説明

情報処理装置、その制御方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体

【課題】情報処理装置において生産計画を立案する場合に、一定期間において生産する個数と生産する種類とを適切に平準化することの可能な情報処理装置、その制御方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体を提供すること。
【解決手段】ユーザから入力された所定期間における各日の操業時間と、当該所定期間において生産する製品の種別と種別ごとの生産予定数を取得する。前記操業時間を按分係数とし、一定期間の各日までの按分係数を累積した累積按分係数により累積生産予定数を算出する。累積生産予定数に対してJIS丸めを行い、量の平準化結果を算出する。更に、出現率を求めることで種類の平準化を行い、前記量の平準化結果と種類の平準化結果とを組み合わせて、適切な平準化計画を立案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置において生産計画を立案する場合に、一定期間において生産する個数と生産する種類とを適切に平準化することの可能な情報処理装置、その制御方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の組み立てに代表される組み立て型生産において、同一生産ラインで複数車種の車両が生産されている。この生産の特徴は、日ごとの生産量は山・谷がなく一定であり、かつ車種の生産も一定の比率で分散されている。つまり、いわゆる平準化生産が行われている。
【0003】
平準化生産では、日ごとの生産量を一定にする「量の平準化」と、生産種類を一定の比率で分散させる「種類の平準化」が従来から行われている。「量の平準化」は、ある一定期間において生産量を分散させ、日ごとの生産量に大きな差が出ないようにする。これにより、市場に対して安定した供給を行うことができる。
【0004】
また、「種類の平準化」については、下記の特許文献1において開示されている通り、
最大生産量の生産種類のものを、操業パターンを複写した按分係数(Aとする)を基にその種類の生産量を日ごとに展開する。その結果得られた日ごとの生産量を按分係数と同じ次元(この場合”時間“)に換算(例えば生産能率を利用)して、Aから差し引く(この結果をBとする)。2つめに大きな生産量の生産種類のものを、按分係数(B)を基に生産量を日ごとに展開する。これを繰り返すことで、種類の平準化を行う仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平01−234142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような「量の平準化」と「種類の平準化」の両方を考慮して、適切な平準化生産を行うことができていなかった。特に「量の平準化」においては、全体の生産量を日ごとに展開する場合、端数(1未満の小数値)の扱いが適切でなく、生産量が立案期間の後半に偏っていた。つまり、「量の平準化」がうまくできていなかった。
【0007】
従来の「量の平準化」においては、生産量を日ごとに展開する場合、端数を四捨五入によって整数に丸めて、平準化を行っていた。しかしながら、これを行うと「量の平準化」を行う期間の後半に生産量が偏ってしまう問題があった。つまり、四捨五入することにより切り捨てられた端数がしわ寄せとして後半に偏るため、適切な平準化を行うことができなかった。
【0008】
また、「量の平準化」と「種類の平準化」においては、平準化を行う製品の生産能率も考慮しなければならない。例えば、製品Aを1個生産するためには2時間かかり、製品Bを1個生産するためには1時間かかる場合がある。この場合に、この2つの製品を同じ生産能率として単純に平準化してしまうと、日ごとの操業時間を無視した結果となるため、日によって操業時間にムラができてしまい、計画した時間通りに終了しない可能性がある。
【0009】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、生産計画を立案する際に、一定期間において生産する個数と生産する種類とを適切に平準化することの可能な仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の情報処理装置は、・・・・・することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、生産計画を立案する際に、一定期間において生産する個数と生産する種類とを適切に平準化することのできる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における生産管理システム100の一例を示す模式図である。
【図2】図1に示すクライアント端末101及び生産管理サーバ102の内部のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
【図3】図1に示すクライアント端末101及び生産管理サーバ102のモジュール構成の一例を示す模式図である。
【図4】図1に示すクライアント端末101及び生産管理サーバ102による制御方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】生産情報入力画面500の一例を示す模式図である。
【図6】図3のテーブル記憶部に記憶された基準操業時間テーブル600及び生産製品テーブル610の一例を示す模式図である。
【図7】図4のステップS106におけるモジュールの「量の平準化処理」の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】図7に示す「量の平準化処理」の一例を示す模式図である。
【図9】JIS丸めによる量の平準化と、四捨五入による量の平準化の比較結果を示す模式図である。
【図10】図4のステップS107におけるモジュールの「種類の平準化処理」の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図10に示す「種類の平準化処理」の一例を示す模式図である。
【図12】図4のステップS108におけるモジュールの「平準化組合せ処理」の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図12に示す「平準化組合せ処理」の一例を示す模式図である。
