説明

情報処理装置、プログラム及び情報処理システム

【課題】作業課題ごとの情報要素の一覧を表示させることが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の情報処理装置2は、複数のタスクの中から1つのタスクの選択を受付ける命令処理部24aと、各々の処理部23a〜23cによる処理の結果、各々のタスクの識別情報と対応付けられて記憶装置21に記憶された情報要素のうち、選択されたタスクと対応付けられた情報要素を一覧表示する画面情報を生成する画面生成部24bと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子メールやカレンダー等の機能を実現する機能処理部により扱われる情報要素を、作業課題ごとに管理することが行われている。特許文献1には、プロジェクト毎にコンテンツを管理するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−49729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであり、作業課題ごとの情報要素の一覧を表示させることが可能な情報処理装置、プログラム及び情報処理システムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、端末の表示部に表示される各々の画面要素において機能を実現する複数の機能処理手段であって、前記各々の機能処理手段による処理の結果、記憶装置に記憶される情報要素に対し、複数の作業課題の中の少なくとも1つの作業課題を対応付ける複数の機能処理手段と、前記端末の表示部に表示された前記複数の作業課題の中から1つの作業課題の選択を受付ける受付手段と、前記各々の機能処理手段によって前記作業課題と対応付けられて前記記憶装置に記憶された情報要素のうち、前記選択された作業課題と対応付けられた情報要素を、前記各々の画面要素に一覧表示する画面情報を生成する生成手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記各々の作業課題は、関連する作業課題と対応付けられ、前記生成手段は、前記選択された作業課題と対応付けられた情報要素と、前記関連する作業課題と対応付けられた情報要素と、を一覧表示する前記画面情報を生成する、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、端末の表示部に表示される各々の画面要素において機能を実現する複数の機能処理手段であって、前記各々の機能処理手段による処理の結果、記憶装置に記憶される情報要素に対し、複数の作業課題の中の少なくとも1つの作業課題を対応付ける複数の機能処理手段と、前記端末の表示部に表示された前記複数の作業課題の中から1つの作業課題の選択を受付ける受付手段と、前記各々の機能処理手段によって前記作業課題と対応付けられて前記記憶装置に記憶された情報要素のうち、前記選択された作業課題と対応付けられた情報要素を、前記各々の画面要素に一覧表示する画面情報を生成する生成手段と、としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、端末と、記憶装置と、前記端末の表示部に表示される各々の画面要素において機能を実現する複数の機能処理手段であって、前記各々の機能処理手段による処理の結果、前記記憶装置に記憶される情報要素に対し、複数の作業課題の中の少なくとも1つの作業課題を対応付ける複数の機能処理手段と、前記端末の表示部に表示された前記複数の作業課題の中から1つの作業課題の選択を受付ける受付手段と、前記各々の機能処理手段によって前記作業課題と対応付けられて前記記憶装置に記憶された情報要素のうち、前記選択された作業課題と対応付けられた情報要素を、前記各々の画面要素に一覧表示する画面情報を生成する生成手段と、を備えることを特徴とする情報処理システムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1,3及び4に記載の発明によると、作業課題ごとに情報要素を一覧表示させることが可能である。
【0010】
請求項2に記載の発明によると、選択された作業課題と関連する情報要素を一覧表示させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】情報処理システムの構成例を表すブロック図である。
【図2】情報処理装置の機能構成例を表すブロック図である。
【図3】端末の画面表示例を表す図である。
【図4】コンテキストテーブルの内容例を表す図である。
【図5】メールテーブルの内容例を表す図である。
【図6】文書テーブルの内容例を表す図である。
【図7】議題テーブルの内容例を表す図である。
【図8】発言テーブルの内容例を表す図である。
