説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラム

【課題】表示画面に複数の画像が互いに密接して表示されているような場合等であっても、ユーザが、それら複数の画像のうちから所望の数の画像を比較的簡易に選択できるようになる情報処理装置を提供すること。
【解決手段】軌跡取得部72は、ユーザによって指示される表示画面上の位置の軌跡を取得する。選択候補画像決定部74は、複数の画像のうちの、軌跡取得部72によって取得された軌跡によって囲まれる画像を判断する。軌跡取得部72によって取得される軌跡によって囲まれると選択候補画像決定部74によって判断された画像が該軌跡によって囲まれた回数を取得する。画像選択部78は、軌跡取得部72によって取得される軌跡によって囲まれると選択候補画像決定部74によって判断された画像のうちから、囲み回数取得部76によって取得された回数に対応する数の画像を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示画面に表示される複数の画像のうちからユーザによって選択される少なくとも一つの画像に基づいて処理を実行する情報処理装置が知られている。従来、このような情報処理装置では、ユーザが、例えばマウス、タッチパネル、特許文献1に記載の情報入力装置等のポインティングデバイスを用いて、複数の画像のうちから個々の画像を指し示すことによって、複数の画像のうちの少なくとも一つを選択することが行われていた。
【特許文献1】特許第3262677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような情報処理装置では、複数の画像が互いに密接して表示されているような場合や、複数の画像が比較的小さく表示されているような場合には、ユーザがそれら複数の画像のうちから所望の数(特に複数)の画像を選択することが困難であった。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、表示画面に複数の画像が互いに密接して表示されているような場合や、複数の画像が比較的小さく表示されているような場合であっても、ユーザが、それら複数の画像のうちから所望の数の画像を比較的簡易に選択できるようになる情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置は、表示画面に表示される複数の画像のうちからユーザによって選択される少なくとも一つの画像に基づいて処理を実行する情報処理装置において、前記ユーザによって指示される前記表示画面上の位置の軌跡を取得する軌跡取得手段と、前記複数の画像のうちの、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれる画像を判断する判断手段と、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像が該軌跡によって囲まれた回数を取得する囲み回数取得手段と、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像のうちから、前記囲み回数取得手段によって取得された回数に対応する数の画像を選択する画像選択手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、表示画面に表示される複数の画像のうちからユーザによって選択される少なくとも一つの画像に基づいて処理を実行する情報処理装置の制御方法において、前記ユーザによって指示される前記表示画面上の位置の軌跡を取得するための軌跡取得ステップと、前記複数の画像のうちの、前記軌跡取得ステップにおいて取得された軌跡によって囲まれる画像を判断するための判断ステップと、前記軌跡取得ステップにおいて取得された軌跡によって囲まれると前記判断ステップにおいて判断された画像が該軌跡によって囲まれた回数を取得するための囲み回数取得ステップと、前記軌跡取得ステップにおいて取得された軌跡によって囲まれると前記判断ステップにおいて判断された画像のうちから、前記囲み回数取得ステップにおいて取得された回数に対応する数の画像を選択するための画像選択ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、表示画面に表示される複数の画像のうちからユーザによって選択される少なくとも一つの画像に基づいて処理を実行する情報処理装置として、パーソナルコンピュータ、家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機や携帯情報端末(PDA)などのコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記ユーザによって指示される前記表示画面上の位置の軌跡を取得する軌跡取得手段、前記複数の画像のうちの、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれる画像を判断する判断手段、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像が該軌跡によって囲まれた回数を取得する囲み回数取得手段、及び、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像のうちから、前記囲み回数取得手段によって取得された回数に対応する数の画像を選択する画像選択手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。また、本発明に係るプログラム配信装置は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信装置である。また、本発明に係るプログラム配信方法は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信方法である。
【0009】
