情報処理装置、ネットワーク試験方法、及びプログラム
【課題】パケットの通信路が冗長化されたパケット通信ネットワークにおいて運用中の通信路の経路(系)を把握し、把握した経路上のノードの正確なホップ数を取得して試験を行う。
【解決手段】情報処理装置において、前記通信路の系毎に、通信路上の各ノードのホップ数を格納するホップ数格納手段と、前記通信路の系を示す系情報を格納する系情報格納手段と、前記通信路上の所定のノードから通信路切替信号を受信することにより前記通信路の系の切り替えを検出し、切り替えられた後の系情報を前記系情報格納手段に格納する通信路切替検出手段と、前記系情報格納手段に格納された系に対応する通信路上の特定ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段から取得し、当該ホップ数を、前記通信路における特定ノードを指定した試験を行うために使用する試験機能手段と、を備える。
【解決手段】情報処理装置において、前記通信路の系毎に、通信路上の各ノードのホップ数を格納するホップ数格納手段と、前記通信路の系を示す系情報を格納する系情報格納手段と、前記通信路上の所定のノードから通信路切替信号を受信することにより前記通信路の系の切り替えを検出し、切り替えられた後の系情報を前記系情報格納手段に格納する通信路切替検出手段と、前記系情報格納手段に格納された系に対応する通信路上の特定ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段から取得し、当該ホップ数を、前記通信路における特定ノードを指定した試験を行うために使用する試験機能手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MPLS-TP等のパケット通信ネットワークに関し、特に、各ノードのホップ数を管理し、当該ホップ数を用いてOAM試験等を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パケット伝送網を実現するためのパケットトランスポート技術としてMPLS-TP(Multi Protocol Label Switching Transport Profile)が普及してきている。MPLS-TPでは、ネットワークの運用状態や性能等を把握するために、様々なOAM(Operation Administration and Maintenance)が提案されている。このOAM機能を用いることにより、LSP(Label Switched Path)単位での常時の故障監視や性能試験が可能となる。
【0003】
MPLS-TPのOAMでは、管理点としてMEP(Maintenance End Point)、及びMIP(Maintenance Intermediate Point)を用いる。基本的に、OAMパケットはMEP点でのみ挿入/終端を行うことができ、MEP点もしくはMIP点で折り返すことができる。
【0004】
ここで、MPLS−TPのOAMにおけるループバック試験や接続性試験等では、OAMパケットを送出するMEP点のノードから、対象ノード(MIP点でもMEP点でもよい)を指定するために、TTL(Time To Live)の減算方式を用いている。一例として、あるノードAからみて、HOP(ホップ)数が3であるノードBを指定したループバック試験をする場合、ノードAにおいてTTL=3としたOAMパケットを挿入し、OAMパケットを受信する各ノードでは1だけTTLを減算して転送し、TTLが0となるノードBで、OAMパケットをノードAに向けて折り返す。
【0005】
一方、MPLS-TP網内のホップ数を調べる技術としてルートトレーシング(Route Tracing)がある。MPLS-TPのルートトレーシングは、IP-TraceRouteやMPLS-Tracerouteと同様の方式であり、例えば、パス端点のノードまでTTLを1つづつ増やしながらルート(ホップ数情報を含む)を調査する方式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−60218号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】IETF RFC05860
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
MPLS-TPのOAMにはMEP-MEP間のみで行われる試験機能と、上記のループバック試験等のようにMEP-MIP間も試験ができる機能が想定されている。これらのうち、MEP-MEP間の試験の場合は、TTL値にかかわらず、OAMパケットはこれらMEPノードで終端されるため、MEP-MEP間のみで行われる試験の場合は、TTLはOAM機能としては不要となる。
【0009】
一方、MEP-MIP間の試験では、TTLとして用いるホップ数の管理が重要となる。つまり、MPLS-TPのOAMにおけるMEP-MIP間の試験では、IP-PingにおけるIPアドレスのように特定のアドレスに向けてパケットを送信するわけではなく、ホップ数を用いて挿入ノード(MEP)からの距離で対象のノード(MIP)を指定しているため、ホップ数が誤っていると、そもそも試験の正確性が損なわれることになる。
【0010】
図1を参照してこの問題を説明する。図1に示すMPLS-TPネットワークは、図示するとおりOAM終端点となる2つのMEPノードA、I間に複数のMIPノードB〜Hがリンク接続された構成であり、MIPノードCとMIPノードG間のセグメント区間で複数経路(セグメント冗長経路)を備えることにより、0系(現用系)、1系(予備系)のLSP冗長構成をとっている。LSPは、0系では、ノードD、Eを経由し、1系ではノードFを経由する。
【0011】
図1に示す例のように、MPLS-TPのLSP冗長をとる場合、0系と1系でノード数が異なる場合がある。その場合、MEP点からOAMパケットを挿入し、MIP点で終端もしくは折り返し処理をする場合のホップ数が0系と1系とで異なる。例えば、図1の場合、MEPノードAからMIPノードHを対象とした試験を行う場合を考えると、MEPノードAのホップ数を0としたMIPノードHのホップ数が、0系では6となり、1系では5となる。
【0012】
そのため、セグメント区間における自動切替契機の発生(リンクダウン、故障発生等)により、LSPの系が切り替わった場合、MEPノードAにおいて対象ノードを指定するために用いる(TTLとして用いる)ホップ数の管理が不明確となり、正確なOAM試験を実施できない恐れがある。
【0013】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、パケット通信ネットワークにおいて運用中のパスの経路(系)を把握し、把握した経路上のノードの正確なホップ数を取得し、試験を行うことを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明は、パケットの通信路が冗長化されたパケット通信ネットワークにおける当該通信路上の各ノードのホップ数を管理する情報処理装置であって、前記通信路の系毎に、通信路上の各ノードのホップ数を格納するホップ数格納手段と、前記通信路の系を示す系情報を格納する系情報格納手段と、前記通信路上の所定のノードから通信路切替信号を受信することにより前記通信路の系の切り替えを検出し、切り替えられた後の系情報を前記系情報格納手段に格納する通信路切替検出手段と、前記系情報格納手段に格納された系に対応する通信路上の特定ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段から取得し、当該ホップ数を、前記通信路における特定ノードを指定した試験を行うために使用する試験機能手段と、を備えたことを特徴とする情報処理装置として構成される。
【0015】
前記情報処理装置は、例えば、前記パケット通信ネットワークの監視制御を行うネットワーク監視装置である。このとき、前記通信路切替検出手段により前記通信路切替信号が受信されたときに、ホップ数検出命令信号を前記通信路の終端ノードに送信し、ホップ数検出のための処理を実行した当該終端ノードから、ホップ数を含む処理結果を受信し、当該処理結果に基づいて、前記通信路上の各ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段に格納するホップ数取得手段を更に備えてもよい。
【0016】
