説明

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

【課題】タッチパネルの操作性を向上させつつ、画面の利用効率を向上させる。
【解決手段】情報処理装置100は、操作体の表示画面への近接を検出する検出部112と、検出部112により検出された操作体が表示画面に含まれる選択項目に近接したか否かを判断する判断部116と、操作体が選択項目に近接したと判断部116により判断された場合に、選択項目の選択項目内容を含む領域を、表示されていた表示領域に一時的に重ねて表示させ、前記検出部により前記操作体の表示画面への近接が検出されなくなった場合に、前記選択項目の前記選択項目内容を含む領域の表示を終了させる表示制御部118と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関し、特に、操作体の表示画面への近接を検出して表示画面の表示を制御する情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置には、液晶ディスプレイなどの表示部の表面に静電容量方式や抵抗膜方式のタッチセンサを設けるタッチスクリーン(タッチパネル)がある。タッチスクリーンによれば、表示画面に触れることで情報処理装置の入力が可能となり、ユーザが容易に情報処理装置を扱うことができるようになる。
【0003】
タッチパネルを用いて操作を行う場合には、表示画面に接触して表示項目を選択するため、表示されるアイコンやボタンなどを一定のサイズにする必要がある。したがって、タッチパネルにおけるオンスクリーンキーボードなどでは、キーのサイズをできる限り大きくすることが望まれる。しかし、携帯型の装置では表示画面の面積が限られているため、キーのサイズを大きくするとキー以外の情報を表示できなくなるという問題があった。
【0004】
そこで、選択された領域の表示内容を一時的に拡大する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、選択された領域のキー表示などを拡大することにより、操作性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−287323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、表示されている表示内容を拡大してしまうと、周辺の要素が拡大表示に隠れてしまい、画面の利用効率が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、タッチパネルの操作性を向上させつつ、画面の利用効率を向上させることが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、操作体の表示画面への近接を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記操作体が表示画面に含まれる選択項目に近接したか否かを判断する判断部と、前記操作体が前記選択項目に近接したと前記判断部により判断された場合に、前記選択項目の選択項目内容を含む領域を、表示されていた表示領域に一時的に重ねて表示させ、前記検出部により前記操作体の表示画面への近接が検出されなくなった場合に、前記選択項目の前記選択項目内容を含む領域の表示を終了させる表示制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
また、前記検出部により検出された前記操作体が近接した表示画面の範囲を特定する特定部を備え、前記判断部は、前記特定部により特定された前記範囲に前記選択項目が含まれるか否かを判断してもよい。
【0009】
また、前記検出部により前記操作体の表示画面への接触が検出された場合に、前記表示制御部は、表示されていた前記選択項目の前記選択項目内容を含む領域の表示を終了させてもよい。
【0010】
また、前記操作体が前記選択項目に近接したと前記判断部により判断された場合に、前記表示制御部は、前記選択項目の選択項目内容の拡大表示を含む領域を表示させてもよい。
【0011】
また、前記操作体が前記選択項目に近接したと前記判断部により判断された場合に、前記表示制御部は、前記選択項目の選択項目内容のプルダウン表示を含む領域を表示させてもよい。
【0012】
また、前記操作体が前記選択項目に近接したと前記判断部により判断された場合に、前記表示制御部は、前記選択項目の変換内容を含む領域を表示させてもよい。
【0013】
また、前記操作体が前記選択項目に近接したと前記判断部により判断された場合に、前記表示制御部は、前記選択項目の親階層または子階層の内容を含む領域を表示させてもよい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、操作体の表示画面への近接を検出するステップと、前記検出された前記操作体が表示画面に含まれる選択項目に近接したか否かを判断するステップと、前記操作体が前記選択項目に近接したと判断された場合に、前記選択項目の選択項目内容を、表示されていた表示画面に重ねて表示させるステップと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、操作体の表示画面への近接を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記操作体が表示画面に含まれる選択項目に近接したか否かを判断する判断部と、前記操作体が前記選択項目に近接したと前記判断部により判断された場合に、前記選択項目の選択項目内容を、表示されていた表示画面に重ねて表示させる表示制御部と、を備える、情報処理装置として機能させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、タッチパネルの操作性を向上させつつ、画面の利用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る表示例を説明する説明図である。