【図14】図4のステップS106におけるモジュールの「量の平準化処理」の詳細な処理手順の別の一例を示すフローチャートである。
【図15】図14に示す「量の平準化処理」の一例を示す模式図である。
【図16】図4のステップS107におけるモジュールの「種類の平準化処理」の詳細な処理手順の別の一例を示すフローチャートである
【図17】図4のステップS108におけるモジュールの「平準化組合せ処理」の詳細な処理手順の別の一例を示すフローチャートである。
【図18】図17に示す「平準化組合せ処理」の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
まず、平準化を行う製品同士の生産能率差がない、または小さい場合の平準化計画立案を行う実施例1について説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る生産管理システム100の構成の一例を示す構成図である。生産管理システム100は、クライアント端末101及び生産管理サーバ102(情報処理装置)から構成されており、クライアント端末101及び生産管理サーバ102はLAN(Local Area Network)103を介して通信可能に接続されている。
【0016】
図1のネットワーク上に接続される各種端末あるいはサーバの構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。本実施例では、クライアント端末101と生産管理サーバ102がLAN103を介して通信可能に接続される構成となっているが、クライアント端末101が生産管理サーバ102の機能を含み、クライアント端末101のみで動作する仕組みであってもよいし、生産管理サーバ102のみでもよい。また、LAN103は、クライアント端末101と生産管理サーバ102の通信が可能となれば、他の通信形態でもよい。
【0017】
クライアント端末101は、ユーザからの操作に応じて生産計画の立案を生産管理サーバに命じ、当該生産計画を受信して表示する装置である。クライアント端末101には、生産計画の立案を命じるためのプログラムがインストールされており、当該プログラムの処理によって、生産管理サーバ102と通信することで動作する。
【0018】
生産管理サーバ102は、クライアント端末101からの生産計画の立案要求に応じて、生産計画を立案し、クライアント端末101に送信する装置である。
【0019】
次に、クライアント端末101及び生産管理サーバ102のハードウェア構成の一例について図2を用いて説明する。
【0020】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input /
Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各装置の実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0021】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0022】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。尚、タッチパネルを備えた装置では、後述するCRTディスプレイ(CRT)210上に入力C205が備えられており、CRT210上に触れることで各種操作を行うことができる。ビデオコントローラ(VC)206は、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。
【0023】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフレキシブルディスク或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるCFメモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0024】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0025】
本発明を実現するためのクライアント端末101及び生産管理サーバ102において実行される各種プログラムは外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、本発明に係わる前記プログラムが用いるクライアント端末101及び生産管理サーバ102上の定義ファイル及び各種情報テーブルは外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明は後述する。
【0026】
次に、クライアント端末101及び生産管理サーバ102のモジュール構成を示す機能構成図について、図3を用いて説明する。尚、図3の各種端末あるいはサーバのモジュール構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。例えば、クライアント端末101のみで構成される場合には、下記に示す生産管理サーバ102の各種モジュール構成はクライアント端末101が含む。また、生産管理サーバ102のみで構成される場合には、下記に示す生産管理サーバ102の各種モジュール構成は生産管理サーバ102が含む。
【0027】
クライアント端末101は、画面表示部301、及び送受信部302を備える。
【0028】
画面表示部301は、各種画面をクライアント端末101のCRT210に表示させるためのモジュールである。
【0029】
送受信部302は、LAN103を介して生産管理サーバ102と各種情報を送受信するためのモジュールである。
【0030】
生産管理サーバ102は、テーブル記憶部311(生産情報記憶手段)、送受信部312、量の平準化処理部314、種類の平準化処理部315、及び平準化組合せ部315を備える。また、テーブル記憶部311には、基準操業時間テーブル600と生産製品テーブル610が記憶されている。
【0031】
ここで、本実施形態においては、図4のテーブル記憶部311が、例えば図2に示す外部メモリ211に構成される(一旦、RAM203に構成された後に外部メモリ211に構成される場合も含む)。
【0032】
図6を参照して、図3のテーブル記憶部311に記憶される基準操業時間テーブル600について説明する。図6の基準操業時間テーブル600は、基準操業時間テーブル600の構成の一例を示す構成図である。
