説明

情報処理装置、情報処理方法、記録媒体、プログラム

【課題】 電子ドキュメントのプリフライトチェック時における、オペレータの誤編集を防ぎかつワークフローの効率化することである。
【解決手段】 電位子ドキュメントの画像形成前に、電子ドキュメントを前記画像形成装置が備える資源で正常出力可能か否かを判断する(S405)。そして、S405の判断結果に基づいて、電子ドキュメントより正常出力可能な属性が付加される第1の電子ドキュメントと、前記電子ドキュメントより正常出力不可能な属性が付加される第2の電子ドキュメントとを作成する(SS406、S407)。そして、1又は第2の電子ドキュメントに対する編集要求を第1又は第2の電子ドキュメントの属性に応じて制御する構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成に用いるオブジェクトを処理する情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザからPDF(Portable Document Format)やPS(postscript)あるいはSVG(Scalable Vector Graphics )形式の電子ドキュメントによる入稿を受け付け、それを印刷するサービスが提供されている。
【0003】
このようなサービスでは、オペレータが印刷システムを用いて入稿された電子ドキュメントについていわゆるプリフライトチェックを行い、印刷に問題がないと判断された場合に印刷を行う。
【0004】
ここで、プリフライトチェックとは、実際に印刷を開始した後に必要なリソースがないことなどにより作業が中断されることを防止するために、実際の印刷を実行する前に、電子ドキュメントの内容について行うチェックである。なお、この場合、プリフライトチェック先は、画像形成装置となる。
【0005】
また、チェック対象の項目には主として当該電子ドキュメントの印刷に必要なリソース(資源)に関する項目が含まれている。具体的には、電子ドキュメントに含まれるフォントの種類とフォントのエンベッドの有無、あるいはカラープロファイルの名前、イメージデータの解像度等の項目が含まれる。
【0006】
また、プリフライトチェックが電子ドキュメントを作成するホストコンピュータ上で実行された後に、画像形成装置に送信し、印刷を実行した場合でもユーザの意図した結果が得られない場合がある。
【0007】
これは画像形成装置の個性によって印刷結果が変わる可能性があるためである。
【0008】
例えば、画像形成装置は、固有の環境に応じて、例えば印刷時の温度や湿度によって微妙な色の違いが発生したり、また画像形成装置の本来の能力としてユーザの望む色を表現したりする能力がない等の場合がある。
【0009】
このような問題を防ぐための方法として、画像形成装置内で独自のプリフライトチェックを行う方法がある。
【0010】
オペレータは、ホストコンピュータ上でのプリフライトチェック実行後、印刷前の最終工程として画像形成装置内のプリフライト機能を用いてプリフライトチェックを行い、画像形成装置固有の問題を再編集する必要がある。
【0011】
その過程において、画像形成装置からオペレータに結果をフィードバックし、オペレータは印刷不正の可能性がある部分を再編集したドキュメントを再度画像形成装置に送るワークフローがある。なお、その際に試し印刷等を実行する場合もある。
【0012】
このようにして、情報処理装置から再度画像形成装置に送られたドキュメントは、再びプリフライトチェックを行う。この際に、前回の画像形成装置内のプリフライトチェックにおいて描画不正にならなかった部分においても、オペレータの誤編集により描画不正の可能性があると判定される場合がある。
【0013】
そして、そのプリフライトチェック結果は再度オペレータにフィードバックされ、オペレータによる再編集を促すという作業が行われていた。
【0014】
従来技術においては、このようなワークフローが繰り返されるため、オペレータの作業時間も多くなり非常に効率が悪いという問題点があった。
【0015】
また、一般的に画像形成装置の処理能力はホストコンピュータよりも低いため、プリフライトチェックや試し印刷のための画像形成処理を複数回行うことによって多くの時間がかかる問題もある。
【0016】
さらに、印刷処理サービスを実行するシステムでは、オペレータの誤編集を見逃してしまい、ユーザの意図したものと違う印刷結果としてユーザに提供されてしまった場合、重大なユーザクレームになってしまうという問題があった。
【0017】
さらに、下記特許文献1では、印刷原稿データから印刷原稿の印刷に用いる印刷データを作成すると共に、印刷データを低品質化した校正用データと、印刷データのプリフライトチェックレポートを作成する。
【0018】
そして、ファイル送受信サーバ、インターネットゲートウエイサーバを介して、校正用データとプリフライトチェックレポートをホストコンピュータに送信する技術が開示されている。
【0019】
しかしながら、上記技術ではプリフライトチェック後に印刷データと、校正用データ、プリフライトチェックレポートに分ける処理は存在するが、プリフライトチェック結果に問題があった部分を分けて管理し、誤編集を防ぐような技術は無かった。
【特許文献1】特開2004−252248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
このように従来技術においては、前回の画像形成装置内のプリフライトチェックにおいて問題にならなかった部分においても、オペレータの情報処理装置側での誤編集に起因して描画不正の可能性があると判定される場合もあった。
【0021】
そして、そのプリフライトチェック結果は再度オペレータにフィードバックされ、オペレータによる編集を促すワークフローを繰り返すこととなるため、オペレータの作業時間も多くなり非常に効率が悪いという問題点があった。
【0022】
また、一般的に画像形成装置の処理能力はホストコンピュータよりも低いため、プリフライトチェックや試し印刷のための画像形成処理を複数回行うことによって多くの時間がかかる問題もある。
【0023】
さらに、オペレータの誤編集を見逃してしまい、ユーザの意図したものと違う印刷結果としてユーザに提供されてしまった場合、ユーザにとって重大な問題となってしまう。
【0024】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、像形成に用いられるオブジェクトのプリフライトチェックを効率よく行える仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成する本発明の情報処理装置は以下に示す構成を備える。
【0026】
画像形成に用いられるオブジェクトが含まれるデータを編集可能な情報処理装置であって、前記オブジェクトの画像形成に先立って、前記オブジェクトを特定の画像形成に用いられる資源で正常出力可能かどうかを判断手段と、前記判断手段が正常出力可能と判断したオブジェクトはそのオブジェクトの編集を制限し、前記判断手段が正常出力不能と判断したオブジェクトはそのオブジェクトの編集を制限しないデータを形成する形成手段と備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、像形成に用いられるオブジェクトのプリフライトチェックを効率よく行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1Aは、本発明の第1実施形態を示す情報処理装置を適用可能な画像形成システムの一例を示す図である。本例は、ホストコンピュータ101と画像形成装置102とがネットワーク114を介して通信可能な画像形成システムにおける画像形成装置側の構成例である。なお、ホストコンピュータ101は、CPU、ROM、RAM等を含むコントローラ部、入力デバイス、表示デバイス、外部記憶装置を備え、オペレーティングシステムによりアプリケーションの実行が制御されている。
【0030】
図1Aにおいて、ホストコンピュータ101でオペレータが操作し、プリフライトチェックを行う電子ドキュメントまたは印刷要求をネットワーク114で接続される画像形成装置102に送信する。なお、電子ドキュメントの形式には、PDF(Portable Document Format)やPS(PostScript)あるいはSVG(Scalable Vector Graphics )が含まれる。
【0031】
画像形成装置102は、ホストコンピュータ101から受信する電子ドキュメントがプリフライトチェックを行う電子ドキュメントであった場合、送信されてきた電子ドキュメントを外部インタフェース113で受信する。そして、画像形成装置102は、受信した電子ドキュメントを第1のドキュメントスプーラ(DSP)103に格納する。
【0032】
一方、ホストコンピュータ101のプリンタドライバを介して印刷要求を受信した場合、外部インタフェース113で切り分けられ、電子ドキュメントのレンダリングモジュール(RM)108にレンダリング開始の指示が行われる。
【0033】