本発明は、表示画面に表示される複数の画像のうちからユーザによって選択される少なくとも一つの画像に基づいて処理を実行する情報処理装置に関するものである。本発明では、ユーザによって指示される表示画面上の位置の軌跡が取得される。そして、複数の画像のうちの、上記の軌跡によって囲まれる画像が判断される。また、上記の軌跡によって囲まれると判断された画像が該軌跡によって囲まれた回数が取得される。そして、上記の軌跡によって囲まれると判断された画像のうちから、上記の回数に対応する数の画像が選択される。本発明によれば、表示画面に複数の画像が互いに密接して表示されているような場合や、複数の画像が比較的小さく表示されているような場合であっても、ユーザが、それら複数の画像のうちから所望の数の画像を比較的簡易に選択できるようになる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記画像選択手段は、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像のうちから、前記囲み回数取得手段によって取得された回数に対応する数の画像を、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡の始点位置又は終点位置と、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像の位置と、に基づいて選択するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記画像選択手段は、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像のうちから、前記囲み回数取得手段によって取得された回数に対応する数の画像を、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡の始点位置又は終点位置からの距離が小さい順に選択するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。ここでは、情報処理装置の一態様であるゲーム装置に本発明を適用した例について説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、光ディスク25、メモリカード28、モニタ18及びスピーカ22を含んで構成される。光ディスク25及びメモリカード28は情報記憶媒体である。光ディスク25及びメモリカード28は家庭用ゲーム機11に装着される。モニタ18及びスピーカ22は家庭用ゲーム機11に接続される。光ディスク25としては例えばCD−ROMやDVD−ROMなどが用いられる。モニタ18としては例えば家庭用テレビ受像機が用いられる。スピーカ22としては例えば家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカが用いられる。
【0014】
家庭用ゲーム機11は公知のコンピュータゲームシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、音声処理部20、光ディスクドライブ24、メモリカードスロット27、通信インタフェース(I/F)29、コントローラインタフェース(I/F)30及び操作入力部31を含んで構成される。操作入力部31以外の構成要素は家庭用ゲーム機11の筐体内に収容される。
【0015】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、音声処理部20、光ディスクドライブ24、主記憶26、メモリカードスロット27、通信インタフェース29及びコントローラインタフェース30は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
【0016】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク25又はメモリカード28から読み出されるプログラム及びデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶26は、例えばRAMを含んで構成される。主記憶26には、光ディスク25又はメモリカード28から読み出されたプログラム及びデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶26はマイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。
【0017】
画像処理部16はVRAMを含んで構成される。画像処理部16は、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。そして画像処理部16は、そのゲーム画面をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ18に出力する。音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成される。サウンドバッファには、光ディスク25から読み出されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データが記憶される。音声処理部20は、サウンドバッファに記憶された各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。
【0018】
光ディスクドライブ24は、光ディスク25に記録されたプログラムやデータをマイクロプロセッサ14からの指示に従って読み取る。ここではプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク25を用いることとするが、例えばROMカードなどの他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、インターネットなどのデータ通信網を介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0019】
メモリカードスロット27はメモリカード28を装着するためのインタフェースである。メモリカード28は不揮発性メモリ(例えばEEPROMなど)を含んで構成される。メモリカード28は、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを記憶するために用いられる。通信インタフェース29は、インターネットなどのデータ通信網に通信接続するためのインタフェースである。
【0020】
コントローラインタフェース30は、複数のコントローラ32を無線接続するためのインタフェースである。コントローラインタフェース30としては、例えばBluetoothインタフェース規格に則ったインタフェースを利用することができる。なお、コントローラインタフェース30は、コントローラ32を有線接続するためのインタフェースとしてもよい。
【0021】
操作入力部31はユーザが操作入力を行うためのものである。操作入力部31は、例えば、モニタ18に表示されるゲーム画面上の位置をユーザが指し示すためのポインティングデバイスとしての機能を備える。操作入力部31としては、例えば特許3262677号公報に開示される技術を利用することができる。操作入力部31は、1又は複数のコントローラ32と、1つの発光部38と、を含んで構成される。各コントローラ32は撮像部34と撮影画像解析部36とを含んで構成される。図2は操作入力部31の一例を示す図である。図3はコントローラ32の一例を示す図である。
