説明

情報処理装置、および情報処理装置の制御方法

【課題】本体が静止している状態と持ち運ばれている状態とを判別し、自動的に光ディスクドライブのイジェクトボタンの無効化および無効化の解除をすること。
【解決手段】 光ディスクが載置されるトレイと、前記トレイの挿入時に前記トレイをロックする部と、前記トレイを排出させるための信号を出力するスイッチと、前記スイッチの操作に応じた前記制御部の制御によって前記トレイのロックを解除するロック機構とを制御する制御部とを有する光ディスクドライブ122と、本体の動きを検出するセンサ131と、センサの測定値が閾値V1より大きい場合に、前記イジェクトボタンの操作を無効にするためのコマンドを前記光ディスクに送信し、前記センサの測定値に応じて、前記イジェクトボタン操作の無効を解除するためのコマンドを前記コントローラに送信するユーティリティ400とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置を有する情報処理装置、および情報処理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリ駆動可能なノート型パーソナルコンピュータは電源がなくとも使用でき、また軽量であることから持ち運びも容易である。
【0003】
このように可搬性が高く、システムを起動したまま持ち運ぶことも可能となってきている。この場合、偶発的に光ディスクドライブのイジェクトボタンに触れてしまうとトレイや光ディスクが排出され、場合によっては故障の原因ともなる。
【0004】
特許文献1には、ノート型パーソナルコンピュータの形状の変化(タブレットモード、ノートPCモード)に従い、タブレットモードになった時に光ディスクドライブの動作禁止、イジェクトボタンを無効化する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006−65989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した技術では、光ディスクドライブを使用したい場合にはユーザがイジェクトボタンの無効化を設定しなければならず不便である。
【0006】
本発明の目的は、本体が机上など本来の使用場所で使用されている状態と持ち運ばれている状態とを判別し、自動的に光ディスクドライブのイジェクトボタンの無効および有効を制御することが可能な情報処理装置および情報処理装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一例に係わる情報処理装置は、本体と、前記本体に設けられ、光ディスクを所定の位置に保持する保持部と、前記保持部により前記光ディスクを保持したままロックするロック部と、前記保持部から前記光ディスクを排出させるための信号を出力するスイッチと、前記スイッチの操作に応じて前記ロック部によるロックを解除するロック解除部と、前記ロック解除部を制御する制御部とを有する光ディスク装置と、前記本体の動き量を測定するセンサと、前記センサの測定値が閾値V1より大きい場合に、前記スイッチの操作を無効にするためのコマンドを前記光ディスク装置に送信する排出無効化手段と、前記コマンドを送信した後、前記センサの測定値に応じて、前記スイッチの操作を有効にするためのコマンドを前記光ディスク装置に送信する排出無効化解除手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明の一例に係わる情報処理装置の制御方法は、本体の動き量をセンサによって測定し、前記本体の動き量が閾値V1以上である場合に、光ディスク装置内に保持された光ディスクを排出するためのスイッチの操作を無効とし、前記スイッチの操作を無効にした後、前記センサの測定値に応じて、前記スイッチの操作を有効にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本体が机上など本来の使用場所で使用されている状態と持ち運ばれている状態とを判別し、自動的に光ディスクドライブのイジェクトボタンの無効化および無効化の解除をすることが可能にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
【0011】
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成について説明する。この情報処理装置は、バッテリ駆動可能な携帯型のノートブック型パーソナルコンピュータ10として実現されている。
【0012】
図1はノートブック型パーソナルコンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図である。本コンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12には、LCD(Liquid Crystal Display)17から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD17の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
【0013】
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に対して開放位置と閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有しており、その上面にはキーボード13、本コンピュータ10を電源オン/オフするためのパワーボタン14、左ボタン15A、右ボタン15B、およびタッチパッド16などが配置されている。
【0014】
