説明

情報処理システム、及びプログラム

【課題】読み手が分かり易い文書を作成することができる技術を提供する。
【解決手段】文書の構造をそれぞれ示す複数の文書構造情報と、複数の第1パラメータの値とをそれぞれ対応させて記憶しておき、複数の第1パラメータの値に応じて、複数の文書構造情報に含まれる少なくとも一部の文書構造情報を空間順次又は時間順次に可視的に出力する。次に、ユーザによる情報の入力に応じて、複数の文書構造情報から1つの文書構造情報が指定された状態で、1つの文書情報を生成する。この1つの文書情報の生成に応答して、1つの文書情報に対して、指定されていた1つの文書構造情報を関連付けて記憶する。そして、この記憶された1つの文書情報の可視的な出力時における所定の情報の入力に応じて、文書情報の生成時に指定されていた1つの文書構造情報に係る第1パラメータの値を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、及びそのシステムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ(パソコン)等において、文書の雛形(テンプレート)を用いて文章を作成する事が頻繁に行われている。テンプレートを用いて文章を作成すると、容易に且つ統一した様式で文章を記載することができる。
【0003】
そして、過去の読影レポートから文章構造を抽出することで読影レポートを作成するためのテンプレートを容易に作成するとともに、撮影レポートの作成のための入力を容易にして、病院内の読影レポートの文章構造を統一させることが可能な技術が提案されている(例えば、特許文献1)。また、テンプレートだけでなく、訪問スポット等といった行動のモデルを示す情報を提示し、その行動のモデルに従って行動した人の評価により、行動のモデルを示す情報の提示順が決定される技術も提案されている(例えば、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−148989号公報
【特許文献2】特開2007−80296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1で提案された技術では、文章の作成と文章の構造の統一とを容易に図ることができるが、読み手にとって分かり易い文章を作成するといった観点については全く考慮されていなかった。また、上記特許文献2で提案された技術では、訪問スポットに行った人の評価に従って訪問スポットの表示順が決定されるものの、読み手側からの視点、例えば、読み手にとって情報が分かり易いものであるか否かといった観点については全く考慮されていなかった。
【0006】
そして、このような問題は、文字のみで表されるものだけでなく、図、表、文字、数字、及び記号の全て又はその一部を選択的に用いた文書一般に共通する。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、読み手が分かり易い文書を作成することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、情報処理システムであって、文書の構造をそれぞれ示す複数の文書構造情報と、複数の第1パラメータの値とをそれぞれ対応させて記憶する第1記憶手段と、前記複数の第1パラメータの値に応じて、前記複数の文書構造情報に含まれる少なくとも一部の文書構造情報を空間順次または時間順次に可視的に出力する出力手段と、ユーザによる情報の入力に応答して、前記複数の文書構造情報から1つの文書構造情報を指定する指定手段と、ユーザによる情報の入力に応答して、前記指定手段によって前記1つの文書構造情報が指定された状態で、1つの文書情報を生成する文書生成手段と、前記文書生成手段による前記1つの文書情報の生成に応答して、前記1つの文書情報に対して前記指定手段によって指定された前記1つの文書構造情報を関連付けて記憶する第2記憶手段と、前記第2記憶手段に記憶された前記1つの文書情報の可視的な出力時における所定の情報の入力に応じて、前記1つの文書構造情報に係る第1パラメータの値を変更する第1パラメータ変更手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の情報処理システムであって、前記文書構造情報が、テンプレートを示す情報を含み、前記文書生成手段が、ユーザによって入力された情報と、前記指定手段によって指定された前記1つの文書構造情報とに基づき、前記1つの文書情報を生成することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の情報処理システムであって、前記所定の情報の入力が、前記1つの文書情報に対する質問情報、及び前記1つの文書情報に対する書き直しを要求する情報のうちの少なくとも一方の情報の入力を含むことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3の何れかに記載の情報処理システムであって、前記所定の情報の入力が、前記1つの文書情報が可視的に出力されている期間を示す情報の入力を含むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4の何れかに記載の情報処理システムであって、前記複数の文書構造情報に含まれる1以上の文書構造情報に係る第1パラメータの値が所定条件を満たしたことに応答して、前記第1記憶手段から前記1以上の文書構造情報を削除する削除手段を更に備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項5の何れかに記載の情報処理システムであって、ユーザによる文書の構造を示す情報の入力に応じて、文書構造情報を生成する文書構造生成手段と、前記文書構造生成手段によって生成された文書構造情報を、前記第1記憶手段に記憶された前記複数の文書構造情報に追加する追加手段と、前記文書構造生成手段によって生成された文書構造情報に対し、所定のルールに従って、第1パラメータの初期値を設定する設定手段とを更に備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の情報処理システムであって、各ユーザの識別情報に対して第2パラメータの値を関連付けて記憶する第3記憶手段を更に備え、前記設定手段が、前記第3記憶手段を参照しつつ、前記文書の構造を示す情報を入力したユーザの識別情報に対応する第2パラメータの値に応じて、前記文書構造生成手段によって生成された文書構造情報に対し、第1パラメータの初期値を設定することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の情報処理システムであって、所定のユーザによる文書の構造を示す情報の入力に応じて前記文書構造生成手段によって生成された1以上の文書構造情報に対応する第1パラメータの値の変化に応じて、前記所定のユーザに係る第2パラメータの値を変更する第2パラメータ変更手段を更に備えることを特徴とする。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項6から請求項8の何れかに記載の情報処理システムであって、ユーザによる情報の入力に応じて、前記第1記憶手段に記憶された複数の文書構造情報に含まれる1つの文書構造情報を修正の対象として決定する決定手段を更に備え、前記文書構造生成手段が、ユーザによる情報の入力に応じて、前記決定手段によって決定された1つの文書構造情報の一部を修正することで、修正後の文書構造情報を生成し、前記追加手段が、前記文書構造生成手段によって生成された前記修正後の文書構造情報を、前記第1記憶手段に記憶された前記複数の文書構造情報に追加し、前記設定手段が、前記決定手段によって決定された1つの文書構造情報に係る第1パラメータの値に応じて、前記修正後の文書構造情報に対し、第1パラメータの初期値を設定することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項1から請求項6の何れかに記載の情報処理システムであって、複数の文書情報を記憶する第3記憶手段と、前記複数の文書情報に対して所定の言語処理を施すことで、文書を構成する複数の項目にそれぞれ属する複数の要素を認識する認識手段と、前記複数の文書情報から、前記認識手段によって認識された複数の要素を抜き出すことで、前記複数の文書構造情報を生成する文書構造生成手段とを更に備えることを特徴とする。
【0018】
また、請求項11の発明は、請求項10に記載の情報処理システムであって、前記文書構造生成手段による各種類の文書構造情報の生成頻度に応じて、前記文書構造生成手段によって生成された複数の文書構造情報のうちの少なくとも一部の文書構造情報を採用して、前記第1記憶手段に記憶させる採用手段を更に備えることを特徴とする。
【0019】
また、請求項12の発明は、請求項11に記載の情報処理システムであって、前記複数の文書情報を入力した各入力者の識別情報に対して第2パラメータの値を関連付けて記憶する第4記憶手段と、前記第3記憶手段が、前記複数の文書情報に含まれる各文書情報に対して、該各文書情報を入力した入力者の識別情報を関連付けて記憶し、前記採用手段が、前記第3及び第4記憶手段を参照しつつ、前記文書構造生成手段によって生成された各種類の文書構造情報の生成元となった1以上の文書情報に関連付けられた入力者の識別情報に係る第2パラメータの値により、前記文書構造生成手段による各種類の文書構造情報の生成頻度に対して重み付けを行うことで得られる所定のパラメータの値に応じて、前記文書構造生成手段によって生成された複数の文書構造情報のうちの少なくとも一部の文書構造情報を採用して、前記第1記憶手段に記憶させることを特徴とする。
【0020】
また、請求項13の発明は、請求項12に記載の情報処理システムであって、所定の入力者が入力した1以上の文書情報に基づいて前記文書構造生成手段で生成された1以上の文書構造情報に対応する第1パラメータの値に応じて、前記第4記憶手段に記憶された前記所定の入力者に係る第2パラメータの値を変更する第2パラメータ変更手段を更に備えることを特徴とする。
【0021】
また、請求項14の発明は、請求項13に記載の情報処理システムであって、前記採用手段が、所定のタイミングごとに、前記文書構造生成手段によって生成された複数の文書構造情報のうちの少なくとも一部の文書構造情報を採用することを特徴とする。
【0022】
また、請求項15の発明は、請求項10または請求項11に記載の情報処理システムであって、前記第3記憶手段が、前記複数の文書情報に含まれる各文書情報に対して、該各文書情報を入力した入力者の識別情報を関連付けて記憶し、前記文書構造生成手段が、前記複数の文書情報から前記複数の文書構造情報を生成する際に、各前記文書構造情報の生成元の1以上の文書情報を入力した入力者の識別情報を認識し、各前記文書構造情報に対して、該各文書構造情報の生成元となった1以上の文書情報を入力した入力者の識別情報を関連付けて、前記複数の文書構造情報を前記第1記憶手段に記憶させ、前記情報処理システムが、前記複数の文書情報を入力した各入力者の識別情報に対して第2パラメータの値を関連付けて記憶する第4記憶手段と、前記第1及び第4記憶手段を参照しつつ、前記文書構造生成手段によって生成された各前記文書構造情報の生成元の1以上の文書情報を入力した入力者に係る第2パラメータの値に応じて、前記文書構造生成手段によって生成された各前記文書構造情報に対し、第1パラメータの初期値を設定する設定手段とを更に備えることを特徴とする。
【0023】
また、請求項16の発明は、請求項15に記載の情報処理システムであって、所定の入力者が入力した1以上の文書情報に基づいて前記文書構造生成手段で生成された1以上の文書構造情報に対応する第1パラメータの値に応じて、前記第4記憶手段に記憶された前記所定の入力者に係る第2パラメータの値を変更する第2パラメータ変更手段を更に備えることを特徴とする。
【0024】
また、請求項17の発明は、請求項10から請求項16の何れかに記載の情報処理システムであって、前記所定の言語処理が、機械学習によって得られた情報を用いた言語処理であることを特徴とする。
【0025】
また、請求項18の発明は、請求項1から請求項17の何れかに記載の情報処理システムであって、前記文書が、読影レポートを含むことを特徴とする。
【0026】
また、請求項19の発明は、情報処理システムに含まれるコンピュータによって実行されることにより、前記情報処理システムを、請求項1から請求項18の何れかに記載の情報処理システムとして機能させるプログラムである。
【0027】
なお、本明細書では、「文書」という文言を、図、表、文字、数字、及び記号の全て又はその一部を選択的に用いたものを含む意味で使用している。また、「文書の構造」と言う文言を、文書を構成する要素の配列を含む意味で使用している。
【発明の効果】
【0028】
請求項1から請求項19の何れに記載の発明によっても、読み手による所定の情報の入力に応じて複数の文書の構造の表示順が変更されるため、複数の文書の構造の表示順を読み手の評価に応じたものとすることができる。したがって、ユーザは、文書の読み手の評価が相対的に高い文書の構造に沿って文書を作成することができ、その結果、読み手が分かり易い文書を作成することができる。
【0029】
また、請求項2に記載の発明によれば、テンプレートに沿って文書を作成する構成を採用することで、ユーザは、容易に読み手が分かり易い文書を作成することができる。
【0030】
また、請求項3及び請求項4の何れに記載の発明によっても、所定のパラメータをより適正に読み手の評価を反映したものとすることができる。
【0031】
また、請求項4に記載の発明によれば、読み手が特別な操作をしなくても所定のパラメータをより適正に読み手の評価を反映したものとすることができる。
【0032】
また、請求項5に記載の発明によれば、表示される文書の構造が多く成り過ぎて、文書の作成に利用する文書の構造の選択が難しくなるような不具合を回避することができる。
【0033】
また、請求項6から請求項9の何れに記載の発明によっても、ユーザの意図に応じて文書の構造の充実化を容易に図ることができる。
