説明

情報処理装置、及び情報処理プログラム

【課題】再生する音声の内容と表示するテキストの内容とを一致させること。
【解決手段】音声再生手段124は、音声データを記憶した複数の音声ファイルを順次再生する。関連付け手段122は、音声再生手段124が音声ファイルを切り替えて再生するときに、音声ファイルを示す識別情報と表示データの表示位置を示す表示位置情報とを予め対応付けた表示位置管理情報から、切り替えて再生する音声ファイルを示す識別情報に対応する表示位置情報を読み出す。テキスト表示手段123は、関連付け手段122が読み出した表示位置情報が示す表示位置の表示データを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画面にテキストや画像を表示しながら、同時に音声を再生する電子辞書等の情報処理装置が知られている。
例えば、特許文献1には、音楽ファイルの内容を音声出力手段により出力させ、その音楽ファイルと予め関連付けられた画像ファイル又はテキストファイルの内容を表示部に表示させる携帯型の複合型再生装置について記載されている。
また、従来の電子辞書では、表示したテキストのテキストファイルと同じフォルダ内にある音声ファイルをファイル名順に再生することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−122382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載の複合型再生装置では、完全に同一のファイル名でないと関連付けができないため、音声ファイルとテキスト(または画像)ファイルが1対1の関係でない場合、再生する音声の内容と表示するテキストの内容とが一致しないという問題があった。
また、従来の電子辞書では、音声ファイルが順次切り替わっても、テキストファイルは切り変わらないため、再生する音声の内容と表示するテキストの内容とが一致しないという問題があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、再生する音声の内容と表示するテキストの内容とを一致させることができる情報処理装置、及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明は、表示データの表示と音声データの再生とを行う情報処理装置において、前記音声データを記憶した複数の音声ファイルを順次再生する音声再生手段と、前記音声再生手段が音声ファイルを切り替えて再生するときに、前記音声ファイルを示す識別情報と前記表示データの表示位置を示す表示位置情報とを予め対応付けた表示位置管理情報から、前記切り替えて再生する音声ファイルを示す識別情報に対応する表示位置情報を読み出す関連付け手段と、前記関連付け手段が読み出した表示位置情報が示す表示位置の表示データを表示する表示手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0007】
また、本発明は、上記の情報処理装置において、前記音声ファイルを示す識別情報と前記表示位置情報との入力を受け付ける入力部と、前記入力部が入力を受け付けた音声ファイルを示す識別情報と表示位置情報とを対応付けた表示位置管理情報を生成する関連付け生成手段と、を備え、前記関連付け手段は、前記関連付け生成手段が生成した表示位置管理情報から、前記音声再生手段が切り替えて再生する音声ファイルを示す識別情報に対応する表示位置情報を読み出すことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記の情報処理装置において、前記表示データは、複数の表示ファイルに記憶され、前記関連付け手段は、前記音声データの再生位置を示す再生位置情報と表示ファイルを示す識別情報とを予め対応付けた表示ファイル情報から、前記音声再生手段が再生する音声データの再生位置を示す再生位置情報に対応する表示ファイルを示す識別情報を読み出し、前記表示手段は、前記関連付け手段が読み出した識別情報が示す表示ファイルを表示することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の情報処理装置において、前記再生位置情報と前記表示ファイルを示す識別情報との入力を受け付ける入力部と、前記入力部が入力を受け付けた再生位置情報と表示ファイルを示す識別情報とを対応付けた表示ファイル情報を生成する関連付け生成手段と、を備え、前記関連付け手段は、前記関連付け生成手段が生成した表示ファイル情報から、前記音声再生手段が再生する音声データの再生位置を示す再生位置情報に対応する表示ファイルを示す識別情報を読み出すことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、表示データの表示と音声データの再生とを行う情報処理装置のコンピュータを、前記音声データを記憶した複数の音声ファイルを順次再生する音声再生手段、前記音声再生手段が音声ファイルを切り替えて再生するときに、前記