説明

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

【課題】データベースの検索結果に応じた適切な項目を用いて、検索結果を一覧表示できるようにする。
【解決手段】検索条件を用いて作成された検索処理要求に対する応答として得られた検索結果に応じて、予め設定された表示候補項目の評価を行い、その評価結果に基づいて表示候補項目の中から表示する項目を選択して、検索結果として得られた情報のうち、選択された項目の情報を表示させるようにして、検索結果に応じた適切な項目での検索結果の一覧表示を行えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関し、特に情報検索システムでの結果表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大量の情報が医療現場で扱われるようになり、それらの情報をデータベース上で管理し、必要に応じて検索して利用するという状況が増えている。データベースを有効に活用するためには、検索を行う操作者(ユーザ)に対して目的とする情報をいかに適切に提示するかが重要となる。
【0003】
前述のようなデータベースを検索する目的の一つとして、閲覧したい症例を見つけることがあげられる。しかし、データベースへの1回の検索で、対応する症例の情報のみを提示することは困難である。そのため、現実には検索条件を補正して検索を行うことで結果を絞り込み、目的の症例の情報を探すことになる。よって、検索結果の一覧表示には、結果となる症例群内での個々の違いを明示し、操作者が一覧表示されたものの中から目的とする症例の情報を選択できるようにすることが求められる。
【0004】
また、医療現場には医師、技師、会計担当者など様々な役割の人が存在する。よって、同じデータベースの情報にアクセスするとしても、医師が診断のためにアクセスする場合と、技師が検査時にアクセスする場合とでは状況が異なっている。そのような状況に対応するために、例えば下記特許文献1には、検索結果を一覧表示する際の表示項目をユーザが選択・加工する機能を備えるデータベースシステム等が提案されている。また、例えば下記特許文献2には、ユーザが選択した属性をユーザ毎に記憶し、検索を行う人によって異なる表示項目を選択する機能を備える情報表示システムが提案されている。また、例えば下記特許文献3には、医師が使用する場合と医師以外が使用する場合など、いくつかの状況に応じた表示項目が予め設定されていて、その中から対応する表示形式を選択する情報処理技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−242742号公報
【特許文献2】特開2006−39673号公報
【特許文献3】特開2006−350998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1や特許文献2に記載の手法では、ユーザが選択した表示項目が用いられるだけであり、検索結果を一覧表示する際の表示項目を検索結果に応じて変化させることができない。また、特許文献3に記載の技術では、状況に応じた表示項目が予め設定されていて、その中から対応する表示形式が選択されるだけである。よって、これらの手法では、検索結果の症例群内での個々の違いを明示し、操作者が一覧表示されたものの中から目的とする症例の情報を選択できるように、検索結果に応じて動的に表示項目を変化させることができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、データベースの検索結果に応じた適切な項目を用いて、検索結果を一覧表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理装置は、データベースに対してアクセス可能な情報処理装置であって、設定された表示候補項目を記憶する記憶手段と、前記データベースの検索に係る検索条件を取得する検索条件取得手段と、前記検索条件取得手段により取得した前記検索条件を用いて、前記データベースに対する検索処理要求を作成するクエリ作成手段と、前記クエリ作成手段により作成された前記検索処理要求に対する検索結果に応じて、前記表示候補項目の評価を行い、前記表示候補項目の中から表示する項目を選択する項目選択手段と、前記検索結果として得られた情報のうち、前記項目選択手段により選択された項目の情報を表示させる表示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検索結果に応じて表示する適切な項目を選択して検索結果の表示を行うことができ、検索結果として得られる複数の情報を最大限識別可能なようにして表示を行うことが可能となり、目的とする情報を効率よく取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【図2】本実施形態に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図2に示すステップS270での処理を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る検索結果の一例及びその表示例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る検索結果の表示例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る検索結果の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
