説明

情報処理装置、ユーザインターフェース制御方法、及びユーザインターフェース制御プログラム

【課題】操作パネルを持つ機器に装備される画面等の表示機能を制御する情報処理装置、ユーザインターフェース制御方法、及びユーザインターフェース制御プログラムを提供する。
【解決手段】複数の機能を有する情報処理装置において、各機能と、画面を構成する画面構成要素とをリンクさせて管理し、選択された画面の表示モードに応じて各機能に対応する画面構成要素を選択し、選択された画面構成要素を利用して画面を生成することにより、情報処理装置の操作性を向上させると同時に、必要な画面構成要素のみを読み出して画面を生成するため、画面の表示に要する処理時間を短くすることができる。また、各機能と画面構成要素とをリンクさせて管理することにより、新たな機能の追加による画面構成要素の追加も容易に行うことができるため、情報処理装置の開発・保守にかかる作業時間を短縮することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、複写機、ファクシミリ、スキャナ、プリンタ等のOA機器、或いはPC等の操作パネルを持つ機器に装備される画面等の表示機能を制御する情報処理装置、ユーザインターフェース制御方法、及びユーザインターフェース制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像処理装置、例えば複写機においては、複写機能の拡大により機能操作装置が複雑化している。そのため、複写機能の設定のためにLCD、CRT等の表示画面を用いて、この表示画面の表示切り替えにより、多数の複写機能の中からオペレータの必要とする複写機能を探し出して、入力する装置が多くなっている。
【0003】
特許文献1では、画像データを処理する場合、オペレータが初級者であるか、上級者であるかを判別し、初級者である場合、初級者のスキルレベルに応じたプロセスにより処理を進行させると共に、表示画面をシンプルに表示し、オペレータが上級者である場合、上級者の任意のプロセスにより処理を進行させると共に、一つの表示画面において複数の処理を実行可能とする画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムが提案されている。
【0004】
特許文献2では、複数の機能の中からユーザのレベルに応じて目的の機能を予め選択しておき、ユーザが誰であるかを識別すると、当該ユーザの予め選択してある機能から目的の機能を選択できるようにしておくことにより、複雑な機能を数多く備えた画像処理装置でも初心者から熟練者まで、あらゆるレベルのユーザがそれぞれ使い勝手よく使用できる画像処理装置が提案されている。
【特許文献1】特開2004−343550号公報
【特許文献2】特開平6−130766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の発明は以下の問題を有している。
【0006】
特許文献1記載の画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムは、画像データを処理する場合、オペレータが初級者であるか、上級者であるかを判別し、初級者である場合、初級者のスキルレベルに応じたプロセスにより処理を進行させると共に、表示画面をシンプルに表示し、オペレータが上級者である場合、上級者の任意のプロセスにより処理を進行させると共に、一つの表示画面において複数の処理を実行可能としているが、スキルレベルにより装置自体が自動的に表示画面を選択するものであり、他の基準(例えば、ユーザの使用頻度)に基づいて画面を選択する等、ユーザの好みに応じて様々な分類に基づく画面の表示を実行することができない。
【0007】
特許文献2記載の画像処理装置は、複数の機能の中からユーザのレベルに応じて目的の機能を予め選択しておき、ユーザが誰であるかを識別すると、当該ユーザの予め選択してある機能から目的の機能を選択できるようにしておくことにより、複雑な機能を数多く備えた画像処理装置でも初心者から熟練者まで、あらゆるレベルのユーザがそれぞれ使い勝手よく使用できるが、ユーザが予め使用する機能を設定しておく必要があり、様々な使用状況下に応じて、短時間にユーザの要求に対応した画面表示を行うことが困難である。
【0008】