【0033】
基準操業時間テーブル600は、ユーザから指定された期間におけるそれぞれの日の操業時間を示すテーブルである。本実施例では、1週間における操業時間を示すため、月曜日601、火曜日602、水曜日603、木曜日604、金曜日605、土曜日606、日曜日607から構成される。またの期間における合計の操業時間を示す計608も備える。当然、1カ月であれば1か月分の日数だけ項目が増えるし、それ以下であれば項目は減る。平準化を行う期間によって基準操業時間テーブル600の項目は増減する。
【0034】
次に、同じく図6を参照して、図3のテーブル記憶部311に記憶される生産製品テーブル610について説明する。図6の生産製品テーブル610は、生産製品テーブル610の構成の一例を示す構成図である。
【0035】
生産製品テーブル610は、製品の名称を示す製品名611、各製品の生産予定数を示す生産予定数612、各製品を1個生産する場合にかかる時間を示す生産能率613から構成される。
【0036】
送受信部312は、LAN103を介してクライアント端末101と各種情報を送受信するためのモジュールである。
【0037】
量の平準化処理部313は、後述する量の平準化処理を実行するモジュールである。量の平準化処理により、一定期間の生産量を適切に平準化することができる。
【0038】
種類の平準化処理部314は、後述する種類の平準化処理を実行するモジュールである。種類の平準化処理により、生産する製品の種類の順序が適切に平準化される。
【0039】
平準化組合せ処理部315は、量の平準化処理部313及び種類の平準化処理部314において出力された結果を組み合わせて、平準化計画を作成する。
【0040】
次に、本実施例1における生産管理システム100によって実行される生産計画の平準化の処理手順について説明する。図4は、図1に示す生産管理システム100による生産計画の平準化の処理手順の一例を示すフローチャートである。本処理をCPU201に実行させるためのプログラムは外部メモリ211に記憶されており、本処理の実行要求を入力C205より受け付けた場合に、CPU201は、当該プログラムをRAM203にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従って本処理を実行することになる。
【0041】
ステップS101では、クライアント端末101のCPU201は、ユーザからの操作によって入力C205を通じて入力された命令を検知し、図5に示す生産情報入力画面500をクライアント端末101のCRT210に表示して、ユーザからの入力を受け付ける。生産情報入力画面500は、各日の操業時間の入力を受け付ける基準操業時間入力フォーム501、生産する製品の製品名や生産予定数、生産能率の入力を受け付ける生産製品情報入力フォーム502を備える。生産情報入力画面500の構成はこれに限らない。特に、基準操業時間入力フォーム501は、1週間ごとでなくてもよく、複数週や1カ月ごと、1年ごとなど、期間はこれに限らない。この期間の合計を基準操業日数とする。基準操業日数は後述するステップS405において使用される。
【0042】
ステップS102では、クライアント端末101のCPU201は、生産情報入力画面500に備えられたOKボタン503の押下を検知した場合、ステップS101において表示された生産情報入力画面500に入力された各種情報を取得し、生産管理サーバ102に送信する。
【0043】
ステップS103では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS102においてクライアント端末101から送信された各種情報を受信する。
【0044】
ステップS104では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS103において受信した各種情報のうち、基準操業時間入力フォーム501に入力された情報を取得し、生産管理サーバ102のテーブル記憶部311に記憶された基準操業時間テーブル600に格納する。
【0045】
ステップS105では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS103において受信した各種情報のうち、生産製品情報入力フォーム502に入力された情報を取得し、生産管理サーバ102のテーブル記憶部311に記憶された生産製品テーブル610に格納する。
【0046】
ステップS106では、生産管理サーバ102のCPU201は、基準操業時間テーブル600及び生産製品テーブル610に格納された情報に基づいて、量の平準化処理を行う。量の平準化処理の詳細については、図7を用いて後述する。
【0047】
ステップS107では、生産管理サーバ102のCPU201は、基準操業時間テーブル600及び生産製品テーブル610に格納された情報に基づいて、種類の平準化処理を行う(生産順序決定手段)。種類の平準化処理の詳細については、図10を用いて後述する。
【0048】
ステップS108では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS106及びステップS107において算出された結果を組み合わせる平準化組合せ処理を行う。平準化組合せ処理の詳細については、図12を用いて後述する。
【0049】
ステップS109では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS108において算出された平準化計画をクライアント端末101に送信する。平準化計画は、図13に示す模式図1300に示すようなデータとして送信される。
【0050】
ステップS110では、クライアント端末101のCPU201は、ステップS109において生産管理サーバ102によって送信された平準化計画を受信する。
【0051】
ステップS111では、クライアント端末101のCPU201は、ステップS110において受信した平準化計画をクライアント端末101のCRT210に表示させる(不図示)。平準化計画は図13に示す平準化計画結果1301のような形態で表示され、ユーザに平準化された計画を提示する。
【0052】
尚、クライアント端末101のみで構成される場合、ステップS103乃至ステップS109の処理はクライアント端末101において実行される。また、生産管理サーバ102のみで構成される場合、ステップS101及びステップS111は生産管理サーバ102において実行される。
【0053】