【図9】振り分けテーブルの内容例を表す図である。
【図10】レイアウトテーブルの内容例を表す図である。
【図11】端末の画面表示例を表す図である。
【図12】タスク管理ウィンドウの表示例を表す図である。
【図13】タスク情報入力画面の表示例を表す図である。
【図14】文書管理ウィンドウの表示例を表す図である。
【図15】ファイル選択画面の表示例を表す図である。
【図16】電子メールウィンドウの表示例を表す図である。
【図17】メール入力画面の表示例を表す図である。
【図18】電子会議ウィンドウの表示例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の情報処理装置、プログラム及び情報処理システムの実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、情報処理システム1の構成例を表すブロック図である。情報処理システム1は、サーバとして構成された情報処理装置2と、1または複数の端末3と、を含んでいる。これら情報処理装置2及び端末3は、インターネット等の通信線を介して相互にデータ通信する。
【0014】
図2は、情報処理装置2の機能構成例を表すブロック図である。情報処理装置2は、データベースを記憶する記憶装置21と、作業課題(以下、「タスク」という。)を管理するタスク管理部22と、アプリケーション管理部23と、インターフェース部24と、レイアウト管理部25と、を備えている。
【0015】
タスク管理部22は、アクセス権管理部22aと、タスク処理部22bと、コンテキスト管理部22cと、を備えている。
【0016】
アプリケーション管理部23は、機能処理手段の例としての、メール処理部23aと、文書処理部23bと、会議処理部23cと、を備えている。
【0017】
インターフェース部24は、受付手段の例としての命令処理部24aと、生成手段の例としての画面生成部24bと、を備えている。
【0018】
各部の機能は、CPU等の演算部、メモリ等の記憶部、データの入出力を担う入出力部などを備えるコンピュータが、プログラムを読み取り、実行することによって実現される。プログラムは、CD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な情報記録媒体からコンピュータに提供されてもよいし、インターネット等の通信線を介してコンピュータに提供されてもよい。
【0019】
アクセス権管理部22aは、端末3を操作するユーザがアクセス権を有するか否かを確認する。ユーザがアクセス権を有する場合、アクセス権管理部22aは、情報処理装置2の各部に処理の実行を許可する。ユーザがアクセス権を有さない場合、アクセス権管理部22aは、インターフェース部24を介して端末3にエラー情報を送信する。
【0020】
タスク処理部22bは、タスクテーブルを使用してタスクを管理する。各タスクは、プロジェクトやそこから派生した業務などを表す。タスクテーブルでは、各タスクに識別情報が割り振られると共に、関連するタスクの情報やその他の情報が対応付けられている。関連するタスクとは、例えば、対象となるタスクの上位のタスク(以下、「親タスク」という。)である。このため、タスクは木構造をとる。
【0021】
具体的には、タスクテーブルは、図3の例に示されるように、タスクID、親タスクID、タスク名、開始日時、終了日時、オーナー、メンバー、公開属性などの項目を含んでいる。このうち、オーナーはそのタスクを作成したユーザを表し、メンバーはそのタスクを割り当てられたユーザを表し、公開属性はそのタスクに対応付けられたファイルを閲覧可能なユーザを表す。
【0022】
コンテキスト管理部22cは、コンテキストテーブルを使用してコンテキストを管理する。コンテキストとは、ユーザと、そのユーザに割り当てられたタスクとの対応関係を表す。コンテキストテーブルは、図4の例に示されるように、ユーザID、タスクIDの項目を含んでおり、タスクをユーザ毎に管理する。
【0023】
アプリケーション管理部23に含まれる各処理部23a〜23cは、端末3から送信された命令をインターフェース部24から受け付けると、命令に含まれるパラメータに従ってコンテンツデータを記憶装置21に格納したり、記憶装置21から取り出す。コンテンツデータは、情報要素の一例であり、メール、文書、発言など、端末3においてユーザが入力したデータを表す。
【0024】
また、各処理部23a〜23cは、コンテンツデータを記憶装置21に格納する際に、コンテンツデータをタスクの識別情報と対応付ける。すなわち、各処理部23a〜23cが保持するテーブルでは、記憶装置21に格納される各コンテンツデータに識別情報が割り振られると共に、各コンテンツデータが属するタスクの識別情報が対応付けられる。
【0025】