【図2】同実施形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態にかかる操作体の近接操作および近接領域について説明する説明図である。
【図4】同実施形態にかかる操作体の近接操作および近接領域について説明する説明図である。
【図5】同実施形態にかかる情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】同実施形態にかかる表示例を説明する説明図である。
【図7】同実施形態にかかる表示例を説明する説明図である。
【図8】同実施形態にかかる情報処理装置の動作の詳細を示すフローチャートである。
【図9】従来の表示例を説明する説明図である。
【図10】従来の表示例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
また、以下に示す順序に従って、当該「発明を実施するための最良の形態」を説明する。
〔1〕本実施形態の目的
〔2〕情報処理装置のハードウェア構成
〔3〕情報処理装置の機能構成
〔4〕情報処理装置の動作の詳細
【0020】
〔1〕本実施形態の目的
まず、本実施形態の目的について説明する。表示装置には、液晶ディスプレイなどの表示部の表面に静電容量方式や抵抗膜方式のタッチセンサを設けるタッチスクリーン(タッチパネル)がある。タッチスクリーンによれば、表示画面に触れることで情報処理装置の入力が可能となり、ユーザが容易に情報処理装置を扱うことができるようになる。
【0021】
タッチパネルを用いて操作を行う場合には、表示画面に接触して表示項目を選択するため、表示されるアイコンやボタンなどを一定のサイズにする必要がある。したがって、タッチパネルにおけるオンスクリーンキーボードなどでは、キーのサイズをできる限り大きくすることが望まれる。しかし、携帯型の装置では表示画面の面積が限られているため、キーのサイズを大きくするとキー以外の情報を表示できなくなるという問題があった。
【0022】
そこで、表示画面の表示領域を有効利用するために、入力された内容の変換候補の領域を拡大する技術が開示されている。図9に示したように、表示画面には、表示領域を拡大するためのGUIボタン402が含まれている。当該技術においては、変換候補の領域を拡大させて変換候補を探したり、選択したりするために必ず専用のGUIボタンを押下しなければならず、操作ステップが増加してしまうという問題があった。
【0023】
また、キー入力などの操作性や表示内容の視認性を向上させるために、選択された領域の表示内容を一時的に拡大する技術も考案されている。例えば、選択された領域のキー表示などを拡大することにより、操作性を向上させたり、図10に示したように、選択された表示内容を拡大して視認性を向上させたりしている。しかし、表示されている表示内容を拡大してしまうと、周辺の要素が拡大表示に隠れてしまい、画面の利用効率が低下するという問題があった。
【0024】
そこで、上記のような事情を一着眼点として、本発明の実施形態にかかる情報処理装置100が創作されるに至った。本実施形態にかかる情報処理装置100によれば、タッチパネルの操作性を向上させつつ、画面の利用効率を向上させることが可能となる。例えば、図1に示したように、表示例301に表示されているキー表示から、一時的に表示例302に表示されている選択項目を表示させる。すなわち、ユーザ操作に応じて、表示画面に表示されている表示内容とは異なる表示内容を含む表示領域が一時的に展開されることとなる。このように、表示領域を一次的に拡大させることにより、タッチパネルの操作性を向上させつつ、画面の利用効率を向上させることが可能となる。
【0025】
本実施形態では、情報処理装置100として、図1に示したような小型のオーディオプレイヤーやメディアプレイヤー、PDA(personal digitl assistant)、携帯電話などを例示して説明するが、かかる例に限定されず、パーソナルコンピュータなどに適用することも可能である。また、ディスプレイ等の表示装置と一体の装置として構成したが、かかる例に限定されず、情報処理装置100と表示装置とを別体の装置として構成するようにしてもよい。
【0026】
〔2〕情報処理装置のハードウェア構成
以上、本実施形態の目的について説明した。次に、図2を参照して、本実施形態にかかる情報処理装置100のハードウェア構成について説明する。図2は、情報処理装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0027】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、不揮発性メモリ103、表示装置104、入力装置105などを備える。
【0028】
