説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及びプログラム

【課題】 ツールバー表示領域に表示されたボタンによる画面遷移を禁止する必要のあるコンテンツにおいて、ツールバーの非表示に関する処理をWebサーバ側で行わずに、Webブラウザ側で行うことにより、コンテンツ作成の煩雑さを軽減することを目的とする。
【解決手段】 Webブラウザは、コンテンツを取得したWebサーバのIPアドレスが、予めツールバー非表示アドレスとして設定したアドレス情報と一致するか判断する。IPアドレスが一致する場合は、コンテンツの内容のみを操作表示部に表示する。一致しない場合は、コンテンツの内容とツールバー表示領域を操作表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置から画面情報を取得して表示手段に表示させる情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Webブラウザを備えるパーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置において、ネットワークを介して接続されたWebサーバからHTML(Hyper Text Markup Language)などの構造化言語によって記述されたファイルをコンテンツとして取得して表示部に画面を表示させることが知られている。さらにWebブラウザは、Webサーバからコンテンツを取得して表示させるだけでなく、Webサーバに対して指示を通知し、その指示にしたがった処理をWebサーバ上のWebアプリケーションに実行させることもできる。
【0003】
さらに、近年スキャナやプリンタを備えたMFP(Multi Function Peripheral)においても、組み込み型Webブラウザが搭載されている。これにより、WebサーバのコンテンツをMFPの操作部に表示することができ、かつ、Webサーバに対してスキャン処理またはプリント処理の一部(または全部)を実行させることができる。特許文献1に、組み込み型Webブラウザを搭載したMFPが開示されている。特許文献1によれば、WebサーバはユーザがMFPの各機能を利用するための操作画面のコンテンツを提供する。そしてMFPを操作するユーザは、Webブラウザによって表示された操作画面を介してMFPに対する操作を行う。この操作はWebブラウザによってWebサーバに通知される。この通知を受けたWebサーバは、ユーザによってなされた操作の内容にしたがってMFPに対して各機能の実行を行う。
【0004】
ところで、通常Webブラウザが表示する画面には、Webサーバから取得したコンテンツに基づき画面を表示するコンテンツ表示領域と、それとは別にツールバーと呼ばれる画面遷移の操作を行うための画面を表示するツールバー表示領域がある。コンテンツ表示領域はWebサーバのWebアプリケーションが生成したボタンやフォームなどの項目を表示でき、この項目にしたがった操作をすることによりWebサーバに所定の指示を行うこともできる。一方ツールバー表示領域には、Webサーバから取得したコンテンツに基づかず、Webブラウザ自体が提供する、例えば「戻る」「進む」などのボタンが表示されている。Webブラウザは、例えば「戻る」ボタンを押下することによって、現在表示されている操作画面より前に(過去に)表示されていた操作画面を表示させることができる。
【0005】
また特許文献2には、Webサーバからの指示にしたがってツールバー表示領域を非表示にする技術が知られている。特許文献2によれば、Webサーバから取得したコンテンツにツールバー表示領域を非表示にする命令が含まれており、コンテンツを取得したWebブラウザは、その命令にしたがってツールバー表示領域を非表示にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−127503号公報
【特許文献2】特開2008−186065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のようなシステムにおいて、たとえばWebサーバから取得したコンテンツAに基づき表示される操作画面から、コンテンツBに基づき表示される操作画面への画面遷移がされた状態を考える。この場合において「戻る」ボタンを操作してコンテンツBの操作画面からコンテンツAの操作画面への画面遷移を許可すると、Webアプリケーションにとって想定しない画面遷移が発生する可能性がある。具体的な例を挙げると、特許文献1におけるMFPがコピーを実行する場合において、コンテンツAはコピーの実行を開始するコピー開始画面、コンテンツBはコピーが実行中であることを示すコピー実行画面であるとする。ユーザはコンテンツ表示領域に表示されたコピー開始画面の実行を指示するスタートボタンを押下する。Webブラウザはスタートボタンが押下されたことをWebサーバ上のWebアプリケーションに通知する。Webアプリケーションは、この通知に応じてコピーを実行するための処理を開始する。その後、コピーが開始されたことにしたがってWebサーバはコピー実行画面をMFPに対して送信する。
【0008】
このコピー実行画面が表示されている間に、ツールバー表示領域に表示された「戻る」ボタンを押した場合、Webサーバ側ではコピーのための処理が実行中であるにも関わらず、MFP側ではコピー開始画面の表示されることになる。すなわち、MFP側で表示されている画面と、Webサーバ側で実行している処理との間に不整合が生じる。すなわちWebアプリケーションが想定していない操作画面がMFP側で表示されていることになる。この結果、表示されている開始画面を介してスタートボタンを再度押下し、複数回のコピー開始指示がなされる場合があり、コピー開始から完了までの一連の動作が正常に行われない可能性がある。
【0009】
また、特許文献2によれば、Webサーバからの指示にしたがってツールバー表示領域を非表示にさせることができるが、ツールバー表示領域を非表示にするための命令をWebサーバが作りこむ必要があり、Webサーバの仕組みが複雑になるという問題がある。また、Webサーバ側からWebブラウザのツールバー表示領域を非表示にする制御を許してしまうと、プロトコル解析などによりその仕組みが知られる可能性がある。
