり、初回再生時のデータの格納と、リトライ時のデータに、誤り検出で誤りが検出されたかったデータをコピーして上書きするためのデータ格納領域である。
【0053】
一方で、リトライ用格納領域(907)はリトライ用格納領域アドレスに対応したデータ格納領域であり、主としてリトライ処理における復調データの格納に用いる。
【0054】
(データの格納処理)
本実施例でのデータ格納処理では、通常リードの場合とリトライ再生の場合におけるバッファメモリー(112)上の格納領域を分けてデータ格納および誤り訂正・検出処理を行い、リトライ再生処理において誤りが検出されなかったデータのみを通常リードデータ格納領域(906)に移す。これによって、通常リード領域にエラーのないデータを効率よく格納し、少ない回数でのリトライ再生完了を実現する。また一方で、リトライ用格納領域(907)に格納したデータからは、各リトライリード設定に対する再生結果として誤り訂正結果と誤り検出結果フラグEDC_NGとを、それ以前のリトライリード結果の影響を受けることなく得ることができる。
【0055】
以下に本実施例におけるデータ格納処理の一例を図10の流れ図に示す。
この中で、(700), (704) ,(705) ,(706), (707), (712), (713) ,(714)の各処理は図7のものと同一であるので、説明を省略する。
(1001)は、マイクロプロセッサ(116)がリトライカウンタ(123)の値を取得し、0回の場合と1回以上の場合においてその後の処理を分岐するステップである。
(1002)は、(1001)のステップに従って、リトライ再生回数が0回、すなわち通常リードの場合に関して、マイクロプロセッサ(116)が再生モード設定手段(901)に対して通常再生を行うモードに設定するステップである。
(1003)は、再生モード設定に対して通常再生を行うように設定したことを受けて、メモリーコントローラー(111)がバッファメモリー(112)の通常リードデータ格納領域(906)に復調データを格納するステップである。
(1004)は、(1001)のステップに従いリトライ再生回数が1回以上、すなわちリトライ再生の場合に関して、マイクロプロセッサ(116)が再生モード設定手段(901)に対してリトライ再生を行うモードに設定するステップである。
(1005)は、再生モード設定に対してリトライ再生を行うように設定したことを受けて、メモリーコントローラー(111)がバッファメモリー(112)のリトライ用格納領域(907)に復調データを格納するステップである。
(1006)は、マイクロプロセッサ(116)がデータコピー手段(903)に対してデータコピーコマンドを発行し、リトライ用格納領域(907)に格納されたデータのうちで誤りが検出されなかったセクタのデータに対して、リトライ用格納領域(907)から通常リードデータ格納領域(906)にコピーするステップである。
(1007)は、各セクタに対して、その時点までのリトライ再生全てを合わせた誤り検出判別結果を求めるステップである。すなわち、各セクタの誤り検出結果に対応させた32bitの変数EDCNG_ALL(1となったビットが誤り検出されたセクタを表し、初期値は全ビットが1である)を設け、リトライを行う毎に、マイクロプロセッサ(116)がステップ(707)で得られる誤り検出フラグ{EDCNG(n,0),・・・,EDCNG(n,31)}の各ビットとの論理積を求めることによって更新する。
(1008)はマイクロプロセッサ(116)がEDCNG_ALLの32bitがすべて0かどうかをチェックするステップであり、0で無い場合は通常リードデータ格納領域(906)に格納されたデータに誤りが残留しているものとして、(712)、(713)、(714)の各ステップに移行して更にリトライ処理を繰り返す。一方で、0の場合は通常リードデータ格納領域(906)に格納されたデータに誤りが無いものとして、リトライ処理を終了する。
(1009)はホストへデータを転送し、リトライ順序テーブル(122)を更新するステップである。ここで、ホストへ転送するデータはメモリアドレス生成手段(904)とアクセス制御手段(902)、再生モード設定手段(901)によって、通常リードデータ格納領域(906)に格納されたデータが選択される。
【0056】
(リトライ順序更新処理)
次に、図11を用いて、本実施例でのリトライ順序更新処理に関して説明する。
この図において、(801)、(802)、(803)、(804)、(805)、(806)、(807)に関しては、図8のものと同一であるので、説明を省略する。
(1101)は、リトライ設定の評価対象領域を1ブロック全体となるように設定し、初期化を行うステップである。
(1102)は、 (805)のステップで選択されたリトライ再生設定での再生時において誤りが検出されなかったセクタを評価対象領域から除外するステップである。
