説明

情報処理装置、方法およびプログラム

【課題】プリンタドライバのインストール後に印刷設定情報を反映させる別個の操作を要することなく、インストール時にアクセス不能なデータ領域を有する印刷設定情報のデータベースに対して、インストール時に総ての印刷設定情報を設定可能な情報処理装置、方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明は、プリンタドライバのインストール時にアクセス可能なデータベース手段のデータ領域に当該プリンタドライバの印刷設定情報を保存する情報処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタドライバに関し、より詳細には、プリンタドライバの印刷設定情報をカスタマイズする情報処理装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタの導入環境に応じて、プリンタドライバの印刷設定情報の初期値をユーザが容易にカスタマイズすることが所望されている。
【0003】
プリンタドライバをカスタマイズする種々の技術は提案されており、その一例として、特許文献1は、プリンタドライバにより設定される印刷設定情報をカスタマイズする技術を開示する。この技術では、表示部に印刷機能のデフォルト値を表示し、ユーザのインタラクティブ操作によってデフォルト値を変更する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、印刷設定情報が保存される情報処理装置のデータベースには、プリンタドライバのインストール時にアクセスできないデータ領域、例えば、WINDOWS(登録商標)OSの場合、当該OSが提供するクラスドライバであるUniversal Printer Driver(以下、「Unidrv」とする。)が管理するデータ領域があり、特許文献1が開示する技術では、クラスドライバを利用するミニドライバのインストール時に、総ての印刷設定情報を当該データベースに設定することができない。
【0005】
そのため、このようなデータ領域に印刷設定情報を設定するには、プリンタドライバのインストール後に、当該データ領域へのアクセスが可能な印刷情報の設定画面などを表示して設定内容を反映するなど、別個の操作を行わなければならないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、プリンタドライバのインストール後に印刷設定情報を反映させる別個の操作を要することなく、インストール時にアクセス不能なデータ領域を有する印刷設定情報のデータベースに対して、インストール時に総ての印刷設定情報を設定可能な情報処理装置、方法およびプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、プリンタドライバのインストール時にアクセス可能なデータベース手段のデータ領域に当該プリンタドライバの印刷設定情報を保存する情報処理装置を提供する。また、本発明は、インストール時にアクセス可能なデータベース手段のデータ領域に印刷設定情報を保存する方法およびプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、上記構成要件を採用することにより、プリンタドライバのインストール後に印刷設定情報を反映させる別個の操作を要することなく、インストール時にアクセス不能なデータ領域を有するデータベースに対して、インストール時に総ての印刷設定情報を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の情報処理装置の機能構成を示す図。
【図2】本発明の情報処理装置が使用する印刷設定ファイルの一実施形態を示す図。
【図3】本発明の情報処理装置が使用する設定値算出ファイルの一実施形態を示す図。
【図4】本発明の情報処理装置が採用する印刷設定情報の初期値を指定するキーワードと、印刷設定データベースに設定すべき設定値との対応関係の一実施形態を示す図。
【図5】本発明の情報処理装置が実行するプリンタドライバのインストール処理の一実施形態を示すフローチャート。
【図6】本発明の情報処理装置が印刷設定データベースに保存すべき設定値を算出する処理の一実施形態を示すフローチャート。
【図7】本発明の情報処理装置が印刷設定データベースに保存すべき設定値を算出する処理の別の実施形態を示すフローチャート。
【図8】本発明の情報処理装置が印刷設定データベースに保存すべき設定値を算出する処理の他の実施形態を示すフローチャート。
【図9】本発明の情報処理装置が実行するプリンタドライバのインストール処理の他の実施形態を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、本発明の情報処理装置の機能構成を示す図である。
【0011】
情報処理装置100は、プリンタドライバをインストール可能な情報処理装置である。情報処理装置100は、インターネットなどのネットワークやCD−ROM等の記録媒体を通じてプリンタドライバを取得し、その印刷設定情報を情報処理装置100の記憶手段に設定する。本実施形態では、情報処理装置100として、ノート型やデスクトップ型等のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を採用することができる。
【0012】