具体的には、メール処理部23aは、指示、回答、説明等の目的を持ったメッセージを1対1または1対多でやり取りする電子メールアプリケーションである。メール処理部23aが保持するメールテーブルは、図5の例に示されるように、メールID、宛先ユーザID、送信ユーザID、タスクID、件名、本文、送信日時、開封日時、添付文書ID、公開属性などの項目を含んでいる。このうち、メールIDは、メール処理部23aによって記憶装置21に格納されるコンテンツデータとしてのメッセージの識別情報を表す。タスクIDは、このメッセージに対応付けられたタスクの識別情報を表す。
【0026】
また、文書処理部23bは、文書ファイルの格納、複製、移動等を管理する文書管理アプリケーションである。文書処理部23bが保持する文書テーブルは、図6の例に示されるように、ファイルID、ユーザID、タスクID、文書名、文書データ、作成日時、更新日時、公開属性などの項目を含んでいる。このうち、ファイルIDは、文書処理部23bによって記憶装置21に格納されるコンテンツデータとしての文書ファイルの識別情報を表す。タスクIDは、この文書ファイルに対応付けられたタスクの識別情報を表す。
【0027】
また、会議処理部23cは、議題と発言を管理する電子会議室アプリケーションである。会議処理部23cが保持する議題テーブルは、図7の例に示されるように、議題ID、親議題ID、タスクID、ユーザID、議題名、作成日時、公開属性などの項目を含んでいる。このうち、議題IDは、会議処理部23cによって記憶装置21に格納されるコンテンツデータとしての議題ファイルの識別情報を表す。タスクIDは、この議題ファイルに対応付けられたタスクの識別情報を表す。また、親議題IDは、上位の議題の識別情報を表す。
【0028】
また、会議処理部23cが保持する発言テーブルは、図8の例に示されるように、発言ID、議題ID、親発言ID、タスクID、ユーザID、内容、作成日時、公開属性などの項目を含んでいる。このうち、発言IDは、会議処理部23cによって記憶装置21に格納されるコンテンツデータとしての発言ファイルの識別情報を表す。タスクIDは、この発言ファイルに対応付けられたタスクの識別情報を表す。また、議題IDは、発言が属する議題の識別情報を表し、親発言IDは、上位の発言の識別情報を表す。
【0029】
なお、アプリケーション管理部23には、これらの処理部23a〜23cに限られず、スケジュール管理、TODO管理、ワークフロー管理などの機能を実現する他の処理部が含まれてもよい。
【0030】
命令処理部24aは、端末3から送信された命令を受け付ける。命令には、命令種別とパラメータとが含まれている。命令処理部24aは、情報処理装置2に含まれる各部のうち、命令種別によって特定されるものに命令を振り分ける。命令処理部24aは、振り分けテーブルを使用して命令の振り分け先を管理する。振り分けテーブルでは、図9の例に示されるように、命令種別と、振り分け先の処理部とが対応付けられている。
【0031】
画面生成部24bは、端末3から送信された命令の処理結果として画面情報を生成し、端末3に送信する。表示情報は、マークアップ言語で記述される。画面情報を生成する際に、アプリケーション管理部23に含まれる処理部23a〜23cから取得した情報や、コンテキスト管理部22cから取得したコンテキスト情報、レイアウト管理部25から取得したレイアウト情報などが使用される。本実施形態においては、例えば、メール処理部23aから取得した情報は電子メールの機能を表す画面要素であるアプリケーションウィンドウを生成し、文書処理部23bから取得した情報は文書管理の機能を表す画面要素であるアプリケーションウィンドウを生成する。
【0032】
レイアウト管理部25は、レイアウトテーブルを使用してレイアウト情報を管理する。レイアウト情報は、端末3に表示される画面のレイアウトを管理するための情報である。レイアウトテーブルは、図10の例に示されるように、ユーザID、タスクID、レイアウト情報の項目を含んでおり、ユーザが属するタスク毎にレイアウトを管理している。
【0033】
端末3の画面表示例を図11に示す。端末3の画面には、ワークスペースと呼ばれる背景画面30が表示され、この背景画面30の中には、タスク管理部22やアプリケーション管理部23の機能処理の機能を表す画面要素である複数のアプリケーションウィンドウ31〜33が着脱可能・拡縮可能に配置される。各アプリケーションウィンドウ31〜33では、上記アプリケーション管理部23に含まれる各処理部23a〜23cの動作によって、電子メールや文書管理、電子会議室などの機能が実現する。アプリケーションウィンドウ31〜33のレイアウトは、上記レイアウトテーブルに記述されたレイアウト情報によって管理される。こうしたレイアウトは、ユーザが属するタスク毎に異なる。
【0034】
以下、情報処理装置2の具体的な動作について説明する。