【0010】
なおPCが備えるWebブラウザは、ユーザの指示にしたがってツールバー表示領域が表示しないように制御することもできる。しかしながら、この制御はユーザがツールバー表示領域の表示が不要であると感じた場合に、ツールバーを表示するか非表示にするかをユーザに選択的に行わせているにすぎず、Webアプリケーションにとって想定しない操作画面が表示されないための制御ではない。なぜなら、そのユーザがツールバー表示領域を表示させたいと思った場合、ツールバー表示領域を容易に表示させることが可能となるからである。これでは、そのユーザが意図的か否かに関わらずWebアプリケーションにとって想定しない画面遷移が行われることになる。
【0011】
以上のように、外部装置が提供する画面の操作に基づく画面遷移は外部装置にとって想定する画面遷移であるが、外部装置から取得する画面情報に基づかない画面遷移を許可する場合、外部装置にとって想定しない画面遷移をユーザに行わせてしまう可能性がある。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みて、外部装置から取得する画面情報に基づかない画面遷移を禁止する設定を可能とする情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の情報処理装置は、ネットワークを介して接続された外部装置と通信可能な情報処理装置において、前記外部装置から画面情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された画面情報に基づいて操作画面を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された操作画面から他の操作画面へ画面遷移させる指示を受け付ける操作手段と、前記操作手段が受け付けた指示にしたがって、前記表示手段に表示された操作画面から他の操作画面へ画面遷移させる表示制御手段と、ユーザを認証する認証手段と、前記取得手段によって取得された画面情報に基づかない画面遷移を禁止する設定をユーザの指示にしたがって行う設定手段と、前記認証手段により認証されたユーザが特定のユーザである場合は、前記設定手段による設定を許可し、前記認証手段により認証されたユーザが前記特定のユーザでない場合は、前記設定手段による設定を許可しない設定制御手段とを備え、前記設定手段による設定が行われた場合、前記表示制御手段による画面遷移であって、前記取得手段によって取得された画面情報に基づかない画面遷移を禁止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、外部装置から取得する画面情報に基づかない操作画面への画面遷移を禁止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】情報処理システムの構成を示す図である。
【図2】MFP101およびWebサーバ102のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】MFP101およびWebサーバ102のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図4】MFP101が実行する処理を示すフローチャートである。
【図5】ユーザ識別モジュール310によって操作表示部211に表示されるログイン画面である。
【図6】Webブラウザ300によって操作表示部211に表示されるコピー操作画面である。
【図7】MFP101が実行する設定処理を示すフローチャートである。
【図8】Webブラウザ300によって操作表示部211に表示される設定ダイアログである。
【図9】Webブラウザ300によって操作表示部211に表示されるコピー操作画面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
まず図1を参照して、本実施形態に係る情報処理装置を含むシステム構成について説明する。このシステムにおいて、MFP101およびWebサーバ102がLAN(Local Area Network)104を介して互いに通信可能に接続されている。またWebサーバ103がインターネット105を介してLAN104に接続されている。
【0017】
MFP101は、スキャン機能、プリント機能、コピー機能、送信機能などの複数の機能を兼ね備える装置である。さらにMFP101はWebブラウザ機能を備え、Webサーバ102またはWebサーバ103に格納されているHTMLファイルを取得し、取得されたHTMLファイルを解釈してWebページを表示することができる。MFP101は本発明の情報処理装置の一例である。
【0018】
Webサーバ102およびWebサーバ103はWebサーバ機能を有するコンピュータ装置である。Webサーバ102およびWebサーバ103は、MFP101が備えるWebブラウザによってWebページを表示させるためHTMLファイルを格納する。また、Webブラウザからの指示に基づく各種処理を実行する。Webサーバ102またはWebサーバ103は、本発明に係る外部装置の一例である。
【0019】
図2を参照して、MFP101およびWebサーバ102のハードウェア構成を説明する。なおWebサーバ103の説明は、Webサーバ102のハードウェア構成と同様であるので省略する。
【0020】
図2(a)はMFP101のハードウェア構成の一例を示す図である。MFP101はコントロールユニット200、操作表示部211、操作入力部212、スキャナ213、およびプリンタ214を備える。
【0021】
コントロールユニット200は、操作表示部211、操作入力部212、スキャナ213およびプリンタ214と接続され、これらを制御する。コントロールユニット200は、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204、操作部出力I/F205、ネットワークI/F207、スキャナI/F208、およびプリンタI/F209を備える。201から209の各装置はバス210を介して互いに接続されている。コントロールユニット200は後述するWebブラウザ300としての機能および動作を実現する。
【0022】
