説明

情報処理システム、管理装置およびプログラム

【課題】一括設定に係る全体の処理時間を短縮するとともに、マスタとなる装置の処理負荷を低減する。
【解決手段】情報処理システム1は、複数の被管理機器3と、被管理機器3を管理する機器管理装置2とを備え、マスタとなる機器管理装置2は、管理者用クライアント端末4から複数の被管理機器3に対する一括設定の要求を受け付ける設定受付部20aと、その設定受付部20aで要求を受け付けた場合に、スレーブとなる被管理機器3に対して、複数の被管理機器3に対する一括設定の処理を委譲する設定処理部20bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理システム、管理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介して接続される複数の被管理機器(例えば、プリンタ、複合機、プロジェクタ、サーバコンピュータなどのネットワーク機器)に対して、所定の設定内容(複数の設定項目および値を含む設定値群など)に応じた一括設定を行わせる機器管理装置を備えた情報処理システムが知られている。
【0003】
この種の情報処理システムによれば、ユーザは被管理機器にわざわざ出向くことなく、リモートからネットワーク上にある複数の被管理機器の設定を行うことが可能である。
【0004】
しかし、前述の情報処理システムにおいては、機器管理装置と被管理機器との間の設定処理が同期的に行われており、被管理機器の設定処理が完了するまでの間、機器管理装置は次の処理に移れず、待機する必要があるため、被管理機器の台数や設定項目の数に比例して一括設定に係る全体の処理時間が長くなるという課題がある。
【0005】
また、従来では、複数台の機器に対する設定を容易に行う目的で、マスタとなる機器が、操作パネルを介して入力されたユーザコードをスレーブとなる機器に対して送信し、スレーブとなる機器のユーザコードを一括設定する技術(特許文献1参照)が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した特許文献1の技術にあっても、マスタとなる機器(マスタ機)とスレーブとなる機器(スレーブ機)との間の設定処理が同期的に行われており、スレーブ機の設定処理が完了するまでの間、マスタ機は次の処理に移れず、待機する必要があるため、スレーブ機の台数や設定項目の数に比例して一括設定に係る全体の処理時間が長くなるという課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、一括設定に係る全体の処理時間を短縮することが可能な情報処理システム、管理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の情報処理システムは、複数の被管理機器と、前記被管理機器を管理する機器管理装置とを備え、マスタとなる前記機器管理装置は、外部から複数の被管理機器に対する一括設定の要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段で前記要求を受け付けた場合に、スレーブとなる被管理機器に対して、複数の被管理機器に対する一括設定の処理を委譲する制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一括設定に係る全体の処理時間を短縮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、機器管理装置や管理者クライアント端末の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、被管理機器(複合機)のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、機器管理装置および被管理機器の機能的構成を説明するためのブロック図である。
【図5】図5は、機器情報の一例を示す説明図である。
【図6】図6は、機器管理装置が管理者用クライアント端末から一括設定の要求を受け付けた場合の機器管理装置における処理の流れを示すシーケンス図である。
【図7】図7は、一括設定の要求画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、設定処理部が一括設定の処理を委譲する被管理機器(サブシステム)を決定する場合の処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、サブシステムが機器管理装置から一括設定の処理を委譲する委譲要求を受け付けた場合のサブシステムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。最初に、本実施形態に係る情報処理システム1の構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、この情報処理システム1では、機器管理装置(マスタ)2と、複数の被管理機器3(図1の例では、3台)と、管理者用クライアント端末4とを備え、それらがLAN(Local Area Network)などのネットワークNを介して相互に通信可能に接続されている。
【0013】
そして、この情報処理システム1では、複数の被管理機器3のいずれかにおいて、機器管理装置(マスタ)2からの一括設定の処理を委譲する委譲要求に基づいて、複数の被管理機器3に対して一括設定を行うための(即ち、システム管理者により指定された複数の被管理機器3のそれぞれに所定の設定内容(複数の設定項目および値を含む設定値群)に応じた設定を行わせるための)サブシステム(スレーブ)31がデプロイまたはアンデプロイ可能となっている。ここでいうサブシステム31とは、例えば、ソフトウェアやコンポーネントなどから構成されるものであり、更に、デプロイとは、サブシステム31を利用可能な状態にすることであり、アンデプロイとは、サブシステム31を利用不可な状態にすることである。
【0014】