また、前記情報処理装置は、例えば、前記通信路における終端ノードとしてのパケット通信装置の一部を構成する装置であってもよい。このとき、前記通信路切替検出手段により前記通信路切替信号が受信されたときに、前記通信路上の各ノードのホップ数を検出するための処理を実行し、処理結果に基づいて、前記通信路上の各ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段に格納するホップ数取得手段を更に備えてもよい。
【0017】
また、本発明は、上記情報処理装置が実行するネットワーク試験方法として構成してもよく、更に、コンピュータを、上記情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラムとして構成してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、パケット通信ネットワークにおいて運用中のパスの経路(系)を把握し、把握した経路上のノードの正確なホップ数を取得することが可能となり、ホップ数を指定して対象ノードを特定して行うOAM試験を正確かつ迅速に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来技術の課題を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシステムの全体構成図である。
【図3】第1の実施の形態に係るネットワーク監視装置10の機能構成図である。
【図4】ホップ数格納部に格納される情報の例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係るネットワーク監視装置10の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係るパケット通信装置20の機能構成図である。
【図7】第2の実施の形態に係るパケット通信装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態に係るネットワーク監視装置10の機能構成図である。
【図9】第3の実施の形態に係るネットワーク監視装置10の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】第4の実施の形態に係るパケット通信装置20の機能構成図である。
【図11】第4の実施の形態に係るパケット通信装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の第1〜第4の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する第1と第3の実施の形態は、例えば、ネットワークを集中管理した際に用いられる形態であり、第2と第4の実施の形態は、例えば、ネットワークを分散管理した際に用いられる形態である。
【0021】
<第1の実施の形態>
(システム構成)
図2に本発明の第1の実施の形態におけるシステムの全体構成を示す。図2に示すように、本実施の形態に係るシステムは、図1で示したMPLS-TPネットワークと同様のノード構成からなるMPLS-TPネットワークと、ネットワーク監視装置10とを有する。MPLS-TPネットワークの各ノードとネットワーク監視装置10とは、データ通信可能なように所定のネットワーク5で接続されている。また、図2には、図1と同様に、MEPノードAを起点とした各ノードのホップ数が示されている。
【0022】
MPLS-TPネットワークの各ノードは、MPLS-TPに準拠したパケットトランスポート技術に基づいてLSPを構築し、パケット転送を行うパケット通信装置である。各パケット通信装置は、パケット転送機能の他、MPLS-TPのOAM機能、LSP自動切替機能、ネットワーク監視装置10に対して切替通知や故障通知を行う機能、ネットワーク監視装置10からの命令に従って設定や試験を行う機能等を含む。なお、ネットワーク監視装置10は、情報処理装置の一種である。
【0023】
また、図2に示すMPLS-TPネットワークでは、MEPノードA,I間で、LSPが設定されるものとする。当該LSPは、0系では、MIPノードD、Eを通る経路を経由し、1系では、MIPノードFを通る経路を経由する。MEPノードAとMIPノードB間、及びMIPノードGとMEPノードI間に関しては、0系、1系ともにLSPの経路は同じである。
【0024】
本実施の形態では、便宜上、0系を現用系とし、1系の予備系とし、通常は0系を用いることとし、0系の経路のセグメント区間で障害が発生した場合は、LSP自動切替により、0系のLSPから1系のLSPに切り替わるものとする。また、本実施の形態では、ホップ数を用いて対象ノードを指定するOAM試験はMEPノードAから行うことを想定し、ホップ数としては、MEPノードAからMEPノードBに向かう方向に増加するホップ数を用いる。
【0025】
図3に、本実施の形態に係るネットワーク監視装置10の機能構成図を示す。図3に示すように、ネットワーク監視装置10は、LSP切替検出部12、OAM試験命令部13、ホップ数格納部14、系情報格納部15を備える。なお、図3に示す機能構成は、ネットワーク監視装置10が有する全ての機能のうち、特に本発明の実施の形態に関わる機能を示すものである。
【0026】
ホップ数格納部14は、各系の経路毎に、各ノードのホップ数を格納する機能部である。図4に、図2の構成に対応してホップ数格納部14に格納される情報を示す。ただし、図4に示す内容は、ホップ数格納部14に格納される情報の内容を分かりやすく示したものであり、実際のホップ数格納部14に格納される情報のデータ構造は、図4に示したものに限られない。本実施の形態では、ホップ数格納部14へは、何らかの方法で事前にホップ数を格納しておく。
【0027】
系情報格納部15は、運用中のLSPの系を示す情報を格納する機能部である。
【0028】
LSP切替検出部12は、MPLS-TPネットワークにおいて、セグメント冗長の切替端点であるノード(図2の例では、MIPノードC又はG)からLSP切替通知を受信することにより、LSPの切り替えが行われたことを検出し、系情報格納部15に格納された系を変更する機能部である。例えば、ネットワーク監視装置10が、運用中の初期の系を把握していること、及び、系が2つであることを前提とすれば、LSP切替通知は、切り替えが行われたことを示す情報であればどのような情報でもよい。具体的には、0系のLSPで運用中であるときに、MIPノードDとE間で障害が発生し、LSPが1系に切り替わった場合に、LSP切替検出部12は、MIPノードG等からLSPの切り替えが発生したことを示すLSP切替通知を受信し、系情報格納部15に格納された系の情報を0系から1系に変更する。
【0029】
また、上記の前提の有無に関わらず、LSP切替通知として、切り替え後の系(0系か1系)を示す情報を用いてもよい。
【0030】
OAM試験命令部13は、各ノードに対してOAM試験の実施を命令する機能部である。本実施の形態では、OAM試験命令部13は、ホップ数格納部14に格納されたホップ数、及び系情報格納部15に格納された現在の系に基づき、MEPノードAに対して、現在の系に対応したホップ数を用いて、特定のノードに対するループバック試験等の試験を行うよう命令する。
【0031】
ネットワーク監視装置10は、コンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、ネットワーク監視装置10において、各部が有する機能は、当該装置を構成するコンピュータに内蔵されるCPUやメモリなどのハードウェア資源を用いて、各部で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。また、当該プログラムは、当該プログラムを記録したFD、CD−ROM、DVDなどの記録媒体や、インターネットなどのネットワークを介して市場に流通させることができる。他の実施の形態のネットワーク監視装置10についても同様である。
【0032】
(システムの動作)
以下、第1の実施の形態に係るネットワーク監視装置10に関する動作を、図5のフローチャートに沿って説明する。
【0033】
ステップ1において、まず、ネットワーク監視装置10のホップ数格納部14に、系毎に各ノードのホップ数を格納する。これにより、ホップ数格納部14には、図4に示すホップ数が格納される。ここで格納するホップ数は、例えば、ネットワーク設計情報から把握したものでもよいし、事前に系毎にMEPノードAからルートトレーシングを行って把握した情報でもよい。
【0034】
また、格納する方法は、ネットワーク監視装置10のユーザインターフェースを用いて人手で格納してもよいし、通信ネットワークや記録媒体を介して電子データとして格納してもよい。