【0022】
図2に示すように、発光部38はモニタ18の上部に配置される。なお、発光部38はモニタ18の下部に配置されるようにしてもよい。発光部38の両端部には光源40a,40bが備えられる。図3に示すように、コントローラ32の表面には方向ボタン44、ボタン46a,46b,46cが備えられる。方向ボタン44は十字形状を有しており、一般的にキャラクタやカーソルの移動方向を指示するのに用いられる。ボタン46a,46b,46cは各種ゲーム操作に用いられる。コントローラ32の一の側面には、例えばCCDなどの撮像素子である撮像部34が備えられる。また、コントローラ32には、例えばマイクロプロセッサなどである撮影画像解析部36が内蔵される。なお、撮像部34が備えられた側面部のことを「コントローラ32の前端部32a」と記載する。
【0023】
ユーザがコントローラ32の前端部32aをモニタ18の方に向けると、撮像部34の撮影画像には光源40a,40bが写し出される。撮影画像解析部36は、撮像部34の撮影画像に写し出された光源40a,40bの位置を解析する。撮影画像解析部36は、その解析結果に基づいてコントローラ32の位置及び傾きを取得する。より具体的には、撮影画像解析部36は、所定の基準位置42に対するコントローラ32の相対位置と、光源40a及び光源40bを結ぶ直線に対するコントローラ32の傾き角度と、を算出する。ゲーム装置10には、基準位置42と、モニタ18に表示されるゲーム画面18aと、の位置関係に関する情報が記憶されており、この情報と、撮影画像解析部36によって取得されるコントローラ32の位置及び傾きと、に基づいて、コントローラ32の前端部32aが指し示す位置Pのスクリーン座標値が取得される。
【0024】
ここで、スクリーン座標値とはスクリーン座標系における座標値である。スクリーン座標系とは、図4に示すように、ゲーム画面18aの左上隅を原点とし、ゲーム画面18aの右方向をX軸正方向とし、ゲーム画面18aの下方向をY軸正方向とする座標系である。図4に示すように、スクリーン座標系の一定領域、すなわち、「0≦X≦W、かつ、0≦Y≦H」との条件を満足する領域(斜線で示す領域)がモニタ18に表示される領域である。Wはゲーム画面18aの幅を示し、Hはゲーム画面18aの高さを示す。
【0025】
なお、コントローラ32の前端部32aが指し示す位置Pのことを「コントローラ32の指示位置」と呼ぶ。また、撮影画像解析部36によって取得されるコントローラ32の位置及び傾きを示す情報、すなわち、コントローラ32の指示位置のスクリーン座標値を特定するための情報のことを「ポインティング情報」と呼ぶ。
【0026】
コントローラ32からコントローラインタフェース30に対しては、一定周期ごと(例えば1/60秒ごと)にコントローラ32の操作状態を表す操作信号が送信される。この操作信号には、例えば、コントローラ32を識別する識別情報と、上記のポインティング情報と、各ボタンの押下状態を示す情報と、が含まれる。コントローラインタフェース30は、コントローラ32から受信した操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14は操作信号に基づいて各コントローラ32におけるゲーム操作を判定する。例えば、マイクロプロセッサ14は、この操作信号(ポインティング情報)に基づいて、各コントローラ32の指示位置を特定する。また例えば、マイクロプロセッサ14は、この操作信号に基づいて、各コントローラ32において方向ボタン44、ボタン46a,46b,46cの押下操作が行われたか否かを判定する。
【0027】
上記構成を備えるゲーム装置10では、例えば、ユーザの操作対象のチーム(以下、ユーザチームと呼ぶ。)と、対戦相手チームと、の間のサッカーの試合を模したサッカーゲームが実行される。このサッカーゲームは、光ディスク25から読み出されたプログラムが実行されることによって実現される。
【0028】
ゲーム装置10の主記憶26には仮想3次元空間(ゲーム空間)が構築される。図5は仮想3次元空間の一例を示している。図5に示すように、仮想3次元空間50には、サッカーのフィールドを表すフィールドオブジェクト52と、ゴールを表すゴールオブジェクト54と、が配置されることによって、サッカーの試合会場が形成される。フィールドオブジェクト52上には、サッカーボールを表すボールオブジェクト56と、サッカー選手を表す選手オブジェクト58と、が配置される。図5では省略されているが、フィールドオブジェクト52上には、ユーザのユーザチームに属する11体の選手オブジェクト58と、対戦相手チームに属する11体の選手オブジェクト58と、が配置される。
【0029】
仮想3次元空間50には仮想カメラ59(視点及び視線方向)が設定される。仮想カメラ59は、例えばボールオブジェクト56の移動に応じて移動する。この仮想カメラ59から仮想3次元空間50を見た様子がゲーム画面18aに表示される。
【0030】
図6はゲーム画面18aの一例を示している。図6に示すように、ゲーム画面18aには、仮想3次元空間50を仮想カメラ59から見た様子を表す画像が表示される。またゲーム画面18aには、ユーザのコントローラ32の指示位置を示すカーソル60が表示される。本実施の形態ではカーソル60は円形状になっている。なお、カーソル60の形状は円形以外の形状であってもよい。
【0031】
このサッカーゲームでは、ユーザは操作対象の選手オブジェクト58の移動方向を、コントローラ32の前端部32aで指し示すことによって指示する。ユーザの操作対象の選手オブジェクト58は、カーソル60の表示位置に対応するフィールドオブジェクト52上の位置に向かって移動する。
【0032】
また、ユーザは操作対象の選手オブジェクト58のキック方向を、コントローラ32の前端部32aで指し示すことによって指示する。例えば、操作対象の選手オブジェクト58がボールオブジェクト56を保持している状態で、ユーザがキック指示ボタン(本実施の形態ではボタン46a)を押下すると、ユーザの操作対象の選手オブジェクト58は、カーソル60の表示位置に対応するフィールドオブジェクト52上の位置に向けてボールオブジェクト56を蹴り出す。例えば、カーソル60が他の選手オブジェクト58の位置に合わされた状態で、ユーザがキック指示ボタンを押下すると、その選手オブジェクト58に向けてのパスが行われる。
【0033】