プリフライトチェックモジュール(PFCM)104は、第1のドキュメントスプーラ103から電子ドキュメントを取得し、そのプリフライトチェック結果(PF結果)105を格納する。
【0034】
なお、ここで、PFとは、ホストコンピュータ101から電子ドキュメントを取得した場合に、該電子ドキュメントの画像形成前に、電子ドキュメントを画像形成装置102の資源で正常出力可能かどうかを判断する機能に対応する。
【0035】
印刷に適した電子ドキュメント作成モジュール(DM)106は、第1のDSP103に保存されている電子ドキュメントとPF結果105を用いて印刷に適した電子ドキュメントを第2のDSP107に格納する。
【0036】
その際にプリフライトチェックで正常に印刷可能と判定された部分とプリフライトチェックにおいて正常に印刷不可能と判断された部分は別の電子ドキュメントとして格納される。
【0037】
これにより、正常に印刷可能と判断された部分の電子ドキュメントには認証が付加され、以降認証処理を行わない限り編集が不可能となる。
【0038】
なお、第2のDSP107は外部メモリ110と接続されており複数の電子ドキュメントを格納することが可能となる。
【0039】
また、上記2つの電子ドキュメントをまとめるための電子ドキュメントを作成し、第2のDSP107に格納する。
【0040】
なお、作成された3つのドキュメントは関連付けられ、例えばファイル名を同じにし、ファイルの拡張子を換える。
【0041】
例えば正常に印刷可能とされた部分の電子ドキュメントを「AAA.pr1」とし、正常に印刷不可能と判断された部分を「AAA.pr2」とする。そして、2つのドキュメントをまとめる電子ドキュメント(オブジェクト)を「AAA.pr0」とする。このように、本実施形態では、上記判断結果に基づいて、電子ドキュメントより正常出力可能な属性が付加される第1の電子ドキュメントと、前記電子ドキュメントより正常出力不可能な属性が付加される第2の電子ドキュメントとを作成することができる。ここで、正常出力可能な属性とは、「AAA.pr1」の「pr1」に対応し、正常出力不可能な属性とは、「AAA.pr2」の「pr2」に対応する。
【0042】
また、DM106は、印刷に適した電子ドキュメントの作成が完了後、プリフライトチェック結果と認証処理に用いるパスワードとを外部インタフェース113を通してホストコンピュータ101に送信する。
【0043】
オペレータはホストコンピュータ101より、ネットワーク114および画像形成装置の外部インタフェース113を通して、プリフライトチェック結果および第2のDSP107に格納された電子ドキュメントを取得し、再編集できる。
【0044】
また、オペレータは画像形成装置102上のUIインタフェース112と画像形成装置上の電子ドキュメント編集アプリケーション111を用いて、画像形成装置102上での再編集を行うことも可能である。ここで、電子ドキュメント編集アプリケーション111は、電子ドキュメントに対する編集処理と表示処理とを行う。
【0045】
ホストコンピュータ101または画像形成装置102上のUIインタフェース112から印刷が指示されると、画像形成装置102は電子ドキュメントのRM108において画像形成され、エンジン109を用いて実際の印刷が行われる。
【0046】
DM106は電子ドキュメント作成時に電子ドキュメントのRM108が高速に処理されるように電子ドキュメントを作成する。
【0047】
例えばオペレータが送られてきた電子ドキュメントも文字が文字コードで作成されていれば、文字コードに加え文字画像を形成し第2のDSP107に格納する。
【0048】
電子ドキュメントのRM108は文字画像の形成する処理を必要としなくなり高速な処理が可能となる。
【0049】
オペレータは着脱可能な外部メモリ116、例えばUSBメモリ等に電子ドキュメントを格納し、画像形成装置102の外部メモリインタフェース115に外部メモリ116を接続する事が出来る。
【0050】
オペレータは画像形成装置102上のUIインタフェース112を用いて外部メモリ116内の電子ドキュメントやホストコンピュータ101内の電子ドキュメントをプリフライトチェックすることが出来る。
【0051】
オペレータが画像形成装置102上のUIインタフェース112から操作を行った場合、画像形成装置からホストコンピュータ101に行われていた通知はUIインタフェース112に表示されることになる。
【0052】
117は修正候補作成モジュールで、本実施形態において、プリフライトチェックする際に、ユーザが選択する修正候補を後述するようにアニメーションや3Dオブジェクトとして作成する。
【0053】
ここで、修正候補作成モジュール117は、修正候補出力機能を備え、電子ドキュメントを画像形成装置102の資源で正常出力不可能と判断した場合、電子ドキュメントを正常出力可能とするための修正候補を画像情報で出力する。なお、詳細については後述する。また、ここで資源とは、ハードウエア資源とソフトウエア資源(電子ドキュメントに含まれるフォントの種類とフォントのエンベッドの有無、あるいはカラープロファイルの名前、イメージデータの解像度等の項目)とが含まれる。また、ハードウエア資源としては、ステイプル機能、製本機能、両面印刷機能等を実行するオプション機器が含まれる。
【0054】
なお、修正候補作成モジュールがホストコンピュータ101側に備える場合もある。
【0055】
図1Bは、図1Aに示した情報処理システムにおけるハードウエア構成を説明するブロック図である。なお、図1Aと同一のものには同じ符号を付してある。
【0056】
図1Bに示すホストコンピュータ101おいて、1はCPUで、ROM3に記憶された制御プログラムをRAM2にロードして、内部バス4に接続されるデバイスを制御する。なお、CPU1は、外部メモリ11に記憶されるOS、デバイスドライバ、アプリケーションをRAM2にロードしてデータ処理を行うとともに、デバイスドライバを介して作成した出力情報を画像形成装置102に送信する。
【0057】
5はキーボードコントローラ(KBC)で、キーボード(KB)9から入力されるキーコードを処理する。なお、キーボード9は、マウス等のポインティングデバイスが接続するための、例えばUSBポート等を備える構成であってもよい。
【0058】
6は表示コントローラで、表示部10に表示する処理をVRAM等に対する制御で行う。7はメモリコントローラ(MC)で、外部メモリ11に対するアクセスを制御する。
【0059】
8はネットワークコントローラ(NIC)で、ネットワーク114を介して画像形成装置102と通信可能に構成されている。
【0060】
画像形成装置102において、12はCPUで、ROM13に記憶される制御プログラムをRAM19にロードして、内部バス15に接続されるデバイスを制御する。
【0061】
18はネットワークコントローラ(NIC)で、ネットワーク114を介してホストコンピュータ101と通信可能に構成されている。16は印刷部I/Fで、印刷部17に対する画像データの出力と、印刷部17に備えるセンサ等からの通知情報をCPU12に通知する。なお、印刷部17は、画像形成装置102のシステム構成により、実行可能な機能が異なる。具体的には、オプション装置の接続状態で、シート後処理機能が異なる等が一例である。
【0062】
1012は操作部で、表示部とタッチパネルから構成され、各種のユーザインタフェースを表示して、画像形成条件画面や、電子ドキュメント編集画面等を表示する機能を備える。
【0063】
20はメモリコントローラ(MC)で、外部メモリ110に記憶されたアプリケーションをRAM19にロードしたり、ホストコンピュータ101から受信した電子ドキュメントをボックス領域に蓄積したりする機能を備える。なお、ボックス文書や、電子ドキュメントに対する要求に対して、公知の処理でユーザ認証を行う。また、上記アプリケーションには、電子ドキュメント作成モジュール(DM)も含まれる。
【0064】
さらに、外部メモリ110には、ホストコンピュータ101から受信する電子ドキュメントのプリフライトチェックを行うモジュールや、受信した電子ドキュメントから印刷に適した電子ドキュメントを作成するモジュールを備えている。
【0065】
なお、外部メモリ110は、PFCM104のプリフライト結果で、エンジン109が正常印刷不可と判断して、DM106が作成した第2の電子ドキュメントに対して、PFCM104が再度プリフライトチェックする。そして、PFCM104が正常印刷可能と判断した場合に、DM106が作成した第1の電子ドキュメントで外部メモリ110に保存されている第1の電子ドキュメントを更新する。
【0066】
このように本実施形態では、正常印刷不可と判断された第2の電子ドキュメントに対して順次プリフライトチェックを繰り返す。このため、プリフライトチェックすべき第2の電子ドキュメントのボリュームは、再チェック毎に削減して、プリフライトチェックを効率化している。なお、プリフライトチェックは、電子ドキュメントのページ単位に行う。
【0067】
