情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム
【課題】アルバム全体として統一感が出るように画像を配置するテンプレートを選択できるようにする。
【解決手段】複数の画像の撮影位置間の距離を取得する取得手段(S1002)と、前記取得手段により取得した前記撮影位置間の距離に基づいて、所定の位置範囲を判定する判定手段(S1006)と、前記複数の画像のいずれかを指定する指定手段(S1008)と、前記指定された画像の撮影位置を含み前記所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートを前記選択された画像を配置するテンプレートとして選択する選択手段(S1018,S1016)とを有する。
【解決手段】複数の画像の撮影位置間の距離を取得する取得手段(S1002)と、前記取得手段により取得した前記撮影位置間の距離に基づいて、所定の位置範囲を判定する判定手段(S1006)と、前記複数の画像のいずれかを指定する指定手段(S1008)と、前記指定された画像の撮影位置を含み前記所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートを前記選択された画像を配置するテンプレートとして選択する選択手段(S1018,S1016)とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルバムを作成する際のテンプレートを選択する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介してデジタルカメラ等で撮影した画像を登録し、その登録した画像を用いてアルバム(フォトブック)を作成し、印刷注文ができるサービスが知られている。このようなサービスを用いて、アルバムを作成する際には、ユーザは予め用意されたテンプレートを用いてアルバムの作成が可能である。このテンプレートは、画像の見栄えを良くするために背景画等の装飾や画像の配置位置等のレイアウト情報を有している。したがって、ユーザはテンプレートを選択することでアルバムのデザインやレイアウトに掛かる作業を簡便に済ますことできる。また、アルバムにレイアウトする画像に適した表紙テンプレートを自動的に作成する従来技術がある(特許文献1)。特許文献1は、アルバムに用いる画像データのメタデータ(撮影者、撮影日時、撮影場所)とテンプレートの背景画像となる画像ファイルに割り当てられた複数のキーワードとを比較を行う。そして、メタデータと一致するキーワードを有する画像ファイルを用いて表紙テンプレートを作成するものである。このような従来技術によりユーザはテンプレートを選択する手間を簡便化し容易にアルバムを作成することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開 2003−37731
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の表紙テンプレートを作成する技術をアルバムにレイアウトする画像をレイアウトするテンプレートの作成に適用した場合、画像個々には適切なテンプレートを作成できるものの、アルバム全体の統一感を考慮したテンプレートを作成し難い。例えば、旅行中に撮影した画像を用いてアルバムを作成すると、旅行の規模に応じて個々の画像に適用するテンプレートは変化するべきである。例えば、ヨーロッパ各国を旅行し、各国で撮影した画像をそれぞれ選択しアルバムに用いるとすると、撮影場所の国を象徴するようなテンプレートを用いた方がアルバム全体としての統一感がある。一方、1カ国のみで撮影した画像でアルバムを作成する場合は撮影した地域を象徴するようなテンプレートを画像個々に使用するべきである。
【0005】
特許文献1記載の従来技術によりアルバムに用いる画像データの撮影場所をキーワードとしてテンプレートを作成した場合、アルバムに用いる他の画像データの撮影位置を考慮しない。したがって、アルバム全体の統一感を考慮したテンプレートの推奨としては改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みて、アルバム全体として統一感が出るように画像を配置するテンプレートを選択できるようにすることを目的とする。課題を解決するための手段として、画像を配置するテンプレートを選択する情報処理装置であって、複数の画像の撮影位置間の距離を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記撮影位置間の距離に基づいて、所定の位置範囲を判定する判定手段と、前記複数の画像のいずれかを指定する指定手段と、前記指定された画像の撮影位置を含み前記所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートを前記選択された画像を配置するテンプレートとして選択する選択手段とを有することを特徴とする情報処理装置を提供することにある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、位置範囲に統一感があるアルバムを作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例における情報処理装置の概略構成を示すブロック図の一例である。
【図2】画像データのメタデータとして付された撮影情報の一例を示す図である。
【図3】アルバム作成に用いる画像データの撮影情報を示すテーブルデータの一例を示す図である。
【図4】縮尺サイズと距離の対応を示す図である。
【図5】実施例で用いるテンプレートの一例を示す。
【図6】実施例における情報処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【図7】テンプレート位置情報設定テーブルの一例を示す図である。
【図8】テンプレート位置情報設定処理を示すフローチャートである。
【図9】テンプレート位置情報設定画面の一例を示す図である。
【図10】アルバム作成処理を示すフローチャートのである。
【図11】テンプレート位置情報設定テーブルの他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施例1]
以下、本発明を適用した実施例を説明する。まず、図1を用いて本実施例に用いる後述するテンプレート位置情報設定処理や印刷物作成処理を実行する情報処理装置11の構成を説明する。本実施例に用いる情報処理装置11は入力された画像データからアルバム(フォトブック)を作成することが可能で、作成したアルバムを印刷データとして生成し出力することができる。また、アルバムを作成する際に使用するテンプレートをユーザに推奨し、候補として提示することができる。情報処理装置11は、CPU113と、RAM112と、ROM111を有する。また、情報処理装置11は、プリンタ14、モニタ15、入力装置16、記憶装置17、ネットワーク12やその他外部装置と接続するための入出力インターフェース(不図示)を有する。CPU113は中央演算処理装置であり、記憶装置17またはROM111に記憶されているオペレーションシステムプログラムを実行することにより情報処理装置11全体の制御を行う。また、CPU113は、ROM111に記憶されている制御プログラムをRAM112にロードし実行することにより、後述する各情報処理装置11の機能構成の実現や情報の演算や加工、各ハードの制御し各処理実行する。ROM111は読み出し専用メモリであり、各種制御プログラムが記憶されている。RAM112はランダムアクセスメモリであり、CPU113のワークメモリである。
【0010】
ネットワーク12は、情報処理装置11、外部PC13と接続されており、接続されているそれぞれとで情報の伝達を行うための通信網である。外部PC13はネットワーク12を介して情報処理装置11と接続可能で、データの送受信を行う。プリンタ14は、情報処理装置11において作成され出力された印刷物を印刷するためのプリンタである。なお、プリンタ14はネットワーク12に接続されていてもよい。モニタ15は、情報処理装置11において出力された画像情報を表示する表示装置である。入力装置16は、情報処理装置11に入力を行うためのキーボードやポインティングデバイス等の入力装置である。記憶装置17は、画像データやテンプレートなどを保存するHDD等の記憶装置である。
【0011】
図6は、情報処理装置11を示す機能ブロック図である。情報処理装置11は、記憶部601、解析部602、設定部630、入力部604、検索部605、評価部606、出力部607、作成部608とを有す。記憶部601は、撮影位置情報や撮影日時などの撮影情報をメタデータとして有す画像データやRAM112や記憶装置17に記憶する制御を行う。また、テンプレートおよびそのテンプレートに付与した位置情報を関連付けてRAM112や記憶装置17に記憶する。解析部602は、画像データのメタデータを解析し、撮影位置や撮影日時等の撮影情報を取得する。設定部630は、適用可能な画像の撮影範囲や位置等の位置情報をテンプレートに設定し付与する。さらに、設定部630は表示部631、付与部632、取得部633により構成される。表示部631は後述する図9に示すテンプレート位置情報設定画面を表示し、位置情報をテンプレートに設定する際のUIを表示する。付与部632は、ユーザの入力に基づき、テンプレートに位置情報を付与する。取得部633は、付与部632により設定された位置情報に基づき、後述する範囲レベル情報を取得する。
【0012】
