情報処理装置、混雑度マップ生成装置、情報処理方法、プログラム、及び記録媒体
【課題】ユーザが歩いているときに、周囲が混雑していて、且つ当人が混雑の影響を受けている場合に混雑度が高いと判定することができる情報処理装置、混雑度マップ生成装置、情報処理方法、プログラム、及び記録媒体を提供する。
【解決手段】情報処理装置100,200は、揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部103,203と、前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部105,205と、を有する。
【解決手段】情報処理装置100,200は、揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部103,203と、前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部105,205と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、混雑度マップ生成装置、情報処理方法、プログラム、及び記録媒体に関し、特に、ユーザの状態を判定する情報処理装置、混雑度マップ生成装置、情報処理方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ある人の周りが混雑状態であるか否かは、その人の行動を左右する重要な情報である。例えば特許文献1には、位置情報に基づいてエリア内にいる人の人数をカウントし、この人数に基づいて混雑度を解析するサービスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−133903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の方法では、各個人が混雑の影響を受けているか否かまで把握することはできなかった。上記事情に鑑みれば、ユーザが歩いているときに、周囲が混雑していて、且つ当人が混雑の影響を受けている場合に混雑度が高いと判定されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、を有する情報処理装置が提供される。
【0006】
また、本開示によれば、複数の端末装置により取得された揺れ検出データから検出される歩行のピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑状態であると判定されたユーザの位置情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された位置情報を地図上に重畳した混雑度マップを生成する混雑度マップ生成部と、を有する混雑度マップ生成装置が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、揺れ検出データから歩行のピッチを取得することと、取得された前記ピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定することと、を含む情報処理方法が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、コンピュータを、揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、を有する情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0009】
また、本開示によれば、コンピュータを、揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、を有する情報処理装置として機能させるためのプログラムを記録した、コンピュータに読取り可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本開示によれば、ユーザが歩いているときに、周囲が混雑していて、且つ当人が混雑の影響を受けている場合に混雑度が高いと判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本開示の一実施形態に係る混雑状態判定方法の概要を示す説明図である。
【図2】通常時の揺れ検出データの一例を示すグラフである。
【図3】混雑時の揺れ検出データの一例を示すグラフである。
【図4】本開示の第1の実施形態に係る端末装置の機能構成図である。
【図5】本開示の第1〜第3の実施形態に係る端末装置の位置情報取得部の構成例を示すブロック図である。
【図6】本開示の第1〜第3の実施形態に係る端末装置のハードウェア構成図である。
【図7】端末装置をポケット内に入れて持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(加速度センサにより検出)の一例を示すグラフである。
【図8】端末装置を手持ちで持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(加速度センサにより検出)の一例を示すグラフである。
【図9】混雑時の揺れ検出データ(加速度センサにより検出)の一例を示すグラフである。
【図10】端末装置を腰に設置した場合の通常時の揺れ検出データ(ジャイロセンサにより検出)の一例を示すグラフである。
【図11】端末装置をポケット内に入れて持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(ジャイロセンサにより検出)の一例を示すグラフである。
【図12】端末装置を手持ちで持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(ジャイロセンサにより検出)の一例を示すグラフである。
【図13】本開示の一実施形態に係る混雑判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】同実施形態に係る混雑判定処理の他の一例を示すフローチャートである。
【図15】本開示の第1の実施形態に係る端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】本開示の第2の実施形態に係る混雑情報生成システムの構成図である。
【図17】同実施形態に係る端末装置の機能構成図である。
【図18】同実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図19】同実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の他の一例を示すシーケンス図である。
【図20】本開示の第3の実施形態に係る混雑情報生成システムの構成図である。
【図21】同実施形態に係る混雑情報生成システムの機能構成図である。
【図22】同実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図23】本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の一例を示す説明図である。
【図24】本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の他の一例を示す説明図である。
【図25】本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の活用例を示す説明図である。
【図26】本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の一例を示す説明図である。
【図27】本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の活用例を示す説明図である。
【図28】本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.概要
2.第1の実施形態
2−1.機能構成例
2−2.ハードウェア構成例
2−3.揺れ検出データ
2−4.動作例
2−5.効果の例
3.第2の実施形態(サーバに混雑情報をアップロードする例)
3−1.システム構成例
3−2.端末装置の機能構成例
3−3.動作例
3−4.効果の例
4.第3の実施形態(サーバ側で混雑判定を実行する例)
4−1.システム構成例
4−2.機能構成例
4−3.動作例
4−4.効果の例
5.適用例
【0014】
<1.概要>
まず、図1〜図3を参照しながら、以下に説明する本開示の一実施形態に係る混雑状態判定方法の概要を説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る混雑状態判定方法の概要を示す説明図である。図2は、通常時の揺れ検出データの一例を示すグラフである。図3は、混雑時の揺れ検出データの一例を示すグラフである。
【0015】
本開示の一実施形態に係る混雑状態判定方法は、ユーザの携帯する端末装置により取得される揺れ検出データに基づいて、各ユーザが混雑状態であるか否かを判定する。このとき、混雑状態とは、実際に当該ユーザが混雑の影響を受けて動き辛い状態となっていることを指す。
【0016】
この定義に基づけば、例えば、あるエリア内の人の密度が低い場合であっても、そのエリア内にできた行列に並んでいる人にとっては混雑状態であるし、行列の横を通り過ぎるだけの人にとっては混雑状態ではない。本開示の一実施形態に係る混雑状態判定方法によれば、両者の違いを区別することができる。例えばエリア内の人数分布に基づいて混雑状態を判定する方法では、単純にエリア内に人が少なければ混雑状態ではないと判定されてしまう。このため、行列に並んでいる人と行列の横を通り過ぎる人とは区別されない。
【0017】
また、ユーザそれぞれの状態を検知しようとすると、例えばユーザの移動速度を用いることが考えられる。ところが、ユーザの速度を用いて単純に速度が低下しているから混雑であると判断すると、動く歩道やエスカレータなどでゆっくり移動している場合に誤って混雑と判定されてしまうことがある。
【0018】
そこで、本開示の一実施形態に係る混雑状態判定方法は、ユーザの携帯する端末装置により取得される揺れ検出データに基づいて、ユーザが混雑状態であるか否かを判定する。揺れ検出データは、端末装置に設けられた揺れを検出することのできるセンサ(例えば加速度センサ、ジャイロセンサ、及び気圧センサなど)により取得される。
【0019】