図7はゲーム画面18aの他の一例を示している。図7に示すゲーム画面18aは、対戦相手チームの選手オブジェクト58fによってフリーキックが行われる場面を示している。図7において、選手オブジェクト58a〜58eはユーザチームに属する選手オブジェクト58である。ここでは、複数の選手オブジェクト58a〜58dが横一列に並ぶことによって、いわゆる「壁」が形成されている。また、選手オブジェクト58fは対戦相手チームに属する選手オブジェクト58であり、フリーキックのキッカーである。
【0034】
対戦相手チームのフリーキックの場面では、ユーザは、「壁」を形成する複数の選手オブジェクト58a〜58dのうちの少なくとも一つを選択し、フリーキックを妨害する趣旨で、フリーキックのキッカーがボールオブジェクト56を蹴るのと同時に、その選手オブジェクト58をキッカーに向けて移動させることができる。
【0035】
このとき、ユーザは、「壁」を形成する複数の選手オブジェクト58a〜58dのうちから所望の選手オブジェクト58を次のようにして選択する。図8は選手オブジェクト58の選択について説明するための図である。ここでは、例えば図7に示すゲーム画面18aにおいて、ユーザが2体の選手オブジェクト58a,58bを選択する場合を想定する。この場合、まず、ユーザは選手オブジェクト58aの近傍までカーソル60を移動させる。次に、ユーザは軌跡入力ボタン(本実施の形態ではボタン46b)を押しながら、「壁」を構成する複数の選手オブジェクト58a〜58dを2回囲むようにカーソル60を移動させる。すなわち、ユーザは軌跡入力ボタンを押しながら、「壁」を構成する複数の選手オブジェクト58a〜58dを2重に囲むような軌跡66を入力する。そして、その後、ユーザは軌跡入力ボタンの押下を解除する。なお、図8において、位置64aは軌跡入力ボタンの押下が開始された際のコントローラ32の指示位置(カーソル60の位置)を示している。位置64bは軌跡入力ボタンの押下が解除された際のコントローラ32の指示位置(カーソル60の位置)を示している。
【0036】
図8に示すような位置64aから位置64bに至る有限の長さの軌跡66が入力されると、当該軌跡66によって囲まれる複数の選手オブジェクト58a〜58dのうちから、それらの複数の選手オブジェクト58a〜58dを囲んだ回数に等しい数の選手オブジェクト58が、位置64a(始点位置)に近いものから順に選択される。図8に示す例の場合には、2体の選手オブジェクト58a,58bが選択される。そして、選択された2体の選手オブジェクト58a,58bは、フリーキックのキッカーがボールオブジェクト56を蹴るのと同時に前方に移動することになる。
【0037】
上記のように、ゲーム装置10では、ユーザは、複数の選手オブジェクト58a〜58dをカーソル60の軌跡によって囲むとともに、その囲む回数によって、複数の選手オブジェクト58a〜58dのうちから選択する選手オブジェクト58の数を指定する。またユーザは、複数の選手オブジェクト58a〜58dを囲む軌跡の始点位置によって、複数の選手オブジェクト58a〜58dのうちの所望の選手オブジェクト58を指定する。
【0038】
「壁」を形成する複数の選手オブジェクト58a〜58dのうちから所望の選手オブジェクト58をユーザが選択するための方法としては、ユーザが、所望の選手オブジェクト58をコントローラ32で指し示した状態で所定の選択ボタン(例えばボタン46b)を押下することによって、選手オブジェクト58を選択する方法も考えられる。しかしながら、このような方法では、ユーザが、複数の選手オブジェクト58a〜58dのうちから複数の選手オブジェクト58を選択することが困難な場合がある。例えば、「壁」を形成する複数の選手オブジェクト58a〜58dが互いに密接している場合には、ユーザが所望の選手オブジェクト58を正確に指し示すことができないおそれがある。また例えば、仮想カメラ59から、選手オブジェクト58a〜58dまでの距離が離れている場合には、選手オブジェクト58a〜58dがゲーム画面18aに比較的小さく表されるため、ユーザが所望の選手オブジェクト58を正確に指し示すことができないおそれがある。特に、2体目以降の選手オブジェクト58を選択する場合には、ユーザが、すでに選択済みの選手オブジェクト58を指し示した状態で選択ボタンを押下してしまうおそれがある。その結果、例えば、ユーザは2体の選手オブジェクト58を選択したつもりであるにもかかわらず、実際には1体の選手オブジェクト58しか選択されていないということが起こるおそれがある。この点、ゲーム装置10では、軌跡によって囲まれた複数の選手オブジェクト58のうちから、軌跡によって囲まれた回数に対応する数の選手オブジェクト58が選択される。このため、複数の選手オブジェクト58が互いに密接していたり、複数の選手オブジェクト58がゲーム画面18aに小さく表示されていたとしても、ユーザは、所望の数の選手オブジェクト58を比較的簡易に選択できるようになっている。
【0039】
以下、ゲーム装置10における選手オブジェクト58の選択方法を実現するための構成について説明する。
【0040】
まず、ゲーム装置10で実現される機能について説明する。図9は、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連するものを主として示す機能ブロック図である。図9に示すように、ゲーム装置10は、ゲーム状況情報記憶部70と、軌跡取得部72と、選択候補画像決定部74(判断手段)と、囲み回数取得部76と、画像選択部78と、主ゲーム処理部80と、を機能的に含んでいる。これらの機能ブロックは、光ディスク25から読み出されたプログラムがマイクロプロセッサ14によって実行されることによって実現される。
【0041】
ゲーム状況情報記憶部70は主記憶26を主として実現される。ゲーム状況情報記憶部70は、ゲームの状況を示すゲーム状況情報を記憶する。例えば、ゲーム状況情報記憶部70は、カーソル60の表示位置を示す情報を記憶する。また例えば、ゲーム状況情報記憶部70は、仮想3次元空間50に配置される各オブジェクト(ボールオブジェクト56や選手オブジェクト58等)の仮想3次元空間50における状態(位置や姿勢など)を示す情報を記憶する。また例えば、ゲーム状況情報記憶部70は、選手オブジェクト58のゲーム画面18aにおける表示位置を示す情報を記憶する。なお、選手オブジェクト58のゲーム画面18aにおける表示位置は、選手オブジェクト58の仮想3次元空間50の位置を、仮想カメラ59の位置、向き(視線方向)や画角に基づいて所定の行列演算を実行することによって取得される。また、ゲーム画面18aは、ゲーム状況情報記憶部70に記憶されるゲーム状況情報に基づいて生成される。
【0042】