【0034】
また、請求項7及び請求項8の何れに記載の発明によっても、文書の構造の提示順を文書の構造を作成した者の評価に応じたものとすることができるため、ユーザは読み手が読み易いであろうと推察される文書の構造を容易に選択することができる。
【0035】
また、請求項8に記載の発明によれば、文書の構造の評価を、その文書の構造を作成した者の評価に反映させることができる。
【0036】
また、請求項9に記載の発明によれば、新たな文書の構造であっても、読み手から既にある程度の評価を得ている文書の構造に依拠して作成されたものであれば、元の文書の構造に対する評価に応じた評価が付与されるようにすることができるため、より読み手が読み易いであろうと推察される文書構造の選択が容易な表示が実現される。
【0037】
また、請求項10から請求項17の何れに記載の発明によっても、既存の文書に応じて提示するための文書の構造が準備されるため、過去の知識を利用して、容易に読み手が読み易い文書構造を提示することができる。
【0038】
また、請求項11に記載の発明によれば、表示される文書構造がある程度厳選されて提示されるため、ユーザにとって文書の作成に利用する文書構造の選択が容易となる。つまり、不要な文書構造の提示による操作性の低下を防ぐ。
【0039】
また、請求項12に記載の発明によれば、ある文書の構造が過去に利用された頻度とその文書の構造に沿って文書を入力した入力者の評価とに応じて、提示される文書構造がある程度厳選されるため、ユーザが文書の作成に利用する文書構造を容易に選択することができる。
【0040】
また、請求項13及び請求項14の何れに記載の発明によっても、文書の入力者の評価を、その入力者が入力した文書に係る文書の構造の評価に応じて変動させることができるため、時間の経過とともに入力者の評価を容易に変動させることができ、時間の経過とともに変化する読み手が読み易い文書の構造をユーザが容易に認識することができる。
【0041】
また、請求項14に記載の発明によれば、時間の経過とともに変化する入力者の評価も反映させて、提示される文書構造をある程度厳選することも可能となるため、時間の経過とともに変化する読み手が読み易い文書構造をユーザが容易に認識することができる。
【0042】
また、請求項15及び請求項16の何れに記載の発明によっても、文書の構造の元となる文書を入力した入力者の評価に応じて、提示される文書の構造の順が決まるようにすることができるため、ユーザは読み手が読み易いであろうと推察される文書の構造を容易に選択することができる。
【0043】
また、請求項16に記載の発明によれば、入力者の評価が、その入力者が入力した文書に係る文書の構造の評価に応じて変動するため、時間の経過ととも入力者の評価を容易に変動させることができ、時間の経過とともに変化する読み手が読み易い文書構造をユーザが容易に認識することができる。
【0044】
また、請求項17に記載の発明によれば、既存の文書からユーザに提示する文書の構造を容易に生成することができる。
【0045】
また、請求項18に記載の発明によれば、ユーザは読み手が分かり易い読影レポートを作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0047】
<情報処理システムの概略構成>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の概要を示す図である。
【0048】
情報処理システム1は、例えば、病院内で診療情報を管理・処理するためのシステムであり、無線LAN(Local Area Network)等の通信回線NLを介して、サーバ100、文書入力装置300,400、及び文書閲覧装置500,600が相互にデータ送受信可能に接続されて構成されている。また、サーバ100には、管理用PC200がデータの送受信が可能な態様で接続されている。
【0049】
サーバ100、及び管理用PC200は、例えば、病院の情報システムを管理する部屋等に設置される。また、文書入力装置300,400は、例えば、放射線科のいわゆる読影医の部屋等に設置される。更に、文書閲覧装置500,600は、例えば、各診療科のいわゆる担当医の診察室等に設置される。
【0050】
図2は、情報処理システム1の構成を示すブロック図である。なお、文書入力装置300,400は、同様な構成を有し、文書閲覧装置500,600は、同様な構成を有する。このため、図2では、図の簡略化のために、1台の文書入力装置300、及び1台の文書閲覧装置500が代表例として記載されている。
【0051】
サーバ100は、サーバ制御部110、及び記憶部120を備えている。サーバ制御部110は、CPUやROMやRAM等を備え、記憶部120に記憶されたプログラムP1を読み込んで実行することで、各種機能や制御を実現する。また、記憶部120は、ハードディスク等を備えて構成され、既存文書データベース(DB)121、テンプレート仮登録データベース(DB)122、ユーザスコアテーブル123、テンプレートデータベース(DB)124、新文書データベース(DB)125、及びプログラムP1を記憶する。
【0052】
既存文書DB121は、医療に関する文書を示す情報(以下「文書情報」とも称する)が多数蓄積されたデータベースである。ここでは、各文書情報が、放射線科で撮影された画像に対する所見文を示す情報であるものとする。
【0053】
テンプレート仮登録DB122は、読影レポートの所見文の雛形に相当するテンプレートを示す情報(以下「テンプレート情報」と称し、適宜「テンプレート」と略称する)が仮に蓄積されて構築されるデータベースである。なお、本実施形態では、テンプレートは、例えば、所見文のうち、主要な項目の語句を自由に入力可能とした文章の雛形であり、文書の構造を示す。つまり、ここでは、テンプレート情報が、文書の構造を示す情報(以下「文書構造情報」とも称する)となっている。
【0054】
ユーザスコア(以下「Uスコア」と略称)テーブル123は、各個人(ユーザや文書の入力者等)を識別するための情報(識別情報)に対して、各個人の評価を示す所定のパラメータの値(ここでは、Uスコア)が関連付けられて構成される。なお、各個人の識別情報としては、例えば、ユーザ名やユーザID等が挙げられる。また、各個人の評価としては、各個人がこれまでに提供したテンプレートの評価等を反映させたものが含まれ、Uスコアは、各個人の信頼度を反映させた値に相当する。
【0055】
テンプレートDB124は、テンプレート情報が蓄積されて構築されるデータベースである。また、テンプレートDB124では、各テンプレートに対して、そのテンプレートに対する評価を示す所定のパラメータの値が対応付けられている。なお、ここでは、所定のパラメータの値として、テンプレートの評価を示すスコア(以下「Tスコア」とも称する)が採用される。
【0056】
新文書DB125は、テンプレートを用いて生成された各文書情報に対して、その文書情報を生成する際に用いられたテンプレートの種類を識別する情報(以下「T識別情報」とも称する)が関連付けられて構成される。
【0057】
既存文書DB121、テンプレート仮登録DB122、Uスコアテーブル123、テンプレートDB124、及び新文書DB125については、更に後述する。
【0058】
管理用PC200は、例えば、パーソナルコンピュータ(パソコン)等によって構成され、PC制御部210、記憶部220、表示部230、及び入力部240を備えている。PC制御部210は、CPUやROMやRAM等を備え、記憶部220に記憶されたプログラムP2を読み込んで実行することで、各種機能や制御を実現する。記憶部220は、ハードディスク等を備えて構成され、プログラムP2等を記憶する。表示部230は、液晶表示ディスプレイ等の画像を可視的に表示するものである。入力部240は、例えば、キーボードやマウス等を備えて構成され、ユーザ(例えば、情報処理システム1の管理者)による各種操作に応答して、PC制御部210に対して各種信号を送出する。
【0059】
文書入力装置300は、例えば、パーソナルコンピュータ(パソコン)等によって構成され、制御部310、記憶部320、表示部330、及び入力部340を備えている。制御部310は、CPUやROMやRAM等を備え、記憶部320に記憶されたプログラムP3を読み込んで実行することで、各種機能や制御を実現する。記憶部320は、ハードディスク等を備えて構成され、プログラムP3等を記憶する。表示部330は、液晶表示ディスプレイ等の画像を可視的に表示するものである。入力部340は、例えば、キーボードやマウス等を備えて構成され、ユーザ(例えば、読影医)による各種操作に応答して、制御部310に対して各種信号を送出する。
【0060】
文書閲覧装置500は、例えば、パーソナルコンピュータ(パソコン)等によって構成され、制御部510、記憶部520、表示部530、及び入力部540を備えている。制御部510は、CPUやROMやRAM等を備え、記憶部520に記憶されたプログラムP5を読み込んで実行することで、各種機能や制御を実現する。記憶部520は、ハードディスク等を備えて構成され、プログラムP5等を記憶する。表示部530は、液晶表示ディスプレイ等の画像を可視的に表示するものである。入力部540は、例えば、キーボードやマウス等を備えて構成され、ユーザ(例えば、担当医)による各種操作に応答して、制御部510に対して各種信号を送出する。
【0061】
なお、情報処理システム1では、各種情報処理において一時的に生成される各種データが、サーバ制御部110、PC制御部210、及び制御部310,510にそれぞれ内蔵されるRAM等に適宜一時的に記憶される。また、以上のように構成された情報処理システム1は、文書入力装置300や文書閲覧装置500等からサーバ100に格納された各種データベースを参照可能な所謂データベースシステムとして機能する。
【0062】
<情報処理システムにおける処理の概要>
図3は、情報処理システム1における処理の概要を示す図である。
【0063】
図3で示すように、まず、サーバ100において、既存文書DB121に蓄積される複数の文書情報から複数のテンプレートが生成されて記憶部120に蓄積されることで、テンプレート仮登録DB122が構築される。次に、テンプレート仮登録DB122に蓄積された複数のテンプレートから、所定の条件(例えば、テンプレートの生成頻度に関する条件等)を満たす複数のテンプレートが採用されて記憶部120に蓄積されることで、テンプレートDB124が構築される。このとき、各テンプレートに対し、Uスコアテーブル123から各テンプレートを生成する元となった文書情報を入力した者(入力者)に係るUスコアが認識され、そのUスコアに応じたTスコアが設定される。このようにして、各テンプレートに対してTスコアが関連付けられたテンプレートDB124が準備される。
【0064】
次に、文書入力装置300において、テンプレートDB124に蓄積された複数のテンプレートが、Tスコアの順に提示される。そして、文書を作成しようとする者(作成者)である読影医により、複数のテンプレートから1つのテンプレートが選択され、その1つのテンプレートが用いられて文書(ここでは、所見文)が生成される。なお、新規に生成された所見文を示す情報は、記憶部120に記憶されることで、新文書DB125が構築される。
【0065】
そして、文書閲覧装置500において、文書の読み手である担当医により、新文書DB125に蓄積された複数の所見文から、所望の所見文が閲覧され、その所見文に対する評価がなされる。このとき、その評価結果に応じて、閲覧している所見文を生成する際に用いられたテンプレートのTスコアが変動する。
【0066】
また、文書の作成者である読影医は、必要に応じて、新規なテンプレートを作成して、テンプレートDB124に追加することができる。
【0067】
このように、情報処理システム1は、テンプレートDB124を準備する機能(以下「テンプレート準備機能」とも称する)、テンプレートを用いて文書を生成する機能(以下「文書生成機能」とも称する)、Tスコアを変動させる機能(以下「Tスコア変動機能」とも称する)、及びテンプレートDB124に新規なテンプレートを追加する機能(以下「テンプレート追加機能」とも称する)といった機能を有する。
【0068】
以下、テンプレート準備機能、文書生成機能、Tスコア変動機能、及びテンプレート追加機能といった4つの機能について順次説明する。
【0069】
<テンプレート準備機能>
図4は、情報処理システム1のテンプレート準備機能に係る機能構成について示すブロック図である。
【0070】
サーバ制御部110は、テンプレート準備機能に係る機能構成として、データ読込部111a、処理済判定部111b、要素認識部111c、テンプレート生成部111d、テンプレート採用部111e、及びTスコア設定部111f等といった機能構成を有する。
【0071】
データ読込部111aは、既存文書DB121から、文書情報(ここでは、所見文)を読み込み、処理済判定部111bに送出する。
【0072】
図5は、既存文書DB121の記憶内容の具体例を示す模式図である。
【0073】
既存文書DB121では、複数の文書にあたる複数の所見文が蓄積され、各所見文に対して、各所見文を入力した者(例えば、読影医等)を示す識別情報(ユーザID等)が関連付けられている。なお、図5では図示を省略しているが、各所見文に対しては、既にテンプレートを生成する処理(以下「T生成処理」とも称する)の対象となったか否かを示す情報が付与されているものとする。
【0074】
処理済判定部111bは、文書情報が、T生成処理が施されたか否か判定し、T生成処理が施されていない文書情報を要素認識部111cに送出する。
【0075】
要素認識部111cは、処理済判定部111bから時間順次に送られてくる各文書情報に対して、所定の基準情報を用いた所定の言語処理を施すことで、文書を構成する所定数の項目にそれぞれ属する複数の要素を認識する。所定の基準情報としては、例えば、所見文を構成する主な要素の項目(例えば、部位、所見、診断)を示す語句が、各項目毎にまとめられたデータテーブル等が挙げられる。
【0076】
