説明

情報再生装置

【課題】視覚を通じて提供される情報量の変化レベルに基づいて、直接的に且つ直感的に、ユーザが所望する再生箇所を指定することができる情報再生装置を提供する。
【解決手段】コンテンツデータの再生経過を表す再生経過軸を表示する表示部502と、コンテンツデータの再生経過に伴う情報量の変化を表示部に表示させる表示制御部222と、コンテンツデータの再生時刻を指定するための接触式の操作部であって、再生経過軸の一端部の位置に当該操作部の一端部の位置が対応し、且つ再生経過軸の他端部の位置に当該操作部の他端部の位置が対応するように設けられた操作部TDと、接触された操作部TDの位置に基づいてコンテンツデータの再生時刻を特定し、当該特定された再生時刻からコンテンツデータの再生を行う再生時刻特定部501と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記録されている音情報または映像情報の再生を行う情報再生装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などのデジタル信号によってデータの記録および再生が可能な記録媒体(デジタル記録媒体)が普及してきており、デジタル信号によって記録されている利点を生かした種々の再生機能を有する情報再生装置が実用に供されている。
【0003】
特に、このデジタル記録媒体は、カセットテープやビデオテープに代表されるアナログ信号によってデータの記録および再生が行われる記録媒体(アナログ記録媒体)などと異なり、各楽曲や一連の映像シーンの纏まり(以下、場面(シーン)ともいう。)など、複数のデータ群、すなわち、コンテンツとしてユーザに提供する際の複数のデータの纏まり(以下、この纏まりを称してコンテンツデータという。)の中から、ユーザが所望する一のコンテンツデータの先頭アドレスをさがし出して再生する「頭出し再生」、または、当該各コンテンツデータの再生順序を入れ替えてコンテンツデータを再生する「ランダム再生」など、記録されているコンテンツデータの読み出しに関する応答性および任意の再生位置の検索の容易性の利点を生かした種々の再生機能を有する情報再生装置が実用に供されている。
【0004】
従来、このようなデジタル記録媒体において、当該記録媒体に記録されている各楽曲や特定の映像シーンなどのコンテンツデータにおける任意の再生位置の特定を容易にするために、当該コンテンツデータの再生時に、コンテンツデータの時間的な情報量の変化を解析し、この解析結果をユーザに提供する情報再生装置が知られている。
【0005】
例えば、この情報記録装置は、各コンテンツデータの時間的な情報量の変化を予め解析し、その解析結果を当該解析されたコンテンツデータの時間進行に伴う情報量の変化レベルをレベル差として表示手段に表示するようになっている。この構成より、ユーザは、提示された当該解析結果に基づいて操作部を操作することができので、的確にかつ容易に、所望する再生箇所を特定することができるようになっている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−341888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の情報再生装置にあっては、直接的に、かつ、直感的に、コンテンツデータ内におけるユーザの所望する再生時刻を指定することができない。すなわち、上述の情報再生装置では、視覚を通じて提供される情報量の変化レベルに基づいて再生箇所(再生時刻)の指定を行うことができるものの、従来と同様の操作子、例えば、ユーザがデータ再生の早送りまたは巻き戻しなどの操作キーによって当該再生箇所を特定するようになっているので、ユーザが所望する再生時刻を、直接的に、かつ、直感的に、指定することができない。
【0008】
本発明は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例としては、視覚を通じて提供される情報量の変化に基づいて、直接的に、かつ、直感的に、ユーザが所望する再生箇所を指定することができる情報再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、コンテンツデータの再生経過を表す再生経過軸を表示する表示手段と、前記コンテンツデータの再生経過に伴う情報量の変化を前記表示部に表示させる表示制御手段と、前記コンテンツデータの再生時刻を指定するための接触式の操作部であって、前記再生経過軸の一端部の位置に当該操作部の一端部の位置が対応し、且つ前記再生経過軸の他端部の位置に当該操作部の他端部の位置が対応するように設けられた操作部と、接触された前記操作部の位置に基づいて前記コンテンツデータの特徴に応じた再生時刻を特定し、当該特定された再生時刻から前記コンテンツデータの再生を行う再生制御手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本願に係る参照形態の光ディス再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】参照形態におけるビート密度解析部の構成を示すブロック図である。
【図3】参照形態のリングバッファメモリにおける論理構造の一部を示す論理構造図の一例である。
【図4】参照形態のリングバッファメモリにおける論理構造の全体を示す論理構造図の一例である。
【図5】参照形態のパックデータ交換部において生成されるパックデータの論理構造を示す論理構造図の一例である。
【図6】参照形態の再生時刻特定操作部の構成を示すブロック図である。
【図7】参照形態のシステム制御部における操作子の操作に基づく再生処理の動作を示すフローチャート(I)である。
【図8】参照形態のシステム制御部における操作子の操作に基づく再生処理の動作を示すフローチャート(II)である。
【図9】実施形態の再生時刻特定操作部の構成を示すブロック図である。
【図10】実施形態のシステム制御部における操作子の操作に基づく再生処理の動作を示すフローチャート(I)である。
【図11】実施形態のシステム制御部における操作子の操作に基づく再生処理の動作を示すフローチャート(II)である。
【符号の説明】
【0011】
10 光ディスク
20 メモリカード
100 光ディスク再生装置
110 ピックアップ
120 RFアンプ部
130 スピンドルモータ
140 サーボ機構部
150 ピックアップサーボ回路
160 オーディオデータデコード部
170 復号化部
180 コントロールデータデコード部
190 スピンドルサーボ回路
200 オーディオ編集部
210 オーディオ信号生成部
220、500 再生時刻特定操作部
221、502 表示部
222 表示制御部
223 可動制御部
230 操作入力部
240 角速度検出部
250 メモリカード格納部
260 システム制御部
300 ビート密度解析部
501 再生時刻特定部
RBM リングバッファメモリ
PD パックデータ
MF 可動操作子
OF 操作領域
TD 位置指定操作子
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本願に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0013】
なお、以下に説明する各実施形態は、再生速度、テンポおよび巻き戻し再生に代表される様々な再生機能を有するCDプレーヤなどの光ディスクの再生装置(以下、光ディスク再生装置という。)に対して本願の情報再生装置を適用した場合の実施形態である。
【0014】
また、以下に説明する各実施形態の光ディスク再生装置は、例えば、クラブやディスコなどの舞踏場において、光ディスクを次々に取り替えつつ、音楽データを連続的に再生する際の再生装置として用いられ、特に、光ディスクの回転方向または当該回転速度を操作者(ディスクジョッキーともいう。)が制御することによって当該音楽データを再生する機能、または、特定の音楽データのデータ部分を繰り返し再生する機能などの特殊再生を行う特殊再生装置(DJ:Disc Jockey装置)として用いられる。
【0015】
〔参照形態〕
始めに、図1〜図8を用いて光ディスクの再生を行う光ディス再生装置の参照形態について説明する。
【0016】
まず、図1を用いて参照形態における光ディス再生装置の構成について説明する。なお、図1は、参照形態の光ディス再生装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
参照形態の光ディスク再生装置100は、図1に示すように、図示しないディスク挿入口から挿入された光ディスク10に記録されているコンテンツデータおよびコンテンツデータを再生するために必要となるコントロールデータを読み出すピックアップ(PUともいう。)110と、当該ピックアップ110によって読み取られた信号(以下、読み取り信号という。)に基づいてRF信号およびサーボ制御するためのエラー信号を生成するRFアンプ部120と、光ディスク10が装填されるハブ部(図示省略)を有し、当該装填された光ディスク10を回転駆動させるスピンドルモータ130と、ピックアップ110のサーボ制御を行うサーボ機構部140と、RFアンプ部120において生成されたエラー信号に基づいてサーボ機構のフィードバック制御および位置制御を行うピックアップサーボ回路150と、備え、RFアンプ部120およびピックアップサーボ回路150はバスBに接続されている。
【0018】
また、参照形態の光ディスク再生装置100は、RF信号中に含まれているオーディオストリームを分離抽出するオーディオデータデコード部160と、オーディオデータストリームをオーディオデータに複合する復号化部170と、RF信号をデコードし、当該RF信号中に含まれているコントロールデータを分離抽出するコントロールデータデコード部180と、コントロールデータに基づいてスピンドルモータ130の回転をフィードバック制御するスピンドルサーボ回路190と、コンテンツデータを再生する際にコンテンツデータ全体における時間経過に伴うビートに関する情報量の変化を解析するビート密度解析部300と、オーディオデータに対して所定の変調処理を施し、様々な効果音を付与するためのイフェクト処理(編集処理)を行うこのオーディオ編集部200と、変調処理が行われたオーディオデータに対して所定の処理を実行して出力端子211を介して図示しない外部装置に出力するオーディオ信号生成部210と、を備え、各部はバスBに接続されている。
【0019】
このような構成を有することにより、参照形態の光ディスク再生装置100は、装填された光ディスク10からコンテンツデータを読み出すために各種の制御を行うとともに、当該光ディスク10から読み出されたコンテンツデータを再生するため、当該読み出された各種のデータに対して所定の処理を行い、図示しない電力増幅器またはスピーカなど外部装置に出力するようになっている。
【0020】
さらに、参照形態の光ディスク再生装置100は、コンテンツデータ全体における時間経過に伴うビートに関する情報量の変化を表示するとともに、当該表示領域に対応した操作領域OFを可動する光ディスク10の再生箇所を特定するために用いられる可動操作子(ムービングフェーダともいう。)MFから構成される再生時刻特定操作部220と、複数の操作キーおよびジョグダイヤルから構成され、一般的な再生指示を行う際に用いられる操作入力部230と、操作部におけるジョグダイヤルの回転方向および回転速度(角速度)を光学的に検出する角速度検出部240と、メモリカード20を着脱自在に構成され、当該メモリカード20に記憶されたデータを読み出すメモリカード格納部250と、各部を総括的に制御するシステム制御部260と、を備え、各部はバスBに接続されている。
【0021】
このような構成を有することにより、参照形態の光ディスク再生装置100は、ユーザ(以下、使用者ともいう。)の操作に基づいて各部の処理を実行するとともに、装填された光ディスク10に記録されているコンテンツデータの再生を行うようになっている。
【0022】
なお、例えば、参照形態のコントロールデータデコード部180およびオーディオデータデコード部160は、本発明に関する取得手段を構成し、ビート密度解析部300は、本発明の解析手段および再生手段を構成する。また、例えば、参照形態の再生時刻特定操作部220は、本発明の操作手段、表示手段、表示制御手段、特定手段、可動制御手段および検出手段を構成し、システム制御部260は、本発明の再生制御手段を構成する。
【0023】
ピックアップ110は、装填された光ディスク10からコンテンツデータおよび制御データを読み出すための半導体レーザを有し、当該光ディスク10におけるコンテンツデータが記録されているデータ記録層に対してレーザ光を照射するようになっている。また、このピックアップ110は、レーザ光を記録層に照射することによって、当該記録層において反射された反射光を受光するようになっており、受光された反射光を読み取り信号としてRFアンプ部120に出力するようになっている。