図1に示されるように、通常時と混雑時とでは、ユーザが歩くピッチが異なる。通常時のピッチと比較して、混雑時のピッチは遅い。このときの揺れ検出データの一例が、図2及び図3に示される。図2と図3とを比較すればわかるように、揺れ検出データの位相に表れるユーザが歩くピッチは、通常時と比較して混雑時の方が遅い。また揺れ検出データの振幅も通常時と混雑時とでは異なる。この差を利用して混雑状態を判定する、本開示の混雑状態判定装置の実施形態について、次に説明する。
【0020】
なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、端末装置100を実施形態毎に端末装置100a、端末装置100b、及び端末装置100cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、端末装置100a、端末装置100b、及び端末装置100cなどを特に区別する必要が無い場合には、単に端末装置100と称する。
【0021】
<2.第1の実施形態>
(2−1.機能構成例)
ここで、本開示の第1の実施形態に係る混雑状態判定装置の一例である端末装置100aの構成について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、本開示の第1の実施形態に係る端末装置の機能構成図である。図5は、本開示の第1〜第3の実施形態に係る端末装置の位置情報取得部の構成例を示すブロック図である。
【0022】
端末装置100aは、混雑状態を判定する情報処理装置の一例である。この端末装置100aは、例えば携帯電話、ノートPC(Personal Computer)、PND(Personal Navigation Device)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器などの情報処理装置であってもよい。図4を参照すると、端末装置100aは、揺れ検出部101と、計測部103と、通常歩行学習部105と、混雑判定部107と、記憶部109と、コンテンツ提供部113と、位置情報取得部115とを主に有する。
【0023】
揺れ検出部101は、揺れを検出するセンサである。例えば揺れ検出部101は、加速度センサ、ジャイロセンサ、又は気圧センサのいずれかであってもよい。揺れ検出部101は、検出した揺れ検出データを計測部103に供給することができる。
【0024】
計測部103は、揺れ検出部101により取得された揺れ検出データの振幅及びピッチを計測する機能を有する。なお、この計測部103は、揺れ検出データの振幅及びピッチを取得する取得部の一例である。計測部103は、揺れ検出部101により取得された揺れ検出データの振幅及びピッチを計測すると、計測した振幅及びピッチを通常歩行学習部105、及び混雑判定部107に供給することができる。
【0025】
通常歩行学習部105は、端末装置100aのユーザの通常歩行時の揺れ検出データの振幅及びピッチを学習する機能を有する。通常歩行学習部105は、例えば通常歩行していると判断されたときの過去の揺れ検出データの振幅及びピッチの平均値を算出することにより通常歩行時の振幅及びピッチの値を混雑判定部107に供給することができる。
【0026】
混雑判定部107は、計測部103から供給された揺れ検出データの振幅及びピッチの値と、通常歩行学習部105により過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時の振幅及びピッチの値と、の差異に基づいて混雑度を判定する機能を有する。混雑判定部107は、コンテンツ提供部113が判定結果に応じて提供するコンテンツを選択する構成を有している場合には、判定結果をコンテンツ提供部113に供給してもよい。なお、この混雑判定部107は、判定結果を端末装置100a内部の記憶部109に記憶してもよい。このとき、混雑判定部107は、例えば混雑状態であると判定されたときに、判定された時刻と位置情報取得部115から供給された端末装置100aの位置情報とを対応づけて記憶部109に記憶させることができる。ここで混雑判定部107は、位置情報に含まれるユーザの進行方向を混雑の向きとして記憶することができる。
【0027】
記憶部109は、データ格納用の装置であり、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置、および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含むことができる。ここで記憶媒体としては、例えばフラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)、及びEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリや、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記録媒体などが用いられてよい。記憶部109は、例えば上述のように混雑状態であると判定された日時と位置情報とを対応づけて記憶することができる。また、混雑状態であると判定された状態が継続した継続時間の情報を記憶してもよい。
【0028】
コンテンツ提供部113は、例えば表示部、音声出力部などの出力機能を有し、ユーザにコンテンツを提供することができる。ここでコンテンツとは、例えば音楽、講演およびラジオ番組などの音声データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトウェア、アプリケーションの起動やアプリケーションからのプッシュ通知などを含む概念である。なお、コンテンツ提供部113は、混雑判定部107の判定した混雑度に基づいてコンテンツを選択する選択部の一例でもある。コンテンツ提供部113は、混雑判定部107による判定結果に基づいてユーザに提供するコンテンツを選択する機能を有してもよい。例えばコンテンツ提供部113は、ユーザが混雑状態であると判定された場合に、ユーザのストレスを軽減する効果のあるコンテンツを選択してもよい。また、コンテンツ提供部113は、ユーザにコンテンツを提供する頻度を混雑度に応じて変更することも可能である。例えば、アプリケーション等でユーザへのお勧めや情報の到達のお知らせをプッシュ通知する機能がある。混雑状態にあるユーザは、通常歩行をしているときよりも、プッシュ通知に興味を持つ可能性が高い。このため、混雑状態であると判定されたときには、通常時よりもプッシュ通知の頻度を高めてもよい。特に、いわゆる「暇つぶし」に用いられるコンテンツをユーザに提供することも有効である。
【0029】
また、コンテンツ提供部113は、端末装置100aの現在の位置情報に基づいて選択されたコンテンツをユーザに提供してもよい。コンテンツ提供部115は、混雑判定部107により混雑状態であると判定された場合に、現在位置の周辺に関するコンテンツをユーザに提供してもよい。例えば、現在の位置情報により端末装置100aが渋谷に位置することが検知されると、コンテンツ提供部113は、渋谷に関連するコンテンツをユーザに提供してもよい。或いは、コンテンツ提供部113は、現在の位置情報によりユーザが並んでいる行列の先にある店舗が判別できた場合には、当該店舗に関する情報を提供してもよい。
【0030】
位置情報取得部115は、端末装置100aの現在の位置情報を取得する機能を有する。この位置情報取得部115は、例えばGPS(Global Positioning System)測位に基づいた位置情報、Wi−Fi測位に基づいた位置情報、IMES(Indoor Messaging System)測位に基づいた位置情報、携帯の基地局の位置に基づいた位置情報、又はセンサの検出値に基づいた相対位置情報を取得する機能を有してよい。またこれらの測位機能のうち複数の機能を併せ持っていてもよい。ここで、位置情報取得部115の構成の一例について図5を参照しながら説明する。図5には、GPS測位機能とセンサによる相対位置測位の機能を併せ持つ位置情報取得部115の一例が示される。
【0031】
位置情報取得部115は、GPSアンテナ221と、GPS処理部223と、3軸地磁気センサ229と、3軸加速度センサ231と、3軸ジャイロセンサ233と、進行方位算出部139と、歩行速度算出部140と、相対位置算出部142と、気圧センサ235と、高度算出部144と、位置情報生成部145とを主に有する。
【0032】
GPSアンテナ221は、GPS衛星からの信号を受信するアンテナの一例である。GPSアンテナ221は、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信することができ、受信したGPS信号をGPS処理部221に入力する。
【0033】
GPS処理部223は、GPS衛星から受信された信号に基づいて位置情報を算出する機能を有する。GPS処理部223は、GPSアンテナ221から入力された複数のGPS信号に基づいて当該端末装置200の現在の位置情報を算出し、算出した位置情報を出力する。具体的には、GPS処理部223は、GPS衛星の軌道データから各GPS衛星の位置を算出し、GPS信号の送信時刻と受信時刻との差分時間に基づいて、各GPS衛星から当該端末装置100の距離をそれぞれ算出する。そして、算出された各GPS衛星の位置と、各GPS衛星から当該端末装置100までの距離とに基づいて、現在の3次元位置を算出する。ここで、GPS衛星の軌道データは、GPS信号に含まれていてもよい。或いは、GPS衛星の軌道データは、通信部を介して外部のサーバから取得するデータであってもよい。
【0034】
3軸地磁気センサ229は、地磁気を電圧値として検出するセンサである。3軸地磁気センサ229は、X軸方向の地磁気データMx、Y軸方向の地磁気データMy、及びZ軸方向の地磁気データMzをそれぞれ検出する。ここで例えばX軸は端末装置100の表示画面の長手方向、Y軸は上記表示画面の短手方向、Z軸はX軸及びY軸と直交する方向とすることができる。3軸地磁気センサ229は、検出した地磁気データを進行方位算出部139に供給することができる。
【0035】
3軸加速度センサ231は、加速度を電圧値として検出するセンサである。3軸加速度センサ231は、X軸方向に沿った加速度αx、Y軸方向に沿った加速度αy、及びZ軸方向に沿った加速度αzをそれぞれ検出する。3軸加速度センサ231は、検出した加速度データを進行方位算出部139、及び歩行速度算出部140に供給することができる。
【0036】
3軸ジャイロセンサ233は、回転角の変化する速度(角速度)を電圧値として検出するセンサである。3軸ジャイロセンサ233は、X軸周りの角速度であるロールレートωx、Y軸周りの角速度であるピッチレートωy、及びZ軸周りの角速度であるヨーレートωzをそれぞれ検出する。3軸ジャイロセンサ233は、検出した角速度データを進行方位算出部139に供給することができる。
