説明

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

【課題】 試験問題における選択式の設問を自動的に作成するための情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】 本発明の情報処理装置12は、実施済み試験問題に対する解答結果Pの入力を受けて、実施済み試験問題の設問に対する解答のデータ値を、設問に関連付けてデータベース14に格納する入力部110と、格納された設問に対する解答のデータ値を解析して、解答のデータ値の集合内での各解答のデータ値の出現頻度に関連する統計値を算出する解析部120と、設問に対し、統計値に依存して解答のデータ値の集合の中から複数の選択肢を選び出し、複数の選択肢を含む選択式の設問Qを作成する作成部130とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援のための情報処理技術に関し、より詳細には、試験問題における選択式の設問を自動的に作成するための情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報処理技術の発達および普及に伴い、コンピュータやワールド・ワイド・ウェブを用いた電子学習(E−ラーニング)が普及している。また、学習塾では、学習者による知識の学習を支援するために、独自に学習支援システムを開発している。このような学習塾における学習支援システムでは、教科担当者が、知識を学習するための設問を作成しなければならず、出題者である教科担当者が負担する労力が大きいものとなる。従来では、このような出題者の労力を軽減するために、問題文、およびその正答および誤答を含む設問を予め用意しておき、これらの設問集合の中からテスト問題を自動生成するような、種々の学習支援システムが提案されている。
【0003】
例えば、特開2003−29612号公報(特許文献1)は、複数候補の中から正解を一つ選択する択一問題を扱うコンピュータ利用の学習システムにおいて、問題文原稿データファイル中の特定の記号で囲まれた文字列を抽出し、得られた文字列の配列をメモリ上に解答文字列一覧として保持し、問題文原稿データファイル中の特定の記号で囲まれた文字列は空欄として、その他の文字列は問題文としてそのまま表示し、学習者が注目する空欄の位置には、解答文字列候補一覧を表示し、この一覧には、正解の文字列の他に、解答文字列一覧の中の正解文字列以外の文字列をランダムに抽出して含め、これよって、コンピュータ利用の初心者でも、択一式問題文を容易に作れるようにする技術が開示されている。
【0004】
また、特開2004−144903号公報(特許文献2)は、出題者が作成した設問文および複数の回答選択肢を配列してなるデータに基づき、シャッフル手段により、小問の中での各解答選択肢の配列および/または試験問題の中での各小問の配列を変更する並べ替え処理を行うことにより、複数種類の試験問題を作成し、これらを印刷装置で各問題用紙に印刷して、各解答者に配布し、各解答者に対し異なる種類の試験問題を出段する技術が開示されている。
【0005】
その他、特開2005−321768号公報(特許文献3)は、ユーザの学習水準に適した学習教材情報を提供することができる学習システム、学習管理サーバおよびプログラムを提供することを目的として、問題情報に対応する解答情報に基づいて評価を生成し、その評価に基づいて、複数のeラーニングコースから、一または複数のEラーニングコースを紹介する技術を開示している。
【特許文献1】特開2003− 29612号公報
【特許文献2】特開2004−144903号公報
【特許文献3】特開2005−321768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、選択式問題を自動生成するためには、問題文およびその正答に加えて、複数の誤答を予め準備しておかなければならず、出題者の負担となる。上記特許文献1に開示される従来技術では、設問文原稿ファイルデータ中から文字列が抽出されて誤答を含む解答候補が生成されるので、出題者の誤答データを作成する負担をいくらか軽減するものと言える。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の従来技術は、解答選択肢が、空欄に指定されたすべての語句からランダムに選択されて表示されるので、ある設問の誤答の中に、他の問題の正答が含まれ、意図せずに学習者にヒントを与えてしまう蓋然性が高くなるという点で、充分なものではなかった。また、解答文字列一覧をソートして正答と先頭文字列が同じ誤答を選択肢に含めたり、正答と同一文字列数のものを選択肢に含めたりすることができるとはいえ、概念的に遠く選択肢として不適格なものが解答選択肢の中に含まれてしまったりする蓋然性が高くなるという点でも、充分なものではなかった。また、選択肢に含まれる誤答が、設問文原稿ファイルデータ中の空欄に指定された語句に限定されてしまう点でも、選択肢の多様性の観点からも充分なものではなかった。
【0008】
また、上記特許文献2に開示される従来技術は、シャッフル手段により小問中の解答選択肢の配列および/または小問の配列をシャッフルするためには、予め問題文およびその正答に加えて、複数の誤答を予め準備しておかなければならず、誤答を作成するという出題者の負担を低減できるものではなかった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明は、試験設問の作成において、学習者による過去の試験問題の解答結果を利用することによって、出題者の解答の選択肢を作成する労力を低減して、高い多様性を有し、かつ特定の設問文に対するものとして適切な選択肢を含む選択式の設問を自動的に生成する、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、上記課題を解決するために、情報処理装置は、実施済み試験問題に対する解答結果の入力を受けて、この実施済み試験問題の設問に対する解答のデータ値を、設問に関連付けてデータベースに格納しておく。また、格納された設問に対する解答のデータ値を解析して、解答のデータ値の集合内での各解答のデータ値の出現頻度に関連する統計値を算出する。そして、この統計値に依存して解答のデータ値の集合の中から複数の選択肢を設問に対し選び出し、複数の選択肢を含む選択式の設問を作成する。
【0011】
上記構成では、選択式の問題が含むそれぞれの選択肢は、過去に実施された試験問題で学習者等が実際に間違ったことのある誤答のデータ値から選び出される。このため、出題する設問に全く無関係な選択肢が含まれてしまうというような蓋然性を好適に低減することができる。また、上記構成により、紙などで実施された記述式試験問題から選択式の復習用の試験問題を作成することが可能となる。
【0012】
また本発明では、指定される難易度に応じて、上記複数の選択肢を選び出すための条件を変更することができる。また本発明では、この複数の選択肢を選び出すための条件は、難易度に対応して上位または下位の度数を有する解答のデータ値を優先させる指定を含むことができる。また本発明では、この複数の選択肢を選び出すための条件は、上記難易度に対応した選択肢の数の指定を含むことができる。
【0013】
上記構成では、それぞれの選択肢は、さらに、難易度に応じて蓄積する解答結果を統計解析処理した結果に従って選び出される。このため、学習者の間違えられやすかった誤答を優先的に選択肢に含ませたり、あまり間違えられなかった誤答を優先的に選択肢に含ませたりすることで、設問の難易度を調整することが可能となる。
