説明

情報処理装置、情報処理装置の制御プログラム、及び、情報処理装置の制御方法

【課題】キー入力時にタッチパッドの機能を停止して、キー入力中のタッチパッド操作による誤作動を防止する。
【解決手段】文字又は文字列の入力を受け取る入力部と、前記表示部における前記文字又は文字列の入力位置を示す位置入力を受け取る位置入力部と、前記入力部から受け取った入力が変換対象となる文字又は文字列であり、前記文字又は文字列の変換が確定するまで、前記位置入力部の位置入力を停止する演算処理部と、を備えることを特徴とする情報処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御プログラム、及び、情報処理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパッド付きコンピュータがある。タッチパッド付きコンピュータのユーザは、タッチパッドの操作により、コンピュータディスプレイに表示されるカーソルの移動や、クリック、ダブルクリックなどの操作が行えるようになっている。
【0003】
ユーザが、キーボードによる文字入力中に、誤ってタッチパッドに手が触れてしまうと、カーソルがユーザの意図しない位置に移動し、文字入力の位置が変更され、又は、クリック動作により、文字変換の確定が生じる。このような、誤動作を回避するために、キーボードの入力をイベントとして、タッチパッドの機能を無効にするとともに、タイマーを動作させ、タイマーの設定時間後にタッチパッドの機能を有効にする装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−78850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらユーザが変わった場合や、体調等により、ユーザのキー入力速度は異なるため、常に同じタイミングでキー入力されるとは限らない。そのため、タイマーの設定時間より先にユーザのキー操作が終了する場合、キー入力時間外にタッチパッドの使用が制限されてしまう。
【0006】
1つの側面では、本発明は、文字又は文字列時にタッチパッドの機能を停止して、入力中のタッチパッド操作による誤作動を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の情報処理装置は、文字又は文字列の入力を受け取る入力部と、前記表示部における前記文字又は文字列の入力位置を示す位置入力を受け取る位置入力部と、前記入力部から受け取った入力が変換対象となる文字又は文字列であり、前記文字又は文字列の変換が確定するまで、前記位置入力部の位置入力を停止する演算処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
開示の情報処理装置は、文字又は文字列入力時にタッチパッドの機能を停止して、入力中のタッチパッド操作による誤作動を防止するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、情報処理装置の一例を示す図である。
【図2】図2は、図1に示す情報処理装置の第1実施形態である。
【図3】図3は、主記憶装置のメモリマップの一例を示す図である。
【図4】図4は、ハードウェアとソフトウェアとの間のデータ入出力の一例を示す図である。
【図5】図5は、情報処理装置の制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、タッチパッドの動作を無効表示する画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、図1に示す情報処理装置の第2実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、情報処理装置、情報処理装置の制御プログラム、及び、情報処理装置の制御方法について説明する。
【0011】
[1 情報処理装置]
図1は、情報処理装置の一例を示す図である。図1に示すように、情報処理装置500は、演算処理装置510、主記憶装置520、2次記憶装置540、ドライブ装置550、I/Oコントローラ560、キーボード570A、タッチパッド580A、及び表示部590を有する。
【0012】
[1.1 演算処理装置]
演算処理装置510は、主記憶装置520に記憶されたプログラムを実行することで、主記憶装置520からデータをロードし、ロードしたデータを演算して、主記憶装置520に演算結果をストアする。演算処理装置510は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。
【0013】
[1.2 I/Oコントローラ]