また、外部メモリ110には、ホストコンピュータ101から取得する電子ドキュメントを編集するアプリケーションがインストールされている。ここで、アプリケーションは、電子ドキュメントに対して特定の編集を行うことができる。ここで、特定の編集とは、ホストコンピュータ101から取得した電子ドキュメントに対して、正常印刷不可と判断された第2の電子ドキュメントに、設定されている画像出力条件を再設定することが含まれる。これにより、画像形成装置102の資源で、第2の電子ドキュメントを正常出力可能な第1の電子ドキュメントに修正することができる。なお、修正する項目は、資源と設定された画像出力条件で決定される。
【0068】
さらに、CPU12が実行するアプリケーションにより、第1の電子ドキュメントに対する編集要求時に、入力される認証情報に基づいて編集要求を許可か不許可とするかを決定する機能を備える。これは、ユーザが正常印刷可能な第1の電子ドキュメントを安易に再編集してしまう事態を回避するとともに、敢えて編集する要求にも対応するためである。
【0069】
なお、本実施形態では、以下、ホストコンピュータ101から画像形成装置102に送信される電子ドキュメントに対して、プリフライトチェックを行い、第2の電子ドキュメントの編集処理を画像形成装置102で行う場合を説明する。しかしながら、電子ドキュメントを作成したホストコンピュータ101にプリフライトチェックを通知して、ホストコンピュータ101にインストールされるアプリケーション等で正常印刷可能な電子ドキュメントに編集してもよい。
【0070】
つまり、ホストコンピュータ101と画像形成装置102とが連携して、本実施形態で説明するドキュメント処理を行うシステムも本発明の適用範囲である。
【0071】
図2、図1Aに示し電子ドキュメント作成モジュール(DM)106による電子ドキュメントの作成処理を説明する図である。なお、本実施形態において、電子ドキュメント201がPDFである場合を示す。以下、上述した作成される3つのドキュメントについて詳述する。
【0072】
図2において、DM106は、プリフライトチェック前の電子ドキュメント201のプリフライトチェック後に、3つの電子ドキュメント(EDOC)を作成する。
【0073】
DM106が作成する第1の電子ドキュメントは、プリフライトチェックにおいて正常に印刷可能と判断された部分のEDOC203である。DM106が作成する第2の電子ドキュメントは、正常に印刷不可能と判断された部分のEDOC202である。DM106が作成する第3の電子ドキュメントは、上記2つのEDOC202、202をまとめるためのEDOC204である。
【0074】
これにより、オペレータ205は、プリフライトチェック結果に応じて再編集を行う場合、印刷が正常不可能と判断された部分のEDOC202のみを取り出して再編集を行うことが可能である。
【0075】
また、本実施形態では、3つのEDOCを取り出すことにより印刷を正常に印刷可能と判断された部分を含めた表示を見ながら再編集を行うことも可能であるが、正常に印刷可能と判断された部分については再編集できない。つまり、正常に印刷可能と判断された部分の電子ドキュメント203については、再編集の対象とすることが制限される。つまり、CPU12は後述する制御手順に基づいて、外部メモリ110にインストールされているアプリケーションによる1又は第2の電子ドキュメントに対する編集要求を第1又は第2の電子ドキュメントの属性に応じて制御している。
【0076】
なお、2つのEDOC202、203をまとめるEDOC204の役割は、プリフライトチェックによって正常に印刷可能と判断された部分210Aと正常に印刷不可能と判断された部分210Bとを1つのEDOCとして表示することである。
【0077】
これにより、ユーザには、違和感なく1つのEDOCとしてUIインタフェース112上に表示される。具体的には、図1Aに示す例では、図1Bに示す操作部1012の表示部に表示される。なお、表示部は、カラー画像を表示可能とする場合がある。これは、後述するようにプリフライト修正候補を画像として出力する場合に、アニメーションや3Dオブジェクトとしてカラー画像出力することで、その修正候補をユーザが容易に選択できるようにするためである。
【0078】
このため、EDOC204は、プリフライトチェックによって正常に印刷不可能と判断された部分と、正常に印刷可能と判断された部分とを結合して表示するように記述されている。この結果、オペレータには違和感なく1つのEDOCとしてUIインタフェース112に表示される。
【0079】
図3は、本実施形態を示す画像形成装置で処理可能な電子ドキュメントフォーマットの一例を示す図である。本例は、図1Aに示したDM106により作成される印刷に適した電子ドキュメントで共通に用いられる電子ドキュメントフォーマットの例である。
【0080】
図3において、ドキュメントID301は、電子ドキュメントを識別するための固有のIDである。これにより、オペレータは、電子ドキュメントを取り出すときや、印刷を指示するときに電子ドキュメントのファイル名で指定するほかに、ドキュメントID301で指定することが出来る。
【0081】
パスワード302は、プリフライトチェックにおいて正常に印刷可能と判断された部分の電子ドキュメント(例えばEDOC202)の認証を解除するときに用いられるものである。
【0082】
ドキュメント種類303は、印刷に適した3つの電子ドキュメントのいずれかのドキュメントであるかを識別するための情報である。
【0083】
本実施形態において、ドキュメント種類303は、まとめ用の電子ドキュメントである場合には、ドキュメント種類303に種類308が記述される。また、正常に印刷不可能とされた部分の電子ドキュメントである場合には、ドキュメント種類303に種類309が記述される。さらに、正常に印刷可能と判断された部分の電子ドキュメントである場合には、ドキュメント種類303に種類310が記述される。
【0084】
ページ数304は、ドキュメントに含まれるページ数を示す。305は正常に印刷可能とされた部分の電子ドキュメントのファイル名である。306は正常に印刷不可能とされた部分の電子ドキュメントのファイル名である。
【0085】
307は実際の印字にもちいられるデータ部で、複数ページ、複数オブジェクトで構成される。ここで、オブジェクトとは文字、グラフィック、イメージである。また、オブジェクトには、印字位置311、オブジェクト種類312、オブジェクト属性313、オブジェクトの実体314が含まれる。
【0086】
画像形成に用いられるオブジェクトが含まれるデータを編集可能な情報処理装置の一例であるホストコンピュータ101が開示される。
【0087】
オブジェクトの画像形成に先立って、前記オブジェクトを特定の画像形成に用いられる資源で正常出力可能かどうかをホストコンピュータ101は判断する。ホストコンピュータ101が、正常出力可能と判断したオブジェクトはそのオブジェクトの編集を制限する。また、ホストコンピュータ101が正常出力不能と判断したオブジェクトはそのオブジェクトの編集を制限しないデータを形成する。
【0088】
ここで、オブジェクト種類312には、コメント315であるか実際に印字すべきオブジェクト316であるかを含み、コメント315である場合は実際には紙上には印字されない。
【0089】
また、コメント315である場合には、後述するプリフライトチェック結果の記載のために使用する。ここで、コメント315には、正常印刷不可と判断された要因が記載可能に構成されている。これにより、ユーザが第2の電子ドキュメントに対してどのような出力条件を修正すればよいかを容易に理解できるようにするためである。
【0090】
また、オブジェクト属性313は、該オブジェクトが文字、グラフィック、イメージのいずれであるかを記述する。
【0091】
画像形成装置102において、オブジェクト属性313によって画像処理の形成方法を切り替えて、より綺麗な印字結果を得るために用いる。
【0092】
なお、本実施形態のドキュメントフォーマットに求める要素が汎用のドキュメントフォーマットでも実現可能であれば、汎用のドキュメントフォーマットを印刷に適した電子ドキュメントを作成するフォーマットに採用しても良い。
【0093】
図4は、本実施形態を示す画像形成装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、画像形成装置102内で行われるプリフライトチェックから印刷に適した電子ドキュメント作成までのドキュメント処理例である。S401〜S413は各ステップを示す。なお、各ステップは、図1Bに示すCPU12が外部メモリ110からDM106、PFCM104をRAM19にロードして実行することで実現される。
【0094】
S401で、ホストコンピュータ101から送信されるプリフライトチェックすべき電子ドキュメントを受信するまで待機する。本実施形態では、受信する電子ドキュメントのファイル形式は、PDFとする例である。
【0095】
そして、ホストコンピュータ101からプリフライトチェックすべき電子ドキュメントが送信されてきたらPFCM104を起動して、受信した電子ドキュメントのプリフライトチェックを開始する。
【0096】