【0014】
さらに、本発明では、解答のデータ値に対し、さらに、解答した学習者の学習理解の程度を表す指標値を関連付けてデータベースに格納することができる。そして、この指標値別の母集団について統計値を算出することができる。さらに、統計値は、上記解答のデータ値のそれぞれに対する前記母集団内での度数を含むことができる。上記構成によれば、学習者に割り振った学習理解度に応じて、設問をカスタマイズすることができるため、学習者の理解の程度に合った設問を作成することが可能となる。
【0015】
さらに、本発明では、解答のデータ値に対し、さらに、解答した学習者を識別する学習者識別値を関連付けてデータベースに格納することができる。そして、選択式の設問の対象となる学習者が過去に解答した誤答のデータ値を優先して選択肢を選び出すことができる。上記構成により、学習者の試験問題の履歴情報を活用して、各学習者合わせてカスタマイズした試験問題を作成することが可能となる。
【0016】
また、上記解答のデータ値は、学習者による誤答および正答またはこれらのいずれか一方のデータ値とすることができる。また、前記難易度に対応して上位または下位の度数を有する解答のデータ値を優先させる際には、上位の度数を有する誤答のデータ値および下位の度数を有する正答のデータ値、またはこれらのいずれか一方の優先することによって、難易度を高めることができる。または、上位の度数を有する正答のデータ値および下位の度数を有する誤答のデータ値、またはこれらのいずれか一方の優先することによって、難易度を低めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。なお、以下の本発明の実施形態では、学習者の学習理解の程度を計るための択一式の試験問題を作成するコンピュータ装置を含む、学習の支援をするための学習支援システムを一例として、説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態の学習支援システム10の概略図を示す。図1に示す学習支援システム10は、択一式の試験問題を作成するコンピュータ装置12を含む。コンピュータ装置12は、概ねパーソナル・コンピュータなどとして構成されている。
【0019】
コンピュータ装置12は、択一式の試験問題を作成するための各種データを蓄積するデータベース14に接続する。択一式の試験問題の出題者は、既に実施済みの記述式の試験問題に対する学習者等からの解答結果Pを参照しながら、コンピュータ装置12を用いて、例えば手動にてデータ入力して、解答結果Pをデジタル化する。解答結果Pからデジタル化されるデータ(以下、解答データという。)は、試験問題を作成するために利用される材料となる情報を含む。解答データは、詳細については後述するが、より具体的には、解答結果Pに含まれる誤答の文字列または数値(以下、文字列および数値を含めデータ値という。)を含む。コンピュータ装置12にデータ入力された解答データは、所定のフォーマットにて上記データベース14に格納される。
【0020】
図1に示すコンピュータ装置12は、さらに、USBなどのインタフェースを介して、スキャナ16に接続される。試験問題の出題者は、学習者等からの解答結果Pをスキャナ16に順次読み取らせて、解答結果Pをデジタル化することができる。スキャナ16は、解答結果Pを画像読み取りし、コンピュータ装置12へ読取画像データを送信する。コンピュータ装置12は、解答結果Pの読取画像データを画像処理して、例えば文字認識処理(オフライン手書き文字認識処理)により、解答結果Pに含まれる各設問に対する解答を抽出する。この際、出題者は、文字認識により得られたデータ値に適宜修正を加えることができる。
【0021】
続いてコンピュータ装置12は、解答結果Pから得られた解答のデータ値と、正答として登録されたデータ値とを比較して、自動採点する。コンピュータ装置12は、さらに、採点済み解答のデータ値から、択一式の試験問題を作成するための材料として用いる誤答のデータ値を抽出して、解答結果Pをデジタル化する。コンピュータ装置12により抽出された解答データは、同様に、所定のフォーマットにて上記データベース14に格納される。
【0022】
コンピュータ装置12は、データベース14に蓄積された解答データに統計解析処理を施して、得られた統計解析結果に従って、新たな択一式の試験問題を作成する。図1に示すコンピュータ装置12は、USBなどのインタフェースを介して、プリンタ18に接続される。コンピュータ装置12は、出題者から指示を受けて、新たに作成された択一式試験問題をプリンタ18に出力指令することができる。プリンタ18は、コンピュータ装置12からの指令に従って、作成された択一式試験問題Qを印刷出力する。
【0023】
図2は、本実施形態のコンピュータ装置12の機能ブロック100を示す。図2に示すコンピュータ装置12に含まれる各機能部(詳細は後述する。)は、メモリ上にプログラムを展開し、プログラムの実行により各ハードウェア資源を動作制御することによって、コンピュータ装置12上に実現される。
【0024】
コンピュータ装置12は、ディスプレイ、マウスやキーボードなどの入力装置を含むユーザ・インタフェース部を備え、入力装置への入力に対応する操作イベントが、適切なオペレーティング・システム(OS)の制御の下、各機能部へと渡されて、操作イベントに応答した処理結果がディスプレイなどの出力装置に出力される。
【0025】
本実施形態のコンピュータ装置12は、解答結果Pからデジタル化されたデータが入力される解答入力部110を含む。図3(A)は、既に実施済みの記述式試験問題に対する学習者等からの解答結果の概略を示す。図3(A)に示す解答結果200(P)は、学習者が属するクラス名が記入されたクラス名記入欄202と、学習者の氏名が記入された氏名記入欄204と、各設問に対する解答が記入された各解答記入欄206とを含む。試験問題作成に利用するために、解答結果200から、例えば学習者氏名、不正解の設問に対する誤答などが抽出される。なお、本学習支援システム10において、学習者氏名は、学習者を識別する情報として用いられる。学習者を識別する情報は、特に限定されるものではなく、その他、学習者に割り当てた学籍番号などを用いてもよい。また、記述式試験問題の学習者と、作成した試験問題の対象の学習者とは、一致しなくともよい。
【0026】
再び図2を参照すると、解答入力部110は、解答結果Pのデータ入力を受けて、不正解であった設問と、該設問に対する誤答と、該解答を行った学習者の氏名とを関連付けて解答データ140として、データベース14に格納する。解答入力部110は、本実施形態における入力部として機能する。
【0027】
本実施形態のコンピュータ装置12は、さらに、データベース14に格納された解答データ140を解析する解答解析部120を含む。解答解析部120は、本実施形態における解析部として機能する。解答解析部120は、データベース14から順次解答データ140を読み出して、統計解析処理を施し、統計解析処理による結果を解析結果データ160として、データベース14に格納する。統計解析処理の詳細については、後述する。
【0028】
解答解析部120は、データベース14に格納される学習者に関する情報(以下、学習者データという。)150を適宜参照することができる。解答解析部120は、より具体的には、学習者が属するクラス名や、過去の試験の点数、学習者の偏差値に関する情報など、学習者の学習理解の程度の指標(以下、学習理解度という。)となる情報を取得し、統計解析処理の際に用いることができる。
【0029】