続いて、検索部605は、各テンプレートに設定された位置情報とアルバム作成に用いる画像の撮影位置情報から、アルバム作成に用いる各画像に対して推奨するテンプレートの候補を検索する。評価部606は、検索部605によって取得された画像に対するテンプレート候補のそれぞれの評価を行う。出力部607は、入出力インターフェース(不図示)を介して接続されている装置に対して各種データを出力する制御を行う。作成部608は、アルバム作成に用いる画像データをテンプレートに合成(配置)を行う。また、全ての入力されたアルバムに用いる画像データのテンプレートへの配置が終了した際には印刷データの作成を行う。
【0013】
ここで、記憶装置17に予め格納されている画像データとテンプレートについて説明する。本実施例においてアルバム作成に用いる画像データにはメタデータとして撮影位置情報、撮影日時等の撮影情報が付与されている。本実施例において、画像データはExif(Exchangeable image file format)によって構成されている。画像データの撮影位置を示す情報の一例として例えば図2(a)に示すように、画像データ21のバイナリ末尾もしくは先頭にXML(Extensible Markup Language)言語22によって記述される。
【0014】
さらに、図2(b)は情報処理装置11によって、メタデータが読み込まれた場合に作成される「メタデータテーブル」を模式的に表した図である。メタデータテーブルは画像データの識別子である画像データID24と、画像データID24のメタデータに記載された情報の「キー」25とそのキー25の「値」26によって構成される。図2(b)の場合、撮影位置情報はキー25の「GPSLatitudeRef」が北緯/南緯を示し、「GPSLatitude」が緯度の数値を示し、「GPSLogitudeRef」が東経/西経を示し「GPSLogitude」が経度の数値を示す。図2(b)に示す画像データ「image1」の場合、北緯38度37分52.36秒、東経139度52分47.6秒で撮影されたとの位置情報を有している。このような撮影情報はGPS(Global Positioning System)等の位置情報の取得機能を有している撮像装置により撮像した画像データに付与する。
【0015】
続いて、本実施例で用いるテンプレートについて説明する。テンプレートとは、予めデザイン等の設定がなされ、コンテンツをどのように配置し表示させるかを示す台紙データ(雛型)である。デザインに関するデータとして(アルバムの縦サイズ・横サイズ、模様、背景画像)と、コンテンツとなる画像データを配置する画像枠の位置・サイズに関するデータ、文字列データを表示する文字枠の位置・サイズに関するデータを持っている。テンプレートは印刷商材、例えばアルバムやポスター、チラシ毎に存在し、画像データ等のコンテンツをテンプレート中の画像枠にレイアウトすることで容易に印刷物が作成できる。
【0016】
テンプレートの一例を図5に示す。図5中の各テンプレートはアルバム用のテンプレートであり、一つのアルバムは複数のテンプレートを用いて作成されることが望ましい。これらのテンプレートには、画像が埋め込まれる画像枠501が任意の数だけ存在する。画像枠501はテンプレートにおける左上を座標(0,0)として、その位置を座標情報として規定されている。502はテンプレートが有する背景画像であり、画像枠501にレイアウトする画像データの撮影位置と関連付けられる様なランドマークや地域の画像である。503は、テンプレートを装飾する文字データであり、例えば地域の名称や施設の名称が付されている。例えば、図5中のテンプレート1は、「TT」エリアで撮影した画像データを差し込むためのテンプレートである。テンプレート2は、「JAPAN」エリアで撮影した画像データを差し込むためのテンプレートである。テンプレートには、地域や施設等を表すための絵や幾何学模様などのデザインが処されている。
【0017】
以上説明した本実施例における情報処理装置の構成を用いた動作について説明する。まず、上述のテンプレートに対して、どのような位置範囲で撮影された画像に適用できるかを示す位置情報を付与する処理を説明する。
【0018】
情報処理装置11において行うテンプレート位置情報設定処理を示すフローを図8に示す。また、図9は表示部631によって表示されるテンプレート位置情報設定画面の一例である。図8に示すフローにおいて、まずS81において、情報処理装置11は、記憶部601によって、記憶装置17に保持したテンプレートの一覧をRAM112に展開し、表示部631はテンプレートを一覧表示する。S82において、情報処理装置11は入力装置16によって入力されたユーザ操作に基づき、位置情報を付与するテンプレートを選択する。S83において表示部631は、選択されたテンプレートに位置情報を設定するために地図を表示する。また、S83において、表示部631は、テンプレートに位置情報を設定するため、ユーザ操作に基づき地図を拡大、縮小(縮尺サイズの変更)して表示することができる。
【0019】
続く、S84において、付与部632は、S83に表示された地図への位置情報設定の入力により、選択されたテンプレートに位置情報を設定する。この設定された位置情報は、テンプレートデータ中に書き加えられてもよいし、テンプレートとは別のデータとして、テンプレートと関連付けて保持するように構成しても良い。S85において、取得部633は位置情報を設定した際に用いた地図の縮尺サイズから範囲レベル情報を取得する。ここで、範囲レベルとは、テンプレートに付与された適用可能範囲に基づき、その位置範囲の規模、程度を段階づけた時のその段階の度合いをいう。本実施例において、範囲レベルは位置情報を設定した際に用いた地図の縮尺サイズに対応する。取得部633は、位置情報を設定した際に用いた地図の縮尺サイズを取得し、テンプレートデータ中に書き加えるか、別のデータとして、テンプレートと関連付けて保持する。なお、範囲レベルは縮尺サイズに限ったものではなく、適用可能範囲の面積情報や適用可能範囲の最長直線距離等の適用可能範囲の規模を示す事項と対応させ規定しても構わない。
【0020】
S86において、情報処理装置11は、ユーザがテンプレート位置情報設定処理をさらに続行するかを判断する。さらに、位置情報を付与するテンプレートがある場合は、S82からS85を繰り返しテンプレートに位置情報を付与する。そして、表示部631によって表示される不図示の「終了ボタン」への入力があった場合は、テンプレート位置情報設定処理を終了する。
【0021】
ここで、図9を用いて上述したテンプレート位置情報設定処理をさらに詳細に説明する。
図9はモニタ15上に表示されるテンプレート位置情報設定画面である。図9(a)の例において、901はテンプレート位置情報設定画面であり、地図表示部908にS83において表示される地図上へのユーザ入力によりテンプレートに位置情報を設定することができる。902はS81において表示されるテンプレートの一覧表示部である。903は一覧表示部902に表示されているテンプレート一覧のそれぞれの名称を示す名称部903である。904は、移動ボタン904であり、地図表示部908に表示される地図の表示位置(表示範囲)を変更することが出来る。905は、縮尺サイズ表示部であり、地図表示部908に現在表示されている地図の縮尺サイズを表示する。906は、縮尺変更部であり、縮尺変更部906の操作により地図表示部908に表示される地図の縮尺を変更できる。なお、縮尺サイズ表示部905は縮尺変更部906の操作に連動して表示を変更する。907は、位置情報を付与されたテンプレートであり、地図上のその設定された位置に重なるように地図表示部908上にサムネイルとして表示される。909は選択部であり、位置情報を設定するテンプレートをテンプレート一覧表示部902に表示されているテンプレートから識別可能にそのテンプレートに選択枠を設けている。S82により位置情報を設定したいテンプレートをテンプレート一覧表示部902より選択すると選択されたテンプレートに選択部909が表示される。
【0022】
ここで、S84に示す位置情報設定処理について説明する。選択されたテンプレートを地図表示部908上の地図にドラック&ドロップ操作するとそのドロップアウトしたテンプレートの中心位置が最適位置(所定の位置)として設定される。ユーザはテンプレートの背景画像や文字情報からドロップアウトする位置を決めることが出来る。例えば、背景画像が撮影された位置や背景画像によって示されたランドマークの所在地を最適位置(所定の位置)と設定すればよい。なお、後述する適用可能範囲の範囲内に最適位置が含まれている。
【0023】
そして、付与部632は設定された最適位置の座標位置情報を取得し位置情報として保存する。また、表示部631は設定した最適位置の場所にそのテンプレートのサムネイルを表示する。さらに、位置情報設定処理においてテンプレートに適用できる画像データの撮影位置の範囲である適用可能範囲を設定する。適用可能範囲を設定する場合、地図表示部908上のサムネイル907を拡大縮小することにより、そのサムネイル907の地図上の範囲を適用可能範囲と設定することが出来る。
【0024】
なお、サムネイルを拡大縮小するのではなく矩形を地図上に描画することで適用可能範囲として設定する構成としても良い。テンプレート位置情報設定画面において、適用可能範囲を設定する場合に矩形を地図上に描画した例を図9(b)に示す。910は、適用可能範囲である。
【0025】
S85においては、取得部633は位置情報を設定した際に用いた地図の縮尺サイズを範囲レベル情報として取得する。図9の例においては縮尺サイズ表示部905によって表示される縮尺サイズを位置情報を設定したテンプレートと関連付けてRAM112等の記憶装置に保持する。以上のように設定したテンプレートに付与された位置情報を情報処理装置11はテンプレートと関連付けて保持する。このように、テンプレートに付与された適用可能範囲に基づき、範囲レベルを設定することにより、アルバム作成に用いる画像データの撮影位置に応じてそれぞれの画像に同一の範囲レベルのテンプレートを推奨することが可能となる。