情報処理装置100は、PENTIUM(登録商標)やAMD ATHLON(登録商標)等の種々のCPUを搭載し、WINDOWS(登録商標)2000やWINDOWS XP(登録商標)、WINDOWS VISTA(登録商標)、WINDOWS(登録商標)7等のWINDOWS(登録商標)OS、MAC(登録商標)OS、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)などのOSの管理下で、アセンブラ、C、C++、C#、VISUAL BASIC(登録商標)、JAVA(登録商標)、JAVASCRIPT(登録商標)、PERL、RUBY、PYTHONなどの種々のプログラム言語で記述された本実施形態のプログラムを実行する。
【0013】
また、情報処理装置100は、プログラムを実行するための実行空間を提供するRAM、プログラムやデータなどを持続的に保持するためのハードディスク装置などを含んでおり、本実施形態の各機能手段をプログラムの実行により、当該情報処理装置上に実現する。
【0014】
情報処理装置100は、OS110と、印刷設定データベース114とを含んで構成される。OS110は、情報処理装置100の全体制御を行うソフトウェアプログラムであり、インストール制御部112を含んで構成される。
【0015】
インストール制御部112は、プリンタドライバのインストールを制御する機能手段である。インストール制御部112は、インストール対象のプリンタドライバ120が有する印刷設定ファイル122および設定値算出ファイル124を用いて、インストール時にアクセス可能な印刷設定データベース114のデータ領域に保存すべき設定値を導出する。インストール制御部112は、導出した設定値を印刷設定データベース114の当該データ領域に保存する。
【0016】
印刷設定データベース114は、情報処理装置100にインストールするプリンタドライバの印刷設定情報が登録されるデータベースである。印刷設定データベース114には、プリンタドライバ120のインストール時にアクセス可能なデータ領域と、インストール時にアクセスできないデータ領域とを有する。
【0017】
OS110がWINDOWS(登録商標)OSの場合では、印刷設定データベース114は、種々の設定情報を登録するレジストリデータベースである。このレジストリデータベースには、印刷設定情報を登録すべきデータ構造体であるDevmode構造体を生成することができる。Devmode構造体には、デバイスに依存しないデータ領域であるPublicDevmodeと、デバイスに依存するデータ領域であるPrivateDevmodeとがある。
【0018】
PublicDevmodeは、プリンタドライバ120のインストール時にアクセス可能なデータ領域であり、OS110の仕様で規定される標準的なプリンタ機能(例えば、用紙サイズ、両面/片面印刷、カラー/モノクロ印刷、給紙トレイ、紙種、解像度等)の設定値を保存することができる。
【0019】
PrivateDevmodeは、WINDOWS(登録商標)OSが提供するUnidrv等のクラスドライバが管理するデータ領域と、プリンタを製造するベンダが任意の印刷設定情報を設定可能なデータ領域とを含んで構成される。クラスドライバが管理するデータ領域は、インストール時にアクセスすることができず、一方、ベンダが拡張可能なデータ領域はインストール時にアクセスすることができる。
【0020】
WINDOWS(登録商標)OSを使用する実施形態では、インストール制御部112は、IprintOemUI2::Devmode関数を使用して、導出した設定値をDevmode構造体に保存することができる。
【0021】
プリンタドライバ120は、情報処理装置100にインストールすべきプリンタドライバであり、印刷設定ファイル122と、設定値算出ファイル124とを含んで構成される。WINDOWS(登録商標)OSを使用する実施形態では、プリンタドライバ120は、ベンダが製造するミニドライバである。
【0022】
印刷設定ファイル122は、印刷設定データベース114に設定すべき印刷設定情報が記述されたファイルである。印刷設定ファイル122には、プリンタドライバ120のインストール時に設定すべき印刷設定情報の初期値が記述される。本実施形態では、XML(Extensible Markup Language)やHTML(Hypertext Markup Language)、XHTML(Extensible Hypertext Markup Language)等のユーザが理解し易く編集の容易なマークアップ言語を用いて、印刷設定ファイル122を記述することができる。
【0023】
設定値算出ファイル124は、印刷設定データベース114に設定可能な印刷設定情報を算出する設定値算出情報が記述されたファイルである。従来の方法では、図3に示すような設定値算出ファイル124のみを用いて印刷設定情報の初期値を設定するが、本発明では、印刷設定ファイル122および設定値算出ファイル124を用いて印刷設定情報の初期値を設定する。本実施形態では、設定値算出ファイル124として、GPD(Generic Printer Description)やPPD(PostScript Printer Description)等のファイルを採用することができる。
【0024】
図2は、本発明の情報処理装置が使用する印刷設定ファイルの一実施形態を示す図である。以下、図2を参照して、印刷設定ファイル200について説明する。
【0025】