音声ファイルを示す識別情報と前記表示データの表示位置を示す表示位置情報とを予め対応付けた表示位置管理情報から、前記切り替えて再生する音声ファイルを示す識別情報に対応する表示位置情報を読み出す関連付け手段、前記関連付け手段が読み出した表示位置情報が示す表示位置の表示データを表示する表示手段、として機能させる情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、再生する音声の内容と表示するテキストの内容とを一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る電子辞書の外観構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態に係る電子辞書の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】本実施形態に係る表示位置管理情報ファイルの一例を示す概略図である。
【図4】本実施形態に係る表示ファイル情報ファイルの一例を示す概略図である。
【図5】本実施形態に係るフォルダ内のファイルを示す概略図である。
【図6】本実施形態に係る電子辞書の処理の一例を示す概略図である。
【図7】本実施形態に係る電子辞書の動作を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る表示ファイル切替再生処理での動作を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る再生処理での動作を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係る表示位置切替再生処理での動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電子辞書1の外観構成を示す概略図である。
この図において、電子辞書1は、本体部100と、本体部100に対して開閉自在に取り付けられた蓋体部101と、を有している。電子辞書1の本体部100には、電源入/切キー111、カーソルキー112、アルファベットキー113、音声ボタン114、決定/訳キー115が配設される。また、本体部100には、スピーカ142が配設される。蓋体部101の内側には、表示部141が配設される。表示部141としては、例えば液晶ディスプレイが用いられる。
電子辞書1は、辞書機能、及び、本や演説等のテキストデータ(表示データ)及び音声データの出力を行う機能を備える。また、テキストデータはテキストファイルに記憶され、音声データは音声ファイルに記憶される。電子辞書1は、テキストファイルと音声ファイルとを関連付けて、テキストデータと音声データとを対応させて再生する。また、電子辞書1は、表示するテキストデータが長い等、一度に全てのテキストデータを表示できない場合、テキストファイル中の一部の行のテキストデータを表示する。この場合、電子辞書1は、利用者が画面をスクロールし、他の行のテキストデータを表示させるため、画面にスクロールバーを表示する。
【0014】
<電子辞書1の構成について>
図2は、本実施形態に係る電子辞書の構成を示す概略ブロック図である。
この図において、電子辞書1は、入力部11と、制御部12と、データ記憶部13と、出力部14と、RAM(Random Access Memory)15とを含んで構成される。
【0015】
入力部11は、ユーザ入力を受け付ける部分で、図1に示した、電源入/切キー111、カーソルキー112、アルファベットキー113、音声ボタン114、及び、決定/訳キー115を含んで備える。例えば、入力部11は、ユーザのキー操作に基づいて、音声ファイル名(音声ファイルを示す識別情報)と表示ファイル名と表示行番号(表示位置情報)との入力を受け付ける。また、例えば、入力部11は、ユーザのキー操作に基づいて、音声ファイルの再生開始からの経過時間を示す再生時間(再生位置情報)と表示ファイル名(表示ファイルを示す識別情報)との入力を受け付ける。なお、以下、この再生をファイル切替時間という。
【0016】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、電子辞書1の全体制御を行う。制御部12は、関連付け生成手段121、関連付け手段122、テキスト表示手段123、及び音声再生手段124、を含んで構成される。
【0017】
関連付け生成手段121は、入力部11が入力を受け付けた音声ファイル名と表示ファイル名と表示行番号とを対応付けた表示位置管理情報(図3参照)を生成する。また、関連付け生成手段121は、入力部11が入力を受け付けたファイル切替時間と表示ファイル名とを対応付けた表示ファイル情報(図4参照)を生成する。関連付け生成手段121は、生成した表示位置管理情報及び表示ファイル情報を、関連付けデータ131としてデータ記憶部13に記憶する。
【0018】