CPU101は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置100内の動作全般を制御する。また、CPU101は、マイクロプロセッサであってもよい。RAM102は、CPU101の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。不揮発性メモリ103は、CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス(参照せず)により相互に接続されている。
【0029】
表示装置104は、情報処理装置100に備わる出力装置の一例である。表示装置104は、例えば液晶ディスプレイ(以下、LCDと称する。)装置などで構成され、情報処理装置100が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置104は、情報処理装置100が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。
【0030】
入力装置105は、例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、ボタン、マイク、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU104に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置100のユーザは、入力装置105を操作することにより、情報処理装置100に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0031】
本実施形態では、主に、タッチパネルを用いてユーザの指や手などの操作体を検知することで、ユーザの操作を受け付ける。タッチパネルは、表示と入力の2つの機能を備えている。本実施形態にかかるタッチパネルは、ユーザの指や手が近接しているか接触しているかを検知する。また近接を検知した場合には、近接している領域を検知する。検出方法としては、透明電極を構成する金属薄膜を利用した抵抗膜方式、指先と導電膜との間での静電容量の変化を捉えて位置を検出する静電容量方式や、赤外線遮光方式、電磁誘導方式など、ディスプレイにおける操作体の位置情報を検出できる方法であればよい。
【0032】
ここで、静電式タッチパネルを用いて操作体を検知する場合について具体的に説明する。静電式タッチパネルは、格子状に配置された静電センサを備えており、静電容量の変化によってその値を常時変化させる。静電センサに操作体である指が近付いたり触れたりした場合に、静電センサにより検知される静電容量が増加する。各静電センサの静電容量は同時に取得することが可能である。すべての静電センサの静電容量の変化を同時に検出し、補間することによって近接または接触している指の形を検出することが可能である。静電式タッチパネルは、検出した静電容量の値を、CPU101へ出力する。
【0033】
次に、図3および図4を参照して、本実施形態における操作体の近接操作および近接領域について説明する。図3および図4は、操作体の近接操作および近接領域について説明する説明図である。本実施形態では、操作体がタッチパネルに近づき、タッチパネルの静電容量の変化が所定の値の範囲である場合に、操作体の操作を近接操作とする。図3に示したように、静電容量の変化が小→中→大と変化したとする。静電容量の変化が所定の閾値より小さい(静電容量の変化=小)場合には、操作体は近接も接触もしていないと判断する。また、静電容量の変化が所定の閾値よりも大きい(静電容量の変化=大)場合には、操作体は接触していると判断する。そして、静電容量の変化が所定の値の範囲である(静電容量の変化=中)場合には、操作体は近接していると判断する。
【0034】
また、図4に示したように、操作体が近接している場合に、タッチパネルの静電容量の変化が所定の値よりも大きい領域を近接検知領域311とする。以降、近接検知領域311を近接面積とも称する。また、近接面積311の重心点312を算出して、重心点312の移動を近接操作時の操作体の移動として検出する。このように、近接面積311の重心点312の移動を操作体の移動として検出することにより、近接操作時の操作体の移動方向や移動量(移動距離)を検出することが可能となる。
【0035】
以上、本実施形態にかかる情報処理装置100のハードウェア構成について説明した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、各実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0036】
〔3〕情報処理装置の機能構成
次に、図5を参照して、本実施形態にかかる情報処理装置100の機能構成について説明する。図5では、特に、CPU101における制御について説明する。なお、図5に示した情報処理装置100の機能構成を説明するに際し、適宜図6〜図10を参照して説明する。図5は、本実施形態にかかる情報処理装置100の機能構成を示すブロック図である。なお、表示画面122は、上記した表示装置104の一例であり、タッチパネル120は、上記した入力装置105の一例である。
【0037】
図5に示したように、情報処理装置100は、検出部112、特定部114、判断部116、表示制御部118などを備える。検出部112は、操作体の近接面積を検出する機能を有する。上記したように、操作体が表示画面に近づくと、タッチパネル120により検出される静電容量が増加する。検出部112は、タッチパネル120により検出される静電容量が所定の範囲である場合に、操作体が表示画面に近接したことを検出する。検出部112は、操作体が近接したことを特定部114に通知する。