【0035】
[タスクの新規作成]
本実施例の端末3に表示されるワークスペースには、例えば、アプリケーションウィンドウとして、図12に示されるタスク管理ウィンドウ31tが配置される。このタスク管理ウィンドウ31tには、一例として複数のタスクが木構造の関係を表すように配列している。ユーザは、端末3を操作することによって、親となるタスクを指定してその子となるタスクを新規に作成する。
【0036】
タスクの作成には、例えば、図13に示されるタスク情報入力画面35が利用される。タスク情報入力画面35に入力されるタスクの属性としては、上記図3に示されるタスクテーブルの項目に対応して、例えば、タスク名、開始日時、終了日時、タスク参加メンバー、公開属性などがある。必須であるタスク名以外の属性は、親タスクから引き継いでもよい。
【0037】
公開属性には、例えば、私用、メンバー用及び公用の3種類がある。私用は作成者のみのアクセスが可能なことを表し、メンバー用はメンバー内のユーザのアクセスが可能であることを表し、公用はメンバー外のユーザのアクセスも可能であることを表している。なお、公開属性は、親タスクと同じに若しくは親タスクより狭く設定され、親タスクより広くは設定できない。例えば、親タスクが私用の場合、子タスクを公用とすることは出来ない。
【0038】
ユーザの操作によって、タスク情報入力画面35に配置された保存ボタン35aが押下されると、端末3から情報処理装置2に「タスク作成」の命令が送信される。この命令のパラメータには、タスク情報入力画面35で入力されたタスク名、開始日時、終了日時、参加メンバー、公開属性などの属性が含まれる。さらに、このパラメータには、タスクを作成しようとするユーザ、タスク管理ウィンドウ31tから抽出される親タスクIDなどの属性も含まれる。
【0039】
情報処理装置2において、命令処理部24aは、端末3から受信した「タスク作成」の命令をタスク管理部22に送信する。タスク管理部22では、「タスク作成」の命令の受信後、タスク処理部22bが新たなタスクのエントリを作成し、コンテキスト管理部22cがコンテキストの更新を行う。具体的には、タスクテーブルでは、新たなタスクにタスクIDが割り当てられ、このタスクIDに、パラメータに含まれる属性が対応付けられる。また、コンテキストテーブルでは、タスク作成を指示したユーザのユーザIDに、新たなタスクのタスクIDが対応付けられる。
【0040】
レイアウト管理部25は、新たなタスクのレイアウトを作成する。すなわち、レイアウトテーブルでは、新たなタスクのタスクIDにレイアウト情報が対応付けられる。新たなタスクには、例えば、タスク管理ウィンドウ31tのみが配置されたデフォルトのレイアウトが適用される。これに限らず、新たなタスクのレイアウトとして、親タスクのレイアウトを引き継いでもよいし、端末3からレイアウトの指定を受付けてもよい。
【0041】
画面生成部24bは、レイアウト管理部25から新たなタスクのレイアウト情報を取得し、このレイアウト情報に基づいて画面情報を生成し、端末3に送信する。これにより、端末3の画面表示は、新たなタスクのワークスペースに切り替わる。
【0042】
[アプリケーションウィンドウの配置]
ユーザは、端末3を操作することによって、アプリケーションウィンドウの配置を意図するアプリケーションを選択する。アプリケーションが選択されると、端末3から情報処理装置2に「レイアウト変更」の命令が送信される。この命令のパラメータには、タスクID、ユーザID、レイアウト情報が含まれる。
【0043】
情報処理装置2において、命令処理部24aは、端末3から受信した「レイアウト変更」の命令をレイアウト管理部25に送信する。レイアウト管理部25は、「レイアウト変更」の命令を受信すると、レイアウトテーブルの情報を更新する。具体的には、レイアウト管理部25は、パラメータに含まれるユーザID及びタスクIDによってレイアウトテーブルを検索し、該当するエントリがあればレイアウト情報を更新する。該当するエントリがなければ、エントリを新たに作成し、タスクID、ユーザID、レイアウト情報を格納する。
【0044】
画面生成部24bは、レイアウト管理部25から新たなレイアウト情報を取得し、これに基づいて画面情報を生成し、端末3に送信する。レイアウト情報には、ワークスペース内にアプリケーションウィンドウがどのように配置されるかを表す構成情報と、どのアプリケーションウィンドウが配置されるかを表す種類情報と、が含まれる。例えば、図10に示されるレイアウトテーブルのように、レイアウト情報として「構成:2列、1列目:タスク管理、2列目:電子メール」と記述されている場合、ワークスペースの1列目には、タスク管理ウィンドウ31tが配置され、2列目には、電子メールウィンドウが配置される。
【0045】