印刷設定ファイル200は、マークアップ言語によって記述したテキストファイルであり、プリンタドライバ120が制御するプリンタが提供する機能毎に、文字、数字若しくは記号またはこれらの結合(以下、「キーワード」とする。)を用いて印刷設定情報の初期値を指定する。
【0026】
印刷用紙のサイズを示す「PageSize」には、初期値としてA3サイズの印刷用紙を指定するキーワード「A3」が対応付けられている。印刷用紙を供給する給紙トレイを示す「InputSlot」には、初期値として給紙トレイの種類を指定するキーワード「2Tray」が対応付けられている。印刷画像の解像度を示す「Resolution」には、初期値として300dpiの解像度を指定するキーワード「300dpi」が対応付けられている。
【0027】
印刷画像のカラーモデルを示す「ColorModel」には、初期値としてCMYKカラーモデルを指定するキーワード「CMYK」が対応付けられている。印刷用紙の種類を示す「MediaType」には、初期値として再生紙を指定するキーワード「Recycled」が対応付けられている。ステープルの止め位置を示す「StapleLocation」には、初期値としてステープルの止め位置を指定するキーワード「Left2」が対応付けられている。
【0028】
OS110がWINDOWS(登録商標)OSである場合、従来の方法では、カラーモデルおよびステープルの止め位置の初期値が、インストール時にアクセス可能な印刷設定データベース114のデータ領域に設定され、その他の初期値が、インストール時にアクセス不能な印刷設定データベース114のデータ領域に設定される。本発明では、これら総ての初期値をインストール時にアクセス可能な印刷設定データベース114のデータ領域に設定する。
【0029】
図3は、本発明の情報処理装置が使用する設定値算出ファイルの一実施形態を示す図である。以下、図3を参照して、設定値算出ファイル300について説明する。
【0030】
設定値算出ファイル300はGPDファイルであり、プリンタドライバ120が制御するプリンタの機能毎に設定値算出情報が記述される。プリンタの給紙トレイを指定するInputSlot310には、給紙トレイの種類を指定するキーワード312,314(「MultiTray」および「Tray1」)と、印刷設定データベース114に設定すべき設定値316,318(「257」および「258」)とが対応付けて記述されている。また、InputSlot310には、キーワード320,322(「Tray2」および「Tray3」)と、印刷設定画面に表示すべき文字列324,326(「給紙台」および「給紙台(手差し)」)とが対応付けて記述されている。
【0031】
印刷用紙サイズを指定するPageSize330には、用紙サイズを指定するキーワード332,334(「A3」および「A4」)と、印刷設定データベース114に設定すべき設定値336,338(「DMPAPER_A3」および「DMPAPER_A4」)とが対応付けて記述されている。
【0032】
図3に示す設定値算出ファイル300には、プリンタの給紙トレイおよび用紙サイズの設定値算出情報のみが記述されているが、本発明の設定値算出ファイルには、プリンタドライバ120が制御するプリンタが有する様々な機能に関する設定値算出情報を記述することができる。
【0033】
図4は、本発明の情報処理装置が採用する印刷設定情報の初期値を指定するキーワードと、印刷設定データベースに設定すべき設定値との対応関係の一実施形態を示す図である。
【0034】
印刷設定データベース114に設定すべき設定値は、情報処理装置100のOS110によって割り当てられ、その割り当て方法や設定値は、OS110の仕様に依存する。
【0035】
図4に示す実施形態では、給紙トレイ「InputSlot」410の各キーワードには、設定値算出ファイル124に記述した順序で、「257」から昇順の設定値が割り当てられる。用紙種類「MediaType」412の各キーワードには、設定値算出ファイル124に記述した順序で、「256」から昇順に規定される設定値が割り当てられる。
【0036】
出力用紙サイズ「PageSize」414の各キーワードには、所定の文字列または数値が割り当てられる。これらの文字列には、OS110によって所定の値が定義される。解像度「Resolution」416の各キーワードには、所定の数値が割り当てられる。
【0037】
図4に示す印刷設定情報は、従来の方法では、インストール時にアクセス不能な印刷設定データベース114のデータ領域に設定される情報であるが、本発明では、インストール時にアクセス可能な印刷設定データベース114のデータ領域に設定される。WINDOWS(登録商標)OSを使用する実施形態では、これらの印刷設定情報は、インストール時にアクセス可能なPublicDevmodeに保存することができる。
【0038】
図5は、本発明の情報処理装置が実行するプリンタドライバのインストール処理の一実施形態を示すフローチャートである。以下、図5を参照して、プリンタドライバ120のインストール処理について説明する。
【0039】