【0037】
進行方位算出部139は、歩行時の加速度の振動方向と地磁気方向とから進行方位θを算出する機能を有する。このとき、3軸地磁気センサ229の検出値は磁場環境により誤差を含む。このため、進行方位算出部139は、3軸ジャイロセンサ233の検出する角速度データを用いて3軸地磁気センサ229により検出される地磁気データを適宜補正することができる。
【0038】
歩行速度算出部140は、歩数と歩幅とを乗算することにより移動距離を算出し、この移動距離と移動にかかった時間とに基づいて歩行の速度Vを算出する機能を有する。歩行速度算出部140は、算出した歩行の速度Vを相対位置算出部142に供給することができる。
【0039】
相対位置算出部142は、歩行速度算出部140により算出された速度Vおよび進行方位算出部139により算出された進行方位θに基づき、前回算出時の位置から現在位置までの変化量を算出する機能を有する。相対位置算出部142は、ここで算出された相対位置の情報を位置情報生成部145に供給することができる。
【0040】
気圧センサ235は、周囲の気圧を電圧値として検出する機能を有するセンサである。気圧センサ235は、気圧を例えば1Hzのサンプリング周波数で検出し、検出した気圧データを高度算出部144に入力する。
【0041】
高度算出部144は、気圧センサ235から入力された気圧データに基づいて、端末装置100の現在の高度を算出し、算出された高度データを位置情報生成部145に供給することができる。
【0042】
位置情報生成部145は、GPS処理部223から供給されたGPS測位による絶対位置情報、進行方位算出部139から供給されたユーザの進行方位、相対位置算出部142から供給された相対位置情報、及び高度算出部144から供給された高度データに基づいて、端末装置100の現在の位置情報を生成する機能を有する。位置情報生成部145は、例えばGPS処理部223から絶対位置情報が供給されているときは、当該絶対位置情報を現在の位置情報としてもよい。また位置情報生成部145は、GPS処理部223から絶対位置情報が供給されないとき、位置算出部142から供給される相対位置に基づいた位置情報を現在の位置情報としてもよい。或いは、位置情報生成部145は、絶対位置情報と相対位置情報とを適宜組合せて用いることができる。また位置情報生成部145が生成する位置情報は、ユーザの進行方位や高度データを含んでもよい。
【0043】
以上、図4及び図5を参照しながら端末装置100aの機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置がこれらの機能を実現する処理手順を記述した制御プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体から制御プログラムを読出し、そのプログラムを解釈して実行することにより行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0044】
なお、上述のような本実施形態に係る端末装置100aの各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作成し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0045】
(2−2.ハードウェア構成例)
以上説明した本開示の第1の実施形態に係る端末装置100aは、上述の通り本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を選択することが可能である。ここでは、この端末装置100aの機能を実現するためのハードウェア構成の一例について図6を参照しながら説明する。図6は、本開示の第1〜第3の実施形態に係る端末装置のハードウェア構成図である。なお、ここで説明するハードウェア構成は一例であり、構成要素の一部を省略及び追加することが可能である。また、ここで説明する構成は、第2の実施形態に係る端末装置100b、及び第3の実施形態に係る端末装置100cにも適用することができる。このため、ここでは端末装置100の構成として説明される。
【0046】
端末装置100は、例えば、GPSアンテナ221と、GPS処理部223と、通信アンテナ225と、通信処理部227と、地磁気センサ229と、加速度センサ231と、ジャイロセンサ233と、気圧センサ235と、A/D(Analog/Digital)変換部237と、CPU(Central Processing Unit)239と、ROM(Read Only Memory)241と、RAM(Random Access Memory)243と、操作部247と、表示部249と、デコーダ251と、スピーカ253と、エンコーダ255と、マイク257と、記憶部259とを有する。
【0047】
GPSアンテナ221は、測位衛星からの信号を受信するアンテナの一例である。GPSアンテナ221は、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信することができ、受信したGPS信号をGPS処理部223に入力する。
【0048】
GPS処理部223は、測位衛星から受信された信号に基づいて位置情報を算出する算出部の一例である。GPS処理部223は、GPSアンテナ221から入力された複数のGPS信号に基づいて現在の位置情報を算出し、算出した位置情報を出力する。具体的には、GPS処理部223は、GPS衛星の軌道データからそれぞれのGPS衛星の位置を算出し、GPS信号の送信時刻と受信時刻との差分時間に基づいて、各GPS衛星から当該端末装置100までの距離をそれぞれ算出する。そして、算出された各GPS衛星の位置と、各GPS衛星から当該端末装置100までの距離とに基づいて、現在の3次元位置を算出することができる。なお、ここで用いられるGPS衛星の軌道データは、例えばGPS信号に含まれていてもよい。或いは、GPS衛星の軌道データは、通信アンテナ225を介して外部のサーバから取得されてもよい。
【0049】
通信アンテナ225は、例えば携帯通信網や無線LAN(Local Area Network)通信網を介して通信信号を受信する機能を有するアンテナである。通信アンテナ225は、受信した信号を通信処理部227に供給することができる。
【0050】
通信処理部227は、通信アンテナ225から供給された信号に各種の信号処理を行う機能を有する。通信処理部227は、供給されたアナログ信号から生成したデジタル信号をCPU239に供給することができる。
【0051】
地磁気センサ229は、地磁気を電圧値として検出するセンサである。地磁気センサ229は、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の地磁気をそれぞれ検出する3軸地磁気センサであってよい。ここで例えばX軸は端末装置100の表示画面の長手方向、Y軸は上記表示画面の短手方向、Z軸はX軸及びY軸と直交する方向とすることができる。地磁気センサ229は、検出した地磁気データをA/D変換部237に入力する。
【0052】
加速度センサ231は、加速度を電圧値として検出するセンサである。加速度センサ231は、X軸方向に沿った加速度、Y軸方向に沿った加速度、及びZ軸方向に沿った加速度をそれぞれ検出する3軸加速度センサであってよい。加速度センサ231は、検出した加速度データをA/D変換部237に入力する。
【0053】
ジャイロセンサ233は、物体の角度や角速度を検出する計測器の一種である。このジャイロセンサ233は、X軸、Y軸、及びZ軸周りの回転角の変化する速度(角速度)を電圧値として検出する3軸ジャイロセンサであることが望ましい。ジャイロセンサ233は、検出した角速度データをA/D変換部237に入力する。
【0054】
気圧センサ235は、周囲の気圧を電圧値として検出するセンサである。気圧センサ235は、気圧を所定のサンプリング周波数で検出し、検出した気圧データをA/D変換部237に入力する。
【0055】
A/D変換部237は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する機能を有する。A/D変換部237は、例えばアナログ信号をデジタル信号に変換する変換回路である。なお、このA/D変換部237は、各センサに内蔵されていてもよい。
【0056】
CPU239は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って端末装置100内の動作全般を制御する。またCPU239は、マイクロプロセッサであってもよい。このCPU239は、各種プログラムに従って様々な機能を実現することができる。例えば、CPU239は、加速度センサ231により検出された加速度データに基づいて姿勢角を検出し、この姿勢角と地磁気センサ229により検出された地磁気データとを用いることによって方位を算出する方位算出部として機能することができる。またCPU239は、加速度センサ231により検出された加速度データとジャイロセンサ233により検出された角速度データとに基づいて端末装置100の移動の速度を算出する速度算出部として機能することができる。また、CPU239は、気圧センサ235により検出される気圧データに基づいて現在位置の高度を算出する高度算出部として機能することもできる。
【0057】
ROM241は、CPU239が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶することができる。RAM243は、CPU239の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶することができる。
【0058】
操作部247は、ユーザが所望の操作をするための入力信号を生成する機能を有する。操作部247は、例えばタッチパネル、マウス、キーボード、ボタン、マイク、スイッチ及びレバーなどユーザが情報を入力するための入力部と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU239に出力する入力制御回路などから構成されてよい。
【0059】
表示部249は、出力装置の一例であり、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)装置、有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ装置などの表示装置であってよい。表示部249は、ユーザに対して画面を表示することにより情報を提供することができる。