以下では、光干渉断層計(OCT)により取得された網膜の3次元断層画像と、その断層画像に画像処理を施した結果を、被検眼をもつ患者の患者情報や眼底カメラの画像とともに保存するデータベースの検索結果の表示を一例として説明する。また、データベースへの検索を行う状況としては、断層画像を撮像する技師が検索を行う場合と、診断を行う医師が検索を行う場合とを一例として説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態は、操作者(ユーザ)による入力に従って実行した検索の結果を一覧表示する際に、検索結果に応じて有効な項目を選択して表示することにより、効果的な検索結果の表示を行うようにしたものである。より具体的には、検索条件の設定の仕方によって、各項目の値に対する検索結果のバリエーションは異なる。そこで、検索結果において値のバリエーションの大きな項目から選択することで、検索結果に含まれる症例群の個々の違いを効果的に明示する。特に、結果を表示するスペースが限られている場合には、検索結果における値のバリエーションの大きさと、状況に応じた医療上の重要度を加味して項目の選択を行うことで、効果的な一覧表示を行うことができる。
【0012】
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る情報処理システム10は、情報処理装置100と、情報処理装置100がアクセス可能なデータベース200とを有する。
情報処理装置100は、アクセス情報取得部110、検索条件取得部120、制御部130、記憶部140、クエリ作成部150、出力部160、検索結果取得部170、項目選択部180、及び表示部190を有する。
【0013】
アクセス情報取得部110及び検索条件取得部120は、操作者(ユーザ)による入力を取得する。例えば、アクセス情報取得部110は、操作者より入力される操作者のID情報等を取得する。また例えば、検索条件取得部120は、操作者より入力される検索条件を取得する。アクセス情報取得部110及び検索条件取得部120によって取得された操作者のID情報や検索条件等は、制御部130を通じて記憶部140に保存される。
【0014】
制御部130は、情報処理装置100内の各機能部を統括的に制御する。例えば、制御部130は、アクセス情報取得部110によって取得された操作入力に基づいて、操作者に応じた項目(表示項目、表示候補項目)を記憶部140より取得する。記憶部140には、操作入力に基づき取得された操作者の情報や検索条件が保存されるとともに、操作者に応じてそれぞれ設定された表示項目及び表示候補項目が保存されている。ここで、表示項目とは、検索結果の一覧表示に必須と考えられる項目(項目群)であり、表示候補項目とは、検索結果の一覧表示に必須ではないが表示に有効と考えられる項目(項目群)である。なお、表示項目は設定されていなくてもよいが、表示候補項目は設定されている必要がある。
【0015】
クエリ作成部150は、制御部130を通じて検索条件と、操作者に応じた表示項目及び表示候補項目とを取得し、それに関連する問い合わせ(クエリ、検索処理要求)を作成する。出力部160は、データベース200への出力を行い、検索結果取得部170は、データベース200に対して行った検索の結果を取得する。すなわち、クエリ作成部150によって作成されたクエリ(検索処理要求)は、制御部130を通じて出力部160によりデータベース200に出力される。そして、クエリに応じたデータベース200の検索結果としての情報が、検索結果取得部170により取得される。
【0016】
項目選択部180は、検索結果取得部170によって取得された検索結果に応じて、検索結果の表示に適した項目の選択を行う。表示部190は、検索結果のレコード一覧をモニタ等の表示手段に出力させる。ここでレコードとは、検索結果として得られる結果一つ一つのことを指す。データベース200は、本実施形態では医療情報が登録されたデータベースである。データベース200には、OCTにより取得された網膜の3次元断層画像及びその断層画像に画像処理を施した結果や被検眼をもつ患者の患者情報や眼底カメラの画像が登録され保存されている。
【0017】
次に、図2に示すフローチャートを参照して、本実施形態における情報処理装置100の処理手順について説明する。図2は、情報処理装置100の処理手順の一例を示すフローチャートである。前述したように本実施形態におけるデータベースには、網膜の断層画像を撮影したOCT画像とともに、検査情報や患者情報や電子カルテ情報等が登録され保存されている。検査情報は、被検眼が左右どちらであるかや撮像部位、撮像日時、造影剤使用の有無などの情報を含む。また、患者情報は、対応する患者の年齢や性別、担当医などの情報を含む。また、電子カルテ情報は、疾患の診断情報や投薬履歴などの情報を含む。このようなデータベースに対して、OCTの断層画像を撮像する技師が検索を行う場合と、診断を行う医師が検索を行う場合とで、検索結果を一覧表示する際の項目の選択法に違いを持たせることで、より的確な検索結果の提示を行うことができる。
【0018】
ステップS210にて、アクセス情報取得部110は、システムを使用する操作者のログインIDなどから、操作者の情報(操作者の氏名や、医師か技師かなど)を取得する。取得された操作者の情報は、制御部130を通じて記憶部140へと送信される。一例として、以下では操作者が医師であるものとして説明する。
【0019】
ステップS220にて、検索条件取得部120は、操作者が入力装置等より入力する検索条件を取得する。取得された検索条件は、制御部130を通じて記憶部140へと送信される。ここで、検索条件の入力は、例えば、検索条件入力用のダイアログが開き、そこに患者名や検査日、診断名などの入力を行うことで実施される。ここですべての項目に入力する必要はなく、入力しない項目というのも検索目的の重要な要素となる。
【0020】