CPU201は、ROM203に格納されているブートプログラムに基づきMFP101を起動する。また、このCPU201は、HDD204に格納されている制御プログラムを読み出し、RAM202をワークエリアとして所定の処理を実行する。
【0023】
HDD204には、Webブラウザ300の機能を含む、各種制御プログラムが格納されている。さらに、HDD204は、スキャナ213から読み込んだスキャンデータやネットワークI/F207を介してMFP101の外部にあるWebサーバ102、103から取得したHTMLファイルや画像データが格納される。
【0024】
操作部出力I/F205は、操作表示部211へのデータ出力通信制御を行う。操作部出力I/F205に接続された操作表示部211は、ユーザへの表示インターフェースである。この操作表示部211は、LCD(Liauid Crystal Display)やLED(Light Emitting Diode)等の表示装置を備える。
【0025】
操作部入力I/F206は、操作入力部212からのデータ通信制御を行う。操作部入力I/F206に接続された操作入力部212は、タッチパネルやハードキーなどの入力装置を備えた、ユーザからの指示入力インターフェースである。
【0026】
ネットワークI/F207は、LAN104に接続され、インターネット105、LAN104を介して情報の入出力制御を行う。
【0027】
スキャナI/F208は、スキャナ213からスキャンデータを入力するとともに、スキャナ制御のための入出力を行う。スキャナ213は、CCD(Charged Coupled Device)などの光学的な読み取り装置を備え、紙媒体を走査して電子的な画像データとして読み取る機能を有する。
【0028】
プリンタI/F209は、プリンタ214へ画像データを出力するとともに、プリンタ制御データの入出力を行う。プリンタ214は、電子的な画像データを用紙などの記録媒体上に画像として形成する機能を持つ。
【0029】
図2(b)はWebサーバ102のハードウェア構成の一例を示す図である。Webサーバ102はコントロールユニット220を備える。
【0030】
コントロールユニットは、更にCPU221、RAM222、ROM223、HDD224、ネットワークI/F227を備える。これら各部はバス228を介して互いに接続されている。
【0031】
CPU221はWebサーバ102の全体の動作を制御する。CPU221はROM223またはHDD224に格納されたプログラムをRAM202に読み出し、読み出したプログラムを実行することで各種制御処理を実行する。RAM222はCPU221の作業領域を提供するメモリである。ROM223にはシステムのブートプログラムが格納される。HDD224にはシステムソフトウェア、画像データなどが格納される。ネットワークI/F227は、コントロールユニット200とLAN104とを接続するインターフェースである。ネットワークI/F207は、LAN104を介してMFP101と各種情報の入出力を行う。
【0032】
次に図3を参照して、図1に示した情報処理システムのソフトウェア構成について説明する。
MFP101は、Webブラウザ300、ユーザ識別モジュール310、アドレス管理モジュール320、実行受付モジュール330、スキャン実行モジュール340、プリント実行モジュール350を有する。300から350は、MFP101が備えるCPU201によって実行されるモジュールであり、HDD204に格納されている。
【0033】
Webブラウザ300は、さらに、コンテンツ取得モジュール301、コンテンツ解析モジュール302、画面表示モジュール303、ユーザ識別モジュール310、アドレス管理モジュール320を有する。
【0034】
コンテンツ取得モジュール301は、ネットワークI/F207を利用してHTTP(Hypertext Transfer Protocol)にしたがってWebアプリケーション360のコンテンツ提供モジュール361と通信する機能を有する。より具体的には、コンテンツ取得モジュール301はURI(Uniform resource Identifier)によって特定されるWebアプリケーション360のリソースに対してGETメソッドまたはPOSTメソッドのHTTP要求を送信する。そして、HTTP要求に含まれるURIをアクセス先としてHTMLファイルまたは画像データをコンテンツとしてWebアプリケーション360から取得する。本実施形態におけるコンテンツとは、例えばWebサーバから取得されるHTMLファイルや画像データなどの画面情報のことである。Webブラウザ300は、この取得した画面情報に基づき操作表示部211に操作画面を表示する。本実施形態における操作画面とは、画面表示モジュール303によって操作表示部211に表示される画面のことである。またコンテンツ取得モジュール301は、この操作画面を介して入力されたユーザの指示を、HTTP要求としてWebアプリケーション360に通知することも可能である。
【0035】
コンテンツ解析モジュール302は、コンテンツ取得モジュール301によって取得されたHTMLファイルを解析し、操作表示部211に表示するための操作画面を生成する。
【0036】
画面表示モジュール303は、コンテンツ解析モジュール302による解析の結果に基づいて、操作表示部211に例えば図6に示すような操作画面を表示するよう操作出力部I/F205に指示する。画面表示モジュール303は、図6の603のように、ツールバー表示領域と呼ばれる領域に各種操作を受け付けるボタンを表示させることが可能である。ツールバー表示領域には、戻るボタン(現在表示されている操作画面より過去に表示されていた画面を表示させるためのボタン)等が表示される。ツールバー表示領域に表示されるボタンは、Webサーバから取得したHTMLファイルに基づかずに画面表示モジュール303によって表示される。この戻るボタンが押下されると、画面表示モジュール303はRAM202あるいはHDD204に管理されている履歴を参照して操作画面を表示する。
【0037】
さらに画面表示モジュール303は、各種の設定を行うための設定ボタンをツールバー表示領域に表示させることが可能である。この設定ボタンを押下すると、ツールバー表示領域を非表示にする設定が可能となっている。
【0038】