次に、図7を参照して、本実施例1における図4のステップS106の「量の平準化処理」の詳細について説明する。図7は、生産管理サーバ102のCPU201によって行われる、「量の平準化処理」の処理手順の一例を示すフローチャートである。本処理をCPU201に実行させるためのプログラムは外部メモリ211に記憶されており、本処理の実行要求を入力C205より受け付けた場合に、CPU201は、当該プログラムをRAM203にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従って本処理を実行することになる。尚、実施例1においては、各製品の生産能率がすべて同じ、または生産能率差が小さい場合を説明する。
【0054】
まず、ステップS201では、生産管理サーバ102のCPU201は、基準操業時間テーブル600に格納された各操業時間を按分係数に設定する。本実施例において按分係数とは、量の平準化を行うための係数である。つまり、各日の操業時間に応じて量の平準化をする必要があるので、操業時間を考慮した量の平準化を行うために、操業時間を按分係数としている。図8に示すステップS201を実行した結果の模式図800では、月曜から土曜まで毎日8時間操業するので、各曜日の按分係数は「8.0」となり、按分係数の合計としては「48.0」となる。
【0055】
ステップS202では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS201において設定された按分係数を累積して、累積按分係数を各日ごとに算出する(累積按分係数算出手段)。具体的には、累積按分係数を求める日までの按分係数をすべて加算して、当該日の累積按分係数とする。図8に示すステップS202を実行した結果の模式図801では、各曜日の累積按分係数を示す。例えば、水曜の累積按分係数を求めるには、「月曜の按分係数+火曜の按分係数+水曜の按分係数」である。よって、「8.0+8.0+8.0」となり、水曜の累積按分係数は「24.0」となる。
【0056】
ステップS203では、生産管理サーバ102のCPU201は、生産製品テーブル610に格納された各製品の生産予定数612を累積して、総生産予定数を算出する。図8に示すステップS203を実行した結果の模式図802では、生産予定数612に格納された生産予定数をすべて加算すると、「51」となるので、これを総生産予定数とする。
【0057】
ステップS204では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS203において算出された総生産予定数と累積按分係数から、各日までの累積生産予定数を算出する(累積生産予定数算出手段)。具体的には、各日の終了時点で生産完了していなくてはならない累積生産予定数は、「累積生産予定数=(累積按分係数/総累積按分係数)×総生産予定数」で求める。総累積按分係数とは、ステップS202において算出された各日の累積按分係数をすべて加算したものである。例えば、水曜の終了時点までに生産完了していなくてはならない累積生産予定数は、上記の式に当てはめると、「水曜の累積生産予定数=(24.0/48.0)×51」となり、「水曜の累積生産予定数=25.500」となる。よって、水曜の終了時点までに「25.500個」の生産が完了している必要がある。
【0058】
ステップS205では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS204において算出された各日の累積生産予定数に対してJIS丸め(最近接偶数への丸め)を実行する(端数処理手段)。ステップS204において算出された個数は整数でない場合が多いため、ステップS205においてJIS丸めを使用して整数に丸める。
【0059】
JIS丸めとは、端数が0.5より小さい場合に切り捨て、端数が0.5より大きい場合に切り上げる。更に端数がちょうど0.5の場合には、切り捨てと切り上げのうち結果が偶数となる方へ丸める端数処理である。端数処理では、丸め誤差を小さくすることが重要であるため、四捨五入のような丸め誤差が発生する端数処理ではなく、JIS丸めを利用する。
【0060】
JIS丸めを利用して、ステップS204の結果に対して端数処理を行った場合、図8に示す模式図804の通りになる。例えば、水曜の累積生産予定数である「25.500」に対してJIS丸めを実行すると、端数が0.5であるので、切り捨てた場合と切り上げた場合を考える。切り捨てた場合は「25」、切り上げた場合は「26」であるので、偶数となる「26」がJIS丸めの結果となる。
【0061】
ステップS206では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS205において端数処理された結果は、当該日の終了時点までに生産完了しているべき個数であるので、それぞれの日の生産個数を算出する(生産個数算出手段)。具体的には、ステップS205によって丸められた個数のうち、「生産個数を求める日の丸め個数―前日の丸め個数」で求められる。例えば、図8の模式図804の水曜の生産個数は、前日の火曜が「17」であるので、「26−17=9」となる。よって水曜の生産個数は「9個」となる。各日の生産個数は、模式図805に示す通りとなる。以上で量の平準化が完了する。
【0062】
尚、図9にJIS丸めによる量の平準化と四捨五入による量の平準化の比較結果を示す。図9に示す比較結果900では、ステップS205においてJIS丸めにより端数処理を行った場合と、四捨五入によって端数処理を行った場合の結果の比較を行っている。この結果を見てもわかる通り、四捨五入では丸め誤差が発生するため、正確に平準化が行えず、生産個数が増えるほど、誤差が大きくなっている。従来、四捨五入によって対応していたため、平準化を行ったとしても丸め誤差が発生し、適切に量の平準化を行うことができていなかった。本発明では、JIS丸めによって端数処理を行うため、適切に量の平準化を図ることができる。
【0063】
次に、図10を参照して、本実施例1における図4のステップS107の「種類の平準化処理」の詳細について説明する。図10は、生産管理サーバ102のCPU201によって行われる、「種類の平準化処理」の処理手順の一例を示すフローチャートである。本処理をCPU201に実行させるためのプログラムは外部メモリ211に記憶されており、本処理の実行要求を入力C205より受け付けた場合に、CPU201は、当該プログラムをRAM203にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従って本処理を実行することになる。尚、実施例1においては、各製品の生産能率がすべて同じ、または生産能率差が小さい場合を説明する。