機器管理装置(マスタ)2は、ネットワークNを介して複数の被管理機器3を管理するための装置であり、例えば、サーバ装置などで実現される。そして、この機器管理装置2は、被管理機器3にデプロイされているサブシステム(スレーブ)31に対して上記一括設定の処理を委譲する。
【0015】
被管理機器3は、機器管理装置2に管理される機器であり、例えば、複合機(MFP:Multi Function Peripherals)などで実現される。そして、上記サブシステム(スレーブ)31がデプロイされている被管理機器3が、機器管理装置(マスタ)2からの上記一括設定の処理を委譲する委譲要求を受け付けて、複数の被管理機器3に対して上記設定内容の設定を要求する。
【0016】
管理者用クライアント端末4は、この情報処理システム1のシステム管理者が使用するクライアント端末であり、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)などで実現される。そして、この管理者用クライアント端末4では、ネットワークNを介して機器管理装置2が提供するUI画面(Webページなど)を閲覧可能であり、この管理者用クライアント端末4は、複数の被管理機器3の中から一括設定を行う被管理機器3を選択したり、設定値を入力したりする際にシステム管理者に使用される。
【0017】
次に、情報処理システム1を構成する機器管理装置2、被管理機器3および管理者用クライアント端末4のハードウェア構成について図2および図3を用いて説明する。
【0018】
図2は、機器管理装置2や管理者クライアント端末4の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0019】
図2に示すように、機器管理装置2や管理者クライアント端末4は、PCなどの一般的なコンピュータを利用したハードウェア構成となっており、例えば、制御部21と、通信I/F22と、I/O機器制御部23とを備え、それらがバスB1によって接続されている。
【0020】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有して構成されている。
【0021】
また、制御部21には、バスB1およびI/O機器制御部23を介して、操作装置(例えば、キーボードやマウスなど)24、表示装置(例えば、液晶ディスプレイなど)25、外部記憶装置(例えば、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)など)26、外部インタフェース27(以下、「外部I/F27」という。)などが接続されている。
【0022】
即ち、この制御部21は、CPUがROMや外部記憶装置26などに格納されている制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、I/O機器制御部23を介して接続される機器の動作を制御するとともに、通信I/F22、ネットワークNを介して接続される他の装置との間で各種データを送受信する動作を制御するものである。
【0023】
外部I/F27は、DVDやCD等の記録媒体に対するリードライトを行うためのインタフェイスである。上記制御プログラムを、DVDやCD等の記録媒体に記憶し、制御部部21のCPUがI/O機器制御部23、外部I/F27を介して、DVDやCD等の記録媒体から制御プログラムを読み出してRAMに展開して実行するように構成してもよい。
【0024】
図3は、被管理機器(複合機)3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0025】
図3に示すように、被管理機器3は、大きく分けて、コントローラ30と、操作表示部(オペレーションパネル)32と、ファクシミリコントロールユニット(FCU)33と、画像読取部34と、画像形成部35とを備えている。
【0026】
コントローラ30は、被管理機器3全体の制御、即ち、描画処理や、通信処理や、操作表示部32に対する操作入力および表示処理などの各種処理を制御するものである。
【0027】
図3の例では、コントローラ30は、CPU301と、ASIC302と、ノースブリッジ(NB)303と、サウスブリッジ(SB)304と、システムメモリ(MEM−P)305と、ローカルメモリ(MEM−C)306と、ハードディスクドライブ(HDD)307と、メモリカードスロット308と、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)309と、USBインタフェース310と、IEEE1394インタフェース311と、セントロニクスインタフェース312を備えている。
【0028】
ここで、CPU301は、種々の情報処理を実行するためのICであり、アプリケーション101やプラットフォーム102をUNIX(登録商標)などのOSによりプロセス単位で並列的に実行する。
【0029】
ASIC302は、画像処理用のICである。NB303は、CPU301とASIC302を接続するためのブリッジである。SB304は、NB303と周辺機器等を接続するためのブリッジである。ASIC302とNB303は、AGP(Accelerated Graphics Port)を介して接続されている。
【0030】
MEM−P305は、NB303に接続されたメモリである。MEM−C306は、ASIC302に接続されたメモリである。HDD307は、ASIC302に接続されたストレージであり、画像データや、文書データや、プログラムや、フォントデータや、フォームデータなどの蓄積を行うために使用される。メモリカードスロット308は、SB304に接続されたスロットであり、メモリカード313をセット(挿入)するために使用される。
【0031】
NIC309は、ネットワークNなどを介してMACアドレスなどを使用したデータ通信を行うためのコントローラである。USBインタフェース310は、USB規格に準拠したシリアルポートを提供するためのインタフェースである。IEEE1394インタフェース311は、IEEE1394規格に準拠したシリアルポートを提供するためのインタフェースである。セントロニクスインタフェース312は、セントロニクス仕様に準拠したパラレルポートを提供するためのインタフェースである。