【0024】
RFアンプ部120には、ピックアップ110から出力された読み取り信号が入力されるようになっており、このRFアンプ部120は、入力された読み取り信号に基づいて光ディスク10に記録されていたデータに基づいてRF信号生成し、当該生成されたRF信号をオーディオデータデコード部160およびコントロールデータデコード部180に出力するようになっている。
【0025】
また、このRFアンプ部120は、入力された読み取り信号に基づいて、光ピックアップ110が光ディスク10にレーザ光を照射する際のフォーカスを制御するための信号(以下、フォーカスエラー信号という。)、同様に光ピックアップ110が光ディスク10にレーザ光を照射する際のトラッキングを制御するための信号(以下、トラッキングエラー信号という。)などの誤差信号を生成するようになっており、当該生成された各誤差信号をピックアップサーボ回路150に出力するようになっている。
【0026】
スピンドルモータ130は、当該スピンドルモータ130の駆動軸に設けられ、光ディスク10が装填されるハブ部(図示省略)を有し、スピンドルサーボ回路190の制御に基づいて、光ディスク10を回転駆動させるようになっている。
【0027】
サーボ機構部140は、ピックアップ110に連接され、ピックアップサーボ回路150の制御の下、装填された光ディスク10に対して連接されたピックアップ110を当該光ディスク10の半径方向に往復移動させるようになっており、光ディスク10にて反射された反射光をピックアップ110において適切に読み取るために、ピックアップ110に対してサーボ制御を行うようになっている。
【0028】
ピックアップサーボ回路150には、RFアンプ部120において生成された各誤差信号が入力されるようになっており、このピックアップサーボ回路150は、入力された各誤差信号に基づいてフォーカスエラーやトラッキングエラー等の誤差の発生を抑制すべく、サーボ機構をフィードバック制御するようになっている。
【0029】
また、ピックアップサーボ回路150は、システム制御部260の制御の下、光ディスク10の記録層、具体的には、当該記録層に設けられた記録トラックにピックアップ110から照射されるレーザ光の照射位置を移動させるようサーボ機構の位置制御を行うようになっている。
【0030】
オーディオデータデコード部160には、RFアンプ部120において生成されたRF信号が入力されるようになっており、このオーディオデータデコード部160は、光ディスク10毎に規格化されているフォーマットに準拠してRF信号をデコードし、RF信号中に含まれ、MPEG(Motion Picture Experts Group)やAC−3(Audio Code number 3)、MP3(MPEG Audio Layer-3)等の規格によって情報報圧縮されているオーディオストリームを分離抽出して復号化部170に出力するようになっている。
【0031】
復号化部170には、オーディオデータデコード部160から出力されたオーディオストリームが入力されるようになっており、この復号化部170は、入力されたオーディオストリームをオーディオデータに復号し、当該復号されたオーディオデータを再生データとしてビート密度解析部300に出力するようになっている。
【0032】
なお、以下において、参照形態では、当該復号化部によって複合されるオーディオデータを再生データといい、当該再生データの集合であるコンテンツデータとは異なる表現として用いる。
【0033】
コントロールデータデコード部180には、RFアンプ部120において生成されたRF信号が入力されるようになっており、このコントロールデータ部は、光ディスク10毎に規格化されているフォーマットに準拠して入力されたRF信号をデコードし、当該RF信号中に含まれているコントロールデータを分離抽出するようになっている。また、このコントロールデータデコード部180は、分離抽出されたコントロールデータをビート密度解析部300、スピンドルサーボ回路190および再生時刻特定操作部220に出力するようになっている。
【0034】
具体的には、コントロールデータデコード部180は、コントロールデータとして、光ディスク10に記録されているデータにおける制御データが記録されるエリア(以下、リードインエリアという。)に記録されているTOC(Table of Contents)データと、オーディオストリームに含めて記録されている同期データ、コンテンツデータが再生される際の時間経過を示す時間経過情報が含まれるサブコードデータ等の種々のコントロールデータと、を分離抽出するようになっている。そして、このコントロールデータデコード部180は、ビート密度解析部300にはサブコードデータ、スピンドルサーボ回路190には同期データ、システム制御部260には全てのコントロールデータを出力するようになっている。
【0035】
なお、コントロールデータデコード部180において抽出されるサブコードデータには、コンテンツデータを再生する際の時間経過を示す時間経過を示すサブコード、後述するQサブコード(以下、時間経過情報ともいう。)が含まれている。
【0036】
スピンドルサーボ回路190には、コントロールデータデコード部180から出力されたコントロールデータ、具体的には同期データ(以下、検出同期データという。)と、システム制御部260によって指示されたスピンドルモータ130の回転速度に対する同期データ(以下、制御同期データという。)が入力されるようになっている。また、このスピンドルサーボ回路190は、入力された、入力された検出同期データおよび制御同期データの誤差を検出するようになっており、当該検出された誤差の発生を抑制すべくスピンドルモータ130の回転をフィードバック制御するようになっている。
【0037】
ビート密度解析部300には、コントロールデータデコード部180から出力されるサブコードデータと復号化部170とから出力されたオーディオデータである再生データが入力されるようになっている。このビート密度解析部300は、入力されたサブコードデータおよび再生データに基づいて、コンテンツデータ全体における時間経過に伴うビートに関する情報量の変化を解析するようになっている。また、このビート密度解析部300は、解析されたビートに関する情報量の変化を、システム制御部260を介して再生時刻特定操作部220に出力するとともに、ビートに関する情報量の変化の解析が行われる際に生成されたパックデータPDをオーディオ編集部200に出力するようになっている。
【0038】
具体的には、ビート密度解析部300は、記憶されたデータをエンドレスに保持するリングバッファメモリRBMを有し、入力されたサブコードデータと当該サブコードに対応する再生データが対応づけられて所定のデータ構造から構成されるパックデータを生成するようになっている。また、このビート密度解析部300は、生成されたパックデータPDをリングバッファメモリRBMに記憶させるようになっており、予め設定された一連の処理であるバッチ処理を行いつつ、パックデータPDに含まれている再生データをシステム制御部260の制御に基づいて順次再生データとして、オーディオ編集部200に出力するようになっている。
【0039】
なお、ビート密度解析部300が、バッチ処理を行うことによって、光ディスク10から再生データとコントロールデータを再生するための処理に対して、オーディオ編集部200の処理を実質的に独立させることができるようになっている。
【0040】
一方、このビート密度解析部300は、生成されたパックデータPDから時間経過に伴うビートに関する情報量の変化、すなわち、ビット密度と呼ばれる時間経過に伴うビートに関する情報量のデータ(以下、ビット密度データという。)を一のコンテンツデータ毎に生成するようになっており、生成されたビット密度データを再生時刻特定操作部220に出力するようになっている。
【0041】
なお、ビット密度データは、再生すべきコンテンツデータ全体のビート密度を示すデータであるため、ビート密度解析部300は、当該コンテンツデータの全体の時間長を示すデータをも含めて生成されるようになっており、後述のように、当該時間長を再生時刻特定操作部220において用いるようになっている。
【0042】
また、参照形態におけるビート密度解析部300の構成およびその動作の詳細については、後述する。
【0043】
オーディオ編集部200には、ビート密度解析部300から出力される再生データが入力されるようになっており、このオーディオ編集部200は、入力された再生データに対して鋸波による変調を施すための変調処理など所定の変調処理を施すことにより、様々な効果音を付与するためのイフェクト処理(編集処理)を行うようになっている。また、このオーディオ編集部200は、イフェクト処理されたデータ(以下、イフェクトデータという。)をオーディオ信号生成部210に出力するようになっている。
【0044】
オーディオ信号生成部210には、イフェクト処理されたイフェクトデータが入力されるようになっており、このオーディオ信号生成部210は、入力されたイフェクトデータを、デジタル信号形式を維持しつつ、または、A/D変換器(図示省略)によってイフェクトデータを可聴周波数帯域のアナログオーディオ信号に変換し、信号形式が維持されたデータまたは信号形式が変換された信号を、出力端子211を介して電力増幅器およびスピーカなどの外部装置に出力するようになっている。
【0045】
再生時刻特定操作部220には、ビート密度解析部300から出力された再生される一のコンテンツデータ全体におけるビート密度データと、後述するようにコンテンツデータの再生中に現在再生されている再生位置を示す経過トラック時刻データと、が入力されるようになっている。
【0046】
この再生時刻特定操作部220は、液晶表示素子からなる表示部221を有し、入力されたビート密度データに基づいてコンテンツデータ全体の当該ビート密度データを表示部221に表示するようになっている。また、この再生時刻特定操作部220は、表示部221に並設され、予め設定された操作領域OFを可動する可動操作子MFを有し、入力されたビート密度データに基づいて、操作領域OFにおける可動操作子MFの可動範囲を設定するとともに、コンテンツデータが再生される際に、入力された経過トラック時刻データに基づいて、可動操作子MFの中心が表示部221における再生されている時刻のビート密度データを特定するように、当該可動操作子MFを可動させるようになっている。
【0047】
なお、参照形態の再生時刻特定操作部220は、ビート密度データの他に、TOCデータなどのコンテンツデータに関するデータも表示部221に表示するようになっており、TOCデータその他の表示に必要なデータは、コントロールデータデコード部180から出力されたサブコードデータに基づいて表示するようになっている。
【0048】
一方、この再生時刻特定操作部220は、可動操作子MFにおけるユーザの接触の有無を検出するようになっており、コンテンツデータの再生中に、可動操作子MFにユーザが接触していることを検出した場合には、コンテンツデータの再生を停止させるために、その旨をシステム制御部260に出力するようになっている。
【0049】
また、この差生時刻特定操作部は、当該コンテンツデータの再生が停止されている際に、ユーザが操作領域OF内において可動操作子MFを可動させ、ユーザが可動操作子MFから非接触になったことを検出した場合には、当該可動操作子MFが可動されることによって特定された操作領域OFの任意の箇所に対応するコンテンツデータの再生開始時刻を算出し、当該算出された再生開始時刻を再生時刻データとしてシステム制御部260に出力するようになっている。
【0050】
なお、システム制御部260は、コンテンツデータの再生開始時刻を示す再生時刻データが入力された場合には、当該再生時刻がコンテンツデータの再生を開始させるため、ビート密度解析部300、オーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210を制御するようになっている。
【0051】
また、参照形態における再生時刻特定操作部220の構成およびその動作について後述する。
【0052】
操作入力部230は、各種確認ボタン、各操作指令を入力するためのプッシュプル型の第1操作キーと、両方向に回転自在な円板形状によって形成され、コンテンツデータの再生動作を指示するためのジョグダイヤルと、両方向に回転自在なロータリスイッチや回転型の可変抵抗器から成る複数個の第2操作キーと、スライド式可変抵抗器から成る複数個の第3操作キーと、から構成される。
【0053】
また、この操作入力部230は、各第1操作キーとジョグダイヤルとによって更に多様な編集を指示するための信号、および、コンテンツデータを再生する際の順方向に順次再生させるフォワード再生処理、当該コンテンツデータを再生する際に順方向と逆順に順次再生させるリバース再生処理などの操作指示するための信号をシステム制御部260に出力するようになっている。