【0026】
ここで、テンプレート位置情報設定処理の結果としてのデータであり、情報処理装置11によって生成され、記憶装置17に保持された位置情報とテンプレートを関連付けたテンプレート位置情報設定テーブルの一例を図7に示す。701はテンプレートIDであり、名称やファイル名やアドレスによりテンプレートを識別するためのIDである。702は、S85によって範囲レベル情報として取得されたテンプレート位置情報設定において使用した地図の縮尺を示す。703は最適位置の座標位置情報である。704は、適用可能範囲情報であり、長方形の左上の点と右上の点の2点を規定している。なお、この規定された長方形の範囲内に最適位置が含まれている。また、本実施例では、長方形を用いて適用可能範囲情報を規定しているがこれに留まらず複数の点を用いて適用可能範囲情報を規定してもよい。さらに、テンプレート位置情報設定として、除外位置情報も設定することが可能である。除外位置とは、除外位置で撮影された画像データをその除外位置を設定されたテンプレートに対しては使用できないことを定めるものである。この設定方法は、テンプレート位置情報の設定と同様のテンプレート位置情報設定画面により設定することが可能である。説明した図7に示すテンプレート位置情報設定テーブルは続いて説明するアルバム作成処理において利用される。
【0027】
以上説明したテンプレート位置情報設定処理により、テンプレートに対して、どのような位置範囲で撮影された画像に適用するかを示す位置情報を付与する。したがって、アルバム作成に用いる画像の撮影位置に応じて、テンプレートを推奨することができる。また、同様にテンプレートに範囲レベルを設定することでアルバム作成に用いる複数の画像
の撮影位置に応じて、それぞれの画像に同一の範囲レベルのテンプレートを推奨することが可能となる。
【0028】
続いて、位置情報を設定したテンプレートを用いた本実施例におけるアルバム作成処理を図10に示すフローチャートを参照して説明する。S1001において、情報処理装置11は、アルバム作成に使用する画像データの取得を行う。情報処理装置11は、記憶装置17に保持されている画像データから印刷物で使用する画像データを選択する。この画像データを選択する処理はユーザが指定することも可能であり、また、画像データから撮影状況(ブレが発生していないか、赤目になっていないか)を解析して自動的に画像データを選択することも可能である。S1002において、解析部602はアルバムに掲載する画像データのメタデータを解析し、撮影位置や撮影時間等の撮影情報を取得する。上述した図2に示すような撮影情報が記されたメタデータを解析し、取得した撮影情報をその画像データと対応付けRAM112等の記憶装置に保持する。
【0029】
続いて、S1003において、情報処理装置11は、S1001において選択され取得された画像データ全ての撮影情報を取得したかを判定する。全ての画像データについて、撮影情報を取得していないと判定された場合、S1004において次の画像データを読み込み、S1002の処理を繰り返す。全ての画像データの撮影情報を取得した場合は、S1005に進む。
【0030】
S1005において、解析部602は取得した全ての画像データの撮影位置情報より、画像データの範囲レベルを取得する。画像データの範囲レベルの取得方法を図3を用いて説明する。図3はアルバムに掲載する6つの画像データの撮影時間や撮影場所等の撮影情報を示した図である。また、図3に示すようなテーブルデータがS1002の処理を繰り返すことでRAM112等に作成される。図3において301は画像データのファイル名であり、302は撮影時間、303は撮影場所の緯度、304は撮影場所の経度である。まず、解析部602は全ての画像データをその撮影日時によりソートを行う。図3(a)の例では、撮影順はA⇒B⇒C⇒D⇒E⇒Fとなる。
【0031】
そして、解析部602は撮影順における撮影位置間の距離、例えばAとBの距離、BとCの撮影位置間の距離を算出する。この撮影場所の2点間の撮影位置間の距離は、「ヒュベニの距離計算式(式1)」より取得される。
D=sqrt((M*dP)*(M*dP)+(N*cos(P)*dR)*(N*cos(P)*dR)) (式1)
ここで(式1)中のDは2点間の距離(m)、Pは2点の平均緯度、dPは2点の緯度差、dRは2点の経度差、Mは子午線曲率半径、Nは卯酉線曲率半径である。また、M(子午線曲率半径)は(式2)により求めることが出来る。
M=6334834/sqrt((1−0.006674*sin(P)*sin(P))^3 (式2)
また、N(卯酉線曲率半径)は(式3)により求めることができる。
N=6377397/sqrt((1−0.006674*sin(P)) (式3)
【0032】
以上のように(式1)〜(式3)を用いて、解析部602は撮影順による撮影場所の各2点間の距離を算出し、取得する。例えば、図3に示すファイル名「A」とファイル名「B」の2点間の距離を求める場合、解析部602は、「A」は『緯度38度38分9.23秒』、『経度139度52分42.6秒』の位置で撮影されているとメタデータを解析し取得する。同様に「B」は『緯度38度38分1.34秒』、『経度139度52分44.1秒』の位置で撮影されているとメタデータを解析し取得する。解析部602は、取得した位置座標を(式1)に当てはめ、D=246.082(m)との算出結果を得る。
【0033】
そして、S1006において、解析部602は、入力された画像データの撮影順における撮影場所の2点間の距離をそれぞれ求め、撮影順による撮影場所の各2点間の距離のうち一番大きい距離を求める。続く、S1007において、解析部602はS1006で求めた距離から画像範囲レベルを取得する。画像範囲レベルとは、テンプレートに設定した範囲レベルとアルバム作成に用いる画像データの撮影を行った位置範囲の規模とを対応させ判定するための度合いである。ここで、図4は2点間距離と地図の縮尺サイズとの対応表である。
【0034】
例えば、上記のファイル名「A」とファイル名「B」の2点間の距離D=246.082(m)の場合、図4より(100m〜250m)の範囲のため、対応する縮尺サイズは『1/9000』となり、この縮尺サイズを画像範囲レベルと判定する。このように、入力された画像データの撮影順による撮影場所の各2点間の距離のうち一番大きい距離により、対応する画像範囲レベルを求める。撮影場所の各2点間の距離のうち一番大きい距離により、画像範囲レベルを求めることで全ての画像に同一の範囲レベルを設定することが出来る。
【0035】
続く、S1008において、検索部605は、テンプレートの候補を提示する画像データをS1001において取得した画像データからユーザの選択に基づき画像データを指定する。S1009において、検索部605は、指定された画像データのS1002により取得した撮影位置情報をRAM112等から取得する。S1010において、検索部605は、取得した撮影位置を適用可能範囲に含むテンプレートを検索し、候補テンプレートとして決定する。
【0036】
S1011において、評価部606は、候補テンプレートの縮尺サイズとS1007において取得した画像範囲レベルとしての縮尺サイズとの比較を行う。まず、評価部606は、画像範囲レベルとしての縮尺サイズとテンプレートの範囲レベルとしての縮尺サイズが一致するテンプレートを第一候補群と分類する。評価部606は、画像範囲レベルの縮尺サイズよりも小さい(適用可能範囲が狭い)縮尺サイズをもつテンプレートを第二候補群、大きい(適用可能範囲が広い)縮尺サイズをもつテンプレートを第三候補群と分類する。
【0037】
図3に示す画像データと、図7に示すテンプレート位置情報とを用いて説明する。図3に示す画像ファイル「A」がS1008において選択されたとする。また、入力画像「A」〜「F」の画像範囲レベルである縮尺サイズはS1005〜S1007により『1/9000』でる。S1009により画像ファイル「A」の撮影位置情報の『緯度38度38分9.23秒』、『経度139度52分42.6秒』が取得される。S1010により、図7に示すテンプレート位置情報の適用可能範囲を参照する。
【0038】
画像ファイル「A」の撮影位置『緯度38度38分9.23秒』、『経度139度52分42.6秒』を適用可能範囲に含むテンプレートは、1、2、5、7、9、16であり、これらを候補テンプレートとして決定する。続いて、入力画像「A」〜「F」の画像範囲レベルである縮尺サイズ『1/9000』を範囲レベルとして持つ候補テンプレーテンプレートは7と9であり、これらを第一候補群と分類する。画像縮尺サイズ『1/9000』より小さい縮尺サイズの範囲レベルを持つ候補テンプレートは、テンプレート16であり、テンプレート16を第二候補群とする。縮尺サイズ『1/9000』より大きい縮尺サイズの範囲レベルを持つ候補テンプレートは、テンプレート1、2、5であり、テンプレート1、2、5を第三候補群とする。
【0039】
続いて、S1012において、評価部606は候補テンプレートのそれぞれを評価し順位付けを行う。候補テンプレートの評価は、候補群毎に候補テンプレートの最適位置と画像データの撮影位置情報を用いて2つの距離を取得し、この2つの距離が近いテンプレートほど高い評価とする。この距離は上記(式1)を用いることで取得する。これにより、候補群毎に順位を決定する。例えば、図3に示す画像データと、図7に示すテンプレートを用いた場合の候補テンプレートの最適位置と画像データ「A」の撮影位置との距離は
第一候補群:テンプレート7 373.588(m)
第一候補群:テンプレート9 373.588(m)
第二候補群:テンプレート16 14.009(m)
第三候補群:テンプレート1 35,195.732(m)
第三候補群:テンプレート2 35,195.732(m)
第三候補群:テンプレート5 22,431.567(m)