図4(A)は、本発明の第1実施形態による学習者データのデータ構造を例示する。図4(A)に示す学習者データ250は、学習者を識別する氏名が入力される氏名フィールド252と、学習者が属するクラス名が入力されるクラス名フィールド254とを含むテーブルである。なお、学習者データ250には、その他、適宜、過去の試験の点数、学習者の偏差値に関する情報などが入力されるフィールドなどを含んでいてもよい。
【0030】
図2を再び参照すると、本実施形態のコンピュータ装置12は、さらに、設問作成部130を含む。設問作成部130は、解析結果データ160を読み出して、出題者から入力指定される試験問題の作成条件Rに従って、試験問題に含ませる択一式の設問を作成する。
【0031】
設問作成部130は、より具体的には、作成条件Rに従って、データベース14に設問データ170として格納され登録された設問文と、および該設問文に対し上記解析結果データに従って選び出された複数の選択肢とを含む選択式の設問を作成する。設問作成部130が作成条件Rに従って作成した設問を含む択一式試験問題Qは、ファイルとして保存されたり、上述したように印刷出力されたりする。上記設問データ170は、学習支援システム10に登録された設問文を、その設問を識別する設問IDとともに保持している。
【0032】
図4(B)は、本発明の第1実施形態による設問データのデータ構造を例示する。図4(B)に示す設問データ260は、設問を識別する設問IDが入力される設問IDフィールド262と、設問文のテキストが入力される設問文フィールド266と、その正答が入力される正答フィールド268とを含むテーブルである。また、設問データ260は、設問の分類が入力される分類フィールド264を含むことができる。ここで、分類フィールド264は、教科や、単元など出題範囲を区分するために定義された値が入力される。分類の値は、詳細は後述するが、学習支援システム10に登録済みの設問の中から、所望の出題範囲の設問を選び出すために用いられる。
【0033】
また、設問の形式は、特に限定されるものではなく、質問形式、空欄補充形式、並び替え形式など如何なる形式を採用することができる。さらに各設問は、設問文に代えて、または設問文に付加して、画像、音声または動画などのマルチメディアデータを含んでいてもよい。
【0034】
図3(B)は、出力された択一式試験問題の概略を示す。図3(B)に示す択一式試験問題210は、上記作成条件Rに従って選び出された設問文212と、上記作成条件Rおよび解析結果データに従って選び出された、設問文212に対する複数の選択肢214と、各設問に対する解答を記入する解答記入欄216とを含む。複数の選択肢には、所定数の正答および誤答が含まれる。選択肢に含まれる正答数および誤答数は、上記作成条件Rに依存する。なお、本実施形態の説明では、正答数が1である択一式の設問を作成するものとするが、設問は、正答数が複数である複数選択式の設問を作成することもでき、特に限定されるものではない。その他、正答数を問うような択一式の設問を作成することもできる。
【0035】
以下、図5〜図7を参照して、解答入力部110による解答データの入力方法の詳細について説明する。図5は、本発明の第1実施形態における解答データの手動での入力方法を示すフローチャートである。なお、図5に示すフローチャートには、オフラインで実施されるステップが含まれることに留意されたい。
【0036】
図5に示す解答データの入力方法は、ステップS100から開始される。ステップS101で、まず出題者は、複数の学習者に対し記述式試験を実施し、学習者等から図3(A)に示すような解答結果Pを回収する。ステップS102では、出題者は、学習者等から回収した解答結果Pを採点する。ステップS103では、出題者は、学習者等の解答結果Pの採点結果から、各学習者毎に、不正解であった設問と、その設問に対する誤答とを抽出する。
【0037】
ステップS104では、出題者は、コンピュータ装置12を用いて、解答結果Pのデジタル化に先だって、設問をデジタル化する。コンピュータ装置12は、出題者からのデータ入力を受けて、まず実施済み記述式試験問題に含まれる設問を設定する。
【0038】
例えば、実施済み記述式試験に含まれる設問が学習支援システム10に未登録であれば、出題者は、設問文およびその正答を入力して、設問を学習支援システム10に新規登録する。このとき、設問を識別する固有の設問IDが割り当てられる。実施済み記述式試験に含まれる設問が学習支援システム10に予め登録済みであれば、出題者は、予め登録された設問の中から、当該実施済み記述式試験問題に含まれる設問を検索してリストアップし、後続する解答結果Pのデータ入力に備える。
【0039】
すべての設問を設定した後、例えば、コンピュータ装置12のディスプレイ画面上には、各学習者毎に解答結果Pのデータ入力を行うためのグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)が表示される。このGUIは、当該実施済み記述式試験問題に含まれる設問の一覧表示、学習者等による各設問に対する誤答を入力するためのテキストボックスなどを含む。
【0040】
ステップS105では、出題者は、コンピュータ装置12を用いて、上述のようなGUIを介して、解答結果Pをデジタル化する。コンピュータ装置12は、出題者から、各学習者について不正解の設問、およびその誤答の入力を受ける。なお、解答結果Pに無効な解答が含まれるような場合に備えて、無効解答である旨を示すデータ値も定義されている。
【0041】
ステップS106では、コンピュータ装置12は、不正解であった設問の設問IDと、該設問に対する誤答と、該解答を行った学習者氏名とを組にして、解答データ140としてデータベース14に格納し、ステップS107で終了する。
【0042】
図6は、本発明の第1実施形態による解答データのデータ構造を例示する。図6に示す解答データ220は、学習者の氏名が入力される氏名フィールド222と、各設問に対する誤答が入力されるテーブルとを含む。テーブルは、より詳細には、各設問を識別する設問IDが入力される設問IDフィールド226と、その設問IDに対応する誤答が入力される誤答フィールド228とを含む。なお、解答データ220は、適宜、学習者の当該試験問題の点数が入力される点数フィールド224を含んでいてもよい。
【0043】
図7は、本発明の第1実施形態におけるスキャナによる解答データの自動入力方法を示すフローチャートである。なお、図7に示すフローチャートには、オフラインで実施されるステップが含まれることに留意されたい。
【0044】
図7に示す解答データの入力方法は、ステップS200で開始される。ステップS201では、まず出題者は、コンピュータ装置12を用いて、記述式試験問題の設問文をデータ入力する。コンピュータ装置12は、出題者からのデータ入力を受けて、まず記述式試験問題の設問を設定登録する。ここでは、記述式試験問題に含ませたい設問およびその正答が予め学習支援システム10に登録されているものとする。
【0045】
ステップS202では、すべての設問が設定された後、所定のテンプレートに従って記述式試験問題を印刷出力する。なお、このテンプレートは、後続の文字認識処理を施すために、読み取るべき情報が記入される紙面上の位置範囲を規定するものである。このテンプレートに従って、所期の位置にクラス名記入欄202、氏名記入欄204、および解答記入欄206が設けられた記述式試験問題用紙が印刷される。
【0046】
