説明

情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラム

【課題】複数の情報の読み書きに要する処理時間を短縮することを目的とする。
【解決手段】RFタグの記憶領域上の読み書き対象情報と続く読み書き対象情報をそれぞれ格納する領域のアドレスが表す位置関係が、予め定めた最小限の情報単位の読み書きするために必要な処理負荷時間以下で処理可能な情報量の情報を双方の領域の間に格納可能な位置関係である場合に、読み書き対象情報から続く読み書き対象情報までの情報(読み書き対象以外の情報を含む)を連結し(100〜108)、連結した情報を1度に読み書きを行うことで(110)、情報読み書きの処理時間を短縮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
メモリに記憶された情報の読み出しや、メモリへの情報の書き込みは、その処理速度を向上させるために各種技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の技術では、1回の書き込み処理の対象となるページを複数備える半導体記憶装置に対し、ページの一部乃至複数のページを用いて、書き込もうとするデータの大きさに応じてブロックを作成することにより、読み書き可能な半導体記憶装置において、ブロックが作成されたブロック生成領域と、ブロック作成領域以外の領域である未使用領域との両方を含むページである一部使用済ページが存在するとき、一部使用済ページの未使用領域を、当該未使用領域と同じ大きさを有するブロック甲が作成された領域として取り扱うと共に、未使用領域のみからなる未使用ページの先頭を起点としてブロックを作成し、当該ブロックにデータを書き込むことにより、書き込みを実行する際の処理時間を短縮すると共に、メモリ容量の効率的な利用も併せて実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開第3884722号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、複数の情報の読み書きに要する処理時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の情報処理装置は、予め定めた複数の領域にそれぞれ情報を格納可能な格納手段に対して、情報を読み書きする処理を行う処理手段と、前記処理手段によって前記格納手段に対して情報を読み書きする際に、注目対象の情報を格納する第1の領域と該注目対象に続く注目対象の情報を格納する第2の領域のそれぞれのアドレスが表す位置関係が、予め定めた情報量以下の情報を双方の領域間に格納可能な位置関係である場合に、前記第1の領域から前記第2の領域までのそれぞれの領域に格納する情報を連結して読み書きするように前記処理手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記予め定めた情報量が、予め定めた最小限の情報単位を読み書きするために必要な処理負荷時間以下の時間で読み書き可能な情報量であることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記予め定めた情報量が、読み出し用の情報量と、書き込み用の情報量と、を有することを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の情報処理装置は、予め定めた複数の領域にそれぞれ情報を格納可能な格納手段に対して、情報を読み書きする処理を行う処理手段と、読み書き対象の前記領域に格納される情報とそれ以外の情報とを予め定めた条件に従って連結して情報を読み書きするように前記処理手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の情報処理システムは、予め定めた複数の領域にそれぞれ情報を格納可能な格納手段と、請求項1〜4の何れか1項に記載の情報処理装置と、を備えることを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の情報処理プログラムは、コンピュータを、請求項1〜4の何れか1項に記載の情報処理装置を構成する各手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、4、5、6、7に記載の発明によれば、連結しないで情報を読み書きする場合に比べて、複数の情報の読み書きに要する処理時間を短縮することができる、という効果がある。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、情報を連結することによって増加した情報量の処理時間よりも情報を連結することによって読み書き回数を減らすことで短縮される処理時間の方を大きくすることができる、という効果がある。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、読み出し及び書き込みに要するそれぞれの処理時間を短縮することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係わる情報処理システムの概略構成を示す図である。