【0060】
デコーダ251は、CPU239の制御に従い、入力されたデータのデコード及びアナログ変換などを行う機能を有する。デコーダ251は、例えば通信アンテナ225及び通信処理部227を介して入力された音声データのデコード及びアナログ変換などを行い、音声信号をスピーカ253に出力する。スピーカ253は、デコーダ251から供給される音声信号に基づいて音声を出力することができる。
【0061】
エンコーダ255は、CPU239の制御に従い、入力されたデータのデジタル変換及びエンコードなどを行う機能を有する。エンコーダ255は、マイク257から入力される音声信号のデジタル変換及びエンコードなどを行い、音声データを出力することができる。マイク257は、音声を集音し、音声信号として出力することができる。
【0062】
記憶部259は、データ格納用の装置であり、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置、および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含むことができる。ここで記憶媒体としては、例えばフラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)、及びEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリや、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記録媒体などが用いられてよい。この記憶部259は、例えば地図DB261などを記憶することができる。この地図DB263には、POI(Point Of Interest)の情報や、高度情報、道路情報など位置情報と対応づけられた各種の情報を含むことができる。なお、この地図DB263は、ここでは端末装置100が有することとしたが本技術はかかる例に限定されない。地図DB261は、外部の装置が有していてもよい。端末装置100は、外部装置の有する地図DB261に適宜アクセスすることによって位置情報と対応づけられた各種の情報を取得することができる構成であってもよい。また、地図DB261は、外部の装置から適宜現在位置周辺の地図情報を取得する構成であってもよい。
【0063】
(2−3.揺れ検出データ)
ここで、揺れ検出部101が供給する揺れ検出データの詳細について図7〜図12を参照しながら考えてみよう。図7は、端末装置をポケット内に入れて持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(加速度センサにより検出)の一例を示すグラフである。図8は、端末装置を手持ちで持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(加速度センサにより検出)の一例を示すグラフである。図9は、混雑時の揺れ検出データ(加速度センサにより検出)の一例を示すグラフである。図10は、端末装置を腰に設置した場合の通常時の揺れ検出データ(ジャイロセンサにより検出)の一例を示すグラフである。図11は、端末装置をポケット内に入れて持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(ジャイロセンサにより検出)の一例を示すグラフである。図12は、端末装置を手持ちで持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(ジャイロセンサにより検出)の一例を示すグラフである。
【0064】
まず図7〜図9を参照すると、加速度センサを用いて検出された揺れ検出データについて、端末装置100をポケット内に入れて持ち歩いた場合、端末装置100を手持ちで持ち歩いた場合、そして混雑時の揺れ検出データが示される。このとき、端末装置100をポケット内に入れて持ち歩いた場合と、手持ちで持ち歩いた場合とでは、ポケット内に入れて持ち歩いた場合の方が揺れ検出データの振幅が大きくなる。ところが、図9を参照すると、図7の揺れ検出データの振幅と、図8の揺れ検出データの振幅との差異よりも、図7の揺れ検出データの振幅と図9の揺れ検出データの振幅との差異、及び図8の揺れ検出データの振幅と図9の揺れ検出データの振幅との差異の方が大きい。従って、この場合、端末装置100の持ち歩きの方法によらず、揺れ検出データを混雑判定に用いることができる。
【0065】
また、図7〜図9を参照すると、加速度センサにより検出された揺れ検出データについていうと、特に上下方向(鉛直方向)の揺れ検出データは、端末装置100の持ち歩き方の影響を受けにくい。また、上下方向の揺れ検出データは、ユーザの徒歩のピッチの影響が反映されやすいため、混雑判定部107は、上下方向の揺れ検出データの振幅及びピッチの値に基づいて混雑判定することが好ましい。
【0066】
また、図10〜図12を参照すると、ジャイロセンサを用いて検出された揺れ検出データについて、端末装置100を腰に設置した場合、端末装置100をポケットに入れて持ち歩いた場合、そして端末装置100を手持ちで持ち歩いた場合の揺れ検出データが示される。図10〜図12から、ジャイロセンサを用いて検出された揺れ検出データは、端末装置100の持ち歩き方により振幅が大きく変動する。このため、混雑判定部107は、ジャイロセンサを用いて検出された揺れ検出データに基づいて混雑判定を行う場合には、揺れ検出データの振幅は用いずに、ピッチを用いて混雑判定を行うことが望ましい。また、ジャイロセンサを用いて検出された揺れ検出データのうちyaw角を示す揺れ検出データは、も比較的端末装置100の持ち方に影響されにくく、ユーザの歩行ピッチの影響が反映されやすい(2歩で1周期)ため、混雑判定部107は、yaw角を示す揺れ検出データのピッチの値に基づいて混雑判定することが好ましい。
【0067】
また、混雑判定に用いられる揺れ検出データは、気圧センサにより検出されてもよい。現状の気圧センサの分解能及びサンプリング周期は、未だ歩行のピッチを計測するために十分でない。しかし、歩行に伴う上下動を検出できる程度の性能を有する気圧センサを用いれば、気圧センサにより検出された揺れ検出データを混雑判定に用いることもできる。
【0068】
なお、気圧センサを用いて取得される揺れ検出データに含まれるノイズを除去するために、フィルタを用いて歩行のピッチを検出するための帯域(例えば1.5〜3.5Hz)だけを抽出することが好ましい。例えば気圧は、車とすれ違ったり、窓を開閉したりするだけでも大きく変動する。このため、このようなノイズ成分を取り除く処理が重要となる。
【0069】
(2−4.動作例)
次に、図13〜図15を参照しながら本開示の第1の実施形態に係る端末装置100aの動作例について説明する。図13は、本開示の一実施形態に係る混雑判定処理の一例を示すフローチャートである。図14は、同実施形態に係る混雑判定処理の他の一例を示すフローチャートである。図15は、本開示の第1の実施形態に係る端末装置の動作を示すフローチャートである。
【0070】
なお、ここでは2つの混雑判定処理について説明する。図13に示される混雑判定処理においては、判定結果は、後に説明するコンテンツ提供時に利用するだけで、記憶されない。また、図14に示される混雑判定処理においては、判定結果は、位置情報とともに記憶される。
【0071】
まず、図13を参照すると、揺れ検出部101は、揺れ検出データを取得する(S101)。そして、揺れ検出部101は取得した揺れ検出データを計測部103に供給する。計測部103は、供給された揺れ検出データの振幅とピッチとを計測する(S103)。計測部103は、計測して得た揺れ検出データの振幅とピッチとを混雑判定部107に供給する。混雑判定部107は、計測部103から供給された現時点の振幅及びピッチの値と、通常歩行学習部105から取得した通常歩行時の振幅及びピッチの値との大小を比較する(S105)。
【0072】
そして、混雑判定部107は、計測部103から供給された値が通常時よりも閾値以上振幅が小さいか否かを判断する(S107)。そして、通常時よりも閾値以上振幅が小さい場合には、混雑判定部107は、次に計測部103から供給された値が通常時よりも閾値以上ピッチが小さいか否かを判断する(S109)。そして、通常時よりも閾値以上ピッチが小さいと判断された場合には、混雑判定部107は、混雑状態であると判定する(S111)。
【0073】
なお、ここでは、混雑判定部107は、閾値を用いて、混雑状態であるか否かを判断することにより混雑度を判定したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、通常時のピッチ及び振幅と、現時点のピッチ及び振幅とを比較して、その差異の値に応じて段階的に、あるいは連続的な値をもって混雑度を判定してもよい。また、混雑判定部107は、通常時の揺れを、振幅とピッチの2次元の分布(例えば平均値と分散)として記憶し、現在の揺れが通常時の分布から何σ離れているかにより、確率的に混雑度を判定してもよい。
【0074】
次に、図14を参照しながら、この混雑判定処理の他の一例について説明する。まず揺れ検出部101は、揺れ検出データを取得する(S201)。そして、揺れ検出部101は取得した揺れ検出データを計測部103に供給する。計測部103は、供給された揺れ検出データの振幅とピッチとを計測する(S203)。計測部103は、計測して得た揺れ検出データの振幅とピッチとを混雑判定部107に供給する。混雑判定部107は、計測部103から供給された現時点の振幅及びピッチの値と、通常歩行学習部105から取得した通常歩行時の振幅及びピッチの値との大小を比較する(S205)。
【0075】
そして、混雑判定部107は、計測部103から供給された値が通常時よりも閾値以上振幅が小さいか否かを判断する(S207)。そして、通常時よりも閾値以上振幅が小さい場合には、混雑判定部107は、次に計測部103から供給された値が通常時よりも閾値以上ピッチが小さいか否かを判断する(S209)。そして、通常時よりも閾値以上ピッチが小さいと判断された場合には、混雑判定部107は、混雑状態であると判定する(S211)。
【0076】
混雑判定部107は、端末装置100aのユーザが混雑状態であると判定すると、位置情報取得部115に現在の位置情報を取得させる(S213)。そして、混雑判定部107は、混雑状態と判定された場所、及び時刻の記録を更新する(S215)。このとき、混雑判定部107は、混雑状態と判定されている状態の継続時間を計測して記録してもよい。