ユーザ識別モジュール310は、ユーザからのMFP101へのログインの要求を、操作入力部212を介して受け付ける。またユーザ識別モジュール310は、ユーザIDやパスワードが、MFP101に予めHDD204に登録されているユーザのリストと一致するか判断することによるユーザを認証する。ユーザの認証が成功した場合、ユーザ識別モジュールは、ユーザがMFP101にログインすることを許可する。ログインを許可した場合、ログインしたユーザのユーザIDをログインユーザとして設定し、RAM202あるいはHDD204にログインユーザのデータを書き込む。また認証されたログインユーザがMFP101の管理者権限を有するユーザ(以降の説明では、管理者と称する)であるか、管理者権限を有していないユーザ(以降の説明では、一般ユーザと称する)の判断も行う。アドレス管理モジュール320は、後述のツールバー表示領域に表示されたボタンに基づく画面遷移を禁止するIPアドレス(またはURL)を設定する。なお、ユーザ識別モジュール310は、Webブラウザ300に含まれるモジュールによって実行されてもよい。
【0039】
アドレス管理モジュール320は、ユーザが設定したIPアドレスをRAM202に保存する。なお、WebサーバへアクセスしてHTMLファイル等を取得した場合、アドレス管理モジュール320によって設定されたIPアドレスを参照して、ツールバー表示領域に表示されたボタン等に基づく画面遷移を禁止するか否かを判断する。アドレス管理モジュール320は、Webブラウザ300に含まれるモジュールにより実行されてもよい。
【0040】
実行受付モジュール330は、Webサーバ102からスキャン処理(あるいはプリント処理)を依頼された場合に、スキャン実行モジュール340(あるいはプリント実行モジュール350)にその処理に用いる実行パラメータを渡すモジュールである。具体的には、実行受付モジュール330は、Webサーバ102のロジック実行モジュール362からWebサービスとしてスキャンまたはプリントを依頼するメッセージを受信する。受信するメッセージは、SOAP(Simple Object Access Protocol)にしたがって記述されている。この受信するメッセージには、スキャンあるいはプリント時に行う画像処理のパラメータなど(Webブラウザ300から受信したスキャン設定や送信設定を含む)が指定されている。実行受付モジュール330は、受信したSOAPメッセージをスキャン実行モジュール340(あるいはプリント実行モジュール350)に渡し、スキャン処理(あるいはプリント処理)を実行させる。なお以降の説明では、SOAPにしたがって記述されたメッセージをSOAPメッセージという。
【0041】
スキャン実行モジュール340は、実行受付モジュール330から渡されたパラメータにしたがってスキャン処理を実行する。プリント実行モジュール350は、実行受付モジュール330から渡されたパラメータにしたがってプリント処理を実行する。
【0042】
Webアプリケーション360は、Webサーバ102が備えるCPU221によって実行されるモジュールであり、HDD224に格納されている。
【0043】
Webアプリケーション360は、コンテンツ提供モジュール361とロジック実行モジュール362を有する。
【0044】
コンテンツ提供モジュール361は、コンテンツ取得モジュール301と通信し、操作画面のコンテンツを提供する。また、コンテンツ提供モジュール361はWebブラウザ300によって表示された操作画面を介して入力されたユーザからの指示をMFP101からのHTTP要求として受信する。そして、その指示にしたがって再度コンテンツ取得モジュール301にコンテンツを提供したり、ロジック実行モジュール362に対して各種処理の実行を依頼したりする。
【0045】
ロジック実行モジュール362は、コンテンツ提供モジュール361からの依頼を受け、プリンタ214またはスキャナ213にコピー処理を実行させるための制御指示を生成する処理を行う。具体的には、MFP101が処理可能な処理要求を示すSOAPメッセージを生成する。
【0046】
図3に示したモジュールによって行われる処理の一例として、MFP101が有する複数の機能のうちコピー機能を実行する場合について説明する。
【0047】
まずコンテンツ提供モジュール361は、コンテンツ取得モジュール301に対しコンテンツ(HTMLファイルあるいは画像データ)を提供する。コンテンツ取得モジュール301は、コンテンツ提供モジュール361からコンテンツを取得し、コンテンツ解析モジュール302にコンテンツを渡す。コンテンツ解析モジュール302はコンテンツを解析して操作画面を生成する。画面表示モジュール303は、例えば図6の操作画面を表示する。そして、コンテンツ取得モジュール301は、例えば図6の操作画面に表示されたスタートボタン607が押下されたことを受け、コンテンツ提供モジュール361にコピーの実行イベントを通知する。コンテンツ提供モジュール361は、通知された実行イベントをロジック実行モジュール362に渡す。ロジック実行モジュール362は、コンテンツ提供モジュール361から渡された実行イベントを受け、MFP101にコピーを実行させるための制御指示(SOAPメッセージ)を生成する。そしてロジック実行モジュール362は、生成した制御指示を実行受付モジュール330に送信する。実行受付モジュール330は、実行受付モジュール330から受信した制御指示をスキャン実行モジュール340ないしはプリント実行モジュール350に渡す。スキャン実行モジュール340はスキャナ213にスキャン処理を実行させ、プリント実行モジュール350はプリンタ214にプリント処理を実行させることによりMFP101におけるコピーを行う。
【0048】
次に図4のフローチャートを参照して、MFP101の各動作を説明する。図4のフローチャートに示す各動作は、CPU201がHDD204に格納されたモジュールをRAM202に展開し、展開されたモジュールを実行することにより実現される。
【0049】
以上の構成からなる実施例の動作を、図面を参照して説明する。
【0050】
図4のフローチャートは、ROM203に格納されたブートプログラムを起動し、ユーザ識別モジュール310がログイン画面を表示することによって処理が開始される。
S401(以下、ステップの表記は省略する)にて、ユーザ識別モジュール310は、ログインの指示があったか否かを判定する。具体的には、図5に示すログイン画面を介して、ログインボタン504が押下されたか否かを判定する。