関連付け手段122は、音声再生手段124が音声ファイルを切り替えて再生するときに、表示位置管理情報をデータ記憶部13から読み出す。関連付け生成手段121は、読み出した表示位置管理情報から、音声再生手段121が切り替えて再生する音声ファイル名に対応する表示ファイル名と表示行番号とを抽出する。関連付け生成手段121は、抽出した表示ファイル名及び表示行番号をテキスト表示手段123に出力する。
また、関連付け手段122は、音声再生手段124が再生する音声データの再生時間を取得する。関連付け手段122は、データ記憶部13が記憶する表示ファイル情報から、取得した再生時間と一致するファイル切替時間に対応する表示ファイル名を抽出する。関連付け生成手段121は、抽出した表示ファイル名をテキスト表示手段123に出力する。
【0019】
テキスト表示手段123(表示手段)は、表示部141上にテキストファイルから読み出したテキストデータを表示する。具体的には、テキスト表示手段123は、ファイル名、及び表示行番号が入力された場合、そのファイル名のテキストファイルをデータ記憶部から読み出し、そのテキストファイル中の表示行番号の行のテキストデータを表示する。なお、ここで、テキスト表示手段123は、入力された表示行番号の行のテキストデータを画面の先頭に表示し、それ以降の連続する行のテキストデータを画面に表示可能な範囲で表示する。
音声再生手段124は、音声ファイルを順次読み出して再生し、スピーカ142から音声を出力する。なお、音声再生手段124は、ある音声ファイルの再生が終了すると、その音声ファイルが格納されたフォルダ内の音声ファイルを続けて再生する。ここで、音声再生手段124は、フォルダ内の音声ファイルをファイル名の順序に並び替え、再生が終了した音声ファイルのファイル名の次のファイル名の音声ファイルを続けて再生する。
【0020】
データ記憶部13は、大容量の不揮発性メモリからなる。データ記憶部13は、関連付けデータ131、辞書本体データ132,音声データ133、及びテキストデータ134を記憶する。ここで、関連付けデータ131は、表示位置管理情報ファイル及び表示ファイル情報ファイルに分けて記憶される。辞書本体データ132は、例えば、国語辞典の場合、言葉とその言葉の意味とを対応付けたデータである。なお、辞書本体データ132には、本や演説のテキストデータ及びその音声データが含まれる。音声データ133は、音声のデータであり、複数の音声ファイルに分けて記憶される。テキストデータ134は、文字のデータであり、複数のテキストファイルに分けて記憶される。
【0021】
出力部14は、ユーザに対して情報を出力する部分で、図1に示した表示部141や、スピーカ142等からなる。RAM15は、文字データの一時的記憶手段151等として用いられる。
【0022】
本実施形態では、電子辞書1は、上記の構成により、1つのテキストファイルに複数の音声ファイルを関連付け、そのテキストファイルの表示中に、関連付けした音声ファイル群を順次再生する。また、電子辞書1は、1つの音声ファイルに複数のテキストファイルを関連付け、音声ファイル再生中に自動的にテキストを切り替えて表示する。このような関連付けを行う関連付けデータ131について、以下に説明する。
【0023】
<関連付けデータ131について>
図3は、本実施形態に係る表示位置管理情報ファイルの一例を示す概略図である。図示するように、表示位置管理情報ファイルは、関連付けられた音声ファイルのファイル名を示す関連音声ファイル名及び表示行番号の各項目の列を有している。表示位置管理情報ファイルは、関連音声ファイル名毎に表示位置管理情報が格納される。
図3において、関連音声ファイル名は、先頭からハイフンまでの文字列を「関連付け部」、ハイフンからドットまで(つまり、拡張子を除いた)の文字列を「順序部」として用いられる。「関連付け部」はテキストファイルのファイル名と関連付けられ、「順序部」は音声ファイルの再生順を示す。例えば、関連音声ファイル名が「A−1.mp3」の音声ファイルは、関連付け部が「A」であり、ファイル名が「A.txt」のテキストファイルと関連付けられている。また、この「A−1.mp3」の音声ファイルは、関連付け部が「A」によって、ファイル名「A.ref」の表示位置管理情報ファイルとも関連付けられている。
また、図3は、関連音声ファイル名が「A−1.mp3」の音声ファイルに、表示行番号「1」が対応付けられていることを示す。つまり、図3は、関連音声ファイル名が「A−1.mp3」の音声ファイルが、ファイル名が「A.txt」のテキストファイルと、このテキストファイルの表示行番号「1」の行のテキストデータと関連付けられていることを示す。
【0024】
図4は、本実施形態に係る表示ファイル情報ファイルの一例を示す概略図である。図示するように、表示ファイル情報ファイルは、ファイル切替時間及び関連付けられたテキストファイルのファイル名を示す関連テキストファイル名の各項目の列を有している。表示ファイル情報ファイルは、ファイル切替時間毎に関連テキストファイル名が格納される。