【0032】
NIC309と、USBインタフェース310と、IEEE1394インタフェース311と、セントロニクスインタフェース312は、PCI(Peripheral Component Interconect)バスを介してNB303とSB304に接続されている。
【0033】
操作表示部32は、被管理機器3の各種機能を利用するための操作方法を表示するとともに、ユーザからの操作入力を受け付けるためのユーザインタフェースである。操作表示部32は、ASIC302に接続されている。
【0034】
FCU33は、G3などのファクシミリ通信を制御するユニットである。
【0035】
画像読取部34は、画像を読み取るユニットであり、例えば、スキャナとして構成されて、原稿台にセットされた原稿の画像を読み取る。
【0036】
画像形成部35は、画像読取部34の読み取りで得られた画像データなどに基づいて、画像を記録媒体に形成するためのユニットであり、例えば、電子写真方式を採用して構成される。
【0037】
FCU33と、画像読取部34と、画像形成部35とは、PCIバスを介してASIC302に接続されている。
【0038】
次に、機器管理装置2および被管理機器3の機能的構成について図4を用いて説明する。
【0039】
図4は、機器管理装置2および被管理機器3の機能的構成を説明するためのブロック図である。
【0040】
図4に示すように、機器管理装置2のCPUは、ROMや外部記憶装置26などに格納される所定の制御プログラムをRAMなどに展開して実行することにより、後述の図6および図8に示す処理手順を実行する、設定受付部20aと、設定処理部20bと、設定送信部20cと、設定結果収集部20dと、機器情報管理部20eと、設定結果管理部20fと、リモートインストール部20gと、表示処理部20hとして機能する。
【0041】
表示処理部20hは、自己の機器管理装置2の表示装置25に各種画面を表示する処理を行うとともに、通信I/F22を介して管理者用クライアント端末4に、一括設定の要求画面を送信して、管理者用クライアント端末4の表示装置25に一括設定の要求画面を表示させる処理を行う。ここで、一括設定の要求画面の詳細については後述する。
【0042】
設定受付部20aは、管理者用クライアント端末4からの一括設定の要求画面で指定された一括設定の要求を、通信I/F22を介して受け付けるものである。ここで、上記一括設定の要求には、複数の設定項目/値を含む設定値群や、設定を行いたい一台以上の被管理機器3の識別情報(デバイスID)などが含まれている。
【0043】
設定処理部20bは、一括設定に関わる各種処理を実行するものである。例えば、この設定処理部20bは、一括設定の処理を委譲する被管理機器3を決定する処理を実行し、その処理により決定した被管理機器3に対して一括設定の処理を委譲する。
【0044】
より具体的には、この設定処理部20bは、設定受付部20aが受け付けた一括設定の要求に、一括設定の処理を委譲する被管理機器(サブシステム31)3が指定されている場合には、その指定されている被管理機器(サブシステム31)3を一括設定の処理を委譲する被管理機器3として決定する。
【0045】
他方、設定処理部20bは、設定受付部20aが受け付けた一括設定の要求に、一括設定の処理を委譲する被管理機器(サブシステム31)3が指定されていない場合には、機器情報管理部20eが管理する後述の機器情報に基づいて、サブシステム31がデプロイされており、且つ、処理性能が高いと判断した被管理機器3を一括設定の処理を委譲する被管理機器3として決定する。
【0046】
設定送信部20cは、設定処理部20bで決定された被管理機器(サブシステム31)3に対して一括設定の処理を委譲する委譲要求を送信するものである。ここで、上記委譲要求には、上述した設定値群や、サブシステム(スレーブ)31に一括設定を行わせたい複数の被管理機器3個々の識別情報などが含まれている。
【0047】
設定結果収集部20dは、マスタとなる機器管理装置2の代わりに一括設定の処理を実行する被管理機器3にデプロイされているサブシステム(スレーブ)31から一括設定の処理の設定結果を取得するものである。ここで、上記設定結果には、設定を行った被管理機器3の識別情報や、各設定項目に対する設定の結果(成功/失敗)や、失敗した場合の失敗理由などが含まれている。
【0048】
機器情報管理部20eは、機器管理装置2の管理下にある各被管理機器3に関する機器情報を管理するものである。図5は、機器情報の一例を示す説明図である。機器情報は、図5(a)に示すデバイスデータベース(以下、「デバイスDB」という。)と、図5(b)に示すグループデータベース(以下、「グループDB」という。)、図5(c)に示すグループ割当データベース(以下、「グループ割当DB」という。)から構成される。
【0049】
デバイスDBは、被管理機器3のデバイス情報が登録されたデータベースである。デバイス情報には、図5(a)に示すように、被管理機器3を識別するためのデバイスID、被管理機器3の表示名、通信に必要なIPアドレス、デプロイ情報、委譲情報、モデル名、CPUのクロック数、搭載メモリのメモリ容量、システム状態、プリンタ状態とが対応付けられて登録されている。
【0050】
ここで、デプロイ情報は、各被管理機器3におけるサブシステム(スレーブ)31のデプロイ/アンデプロイの状態を示す。デプロイ情報が「true」の場合には、被管理機器3におけるサブシステム31がデプロイの状態であることを示する。デプロイ情報が「false」の場合には、被管理機器3におけるサブシステム31がアンデプロイの状態であることを示す。
【0051】
委譲情報は、一括設定の処理を委譲するサブシステムか否かを示すものである。委譲情報が「true」の場合には、一括設定の処理を委譲するサブシステムであることを示し、委譲情報が「false」の場合には、一括設定の処理を委譲するサブシステムでないことを示す。
【0052】