【0054】
なお、各第2および第3操作キーによって、第1操作キーと同様に、ディスク再生部における編集(イフェクト)を行うための信号をオーディオ編集部200に出力するようになっている。
【0055】
角速度検出部240は、ロータリエンコーダ回路を有し、操作入力部230におけるジョグダイヤルの回転方向及び回転速度(角速度)を光学的に検出し、当該検出されたデータを検出データとしてシステム制御部260に出力するようになっている。
【0056】
メモリカード格納部250は、所定のフォーマット形式を有するメモリカード20を着脱自在に装着するためのスロットを有し、システム制御部260の制御の下、装着されたメモリカード20から所定のデータを読み出し、当該読み出されたデータをシステム制御部260を介してビート密度解析部300に出力するようになっている。
【0057】
具体的には、メモリカード格納部250は、システム制御部260の制御に基づいて、予め記憶されている解析されたビートに関する情報量の変化を示すデータであって、コンテンツデータの時間長を示すデータを有するビット密度データとパックデータPDをメモリカード20から読み出すようになっており、読み出されたビット密度データを、再生時刻特定操作部220に出力するとともに、読み出されたパックデータPDをビート密度解析部300に出力するようになっている。
【0058】
なお、参照形態では、メモリカード20に予め記憶されたビット密度データおよびパックデータPDを用いることによって、装填された光ディスク10から各種のデータを読み出すことなく、ビット密度データの表示その他の処理を行うことができるようになっている。
【0059】
また、メモリカード20には、ビット密度データのみ記憶されるようにしてもよく、この場合には、装着された光ディスク10から上述のように読み出されたパックデータPDとともに、特殊再生を行うようにする。
【0060】
システム制御部260は、主に中央演算処理装置(CPU)と、所定の処理を実行する際に各種のデータの読み出しおよび書き込みが行われるROM/RAMと、によって構成されるとともに、キー入力ポート、制御ポート等の各種入出力ポートを含み、光ディスク再生装置100の全般的な機能を総括的に制御するようになっている。そして、このシステム制御部260は、に格納される制御プログラムを読み出すようになっており、当該ROM/RAMに処理中のデータを一時的に保持しつつ、読み出された制御プログラムに基づいて各種の処理を実行するようになっている。
【0061】
特に、参照形態では、システム制御部260は、操作入力部230の操作に基づいてコンテンツデータの再生指示が入力された場合に、リングバッファメモリRBMに記憶されているパックデータPDを読み出させ、オーディオ信号生成部210に読み出したパックデータPDを複合させて外部装置に出力させるようになっている。そして、このとき、システム制御部260は、コンテンツデータの再生に伴う経過時間に伴って、可動制御部223を制御し、再生されているコンテンツデータの再生時刻を示す位置に順次当該可動操作子MFをスライドさせて可動させるようになっており、可動操作子MFの動作制御を行うようになっている。
【0062】
また、システム制御部260は、再生時刻特定操作部220において検出された可動操作子MFのユーザにおける接触または非接触の旨に基づいて、再生データの再生開始またはその停止制御するようになっており、再生時刻特定操作部220においてコンテンツデータの再生中に可動操作子MFのユーザの接触が検出された場合には、再生されているコンテンツデータを停止するように、ビート密度解析部300、オーディオ編集部200、および、オーディオ信号生成部210を制御するようになっている。
【0063】
一方、システム制御部260は、光ディスク10の再生の停止中に、再生時刻特定操作部220の可動操作子MFが操作されることにより任意の再生開始時刻が特定され、可動操作子MFにおけるユーザの非接触を検出した場合には、当該特定された再生時刻からコンテンツデータが再生されるように、ビート密度解析部300を制御し、リングバッファメモリRBMに記憶されている該当するパックデータPDを読み出させるようになっている。そして、このシステム制御部260は、読み出させたパックデータPDにおける再生データを再生するように、オーディオ編集部200、および、オーディオ信号生成部210を制御するようになっている。
【0064】
なお、可動操作子MFのユーザにおける接触または非接触に基づく、システム制御部260におけるコンテンツデータの再生停止処理、および、可動操作子MFの操作による当該コンテンツデータの再生処理(以下、操作子の操作に基づく再生処理という。)の詳細については後述する。
【0065】
また、リングバッファメモリRBMには、一のコンテンツデータ全てが記憶することができないことも想定されるために、システム制御部260は、再生時刻特定操作部220の可動操作子MFが操作された際に、当該ジョグダイヤルの操作量または可動操作子MFの再生時刻に基づいて、リングバッファメモリRBMの記録容量の超過を検出するようになっており、各操作量が当該リングバッファメモリRBMの記録容量を超過した場合には、リングバッファメモリRBMに現在記憶されているパックデータPDを別のパックデータPDに更新すべく、ピックアップサーボ回路150とスピンドルサーボ回路190に指示してピックアップ110を移動させ、光ディスク10からデータを読み取らせるための制御を行うようになっている。
【0066】
次に、図2〜図5を用いて参照形態のビート密度解析部300の構成およびその動作について説明する。
【0067】
なお、図2は、参照形態のビート密度解析部300の構成を示すブロック図であり、図3は、参照形態のリングバッファメモリRBMにおける論理構造の一部を示す論理構造図の一例である。また、図4は、参照形態のリングバッファメモリRBMにおける論理構造の全体を示す論理構造図の一例であり、図5は、参照形態のパックデータ交換部306において生成されるパックデータPDの論理構造を示す論理構造図の一例である。
【0068】
参照形態のビート密度解析部300は、上述のように、入力されたサブコードデータと再生データとを対応づけて所定のデータ構造から成るパックデータPDを生成し、当該生成されたパックデータPDをリングバッファメモリRBMに記憶させるとともに、当該生成されたパックデータPDからビット密度データを生成するようになっている。
【0069】
このビート密度解析部300は、図2に示すように、不発性半導体メモリで形成された所定の記憶容量を有するリングバッファメモリRBMと、システム制御部260から指定された書き込みアドレスを設定する書き込みアドレスコントローラ301と、書き込みアドレスコントローラ301で設定されるリングバッファメモリRBMのアドレスにパックデータPDを書き込むデータ書き込み部302と、システム制御部260から指定された読み出しアドレスを設定する読み出しアドレスコントローラ303と、読み出しアドレスコントローラ303で設定されるリングバッファメモリRBMのアドレスからパックデータPDを読出すデータ読出部304と、から構成され、リングバッファメモリRBMにおけるパックデータPDの書き込みおよび読み出しを行うようになっている。
【0070】
また、このビート密度解析部300は、サブコードデータおよび再生データが入力される際に用いられる入力バッファ回路305と、サブコードデータおよび当該サブコードデータに対応する再生データを対応づけたパックデータPDを生成するパックデータ交換部306と、生成されたパックデータPDにおける再生データに対して予め設定された周波数帯域毎にピークレベルの発生頻度を示す計数値データを算出するビート検出部307と、サブコードデータに含まれているQサブコードから再生時の経過トラック時刻をビート位置データとして検出するビート位置検出部308と、各周波数帯域における各計数値データが生成されたときの経過トラック時刻を判断するとともに予め定められた演算処理を行うことによってビート密度データを算出するビート密度演算部309と、から構成され、生成されたパックデータPDから時間経過に伴うビートに関する情報量の変化を示すビット密度データを生成するようになっている。
【0071】
さらに、このビート密度解析部300は、リングバッファメモリRBMから読み出されたパックデータPDに含まれているサブコードデータと再生データを分離するパックデータ分離部310と、分離されたサブコードデータに基づいて再生データが再生され拡声される時点(現時点)での経過トラック時刻を検出する再生位置検出部311と、から構成され、コンテンツデータの時間経過に伴うビート密度と再生時刻特定操作部220の可動操作子MFの可動を対応させるために、コンテンツデータが再生される際の再生位置の検出を行うようになっている。
【0072】
リングバッファメモリRBMには、パックデータPDが、書き込みアドレスコントローラ301とデータ書き込み部302の制御に基づいて記憶され、一旦記憶されたパックデータPDを、読み出しアドレスコントローラ303とデータ読出部304の制御に基づいて出力されるようになっている。
【0073】
また、このリングバッファメモリRBMでは、パックデータPDの書き込みタイミングと読み出しタイミングとがずれてデータの書き込みまたはデータの読み出しが行われるようになっており、これによって上述のバッチ処理が実行できるようになっている。
【0074】
例えば、参照形態のリングバッファメモリRBMが64MbyteのSDRAMで形成されている場合に、図3に示すように、このリングバッファメモリRBMには、論理的先頭アドレス410から論理的終端アドレス420までのデータ記憶領域(主記憶領域ともいう。)430に、n個分のパックデータPDがそれぞれ記憶される。また、リングバッファメモリRBMには、図4に示すように、論理的先頭アドレス410と論理的終端アドレス420が隣接して配置される論理構造を有している。
【0075】
なお、書き込みアドレスコントローラ301、データ書き込み部302、読み出しアドレスコントローラ303、および、データ読出部304は、この論理構造を維持しつつ、パックデータPDの記憶および当該パックデータPDの読み出しを行うようになっている。すなわち、各アドレスコントローラ、データ書き込み部302、および、データ読出部304は、リングバッファメモリRBMに記憶されているデータを、論理的先頭アドレス410と論理的終端アドレス420とが繋がったエンドレスなデータとして扱うようになっており、リングバッファメモリRBMには、図3および図4に示す論理構造を維持することを条件として相対的にアドレス設定が行われたパックデータPDが記憶されるようになっている。ただし、汎用領域470には、パックデータPDは記憶されず、緩衝領域として機能させるようになっている。
【0076】
入力バッファ回路305には、コントロールデータデコード部180から出力されたサブコードデータと復号化部170ら出力された再生データとがバスBを介して入力されるようになっており、この入力バッファ回路305は、入力されたシステム制御部260の指示に従った所定タイミングにてパックデータ交換部306にサブコードデータおよび再生データを出力するようになっている。
【0077】
パックデータ交換部306には、入力バッファ回路305から出力されたサブコードデータおよび再生データが所定のタイミングにて入力されるようになっており、このパックデータ交換部306は、入力されたサブコードデータと、そのサブコードデータに対応する再生データとを対応づけたパックデータPDを生成するようになっている。
【0078】
特に、このパックデータ交換部306は、入力された再生データの経過トラック時刻を示すサブコードであるQサブコードをサブコードデータから検出し、検出されたQサブコードに対応する再生データと当該Qサブコードが抽出されたサブコードデータを対応づけることにより、パックデータPDを生成するためのデータ交換を行うようになっている。
【0079】
例えば、参照形態のパックデータ交換部306は、図5に示すように、入力されたサブコードデータを記憶するためのサブコードデータ領域306Aと、そのサブコードデータに対応する再生データを記憶するための再生データ領域306Bと、を有するパックデータPDを生成するようになっており、当該パックデータPDを生成する際に、サブコードデータと当該サブコードデータに対応する再生データを対応づけてパックデータPDを生成するようになっている。
【0080】
また、このパックデータ交換部306は、上述のように生成されたパックデータPDを順次生成し、当該制せされたパックデータPDを、データ書き込み部302を介してリングバッファメモリRBMに記憶させるようになっている。
【0081】