なお、本実施例において第一候補群>第二候補群>第三候補群の順で評価が高く算出されることとする。したがって、候補テンプレートの順位は、7=9⇒16⇒5⇒1=2の順となる。評価部606は、この結果をRAM112等の記憶装置に保持する。
【0040】
S1013において、情報処理装置11はテンプレートの自動選択を行うか判断する。S1013における判断は、ユーザからの入力に基づき、テンプレートの自動選択が設定されているかを判断する。自動選択を行う場合は、S1014に移行し候補順位の高いテンプレートを出力部607を介してモニタ15等に出力し、テンプレートが選択されたことをユーザに提示する(S1016)。なお、評価が同じテンプレートが複数ある場合は、S1016において、情報処理装置11は出力部607を介してモニタ15等に複数のテンプレートを出力し、ユーザの入力による選択を受け付けつける。なお、ユーザの選択ではなく、IDの若い順や他の画像に既に適用されているかの情報により、情報処理装置11において自動で選択する構成としても良い。
【0041】
S1013において、テンプレートの自動選択が行われない場合は、S1017において評価が高い順に候補テンプレート一覧を出力部607を介してモニタ15等に出力して表示する。評価が高い順に候補テンプレート一覧を表示するのでユーザは一見して評価を識別可能である。また、評価を識別可能に表示するため評価が高いテンプレートに枠を設けて表示したり、評価に応じて色別の枠を設けたりして評価を識別可能に構成しても良い。そして、S1018において、ユーザの入力による選択を受け付ける。
【0042】
S1019において、選択されたテンプレートと画像データの合成を行う。S1020において、情報処理装置11は、選択されたテンプレートの全ての画像枠に対して画像が合成されているかを判定する。選択されたテンプレートの全ての画像枠に対して画像が合成されていない場合、S1021に進む。S1021において、情報処理装置11は、S1001において取得した画像データのうち何れのテンプレートにもレイアウトされていない画像データを取得する。取得した画像データそれぞれの撮影位置を取得し、選択されたテンプレートの適用可能範囲内であり、かつ最適位置と画像データの撮影位置が近い順に画像データをユーザに提示する。そして、ユーザの選択を受け付け、選択された画像を画像枠に配置し合成を行う。選択されたテンプレートの全ての画像枠に対して画像が合成されるまでS1021の処理は繰り返される。
【0043】
選択されたテンプレートの全ての画像枠に対して画像が合成された場合、S1022において、情報処理装置11は、S1001において入力された画像全てに対してテンプレートが決定されているかの判断を行う。まだ全ての画像に対してテンプレートが選択されていない場合はS1008へ戻り、以降の処理を再び実行する。全ての画像に対してテンプレートが選択されている場合、S1023において、作成部608は、S1019、S1021において画像を配置した全てのテンプレートをアルバム印刷データとして生成し、出力部607によって、例えばプリンタ14等に出力する。
【0044】
以上、本実施例によれば、アルバムに用いる複数の画像の撮影位置間の距離を取得し、
その撮影位置間の距離に基づいて、所定の位置範囲(範囲レベル)を判定し、判定された所定の位置範囲が設定されているテンプレートを指定された画像をレイアウトするテンプレートとして選択し、ユーザに推奨する。したがって、アルバム作成に用いる複数の画像の撮影位置に基づき、それぞれの画像に対して、範囲レベルが統一なテンプレートを第一候補として提示し推奨する。したがって、ユーザは推奨されたテンプレートを用いれば距離間や位置範囲のレベルに全体として統一感があるテンプレートを用いたアルバムを作成することが出来る。また、撮影順における撮影位置間の距離のうち最も大きい距離を画像範囲レベルとして用いるので、撮影における移動規模を考慮した範囲レベルが統一なテンプレートを各画像に対して提示できる。例えば、ヨーロッパ各国を撮影した画像を用いて一つのアルバムを作成する際は、各国で撮影された画像に対して、それぞれの国を象徴するようなテンプレートが推奨される。すなわち、旅行規模を反映したテンプレートの推奨を行うことが出来る。
【0045】
また、候補テンプレートの評価を行い、最も評価が高いテンプレートを自動選択することも可能なのでユーザの負担が軽減されつつもアルバム全体で統一感のある範囲レベルのテンプレートを用いたアルバムを作成することが出来る。
【0046】
なお、本実施例において、テンプレートへの位置情報をアルバムを作成するユーザが付与する構成としたが、事前に第3者が位置情報を付与したテンプレートを用いてアルバムを作成する構成としても良い。
【0047】
なお、テンプレート位置情報は緯度・経度情報を用いたがこれに留まらない。テンプレート位置情報の範囲情報を住所を用いて規定する構成としても良い。図11に住所を用いたテンプレート位置情報を示す。なお、図11に示す各テンプレートは位置座標を用いた図11の各テンプレートと同一である。1101は適用可能範囲を住所で表現している例である。位置座標情報と住所の変換テーブルをさらに保持することで、上述したS1010に示すテンプレート検索処理等が実行できる。このように構成することで、範囲レベル情報を「町」、「区」、「市」、「県」等の単位で表現することが出来る。
【0048】
[その他の実施例]
実施例1において、アルバムを作成するユーザは情報処理装置11を操作する構成としたが、情報処理装置11をWebサーバとして動作可能に構成することも可能である。この場合、ネットワーク12と接続されている外部PC13をWebクライアント装置とし、アルバムを作成するユーザは外部PC13から情報処理装置11にアクセスする。情報処理装置11は、実施例1において入力装置16から入力された情報をリクエストとして受信し、モニタ15に出力されていた情報を外部PC13にレスポンスとして送信することでアルバム作成を実行可能となる。
【0049】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルバムを作成する際のテンプレートを選択する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介してデジタルカメラ等で撮影した画像を登録し、その登録した画像を用いてアルバム(フォトブック)を作成し、印刷注文ができるサービスが知られている。このようなサービスを用いて、アルバムを作成する際には、ユーザは予め用意されたテンプレートを用いてアルバムの作成が可能である。このテンプレートは、画像の見栄えを良くするために背景画等の装飾や画像の配置位置等のレイアウト情報を有している。したがって、ユーザはテンプレートを選択することでアルバムのデザインやレイアウトに掛かる作業を簡便に済ますことできる。また、アルバムにレイアウトする画像に適した表紙テンプレートを自動的に作成する従来技術がある(特許文献1)。特許文献1は、アルバムに用いる画像データのメタデータ(撮影者、撮影日時、撮影場所)とテンプレートの背景画像となる画像ファイルに割り当てられた複数のキーワードとを比較を行う。そして、メタデータと一致するキーワードを有する画像ファイルを用いて表紙テンプレートを作成するものである。このような従来技術によりユーザはテンプレートを選択する手間を簡便化し容易にアルバムを作成することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開 2003−37731
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の表紙テンプレートを作成する技術をアルバムにレイアウトする画像をレイアウトするテンプレートの作成に適用した場合、画像個々には適切なテンプレートを作成できるものの、アルバム全体の統一感を考慮したテンプレートを作成し難い。例えば、旅行中に撮影した画像を用いてアルバムを作成すると、旅行の規模に応じて個々の画像に適用するテンプレートは変化するべきである。例えば、ヨーロッパ各国を旅行し、各国で撮影した画像をそれぞれ選択しアルバムに用いるとすると、撮影場所の国を象徴するようなテンプレートを用いた方がアルバム全体としての統一感がある。一方、1カ国のみで撮影した画像でアルバムを作成する場合は撮影した地域を象徴するようなテンプレートを画像個々に使用するべきである。
【0005】
特許文献1記載の従来技術によりアルバムに用いる画像データの撮影場所をキーワードとしてテンプレートを作成した場合、アルバムに用いる他の画像データの撮影位置を考慮しない。したがって、アルバム全体の統一感を考慮したテンプレートの推奨としては改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みて、アルバム全体として統一感が出るように画像を配置するテンプレートを選択できるようにすることを目的とする。課題を解決するための手段として、画像を配置するテンプレートを選択する情報処理装置であって、複数の画像の撮影位置間の距離を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記撮影位置間の距離に基づいて、所定の位置範囲を判定する判定手段と、前記複数の画像のいずれかを指定する指定手段と、前記指定された画像の撮影位置を含み前記所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートを前記選択された画像を配置するテンプレートとして選択する選択手段とを有することを特徴とする情報処理装置を提供することにある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、位置範囲に統一感があるアルバムを作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例における情報処理装置の概略構成を示すブロック図の一例である。