【0064】
ステップS301では、生産管理サーバ102のCPU201は、変数Nを初期化する。具体的には、変数Nに1を代入する。変数Nはカウンタであり、ステップS301以降の処理において使用する。
【0065】
ステップS302では、生産管理サーバ102のCPU201は、生産製品テーブル610の情報を取得し、N回目の出現率を製品の種類ごとに算出する。N回目の出現率は、図11の模式図1100に示す通り、「N回目の出現率=当該種類の個数/全体の個数×N−当該種類のN−1回目までの出現回数」で求められる。出現率を求めることで、種類の平準化に必要な生産の順序を決定することができる。
【0066】
ステップS303では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS302によって算出された出現率が最も高い製品の種類をN回目の出現として採用する。例えば、図11に示す模式図1101では、「N=1」である場合、製品AからDまでの出現率をステップS302によって算出し、最も出現率の高い製品Aが1回目の出現として採用される。よって、最初に生産されるのは製品Aとなる。次に「N=2」である場合、最も出現率の高い製品は製品Bである。よって2番目に生産される製品は製品Bとなる。このようにして種類の平準化を行う。
【0067】
ステップS304では、生産管理サーバ102のCPU201は、変数Nに代入された値が、総生産予定数以上であるか否かを判定する。つまり、総生産予定数分の種類の平準化が完了したか否かを判定している。変数Nの示す値が、総生産予定数以上であると判定した場合には、本一連の処理を終了し、変数Nの示す値が、総生産予定数以上ではないと判定した場合には、ステップS305に処理を進める。
【0068】
ステップS305では、生産管理サーバ102のCPU201は、変数Nに代入された値に1を加算する。これにより、総生産予定数となるまで種類の平準化を行うことができる。
【0069】
図6の生産製品テーブル610に示す数値で種類の平準化処理を行った場合、図11の模式図1102に示す通りの順序となる。このようにして、生産する製品の順序を決定する。
【0070】
次に、図12を参照して、本実施例1における図4のステップS108の「平準化組合せ処理」の詳細について説明する。図12は、生産管理サーバ102のCPU201によって行われる、「平準化組合せ処理」の処理手順の一例を示すフローチャートである。本処理をCPU201に実行させるためのプログラムは外部メモリ211に記憶されており、本処理の実行要求を入力C205より受け付けた場合に、CPU201は、当該プログラムをRAM203にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従って本処理を実行することになる。尚、実施例1においては、各製品の生産能率がすべて同じ、または生産能率差が小さい場合を説明する。
【0071】
ステップS401では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS106の量の平準化処理において算出された量の平準化結果を取得し、RAM203に記憶する。
【0072】
ステップS402では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS107の種類の平準化処理において算出された種類の平準化結果を取得し、RAM203に記憶する。
【0073】
ステップS403では、生産管理サーバ102のCPU201は、変数Dを初期化する。具体的には、変数Dに1を代入する。変数Dはカウンタであり、ステップS403以降の処理において使用する。
【0074】
ステップS404では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS401及びステップS402においてRAM203に記憶された量の平準化結果と、種類の平準化結果を取得する。そして、量の平準化結果であるD日目の生産個数分、種類の平準化で決定された順序で生産する種類を取得する。当該取得した種類をD日目に生産すべき種類とする(組合せ手段)。具体的には、図13の模式図1300に示すように、量の平準化処理によって1日目である月曜は生産個数が8個と算出された。よって、種類の平準化によって決定された生産順序で、8個割り当てる。これにより、月曜は「ABCABADA」という順序で製品を生産するよう、決定される。火曜から土曜までの処理結果は模式図1300の通りとなる。
【0075】
ステップS405では、生産管理サーバ102のCPU201は、変数Dが基準操業日数以上であるか否かを判定する。つまり、基準操業日数分すべて終了したか否かを判定する。変数Dが基準操業日数以上であると判定された場合には、本一連の処理を終了し、変数Dが基準操業日数以上でないと判定された場合には、ステップS406に処理を進める。
【0076】
ステップS406では、生産管理サーバ102のCPU201は、変数Dに代入された値に1を加算する。これにより、基準操業日数分処理されるまでステップS404乃至ステップS405を繰り返すことができる。
【0077】
このように量の平準化によって各日の生産量が求められ、更に種類の平準化によって生産順序が求められる。これらを組み合わせることで、各日に何の種類の製品をいくつ生産するのかが適切に平準化される。尚、本実施例1では、生産能率が同じ製品に関しての平準化について説明したが、製品同士の生産能率差がある程度小さいのであれば本実施例1を適用できる。しかしながら、生産能率差が大きい場合には、後述する実施例2で平準化する必要がある。
【0078】
次に、平準化を行う製品同士の生産能率差が大きい場合の平準化計画立案を行う実施例2について説明する。
【0079】
実施例2におけるシステム構成、ハードウェア構成、及びモジュール構成は、実施例1に示す図1乃至図3と同様である。また、図4に示すフローチャートも同様である。実施例2では、ステップS106における量の平準化処理、ステップS107における種類の平準化処理、及びステップS108における平準化組合せ処理の変形例について説明する。
【0080】