ステップS230にて、制御部130は、ステップS210において取得された操作者の情報に基づき、表示項目、表示候補項目及び項目毎の重要度を記憶部140より取得する。ここでは、表示項目、表示候補項目の各項目群が、操作者が医師であるか、あるいは技師であるかに応じて、予め選択され保存されているとする。例えば、操作者が医師である場合には、表示項目群NDとしては何も設定されておらず、操作者が技師である場合には、表示項目群NOとして{患者ID、年齢、性別、担当医、撮像解像度}が設定されているとする。
【0021】
表示候補項目群としては、データベースの全項目の中で、表示に適さない項目と表示項目としてすでに選択した項目を除いたものとする。表示に適さない項目には、例えば自動で割り当てられるユニークIDや、単一の装置が設置された医療機関においてデータベース内で常に同一となることが分かっている装置シリアル番号や製造元、離散化することが困難な連続値の属性値をもつ項目などがある。ここでは操作者が医師である場合には、表示候補項目群EDとして{患者ID、患者名、年齢、性別、使用薬剤、検査日、左右眼、撮像部位、撮像枚数}が設定されているとする。また、操作者が技師である場合には、表示候補項目群EOとして{撮像部位、撮像枚数}が設定されているとする。
【0022】
なお、前述の説明では、操作者が医師の場合と技師の場合とに分けて設定しているが、操作者一人一人に対して項目を設定することも可能である。また、表示項目、及び表示候補項目は、予めデフォルトの選択がされているが、操作者が必要に応じて変更できるようにしても良い。
【0023】
また、項目毎の重要度とは、表示候補項目群内の項目に対して、表示の際に優先される順番を指定するものである。重要度は、操作者が医師である場合と技師である場合とで異なる値が設定されてもよいし、同一の値が設定されてもよい。また、特に指定しない場合には、すべての項目が同一の重要度と判断される。また、表示項目の重要度は、表示の順番などにも用いられる。
【0024】
ステップS240にて、クエリ作成部150は、ステップS220において取得された検索条件と、ステップS230において取得された表示項目及び表示候補項目とを用いて、検索クエリ(検索処理要求)を作成する。検索クエリは、検索結果のレコードがすべての表示項目及び表示候補項目の値を返すようにSQL構文を用いて生成され、出力部160を通じてSQLサーバ機能を有するデータベース200に送信される。送信された検索クエリに対する結果(検索結果)は、検索結果取得部170を通じて再び情報処理装置100に取得され、制御部130を通じて記憶部140に保存される。
【0025】
ステップS250にて、制御部130は、記憶部140に保存された検索結果に対して、表示項目のみで各レコードが識別可能であるか否かを判断する。ここでは一つのレコードは一つのOCT断層画像を表す。また、検索結果として得られた各レコード間で、表示する項目の値がすべて等しくなるレコードが複数存在しないとき、識別可能であるという。つまり、検索結果の各レコードが識別可能である場合には、表示する項目の値を決めれば、対応するレコードが一つ確定するか、又は該当するレコードが存在しないことになる。また、表示項目が設定されていない場合には、各レコードの識別は可能ではないとして次のステップに進む。
【0026】
以下に、検索結果の識別可能性を評価する具体的な処理の一例を示す。
検索結果がnレコードであるとし、各レコードをk(=0〜(n−1))とする。まず、制御部130は、k=0のレコードに対して、k=1〜(n−1)のレコードのそれぞれと表示する項目の値を比較し、項目の値がすべて同じとなるレコードが存在するか否かを調べる。その結果、k=0のレコードと項目値がすべて同じものが存在すれば、識別はできなかったとして処理を終了する。一方、k=0のレコードと同じものが存在しなかった場合には、制御部130は、次にk=1のレコードに対して、k=2〜(n−1)のレコードのそれぞれと表示する項目の値を比較し、項目の値がすべて同じとなるレコードが存在するか否かを調べる。k=1のレコードと項目値がすべて同じものが存在すれば、識別はできなかったとして処理を終了する。一方、k=1のレコードと同じものが存在しなかった場合には、制御部130は、次にk=2のレコードに対して、表示する項目の値がすべて同じとなるレコードが存在するか否かを調べる。以下、この処理を繰り返す。具体的には、制御部130は、表示する項目の値がすべて同じものが存在しなければlの値を1ずつ順次増加させ、k=lのレコードに対して、k=(l+1)〜(n−1)のレコードのそれぞれと比較を行う。k=(n−2)のレコードとk=(n−1)のレコードとの比較により、両者の項目値のすべてが同じでない場合には、すべてのレコードが識別可能であるとする。
【0027】
なお、検索結果の識別可能性を調べる手法は、前述したものに限定されるものではなく、前述した手法以外にも複数存在する。例えば、ある一つの項目に着目して、その項目値で全レコードを複数のグループに分類し、一つのグループに複数のレコードが存在するグループのみを選択する。そのグループ内に複数のレコードが存在するグループに対して、二つ目の項目の値でさらにサブグループに分類し、複数のレコードが存在するサブグループのみを選択する。以下、同様にして前述した作業を繰り返し、すべての必須項目による分類が終了しても複数のレコードをもつグループが存在する場合には、検索結果の各レコードは識別可能ではないとする方法がある。
【0028】
ステップS260にて、制御部130は、ステップS250における識別可能性の評価結果に応じて処理の分岐を行う。表示項目のみで検索結果の全レコードが識別される場合(検索結果の各レコードが識別可能である場合)には、表示項目のみを選択し、ステップS290に進む。一方、表示項目のみでは検索結果のレコードの識別ができない場合には、ステップS270に進み、さらに項目を追加して表示をするための処理を行う。
【0029】
ステップS270にて、項目選択部180は、ステップS230において取得されている表示候補項目の中から表示に必要な項目の選択を行う。限られた表示スペース内に最も効果的に検索結果の一覧表示を行うために、検索結果に応じて表示候補項目の評価を行い、有効性が高い項目から順に表示可能な数の項目を選択する。