I/Oコントローラ560は、演算処理装置510と、他の装置との接続を制御する装置である。I/Oコントローラ560は、例えば、AGP(Accelerated Graphics Port)又はPCI Express(Peripheral Component Interconnect Express)などの規格に従って動作する。
【0014】
[1.3 主記憶装置]
主記憶装置520は、データやプログラムを記憶する装置である。主記憶装置520は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。なお、図2を用いて、主記憶装置520のメモリマップの一例を後述する。
【0015】
[1.4 2次記憶装置]
2次記憶装置540は、電源供給が無くても情報を保持可能であり、主記憶装置520に格納されるプログラム及びデータを記憶する装置である。2次記憶装置540は、磁気ディスクを用いたディスクアレイ、又は、フラッシュメモリを用いたSSD(Solid State Drive)等である。
【0016】
[1.5 ドライブ装置]
ドライブ装置550は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)などの記憶媒体595を読み書きする装置である。ドライブ装置550は、記憶媒体595を回転させるモータや記憶媒体595上でデータを読み書きするヘッド等を含む。なお、記憶媒体595は、プログラムを格納することができる。ドライブ装置550は、ドライブ装置550にセットされた記憶媒体595からプログラムを読み出す。演算処理装置510は、ドライブ装置550により読み出されたプログラムを、主記憶装置520又は2次記憶装置540に格納する。なお、記憶媒体595に記憶されるプログラム又はデータとは、例えば、図2を用いて後述するプログラム又はデータである。
【0017】
入力部570は、入力信号を演算処理装置510に出力するキーボードである。入力部570は、キーを有し、キーの上面には文字、記号、機能等が示されている。入力部570は、キーを押したり離したりする「キー入力」としての文字又は文字列の入力を受け取ると、キーに固有のスキャンコードを演算処理装置510に出力する。スキャンコードは、キーの位置を物理的に識別するコードである。演算処理装置510は、後述のOS(Operating System)910を実行することで、スキャンコードにより識別される物理的位置に対応する「文字コード」に変換する。「文字コード」とは、文字や制御に対応付けられるバイト表記である。「制御」とは、例えば、変換の確定、全角/半角切替、無変換、カタカナ/ひらがな切替がある。
【0018】
位置入力部580は、入力信号を演算処理装置510に出力するポインティングデバイスである。位置入力部580は、表示部590における操作位置を示す位置入力を受け取ると、後述するドライバ920A及び920Bによって、後述するOS910に送られる。OS910は、位置入力を、表示部590上のマウスポインタの動作に関連づけことで、位置入力部580による表示部590上のポインタ操作を可能にする。
【0019】
位置入力部580は、例えば、タッチパッド、ポインティングスティックである。
【0020】
タッチパッドは、例えば、導電膜と、検出回路を有する静電容量形式のタッチパッドである。検出回路が、指先と導電膜との間の静電容量の変化による電流変化を検出し、静電容量の変化を生じた位置を計算することで、導電膜上の指先の位置を検出し、検出した位置を操作位置の位置入力として、OS910に送る。クリック、ダブルクリックは、タッチパッドを指先が一定間隔で触れて、離れることによる静電容量の変化を検出し、その位置入力をOS910に検出することで、実現される。
【0021】
ポインティングスティックは、ユーザがポインティングスティックに力を加える方向を検出し、ポインティングスティックの向き、ポインティングスティックへの力の強さを位置入力として、OS910に送る。
【0022】
位置入力部580は、位置入力を送信することで、表示部590に表示されるカーソルの移動などの操作が行えるようになっている。
【0023】
表示部590は、演算処理装置510から出力される処理結果出力信号を表示する装置であり、例えば、ディスプレイである。表示部590は、アイコンや、文字等の画像情報を表示する。
【0024】
図2は、図1に示す情報処理装置の第1実施形態である。図2に示す第1実施形態に係る情報処理装置500Aは、表示部としてのディスプレイ590A、入力部としてのキーボード570A、位置入力部としてのタッチパッド580A、位置入力部としてのポインティングスティック580Bを有する。情報処理装置500Aは、キーボード570Aで文字入力操作等を行い、タッチパッド580Aでポインタ操作を行い、ポインティングスティック580Bでもポインタ操作を行うように構成される。