まず、図14を参照して、本実施例2における図4のステップS106の「量の平準化処理」の詳細について説明する。図14は、生産管理サーバ102のCPU201によって行われる、「量の平準化処理」の処理手順の一例を示すフローチャートである。本処理をCPU201に実行させるためのプログラムは外部メモリ211に記憶されており、本処理の実行要求を入力C205より受け付けた場合に、CPU201は、当該プログラムをRAM203にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従って本処理を実行することになる。尚、実施例2においては、各製品の生産能率差が大きい場合について説明する。
【0081】
ステップS501では、生産管理サーバ102のCPU201は、生産製品テーブル610の生産予定数612と生産能率613を元に、合計操業時間を算出する。具体的には、図15に示す模式図1500に示すように、生産製品テーブル610には製品Aの生産予定数612が「12個」、製品Bの生産予定数612が「14個」、製品Cの生産予定数612が「5個」、製品Dの生産予定数612が「3個」と格納されている。また、製品Aと製品Cの生産能率613は「2時間/個」、製品Bと製品Dの生産能率613は「1時間/個」が格納されている。「生産予定数612×生産能率613」によって各製品を生産するために必要な操業時間が算出されるので、これらを合計する。模式図1500では、合計すると合計操業時間が「51時間」と算出される。
【0082】
ステップS502では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS501において求められた合計操業時間から各日の補正操業時間を算出する。つまり、本来の基準操業時間では、生産能率の異なる製品の生産に係る時間と合わないため、合計操業時間から各日の補正操業時間を算出する。本実施例では、実施例1と同様、月曜から土曜までの平準化計画を立案するので、合計操業時間を日数で割る。つまり、図15の模式図1501に示す通り、各日は「8.500」が補正操業時間となる。
【0083】
ステップS503では、生産管理サーバ102のCPU201は、生産能率613が同じものをグルーピングする(グルーピング手段)。図15の模式図1500の生産製品テーブル610では、製品Aと製品Cの生産能率613が「2時間/個」であり、製品Bと製品Dの生産能率613が「1時間/個」となっているので、模式図1502に示す通り、製品Aと製品Cを同じグループとしてグルーピングし、製品Bと製品Dを同じグループとしてグルーピングする。こうすることで、同じ生産能率ごとにまとめて、実施例1と同様に処理することができる。
【0084】
ステップS504では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS505においてグルーピングされたグループのうち、最も生産能率613の高いグループを取得する。本実施例では、生産能率613が「2時間/個」である製品Aと製品Cのグループを取得する。
【0085】
ステップS505では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS502において算出された補正操業時間を、前述したステップS201と同様に按分係数に設定する。按分係数に設定した結果が図15に示す模式図1503である。
【0086】
ステップS505の実行後、ステップS202乃至ステップS206を実行する。ステップS202乃至ステップS206の詳細な処理の説明は、前述の通りである。
【0087】
ステップS506では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS206において算出された生産個数から、当該製品を生産するための所要時間を算出する。具体的には、「所要時間=生産個数×生産能率」によって求める。例えば製品Aと製品Cのグループでは、生産能率613が「2時間/個数」なので、図15に示す模式図1504の月曜の生産個数3と掛け合わせることで、月曜の所要時間は「6.0」と算出される。これを各日すべてに対して行う。
【0088】
ステップS507では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS202乃至ステップS206、及びステップS506の処理がまだ終わっていないグループがあるか否かを判定する。ステップS202乃至ステップS206、及びステップS506の処理がまだ終わっていないグループがあると判定した場合には、ステップS508に処理を進め、ステップS202乃至ステップS206、及びステップS506の処理がまだ終わっていないグループがないと判定した場合には、ステップS511に処理を進める。
【0089】
ステップS508では、生産管理サーバ102のCPU201は、現在取得しているグループの補正操業時間と、ステップS506において算出された所要時間から、残りの操業時間である残操業時間を算出する(残所要時間算出手段)。具体的には、「残操業時間=補正操業時間―所要時間」で求められる。つまり、残りの操業時間で、残っているグループの製品を生産する必要があるので、このような処理を行っている。模式図1504の月曜の所要時間は「6.0時間」であり、補正操業時間は「8.500時間」である。つまり、残操業時間は「2.500時間」となる。
【0090】
ステップS509では、生産管理サーバ102のCPU201は、未処理のグループのうち、生産能率613が最も高いグループを取得する。このように、生産能率613が最も高いものから処理していく。
【0091】
ステップS510では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS508において算出された残操業時間を按分係数に設定する。その後、ステップS202乃至ステップS206、及びステップS506を実行する。こうすることで、すべてのグループを生産能率613の高い順に量の平準化を行う。
【0092】
次に、図16を参照して、本実施例2における図4のステップS107の「種類の平準化処理」の詳細について説明する。図16は、生産管理サーバ102のCPU201によって行われる、「種類の平準化処理」の処理手順の一例を示すフローチャートである。本処理をCPU201に実行させるためのプログラムは外部メモリ211に記憶されており、本処理の実行要求を入力C205より受け付けた場合に、CPU201は、当該プログラムをRAM203にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従って本処理を実行することになる。尚、実施例2においては、各製品の生産能率差が大きい場合について説明する。