【0038】
特定部114は、検出部112に操作体が近接したことを通知された場合に、操作体が近接した表示画面の範囲を特定する機能を有する。上記したように、タッチパネル120により静電容量の変化が検出されるため、特定部114は、静電容量が変化した範囲を特定する。特定部114は、操作体が近接した表示画面の範囲を判断部116に提供する。
【0039】
判断部116は、表示画面に近接した操作体が表示画面に含まれる選択項目に近接したか否かを判断する機能を有する。具体的には、特定部114により特定された操作体の近接した範囲に表示画面に含まれる選択項目が含まれるか否かを判断する。判断部116は、操作体の近接した範囲に該選択項目が含まれるか否かについての判断結果を表示制御部118に提供する。
【0040】
表示制御部118は、操作体が表示画面の選択項目に近接したと判断部116により判断された場合に、選択項目の選択項目内容を含む領域を、表示されていた表示領域に一次的に重ねて表示させる。そして、検出部112により操作体の表示画面への近接が検出されなくなった場合に、選択項目の選択項目内容を含む領域の表示を終了させる機能を有する。
【0041】
図1に示したように、表示例301では、操作体が表示画面に近接して、オンスクリーンキーボードの上部の選択項目302に近づいている。このとき、検出部112により操作体の表示画面への近接が検出され、さらに、特定部114により操作体が近接した表示画面の範囲が特定される。図1では、特定部114により選択項目302を含む範囲が特定される。
【0042】
そして、特定部114により特定された範囲に選択項目が含まれるか否かが判断部116により判断される。図1では、特定部114により特定された範囲に選択項目302が含まれているため、表示制御部118は、該選択項目302の選択項目内容を含む領域を、表示されていた表示領域に一次的に重ねて表示させる。表示例303には、選択項目302の選択項目内容304を含む領域が表示画面に表示されている例を示している。
【0043】
そして、操作体の表示画面への近接が検出されなくなった場合、すなわち、操作体が表示画面から離れた場合には、表示例303に示した選択項目内容を含む領域の表示から、もとの表示例301の表示に戻る。このように、本実施形態によれば、操作体が近接した範囲を検出して、該範囲に含まれる選択項目内容を含む領域を一時的に表示させることができる。そして、操作体の近接が検出されなくなると、すぐにもとの表示に戻る。
【0044】
ユーザは、選択項目内容を表示させるための操作をすることなく、表示画面に操作体を近づけたり遠ざけたりする直感的な操作により該選択項目内容を確認することができるため、タッチパネルの操作性を向上させることができる。また、表示内容を拡大させたり、選択項目内容以外の表示内容を縮小させたりすることなく、一時的に表示領域を拡大させているため、画面面積を有効に利用することが可能となる。
【0045】
また、表示された選択項目内容から、接触操作によりいずれかの選択項目が選択された場合にも、選択項目内容の表示を終了させてもとのオンスクリーンキーボードの表示に戻るようにしてもよい。例えば、図1に示したように、表示画面が2分割されている場合には、下部の表示画面にオンスクリーンキーボードと選択項目を含む領域が表示され、上部の表示画面には下部の表示画面において選択された内容が表示されている。この場合、下部の表示画面においてオンスクリーンキーボードの表示領域に選択項目内容を含む表示領域が重ねて表示される。そして、該選択項目内容からいずれかの選択項目が選択された場合には、上部の表示画面に選択された選択項目に関連した表示内容が表示される。
【0046】
このように、重ねて表示された表示領域に含まれる選択項目内容からいずれかの選択項目を選択した後も、戻るボタンを押下する等せずとも、もとの表示画面に戻ることができる。上記では、表示画面を重ねることにより表示領域を拡大しているが、戻るボタンを押下する等の操作ステップを省略してスムーズに画面を遷移させることにより、表示画面自体が拡大したのと同等なインタフェースを提供することが可能となる。
【0047】
また、図6に示したように、表示画面321に含まれる選択項目322に操作体が近接したと判断された場合に、選択項目322の選択項目内容のプルダウン表示を含む領域をもとの画面に重ねて表示させるようにしてもよい。プルダウン表示とは、図6の表示画面323に示したように、選択項目322の選択項目内容の一覧が下方に伸びて表示されることをいう。プルダウン表示を含む領域は、操作体が近接したと判断された場合に一時的に表示されるが、操作体が近接しなくなったと判断されるとすぐにプルダウン表示を含む領域が表示されなくなる。また、プルダウン表示の選択項目の何れかの項目が操作体の接触操作により選択された場合にも、プルダウン表示を含む領域が表示されなくなる。
【0048】
また、図6の表示画面323に示したように、ユーザ操作に応じて選択されたリンク先に応じたホームページの表示に重ねて、URLの一覧がプルダウン表示されてもよい。例えば、ユーザ操作に応じてプルダウン表示されたURLの何れかが選択されたとする。この場合、プルダウン表示を非表示とするとともに、重ねられた表示画面321に選択されたURLに対応するページが表示される。このように、操作体による積極的な操作がなされなくても、操作体が選択項目に近接するだけでプルダウン表示を含む領域を一時的に表示させることが可能となる。したがって、ボタンを押下する等の操作ステップを省略してスムーズに画面を遷移させることにより、表示画面自体が拡大したのと同等なインタフェースを提供することが可能となる。