ステップS203では、出題者は、複数の学習者に対し記述式試験を実施し、学習者等から図3(A)に示すような解答結果Pを収集する。ステップS204では、出題者は、スキャナ16に学習者等の複数の解答結果Pを順次画像読み取らせて、上記テンプレートに従って文字認識処理を施する。文字認識処理により、各解答結果Pについて、クラス名記入欄202、氏名記入欄204、および解答記入欄206に記入された文字列が抽出され、各設問に対する解答のデータ値を得る。なお、出題者は、文字認識処理の識字率が不充分である場合には、文字認識により得られたデータ値に適宜修正を加えればよい。
【0047】
ステップS205では、得られた各設問に対する解答のデータ値と、正答として登録されたデータ値とを比較して採点し、不正解であった設問と、該設問の誤答とを抽出する。ステップS206では、コンピュータ装置12は、不正解であった設問の設問IDと、該設問に対する誤答と、該解答を行った学習者氏名とを組にして、解答データ140としてデータベース14に格納し、ステップS207で終了する。
【0048】
以下、図8および図9を参照して、解答解析部120による解答データ140の統計解析処理について、詳細を説明する。図8は、本発明の第1実施形態による解答データの統計解析処理を示すフローチャートである。図8に示す統計解析処理は、例えば、データベース14に解答データ140が充分に蓄積された後、出題者からの指示を受けて、ステップS300から開始される。ステップS301およびステップS306のループでは、学習支援システム10に登録されている各設問について、ステップS302〜ステップS305の処理が繰り返される。
【0049】
ステップS302では、コンピュータ装置12は、各設問について、学習者等による誤答と、該誤答に関連付けられた学習者の学習理解度とを読み出す。ステップS302では、例えば処理対象の設問IDでデータベース14に照会して、その設問IDを有する誤答の集合を取得する。誤答の集合の各要素は、誤答のデータ値と、該誤答のデータ値に関連付けられる学習者氏名および得点、さらにその学習者氏名に関連付けられるクラス名などを含めることができる。クラス名または点数は、学習理解度として用いることができる。なお、統計処理の対象とする誤答の集合は、学習者等によるこれまで得られた全ての誤答を含んで構成されてもよく、また、充分な統計的な値が得られれば、学習者等による全誤答の中からランダム抽出された標本から構成されてもよい。
【0050】
ステップS303では、コンピュータ装置12は、得られた誤答の集合に含まれる要素の誤答のデータ値に対し、標準化処理およびNGワード・フィルタリング処理を施す。標準化では、表記の揺らぎや、同義語や、類義語などを吸収して、データ値を標準形に統一する。また、NGワード・フィルタリングでは、試験問題の選択肢に含めるにあたって、不適格な用語や不快な用語を照会集合から除外する。
【0051】
ステップS304では、コンピュータ装置12は、誤答の集合に含まれる同一データ値の要素を計数して、各誤答のデータ値が現れた個数、つまり各誤答のデータ値の度数を算出する。このとき、コンピュータ装置12は、関連付けられる学習理解度別に母集団を構成して、学習理解度別に各誤答のデータ値の度数を算出する。コンピュータ装置12は、さらに、学習理解度に関わらない学習者全体を母集団とする各誤答のデータ値の度数を算出する。この誤答のデータ値の度数の配列を解析結果データ160とする。この解析結果データ160は、各誤答のデータ値を名義尺度の変数として、学習者全体(以下、単に全体という。)および学習理解度別に集計した度数分布表、あるいは誤答のデータ値および学習理解度を変数とした分割表として構成される。
【0052】
ステップS305では、コンピュータ装置12は、各設問につき得られた解析結果データ160をデータベース14に格納する。ステップS301およびステップS306のループを抜けると、ステップS307で、コンピュータ装置12は、本統計解析処理を終了させる。
【0053】
図9は、本発明の第1実施形態による解析結果データのデータ構造を例示する。図9(A)は、特定の設問の全体の度数分布データのデータ構造を示す。図9(A)に示す全体の度数分布データ230は、設問IDが入力される設問IDフィールド232を有し、各設問毎に作成される。全体の度数分布データ230は、さらに、解答が入力される解答フィールド234と、その度数が入力される度数フィールド236とを含むテーブルを有している。
【0054】
図9(B)は、特定の設問および学習理解度の度数分布データのデータ構造を示す。特定の学習理解度の度数分布データ240は、設問IDが入力される設問IDフィールド242と、学習理解度が入力される学習理解度フィールド244とを有し、特定の設問に対し、各学習理解度毎に作成される。ここでの説明では、学習理解度としてクラス名を採用する。特定の学習理解度の度数分布データ240は、さらに、解答が入力される解答フィールド246と、その度数が入力される度数フィールド248とを含むテーブルを有している。
【0055】
図9(A)に示す全体の度数分布データ230の度数フィールド236に入力される各解答に対応する度数は、学習理解度別に求めた図9(B)に示す各解答に対する学習理解度にわたる度数の合計値に対応する。また、図9(A)および(B)には、誤答の他、正答のデータ値の度数も示されている。正答のデータ値の度数は、例えば、適宜、全解答数と誤答および無効の解答との差を計算して、算出することができる。また、度数は、絶対度数または相対度数で表すことができる。
【0056】
図9(C)は、特定の設問につき集計された解析結果データを図示する積み上げ棒グラフである。図9(C)では、最頻値の解答のデータ値を左側として、高い度数の順に並べ変えられている。図9(C)に示すように、本実施形態では、複数のクラス(S,A,B)について、それぞれ各誤答のデータ値に対する度数が求められている。
【0057】
以下、図10〜図12を参照して、設問作成部130による設問作成処理について、詳細を説明する。図10は、本発明の第1実施形態による設問作成処理を示すフローチャートである。図10に示す設問作成処理は、例えば、解答データ140に対する統計解析処理が完了した後、出題者からの指示を受けて、ステップS400から開始される。
【0058】
ステップS401では、まず出題者は、コンピュータ装置12を用いて、試験問題の作成条件Rをデータ入力する。コンピュータ装置12は、出題者からのデータ入力を受けて、作成条件Rを決定する。
【0059】
出題者からデータ入力される作成条件Rは、例えば、難易度の指定と、出題する設問を選び出すための条件指定とを含む。出題者は、登録済みの設問中の特定の出題範囲から設問を自動選択させることを指定できる。または、出題者は、特定の設問を直接選択することを指定できる。自動選択を指定する場合には、作成条件Rは、出題範囲を示す分類の指定と、各出題範囲での設問数の指定とを含むことができる。設問の手動選択を指定する場合には、作成条件Rは、特定の設問の指定を含むことができる。
【0060】
上記難易度は、設問に対する選択肢を選び出す傾向に影響を与える。本学習支援システム10では、指定可能な各難易度に対しては、設問に対し用意する選択肢数の指定、選択肢を選び出す際に用いる度数の基礎とする母集団の指定、選択肢を選び出す傾向の指定などが定義付けられている。指定可能な難易度は、学習支援システム10に予め登録されているか、または出題者によりユーザ定義される。また、難易度は、作成する試験問題全体に指定することができ、また試験問題の各設問毎に指定することもでき、特に限定されるものではない。
【0061】