【0035】
その後、ある時点で、0系のLSPのセグメント区間において、MIPノードDとE間で障害が発生し、1系への切り替えが行われたものとする。すると、ステップ2において、ネットワーク監視装置10のLSP切替検出部12は、セグメント冗長の切替端点であるMIPノードG等からLSP切替通知を受信する。
【0036】
ステップ3で、LSP切替通知を受信したLSP切替検出部12は、LSPが0系から1系に切り替わったことを検知し、運用中の系が1系であることを示す情報を系情報格納部15に格納する。
【0037】
これにより、ネットワーク監視装置10において、系情報格納部15に格納された情報と、ホップ数格納部14に格納された情報とに基づき、現在運用中の系における各ノードのホップ数を把握可能となる。
【0038】
続いて、ステップ4にて、特定のノードを対象として、ホップ数を用いたOAM試験を行う必要が発生したものとすると、OAM試験命令部13は、系情報格納部15に格納された情報から現在の系を取得し、その系に対応した対象ノードのホップ数をホップ数格納部14から取得し、当該ホップ数に基づきTTLの値を設定して当該ノードに対するOAM試験を行うようMEPノードAに対して命令する(具体的には、OAMパケット送信コマンドを送信する)。
【0039】
例えば、MIPノードHに対するループバック試験を行うものとすると、OAM試験命令部13は、現在の系である1系に対応するMIPノードHのホップ数である5をホップ数格納部14から取得し、当該ホップ数を用いて試験を行うようMEPノードAに対して命令する。
【0040】
<第2の実施の形態>
続いて、第2の実施の形態を説明する。
【0041】
(システム構成)
第2の実施の形態におけるシステムの全体構成は図2に示した第1の実施の形態と同じであるが、第2の実施の形態は、系毎のホップ数の管理及び系の把握を行うための構成をMEPノード(本例では、MEPノードA)が備える点で第1の実施の形態と異なる。
【0042】
また、本実施の形態では、セグメント冗長の端点にあるMIPノードCが、上流にあるMEPノードAに対してインバンドでLSP切替通知を行う機能を備えるものとする。インバンドでのLSP切替通知としては、例えば、故障通知信号にLSP切替に関する情報を含めて通知する方法を用いることができる。なお、MIPノードCからMEPノードAへのLSP切替通知は、インバンドに限るわけではなく、制御ネットワーク等を介して、アウトバンドで通知することとしてもよい。
【0043】
図6に、本実施の形態におけるMEPノードAに相当するパケット通信装置20の機能構成図を示す。
【0044】
図6に示すように、パケット通信装置20は、LSP切替検出部22、OAM試験実行部23、ホップ数格納部24、系情報格納部25を備える。なお、図6に示す機能構成は、パケット通信装置20が有する全ての機能のうち、特に本発明の実施の形態に関わる機能を示すものである。図6に示すパケット通信装置20の各機能部は、基本的に図3に示したネットワーク監視装置10の各機能部と同じであるが、パケット通信装置20がLSPを構成する装置である点で、情報の送受信や取得方法に相違がある。なお、パケット通信装置20は、情報処理装置の一種である。
【0045】
ホップ数格納部24は、各系のLSPの経路毎に、各ノードのホップ数を格納する機能部である。図2の構成に対応してホップ数格納部24に格納される情報は図4に示したとおりである。系情報格納部25は、運用中のLSPの系を示す情報を格納する機能部である。
【0046】
LSP切替検出部22は、MPLS-TPネットワークにおいて、セグメント冗長の切替端点であるノード(例えば、図2の例では、MIPノードC)からLSP切替通知をインバンドで受信することにより、LSPの切り替えが行われたことを検出し、系情報格納部25に格納された系を変更する機能部である。LSP切替通知の内容は、第1の実施の形態と同様である。
【0047】
OAM試験実行部23は、LSPの経路上のノードを対象としたOAM試験を実施する。本実施の形態では、OAM試験実行部23は、ホップ数格納部24に格納されたホップ数、及び系情報格納部25に格納された現在の系に基づき、現在の系に対応したホップ数を用いて、特定のノードに対する試験を実行する。
【0048】
パケット通信装置20における実施の形態に係る機能は、例えばパケット通信装置20としてのルータやスイッチ等において、ハードウェア回路として備えてもよいし、パケット通信装置20に含まれるコンピュータ(CPU、メモリ等を含む構成)に、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現してもよい。当該プログラムは、当該プログラムを記録したFD、CD−ROM、DVDなどの記録媒体や、インターネットなどのネットワークを介して市場に流通させることができる。他の実施の形態のパケット通信装置20についても同様である。
【0049】
(システムの動作)
以下、第2の実施の形態に係るパケット通信装置20(=MEPノードA)に関する動作を、図7のフローチャートに沿って説明する。
【0050】
ステップ21において、まず、パケット通信装置20のホップ数格納部24に、系毎に各ノードのホップ数を格納する。これにより、ホップ数格納部24には、図4に示すホップ数が格納される。ここで格納するホップ数は、例えば、ネットワーク設計情報から把握したものでもよいし、個別にパケット通信装置20からルートトレーシングを行って把握した情報でもよい。
【0051】
また、格納する方法は、パケット通信装置20に端末を接続して人手で格納してもよいし、通信ネットワークや記録媒体を介して電子データとして格納してもよい。
【0052】
その後、ある時点で、0系のLSPのセグメント区間において、MIPノードDとE間で障害が発生し、1系への切り替えが行われたものとする。すると、ステップ22において、パケット通信装置20のLSP切替検出部22は、セグメント冗長の切替端点であるMIPノードCからLSP切替通知をインバンドで受信する。
【0053】
ステップ23で、LSP切替通知を受信したLSP切替検出部22は、LSPの経路が0系から1系に切り替わったことを検知し、運用中の系が1系であることを示す情報を系情報格納部25に格納する。
【0054】
これにより、パケット通信装置20において、系情報格納部25に格納された情報と、ホップ数格納部24に格納された情報とに基づき、現在運用中の系における各ノードのホップ数を把握可能となる。
【0055】
続いて、ステップ24にて、特定のMIPノードを対象として、ホップ数を用いたOAM試験を行う必要が発生したものとすると、例えばネットワーク監視装置10からの特定ノードを指示した命令に基づいて、OAM試験実行部23は、系情報格納部25に格納された情報から現在の系を取得し、その系に対応した対象ノードのホップ数をホップ数格納部24から取得し、当該ホップ数に基づきTTLの値を設定して当該ノードに対するOAM試験を実行する。
【0056】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態からの変形例である。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心にして説明する。以下で、説明していない事項は、基本的に第1の実施の形態と同じである。
【0057】
図8に、本実施の形態に係るネットワーク監視装置10の機能構成図を示す。図8に示すように、ネットワーク監視装置10は、ホップ数取得部11、LSP切替検出部12、OAM試験命令部13、ホップ数格納部14、系情報格納部15を備える。すなわち、ホップ数取得部11を備える点が第1の実施の形態と異なる。
【0058】
ホップ数取得部11は、MEPノードAに対し、LSPを指定してMEPノードIまでのルートトレーシングを行うことを命令し、ルートトレーシングを実行したMEPノードAから受信するルートトレーシング結果から、現在運用中の系のLSPの経路上の各ノードのホップ数を取得し、得られたホップ数を、ホップ数格納部14に格納する機能部である。なお、上記命令のための信号は、ホップ数検出命令信号と呼ぶことができる。また、既に何らかの方法で取得したホップ数がホップ数格納部14に格納されている場合は、既に格納されたホップ数を、新たに得られたホップ数で更新する。いずれの場合も、得られたホップ数を格納することである。なお、ホップ数取得部11は、OAM試験命令部13の中の1機能として備えることとしてもよい。
【0059】