【0049】
また、図7に示したように、表示画面341の選択項目342に操作体が近接したと判断された場合に、選択項目342に関連する階層の選択項目内容を一時的に表示させるようにしてもよい。例えば表示画面341において、あるアルバムに含まれる楽曲の一覧が表示され、選択項目342には、アーティストの名前が表示されていたとする。アーティストの名前が表示されている選択項目342に操作体が近接すると、該アーティストの曲の一覧の表示画面342が一時的に表示される。操作体が表示画面に近接している間は、一次的に表示画面342が表示されるが、操作体が表示画面に近接しなくなると表示画面342の表示をすぐに終了して、もとの表示画面341の表示に戻る。また、一次的に表示画面342が表示されている間に、操作体の接触操作により何れかの楽曲が選択された場合にも、表示画面342の表示を終了するようにしてもよい。
【0050】
このように、操作体による積極的な操作がなされなくても、操作体が選択項目に近接するだけで、他の階層を一時的に表示させることが可能となる。すなわち、接触操作により項目を選択するステップを省略してスムーズに画面を遷移させることにより、表示画面自体が拡大したのと同等なインタフェースを提供することが可能となる。
【0051】
また、操作体が、表示画面の選択項目に近接したと判断された場合に、選択項目の選択項目内容の拡大表示を含む領域を一時的に表示させてもよい。さらに、操作体が表示画面の選択項目に近接したと判断された場合に、選択項目の変換候補を含む領域を一時的に表示させてもよい。このように、操作体が表示画面に近接するだけで、表示画面の表示領域を一時的に拡大させることにより、限られた画面面積を有効に利用して、ユーザにより多くの情報を提供することが可能となる。
【0052】
〔4〕情報処理装置の動作の詳細
以上、情報処理装置100の機能構成について説明した。次に、図8を参照して、情報処理装置100の動作の詳細について説明する、図8は、情報処理装置100の動作の詳細を示すフローチャートである。図8に示したように、まず、検出部112は、操作体が表示画面に近接したか否かを検知する(S102)。ステップS102では、タッチパネルにより検出される静電容量の変化が一定の範囲以上であるか否かを判定することにより、操作体が表示画面に近接したか否かを検知する。
【0053】
そして、ステップS102において、操作体が表示画面の一定範囲内にあり、かつ、一定時間経過したか否かを判定する(S104)。特定部114は、ステップS102において操作体が表示画面に近接していると判定された場合に、操作体が一定の範囲内に一定時間位置しているか否かを判定する。また、ステップS102において、操作体の近接が検知されなかった場合には、ステップS112以降の処理を実行する。ステップS112以降の処理は後で詳細に説明する。
【0054】
ステップS104において、操作体が一定の範囲内に一定時間位置していると判定された場合には、変換領域が表示中であるか否かを判定する(S106)。ステップS106において、変換領域が表示中であるとは、すなわち、上記した選択項目内容を含む領域が表示中であることを意味する。以降、選択項目内容を含む領域を変換領域とも称する。ステップS104において、操作体が一定の範囲内に一定時間位置していないと判定された場合には、ステップS102の処理に戻る。
【0055】
ステップS106において、表示画面に変換領域を表示中ではないと判定された場合には、操作体が近接している範囲に含まれている選択項目の選択項目内容(変換領域)を一時的に表示する(S108)。ステップS106において、表示画面に変換領域を表示中であると判定された場合には、ステップS102の処理に戻る。
【0056】
そして、ステップS108において一時的に変換領域が表示された後に、操作体の近接が検知されなくなったか否かを判定する(S110)。ステップS110において、操作体の近接が検知されなくなったと判定された場合には、表示画面に一時的に表示された変換領域を非表示とする(S118)。ステップS110において、操作体の近接が検知されている場合には、ステップS102の処理に戻る。
【0057】
ステップS102に戻り、操作体の近接が検知されなかった場合には、操作体の接触を検知したか否かを判定する(S112)。そして、操作体が接触している表示画面の領域が、変換領域内か否かを判定する(S114)。ステップS112において、操作体の接触が検知されなかった場合には、ステップS102の処理に戻る。
【0058】
ステップS114において、操作体が接触している表示画面の領域が、変換領域内であると判定された場合には、該変換領域対象に対する操作を認識して実行する(S116)。ステップS114において、操作体が接触している表示画面の領域が、変換領域内ではないと判定された場合には、ステップS102の処理に戻る。
【0059】
ステップS116における変換領域対象に対する操作とは、例えば、変換領域に表示されている選択項目の何れかを接触操作により選択する操作が挙げられる。ステップS116において、変換領域対象に対する操作が実行された後、表示されている変換領域を非表示とする(S118)。