そこで、本発明は、複数の機能を有する情報処理装置において、各機能と、画面を構成する画面構成要素とをリンクさせて管理し、選択された画面の表示モードに応じて各機能に対応する画面構成要素を選択し、選択された画面構成要素を利用して画面を生成することにより、情報処理装置の操作性を向上させると同時に、必要な画面構成要素のみを読み出して画面を生成するため、画面の表示に要する処理時間を短くすることができる情報処理装置、ユーザインターフェース制御方法、及びユーザインターフェース制御プログラムを提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、複数の機能を有し、表示画面を介してユーザと情報を授受する情報処理装置において、前記表示画面を構成する画面構成要素を保持する画面構成要素記憶手段と、前記各機能を分類した機能グループと前記画面構成要素とを関連づける機能グループ情報を保持する機能グループ記憶手段と、前記機能グループ情報に基づいて前記画面構成要素記憶手段から前記画面構成要素を読み出し、読み出した前記画面構成要素により前記表示画面を生成する画面生成手段とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の情報処理装置において、連動して表示される前記表示画面間の関連を示すフローを保持するオペレーションフロー記憶手段と、ユーザから指示を受けたとき、遷移先の表示画面を前記フローに基づいて決定する決定手段とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の情報処理装置において、前記各機能が操作の難易度別の前記機能グループに分類されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の情報処理装置において、前記各機能が使用頻度別の前記機能グループに分類されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、複数の機能と、表示画面を構成する画面構成要素を保持する画面構成要素記憶手段と、各機能を分類した機能グループと前記画面構成要素とを関連づける機能グループ情報を保持する機能グループ記憶手段とを有し、前記表示画面を介してユーザと情報を授受する情報処理装置のユーザインターフェース制御方法において、前記機能グループ情報に基づいて前記画面構成要素記憶手段から前記画面構成要素を読み出す読出工程と、前記読出工程によって読み出された前記画面構成要素により前記表示画面を生成する生成工程と有することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、複数の機能と、表示画面を構成する画面構成要素を保持する画面構成要素記憶手段と、各機能を分類した機能グループと前記画面構成要素とを関連づける機能グループ情報を保持する機能グループ記憶手段とを有し、前記表示画面を介してユーザと情報を授受する情報処理装置のユーザインターフェース制御プログラムにおいて、前記機能グループ情報に基づいて前記画面構成要素記憶手段から前記画面構成要素を読み出す読出処理と、前記読出処理によって読み出された前記画面構成要素により前記表示画面を生成する生成処理と有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、複数の機能を有する情報処理装置において、各機能と、画面を構成する画面構成要素とをリンクさせて管理し、選択された画面の表示モードに応じて各機能に対応する画面構成要素を選択し、選択された画面構成要素を利用して画面を生成することにより、情報処理装置の操作性を向上させると同時に、必要な画面構成要素のみを読み出して画面を生成するため、画面の表示に要する処理時間を短くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の構成及び動作について説明する。
【0017】
複写機、ファクシミリ、スキャナ、プリンタ等の情報処理装置は、スタンドアロン(1対1接続)で利用されてきたが、近年はネットワーク環境に接続される利用方法も増えてきており、また、装置側のベンダーもサービスセンターなどを設け、リモートから各ユーザの装置の動作状況や利用状況に関するサービスを提供している。図1に、こうした情報処理装置を構成要素とする場合のシステム環境について、その一例を示す。図1において、ネットワークにプリンタ、ファックス、スキャナ、複合機、IP電話、PC1、及びPC2がネットワークを介して接続されている。この例では、プリンタ、ファックス、スキャナ等の装置に装備されている操作パネル、及びPCに接続されているディスプレイに表示されるユーザインターフェース各々が、本実施形態の情報処理装置の適用対象となり得る。
【0018】
図2は、本実施形態に係わる情報処理装置及びブローカのハードウェア構成を示す図である。情報処理装置は、装置全体の制御を司るプロセッサ(CPU)1、ROM2、RAM3、NVRAM4、パネル制御部7、パネル制御部7を介した操作パネル11、エンジン制御部8、エンジン制御部8を介したスキャン/プリント・エンジン12、ディスクドライバ9、ディスクドライバ9を介した記憶装置13、通信制御部10、及びモデム5を有して構成される。