【0025】
[2 主記憶装置]
図3は、主記憶装置のメモリマップの一例を示す図である。主記憶装置520は、OS910、ドライバ920A及び920B、入力制御プログラム930、文字変換ソフトウェア940、及び文書作成ソフトウェア950を記憶する。
【0026】
図3に示されるプログラムの実行主体は、演算処理装置510である。しかしながら、演算処理装置510がソフトウェアを実行して実現する機能を説明するために、「ソフトウェアを実行する演算処理装置は、・・・という情報処理を実行する」と記載すると、説明が冗長になる。そのため、以下の記載では、演算処理装置510がプログラムを実行して実現する機能は、プログラムの名称を用いて説明する。例えば、「文字変換ソフトウェアを実行する演算処理装置は、・・・という情報処理を実行する」は、「文字変換ソフトウェアは、・・・という情報処理を実行する」と説明する。
【0027】
[3 プログラム]
[3.1 OS]
OS910は、キーボード入力や画面出力といった入出力機能やディスクやメモリの管理など、多くのアプリケーションから共通して利用される基本的な機能を提供し、ハードウェア資源全体を管理するソフトウェアである。OS910は、例えば、入力部570からドライバ920Aを介して受け取るスキャンコードを、当該スキャンコードに対応する文字コードに変換する。OS910はさらに、文字コードを文字変換ソフトウェア940に出力する。
【0028】
[3.2 ドライバ]
ドライバ920Aは、キーボード570Aとデータの入出力を行うためのソフトウェアである。ドライバ920Bは、タッチパッド580Aとデータの入出力を行うためのソフトウェアである。ドライバ920A及び920Bは、OS910から受信した制御データを、キーボード570A及びタッチパッド580Aのそれぞれの通信仕様に従うデータに変換する。
【0029】
[3.3 入力制御プログラム]
入力制御プログラム930は、入力部570から受け取った入力が変換対象となる文字である場合に、入力された文字又は文字列の変換が確定しているかどうかを監視し、変換が確定していない場合は位置入力部580の機能の無効化を行う。入力制御プログラム930は、機能を無効にした後に、入力部570から受け取った入力が、変換対象文字を変換した変換文字を確定する確定入力である場合、位置入力部580の機能を有効にする。
【0030】
図4を用いて後述するように、入力制御プログラム930の実施形態は、ドライバ920A及び920Bと共に実行される入力制御プログラム930A、又は、文字変換ソフトウェア940のアドオンプログラムとしての入力制御プログラム930Bである。
【0031】
[3.4 文字変換ソフトウェア]
文字変換ソフトウェア940は、キー入力された変換対象文字から、変換候補を表示し、キー入力された文字と異なる文字に変換するソフトウェアである。
【0032】
文字変換ソフトウェア940は、例えば、文字コードにより特定される入力文字としてのかな文字と、他の文字としての漢字との対応関係を含む辞書データを有する。文字変換ソフトウェア940は、「変換」を示す制御キーが「ON」の場合、入力文字を、「変換対象文字」とする。入力部570からの「変換対象文字」のキー入力を受け取ると、辞書データを参照して、入力文字と対応付けられる変換候補文字を表示部590に表示する。文字変換ソフトウェア940は、表示部590に表示された変換候補文字から変換文字を確定するための「確定キー」入力を、入力部570から受け取ると、変換文字を文書作成ソフトウェア950に渡す。なおこのような、入力文字を他の文字に変換する処理を「文字変換処理」という。
【0033】
このように、入力文字から変換文字への変換が必要な理由は、文書作成ソフトウェア950の使用言語の文字数が、入力文字より多いためである。よって、入力文字と1:1で使用言語の文字に変換ができないため、文書作成ソフトウェア950は、変換候補文字を表示し、変換候補文字から確定した変換文字を用いる。なお、本実施形態では、文字変換処理を要する使用言語の例として日本語を用いるが、使用言語は、日本語に限定されない。
【0034】
文字変換ソフトウェア940は、OS910が起動している間に常に起動しているプログラムである主記憶装置520に常駐するソフトウェアであってもよい。
【0035】
[3.5 文書作成ソフトウェア]
文書作成ソフトウェア950は、文章を作成、編集、保存、又は印刷するためのソフトウェアである。文書作成ソフトウェア950は、例えば、テキストエディタ、又は、ワープロソフトウェアである。文書作成ソフトウェア950は、例えば、ユーザが使用時に起動するアプリケーションソフトウェアである。
【0036】
[4 ソフトウェア間のデータ入出力]