次に、S402で、複数のページからなる電子ドキュメントのプリフライトチェックを開始してから、すべてのページの処理が終了したかどうかを残ページの有無から判断する。ここで、残ページがないと判断した場合は、全てのページの処理を終了したものとして、S412へ進む。
【0097】
一方、S402で、残ページがあると判断した場合は、S403へ進み、電子ドキュメントのプリフライトチェックを行い、そのプリフライトチェック結果(PF結果105)を保存する。
【0098】
そして、S404で、DM106が保存した電子ドキュメントに含まれるオブジェクトの簡略化を行うと共に、図3に示した印字位置311、オブジェクト種類312、オブジェクト属性313、オブジェクト実体314等のオブジェクト情報を作成する。
【0099】
次に、S405で、PFCM104がプリフライトチェックにおいて正常に印刷可能と判断されたかを判断する。ここで、プリフライトチェックにおいて正常に印刷可能と判断された場合は、S407へ進み、編集不可電子ドキュメントに追加して、S408へ進む。
【0100】
一方、S405で、PFCM104がプリフライトチェックにおいて正常に印刷不可能と判断された場合は、S406へ進み、編集可能電子ドキュメントに追加して、S408へ進む。
【0101】
なお、S406では、編集可能な電子ドキュメントには、編集のための認証情報が付加されて保存される。ここで、認証情報とは、図2に示すようなパスワードが含まれる。ここで、認証情報が付加されることで、編集し直さなくてもよいオブジェクトに対して安易に指示をしてしまうことで、さらなる再編集しなければならなくなる事態を回避する。つまり、ユーザは、パスワードが必要なページであることを認識させて、パスワードを入力して、ユーザがその上で敢えて編集し直すことを可能としている。従って、同一のページでありながら、再編集すべきオブジェクトと、再編集すべきでないオブジェクトとに分離することが可能となる。
【0102】
次に、S408で、ページ内に含まれる全てのオブジェクトに対して、S403〜S407の処理が終了しているかどうかを判断する。ここで、処理を終了していないと判断した場合は、S403以降の処理を繰り返し、処理を終了していると判断した場合は、S409へ進む。
【0103】
このようにして、PFCM104により1ページ分のプリフライトチェックの処理が終了したらS409へ進み、認証が付加されず編集可能な電子ドキュメントと認証が付加され編集不可能な電子ドキュメントをまとめる電子ドキュメントを作成する。
【0104】
そして、S410で、PFCM104が編集不可能なドキュメントに認証を付加すると共に、編集可能なドキュメントに対しては詳細なプリフライトチェック結果を付加し、S411へ進む。そして、S411で、作成された3つの電子ドキュメントを、例えば外部メモリ110に保存する。
【0105】
一方、S402で、残りページがないと判断した場合、すなわち、全てのページのプリフライトチェックに基づく処理が終了したら、S412に進む。
【0106】
そして、S412で、保存された3つの電子ドキュメントに固有なドキュメントIDを付加すると共に、ドキュメント情報を付加する。ここで、ドキュメント情報には、図3に示したパスワード302、ドキュメント種類303、ページ数304、ファイル名305、306等が含まれる。
【0107】
このようにして、印刷に適した3つの電子ドキュメント202〜204の作成が終了したら、S413で、終了通知をホストコンピュータ101あるいは画像形成装置102上の操作部1012に行う。ここで、操作部1012は、例えば液晶タッチパネル部の液晶表示部で構成され、上記終了通知の旨を図5に示すUI画面として表示する。
【0108】
また、上記終了通知では、プリフライトチェック結果のサマリーや認証に用いるパスワード、印刷に適した電子ドキュメントの保存場所やファイル名が通知される。
【0109】
図5は、図1に示した画像形成装置102が備える液晶表示部に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。本例は、図4に示したS413の実行に伴う、プリフライトチェック完了通知画面例である。
【0110】
図5において、501はUI画面全体で、プリフライトチェック結果の要約(サマリー)502、印刷に適した電子ドキュメントの保存場所とファイル名503、認証処理に用いるパスワード504が通知された例を示す。ここで、要約502は、あらかじめ抽出すべき項目に該当するエラーの個数をユーザに通知する。なお、図5に示す例では、電子ドキュメントの保存場所がネットワークのサーバ装置で管理されるURLで表示する例であるが、ローカルなシステムでは、ネットワーク上のフォルダ先を示すIPアドレスとなる場合がある。
【0111】
図6は、図1に示し電子ドキュメント作成モジュール(DM)106による電子ドキュメントの作成処理を説明する図である。なお、本実施形態において、電子ドキュメント201がPDFである場合を示す。以下、印刷に適した電子ドキュメントに図3に示すコメント315を付加する処理について詳述する。
【0112】
なお、プリフライトチェックによって正常に印刷不可能と判断された電子ドキュメントは、プリフライトチェックによって正常に印刷可能と判断された部分が除かれるため隙間(余白部分)が多くできる。そこで、本実施形態では、その部分にプリフライトチェックの詳細結果をコメントとして付加する。なお、プリフライトチェックによって正常に印刷不可能と判断されたEDOC601の余白部分には、後述するコメントCM1、CM2が付加される。
【0113】
図6において、DM106が作成する第1の電子ドキュメントは、プリフライトチェックにおいて正常に印刷可能と判断された部分のEDOC603である。DM106が作成する第2の電子ドキュメントは、正常に印刷不可能と判断された部分のEDOC601である。DM106が作成する第3の電子ドキュメントは、上記2つのEDOC601、603をまとめるためのEDOC604である。
【0114】
オペレータ607は、コメントCM1、CM2を参照すること、プリフライトチェックによって正常印刷不可と判断されたEDOC601を再編集するときに、詳細なプリフライトチェックを見ながら再編集することが出来るようになる。これにより、ユーザ607は、再編集結果に間違えが少なくなり作業時間の短縮を図ることが出来る。
【0115】
また、ユーザ607は、まとめ用の電子ドキュメント604を透過してみる場合、EDOC605の正常印刷領域に、コメントCM1、CM2が挿入可能に配置される。このため、EDOC606に示すコメントが付加されたプリフライトチェックによって正常に印刷不可能と判断された電子ドキュメントのコメント部分は隠されて表示される。
【0116】
これは、プリフライトチェックによって正常に印刷可能と判断されたEDOC605にコメントCM1、CM2の各部分が上書きされて表示されるためである。
【0117】
図7は、本実施形態を示す画像形成装置における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、電子文書の再編集処理手順に対応する。なお、S701〜S715は各ステップを示す。また、各ステップは、画像形成装置102のCPU12が外部メモリより制御プログラム(アプリケーション)をRAM19にロードして実行することで実現される。
【0118】
なお、本実施形態では、オペレータが再編集時に用いるアプリケーションの詳細な処理な流れを説明する。また、再編集用のアプリケーションは画像形成装置102上で動作する場合について説明するが、ホストコンピュータ101上で操作する再編集用のアプリケーションであってもよい。
【0119】
S701で、オペレータが再編集用のアプリケーションを起動すると、編集するファイル701と3つの電子ファイルのどの電子ドキュメントを開くかを指定するため、図8に示すユーザインタフェースを操作部1012上にUI画面として表示する。
【0120】
図8A〜図8Cは、本実施形態を示す画像形成装置で表示可能なユーザインタフェースの一例を示す図である。図8Aは、ファイル取得・表示画面に対応し、図8Bは、編集不可警告画面に対応し、図8Cは、認証処理画面に対応する。
【0121】
図8Aにおいて、RB1〜RB3はラジオボタンで、取得するドキュメントの取得方法を決定する。BT1はOKボタンで、BT2はキャンセルボタンである。
【0122】
ここで、ラジオボタンRB1は、3つの電子ドキュメントを含む電子ドキュメント「全体」を選択する場合に指示される。つまり、ラジオボタンRB1は、まとめ用の電子ドキュメントを選択し、プリフライトチェックで正常に印刷可能と判断された部分と正常に印刷不可能と判断された部分の両方を開く場合に選択される。
【0123】
また、ラジオボタンRB2は、「プリフライトチェックでエラーが出た部分」を選択する場合に指示される。つまり、ラジオボタンRB2は、プリフライトチェックで正常に印刷不可能と判断された部分の認証が付加され編集が不可能な電子ファイルを開く場合に選択される。
【0124】