【0019】
メモリとして用意されたROM2、RAM3、NVRAM4のうち、ROM2にはプログラムコード、フォント、及びその他の静的なデータが格納され、RAM3には一時的な記憶場所として利用され、また、NVRAM4には不揮発性のデータが格納される。
【0020】
操作パネル11とパネル制御部7は、ユーザとのインターフェースを司り、ユーザに装置の状態を知らせ、ユーザによる入出力操作のための表示部と、ユーザによる操作入出力部を有する。スキャン/プリント・エンジン12とエンジン制御部8は、イメージデータの入出力ユニットとして、紙原稿の読み取り或いは転写紙への印刷を実行する部分である。記憶装置13は、イメージデータなどの大量のデータを蓄積したり、データベースの記憶場所として利用され、そこへのデータの出し入れはディスクドライバ9により行われる。通信制御部10は、イーサネット(登録商標)等のネットワーク20に接続され、外部の機器との通信を可能とする。モデム5は、公衆回線と接続され、外部の機器との通信を可能とする。
【0021】
ブローカは、ネットワーク20に接続されている入出力装置に必要な機能情報や管理情報を維持し、クライアントであるPC14とサーバである情報処理装置の接続を確立する役目を請け負うミドルウェアである。この装置は、CPU21、ROM22、RAM23、通信制御部24、及びデータベース25を有して構成され、PC14或いは情報処理装置のどちらかの側に存在していてもよい。
【0022】
図3は、情報処理装置の制御装置(ユーザインターフェースシステムを含む)の内部に組み込まれたソフトウェアの構造及びソフトウェアとハードウェアの相互関係を示している。図3に示すように、このソフトウェア構成は、大きく分けると、上位から下位にアプリケーション層、カーネル層、ドライバ層、ハードウェア層の4層の構造からなる。
【0023】
アプリケーション層100は、オペレーションマネージャ101、ドキュメントマネージャ102、サービスマネージャ103、デバイスマネージャ104、及びデータベースマネージャ105を有して構成される。オペレーションマネージャ101は、装置に付属している操作パネル11を制御するものであり、ボタンの表示・ボタンオペレーションのノーティファイ・アラートの通知などを行う。ドキュメントマネージャ102は、コピー、ファックス、プリンタなどのシナリオに沿って、ドキュメントをハンドリングするアプリケーションで、アプリケーションとしては中心となる機能ブロックである。サービスマネージャ103は、ドキュメントハンドリングの際に共通に必要となる機能ブロックであり、各種サービスの管理・実行を行う。デバイスマネージャ104は、スキャナ、プロッタ、画像バスといった物理デバイスの動作を決定する機能ブロックであり、各種デバイスの管理・実行を行う。データベースマネージャ105は、フォント、定形フォーム、ファックス受信履歴、装置の利用履歴、課金データなどの永続データの維持管理を行う。
【0024】
カーネル層110は、仮想メモリ111、実行プロセス112、ファイルシステム113、ソケット114、及び仮想マシン115を有して構成される。仮想マシン115は、実行管理116とモード管理117とを有し、通常OSのカーネルとして組み込まれ、各種デバイスを抽象化してアプリケーションに対しサービスを提供するものである。アプリケーション層100は、カーネル層110に対しシステムコールすることにより動作する。
【0025】
ドライバ層120は、各種ハードウェアを駆動するための制御を実行する機能ブロックの集まりである。ドライバ層120には、メモリ管理ドライバ121、プロセス管理ドライバ122、ファイル管理ドライバ123、ネットワークドライバ124、一体型コピードライバ125、ブロッキングデバイスドライバ126、及びページデバイスドライバ127を有して構成される。
【0026】
ハードウェア層130は、装置内に存在する制御可能なリソースの集合である。ハードウェア層130は、例えば、メモリ管理ドライバ121により制御されるRAM131、プロセス管理ドライバ122により制御されるRAM132、ファイル管理ドライバ123により制御される記憶装置(NVRAM)133、ネットワークドライバ124、ネットワークインターフェース134等から構成される。また、一体型コピードライバ125、ブロッキングデバイスドライバ126、ページデバイスドライバ127により制御されるスキャナ135、画像バス136、プロッタ137等も有している。
【0027】