【0093】
ステップS601では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS301乃至ステップS305において処理されていないグループを取得する。このように生産能率613の同じ製品のグループごとに種類の平準化処理を行う。
【0094】
ステップS601の実行後、ステップS301乃至ステップS305を実行する。ステップS301乃至ステップS305の詳細な処理の説明は、前述の通りである。
【0095】
ステップS602では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS301乃至ステップS305において処理されていないグループがあるか否かを判定する。ステップS301乃至ステップS305において処理されていないグループがあると判定された場合には、ステップS302に処理を進め、ステップS301乃至ステップS305において処理されていないグループがないと判定された場合には、本一連の処理を終了する。
【0096】
次に、図17を参照して、本実施例2における図4のステップS108の「平準化組合せ処理」の詳細について説明する。図17は、生産管理サーバ102のCPU201によって行われる、「平準化組合せ処理」の処理手順の一例を示すフローチャートである。本処理をCPU201に実行させるためのプログラムは外部メモリ211に記憶されており、本処理の実行要求を入力C205より受け付けた場合に、CPU201は、当該プログラムをRAM203にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従って本処理を実行することになる。尚、実施例2においては、各製品の生産能率差が大きい場合について説明する。
【0097】
ステップS701では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS404において処理されていない未処理のグループの量の平準化結果と、種類の平準化結果を取得する。このように、グループごとに量の平準化結果と種類の平準化結果を組み合わせる。
【0098】
ステップS701の実行後、ステップS403乃至ステップS406の処理を実行する。ステップS403乃至ステップS406の詳細な処理の説明は、前述の通りである。尚、ステップS404における処理の結果は、図18の模式図1800に示す通りである。
【0099】
ステップS702では、生産管理サーバ102のCPU201は、ステップS404において処理されていないグループがあるか否かを判定する。ステップS404において処理されていないグループがあると判定された場合には、ステップS404に処理を進め、ステップS404において処理されていないグループがないと判定された場合には、ステップS703に処理を進める。
【0100】
ステップS703では、生産管理サーバ102のCPU201は、各グループの平準化結果を合計して、平準化計画結果を生成する。生産能率613が「2時間/個」である製品Aと製品Cのグループと、生産能率613が「1時間/個」である製品Bと製品Dのグループの平準化結果を合計すると、模式図1801に示すような平準化計画結果となる。このように、生産能率613が異なるグループごとにまとめて、グループごとに量の平準化と種類の平準化を行う。更に、グループごとに量の平準化と種類の平準化を組み合わせ、グループごとに組み合わせた結果を最終的に1つにまとめることで、生産能率差が大きかった場合でも適切に平準化計画を立てることができる。
【0101】
以上説明したように、本発明によれば、生産計画を立案する際に、一定期間において生産する個数と生産する種類とを適切に平準化することのできる効果を奏する。
【0102】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。
【0103】
また、本発明におけるプログラムは、各処理方法をコンピュータが実行可能(読み取り可能)なプログラムであり、本発明の記録媒体は、各処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。
【0104】
なお、本発明におけるプログラムは、各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0105】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読取り実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0106】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0107】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0108】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0109】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0110】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0111】
また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0112】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0113】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0114】
100 生産管理システム
101 クライアント端末
102 生産管理サーバ
103 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の生産計画の管理を行う情報処理装置であって、
前記生産計画を立てる期間の各日の操業時間と、生産する複数種類の製品の生産予定数を記憶する生産情報記憶手段と、
前記生産情報記憶手段に記憶された操業時間を按分係数に設定し、各日までの按分係数を累積した累積按分係数を前記期間の各日ごとに算出する累積按分係数算出手段と、