また、ラジオボタンRB3は、「プリフライトチェックで正常な部分」を選択する場合に指示される。つまり、ラジオボタンRB3は、プリフライトチェックで正常に印刷可能と判断された部分の編集可能な電子ファイルを開くことである。次に、S702で、ラジオボタンRB1〜RB3のいずれかを選択する。これにより、すべて編集可能部分/編集不可部分のいずれかが選択される。
【0125】
このようにして、オペレータがファイルとどの電子ファイルを開くかを指定したら、S703で、編集不可能な部分(プリフライトチェックにおいて正常に印刷可能と判断された部分)の電子ドキュメントが指定されたかを判断する。
【0126】
なお、本実施形態において、編集不可能な部分の電子ファイルが選択されたと判断するのは、図8Aにおいて、ラジオボタンRB1で「全体」またはラジオボタンRB3で「プリフライトチェックで正常な部分」が選択された場合である。
【0127】
ここで、編集不可能な部分の電子ファイルが選択されていないと判断した場合は、S707へ進む。
【0128】
一方、S703で、編集不可能な部分の電子ファイルが選択されていると判断した場合、S704で、図8Bに示す編集不可の警告と認証処理を行うかオペレータに判断させるUI画面を操作部1012に表示する。
【0129】
図8Bに示すユーザインタフェースには、編集で不可能であることを警告するコメント811と編集を行う場合は認証処理を行うことを促す、図8Cに示す認証ウィンドウ820を開くためのボタンBT21を有する。また、キャンセルボタンBT22を押下指示することで、認証処理を行うことなく、図8Aに示すユーザインタフェース表示に戻る。
【0130】
ここで、オペレータは認証処理を行う場合、ボタンBT21を押下し、図8Cに示す認証UIを操作部1012上に表示する。
【0131】
図8Cに示すユーザインタフェースには、パスワード入力部821と、認証を解除する範囲を特定するためのラジオボタンRB11、RB12を備えている。パスワード入力部821には、図5で示した通知されたパスワード504を入力することにより、正常印刷可能とされた部分を編集可能な状態にすることが出来る。
【0132】
図8Cにおいて、ラジオボタンRB11が選択された場合、電子ドキュメント全体を解除する範囲として指示される。また、ラジオボタンRB12が選択された場合、現在選択している部分(ページや章、オブジェクトごとに指定可能)を解除する範囲として指示される。
【0133】
このように、ラジオボタンRB11、RB12の選択を行うことで、編集領域をページ全体としたり、一部の領域に限定したりすることができる。これにより、誤った操作によるさらなる編集領域となってしまうことをページ単位あるいは部分単位に制限することができる。
【0134】
一方、S705で、アプリケーションが編集可能にしないが選択された場合、つまり、オペレータが認証処理を行わないと判断した場合、S706に進む。そして、S706で、アプリケーションは編集不可能な部分を網掛け表示し、オペレータが電子ドキュメントを編集できない状態にする。このように正常印刷可能な領域とそれ以外の領域とを視覚的に表示態様を異なるように制御することで、ユーザにその領域が正常印刷可能な領域であるのか、それともそれ以外の領域であるのかをわかりやすく認識させることができる。
【0135】
S705で、図8Cに示すユーザインタフェースで、オペレータが認証処理を実行した場合、アプリケーションは電子ドキュメント中で編集不可能な部分も通常表示し、オペレータの編集を許可する。本実施形態では、編集不可な部分に対してもユーザが再編集したいという要求にも柔軟に適応することが可能に構成されているので、ユーザビリティも向上する。
【0136】
そして、S707で、操作部1012よりオペレータの任意の操作に基づく入力を受け付ける。ここで、任意の操作には、電子ドキュメントに対する編集、表示位置の変更、保存、終了等の操作が含まれる。
【0137】
そして、S708で、アプリケーションがオペレータの操作が終了処理であるかどうかを判断し、終了処理であると判断した場合は、アプリケーションによる処理を終了する。
【0138】
一方、S708で、アプリケーションがオペレータの操作が終了処理でないと判断した場合は、S709で、オペレータの操作が編集処理であるかどうかを判断する。
【0139】
なお、ユーザは、操作部1012に表示されるユーザインタフェースを介して、簡単な選択指示で操作要求を行えるように構成されている。このため、CPU12は、終了を指示するボタンが配置された画面を操作部1012に表示する制御を実行している。
【0140】
ここで、編集処理でないと判断した場合は、S710へ進み、その他の処理を行い、S708へ戻る。なお、他処理には、表示場所の変更やドキュメントの保存処理等が含まれる。
【0141】
一方、S709で、オペレータの操作が編集処理であると判断した場合は、さらに、S711で、その編集処理が指定された部分が編集不可能領域またはドキュメントであるか否かを判断する。ここで、編集処理が指定された部分が編集不可能な領域またはドキュメントでないと判断した場合は、S715へ進み、編集内容を電子ドキュメントに反映して、S708へ戻る。
【0142】
一方、S711で、アプリケーションが編集処理で指定された部分が編集不可能な領域であると判断した場合は、S712で、図8Bに示すユーザインタフェースを操作部1012に表示して編集不可警告表示を行う。そして、S713で、図8Cに示すユーザインタフェースを表示した状態で、オペレータが認証処理をして編集可能にしているかどうかを判断する。ここで、編集可能としていると判断(図8Cに示すボタンBT1が押下されたと判断した場合)した場合は、S714へ進む。そして、S714で、アプリケーションは、編集不可領域として表示している部分の網掛け表示を解除し、編集可能にする。なお、S713で、編集可能にしていないと判断した場合は、S708へ戻る。
【0143】
その後、S715で、アプリケーションは、オペレータが行った編集内容を電子ドキュメントに反映して、アプリケーションの処理を終了する。
【0144】
図9は、本実施形態を示す画像形成装置で編集される電子ドキュメントのフォーマットを説明する図である。本例は、ホストコンピュータ101から画像形成装置102にプリフライトチェックまたは印刷を要求するときの電子ドキュメントのフォーマット例である。
【0145】
図9に示すように、ホストコンピュータ101から画像形成装置102にプリフライトチェック又は印刷を要求する場合、電子ドキュメントフォーマットは、電子ドキュメントの実体904にヘッダ901〜903が添付される。
【0146】
なお、電子ドキュメントの実体904は、初回にホストコンピュータ101から画像形成装置102に送信される時は、PDFやPS等の電子ドキュメントであり、2回目以降の送信時は図3に示す印刷に適した電子ドキュメントである。ここで、2回目以降の送信とは、PFCM104による正常印刷可能とするように編集された電子ドキュメントに対して行う再判断処理ための送信時に対応する。
【0147】
ヘッダ901の「処理指示」には要求する処理がプリフライト処理905なのか印刷処理906なのかを記述する。そして、画像形成装置102の外部インタフェース113は、ヘッダ901の記述に基づいて電子ドキュメントに対する処理をプリフライトチェック処理あるいは印刷処理のいずれかに振り分ける。
【0148】
なお、印刷処理906には各種印刷設定が記述される。ここで、印刷設定には、試し印刷であるか、両面印刷、印刷部数、レイアウト、ページ指定等が含まれる。
【0149】
ヘッダ903には電子ドキュメントタイプが記述され、電子ドキュメントの実体904の種類907〜911が記述される。ここで、種類907はPDFであることを示す。種類908はPSであることを示す。種類909はPRFで、画像形成装置でプリフライトチェック済みのドキュメントであることを示す。
【0150】
種類910はPR1で、画像形成装置でプリフライト済みのドキュメントの編集可能部分であることを示す。種類911はPR2で、画像形成装置でプリフライト済みのドキュメントの編集不可能部分であることを示す。
【0151】
図10は、本実施形態を示す情報処理装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、ホストコンピュータ101からプリフライトチェック又は印刷処理を要求された場合の処理手順に対応する。なお、S1001〜S1013は各ステップを示す。また、各ステップは、ホストコンピュータ101のCPU1が外部メモリ11より制御プログラム(アプリケーション)をRAM2にロードして実行することで実現される。なお、本例は、ホストコンピュータ101の外部メモリ11に記憶されるプリンタドライバあるいはユーティリティを起動することで実行される。つまり、本処理の機能が、プリンタドライバの機能として提供されてもよいし、ユーティリティの機能として提供されてもよい。
【0152】
まず、S1001で、オペレータはKB9を操作して表示部10に表示されたファイル一覧(図11A参照)よりファイルを選択し、S1002で、要求する処理としてプリフライトチェックであるか、印刷処理であるかを選択する。
【0153】