図4及び5は、本実施形態に係わる情報処理装置の一つである複合機の操作パネルの構成を示した図である。図4及び5に示す操作パネルを制御する制御部における処理が本発明に係わるユーザインターフェースの制御方法に相当し、この制御部の要素である“画面”の制御対象は操作パネル11であり、同じく“画面構成要素”の制御対象は操作パネル11内の「コピーできます」等のテキストや、各種キーである。
【0028】
次に、本実施形態に係わる情報処理装置の制御部の構成について図5を用いて説明する。
【0029】
制御部は、協調関係を持ったシステム要素によって構成される。制御部はシステム要素として、表示デバイス31、ダイアログ32、画面テーブル33、ポップアップダイアログ34、フローダイアログ35、オペレーションフロー36、フロースペック37、入力デバイス38、ダイアログアクション39、遷移アクション40、決定アクション41、及びドキュメントマネージャ42を有して構成される。また、要素同士の静的な関係は、同図中の線で表記し、単なる線は、協調関係を表し、菱形付きの線は所有関係(ダイアログ32とホップアップダイアログ34、ダイアログ32とフローダイアログ35、ダイアログアクション39と遷移アクション40、及びダイアログアクション39と決定アクション41の関係)を表す。各システム要素について、以下にその詳細を示す。
【0030】
表示デバイス31は、操作パネル11等の画面を表示するデバイスである。ダイアログ32は、表示デバイス31に表示される画面であり、画面テーブル33から画面を構成する画面構成要素を受け付け、その削除を指示する機能を有するシステム要素である。画面テーブル33は、画面構成要素、及び画面構成要素から画面を生成する際のレイアウト情報を保有する。ポップアップダイアログ34は、ダイアログ32の具象システム要素であり、制御部に発生したエラー等が発生したときに表示され、他のダイアログの表示が連動しない。フローダイアログ35は、ダイアログ32の具象システム要素であり、複数のダイアログが連動して表示される。オペレーションフロー36は、フローダイアログ35で連動して表示されるダイアログ間の関連を示すフローである。フロースペック37は、ダイアログを構成する画面構成要素と、各機能とをリンクさせる機能グループ情報を所有する。
【0031】
本実施形態において、フロースペック37は、コピーに係わるアプリケーションについて、基本機能(複数部数の印刷を指示する機能、濃度を調節する機能等)、拡張機能1(文字、写真、その他の原稿、自動等の画質を選択する機能、用紙を選択する機能、用紙の残量を示す機能、変倍を設定する機能等)、及び拡張機能2(表紙/合紙を設定する機能、編集/カラー加工を設定する機能、両面/集約/分割を設定する機能等)の各機能と、ダイアログを構成する画面構成要素とをリンクさせる機能グループ情報を所有する。なお、本実施形態において、フロースペック37は、コピーに係わるアプリケーションが有する各機能を、その操作の困難性に基づいて基本機能、拡張機能1、及び拡張機能2の3つの機能に分類して画面構成要素とリンクさせて管理しているが、これに限定されるものではなく、より細かく分類することや、使用頻度に基づいて分類して管理することも可能である。
【0032】
入力デバイス38は、ユーザの入力フィールド、ユーザの選択フィールド、キーからのイベントを受け付ける機能を有するシステム要素である。入力デバイス38は、ダイアログアクション39にイベントが発生したことを通知する。ダイアログアクション39は、入力デバイス38において発生したイベントを受信し、そのイベントに応じて適切なアクションを行うシステム要素である。具体的には、ダイアログ32に付随して実行されるアクションであり、具象システム要素として遷移アクション40及び決定アクション41を有する。
【0033】
遷移アクション40は、ダイアログアクション39の具象システム要素であり、入力デバイス38において発生したイベントを受信し、そのイベントに応じて操作パネル11に表示される画面の遷移を行う。決定アクション41は、ダイアログアクション39の具象システム要素であり、入力デバイス38において発生したイベントを受信し、そのイベントに応じてスキャンプリントエンジン12において実行される動作を決定する。具体的には、入力デバイス38において発生したユーザからのコピースタートや複数選択肢からの選択等をアプリケーションに伝える。ドキュメントマネージャ42は、決定アクション41において決定された動作を担うアプリケーションであり、スキャンプリントエンジン12における動作を制御する。
【0034】
次に、本実施形態に係わる情報処理装置の制御部において、画面の表示動作、画面の遷移動作、及びコピー動作を受け付ける動作について図6に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0035】