上記母集団の指定とは、学習者全体の統計解析結果を用いるのか、特定の学習理解度の母集団を基礎とする統計解析結果を用いるのかを指定するものである。上記選択肢を選び出す傾向の指定とは、度数の高い良く間違えられやすい誤答を優先して選択肢に含めるのか、度数の低いあまり間違えられないような誤答を優先して選択肢に含めるのかなどを指定するものである。
【0062】
ステップS402では、コンピュータ装置12は、作成条件Rに従って、出題するものとして選択された設問に関連するデータを読み出す。設問に関連するデータは、解析結果データ160、および設問データ170の設問文を含む。また、自動選択が指定される場合には、指定された出題範囲の設問の中からランダムに、または所定の規則に従って、出題する設問が選択される。
【0063】
ステップS403およびステップS408のループでは、出題するものとして選び出された各設問について、ステップS404〜ステップS407の処理が繰り返される。
【0064】
ステップS404では、コンピュータ装置12は、作成条件Rに従って、選択肢数を決定する。設問の選択肢数は、難易度に関連付けて定義付けられている。難易度は、たとえば、難易度が標準より高くなるにつれ、選択肢数を増加させ、難易度が標準より低くなるにつれ選択肢数を減少させるように定義される。
【0065】
ステップS405では、コンピュータ装置12は、作成条件Rに従って、選択肢を選び出すための度数の基礎とする母集団を決定する。選択肢を選び出す際に用いる度数の基礎とする母集団の指定も、上記難易度に関連付けて定義付けられている。この決定では、学習理解度に関わらない学習者全体の度数分布データを用いるのか、特定の学習理解度の度数分布データを用いるのかが決定される。特定の学習理解度の度数分布データを用いる場合には、さらに、いずれの学習理解度の度数分布データを用いるのかが定義付けられる。難易度は、たとえば、難易度が標準より高くなるにつれ、より理解度の高い学習理解度の母集団を基礎とした度数を用い、指定の難易度が標準より低くなるにつれ、より理解度の低い学習理解度の母集団を基礎とした度数を用いるように定義される。
【0066】
ステップS406では、コンピュータ装置12は、決定された母集団を基礎とする度数分布データを用いて、選択肢に必要な誤答数(ステップS404で決定された選択肢数から正答数(つまり択一式の設問では1)を引いた数:以下、必要誤答数という。)の誤答のデータ値を選択肢として選び出す。なお、選択肢の選出方法の詳細については、後述する。
【0067】
ステップS407では、コンピュータ装置12は、選び出された誤答および正答の選択肢の番号や記載順序などを決定する。例えば、出題傾向の偏りを無くすために、番号および記載順序をランダムにシャッフルする。
【0068】
ステップS403およびステップS408のループを抜けると、ステップS409では、コンピュータ装置12は、テンプレートを用いて、設問文および複数の選択肢からなる出題する設問を含む試験問題のドキュメント・ファイルが作成される。そして、コンピュータ装置12は、作成した試験問題の指定部数の印刷出力指令をプリンタ18に発行し、ステップS410で、本設問作成処理を終了させる。また、試験問題と同時に、試験問題の模範解答のドキュメント・ファイルなども作成される。
【0069】
以下、設問に対する選択肢の選出方法の詳細について説明する。図11は、設問に対する選択肢の選出方法を、用いる解析結果データと出力される試験問題とともに示す図である。図11(A)は、全体の度数分布データを用いた選択肢の選出方法を一例として示す図である。図11(A)に示す例では、選択肢を選出するための基礎とする解析結果データは、図9(A)に示すような全体の度数分布データである。
【0070】
図11(A)に示す選択肢の選出方法では、誤答のデータ値のうち、全体の度数分布における上位の度数を有するものが優先して選び出される。つまり、より多くの学習者が間違った解答が優先して選び出されるため、より難易度が高いものといえる。ここで、優先して選び出すとは、度数に応じた確率で誤答のデータ値を選択するか、または、制限された範囲からデータ値を選び出すことを言う。例えば、正答を除く誤答全体における相対度数(0〜1または0%〜100%)に難易度に応じた重み付けした値を、上記度数に応じた確率として用いることができる。
【0071】
その他、正答を除き高度数側から累積した累積相対度数の範囲を、上記難易度に関連付けて定義することができる。範囲の指定方法としては、例えば、高度数側から累積相対度数が「0%〜70%」という形式で指定される。図11(A)に示す例では、「かっしょく」までのデータ値の累積相対度数が約67%(正答を除く)となり、「あお」および「かっしょく」が、誤答を選出する範囲292となる。そして、図11(A)では、「あお」および「かっしょく」に正答の「あおむらさき」を加えた3つが、「設問1」272の選択肢274として選び出されている。
【0072】
なお、得られた範囲に含まれる要素数が、必要誤答数(図11の例では「2」)に満たない場合には、必要数に達するまで高い度数側から範囲を広げる修正をすればよい。また、必要誤答数以上の要素が含まれる場合には、その要素の中からランダムまたは所定の確率に従って選び出すことができる。範囲の指定方法としては、その他、高度数側から必要誤答数の範囲という形式で指定されることもある。
【0073】
図11(B)は、全体の度数分布データを用いた選択肢の選出方法の他の例を示す図である。図11(B)に示す例では、図11(A)と同様に、図9(A)に示す全体の度数分布データを基礎として、誤答の選択肢が選び出されている。ただし、図11(B)に示す選択肢の選出方法では、誤答のデータ値のうち、全体の度数分布における下位の度数を有するものが優先して選び出される。つまり、より少数派の誤答が優先して選び出されるため、比較的難易度が低いものといえる。この選出方法では、正答を除く誤答全体における相対度数(0〜1または0%〜100%)を総和(1または100%)から引いた値(つまり1〜0または100%〜0%)に難易度に応じた重み付けした値を、上記度数に応じた確率とすることができる。
【0074】
その他、正答を除き低い度数側から累積した累積相対度数の範囲を難易度に関連付けて定義することができる。例えば、低度数側からの累積相対度数が「1%〜30%」というような形式で指定される。図11(B)に示す例では、「あか」までのデータ値の累積相対度数が約33%(正答を除く)、「みどり」までが12%(正答を除く)となり、「みどり」および「きいろ」が、誤答を選出する範囲296となる。なお、得られた範囲に含まれる要素数が必要誤答数に満たない場合には、同様に、必要数に達するまで低い度数側から範囲を広げる修正をすればよい。また、必要誤答数以上の要素が含まれる場合には、ランダムに選択することができる。
【0075】
図11(B)に示す例では、範囲内の要素である「みどり」および「きいろ」が、そのまま選び出され、これに正答の「あおむらさき」を加えたものが、「設問1」282の選択肢284となる。その他、範囲の指定方法としては、低度数側から必要誤答数の範囲という形式で指定されることもある。
【0076】
図12は、設問に対する選択肢の他の選出方法を、用いる解析結果データと出力される試験問題とともに示す図である。図12(A)は、特定の学習理解度の度数分布データを用いた選択肢の選出方法を一例として示す図である。図12(A)に示す例では、選択肢を選出するための基礎とする解析結果データは、図9(B)に示すような特定の学習理解度の度数分布データである。
【0077】