この結果は、図9で説明したホストコンピュータ101から送信するための電子ドキュメントフォーマットのヘッダ901の「処理指示」に設定される。
【0154】
次に、S1003で、CPU1がS1002で選択された処理の内容が印刷処理かどうかを判断する。ここで、CPU1が選択された処理の内容が印刷処理であると判断した場合は、S1004で、各種印刷設定を行い、S1005へ進む。
【0155】
この結果は図9で説明したホストコンピュータ101から送信するための電子ドキュメントフォーマットのヘッダ902の「印刷設定」に反映される。
【0156】
一方、S1003で、CPU1により印刷処理以外が選択されたと判断した場合は、S1005で、オペレータにより選択された要求が実行されると、図11Aに示すUI画面上で選択されたファイルのドキュメントフォーマットのタイプを調べる。
【0157】
そして、ホストコンピュータ101から送信するための電子ドキュメントフォーマットのヘッダ903に「ドキュメントタイプ」にPDFまたはPS等を設定する。
【0158】
次に、S1007で、CPU1がヘッダ901の内容から処理要求が「印刷処理」であるかどうかを判断する。ここで、処理要求が「印刷処理」であると判断した場合は、S1013へ進み、電子ドキュメントの実体904は添付せずに送信して、本処理を終了する。
【0159】
一方、S1007で、CPU1がヘッダ901の内容から処理要求が「印刷処理」でないと判断した場合、つまり、「プリフライトチェック処理(プリフライト処理905)」であると判断した場合、S1008へ進む。
【0160】
そして、S1008で、選択されたファイルのドキュメントフォーマットが「PDF」や「PS」等の汎用のドキュメントであるか否かを判断する。ここで、CPU1が汎用のドキュメントであると判断した場合は、S1012で、ドキュメントの全てを電子ドキュメントの実体904に添付して、S1013で、画像形成装置102に送信して、本処理を終了する。
【0161】
一方、S1008で、CPU1が選択されたファイルのドキュメントフォーマットが印刷に適した電子フォーマットであると判断した場合、S1009で、選択したファイルが既にプリフライトチェック実行済みのドキュメントであるか否かを判断する。ここで、CPU1がプリフライトチェック済みでないと判断した場合は、S1012へ進む。一方、S1009でプリフライトチェック済みであると判断した場合は、S1010へ進む。そして、S1010で、CPU1により認証が解除されたか否かを判断する。
【0162】
ここで、CPU1により認証が解除されていないと判断した場合は、S1011へ進み、編集可能な電子ドキュメント(前回のプリフライトチェックで印刷が正常に印刷不可能と判断された部分)のみを添付して、S1013へ進む。そして、S1013で、CPU1がNIC8を介して印刷が正常に印刷不可能と判断された部分のみを画像形成装置102に送信して、本処理を終了する。
【0163】
一方、S1010で、CPU1により認証が解除されていると判断した場合は、全ての電子ドキュメントを添付して、S1013で、CPU1がNIC8を介して全ての電子ドキュメントを画像形成装置102に送信して、本処理を終了する。
【0164】
この処理により2回目以降のプライトチェックの処理要求時に送信するファイルサイズが縮小できるため処理が高速となる。
【0165】
図11A〜図11Cは、本実施形態を示す情報処理装置におけるユーザインタフェースを説明する図である。本例は、ホストコンピュータ101からプリフライトチェック又は印刷処理を要求する際に用いられるUI画面例である。なお、本UI画面は、プリンタドライバの機能で提供されてもよいし、ユーティリティの機能で提供されてもよい。
【0166】
図11Aにおいて、1101はファイル選択画面で、ファイル選択するためのウィンドウ1102と要求する処理がプリフライトチェックであるか印刷処理であるかを選択するチェックボックス1103を備える。
【0167】
オペレータは、ウィンドウ1102でファイルを選択し、チェックボックス1103で処理を選択し、要求理実行ボタンとして機能するボタンBT1を押下することにより要求の処理を実行できる。なお、BT2はキャンセルボタンである。
【0168】
図11Aにおいて、要求する処理が印刷処理であった場合、図11Bに示す印刷設定UI1110が表示される。
【0169】
図11Bにおいて、オペレータは各種印刷設定(試し印刷か否か、両面印刷、レイアウト、ページ指定等)をラジオボタンRB111〜RB113で指示することで行う。なお、試し印刷方法が選択された場合には、試し印刷方法の詳細を指示する入力部1112が有効表示状態となり、省トナー等を選択指示可能に構成されている。
【0170】
また、印刷部数1113に対する指示に基づいて、印刷部数が決定される。さらに、レイアウト1114に対する指示に基づいて、レイアウト方法、例えば1枚にレイアウトするページ数(Nin1)がNページ/数で指示可能に構成されている。
【0171】
さらに、ラジオボタンRB113が指示された場合には、指定された開始ページ1115と、終了ページ1116に対応するページ数を入力することで、指定ページ間印刷を指示することができる。
【0172】
図11Cに示すプリフライトチェック実行UI1120において、ファイル選択画面1121からプリフライトチェックを行うファイルを選択する。1122はドキュメント種類選択部で、ファイルの種類としてプリフライト済みのドキュメント(.prf)が選択された状態に対応する。
【0173】
図12は、本実施形態を示す画像形成装置におけるプリフライトチェック処理を説明する図である。以下、2回目以降のプリフライトチェック高速化の様子を説明する。なお、電子ドキュメントがPDFの場合を例として説明する。
【0174】
図12において、1回目のプリフライトチェック時には電子ドキュメント1201に含まれる全てのオブジェクトに対してプリフライトチェックを行うため非常に時間がかかる。
【0175】
2回目以降に関しては、1回目のプリフライトチェックにおいて正常に印刷可能と判断された電子ドキュメント1203に含まれるオブジェクトやまとめ用の電子ドキュメント1204に対してはプリフライトチェックを行う必要がない。
【0176】
そこで、1回目のプリフライトチェックで正常に印刷不可能と判断された電子ドキュメント1202に含まれるオブジェクトのみプリフライトチェックを実行する。
【0177】
これにより、プリフライトチェックすべきオブジェクト数が減少し、プリフライトチェックを高速に行うことができる。
【0178】
なお、本実施形態ではプリフライトチェックで正常に印刷不可能と判断された電子ドキュメントの認証が解除された場合は1回目とみなして全体のプリフライトチェックを行う。
【0179】
〔第2実施形態〕
上記実施形態では、プリフライトチェックで修正すべきオブジェクトに対する指示は、コメントとしてユーザに通知する場合について説明したが、コメントではその印刷不可と判断された内容を理解しにくい場合がある。例えば、印刷部17の解像度や色味といった視覚的に確認しないと判別が困難となる場合がある。そこで、プリフライトチェックで修正すべきオブジェクトに対する内容を視覚的にユーザに通知して、修正指示を効率化する実施形態について説明する。
【0180】
以下、図13を用いて、プリフライトチェックで修正すべきオブジェクトに対する修正候補をアニメーションや3Dオブジェクトで埋め込む例を説明する。
【0181】
図13は、本実施形態を示す情報処理装置で処理可能な電子ドキュメントの一例を示す図である。
【0182】
図13において、電子ドキュメントのページ1301にプリフライトチェックで正常に印刷不可能と判断されたオブジェクト1302があるとする。
【0183】
このオブジェクト1302は、画像形成装置102の能力では正常な色や明るさで印刷することが出来なかった場合、修正候補作成モジュール117が画像形成装置102の能力で印刷できるように補正した何種類かのオブジェクトを作成する。そして、修正候補作成モジュール117が作成した候補をアニメーションオブジェクト1303の中に補正方法を変えたいくつかのオブジェクト1304、1305、1406として埋め込む。なお、オブジェクト数は、3つに限定されるものではない。
【0184】
オペレータは、アニメーションを動作させ、望みの修正候補の位置でアニメーションを停止させて、修正したいオブジェクトの位置を保存した電子ドキュメントを画像形成装置102に送信する。
【0185】
画像形成装置102では、アニメーションオブジェクト1303の保存時に表示されている位置をプリフライトチェックして印刷する。
【0186】
なお、3Dオブジェクトについても修正候補作成モジュール117がアニメーションオブジェクトと同様に複数の修正候補1307〜1310を埋め込み可能に構成されている。また、アニメーションによる修正候補表示か、3Dオブジェクトについても修正候補表示かのいずれかは、ユーザがUI画面上のボタンを操作することで切替え可能である。また、作成した候補数に応じて、3Dによる表示とするとか、アニメーションによる表示とするかを自動的に決定してもよい。
【0187】