【0030】
ここで、有効性の指標として2つの視点を考える。第1の視点は、予め操作者もしくは製造者による設定を行うことであり、表示項目を選択・保存することや、表示候補項目に重要度を与えることに対応する。これにより、医療現場で必須となる表示項目を確保することや、検索を行う際の状況や操作者の役割の違いによる差異などを反映することができる。これに関しては、ステップS230で対応する項目を取得することで対応する。
【0031】
第2の視点は、各項目がいかにして、検索結果となる症例群の個々の違いを明示し、操作者が一覧の中から目的とする症例の情報を選択することに貢献できるかである。言い換えれば、表示部分に含まれる情報をいかに有効な順番に並べて表示するかということであり、表示項目の情報量を計算してその情報量が多い順番に表示することで目的を達成することができる。
【0032】
以下、第2の視点に関して、図3に示すフローチャートを参照して、各項目が検索結果に対して持つ情報量を計算する手法について具体的に説明する。図3は、図2に示すステップS270での処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0033】
ステップS271にて、項目選択部180は、表示項目による検索結果の分割を行う。表示項目として設定されているすべての項目の値によって、各項目の値が等しい部分集合に検索結果のレコードを分類することで、検索結果の分割を行う。表示項目が設定されていない場合には、検索結果の分割は行わずに次のステップに進む。
【0034】
ステップS272にて、項目選択部180は、表示候補項目EDに含まれるすべての項目に関して、その有効性を評価する。ここでは表示候補項目EDとして{患者ID、患者名、年齢、性別、使用薬剤、検査日、左右眼、撮像部位、撮像枚数}が設定されているものとする。これらの項目に対して、患者の苗字のみを検索条件に設定して(患者名=“検索”と設定して)検索を行った結果の一例を図4に示す。図4(a)では、“検索”という苗字をもつ“検索太郎”の症例16例と、“検索花子”の症例7例が示されている。また、それぞれの症例に対して、表示候補項目EDとして設定されている全項目の値がそれぞれ示されている。
【0035】
図4(a)に示される結果を、{患者ID、患者名、年齢、性別、左右眼}という5つの固定項目で表示した場合の例を図4(b)に示す。図4(b)に示す表示では、各レコードの結果が{患者ID、患者名、年齢、性別、左右眼}という5項目ではほとんど変わらない。そのため、図4(b)に示されるように検索結果の一覧が提示されても、その中から求める症例の情報を操作者が選択することは困難である。しかし、仮に検索が検査日を指定して行われた場合には、該当する検査日に検査を行った複数の患者の一覧が得られるため、前述した固定5項目は一覧表示に有効な項目セットとなることが予想される。
【0036】
そこで、例えば表示候補項目EDに含まれる各項目の有効性を以下のようにして評価する。
検索結果の全レコードの集合をS、全レコードの要素数をnとする。検索結果のすべてのレコードを個別に識別するために必要な情報量は、次の(式1)で表される。
【0037】
【数1】

【0038】
集合Sが、ある項目aの値により部分集合S1、S2、・・・、SVに分割されるとする。このとき、すべての部分集合Siに属する対象を分類するのに必要な情報量は、以下の(式2)のように表される。
【0039】
【数2】

【0040】
なお、siは、部分集合Siに属するレコード数である。これにより項目aで分割することによる情報量の利得Gは、次の(式3)で求められる。この利得Gが最も大きくなる項目を、有効性の最も高い項目とする。
【0041】
【数3】

【0042】
例えば、図4(a)に示した場合に利得Gを計算すると以下のようになる。
G(患者ID)=G(患者名)=G(年齢)=G(性別)=0.614
G(使用薬剤)=1.354
G(検査日)=2.186
G(左右眼)=0.387
G(撮像部位)=0.646
G(撮像枚数)=0.685
【0043】
ステップS273にて、項目選択部180は、ステップS272での処理結果に基づき、利得の最も大きな項目を1つ選択して有効性の高い項目のリスト(以下、有効性リストと呼ぶ)に加える。そして、これまでに獲得された利得の和GSを計算する。前述したステップS272での処理結果の例では、「検査日」が最大の利得を持つので、項目「検査日」を有効性リストに加える。これまでリストには何も加えられていない状態であったため、「検査日」が有効性リストの最上位となり、利得の和GS=G(検査日)=2.186となる。
【0044】
また、「患者ID」、「患者名」、「年齢」、「性別」による利得Gがすべて等しいことに着目する。図4から明らかなように、検索結果においてこの4項目の値は常にセットで存在する。このような項目群はその中のどれをとっても情報量の利得は等しくなるため、ステップS272の処理からは有効性の差異は生じない。そこで有効性の差異を、ステップS230において取得される重要度の差に基づき評価する。具体的には、最大の利得Gをもつ項目が複数存在する場合には、その中で重要度の最も大きな項目を選択する。重要度も等しい場合には、その中のどの項目を選択しても構わない。例えば、「患者ID」、「患者名」、「年齢」、「性別」の利得Gが最大で、重要度が、患者名>年齢=性別>患者IDとされているとすれば、4つの中からは「患者名」を選択する。
【0045】
ステップS274にて、これまで選択された項目によって、すでに検索結果のレコードの識別がなされたか否かを判断する。この判断は、ステップS273において計算された利得の和GSが、(式1)で求められる情報量I(n)と等しいか否かを判定することによって行われる。「検査日」だけが有効性リストに加えられた状態では利得の和GS=2.186であり、I(23)=3.135に一致していないため、識別はできていないと判断する。