一方、パックデータ交換部306は、生成されたパックデータPDのうち、再生データをビート検出部307に出力するとともに、サブコードデータをビート位置検出部308にそれぞれ出力するようになっている。
【0082】
ビート検出部307には、パックデータ交換部306にて生成された再生データが入力されるようになっている。このビート検出部307は、入力された再生データを、可聴周波数帯域内において、予め設定された周波数帯域毎にピークレベルを検出し、各周波数帯域毎のピークレベルを有する成分の発生頻度を示す計数値を算出するようになっており、当該算出された各周波数帯域毎の計数値を計数値データとしてビート密度演算部309に出力するようになっている。
【0083】
例えば、ビート検出部307は、入力された再生データに対して、可聴周波数帯域を高中低の3つの周波数帯域に分割するとともに、分割された各周波数成分のピークレベルをそれぞれ検出し、かつ、各周波数帯域毎に予め設定された閾値データと、当該検出された各周波数帯域毎のピークレベルとを比較するようになっている。そして、このビート検出部307は、閾値データとピークレベルとを比較した結果、各周波数成分中に予め設定される所定の期間内に生じる閾値を越える部分の発生頻度を示す計数値を算出し、当該算出された計数値を計数値データとしてビート密度演算部309に出力するようになっている。
【0084】
なお、ユーザが操作部を操作することによって、各分割する周波数帯域の調整および係数値データを算出する際の期間の調節を行うことができるようになっている。
【0085】
ビート位置検出部308には、パックデータ交換部306にて生成されたサブコードデータが入力されるようになっており、このビート位置検出部308は、サブコードデータに含まれているQサブコードから再生時の経過トラック時刻を検出し、検出した経過トラック時刻をビート位置データとしてビート密度演算部309に出力するようになっている。
【0086】
ビート密度演算部309には、ビート位置検出部308から出力されたビート位置データと、ビート検出部307から出力された各周波数帯域毎の計数値データとが入力されるようになっている。このビート密度演算部309は、入力されたビート位置データに基づいて、各周波数帯域における各計数値データが生成されたときの経過トラック時刻を認識するようになっている。そして、このビート密度演算部309は、認識された経過トラック時刻とその時点の各計数値データに基づいて予め定められた演算処理を行い、再生すべき一のコンテンツデータ全体におけるビート密度データを算出するようになっており、当該算出されたビート密度データを再生時刻特定操作部220に出力するようになっている。
【0087】
例えば、このビート密度演算部309は、ビート検出部307において、可聴周波数帯域を高(H)中(M)低(L)の3つの周波数帯域に分割されている場合には、(式1)によって示される演算を行うことによって、経過トラック時刻毎のビート密度を算出するようになっており、参照形態では、かかる演算を行うことにより、後述するような、経過トラック時刻に対するビート密度が求まることになっている。
【0088】
DBT=(βL×DfL)+(βM×DfM)+(βH×DfH) ・・・(式1)
ただし、DBTは経過トラック時刻毎のビート密度を示し、Dfは、各周波数帯域毎の計数値データを示す。また、係数βL、βM、および、βHは、ロック、ジャズ、ポップス、ラテン等の音楽のジャンル毎に、ビート密度の特徴を良好に抽出することが可能な値に設定され、実験的に求められている。
【0089】
なお、ユーザが操作部を操作することによって、音楽のジャンル毎にまたはジャンルとは関係なく係数βL、βM、および、βHを任意の値に設定することができるようになっている。
【0090】
また、ビート密度演算部309において算出された一の再生すべき一のコンテンツデータ全体におけるビート密度データは、当該コンテンツデータの時間長を示すデータを有しており、当該時間長を有するデータを含めてビート密度データを再生時刻特定操作部220に出力される。
【0091】
パックデータ分離部310には、リングバッファメモリRBMからデータ読出部304を介して読み出されたパックデータPDが入力されるようになっており、このパックデータ分離部310は、入力されたパックデータPDに含まれているサブコードデータと再生データを分離するようになっている。そして、このパックデータ分離部310は、分離されたサブコードデータを再生位置検出部31152に出力するとともに、分離された再生データを再生音生成用の再生データとして、オーディオ編集部200に出力するようになっている。
【0092】
再生位置検出部311には、パックデータ分離部310から出力されたサブコードデータが入力されるようになっており、この再生位置検出部311は、入力されたサブコードデータ中のQサブコードを抽出するようになっている。また、この再生位置検出部311は、抽出されたQサブコードに基づいて再生データがオーディオ編集部200とオーディオ信号生成部210において処理されて最終的にスピーカやヘッドフォンで再生音として再生される時点(現時点)での経過トラック時刻を検出し、当該検出された経過トラック時刻データを、再生時刻特定操作部220に出力するようになっている。
【0093】
なお、再生時刻特定操作部220は、この経過トラック時刻データに基づいて表示されるビート密度データに対応して現時点での経過トラック時刻における位置に可動操作子MFを可動するようになっている。
【0094】
次に、図6を用いて参照形態の再生時刻特定操作部220の構成およびその動作について説明する。なお、図6は、参照形態の再生時刻特定操作部220の構成を示すブロック図である。
【0095】
再生時刻特定操作部220は、上述のように、入力されたビート密度データおよび経過トラック時刻データに基づいて再生されるコンテンツデータ全体のビート密度データを表示するとともに、操作領域OFにおける可動操作子MFの可動領域に再生時刻を設定し、コンテンツデータが再生される際に、可動操作子MFの中心が表示部221に表示されるビート密度データにおけるコンテンツデータの再生時刻と一致するように、当該可動操作子MFを可動させるようになっている。
【0096】
また、この再生時刻特定操作部220は、コンテンツデータが再生されている際に、または、当該コンテンツデータの再生が停止されている際に、可動操作子MFにおけるユーザの接触の有無を検出するようになっている。そして、この再生時刻特定操作部220は、当該可動操作子MFにおけるユーザの接触の有無に基づいて、コンテンツデータの再生停止の指示、および、コンテンツデータの再生開始する時刻の指示をシステム制御部260にするようになっている。
【0097】
具体的には、この再生時刻特定操作部220は、図6に示すように、コンテンツデータ全体のビート密度データを表示するビート密度表示エリアA1を有し、当該ビート密度データを含むコンテンツデータを再生する際の各種のデータを表示するための表示部221と、ビート密度データを表示部221に表示する際の表示制御を行う表示制御部222と、表示部221におけるビート密度データを表示するビート密度表示エリアA1に並設され、コンテンツデータの再生を任意の時刻から開始するための開始時刻を特定する際に用いられる可動操作子MFと、コンテンツデータ全体の時間長を可動操作子MFの操作領域OFに対応付けるとともに、コンテンツデータが再生されている際に、再生されるコンテンツデータの経過時刻に伴って上述のビート密度データと対応付けて可動操作子MFをスライドして可動させる可動制御部223と、を有している。
【0098】
なお、例えば、参照形態の表示部221は、本発明の表示手段を構成し、表示制御部222は、本発明の表示制御手段を構成する。また、例えば、参照形態の可動操作子MFは、本発明の操作子を構成し、可動制御部223は、本発明の特定手段、可動制御手段および検出手段を構成する。
【0099】
表示部221は、液晶表示素子からなる複数の表示領域を有しており、ビート密度データを表示するビート密度表示エリアA1と、システム制御部260から出力されたTOCデータから抽出された再生されているコンテンツデータのトラック番号およびひかりディスクに記録されているトラック数を表示する関連情報表示エリアA2と、が設けられている。
【0100】
参照形態では、ビート密度表示エリアA1には、図6に示すように、予め定められた時間長を有するコンテンツデータの横軸を経過トラック時刻、縦軸をビート密度として、経過トラック時刻毎の個々のビート密度を縦方向の棒グラフ状にビート密度データが表示されるようになっている。
【0101】
例えば、音楽CDに記録されている楽曲データが再生される際には、参照形態では、ビート密度解析部300において、その音楽の一曲分のビート密度が算出されるようになっており、ビート密度表示エリアA1には、その一曲分の全てのビート密度が経過トラック時刻に対応付けて表示されるようになっている。
【0102】
また、関連表示エリアA2には、再生中の音楽が記録されているトラック番号の表示と、現時点での経過トラック時刻をデジタル表示する数値表示と、光ディスク10に記録されている全楽曲数を示す総トラック数の表示がなされるようになっており、ユーザがこれらの表示と、ビート密度表示エリアA1および関連情報表示エリアA2の表示を見ることによって、光ディスク10の内容を容易に理解できるようになっている。なお、参照形態では、経過トラック時刻は、フレーム単位まで表示することができるようになっている。
【0103】
表示制御部222には、ビート密度解析部300から出力された時間経過に伴う情報量の変化を示すコンテンツデータ全体のビート密度データと、コントロールデータデコード部180から出力されたコントロールデータとが入力されるようになっている。この表示制御部222は、入力されたビート密度データを経過トラック時刻に対応付けて表示部221に表示させるとともに、コントロールデータによって示される各種データを当該表示部221に表示させるようになっている。
【0104】
例えば、表示制御部222は、入力されたビート密度データに対して、経過トラック時刻に対応付けてコンテンツデータ全体のビート密度を表示するための画像データを生成し、当該生成された画像データをビート密度表示エリアA1に表示するようになっている。また、この表示制御部222は、入力されたTOCデータなどのコントロールデータに基づいて、上述のような各種の情報を表示するための画像データを生成し、当該生成された画像データを関連情報表示エリアA2に表示するようになっている。
【0105】
可動操作子MFは、ビート密度表示エリアA1に隣接して配設されるとともに、所定の操作領域OFを可動可能に設けられており、表示部221に表示されたビート密度データに対応して可動するようになっている。この可動操作子MFは、ビート密度表示エリアA1の一端部に並設されている端部と、ビート密度表示エリアA1の他端部に並設されている他端部と、を有する操作領域OFを可動するようになっている。
【0106】
一方、この可動操作子MFは、コンテンツデータの再生時に、当該可動操作子MFの中心を、図示しない外部装置としてのスピーカやヘッドフォンから再生音が出力される時点でのビート密度表示エリアA1における経過トラック時刻を示すため、可動制御部223の制御に基づいて、操作領域OF内をスライドして可動するようになっている。
【0107】
可動制御部223には、コンテンツデータ全体のビート密度データが入力されるようになっており、この可動制御部223は、表示部221に表示されるビート密度データと対応して可動操作子MFを可動させるため、ビート密度データによって示されるコンテンツデータの時間長に操作領域OFを対応させるようになっている。
【0108】
また、この可動制御部223は、コンテンツデータが再生されている際に、コンテンツデータの再生に伴って、操作領域OF内において可動操作子MFを可動させるとともに、ユーザによって可動操作子MFがスライドされた場合には、スライドされることによって操作領域OF内を移動した移動量を算出するとともに、当該移動量に基づいて再生時刻を算出し、当該算出された再生時刻を再生時刻データとしてビート密度解析部300、オーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210に出力するようになっている。
【0109】