モデル名、CPUのクロック数、搭載メモリのメモリ容量は、被管理機器3のスペックを示す情報(即ち、設定処理部20bが被管理機器3の処理性能を判断するための情報)である。システム状態は、被管理機器3の動作状態であり、エラーその他の状態を示す。プリンタ状態は、被管理機器3のプリンタ機能の状態で、エラー、印刷中、待機中、未サポートその他の状態を示す。
【0053】
ここで、デバイスIDとしては、図5(a)に示す単純な番号の他、MACアドレスやシリアル番号等を用いてもよい。また、通信に必要な情報としてIPアドレスの他、認証情報をデバイスDBに登録するように構成してもよい。
【0054】
グループDBは、グループの情報が登録されたデータベースである。ここで、グループとは、IPアドレスに基づいた被管理機器3の分類である。グループDBには、図5(b)に示すように、グループを識別するためのグループIDと、グループ名とが対応付けられて登録されている。ここで、本実施の形態では、グループ名は、IPアドレスのうち、上記24ビットの数値が用いられる。
【0055】
グループ割当DBは、被管理機器3に対して割り当てられるグループが登録されたデータベースである。グループ割当DBには、図5(c)に示すように、被管理機器3のデバイスIDと、当該デバイスIDに割り当てられるグループのグループIDが対応付けられて登録されている。
【0056】
図4に戻り、設定結果管理部20fは、設定結果収集部20dが収集した上記設定結果を設定処理部20bを介して取得して保存するものである。
【0057】
リモートインストール部20gは、設定処理部20bの制御のもと、被管理機器3に対して、サブシステム(スレーブ)31のデプロイまたはアンデプロイを要求するものである。
【0058】
また、図4に示すように、被管理機器3のCPU301は、HDD307などに格納される所定の制御プログラムをメモリ(MEM−P305など)に展開して実行することにより、後述の図8に示す処理手順を実行する、設定受付部30aと、設定処理部30bと、設定送信部30cと、設定結果送信部30d、リモートインストール受付部30eとして機能する。上記各機能部のうち、設定受付部30a、設定処理部30b、設定送信部30cおよび設定結果送信部30dが、サブシステム(スレーブ)31で実現される。
【0059】
設定受付部30aは、機器管理装置(マスタ)2からの一括設定の処理を委譲する委譲要求を受け付けるものである。
【0060】
設定処理部30bは、設定受付部30aが上記委譲要求を受け付けた場合に、一括設定に関わる各種処理を実行するものである。即ち、設定処理部30bは、委譲要求で指定されている複数の被管理機器3に対して上記設定内容の設定を要求する。
【0061】
設定送信部30cは、設定処理部30bからの送信要求に基づいて、委譲要求で指定されている複数の被管理機器3に対して、上記設定内容の設定を要求するとともに、該要求した複数の被管理機器3から設定結果(設定を行った被管理機器3の識別情報や、各設定項目に対する設定の結果(成功/失敗)や、失敗した場合の失敗理由などを含む)を受信して、後述の設定結果送信部30dに出力するものである。
【0062】
設定結果送信部30dは、一括設定の処理を委譲してきた機器管理装置(マスタ)2に対して、設定送信部30cから受け取った設定結果を送信するものである。
【0063】
リモートインストール受付部30eは、サブシステム(スレーブ)31のデプロイまたはアンデプロイの要求を受付け、該受付けたサブシステム(スレーブ)31のデプロイまたはアンデプロイを実行するものである。
【0064】
次に、情報処理システム1における処理動作について図6〜図9を用いて説明する。
【0065】
図6は、機器管理装置(マスタ)2が管理者用クライアント端末4から一括設定の要求を受け付けた場合の機器管理装置(マスタ)2における処理の流れを示すシーケンス図である。
【0066】
機器管理装置(マスタ)2の表示処理部20hは、管理者用クライアント端末4の表示装置25に一括設定の要求画面を表示させている。図6に示すように、このシーケンスでは、システム管理者が、管理者用クライアント端末4において、表示装置25に表示される一括設定の要求画面から操作装置24を用いて、一括設定を要求する入力操作を行うと(ステップS101)、設定受付部20aが、一括設定の要求を受け付け、設定処理部20bに一括設定の処理を依頼する(ステップS102)。
【0067】
ここで、図7は、表示装置25に表示される一括設定の要求画面の一例を示す図である。図7に示すように、一括設定の要求画面は、グループ選択領域701と、デバイス選択領域702と、機器情報表示領域703とから構成されている。
【0068】
システム管理者は、グループ選択領域702の中の、IPアドレスの上位24ビットで表されるグループの中から所望のグループを指定することができる。図7の例では、グループ名「133.nnn.172」のグループが指定されていることを示している。
【0069】
グループが指定されると、機器管理装置(マスタ)2の設定受付部20aは指定されたグループのグループIDを受付け、設定処理部20bが機器情報のグループ割当DBで指定されたグループIDに対応するデバイスIDを取得する。
【0070】
そして、機器管理装置2の表示処理部20hは、機器情報のデバイスDBにおいて、取得したデバイスIDに対応する表示名を管理者用クライアント端末4に送信する。これにより、管理者用クライアント端末4の表示装置25に表示された一括設定の要求画面のデバイス選択領域702には、指定されたグループに属する被管理機器3の一覧が表示されることになる。
【0071】
そして、システム管理者は、このデバイス選択領域702に表示された被管理機器3の一覧の中から、一括設定の要求を行う被管理機器3を選択可能となっている。なお、システム管理者は、被管理機器3の一覧の中から、一括設定の要求を行う被管理機器3を選択しなくてもよい。図7に示す例では、被管理機器3の一覧の中から、表示名「XXX」の被管理機器3が選択された状態を示している。
【0072】
ここで、選択された被管理機器3のデバイスIDと、グループDBにおいて指定されたグループに対応するグループIDが、一括設定の処理を委譲する被管理装置3の情報として機器管理装置20の設定処理部20bに送出される。被管理機器3の一覧の中から一括設定の要求を行う被管理機器3が選択されていない場合には、グループIDのみが、機器管理装置20の設定処理部20bに送出される。