【0051】
図5は、ユーザ識別モジュール310によって操作表示部211に表示されるログイン画面の一例である。ログイン画面501上には、IDエディットボックス502、パスワードエディットボックス503、ログインボタン504、キャンセルボタン505がユーザ識別モジュール310によって表示される。IDエディットボックス502は、ユーザがMFP101にログインするためのユーザIDを入力する領域である。パスワードエディットボックス503は、ユーザIDに対応するパスワードを入力する領域である。ユーザ識別モジュール310は、ユーザによってログインボタン504が押下されるまでS401の処理を繰り返す。ユーザによってログインボタン504が押下された場合、ユーザ識別モジュール310はログイン処理を行うためにS402に進む。
【0052】
S402にて、ユーザ識別モジュール310は、IDエディットボックス502に入力されたユーザIDと、パスワードエディットボックス503に入力されたパスワードを取得する。ユーザIDおよびパスワードはユーザによって入力される。
S403にて、ユーザ識別モジュール310は、HDD204に登録されているユーザIDとパスワードの組み合わせのリストを取得する。
【0053】
S404にて、ユーザ識別モジュール310は、S402で取得したログインIDとログインパスワードの組み合わせが、S403で取得したリストの中に一致するものがあるか判断する。一致する場合、S405にてユーザ識別モジュール310がログインIDをログインユーザとして設定する。すなわち、ログインユーザのデータをRAM202に保存する。一致しない場合はS401に戻る。
【0054】
S406にて、ユーザがMFP101にログインした場合、Webブラウザ300が起動を開始する。
S407にて、Webブラウザ300のコンテンツ取得モジュール301は、Webサーバ102または103へのアクセスする指示があるか否かを判定する。Webブラウザ300を起動させるとともにWebサーバ102、103へアクセスする指示がある場合、S408に進み、アクセス先のWebサーバのHDD224に格納されたコンテンツを取得する。
【0055】
S409にて、Webブラウザ300は、S405で設定したログインユーザがMFP101の管理者であるか一般ユーザであるかを判定する。Webブラウザ300は、S405で設定したログインユーザのデータをRAM202から取得し、判定する。管理者である場合はS410に進む。一般ユーザである場合はS412に進む。
S410にて、Webブラウザ300は、ツールバー表示領域の「戻る」ボタン等の項目を非表示にする設定が有効であるか否かを判断する。設定が有効であるか否かの判断の詳細については後述するが、有効であると判断した場合はS411に進み、無効であると判断した場合はS412へ進む。
【0056】
S411にて、アドレス管理モジュール320は、S408で指示したアクセス先が予め設定されたアドレスに一致するか否かを判断する。この判断の詳細についても後述するが、一致すると判断した場合はS415に進み、一致しないと判断した場合はS412に進む。
【0057】
S412にて、コンテンツ解析モジュール302は、S408で取得したコンテンツを解析し、操作表示部211に表示するための操作画面を生成する。
【0058】
S413にて、画面表示モジュール303は、操作画面の遷移の操作を受け付けるボタンを生成する。
【0059】
S414にて、画面表示モジュール303は、S412およびS413で生成した操作画面を、操作部出力I/F205を介して操作表示部211に送る。送られた操作画面は操作表示部211が備えるメモリに記憶され、その内容を操作表示部211が備えるLCDに表示しつづける。
【0060】
図6を参照して、S414で表示する操作画面の例を示す。図6の操作画面は、MFP101が備えるスキャナ213、プリンタ214を利用してコピーを実行させるための操作画面である。画面表示モジュール303は、S412で生成した画面をコンテンツ表示領域602に表示し、S413で生成した画面をツールバー表示領域603に表示する。
【0061】
コンテンツ表示領域602は、コンテンツ解析モジュール302が解析して生成した操作画面を表示する領域である。この領域には、Webサーバ102から取得したHTMLファイルまたは画像データに基づいてコンテンツ解析モジュール302によって生成された画面が表示される。
【0062】
コンテンツ表示領域602の中には、詳細設定ボタン605、両面ボタン606、スタートボタン607が表示されている。詳細設定ボタン605は、コピーの倍率・用紙サイズ・部数の詳細設定を行うボタンである。両面ボタン606は、両面コピーを行うか否かの印刷条件を設定するボタンである。両面ボタン606には、両面コピーを行うか片面コピーを行うかを設定する画面に遷移するための参照情報としてURLが割り当てられている。両面ボタン606を押下すると、予め割り当てられたURLをアクセス先として両面コピーを行うか否かの印刷条件を設定する操作画面が表示される。すなわち、Webサーバから取得したコンテンツには、他の操作画面を参照する参照情報が含まれており、その参照情報に基づく画面遷移が行われることになる。スタートボタン607は、詳細設定ボタン605、両面ボタン606を押下して設定された印刷条件に基づいて、コピーの実行を指示するボタンである。Webブラウザ300は、スタートボタン607が押下されたことに応じて、設定された条件およびコピーの実行指示(実行イベント)をWebサーバ102へ送信する。
【0063】