例えば、可動制御部223は、操作領域OFの一端部にコンテンツデータの最初に再生される再生時刻を設定し、当該操作領域OFの他端部にコンテンツデータの再生時間長を示す再生時刻を設定するようになっている。また、コンテンツデータが再生されている際に、当該コンテンツデータの再生に伴って可動操作子MFを可動させる場合には、可動制御部223には、再生位置検出部311から出力された経過トラック時刻データが入力されるようになっており、この可動制御部223は、入力された経過トラック時刻データによって示される時点での経過トラック時刻に基づいて、ビート密度表示エリアA1の横軸(時間)に対応付けた位置を算出し、当該算出された位置に可動操作子MFを可動させるようになっている。さらに、可動制御部223は、ユーザによって可動操作子MFがスライドされた場合には、操作領域OFに設定された開始時刻および終了時刻からの可動操作子MFの移動量と操作領域OFの長さに基づいてコンテンツデータの再生時刻を算出し、当該算出された再生時刻を再生時刻データとしてビート密度解析部300、オーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210に出力するようになっている。ただし、参照形態の可動制御部223は、図6に示すモータMを制御することによって、可動操作子MFをスライドさせて可動させるようになっている。
【0110】
なお、可動制御部223は、上述のように、コンテンツデータの再生が行われる際に、可動操作子MFの中心が、表示部221に表示されるビート密度データによって示されるコンテンツの再生時刻と一致するように、可動操作子MFを可動させるようになっている。また、ユーザが、スライドして可動している可動操作子MFと、ビート密度表示エリアA1に表示されるビート密度とを対比すれば、現時点からどの位の時間が経過すると、楽曲の「サビ」の部分など、再生中の音楽の特徴部分が再生されることになるのかという視覚的な判断を容易に行うことができるようになっている。
【0111】
一方、この可動制御部223は、可動操作子MFにおけるユーザの接触の有無を検出するようになっており、ユーザが可動操作子MFに接触していることを検出した場合には、その旨をシステム制御部260に出力するようになっており、コンテンツデータの再生中であって、可動操作子MFにおけるユーザの接触を検出すると、当該コンテンツデータの再生を停止させるために、システム制御部260にその旨を出力するようになっている。
【0112】
次に、図7および図8を用いて参照形態のシステム制御部260における操作子の操作に基づく再生処理の詳細について説明する。
【0113】
なお、図7および図8は、参照形態のシステム制御部260における操作子の操作に基づく再生処理の動作を示すフローチャートである。
【0114】
また、本動作では、既に、特定の光ディスク10が光ディスク再生装置100に装填されているものとし、再生時刻が操作入力部230によって特定された後の再生は、コンテンツデータのデータ構成順に順次再生処理を行うものとして説明する。
【0115】
さらに、再生の対象となるコンテンツデータのパックデータPDは、リングバッファメモリRBMに予め全て格納されているものとする。
【0116】
まず、操作入力部230によって光ディスク10に記録されている任意のコンテンツデータの再生の旨が入力され、システム制御部260が、当該コンテンツデータの再生指示を検出すると(ステップS11)、当該システム制御部260は、ピックアップ110、スピンドルモータ130その他を制御して光ディスク10から当該コンテンツデータのコントロールデータおよび再生データを読み出させる(ステップS12)。
【0117】
次いで、システム制御部260は、コントロールデータデコード部180に読み出させたコントロールデータからサブコードデータを抽出させるとともに、ビート密度解析部300にサブコードデータおよび再生データに基づいてコンテンツデータのビート密度を解析させ、ビート密度データを生成する(ステップS13)。
【0118】
具体的には、ビート密度解析部300は、上述のように、入力されたサブコードデータと再生データとを対応づけて所定のデータ構造から成るパックデータPDを生成し、当該生成されたパックデータPDをリングバッファメモリRBMに記憶させるとともに、当該生成されたパックデータPDからビット密度データを生成する。
【0119】
次いで、システム制御部260は、表示制御部222を制御し、サブコードデータに基づいて表示部221に抽出されたコンテンツデータの関連情報を表示させるとともに、生成されたビート密度データに基づいてコンテンツデータ全体のビート密度を表示部221に表示させる(ステップS14)。
【0120】
次いで、システム制御部260は、可動制御部223を制御してビート密度データによって示されるコンテンツデータの時間長を可動操作子MFの操作領域OFに設定するとともに、コンテンツデータの再生可能な状態になったことをユーザに告知し、コンテンツデータの再生開始の旨の入力を待機する(ステップS15)。
【0121】
なお、参照形態では、コンテンツデータの時間長を可動操作子MFの操作領域OFに設定する場合に、例えば、可動制御部223は、操作領域OFの端部にコンテンツデータの最初に再生される再生時刻を設定し、当該操作領域OFの他端部にコンテンツデータの再生時間長を示す再生時刻を設定することによって、コンテンツデータの時間長を可動操作子MFの操作領域OFに設定する。
【0122】
次いで、ジョグダイヤルなどの操作入力部230の操作により、任意の時刻からの再生の開始が指示され、システム制御部260がこの指示を検出すると(ステップS16)、当該システム制御部260は、この操作入力部230の操作指示に基づいて、ビート密度解析部300、オーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210を制御して、特定された再生時刻からコンテンツデータを再生させるとともに、可動制御部223に特定された再生時刻が設定されている操作領域OFに可動操作子MFをスライドさせて可動を開始させる(ステップS17)。
【0123】
具体的には、操作入力部230によってコンテンツデータの再生を開始させる再生時刻が特定されると、ビート密度解析部300は、リングバッファメモリRBMから当該再生時刻に該当するパックデータPDを読み出し、当該読み出されたパックデータPDの再生データをオーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210に出力し、スピーカなどの外部装置を鳴動させる。また、再生位置検出部311から経過トラック時刻データが可動制御部223に入力され、当該可動制御部223は、入力された経過トラック時刻データによって示される経過トラック時刻に、対応する操作領域OFの位置を算出し、当該算出された位置に可動操作子MFをスライドさせる。また、表示制御部222は、コンテンツデータの再生時の経過時間など、入力されたサブコードデータに基づいて、コンテンツデータの関連情報を表示部221に表示を開始させる。
【0124】
次いで、システム制御部260は、ビート密度解析部300、オーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210を制御してコンテンツデータの再生の処理(以下、単に再生処理という。)、可動制御部223を制御して可動操作子MFの可動させる処理(以下、単に可動処理という。)、および、表示部221にコンテンツデータの関連情報を表示部221に表示する処理(以下、単に表示処理という。)を行う(ステップS18)。
【0125】
具体的には、システム制御部260は、読み出しアドレスコントローラ303がアドレス順に順次リングバッファからパックデータPDを読み出させ、オーディオ編集部200およびオーディ信号生成部において当該パックデータPDの再生データに対して所定の処理を行いスピーカなどの外部装置を鳴動させる。また、システム制御部260は、リングバッファメモリRBMから読み出されたパックデータPDにおけるサブコードデータに基づいて表示部221に関連情報を順次表示させる。さらに、システム制御部260は、可動制御部223に経過時刻データに基づいて操作領域OF内の特定の位置を算出し、当該算出された位置に可動操作子MFを可動させる。
【0126】
次いで、システム制御部260は、ユーザによって操作入力部230を介して再生停止が入力されたか否かを検出し、および、リングバッファメモリRBMにおける再生すべきパックデータPDの有無を検出し、コンテンツデータの再生停止を判断する(ステップS19)。
【0127】
このとき、システム制御部260に操作部を介して再生停止の旨が入力された場合、または、リングバッファメモリRBMにおける再生すべきパックデータPDが無いことを検出した場合には、システム制御部260は本動作を終了させる。
【0128】
一方、システム制御部260に操作部を介して再生停止の旨が入力されず、および、リングバッファメモリRBMにおける再生すべきパックデータPDが有ると判断した場合には、システム制御部260は、可動制御部223に可動操作子MFにおけるユーザの接触の有無を判断させる(ステップS20)。
【0129】
このとき、可動制御部223が、可動操作子MFに接触していないと判断した場合には、システム制御部260は、ステップS18の処理に移行する。
【0130】
他方、可動制御部223が、可動操作子MFに接触していると判断した場合には、システム制御部260は、ビート密度解析部300、オーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210を制御してコンテンツデータの再生処理を停止する(ステップS21)。
【0131】
次いで、システム制御部260は、予め設定された時間間隔毎に可動制御部223に可動操作子MFにおけるユーザの非接触の有無を検出し(ステップS22)、当該可動制御部223が、ユーザが可動操作子MFに非接触になったことを判断した場合には、システム制御部260は、可動制御部223に可動操作子MFの操作領域OF内の位置に対応する再生時刻を算出させ、当該算出させた再生時刻を再生時刻データとし各部に出力させる(ステップS23)。
【0132】
次いで、システム制御部260は、算出された再生時刻データに基づいてビート密度解析部300、オーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210を制御して当該再生時刻データによって示される再生時刻からコンテンツデータの再生を開始させるとともに、可動制御部223を制御して特定された再生時刻が設定されている操作領域OFに可動操作子MFをスライドさせて可動を開始させ、ステップS18の処理に移行させる(ステップS24)。
【0133】
具体的には、ビート密度解析部300は、リングバッファメモリRBMから当該再生時刻に該当するパックデータPDを読み出すとともに、当該読み出されたパックデータPDの再生データオーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210に出力し、スピーカなどの外部装置を鳴動させる。また、表示制御部222は、コンテンツデータの再生時の経過時間など、入力されたサブコードデータに基づいて、コンテンツデータの関連情報を表示部221に表示を開始させる。
【0134】
以上参照形態によれば、光ディスク再生装置100は、予め定められた時間長を有するコンテンツデータの再生を行う光ディスク再生装置100であって、コンテンツデータと当該コンテンツデータを再生する際の時間経過を示すサブコードデータ(時間経過情報)を取得するコントロールデータデコード部180およびオーディオデータデコード部160と、取得されたコンテンツデータおよびサブコードデータに基づいて当該コンテンツデータの再生時における時間経過に伴う情報量の変化を解析するビート密度解析部300と、取得されたコンテンツデータ全体における解析された当該コンテンツデータの時間経過に伴う情報量の変化をレベル情報として表示部221に表示させる表示制御部222と、ユーザが直接接触することが可能であるとともに所定の操作領域OF内にて当該ユーザの操作に伴って直接可動する可動操作子MFであって、取得されたコンテンツデータの再生を任意の時刻から開始するための開始時刻を特定する際に用いられる当該可動操作子MFを有する再生時刻特定操作部220と、可動操作子MFによって特定された開始時刻からコンテンツデータの再生を実行させるシステム制御部260と、を備える構成を有している。
【0135】
この構成により、参照形態の光ディスク再生装置100は、ユーザが可動操作子MFを操作することによって、当該操作領域OF内の各操作位置にコンテンツデータのサブコードデータによって示される各時刻が特定されれば、当該特定された再生時刻からコンテンツデータが再生される。
【0136】
したがって、参照形態の光ディスク再生装置100は、ビート密度データが表示される表示領域に対応付けられて可動操作子MFを可動することができるので、再生中のコンテンツデータの特徴部分を視覚的に把握することができ、かつ、再生すべきコンテンツデータの再生時刻を的確に特定することができる。この結果、参照形態の光ディスク再生装置100は、直接的に、かつ、直感的に、ユーザが所望する再生時刻を指定することができるとともに、当該再生時刻を指定する操作を容易に行うことができる。
【0137】