以下、第3の実施の形態に係るネットワーク監視装置10に関する動作を、図9のフローチャートに沿って説明する。なお、本例では、ホップ数格納部14に、予めホップ数が格納されていないものとする。もしくは、第1の実施の形態と同様にしてホップ数が事前に格納してあるが、ホップ数の管理等があまり行われていない状況を想定する。
【0060】
ステップ31において、例えば、ネットワーク管理者による命令をトリガーにして、ホップ数取得部11が、MEPノードAに対して、MEPノードIまでのルートトレーシングを実行させることにより、運用中である0系の各ノードのホップ数を取得し、ホップ数格納部14に格納する。これにより、0系の経路の各ノードの正確なホップ数を取得できる。
【0061】
ステップ32〜ステップ33は、第1の実施の形態における図5のステップ2〜ステップ3と同じである。
【0062】
本実施の形態では、系切替を検知した後(LSP切替通知を受信したとき)に、自動的に、ステップ34において、ホップ数取得部11が、MEPノードAに対して、MEPノードIまでのルートトレーシングを実行させることにより、切り替え後に運用中である1系の各ノードのホップ数を取得し、ホップ数格納部14に格納する。これにより、1系の経路の各ノードの正確なホップ数を取得できる。ステップ35は、第1の実施の形態でのステップ4と同じである。
【0063】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態を説明する。第4の実施の形態は、第2の実施の形態からの変形例である。以下、第2の実施の形態と異なる点を中心にして説明する。以下で、説明していない事項は、基本的に第2の実施の形態と同じである。
【0064】
図10に、本実施の形態に係るパケット通信装置20(MEPノードAに対応)の機能構成図を示す。図10に示すように、パケット通信装置20は、ホップ数取得部21、LSP切替検出部22、OAM試験実行部23、ホップ数格納部24、系情報格納部25を備える。すなわち、ホップ数取得部21を備える点が第2の実施の形態と異なる。
【0065】
ホップ数取得部21は、LSPを指定してMEPノードIまでのルートトレーシングを行い、得られたルートトレーシング結果から、現在運用中の系のLSPの経路上の各ノードのホップ数を取得し、得られたホップ数を、ホップ数格納部24に格納する機能部である。また、既に何らかの方法で取得したホップ数がホップ数格納部24に格納されている場合は、既に格納されたホップ数を、新たに得られたホップ数で更新する。いずれの場合も、得られたホップ数を格納することである。なお、ホップ数取得部21は、OAM試験実行部23の中の1機能として備えることとしてもよい。
【0066】
以下、第4の実施の形態に係るパケット通信装置20(=MEPノードA)に関する動作を、図11のフローチャートに沿って説明する。なお、本例では、ホップ数格納部24に、予めホップ数が格納されていないものとする。もしくは、第2の実施の形態と同様にしてホップ数が事前に格納してあるが、ホップ数の管理等があまり行われていない状況を想定する。
【0067】
ステップ41において、例えば、ネットワーク管理者による命令をトリガーにして、ホップ数取得部21が、MEPノードIまでのルートトレーシングを実行し、運用中である0系の各ノードのホップ数を取得し、ホップ数格納部24に格納する。これにより、0系の経路の各ノードの正確なホップ数を取得できる。
【0068】
ステップ42〜ステップ43は、第2の実施の形態における図7のステップ22〜ステップ23と同じである。
【0069】
本実施の形態では、系切替を検知した後(LSP切替通知を受信したとき)に、自動的に、ステップ44において、ホップ数取得部21が、MEPノードIまでのルートトレーシングを実行することにより、切り替え後に運用中である1系の各ノードのホップ数を取得し、ホップ数格納部24に格納する。これにより、1系の経路の各ノードの正確なホップ数を取得できる。ステップ45は、第2の実施の形態でのステップ24と同じである。
【0070】
<実施の形態の効果>
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る技術を用いることにより、MPLS-TPネットワークにおいて運用中の通信路の経路(系)を把握し、把握した経路上の各ノードの正確なホップ数を取得し、正確なホップ数に基づいてOAMパケットにTTL値を設定することができる。従って、セグメント冗長により切り替えが行われるような場合であっても、正確なOAM試験を迅速に行うことが可能となる。
【0071】
また、特に第3、第4の実施の形態によれば、系切替後に、ホップ数の取得を自動的に行うことができるので、切替後に管理するホップ数の正確性を担保することができる。
【0072】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。例えば、本実施の形態では、MPLS-TPを前提に説明したが、本発明はMPLS-TPに限らず、パケットの通信路(LSPや、その他のパス)を冗長構成とすることが可能であって、OAM試験において特定ノードを指定する際に、ホップ数を用いて指定する通信方式であれば、どのような通信方式にでも適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 ネットワーク監視装置
11 ホップ数取得部
12 LSP切替検出部
13 OAM試験命令部
14 ホップ数格納部
15 系情報格納部
20 パケット通信装置
21 ホップ数取得部
22 LSP切替検出部
23 OAM試験実行部
24 ホップ数格納部
25 系情報格納部
【技術分野】
【0001】
本発明は、MPLS-TP等のパケット通信ネットワークに関し、特に、各ノードのホップ数を管理し、当該ホップ数を用いてOAM試験等を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パケット伝送網を実現するためのパケットトランスポート技術としてMPLS-TP(Multi Protocol Label Switching Transport Profile)が普及してきている。MPLS-TPでは、ネットワークの運用状態や性能等を把握するために、様々なOAM(Operation Administration and Maintenance)が提案されている。このOAM機能を用いることにより、LSP(Label Switched Path)単位での常時の故障監視や性能試験が可能となる。
【0003】
MPLS-TPのOAMでは、管理点としてMEP(Maintenance End Point)、及びMIP(Maintenance Intermediate Point)を用いる。基本的に、OAMパケットはMEP点でのみ挿入/終端を行うことができ、MEP点もしくはMIP点で折り返すことができる。
【0004】
ここで、MPLS−TPのOAMにおけるループバック試験や接続性試験等では、OAMパケットを送出するMEP点のノードから、対象ノード(MIP点でもMEP点でもよい)を指定するために、TTL(Time To Live)の減算方式を用いている。一例として、あるノードAからみて、HOP(ホップ)数が3であるノードBを指定したループバック試験をする場合、ノードAにおいてTTL=3としたOAMパケットを挿入し、OAMパケットを受信する各ノードでは1だけTTLを減算して転送し、TTLが0となるノードBで、OAMパケットをノードAに向けて折り返す。
【0005】
一方、MPLS-TP網内のホップ数を調べる技術としてルートトレーシング(Route Tracing)がある。MPLS-TPのルートトレーシングは、IP-TraceRouteやMPLS-Tracerouteと同様の方式であり、例えば、パス端点のノードまでTTLを1つづつ増やしながらルート(ホップ数情報を含む)を調査する方式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−60218号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】IETF RFC05860
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
MPLS-TPのOAMにはMEP-MEP間のみで行われる試験機能と、上記のループバック試験等のようにMEP-MIP間も試験ができる機能が想定されている。これらのうち、MEP-MEP間の試験の場合は、TTL値にかかわらず、OAMパケットはこれらMEPノードで終端されるため、MEP-MEP間のみで行われる試験の場合は、TTLはOAM機能としては不要となる。