図4において、関連テキストファイル名は、先頭からハイフンまでの文字列を「関連付け部」、ハイフンからドットまでの文字列を「順序部」として用いられる。「関連付け部」はテキストファイルのファイル名と関連付けられ、「順序部」はテキストファイルの表示順を示す。例えば、関連テキストファイル名が「D−1.txt」のテキストファイルは、関連付け部が「D」であり、ファイル名が「D.mp3」の音声ファイルと関連付けられている。また、表示位置管理情報ファイルのファイル名「D.ref」とも関連付けられている。
また、図3は、ファイル切替時間「30」に、関連テキストファイル名が「D−2.txt」のテキストファイルが対応付けられていることを示す。つまり、図3は、ファイル名が「D.mp3」の音声ファイルと、そのファイルの再生時間のうちファイル切替時間「30」秒と、関連テキストファイル名が「D−1.txt」のテキストファイルとが関連付けられていることを示す。
【0025】
図5は、本実施形態に係るフォルダ内のファイルを示す概略図である。この図は、フォルダ「Sample(Folder)」内のファイルを示す。この図は、「関連付け部」が「A」、「B」、「C」、「D」により関連付けられたファイルが格納されていることを示す。
この図において、例えば、テキストファイル「A.txt」に対して、「A−1.mp3」、「A−2.mp3」、「A−3.mp3」が関連する音声ファイルであり、「A.ref」が表示位置管理情報ファイルである。このように、テキストファイル「A.txt」に関連する音声ファイルの「関連付け部」は、テキストファイル名と同じ名前「A」としている。また、「順序部」は、それぞれ、「1」、「2」、「3」である。電子辞書1は、テキストファイル名と同じ「A」を持つ音声ファイルを検索して、関連する音声ファイル「A−1.mp3」、「A−2.mp3」、「A−3.mp3」を検索する。また、電子辞書1は、「順序部」により、「A−1.mp3」、「A−2.mp3」、「A−3.mp3」の順に再生する。
【0026】
図6は、本実施形態に係る電子辞書の処理の一例を示す概略図である。この図は、関連付けデータとして図3、4の表示位置管理情報ファイル及び表示ファイル情報ファイルが、図5のフォルダ内に記憶されている場合を示す図である。また、図6は、「A−1.mp3」の音声ファイルを最初に再生した電子辞書1が行った処理を、処理した順に上から並べた履歴である。
図6において、例えば、電子辞書1は、最初に音声ファイル「A−1.mp3」を再生し、表示位置管理情報ファイル「A.ref」に基づいて、テキストファイルの1行目を表示する。また、電子辞書1は、音声ファイル「A−1.mp3」の再生が終了すると、次の名前順の音声ファイル「A−2.mp3」を再生する。ここで、電子辞書1は、音声ファイル「A−1.mp3」から音声ファイル「A−2.mp3」に切り替えるときに、図5の表示位置管理情報ファイル「A.ref」で関連付けられた表示行番号「50」行目のテキストデータを表示する。同様に、電子辞書1は、音声ファイル「A−3.mp3」に切り替えるときに、表示行番号「100」行目のテキストデータを表示する。
【0027】
また、図6において、電子辞書1は、音声ファイル「A−3.mp3」の再生が終了すると、順に、音声ファイル「B−1.mp3」、「B−2.mp3」を再生する。ここで、図5で示すように、フォルダ中には、表示位置管理情報ファイル「B.ref」がない。この場合、電子辞書1は、「関連付け部」が「B」のテキストファイル「B.txt」を表示する。
同様に、電子辞書1は、音声ファイル「B−2.mp3」の再生が終了すると、音声ファイル「C.mp3」を再生し、テキストファイル「C.txt」を表示する。
【0028】
また、電子辞書1は、音声ファイル「C.mp3」の再生が終了すると、音声ファイル「D.mp3」を再生する。ここで、電子辞書1は、音声ファイル「D.mp3」の再生時間「0」秒に、図4の表示位置管理情報ファイル「D.ref」で関連付けられた関連テキストファイル「D−1.txt」を表示する。同様に、電子辞書1は、音声ファイル「D.mp3」の再生時間「30」秒に関連テキストファイル「D−2.txt」を表示し、音声ファイル「D.mp3」の再生時間「60」秒に、関連テキストファイル「D−3.txt」を表示する。
【0029】
<電子辞書1の動作について>
以下、電子辞書1の動作について、図7〜図10を用いて説明をする。
【0030】
図7は、本実施形態に係る電子辞書の動作を示すフローチャートである。
入力部11は、表示テキストの選択を受け付ける(ステップS101)。テキスト表示手段123は、データ記憶部13からテキストデータ134を読み出す(ステップS102)。テキスト表示手段123は、読み出したテキストデータ134を表示部141に表示する(ステップS103)。
【0031】
次に、関連付け手段122は、音声ボタン114が押されたか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104で、音声ボタン114が押されたと判定した場合(ステップS104のYES)、関連付け手段122は、関連テキストファイルが複数あるか否かを判定する(ステップS105)。