軌跡取得部72はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。軌跡取得部72は、ユーザによって指示されるゲーム画面18a上の位置の有限の軌跡を取得する。本実施の形態の場合、軌跡取得部72は、軌跡入力ボタンが押下されている間のコントローラ32の指示位置の軌跡66を取得する。すなわち、軌跡取得部72は、軌跡入力ボタンが押下されている間において所定時間(本実施の形態では1/60秒)ごとに取得されるコントローラ32の指示位置の列を取得する。軌跡入力ボタンの押下が解除された場合、軌跡取得部72には、軌跡入力ボタンが押下されていた間のコントローラ32の指示位置の軌跡66のデータが記憶される。
【0043】
図10は、軌跡66のデータについて説明するための図である。図10に示すように、軌跡66のデータには、軌跡66上の複数の位置座標(ここでは位置座標P1〜P33)が含まれる。なお、図8において、位置座標Pは始点位置座標である。始点位置座標とは、軌跡入力ボタンの押下が開始された際のコントローラ32の指示位置である。位置座標P33は終点位置座標である。終点位置座標とは、軌跡入力ボタンの押下が解除された際のコントローラ32の指示位置である。なお、以下では、例えば図10に示すような軌跡66において、位置座標Pから位置座標P18までの軌跡部分のことを1周目の軌跡部分と呼び、位置座標P18から位置座標P33までの軌跡部分のことを2周目の軌跡部分と呼ぶ。
【0044】
選択候補画像決定部74はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。選択候補画像決定部74は、ユーザチームに属する複数の選手オブジェクト58(複数の画像)のうちの、軌跡取得部72によって取得される軌跡によって囲まれる1又は複数の選手オブジェクト58を判断する。そして、選択候補画像決定部74は、軌跡取得部72によって取得される軌跡によって囲まれる1又は複数の選手オブジェクト58を選択候補選手オブジェクトとして決定する。
【0045】
囲み回数取得部76はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。囲み回数取得部76は、軌跡取得部72によって取得された軌跡によって囲まれると選択候補画像決定部74によって判断された選手オブジェクト58(選択候補選手オブジェクト)が該軌跡によって囲まれた回数を取得する。
【0046】
画像選択部78はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。画像選択部78は、選択候補選手オブジェクトのうちから、囲み回数取得部76によって取得された回数に対応する数の選手オブジェクト58を選択する。例えば、画像選択部78は、選択候補選手オブジェクトのうちから、囲み回数取得部76によって取得された回数に等しい数の選手オブジェクト58を選択する。
【0047】
なお、画像選択部78は、囲み回数取得部76によって取得された回数と、選択される選手オブジェクト58の数に関する情報と、を対応づけてなるデータを記憶するようにしてもよい。そして、画像選択部78は、上記のデータに基づいて、囲み回数取得部76によって取得された回数に対応する選手オブジェクト58の数を判断するようにしてもよい。ここで、上記のデータはテーブル形式のデータであってもよいし、数式形式のデータであってもよい。
【0048】
例えば、上記のデータは、画像選択部78によって選択される選手オブジェクトの数が、囲み回数取得部76によって取得された回数に正比例又は反比例するように設定されるようにしてもよい。
【0049】
また例えば、上記のデータにおいて、「選択される選手オブジェクト58の数に関する情報」は、軌跡取得部72によって取得される軌跡によって囲まれた選手オブジェクト58の数と、画像選択部78によって選択される選手オブジェクトの数と、の差を示す情報であってもよい。この場合、上記のデータにおいて、「選択される選手オブジェクト58の数に関する情報」は、囲み回数取得部76によって取得された回数が増えるにつれて、画像選択部78によって選択される選手オブジェクトの数が減るように設定されるようにしてもよい。例えば、軌跡取得部72によって取得される軌跡によって4体の選手オブジェクト58が囲まれた場合を想定する。この場合、囲み回数取得部76によって取得された回数が1回である場合には、4体の選手オブジェクト58がすべて画像選択部78によって選択されるようにしてもよい。また、囲み回数取得部76によって取得された回数が2回である場合には、4体の選手オブジェクト58よりも1体少ない3体の選手オブジェクト58が画像選択部78によって選択されるようにしてもよい。さらに、囲み回数取得部76によって取得された回数が3回である場合には、4体の選手オブジェクト58よりも2体少ない2体の選手オブジェクト58が画像選択部78によって選択されるようにしてもよい。
【0050】
また、画像選択部78は、囲み回数取得部76によって取得された回数が所定回数以上である場合に、軌跡取得部72によって取得される軌跡によって囲まれた選手オブジェクト58のすべてを選択するようにしてもよい。例えば、囲み回数取得部76によって取得された回数が3回以上である場合には、軌跡取得部72によって取得される軌跡によって囲まれた選手オブジェクト58の数によらず、軌跡取得部72によって取得される軌跡によって囲まれた選手オブジェクト58のすべてが画像選択部78によって選択されるようにしてもよい。
【0051】
また、画像選択部78は、選手オブジェクト58の選択を、軌跡取得部72によって取得される軌跡66の始点位置と、各選択候補選手オブジェクトの位置と、に基づいて実行する。例えば、画像選択部78は、選択候補選手オブジェクトのうちから、囲み回数取得部76によって取得された回数に対応する数の選手オブジェクト58を、軌跡取得部72によって取得される軌跡66の始点位置からの距離が小さい順に選択する。
【0052】
なお、画像選択部78は、選手オブジェクト58の選択を、軌跡取得部72によって取得される軌跡66の終点位置と、各選択候補選手オブジェクトの位置と、に基づいて実行するようにしてもよい。例えば、画像選択部78は、選択候補選手オブジェクトのうちから、囲み回数取得部76によって取得された回数に対応する数の選手オブジェクト58を、軌跡取得部72によって取得される軌跡66の終点位置からの距離が小さい順に選択する。また、画像選択部78は、選択候補選手オブジェクトのうちから、囲み回数取得部76によって取得された回数に対応する数の選手オブジェクト58を、乱数に基づいて選択するようにしてもよい。
【0053】