また画面表示モジュール303は、コンテンツ表示領域602とは別に、コンテンツ表示領域602に表示されている操作画面から他の操作画面へ遷移させる指示を受け付けるボタン等をツールバー表示領域603に表示することができる。ツールバー表示領域603には、戻るボタン608、進むボタン609、中止ボタン610、更新ボタン611、設定ボタン612が表示されている。ボタン608〜612は、Webサーバから取得したHTMLファイルに基づかずに画面表示モジュール303によって独立に生成される。戻るボタン608は、コンテンツ表示領域602に表示されている画面から、その画面より前(過去に)に表示されていた画面を表示させるためのボタンである。Webブラウザ300は、過去に表示された画面を表示するためのコンテンツ(HTMLファイルや画像データ)を履歴としてRAM202あるいはHDD204に管理している。ユーザによって戻るボタン608が押下されると、Webブラウザ300はRAM202あるいはHDD204に管理されている履歴を参照して操作画面を表示する。なお、管理する履歴は、過去に表示されていた操作画面のコンテンツ自体をキャッシュとして記憶して管理してもよいし、過去に表示されていた操作画面が格納されている場所を示すURL等を記憶して管理してもよい。進むボタン609は、戻るボタン608を押下したことによって表示されている画面から戻るボタン608を押下する前に表示されていた画面へ遷移させるためのボタンである。中止ボタン610は、Webサーバにアクセスしてコンテンツを取得することを中止するボタンである。設定ボタン612は、後述するツールバー表示領域を非表示にする設定を行うためのボタンである。
【0064】
次に図7を参照して、ツールバー表示領域603を非表示にする設定を行う処理について説明する。図7のフローチャートに示す各動作は、CPU201がHDD204に格納されたモジュールをRAM202に展開し、展開されたモジュールを実行することにより実現される。
【0065】
図7のフローチャートは、図4のS414で図6の操作画面が表示された状態で処理が開始される。
【0066】
S701にて、Webブラウザ300は、図6に示す設定ボタン612がユーザによって押下されたか否かを検知する。設定ボタン612が押下されるまでS701の処理を繰り返し、設定ボタン612が押下された場合S702に進む。
【0067】
S702にて、ユーザ識別モジュール310は、S405で設定したログインユーザが管理者であるか一般ユーザであるかを判定する。ユーザ識別モジュール310は、S405で保存したログインユーザの情報を取得し判定する。認証されたログインユーザが管理者であると判定された場合は図8の設定ダイアログを表示し、認証されたログインユーザが一般ユーザであると判定された場合は、S709に進む。S702の判定処理は、管理者にしかS703ないしS708の処理を行うことができないように設定制御するための処理である。
【0068】
図8を参照して、S702の判定処理で認証されたログインユーザが管理者であると判定された場合に画面表示モジュール303によって表示される設定ダイアログを示す。ダイアログ801上には、ツールバー表示領域を非表示にするための第1の設定スイッチ802、ツールバー表示領域を非表示にするアドレスを設定するための第2の設定スイッチ803a、アドレス設定エディットボックス803bが表示される。第1の設定スイッチ802は、操作画面にツールバー表示領域を表示するか否かを設定するスイッチである。第2の設定スイッチ803aは、ツールバー表示領域を非表示にする際にIPアドレスを指定するか否かを設定するスイッチである。アドレス設定エディットボックス803bは、コンテンツ取得元のWebサーバのIPアドレスを指定する編集領域である。アドレス設定エディットボックス803bには、複数のWebサーバのIPアドレスを設定することも可能である。複数のIPアドレスが設定された場合、コンテンツの取得元であるWebサーバのIPアドレスが、設定したIPアドレスのいずれかと一致した場合、ツールバー表示領域603を非表示にする。また、OKボタン804は、ダイアログ801においてユーザが設定した項目を確定するボタンである。キャンセルボタン805は、ダイアログ801においてユーザが設定した項目を反映せずに、ダイアログ801を閉じるボタンである。
【0069】
S703にて、Webブラウザ300は、ツールバー表示領域603に表示されたボタンに基づく画面遷移を禁止する設定を受け付ける。要するに、ユーザの指示によってOKボタン804が押下されたか否かを判断する。OKボタン804が押下された場合はS705に進み、キャンセルボタン805が押下された場合はS701に戻る。
【0070】
S705にて、Webブラウザ300は、S703で受け付けた設定に基づきツールバー表示領域603を非表示にする設定を有効にするか否かを判定する。具体的には、第1の設定スイッチ802にチェックが付されていれば、S706にてツールバー表示領域603を非表示にする設定を有効にする。この設定が有効になっている場合、Webサーバから取得したコンテンツに含まれる画面情報に基づき生成された操作画面を表示する際に、ツールバー表示領域603自体を表示しない。これにより、ツールバー表示領域603の中に表示されたボタンの操作に基づく画面遷移を禁止する。なおツールバー表示領域603を非表示にする代わりに、ツールバー表示領域603に表示されたボタンの押下を受け付けた場合であっても画面遷移を行わないように無効化する制御を行ってもよい。また、ツールバー表示領域に表示されるボタンをグレーアウトさせ、ツールバー表示領域603のボタンをそもそも受け付けないようにしてもよい。S705にてNOと判定された場合は本フローチャートの処理を終了する。
【0071】
S707にて、Webブラウザ300は、S703で受け付けた設定に基づき、第2の設定スイッチ803aにチェックが付されているか否かを判定する。チェックが付されている場合、S708にて、アドレス管理モジュール320は、図8の設定画面で設定したIPアドレスをHDD204に保存する。これにより、設定されたIPアドレスによって特定されるWebサーバから取得したコンテンツに基づき生成される操作画面を表示する場合に限り、ツールバー表示領域603を非表示にするよう制御することができる。たとえば、Webサーバ102からコンテンツを取得する場合はツールバー表示領域603を非表示にするけれども、Webサーバ103からコンテンツを取得する場合はツールバー表示領域603を表示する、といった表示制御を行うことができる。この場合、図8の設定ダイアログを介して管理者はWebサーバ102のIPアドレスを設定する。この結果、インターネット105を介して接続されたWebサーバか否かに応じてツールバー表示領域603の表示制御を行うことができる。また、複数のWebサーバと接続されている場合、それぞれのWebサーバでツールバー表示領域603を非表示にするための処理を行わずに済み、Webブラウザ側での簡単な仕組みでツールバー表示領域603を非表示にすることができる。S707でNOと判定された場合、本フローチャートの処理を終了する。