【図2】読み出し時の処理負荷時間の測定結果の一例を示すグラフである。
【図3】書き込み時の処理負荷時間の測定結果の一例を示すグラフである。
【図4】RFタグの記憶領域における情報配置の一例を示す模式図である。
【図5】(A)は閾値の情報量の一例を示す模式図であり、(B)は情報連結後を示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態に係わる情報処理システムにおいて、RFタグから情報を読み出すための情報処理プログラムを実行した場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係わる情報処理システムにおいて、RFタグに対して情報を書き込むための情報処理プログラムを実行した場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】(A)は処理時間の測定結果で使用した情報配置を示す模式図であり、(B)は情報連結後を示す模式図であり、(C)は測定結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる情報処理システム10の概略構成を示す図である。
【0017】
情報処理システム10は、図1に示すように、RFID(Radio Frequency IDentification)の技術で使われるRFタグ16と、当該RFタグ16に対して情報の読み書きを行うためのリーダライタ14、及び上位装置12を含んで構成されている。
【0018】
リーダライタ14は、アンテナを備えて非接触でRFタグ16に対して情報を読み書きするものであり、パーソナルコンピュータ等の上位装置12に接続されている。すなわち、上位装置12は、リーダライタ14を介してRFタグ16に対する情報の読み書きを行う。なお、RFタグ16としてICカードを適用するようにしてもよい。
【0019】
本実施の形態では、上位装置12またはリーダライタ14にRFタグ16に対して情報を読み書きするための情報処理プログラムが記憶されており、当該情報処理プログラムを実行することでリーダライタ14によってRFタグ16への情報の読み書きが制御され、RFタグ16に対して情報が読み書きされる。
【0020】
次に、上位装置12またはリーダライタ14に記憶される、RFタグ16に対する情報の読み書きを行うための情報処理プログラムの概略について説明する。
【0021】
リーダライタ14がRFタグ16に対して情報を読み書きする際の時間は、ハードウエア構成やドライバ等のソフトウエア構成に依存する。
【0022】
そこで、一回の読み書きにおける処理負荷時間を、情報量を増加しながら読み出し、または書き込みを行い、その時間を予め測定する。
【0023】
例えば、図2は、読み出し時の処理負荷時間の測定結果の一例を示し、図3は、書き込み時の処理負荷時間の測定結果の一例を示す。
【0024】
図2、3に示すように、RFタグ16に対して情報の読み書きを行った場合、情報量の増加に伴って処理時間も増加し、読み書き何れの場合も1回の読み書きに対して少なくとも最小限の情報単位の読み書きを行うための処理負荷時間(本例では、4バイトを読み書きするための時間)が必要となる。
【0025】
RFタグ16への読み書きの回数が増えれば、最小限の情報単位を読み書きするための処理負荷時間が回数に応じて増加してしまうが、RFタグ16の記憶領域上の読み書き対象情報を格納する第1の領域と続く読み書き対象情報を格納する第2の領域のそれぞれのアドレスが表す位置関係(データ長)が、予め定めた最小限の情報単位の読み書きするために必要な処理負荷時間以下で処理可能な情報量の情報を双方の領域間に格納可能な位置関係である場合には、読み書き対象情報を格納する第1の領域から続く読み書き対象情報を格納する第2の領域までのそれぞれの領域に格納する情報(読み書き対象以外の情報を含む)を連結して1度に読み書きを行うことで、処理負荷時間を減らすことができるので、読み書きの処理時間を短縮することが可能となる。
【0026】
そこで、本実施の形態では、データを連結するか否かを判断するための閾値を算出するために読み書き時の処理負荷時間の測定結果から回帰式を求める。
【0027】
Y=AX+B・・・(1)
【0028】
ここで、Yは時間、Aは傾き、Xは情報量、Bは一回の最小限の情報単位を読み書きするために必要な処理負荷時間を示す。
【0029】
すなわち、最小限の情報単位を読み書きするための処理負荷時間を除く読み書きするための時間は以下の式で表すことができる。
【0030】
Y=AX・・・(2)
【0031】