【図2】画像データのメタデータとして付された撮影情報の一例を示す図である。
【図3】アルバム作成に用いる画像データの撮影情報を示すテーブルデータの一例を示す図である。
【図4】縮尺サイズと距離の対応を示す図である。
【図5】実施例で用いるテンプレートの一例を示す。
【図6】実施例における情報処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【図7】テンプレート位置情報設定テーブルの一例を示す図である。
【図8】テンプレート位置情報設定処理を示すフローチャートである。
【図9】テンプレート位置情報設定画面の一例を示す図である。
【図10】アルバム作成処理を示すフローチャートのである。
【図11】テンプレート位置情報設定テーブルの他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施例1]
以下、本発明を適用した実施例を説明する。まず、図1を用いて本実施例に用いる後述するテンプレート位置情報設定処理や印刷物作成処理を実行する情報処理装置11の構成を説明する。本実施例に用いる情報処理装置11は入力された画像データからアルバム(フォトブック)を作成することが可能で、作成したアルバムを印刷データとして生成し出力することができる。また、アルバムを作成する際に使用するテンプレートをユーザに推奨し、候補として提示することができる。情報処理装置11は、CPU113と、RAM112と、ROM111を有する。また、情報処理装置11は、プリンタ14、モニタ15、入力装置16、記憶装置17、ネットワーク12やその他外部装置と接続するための入出力インターフェース(不図示)を有する。CPU113は中央演算処理装置であり、記憶装置17またはROM111に記憶されているオペレーションシステムプログラムを実行することにより情報処理装置11全体の制御を行う。また、CPU113は、ROM111に記憶されている制御プログラムをRAM112にロードし実行することにより、後述する各情報処理装置11の機能構成の実現や情報の演算や加工、各ハードの制御し各処理実行する。ROM111は読み出し専用メモリであり、各種制御プログラムが記憶されている。RAM112はランダムアクセスメモリであり、CPU113のワークメモリである。
【0010】
ネットワーク12は、情報処理装置11、外部PC13と接続されており、接続されているそれぞれとで情報の伝達を行うための通信網である。外部PC13はネットワーク12を介して情報処理装置11と接続可能で、データの送受信を行う。プリンタ14は、情報処理装置11において作成され出力された印刷物を印刷するためのプリンタである。なお、プリンタ14はネットワーク12に接続されていてもよい。モニタ15は、情報処理装置11において出力された画像情報を表示する表示装置である。入力装置16は、情報処理装置11に入力を行うためのキーボードやポインティングデバイス等の入力装置である。記憶装置17は、画像データやテンプレートなどを保存するHDD等の記憶装置である。
【0011】
図6は、情報処理装置11を示す機能ブロック図である。情報処理装置11は、記憶部601、解析部602、設定部630、入力部604、検索部605、評価部606、出力部607、作成部608とを有す。記憶部601は、撮影位置情報や撮影日時などの撮影情報をメタデータとして有す画像データやRAM112や記憶装置17に記憶する制御を行う。また、テンプレートおよびそのテンプレートに付与した位置情報を関連付けてRAM112や記憶装置17に記憶する。解析部602は、画像データのメタデータを解析し、撮影位置や撮影日時等の撮影情報を取得する。設定部630は、適用可能な画像の撮影範囲や位置等の位置情報をテンプレートに設定し付与する。さらに、設定部630は表示部631、付与部632、取得部633により構成される。表示部631は後述する図9に示すテンプレート位置情報設定画面を表示し、位置情報をテンプレートに設定する際のUIを表示する。付与部632は、ユーザの入力に基づき、テンプレートに位置情報を付与する。取得部633は、付与部632により設定された位置情報に基づき、後述する範囲レベル情報を取得する。
【0012】
続いて、検索部605は、各テンプレートに設定された位置情報とアルバム作成に用いる画像の撮影位置情報から、アルバム作成に用いる各画像に対して推奨するテンプレートの候補を検索する。評価部606は、検索部605によって取得された画像に対するテンプレート候補のそれぞれの評価を行う。出力部607は、入出力インターフェース(不図示)を介して接続されている装置に対して各種データを出力する制御を行う。作成部608は、アルバム作成に用いる画像データをテンプレートに合成(配置)を行う。また、全ての入力されたアルバムに用いる画像データのテンプレートへの配置が終了した際には印刷データの作成を行う。
【0013】
ここで、記憶装置17に予め格納されている画像データとテンプレートについて説明する。本実施例においてアルバム作成に用いる画像データにはメタデータとして撮影位置情報、撮影日時等の撮影情報が付与されている。本実施例において、画像データはExif(Exchangeable image file format)によって構成されている。画像データの撮影位置を示す情報の一例として例えば図2(a)に示すように、画像データ21のバイナリ末尾もしくは先頭にXML(Extensible Markup Language)言語22によって記述される。
【0014】
さらに、図2(b)は情報処理装置11によって、メタデータが読み込まれた場合に作成される「メタデータテーブル」を模式的に表した図である。メタデータテーブルは画像データの識別子である画像データID24と、画像データID24のメタデータに記載された情報の「キー」25とそのキー25の「値」26によって構成される。図2(b)の場合、撮影位置情報はキー25の「GPSLatitudeRef」が北緯/南緯を示し、「GPSLatitude」が緯度の数値を示し、「GPSLogitudeRef」が東経/西経を示し「GPSLogitude」が経度の数値を示す。図2(b)に示す画像データ「image1」の場合、北緯38度37分52.36秒、東経139度52分47.6秒で撮影されたとの位置情報を有している。このような撮影情報はGPS(Global Positioning System)等の位置情報の取得機能を有している撮像装置により撮像した画像データに付与する。
【0015】
続いて、本実施例で用いるテンプレートについて説明する。テンプレートとは、予めデザイン等の設定がなされ、コンテンツをどのように配置し表示させるかを示す台紙データ(雛型)である。デザインに関するデータとして(アルバムの縦サイズ・横サイズ、模様、背景画像)と、コンテンツとなる画像データを配置する画像枠の位置・サイズに関するデータ、文字列データを表示する文字枠の位置・サイズに関するデータを持っている。テンプレートは印刷商材、例えばアルバムやポスター、チラシ毎に存在し、画像データ等のコンテンツをテンプレート中の画像枠にレイアウトすることで容易に印刷物が作成できる。
【0016】
テンプレートの一例を図5に示す。図5中の各テンプレートはアルバム用のテンプレートであり、一つのアルバムは複数のテンプレートを用いて作成されることが望ましい。これらのテンプレートには、画像が埋め込まれる画像枠501が任意の数だけ存在する。画像枠501はテンプレートにおける左上を座標(0,0)として、その位置を座標情報として規定されている。502はテンプレートが有する背景画像であり、画像枠501にレイアウトする画像データの撮影位置と関連付けられる様なランドマークや地域の画像である。503は、テンプレートを装飾する文字データであり、例えば地域の名称や施設の名称が付されている。例えば、図5中のテンプレート1は、「TT」エリアで撮影した画像データを差し込むためのテンプレートである。テンプレート2は、「JAPAN」エリアで撮影した画像データを差し込むためのテンプレートである。テンプレートには、地域や施設等を表すための絵や幾何学模様などのデザインが処されている。
【0017】
以上説明した本実施例における情報処理装置の構成を用いた動作について説明する。まず、上述のテンプレートに対して、どのような位置範囲で撮影された画像に適用できるかを示す位置情報を付与する処理を説明する。
【0018】
情報処理装置11において行うテンプレート位置情報設定処理を示すフローを図8に示す。また、図9は表示部631によって表示されるテンプレート位置情報設定画面の一例である。図8に示すフローにおいて、まずS81において、情報処理装置11は、記憶部601によって、記憶装置17に保持したテンプレートの一覧をRAM112に展開し、表示部631はテンプレートを一覧表示する。S82において、情報処理装置11は入力装置16によって入力されたユーザ操作に基づき、位置情報を付与するテンプレートを選択する。S83において表示部631は、選択されたテンプレートに位置情報を設定するために地図を表示する。また、S83において、表示部631は、テンプレートに位置情報を設定するため、ユーザ操作に基づき地図を拡大、縮小(縮尺サイズの変更)して表示することができる。
【0019】