【0077】
なお、図13及び図14に示された混雑判定処理の結果を用いて、端末装置100aは、図15示されるフローチャートのように動作してもよい。すなわち、ステップS301の混雑判定処理は、図13に示される混雑判定処理であってもよいし、図14に示される混雑判定処理であってもよい。混雑度判定処理(S301)が実行されると、コンテンツ提供部113は、判定結果が混雑状態であるか否かを判断する(S303)。そして、コンテンツ提供部113は、混雑状態であると判定された場合に、混雑状態に合わせたコンテンツを選択する(S305)。コンテンツ提供部113は、選択されたコンテンツを提供する(S307)。
【0078】
ここでステップS305のコンテンツ選択の詳細について説明する。コンテンツ提供部113は、例えばユーザが混雑状態であると判定されたときに、ユーザのストレスを軽減するコンテンツを選択してもよい。例えば、ユーザのストレスを軽減するコンテンツとは、曲調解析や映像解析によりストレス緩和に効果があるとされる音楽コンテンツや映像コンテンツであってもよい。このとき、コンテンツの選択にはコンテンツの属性を判断するための様々なアルゴリズムが用いられてよい。
【0079】
また、混雑状態であるときには、ユーザは通常のペースで歩いているときよりも、端末装置100により提供されるコンテンツに興味を持ちやすいと考えられる。このため、コンテンツ提供部113は、混雑状態であると判定されたときにプッシュ式でユーザにコンテンツを提供してもよい。またコンテンツ提供部113は、このプッシュ式でユーザにコンテンツを提供する頻度を混雑状態に応じて変更してもよい。コンテンツ提供部113は、混雑状態であるとき、通常時よりも高い頻度でユーザにコンテンツを提供することができる。
【0080】
なお、ここでは、混雑状態であると判定されたときにのみ混雑状態に合わせたコンテンツが選択されることとしたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、混雑状態ではないと判定された場合にも、判定結果に応じてコンテンツが選択されてもよい。
【0081】
(2−5.効果の例)
以上、第1の実施形態に係る端末装置100aについて説明してきた。かかる構成によれば、ユーザの所有する端末装置100aにより取得される揺れ検出データに基づいて、少なくとも歩行のピッチを通常歩行時と比較することによりユーザ個人の混雑状態を判定することができる。このとき、揺れ検出データから歩行のピッチを検出することにより、ユーザが歩いていることと、そのペースが低下したことを検知することができる。例えば単に速度が低下したことを検知する方法では、動く歩道、やエスカレータに乗っている状態で速度が低下しているときにも混雑状態であると誤って判定されてしまう恐れがある。しかし、本実施形態に係る端末装置100aは、乗り物に乗って速度が低下しているときには混雑状態と判定されず、歩行しているときに混雑状態であることを精度よく判定することができる。
【0082】
このとき、端末装置100aは、通常歩行時との差異に基づいて混雑判定を行う。単純に速度の変化により混雑判定する場合には、元々足の遅いご老人はいつも混雑状態であると判定されてしまう。しかし、端末装置100aによれば、通常歩行時との差異に基づいて判定されるため、混雑判定の精度が向上する。
【0083】
また、さらに揺れ検出データの振幅を混雑判定に用いることにより、混雑判定の精度が向上する。例えば、背の高い人がゆっくり進むには歩幅が小さくなる。このとき、歩幅が小さくなると、身体の上下動が小さくなるため、検出される揺れ検出データの振幅は小さくなる。この歩幅の変化を混雑判定に用いることで、混雑判定の精度が向上する。
【0084】
この混雑判定によれば、上述の通り、精度よく歩行時の混雑判定を行うことができる。このため、ユーザにコンテンツを提供するタイミングや提供するコンテンツの選択に混雑判定結果を利用することが有効である。例えば通常歩行時には、端末装置100aのコンテンツ提供部113がプッシュ通知を行ったとしてもユーザが気づかない可能性が高い。しかし、混雑時には、ユーザは低速で移動している上に周囲の動きに合わせて進むため、端末装置100aの画面に目を向ける余裕がある可能性が非常に高い。したがって、混雑状態のときにプッシュ通知を行う場合には、通常歩行時にプッシュ通知を行う場合に比べてユーザが通知されたコンテンツに興味を持つ可能性が高まる。
【0085】
<3.第2の実施形態(サーバに混雑情報をアップロードする例)>
(3−1.システム構成例)
次に、本開示の第2の実施形態に係る混雑情報生成システムの構成例について図16を参照しながら説明する。図16は、本開示の第2の実施形態に係る混雑情報生成システムの構成図である。
【0086】
混雑情報生成システム1は、端末装置100bと、混雑度マップ生成サーバ200bと、サービスサーバ300bとを主に有する。ここで、混雑度マップ生成サーバ200bとサービスサーバ300bとは別体のサーバであることとしたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、混雑度マップ生成サーバ200bとサービスサーバ300bとは一体のサーバで構成されてもよい。
【0087】
端末装置100bは、揺れ検出データから混雑度を判定する混雑状態判定装置の一例であり、混雑状態であると判定されたときに現在の位置情報を取得して混雑度マップ生成サーバ200bに位置情報をアップロードする。また、端末装置100bは、混雑度マップ生成サーバ200bから混雑度マップを取得することができる。例えば現在の位置情報に基づいて現在位置周辺の混雑度を示す混雑度マップが取得されてよい。さらに端末装置100bは、サービスサーバ300にサービスの提供を要求することにより情報を取得することができてもよい。
【0088】
混雑度マップ生成サーバ200bは、複数の端末装置100bから混雑状態である位置情報を取得することにより混雑度マップを生成する機能を有する。例えば混雑度マップは、地図上に混雑状態にある端末装置100bの位置を重畳したものであってよい。このとき、混雑度マップ生成サーバ200bは、端末装置100bの位置に加えて端末装置100bの進行方向、すなわち混雑の向きを混雑度マップ上に示してもよい。
【0089】
サービスサーバ300bは、混雑度マップに基づいて、ユーザに提供する情報を生成するサーバである。例えばサービスサーバ300bは、混雑度マップに基づいて、ユーザが混雑を回避するためのルートを探索して提供することができる。またはサービスサーバ300bは、過去の混雑状態継続時間に基づいて、混雑が解消されるまでの時間を予想して端末装置100bに提供することができる。
【0090】
(3−2.端末装置の機能構成例)
次に、本開示の第2の実施形態に係る端末装置100bの機能構成例について図17を参照しながら説明する。図17は、同実施形態に係る端末装置の機能構成図である。端末装置100bは、揺れ検出部101と、計測部103と、通常歩行学習部105と、混雑判定部107と、記憶部109と、コンテンツ提供部113と、位置情報取得部115と、送受信部117とを主に有する。
【0091】
なお、ここでは第1の実施形態に係る端末装置100aと異なる構成要素について主に説明し、端末装置100aと同様の部分については説明を省略する。
【0092】
端末装置100bは、送受信部117を介して混雑度マップを混雑度マップ生成サーバ200bから取得することができる。混雑判定部107は、取得した混雑度マップの情報に基づいて、混雑判定に用いる閾値を調整してもよい。例えば、混雑度マップより、端末装置100bの周囲にある端末が混雑状態であると判定していることがわかると、端末装置100bも混雑状態である可能性が高い。このため、ギリギリ閾値を超えておらず、かつ周囲が混雑状態である場合には、端末装置100bは、その時点において混雑状態と判定されるように閾値を調整することが望ましい。また、コンテンツ提供部113は、送受信部117を介して外部のサーバから取得したコンテンツをユーザに提供することができる。例えば、コンテンツ提供部113は、サービスサーバ300bから取得したコンテンツをユーザに提供してもよい。
【0093】
また、混雑判定部107は、混雑状態であると判定されたとき、送受信部117を介して現在の位置情報を混雑度マップ生成サーバ200に送信することができる。ここで、現在の位置情報には、ユーザの進行方位から算出された混雑の向きを含むことができる。このとき、混雑判定部107は、端末装置100bを識別するための情報を混雑度マップ生成サーバ200に送信してもよい。
【0094】
(3−3.動作例)
次に、図18及び図19を参照しながら、本開示の第2の実施形態に係る混雑情報生成システムの動作例について説明する。図18は、同実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の一例を示すシーケンス図である。図19は、同実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の他の一例を示すシーケンス図である。なお、図18の動作例と図19の動作例とは、混雑状態に関する情報を端末装置100bが混雑度マップ生成サーバ200bに送信するタイミングが相違する。
【0095】
図18を参照すると、まず端末装置100bは、混雑判定処理を実行する(S401)。そして、混雑判定部107は、混雑状態であると判定されたか否かを判断し(S403)、混雑状態であると判定された場合には、混雑度マップ生成サーバ200bに現在の位置情報と端末装置100bを識別するための情報を送信する(S405)。
【0096】
そして、端末装置100bの現在の位置情報と端末識別情報とを受信した混雑度マップ生成サーバ200bは、当該端末装置100bについての混雑状態の継続時間と場所と時刻との記録を更新する(S407)。
【0097】
一方、端末装置100bは、再び混雑判定処理を実行する(S409)。そして、混雑判定部107は、混雑状態が継続中であるか否かを判断する(S411)。混雑状態が継続中である場合には、混雑判定部107は、再び混雑度マップ生成サーバ200bに現在の位置情報と端末装置100bを識別するための情報を送信する。このステップS405〜ステップS411の処理は、端末装置100bが混雑状態から抜け出すまで繰り返される。
【0098】
なお、ステップS401及びステップS409の混雑判定処理は、例えば図13に示される混雑判定処理であってよい。或いは、ステップS401及びステップS409の混雑判定処理は、図14に示される混雑判定処理であってもよい。