【0073】
機器情報表示領域703には、デバイス選択領域702で選択された被管理機器3の機器情報のデバイスDBの内容が表示される。デバイス選択領域702で被管理機器3が選択されていない場合には、機器情報表示領域703には何も表示されない。
【0074】
図6に戻り、上記依頼を受けた設定処理部20bは、一括設定の処理を委譲する被管理機器3{即ち、サブシステム(スレーブ)31}を決定する処理(図8参照)を実行する(ステップS103)。
【0075】
図8は、設定処理部20bが一括設定の処理を委譲する被管理機器3(サブシステム31)を決定する場合の処理の手順を示すフローチャートである。
【0076】
図8に示すように、設定処理部20bは、受け付けた一括設定の依頼に含まれる情報(デバイスIDおよびグループID)と機器情報とに基づいて、一括設定の処理を委譲するサブシステム31が指定されているか否かを判定する(ステップS201)。具体的には、設定処理部20bは、機器情報のデバイスDBにおいて、一括設定の依頼で指定されたデバイスIDの委譲情報が「true」であるか否かを判定する。
【0077】
そして、上記判定により、一括設定の処理を委譲する被管理装置(即ち、サブシステム31)が指定されていると判定した場合(ステップS201:Yes)、すなわち指定されたデバイスIDの委譲情報が「true」である場合には、設定処理部20bは、当該指定されているデバイスIDの被管理装置3(即ち、サブシステム31)を一括設定の処理を委譲するサブシステム31として決定する(ステップS202)。
【0078】
他方、ステップS201の判定により、一括設定の処理を委譲する被管理装置3(即ち、サブシステム31)が指定されていないと判定した場合(ステップS201:No)、すなわち、指定されたデバイスIDの委譲情報が「false」または一括設定の依頼に含まれる情報がグループIDのみでデバイスIDが存在しない場合には、続いて、設定処理部20bは、上記受け付けた一括設定の依頼に含まれているグループIDに含まれる一または複数の被管理機器3のデバイスIDと、機器情報管理部20eから取得した機器情報(デバイスDB、グループDB)に基づいて、指定されたグループIDのグループ内にサブシステム31がデプロイされている被管理機器3が存在するか否かを判定する(ステップS203)。
【0079】
具体的には、設定処理部20bは、機器情報のグループ割当DBを参照して、一括設定の依頼に含まれている(指定された)グループIDに割り当てられたデバイスIDの被管理機器3を特定する。そして、設定処理部20bは、機器情報のデバイスDBを参照して、特定された被管理機器3のデバイスIDごとに、デバイスIDに対応するデプロイ情報が「true」か否かを判断する。
【0080】
上記ステップS203の判定により、該当する各グループ内にサブシステム31がデプロイされている被管理機器3が存在すると判定された場合(ステップS203:Yes)で(すなわち、デプロイ情報が「true」のデバイスIDの被管理機器が存在する場合で)、各グループ内に、一以上(即ち、複数)のサブシステム31が存在すると判定した場合、設定処理部20bは、機器情報管理部20eから取得した機器情報のデバイスDBの中のモデル名、クロック数、メモリ容量などに基づいて、グループ毎に、処理性能が最も高い被管理機器3を判断し、当該被管理機器3にデプロイされているサブシステム31を検索し、該検索したサブシステム31を一括設定の処理を委譲するサブシステム31として決定する(ステップS204)。
【0081】
具体的には、設定処理部20bは、デバイスDBにおいてクロック数が最大数、あるいは、メモリ容量が最大容量のデバイスIDの被管理機器3、若しくは、デバイスDBにおいて処理性能が最も高いモデルとして予め定められたモデル名が登録されたデバイスIDの被管理機器3を、処理性能が最も高いと判断する。
【0082】
ここで、本実施の形態では、設定処理部20bは、処理性能が最も高い被管理機器3を判断しているが、所定能力以上の被管理機器3を判断するように設定処理部20bを構成してもよい。例えば、クロック数が所定数以上、あるいはメモリ容量が所定容量以上の被管理機器3を、処理能力が所定能力以上と判断するように設定処理部20bを構成してもよい。
【0083】
また、一方、上記ステップS203の判定により、各グループ内にサブシステム31がデプロイされている被管理機器3が存在しないと判定された場合(ステップS203:No)、すなわち、デプロイ情報が「true」のデバイスIDの被管理機器が存在しない場合、設定処理部20bは、機器情報管理部20eから取得した機器情報のデバイスDBのモデル名、クロック数、メモリ容量等に基づいて、グループ毎に処理性能が最も高い被管理機器3を上述のとおりに判断し、当該被管理機器3にサブシステム31をデプロイさせる。即ち、設定処理部20bの制御のもと、リモートインストール部20gが、該当する被管理機器3に対してサブシステム31のデプロイを要求する。これにより、上記要求を受け付けた被管理機器3がサブシステム31をデプロイする(ステップS205)。
【0084】
ここで、本実施の形態では、設定処理部20bは、処理性能が最も高い被管理機器3を判断しているが、所定能力以上の被管理機器3を判断するように設定処理部20bを構成してもよい。例えば、クロック数が所定数以上、あるいはメモリ容量が所定容量以上の被管理機器3を、処理能力が所定能力以上と判断するように設定処理部20bを構成してもよい。
【0085】
なお、サブシステム31のデプロイ処理の時間短縮を図る目的で、各被管理機器3にサブシステム31をアンデプロイ状態で保持させているのが好ましいが、これに限定されず、各被管理機器3にサブシステム31を保持させておかない形態とすることも可能である。ただし、この場合には、図8の処理ステップS205において、サブシステム31のデプロイを要求する場合、対象の被管理機器3がサブシステム31を持っていない場合には、リモートインストール部20gが、設定処理部20bの制御のもと、サブシステム31を対象の被管理機器3に送信する。