続く、S84において、付与部632は、S83に表示された地図への位置情報設定の入力により、選択されたテンプレートに位置情報を設定する。この設定された位置情報は、テンプレートデータ中に書き加えられてもよいし、テンプレートとは別のデータとして、テンプレートと関連付けて保持するように構成しても良い。S85において、取得部633は位置情報を設定した際に用いた地図の縮尺サイズから範囲レベル情報を取得する。ここで、範囲レベルとは、テンプレートに付与された適用可能範囲に基づき、その位置範囲の規模、程度を段階づけた時のその段階の度合いをいう。本実施例において、範囲レベルは位置情報を設定した際に用いた地図の縮尺サイズに対応する。取得部633は、位置情報を設定した際に用いた地図の縮尺サイズを取得し、テンプレートデータ中に書き加えるか、別のデータとして、テンプレートと関連付けて保持する。なお、範囲レベルは縮尺サイズに限ったものではなく、適用可能範囲の面積情報や適用可能範囲の最長直線距離等の適用可能範囲の規模を示す事項と対応させ規定しても構わない。
【0020】
S86において、情報処理装置11は、ユーザがテンプレート位置情報設定処理をさらに続行するかを判断する。さらに、位置情報を付与するテンプレートがある場合は、S82からS85を繰り返しテンプレートに位置情報を付与する。そして、表示部631によって表示される不図示の「終了ボタン」への入力があった場合は、テンプレート位置情報設定処理を終了する。
【0021】
ここで、図9を用いて上述したテンプレート位置情報設定処理をさらに詳細に説明する。
図9はモニタ15上に表示されるテンプレート位置情報設定画面である。図9(a)の例において、901はテンプレート位置情報設定画面であり、地図表示部908にS83において表示される地図上へのユーザ入力によりテンプレートに位置情報を設定することができる。902はS81において表示されるテンプレートの一覧表示部である。903は一覧表示部902に表示されているテンプレート一覧のそれぞれの名称を示す名称部903である。904は、移動ボタン904であり、地図表示部908に表示される地図の表示位置(表示範囲)を変更することが出来る。905は、縮尺サイズ表示部であり、地図表示部908に現在表示されている地図の縮尺サイズを表示する。906は、縮尺変更部であり、縮尺変更部906の操作により地図表示部908に表示される地図の縮尺を変更できる。なお、縮尺サイズ表示部905は縮尺変更部906の操作に連動して表示を変更する。907は、位置情報を付与されたテンプレートであり、地図上のその設定された位置に重なるように地図表示部908上にサムネイルとして表示される。909は選択部であり、位置情報を設定するテンプレートをテンプレート一覧表示部902に表示されているテンプレートから識別可能にそのテンプレートに選択枠を設けている。S82により位置情報を設定したいテンプレートをテンプレート一覧表示部902より選択すると選択されたテンプレートに選択部909が表示される。
【0022】
ここで、S84に示す位置情報設定処理について説明する。選択されたテンプレートを地図表示部908上の地図にドラック&ドロップ操作するとそのドロップアウトしたテンプレートの中心位置が最適位置(所定の位置)として設定される。ユーザはテンプレートの背景画像や文字情報からドロップアウトする位置を決めることが出来る。例えば、背景画像が撮影された位置や背景画像によって示されたランドマークの所在地を最適位置(所定の位置)と設定すればよい。なお、後述する適用可能範囲の範囲内に最適位置が含まれている。
【0023】
そして、付与部632は設定された最適位置の座標位置情報を取得し位置情報として保存する。また、表示部631は設定した最適位置の場所にそのテンプレートのサムネイルを表示する。さらに、位置情報設定処理においてテンプレートに適用できる画像データの撮影位置の範囲である適用可能範囲を設定する。適用可能範囲を設定する場合、地図表示部908上のサムネイル907を拡大縮小することにより、そのサムネイル907の地図上の範囲を適用可能範囲と設定することが出来る。
【0024】
なお、サムネイルを拡大縮小するのではなく矩形を地図上に描画することで適用可能範囲として設定する構成としても良い。テンプレート位置情報設定画面において、適用可能範囲を設定する場合に矩形を地図上に描画した例を図9(b)に示す。910は、適用可能範囲である。
【0025】
S85においては、取得部633は位置情報を設定した際に用いた地図の縮尺サイズを範囲レベル情報として取得する。図9の例においては縮尺サイズ表示部905によって表示される縮尺サイズを位置情報を設定したテンプレートと関連付けてRAM112等の記憶装置に保持する。以上のように設定したテンプレートに付与された位置情報を情報処理装置11はテンプレートと関連付けて保持する。このように、テンプレートに付与された適用可能範囲に基づき、範囲レベルを設定することにより、アルバム作成に用いる画像データの撮影位置に応じてそれぞれの画像に同一の範囲レベルのテンプレートを推奨することが可能となる。
【0026】
ここで、テンプレート位置情報設定処理の結果としてのデータであり、情報処理装置11によって生成され、記憶装置17に保持された位置情報とテンプレートを関連付けたテンプレート位置情報設定テーブルの一例を図7に示す。701はテンプレートIDであり、名称やファイル名やアドレスによりテンプレートを識別するためのIDである。702は、S85によって範囲レベル情報として取得されたテンプレート位置情報設定において使用した地図の縮尺を示す。703は最適位置の座標位置情報である。704は、適用可能範囲情報であり、長方形の左上の点と右上の点の2点を規定している。なお、この規定された長方形の範囲内に最適位置が含まれている。また、本実施例では、長方形を用いて適用可能範囲情報を規定しているがこれに留まらず複数の点を用いて適用可能範囲情報を規定してもよい。さらに、テンプレート位置情報設定として、除外位置情報も設定することが可能である。除外位置とは、除外位置で撮影された画像データをその除外位置を設定されたテンプレートに対しては使用できないことを定めるものである。この設定方法は、テンプレート位置情報の設定と同様のテンプレート位置情報設定画面により設定することが可能である。説明した図7に示すテンプレート位置情報設定テーブルは続いて説明するアルバム作成処理において利用される。
【0027】
以上説明したテンプレート位置情報設定処理により、テンプレートに対して、どのような位置範囲で撮影された画像に適用するかを示す位置情報を付与する。したがって、アルバム作成に用いる画像の撮影位置に応じて、テンプレートを推奨することができる。また、同様にテンプレートに範囲レベルを設定することでアルバム作成に用いる複数の画像
の撮影位置に応じて、それぞれの画像に同一の範囲レベルのテンプレートを推奨することが可能となる。
【0028】
続いて、位置情報を設定したテンプレートを用いた本実施例におけるアルバム作成処理を図10に示すフローチャートを参照して説明する。S1001において、情報処理装置11は、アルバム作成に使用する画像データの取得を行う。情報処理装置11は、記憶装置17に保持されている画像データから印刷物で使用する画像データを選択する。この画像データを選択する処理はユーザが指定することも可能であり、また、画像データから撮影状況(ブレが発生していないか、赤目になっていないか)を解析して自動的に画像データを選択することも可能である。S1002において、解析部602はアルバムに掲載する画像データのメタデータを解析し、撮影位置や撮影時間等の撮影情報を取得する。上述した図2に示すような撮影情報が記されたメタデータを解析し、取得した撮影情報をその画像データと対応付けRAM112等の記憶装置に保持する。
【0029】
続いて、S1003において、情報処理装置11は、S1001において選択され取得された画像データ全ての撮影情報を取得したかを判定する。全ての画像データについて、撮影情報を取得していないと判定された場合、S1004において次の画像データを読み込み、S1002の処理を繰り返す。全ての画像データの撮影情報を取得した場合は、S1005に進む。
【0030】
S1005において、解析部602は取得した全ての画像データの撮影位置情報より、画像データの範囲レベルを取得する。画像データの範囲レベルの取得方法を図3を用いて説明する。図3はアルバムに掲載する6つの画像データの撮影時間や撮影場所等の撮影情報を示した図である。また、図3に示すようなテーブルデータがS1002の処理を繰り返すことでRAM112等に作成される。図3において301は画像データのファイル名であり、302は撮影時間、303は撮影場所の緯度、304は撮影場所の経度である。まず、解析部602は全ての画像データをその撮影日時によりソートを行う。図3(a)の例では、撮影順はA⇒B⇒C⇒D⇒E⇒Fとなる。
【0031】
そして、解析部602は撮影順における撮影位置間の距離、例えばAとBの距離、BとCの撮影位置間の距離を算出する。この撮影場所の2点間の撮影位置間の距離は、「ヒュベニの距離計算式(式1)」より取得される。
D=sqrt((M*dP)*(M*dP)+(N*cos(P)*dR)*(N*cos(P)*dR)) (式1)
ここで(式1)中のDは2点間の距離(m)、Pは2点の平均緯度、dPは2点の緯度差、dRは2点の経度差、Mは子午線曲率半径、Nは卯酉線曲率半径である。また、M(子午線曲率半径)は(式2)により求めることが出来る。
M=6334834/sqrt((1−0.006674*sin(P)*sin(P))^3 (式2)
また、N(卯酉線曲率半径)は(式3)により求めることができる。
N=6377397/sqrt((1−0.006674*sin(P)) (式3)
【0032】
以上のように(式1)〜(式3)を用いて、解析部602は撮影順による撮影場所の各2点間の距離を算出し、取得する。例えば、図3に示すファイル名「A」とファイル名「B」の2点間の距離を求める場合、解析部602は、「A」は『緯度38度38分9.23秒』、『経度139度52分42.6秒』の位置で撮影されているとメタデータを解析し取得する。同様に「B」は『緯度38度38分1.34秒』、『経度139度52分44.1秒』の位置で撮影されているとメタデータを解析し取得する。解析部602は、取得した位置座標を(式1)に当てはめ、D=246.082(m)との算出結果を得る。