制御部において画面の表示動作の開始は、フローダイアログ35がダイアログの表示をオペレーションフロー36に対して要求することによる(ステップS701)。なお、本実施形態においては、表示デバイス31には初期画面として基本機能及び拡張機能1とリンクする画面構成要素からなるダイアログが表示されるものとする。
【0036】
ダイアログの表示の要求を受けたオペレーションフロー36は、フロースペック37に対し初期画面に係わるダイアログの画面構成要素と、基本機能及び拡張機能1とをリンクさせる機能グループ情報の取得を要求する(ステップS702)。要求を受けたフロースペック37は、該要求に対応する機能グループ情報をオペレーションフロー36に提供する(ステップS703)。
【0037】
フロースペック37から機能グループ情報の提供を受けたオペレーションフロー36は、ダイアログ間の関連を示すフローと機能グループ情報とから構成されるフロー情報をフローダイアログ35に提供する(ステップS704)。フローダイアログ35は、フロー情報に基づいて初期画面を構成する画面構成要素の取得を画面テーブル33に対して要求する(ステップS705)。
【0038】
画面テーブル33は、まず、フロー情報に含まれるフローに基づいて初期画面のダイアログを構成する画面構成要素を選択し、さらに機能グループ情報に基づいて基本機能及び拡張機能1とリンクする画面構成要素を選択された画面構成要素から抽出し、抽出した画面構成要素のみをフローダイアログ35に提供する(ステップS706)。フローダイアログ35は、画面テーブル33から取得した画面構成要素からダイアログを生成して表示デバイス31に表示する(ステップS707)。図4は、基本機能及び拡張機能1とリンクする画面構成要素から生成された初期画面の表示例である。なお、初期画面が表示された後の画面の遷移は、入力デバイス38からのユーザの指示を受け、フローダイアログ35が取得したフロー情報に基づいて、画面テーブル33から画面構成要素を取得することにより行われる。
【0039】
一方、入力デバイス38から操作をより容易性を上げる要求(例えば、図4に示す簡単キーの選択)が遷移アクション40に対して行われると(ステップS708)、遷移アクション40はより操作が簡素化されたダイアログの表示をフローダイアログ35に対して要求する(ステップS709)。
【0040】
フローダイアログ35は、より簡素化されたダイアログの表示をオペレーションフロー36に対して要求する(ステップS710)。なお、本実施形態においては、表示デバイス31には簡素化された画面として基本機能とリンクする画面構成要素からなるダイアログが表示されるものとする。
【0041】
ダイアログの表示の要求を受けたオペレーションフロー36は、フロースペック37に対し初期画面に係わるダイアログの画面構成要素と、基本機能とをリンクさせる機能グループ情報の取得を要求する(ステップS711)。要求を受けたフロースペック37は、該要求に対応する機能グループ情報をオペレーションフロー36に提供する(ステップS712)。
【0042】
フロースペック37から機能グループ情報の提供を受けたオペレーションフロー36は、ダイアログ間の関連を示すフローと機能グループ情報とから構成されるフロー情報をフローダイアログ35に提供する(ステップS713)。フローダイアログ35は、フロー情報に基づいて初期画面を構成する画面構成要素の取得を画面テーブル33に対して要求する(ステップS714)。
【0043】
画面テーブル33は、まず、フロー情報に含まれるフローに基づいて初期画面のダイアログを構成する画面構成要素を選択し、さらに機能グループ情報に基づいて基本機能とリンクする画面構成要素を選択された画面構成要素から抽出し、抽出した画面構成要素のみをフローダイアログ35に提供する(ステップS715)。フローダイアログ35は、画面テーブル33から取得した画面構成要素からダイアログを生成して表示デバイス31に表示する(ステップS716)。図5は、基本機能とリンクする画面構成要素から生成された初期画面の表示例である。
【0044】
なお、入力デバイス38のスタートキーの押下等によりコピー動作が決定アクション38に対して要求されると(ステップS717)、決定アクション38は要求されたコピー動作に係わるアプリケーションの実行をドキュメントマネージャ42に要求する(ステップS718)。
【0045】
上述の構成によれば、複数の機能を有する情報処理装置において、各機能と、画面を構成する画面構成要素とをリンクさせて管理し、選択された画面の表示モードに応じて各機能に対応する画面構成要素を選択し、選択された画面構成要素を利用して画面を生成することにより、情報処理装置の操作性を向上させると同時に、必要な画面構成要素のみを読み出して画面を生成するため、画面の表示に要する処理時間を短くすることができる。