また、参照形態の光ディスク再生装置100は、表示部221がコンテンツデータ全体のレベル情報を同時に表示するビート密度表示エリアA1を有し、再生時刻特定操作部220が、レベル情報のビート密度表示エリアA1に対応した操作領域OF内を可動する可動操作子MFを有する構成をしている。
【0138】
この構成により、参照形態の光ディスク再生装置100は、コンテンツデータ全体のビート密度データが表示される表示領域に対応付けられて可動操作子MFを可動することができるので、再生中の音楽の特徴部分を視覚的に把握することができ、かつ、再生すべきコンテンツデータの再生時刻を的確に特定することができる。
【0139】
また、参照形態の光ディスク再生装置100は、再生時刻特定操作部220が、ビート密度表示エリアA1の一端部に並設される端部と、ビート密度表示エリアA1の他端部に並設されている他端部と、を備える操作領域OFを有する構成している。
【0140】
この構成により、参照形態の光ディスク再生装置100は、ビート密度表示エリアA1と再生時刻特定操作部220の操作領域OFが並設されるとともに、ビート密度データが表示される表示領域に対応付けられて可動操作子MFを可動することができるので、再生中の音楽の特徴部分を視覚的に把握することができ、かつ、再生すべきコンテンツデータの再生時刻を的確に特定することができる。
【0141】
また、参照形態の光ディスク再生装置100は、当該コンテンツデータの再生に伴って、表示部221におけるコンテンツデータの再生時刻のレベル情報を特定しつつ、操作子を可動させる可動制御部223を更に備える構成を有している。
【0142】
この構成により、参照形態の光ディスク再生装置100は、当該コンテンツデータの再生に伴って、コンテンツデータの再生時刻のレベル情報を特定しつつ、可動操作子MFを可動させることができるので、可動操作子MFによりコンテンツデータの再生時刻を確認しつつ、当該再生時刻によって示されるレベル情報を容易にかつ的確に把握することができる。
【0143】
また、参照形態の光ディスク再生装置100は、コンテンツデータの再生が行われている際に、操作子におけるユーザの接触の有無を検出する可動制御部223を更に備え、当該可動制御部223によって操作子におけるユーザの接触が検出された場合に、システム制御部260は、コンテンツデータにおける再生の停止を実行させる構成を有している。
【0144】
この構成により、参照形態の光ディスク再生装置100は、可動操作子MFにおけるユーザの接触の有無を検出する。
【0145】
したがって、参照形態の光ディスク再生装置100は、コンテンツデータの再生中にユーザによって可動操作子MFが可動される場合であっても、当該ユーザによる可動操作子MFの可動を認識することができるので、コンテンツデータの再生中に当該ユーザによる可動操作子MFの可動を認識した場合には、当該コンテンツデータの再生停止、または、当該コンテンツデータの再生停止後に当該ユーザによる可動操作子MFの可動終了を認識した場合には、当該可動操作子MFが可動された操作領域OFの位置からの再生開始など、可動操作子MFの操作状態とコンテンツデータの再生動作とを連動させることができる。この結果、参照形態の光ディスク再生装置100は、直接的に、かつ、直感的に、ユーザが所望する再生時刻を指定することができるとともに、当該ユーザの操作状態に併せてコンテンツデータの再生を行うことができる。
【0146】
また、参照形態の光ディスク再生装置100は、システム制御部260がコンテンツデータの再生を停止させた場合であって、可動制御部223によって可動操作子MFにおけるユーザの非接触が検出された場合に、可動操作子MFが示す操作領域OFの位置に対応するコンテンツデータの再生時刻を算出する可動制御部223更に備え、ビート密度解析部300が、算出された再生時刻からコンテンツデータの再生を再開させる構成を有している。
【0147】
この構成により、参照形態の光ディスク再生装置100は、コンテンツデータの再生中に当該ユーザによる可動操作子MFの可動を認識した場合であって、コンテンツデータの再生停止後に当該ユーザによる可動操作子MFの可動終了を認識した場合には、当該可動操作子MFが可動された操作領域OFの位置からの再生を開始することができるので、直接的に、かつ、直感的に、ユーザが所望する再生時刻を指定することができるとともに、当該ユーザの操作状態に併せてコンテンツデータの再生を行うことができる。
【0148】
一方、参照形態によれば、光ディスク再生装置100は、予め定められた時間長を有するコンテンツデータの再生を行う光ディスク再生装置100であって、コンテンツデータと当該コンテンツデータが再生される際の時間長を示す時間長データを取得するコントロールデータデコード部180およびオーディオデータデコード部160と、ユーザが直接接触することが可能であるとともに、所定の操作領域OF内にて当該ユーザの操作に伴って直接可動する可動操作子MFであって、取得されたコンテンツデータの再生を任意の時刻から開始するための開始時刻を特定する際に用いられる当該可動操作子MFを有する再生時刻特定操作部220と、取得された時間長データに基づいて可動操作子MFの操作範囲に対して当該コンテンツデータの再生時刻を対応付けるとともに、可動操作子MFによって特定された開始時刻からコンテンツデータの再生を実行させるシステム制御部260と、当該コンテンツデータの再生に伴って可動操作子MFを操作範囲内にて可動させること、および、可動操作子MFにおけるユーザの接触を検出することを行う可動制御部223と、を備え、システム制御部260が、コンテンツデータの再生中にユーザの接触が検出された場合に、当該コンテンツデータの再生の停止を実行させる構成を有している。
【0149】
この構成により、参照形態の光ディスク再生装置100は、当該コンテンツデータの再生に伴って可動操作子MFを操作範囲内にて可動させ、可動操作子MFにおけるユーザの接触を検出するとともに、コンテンツデータの再生中にユーザの接触が検出された場合に、当該コンテンツデータの再生の停止を実行させる。
【0150】
したがって、参照形態の光ディスク再生装置100は、コンテンツデータの再生中の再生時刻を視覚的に把握することができるとともに、再生中にユーザが再生時刻の変更を希望する際に、容易に、かつ、スムーズにコンテンツデータの再生時刻を特定することができる。この結果、参照形態の光ディスク再生装置100は、直接的に、かつ、直感的に、ユーザが所望する再生時刻を指定することができるとともに、当該再生時刻を指定する操作を容易に行うことができる。
【0151】
また、参照形態の光ディスク再生装置100は、システム制御部260がコンテンツデータの再生の停止中に、可動制御部223によって可動操作子MFにおけるユーザの非接触が検出された場合に、当該可動操作子223が示す操作領域OFの位置に対応するコンテンツデータの再生時刻を特定し、ビート密度解析部300が、特定された再生時刻からコンテンツデータの再生を再開させる構成を有している。
【0152】
この構成により、参照形態の光ディスク再生装置100は、ユーザが可動操作子MFを操作して操作領域OF内における任意の位置の特定後に、当該可動操作子MFから離すと、当該特定された位置に対応する再生時刻から再生を開始するので、容易に、かつ、スムーズにコンテンツデータの再生を行うことができる。
【0153】
また、参照形態の光ディスク再生装置100は、コントロールデータデコード部180およびオーディオデータデコード部160がコンテンツデータとともに当該コンテンツデータを再生する際の時間経過を示すサブコードデータを取得する場合に、可動制御部223が、コンテンツデータの再生中に取得されたサブコードデータに基づいてコンテンツデータの再生時刻に伴って、可動操作子MFを制御する構成を有している。
【0154】
この構成により、参照形態の光ディスク再生装置100は、コンテンツデータの再生中に、再生時刻に伴って可動操作子MFを可動することができるので、再生中のコンテンツデータの再生時刻を視覚的に把握することができるので、直接的に、かつ、直感的に、ユーザが所望する再生時刻を指定することができるとともに、当該再生時刻を指定する操作を容易に行うことができる。
【0155】
また、参照形態の光ディスク再生装置100は、取得されたコンテンツデータおよびサブコードデータに基づいて当該コンテンツデータの再生時における時間経過に伴う情報量の変化を解析するビート密度解析部300と、取得されたコンテンツデータ全体における解析された当該コンテンツデータの時間経過に伴う情報量の変化をレベル情報として前記コンテンツデータ全体のレベル情報を同時に表示する表示領域を有する表示部221に表示させる表示制御部222と、を更に備え、再生時刻特定操作部が、レベル情報の表示領域に対応した操作領域OF内を可動する可動操作子MFを有する構成を有している。
【0156】
この構成により、参照形態の光ディスク再生装置100は、上述の同様に、ユーザが可動操作子MFを操作することによって、当該操作領域OF内の各操作位置にコンテンツデータのサブコードデータによって示される各時刻が特定されれば、当該特定された再生時刻からコンテンツデータが再生される。
【0157】
したがって、参照形態の光ディスク再生装置100は、上述の同様に、ビート密度データが表示される表示領域に対応付けられて可動操作子MFを可動することができるので、再生中のコンテンツデータの特徴部分を視覚的に把握することができ、かつ、再生すべきコンテンツデータの再生時刻を的確に特定することができる。この結果、参照形態の光ディスク再生装置100は、直接的に、かつ、直感的に、ユーザが所望する再生時刻を指定することができるとともに、当該再生時刻を指定する操作を容易に行うことができる。
【0158】
なお、システム制御部260は、メモリカード格納部250に挿入されたメモリカード20との間でデータの授受を行い、更に、操作部を介して入力されたユーザの指示信号に基づいて、所定のデータを取得してビート密度解析、可動操作子MFの制御を行うようにしてもよい。
【0159】
この場合には、メモリカード20内には、コンテンツデータのTOCデータ他のコントロールデータおよび既に解析されたビート密度データが格納されており、当該コントロールデータおよびビート密度データを用いて、上述の操作子の操作に基づく再生処理を行うようになる。ただし、この場合であっても、リングバッファメモリRBMには、装填された光ディスク10から読み出されて生成されたパックデータPDが記憶されるようになる。
【0160】
また、参照形態では、音楽データの特殊再生を行う特殊再生装置として、すなわち、コンテンツデータに楽曲のデータを用い、ビート密度データの表示領域と可動操作子MFの操作領域OFを対応させることによって、再生処理を行う再生装置として説明したが、動画像データにおける操作子の操作に基づいて再生処理を行う光ディスク再生装置としても適用することができる。
【0161】
この場合には、ビート密度データに代えて、動画像データを構成する各画像データにおいて、各画像の変化率を示す情報量を検出し、当該検出された画像データの変化率を示す情報量のレベルをレベル情報としてビート密度データと同様に経過時間に表示部221表示するようになる。例えば、MPEG方式の動画像データを用いる場合には、自らの画像のみで完全なフレーム画像を再生することができる特性を有するIピクチャー(intra-coded picture:イントラ符号化画像)における画像データの情報量のレベルを時間経過に伴うレベル情報として表示部221に表示するようなる。すなわち、画像データにおいて、場面(シーン)の転換が生じた位置は、画像の変化率を示す情報量は多くなるので、当該情報量のレベル情報によって場面の先頭の画像を特定することができるようになっている。また、リングバッファメモリRBMには、再生データとしてMEPG方式の画像データが記憶されるようになる。したがって、この場合には、光ディスク再生装置は、動画像データを再生する際に、または、動画像データを編集する際に、動画像データを連続的に再生する際の再生装置として用いられ、音楽データを再生するときと同様に、光ディスクの回転速度をユーザが操作することによって再生する機能、または、特定の音楽データのデータ部分を繰り返し再生する機能などの特殊再生を行う特殊再生装置として使用することが可能である。
【0162】
また、参照形態の可動制御部223は、入力された経過時刻データに基づいて可動操作子MFが可動する操作領域OFの位置を算出するとともに、ユーザの操作によりスライドされた可動操作子MFの操作領域OF内における任意の位置に基づいて移動量を算出し、当該算出された移動量に基づいて再生時刻を算出するようになっているが、当該操作領域OFの内部に一定間隔毎のメモリを設け、可動制御部223がコンテンツデータの時間長に基づいて各メモリに対して再生時刻を割り当てることによって再生時刻の特定または可動操作子MFのスライド動作の制御を行うようにしてもよい。
【0163】