(2)にてYにBを代入した場合、処理負荷時間B以下で読み書き可能な情報量Xは、以下の式で得ることができる。
【0032】
X≦B/A・・・(3)
【0033】
(3)式を満たすXのうち、RFタグ16への読み書きの単位が最大となる倍数Xを求め、求めた情報量を連結するか否かを判定するための閾値として設定する。
【0034】
すなわち、RFタグ16に対して情報を読み書きするための情報処理プログラムでは、読み書き対象情報を格納する領域と続く読み書き対象情報を格納する領域のそれぞれのアドレスが表す位置関係と、閾値とを比較して、読み書き対象情報を格納する領域から続く読み書き対象情報を格納する領域までの間の領域に格納する情報量が閾値以下の場合に、読み書き対象情報を格納する領域から続く読み書き対象情報を格納する領域までの各領域に格納する全ての情報を連結して読み書きを行うようになっている。これにより情報が連結されて読み書きが行われる場合には処理負荷時間が短縮される。
【0035】
RFタグ16の記憶領域における情報配置としては、例えば、図4に示すような配置を適用することができる。図4は、RFタグ16の記憶領域における情報配置の一例を示す模式図である。
【0036】
本実施の形態では、RFタグ16は、複数のブロックに記憶領域が予め分割されて構成され、例えば、図4に示すように、A1〜A10のように記憶領域が複数のブロックに分割されている。例えば、A1〜A10の各ブロックに健康診断等の情報(例えば、身長、体重、血糖値などの情報)がそれぞれ記憶され、ブロック毎に記憶する情報の種類が予め定められている(例えば、A1に身長、A2に体重のようにブロック毎に記憶する情報種が定められている)。なお、図4中の斜線部分は、情報の読み書きの対象外部分の領域を示す。
【0037】
このようなRFタグ16に対して情報を読み書きする際には、対象となる領域に対してそれぞれ読み書きを行うため、例えば、図4中のA1〜A10の全ての領域を読み書きする場合には、10回の最小限の情報単位を読み書きするための処理負荷時間が必要となってしまう。
【0038】
しかしながら、本実施の形態では、求めた閾値と読み書き対象の情報が格納される領域と続く読み取り対象の情報が格納される領域のアドレスが表す位置関係に基づいて、情報を連結して読み書きするので、連結した分の処理負荷時間が短縮される。
【0039】
例えば、求めた閾値の情報量が図5(A)に示す大きさであった場合には、図4のA1〜A10の全てに対して読み書きを行う際には、図5(B)に示すように、A1〜A8までの情報が連結されてB1となると共に、A9〜A10が連結されてB2となり、2回の読み書きを行うことになるので、8回分の処理負荷時間が短縮されることになる。
【0040】
続いて、上述のRFタグ16に対する情報の読み書きを行うための情報処理プログラムを実行した場合の具体的な処理について説明する。
【0041】
まず、RFタグ16から情報を読み出す場合の処理について説明する。図6は、本発明の実施の形態に係わる情報処理システム10において、RFタグ16から情報を読み出すための情報処理プログラムを実行した場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0042】
情報の読み出しが指示されるとステップ100では、未評価の注目対象があるか否か判定される。該判定は、例えば、図4に示すRFタグ16の情報が格納される領域のうち読み出し対象を順次注目対象として未評価のものがあるか否か判定し、該判定が肯定された場合にはステップ102へ移行し、否定された場合にはステップ110へ移行する。
【0043】
ステップ102では、注目対象を次の読み出し対象としてステップ104へ移行する。例えば、読み出し対象がA1〜A10全ての場合には、まず、A1の領域を注目対象とし、A1について以下の処理が行われることで評価が完了した場合にはA2の領域を注目対象として、順次注目対象の領域を移動する。
【0044】
ステップ104では、注目の読み出し対象及び続く読み出し対象の情報が格納されたアドレス情報が読み出されてステップ106へ移行する。
【0045】
ステップ106では、情報間位置関係が閾値以下か否か判定される。該判定は、読み出し対象の情報と続く読み出し対象の情報のそれぞれが格納される領域のアドレスが表す位置関係(サイズ長)が、上述の回帰式から求めた閾値以下か否か判定され、該判定が否定された場合にはステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、判定が肯定された場合にはステップ108へ移行する。
【0046】
ステップ108では、注目の読み出し対象から次ぎの読み出し対象までの情報(読み出し対象以外の領域の情報を含む)が連結可能とされてステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、未評価の注目対象がなくなったところでステップ110へ移行する。