テンプレート生成部111dは、各文書情報から、要素認識部111cによって認識された複数の要素を抜き出すことで、各テンプレートを生成する。例えば、各所見文から、要素認識部111cによって認識された複数の語句が抜き出されて、抜き出した語句が属する項目を示す表示に置き換えられることで、各テンプレートが生成される。
【0077】
図6は、要素認識部111c及びテンプレート生成部111dによって既存の所見文から1つのテンプレートが生成される過程を例示する図である。
【0078】
まず、要素認識部111cでは、既存の所見文が取得されると、形態素解析により所見文が形態素に分解され、更に、所定の基準情報に従って、所定の項目を示す語句(例えば、部位を示す前頭葉、所見を示す高信号域、診断を示す梗塞)が認識される。そして、テンプレート生成部111dでは、要素認識部111cで認識された複数の語句が所見文から抜き出されて、抜き出された語句の位置が、抜き出された語句が属する項目を示す表示(例えば、<部位>、<所見>、<診断>等)に置換されることで、1つのテンプレートGTが生成される。
【0079】
なお、ここでは、所定の基準情報が、各項目毎に複数の語句が列挙されたデータテーブルであったが、これに限られず、例えば、所見文で各項目の語句が出現するパターンを示す情報(以下「パターン情報」とも称する)を機械学習によって得たものであっても良い。
【0080】
このパターン情報は、例えば、次の手法で得られる。例えば、要素認識部111cにおいて、所見文の形式に準じた大量の文章に含まれる各文章を形態素解析によって形態素に分解し、形態素毎に、形態素そのもの、形態素の品詞、形態素の活用形、前後(例えば前後2つ)の形態素の情報等を用いて、ある項目に属する形態素が出現するパターンを示す情報(パターン情報)を取得する。
【0081】
例えば、「**に沿って」(「**」部には種々の語が入る)といった形の文が頻出する場合に、「**」の部分に部位を示す語句が頻出するときには、「**」の部分には部位を示す語句が入るというパターン情報を学習することができる。そして、このパターン情報を利用すれば、既存の所見文を対象として、語の前後関係からフレーズ「下垂体/に/沿って」から「下垂体」を部位を示す語句として抽出することができる。なお、上記機械学習は、いわゆるSVM(Support Vector Machine)を利用することで実現することができる。このような構成を採用すると、既存の文書からユーザに提示するテンプレートを容易に生成することができる。
【0082】
このようにしてテンプレート生成部111dで時間順次に生成される複数のテンプレートが記憶部120に記憶されることで、テンプレート仮登録DB122が構築される。
【0083】
図7は、テンプレート仮登録DB122の記憶内容の具体例を示す模式図である。
【0084】
テンプレート仮登録DB122では、テンプレート生成部111dで生成された複数のテンプレートが蓄積され、テンプレートの種類ごとに、テンプレートの種類を識別するT識別情報(ここでは、テンプレート番号、以下「T番号」と略称)が付されるとともに、重複するテンプレートについては、テンプレート生成部111dで生成された回数、すなわち累積数が各テンプレートに対して関連付けられている。また、各種類のテンプレートに対して、テンプレートを生成する元となった所見文を入力した入力者の識別情報(例えば、ユーザID等)も関連付けられている。
【0085】
テンプレートに対するT番号の付与は、テンプレート生成部111dにおいて、新たな種類のテンプレートが生成される度に行われる。例えば、テンプレート生成部111dにより、テンプレート仮登録DB122に格納されたテンプレートと、新規に生成されたテンプレートとが照合されることで、新たな種類のテンプレートであるか否かが判定される。そして、新たな種類のテンプレートに対して、新規なT番号が付されるとともに、累積数の初期値(ここでは、1)が付される。また、テンプレート生成部111dにより、新規に生成されたテンプレートが、既にテンプレート仮登録DB122に格納された種類のテンプレートである場合には、その種類のテンプレートに付された累積数が単に1つ増加される。つまり、累積数は、テンプレート生成部111dにおいて各種類のテンプレートが生成される頻度(生成頻度)を示す。
【0086】
また、テンプレートに対するユーザの識別情報の関連付けは、テンプレート生成部111dにおいて、既存文書DB121において各所見文に関連付けられた入力者の識別情報が認識されることで、新たなテンプレートが生成される度に行われる。但し、ここでは、同じ種類のテンプレートには、同一の入力者の識別情報が重複して関連付けられないように設定されている。なお、図7では、各種類のテンプレートに対して1名分の入力者の識別情報しか関連付けられていないが、これに限られず、2名分以上の入力者の識別情報が関連付けられても良い。
【0087】
また、図7では、累積数の多い順に、上から順にテンプレートが並べられた状態が示されているが、このように、テンプレート仮登録DB122において累積数の順にテンプレートが管理されていれば、後述するテンプレートの採用の処理を行う上で好ましい。
【0088】
テンプレート採用部111eは、テンプレート仮登録DB122に格納された複数のテンプレートのうち、その累積数に応じて、少なくとも一部(すなわち1以上または全部)のテンプレートを採用して、採用されたテンプレートを、記憶部120に記憶する。
【0089】
テンプレート採用部111eにおける累積数に応じたテンプレートの採用手法としては、例えば、累積数が所定の条件を満たすテンプレートを採用する手法や、累積数にUスコアテーブル123内のUスコアを加味してテンプレートを採用する手法等が挙げられる。
【0090】
ここで、累積数が所定の条件を満たす場合としては、例えば、累積数が所定数(例えば、5等)を超える場合や、テンプレート仮登録DB122に格納された全テンプレートの累積数の合計における各種類のテンプレートの累積数の割合が所定の割合(例えば、5%等)を超える場合等が挙げられる。
【0091】
次に、累積数にUスコアを加味してテンプレートを採用する手法の具体例について説明する。
【0092】
図8は、Uスコアテーブル123の記憶内容の具体例を示す模式図である。
【0093】
Uスコアテーブル123では、各個人の識別情報(例えば、ユーザID及びユーザ名等)と、Uスコアとが関連付けられている。
【0094】
テンプレート採用部111eでは、まず、テンプレート仮登録DB122に格納された全種類のテンプレートについて、各種類のテンプレートの累積数に、該各種類のテンプレートが生成される元となった所見文の入力者のUスコアを乗じた値が、テンプレートの採用に用いる所定のパラメータ(以下「採用基準パラメータ」とも称する)の値として得られる。なお、1つのテンプレートが生成される元となった複数の所見文の入力者が複数存在する場合には、例えば、その複数の入力者のUスコアの平均値が、該1つのテンプレートの累積数に乗じられることで、該1つのテンプレートの採用基準パラメータの値が算出されても良い。
【0095】
例えば、1つのテンプレートに関する採用基準パラメータが下記(処理1)〜(処理3)によって得られる。(処理1)テンプレート仮登録DB122から、テンプレート生成部111dによってテンプレートが生成される元となった1以上の文書情報に関連付けられた入力者の識別情報が認識される。(処理2)Uスコアテーブル123から、認識された入力者の識別情報に対して関連付けられているUスコアが認識される。(処理3)テンプレート生成部111dによるテンプレートの生成頻度に対して、認識されたUスコアによる重み付け(具体的には、Uスコアを乗じること)が行われることで、採用基準パラメータの値が得られる。
【0096】
そして、テンプレート採用部111eでは、得られた採用基準パラメータの値に応じて、テンプレート生成部111dによって生成された複数のテンプレートのうちの少なくとも一部(1以上または全部)のテンプレートが採用される。
【0097】
このように、Uスコアを用いてテンプレートが採用されることで、良い所見文等を入力する入力者が生成に関与したテンプレートが優先的に採用されて提示されることになる。また、採用されるテンプレートがある程度限定されることで、後述するテンプレートの提示において、テンプレートがある程度厳選されて提示されることになり、読影医にとって文書の作成に利用するテンプレートの選択が容易となる。つまり、不要なテンプレートの提示による操作性の低下が回避されることになる。
【0098】
Tスコア設定部111fは、Uスコアテーブル123から、テンプレート生成部111dによって生成され、テンプレート採用部111eで採用された各テンプレートに係る1以上の所見文を入力したユーザに対応するUスコアを認識する。そして、Tスコア設定部111fは、認識したUスコアに応じて、各テンプレートに対し、Tスコアの初期値を設定する。なお、Uスコアに応じたTスコアの初期値の設定としては、例えば、Uスコアが0〜20である場合にはTスコアの初期値が1に設定され、Uスコアが21〜40である場合にはTスコアの初期値が2に設定され、Uスコアが41〜60である場合にはTスコアの初期値が3に設定され、Uスコアが61〜80である場合にはTスコアの初期値が4に設定され、Uスコアが81〜100である場合にはTスコアの初期値が5に設定されるといった態様が考えられる。
【0099】
そして、Tスコア設定部111fは、テンプレート採用部111eで採用されたテンプレート毎に、Tスコアの初期値を設定し、テンプレート毎にTスコアを関連付けて記憶部120に蓄積することで、テンプレートDB124を構築する。また、このとき、各テンプレートに対して、テンプレート仮登録DB122において各テンプレートに付与されていたT番号とユーザIDとが関連付けられる。
【0100】
図9は、テンプレートDB124の記憶内容の具体例を示す模式図である。
【0101】
テンプレートDB124では、複数のテンプレートについて、T番号とテンプレートとTスコアとユーザIDを含む情報が蓄積されている。つまり、テンプレートDB124では、各テンプレートについて、T番号とテンプレートとTスコアとユーザIDとが関連付けられた情報が蓄積されている。
【0102】
なお、図9では、Tスコアの大きな順に、上から順にテンプレートが並べられた状態が示されているが、このように、テンプレートDB124においてTスコアの順にテンプレートが管理されていれば、後述するテンプレートの提示の処理を行う上で好ましい。
【0103】
図10は、情報処理システム1のテンプレート準備機能に係る動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、所定のタイミングでサーバ制御部110の制御下で実現される。
【0104】
ステップS1では、データ読込部111aにより、文書を示すデータ(文書データ)が既存文書DB121から読み込まれる。ここでは、1つの所見文を示すデータが入力者の識別情報とともに読み込まれる。
【0105】
ステップS2では、処理済判定部111bにより、ステップS1で読み込まれた文書データに対し、テンプレートを生成する処理(T生成処理)が既に施されているか否かが判定される。ここで、T生成処理が施されていれば、ステップS1に戻り、次の文書データの読み込みが行われる。一方、T生成処理が施されていなければ、ステップS3に進む。
【0106】
ステップS3では、要素認識部111cにより、文書(例えば、所見文)を構成する所定数の項目にそれぞれ属する複数の要素が認識される。
【0107】
ステップS4では、テンプレート生成部111dにより、ステップS3で複数の要素が認識された文書に係るテンプレートが生成される。このとき、テンプレート仮登録DB122が構築される。
【0108】
ステップS5では、処理済判定部111b及びテンプレート採用部111eにより、既存文書DB121に格納された全ての文書データについてT生成処理が完了しているか否か判定される。ここで、全ての文書データについてT生成処理が完了していなければ、ステップS1に進み、全ての文書データについてT生成処理が完了していれば、ステップS6に進む。
【0109】
ステップS6では、テンプレート採用部111eにより、テンプレート仮登録DB122に格納されたテンプレートのうち、少なくとも一部のテンプレートが、生成頻度に応じて採用される。
【0110】
ステップS7では、Tスコア設定部111fにより、各テンプレートに対し、各テンプレートの生成元である文書を入力した入力者のUスコアに応じてTスコアが設定される。このとき、テンプレートDB124が構築される。
【0111】
このようして、既存の文書(ここでは、所見文)に応じて文書の書き手に提示するためのテンプレートが準備される。このため、過去の知識を利用して、容易に読み手が読み易いテンプレートの提示が可能となる。また、テンプレートの元となる文書を入力した入力者の評価に応じて、提示されるテンプレートの順が決まることになる。このため、文書の書き手は読み手が読み易いであろうと推察されるテンプレートを容易に選択することができるようになる。
【0112】
<文書生成機能>
図11は、情報処理システム1の文書生成機能に係る機能構成について示すブロック図である。
【0113】
サーバ制御部110は、文書生成機能に係る機能構成として、テンプレート読出部112a、及び文書登録部112b等といった機能構成を有する。また、制御部310は、文書生成機能に係る機能構成として、表示制御部311、テンプレート指定部312、及び文書生成部313等といった機能構成を有する。
【0114】
テンプレート読出部112aは、文書入力装置300からの要求に応じて、テンプレートDB124から複数のテンプレートに係る情報を読み出して、文書入力装置300に対して送出する。
【0115】