【0099】
また、本実施形態に係る混雑情報生成システムは、図19に示すように動作してもよい。この場合、端末装置100bは、まず混雑判定処理を実行する(S501)。ここでステップS501の混雑判定処理は、例えば図13に示される混雑判定処理であってよい。或いは、ステップS501の混雑判定処理は、図14に示される混雑判定処理であってもよい。
【0100】
そして、混雑判定部107は、端末装置100bが混雑状態を抜け出したか否かを判断する(S503)。そして、混雑判定部107は、端末装置100bが混雑状態を抜け出したときに、混雑状態の継続時間と現在の位置情報とを取得して混雑度マップ生成サーバ200bに送信する(S505)。混雑度マップ生成サーバ200bは、混雑状態の継続時間、場所、時刻を記録する(S507)。
【0101】
(3−4.効果の例)
以上、本開示の第2の実施形態に係る混雑情報生成システムについて説明してきた。本実施形態においては、端末装置100bは、混雑状態であるという情報を混雑度マップ生成サーバ200bに送信することができる。混雑度マップは、上述の通り、混雑判定に用いる閾値を調整するために利用される。これにより、混雑判定の精度が向上する。なお、ここで提供される混雑度マップとサービスサーバにより提供されるサービスの例については、次に説明する第3の実施形態と共通するため、後に適用例として説明される。
【0102】
<4.第3の実施形態(サーバ側で混雑判定を実行する例)>
(4−1.システム構成例)
次に、本開示の第3の実施形態に係る混雑情報生成システムの構成について図20を参照しながら説明する。図20は、本開示の第3の実施形態に係る混雑情報生成システムの構成図である。
【0103】
本実施形態に係る混雑情報生成システムは、端末装置100cと、混雑度マップ生成サーバ200cと、サービスサーバ300cとを主に有する。第1及び第2の実施形態においては、端末装置100が混雑判定処理を実行していた。本実施形態においては、端末装置100cにより取得された揺れ検出データを混雑度マップ生成サーバ200cに送信し、混雑度マップ生成サーバ200cにおいて混雑判定処理が行われる。
【0104】
(4−2.機能構成例)
次に、本実施形態にかかる混雑情報生成システムのうち、端末装置100c及び混雑度マップ生成サーバ200cについての機能構成を図21を参照しながら説明する。図21は、同実施形態に係る混雑情報生成システムの機能構成図である。
【0105】
端末装置100cは、揺れ検出部101と、コンテンツ提供部113と、位置情報取得部115と、送受信部117とを主に有する。送受信部117は、揺れ検出部101が検出した揺れ検出データを混雑度マップ生成サーバ200cに送信する。
【0106】
混雑度マップ生成装置200cは、送受信部201と、計測部203と、通常歩行学習部205と、混雑判定部207と、記憶部209と、混雑度マップ生成部211とを主に有する。
【0107】
ここで、計測部203は、計測部103と同様の機能を有する。通常歩行学習部205は、通常歩行学習部205と同様の機能を有する。混雑判定部207は、混雑判定部107と同様の機能を有する。また記憶部209は記憶部109と同様の機能を有する。
【0108】
ただし、混雑度マップ生成サーバ200cは、複数の端末装置100cについての混雑状態の情報を記憶するため、記憶部209は、端末装置100cを識別するための情報と共に混雑状態の情報を記憶することが好ましい。このとき、端末装置100cを識別するための情報は、同じ端末装置100cについての情報であることを識別できればよく、端末装置100c又はそのユーザを特定する情報でなくてもよい。ユーザのプライバシーを考慮すると、端末装置100c又はそのユーザを特定できない情報である方が好ましい場合もある。
【0109】
(4−3.動作例)
次に、図22を参照しながら本実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の一例について説明する。図22は、同実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0110】
まず、端末装置100cの揺れ検出部101が揺れ検出データを取得する(S601)。そして、位置情報取得部115は、端末装置100cの現在の位置情報を取得する(S603)。端末装置100cは、送受信部117を介して、取得した揺れ検出データ及び位置情報を混雑度マップ生成サーバ200cに送信する(S605)。揺れ検出データ及び位置情報を受信した混雑度マップ生成サーバ200cは、混雑判定、記録処理を実行する(S607)。なお、ステップS607の混雑判定、記録処理は、例えば図14に示される処理であってよい。
【0111】
(4−4.効果の例)
以上説明したように、本実施形態に係る混雑情報生成システムによれば、サーバ側で混雑判定処理が実行される。このため、端末装置100cの処理負荷が軽くなるという効果を奏する。すなわち、処理能力の低い端末装置100cについても混雑判定処理を行うことができる。
【0112】
<5.適用例>
次に、図23〜図28を参照しながら、本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムを利用して提供することのできるサービスの一例について説明する。図23〜図28は、本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の一例を示す説明図である。
【0113】
例えば混雑度マップ生成サーバ200は、図23に示す混雑度マップを提供してもよい。ここでは、エリアA1及びエリアA2付近で混雑が発生していることがわかる。このとき、例えばサービスサーバ300は、混雑度マップに加え、さらに混雑しているエリアA1及びエリアA2を回避するためのルートを探索して端末装置100のユーザに提供してもよい。
【0114】
また、図24に示されるように、お店Sにできた行列に並んでいるユーザの端末装置100に対して、サービスサーバ300は、推定待ち時間の情報を提供してもよい。例えばサービスサーバ300は、過去の同じ曜日の同じ時間帯における同じ位置からの混雑状態の継続時間の情報から、待ち時間を推定してユーザに提供してもよい。またサービスサーバ300は、行列の先にあるお店Sについての情報をユーザの端末装置100に対して提供してもよい。例えばお店Sが飲食店である場合には、サービスサーバ300は、メニュー情報をユーザに提供してもよい。或いは、サービスサーバ300は、お勧めメニューの情報をユーザに提供してもよい。
【0115】
或いは、図25に示されるように、特定のエリアA3内で混雑状態であると判定された端末装置100が密集している場合には、監視カメラCの方向DをエリアA3の方向に向けてもよい。或いは、このとき混雑状態であると判定された端末装置100が密集しているエリアA3に対して警備員を派遣するためにこの混雑情報は用いられてもよい。例えば、図26に示される画面13のように、地図上で混雑状態の端末装置100が密集しているエリアを示す画面を警備員の有する端末装置の表示部に表示させることにより、警備員を必要な場所に適切に配置することができる。例えばゲリラライブの開催など、突発的な異常事態に対応することができる。
【0116】
また、図27に示すように、前の駅を出発するときに、電車の扉付近で混雑状態であることが多数検知される(エリアA4)ことは、ある程度大勢の人が電車に乗り込むために電車への乗り降りの際に混雑が生じていることを示す。このため、サービスサーバ300は、混雑状態である端末装置100の位置から、それぞれの端末装置100のユーザが乗り込む車両を特定することができる。サービスサーバ300は、例えば図28に示す画面15によりユーザに空いている車両を案内するためにこの混雑情報を利用してもよい。
【0117】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本技術はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0118】
例えば、上記実施形態では、揺れ検出データのピッチと振幅の値に基づいて混雑判定を行うこととしたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、ピッチのみに基づいて混雑判定が行われてもよい。このとき、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチの一次元分布と取得部により取得されたピッチとの差異に基づいて混雑判定は行われてよい。また、取得部により取得されたピッチと通常歩行時のピッチとの差異量に基づいて混雑判定は行われてよい。例えば揺れ検出データの振幅が、端末装置100の持ち方などに依存しにくく、混雑度の影響が反映されやすい場合には、ピッチに加えて振幅の値を用いて混雑判定することが望ましい。
【0119】
例えば、上記実施第3の形態では、混雑度マップを生成する混雑度マップ生成サーバが混雑判定処理を実行することとしたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、混雑度マップ生成サーバとは別体のサーバが混雑判定処理を実行してもよい。
【0120】
尚、本明細書において、フローチャート又はシーケンス図に記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【0121】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、
を備える、情報処理装置。
(2)前記混雑判定部は、前記通常歩行時のピッチの分布と前記取得部により取得されたピッチとの差異に基づいて混雑度を判定する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)前記混雑判定部は、前記取得部により取得されたピッチと前記通常歩行時のピッチとの差異量に基づいて混雑度を判定する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(4)前記取得部は、さらに前記揺れ検出データの振幅を取得し、
前記混雑判定部は、前記取得部により取得された振幅と、前記過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時の振幅と、の差異にさらに基づいて混雑度を判定する、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の情報処理装置。