図12(A)に示す選択肢の選出方法では、誤答のデータ値のうち、特定の学習理解度について求めた度数分布における上位の度数を有するものを優先して選び出す。つまり、特定の学習理解度の学習者が多く間違った解答が優先して選び出される。このため、ある特定の学習理解度の学習者が良く犯してしまうミスを突くような、学習者の理解の程度に適した選択肢を含む設問であると言える。
【0078】
図12(A)では、「S」クラスの学習理解度について求めた度数分布データが用いられ、さらに、図11に示したものと比較して選択肢数が増やされている。ここで、「S」クラスは、より学習理解の程度が高い学習者に割り振られるものとする。つまり、図12(A)に示す設問は、選択肢が多いため難易度が高く、さらに理解の深い学習者が選んでしまいがちな誤答が優先して選び出されるため、より難易度が高いものといえる。
【0079】
図12(B)は、特定の学習理解度の度数分布データを用いた選択肢の選出方法の他の例を示す図である。図12(B)に示す例では、図12(A)と同様に、図9(B)に示す特定の学習理解度の度数分布データを基礎として、誤答の選択肢が選び出されている。ただし、図12(B)に示す選択肢の選出方法では、より学習理解の程度が高い学習者に割り振られる「B」クラスの学習理解度について求めた度数分布データが用いられ、誤答のデータ値のうち、学習理解度「B」について求めた度数分布における下位の度数を有するものが優先して選び出される。より少数派の誤答が優先して選び出されるため、難易度が低いものといえる。しがたって、学習の理解の程度が低い学習者の学習に対する意欲を増進するような設問を作成することができる。
【0080】
上述した第1の実施形態の学習支援システム10では、実施済みの記述式試験問題の解答結果に含まれる誤答を利用して、新たに選択式の設問を自動作成することが可能となる。それぞれの選択肢は、過去に実施された試験問題で学習者が実際に間違ったことのある誤答から選び出される。このため、設問に全く無関係な選択肢が含まれてしまう蓋然性を好適に低減することが可能となる。
【0081】
さらに、それぞれの選択肢は、の解答結果を統計解析処理した結果に従って選び出される。このため、間違えられやすかった誤答を選択肢に含ませたり、あまり間違えられなかった誤答を選択肢に含ませたりすることで、設問の難易度を調整することが可能となる。さらに、学習者に割り振った学習理解度に応じて、設問をカスタマイズすることができるため、学習者の理解の程度に合った設問を作成することが可能となる。
【0082】
なお、上述した実施形態では、学習理解度別の度数分布データとして、クラス別の度数分布データを用いるものとして説明してきた。しかしながら、用いる学習理解の程度を表す指標値は、特に限定されるものではない。他の実施形態では、誤答のデータに関連付けられた、その誤答を行った試験での点数や、さらにその学習者に関連付けられる過去の試験問題の点数、または、学習者の偏差値に関連する情報などを上記学習理解度とし、上記点数や偏差値の範囲別に度数分布データを作成してもよい。
【0083】
また、上述した実施形態では、記述式の試験問題に対する解答結果Pから誤答のデータが作成されるものとして説明してきた。しかしながら、誤答のデータは、度数を算出する標本数を増加させるために、例えば、作成した選択式試験問題に対する解答結果から解答データ140を作成し、各度数にフィードバックすることもできる。
【0084】
さらに、上述した実施形態では、解答結果に含まれる誤答が抽出されて、統計解析処理し、過去の誤答の中から誤答の選択肢を選び出すものとして説明してきた。しかしながら、例えば答えが複数存在しうるような設問の場合に、学習者が解答した正答を計数する統計解析処理し、過去の正答の中から、その度数に応じて、正答の選択肢を選び出すように構成することもできる。この場合、解答数が少ない正答を選択肢に含めて難易度を上げたり、解答数が多い正答として選択肢に含めて難易度を下げたりすることができる。
【0085】
以下、第2の実施形態の学習支援システムについて説明する。なお、第2の実施形態の学習支援システムは、第1の実施形態の学習支援システムと主要部分を共通しているため、相違点を中心に説明する。図13は、本発明の第2の実施形態の学習支援システム30の概略図を示す。図13に示す学習支援システム30は、インターネットなどのネットワーク32を介して、オンラインで学習者の学習を支援するシステムとして構成されている。
【0086】
学習支援システム30は、択一式の試験問題を作成するサーバ34を含む。サーバ34は、ネットワーク32を介して、学習者等が使用するクライアント・コンピュータ(以下、学習者端末という。)42に、作成した択一式の試験問題を配信する。なお、サーバ34は、図2に示す機能ブロックを備え、第1の実施形態におけるコンピュータ装置12に対応する。
【0087】
サーバ34は、択一式の試験問題を作成するための解答データ140、解析結果データ160、設問データ170および学習者データ150を蓄積するデータベース36に接続する。択一式の試験問題の出題者は、既に実施済みの記述式の試験問題に対する学習者等からの解答結果Pを参照しながら、出題者が使用するクライアント・コンピュータ(以下、出題者端末という。)を用いて、例えば手動にてデータ入力して、解答結果Pをデジタル化する。または、出題者端末38は、USBなどのインタフェースを介して接続されるスキャナ40を用いて、学習者等からの解答結果Pをスキャナ16に順次読み取らせて、解答結果Pをデジタル化することができる。
【0088】
解答結果Pからデジタル化される解答データ140は、第1の実施形態で説明したように、解答結果Pに含まれる誤答のデータ値を含む。出題者端末38により抽出された解答データ140は、サーバ34へ送信される。サーバ34は、送信された解答データ140の入力を受けて、所定のフォーマットにて上記データベース36に格納する。さらにサーバ34は、データベース36に蓄積された解答データ140に統計解析処理を施して、得られた統計解析結果もデータベース36に格納する。
【0089】
一方、学習者は、学習者端末42を用いて、ネットワーク32を介してサーバ34にアクセスして、学習者氏名などでログインして、試験問題の配信を依頼する。サーバ34は、試験問題配信の依頼を受けて、データベース36に蓄積される解析結果データ160に従って、新たな択一式の試験問題を作成する。そして、サーバ34は、試験問題配信の依頼に対する応答として、作成した択一式の試験問題のデータを学習者端末42に送信する。
【0090】
学習者は、学習者端末42を用いて、配信された択一式の試験問題に対する解答結果をサーバ34へ送信する。また、サーバ34は、受信した択一式の試験問題に対する解答結果を、上記統計解析処理で用いるために解答データ140としてデータベース36内に格納することができる。なお、サーバ34の機能構成は、コンピュータ装置12と同様であるため、詳細な説明は、割愛する。
【0091】
第2の実施形態の学習支援システム30においては、第1の実施形態で説明した作成条件Rは、学習者が決定することもできる。このため、学習者は、所望の難易度の試験問題に挑戦することが可能となる。
【0092】
さらに、第2の実施形態の学習支援システム30においては、学習者からの送信される択一式試験問題に対する解答結果を上記統計解析処理に反映することができる。さらに、第2の実施形態の学習支援システム30においては、択一式試験問題を作成する場合に、各学習者毎に個別に試験問題を作成するよう構成することができる。解答データには、ログイン情報から学習者を識別する学習者氏名などが関連付けられているため、例えば、例えば、選択肢を選び出す際の学習者が過去に間違ったことのある誤答の確率を高めることによって、試験問題の配信を依頼する学習者が過去に間違ったことのある誤答のデータ値を優先して選択肢に含ませることができる。この構成により、学習者の試験問題の履歴情報を活用して、各学習者に合わせてカスタマイズした試験問題を作成することが可能となる。