図5の処理は、ユーザが行うプリンタドライバ120のインストール開始操作により、ステップS500から開始する。ステップS501では、OS110のインストール制御部112が、プリンタドライバ120の印刷設定ファイル122から印刷設定情報を取得する。ステップS502では、インストール制御部112は、当該印刷設定情報および設定値算出ファイル124の設定値算出情報を用いて、インストール時にアクセス可能な印刷設定データベース114のデータ領域に保存すべき設定値を算出する。ステップS503では、インストール制御部112は、ステップS502で算出した設定値を印刷設定データベース114の当該データ領域に保存し、ステップS504で処理が終了する。
【0040】
図6は、本発明の情報処理装置が印刷設定データベースに保存すべき設定値を算出する処理の一実施形態を示すフローチャートである。本実施形態は、キーワードと設定値とが対応付けられた設定値算出情報を使用する場合に採用することができる。以下、図6を参照して、印刷設定データベース114のデータ領域に設定すべき設定値を算出する処理について説明する。
【0041】
図6の処理は、図5に示すステップS502に相当し、ステップS600から開始する。ステップS601では、インストール制御部112は、印刷設定情報をパースし、当該印刷設定情報に含まれる初期値を指定するキーワードを抽出する。ステップS602では、インストール制御部112は、設定値算出情報を参照して、ステップS601で抽出したキーワードに対応付けられた設定値を抽出し、ステップS603で処理が終了する。
【0042】
図7は、本発明の情報処理装置が印刷設定データベースに保存すべき設定値を算出する処理の別の実施形態を示すフローチャートである。本実施形態は、キーワードと、印刷設定画面に表示すべき文字列とが対応付けられた設定値算出情報を使用する場合に採用することができる。以下、図7を参照して、印刷設定データベース114のデータ領域に設定すべき設定値を算出する処理について説明する。
【0043】
図7の処理は、図5に示すステップS502に相当し、ステップS700から開始する。ステップS701では、インストール制御部112は、印刷設定情報をパースし、当該印刷設定情報に含まれる初期値を指定するキーワードを抽出する。ステップS702では、インストール制御部112は、設定値算出情報を参照し、ステップS701で抽出したキーワードの記載順序を用いて、当該キーワードに対応する設定値を算出し、ステップS703で処理が終了する。
【0044】
例えば、図3に示す設定値算出情報を使用する場合、初期値としてキーワード「Tray2」が指定されているときには、当該キーワードは、キーワード「MultiTray」から数えて3番目に記載されているため、インストール制御部112は、キーワード「MultiTray」の設定値「257」を基準値として、キーワード「Tray2」の設定値「259」を算出することができる。
【0045】
図8は、本発明の情報処理装置が印刷設定データベースに保存すべき設定値を算出する処理の他の実施形態を示すフローチャートである。本実施形態は、プリンタドライバをバージョンアップする場合など、既に印刷設定データベース114に印刷設定情報が設定されている場合に採用することができる。以下、図8を参照して、印刷設定データベース114のデータ領域に設定すべき設定値を算出する処理について説明する。
【0046】
図8の処理は、図5に示すステップS502に相当し、ステップS800から開始する。ステップS801では、インストール制御部112は、印刷設定情報をパースし、当該印刷設定情報に含まれる初期値を指定するキーワードを抽出する。ステップS802では、インストール制御部112は、設定値算出情報を参照し、ステップS801で抽出したキーワードに対応付けられた文字列を抽出する。ステップS803では、インストール制御部112は、印刷設定データベース114から印刷設定情報である文字列一覧および設定値一覧を取得する。ステップS804では、インストール制御部112は、文字列一覧および設定値一覧を使用して、ステップS802で抽出した文字列に対応する設定値を特定し、ステップS805で処理が終了する。
【0047】
WINDOWS(登録商標)OSを使用する実施形態では、インストール制御部112は、API関数であるDevice Capabilitiesを使用して、バージョンアップすべきプリンタの印刷設定情報を取得することができる。
【0048】
具体的には、「DC_PAPERNAMES」および「DC_PAPERS」を引数としてDevice Capabilitiesをコールすると、印刷設定画面に表示すべき印刷用紙サイズに関する文字列の一覧と、当該文字列に対応する設定値の一覧を取得できる。これらの一覧は、文字列とその設定値の記載順序が一致しており、インストール制御部112は、当該文字列一覧および設定値一覧を参照し、ステップS802で抽出した文字列に対応する設定値を特定することができる。
【0049】
同様に、「DC_BINNAMES」および「DC_BINS」を引数としてDevice Capabilitiesをコールすると、印刷設定画面に表示すべき給紙トレイに関する文字列の一覧と、当該文字列に対応する設定値の一覧を取得できる。これらの一覧は、文字列とその設定値の記載順序が一致しており、インストール制御部112は、当該文字列一覧および設定値一覧を参照し、ステップS802で抽出した文字列に対応する設定値を特定することができる。
【0050】
図9は、本発明の情報処理装置が実行するプリンタドライバのインストール処理の他の実施形態を示すフローチャートである。以下、図9を参照して、プリンタドライバ120のインストール処理について説明する。
【0051】