本処理で図8の例と異なる点は、図8では全セクタを常にEDCNGの評価対象としていたのに対して、EDCNGの個数がより小さいリトライ設定でEDCNG=0となったセクタを評価対象領域から除外する点である。これは、リトライ順序が下位のリトライ設定では、上位のリトライ設定でエラーが発生していない領域での再生性能は要求されず、エラーが残留している領域での性能のみが要求されていることに対応している。すなわち、リトライ順序の上位の設定でのデータ読み出し成功が期待されるセクタを除外した領域のみを対象として下位の設定の順序を決めることによって、上記の要求にしたがった最適な順にリトライ順序に並べ替えることが可能となる。このような処理は、1ブロック内において複数の種類のエラー発生要因が存在し、それぞれ読み出しに有効なリトライ再生処理設定が異なる場合に特に有効である。
なお、誤りを発生する要因が1 ブロック内において一様である場合は、図8のリトライ順序更新処理を用いても良い。
【0057】
以上に記した実施例2の装置および方法によって、前回のリトライまでで読み出しにデータを保持するリトライ処理においても、同様にリトライ設定の採用順序を最適な順序に並べ替えることができる。
【0058】
以上説明してきたように、本実施の形態では、各リトライ再生時に各設定で読み出しを行った結果の誤り訂正結果もしくは誤り検出結果を求め、リトライ再生成功後にその結果に基づいて各リトライ再生条件の優劣を判別し、優れている再生条件ほど優先的に選択されるようにリトライ条件の選択順序を並べ替える。また、バッファメモリー内に通常再生時のデータ領域とは別にリトライ再生用のデータ格納領域を設け、リトライ再生時の誤り訂正や誤り検出はリトライ用のデータ格納領域に対して行う一方で、リトライ設定におけるリードが完了するとともに誤りが無くなったデータ部分のみを通常再生領域に複写し、通常再生領域に誤りがないデータを蓄積する。リトライ用の領域から得られた誤り訂正結果や誤り検出結果に基づいてリトライ再生条件の選択順序を並べ替える。
【0059】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0060】
また、上記の各構成は、それらの一部又は全部が、ハードウェアで構成されても、プロセッサでプログラムが実行されることにより実現されるように構成されてもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0061】
また、上記実施の形態では、光ディスク再生装置を例に説明したが、光ディスク記録再生装置であっても良く、光ディスクドライブ装置をはじめとしたデータ記録再生装置の再生処理に本発明を適用することができる。
【0062】
また、記録媒体も光ディスクに限定されず、種々の記録媒体に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
(101)はディスク、 (102)は光ピックアップ、
(103) はサーボ信号生成回路、 (104) はサーボ補償器、 (105) は等化回路1、
(106) はA/D変換回路、 (107) はPLL回路、 (108) は等化回路2、
(109) は二値化判別回路、 (110) は復調回路、 (111) はメモリーコントローラー、
(112) はバッファメモリー、 (113) は誤り訂正回路、 (114) はホストインタフェース、
(115) はマイコンインタフェース、 (116) はマイクロプロセッサ、 (117) はデータメモリー
(118) はホスト機器、(119)はプログラムメモリー、(120)はリトライ設定リスト、(121)は誤り訂正結果フラグテーブル、(122)はリトライリスト参照順序テーブル、(123)はリトライカウンタである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のブロック符号からなるデータブロックを単位としてデータの読み出しを行う情報再生装置であって、
該ブロック符号の復号を行う誤り検出訂正回路と、
該情報再生装置の制御を行うマイクロプロセッサと、
該マイクロプロセッサが前記誤り検出訂正回路の結果を取得するために用いるマイコンインタフェースと、
前記マイクロプロセッサの処理コードが格納されたプログラムメモリーと、
前記マイクロプロセッサが読み出しと書き変え可能なデータメモリとを備え、
前記プログラムメモリーはリトライ設定番号と、当該リトライ設定番号に対応したリトライパラメータを含むリトライ設定リストを有し、
該データメモリは、前記リトライ設定番号と実行順序を関連づけるリトライ順序テーブルと、同一データブロックに対するリトライ読み出し実行回数に対応したリトライカウンタを有し、
前記マイクロプロセッサは前記誤り検出訂正回路の処理結果に基づき、正しいデータが得られなかったと判定された場合にリトライ読み出しを実行し、
前記マイクロプロセッサは前記リトライカウンタと、前記リトライ順序テーブルと、リトライ設定リストとに従ってリトライパラメータの設定を行い、