【0093】
以下、コンピュータ装置12のハードウェア構成について説明する。なお、コンピュータ装置12と、サーバ34とは、同様のハードウェア構成を採用することができるため、以下、コンピュータ装置12についてのみ説明する。
【0094】
図14は、コンピュータ装置12の概略的なハードウェア構成を示す。図14に示すコンピュータ装置12は、中央処理装置(CPU)52と、CPU52が使用するデータの高速アクセスを可能とするL1およびL2などのレベルを有するキャッシュ・メモリ54と、CPU52の処理を可能とするRAM、DRAMなどの固体メモリ素子から形成されるシステム・メモリ56とを備えている。
【0095】
CPU52、キャッシュ・メモリ54、およびシステム・メモリ56は、システム・バス58を介して、他のデバイスまたはドライバ、例えば、グラフィックス・ドライバ60およびネットワーク・インタフェース・カード(NIC)62へと接続されている。グラフィックス・ドライバ60は、バスを介して外部のディスプレイ64などの出力装置に接続されて、CPU52による処理結果をディスプレイ画面上に表示させることができる。また、NIC62は、物理層レベルおよびデータリンク層レベルでコンピュータ装置12を、TCP/IPなどの適切な通信プロトコルを使用するネットワークへと接続している。
【0096】
システム・バス58には、さらにI/Oバス・ブリッジ66が接続されている。I/Oバス・ブリッジ66の下流側には、PCIなどのI/Oバス68を介して、IDE、ATA、ATAPI、シリアルATA、SCSI、USBなどにより、ハードディスク70が接続されている。また、I/Oバス68には、USBなどのバスを介して、キーボードおよびマウスなどのポインティング・デバイスなどの入力装置72が接続されていて、この入力装置72によりユーザ・インタフェースが提供される。
【0097】
コンピュータ装置12のCPU52としては、いかなるシングルコア・プロセッサまたはマルチコア・プロセッサを用いることができ、より具体的には、例えば、Xeon(登録商標)、Itanium(登録商標)、POWER PC(登録商標)などCISCまたはRISCチップなどを挙げることができる。コンピュータ装置12は、WINDOWS(登録商標)200X、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)などのOSにより制御され、OSの管理の下、システム・メモリ56上などにプログラムを展開し、プログラムを実行することにより、各ハードウェア資源を動作制御することによって、上述した機能部の構成および処理をコンピュータ上に実現することができる。
【0098】
以上説明したように、本実施形態によれば、試験設問の作成において、学習者による過去の試験問題の解答結果を利用することによって、出題者の解答の選択肢を作成する労力を低減して、高い多様性を有し、かつ特定の設問文に対するものとして適切な選択肢を含む選択式の設問を自動的に生成する、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することが可能となる。
【0099】
なお、情報処理装置としては、上述までのコンピュータ装置12およびサーバ34の他、マルチプロセッサ・システムなどを含む種々のコンピュータ・システム構成と共に実施することができる。
【0100】
本発明の上記機能は、C++、Java(登録商標)、Java(登録商標)Beans、Java(登録商標)Applet、Java(登録商標)Script、Perl、Rubyなどのオブジェクト指向プログラミング言語などで記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、装置可読な記録媒体に格納して頒布または伝送して頒布することができる。
【0101】
これまで本発明を、特定の実施形態をもって説明してきたが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施形態の学習支援システム10の概略図。
【図2】本実施形態のコンピュータ装置の機能ブロック図。
【図3】(A)既に実施済みの記述式試験問題に対する学習者等からの解答結果および(B)出力された択一式試験問題の概略を示す図。
【図4】本発明の第1実施形態による学習者データおよび設問データのデータ構造を例示する。
【図5】本発明の第1実施形態における解答データの手動での入力方法を示すフローチャート。
【図6】本発明の第1実施形態による解答データのデータ構造を例示する図。
【図7】本発明の第1実施形態におけるスキャナによる解答データの自動入力方法を示すフローチャート。
【図8】本発明の第1実施形態による解答データの統計解析処理を示すフローチャート。
【図9】本発明の第1実施形態による解析結果データのデータ構造を例示する図。
【図10】本発明の第1実施形態による設問作成処理を示すフローチャート。
【図11】設問に対する選択肢の選出方法を、用いる解析結果データと出力される試験問題とともに示す図。
【図12】設問に対する選択肢の他の選出方法を、用いる解析結果データと出力される試験問題とともに示す図。
【図13】本発明の第2の実施形態の学習支援システムの概略図を示す図。
【図14】コンピュータ装置の概略的なハードウェア構成を示す図。
【符号の説明】
【0103】
10…学習支援システム、12…コンピュータ装置、14…データベース、16…スキャナ、18…プリンタ、30…学習支援システム、32…ネットワーク、34…サーバ、36…データベース、38…出題者端末、40…スキャナ、42…学習者端末、52…CPU、54…キャッシュ・メモリ、56…システム・メモリ、58…システム・バス、60…グラフィックス・ドライバ、62…NIC、64…ディスプレイ、66…I/Oバス・ブリッジ、68…I/Oバス、70…ハードディスク、72…入力装置、100…機能ブロック、110…解答入力部、120…解答解析部、130…設問作成部、140…解答データ、150…学習者データ、160…解析結果データ、170…設問データ、200…解答結果、202…クラス名記入欄、204…氏名記入欄、206…解答記入欄、210…択一式試験問題、212…設問文、214…複数の選択肢、216…解答記入欄、220…解答データ、222…学習者氏名フィールド、224…点数フィールド、226…設問ID、228…誤答フィールド、230…全体の度数分布データ、232…設問IDフィールド、234…解答フィールド、236…度数フィールド、240…学習理解度の度数分布データ、242…設問IDフィールド、244…学習理解度フィールド、246…解答フィールド、248…度数フィールド、250…学習者データ、252…氏名フィールド、254…クラス名フィールド、260…設問データ、262…設問IDフィールド、264…分類フィールド、266…設問文フィールド、268…正答フィールド、272,282…設問1、274,284…選択肢、292…誤答を選出する範囲、296…誤答を選出する範囲、P…解答結果、Q…択一式試験問題、R…作成条件

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択式の設問を作成する情報処理装置であって、前記情報処理装置は、