【0009】
一方、MEP-MIP間の試験では、TTLとして用いるホップ数の管理が重要となる。つまり、MPLS-TPのOAMにおけるMEP-MIP間の試験では、IP-PingにおけるIPアドレスのように特定のアドレスに向けてパケットを送信するわけではなく、ホップ数を用いて挿入ノード(MEP)からの距離で対象のノード(MIP)を指定しているため、ホップ数が誤っていると、そもそも試験の正確性が損なわれることになる。
【0010】
図1を参照してこの問題を説明する。図1に示すMPLS-TPネットワークは、図示するとおりOAM終端点となる2つのMEPノードA、I間に複数のMIPノードB〜Hがリンク接続された構成であり、MIPノードCとMIPノードG間のセグメント区間で複数経路(セグメント冗長経路)を備えることにより、0系(現用系)、1系(予備系)のLSP冗長構成をとっている。LSPは、0系では、ノードD、Eを経由し、1系ではノードFを経由する。
【0011】
図1に示す例のように、MPLS-TPのLSP冗長をとる場合、0系と1系でノード数が異なる場合がある。その場合、MEP点からOAMパケットを挿入し、MIP点で終端もしくは折り返し処理をする場合のホップ数が0系と1系とで異なる。例えば、図1の場合、MEPノードAからMIPノードHを対象とした試験を行う場合を考えると、MEPノードAのホップ数を0としたMIPノードHのホップ数が、0系では6となり、1系では5となる。
【0012】
そのため、セグメント区間における自動切替契機の発生(リンクダウン、故障発生等)により、LSPの系が切り替わった場合、MEPノードAにおいて対象ノードを指定するために用いる(TTLとして用いる)ホップ数の管理が不明確となり、正確なOAM試験を実施できない恐れがある。
【0013】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、パケット通信ネットワークにおいて運用中のパスの経路(系)を把握し、把握した経路上のノードの正確なホップ数を取得し、試験を行うことを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明は、パケットの通信路が冗長化されたパケット通信ネットワークにおける当該通信路上の各ノードのホップ数を管理する情報処理装置であって、前記通信路の系毎に、通信路上の各ノードのホップ数を格納するホップ数格納手段と、前記通信路の系を示す系情報を格納する系情報格納手段と、前記通信路上の所定のノードから通信路切替信号を受信することにより前記通信路の系の切り替えを検出し、切り替えられた後の系情報を前記系情報格納手段に格納する通信路切替検出手段と、前記系情報格納手段に格納された系に対応する通信路上の特定ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段から取得し、当該ホップ数を、前記通信路における特定ノードを指定した試験を行うために使用する試験機能手段と、を備えたことを特徴とする情報処理装置として構成される。
【0015】
前記情報処理装置は、例えば、前記パケット通信ネットワークの監視制御を行うネットワーク監視装置である。このとき、前記通信路切替検出手段により前記通信路切替信号が受信されたときに、ホップ数検出命令信号を前記通信路の終端ノードに送信し、ホップ数検出のための処理を実行した当該終端ノードから、ホップ数を含む処理結果を受信し、当該処理結果に基づいて、前記通信路上の各ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段に格納するホップ数取得手段を更に備えてもよい。
【0016】
また、前記情報処理装置は、例えば、前記通信路における終端ノードとしてのパケット通信装置の一部を構成する装置であってもよい。このとき、前記通信路切替検出手段により前記通信路切替信号が受信されたときに、前記通信路上の各ノードのホップ数を検出するための処理を実行し、処理結果に基づいて、前記通信路上の各ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段に格納するホップ数取得手段を更に備えてもよい。
【0017】
また、本発明は、上記情報処理装置が実行するネットワーク試験方法として構成してもよく、更に、コンピュータを、上記情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラムとして構成してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、パケット通信ネットワークにおいて運用中のパスの経路(系)を把握し、把握した経路上のノードの正確なホップ数を取得することが可能となり、ホップ数を指定して対象ノードを特定して行うOAM試験を正確かつ迅速に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来技術の課題を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシステムの全体構成図である。
【図3】第1の実施の形態に係るネットワーク監視装置10の機能構成図である。
【図4】ホップ数格納部に格納される情報の例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係るネットワーク監視装置10の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係るパケット通信装置20の機能構成図である。
【図7】第2の実施の形態に係るパケット通信装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態に係るネットワーク監視装置10の機能構成図である。
【図9】第3の実施の形態に係るネットワーク監視装置10の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】第4の実施の形態に係るパケット通信装置20の機能構成図である。
【図11】第4の実施の形態に係るパケット通信装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の第1〜第4の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する第1と第3の実施の形態は、例えば、ネットワークを集中管理した際に用いられる形態であり、第2と第4の実施の形態は、例えば、ネットワークを分散管理した際に用いられる形態である。
【0021】
<第1の実施の形態>
(システム構成)
図2に本発明の第1の実施の形態におけるシステムの全体構成を示す。図2に示すように、本実施の形態に係るシステムは、図1で示したMPLS-TPネットワークと同様のノード構成からなるMPLS-TPネットワークと、ネットワーク監視装置10とを有する。MPLS-TPネットワークの各ノードとネットワーク監視装置10とは、データ通信可能なように所定のネットワーク5で接続されている。また、図2には、図1と同様に、MEPノードAを起点とした各ノードのホップ数が示されている。
【0022】
MPLS-TPネットワークの各ノードは、MPLS-TPに準拠したパケットトランスポート技術に基づいてLSPを構築し、パケット転送を行うパケット通信装置である。各パケット通信装置は、パケット転送機能の他、MPLS-TPのOAM機能、LSP自動切替機能、ネットワーク監視装置10に対して切替通知や故障通知を行う機能、ネットワーク監視装置10からの命令に従って設定や試験を行う機能等を含む。なお、ネットワーク監視装置10は、情報処理装置の一種である。
【0023】
また、図2に示すMPLS-TPネットワークでは、MEPノードA,I間で、LSPが設定されるものとする。当該LSPは、0系では、MIPノードD、Eを通る経路を経由し、1系では、MIPノードFを通る経路を経由する。MEPノードAとMIPノードB間、及びMIPノードGとMEPノードI間に関しては、0系、1系ともにLSPの経路は同じである。
【0024】
本実施の形態では、便宜上、0系を現用系とし、1系の予備系とし、通常は0系を用いることとし、0系の経路のセグメント区間で障害が発生した場合は、LSP自動切替により、0系のLSPから1系のLSPに切り替わるものとする。また、本実施の形態では、ホップ数を用いて対象ノードを指定するOAM試験はMEPノードAから行うことを想定し、ホップ数としては、MEPノードAからMEPノードBに向かう方向に増加するホップ数を用いる。