【0033】
そして、S1006において、解析部602は、入力された画像データの撮影順における撮影場所の2点間の距離をそれぞれ求め、撮影順による撮影場所の各2点間の距離のうち一番大きい距離を求める。続く、S1007において、解析部602はS1006で求めた距離から画像範囲レベルを取得する。画像範囲レベルとは、テンプレートに設定した範囲レベルとアルバム作成に用いる画像データの撮影を行った位置範囲の規模とを対応させ判定するための度合いである。ここで、図4は2点間距離と地図の縮尺サイズとの対応表である。
【0034】
例えば、上記のファイル名「A」とファイル名「B」の2点間の距離D=246.082(m)の場合、図4より(100m〜250m)の範囲のため、対応する縮尺サイズは『1/9000』となり、この縮尺サイズを画像範囲レベルと判定する。このように、入力された画像データの撮影順による撮影場所の各2点間の距離のうち一番大きい距離により、対応する画像範囲レベルを求める。撮影場所の各2点間の距離のうち一番大きい距離により、画像範囲レベルを求めることで全ての画像に同一の範囲レベルを設定することが出来る。
【0035】
続く、S1008において、検索部605は、テンプレートの候補を提示する画像データをS1001において取得した画像データからユーザの選択に基づき画像データを指定する。S1009において、検索部605は、指定された画像データのS1002により取得した撮影位置情報をRAM112等から取得する。S1010において、検索部605は、取得した撮影位置を適用可能範囲に含むテンプレートを検索し、候補テンプレートとして決定する。
【0036】
S1011において、評価部606は、候補テンプレートの縮尺サイズとS1007において取得した画像範囲レベルとしての縮尺サイズとの比較を行う。まず、評価部606は、画像範囲レベルとしての縮尺サイズとテンプレートの範囲レベルとしての縮尺サイズが一致するテンプレートを第一候補群と分類する。評価部606は、画像範囲レベルの縮尺サイズよりも小さい(適用可能範囲が狭い)縮尺サイズをもつテンプレートを第二候補群、大きい(適用可能範囲が広い)縮尺サイズをもつテンプレートを第三候補群と分類する。
【0037】
図3に示す画像データと、図7に示すテンプレート位置情報とを用いて説明する。図3に示す画像ファイル「A」がS1008において選択されたとする。また、入力画像「A」〜「F」の画像範囲レベルである縮尺サイズはS1005〜S1007により『1/9000』でる。S1009により画像ファイル「A」の撮影位置情報の『緯度38度38分9.23秒』、『経度139度52分42.6秒』が取得される。S1010により、図7に示すテンプレート位置情報の適用可能範囲を参照する。
【0038】
画像ファイル「A」の撮影位置『緯度38度38分9.23秒』、『経度139度52分42.6秒』を適用可能範囲に含むテンプレートは、1、2、5、7、9、16であり、これらを候補テンプレートとして決定する。続いて、入力画像「A」〜「F」の画像範囲レベルである縮尺サイズ『1/9000』を範囲レベルとして持つ候補テンプレーテンプレートは7と9であり、これらを第一候補群と分類する。画像縮尺サイズ『1/9000』より小さい縮尺サイズの範囲レベルを持つ候補テンプレートは、テンプレート16であり、テンプレート16を第二候補群とする。縮尺サイズ『1/9000』より大きい縮尺サイズの範囲レベルを持つ候補テンプレートは、テンプレート1、2、5であり、テンプレート1、2、5を第三候補群とする。
【0039】
続いて、S1012において、評価部606は候補テンプレートのそれぞれを評価し順位付けを行う。候補テンプレートの評価は、候補群毎に候補テンプレートの最適位置と画像データの撮影位置情報を用いて2つの距離を取得し、この2つの距離が近いテンプレートほど高い評価とする。この距離は上記(式1)を用いることで取得する。これにより、候補群毎に順位を決定する。例えば、図3に示す画像データと、図7に示すテンプレートを用いた場合の候補テンプレートの最適位置と画像データ「A」の撮影位置との距離は
第一候補群:テンプレート7 373.588(m)
第一候補群:テンプレート9 373.588(m)
第二候補群:テンプレート16 14.009(m)
第三候補群:テンプレート1 35,195.732(m)
第三候補群:テンプレート2 35,195.732(m)
第三候補群:テンプレート5 22,431.567(m)
なお、本実施例において第一候補群>第二候補群>第三候補群の順で評価が高く算出されることとする。したがって、候補テンプレートの順位は、7=9⇒16⇒5⇒1=2の順となる。評価部606は、この結果をRAM112等の記憶装置に保持する。
【0040】
S1013において、情報処理装置11はテンプレートの自動選択を行うか判断する。S1013における判断は、ユーザからの入力に基づき、テンプレートの自動選択が設定されているかを判断する。自動選択を行う場合は、S1014に移行し候補順位の高いテンプレートを出力部607を介してモニタ15等に出力し、テンプレートが選択されたことをユーザに提示する(S1016)。なお、評価が同じテンプレートが複数ある場合は、S1016において、情報処理装置11は出力部607を介してモニタ15等に複数のテンプレートを出力し、ユーザの入力による選択を受け付けつける。なお、ユーザの選択ではなく、IDの若い順や他の画像に既に適用されているかの情報により、情報処理装置11において自動で選択する構成としても良い。
【0041】
S1013において、テンプレートの自動選択が行われない場合は、S1017において評価が高い順に候補テンプレート一覧を出力部607を介してモニタ15等に出力して表示する。評価が高い順に候補テンプレート一覧を表示するのでユーザは一見して評価を識別可能である。また、評価を識別可能に表示するため評価が高いテンプレートに枠を設けて表示したり、評価に応じて色別の枠を設けたりして評価を識別可能に構成しても良い。そして、S1018において、ユーザの入力による選択を受け付ける。
【0042】
S1019において、選択されたテンプレートと画像データの合成を行う。S1020において、情報処理装置11は、選択されたテンプレートの全ての画像枠に対して画像が合成されているかを判定する。選択されたテンプレートの全ての画像枠に対して画像が合成されていない場合、S1021に進む。S1021において、情報処理装置11は、S1001において取得した画像データのうち何れのテンプレートにもレイアウトされていない画像データを取得する。取得した画像データそれぞれの撮影位置を取得し、選択されたテンプレートの適用可能範囲内であり、かつ最適位置と画像データの撮影位置が近い順に画像データをユーザに提示する。そして、ユーザの選択を受け付け、選択された画像を画像枠に配置し合成を行う。選択されたテンプレートの全ての画像枠に対して画像が合成されるまでS1021の処理は繰り返される。
【0043】
選択されたテンプレートの全ての画像枠に対して画像が合成された場合、S1022において、情報処理装置11は、S1001において入力された画像全てに対してテンプレートが決定されているかの判断を行う。まだ全ての画像に対してテンプレートが選択されていない場合はS1008へ戻り、以降の処理を再び実行する。全ての画像に対してテンプレートが選択されている場合、S1023において、作成部608は、S1019、S1021において画像を配置した全てのテンプレートをアルバム印刷データとして生成し、出力部607によって、例えばプリンタ14等に出力する。
【0044】
以上、本実施例によれば、アルバムに用いる複数の画像の撮影位置間の距離を取得し、
その撮影位置間の距離に基づいて、所定の位置範囲(範囲レベル)を判定し、判定された所定の位置範囲が設定されているテンプレートを指定された画像をレイアウトするテンプレートとして選択し、ユーザに推奨する。したがって、アルバム作成に用いる複数の画像の撮影位置に基づき、それぞれの画像に対して、範囲レベルが統一なテンプレートを第一候補として提示し推奨する。したがって、ユーザは推奨されたテンプレートを用いれば距離間や位置範囲のレベルに全体として統一感があるテンプレートを用いたアルバムを作成することが出来る。また、撮影順における撮影位置間の距離のうち最も大きい距離を画像範囲レベルとして用いるので、撮影における移動規模を考慮した範囲レベルが統一なテンプレートを各画像に対して提示できる。例えば、ヨーロッパ各国を撮影した画像を用いて一つのアルバムを作成する際は、各国で撮影された画像に対して、それぞれの国を象徴するようなテンプレートが推奨される。すなわち、旅行規模を反映したテンプレートの推奨を行うことが出来る。
【0045】
また、候補テンプレートの評価を行い、最も評価が高いテンプレートを自動選択することも可能なのでユーザの負担が軽減されつつもアルバム全体で統一感のある範囲レベルのテンプレートを用いたアルバムを作成することが出来る。
【0046】
なお、本実施例において、テンプレートへの位置情報をアルバムを作成するユーザが付与する構成としたが、事前に第3者が位置情報を付与したテンプレートを用いてアルバムを作成する構成としても良い。
【0047】
なお、テンプレート位置情報は緯度・経度情報を用いたがこれに留まらない。テンプレート位置情報の範囲情報を住所を用いて規定する構成としても良い。図11に住所を用いたテンプレート位置情報を示す。なお、図11に示す各テンプレートは位置座標を用いた図11の各テンプレートと同一である。1101は適用可能範囲を住所で表現している例である。位置座標情報と住所の変換テーブルをさらに保持することで、上述したS1010に示すテンプレート検索処理等が実行できる。このように構成することで、範囲レベル情報を「町」、「区」、「市」、「県」等の単位で表現することが出来る。