【0046】
ステップS275にて、項目選択部180は、表示候補項目の中で有効性リストに加えられていない項目が存在するか否かを判断する。ここでは、「検査日」しか有効性リストに加えられてなく、{患者ID、患者名、年齢、性別、使用薬剤、左右眼、撮像部位、撮像枚数}が残っているので、ステップS272に戻る。但しここで、ステップS273での利得の計算結果が、残りすべての項目に対して0となってしまう場合には、表示候補項目の残りはないと判断する。これは、残っている項目を用いてもさらなる分割を行うことができないためである。
【0047】
ステップS272にて、項目選択部180は、「検査日」のみでは識別できない症例の情報を、さらに別の項目を加えることで分割することを考える。項目aによりすでに分割された部分集合Siが、新たな項目bにより部分集合Sijに分割されるとする。このとき、すべての部分集合Sijに属する対象を分類するのに必要な情報量は、以下の(式4)のように表される。
【0048】
【数4】

【0049】
なお、sijは、部分集合Sijに属するレコード数である。これにより項目bでさらに分割することによる情報量の利得Gは、次の(式5)で求められる。
【0050】
【数5】

【0051】
図4(a)に示した場合での計算結果は以下のようになる。
G(検査日、患者ID)=G(検査日、患者名)=G(検査日、年齢)=G(検査日、性別)=0.287
G(検査日、使用薬剤)=0.287
G(検査日、左右眼)=0.218
G(検査日、撮像部位)=0.565
G(検査日、撮像枚数)=0.203
【0052】
ステップS273にて、項目選択部180は、前述の処理結果に基づき、「撮像部位」を有効性のリストに加える。そして、利得の和GSはGS=2.186+0.565=2.751を計算する。
【0053】
検索結果のレコードが識別できるか、又は表示候補項目の残りがなくなるまで、前述した処理を繰り返す。本例では、次の処理ループではG(検査日、撮像部位、左右眼)=G(検査日、撮像部位、使用薬剤)=0.203が求められる。ここで、ステップS230において取得された重要度が、「左右眼」と「使用薬剤」とで等しいとする。重要度が等しい場合にはどちらを選択しても構わないので、ここでは項目「左右眼」を選択して有効性のリストに加える。このとき、利得の和GSはGS=2.751+0.203=2.954となる。
【0054】
その次の処理ループでは、残りのすべての項目(項目c={患者ID、患者名、年齢、性別、使用薬剤})に対して利得Gが等しくなり、G(検査日、撮像部位、左右眼、c)=0.181となる。ここで、ステップS230において取得された重要度が、「患者名」>「年齢」=「性別」>「患者ID」及び「使用薬剤」=「年齢」であったとすれば、最も重要度の高い「患者名」が有効性のリストに加えられる。このとき、利得の和GSはGS=2.954+0.181=3.135となる。利得の和GSが、(式1)で求められる情報量I(23)=3.135と一致するため、検索結果である23症例すべての情報の識別が可能となったことが示され、ステップS274にて検索結果のレコードが識別できたと判断する。
【0055】
ステップS276にて、項目選択部180は、これまでの処理で作成された有効性リストに基づいて項目の選択を行う。前述した例で得られた有効性リストの内容は、「検査日、撮像部位、左右眼、患者名」となっている。選択項目の数は表示スペースの大きさによって影響を受ける。例えば、4項目が表示可能であれば、項目選択部180は、有効性リストにある4つの項目すべてを選択する。また、例えば表示スペースの関係で3つの項目しか表示できない場合には、項目選択部180は、有効性リストの上位側から3つの項目、本例では「検査日、撮像部位、左右眼」を選択する。
【0056】
前述した説明では、表示項目が設定されていない場合について、表示に必要な項目を選択する手法を説明した。しかし、医療現場においては、情報量の多い少ないに関係なく、常に表示が必要と考えられる項目も存在する。例えば、前述の例では3つの項目で表示する場合には患者を特定する項目(患者IDや患者名)が含まれないことになるが、患者を一意に特定することは医療現場では非常に重要である。そこで、表示項目として、検索結果にかかわらず表示するべき項目を予め設定しておく必要がある。ステップS230の処理説明ですでに説明したように、表示項目の設定は、アクセス情報に応じて医療現場の状況等に応じた設定をすることを可能にしている。例えば、表示項目NDとして{患者ID、患者名、検査日}が設定され、表示候補項目として{年齢、性別、使用薬剤、左右眼、撮像部位、撮像枚数}が設定されていたとする。この場合、表示項目に含まれる項目はすべて表示対象となるので、ステップS271において、表示項目に含まれるすべての項目に対する情報量の利得G(G(患者ID、患者名、検査日))の計算を行う。その後のステップS272以降では、前述した(式4)及び(式5)を用いての同様の処理を繰り返して利得Gの大きな項目を選ぶことにより、表示候補項目に含まれる項目群に対して有効性リストを作成する。
【0057】
図2に戻り、ステップS270にて、制御部130は、表示項目及び前述のようにして選択された表示候補項目を記憶部140に保存する。
ステップS280にて、表示部190は、表示項目及び選択された表示候補項目の値と、検索結果のレコードをモニタ等の表示手段に表示させる。図5に、本実施形態により得られる検索結果の一覧表示の例を示す。図5(a)は、表示項目を設定せず、情報量の利得の計算のみから4つの項目を選択した場合の表示例を示しており、「検査日」の値でソートしてある。図5(a)では、すべての検索結果のレコードが一意に識別されることがわかる。これに対して、図5(b)は、表示項目として{患者ID、患者名、検査日}を指定した場合の表示例を示している。結果は「患者ID」(「患者名」)と「検査日」との値でソートしてある。図5(b)では、検索結果のレコードが一意に識別されると同時に、医師にとって重要な項目となる患者IDや患者名が示され、より適切な表示となっていることがわかる。