また、画面生成部24bは、レイアウト情報にアプリケーションウィンドウが含まれていることを検知すると、アプリケーション管理部23に含まれる各処理部23a〜23cのうち、検知したアプリケーションウィンドウに対応するものから、画面情報の生成に必要な情報を取得する。例えば、画面生成部24bは、レイアウト情報に電子メールウィンドウが含まれていることを検知すると、電子メールウィンドウの形成に必要なメールリストの取得要求をメール処理部23aに出力する。メール処理部23aは、メールテーブルの中から、宛先ユーザID及びタスクIDが合致するエントリを検索して、検索結果を画面生成部24bに返す。
【0046】
[タスクの選択]
上記図12に示されるタスク管理ウィンドウ31tには、端末3を操作するユーザが選択可能な複数のタスクが木構造の関係を表すように配列している。ユーザは、端末3を操作することにより、タスク管理ウィンドウ31tに配列した複数のタスクの中から、現在選択されているタスクとは異なるタスクを選択する。
【0047】
ユーザの操作によって、タスク管理ウィンドウ31tの中から1つのタスクが選択されると、端末3から情報処理装置2に「タスク選択」の命令が送信される。この命令のパラメータには、タスク管理ウィンドウ31tで選択されたタスク名、タスクを選択したユーザ名などの属性が含まれる。
【0048】
情報処理装置2において、命令処理部24aは、端末3から受付けた「タスク選択」の命令を画面生成部24bに送信する。画面生成部24bは、「タスク選択」の命令を受信すると、選択されたタスクが対応付けられたコンテンツデータの一覧を表示する画面情報を作成し、端末3に送信する。これにより、端末3の画面には、選択されたタスクが対応付けられたコンテンツデータの一覧が表示される。
【0049】
具体的には、画面生成部24bは、選択されたタスクに対応付けられたレイアウト情報の取得をレイアウト管理部25に要求する。レイアウト管理部25は、レイアウトテーブルの中から、端末3を操作するユーザを探し出し、さらに、そのユーザに対応付けられたタスクの中から、タスク管理ウィンドウ31tで選択されたタスクを探し出して、このタスクに対応付けられたレイアウト情報を画面生成部24bに返す。
【0050】
画面生成部24bは、レイアウト管理部25からレイアウト情報を取得し、このレイアウト情報に含まれるアプリケーションウィンドウの種類を検知すると、アプリケーション管理部23に含まれる各処理部23a〜23cの中から検知された種類と対応するものに、画面情報の生成に必要な情報の取得を要求する。
【0051】
例えば、メール処理部23aは、メールテーブルから宛先ユーザID及びタスクIDが合致するエントリを検索して、検索結果を画面生成部24bに返す。これにより、電子メールウィンドウには、選択されたタスクに対応付けられた電子メールのリストが表示される。
【0052】
また、文書処理部23bは、文書テーブルからユーザID及びタスクIDが合致するエントリを検索して、検索結果を画面生成部24bに返す。これにより、文書管理ウィンドウには、選択されたタスクに対応付けられた文書ファイルのリストが表示される。
【0053】
また、会議処理部23cは、議題テーブルからユーザID及びタスクIDが合致するエントリを検索し、さらに、発言テーブルからユーザID及びタスクIDが合致するエントリを検索して、検索結果を画面生成部24bに返す。これにより、電子会議ウィンドウには、選択されたタスクに対応付けられた議題ファイルと、それに属する発言ファイルとが表示される。
【0054】
以上のようにして、端末3の画面に表示されるワークスペースに配置される各アプリケーションウィンドウには、選択されたタスクに対応付けられたコンテンツデータ自体や、コンテンツデータへのリンク、コンテンツデータを表すアイコンなどが表示される。このようにして、選択されたタスクに対応付けられたコンテンツデータが一覧表示される。
【0055】
なお、このように一覧表示されるコンテンツデータとしては、選択されたタスクに対応付けられたコンテンツデータのみならず、この選択されたタスクと関連するタスクに対応付けられたコンテンツデータが含まれてもよい。例えば、上記図3に示されるタスクテーブルでは、各タスクIDに親タスクIDが対応付けられているので、選択されたタスクを親とする子タスクのコンテンツデータが一覧表示に含まれてもよい。
【0056】
この場合、画面生成部24bは、タスクのリストをタスク処理部22bに要求し、タスク処理部22bは、選択されたタスクと、この選択されたタスクを親とする子タスクと、をタスクテーブルから探し出し、タスクのリストを画面生成部24bに返す。そして、画面生成部24bは、アプリケーション管理部23に含まれる各処理部23a〜23cに、リストに含まれる各タスクに対応付けられたコンテンツデータのリストを要求し、取得したコンテンツデータのリストに基づいて画面情報を生成する。