画像形成装置102では3Dオブジェクトも保存時にページの表面に表示されているオブジェクトをプリフライトチェックして印刷する。
【0188】
オペレータは、3Dオブジェクトをポインティングデバイスの操作指示に基づいて回転させ、望みの修正候補の位置で3Dオブジェクトを停止させて画像形成装置102に送信する。
【0189】
このように、アニメーションの動作や3Dオブジェクトの回転によってオペレータは簡単に修正候補を選択することができ、またレイアウトの変更も抑制することが出来る。
【0190】
図14を用いて、電子ドキュメントに含まれるオブジェクト属性を編集する方法について説明する。
【0191】
図14は、本実施形態を示す情報処理装置におけるオブジェクト処理の一例を示す図である。なお、オブジェクト属性を編集するアプリケーションでは、図3のオブジェクト属性313をみて、オブジェクトごとに色分けした(網掛けを変更した表示を行う)。
【0192】
図14において、1401はそのオブジェクト属性編集画面で、属性パターン1402で、どの色(網掛け)がどのオブジェクト属性に該当するかを示し、実際のページ1403がどのオブジェクト属性でかかれるかを示す。1405は文字がイメージ属性と判定されている例である。BT141〜BT143はボタンである。
【0193】
なお、文字がイメージとして判定されてしまうケースとしては、電子ドキュメント内に文字コードであれば、文字であると判定できる。これに対して、ホストコンピュータ101上で文字コードがビットマップに展開されてから送られてくる場合など間違えてイメージと判定されやすい。
【0194】
この場合、オペレータはイメージ属性から文字属性に変更したいので、該当個所をポインティングデバイスなどでクリックし、属性パターン1402から変更した属性を選択することで、属性を変更することができる。
【0195】
〔第3実施形態〕
以下、印刷に適した1つの電子ドキュメントで、プリフライトチェックにおいて正常に印刷可能と判断された部分が編集されてしまう事態を防ぐ方法について説明する。正常に印刷可能と判断された部分とは、変更しないことが望ましい部分に該当し、ユーザに自由に編集を認めてしまうと、さらにプリフライトチェック正常に印刷できない部分と判定されてしまうおそれのある部分である。
【0196】
なお、印刷に適した1つの電子ドキュメントはタグ情報を付加することが可能である。ここで、タグ情報とは、電子ドキュメントや電子ドキュメントの一部に属性を付加する方法である。そのタグ情報にプリフライトチェックの結果を付加する。アプリケーションは、タグ情報に記述されたプリフライトチェックの結果をみてオペレータに編集を許可するか否かを決定する。
【0197】
図15は、本実施形態を示す情報処理装置における電子文書編集理方法を説明する図である。以下、タグ情報にプリフライトチェック結果を付加するについて説明する。なお、本処理は、ホストコンピュータ101の外部メモリ1にインストールされるアプリケーションを実行することで実現される。また、アプリケーション1509は、ホストコンピュータ101上または画像形成装置102上で動作する。つまり、本処理は、アプリケーションを画像形成装置102の外部メモリ110にインストールとすることで画像形成装置102により実行することも可能である。
【0198】
図15において、プリフライトチェック処理を行う電子ドキュメント1501は、プリフライトチェック後に印刷に適した1つの電子ドキュメント1502に変換される。
【0199】
印刷に適した1つの電子ドキュメント1502には、タグ情報1503が含まれ、タグ情報1503にはプリフライトチェックの結果が付加される。ここで、プリフライトチェックの結果は正常印刷可能であるか、正常印刷不可能であるかである。
【0200】
オペレータ1505は、電子ドキュメント1502中のタグ情報に付加されたプリフライトチェック結果を参照し、編集可能か編集不可能かを判断する機能をもったアプリケーション1509で編集を行う。
【0201】
アプリケーション1509は、プリフライトチェック結果で正常印刷可能と判断されたタブ情報に囲まれた部分には、オペレータの編集を許可しない。
【0202】
また、ホストコンピュータ101上または画像形成装置102の一方にインストールしておき、インストールされたデバイスより、アプリケーション1509をダウンロードして実行可能としてもよい。
【0203】
これによって印刷に適した1つの電子ドキュメント1502により、本プリフライトチェックの結果、正常に印刷可能と判断された部分にたいするオペレータの誤編集を防ぐことが出来る。
【0204】
また、電子ドキュメント1502中のタグ情報には複数のオブジェクト1504が含まれるが、複数のオブジェクト1504は、例えば複数のイメージ1506、複数のグラフィック1507、複数の文字1508である。
【0205】
また、グラフィックと文字といったようにオブジェクト種類が異なる複数のオブジェクトを指定しても良い。
【0206】
以下、図16を用いてタグにプリフライトチェックを付加可能な印刷に適した電子ドキュメントフォーマットの詳細を説明する。
【0207】
図16は、図15に示した電子ドキュメント1502のフォーマットを説明する図である。
【0208】
図16において、電子ドキュメントはタグ情報1601〜1603を含む構造である。タグ情報1601〜1603にはプリフライトチェックにおいて正常に印刷可能1604か正常に印刷不可能1605かの情報が含まれる。これは、図15に示したタグ情報1503内のプリフライトチェック結果に対応する。
【0209】
タグ情報1601は、ページ全体を指定するタグで、ページに含まれる全てのオブジェクトのプリフライトチェック結果が同じである場合に付加する。
【0210】
例えばページ内に含まれる全てのオブジェクトが正常に印刷可能と判断された場合に、ページ全体の編集不可とした場合に利用する。
【0211】
タグ情報1602は、ページに含まれる一部の複数のオブジェクトにプリフライトチェックにおいて正常に印刷可能か印刷不可能かの判断を付加することが可能である。
【0212】
これにより正常に印刷可能と判断されたオブジェクトは編集不可となり、正常に印刷不可能と判断されたオブジェクトの編集は可能となる。
【0213】
タグ情報1603は、電子ドキュメント全体を指定するタグで、電子ドキュメント内に含まれる全てのオブジェクトのプリフライトチェック結果が同じである場合に付加する。
【0214】
例えば電子ドキュメント内に含まれる全てのオブジェクトが正常に印刷可能と判断された場合に、電子ドキュメント全体の編集不可とした場合に利用する。
【0215】
〔第4実施形態〕
以下、図17、図18に示すメモリマップを参照して本発明に係る画像形成装置、情報処理装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0216】
図17は、本発明に係る画像形成装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0217】
図18は、本発明に係る情報処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0218】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0219】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0220】
本実施形態における図4,図7,図10に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0221】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0222】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0223】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0224】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0225】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0226】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0227】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0228】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。例えばそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0229】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込ませる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0230】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0231】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【図面の簡単な説明】