【0086】
上記ステップS204およびステップS205の処理においては、設定処理部20bは、予め一括設定の処理を委譲することが禁止されている被管理機器3(即ち、その被管理機器3にデプロイされているサブシステム31)を、一括設定の処理を委譲する候補から除外するようにしている。これにより、例えば、他の利用目的の関係で、一括設定の処理を委譲されては困る被管理機器3に対しては、一括設定の処理が委譲されずに済む。
【0087】
その後、設定処理部20bは、ステップS205の処理によりデプロイされたサブシステム31を一括設定の処理を委譲するサブシステム31として決定する(ステップS206)。
【0088】
図6に戻って、ステップS103の処理において一括設定の処理を委譲するサブシステム31が決定されると、続いて、設定処理部20bは、設定送信部20cを介して、上記決定された1または複数のサブシステム31に対して同一グループ内の複数の被管理機器3に対する一括設定の処理を委譲する(ステップS104)。
【0089】
具体的には、ステップS104の処理では、設定処理部20bは、設定送信部20cに対して、一括設定の処理を委譲する被管理機器3(サブシステム31)を識別するデバイスIDと、サブシステム31に設定を行わせたい被管理機器3のデバイスIDなどを含む設定情報と、設定内容(複数の設定項目/値を含む設定値群など)などを含む設定情報を送信する。これにより、設定送信部20cが、該当する被管理機器3(サブシステム31)に対して一括設定の処理を委譲する委譲要求を行う。なお、上記委譲要求には、上記した設定情報と同一の内容の設定情報が含まれている。
【0090】
本実施形態では、図6に示すように、上記ステップS104において、設定処理部20bが、処理結果を待たずに、複数の被管理機器3に対して、一括設定の処理を順次委譲するようになっている。このような構成により、一括設定の処理を委譲する第1の被管理機器3からの処理結果を待ってから第2の被管理機器3に対して一括設定の処理を委譲するようなシステムよりも、一括設定の処理を委譲する処理に係る処理時間を短縮することが可能となる。また、上記構成により、マスタとなる機器管理装置2の処理負荷を軽減することが可能である。
【0091】
上記ステップS104において、各被管理機器(サブシステム31)3に対する一括設定の処理を委譲する要求が全て終了した後、または、上記委譲する要求とは別のスレッドで、設定処理部20bは、一括設定の処理を委譲した各被管理機器(サブシステム31)3から一括設定の処理結果を取得する(ステップS105)。
【0092】
具体的には、ステップS105の処理では、設定処理部20bは、設定結果収集部20dに対して、一括設定の処理結果の収集を依頼する。すると、設定結果収集部20dが、一括設定の処理を委譲した各被管理機器3(サブシステム31)から処理結果を取得し、取得した処理結果を設定処理部20bに送信する。
【0093】
その後、設定処理部20bは、設定結果収集部20dを介して取得した処理結果を設定結果管理部20fに保存させる(ステップS106)。具体的には、ステップS106の処理では、設定処理部20bは、取得した処理結果を設定結果管理部20fに送信する。すると、設定結果管理部20fが受信した処理結果を外部記憶装置26などの記憶部に保存する。
【0094】
ところで、サブシステム31は、一括設定時以外では不要なものであり、常にデプロイされている必要はないため、一括設定の処理を委譲した各被管理機器(サブシステム31)3が一括設定の処理を終了した場合に、設定処理部20bが、一括設定の処理を委譲した各被管理機器3にデプロイされているサブシステム31をアンデプロイするように構成するのが好ましい。具体的には、上記一括設定の処理が終了した場合に、設定処理部20bの制御のもと、リモートインストール部20gが、該当する被管理機器3に対してサブシステム31のアンデプロイを要求し、上記要求を受け付けた被管理機器3がサブシステム31をアンデプロイする。このような構成によれば、被管理機器3の通常時(一括設定の処理を行わない場合)の負荷を低減させることが可能である。
【0095】
図9は、サブシステム(スレーブ)31が機器管理装置(マスタ)2から一括設定の処理を委譲する委譲要求を受け付けた場合のサブシステム(スレーブ)31における処理の流れを示すシーケンス図である。
【0096】
図9に示すように、このシーケンスでは、まず、設定受付部30aが、機器管理装置(マスタ)2から一括設定の処理を委譲する委譲要求を受け付けると(ステップS301)、設定処理部30bに対して一括設定の処理を依頼する(ステップS302)。
【0097】
上記依頼を受けた設定処理部30bは、設定送信部30cを介して、上記委譲要求で指定されている複数の被管理機器(設定対象機器)3のそれぞれに対して上記設定内容の設定を要求する(ステップS303)。
【0098】
具体的には、ステップS303の処理では、設定処理部30bは、設定送信部30cに対して、設定内容の設定を要求する各被管理機器3を識別する識別情報と、各被管理機器3に設定を行わせる設定内容(複数の設定項目/値を含む設定値群など)などを含む設定情報などを送信する。すると、設定送信部30cが、該当する被管理機器3に対して設定内容の設定を要求する。なお、ステップS303の処理においては、一括設定の処理を委譲する委譲要求を受け付けた被管理機器(サブシステム31)3が設定対象機器である場合には、自己の機器に対して設定を要求する。また、設定対象機器としては、サブシステム31がデプロイされている被管理機器3であっても良いものとする。
【0099】
また、ステップS303においては、設定処理部30cが、各被管理機器3から設定結果(対象の被管理機器3の識別情報や、各設定項目に対する設定の結果(成功/失敗)や、失敗した場合の失敗理由など)を取得し、該取得した設定結果を設定結果送信部30dに送信している。
【0100】