主ゲーム処理部80はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。主ゲーム処理部80は、ゲーム処理を実行することによって、ゲーム状況情報記憶部70に記憶されるゲーム状況情報を更新する。例えば、主ゲーム処理部80は、画像選択部78によって選択された選手オブジェクト58に基づいてゲーム処理を実行する。例えば、主ゲーム処理部80は、対戦相手チームのフリーキックが行われる場面において、画像選択部78によって選択された選手オブジェクト58を、フリーキックのキッカーがボールオブジェクト56を蹴るのと同時にキッカーに向けて移動させる。
【0054】
次に、ゲーム装置10で実行される処理について説明する。図11及び図12は、対戦相手チームのフリーキックが行われる場面において実行される選手オブジェクト58の選択処理を示すフロー図である。図11及び図12に示す処理は、軌跡入力ボタンの押下が解除されたタイミングで実行される。上述したように、軌跡入力ボタンの押下が解除された場合、例えば図10に示すような軌跡66のデータが記憶されている。図11及び図12に示す処理はこのデータに基づいて実行される。
【0055】
図11に示すように、まずゲーム装置10は変数n,i,jを初期化する(S101)。このとき、変数nは0に初期化される。変数i,jは1に初期化される。その後、ゲーム装置10(囲み回数取得部76)は、軌跡66上の位置座標Pから位置座標Pi+jまでの部分が囲み条件を満足するか否かを判定する(S102)。位置座標Pは軌跡66上のi番目の位置座標である。また、位置座標Pi+jは軌跡66上のi+j番目の位置座標である。
【0056】
囲み条件とは、ある領域が位置座標Pから位置座標Pi+jまでの軌跡部分によって囲まれたと判断されるような条件である。本実施の形態では、下記の2種類の条件A,Bが囲み条件として用意されている。図13及び図14は囲み条件を説明するための図である。
[条件A]位置座標Pと位置座標Pi+jとの間の直線距離が所定距離L未満であって、かつ、位置座標Pi+1〜Pi+j−1のうちに、位置座標Pからの直線距離が所定距離L以上となる位置座標が存在する。
[条件B]位置座標Pi+j−1から位置座標Pi+jへの直線が、位置座標Pi+kから位置座標Pi+k+1(0≦k≦j−2)への直線と交わる。
【0057】
例えば、位置座標Pから位置座標Pi+jまでの軌跡部分が、図13に示すような位置座標Pから位置座標P12までの軌跡部分66aである場合を想定する。この場合、位置座標Pと位置座標P12との間の直線距離が所定距離L未満であり、かつ、位置座標P〜P11はいずれも位置座標Pからの直線距離が所定距離L以上であるため、位置座標Pから位置座標P12までの軌跡部分は上記条件Aを満足する。
【0058】
また例えば、位置座標Pから位置座標Pi+jまでの軌跡部分が、図14に示すような位置座標Pから位置座標P12までの軌跡部分66aである場合を想定する。この場合、位置座標P11から位置座標P12への直線が、位置座標Pから位置座標Pへの直線と交わるため、位置座標Pから位置座標P12までの軌跡部分66aは上記条件Bを満足する。
【0059】
位置座標Pから位置座標Pi+jまでの軌跡部分が囲み条件A又はBのいずれも満足しないと判定された場合、ゲーム装置10は、位置座標Pi+jが軌跡66の終点位置座標であるか否かを判定する(S108)。そして、位置座標Pi+jが軌跡66の終点位置座標でない場合、ゲーム装置10は変数jに1を加算して(S109)、S102から再実行する。
【0060】
一方、位置座標Pから位置座標Pi+jまでの軌跡部分が囲み条件A又はBを満足すると判定された場合、ゲーム装置10(囲み回数取得部76)は変数nに1を加算する(S103)。その後、ゲーム装置10(選択候補画像決定部74)は、ユーザチームに属する選手オブジェクト58のうちから、位置座標Pから位置座標Pi+jまでの軌跡部分によって囲まれる選手オブジェクト58を選出する(S104)。このとき、選出された選手オブジェクト58のIDが主記憶26に記憶される。
【0061】
位置座標Pから位置座標Pi+jまでの軌跡部分によって選手オブジェクト58が囲まれるか否かは、例えば次のようにして判定される。図15はこの判定方法について説明するための図である。ここでは、位置座標Pから位置座標Pi+jまでの軌跡部分が、図15に示すような位置座標Pから位置座標P12までの軌跡部分66aである場合を想定する。図15に示すように、選手オブジェクト58の表示位置90を通り、あらかじめ定めた方向に延伸する複数の(例えば2つの)直線92のすべてが軌跡部分66aと当該選手オブジェクト58の表示位置90を挟んで2つの交点を有するか否かが判定される。そして複数の仮想的な直線92のすべてが、そのような軌跡部分66aとの2つの交点を有していれば、その選手オブジェクト58は軌跡部分66aによって囲まれていると判定される。
【0062】
S104の実行後、ゲーム装置10は変数nが1であるか否かを判定する(S105)。変数nが1である場合とは、位置座標Pから位置座標Pi+jまでの軌跡部分が1周目の軌跡部分である場合である。この場合、ゲーム装置10(選択候補画像決定部74)は、S104で選出された選手オブジェクト58を選択候補選手オブジェクトとして保持する(S106)。このとき、S104で選出された選手オブジェクト58のIDが選択候補選手オブジェクトIDとして主記憶26に保持される。
【0063】
一方、変数nが1でない場合とは、位置座標Pから位置座標Pi+jまでの軌跡部分が2周目以降の軌跡部分である場合である。この場合、ゲーム装置10(選択候補画像決定部74)は、選択候補選手オブジェクトとして既に保持されている選手オブジェクト58のうちに、S104において選出されなかった選手オブジェクト58が含まれていれば、その選手オブジェクト58を選択候補選手オブジェクトから除く(S107)。この処理(S107)が実行されることによって、例えば、1周目の軌跡部分に囲まれていた選手オブジェクト58が、2周目の軌跡部分に囲まれていないような場合、その選手オブジェクト58は選択候補選手オブジェクトから除外される。
【0064】
S106又はS107の実行後、ゲーム装置10は位置座標Pi+jが軌跡66の終点位置座標か否かを判定する(S110)。位置座標Pi+jが軌跡66の終点位置座標でない場合、ゲーム装置10は変数iをi+jに更新し、変数jを1に更新する(S113)。そして、ゲーム装置10はS102から再実行する。
【0065】