前記生産情報記憶手段に記憶された複数種類の製品の生産予定数と、前記累積按分係数算出手段で算出された累積按分係数とに基づいて、各日までに生産すべき数を示す累積生産予定数を算出する累積生産予定数算出手段と、
前記累積生産予定数算出手段によって算出された累積生産予定数に対して、丸め誤差の生じない端数処理を行う端数処理手段と、
前記端数処理手段によって端数処理された累積生産予定数に基づいて、各日に生産すべき数を示す生産個数を算出する生産個数算出手段と、
前記生産情報記憶手段に記憶された生産予定数に基づいて、複数種類の製品の生産順序を決定する生産順序決定手段と、
前記生産個数算出手段によって算出された各日ごとの生産個数分、前記生産順序決定手段によって決定された生産順序で取得し、当該各日の生産すべき製品の種類と生産個数を決定する組合せ手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記複数種類の製品ごとに生産にかかる時間が異なる場合、生産にかかる時間が近い製品ごとにグルーピングを行うグルーピング手段を更に備え、
前記グルーピング手段によってグルーピングされたグループのうち、最も生産にかかる時間が長いグループから順に、グループごとに前記累積按分係数算出手段と、前記累積生産予定数算出手段と、前記端数処理手段と、前記生産個数算出手段とを実行し、グループごとに生産順序決定手段により生産順序を決定し、グループごとに組合せ手段を実行し、グループごとに組合せられた各日の生産すべき製品の種類と生産個数を、1つの生産計画として更に組み合わせることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記グルーピング手段を実行する場合には、前記生産個数算出手段で算出された生産個数と、製品の生産にかかる時間とから各日の所要時間を算出し、前記操業時間と、当該所要時間から残りの時間である残所要時間を算出する残所要時間算出手段と、
前記累積按分係数算出手段は、前記残所要時間算出手段によって算出された残所要時間を按分係数とすることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記端数処理手段は、前記累積生産予定数算出手段によって算出された累積生産予定数の端数が0.5より小さい場合に切り捨て、端数が0.5より大きい場合に切り上げ、更に端数がちょうど0.5の場合には、切り捨てと切り上げのうち結果が偶数となる方へ丸める端数処理であるJIS丸めを実行することを特徴とする請求項1乃至3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
生産計画を立てる期間の各日の操業時間と、生産する複数種類の製品の生産予定数を記憶する生産情報記憶手段を備え、製品の生産計画の管理を行う情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置の累積按分係数算出手段が、前記生産情報記憶手段に記憶された操業時間を按分係数に設定し、各日までの按分係数を累積した累積按分係数を前記期間の各日ごとに算出する累積按分係数算出ステップと、
前記情報処理装置の累積生産予定数算出手段が、前記生産情報記憶手段に記憶された複数種類の製品の生産予定数と、前記累積按分係数算出ステップで算出された累積按分係数とに基づいて、各日までに生産すべき数を示す累積生産予定数を算出する累積生産予定数算出ステップと、
前記情報処理装置の端数処理手段が、前記累積生産予定数算出ステップによって算出された累積生産予定数に対して、丸め誤差の生じない端数処理を行う端数処理ステップと、
前記情報処理装置の生産個数算出手段が、前記端数処理ステップによって端数処理された累積生産予定数に基づいて、各日に生産すべき数を示す生産個数を算出する生産個数算出ステップと、
前記情報処理装置の生産順序決定手段が、前記生産情報記憶手段に記憶された生産予定数に基づいて、複数種類の製品の生産順序を決定する生産順序決定ステップと、
前記情報処理装置の組合せ手段が、前記生産個数算出ステップによって算出された各日ごとの生産個数分、前記生産順序決定ステップによって決定された生産順序で取得し、当該各日の生産すべき製品の種類と生産個数を決定する組合せステップと、
を実行することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
生産計画を立てる期間の各日の操業時間と、生産する複数種類の製品の生産予定数を記憶する生産情報記憶手段を備え、製品の生産計画の管理を行う情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータに読み取り可能なプログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記生産情報記憶手段に記憶された操業時間を按分係数に設定し、各日までの按分係数を累積した累積按分係数を前記期間の各日ごとに算出する累積按分係数算出手段と、
前記生産情報記憶手段に記憶された複数種類の製品の生産予定数と、前記累積按分係数算出手段で算出された累積按分係数とに基づいて、各日までに生産すべき数を示す累積生産予定数を算出する累積生産予定数算出手段と、
前記累積生産予定数算出手段によって算出された累積生産予定数に対して、丸め誤差の生じない端数処理を行う端数処理手段と、
前記端数処理手段によって端数処理された累積生産予定数に基づいて、各日に生産すべき数を示す生産個数を算出する生産個数算出手段と、
前記生産情報記憶手段に記憶された生産予定数に基づいて、複数種類の製品の生産順序を決定する生産順序決定手段と、
前記生産個数算出手段によって算出された各日ごとの生産個数分、前記生産順序決定手段によって決定された生産順序で取得し、当該各日の生産すべき製品の種類と生産個数を決定する組合せ手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを格納することを特徴とするコンピュータで読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2012−118606(P2012−118606A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265417(P2010−265417)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】