(5)前記混雑判定部は、前記通常歩行時のピッチ及び振幅の2次元の分布と前記取得部により取得されたピッチ及び振幅との差異に基づいて混雑度を判定する、前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)前記混雑判定部は、前記取得部により取得されたピッチと前記通常歩行時のピッチとの差異量、及び前記取得部により取得された振幅と前記通常歩行時の振幅との差異量、に基づいて、混雑度を判定する、前記(4)に記載の情報処理装置。
(7)前記取得部は、鉛直方向の揺れ検出データから歩行のピッチを取得する、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)前記混雑判定部は、周囲のユーザの混雑度に基づいて値が調整された閾値を用いて混雑度を判定する、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9)前記混雑判定部の判定した混雑度に基づいてコンテンツを選択する選択部と、
前記選択部により選択されたコンテンツを提供するコンテンツ提供部と、
をさらに備える、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10)前記選択部は、前記混雑判定部の判定した混雑度に基づいてユーザにコンテンツを提供する頻度を変更する、前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)前記選択部は、前記混雑判定部により混雑状態であると判定されたとき、ユーザにコンテンツを提供する頻度を高める、前記(10)に記載の情報処理装置。
(12)前記混雑度判定部により混雑度が高いと判定されたときに、前記選択部は、ユーザのストレスを軽減する効果のあるコンテンツを選択する、前記(9)または(10)のいずれかに記載の情報処理装置。
(13)現在の位置情報を取得する位置情報取得部、
をさらに備え、
前記選択部は、さらに前記現在の位置情報に基づいてコンテンツを選択する、前記(9)〜(12)のいずれかに記載の情報処理装置。
(14)前記選択部は、前記現在の位置情報に基づいて、ユーザが並んでいる行列の先にある店舗に関するコンテンツを選択する、前記(13)に記載の情報処理装置。
(15)複数の端末装置により取得された揺れ検出データから検出される歩行のピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑状態であると判定されたユーザの位置情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された位置情報を地図上に重畳した混雑度マップを生成する混雑度マップ生成部と、
を備える、混雑度マップ生成装置。
(16)揺れ検出データから歩行のピッチを取得することと、
取得された前記ピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定することと、
を含む、情報処理方法。
(17)コンピュータを、
揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、
を備える、情報処理装置として機能させるためのプログラム。
(18)コンピュータを、
揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、
を備える、情報処理装置として機能させるためのプログラムを記録した、コンピュータに読取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0122】
100 端末装置
101 揺れ検出部
103 計測部
105 通常歩行学習部
107 混雑判定部
109 記憶部
113 コンテンツ提供部
115 位置情報取得部
117 送受信部
200 混雑度マップ生成サーバ
300 サービスサーバ
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、混雑度マップ生成装置、情報処理方法、プログラム、及び記録媒体に関し、特に、ユーザの状態を判定する情報処理装置、混雑度マップ生成装置、情報処理方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ある人の周りが混雑状態であるか否かは、その人の行動を左右する重要な情報である。例えば特許文献1には、位置情報に基づいてエリア内にいる人の人数をカウントし、この人数に基づいて混雑度を解析するサービスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−133903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の方法では、各個人が混雑の影響を受けているか否かまで把握することはできなかった。上記事情に鑑みれば、ユーザが歩いているときに、周囲が混雑していて、且つ当人が混雑の影響を受けている場合に混雑度が高いと判定されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、を有する情報処理装置が提供される。
【0006】
また、本開示によれば、複数の端末装置により取得された揺れ検出データから検出される歩行のピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑状態であると判定されたユーザの位置情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された位置情報を地図上に重畳した混雑度マップを生成する混雑度マップ生成部と、を有する混雑度マップ生成装置が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、揺れ検出データから歩行のピッチを取得することと、取得された前記ピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定することと、を含む情報処理方法が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、コンピュータを、揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、を有する情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0009】
また、本開示によれば、コンピュータを、揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、を有する情報処理装置として機能させるためのプログラムを記録した、コンピュータに読取り可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本開示によれば、ユーザが歩いているときに、周囲が混雑していて、且つ当人が混雑の影響を受けている場合に混雑度が高いと判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本開示の一実施形態に係る混雑状態判定方法の概要を示す説明図である。
【図2】通常時の揺れ検出データの一例を示すグラフである。
【図3】混雑時の揺れ検出データの一例を示すグラフである。
【図4】本開示の第1の実施形態に係る端末装置の機能構成図である。
【図5】本開示の第1〜第3の実施形態に係る端末装置の位置情報取得部の構成例を示すブロック図である。
【図6】本開示の第1〜第3の実施形態に係る端末装置のハードウェア構成図である。
【図7】端末装置をポケット内に入れて持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(加速度センサにより検出)の一例を示すグラフである。
【図8】端末装置を手持ちで持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(加速度センサにより検出)の一例を示すグラフである。
【図9】混雑時の揺れ検出データ(加速度センサにより検出)の一例を示すグラフである。
【図10】端末装置を腰に設置した場合の通常時の揺れ検出データ(ジャイロセンサにより検出)の一例を示すグラフである。
【図11】端末装置をポケット内に入れて持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(ジャイロセンサにより検出)の一例を示すグラフである。
【図12】端末装置を手持ちで持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(ジャイロセンサにより検出)の一例を示すグラフである。
【図13】本開示の一実施形態に係る混雑判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】同実施形態に係る混雑判定処理の他の一例を示すフローチャートである。
【図15】本開示の第1の実施形態に係る端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】本開示の第2の実施形態に係る混雑情報生成システムの構成図である。
【図17】同実施形態に係る端末装置の機能構成図である。
【図18】同実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図19】同実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の他の一例を示すシーケンス図である。
【図20】本開示の第3の実施形態に係る混雑情報生成システムの構成図である。
【図21】同実施形態に係る混雑情報生成システムの機能構成図である。
【図22】同実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図23】本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の一例を示す説明図である。
【図24】本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の他の一例を示す説明図である。
【図25】本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の活用例を示す説明図である。
【図26】本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の一例を示す説明図である。