S108又はS110において位置座標Pi+jが軌跡66の終点位置座標であると判定された場合、ゲーム装置10は変数nが1以上であるか否かを判定する(S111)。そして、変数nが1以上である場合、ゲーム装置10(画像選択部78)は、選択候補選手オブジェクトとして選出された選手オブジェクト58のうちで、位置座標P(始点位置座標)からの距離が1〜n番目に小さい選手オブジェクト58を選択選手オブジェクトとして選出する(S113)。例えば変数nが2である場合、選択候補選手オブジェクトとして選出された選手オブジェクト58のうちで、位置座標Pからの距離が最も小さい選手オブジェクト58と、位置座標Pからの距離が2番目に小さい選手オブジェクト58と、が選択選手オブジェクトとして選出される。また、このとき、選択選手オブジェクトとして選出された選手オブジェクト58のIDが選択選手オブジェクトIDとして主記憶26に記憶される。
【0066】
ゲーム装置10(主ゲーム処理部80)は、主記憶26に記憶された選択選手オブジェクトIDを、対戦相手チームのフリーキックが実行される際に参照する。すなわち、ゲーム装置10は、対戦相手チームのフリーキックが実行されるのと同時に、選択選手オブジェクトIDに対応する選手オブジェクト58をキッカーに向けて移動させる。
【0067】
なお、S111において変数nが1以上でないと判定された場合とは、ある領域を囲むような軌跡66が入力されなかった場合である。この場合、選択選手オブジェクトは選出されない。
【0068】
以上説明したゲーム装置10では、対戦相手チームのフリーキックの場面において、ユーザは、「壁」を形成する複数の選手オブジェクト58のうちから少なくとも一つを選択し、フリーキックのキッカーがボールオブジェクト56を蹴り出すのと同時に、その選択された選手オブジェクト58をキッカーに向けて移動させることができる。この場合、ユーザは、「壁」を形成する複数の選手オブジェクト58をコントローラ32の指示位置(カーソル60の表示位置)の軌跡によって囲む回数によって、「壁」を形成する複数の選手オブジェクト58のうちから選択する選手オブジェクト58の数を指定することができる。また、ユーザは、「壁」を形成する複数の選手オブジェクト58を囲む軌跡の始点位置によって、所望の選手オブジェクト58をある程度指定することができる。その結果、例えば、「壁」を形成する複数の選手オブジェクト58が密着している場合や、「壁」を形成する複数の選手オブジェクト58がゲーム画面18aにおいて比較的小さく表される場合であっても、ユーザは、「壁」を形成する複数の選手オブジェクト58のうちから所望の数(特に複数の)選手オブジェクト58を比較的容易に選択できるようになる。
【0069】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0070】
例えば、以上の説明では、プログラムを情報記憶媒体たる光ディスク25から家庭用ゲーム機11に供給するようにしたが、通信ネットワークを介してプログラムを家庭等に配信するようにしてもよい。図16は、通信ネットワークを用いたプログラム配信システムの全体構成を示す図である。図16に基づいて本発明に係るプログラム配信方法を説明する。図16に示すように、このプログラム配信システム100は、ゲームデータベース102、サーバ104、通信ネットワーク106、パソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA(携帯情報端末)112を含んでいる。このうち、ゲームデータベース102とサーバ104とによりプログラム配信装置114が構成される。通信ネットワーク106は、例えばインターネットやケーブルテレビネットワークを含んで構成されている。このシステムでは、ゲームデータベース(情報記憶媒体)102に、光ディスク25の記憶内容と同様のプログラムが記憶されている。そして、パソコン108、家庭用ゲーム機110又はPDA112等を用いて需要者がゲーム配信要求をすることにより、それが通信ネットワーク106を介してサーバ104に伝えられる。そして、サーバ104はゲーム配信要求に応じてゲームデータベース102からプログラムを読み出し、それをパソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA112等、ゲーム配信要求元に送信する。ここではゲーム配信要求に応じてゲーム配信するようにしたが、サーバ104から一方的に送信するようにしてもよい。また、必ずしも一度にゲームの実現に必要な全てのプログラムを配信(一括配信)する必要はなく、ゲームの局面に応じて必要な部分を配信(分割配信)するようにしてもよい。このように通信ネットワーク106を介してゲーム配信するようにすれば、プログラムを需要者は容易に入手することができるようになる。
【0071】
また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームは、3つの座標要素によって構成される3次元ゲーム空間の様子をゲーム画面18aに表示するゲームに限られず、2つの座標要素によって構成される2次元ゲーム空間の様子をゲーム画面18aに表示するゲームでもよい。すなわち、ゲーム装置10で実行されるゲームは、ボールキャラクタや選手キャラクタの位置等が2つの座標要素で管理されるゲームであってもよい。
【0072】
また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームは、2名以上のユーザによって行われるゲームであってもよい。また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームはサッカーゲームに限られない。ゲーム装置10で実行されるゲームはサッカーゲーム以外のスポーツゲームであってもよい。ゲーム装置10で実行されるゲームはスポーツゲーム以外のゲームであってもよい。
【0073】
また例えば、操作入力部31はタッチパネルであってもよい。また例えば、操作入力部31はマウスであってもよい。
【0074】
また例えば、本発明はゲーム装置10以外の情報処理装置にも適用することが可能である。本発明は、表示画面に表示される複数の画像のうちからユーザによって選択される少なくとも一つの画像に基づいて処理を実行する情報処理装置に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施の形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】操作入力部の一例を示す図である。
【図3】コントローラの一例を示す図である。
【図4】スクリーン座標系について示す図である。
【図5】仮想3次元空間の一例を示す図である。
【図6】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図7】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図8】選手オブジェクトの選択操作について説明するための図である。