【0072】
S709は、S702でログインユーザが管理者ではなく一般ユーザであると判定された場合の処理である。S709にて、画面表示モジュール303は、管理者権限を有するユーザで再度ログインし直すことをユーザに促す旨のダイアログを表示するか、設定できない旨のエラーを表示するダイアログを表示する。
【0073】
ここで、図7で示したフローチャートを参照した説明した内容を踏まえて、図4のフローチャートで示される処理の詳細について再度説明する。S401からS409、およびS412からS414についての説明は、前述の説明と同様であるので省略する。
【0074】
S410にて、画面表示モジュール303は、ツールバー表示領域603を非表示にする設定が有効であるか否かを判定する。この判定は、S706で設定した際にHDD204に登録した情報を参照して行われる。設定が有効であると判定された場合、S411に進む。
【0075】
S411にて、アドレス管理モジュール320は、取得したコンテンツの取得元であるWebサーバのIPアドレスが、図8の設定画面で設定したIPアドレスと一致するか否かを判定する。一致すると判定された場合S415に進み、一致しないと判定された場合S412に進む。
【0076】
S415にて、Webブラウザ300は、コンテンツ解析モジュール302に対してコンテンツ表示領域602に表示すべき操作画面の生成を指示する。コンテンツ解析モジュール302は、コンテンツ取得モジュール301によって取得されたHTMLファイル等のコンテンツに基づき操作画面を表示する。
【0077】
S416にて、Webブラウザ300は、画面表示モジュール303に対して操作画面を表示するよう指示する。画面表示モジュール303は、コンテンツ解析モジュール302が生成した操作画面を操作部出力I/F205を介して操作表示部211に表示する。なお、このとき画面表示モジュール303は、コンテンツ表示領域602は表示するが、ツールバー表示領域603は表示しない。
【0078】
図9を参照して、S416で画面表示モジュール303が表示する操作画面を説明する。図9に示す操作画面には、コンテンツ表示領域902が操作表示部211に表示されているが、ツールバー表示領域は表示されていない点で図6の操作画面と異なる。その結果、コンテンツ表示領域に表示されたボタンを操作することによって行われる画面遷移は許可される。一方、Webサーバから取得したコンテンツに基づかない画面遷移(例えば、ツールバー表示領域に表示された「戻る」ボタンなど)は禁止される。またツールバー表示領域を表示させないことで、ツールバー表示領域とともに表示させたときよりもコンテンツ表示領域902を広く表示できることでき、コンテンツ表示領域に表示される操作画面の一覧性が向上するという効果もある。また、操作表示部211に表示された操作画面が、Webブラウザによって表示されている画面であるのか、Webブラウザ以外によって表示されている画面であるのかをユーザに認識させることなく画面を表示させることができる。
【0079】
本実施形態によれば、図9に示した操作画面では、ツールバー表示領域603が表示しないことにより、例えば「戻る」ボタン等の操作を受け付けることを防止する。
また本実施形態によれば、表示されている操作画面から他の操作画面に遷移させる操作を受け付けるボタンとして、戻るボタン608、進むボタン609等を例示した。しかし、上記以外でも、Webブラウザが任意の画面に遷移する指示を受け付けるボタン(いわゆる、お気に入りボタンなど)であってもよい。
【0080】
また本実施形態によれば、たとえツールバー表示領域603を非表示にする設定がなされていた場合であっても、ログインユーザが管理者であるならばツールバー表示領域603を表示するようにしている(S408参照)。これは、設定ボタン612がコンテンツ表示領域602の中に表示されていることに起因する。すなわち、一旦ツールバー表示領域603を非表示にする設定を行うと、それにともない設定ボタン612も表示されなくなってしまい、図7の設定処理ができなくなる可能性がある。そのためログインユーザが管理者である場合は、設定ボタン612を表示させるため、ツールバー表示領域603を表示させている。また、管理者でログインした場合にツールバー表示領域を表示させておくことで、MFP101において異常状態が発生した場合に、過去に表示していた操作画面をツールバー表示領域に表示された「戻る」ボタンを用いた画面遷移をさせることによって、異常状態の復帰処理を行うことも可能である。
【0081】
また本実施形態では、管理者であるか否かによってツールバー表示領域の表示制御を行っているが、必ずしも管理者である必要はない。管理者の代わりに特定のユーザであってもよい。また図6の操作画面のツールバー表示領域に表示された設定ボタン以外の設定方法によって設定が可能であれば、ログインユーザが管理者である場合もツールバー表示領域を非表示にしてかまわない。
【0082】
本実施形態によれば、ログインユーザだけでなく、ユーザリストに登録されている管理者以外の全てのユーザに対してツールバー表示領域に表示されたボタンの操作に基づく画面遷移を禁止することができる。これにより、Webアプリケーションに関して熟知しない一般ユーザが、誤ってWebアプリケーション360にとって想定していない画面遷移をしてしまうことを禁止することができる。
また本実施形態では、ツールバー表示領域603に表示されるボタンの一例として「戻る」ボタンについて説明した。しかし、「戻る」ボタンの操作に基づく画面遷移を禁止するのではなく、操作入力部212が備えるハードキーを操作することによる画面遷移を禁止する場合にも本発明を提供可能である。あるいは、外付けのキーボード等によって「戻る」ボタンの操作と等価な操作することによる画面遷移を禁止する場合にも本発明を適用可能である。
【0083】
本実施形態によれば、ユーザが設定したIPアドレスと、アクセス先のIPアドレスとが一致するWebサーバのコンテンツを表示するときにのみ、ツールバー表示領域を非表示にする。すなわち、コンテンツを取得するWebサーバが特定のWebサーバであるか否かに基づいてツールバー表示領域の表示制御を行うことができる。その結果、Webサーバが信頼できるサーバからコンテンツを取得する場合にはツールバー表示領域を表示させることができる。あるいは、ツールバー表示領域のボタンに基づく画面遷移を行ったとしてもWebアプリケーション側で問題が発生しないことが保証されたWebサーバから取得する場合にはツールバー表示領域を表示させることができる。