【0047】
そして、ステップ110では、連結可能とされた情報を連結して読み出しが行われて一連の処理を終了する。すなわち、情報を連結して読み出されることにより、対象外情報を含めて情報を読み出すため情報量は増加するが読み出し回数を減らすことができるので、最小限の情報単位を読み書きするために必要な処理負荷時間が削減される。また、増加した情報量の処理時間は処理負荷時間よりも小さいか等しいため、最終的に読み出し時間が短縮される。
【0048】
続いて、RFタグ16に対して情報を書き込む場合の処理について説明する。図7は、本発明の実施の形態に係わる情報処理システム10において、RFタグ16に対して情報を書き込むための情報処理プログラムを実行した場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0049】
情報の書き込みが指示されるとステップ200では、RFタグ16に記憶された情報から書き込み対象の先頭の対象データから末尾の対象データまでの情報が読み出されてステップ202へ以降する。すなわち、書き込みを行う場合には、書き込み時の以下の処理で連結して情報を書き込む際に、書き込み対象以外の情報も連結することがあり、読み込み時に書き込み対象以外の情報が必要であるため、RFタグ16に記憶された書き込み対象の先頭の対象データから末尾の対象データまでの情報の読み出しが行われる。このとき、読み出し用の閾値が書き込み用の閾値以上である場合は、図6のフローチャートに従い情報を読み出し、書き込み対象以外の情報の読み出しを行うことで、読み出し時間が短縮される。読み出し用の閾値が書き込み用の閾値よりも小さい場合は、書き込み対象の先頭の対象データから末尾の対象データまでの情報を全て読み出す必要があるので、RFタグ16に記憶された先頭の対象データから末尾の対象データまでの読み出しが行われる。
【0050】
ステップ202では、未評価の注目対象があるか否か判定される。該判定は、例えば、図4に示すRFタグ16の情報が格納される領域のうち書き込み対象を順次注目対象として未評価のものがあるか否か判定し、該判定が肯定された場合にはステップ204へ移行し、否定された場合にはステップ212へ移行する。
【0051】
ステップ204では、注目対象を次の書き込み対象としてステップ206へ移行する。例えば、書き込み対象がA1〜A10全ての場合には、まず、A1の領域を注目対象とし、A1について以下の処理が行われることで評価が完了した場合にはA2の領域を注目対象として、順次注目対象の領域を移動する。
【0052】
ステップ206では、注目の書き込み対象及び続く書き込み対象の情報が格納されたアドレス情報が読み出されてステップ208へ移行する。
【0053】
ステップ208では、情報間位置関係が閾値以下か否か判定される。該判定は、書き込み対象の情報と続く書き込み対象の情報のそれぞれが格納される領域のアドレスが表す位置関係(サイズ長)が、上述の回帰式から求めた閾値以下か否か判定され、該判定が否定された場合にはステップ202に戻って上述の処理が繰り返され、判定が肯定された場合にはステップ210へ移行する。
【0054】
ステップ210では、注目の書き込み対象から次ぎの書き込み対象までの情報(読み出し対象以外の領域の情報を含む)が連結可能とされてステップ202に戻って上述の処理が繰り返され、未評価の注目対象がなくなったところでステップ212へ移行する。
【0055】
そして、ステップ212では、連結可能とされた情報を連結して書き込みが行われて一連の処理を終了する。すなわち、情報を連結して書き込まれることにより、対象外情報を含めて情報を書き込むため情報量は増加するが書き込み回数を減らすことができるので、最小限の情報単位を読み書きするために必要な処理負荷時間が削減される。また、増加した情報量の処理時間は処理負荷時間よりも小さいか等しいため、最終的に書き込み時間が短縮される。
【0056】
ここで、図6、7の処理を一例を挙げて補足する。例えば、図4におけるA1〜A10に対して読み書きを行う場合には、A1を注目対象として、続く注目対象のA2との位置関係が閾値以下か否かを判断する。回帰式から予め算出した閾値が図5(A)に示す情報量であるとすると、A1とA2が連結可能とされる。続いて、A2を注目対象として続くA3との位置関係が閾値以下か否かを判断し、このように注目対象を順次移動しながら注目対象と続く注目対象の位置関係が閾値以下の場合に連結して情報を読み書きする。
【0057】
図4の例では、閾値が図5(A)に示す情報量であるとすると図5(B)に示すように、A1〜A8までが連結されてB1となり、A9、A10が連結されてB2となり、2回の読み書きを行うことになる。これによって、上述したように8回分の処理負荷時間が短縮され、結果として読み書き時間が短縮される。
【0058】
ここで、本実施の形態のように情報を連結して読み書きを行った場合と、連結せずに読み書きを行った場合の処理時間の測定結果の一例を説明する。