【0057】
また、選択されたタスクを親とする子タスクに限られず、選択されたタスクの親タスクのコンテンツデータが一覧表示に含まれてもよい。さらには、選択されたタスクの2代以上上位または下位のタスクのコンテンツデータが一覧表示に含まれてもよい。
【0058】
[文書管理]
端末3に表示されるワークスペースには、アプリケーションウィンドウとして、図14に示される文書管理ウィンドウ33dが配置される。この文書管理ウィンドウ33dには、文書処理部23bによって管理される文書ファイルのうち、現在選択されているタスクと対応付けられた文書ファイルの情報が表示される。具体的には、文書管理ウィンドウ33dには、現在選択されているタスクと対応付けられた文書ファイルへのリンクを表す1又は複数のアイコン332が一覧表示される。なお、文書管理ウィンドウには、文書ファイルの内容が表示されてもよい。
【0059】
文書管理ウィンドウ33dを作成する際、画面生成部24bは、現在選択されているタスクと対応付けられた文書ファイルのリストを文書処理部23bに要求する。文書処理部23bは、指定されたタスクに対応付けられている文書ファイルを文書テーブルから探し出し、そのリストを画面生成部24bに出力する。画面生成部24bは、そのリストに基づいて文書管理ウィンドウ33dの画面情報を生成し、端末3に出力する。なお、文書ファイルの内容を表示する際には、記憶装置21から読み出された文書ファイルが文書処理部23bから画面生成部24bに渡される。
【0060】
文書管理ウィンドウ33dには、ファイル追加ボタン33fが形成されている。ユーザの操作によって、このファイル追加ボタン33fが押下されると、端末3の画面には、図15に示されるファイル選択画面36が表示される。ファイル選択画面36は、現在選択されているタスクと文書ファイルを対応付けるための画面であり、この中に候補となる文書ファイルのアイコン36eが表示される。ユーザの操作によって、ファイル選択画面36から文書ファイルが選択されると、端末3から情報処理装置2に「ファイル追加」の命令が送信される。この命令のパラメータには、ファイル名、文書データ、タスクID、ユーザID、公開属性などの属性が含まれる。
【0061】
情報処理装置2において、命令処理部24aは、端末3から受信した「ファイル追加」の命令を文書処理部23bに送信する。文書処理部23bは、「ファイル追加」の命令を受信すると、文書テーブルに新たなファイルエントリを作成する。具体的には、文書テーブルでは、追加された文書ファイルにファイルIDが割り当てられ、このファイルIDに、パラメータに含まれるファイル名、文書データ、タスクID、ユーザID、公開属性などの属性が対応付けられる。また、このファイルIDには、作成日時、更新日時などの属性も文書処理部23bによって対応付けられる。この結果、文書管理ウィンドウには、追加された文書ファイルのアイコンが表示される。
【0062】
なお、1つのタスクに複数のユーザが割り当てられている場合、1のユーザによって追加された文書ファイルは、他のユーザによっても閲覧可能となる。すなわち、他のユーザが操作する端末3に表示される文書管理ウィンドウにも、上記と同様に1又は複数の文書ファイルのアイコンが一覧表示され、その中には1のユーザによって追加された文書ファイルのアイコンも含まれる。
【0063】
また、文書ファイルを異なるタスクにコピーすることも可能である。具体的には、文書テーブルでは、コピーされる文書ファイルに新たなファイルIDが割り当てられ、このファイルIDにコピー先となるタスクのタスクIDが対応付けられる。このとき、コピーされる文書ファイルの公開属性は、コピー先となるタスクの公開属性に揃えられる。例えば、親タスクの公開属性がメンバー用であり、子タスクの公開属性が私用である場合、子タスクから親タスクにコピーされる文書ファイルの公開属性はメンバー用に変更され、親タスクから子タスクにコピーされる文書ファイルの公開属性は私用に変更される。
【0064】
[電子メール]
端末3に表示されるワークスペースには、アプリケーションウィンドウとして、図16に示される電子メールウィンドウ32mが配置される。この電子メールウィンドウ32mには、メール処理部23aによって管理される電子メールのうち、現在選択されているタスクと対応付けられた電子メールの情報が表示される。具体的には、電子メールウィンドウ32mには、現在選択されているタスクと対応付けられた電子メールへのリンクを表す1又は複数のアイコン32eが一覧表示される。なお、電子メールウィンドウ32mには、電子メールの内容が表示されてもよい。
【0065】