【0232】
【図1A】本発明の第1実施形態を示す情報処理装置を適用可能な画像形成システムの一例を示す図である。
【図1B】図1Aに示した情報処理システムにおけるハードウエア構成を説明するブロック図である。
【図2】図1Aに示し電子ドキュメント作成モジュール(DM)による電子ドキュメントの作成処理を説明する図である。
【図3】本実施形態を示す画像形成装置で処理可能な電子ドキュメントフォーマットの一例を示す図である。
【図4】本実施形態を示す画像形成装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した画像形成装置が備える液晶表示部に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図6】図1に示し電子ドキュメント作成モジュール(DM)による電子ドキュメントの作成処理を説明する図である。
【図7】本実施形態を示す画像形成装置における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8A】本実施形態を示す画像形成装置で表示可能なユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図8B】本実施形態を示す画像形成装置で表示可能なユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図8C】本実施形態を示す画像形成装置で表示可能なユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図9】本実施形態を示す画像形成装置で編集される電子ドキュメントのフォーマットを説明する図である。
【図10】本実施形態を示す情報処理装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11A】本実施形態を示す情報処理装置におけるユーザインタフェースを説明する図である。
【図11B】本実施形態を示す情報処理装置におけるユーザインタフェースを説明する図である。
【図11C】本実施形態を示す情報処理装置におけるユーザインタフェースを説明する図である。
【図12】本実施形態を示す画像形成装置におけるプリフライトチェック処理を説明する図である。
【図13】本実施形態を示す情報処理装置で処理可能な電子ドキュメントの一例を示す図である。
【図14】本実施形態を示す情報処理装置におけるオブジェクト処理の一例を示す図である。
【図15】本実施形態を示す情報処理装置における電子文書編集理方法を説明する図である。
【図16】図15に示した電子ドキュメントのフォーマットを説明する図である。
【図17】本発明に係る画像形成装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【図18】本発明に係る情報処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0233】
101 ホストコンピュータ
102 画像形成装置
104 PFCM
106 DM
108 RM
117 修正作成候補モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成に用いられるオブジェクトが含まれるデータを編集可能な情報処理装置であって、
前記オブジェクトの画像形成に先立って、前記オブジェクトを特定の画像形成に用いられる資源で正常出力可能かどうかを判断手段と、
前記判断手段が正常出力可能と判断したオブジェクトはそのオブジェクトの編集を制限し、前記判断手段が正常出力不能と判断したオブジェクトはそのオブジェクトの編集を制限しないデータを形成する形成手段と、
備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判断手段は、前記オブジェクトが更新される場合に、前記オブジェクトを前記画像形成装置が備える資源で正常出力可能かどうかを再判断することを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記形成手段は、前記オブジェクトに対する編集要求時に、入力される認証情報に基づいて編集要求を許可か不許可とするかを決定することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記形成手段は、前記オブジェクト内に前記判断手段により正常出力不可能と判断される要因を示すコメントを挿入可能とすることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記オブジェクトを保存する保存手段と、
前記判断手段による再判断で正常出力可能と判断されたオブジェクトに基づいて、前記保存手段に保存されているオブジェクトを更新する更新手段と、
を有することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判断手段により前記オブジェクトを前記画像形成装置が備える資源で正常出力不可能と判断した場合、前記オブジェクトを正常出力可能とするための修正候補を画像情報で出力する修正候補出力手段を有することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記修正候補出力手段は、前記修正候補をアニメーションで出力することを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記修正候補出力手段は、前記修正候補を3Dオブジェクトで出力することを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項9】
画像形成に用いられるオブジェクトが含まれるデータを編集可能な情報処理装置における情報処理方法であって、
前記オブジェクトの画像形成に先立って、前記オブジェクトを特定の画像形成に用いられる資源で正常出力可能かどうかを判断工程と、
前記判断工程が正常出力可能と判断したオブジェクトはそのオブジェクトの編集を制限し、前記判断工程が正常出力不能と判断したオブジェクトはそのオブジェクトの編集を制限しないデータを形成する形成工程と、
備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
前記判断工程は、前記オブジェクトが更新される場合に、前記オブジェクトを前記画像形成装置が備える資源で正常出力可能かどうかを再判断することを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記形成工程は、前記オブジェクトに対する編集要求時に、入力される認証情報に基づいて編集要求を許可か不許可とするかを決定することを特徴とする請求項9記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記形成工程は、前記オブジェクト内に前記判断工程により正常出力不可能と判断される要因を示すコメントを挿入可能とすることを特徴とする請求項9記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記オブジェクトを保存手段に保存する保存工程と、
前記判断工程による再判断で正常出力可能と判断されたオブジェクトに基づいて、前記保存手段に保存されているオブジェクトを更新する更新工程と、
を有することを特徴とする請求項10記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記判断工程により前記オブジェクトを前記画像形成装置が備える資源で正常出力不可能と判断した場合、前記オブジェクトを正常出力可能とするための修正候補を画像情報で出力する修正候補出力工程を有することを特徴とする請求項9記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記修正候補出力工程は、前記修正候補をアニメーションで出力することを特徴とする請求項14記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記修正候補出力工程は、前記修正候補を3Dオブジェクトで出力することを特徴とする請求項14記載の情報処理方法。
【請求項17】
請求項9〜16のいずれか1項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項18】
請求項9〜16のいずれか1項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−9230(P2009−9230A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167932(P2007−167932)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】