【0032】
関連テキストファイルが複数あると判定した場合(ステップS105のYES)、表示ファイル切替再生処理を行う(ステップS12)。なお、ステップS12の表示ファイル切替再生処理は、読み出した表示ファイル情報ファイル(図4)のファイル切替時間だけ音声ファイルの再生が経過したときに、表示するテキストファイルを切り替える処理である。ステップS12の詳細については、図7を用いて後述する。ステップS12で表示ファイル切替再生処理が終了した場合、関連付け手段122は、ステップS106に処理を行う。
【0033】
また、ステップS105で、関連テキストファイルが複数でないと判定した場合(ステップS105のNO)、関連付け手段122は、関連音声ファイルがあるかどうかを判定する(ステップS111)。関連音声ファイルがなければ(ステップS111のNO)、処理を終了する。
【0034】
ステップS111で関連音声ファイルがあると判定した場合(ステップS111のYES)、関連付け手段122は、表示位置管理情報ファイル(図3)があるか否かを判定する(ステップS112)。表示位置管理情報ファイルがないと判定した場合(ステップS112のNO)、関連付け手段122は再生処理を行い(ステップS13)、表示位置管理情報ファイルがあると判定した場合(ステップS112のYES)、表示位置切替再生処理を行う(ステップS14)。ここで、ステップS13の再生処理は、テキストファイルに関連する音声ファイルが複数あり、表示位置管理情報ファイルがない場合には、関連音声ファイルを順に再生する処理を行うものである。ステップS13の詳細については、図9を用いて後述する。
また、ステップS14の表示位置切替再生処理は、順次、音声ファイルを切り替えて再生し、再生する音声ファイルを切り替えるときに、読み出した表示位置管理情報ファイル(図3)の表示行番号の位置までテキストをスクロールさせ、この表示行番号のテキストデータを表示する処理である。ステップS14の詳細については、図10を用いて後述する。
【0035】
図7において、ステップS13で再生処理が終了した場合、及び、ステップS14で、表示位置切替再生処理が終了した場合、関連付け手段122は、ステップS106に処理を進める。
【0036】
関連付け手段122は、名前の順で、次の音声ファイルがあるかどうかを判定する(ステップS106)。次の音声ファイルがある場合(ステップS106のYES)、関連付け手段122は、関連テキストファイルがあるかどうかを判定する(ステップS107)。関連テキストファイルがあると判定した場合、ステップS105にリターンする。
一方、ステップS106で次の音声ファイルがないと判定した場合(ステップS106のNO)、及び、ステップS107で関連テキストファイルがないと判定した場合(ステップS107のNO)、処理を終了する。
【0037】
図8は、本実施形態に係る表示ファイル切替再生処理での動作を示すフローチャートである。この図は、図7中のステップS12の処理を示す。
関連付け手段122は、表示ファイル情報ファイルを読み出す(ステップS121)。関連付け手段122は、関連音声ファイルがあるか否かを判定する(ステップS122)。関連音声ファイルがあると判定した場合(ステップS122のYES)、関連付け手段122は、関連音声ファイル名を音声再生手段124に出力する。音声再生手段124は、関連付け手段122から入力された関連音声ファイル名の音声ファイルを再生する(ステップS123)。
【0038】
関連付け手段122は、音声再生手段124から音声データの再生時間を取得し、表示ファイル情報ファイルのファイル切替時間であるか否かを判定する(ステップS124)。ファイル切替時間であると判定した場合(ステップS124のYES)、関連付け手段122は、そのファイル切替時間に表示ファイル情報ファイルで対応する関連テキストファイル名をテキスト表示手段123に出力する。テキスト表示手段123は、関連付け手段122から入力された関連テキストファイル名のテキストファイルを表示する。つまり、表示するテキストファイルを切り替える(ステップS125)。
関連付け手段122は、最後の関連テキストファイルか否かを判定する(ステップS126)。最後の関連テキストファイルでないと判定した場合、ステップS124にリターンし、ステップS124からステップS126を繰り返し行う。
【0039】
ステップS126で最後のテキストファイルであると判定した場合、関連付け手段122は、関連音声ファイルの再生が終了したか否かを判定する(ステップS127)。関連音声ファイルの再生が終了したと判定した場合、処理を終了する。また、ステップS122で、関連音声ファイルがないと判定した場合(ステップS122のNO)、図7の動作を終了する(ステップS128)。
【0040】
図9は、本実施形態に係る再生処理での動作を示すフローチャートである。この図は、図7中のステップS13の処理を示す。