【0084】
また本実施形態によれば、S411にてIPアドレスを用いて設定しているが、必ずしもIPアドレスを用いて設定する必要はなく、URL、ネットワークドメイン、サーバ名、その他の機器情報などを用いて設定することも可能である。またツールバー表示領域を非表示にするIPアドレスを設定するのではなく、ツールバー表示領域を表示するIPアドレスを設定することも可能である。
【0085】
本実施形態のMFPによれば、S702の判定処理で、認証されたログインユーザが一般ユーザであると判定された場合、ツールバー表示領域の戻るボタンを表示するか否かを設定させないよう設定制御している。この結果、例えば、一般ユーザが、ツールバーの使い勝手の良さあるいはツールバーの直感的な操作性から、ツールバー表示領域の戻るボタンを表示するように設定してしまうことを防止することができる。
【0086】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0087】
101 MFP
102 Webサーバ
300 Webブラウザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された外部装置と通信可能な情報処理装置であって、
前記外部装置から画面情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された画面情報に基づいて操作画面を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された操作画面から他の操作画面へ画面遷移させる指示を受け付ける操作手段と、
前記操作手段が受け付けた指示にしたがって、前記表示手段に表示された操作画面から他の操作画面へ画面遷移させる表示制御手段と、
ユーザを認証する認証手段と、
前記取得手段によって取得された画面情報に基づかない画面遷移を禁止する設定をユーザの指示にしたがって行う設定手段と、
前記認証手段により認証されたユーザが特定のユーザである場合は、前記設定手段による設定を許可し、前記認証手段により認証されたユーザが前記特定のユーザでない場合は、前記設定手段による設定を許可しない設定制御手段とを備え、
前記設定手段による設定が行われた場合、前記表示制御手段による画面遷移であって、前記取得手段によって取得された画面情報に基づかない画面遷移を禁止することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示手段に表示された操作画面の履歴を管理する管理手段と、
前記取得手段によって取得された画面情報に基づかない画面遷移とは、前記管理手段によって管理された履歴を参照した他の操作画面への画面遷移であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記設定手段による設定が行われた場合であっても、前記取得手段によって取得された画面情報に基づく画面遷移を許可することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段によって取得される画面情報には、前記他の操作画面を表示させるための参照情報が含まれており、
前記取得手段によって取得された画面情報に基づく画面遷移とは、前記画面情報に含まれる参照情報を参照した他の操作画面への画面遷移であることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記取得手段によって取得された画面情報に基づいて生成された操作画面とともに、前記操作手段による指示を受け付けるためのツールバーを表示するための表示領域を有し、
前記設定手段による設定が行われた場合、前記制御手段は、前記ツールバーを表示させないことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記外部装置のアドレスを設定する第2の設定手段とを備え、
前記取得手段によって取得される画面情報の取得元である外部装置が、前記第2の設定手段によって設定されたアドレスによって特定される外部装置である場合、前記制御手段は、前記取得手段によって取得された画面情報に基づかない画面遷移を禁止することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ネットワークを介して接続された外部装置と通信可能な情報処理装置の制御方法であって、
前記外部装置から画面情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得された画面情報に基づいて操作画面を表示する表示ステップと、
前記表示ステップで表示された操作画面から他の操作画面へ画面遷移させる指示を受け付ける操作ステップと、
前記操作ステップで受け付けた指示にしたがって、前記表示ステップで表示された操作画面から他の操作画面へ画面遷移させる表示制御ステップと、
ユーザを認証する認証ステップと、
前記取得ステップで取得された画面情報に基づかない画面遷移を禁止する設定をユーザの指示にしたがって行う設定ステップと、
前記認証ステップで認証されたユーザが特定のユーザである場合は、前記設定ステップでの設定を許可し、前記認証ステップで認証されたユーザが前記特定のユーザでない場合は、前記設定ステップでの設定を許可しない設定制御ステップとを有し、
前記設定ステップで設定が行われた場合、前記表示制御ステップによる画面遷移であって、前記取得ステップで取得された画面情報に基づかない画面遷移を禁止することを特徴とする制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−130326(P2011−130326A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288823(P2009−288823)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】