その後、設定結果送信部30dが、マスタとなる機器管理装置2の設定処理部20bから設定結果の取得要求を受け付けると、自身が保持している設定結果を機器管理装置2に送信する(ステップS304)。これにより、機器管理装置2の設定結果収集部20dが設定結果を取得する。
【0101】
即ち、本実施形態では、図8に示すように、上記ステップS303において、一括設定の処理を依頼された被管理機器3の設定処理部30bが、設定内容の設定を要求した複数の被管理機器(設定対象機器)3それぞれからの処理結果(設定結果)を待たずに、設定対象機器となる複数の被管理機器3に対して、設定内容の設定を順次要求するようになっている。このような構成により、設定内容の設定を要求する第1の被管理機器3からの処理結果を待ってから、設定内容の設定を要求する第2の被管理機器3に対して設定内容の設定を要求するようなシステムよりも、一括設定に係る処理の処理時間を短縮することが可能となる。
【0102】
なお、前述した実施形態では、図6の処理ステップS104において、機器管理装置2の設定処理部20bが、複数の被管理機器(サブシステム31)3に一括設定の処理を委譲する場合について説明したが、これに限定されず、例えば、設定内容によっては委譲要求の送信に時間がかかることも考えられるため、ステップS104において、サブシステム31に対して即時取得のトリガや取得のタイミング指定だけを行い、サブシステム31から委譲要求を取りに来させるように構成することも可能である。
【0103】
また、前述した実施形態では、図6の処理ステップS105において、機器管理装置2の設定処理部20bが、一括設定の処理を委譲した各被管理機器(サブシステム31)3に対して一括設定の処理結果を要求する場合について説明したが、これに限定されず、例えば、サブシステム31内の処理が終了していなかったり、サブシステム31がレスポンスを返せない状態であったりすることも考えられるため、サブシステム31内の処理が終了した後に、サブシステム31から処理結果を送信するような構成とすることも可能である。
【0104】
また、本実施の形態では、図8のステップS204、S205では、処理性能が最も高い被管理機器3を選定してデプロイさせたり、当該被管理機器3にデプロイされているサブシステムを一括設定の処理を委譲するサブシステムとして決定しているが、さらに、機器情報のデバイスDBにおいて、処理性能が最も高いとして選定された被管理機器3のデバイスIDに対応するシステム状態やプリンタ状態を参照して、システム状態およびプリンタ状態がエラーであったり、プリンタ状態が印刷中の場合には、当該被管理機器3を除外するように設定処理部20bを構成してもよい。あるいは、プリンタ状態が待機中である場合には、当該被管理機器3を優先して選定するように設定処理部20bを構成してもよい。
【0105】
また、本実施の形態では、被管理機器3をIPアドレスに基づいてグループ分けしていたが、グループの代わりにセグメントごとに分けてグループと同様の処理を行うように構成してもよい。ここで、セグメントとは、被管理機器3の設置エリア(1階、2階など)で分類するための区分や、被管理機器3の備えている機能などで分類するための区分などの予めシステム管理者などにより設定された所定の区分のことであり、セグメントともいう。この場合、機器情報デバイスDBに、各被管理機器3のセグメントを特定するための情報などを登録するように構成してもよい。
【0106】
また、前述した実施形態では、被管理機器3として、複合機である場合を例にして説明したが、これに限定されず、プリンタや、プロジェクタや、サーバコンピュータなどのその他のネットワーク機器を適用することも可能である。
【0107】
また、前述した実施形態における処理手順を実行するプログラムは、各装置(機器管理装置2、被管理機器3および管理者用クライアント端末4)のROMなどの記憶部に予め組み込んで提供することが可能である。また、前述のプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶して提供することが可能である。更に、前述のプログラムは、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布したりすることも可能である。
【0108】
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
1 情報処理システム
2 機器管理装置(マスタ)
3 被管理機器
4 管理者用クライアント端末
N ネットワーク
31 サブシステム(スレーブ)
20a 設定受付部(受付手段)
20b 設定処理部(制御手段)
20c 設定送信部
20d 設定結果収集部
20e 機器情報管理部(管理手段)
20f 設定結果管理部
20g リモートインストール部
20h 表示処理部
30a 設定受付部
30b 設定処理部
30c 設定送信部
30d 設定結果送信部
30e リモートインストール受付部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0110】
【特許文献1】特開2000−206835号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被管理機器と、前記被管理機器を管理する機器管理装置とを備える情報処理システムであって、
マスタとなる前記機器管理装置は、
外部から複数の被管理機器に対する一括設定の要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で前記要求を受け付けた場合に、スレーブとなる被管理機器に対して、複数の被管理機器に対する一括設定の処理を委譲する制御手段と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記一括設定の処理の結果を待たずに、スレーブとなる複数の被管理機器に対して、前記一括設定の処理を順次委譲する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記スレーブとなる被管理機器は、各被管理機器からの設定の処理の結果を待たずに、複数の被管理機器に対して前記一括設定に係る設定の要求を順次行う、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記機器管理装置は、