関連付け手段122は、最初の関連音声ファイルを再生する(ステップS131)。関連付け手段122は、関連音声ファイルの再生が終了したか否かを判定する(ステップS132)。関連音声ファイルの再生が終了したと判定した場合(ステップS132のYES)、関連付け手段122は、最後の関連音声ファイルかどうかを判定する(ステップS133)。最後の関連音声ファイルでないと判定した場合(ステップS133のYES)、次の関連音声ファイルを読み出す(ステップS134)。次に、関連付け手段122は、次の関連音声ファイルを再生する(ステップS135)。その後、ステップS132にリターンし、ステップS132からステップS135の処理を繰り返す。一方、ステップS133で、最後の関連音声ファイルであると判定した場合、処理を終了する。
【0041】
図10は、本実施形態に係る表示位置切替再生処理での動作を示すフローチャートである。この図は、図7中のステップS14の処理を示す。
関連付け手段122は、表示位置管理情報ファイルを読み出す(ステップS141)。関連付け手段122は、最初の関連音声ファイルを再生する(ステップS142)。関連付け手段122は、関連音声ファイルの再生が終了したか否かを判定する(ステップS143)。関連音声ファイルの再生が終了したと判定した場合(ステップS143のYES)、関連付け手段122は、最後の関連音声ファイルであるか否かを判定する(ステップS144)。
【0042】
ステップS144で、最後の関連音声ファイルでないと判定した場合、関連付け手段122は、次の関連音声ファイルに対する表示行番号の行のテキストデータが画面内にあるか否かを判定する(ステップS145)。
表示行番号の行のテキストデータが画面内にあると判定した場合(ステップS145のYES)、関連付け手段122は、次の関連音声ファイルの読み出しを行う(ステップS147)。表示行番号の行のテキストデータが画面内にないと判定した場合(ステップS145のNO)、関連付け手段122は、表示行番号をテキスト表示手段123に出力する。テキスト表示手段123は、関連付け手段122から入力された表示行番号の行のテキストデータが画面の先頭になるようにスクロールさせて表示する(ステップS146)。
関連付け手段122は、次の関連音声ファイルのファイル名を音声再生手段124に出力する。音声再生手段124は、関連付け手段122から入力されたファイル名の音声ファイルの読み出しを行う(ステップS147)。
音声再生手段124は、読み出した関連音声ファイルの再生を行う(ステップS148)。その後、ステップS143にリターンし、ステップS143からステップS148の処理を繰り返す。一方、ステップS144で、最後の関連音声ファイルであると判定した場合、処理を終了する。
【0043】
このように、本実施形態によれば、電子辞書1は、音声データを記憶した複数の音声ファイルを順次再生し、音声ファイルを切り替えて再生するときに、音声ファイル名と表示行番号とを予め対応付けた表示位置管理情報から、切り替えて再生する音声ファイル名に対応する表示位置情報を読み出す。また、電子辞書1は、読み出した表示位置情報が示す表示行番号のテキストデータを表示する。これにより、電子辞書1は、1つのテキストファイルに複数の音声ファイルが対応する場合でも、音声ファイルを切り替えて再生するときにテキストデータの表示位置を切り替えることができ、再生する音声の内容と表示するテキストの内容とを一致させることができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、電子辞書1は、音声ファイル名と表示行番号との入力を受け付け、入力を受け付けた音声ファイル名と表示行番号とを対応付けた表示位置管理情報を生成する。また、電子辞書1は、生成した表示位置管理情報から、切り替えて再生する音声ファイル名に対応する表示位行番号を読み出す。これにより、ユーザが電子辞書1に音声ファイル名と表示行番号とを入力することにより、電子辞書1が表示位置管理情報を生成することができ、再生する音声の内容と表示するテキストの内容とを、ユーザが所望する対応で一致させることができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、表示データは、複数の表示ファイルに記憶され、電子辞書1は、音声データの再生時間(ファイル切替時間)と表示ファイル名とを予め対応付けた表示ファイル情報から、再生する音声データの再生時間に対応する表示ファイル名を読み出し、読み出した表示ファイル名が示す表示ファイルを表示する。これにより、電子辞書1は、1つの音声ファイルに複数のテキストファイルが対応する場合でも、音声ファイルの再生時間に応じて表示するテキストファイルを切り替えることができ、再生する音声の内容と表示するテキストの内容とを一致させることができる。
【0046】
なお、上記実施形態において、電子辞書1が表示するデータがテキストデータである場合について説明をした。しかし、本発明はこれに限らず、電子辞書1が表示するデータは、画面をスクロールして表示するデータであればよく、例えば、HTMLデータや画像データ等であってもよい。