実施済み試験問題に対する解答結果の入力を受けて、前記実施済み試験問題の設問に対する解答のデータ値を、前記設問に関連付けてデータベースに格納する入力部と、
格納された前記設問に対する前記解答のデータ値を解析して、前記解答のデータ値の集合内での各前記解答のデータ値の出現頻度に関連する統計値を算出する解析部と、
前記設問に対し、前記統計値に依存して前記解答のデータ値の集合の中から複数の選択肢を選び出し、前記複数の選択肢を含む選択式の設問を作成する作成部と
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記作成部は、指定される難易度に応じて、前記複数の選択肢を選び出すための条件を変更する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記入力部は、前記解答のデータ値に対し、さらに、解答した学習者の学習理解の程度を表す指標値を関連付けて前記データベースに格納し、前記解析部は、前記指標値別の母集団について統計値を算出する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記統計値は、前記解答のデータ値のそれぞれに対する前記母集団内での度数を含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数の選択肢を選び出すための前記条件は、前記難易度に対応して上位または下位の度数を有する解答のデータ値を優先させる指定を含む、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記複数の選択肢を選び出すための前記条件は、さらに、前記難易度に対応した前記選択肢の数の指定を含む、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記入力部は、前記解答のデータ値に対し、さらに、解答した学習者を識別する学習者識別値を関連付けて前記データベースに格納し、前記作成部は、前記選択式の設問の対象となる学習者が過去に解答した誤答のデータ値を優先して選び出す、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
選択式の設問を作成する方法であって、前記方法は、情報処理装置が、
実施済み試験問題に対する解答結果の入力を受けるステップと、
前記実施済み試験問題の設問に対する解答のデータ値を、前記設問に関連付けてデータベースに格納するステップと、
格納される前記設問に対する前記解答のデータ値を解析して、前記解答のデータ値の集合内での各前記解答のデータ値の出現頻度に関連する統計値を算出するステップと、
前記設問に対し、前記統計値に依存して前記解答のデータ値の集合の中から複数の選択肢を選び出し、前記複数の選択肢を含む選択式の設問を作成するステップと
を実行する、情報処理方法。
【請求項9】
前記作成するステップは、指定される難易度に応じて、前記複数の選択肢を選び出すサブステップを含む、請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記格納するステップは、前記解答のデータ値に対し、さらに、解答した学習者の学習理解の程度を表す指標値を関連付けて前記データベースに格納するサブステップを含み、前記算出するステップは、前記指標値別の母集団について統計値を算出するサブステップを含む、請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記格納するステップは、前記解答のデータ値に対し、さらに、解答した学習者を識別する学習者識別値を関連付けて前記データベースに格納するサブステップを含み、前記作成するステップは、前記選択式の設問の対象となる学習者が過去に解答した誤答のデータ値を優先して選び出すサブステップを含む、請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
選択式の設問を作成するためのコンピュータ実行可能なプログラムであって、
実施済み試験問題に対する解答結果の入力を受けて、前記実施済み試験問題の設問に対する解答のデータ値を、前記設問に関連付けてデータベースに格納する入力部、
格納された前記設問に対する前記解答のデータ値を解析して、前記解答のデータ値の集合内での各前記解答のデータ値の出現頻度に関連する統計値を算出する解析部、および
前記設問に対し、前記統計値に依存して前記解答のデータ値の集合の中から複数の選択肢を選び出し、前記複数の選択肢を含む選択式の設問を作成する作成部
をコンピュータに実現するためのコンピュータ実行可能なプログラム。
【請求項13】
選択式の設問を作成する情報処理装置であって、前記情報処理装置は、
実施済み試験問題に対する解答結果の入力を受けて、前記実施済み試験問題の設問に対する解答のデータ値を、前記設問と、解答した学習者を識別する学習者識別値と、解答した学習者の学習理解の程度を表す指標値とに関連付けてデータベースに格納する入力部と、
格納された前記設問に対する前記解答のデータ値を解析して、前記指標値別の母集団について、前記解答のデータ値の集合に関連し、前記解答のデータ値のそれぞれに対する前記母集団内での度数を含む統計値を算出する解析部と、
前記設問に対し、前記解答のデータ値の集合の中から、指定される難易度に対応して上位または下位の度数を有する解答のデータ値を優先させ、かつ前記選択式の設問の対象となる学習者が過去に解答した誤答のデータ値を優先させ、前記難易度に対応した数の選択肢を選び出し、複数の前記選択肢を含む選択式の設問を作成する作成部と
を含む、情報処理装置。
【請求項14】
選択式の設問を作成する情報処理装置であって、前記情報処理装置は、
実施済み試験問題に対する解答結果の入力を受けて、前記実施済み試験問題の設問に対する解答のデータ値を、前記設問に関連付けてデータベースに格納する入力部と、
格納された前記設問に対する前記解答のデータ値を解析して、前記解答のデータ値の集合内での各前記解答のデータ値の出現頻度に関連する統計値を算出する解析部と、
前記設問に対し、前記統計値に依存して前記解答のデータ値の集合の中から複数の選択肢を選び出し、前記複数の選択肢を含む選択式の設問を作成する作成部とを含み、
前記作成部は、指定される難易度に応じて、前記複数の選択肢を選び出すための条件を変更し、
前記入力部は、前記解答のデータ値に対し、さらに、解答した学習者の学習理解の程度を表す指標値を関連付けて前記データベースに格納し、前記解析部は、前記指標値別の母集団について統計値を算出し、
前記統計値は、前記解答のデータ値のそれぞれに対する前記母集団内での度数を含み、
前記複数の選択肢を選び出すための前記条件は、前記難易度に対応して上位または下位の度数を有する解答のデータ値を優先させる指定を含み、
前記複数の選択肢を選び出すための前記条件は、さらに、前記難易度に対応した前記選択肢の数の指定を含み、
前記入力部は、前記解答のデータ値に対し、さらに、解答した学習者を識別する学習者識別値を関連付けて前記データベースに格納し、前記作成部は、前記選択式の設問の対象となる学習者が過去に解答した誤答のデータ値を優先して選び出す、情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−128305(P2010−128305A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304484(P2008−304484)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
【Fターム(参考)】