【0059】
対象情報としては、図8(A)に示すように、A1〜A8の情報を読み書きする。A1〜A8はそれぞれ4バイト、未使用領域(斜線領域)についても4バイトとする。また、最小限の読み書きの情報単位も4バイトとする。
【0060】
RFタグ16の読み出し時の処理負荷時間の測定結果から算出した回帰式は、以下の式で示されるものとする。
【0061】
Y=3X+70・・・(4)
【0062】
最小限の情報単位は4バイトであるので、X≦70/3を満たすXは20バイトとなるので、読み出し時の閾値は20バイトとなる。
【0063】
また、RFタグ16への書き込み時の処理負荷時間の測定結果から算出した回帰式は、以下の式で示されるものとする。
【0064】
Y=12X+70・・・(5)
【0065】
最小限の情報単位は4バイトであるので、X≦70/12を満たすXは4バイトとなるので、書き込み時の閾値は4バイトとなる。
【0066】
すなわち、本実施の形態では、読み書き共に図8(B)に示すように、A1〜A8が連結されてB1の1回の読み書きを行うことになる。
【0067】
この例では、読み出し及び書き込みの処理時間は、従来のようにA1〜A8についてそれぞれ読み書きした場合(連結しない場合)には、図8(C)に示すように、読み出しは656[msec]の処理時間となり、書き込みは944[msec]の処理時間となり、合計1600[msec]の処理時間が必要であった。
【0068】
これに対して本実施の形態のように連結する場合では、読み出しは262[msec]の処理時間となり、書き込みは838[msec]の処理時間となり、合計1100[msec]の処理時間であり、31%の速度改善効果が得られた。
【0069】
なお、上記の実施の形態において、連結した情報を作成するタイミングやRFタグ16への読み書きのタイミングは任意であり、上記の実施の形態の図6、7のフローチャートのように、全ての評価が終了してから連結情報を生成して読み書きを行うようにしてもよいし、評価しながら連結情報を作成して読み書きを行うようにしてもよい。
【0070】
また、上記の実施の形態では、非接触でRFタグ16に対して読み書きを行う場合を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、接触型或いは有線接続されたメモリ等の記憶装置に対して本実施の形態と同様に処理を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10 情報処理システム
12 上位装置
14 リーダライタ
16 RFタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた複数の領域にそれぞれ情報を格納可能な格納手段に対して、情報を読み書きする処理を行う処理手段と、
前記処理手段によって前記格納手段に対して情報を読み書きする際に、注目対象の情報を格納する第1の領域と該注目対象に続く注目対象の情報を格納する第2の領域のそれぞれのアドレスが表す位置関係が、予め定めた情報量以下の情報を双方の領域間に格納可能な位置関係である場合に、前記第1の領域から前記第2の領域までのそれぞれの領域に格納する情報を連結して読み書きするように前記処理手段を制御する制御手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記予め定めた情報量は、予め定めた最小限の情報単位を読み書きするために必要な処理負荷時間以下の時間で読み書き可能な情報量である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記予め定めた情報量は、読み出し用の情報量と、書き込み用の情報量と、を有する請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
予め定めた複数の領域にそれぞれ情報を格納可能な格納手段に対して、情報を読み書きする処理を行う処理手段と、
読み書き対象の前記領域に格納される情報とそれ以外の情報とを予め定めた条件に従って連結して情報を読み書きするように前記処理手段を制御する制御手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項5】
予め定めた複数の領域にそれぞれ情報を格納可能な格納手段と、
請求項1〜4の何れか1項に記載の情報処理装置と、
を備えた情報処理システム。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1〜4の何れか1項に記載の情報処理装置を構成する各手段として機能させるための情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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