図9の処理は、ユーザが行うプリンタドライバ120のインストール開始操作により、ステップS900から開始する。ステップS901では、OS110のインストール制御部112が、印刷設定ファイル122から印刷設定情報を取得する。ステップS902では、インストール制御部112は、設定値算出ファイル124の設定値算出情報を参照し、印刷設定データベース114に設定不能な初期値が印刷設定情報に含まれているか否か判断する。
【0052】
本実施形態では、インストール制御部112は、印刷設定情報に含まれる初期値を指定するキーワードが、設定値算出情報に含まれているか否か判断することにより、印刷設定データベース114に設定不能な初期値が印刷設定情報に含まれているか否か判断することができる。すなわち、印刷設定情報に含まれる初期値を指定するキーワードが設定値算出情報に含まれている場合には、その初期値は設定可能であると判断し、当該キーワードが設定値算出情報に含まれていない場合には、その初期値は設定不可能であると判断する。
【0053】
ステップS902の判定で設定不能な初期値が含まれていないと判断した場合には(no)、処理をステップS903に分岐する。ステップS903では、インストール制御部112は、印刷設定情報および設定値算出情報を用いて、インストール時にアクセス可能な印刷設定データベース114のデータ領域に保存すべき設定値を算出する。ステップS904では、インストール制御部112は、ステップS903で算出した設定値を印刷設定データベース114の当該データ領域に保存し、ステップS906で処理が終了する。
【0054】
一方、ステップS902の判定で設定不能な初期値が含まれると判断した場合には(yes)、処理をステップS905に分岐する。ステップS905では、インストール制御部112は、印刷設定情報を参照して、設定不能な初期値に対応付けられている機能を特定し、設定値算出情報を参照して、当該機能の初期値を、インストール時にアクセス可能な印刷設定データベース114のデータ領域に保存し、ステップS906で処理が終了する。
【0055】
例えば、図3に示す設定値算出情報を使用する実施形態では、機能毎に命令文「DefaultOption」と併記されたキーワードによって、初期値が指定されており、インストール制御部112は、当該キーワードに対応する設定値を特定し、印刷設定データベース114に保存することができる。
【0056】
これまで本実施形態につき説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の構成要素を変更若しくは削除し、または本実施形態の構成要素を他の構成要素を追加するなど、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0057】
100…情報処理装置、110…OS、112…インストール制御部、114…印刷設定データベース、120…プリンタドライバ、122…印刷設定ファイル、124…設定値算出ファイル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特開2008−305298号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタドライバをインストール可能な情報処理装置であって、
前記プリンタドライバをインストールするインストール制御手段と、
前記プリンタドライバの印刷設定情報を保存するデータベース手段とを含み、
前記インストール制御手段は、
前記プリンタドライバのインストール時にアクセス可能な前記データベース手段のデータ領域に前記印刷設定情報を保存する、情報処理装置。
【請求項2】
前記インストール制御手段は、
前記データ領域に保存する設定値を算出する設定値算出情報を使用して、前記印刷設定情報を前記データ領域に設定すべき値に変換して保存する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷設定情報はマークアップ言語を用いて記述される、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
プリンタドライバをインストール可能な情報処理装置が実行する方法であって、前記方法は、前記情報処理装置が、
前記プリンタドライバのインストール時にアクセス可能なデータベース手段のデータ領域に前記プリンタドライバの印刷設定情報を保存するステップと
を含む、方法。
【請求項5】
前記印刷設定情報を保存するステップは、
前記データ領域に保存する設定値を算出する設定値算出情報を使用して、前記印刷設定情報を前記データ領域に設定すべき値に変換して保存するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記印刷設定情報はマークアップ言語を用いて記述される、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか1項に記載の各ステップを情報処理装置が実行するためのコンピュータ実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−50780(P2013−50780A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187276(P2011−187276)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】