【0048】
[その他の実施例]
実施例1において、アルバムを作成するユーザは情報処理装置11を操作する構成としたが、情報処理装置11をWebサーバとして動作可能に構成することも可能である。この場合、ネットワーク12と接続されている外部PC13をWebクライアント装置とし、アルバムを作成するユーザは外部PC13から情報処理装置11にアクセスする。情報処理装置11は、実施例1において入力装置16から入力された情報をリクエストとして受信し、モニタ15に出力されていた情報を外部PC13にレスポンスとして送信することでアルバム作成を実行可能となる。
【0049】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を配置するテンプレートを選択する情報処理装置であって、
複数の画像の撮影位置間の距離を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記撮影位置間の距離に基づいて、所定の位置範囲を判定する判定手段と、
前記複数の画像のいずれかを指定する指定手段と、
前記指定された画像の撮影位置を含み前記所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートを前記選択された画像を配置するテンプレートとして選択する選択手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記選択手段により選択されたテンプレートをユーザに推奨する推奨手段を有することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定手段により判定された所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートのそれぞれを評価する評価手段を更に有し、
前記選択手段は、前記評価手段による評価に基づいて、前記テンプレートを選択することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定手段により判定された所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートのそれぞれを評価する評価手段を更に有し、
前記推奨手段は、前記評価手段による評価を識別可能に前記テンプレートを推奨することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価手段は、前記画像の撮影位置に基づいて、前記テンプレートを評価することを特徴する請求項3または請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記評価手段は、前記テンプレートに設定されている所定の位置と前記画像の撮影位置との距離に基づいて、テンプレートの評価を行うことを特徴とする請求項3または請求項4記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定手段は、撮影順の2つの画像の撮影位置間の距離に基づき、前記撮影位置の範囲を判定することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定の位置範囲を前記テンプレートに設定する設定手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項9】
画像を配置するテンプレートを選択する情報処理装置の制御方法であって、
複数の画像の撮影位置間の距離を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得した前記撮影位置間の距離に基づいて、所定の位置範囲を判定する判定工程と、
前記複数の画像のいずれかを指定する指定工程と、
前記指定された画像の撮影位置を含み前記所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートを前記選択された画像を配置するテンプレートとして選択する選択工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
画像を配置するテンプレートの選択を情報処理装置に実行させるためのプログラムであって、
複数の画像の撮影位置間の距離を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得した前記撮影位置間の距離に基づいて、所定の位置範囲を判定する判定工程と、
前記複数の画像のいずれかを指定する指定ステップと、
前記指定された画像の撮影位置を含み前記所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートを前記選択された画像を配置するテンプレートとして選択する選択ステップと、
を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
【請求項1】
画像を配置するテンプレートを選択する情報処理装置であって、
複数の画像の撮影位置間の距離を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記撮影位置間の距離に基づいて、所定の位置範囲を判定する判定手段と、
前記複数の画像のいずれかを指定する指定手段と、
前記指定された画像の撮影位置を含み前記所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートを前記選択された画像を配置するテンプレートとして選択する選択手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記選択手段により選択されたテンプレートをユーザに推奨する推奨手段を有することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定手段により判定された所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートのそれぞれを評価する評価手段を更に有し、
前記選択手段は、前記評価手段による評価に基づいて、前記テンプレートを選択することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定手段により判定された所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートのそれぞれを評価する評価手段を更に有し、
前記推奨手段は、前記評価手段による評価を識別可能に前記テンプレートを推奨することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価手段は、前記画像の撮影位置に基づいて、前記テンプレートを評価することを特徴する請求項3または請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記評価手段は、前記テンプレートに設定されている所定の位置と前記画像の撮影位置との距離に基づいて、テンプレートの評価を行うことを特徴とする請求項3または請求項4記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定手段は、撮影順の2つの画像の撮影位置間の距離に基づき、前記撮影位置の範囲を判定することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定の位置範囲を前記テンプレートに設定する設定手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項9】
画像を配置するテンプレートを選択する情報処理装置の制御方法であって、
複数の画像の撮影位置間の距離を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得した前記撮影位置間の距離に基づいて、所定の位置範囲を判定する判定工程と、
前記複数の画像のいずれかを指定する指定工程と、
前記指定された画像の撮影位置を含み前記所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートを前記選択された画像を配置するテンプレートとして選択する選択工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
画像を配置するテンプレートの選択を情報処理装置に実行させるためのプログラムであって、
複数の画像の撮影位置間の距離を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得した前記撮影位置間の距離に基づいて、所定の位置範囲を判定する判定工程と、
前記複数の画像のいずれかを指定する指定ステップと、
前記指定された画像の撮影位置を含み前記所定の位置範囲が設定されている前記テンプレートを前記選択された画像を配置するテンプレートとして選択する選択ステップと、
を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−104949(P2012−104949A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250059(P2010−250059)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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