【0025】
図3に、本実施の形態に係るネットワーク監視装置10の機能構成図を示す。図3に示すように、ネットワーク監視装置10は、LSP切替検出部12、OAM試験命令部13、ホップ数格納部14、系情報格納部15を備える。なお、図3に示す機能構成は、ネットワーク監視装置10が有する全ての機能のうち、特に本発明の実施の形態に関わる機能を示すものである。
【0026】
ホップ数格納部14は、各系の経路毎に、各ノードのホップ数を格納する機能部である。図4に、図2の構成に対応してホップ数格納部14に格納される情報を示す。ただし、図4に示す内容は、ホップ数格納部14に格納される情報の内容を分かりやすく示したものであり、実際のホップ数格納部14に格納される情報のデータ構造は、図4に示したものに限られない。本実施の形態では、ホップ数格納部14へは、何らかの方法で事前にホップ数を格納しておく。
【0027】
系情報格納部15は、運用中のLSPの系を示す情報を格納する機能部である。
【0028】
LSP切替検出部12は、MPLS-TPネットワークにおいて、セグメント冗長の切替端点であるノード(図2の例では、MIPノードC又はG)からLSP切替通知を受信することにより、LSPの切り替えが行われたことを検出し、系情報格納部15に格納された系を変更する機能部である。例えば、ネットワーク監視装置10が、運用中の初期の系を把握していること、及び、系が2つであることを前提とすれば、LSP切替通知は、切り替えが行われたことを示す情報であればどのような情報でもよい。具体的には、0系のLSPで運用中であるときに、MIPノードDとE間で障害が発生し、LSPが1系に切り替わった場合に、LSP切替検出部12は、MIPノードG等からLSPの切り替えが発生したことを示すLSP切替通知を受信し、系情報格納部15に格納された系の情報を0系から1系に変更する。
【0029】
また、上記の前提の有無に関わらず、LSP切替通知として、切り替え後の系(0系か1系)を示す情報を用いてもよい。
【0030】
OAM試験命令部13は、各ノードに対してOAM試験の実施を命令する機能部である。本実施の形態では、OAM試験命令部13は、ホップ数格納部14に格納されたホップ数、及び系情報格納部15に格納された現在の系に基づき、MEPノードAに対して、現在の系に対応したホップ数を用いて、特定のノードに対するループバック試験等の試験を行うよう命令する。
【0031】
ネットワーク監視装置10は、コンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、ネットワーク監視装置10において、各部が有する機能は、当該装置を構成するコンピュータに内蔵されるCPUやメモリなどのハードウェア資源を用いて、各部で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。また、当該プログラムは、当該プログラムを記録したFD、CD−ROM、DVDなどの記録媒体や、インターネットなどのネットワークを介して市場に流通させることができる。他の実施の形態のネットワーク監視装置10についても同様である。
【0032】
(システムの動作)
以下、第1の実施の形態に係るネットワーク監視装置10に関する動作を、図5のフローチャートに沿って説明する。
【0033】
ステップ1において、まず、ネットワーク監視装置10のホップ数格納部14に、系毎に各ノードのホップ数を格納する。これにより、ホップ数格納部14には、図4に示すホップ数が格納される。ここで格納するホップ数は、例えば、ネットワーク設計情報から把握したものでもよいし、事前に系毎にMEPノードAからルートトレーシングを行って把握した情報でもよい。
【0034】
また、格納する方法は、ネットワーク監視装置10のユーザインターフェースを用いて人手で格納してもよいし、通信ネットワークや記録媒体を介して電子データとして格納してもよい。
【0035】
その後、ある時点で、0系のLSPのセグメント区間において、MIPノードDとE間で障害が発生し、1系への切り替えが行われたものとする。すると、ステップ2において、ネットワーク監視装置10のLSP切替検出部12は、セグメント冗長の切替端点であるMIPノードG等からLSP切替通知を受信する。
【0036】
ステップ3で、LSP切替通知を受信したLSP切替検出部12は、LSPが0系から1系に切り替わったことを検知し、運用中の系が1系であることを示す情報を系情報格納部15に格納する。
【0037】
これにより、ネットワーク監視装置10において、系情報格納部15に格納された情報と、ホップ数格納部14に格納された情報とに基づき、現在運用中の系における各ノードのホップ数を把握可能となる。
【0038】
続いて、ステップ4にて、特定のノードを対象として、ホップ数を用いたOAM試験を行う必要が発生したものとすると、OAM試験命令部13は、系情報格納部15に格納された情報から現在の系を取得し、その系に対応した対象ノードのホップ数をホップ数格納部14から取得し、当該ホップ数に基づきTTLの値を設定して当該ノードに対するOAM試験を行うようMEPノードAに対して命令する(具体的には、OAMパケット送信コマンドを送信する)。
【0039】
例えば、MIPノードHに対するループバック試験を行うものとすると、OAM試験命令部13は、現在の系である1系に対応するMIPノードHのホップ数である5をホップ数格納部14から取得し、当該ホップ数を用いて試験を行うようMEPノードAに対して命令する。
【0040】
<第2の実施の形態>
続いて、第2の実施の形態を説明する。
【0041】
(システム構成)
第2の実施の形態におけるシステムの全体構成は図2に示した第1の実施の形態と同じであるが、第2の実施の形態は、系毎のホップ数の管理及び系の把握を行うための構成をMEPノード(本例では、MEPノードA)が備える点で第1の実施の形態と異なる。
【0042】
また、本実施の形態では、セグメント冗長の端点にあるMIPノードCが、上流にあるMEPノードAに対してインバンドでLSP切替通知を行う機能を備えるものとする。インバンドでのLSP切替通知としては、例えば、故障通知信号にLSP切替に関する情報を含めて通知する方法を用いることができる。なお、MIPノードCからMEPノードAへのLSP切替通知は、インバンドに限るわけではなく、制御ネットワーク等を介して、アウトバンドで通知することとしてもよい。
【0043】
図6に、本実施の形態におけるMEPノードAに相当するパケット通信装置20の機能構成図を示す。
【0044】
図6に示すように、パケット通信装置20は、LSP切替検出部22、OAM試験実行部23、ホップ数格納部24、系情報格納部25を備える。なお、図6に示す機能構成は、パケット通信装置20が有する全ての機能のうち、特に本発明の実施の形態に関わる機能を示すものである。図6に示すパケット通信装置20の各機能部は、基本的に図3に示したネットワーク監視装置10の各機能部と同じであるが、パケット通信装置20がLSPを構成する装置である点で、情報の送受信や取得方法に相違がある。なお、パケット通信装置20は、情報処理装置の一種である。
【0045】
ホップ数格納部24は、各系のLSPの経路毎に、各ノードのホップ数を格納する機能部である。図2の構成に対応してホップ数格納部24に格納される情報は図4に示したとおりである。系情報格納部25は、運用中のLSPの系を示す情報を格納する機能部である。
【0046】
LSP切替検出部22は、MPLS-TPネットワークにおいて、セグメント冗長の切替端点であるノード(例えば、図2の例では、MIPノードC)からLSP切替通知をインバンドで受信することにより、LSPの切り替えが行われたことを検出し、系情報格納部25に格納された系を変更する機能部である。LSP切替通知の内容は、第1の実施の形態と同様である。
【0047】
OAM試験実行部23は、LSPの経路上のノードを対象としたOAM試験を実施する。本実施の形態では、OAM試験実行部23は、ホップ数格納部24に格納されたホップ数、及び系情報格納部25に格納された現在の系に基づき、現在の系に対応したホップ数を用いて、特定のノードに対する試験を実行する。
【0048】
パケット通信装置20における実施の形態に係る機能は、例えばパケット通信装置20としてのルータやスイッチ等において、ハードウェア回路として備えてもよいし、パケット通信装置20に含まれるコンピュータ(CPU、メモリ等を含む構成)に、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現してもよい。当該プログラムは、当該プログラムを記録したFD、CD−ROM、DVDなどの記録媒体や、インターネットなどのネットワークを介して市場に流通させることができる。他の実施の形態のパケット通信装置20についても同様である。