図4は、ハードウェアとソフトウェアとの間のデータ入出力の一例を示す図である。図4には、図3に示したソフトウェアと、入力部の1例としてのキーボード570Aと、位置入力部の1例としてのタッチパッド580Aとの間のデータ入出力が示される。
【0037】
図4には、ドライバ920A及び920Bと共に実行される入力制御プログラム930A、又は、文字変換ソフトウェア940のアドオンプログラムとしての入力制御プログラム930Bが示される。しかしながら、タッチパッド580Aの入力制御を行なうのは何れか1つでよい。
【0038】
図4に示すS1〜S8は、プログラム間のデータの入出力を示す。ドライバ920Aは、キーボード570Aからスキャンコードを受け取ると(S1)、スキャンコードをOS910、並びに、入力制御プログラム930Aに送信する(S3)。ドライバ920Bは、タッチパッド580Aから位置入力を受け取ると(S2)、位置入力を入力制御プログラム930Aに送信する(S3)。
【0039】
入力制御プログラム930Aは、ドライバ920Aから出力されるスキャンコードが、変換が確定されていない変換対象文字に対応する場合、ドライバ920Bから出力される位置入力の使用を停止する。例えば、入力制御プログラム930Aは、タッチパッド580Aから出力される位置入力をOS910に送信しないことで、位置入力の使用を停止する。入力制御プログラム930Aは、ドライバ920Aから出力されるスキャンコードが変換対象文字を変換した変換文字を確定する確定入力に対応する場合、ドライバ920Bからの位置入力の使用を開始する(S4)。例えば、入力制御プログラム930Aは、タッチパッド580Aから出力される位置入力を、OS910に送信開始することで、位置入力の使用を開始する。
【0040】
OS910は、ドライバ920Aからスキャンコードを受け取ると、スキャンコードに対応する文字コードに変換して、文字コードを文字変換ソフトウェア940に出力する(S5)。OS910は、ドライバ920Bから位置入力を受け取ると、当該位置入力を文字変換ソフトウェア940に出力する(S6)。また、OS910は、文字変換ソフトウェア940を対象としない位置入力等を、文書作成ソフトウェア950に送信する(S7)。
【0041】
文字変換ソフトウェア940は、OS910から文字コードを受け取ると、文字コードに対する「文字変換処理」を行う。上記の入力制御プログラム930Aが実行されない場合、入力制御プログラム930Bは、文字変換ソフトウェア940とともに実行される。入力制御プログラム930Bは、キーボード570Aから入力があった場合に、入力された文字又は文字列の変換が確定しているのかどうかを監視し、変換が確定していない場合はタッチパッド580Aの機能の無効化を行う。例えば入力制御プログラム930Bは、タッチパッド580Aの機能の無効化として、OS910から送信されるタッチパッド580Aの信号の受け取りを停止する。
【0042】
文字変換ソフトウェア940によって変換された変換文字は、文書作成ソフトウェア950に送信される(S8)
【0043】
このように、入力制御プログラム930A又は930Bは、入力中にタッチパッド580Aの機能を無効にすることで、文字入力中にタッチパッド580Aをユーザが触ることで生じた誤作動を防止することが出来る。
【0044】
また、上記の例では、タッチパッドの例を説明したが、タッチパッド580Aをポインティングスティック580Bとした場合でも同じである。そして、ポインティングスティックであっても、カーソルの移動を可能にするので、ポインティングスティックの機能を無効にすることで、文字入力中にポインティングスティック580Bをユーザが触ることで生じた誤作動を防止することが出来る。
【0045】
[5 入力制御処理]
図5は、情報処理装置の入力制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下に示すフローチャートでは、入力部の例としてキーボード570A、位置入力部の例としてタッチパッド580A、表示部590の例として画面を示す。
【0046】
文書作成ソフトウェア950が実行されており、キーボード570Aでキーを操作すると、キーボード570Aからイベントが発生する。OS910は、ドライバ920A又は920Bを介して、イベントを受け取ると、当該イベントの出力元がキーボード570Aか、タッチパッド580Aかを判断する(S1001)。OS910は、イベントの出力元がキーボード570Aである場合(S1001 キーボード)、スキャンコードを読み取って(S1002)、スキャンコードが制御キーに対応するか否かを判断する(S1003)。
【0047】