電子メールウィンドウ32mを作成する際、画面生成部24bは、現在選択されているタスクと対応付けられた電子メールのリストをメール処理部23aに要求する。メール処理部23aは、指定されたタスクに対応付けられている電子メールをメールテーブルから探し出し、そのリストを画面生成部24bに出力する。画面生成部24bは、そのリストに基づいて電子メールウィンドウ32mの画面情報を生成し、端末3に出力する。なお、電子メールの内容を表示する際には、記憶装置21から読み出された電子メールがメール処理部23aから画面生成部24bに渡される。
【0066】
電子メールの送信には、図17に示されるメール入力画面37が利用される。メール入力画面37には、件名、宛先、本文が入力される。また、メール入力画面37には、送信ボタン37aが形成されている。ユーザの操作によって、この送信ボタン37aが押下されると、端末3から情報処理装置2に「メール送信」の命令が送信される。この命令のパラメータには、宛先ユーザID、送信ユーザID、タスクID、件名、本文、公開属性などの属性が含まれる。タスクIDは、送信ユーザが送信の際に使用したタスクのタスクIDである。
【0067】
情報処理装置2において、命令処理部24aは、端末3から受信した「メール送信」の命令をメール処理部23aに送信する。メール処理部23aは、「メール送信」の命令を受信すると、メールテーブルに新たなエントリを作成する。具体的には、メールテーブルでは、送信されたメールにメールIDが割り当てられ、このメールIDに、パラメータに含まれる宛先ユーザID、送信ユーザID、タスクID、件名、本文、公開属性などの属性が対応付けられる。また、このファイルIDには、送信日時などの属性もメール処理部23aによって対応付けられる。この結果、宛先となったユーザが使用する上記タスクの電子メールウィンドウ32mには、受信したメールのアイコン32eが表示される。
【0068】
こうした電子メールの送受信は、同一タスクを共有するユーザ間で行われる。また、電子メールは、異なるタスクのユーザに対して送信されてもよい。この場合、宛先となったユーザが使用する電子メールウィンドウには、タスクの如何に関わらず、受信したメールのアイコンが表示される。
【0069】
なお、タスクは木構造をとるため、電子メールウィンドウには、現在選択されているタスクと対応付けられたメールのみならず、そのタスクに対して下位のタスクと対応付けられたメールも表示されてよい。
【0070】
また、電子メールに文書ファイルが添付されている場合、その文書ファイルは、文書処理部23bによって文書テーブルで管理されてもよい。この場合、電子メールのタスクID、宛先ユーザID、公開属性などが、文書データのタスクID、ユーザID、公開属性などとして引き継がれる。
【0071】
[電子会議室]
端末3に表示されるワークスペースには、アプリケーションウィンドウとして、図18に示される電子会議ウィンドウ34が配置される。この電子会議ウィンドウ34には、会議処理部23cによって議題ファイル及び発言ファイルおよび発言のうち、現在選択されているタスクと対応付けられた議題ファイル及び発言ファイルの内容が表示される。この電子会議ウィンドウ34には、議題ファイルに属する複数の発言ファイルが木構造の関係を表すように配列する。
【0072】
電子会議ウィンドウ34を作成する際、画面生成部24bは、現在選択されているタスクと対応付けられた議題ファイル及び発言ファイルを会議処理部23cに要求する。会議処理部23cは、指定されたタスクに対応付けられている議題ファイルを議題テーブルから探し出すと共に、その議題ファイルに対応付けられた発言ファイルを発言テーブルから探し出して、画面生成部24bに出力する。画面生成部24bは、取得した議題ファイル及び発言ファイルに基づいて電子会議ウィンドウ34の画面情報を生成し、端末3に出力する。
【0073】
ユーザによって議題作成の操作が行われたとき、端末3から情報処理装置2に「議題作成」の命令が送信される。この命令のパラメータには、タスクID、ユーザID、議題名などの属性が含まれる。
【0074】
情報処理装置2において、命令処理部24aは、端末3から受信した「議題作成」の命令を会議処理部23cに送信する。会議処理部23cは、「議題作成」の命令を受信すると、議題テーブルに新たなエントリを作成する。具体的には、議題テーブルでは、作成された議題に議題IDが割り当てられ、この議題IDに、パラメータに含まれタスクID、ユーザID、議題名などの属性が対応付けられる。また、この議題IDには、作成日時などの属性も会議処理部23cによって対応付けられる。この結果、電子会議ウィンドウ34には、作成された議題が表示される。
【0075】
次に、ユーザによって発言入力の操作が行われたとき、端末3から情報処理装置2に「発言登録」の命令が送信される。この命令のパラメータには、議題ID、親発言ID、内容、タスクID、ユーザIDなどの属性が含まれる。
【0076】