【0058】
本実施形態によれば、操作者が要求したデータベース検索の結果を一覧表示する際に、検索結果に応じて適切な項目を選択して表示を行うことが可能になり、検索結果のレコードを識別可能なように表示することができる。このように、状況に応じた医療上の重要性と、検索結果のバリエーションの違いを反映させる項目選択手法とを組み合わせることにより、有効な検索結果の表示が可能となる。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態においては、操作者が医師である場合と技師である場合とで、異なる表示項目及び表示候補項目とその重要度が設定されている例を示した。しかし、操作者が同じ医師であっても、検索を行う時間や場所によって、適切であると考えられる項目が異なる場合がある。第2の実施形態では、データベースにアクセスする時間や場所によって異なる表示を行う場合について説明する。
第2の実施形態に係る情報処理システムの構成は、前述した第1の実施形態と同様である。以下では、第2の実施形態における情報処理装置の処理において、前述した第1の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0060】
第2の実施形態ではアクセス情報の取得処理(図2に示したステップS210)において、アクセス情報取得部110は、操作者の情報(ログインID等)とともに、操作者がデータベースに対してアクセスを行うときの時間や場所の情報を取得する。第1の実施形態では、操作者が医師である場合と技師である場合とで異なる表示項目群ND、NOが設定され保存されていた。第2の実施形態では、さらにアクセス時間やアクセス場所によっても異なる表示項目群を設定することができるとする。
【0061】
例えば、検索結果が一覧表示される場合に、それを医師や技師などの医療関係者のみではなく、患者も見る可能性がある場合とそうでない場合とを考える。一例としては、診察時間が午前9時から午後6時までであり、午後8時からカンファレンスが行われる場合を想定する。このとき、例えば医師の表示項目群NDとして、午前9時から午後7時までは「患者名」を含めずに「患者ID」のみとし、午後7時以降は「患者名」を含めるように設定する。このように設定することで、検索結果を一覧表示する際に、一般の患者に対して、同じ検査を受けた他の患者の名前を提示してしまうことを避けることができる。
【0062】
また、同じ医師が同じ時間帯に検索を行う場合でも、診察を行う外来診察室にある端末と研究室にある端末とでは、異なる表示を行ったほうが便利なことがある。外来の診察室においては「患者ID」のみを提示し、研究室では「患者名」をも表示させるように設定することで、ある患者に対して、検索結果として得られた他の患者の名前を提示してしまうことを避けることができる。また、読影センターなどで読影医が診断をつけるような場合には、患者名よりもその他の付加情報(年齢、性別、使用薬剤、手術履歴など)が必要となる場合がある。このような場合には、操作者が同じ医師であっても読影センターで検索をすると、検索結果を一覧表示する際に「患者名」を表示しないように設定することも可能である。また、診断医と読影医をログインIDにより区別して表示する項目を変えるように設定することも可能である。
【0063】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第1の実施形態においては、検索結果のレコードの集合が与えられた後、そのレコードを識別する目的で項目の選択を行う手法について説明した。しかし、操作者により検索条件が入力された段階で与えられる知見を、検索結果を一覧表示する際に表示する項目の選択に利用してはいなかった。第3の実施形態では、検索条件の入力内容に応じて、表示に必要な項目を選択する際の手法を変化させる場合について説明する。このように、検索条件の入力内容を考慮することで、より操作者の意図に沿った検索結果の表示を行うことが可能になる。
【0064】
第3の実施形態に係る情報処理システムの構成は、前述した第1の実施形態と同様である。以下では、年齢に関する検索条件の取得(図2に示したステップS220)内容を、表示に必要な項目の選択(図2に示したステップS270)に適応する例について説明する。
【0065】
表示に必要な項目の選択処理(図2に示したステップS270)において、項目選択部180は、表示候補項目として設定されている項目の中から表示に必要な項目の選択を行う。このとき、項目の値によってレコードの分類を行うが、第1の実施形態に示した手法を用いる場合には、項目値の分割数の大きな属性が優先される傾向がある。つまり、「性別」は男性又は女性の2種類の値しかもたないが、「年齢」は0歳から80歳程度までとすれば80以上の値をもつことになる。すると当然、多くの場合に「年齢」の方が「性別」よりも大きな情報利得を得ることになる。同様に、「検査日」などの日時を扱う項目や、「身長」、「体重」などの連続値を扱う項目も一般的に大きな情報利得を与える。このような場合には、項目の値の離散化に注意を払う必要がある。項目値としてとり得る値が連続値である場合には離散化は必須の処理であるが、年齢や日時のような一見そのままでも扱えそうな項目に対しても必要に応じて離散化を行う。
【0066】