また、参照形態の光ディスク再生装置100では、ビート密度データその他のデータを表示するための表示部221が当該光ディスク再生装置100内部に設けられているが、当該表示部221のみ外部装置として接続されていてもよい。
【0164】
〔実施形態〕
次に、図9〜図11を用いて光ディスクの再生を行う光ディスク再生装置の実施形態について説明する。
【0165】
本実施形態の光ディスク再生装置は、参照形態の再生時刻特定操作部において、動作制御可能な可動操作子に代えて、接触式可動操作子であるタッチセンシング機能を有するタッチパネル(タッチパッドともいう。また、以下、位置指定操作子という。)を用いた点に特徴があり、その他の構成は参照形態の同様であり、同一の部材には同一の番号を付与して説明を省略する。
【0166】
まず、図9を用いて本実施形態の再生時刻特定操作部の構成について説明する。なお、図9は、本実施形態の再生時刻特定操作部の構成を示すブロック図である。
【0167】
本実施形態の再生時刻特定操作部500は、図9に示すように、表示部502と、表示制御部222と、表示部502におけるビート密度データを表示する表示領域に並設され、コンテンツデータの再生を任意の時刻から開始するための開始時刻を特定する際に用いられる位置指定操作子TDと、コンテンツデータ全体の時間長を可動操作子MFの操作領域OFに対応付けるとともに、位置指定操作子TDによって任意の位置が指定された際に、当該指定された位置に基づいて再生時刻を特定する再生時刻特定部501と、を有している。
【0168】
なお、例えば、本実施形態の表示部502は、本発明の表示手段を構成し、表示制御部222は、本発明の表示制御手段を構成する。また、例えば、本実施形態の位置指定操作子TDは、本発明の操作部を構成する。
【0169】
位置指定操作子TDは、ビート密度表示エリアA1に隣接して配設されるとともに、所定の操作領域OF内における任意の位置を指定することができるようになっており、表示部502に表示されたビート密度データに対応した再生時刻を指定することができるようになっている。この位置指定操作子TDは、ビート密度表示エリアA1の一端部に並設されている端部と、ビート密度表示エリアA1の他端部に並設されている他端部と、を有する操作領域OF内の任意の位置を指定することができるようになっている。
【0170】
具体的には、位置指定操作子TDは、操作領域OF内に平面構造を有し、表面にユーザの指が接触されたときに、当該ユーザの指が接触された位置を指定位置として認識することができるようになっており、認識された位置の情報(以下、位置情報という。)を再生時刻特定部501に出力するようになっている。
【0171】
例えば、本実施形態の位置指定操作子TDは、リボンコントローラから形成されるようになっており、リボンコントローラにおいてユーザの指が接触している位置の認識を行うようになっている。
【0172】
なお、位置指定操作子TDは、ユーザが位置指定操作子TDに接触された際に、ユーザの指Fが連続的に異なる位置に接触されたことを認識した場合には、ユーザの指が最終的に非接触となった位置を位置情報として再生時刻特定部501に出力するようになっている。
【0173】
再生時刻特定部501には、位置指定操作子TDから出力された位置情報と、ビート密度解析部300から出力されたコンテンツデータ全体のビート密度データが入力されるようになっている。また、この再生時刻特定部501は、入力されたビート密度データによって示されるコンテンツデータの時間長に位置指定操作子TDにおける操作領域OFを対応させるとともに、入力された位置情報に基づいて再生すべきコンテンツデータの再生時刻を特定し、当該算出された再生時刻を再生時刻データとしてビート密度解析部300、オーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210に出力するようになっている。
【0174】
具体的には、再生時刻特定部501は、操作領域OFに設定された開始時刻および終了時刻からの可動操作子MFの移動量と操作領域OFの長さと、入力された位置情報に基づいてコンテンツデータの再生時刻を算出し、当該算出された再生時刻を再生時刻データとしてビート密度解析部300、オーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210に出力するようになっている。
【0175】
なお、ユーザが位置指定操作子TDの操作領域OFと、ビート密度表示エリアA1に表示されるビート密度とを対比すれば、現時点からどの位の時間が経過すると、楽曲の「サビ」の部分など、再生中の音楽の特徴部分が再生されることになるのかという視覚的な判断を容易に行うことができるようになっている。
【0176】
また、ビート密度解析部300、オーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210は、参照形態と同様に、再生時刻設定部から出力された再生時刻データに基づいて再生データの読み出し、および、再生処理を行うようになっている。
【0177】
表示部502は、液晶表示素子からなる複数の表示領域を有しており、図9に示すように、ビート密度データを表示するビート密度表示エリアA1と、システム制御部260から出力されたTOCデータから抽出された再生されているコンテンツデータのトラック番号および光ディスクに記録されているトラック数を表示する関連情報表示エリアA2と、コンテンツデータの再生中に視覚的に当該コンテンツデータの全体の再生時間に対する再生時刻を示す再生時刻エリアA3と、が設けられている。
【0178】
本実施形態では、ビート密度表示エリアA1には、参照形態と同様に、予め定められた時間長を有するコンテンツデータの横軸を経過トラック時刻、縦軸をビート密度として、経過トラック時刻毎の個々のビート密度を縦方向の棒グラフ状にビート密度データが表示されるようになっている。
【0179】
また、関連表示エリアA2には、参照形態と同様に、再生中の音楽が記録されているトラック番号の表示と、現時点での経過トラック時刻をデジタル表示する数値表示と、光ディスク10に記録されている全楽曲数を示す総トラック数の表示がなされるようになっている。
【0180】
さらに、再生時刻エリアA3には、コンテンツデータの再生中に、当該コンテンツデータの全体の時間における再生時刻を示す表示が為されるとともに、当該コンテンツデータの再生中に、位置指定操作子TDが操作され、再生開始が指示された場合に、すなわち、ユーザの指が非接触になった場合に、当該ユーザの指に対応した再生時刻を示す表示が為されるようになっている。
【0181】
次に、図10および図11を用いて、本実施形態のシステム制御部260における操作子の操作に基づく再生処理について説明する。
【0182】
なお、図10および図11は、本実施形態のシステム制御部260における操作子の操作に基づく再生処理の動作を示すフローチャートである。
【0183】
また、本動作では、既に、特定の光ディスク10が光ディスク再生装置100に装填されているものとし、再生時刻が操作部によって特定された後の再生は、コンテンツデータのデータ構成順に順次再生処理を行うものとして説明する。
【0184】
さらに、再生の対象となるコンテンツデータのパックデータPDは、リングバッファメモリRBMに予め全て格納されているものとする。
【0185】
まず、操作入力部230によって光ディスク10に記録されている任意のコンテンツデータの再生の旨が入力され、システム制御部260が、当該コンテンツデータの再生指示を検出すると(ステップS31)、当該システム制御部260は、ピックアップ110、スピンドルモータ130その他を制御して光ディスク10から当該コンテンツデータのコントロールデータおよび再生データを読み出させる(ステップS32)。
【0186】
次いで、システム制御部260は、コントロールデータデコード部180に読み出させたコントロールデータからサブコードデータを抽出させるとともに、ビート密度解析部300にサブコードデータおよび再生データに基づいてコンテンツデータのビート密度を解析させ、ビート密度データを生成する(ステップS33)。
【0187】
具体的には、ビート密度解析部300は、参照形態と同様に、入力されたサブコードデータと再生データとを対応づけて所定のデータ構造から成るパックデータPDを生成し、当該生成されたパックデータPDをリングバッファメモリRBMに記憶させるとともに、当該生成されたパックデータPDからビット密度データを生成する。
【0188】
次いで、システム制御部260は、表示制御部222を制御し、サブコードデータに基づいて表示部502に抽出されたコンテンツデータの関連情報を表示させるとともに、生成されたビート密度データに基づいてコンテンツデータ全体のビート密度を表示部502に表示させる(ステップS34)。
【0189】
次いで、システム制御部260は、再生時刻特定部501を制御してビート密度データによって示されるコンテンツデータの時間長を位置指定操作子TDの操作領域OFに設定するとともに、コンテンツデータの再生可能な状態になったことユーザに告知し、コンテンツデータの再生開始の旨の入力を待機する(ステップS35)。
【0190】
なお、本実施形態では、例えば、再生時刻特定部501は、操作領域OFの端部にコンテンツデータの最初に再生される再生時刻を設定し、当該操作領域OFの他端部にコンテンツデータの再生時間長を示す再生時刻を設定することによって、コンテンツデータの時間長を位置指定操作子TDの操作領域OFに設定する。
【0191】
次いで、ジョグダイヤルなどの操作入力部230の操作により、任意の時刻からの再生の開始が指示され、システム制御部260がこの指示を検出すると(ステップS36)、当該システム制御部260は、この操作入力部230の操作指示に基づいて、ビート密度解析部300、オーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210を制御して、特定された再生時刻からコンテンツデータを再生させる(ステップS37)。
【0192】
具体的には、参照形態と同様に、操作入力部230によってコンテンツデータの再生を開始させる再生時刻が特定されると、ビート密度解析部300は、リングバッファメモリRBMから当該再生時刻に該当するパックデータPDを読み出し、当該読み出されたパックデータPDの再生データオーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210に出力し、スピーカなどの外部装置を鳴動させる。また、表示制御部222は、コンテンツデータの再生時の経過時間など、入力されたサブコードデータに基づいて、コンテンツデータの関連情報を表示部502に表示を開始させる。
【0193】
次いで、システム制御部260は、ビート密度解析部300、オーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210を制御してコンテンツデータの再生処理、および、表示部502にコンテンツデータの関連情報を表示部502に表示する表示処理を行う(ステップS38)。
【0194】
具体的には、システム制御部260は、読み出しアドレスコントローラ303がアドレス順に順次リングバッファからパックデータPDを読み出させ、オーディオ編集部200およびオーディ信号生成部において当該パックデータPDの再生データに対して所定の処理を行いスピーカなどの外部装置を鳴動させる。また、システム制御部260は、リングバッファメモリRBMから読み出されたパックデータPDにおけるサブコードデータに基づいて表示部502に関連情報を順次表示させる。
【0195】
次いで、システム制御部260は、ユーザによって操作入力部230を介して再生停止が入力されたか否かを検出し、および、リングバッファメモリRBMにおける再生すべきパックデータPDの有無を検出し、コンテンツデータの再生停止を判断する(ステップS39)。
【0196】
このとき、システム制御部260に操作部を介して再生停止の旨が入力された場合、または、リングバッファメモリRBMにおける再生すべきパックデータPDが無いことを検出した場合には、システム制御部260は本動作を終了させる。
【0197】
一方、システム制御部260に操作部を介して再生停止の旨が入力されず、および、リングバッファメモリRBMにおける再生すべきパックデータPDが有ると判断した場合には、システム制御部260は、再生時刻特定部501に位置指定操作子TDにおけるユーザの接触の有無を判断させる(ステップS40)。
【0198】
具体的には、再生時刻特定部501は、位置指定操作子TDから位置情報が入力されたか否かを検出することによって、ユーザの接触の有無を判断する。また、このとき、再生時刻特定部501が、位置指定操作子TDに接触していないと判断した場合には、システム制御部260は、ステップS38の処理に移行する。
【0199】