【図9】本実施の形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図10】コントローラの指示位置の軌跡のデータの一例を示す図である。
【図11】ゲーム装置で実行される処理を示すフロー図である。
【図12】ゲーム装置で実行される処理を示すフロー図である。
【図13】囲み条件を説明するための図である。
【図14】囲み条件を説明するための図である。
【図15】軌跡によって囲まれる選手オブジェクトを判断するための方法を説明するための図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係るプログラム配信システムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
10 ゲーム装置、11,110 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、18a ゲーム画面、20 音声処理部、22 スピーカ、24 光ディスクドライブ、25 光ディスク、26 主記憶、27 メモリカードスロット、28 メモリカード、29 通信インタフェース、30 コントローラインタフェース、31 操作入力部、32 コントローラ、32a 前端部、34 撮像部、36 撮像画像解析部、38 発光部、40a,40b 光源、42 基準位置、44 方向ボタン、46a,46b,46c ボタン、50 仮想3次元空間、52 フィールドオブジェクト、54 ゴールオブジェクト、56 ボールオブジェクト、58 選手オブジェクト、59 仮想カメラ、60 カーソル、66 軌跡、66a 軌跡部分、70 ゲーム状況情報記憶部、72 軌跡取得部、74 選択候補画像決定部、76 囲み回数取得部、78 画像選択部、80 主ゲーム処理部、100 プログラム配信システム、102 ゲームデータベース、104 サーバ、106 通信ネットワーク、108 パソコン、112 携帯情報端末(PDA)、114 プログラム配信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に表示される複数の画像のうちからユーザによって選択される少なくとも一つの画像に基づいて処理を実行する情報処理装置において、
前記ユーザによって指示される前記表示画面上の位置の軌跡を取得する軌跡取得手段と、
前記複数の画像のうちの、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれる画像を判断する判断手段と、
前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像が該軌跡によって囲まれた回数を取得する囲み回数取得手段と、
前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像のうちから、前記囲み回数取得手段によって取得された回数に対応する数の画像を選択する画像選択手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記画像選択手段は、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像のうちから、前記囲み回数取得手段によって取得された回数に対応する数の画像を、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡の始点位置又は終点位置と、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像の位置と、に基づいて選択することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記画像選択手段は、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像のうちから、前記囲み回数取得手段によって取得された回数に対応する数の画像を、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡の始点位置又は終点位置からの距離が小さい順に選択することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
表示画面に表示される複数の画像のうちからユーザによって選択される少なくとも一つの画像に基づいて処理を実行する情報処理装置の制御方法において、
前記ユーザによって指示される前記表示画面上の位置の軌跡を取得するための軌跡取得ステップと、
前記複数の画像のうちの、前記軌跡取得ステップにおいて取得された軌跡によって囲まれる画像を判断するための判断ステップと、
前記軌跡取得ステップにおいて取得された軌跡によって囲まれると前記判断ステップにおいて判断された画像が該軌跡によって囲まれた回数を取得するための囲み回数取得ステップと、
前記軌跡取得ステップにおいて取得された軌跡によって囲まれると前記判断ステップにおいて判断された画像のうちから、前記囲み回数取得ステップにおいて取得された回数に対応する数の画像を選択するための画像選択ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項5】
表示画面に表示される複数の画像のうちからユーザによって選択される少なくとも一つの画像に基づいて処理を実行する情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記ユーザによって指示される前記表示画面上の位置の軌跡を取得する軌跡取得手段、
前記複数の画像のうちの、前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれる画像を判断する判断手段、
前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像が該軌跡によって囲まれた回数を取得する囲み回数取得手段、及び、
前記軌跡取得手段によって取得された軌跡によって囲まれると前記判断手段によって判断された画像のうちから、前記囲み回数取得手段によって取得された回数に対応する数の画像を選択する画像選択手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−225779(P2008−225779A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62369(P2007−62369)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】