【0046】
また、各機能と画面構成要素とをリンクさせて管理することにより、新たな機能の追加による画面構成要素の追加も容易に行うことができるため、情報処理装置の開発・保守にかかる作業時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本実施形態に係わる情報処理装置を構成要素とするシステムの一例を示す図である。
【図2】本発明のユーザインターフェース制御方法が適用される情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】情報処理装置の制御部に組み込まれたソフトウェアの構成及びハードウェアの関係を示す図である。
【図4】情報処理装置の一つである画像形成装置の操作パネルの構成を示す図である。
【図5】情報処理装置の一つである画像形成装置の操作パネルの構成を示す図である。
【図6】本実施形態に係わるユーザインターフェースの制御部の構成を示す図である。
【図7】本実施形態に係わる情報処理装置の制御部において、画面の表示動作、画面の遷移動作、及びコピー動作を受け付ける動作を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
31 表示デバイス
32 ダイアログ
33 画面テーブル
34 ポップアップダイアログ
35 フローダイアログ
36 オペレーションフロー
37 フロースペック
38 入力デバイス
39 ダイアログアクション
40 遷移アクション
41 決定アクション
42 ドキュメントマネージャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を有し、表示画面を介してユーザと情報を授受する情報処理装置において、
前記表示画面を構成する画面構成要素を保持する画面構成要素記憶手段と、
前記各機能を分類した機能グループと前記画面構成要素とを関連づける機能グループ情報を保持する機能グループ記憶手段と、
前記機能グループ情報に基づいて前記画面構成要素記憶手段から前記画面構成要素を読み出し、読み出した前記画面構成要素により前記表示画面を生成する画面生成手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
連動して表示される前記表示画面間の関連を示すフローを保持するオペレーションフロー記憶手段と、
ユーザから指示を受けたとき、遷移先の表示画面を前記フローに基づいて決定する決定手段とを有することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記各機能が操作の難易度別の前記機能グループに分類されていることを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記各機能が使用頻度別の前記機能グループに分類されていることを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数の機能と、表示画面を構成する画面構成要素を保持する画面構成要素記憶手段と、各機能を分類した機能グループと前記画面構成要素とを関連づける機能グループ情報を保持する機能グループ記憶手段とを有し、前記表示画面を介してユーザと情報を授受する情報処理装置のユーザインターフェース制御方法において、
前記機能グループ情報に基づいて前記画面構成要素記憶手段から前記画面構成要素を読み出す読出工程と、
前記読出工程によって読み出された前記画面構成要素により前記表示画面を生成する生成工程と有することを特徴とするユーザインターフェース制御方法。
【請求項6】
複数の機能と、表示画面を構成する画面構成要素を保持する画面構成要素記憶手段と、各機能を分類した機能グループと前記画面構成要素とを関連づける機能グループ情報を保持する機能グループ記憶手段とを有し、前記表示画面を介してユーザと情報を授受する情報処理装置のユーザインターフェース制御プログラムにおいて、
前記機能グループ情報に基づいて前記画面構成要素記憶手段から前記画面構成要素を読み出す読出処理と、
前記読出処理によって読み出された前記画面構成要素により前記表示画面を生成する生成処理と有することを特徴とするユーザインターフェース制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−141061(P2007−141061A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−335815(P2005−335815)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】