他方、再生時刻特定部501が、位置指定操作子TDに接触していると判断した場合には、システム制御部260は、当該再生時刻特定部501に、位置指定操作子TDから入力された位置情報に基づいて、位置指定操作子TDの操作領域OF内の位置に対応する再生時刻を算出させ、当該算出させた再生時刻を再生時刻データとし各部に出力させる(ステップS41)。
【0200】
次いで、システム制御部260は、算出された再生時刻データに基づいてビート密度解析部300、オーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210を制御して当該再生時刻データによって示される再生時刻にコンテンツデータの再生をスキップさせ、ステップS38の処理に移行させる(ステップS42)。
【0201】
具体的には、ビート密度解析部300は、リングバッファメモリRBMから当該再生時刻に該当するパックデータPDを読み出すとともに、当該読み出されたパックデータPDの再生データオーディオ編集部200およびオーディオ信号生成部210に出力し、スピーカなどの外部装置を鳴動させる。
【0202】
次いで、システム制御部260は、表示制御部222を制御してコンテンツデータの再生時の経過時間など、入力されたサブコードデータに基づいて表示部502におけるコンテンツデータの関連情報を更新させる(ステップS43)。
【0203】
以上本実施形態によれば、光ディスク再生装置100は、予め定められた時間長を有するコンテンツデータの再生を行う光ディスク再生装置100であって、コンテンツデータと当該コンテンツデータを再生する際の時間経過を示すサブコードデータ(時間経過情報)を光ディスク10から取得するコントロールデータデコード部180およびオーディオデータデコード部160と、取得されたコンテンツデータおよびサブコードデータに基づいて当該コンテンツデータの再生時における時間経過に伴う情報量の変化を解析するビート密度解析部300と、取得されたコンテンツデータ全体における解析された当該コンテンツデータの時間経過に伴う情報量の変化をレベル情報として表示部502に表示させる表示制御部222と、ユーザが直接接触することが可能であるとともに所定の操作領域OF内にて当該ユーザの操作に伴って直接可動する位置指定操作子TDであって、取得されたコンテンツデータの再生を任意の時刻から開始するための開始時刻を特定する際に用いられる当該位置指定操作子TDを有する再生時刻特定操作部500と、可動操作子MFによって特定された開始時刻からコンテンツデータの再生を実行させるシステム制御部260と、を備える構成を有している。
【0204】
この構成により、本実施形態の光ディスク再生装置100は、ユーザが位置指定操作子TDを操作することによって、当該操作領域OF内の各操作位置にコンテンツデータのサブコードデータによって示される各時刻が特定されれば、当該特定された再生時刻からコンテンツデータが再生される。
【0205】
したがって、本実施形態の光ディスク再生装置100は、ビート密度データが表示される表示領域に対応付けられて可動操作子MFを可動することができるので、再生中のコンテンツデータの特徴部分を視覚的に把握することができ、かつ、再生すべきコンテンツデータの再生時刻を的確に特定することができる。この結果、本実施形態の光ディスク再生装置100は、直接的に、かつ、直感的に、ユーザが所望する再生時刻を指定することができるとともに、当該再生時刻を指定する操作を容易に行うことができる。
【0206】
また、本実施形態の光ディスク再生装置100は、表示部502がコンテンツデータ全体のレベル情報を同時に表示するビート密度表示エリアA1を有し、再生時刻特定操作部500が、レベル情報のビート密度表示エリアA1に対応した操作領域OF内を可動する可動操作子MFを有する構成をしている。
【0207】
この構成により、本実施形態の光ディスク再生装置100は、コンテンツデータ全体のビート密度データが表示される表示領域に対応付けられて可動操作子MFを可動することができるので、再生中の音楽の特徴部分を視覚的に把握することができ、かつ、再生すべきコンテンツデータの再生時刻を的確に特定することができる。
【0208】
また、本実施形態の光ディスク再生装置100は、再生時刻特定操作部500が、ビート密度表示エリアA1の一端部に並設される端部と、ビート密度表示エリアA1の他端部に並設されている他端部と、を備える操作領域OFを有する構成している。
【0209】
この構成により、本実施形態の光ディスク再生装置100は、ビート密度表示エリアA1と再生時刻特定操作部500の操作領域OFが並設されるとともに、ビート密度データが表示される表示領域に対応付けられて可動操作子MFを可動することができるので、再生中の音楽の特徴部分を視覚的に把握することができ、かつ、再生すべきコンテンツデータの再生時刻を的確に特定することができる。
【0210】
また、本実施形態の光ディスク再生装置100は、コンテンツデータの時間長を位置指定操作子TDの操作領域OFOFに対応付けるとともに、当該操作領域OFOF内の各操作位置にコンテンツデータの再生時刻を特定する再生時刻特定部501を更に有し、ユーザが位置指定操作子TDを可動させることによって操作領域OFOF内の任意の位置を特定した場合に、再生時刻特定部501が、接触された操作領域OFOFの位置に基づいてコンテンツデータの時間経過情報によって示される各時刻を特定する構成を有している。
【0211】
この構成により、本実施形態の光ディスク再生装置100は、再生中のコンテンツデータの特徴部分を視覚的に把握することができ、かつ、再生すべきコンテンツデータの再生時刻を的確に特定することができる。
【0212】
なお、システム制御部260は、メモリカード格納部250に挿入されたメモリカード20との間でデータの授受を行い、更に、操作部を介して入力されたユーザの指F示信号に基づいて、所定のデータを取得してビート密度解析、可動操作子MFの制御を行うようにしてもよい。
【0213】
この場合には、メモリカード20内には、コンテンツデータのTOCデータ他のコントロールデータおよび既に解析されたビート密度データが格納されており、当該コントロールデータおよびビート密度データを用いて、上述の操作子の操作に基づく再生処理を行うようになる。ただし、この場合であっても、リングバッファメモリRBMには、装填された光ディスク10から読み出されて生成されたパックデータPDが記憶されるようになる。
【0214】
また、本実施形態では、音楽データの特殊再生を行う特殊再生装置として、すなわち、コンテンツデータに楽曲のデータを用い、ビート密度データの表示領域と可動操作子MFの操作領域OFを対応させることによって、再生処理を行う光ディスク再生装置として説明したが、動画像データにおける操作子の操作に基づく再生処理を行う光ディスク再生装置としても適用することができる。
【0215】
この場合には、ビート密度データに代えて、動画像データを構成する各画像データにおいて、各画像の変化率を示す情報量を検出し、当該検出された画像データの変化率を示す情報量のレベルをレベル情報としてビート密度データと同様に経過時間に表示部502表示するようになる。例えば、MPEG方式の動画像データを用いる場合には、自らの画像のみで完全なフレーム画像を再生することができる特性を有するIピクチャー(intra-coded picture:イントラ符号化画像)における画像データの情報量のレベルを時間経過に伴うレベル情報として表示部502に表示するようなる。すなわち、画像データにおいて、場面(シーン)の転換が生じた位置は、画像の変化率を示す情報量は多くなるので、当該情報量のレベル情報によって場面の先頭の画像を特定することができるようになっている。また、リングバッファメモリRBMには、再生データとしてMEPG方式の画像データが記憶されるようになる。したがって、この場合には、光ディスク再生装置は、動画像データを再生する際に、または、動画像データを編集する際に、動画像データを連続的に再生する際の再生装置として用いられ、音楽データを再生するときと同様に、光ディスクの回転速度をユーザが操作することによって再生する機能、または、特定の音楽データのデータ部分を繰り返し再生する機能などの特殊再生を行う特殊再生装置として使用することが可能である。
【0216】
また、本実施形態の光ディスク再生装置100では、ビート密度データその他のデータを表示するための表示部502が当該光ディスク再生装置100内部に設けられているが、当該表示部502のみ外部装置として接続されていてもよい。
【0217】
また、本実施形態では、位置指定操作子TDの位置指定を認識するためにのみ用いているが、コンテンツデータの再生中におよびユーザの指Fが接触している際に、当該位置指定操作子TDに再生中におけるコンテンツデータの経過時刻またはユーザの指Fが接触している位置を示す表示を行うようにしてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータの再生経過を表す再生経過軸を表示する表示手段と、
前記コンテンツデータの再生経過に伴う情報量の変化を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
前記コンテンツデータの再生時刻を指定するための接触式の操作部であって、前記再生経過軸の一端部の位置に当該操作部の一端部の位置が対応し、且つ前記再生経過軸の他端部の位置に当該操作部の他端部の位置が対応するように設けられた操作部と、
接触された前記操作部の位置に基づいて前記コンテンツデータの特徴に応じた再生時刻を特定し、当該特定された再生時刻から前記コンテンツデータの再生を行う再生制御手段と、
を備えることを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報再生装置において、
前記表示手段は、前記再生経過軸に垂直で且つ前記再生経過に伴う前記情報量の変化を表す変化軸を、当該再生経過軸と共に表示することを特徴とする情報再生装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報再生装置において、
前記コンテンツデータは楽曲データであり、
前記情報量は、当該楽曲データにおけるビート密度であることを特徴とする情報再生装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報再生装置において、
前記コンテンツデータは動画像データであり、
前記情報量の変化は当該動画像データに相当する動画像における変化であることを特徴とする情報再生装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報再生装置において、
前記表示手段には、前記コンテンツデータにおける現時点までの再生経過を示す数値表示がなされることを特徴とする情報再生装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報再生装置において、
前記表示手段には、前記コンテンツデータ全体の再生における現在の再生時刻が表示されることを特徴とする情報再生装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報再生装置において、
前記情報量の変化を解析する解析手段を更に備え、
前記表示制御手段は、解析された前記変化を前記表示手段に表示させることを特徴とする情報再生装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報再生装置において、
前記操作部に対する接触により特定された前記再生時刻を指示する際に操作される操作入力部を更に備え、
前記再生制御手段は、接触された前記操作部の位置と、前記操作入力部における操作結果と、に基づいて前記コンテンツデータの再生時刻を特定し、当該特定された再生時刻から前記コンテンツデータの再生を行うことを特徴とする情報再生装置。
【請求項9】
請求項1に記載の情報再生装置において、
前記操作部は、タッチパッド又はタッチパネルであることを特徴とする情報再生装置。
【請求項10】
請求項1に記載の情報再生装置において、
前記再生制御手段は、前記操作部が連続的に接触された際に、最終的に非接触となった当該操作部の位置を、前記再生時刻として特定することを特徴とする情報再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−33709(P2010−33709A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258437(P2009−258437)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【分割の表示】特願2006−531718(P2006−531718)の分割
【原出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】