【0049】
(システムの動作)
以下、第2の実施の形態に係るパケット通信装置20(=MEPノードA)に関する動作を、図7のフローチャートに沿って説明する。
【0050】
ステップ21において、まず、パケット通信装置20のホップ数格納部24に、系毎に各ノードのホップ数を格納する。これにより、ホップ数格納部24には、図4に示すホップ数が格納される。ここで格納するホップ数は、例えば、ネットワーク設計情報から把握したものでもよいし、個別にパケット通信装置20からルートトレーシングを行って把握した情報でもよい。
【0051】
また、格納する方法は、パケット通信装置20に端末を接続して人手で格納してもよいし、通信ネットワークや記録媒体を介して電子データとして格納してもよい。
【0052】
その後、ある時点で、0系のLSPのセグメント区間において、MIPノードDとE間で障害が発生し、1系への切り替えが行われたものとする。すると、ステップ22において、パケット通信装置20のLSP切替検出部22は、セグメント冗長の切替端点であるMIPノードCからLSP切替通知をインバンドで受信する。
【0053】
ステップ23で、LSP切替通知を受信したLSP切替検出部22は、LSPの経路が0系から1系に切り替わったことを検知し、運用中の系が1系であることを示す情報を系情報格納部25に格納する。
【0054】
これにより、パケット通信装置20において、系情報格納部25に格納された情報と、ホップ数格納部24に格納された情報とに基づき、現在運用中の系における各ノードのホップ数を把握可能となる。
【0055】
続いて、ステップ24にて、特定のMIPノードを対象として、ホップ数を用いたOAM試験を行う必要が発生したものとすると、例えばネットワーク監視装置10からの特定ノードを指示した命令に基づいて、OAM試験実行部23は、系情報格納部25に格納された情報から現在の系を取得し、その系に対応した対象ノードのホップ数をホップ数格納部24から取得し、当該ホップ数に基づきTTLの値を設定して当該ノードに対するOAM試験を実行する。
【0056】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態からの変形例である。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心にして説明する。以下で、説明していない事項は、基本的に第1の実施の形態と同じである。
【0057】
図8に、本実施の形態に係るネットワーク監視装置10の機能構成図を示す。図8に示すように、ネットワーク監視装置10は、ホップ数取得部11、LSP切替検出部12、OAM試験命令部13、ホップ数格納部14、系情報格納部15を備える。すなわち、ホップ数取得部11を備える点が第1の実施の形態と異なる。
【0058】
ホップ数取得部11は、MEPノードAに対し、LSPを指定してMEPノードIまでのルートトレーシングを行うことを命令し、ルートトレーシングを実行したMEPノードAから受信するルートトレーシング結果から、現在運用中の系のLSPの経路上の各ノードのホップ数を取得し、得られたホップ数を、ホップ数格納部14に格納する機能部である。なお、上記命令のための信号は、ホップ数検出命令信号と呼ぶことができる。また、既に何らかの方法で取得したホップ数がホップ数格納部14に格納されている場合は、既に格納されたホップ数を、新たに得られたホップ数で更新する。いずれの場合も、得られたホップ数を格納することである。なお、ホップ数取得部11は、OAM試験命令部13の中の1機能として備えることとしてもよい。
【0059】
以下、第3の実施の形態に係るネットワーク監視装置10に関する動作を、図9のフローチャートに沿って説明する。なお、本例では、ホップ数格納部14に、予めホップ数が格納されていないものとする。もしくは、第1の実施の形態と同様にしてホップ数が事前に格納してあるが、ホップ数の管理等があまり行われていない状況を想定する。
【0060】
ステップ31において、例えば、ネットワーク管理者による命令をトリガーにして、ホップ数取得部11が、MEPノードAに対して、MEPノードIまでのルートトレーシングを実行させることにより、運用中である0系の各ノードのホップ数を取得し、ホップ数格納部14に格納する。これにより、0系の経路の各ノードの正確なホップ数を取得できる。
【0061】
ステップ32〜ステップ33は、第1の実施の形態における図5のステップ2〜ステップ3と同じである。
【0062】
本実施の形態では、系切替を検知した後(LSP切替通知を受信したとき)に、自動的に、ステップ34において、ホップ数取得部11が、MEPノードAに対して、MEPノードIまでのルートトレーシングを実行させることにより、切り替え後に運用中である1系の各ノードのホップ数を取得し、ホップ数格納部14に格納する。これにより、1系の経路の各ノードの正確なホップ数を取得できる。ステップ35は、第1の実施の形態でのステップ4と同じである。
【0063】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態を説明する。第4の実施の形態は、第2の実施の形態からの変形例である。以下、第2の実施の形態と異なる点を中心にして説明する。以下で、説明していない事項は、基本的に第2の実施の形態と同じである。
【0064】
図10に、本実施の形態に係るパケット通信装置20(MEPノードAに対応)の機能構成図を示す。図10に示すように、パケット通信装置20は、ホップ数取得部21、LSP切替検出部22、OAM試験実行部23、ホップ数格納部24、系情報格納部25を備える。すなわち、ホップ数取得部21を備える点が第2の実施の形態と異なる。
【0065】
ホップ数取得部21は、LSPを指定してMEPノードIまでのルートトレーシングを行い、得られたルートトレーシング結果から、現在運用中の系のLSPの経路上の各ノードのホップ数を取得し、得られたホップ数を、ホップ数格納部24に格納する機能部である。また、既に何らかの方法で取得したホップ数がホップ数格納部24に格納されている場合は、既に格納されたホップ数を、新たに得られたホップ数で更新する。いずれの場合も、得られたホップ数を格納することである。なお、ホップ数取得部21は、OAM試験実行部23の中の1機能として備えることとしてもよい。
【0066】
以下、第4の実施の形態に係るパケット通信装置20(=MEPノードA)に関する動作を、図11のフローチャートに沿って説明する。なお、本例では、ホップ数格納部24に、予めホップ数が格納されていないものとする。もしくは、第2の実施の形態と同様にしてホップ数が事前に格納してあるが、ホップ数の管理等があまり行われていない状況を想定する。
【0067】
ステップ41において、例えば、ネットワーク管理者による命令をトリガーにして、ホップ数取得部21が、MEPノードIまでのルートトレーシングを実行し、運用中である0系の各ノードのホップ数を取得し、ホップ数格納部24に格納する。これにより、0系の経路の各ノードの正確なホップ数を取得できる。
【0068】
ステップ42〜ステップ43は、第2の実施の形態における図7のステップ22〜ステップ23と同じである。
【0069】
本実施の形態では、系切替を検知した後(LSP切替通知を受信したとき)に、自動的に、ステップ44において、ホップ数取得部21が、MEPノードIまでのルートトレーシングを実行することにより、切り替え後に運用中である1系の各ノードのホップ数を取得し、ホップ数格納部24に格納する。これにより、1系の経路の各ノードの正確なホップ数を取得できる。ステップ45は、第2の実施の形態でのステップ24と同じである。
【0070】
<実施の形態の効果>
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る技術を用いることにより、MPLS-TPネットワークにおいて運用中の通信路の経路(系)を把握し、把握した経路上の各ノードの正確なホップ数を取得し、正確なホップ数に基づいてOAMパケットにTTL値を設定することができる。従って、セグメント冗長により切り替えが行われるような場合であっても、正確なOAM試験を迅速に行うことが可能となる。
【0071】
また、特に第3、第4の実施の形態によれば、系切替後に、ホップ数の取得を自動的に行うことができるので、切替後に管理するホップ数の正確性を担保することができる。