情報処理装置2において、命令処理部24aは、端末3から受信した「発言登録」の命令を会議処理部23cに送信する。会議処理部23cは、「発言登録」の命令を受信すると、発言テーブルに新たなエントリを作成する。具体的には、発言テーブルでは、入力された発言に発言IDが割り当てられ、この発言IDに、パラメータに含まれ議題ID、親発言ID、内容、タスクID、ユーザIDなどの属性が対応付けられる。また、この発言IDには、作成日時などの属性も会議処理部23cによって対応付けられる。この結果、電子会議ウィンドウ34には、入力された発言が表示される。
【0077】
なお、発言に文書ファイルが添付されている場合、その文書ファイルは、文書処理部23bによって文書テーブルで管理されてもよい。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が当業者にとって可能であるのはもちろんである。
【符号の説明】
【0079】
1 情報処理システム、2 情報処理装置、3 端末、21 記憶装置、22 タスク管理部、22a アクセス権管理部、22b タスク処理部、22c コンテキスト管理部、23 アプリケーション管理部、23a メール処理部、23b 文書処理部、23c 会議処理部、24 インターフェース部、24a 命令処理部、24b 画面生成部、25 レイアウト管理部、30 背景画面、31〜33 アプリケーションウィンドウ、31t タスク管理ウィンドウ、32m 電子メールウィンドウ、32e アイコン、33d 文書管理ウィンドウ、33e アイコン、33f ファイル追加ボタン、34 電子会議ウィンドウ、35 タスク情報入力画面、35a 保存ボタン、36 ファイル選択画面、36e アイコン、37 メール入力画面、37a 送信ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末の表示部に表示される各々の画面要素において機能を実現する複数の機能処理手段であって、前記各々の機能処理手段による処理の結果、記憶装置に記憶される情報要素に対し、複数の作業課題の中の少なくとも1つの作業課題を対応付ける複数の機能処理手段と、
前記端末の表示部に表示された前記複数の作業課題の中から1つの作業課題の選択を受付ける受付手段と、
前記各々の機能処理手段によって前記作業課題と対応付けられて前記記憶装置に記憶された情報要素のうち、前記選択された作業課題と対応付けられた情報要素を、前記各々の画面要素に一覧表示する画面情報を生成する生成手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記各々の作業課題は、関連する作業課題と対応付けられ、
前記生成手段は、前記選択された作業課題と対応付けられた情報要素と、前記関連する作業課題と対応付けられた情報要素と、を一覧表示する前記画面情報を生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
端末の表示部に表示される各々の画面要素において機能を実現する複数の機能処理手段であって、前記各々の機能処理手段による処理の結果、記憶装置に記憶される情報要素に対し、複数の作業課題の中の少なくとも1つの作業課題を対応付ける複数の機能処理手段と、
前記端末の表示部に表示された前記複数の作業課題の中から1つの作業課題の選択を受付ける受付手段と、
前記各々の機能処理手段によって前記作業課題と対応付けられて前記記憶装置に記憶された情報要素のうち、前記選択された作業課題と対応付けられた情報要素を、前記各々の画面要素に一覧表示する画面情報を生成する生成手段と、
としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項4】
端末と、
記憶装置と、
前記端末の表示部に表示される各々の画面要素において機能を実現する複数の機能処理手段であって、前記各々の機能処理手段による処理の結果、前記記憶装置に記憶される情報要素に対し、複数の作業課題の中の少なくとも1つの作業課題を対応付ける複数の機能処理手段と、
前記端末の表示部に表示された前記複数の作業課題の中から1つの作業課題の選択を受付ける受付手段と、
前記各々の機能処理手段によって前記作業課題と対応付けられて前記記憶装置に記憶された情報要素のうち、前記選択された作業課題と対応付けられた情報要素を、前記各々の画面要素に一覧表示する画面情報を生成する生成手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−68979(P2012−68979A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214187(P2010−214187)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】