スキャンコードが制御キーに対応しない場合(S1003 No)、つまり、スキャンコードが文字入力に対応する場合、入力制御プログラム930は、かな漢字変換キーがONか否かを判断する(S1004)。入力制御プログラム930は、かな漢字変換キーがONの場合(S1004 ON)、タッチパッド580Aから出力される位置入力の使用を停止することで、タッチパッド580Aを無効にする(S1005)。入力制御プログラム930はさらに、画面にタッチパッド580Aの機能の無効表示をする(S1006)。文字入力が続けて行われている間は、タッチパッドの機能は無効のままとなる。
【0048】
図6は、タッチパッドの動作を無効表示する画面の一例を示す図である。文書作成ソフトウェア950として、メモ帳が実行される。S1005の無効動作中は、図6に示す画面1100又は1200が表示される。図6に示す画面1100には、未確定の入力文字1113である「ほんじつは」が表示され、アイコン1111が画面上で固定され、1112に「タッチパッド操作無効中」と、タッチパッド580Aの機能を無効にしていることが表示される。
【0049】
また、図6に示す画面1200には、未確定の入力文字1213である「ほんじつは」が表示され、アイコン1211は動作できないように表示することで、タッチパッド580Aの機能を無効にしているように表示される。
【0050】
S1004〜S1006の処理の後、変換キーまたは無変換キーが押下される。
OS910は、制御キーが確定キーではない場合(S1011 No)、制御キーが変換キーかどうか判断する(S1021)。制御キーが変換キーである場合(S1021 Yes)、文字変換ソフトウェア940は、変換対象文字の文字変換を行なう(S1022)。OS910は、変換された文字を表示部590に表示する(S1023)。次に、OS910は、再びS1001を実行する。
【0051】
制御キーが変換キーで無い場合(S1021 No)、制御キーが文字変換でも、確定でもないので、OS910又は文字変換ソフトウェア940は、当該制御キーに割り当てられる処理を実行する。次に、OS910は、再びS1001を実行する。
【0052】
変換キーが押下され、変換候補が画面に表示されると(S1023)、ユーザは変換候補のいずれかに対して確定キーを押下する。
【0053】
スキャンコードが制御キーに対応する場合(S1003 Yes)、OS910は、確定キーがONか否かを判断する(S1011)。制御キーが確定キーである場合(S1011 Yes)、OS910は、表示部590に確定を表示する(S1012)。入力制御プログラム930は、確定キーがONになるので、タッチパッドから出力される位置入力の使用を開始して、タッチパッドの機能を有効にし(S1013)、S1006の無効表示を消す(S1014)。次に、OS910は、再びS1001を実行する。
【0054】
かな漢字変換キーがOFFの場合(S1004 OFF)、かな漢字変換を行なわない文字の入力であるので、入力文字をそのまま表示部590に出力する(S1007)。次に、OS910は、再びS1001を実行する。
【0055】
イベントがタッチパッドである場合(S1001 タッチパッド)、OS910は、タッチパッドのイベント処理として、例えば、画面上のカーソルの移動などを行なう(S1031)。次に、OS910は、再びS1001を実行する。
【0056】
このように、入力制御プログラム930は、入力中にタッチパッド580Aの機能を無効にすることで、文字入力中にタッチパッド580Aをユーザが触ることで生じた誤作動を防止することが出来る。また、タッチパッドの機能が無効化されていることを表示することで、ユーザにタッチパッドに触れても誤動作が生じないことを通知できるので、ユーザは、タッチパッドを気にせずに、キーボードを操作することが出来る。
【0057】
[6 情報処理装置の他の実施形態]
図7は、図1に示す情報処理装置の第2実施形態である。情報処理装置500Cは、タッチパネル式ディスプレイ600を有する。タッチパネル式ディスプレイ600は、表示と入力の2つの機能を備える。
【0058】
タッチパネル式ディスプレイ600は、例えば、静電容量方式のタッチパネル式ディスプレイである。静電容量方式のタッチパネルは、上記した静電容量形式のタッチパッドと同じ動作をする。ただし、導電膜は透明であり、導電膜は、タッチパネル下部に配置されるディスプレイの画像情報を表示するので、タッチパネル式ディスプレイ600は、タッチパネル機能と、ディスプレイ機能をあわせ持つ。
【0059】
タッチパネル式ディスプレイ600は、タッチパネル領域570Cとタッチパネル領域580Cとを含む。タッチパネル領域580Cは、画像情報を表示するとともに、ユーザがその画面に表示された領域に手で触れることにより、触れられた画面位置の情報を感知して位置入力を検出するタッチパッドとして動作する。また、タッチパネル領域580Cの領域585は、変換候補文字を表示する領域である。