リトライ読み出しを実行することを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
正しいデータが得られるまでの各回でのリトライ読み出しに対する誤り検出訂正回路の処理結果を格納する誤り訂正結果フラグテーブルを更に有し、
前記リトライ読み出しにおいて正しいデータが得られたと判定されるとともに、
前記誤り訂正結果フラグテーブルの情報に従って、前記リトライ順序テーブルを更新することを特徴とする、請求項1記載の情報再生装置。
【請求項3】
再生したデータを格納するバッファメモリと、
該バッファメモリ内のデータを別の領域にコピーするデータコピー手段とを更に有し、
該バッファメモリは少なくとも通常用データ格納領域とリトライ用データ格納領域とを個別に有し、
前記リトライ再生時はデータの格納および前記誤り検出訂正回路による処理を、該リトライ用データ格納領域を用いて行うとともに、正しいデータが得られたと判定されたデータのみを前記データコピー手段により前記通常用データ格納領域にコピーし、
前記誤り訂正結果フラグテーブルの情報に従って、前記通常用データ格納領域にデータブロック全体にわたって正しいデータが格納されていると判定されるまでリトライ読み出しを行うことを特徴とする、請求項2記載の情報再生装置。
【請求項4】
前記誤り訂正結果フラグテーブルは、前記誤り検出訂正回路による誤り訂正処理において誤り訂正不能と判定された符号を示すものであり、
誤り訂正不能と判定された符号数が小さかった設定ほど順序が高くなるように前記リトライ順序テーブルを更新することを特徴とする、請求項2又は3記載の情報再生装置。
【請求項5】
前記誤り訂正結果フラグテーブルは、前記誤り検出訂正回路による誤り検出処理において誤りが含まれると判定された符号を示すものであり、
誤りが含まれると判定された符号数が小さかった設定ほど順序が高くなるように前記リトライ順序テーブルを更新することを特徴とする、請求項2又は3記載の情報再生装置。
【請求項6】
前記誤り訂正結果フラグテーブルは、前記誤り検出訂正回路による誤り訂正処理において誤り訂正不能と判定された符号を示すものであって、
前記リトライ順序テーブルを更新する処理は、
リトライ結果の優劣を評価するステップと、
評価対象とする符号を設定するステップと、
を繰り返すものであり、
前記リトライ結果の優劣を評価するステップでは、前記評価対象とする符号を設定するステップで設定した領域のみに関する結果に従って、誤り訂正不能と判定された符号数が最小となるリトライ設定を判別し、
前記リトライ結果の優劣を評価するステップでは、前記リトライ結果の優劣を評価するステップで判別された設定において正しいデータが得られた領域からの情報を、次回以降の前記リトライ結果の優劣を評価するステップでの評価対象から除外することを特徴とする、請求項3記載の情報再生装置。
【請求項7】
前記誤り訂正結果フラグテーブルは、前記誤り検出訂正回路による誤り検出処理において誤りが存在すると判定された符号を示すものであって、
前記リトライ順序テーブルを更新する処理は、
リトライ結果の優劣を評価するステップと、
評価対象とする符号を設定するステップと、
を繰り返すものであり、
前記リトライ結果の優劣を評価するステップでは、前記評価対象とする符号を設定するステップで設定した領域のみに関する結果に従って、誤りが存在すると判定された符号数が最小となるリトライ設定を判別し、
前記リトライ結果の優劣を評価するステップでは、前記リトライ結果の優劣を評価するステップで判別された設定において正しいデータが得られた領域からの情報を、次回以降の前記リトライ結果の優劣を評価するステップでの評価対象から除外することを特徴とする、請求項3記載の情報再生装置。
【請求項8】
複数のブロック符号からなるデータブロックを単位としてデータの読み出しを行う情報再生方法であって、
該ブロック符号を復号する復号ステップと、
復号されたデータに誤り検出訂正処理を行う誤り検出訂正処理ステップと、
前記誤り検出処理ステップの処理結果から、正しいデータが得られなかった場合に、リトライ読み出しを実行するステップと、
同一データブロックに対するリトライ読み出し実行回数に対応したリトライカウンタと、リトライ設定番号及び当該リトライ設定番号に対応したリトライパラメータを含むリトライ設定リストと、前記リトライ設定番号と実行順序を関連づけるリトライ順序テーブルとに従ってリトライパラメータの設定を行うステップと、
を含む情報再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−138576(P2011−138576A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296678(P2009−296678)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】