文書登録部112bは、文書入力装置300の文書生成部313(後述)において生成された1つの文書(ここでは、所見文)を示すデータ(文書データ)を記憶部120に順次に記憶していくことで、新文書DB125を構築する。この文書登録部112bは、各文書データと、該各文書データの生成時に使用されたテンプレートを識別するためのT識別情報とを関連付けて新文書DB125に記憶する。つまり、文書登録部112bは、文書生成部313による1つの文書データの生成に応答して、該1つの文書データに対して、該1つの文書データの生成時に使用したテンプレートのT識別情報を関連付けて、新文書DB125に順次記憶する。
【0116】
表示制御部311は、各種情報に基づき表示部330に各種画像を可視的に出力させる。ここでは、表示制御部311は、テンプレート読出部112aによって読み出された複数のテンプレートに係る情報に基づき、複数のテンプレートに含まれる少なくとも一部のテンプレートを表示部330において順次に可視的に出力させる。例えば、テンプレートDB124に格納されていた複数のテンプレートと、各テンプレートに係るTスコアとに応じて、複数のテンプレートが、Tスコアの高い順に優先的に表示される。
【0117】
テンプレート指定部312は、表示部330に複数のテンプレートが提示された状態で、ユーザによる入力部340からの情報の入力に応答して、複数のテンプレートから1つのテンプレートを、文書の作成に使用するテンプレートとして指定する。
【0118】
文書生成部313は、テンプレート指定部312によって1つのテンプレートが指定された状態で、ユーザによる入力部340からの情報の入力に応答して、指定された1つのテンプレートに基づき、1つの文書情報を生成する。
【0119】
以下、情報処理システム1の文書生成機能に係る動作について説明する。
【0120】
図12は、読影医が文書を入力するための画面(以下「文書入力画面」とも称する)G1の表示例を示す図である。
【0121】
文書入力画面G1は、文書入力装置300のユーザである読影医が、入力部340を種々操作することで、表示制御部311の制御下で表示部330に表示される。
【0122】
この文書入力画面G1は、左側に配置された複数のテンプレートが選択肢として提示される欄(以下「テンプレート選択欄」とも称する)Tsと、右側に配置された文書の作成を行う欄(以下「文書作成欄」とも称する)Sdとを備えて構成される。
【0123】
テンプレート選択欄Tsでは、テンプレート読出部112a及び表示制御部311により、テンプレートDB124に格納された複数種類のテンプレートの選択肢が、Tスコアの大きな順に、上から順に列挙される。なお、ここでは、例えば、テンプレートDB124に格納されていた複数のテンプレートの数が所定数よりも少ない場合には、該複数のテンプレートの全てが表示されるが、該複数のテンプレートの数が所定数よりも多い場合には、Tスコアの大きな方から順に、複数種類のテンプレートに含まれる少なくとも一部のテンプレートが表示されても良い。
【0124】
このテンプレート選択欄Tsにおいて複数種類のテンプレートの選択肢が提示された初期の状態では、最も上部に提示されたテンプレートの選択肢に対して太枠FLが合わされた状態となっている。そして、読影医は、入力部340に含まれる所定の部材(例えば、上下キー)を操作することで、テンプレート選択欄Tsに提示される複数種類のテンプレートの選択肢のうち、1つのテンプレートの選択肢に太枠FLを合わせることができる。このとき、テンプレート指定部312により、太枠FLが合わされた1つのテンプレートが文書の作成に使用するテンプレートとして指定される。
【0125】
文書作成欄Sdは、記入欄DA、所見文表示欄LA、テンプレート作成ボタンTgb、テンプレート修正ボタンTrb、及び登録ボタンRbを備えて構成される。
【0126】
記入欄DAは、テンプレート選択欄Tsにおいて太枠FLが合わされて指定されたテンプレートについて、該テンプレートに含まれる所定数の項目に充当させる語句を記入する欄である。この記入欄DAでは、テンプレートにおける項目名の出現順(例えば、部位、所見、診断の順)に合わせて、各項目に充当させる語句を記入する空欄W1〜W3が提示される。読影医は、入力部340を介して、空欄W1〜W3のうちの所望の1つの空欄にマウスポインタMPを合わせて、所定の操作(例えば、マウスの左ボタンの押下、以下「左クリック」とも称する)を行うことで、各空欄にカーソルを出現させ、キーボード等から適宜空欄W1〜W3に所望の語句を記入することができる。なお、図12では、項目「部位」の空欄W1に語句「脳」が充当された状態が例示されている。
【0127】
所見文表示欄LAは、読影医によって入力された所見文が表示される欄である。この所見文表示欄LAでは、当初は、テンプレート選択欄Tsにおいて太枠FLが合わされて指定されたテンプレートの構成が示され、記入欄DAの空欄W1〜W3に適宜語句が充当されると、テンプレートに含まれる項目名が、空欄W1〜W3に充当された語句と置換される。この語句の置換により、読影医は、空欄W1〜W3に所望の語句を記入するだけで、所見文を作成することが可能となる。なお、図12では、テンプレートに含まれる項目名「部位」が空欄W1に充当された語句「脳」に置換された状態が例示されている。
【0128】
そして、文書作成欄Sdにおいて、記入欄DAの全空欄W1〜W3に語句が充当され、所望の所見文が所見文表示欄LAに表示された状態で、読影医が入力部340を種々操作することで、マウスポインタMPで登録ボタンRbが押下されると、文書生成部313により、所見文表示欄LAに表示されていた所見文を示す文書データが生成される。このとき、文書生成部313によって生成された文書データが、該文書データの生成に利用したテンプレートのT番号とともに、文書登録部112bに送信される。そして、文書登録部112bにより、文書生成部313から送信されてきた文書データとT番号とが関連付けられ、更に、文書データを特定する情報(ここでは、文書ID)が付されて、記憶部120の新文書DB125に格納される。文書IDは、例えば、新文書DB125に文書データが記憶された順番を示す数値となっている。
【0129】
図13は、新文書DB125の記憶内容の具体例を示す模式図である。
【0130】
新文書DB125では、各所見文に対して、文書IDとT番号とが関連付けられた状態で、複数の所見文を示す情報が蓄積される。
【0131】
なお、テンプレート作成ボタンTgb、及びテンプレート修正ボタンTrbがマウスポインタMPで押下された場合については、後述するテンプレート追加機能に関する説明において述べる。
【0132】
図14は、情報処理システム1の文書生成機能に係る動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、制御部310及びサーバ制御部110の制御下で実現され、読影医が入力部340を種々操作することで、文書入力画面G1の表示が要求されると、開始される。このとき、制御部310が、テンプレート読出部112aに対して、テンプレートに係る情報の転送を要求する。
【0133】
ステップS11では、テンプレート読出部112aにより、テンプレートDB124に格納される複数のテンプレートに係る情報が読み込まれる。このとき、複数のテンプレートが、Tスコアと関連付けられた状態で読み込まれ、表示制御部311に送出される。
【0134】
ステップS12では、表示制御部311により、文書入力画面G1(例えば、図12)が表示される。この文書入力画面G1では、テンプレート選択欄Tsにおいて、ステップS11で読み出された複数のテンプレートに係る情報に基づき、テンプレートDB124に格納された複数種類のテンプレートの選択肢が、Tスコアの大きな順に、上から順に列挙される。
【0135】
ステップS13では、テンプレート指定部312により、テンプレート選択欄Tsにおいて最も上部に表示されたテンプレート、すなわちTスコアが最大のテンプレートが、所見文の作成に使用されるテンプレートとして自動的に指定される。
【0136】
ステップS14では、表示制御部311により、文書入力画面G1の右部の文書作成欄Sdに、ステップS13で指定されたテンプレート、又はステップ19で指定されたテンプレートに応じた記入欄DAと所見文表示欄LAとが表示される。
【0137】
ステップS15では、文書入力画面G1が表示部330に表示された状態で、読影医による入力部340を介した各種情報の入力が受け付けられる。例えば、記入欄DAの空欄W1〜W3への語句の充当、太枠FLの移動、及び登録ボタンRbの押下等に係る各種情報の入力が受け付けられる。
【0138】
ステップS16では、制御部310により、登録ボタンRbが押下されたか否か判定さえる。ここで、登録ボタンRbが押下されれば、ステップS17に進み、登録ボタンRbが押下されていなければ、ステップS18に進む。
【0139】
ステップS17では、文書生成部313により、新規な所見文を示す文書データが生成され、文書登録部112bにより、新規な文書データが新文書DB125に登録されて、本動作フローが終了する。このステップS17では、文書登録部112bにより、文書生成部313から送信されてきた文書データとT番号とが関連付けられ、更に、文書データを特定する文書IDが付されて、記憶部120の新文書DB125に格納される。
【0140】
ステップS18では、制御部310により、テンプレートの指定の変更が指示されたか否か判定される。例えば、上下キーが押下されてテンプレート選択欄Tsにおいて太枠FLが移動されると、テンプレートの指定の変更が指示されたものと判定されて、ステップS19に進む。一方、テンプレートの指定の変更が指示されていなければ、ステップS15に進む。
【0141】
ステップS19では、テンプレート指定部312により、テンプレート選択欄Tsで太枠FLが合わされたテンプレートが、所見文の作成に使用されるテンプレートとして指定され、ステップS14に進む。
【0142】
<Tスコア変動機能>
図15は、情報処理システム1のTスコア変動機能に係る機能構成について示すブロック図である。
【0143】
サーバ制御部110は、Tスコア変動機能に係る機能構成として、文書読出部113a、テンプレート評価変更部113b、及びテンプレート削除部113c等といった機能構成を有する。また、制御部510は、Tスコア変動機能に係る機能構成として、表示制御部511、及びテンプレート評価認識部512等といった機能構成を有する。
【0144】
文書読出部113aは、文書閲覧装置500からの文書データの送信要求に応じて、新文書DB125から文書データを該文書データの生成に利用したテンプレートを特定するための情報(T番号等)とともに読み出して、制御部510に送信する。文書閲覧装置500からの文書データの送信要求が行われる場合としては、例えば、文書閲覧装置500において、担当医が、放射線科で撮影された画像を視認しつつ、確定診断を下すために、読影医が記入した所見文の閲覧を要求するようなケースが挙げられる。より具体的には、文書閲覧装置500において、担当医が閲覧する画像が指定されると、その画像に対応する所見文の文書データの送信要求が行われるような態様が考えられる。このような態様を実現するには、例えば、新文書DB125等において、画像と所見文の識別情報とが関連付けられていれば良い。
【0145】
テンプレート評価変更部113bは、テンプレート評価認識部512で認識されたテンプレートを評価する情報に応じて、テンプレートDB124に格納されたテンプレートに係るTスコアを変更する。例えば、テンプレートに対する良い評価を示す情報に対して、該テンプレートのTスコアが1つ増加され、テンプレートに対する悪い評価を示す情報に対して、該テンプレートのTスコアが1つ低減される。
【0146】
テンプレート削除部113cは、テンプレートDB124に格納された複数のテンプレートから、Tスコアが所定条件を満たす1以上のテンプレート、及び該テンプレートに関連付けられた情報を削除する。なお、Tスコアが所定条件を満たす場合としては、例えば、Tスコアが所定値(例えば、0)未満となるような場合等が挙げられる。
【0147】
表示制御部511は、各種情報に基づき表示部530に各種画像を可視的に出力させる。ここでは、表示制御部511は、文書読出部113aから送信されてきた1つの所見文の文書データを表示部530に可視的に出力させる。
【0148】
テンプレート評価認識部512は、表示部530に1つの所見文の文書データが可視的に出力された状態で、例えば、入力部540等の種々の手段を介した所定の情報の入力に応じて、可視的に出力された文書データを生成するために使用したテンプレートを評価する情報を認識する。
【0149】
ここで言う所定の情報の入力としては、例えば、表示部530に可視的に表示された1つの所見文の文書データに対する質問を示す情報(質問情報)の入力、及び所見文の書き直しを要求する情報の入力等が挙げられる。
【0150】
図16は、新文書DB125から読み出された1つの所見文の文書データが可視的に提示される画面(以下「文書閲覧画面」とも称する)G2の表示例を示す図である。
【0151】
文書閲覧画面G2は、文書閲覧装置500のユーザである担当医が、入力部540を種々操作することで、表示制御部511の制御下で表示部530に表示される。
【0152】
この文書閲覧画面G2は、上部に所見文提示領域VWを備え、左下部に評価選択領域JAを備え、右下部に入力ボタンIb、質問ボタンQb、及び書き直し指示ボタンRWbを備えて構成される。
【0153】
所見文提示領域VWは、所見文が提示される領域であり、新文書DB125から文書読出部113aによって読み出されて表示制御部511に転送された文書データの可視的な表示、すなわち所見文の提示が行われる。
【0154】
評価選択領域JAは、所見文の分かり易さについての評価を選択する領域であり、良い評価(読み易い評価)、普通の評価(読み易くもなく、読み難くもない評価)、及び悪い評価(読み難い評価)の選択を受け付ける。具体的には、評価選択領域JAに、丸印の直ぐ右横に付されたラジオボタンRb1、三角印の直ぐ右横に付されたラジオボタンRb2、及びバツ印の直ぐ右横に付されたラジオボタンRb3が設けられている。そして、担当医が入力部540を種々操作することで、この3つのラジオボタンRb1〜Rb3のうちの何れか1つのラジオボタンにマウスポインタMPを合わせて左クリックを行うことで、3つのラジオボタンRb1〜Rb3のうちの1つのラジオボタンが択一的に選択された状態(ここでは、黒丸が付された状態)に設定することができる。