前記被管理機器に関する機器情報を管理する管理手段、
を更に有し、
前記制御手段は、
前記受付手段で前記要求を受け付けた場合に、前記機器情報に基づき複数の被管理機器に対して一括設定を行うためのシステムがデプロイされている被管理機器が存在するか否かを判定し、該判定により前記システムがデプロイされている被管理機器が複数存在すると判定された場合、それら複数の被管理機器のうち処理性能が所定能力以上の被管理機器を前記機器情報に基づいて検索し、該検索された被管理機器に対して、前記一括設定の処理を委譲する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記機器管理装置は、
前記被管理機器に関する機器情報を管理する管理手段、
を更に有し、
前記制御手段は、
前記受付手段で前記要求を受け付けた場合に、前記機器情報に基づき複数の被管理機器に対して一括設定を行うためのシステムがデプロイされている被管理機器が存在するか否かを判定し、該判定により前記システムがデプロイされている被管理機器が存在しないと判定された場合、前記機器情報に基づき処理性能が所定能力以上の被管理機器を検索し、該検索された被管理機器に対して、前記システムをデプロイし、前記システムがデプロイされた被管理機器に対して、前記一括設定の処理を委譲する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記機器管理装置は、
前記一括設定の処理を委譲した被管理機器が当該一括設定の処理を終了した場合に、前記被管理機器にデプロイされている前記システムをアンデプロイするアンデプロイ手段、
を更に有する、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記検索手段は、前記一括設定の処理が禁止されている被管理機器を除外して、処理性能が所定能力以上の被管理機器を検索する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記機器管理装置は、
前記一括設定の処理を委譲した被管理機器から設定結果を取得する取得手段、
を更に有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
複数の被管理機器を管理する管理装置であって、
外部から複数の被管理機器に対する一括設定の要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で前記要求を受け付けた場合に、スレーブとなる被管理機器に対して、複数の被管理機器に対する一括設定の処理を委譲する制御手段と、
を有する管理装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記一括設定の処理の結果を待たずに、スレーブとなる複数の被管理機器に対して、前記一括設定の処理を順次委譲する、請求項9に記載の管理装置。
【請求項11】
前記被管理機器に関する機器情報を管理する管理手段、
を更に有し、
前記制御手段は、
前記受付手段で前記要求を受け付けた場合に、前記機器情報に基づき複数の被管理機器に対して一括設定を行うためのシステムがデプロイされている被管理機器が存在するか否かを判定し、該判定により前記システムがデプロイされている被管理機器が複数存在すると判定された場合、それら複数の被管理機器のうち処理性能が所定能力以上の被管理機器を前記機器情報に基づいて検索し、該検索された被管理機器に対して、前記一括設定の処理を委譲する、請求項9または10に記載の管理装置。
【請求項12】
前記被管理機器に関する機器情報を管理する管理手段、
を更に有し、
前記制御手段は、
前記受付手段で前記要求を受け付けた場合に、前記機器情報に基づき複数の被管理機器に対して一括設定を行うためのシステムがデプロイされている被管理機器が存在するか否かを判定し、該判定により前記システムがデプロイされている被管理機器が存在しないと判定された場合、前記機器情報に基づき処理性能が所定能力以上の被管理機器を検索し、該検索された被管理機器に対して、前記システムをデプロイし、前記システムがデプロイされた被管理機器に対して、前記一括設定の処理を委譲する、請求項9または10に記載の管理装置。
【請求項13】
前記一括設定の処理を委譲した被管理機器が当該一括設定の処理を終了した場合に、前記被管理機器にデプロイされている前記システムをアンデプロイするアンデプロイ手段、
を更に有する、請求項12に記載の管理装置。
【請求項14】
前記検索手段は、前記一括設定の処理が禁止されている被管理機器を除外して、処理性能が所定能力以上の被管理機器を検索する、請求項11〜13のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項15】
前記一括設定の処理を委譲した被管理機器から設定結果を取得する取得手段、
を更に有する、請求項9〜14のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項16】
複数の被管理機器を管理する管理装置に実装されるコンピュータを、
外部から複数の被管理機器に対する一括設定の要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で前記要求を受け付けた場合に、スレーブとなる被管理機器に対して、複数の被管理機器に対する一括設定の処理を委譲する制御手段と、
して機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−58189(P2013−58189A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−151635(P2012−151635)
【出願日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】