【0072】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。例えば、本実施の形態では、MPLS-TPを前提に説明したが、本発明はMPLS-TPに限らず、パケットの通信路(LSPや、その他のパス)を冗長構成とすることが可能であって、OAM試験において特定ノードを指定する際に、ホップ数を用いて指定する通信方式であれば、どのような通信方式にでも適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 ネットワーク監視装置
11 ホップ数取得部
12 LSP切替検出部
13 OAM試験命令部
14 ホップ数格納部
15 系情報格納部
20 パケット通信装置
21 ホップ数取得部
22 LSP切替検出部
23 OAM試験実行部
24 ホップ数格納部
25 系情報格納部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットの通信路が冗長化されたパケット通信ネットワークにおける当該通信路上の各ノードのホップ数を管理する情報処理装置であって、
前記通信路の系毎に、通信路上の各ノードのホップ数を格納するホップ数格納手段と、
前記通信路の系を示す系情報を格納する系情報格納手段と、
前記通信路上の所定のノードから通信路切替信号を受信することにより前記通信路の系の切り替えを検出し、切り替えられた後の系情報を前記系情報格納手段に格納する通信路切替検出手段と、
前記系情報格納手段に格納された系に対応する通信路上の特定ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段から取得し、当該ホップ数を、前記通信路における特定ノードを指定した試験を行うために使用する試験機能手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記パケット通信ネットワークの監視制御を行うネットワーク監視装置であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通信路切替検出手段により前記通信路切替信号が受信されたときに、ホップ数検出命令信号を前記通信路の終端ノードに送信し、ホップ数検出のための処理を実行した当該終端ノードから、ホップ数を含む処理結果を受信し、当該処理結果に基づいて、前記通信路上の各ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段に格納するホップ数取得手段
を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記通信路における終端ノードとしてのパケット通信装置であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通信路切替検出手段により前記通信路切替信号が受信されたときに、前記通信路上の各ノードのホップ数を検出するための処理を実行し、処理結果に基づいて、前記通信路上の各ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段に格納するホップ数取得手段
を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
パケットの通信路が冗長化されたパケット通信ネットワークにおける当該通信路上の各ノードのホップ数を管理する情報処理装置が実行するネットワーク試験方法であって、
前記情報処理装置は、前記通信路の系毎に、通信路上の各ノードのホップ数を格納するホップ数格納手段と、前記通信路の系を示す系情報を格納する系情報格納手段と、を備え、前記ネットワーク試験方法は、
前記通信路上の所定のノードから通信路切替信号を受信することにより前記通信路の系の切り替えを検出し、切り替えられた後の系情報を前記系情報格納手段に格納する通信路切替検出ステップと、
前記系情報格納手段に格納された系に対応する通信路上の特定ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段から取得し、当該ホップ数を、前記通信路における特定ノードを指定した試験を行うために使用する試験ステップと、
を備えたことを特徴とするネットワーク試験方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
パケットの通信路が冗長化されたパケット通信ネットワークにおける当該通信路上の各ノードのホップ数を管理する情報処理装置であって、
前記通信路の系毎に、通信路上の各ノードのホップ数を格納するホップ数格納手段と、
前記通信路の系を示す系情報を格納する系情報格納手段と、
前記通信路上の所定のノードから通信路切替信号を受信することにより前記通信路の系の切り替えを検出し、切り替えられた後の系情報を前記系情報格納手段に格納する通信路切替検出手段と、
前記系情報格納手段に格納された系に対応する通信路上の特定ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段から取得し、当該ホップ数を、前記通信路における特定ノードを指定した試験を行うために使用する試験機能手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記パケット通信ネットワークの監視制御を行うネットワーク監視装置であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通信路切替検出手段により前記通信路切替信号が受信されたときに、ホップ数検出命令信号を前記通信路の終端ノードに送信し、ホップ数検出のための処理を実行した当該終端ノードから、ホップ数を含む処理結果を受信し、当該処理結果に基づいて、前記通信路上の各ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段に格納するホップ数取得手段
を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記通信路における終端ノードとしてのパケット通信装置であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通信路切替検出手段により前記通信路切替信号が受信されたときに、前記通信路上の各ノードのホップ数を検出するための処理を実行し、処理結果に基づいて、前記通信路上の各ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段に格納するホップ数取得手段
を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
パケットの通信路が冗長化されたパケット通信ネットワークにおける当該通信路上の各ノードのホップ数を管理する情報処理装置が実行するネットワーク試験方法であって、
前記情報処理装置は、前記通信路の系毎に、通信路上の各ノードのホップ数を格納するホップ数格納手段と、前記通信路の系を示す系情報を格納する系情報格納手段と、を備え、前記ネットワーク試験方法は、
前記通信路上の所定のノードから通信路切替信号を受信することにより前記通信路の系の切り替えを検出し、切り替えられた後の系情報を前記系情報格納手段に格納する通信路切替検出ステップと、
前記系情報格納手段に格納された系に対応する通信路上の特定ノードのホップ数を前記ホップ数格納手段から取得し、当該ホップ数を、前記通信路における特定ノードを指定した試験を行うために使用する試験ステップと、
を備えたことを特徴とするネットワーク試験方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−156597(P2012−156597A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11292(P2011−11292)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(399035766)エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 (321)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(399035766)エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 (321)
【Fターム(参考)】
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