【0155】
そして、ここでは、ラジオボタンRb1に黒丸が付された状態が、良い評価が選択された状態であり、ラジオボタンRb2に黒丸が付された状態が、普通の評価が選択された状態であり、ラジオボタンRb3に黒丸が付された状態が、悪い評価が選択された状態となる。
【0156】
入力ボタンIbは、評価選択領域JAで選択されている評価を入力するためのボタンであり、担当医による入力部540の操作に応じて入力ボタンIbが押下されると、評価選択領域JAで選択されている評価を示す情報がテンプレート評価認識部512に入力される。このとき、テンプレート評価認識部512により、入力されてきた評価を示す情報が、所見文提示領域VWに提示された所見文を作成する際に用いられたテンプレートに対する評価を示す情報として認識され、テンプレート評価変更部113bにより、該テンプレートを評価する情報に応じて、該テンプレートに係るTスコアが変更される。
【0157】
質問ボタンQbは、所見文提示領域VWに提示された所見文について読影医に質問を行うためのボタンである。例えば、担当医は、所見文提示領域VWに提示された所見文が分かり難いものであった場合に、読影医に質問を行う。ここでは、担当医による入力部540の操作に応じて質問ボタンQbがマウスポインタMPで押下されると、図示を省略する質問を入力するためのボックスが表示部530に表示され、担当医は読影医に対する質問情報を入力することができる。
【0158】
このように、読影医に質問が行われる場合には、所見文提示領域VWに提示された所見文が分かり難かったものと推定されるため、ここでは、質問情報が入力されると、該質問情報が入力されたことがテンプレート評価認識部512に入力される。このとき、テンプレート評価認識部512により、所見文提示領域VWに提示された所見文を作成する際に用いられたテンプレートに対する悪い評価を示す情報が認識され、テンプレート評価変更部113bにより、該テンプレートに係るTスコアが低減される。
【0159】
書き直し指示ボタンRWbは、所見文提示領域VWに提示された所見文について読影医に書き直しを求めるためのボタンである。例えば、担当医は、所見文提示領域VWに提示された所見文を理解することができなかった場合に、読影医に書き直しを要求する。ここでは、担当医による入力部540の操作に応じて書き直し指示ボタンRWbがマウスポインタMPで押下されると、電子メール等が利用されて、文書ID等といった書き直しを求める所見文を特定することのできる情報とともに、所見文の書き直しを要求する情報が読影医に対して伝達される。
【0160】
このように、読影医に所見文の書き直しの要求が行われる場合には、所見文提示領域VWに提示された所見文が分かり難かったものと推定されるため、ここでは、書き直しを要求する情報が入力されると、該書き直しを要求する情報が入力されたことがテンプレート評価認識部512に入力される。このとき、テンプレート評価認識部512により、所見文提示領域VWに提示された所見文を作成する際に用いられたテンプレートに対する悪い評価を示す情報が認識され、テンプレート評価変更部113bにより、該テンプレートに係るTスコアが低減される。
【0161】
図17及び図18は、Tスコアの変更例を説明するために、Tスコアの変更前後におけるテンプレートDBの記憶内容の具体例を示した模式図である。
【0162】
図17では、T番号が001のテンプレートに対するTスコアが7、T番号が007のテンプレートに対するTスコアが5、T番号が003のテンプレートに対するTスコアが3、T番号が002のテンプレートに対するTスコアが1である状態が示されている。この状態から、T番号が003のテンプレートに対するTスコアが3から6に増加すると、テンプレートDBの記憶内容は、図18で示すようなものに変更される。なお、ここでは、図示を省略しているが、あるテンプレートに対するTスコアが所定値(例えば0)未満となった場合には、テンプレート削除部113cにより、T番号、Tスコアを含む該テンプレートに関する情報が、テンプレートDB124から削除される。
【0163】
図19及び図20は、情報処理システム1のTスコア変動機能に係る動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、制御部510及びサーバ制御部110の制御下で実現され、担当医が入力部540を種々操作することで、文書閲覧装置500からサーバ制御部110に対して文書データの送信が要求されると、開始される。
【0164】
ステップS21では、文書読出部113aにより、新文書DB125に格納される1つの所見文の文書データが読み込まれる。このとき、1つの所見文の文書データが、該文書データに関連付けられたT番号とともに読み込まれ、表示制御部311に送出される。
【0165】
ステップS22では、表示制御部511により、文書閲覧画面G2(例えば、図16)が表示される。この文書閲覧画面G2では、所見文提示領域VWにおいて、ステップS21で読み出された1つの所見文の文書データが可視的に提示される。
【0166】
ステップS23では、文書閲覧画面G2が表示部530に表示された状態で、担当医による入力部540を介した各種情報の入力が受け付けられる。例えば、評価選択領域JAにおける評価の選択、入力ボタンIb、質問ボタンQb、書き直し指示ボタンRWbの押下等に係る各種情報の入力が受け付けられる。
【0167】
ステップS24では、制御部510により、入力ボタンIbが押下されたか否か判定される。ここでは、入力ボタンIbが押下されれば、ステップS25に進み、入力ボタンIbが押下されていなければ、ステップS27に進む。
【0168】
ステップS25では、テンプレート評価認識部512により、文書閲覧画面G2で選択された評価を示す情報が、所見文提示領域VWに提示された所見文を作成する際に用いられたテンプレートに対する評価を示す情報として認識される。このとき、テンプレートに対する評価を示す情報と、テンプレートを特定する情報(例えば、T番号)とが、テンプレート評価変更部113bに送信される。
【0169】
ステップS26では、テンプレート評価変更部113bにより、ステップS25で認識されたテンプレートを評価する情報に応じて、該テンプレートに係るTスコアが変更される。
【0170】
ステップS27では、制御部510により、質問ボタンQbが押下されて、質問情報が入力されたか否か判定される。ここでは、質問情報が入力されれば、ステップS28に進み、質問情報が入力されていなければ、図20のステップS31に進む。
【0171】
ステップS28では、テンプレート評価認識部512により、所見文提示領域VWに提示された所見文を作成する際に用いられたテンプレートに対する悪い評価を示す情報が認識される。このとき、テンプレートに対する悪い評価を示す情報と、テンプレートを特定する情報(例えば、T番号)とが、テンプレート評価変更部113bに送信される。
【0172】
ステップS29では、テンプレート評価変更部113bにより、ステップS28で認識されたテンプレートの悪い評価を示す情報に応じて、該テンプレートに係るTスコアが低減され、ステップS30に進む。
【0173】
図20のステップS31では、制御部510により、書き直し指示ボタンRWbが押下されたか否か判定される。ここでは、書き直し指示ボタンRWbが押下されれば、ステップS32に進み、書き直し指示ボタンRWbが押下されていなければ、図19のステップS23に進む。
【0174】
ステップS32では、テンプレート評価認識部512により、所見文提示領域VWに提示された所見文を作成する際に用いられたテンプレートに対する悪い評価を示す情報が認識される。このとき、テンプレートに対する悪い評価を示す情報と、テンプレートを特定する情報(例えば、T番号)とが、テンプレート評価変更部113bに送信される。
【0175】
ステップS33では、テンプレート評価変更部113bにより、ステップS32で認識されたテンプレートの悪い評価を示す情報に応じて、該テンプレートに係るTスコアが低減され、ステップS30に進む。
【0176】
図19のステップS30では、テンプレート削除部113cにより、テンプレートDB124に格納されたテンプレートの整理が行われて、本動作フローが終了される。このステップS30では、例えば、テンプレート削除部113cにより、テンプレートDB124が参照されて、Tスコアが所定値未満となったテンプレートが、T番号、及びTスコアとともにテンプレートDB124から削除される。
【0177】
以上のようにして、テンプレートDB124に格納された各テンプレートのTスコアが文書の読み手による評価に応じて変動する。このため、文書入力装置300で表示される文書入力画面G1において、読み手の評価が反映されたTスコアの順に複数のテンプレートが提示される。
【0178】
また、ここでは、質問情報、及び書き直しを要求する情報のうちの少なくとも1つの情報の入力に応じて、Tスコアが変動されるため、Tスコアをより適正に読み手の評価を反映したものとすることができる。また、読み手からの評価が低いテンプレートについては削除されるため、文書入力画面G1(例えば、図12)に表示されるテンプレートが多く成り過ぎて、文書の作成に利用するテンプレートの選択が難しくなるような不具合が回避されることになる。
【0179】
<テンプレート追加機能>
図21は、情報処理システム1のテンプレート追加機能に係る機能構成について示すブロック図である。
【0180】
サーバ制御部110は、テンプレート追加機能に係る機能構成として、テンプレート読出部112a、テンプレート追加部114b、及びTスコア設定部114c等といった機能構成を有する。また、制御部310は、テンプレート追加機能に係る機能構成として、表示制御部311、被修正テンプレート決定部314、テンプレート生成部315、及びユーザ情報追加部316等といった機能構成を有する。
【0181】
テンプレート読出部112aは、上述したように、文書入力装置300からの要求に応じて、テンプレートDB124から複数のテンプレートに係る情報を読み出して、文書入力装置300に対して送出する。
【0182】
テンプレート追加部114bは、テンプレート生成部315で生成された新規なテンプレートと、ユーザ情報追加部316から送信されてきたユーザの識別情報(ここでは、ユーザID)とを関連付けて、テンプレートDB124に追加する。なお、このとき、新規なテンプレートに対して、T番号が付与される。
【0183】
Tスコア設定部114cは、テンプレート生成部315で生成された新規なテンプレートに対し、所定のルールに従って、Tスコアの初期値を設定する。なお、所定のルールとしては、新規なテンプレートの追加を指示したユーザ(例えば、読影医)のUスコアに応じて、Tスコアの初期値を設定するようなルールが挙げられる。具体的には、Tスコア設定部114cが、Uスコアテーブル123を参照しつつ、テンプレートを示す情報を入力したユーザのUスコアを認識し、該認識されたUスコアに応じて、新規なテンプレートを示す情報に対して、Tスコアの初期値を設定する。
【0184】
また、Tスコア設定部114cは、テンプレート生成部315によって1つのテンプレートの一部を修正することで生成された修正後のテンプレートに対し、修正の元となった1つのテンプレートに係るTスコアに応じて、Tスコアの初期値を設定する。例えば、修正元のテンプレートのTスコアと同一の値が、Tスコアの初期値として設定されても良いし、修正元のテンプレートのTスコアと所定の関係(例えば、1小さい関係)を有する値が、Tスコアの初期値として設定されても良い。
【0185】
表示制御部311は、上述したように、各種情報に基づき表示部330に各種画像を可視的に出力させる。
【0186】
被修正テンプレート決定部314は、表示部330に文書入力画面G1(例えば、図12)が提示された状態で、ユーザ(例えば、読影医)による入力部340からの情報の入力に応じて、テンプレートDB124に含まれる1つのテンプレートを修正の対象として決定する。例えば、文書入力画面G1で所望のテンプレートに太枠FLが合わされた状態で、テンプレート修正ボタンTrbがマウスポインタMPによって押下されると、太枠FLが合わされた所望のテンプレートが修正の対象(以下「修正対象テンプレート」とも称する)として決定される。
【0187】
テンプレート生成部315は、ユーザによる入力部340からの新規なテンプレートを示す情報の入力に応じて、新規なテンプレートを生成する。なお、テンプレート生成部315によって新規なテンプレートが生成される態様には、例えば、ユーザによる入力部340からの情報の入力に応じて修正対象テンプレートの一部を修正されることで修正後のテンプレートが新規なテンプレートとして生成される態様と、ユーザによる入力部340からの情報の入力に応じて全く新規なテンプレートが生成される態様とが含まれる。
【0188】
ユーザ情報追加部316は、テンプレート生成部315において新規なテンプレートが生成された際に、文書入力装置300を使用しているユーザを識別するための識別情報(ここでは、ユーザID)を、テンプレート追加部114bに送信する。なお、ユーザ情報追加部316において文書入力装置300のユーザの識別情報を認識する手法としては、例えば、文書入力装置300の使用開始時にユーザIDの入力等を要求するような手法等が挙げられる。
【0189】
ここで、テンプレートDB124に対する新規なテンプレートの追加動作について具体例を挙げつつ説明する。
【0190】
図22は、全く新規なテンプレートを作成するための画面(以下「テンプレート作成画面」とも称する)G11の表示例を示す図である。
【0191】
このテンプレート作成画面G11は、図12で示した文書入力画面G1でテンプレート作成ボタンTgbがマウスポインタMPで押下されたことに応答して、表示制御部311により表示部330に表示される。
【0192】
テンプレート作成画面G11は、中央付近に配置された作成欄GCと、下部に配置されたキャンセルボタンQb1及び追加ボタンAb1とを有して構成される。