【0060】
タッチパネル領域570Cは、キーを画像表示して、キー入力を受け取ることで、キーボードとして動作する。
【0061】
なお、図示しないが、情報処理装置500Cには、タッチパネル式ディスプレイ600に加えて、図1に示す演算処理装置510、主記憶装置520、I/Oコントローラ560、及び2次記憶装置540を有する。
【0062】
入力制御プログラム930は、タッチパネル領域570Cで文字入力中にタッチパネル領域580Cの入力機能を無効にすることで、文字入力中にタッチパッド580Aをユーザが触ることで生じた入力ミスについて防ぐことが出来る。例えば、タッチパネル領域570Cに文字入力中に、領域585にリアルタイムで表示される変換候補を、ユーザが誤動作により触ることで確定を生じさせるような誤動作を防ぐことができる。
【0063】
また、情報処理装置500Cは、1312に示すように、タッチパネル領域570Cで文字入力中にタッチパネル領域580Cの入力機能を無効にするとき、タッチパネル領域580Cにタッチパッドの機能が無効化されていることを表示する。このようにすることで、ユーザにタッチパネル領域580Cに触れても誤動作が生じないことを通知できるので、ユーザは、タッチパネル領域580Cの触手を気にせずに、タッチパネル領域570Cのキーボードを操作することが出来る。
【符号の説明】
【0064】
500、500A、500C 情報処理装置
510 演算処理装置
520 主記憶装置
540 2次記憶装置
550 ドライブ装置
560 I/Oコントローラ
570 入力部
570A キーボード
570C タッチパネル領域
580 位置入力部
580A タッチパッド
580B ポインティングスティック
580C タッチパネル領域
585 領域
590 表示部
595 記憶媒体
600 タッチパネル式ディスプレイ
920A、920B ドライバ
930、930A、930B 入力制御プログラム
940 文字変換ソフトウェア
950 文書作成ソフトウェア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
文字又は文字列の入力を受け取る入力部と、
前記表示部における前記文字又は文字列の入力位置を示す位置入力を受け取る位置入力部と、
前記入力部から受け取った入力が変換対象となる文字又は文字列であり、前記文字又は文字列の変換が確定するまで、前記位置入力部の位置入力を停止する演算処理部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記位置入力を停止後、前記演算処理部は、前記表示部に対して、前記位置入力部からの位置入力を停止していることを表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
表示部と、文字又は文字列の入力を受け取る入力部と、前記表示部における前記文字又は文字列の入力位置を示す位置入力を受け取る位置入力部と、演算処理部とを有する情報処理装置を制御する制御プログラムであって、前記入力部から受け取った入力が変換対象となる文字又は文字列であり、前記文字又は文字列の変換が確定するまで、前記演算処理部に、前記位置入力部の位置入力を停止する手順を実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項4】
前記位置入力を停止後、前記表示部に対して、前記位置入力部からの位置入力を停止していることを表示する手順と、を前記演算処理部にさらに実行させることを特徴とする請求項3に記載の制御プログラム。
【請求項5】
表示部と、文字又は文字列の入力を受け取る入力部と、前記表示部における前記文字又は文字列の入力位置を示す位置入力を受け取る位置入力部と、演算処理部とを有する情報処理装置を制御する制御方法であって、前記入力部から受け取った力入力が変換対象となる文字又は文字列であり、前記文字又は文字列の変換が確定するまで、
前記演算処理部が、前記位置入力部の位置入力を停止、
することを特徴とする制御方法。
【請求項6】
前記位置入力を停止後、前記演算処理部は、前記表示部に対して、前記位置入力部からの位置入力を停止していることを表示すること、をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の制御方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−78946(P2012−78946A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221703(P2010−221703)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】