本体11に光ディスクドライブ122が設けられている。光ディスクドライブ122は、保持部であるトレイ201、スピンドルモータ202、および光ピックアップヘッド203等を有する。
【0015】
トレイ201は、光ディスクを保持し、本体11内に格納することができる。トレイ201の側面には、内部に格納されているトレイ201を排出させるためのイジェクトボタン22が設けられている。イジェクトボタン22の操作に応じて、トレイ201を排出し、トレイ201に保持されている光ディスクを排出することが出来る。
【0016】
スピンドルモータ202は、トレイ201が格納されている場合に光ディスクを回転させる。光ピックアップヘッド203は、光ディスクに光ビームを照射し、光ディスクの反射光の検出信号を出力する。
【0017】
次に、図2を参照して、本コンピュータ10のシステム構成について説明する。
【0018】
本コンピュータは、図2に示されているように、CPU111、ノースブリッジ112、主メモリ113、グラフィクスコントローラ114、サウスブリッジ119、BIOS−ROM120、ハードディスクドライブ(HDD)121、光ディスクドライブ(ODD)122、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)124、および電源コントローラ125等を備えている。
【0019】
CPU111は、本コンピュータ10の動作を制御するために設けられたプロセッサであり、ハードディスクドライブ121から主メモリ113にロードされる、オペレーティングシステム(OS)、および各種アプリケーションプログラムを実行する。
【0020】
また、CPU111は、BIOS−ROM120に格納されたBIOS(Basic Input Output System)プログラムも実行する。BIOSプログラムはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0021】
ノースブリッジ112はCPU111のローカルバスとサウスブリッジ119との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ112には、主メモリ113をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、ノースブリッジ112には、AGP(Accelerated Graphics Port)バスなどを介してグラフィクスコントローラ114との通信を実行する機能も有している。
【0022】
グラフィクスコントローラ114は、本コンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する表示コントローラである。このグラフィクスコントローラ114はビデオメモリ(VRAM)114Aを有しており、OS/アプリケーションプログラムによってビデオメモリ114Aに書き込まれた表示データから、ディスプレイユニット12のLCD17に表示すべき表示イメージを形成する映像信号を生成する。
【0023】
サウスブリッジ119は、LPC(Low Pin Count)バス上の各デバイスを制御する。また、サウスブリッジ119は、HDD121およびODD122を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラを内蔵している。さらに、サウスブリッジ119は、およびBIOS−ROM120をアクセス制御するための機能も有している。
【0024】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)124は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13、左ボタン15A、右ボタン15B、タッチパッド16を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。このエンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)124は、ユーザによるパワーボタン14の操作に応じて、本コンピュータ10をパワーオン/パワーオフする機能を有している。
【0025】
加速度センサ131は、図1に示すコンピュータ10の加速度、並びにコンピュータ10に加わる重力等の力のx軸成分、y軸成分、z軸成分に相当する出力値Vx,Vy,Vzを出力する。加速度センサ131としては、サーボ型、圧電型、静電容量型及びピエゾ抵抗型等の何れかが用いられる。
【0026】
ノート型パーソナルコンピュータ10の場合、バッテリで駆動することが可能である。従って、動作状態でパーソナルコンピュータ10を持ち運ぶことが出来る。起動中に誤って光ディスクドライブ122のイジェクトボタンを操作してしまうおそれがある。
【0027】
動作していない状態であれば、イジェクトボタンを操作しても問題はない。しかし、動作中であると、たまたまイジェクトボタンに触れてしまったときトレイが開き何処かに接触して光ディスクドライブ122自体を壊してしまう場合も考えられる。
【0028】
本実施形態では、動作中に持ち運んでいる状態で誤ってイジェクトボタンが押されても、トレイが開かないようにすることが出来る。本実施形態ではトレイ式の光ディスクドライブを想定しているが、持ち運び中、同様の問題があるフロントローディング式のドライブの場合でも不意に光ディスクが排出されることがないという効果が得られる。以下に、動作中に持ち運んでいる状態でイジェクトボタンが押されても、トレイが開かないようにするための構成について説明する。
【0029】
図3は、本発明の第1の実施形態に係わる、持ち運び中に光ディスクドライブ122のイジェクトボタン22を無効化するためのシステム構成を示す図である。
【0030】