例えば、患者の年齢に関して、眼科疾患の罹患者は年齢が増えるとともに上昇する。緑内障に関しては、20代の患者は稀であるが、40代から患者数が増加し70代では有病率は10%を超えることが知られている。このような患者数の偏りを反映して、年齢の離散化を1歳毎ではなく、40歳未満では10歳毎に、40歳〜60歳未満では5歳毎に、60歳〜80歳未満では2年毎にというように分割幅を変化させて分ける。このように分割幅を適宜変化させることで、1歳毎では80分割されていた年齢が、18分割に縮小される。
【0067】
このような年齢による患者の分布は疾病によって異なる。よって、検索条件の取得処理(ステップS220)で取得された検索条件で疾病が特定される場合には、対応する疾病に応じた年齢の離散化を分割幅を適宜変化させて行うことで、より検索目的に合致した表示を行うことができる。逆に検索条件で疾病が特定されない場合には、すべての年齢を5歳毎に分割するような分割幅を固定しての離散化を行い、年齢分布の偏りを考慮しない表示を行う。但し、データベース自体が特定の疾病群を対象としていて年齢分布に偏りがある場合には、その全体の年齢分布を均一化するような離散化を疾病が特定されない検索の場合に用いることも有効である。具体的には、例えば年齢の値を20に離散化したければ、全症例の検査時の年齢を若い順に並べて、20分割した場合の年齢幅を用いる方法などが考えられる。
【0068】
同様に、検査日に関しても、疾病により検査期間には特徴がある。例えば緑内障においては、疾病自体が長期にわたるため、検査は3ヶ月おきや半年おきとなることも多い。それに対して、網膜静脈分枝閉塞症などで出血を起こした場合には、頻繁に治療とその効果を観察するための検査が行われる。よって、検索条件の取得処理(ステップS220)で取得された検索条件で疾病が確定する場合には、検査日時の離散化を疾病毎に変化させることも有効となる。
【0069】
さらに、検索条件の取得処理で検索条件を取得した段階で、検索結果の取得及び識別処理(ステップS250)や表示に必要な項目の選択処理(ステップS270)を簡略化するようにしても良い。例えば、検索条件に患者IDが入力された場合には、検索結果のレコードはすべて等しい患者IDをもつ。よって、その場合には、「患者ID」の項目を処理対象からはずすことで、表示に必要な項目を選択する際に「患者ID」による計算を省略することが可能となる。つまり、検索条件の取得処理で取得された検索条件として値が一意に確定する項目があった場合、表示に必要な項目の選択処理ではその項目を処理対象とする評価項目の中から削除することによって、処理の簡略化が可能となる。
【0070】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
検索結果の表示においては、GUI(Graphical User Interface)上の機能を利用して重要な箇所に操作者や閲覧者の注意を向けさせるようにしても良い。例えば、図4に示した検索結果においては、前述したように「検査日」が検索結果のレコードを識別するための最も大きな利得をもつ項目となる。このような場合には、図6(a)に例を示すように、「検査日」のカラムに色をつけて強調表示することで注意を向けることができる。また、図6(b)に例を示すように、ソートが行なわれていない撮像部位、左右眼で、異なる色で着色して強調表示することで見間違えを防止することができる。このような強調表示は、表示する項目として多数の項目を選択できるような場合に、より大きな効果を持つ。
【0071】
(本発明の他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0072】
なお、前記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0073】
100…情報処理装置、110…アクセス情報取得部、120…検索条件取得部、130…制御部、140…記憶部、150…クエリ作成部、180…項目選択部、190…表示部、200…データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースに対してアクセス可能な情報処理装置であって、
設定された表示候補項目を記憶する記憶手段と、
前記データベースの検索に係る検索条件を取得する検索条件取得手段と、
前記検索条件取得手段により取得した前記検索条件を用いて、前記データベースに対する検索処理要求を作成するクエリ作成手段と、
前記クエリ作成手段により作成された前記検索処理要求に対する検索結果に応じて、前記表示候補項目の評価を行い、前記表示候補項目の中から表示する項目を選択する項目選択手段と、
前記検索結果として得られた情報のうち、前記項目選択手段により選択された項目の情報を表示させる表示手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
データベースに対してアクセス可能な情報処理装置であって、
前記データベースへのアクセス情報に応じてそれぞれ設定された表示項目及び表示候補項目を記憶する記憶手段と、
前記アクセス情報を取得するアクセス情報取得手段と、
前記データベースの検索に係る検索条件を取得する検索条件取得手段と、
前記アクセス情報取得手段により取得した前記アクセス情報に対応する前記表示項目及び前記表示候補項目と、前記検索条件取得手段により取得した前記検索条件とを用いて、前記データベースに対する検索処理要求を作成するクエリ作成手段と、
前記クエリ作成手段により作成された前記検索処理要求に対する検索結果に応じて、前記アクセス情報に対応する前記表示候補項目の評価を行い、前記表示候補項目の中から表示する項目を選択する項目選択手段と、