【0193】
作成欄GCは、ユーザが自由に新規なテンプレートの構成を記入する欄である。例えば、ユーザがマウスポインタMPを作成欄GBに合わせてカーソルを出現させて、入力部340に含まれるキーボードを種々操作することで、所望のテンプレートを作成欄GCに記入することができる。なお、ここで記入されるテンプレートの構成は、例えば、所定種類の項目に係る語句が充当される位置が、<項目名>で記載された所見文の構成を有する。図22では、「<部位>には<所見>がある。<診断>か。」というテンプレートの構成が作成欄GCに記入されている状態が示されている。
【0194】
そして、ユーザが入力部340を種々操作することで、作成欄GCに所望のテンプレートの構成が記入された状態で、追加ボタンAb1がマウスポインタMPで押下されると、テンプレート生成部315により、作成欄GCに記入されていたテンプレートの構成に基づき、新規なテンプレートが生成される。このとき、テンプレート生成部315で生成された新規なテンプレートを示す情報と、ユーザ情報追加部316で認識されたユーザIDとがサーバ制御部110のテンプレート追加部114bに送信され、テンプレートDB124への新規なテンプレートの登録が行われる。
【0195】
図23は、図18で示したテンプレートDB124の記憶内容に対して、新規なテンプレートに係る情報が追加された状態を例示する図である。
【0196】
図23では、新規なテンプレートに係る情報として、T番号が011、テンプレートが「<部位>には<所見>がある。<診断>か。」、Tスコアが1の情報がテンプレートDB124に対して追加された状態が示されている。
【0197】
なお、図23では、新規なテンプレートのTスコアの初期値を便宜的に1としているが、Uスコアテーブル123にテンプレートの作成者のユーザIDに対応するUスコアが存在している場合には、そのUスコアに応じた初期値が設定される。例えば、Uスコアが0〜20である場合にはTスコアの初期値が1に設定され、Uスコアが21〜40である場合にはTスコアの初期値が2に設定され、Uスコアが41〜60である場合にはTスコアの初期値が3に設定され、Uスコアが61〜80である場合にはTスコアの初期値が4に設定され、Uスコアが81〜100である場合にはTスコアの初期値が5に設定されるといった態様が考えられる。
【0198】
また、テンプレート作成画面G11が表示された状態で、キャンセルボタンQb1がマウスポインタMPで押下されると、表示部330におけるテンプレート作成画面G11の表示が終了され、元の文書入力画面G1が表示された状態に戻る。
【0199】
図24は、既存のテンプレートを修正して新規なテンプレートを作成するための画面(以下「テンプレート修正画面」とも称する)G12の表示例を示す図である。
【0200】
このテンプレート修正画面G12は、図12で示した文書入力画面G1でテンプレート修正ボタンTrbがマウスポインタMPで押下されたことに応答して、表示制御部311により表示部330に表示される。
【0201】
テンプレート修正画面G12は、上部に配置された修正元表示欄BCと、中央付近に配置された修正欄ACと、下部に配置されたキャンセルボタンQb2及び追加ボタンAb2とを有して構成される。
【0202】
修正元表示欄BCは、修正の元となるテンプレートの構成が表示される欄である。ここでは、テンプレート修正ボタンTrbが押下された際に文書入力画面G1で太枠FLが合わされたテンプレートの構成が、修正元表示欄BCに表示される。図24では、「<部位>に<所見>を認める。<診断>が疑われる。」という修正前のテンプレートの構成が修正元表示欄BCに表示されている状態が示されている。
【0203】
また、修正欄ACは、テンプレートの構成の修正を受け付ける欄であり、修正後のテンプレートの構成が修正欄ACに表示される。例えば、テンプレート修正画面G12が表示された初期状態では、修正欄ACに、修正元表示欄BCに表示されるテンプレートの構成と同一のテンプレートの構成が表示される。そして、ユーザがマウスポインタMPを修正欄ACに合わせてカーソルを出現させて、入力部340に含まれるキーボードを種々操作することで、修正欄ACに表示されたテンプレートの構成のうち、主な項目の要素の配置(ここでは、<項目名>の配置)以外の語句(例えば、助詞や助動詞や動詞)を所望の語句に修正することができる。図24では、「<部位>に<所見>を認める。<診断>と思われる。」という修正後のテンプレートの構成が修正欄ACに記入されている状態が示されている。
【0204】
そして、ユーザが入力部340を種々操作することで、修正欄ACに所望のテンプレートの構成が記入された状態で、追加ボタンAb2がマウスポインタMPで押下されると、テンプレート生成部315により、修正欄ACに記入されていたテンプレートの構成に基づき、新規なテンプレートが生成される。このとき、テンプレート生成部315で生成された新規なテンプレートを示す情報と、ユーザ情報追加部316で認識されたユーザIDとがサーバ制御部110のテンプレート追加部114bに送信され、テンプレートDB124への新規なテンプレートの登録が行われる。
【0205】
図25は、図23で示したテンプレートDB124の記憶内容に対して、修正後の新規なテンプレートに係る情報が追加された状態を例示する図である。
【0206】
図25では、新規なテンプレートに係る情報として、T番号が012、テンプレートが「<部位>に<所見>を認める。<診断>と思われる。」、Tスコアが7の情報がテンプレートDB124に対して追加された状態が示されている。なお、図25では、新規なテンプレートのTスコアの初期値として、修正元のテンプレートのTスコアと同一の値が設定された例が示されている。
【0207】
なお、テンプレート修正画面G12が表示された状態で、キャンセルボタンQb2がマウスポインタMPで押下されると、表示部330におけるテンプレート修正画面G12の表示が終了され、元の文書入力画面G1が表示された状態に戻る。
【0208】
図26及び図27は、情報処理システム1のテンプレート追加機能に係る動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、制御部310及びサーバ制御部110の制御下で実現され、表示部330において文書入力画面G1が表示されると、開始される。
【0209】
ステップS41では、制御部310により、テンプレート作成ボタンTgbが押下されたか否か判定される。例えば、テンプレート作成ボタンTgbが押下されれば、ステップS42に進み、テンプレート作成ボタンTgbが押下されていなければ、図27のステップS51に進む。
【0210】
ステップS42では、表示制御部311により、表示部330にテンプレート作成画面G11(例えば、図22)が表示される。
【0211】
ステップS43では、テンプレート作成画面G11が表示部330に表示された状態で、読影医による入力部340を介した各種情報の入力が受け付けられる。例えば、作成欄GCに対するテンプレートの構成の記入、キャンセルボタンQb1の押下、及び追加ボタンAb1の押下等に係る各種情報の入力が受け付けられる。
【0212】
ステップS44では、制御部310により、キャンセルボタンQb1が押下されたか否か判定される。ここで、キャンセルボタンQb1が押下されなければ、ステップS45に進み、キャンセルボタンQb1が押下されれば、ステップS49に進む。
【0213】
ステップS45では、制御部310により、追加ボタンAb1が押下されたか否か判定される。ここで、追加ボタンAb1が押下されなければ、ステップS43に戻り、追加ボタンAb1が押下されれば、ステップS46に進む。
【0214】
ステップS46では、テンプレート生成部315により、作成欄GCに記入されたテンプレートの構成に基づき、新規なテンプレートが生成される。このとき、新規なテンプレートが、テンプレート追加部114bに送信されるとともに、ユーザ情報追加部316から新規なテンプレートの作成者のユーザIDの情報もテンプレート追加部114bに送信される。
【0215】
ステップS47では、テンプレート追加部114bにより、テンプレートDB124に、新規なテンプレートが追加される。このとき、新規なテンプレートには、作成者のユーザIDが関連付けられる。
【0216】
ステップS48では、Tスコア設定部114cにより、Uスコアテーブル123が参照されつつ、新規なテンプレートのTスコアの初期値が設定される。このとき、テンプレートDB124において、新規なテンプレートに対して、ユーザIDとTスコアとT番号とが関連付けられた状態となる。
【0217】
ステップS49では、表示制御部311により、表示部330に文書入力画面G1が表示された状態となり、ステップS41に戻る。
【0218】
また、図27のステップS51では、制御部310により、テンプレート修正ボタンTrbが押下されたか否か判定される。例えば、テンプレート修正ボタンTrbが押下されれば、ステップS52に進み、テンプレート修正ボタンTrbが押下されていなければ、図26のステップS41に戻る。
【0219】
ステップS52では、表示制御部311により、表示部330にテンプレート修正画面G12(例えば、図24)が表示される。
【0220】
ステップS53では、テンプレート修正画面G12が表示部330に表示された状態で、読影医による入力部340を介した各種情報の入力が受け付けられる。例えば、修正欄ACにおけるテンプレートの修正、キャンセルボタンQb2の押下、及び追加ボタンAb2の押下等に係る各種情報の入力が受け付けられる。
【0221】
ステップS54では、制御部310により、キャンセルボタンQb2が押下されたか否か判定される。ここで、キャンセルボタンQb2が押下されなければ、ステップS55に進み、キャンセルボタンQb2が押下されれば、ステップS59に進む。
【0222】
ステップS55では、制御部310により、追加ボタンAb2が押下されたか否か判定される。ここで、追加ボタンAb2が押下されなければ、ステップS53に戻り、追加ボタンAb2が押下されれば、ステップS56に進む。
【0223】
ステップS56では、テンプレート生成部315により、修正欄ACに記入された修正後のテンプレートの構成に基づき、新規なテンプレートが生成される。このとき、新規なテンプレートが、テンプレート追加部114bに送信されるとともに、ユーザ情報追加部316から新規なテンプレートの作成者のユーザIDの情報もテンプレート追加部114bに送信される。
【0224】
ステップS57では、テンプレート追加部114bにより、テンプレートDB124に、新規なテンプレートが追加される。このとき、新規なテンプレートには、作成者のユーザIDが関連付けられる。
【0225】
ステップS58では、Tスコア設定部114cにより、修正元のテンプレートに付されたTスコアに応じて、新規なテンプレートのTスコアの初期値が設定される。このとき、テンプレートDB124において、新規なテンプレートに対して、ユーザIDとTスコアとT番号とが関連付けられた状態となる。
【0226】
ステップS59では、表示制御部311により、表示部330に文書入力画面G1が表示された状態となり、図26のステップS41に戻る。
【0227】
このようにして、テンプレート追加機能により、文書入力装置300からテンプレートの修正や追加を行うことができる。このため、ユーザの意図に応じて文書構造の充実化を容易に図ることができる。また、新規なテンプレートを作成する者の信頼度に応じて、Tスコアが決定される。このため、テンプレートの提示順を文書の構造を作成した者の評価に応じたものとすることができる。その結果、ユーザは読み手が読み易いであろうと推察されるテンプレートを容易に選択することができる。更に、新たに生成されたテンプレートであっても、読み手から既にある程度の評価を得ているテンプレートに依拠して作成されたものであれば、元のテンプレートに対する評価に応じた評価が付与されるようにすることができる。このため、より読み手が読み易いであろうと推察されるテンプレートの選択が容易な表示が実現される。
【0228】
以上のように、本発明の実施形態に係る情報処理システム1によれば、読み手による所定の情報の入力に応じて複数のテンプレートの表示順が変更される。このため、複数のテンプレートの表示順を読み手の評価に応じたものとすることができる。したがって、ユーザは、文書の読み手の評価が相対的に高いテンプレートに沿って所見文を作成することができる。すなわち、ユーザは、読み手が分かり易い文書を作成することができる。特に、テンプレートに沿って文書を作成する構成を採用することで、ユーザは、容易に読み手が分かり易い文書を作成することができる。
【0229】
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0230】
◎例えば、上記実施形態では、Uスコアの変動については特に説明しなかったが、例えば、ある入力者が入力した文書から生成されたテンプレートのTスコアの変化や、あるユーザの文書の構造を示す情報の入力に応じて生成されたテンプレートのTスコアの変化に応じて、該入力者や該ユーザのUスコアが変更される機能(以下「Uスコア変動機能」とも称する)が情報処理システム1に付加されていても良い。
【0231】
図28は、情報処理システム1のUスコア変動機能に係る機能構成について示すブロック図である。
【0232】
サーバ制御部110は、Uスコア変動機能に係る機能構成として、Uスコア変更部115a等といった機能構成を有する。
【0233】
Uスコア変更部115aは、テンプレートDB124を参照して、ユーザID毎にTスコアを認識し、その認識結果に応じて、Uスコアテーブル123に格納される各個人のUスコアを変更する。例えば、所定値(例えば、10等)以上のTスコアが付されたテンプレートに関連付けられたユーザIDを認識して、該ユーザIDに係るUスコアを増加させたり、所定値(例えば、0等)未満のTスコアが付されたテンプレートに関連付けられたユーザIDを認識して、該ユーザIDに係るUスコアを低下させたりするような態様が考えられる。
【0234】