図3に示すように、持ち運び中に光ディスクドライブ122イジェクトボタンを無効化するために、本コンピュータ10は、イジェクト操作無効ユーティリティ400、加速度センサ、および光ディスクドライブ122等を備える。イジェクト操作無効ユーティリティ400は、CPU111によって実行されるプログラムである。
【0031】
イジェクト操作無効ユーティリティ400は、加速度成分取得部401、加速度演算部402、無効判定部403、復帰判定部404、およびタイマカウンタ405等を備える。
【0032】
加速度成分取得部401は、EC/KBC124から加速度センサ131の測定値Vx,Vy,Vzを取得する。加速度演算部402は、A=√(Vx2+Vy2+Vz2)を演算し、加速度の大きさAを求める。
【0033】
無効判定部403は、イジェクトボタン22を無効化するか否かを判定するために、加速度の大きさAが閾値より大きいか否かを判別する。加速度の大きさAが閾値より大きいと判断した場合に、無効判定部403は光ディスクドライブ122にイジェクトボタン22の操作を無効化するためのコマンドを送信する。また、無効判定部403は、静止レジスタ406をディスイネーブルにする。
【0034】
復帰判定部404は、無効判定部403が加速度の大きさAが閾値より大きいと判断した後に、イジェクトボタン22を有効にするか否かを判別する。復帰判定部404は、加速度の大きさAが一定期間しきい値以下の場合に、イジェクトボタンの操作を有効にしても良いと判断する。そして、有効にしても良いと判断に、復帰判定部404は光ディスクドライブ122にイジェクトボタンの操作を有効化するためのコマンドを送信する。
【0035】
光ディスクドライブ122は、ロック解除部および制御部としての
コントローラ200、イジェクトボタン22、スピンドルモータ202、電磁ロック210、およびスレッドモータ211等を備える。
【0036】
電磁ロック210は、コントローラ200の制御に応じてトレイ201をロック/アンロックする。トレイ201が外に出ている状態(オープン状態)で、ユーザがトレイ201を押し戻すと、電磁ロック210はトレイ201をロックし、トレイ201が外に飛び出さないようにする。トレイ201が閉じている状態(クローズ状態)でアンロックすると、トレイ201が飛び出し、オープン状態になる。
【0037】
コントローラ200は、オープン禁止レジスタ200Aを有する。オープン禁止レジスタ200Aが格納するデータは、イネーブル(“1”)若しくは、ディスイネーブル(“0”)である。コントローラ200は、イジェクトボタン22が操作された場合に、オープン禁止レジスタ200Aを参照する。コントローラ200は、オープン禁止レジスタ200Aの内容に応じて、電磁ロック210を解除/非解除する。
【0038】
また、スレッドモータ211は、光ピックアップヘッド203を光ディスクの径方向に移動させるための駆動機構である。コントローラ200は、スレッドモータ211を制御することによって、光ピックアップヘッド203を所定の位置に移動させる。
【0039】
次に、イジェクトボタン22が操作された場合のコントローラ200の処理について図4を参照して説明する。
【0040】
イジェクトボタン22が操作されると、コントローラ200は、オープン禁止レジスタ200Aの内容を読み出す(ステップS11)。コントローラ200は、オープン禁止レジスタ200Aがイネーブルであるか否かを判別する(ステップS12)。イネーブルであると判断した場合(ステップS12のYes)、コントローラ200は何もせず、トレイ201のロックを解除しない。イネーブルではないと判断した場合、コントローラ200は、電磁ロック210を解除し、トレイ201をオープン状態にする(ステップS13)。
【0041】
このように、コントローラ200は、オープン禁止レジスタ200Aに応じて、電磁ロック210の制御を行う。
【0042】
次に、イジェクトボタン22の操作無効化/復帰(無効化の解除)処理の手順について図5を参照して説明する。
【0043】
加速度成分取得部401は、システムBIOS300を介してEC/KBC124に加速度成分要求コマンドを送信し、EC/KBC124から加速度成分を取得する(ステップS21)。
【0044】
加速度演算部402は、A=√(Vx2+Vy2+Vz2)を演算し、加速度の大きさAを求める(ステップS22)。
【0045】
無効判定部403は、加速度の大きさAが閾値より大きいか否かを判別する(ステップS23)。閾値より大きくないと判定した場合(ステップS23のNo)、イジェクト操作無効ユーティリティ400は、定期的にステップS21からステップS23の処理を実行する。
【0046】
閾値より大きいと判断した場合(ステップS23のYes)、無効判定部403は、光ディスクドライブ122にオープン禁止コマンドを送信する(ステップS24)。
【0047】
コントローラ200は、オープン禁止コマンドを受信すると、オープン禁止レジスタ200Aをイネーブルにする(ステップS25)。図4を参照して説明したように、オープン禁止レジスタ200Aがイネーブルの状態でイジェクトボタン22が操作されても、コントローラ200は、電磁ロック210のロックを解除しない。
【0048】
次に、オープン禁止コマンド送信した後にイジェクトボタン22を有効にする処理の手順について図6を参照して説明する。
【0049】
加速度成分取得部401は、システムBIOS300を介してEC/KBC124に加速度成分要求コマンドを送信し、EC/KBC124から加速度成分を取得する(ステップS31)。
【0050】
加速度演算部402は、A=√(Vx2+Vy2+Vz2)を演算し、加速度の大きさAを求める(ステップS32)。
【0051】