前記検索結果として得られた情報のうち、前記アクセス情報に対応する前記表示項目及び前記項目選択手段により選択された項目の情報を表示させる表示手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記項目選択手段は、前記表示候補項目の各項目における情報量の利得を求め、求められた前記情報量の利得が大きい順に前記表示候補項目から表示する項目を選択することを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記項目選択手段は、前記検索条件で項目の情報が一意に特定される場合には、当該項目を処理対象からはずすことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記項目選択手段により求められた前記情報量の利得が大きい項目のカラムを強調表示させることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記アクセス情報は、操作者の情報を含むことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記アクセス情報は、前記データベースに対してアクセスを行う時間又は場所の情報を含むことを特徴とする請求項2又は6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記データベースは、医療情報が登録されたデータベースであり、
前記項目選択手段は、評価を行う前記表示候補項目が年齢であって、かつ前記検索条件で疾病を特定する条件が入力された場合には、特定された前記疾病に応じて年齢の項目値に係る分割幅を変化させることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記データベースは、医療情報が登録されたデータベースであり、
前記項目選択手段は、評価を行う前記表示候補項目が検査日を特定する項目であって、かつ前記検索条件で疾病を特定する条件が入力された場合には、特定された前記疾病に応じて検査日を特定する項目の値の分割幅を変化させることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
設定された表示候補項目を記憶手段に記憶させる記憶工程と、
データベースの検索に係る検索条件を取得する検索条件取得工程と、
前記検索条件取得工程にて取得した前記検索条件を用いて、前記データベースに対する検索処理要求を作成するクエリ作成工程と、
前記クエリ作成工程にて作成された前記検索処理要求に対する検索結果に応じて、前記表示候補項目の評価を行い、前記表示候補項目の中から表示する項目を選択する項目選択工程と、
前記検索結果として得られた情報のうち、前記項目選択工程にて選択された項目の情報を表示させる表示工程とを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
データベースへのアクセス情報に応じてそれぞれ設定された表示項目及び表示候補項目を記憶手段に記憶させる記憶工程と、
前記アクセス情報を取得するアクセス情報取得工程と、
前記データベースの検索に係る検索条件を取得する検索条件取得工程と、
前記アクセス情報取得工程にて取得した前記アクセス情報に対応する前記表示項目及び前記表示候補項目と、前記検索条件取得工程にて取得した前記検索条件とを用いて、前記データベースに対する検索処理要求を作成するクエリ作成工程と、
前記クエリ作成工程にて作成された前記検索処理要求に対する検索結果に応じて、前記アクセス情報に対応する前記表示候補項目の評価を行い、前記表示候補項目の中から表示する項目を選択する項目選択工程と、
前記検索結果として得られた情報のうち、前記アクセス情報に対応する前記表示項目及び前記項目選択工程にて選択された項目の情報を表示させる表示工程とを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
設定された表示候補項目を記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
データベースの検索に係る検索条件を取得する検索条件取得ステップと、
前記検索条件取得ステップにて取得した前記検索条件を用いて、前記データベースに対する検索処理要求を作成するクエリ作成ステップと、
前記クエリ作成ステップにて作成された前記検索処理要求に対する検索結果に応じて、前記表示候補項目の評価を行い、前記表示候補項目の中から表示する項目を選択する項目選択ステップと、
前記検索結果として得られた情報のうち、前記項目選択ステップにて選択された項目の情報を表示させる表示ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
データベースへのアクセス情報に応じてそれぞれ設定された表示項目及び表示候補項目を記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
前記アクセス情報を取得するアクセス情報取得ステップと、
前記データベースの検索に係る検索条件を取得する検索条件取得ステップと、
前記アクセス情報取得ステップにて取得した前記アクセス情報に対応する前記表示項目及び前記表示候補項目と、前記検索条件取得ステップにて取得した前記検索条件とを用いて、前記データベースに対する検索処理要求を作成するクエリ作成ステップと、
前記クエリ作成ステップにて作成された前記検索処理要求に対する検索結果に応じて、前記アクセス情報に対応する前記表示候補項目の評価を行い、前記表示候補項目の中から表示する項目を選択する項目選択ステップと、
前記検索結果として得られた情報のうち、前記アクセス情報に対応する前記表示項目及び前記項目選択ステップにて選択された項目の情報を表示させる表示ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−248607(P2011−248607A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120748(P2010−120748)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】