このように、ある者の評価を示すUスコアが、その者が作成したテンプレートの評価を示すTスコアに応じて変動すれば、読み手によるテンプレートの評価を、そのテンプレートを作成した者の評価を示すUスコアに反映させることができる。その結果、Tスコアの初期値がUスコアに応じて設定される構成では、Uスコアの変動によって複数のテンプレートの提示順が変更されることになる。このため、読み手が読み易いであろうと推察されるテンプレートの選択が容易な表示が実現される。
【0235】
また、文書の入力者の評価を示すUスコアを、その入力者が入力した文書に係るテンプレートの評価を示すTスコアに応じて変動させることができれば、時間の経過とともに入力者の評価を示すUスコアを容易に変動させることができる。その結果、Tスコアの初期値がUスコアに応じて設定される構成では、Uスコアの変動によって複数のテンプレートの提示順が変更されることになる。したがって、時間の経過とともに変化する読み手が読み易い文書の構造をユーザが容易に認識することができるようになる。
【0236】
更に、上記実施形態では、テンプレートDB124を最初に構築する際に、テンプレート仮登録DB122から、テンプレートDB124に格納するテンプレートが採用されたが、これに限られない。例えば、Uスコアが時間とともに変動するような場合には、所定期間ごと等、所定のタイミング毎に、テンプレート仮登録DB122からテンプレートDB124に格納するテンプレートを採用する動作が行われても良い。このような構成によれば、時間の経過とともに変化するUスコアも反映させて、文書の作成者に対して提示されるテンプレートがある程度厳選される。このため、時間の経過とともに変化する読み手が読み易いテンプレートをユーザが容易に認識することができるようになる。
【0237】
時間とともにUスコアが変動する具体例としては、図29で示すようなものが挙げられる。
【0238】
例えば、図29(a)で示すように、初期の条件が、(i)テンプレートA,Bが、ユーザXが直接作成したもので、(ii)テンプレートCが、ユーザXとユーザYが作成した既存文書から作成されたもので、(iii)テンプレートDが、ユーザXが作成した既存文書のみから作成されたもので、(iv)ユーザXのUスコアが100で、(v)ユーザYのUスコアが80であるものとする。
【0239】
そして、図29(b)で示すように、各テンプレートのTスコアの初期値として、テンプレート仮登録DB122で各テンプレートに関連付けられたユーザIDに対応するUスコアがそのまま適用されるものとすると、テンプレートA,B,DのTスコアの初期値は、何れも100となる。また、1つのテンプレートに複数のユーザIDが関連付けられている場合には、該複数のユーザIDに対応するUスコアの平均値が適用されるものとすると、テンプレートCのTスコアの初期値は90となる。
【0240】
また、図29(c)で示すように、テンプレートAのTスコアが10増加して110となり、テンプレートBのTスコアが20増加して120となり、テンプレートDのTスコアが変動せずに100であり、テンプレートCのTスコアが10低下して90となった場合、図29(d)で示すように、Tスコアの変動に応じてユーザXのUスコアが変更される。具体的には、ユーザXが生成に関与したテンプレートのTスコアが平均で5増加したことに応じて、その変動量である5を元のユーザXのUスコアである100に加算することで、ユーザXのUスコアが105に変更される。
【0241】
次に、時間とともにUスコアが変動し、テンプレート仮登録DB122から採用されるテンプレートが変更される具体例としては、図30で示すようなものが挙げられる。
【0242】
例えば、図30(a)で示すように、Uスコアが100であるユーザXが、4つの所見文A1,A2,A3,B1を作成したとする。
【0243】
そして、図30(b)で示すように、この4つの所見文のうち、3つの所見文A1〜A3からテンプレートAが生成され、1つの所見文B1からテンプレートBが生成される。つまり、テンプレートAの生成頻度(累積数)が3であり、テンプレートBの生成頻度(累積数)が1である。ここで、テンプレートの生成頻度に対してUスコアを乗じて得られる採用基準パラメータについては、テンプレートAの採用基準パラメータの値が300、テンプレートBの採用基準パラメータの値が100と算出される。ここで、採用基準パラメータの値が200以上のテンプレートが採用される条件である場合には、テンプレートAはテンプレートDB124に格納するテンプレートとして採用されるが、テンプレートBは採用されない。なお、ここでは、採用されたテンプレートAのTスコアは、ユーザXのUスコアがそのまま適用されて100と設定される。
【0244】
その後、図30(c)で示すように、テンプレートAのTスコアが100から200に上昇すると、図30(d)で示すように、テンプレートAの生成に関与したユーザXのUスコアも連動して上昇する。ここでは、Tスコアの上昇分がそのままUスコアの上昇に反映され、ユーザXのUスコアが100から200に上昇する。このとき、テンプレートを採用する動作が再度行われると、図30(d)で示すように、テンプレートAの採用基準パラメータの値が600、テンプレートBの採用基準パラメータの値が200と算出される。このため、テンプレートA,Bの双方の採用基準パラメータが、テンプレートが採用される条件である200以上となり、テンプレートA,Bの双方がテンプレートDB124に格納するテンプレートとして採用される。そして、採用されたテンプレートA,BのTスコアは、ユーザXのUスコアがそのまま適用されて200と設定される。
【0245】
このように、時間とともに変動するUスコアを用いて、テンプレートの採用やTスコアの設定を行うことで、良い文書や良いテンプレートを作成したユーザが生成に関与したテンプレートが、文書入力画面G1で優先的に提示されることになる。
【0246】
◎また、上記実施形態では、文書を作成する際に、複数のテンプレートが提示され、主要な項目の語句を充当して、文書の作成を行ったが、これに限られない。例えば、テンプレートの代わりに、文書の構造を示す例文が提示されても良い。このような構成の具体例を以下に説明する。
【0247】
図31は、テンプレートDB124の代わりに、所見文の構造を示す複数の例文と、各例文の評価を示すスコア(例文スコア)とが関連付けられたデータベースの記憶内容を例示する図である。
【0248】
図32は、読影医が文書を入力するための文書入力画面G1Aの表示例を示す図である。文書入力画面G1Aは、文書入力装置300のユーザである読影医が、入力部340を種々操作することで、表示制御部311の制御下で表示部330に表示される。
【0249】
この文書入力画面G1Aは、左側に配置される複数の例文が選択肢として提示される欄(以下「例文選択欄」とも称する)TsAと、右側に配置される文書の作成を行う文書作成欄SdAとを備えて構成される。
【0250】
例文選択欄TsAでは、複数種類の例文の選択肢が、例文スコアの大きな順に、上から順に列挙される。そして、読影医は、入力部340に含まれる所定の部材(例えば、上下キー)を操作することで、例文選択欄TsAに提示される複数種類の例文のうち、1つの例文に太枠FLAを合わせることができる。このとき、太枠FLAが合わされた1つの例文が文書の作成時に参考として使用する例文として指定される。
【0251】
文書作成欄SdAは、参考例文表示欄Re、所見文入力欄IA、及び登録ボタンRbを備えて構成される。参考例文表示欄Reには、例文選択欄TsAで太枠FLAが合わされた例文が表示される。所見文入力欄IAは、所見文を自由に記入することができる欄である。なお、所見文入力欄IAには、当初、参考例文表示欄Reに表示される例文と同じ文が表示され、適宜修正を加えていくことで、所望の所見文を所見文入力欄IAに記入することができるようにしても良い。図32では、例文「網状影が見られる。腫瘍と思われる。上肺野付近撮像。」を参考にして、所見文「肺の拡張が見られる。動脈瘤と思われる。右肺野中心付近撮像。」が記入されている例が示されている。
【0252】
そして、所見文入力欄IAに所望の所見文が記入された状態で、読影医が入力部340を種々操作することで、マウスポインタMPで登録ボタンRbAが押下されると、所見文入力欄IAに記入されていた所見文を示す文書データが生成される。このとき、新たに生成された文書データに対して、例文選択欄TsAで選択されて参考例文表示欄Reに表示された例文を特定する情報を関連付けて記憶させることで、所見文の閲覧時に、所見文の生成に使用された例文を特定して、その例文に対する評価を得るようにすれば良い。
【0253】
このような構成においても、1つの文書構造を示す情報が指定された状態で、ユーザによる情報の入力に応答して、1つの文書データが生成されることになり、その文書データの可視的な出力時における所定の情報の入力に応じて、文書構造を示す情報の評価が変更されることになる。なお、ここでは、例文の追加や修正等については特に説明しなかったが、上記実施形態に係るテンプレートの追加や修正と同様に、例文の追加や修正等を実行可能な構成としても良い。
【0254】
◎また、上記実施形態では、テンプレート仮登録DB122からテンプレートDB124に格納するテンプレートを採用する際に、テンプレートの生成頻度にUスコアを乗じて重み付けを行うことで、採用基準パラメータを算出したが、これに限られない。例えば、Uスコアで重み付けを行うことなく、テンプレートの生成頻度が、採用の条件である生成頻度以上であるか否かで、テンプレート仮登録DB122からテンプレートDB124に格納するテンプレートを採用するようにしても良い。
【0255】
◎また、上記実施形態では、Tスコアの初期値をUスコアに応じて設定したが、これに限られず、例えば、Tスコアの初期値は、予め決められた所定値としても良いし、テンプレートの生成頻度に応じた値としても良い。
【0256】
◎また、上記実施形態では、文書入力画面において、複数のテンプレートが、Tスコアの大きな順に、空間順次に優先的に表示されたが、これに限られない。例えば、まず、Tスコアの最も大きなテンプレートを示す文書入力画面が表示され、所定の操作(例えば、ボタンの押下)がなされると、Tスコアが次に大きなテンプレートを示す文書入力画面が表示されるといった具合に、複数のテンプレートが、Tスコアの大きな順に従って、時間順次に優先的に表示されても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0257】
◎また、上記実施形態では、新文書DB125から所見文の文書データが読み出されて、文書閲覧装置500で可視的に出力されたが、これに限られず、例えば、文書入力装置300で新規な所見文の文書データが生成されると、該文書データが、文書IDとT番号とともに、文書閲覧装置500に送信されるような態様も考えられる。
【0258】
◎また、上記実施形態では、テンプレート評価認識部512においてテンプレートを評価する情報を認識するために使用した所定の情報の入力が、質問情報の入力や書き直しを要求する情報の入力等であったが、これに限られない。
【0259】
例えば、所定の情報の入力が、1つの所見文の文書データが表示部330に可視的に出力されている期間を示す情報の入力であっても良い。より詳細には、ある1つの所見文を提示する文書閲覧画面G2が表示部530に表示された期間が第1の所定期間以上である場合には、その1つの所見文に係るテンプレートに対する悪い評価が認識され、ある1つの所見文を提示する文書閲覧画面G2が表示部530に表示された期間が第2の所定期間以下である場合には、その1つの所見文に係るテンプレートに対する良い評価が認識されるようにしても良い。このような構成によれば、読み手が特別な操作をしなくてもTスコアを適正に読み手の評価を反映したものとすることができる。
【0260】
また、例えば、カメラでユーザである担当医の視線を検出して、繰り返し読み返していると思われる場合には所見文が分かり難いものと推定して、テンプレートに対する悪い評価が認識されるようにしても良い。より詳細には、例えば、担当医の視線が、第1の所定期間以上、表示されている所見文に向けられた場合には、テンプレートに対する悪い評価が認識され、担当医の視線が、第2の所定期間未満、表示されている所見文に向けられた場合には、テンプレートに対する良い評価が認識されても良い。すなわち、所定の情報の入力が、ユーザが所見文を見ている期間を示す情報の入力であっても良い。このような構成によれば、読み手が特別な操作をしなくて、より確実にTスコアを適正に読み手の評価を反映したものとすることができる。
【0261】
◎また、上記実施形態では、各文書情報が、放射線科で撮影された画像に対する所見文を示す情報であったが、これに限られず、例えば、各文書情報が、所見文を含むレポート、いわゆる読影レポートを示す情報を含んでも良い。このような構成によれば、ユーザである読影医は、読み手が分かり易い読影レポートを作成することができる。
【0262】
◎また、上記実施形態では、各種評価が数値で表されたが、これに限られず、所定種類の評価が所定数与えられる度に評価を示すランク(例えば、A,B,C,・・・ランク等)が変更されるようなものを採用しても良い。
【0263】
◎また、上記実施形態では、放射線を用いて得られた画像を読影して所見文を作成するシステムを例にとって説明したが、これに限られない。例えば、看護レポートやインシデントレポート等といったその他の医療用の文書を作成するシステムについても本発明を適用することができる。更に、例えば、営業レポート等といった医療以外の分野の文書の作成についても本発明を適用することができる。
【0264】
◎また、上記実施形態では、サーバ100、管理用PC200、文書入力装置300,400、及び文書閲覧装置500,600といった複数の機器が通信回線によって接続されることで、各機器の制御部(サーバ制御部110、PC制御部210、及び制御部310,510)において、それぞれ対応するプログラムが実行されることで、情報処理システム1の機能が実現されたが、これに限られず、例えば、情報処理システム1が、1台の機器で構成される場合には、その機器のCPUにおいて1つのプログラムが実行されることにより、情報処理システム1の機能が実現されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0265】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概要を示す図である。