また、上記実施形態において、情報処理装置が電子辞書1である場合について説明をした。しかし、本発明はこれに限らず、パーソナルコンピュータ、携帯ゲーム機、携帯電話装置等であってもよく、特に、画面が小さい携帯型の装置に好適である。
【0047】
なお、上述した実施形態における電子辞書1の一部、例えば、関連付け生成手段121、関連付け手段122、テキスト表示手段123、及び音声再生手段124をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、電子辞書1に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0048】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1・・・電子辞書、11・・・入力部、12・・・制御部、13・・・データ記憶部、14・・・出力部、100・・・本体部、101・・・蓋体部、111・・・電源入/切キー、112・・・カーソルキー、113・・・アルファベットキー、114・・・音声ボタン、115・・・決定/訳キー、121・・・関連付け生成手段、122・・・関連付け手段、123・・・テキスト表示手段(表示手段)、124・・・音声再生手段、131・・・関連付けデータ、132・・・辞書本体データ、133・・・音声データ、134・・・テキストデータ、141・・・表示部、142・・・スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示データの表示と音声データの再生とを行う情報処理装置において、
前記音声データを記憶した複数の音声ファイルを順次再生する音声再生手段と、
前記音声再生手段が音声ファイルを切り替えて再生するときに、前記音声ファイルを示す識別情報と前記表示データの表示位置を示す表示位置情報とを予め対応付けた表示位置管理情報から、前記切り替えて再生する音声ファイルを示す識別情報に対応する表示位置情報を読み出す関連付け手段と、
前記関連付け手段が読み出した表示位置情報が示す表示位置の表示データを表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記音声ファイルを示す識別情報と前記表示位置情報との入力を受け付ける入力部と、
前記入力部が入力を受け付けた音声ファイルを示す識別情報と表示位置情報とを対応付けた表示位置管理情報を生成する関連付け生成手段と、
を備え、
前記関連付け手段は、前記関連付け生成手段が生成した表示位置管理情報から、前記音声再生手段が切り替えて再生する音声ファイルを示す識別情報に対応する表示位置情報を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示データは、複数の表示ファイルに記憶され、
前記関連付け手段は、前記音声データの再生位置を示す再生位置情報と表示ファイルを示す識別情報とを予め対応付けた表示ファイル情報から、前記音声再生手段が再生する音声データの再生位置を示す再生位置情報に対応する表示ファイルを示す識別情報を読み出し、
前記表示手段は、前記関連付け手段が読み出した識別情報が示す表示ファイルを表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記再生位置情報と前記表示ファイルを示す識別情報との入力を受け付ける入力部と、
前記入力部が入力を受け付けた再生位置情報と表示ファイルを示す識別情報とを対応付けた表示ファイル情報を生成する関連付け生成手段と、
を備え、
前記関連付け手段は、前記関連付け生成手段が生成した表示ファイル情報から、前記音声再生手段が再生する音声データの再生位置を示す再生位置情報に対応する表示ファイルを示す識別情報を読み出すことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
表示データの表示と音声データの再生とを行う情報処理装置のコンピュータを、
前記音声データを記憶した複数の音声ファイルを順次再生する音声再生手段、
前記音声再生手段が音声ファイルを切り替えて再生するときに、前記音声ファイルを示す識別情報と前記表示データの表示位置を示す表示位置情報とを予め対応付けた表示位置管理情報から、前記切り替えて再生する音声ファイルを示す識別情報に対応する表示位置情報を読み出す関連付け手段、
前記関連付け手段が読み出した表示位置情報が示す表示位置の表示データを表示する表示手段、
として機能させる情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−22710(P2011−22710A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165837(P2009−165837)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】