復帰判定部404は、加速度の大きさAが閾値より大きいか否かを判別する(ステップS33)。閾値より大きいと判定した場合(ステップS33のYes)、復帰判定部404は、タイマカウンタ405をリセットする(ステップS38)。そして、イジェクト操作無効ユーティリティ400は、定期的にステップS31から始まる処理を実行する。
【0052】
閾値より大きくないと判定した場合(ステップS33のNo)、復帰判定部404は、タイマカウンタ405カウンタが動作しているか否かを判別する(ステップS34)。タイマカウンタ405カウンタが動作していない場合(ステップS34のNo)、復帰判定部404は、タイマカウンタ405カウンタの動作を開始させる(ステップS39)。そして、イジェクト操作無効ユーティリティ400は、ステップS31から始まる処理を実行する。
【0053】
タイマカウンタ405カウンタが動作中であると判断した場合(ステップS34のYes)、復帰判定部404は、タイマカウンタ405カウンタの値から所定時間経過しているか否かを判別する(ステップS35)。
【0054】
経過していないと判断した場合(ステップS35のNo)、イジェクト操作無効ユーティリティ400は、ステップS31から始まる処理を実行する。
【0055】
経過していると判断した場合(ステップS35のYes)、復帰判定部404は、光ディスクドライブ122にオープン許可コマンドを送信する(ステップS36)。
【0056】
コントローラ200は、オープン禁止コマンドを受信するトレイ201ジスタのオープン禁止レジスタ200Aをディスイネーブルにする(ステップS37)。図4を参照して説明したように、オープン禁止レジスタ200Aがディスイネーブルの状態でイジェクトボタン22が操作されると、コントローラ200は、電磁ロック210のロックを解除する。
【0057】
以上、説明したように、加速度の大きさAがしきい値以上の場合に、持ち運ばれていると判断し、イジェクトボタン22の操作を無効にすることができる。
【0058】
(第2の実施形態)
イジェクトボタン22を操作した後、揺れにより光ディスクとピックアップヘッドとが接触し、光ディスクに傷がついて再生性不能になるおそれがある。本実施形態では、光ディスクの再生が不能なるおそれを抑制するための処理について図7を参照して説明する。
【0059】
加速度成分取得部401は、EC/KBCに加速度成分要求コマンドを送信し、EC/KBCから加速度成分を取得する(ステップS41)。
【0060】
加速度演算部402は、A=√(Vx2+Vy2+Vz2)を演算し、加速度の大きさAを求める(ステップS42)。
【0061】
無効判定部403は、加速度の大きさAが閾値Av1より大きいか否かを判別する(ステップS43)。閾値Av1より大きくないと判定した場合(ステップS43のNo)、イジェクト操作無効ユーティリティ400は、定期的にステップS41から始まる処理を実行する。
【0062】
閾値Av1より大きいと判断した場合(ステップS43のYes)、無効判定部403は、送信部にオープン禁止コマンドをユーティリティに送信するように指示する。送信部は、光ディスクドライブ122にオープン禁止コマンドを送信する(ステップS44)。オープン禁止コマンドをユーティリティに送信するように指示する。送信部は、光ディスクドライブ122にオープン禁止コマンドを送信する(ステップS45)。
【0063】
無効判定部403は、加速度の大きさAが閾値Av2(>Av1)より大きいか否かを判別する(ステップS46)。閾値Av2より大きくないと判定した場合(ステップS46のNo)、イジェクト操作無効ユーティリティ400は、定期的にステップS41から始まる処理を実行する。
【0064】
閾値Av2より大きいと判断した場合(ステップS46のYes)、無効判定部403は、光ディスクドライブ122の回転速度を遅くするための命令を光ディスクドライブ122に送信する(ステップS47)。コマンドを受信したコントローラ200は、スピンドルモータ202を制御し、光ディスクの回転速度を遅くする(ステップS48)。
【0065】
無効判定部403は、加速度の大きさAが閾値Av3(>Av2)より大きいか否かを判別する(ステップS49)。閾値Av2より大きくないと判定した場合(ステップS49のNo)、イジェクト操作無効ユーティリティ400は、定期的にステップS41から始まる処理を実行する。
【0066】
閾値Av3より大きいと判断した場合(ステップS49のYes)、無効判定部403は、光ディスクドライブ122にピックアップヘッド待避コマンドを送信する(ステップS50)。コントローラ200は、スレッドモータ211を制御し、光ピックアップヘッド203を待機位置に移動させる。
【0067】
以上の処理によって、本体が静止している状態と持ち運ばれている状態とを判別し、自動的に光ディスクドライブのイジェクトボタンの無効化および無効化の解除をすることが可能にある。
【0068】
なお、本体の動きを検出するセンサとして加速度センサを用いた。加速度センサ以外にもジャイロセンサ等のセンサを用いることが出来る。
【0069】
上述した例で、動き量を空間内での本体の移動という観点で説明した。しかし、動き量という概念には定点での本体の傾きという状態を含む。従って、加速度センサやジャイロセンサ等の3次元センサの出力を利用して本体の傾きを検出し、傾きが一定角度以上になったら、イジェクトボタンを無効化するようこともできる。
【0070】
また、本体の動きを検出するセンサを利用して、検出値に応じてハードディスクドライブのヘッドを待避させるようにしても良い。
【0071】
加速度センサがないコンピュータの場合には、電源がACアダプタに接続されている場合からバッテリーモードに移行したことを検知してイジェクトボタンを無効化するようにしても良い。
【0072】