【図2】情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】情報処理システムにおける処理の概要を示す図である。
【図4】テンプレート準備機能に係る機能構成について示すブロック図である。
【図5】既存文書DBの記憶内容の具体例を示す模式図である。
【図6】記述の所見文から1つのテンプレートが生成される過程を示す図である。
【図7】テンプレート仮登録DBの記憶内容の具体例を示す模式図である。
【図8】Uスコアテーブルの記憶内容の具体例を示す模式図である。
【図9】テンプレートDBの記憶内容の具体例を示す模式図である。
【図10】テンプレート準備機能に係る動作フローを示すフローチャートである。
【図11】文書生成機能に係る機能構成について示すブロック図である。
【図12】文書入力画面の表示例を示す図である。
【図13】新文書DBの記憶内容の具体例を示す模式図である。
【図14】文書生成機能に係る動作フローを示すフローチャートである。
【図15】Tスコア変動機能に係る機能構成について示すブロック図である。
【図16】文書閲覧画面の表示例を示す図である。
【図17】テンプレートDBの記憶内容の具体例を示す模式図である。
【図18】テンプレートDBの記憶内容の具体例を示す模式図である。
【図19】Tスコア変動機能に係る動作フローを示すフローチャートである。
【図20】Tスコア変動機能に係る動作フローを示すフローチャートである。
【図21】テンプレート追加機能に係る機能構成について示すブロック図である。
【図22】テンプレート作成画面の表示例を示す図である。
【図23】テンプレートDBの記憶内容の具体例を示す模式図である。
【図24】テンプレート修正画面の表示例を示す図である。
【図25】テンプレートDBの記憶内容の具体例を示す模式図である。
【図26】テンプレート追加機能に係る動作フローを示すフローチャートである。
【図27】テンプレート追加機能に係る動作フローを示すフローチャートである。
【図28】Uスコア変動機能に係る機能構成について示すブロック図である。
【図29】Uスコアの変動について説明するための図である。
【図30】テンプレートの採用動作の変形例を示す図である。
【図31】文書構造のデータベースの記憶内容の変形例を示す模式図である。
【図32】変形例に係る文書入力画面の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0266】
1 情報処理システム
100 サーバ
110 サーバ制御部
111a データ読込部
111b 処理済判定部
111c 要素認識部
111d テンプレート生成部
111e テンプレート採用部
111f Tスコア設定部
112a テンプレート読出部
112b 文書登録部
113a 文書読出部
113b テンプレート評価変更部
113c テンプレート削除部
114b テンプレート追加部
114c Tスコア設定部
115a Uスコア変更部
120 記憶部
121 既存文書データベース
122 テンプレート仮登録データベース
123 ユーザスコアテーブル
124 テンプレートデータベース
125 新文書データベース
200 管理用PC
210 PC制御部
220 記憶部
230 表示部
240 入力部
300,400 文書入力装置
310,510 制御部
311,511 表示制御部
312 テンプレート指定部
313 文書生成部
314 被修正テンプレート決定部
315 テンプレート生成部
316 ユーザ情報追加部
320,520 記憶部
330,530 表示部
340,540 入力部
512 テンプレート評価認識部
P1,P2,P3,P5 プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
文書の構造をそれぞれ示す複数の文書構造情報と、複数の第1パラメータの値とをそれぞれ対応させて記憶する第1記憶手段と、
前記複数の第1パラメータの値に応じて、前記複数の文書構造情報に含まれる少なくとも一部の文書構造情報を空間順次または時間順次に可視的に出力する出力手段と、
ユーザによる情報の入力に応答して、前記複数の文書構造情報から1つの文書構造情報を指定する指定手段と、
ユーザによる情報の入力に応答して、前記指定手段によって前記1つの文書構造情報が指定された状態で、1つの文書情報を生成する文書生成手段と、
前記文書生成手段による前記1つの文書情報の生成に応答して、前記1つの文書情報に対して前記指定手段によって指定された前記1つの文書構造情報を関連付けて記憶する第2記憶手段と、
前記第2記憶手段に記憶された前記1つの文書情報の可視的な出力時における所定の情報の入力に応じて、前記1つの文書構造情報に係る第1パラメータの値を変更する第1パラメータ変更手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記文書構造情報が、
テンプレートを示す情報を含み、
前記文書生成手段が、
ユーザによって入力された情報と、前記指定手段によって指定された前記1つの文書構造情報とに基づき、前記1つの文書情報を生成することを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記所定の情報の入力が、
前記1つの文書情報に対する質問情報、及び前記1つの文書情報に対する書き直しを要求する情報のうちの少なくとも一方の情報の入力を含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかに記載の情報処理システムであって、
前記所定の情報の入力が、
前記1つの文書情報が可視的に出力されている期間を示す情報の入力を含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れかに記載の情報処理システムであって、
前記複数の文書構造情報に含まれる1以上の文書構造情報に係る第1パラメータの値が所定条件を満たしたことに応答して、前記第1記憶手段から前記1以上の文書構造情報を削除する削除手段、
を更に備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れかに記載の情報処理システムであって、
ユーザによる文書の構造を示す情報の入力に応じて、文書構造情報を生成する文書構造生成手段と、
前記文書構造生成手段によって生成された文書構造情報を、前記第1記憶手段に記憶された前記複数の文書構造情報に追加する追加手段と、
前記文書構造生成手段によって生成された文書構造情報に対し、所定のルールに従って、第1パラメータの初期値を設定する設定手段と、
を更に備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムであって、
各ユーザの識別情報に対して第2パラメータの値を関連付けて記憶する第3記憶手段、
を更に備え、
前記設定手段が、
前記第3記憶手段を参照しつつ、前記文書の構造を示す情報を入力したユーザの識別情報に対応する第2パラメータの値に応じて、前記文書構造生成手段によって生成された文書構造情報に対し、第1パラメータの初期値を設定することを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理システムであって、
所定のユーザによる文書の構造を示す情報の入力に応じて前記文書構造生成手段によって生成された1以上の文書構造情報に対応する第1パラメータの値の変化に応じて、前記所定のユーザに係る第2パラメータの値を変更する第2パラメータ変更手段、
を更に備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
請求項6から請求項8の何れかに記載の情報処理システムであって、
ユーザによる情報の入力に応じて、前記第1記憶手段に記憶された複数の文書構造情報に含まれる1つの文書構造情報を修正の対象として決定する決定手段、
を更に備え、
前記文書構造生成手段が、
ユーザによる情報の入力に応じて、前記決定手段によって決定された1つの文書構造情報の一部を修正することで、修正後の文書構造情報を生成し、
前記追加手段が、
前記文書構造生成手段によって生成された前記修正後の文書構造情報を、前記第1記憶手段に記憶された前記複数の文書構造情報に追加し、
前記設定手段が、
前記決定手段によって決定された1つの文書構造情報に係る第1パラメータの値に応じて、前記修正後の文書構造情報に対し、第1パラメータの初期値を設定することを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
請求項1から請求項6の何れかに記載の情報処理システムであって、
複数の文書情報を記憶する第3記憶手段と、
前記複数の文書情報に対して所定の言語処理を施すことで、文書を構成する複数の項目にそれぞれ属する複数の要素を認識する認識手段と、
前記複数の文書情報から、前記認識手段によって認識された複数の要素を抜き出すことで、前記複数の文書構造情報を生成する文書構造生成手段と、
を更に備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理システムであって、
前記文書構造生成手段による各種類の文書構造情報の生成頻度に応じて、前記文書構造生成手段によって生成された複数の文書構造情報のうちの少なくとも一部の文書構造情報を採用して、前記第1記憶手段に記憶させる採用手段、
を更に備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理システムであって、
前記複数の文書情報を入力した各入力者の識別情報に対して第2パラメータの値を関連付けて記憶する第4記憶手段と、
前記第3記憶手段が、
前記複数の文書情報に含まれる各文書情報に対して、該各文書情報を入力した入力者の識別情報を関連付けて記憶し、
前記採用手段が、
前記第3及び第4記憶手段を参照しつつ、前記文書構造生成手段によって生成された各種類の文書構造情報の生成元となった1以上の文書情報に関連付けられた入力者の識別情報に係る第2パラメータの値により、前記文書構造生成手段による各種類の文書構造情報の生成頻度に対して重み付けを行うことで得られる所定のパラメータの値に応じて、前記文書構造生成手段によって生成された複数の文書構造情報のうちの少なくとも一部の文書構造情報を採用して、前記第1記憶手段に記憶させることを特徴とする情報処理システム。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理システムであって、
所定の入力者が入力した1以上の文書情報に基づいて前記文書構造生成手段で生成された1以上の文書構造情報に対応する第1パラメータの値に応じて、前記第4記憶手段に記憶された前記所定の入力者に係る第2パラメータの値を変更する第2パラメータ変更手段、
を更に備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項14】
請求項13に記載の情報処理システムであって、
前記採用手段が、
所定のタイミングごとに、前記文書構造生成手段によって生成された複数の文書構造情報のうちの少なくとも一部の文書構造情報を採用することを特徴とする情報処理システム。
【請求項15】
請求項10または請求項11に記載の情報処理システムであって、
前記第3記憶手段が、
前記複数の文書情報に含まれる各文書情報に対して、該各文書情報を入力した入力者の識別情報を関連付けて記憶し、
前記文書構造生成手段が、
前記複数の文書情報から前記複数の文書構造情報を生成する際に、各前記文書構造情報の生成元の1以上の文書情報を入力した入力者の識別情報を認識し、各前記文書構造情報に対して、該各文書構造情報の生成元となった1以上の文書情報を入力した入力者の識別情報を関連付けて、前記複数の文書構造情報を前記第1記憶手段に記憶させ、
前記情報処理システムが、
前記複数の文書情報を入力した各入力者の識別情報に対して第2パラメータの値を関連付けて記憶する第4記憶手段と、
前記第1及び第4記憶手段を参照しつつ、前記文書構造生成手段によって生成された各前記文書構造情報の生成元の1以上の文書情報を入力した入力者に係る第2パラメータの値に応じて、前記文書構造生成手段によって生成された各前記文書構造情報に対し、第1パラメータの初期値を設定する設定手段と、
を更に備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項16】
請求項15に記載の情報処理システムであって、
所定の入力者が入力した1以上の文書情報に基づいて前記文書構造生成手段で生成された1以上の文書構造情報に対応する第1パラメータの値に応じて、前記第4記憶手段に記憶された前記所定の入力者に係る第2パラメータの値を変更する第2パラメータ変更手段、
を更に備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項17】
請求項10から請求項16の何れかに記載の情報処理システムであって、
前記所定の言語処理が、
機械学習によって得られた情報を用いた言語処理であることを特徴とする情報処理システム。
【請求項18】
請求項1から請求項17の何れかに記載の情報処理システムであって、
前記文書が、
読影レポートを含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項19】
情報処理システムに含まれるコンピュータによって実行されることにより、前記情報処理システムを、請求項1から請求項18の何れかに記載の情報処理システムとして機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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