【0060】
上記したように、本実施形態では、操作体の近接操作に応じて変換領域が一時的に表示された後、操作体の近接操作が検知されなくなったり、変換領域対象に対する接触操作が行われたりすると、変換領域を非表示とする。このように、操作体が表示画面に近接するだけで、ボタンを押下する等の操作ステップを省略して、表示画面に表示しきれない表示領域を一時的に表示させることにより、表示画面自体が拡大したのと同等なインタフェースを提供することが可能となる。
【0061】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0062】
例えば、本明細書の情報処理装置100の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。すなわち、情報処理装置100の処理における各ステップは、異なる処理であっても並列的に実行されてもよい。
【0063】
また、情報処理装置100などに内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した情報処理装置100の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0064】
112 検出部
114 特定部
116 判断部
118 表示制御部
120 タッチパネル
122 表示画面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作体の表示画面への近接を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記操作体が表示画面に含まれる選択項目に近接したか否かを判断する判断部と、
前記操作体が前記選択項目に近接したと前記判断部により判断された場合に、前記選択項目の選択項目内容を含む領域を、表示されていた表示領域に一時的に重ねて表示させ、前記検出部により前記操作体の表示画面への近接が検出されなくなった場合に、前記選択項目の前記選択項目内容を含む領域の表示を終了させる表示制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記検出部により検出された前記操作体が近接した表示画面の範囲を特定する特定部を備え、
前記判断部は、
前記特定部により特定された前記範囲に前記選択項目が含まれるか否かを判断する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検出部により前記操作体の表示画面への接触が検出された場合に、
前記表示制御部は、
表示されていた前記選択項目の前記選択項目内容を含む領域の表示を終了させる、請求項1または2のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記操作体が前記選択項目に近接したと前記判断部により判断された場合に、
前記表示制御部は、
前記選択項目の選択項目内容の拡大表示を含む領域を表示させる、請求項1または2のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記操作体が前記選択項目に近接したと前記判断部により判断された場合に、
前記表示制御部は、
前記選択項目の選択項目内容のプルダウン表示を含む領域を表示させる、請求項1または2のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記操作体が前記選択項目に近接したと前記判断部により判断された場合に、
前記表示制御部は、
前記選択項目の変換内容を含む領域を表示させる、請求項1または2のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記操作体が前記選択項目に近接したと前記判断部により判断された場合に、
前記表示制御部は、
前記選択項目の親階層または子階層の内容を含む領域を表示させる、請求項1または2のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
操作体の表示画面への近接を検出するステップと、
前記検出された前記操作体が表示画面に含まれる選択項目に近接したか否かを判断するステップと、
前記操作体が前記選択項目に近接したと判断された場合に、前記選択項目の選択項目内容を、表示されていた表示画面に重ねて表示させるステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
操作体の表示画面への近接を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記操作体が表示画面に含まれる選択項目に近接したか否かを判断する判断部と、
前記操作体が前記選択項目に近接したと前記判断部により判断された場合に、前記選択項目の選択項目内容を、表示されていた表示画面に重ねて表示させる表示制御部と、
を備える、情報処理装置として機能させる、プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−134272(P2011−134272A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295584(P2009−295584)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】