ユーザの意思でイジェクトボタンを無効化したい場合に、アプリケーションを提供しユーザ自ら無効/有効の切り替えが可能にするようにしても良い。
【0073】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】第1の実施形態に係わる情報処理装置の外観を示す斜視図。
【図2】図1に示す情報処理装置のシステム構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態に係わる、持ち運び中に光ディスクドライブのイジェクトボタンを無効化するためのシステム構成を示す図
【図4】イジェクトボタンが操作された場合のコントローラの処理の手順を示すフローチャート。
【図5】イジェクトボタンの操作無効化/復帰(無効化の解除)処理の手順を示すフローチャート。
【図6】オープン禁止コマンド送信した後にイジェクトボタンを有効にする処理の手順を示すフローチャート。
【図7】光ディスクの再生が不能なるおそれを抑制するための処理の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0075】
10…ノートブック型パーソナルコンピュータ,22…イジェクトボタン,111…CPU,122…光ディスクドライブ,131…加速度センサ,200…コントローラ,200A…オープン禁止レジスタ,201…トレイ,202…スピンドルモータ,203…光ピックアップヘッド,210…電磁ロック,211…スレッドモータ,300…システムBIOS,400…イジェクト操作無効ユーティリティ,401…加速度成分取得部,402…加速度演算部,403…無効判定部,404…復帰判定部,405…タイマカウンタ,406…静止レジスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に設けられ、光ディスクを所定の位置に保持する保持部と、前記保持部により前記光ディスクを保持したままロックするロック部と、前記保持部から前記光ディスクを排出させるための信号を出力するスイッチと、前記スイッチの操作に応じて前記ロック部によるロックを解除するロック解除部と、前記ロック解除部を制御する制御部とを有する光ディスク装置と、
前記本体の動き量を測定するセンサと、
前記センサの測定値が閾値V1より大きい場合に、前記スイッチの操作を無効にするためのコマンドを前記光ディスク装置に送信する排出無効化手段と、
前記コマンドを送信した後、前記センサの測定値に応じて、前記スイッチの操作を有効にするためのコマンドを前記光ディスク装置に送信する排出無効化解除手段と
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記排出無効化解除手段は、前記センサの測定値が前記閾値V1より大きくない状態が一定時間経過した場合、前記スイッチの操作を有効とするコマンドを前記光ディスク装置に送信することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記光ディスク装置は、前記制御部の制御を受けて前記光ディスクの回転数を変更可能な回転機構を更に有し、
前記センサの測定値が閾値V2(>閾値V1)より大きい場合に、前記光ディスクの回転速度を遅くするためのコマンドを前記制御部に送信する手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記光ディスク装置は、前記光ディスクに記録された情報を読み出すためのピックアップヘッドと、前記制御部の制御に応じて前記ピックアップヘッドを前記光ディスクの径方向に移動させる移動機構とを更に有し、
前記センサの測定値が閾値V3(>閾値V2)より大きい場合に、前記光ディスクのピックアップヘッドを待避位置に移動させ待避させるためのコマンドを送信する手段を更に具備することを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記センサは、加速度センサであることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
本体の動き量をセンサによって測定し、
前記本体の動き量が閾値V1以上である場合に、光ディスク装置内に保持された光ディスクを排出するためのスイッチの操作を無効とし、
前記スイッチの操作を無効にした後、前記センサの測定値に応じて、前記スイッチの操作を有効にする
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項7】
前記スイッチ操作を無効から有効にするのは、前記センサの測定値が閾値以下の状態が一定時間以上経過した場合であることを特徴とする請求項6記載の制御方法。
【請求項8】
前記センサの測定値が閾値V2(>閾値V1)より大きい場合に、前記光ディスクの回転速度を遅くすることを特徴とする請求項6記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
前記センサの測定値が閾値V3(>閾値V2)より大きい場合に、前記光ディスクに記録された情報を読み出すためのピックアップヘッドを待避位置に待避させることを特徴とする請求項8記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
前記センサは、加速度センサであることを特徴とする請求項6記載の情報処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−299970(P2008−299970A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−145797(P2007−145797)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】