【図27】本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の活用例を示す説明図である。
【図28】本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.概要
2.第1の実施形態
2−1.機能構成例
2−2.ハードウェア構成例
2−3.揺れ検出データ
2−4.動作例
2−5.効果の例
3.第2の実施形態(サーバに混雑情報をアップロードする例)
3−1.システム構成例
3−2.端末装置の機能構成例
3−3.動作例
3−4.効果の例
4.第3の実施形態(サーバ側で混雑判定を実行する例)
4−1.システム構成例
4−2.機能構成例
4−3.動作例
4−4.効果の例
5.適用例
【0014】
<1.概要>
まず、図1〜図3を参照しながら、以下に説明する本開示の一実施形態に係る混雑状態判定方法の概要を説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る混雑状態判定方法の概要を示す説明図である。図2は、通常時の揺れ検出データの一例を示すグラフである。図3は、混雑時の揺れ検出データの一例を示すグラフである。
【0015】
本開示の一実施形態に係る混雑状態判定方法は、ユーザの携帯する端末装置により取得される揺れ検出データに基づいて、各ユーザが混雑状態であるか否かを判定する。このとき、混雑状態とは、実際に当該ユーザが混雑の影響を受けて動き辛い状態となっていることを指す。
【0016】
この定義に基づけば、例えば、あるエリア内の人の密度が低い場合であっても、そのエリア内にできた行列に並んでいる人にとっては混雑状態であるし、行列の横を通り過ぎるだけの人にとっては混雑状態ではない。本開示の一実施形態に係る混雑状態判定方法によれば、両者の違いを区別することができる。例えばエリア内の人数分布に基づいて混雑状態を判定する方法では、単純にエリア内に人が少なければ混雑状態ではないと判定されてしまう。このため、行列に並んでいる人と行列の横を通り過ぎる人とは区別されない。
【0017】
また、ユーザそれぞれの状態を検知しようとすると、例えばユーザの移動速度を用いることが考えられる。ところが、ユーザの速度を用いて単純に速度が低下しているから混雑であると判断すると、動く歩道やエスカレータなどでゆっくり移動している場合に誤って混雑と判定されてしまうことがある。
【0018】
そこで、本開示の一実施形態に係る混雑状態判定方法は、ユーザの携帯する端末装置により取得される揺れ検出データに基づいて、ユーザが混雑状態であるか否かを判定する。揺れ検出データは、端末装置に設けられた揺れを検出することのできるセンサ(例えば加速度センサ、ジャイロセンサ、及び気圧センサなど)により取得される。
【0019】
図1に示されるように、通常時と混雑時とでは、ユーザが歩くピッチが異なる。通常時のピッチと比較して、混雑時のピッチは遅い。このときの揺れ検出データの一例が、図2及び図3に示される。図2と図3とを比較すればわかるように、揺れ検出データの位相に表れるユーザが歩くピッチは、通常時と比較して混雑時の方が遅い。また揺れ検出データの振幅も通常時と混雑時とでは異なる。この差を利用して混雑状態を判定する、本開示の混雑状態判定装置の実施形態について、次に説明する。
【0020】
なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、端末装置100を実施形態毎に端末装置100a、端末装置100b、及び端末装置100cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、端末装置100a、端末装置100b、及び端末装置100cなどを特に区別する必要が無い場合には、単に端末装置100と称する。
【0021】
<2.第1の実施形態>
(2−1.機能構成例)
ここで、本開示の第1の実施形態に係る混雑状態判定装置の一例である端末装置100aの構成について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、本開示の第1の実施形態に係る端末装置の機能構成図である。図5は、本開示の第1〜第3の実施形態に係る端末装置の位置情報取得部の構成例を示すブロック図である。
【0022】
端末装置100aは、混雑状態を判定する情報処理装置の一例である。この端末装置100aは、例えば携帯電話、ノートPC(Personal Computer)、PND(Personal Navigation Device)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器などの情報処理装置であってもよい。図4を参照すると、端末装置100aは、揺れ検出部101と、計測部103と、通常歩行学習部105と、混雑判定部107と、記憶部109と、コンテンツ提供部113と、位置情報取得部115とを主に有する。
【0023】
揺れ検出部101は、揺れを検出するセンサである。例えば揺れ検出部101は、加速度センサ、ジャイロセンサ、又は気圧センサのいずれかであってもよい。揺れ検出部101は、検出した揺れ検出データを計測部103に供給することができる。
【0024】
計測部103は、揺れ検出部101により取得された揺れ検出データの振幅及びピッチを計測する機能を有する。なお、この計測部103は、揺れ検出データの振幅及びピッチを取得する取得部の一例である。計測部103は、揺れ検出部101により取得された揺れ検出データの振幅及びピッチを計測すると、計測した振幅及びピッチを通常歩行学習部105、及び混雑判定部107に供給することができる。
【0025】
通常歩行学習部105は、端末装置100aのユーザの通常歩行時の揺れ検出データの振幅及びピッチを学習する機能を有する。通常歩行学習部105は、例えば通常歩行していると判断されたときの過去の揺れ検出データの振幅及びピッチの平均値を算出することにより通常歩行時の振幅及びピッチの値を混雑判定部107に供給することができる。
【0026】
混雑判定部107は、計測部103から供給された揺れ検出データの振幅及びピッチの値と、通常歩行学習部105により過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時の振幅及びピッチの値と、の差異に基づいて混雑度を判定する機能を有する。混雑判定部107は、コンテンツ提供部113が判定結果に応じて提供するコンテンツを選択する構成を有している場合には、判定結果をコンテンツ提供部113に供給してもよい。なお、この混雑判定部107は、判定結果を端末装置100a内部の記憶部109に記憶してもよい。このとき、混雑判定部107は、例えば混雑状態であると判定されたときに、判定された時刻と位置情報取得部115から供給された端末装置100aの位置情報とを対応づけて記憶部109に記憶させることができる。ここで混雑判定部107は、位置情報に含まれるユーザの進行方向を混雑の向きとして記憶することができる。
【0027】
記憶部109は、データ格納用の装置であり、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置、および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含むことができる。ここで記憶媒体としては、例えばフラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)、及びEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリや、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記録媒体などが用いられてよい。記憶部109は、例えば上述のように混雑状態であると判定された日時と位置情報とを対応づけて記憶することができる。また、混雑状態であると判定された状態が継続した継続時間の情報を記憶してもよい。
【0028】
コンテンツ提供部113は、例えば表示部、音声出力部などの出力機能を有し、ユーザにコンテンツを提供することができる。ここでコンテンツとは、例えば音楽、講演およびラジオ番組などの音声データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトウェア、アプリケーションの起動やアプリケーションからのプッシュ通知などを含む概念である。なお、コンテンツ提供部113は、混雑判定部107の判定した混雑度に基づいてコンテンツを選択する選択部の一例でもある。コンテンツ提供部113は、混雑判定部107による判定結果に基づいてユーザに提供するコンテンツを選択する機能を有してもよい。例えばコンテンツ提供部113は、ユーザが混雑状態であると判定された場合に、ユーザのストレスを軽減する効果のあるコンテンツを選択してもよい。また、コンテンツ提供部113は、ユーザにコンテンツを提供する頻度を混雑度に応じて変更することも可能である。例えば、アプリケーション等でユーザへのお勧めや情報の到達のお知らせをプッシュ通知する機能がある。混雑状態にあるユーザは、通常歩行をしているときよりも、プッシュ通知に興味を持つ可能性が高い。このため、混雑状態であると判定されたときには、通常時よりもプッシュ通知の頻度を高めてもよい。特に、いわゆる「暇つぶし」に用いられるコンテンツをユーザに提供することも有効である。
【0029】
また、コンテンツ提供部113は、端末装置100aの現在の位置情報に基づいて選択されたコンテンツをユーザに提供してもよい。コンテンツ提供部115は、混雑判定部107により混雑状態であると判定された場合に、現在位置の周辺に関するコンテンツをユーザに提供してもよい。例えば、現在の位置情報により端末装置100aが渋谷に位置することが検知されると、コンテンツ提供部113は、渋谷に関連するコンテンツをユーザに提供してもよい。或いは、コンテンツ提供部113は、現在の位置情報によりユーザが並んでいる行列の先にある店舗が判別できた場合には、当該店舗に関する情報を提供してもよい。
【0030】
位置情報取得部115は、端末装置100aの現在の位置情報を取得する機能を有する。この位置情報取得部115は、例えばGPS(Global Positioning System)測位に基づいた位置情報、Wi−Fi測位に基づいた位置情報、IMES(Indoor Messaging System)測位に基づいた位置情報、携帯の基地局の位置に基づいた位置情報、又はセンサの検出値に基づいた相対位置情報を取得する機能を有してよい。またこれらの測位機能のうち複数の機能を併せ持っていてもよい。ここで、位置情報取得部115の構成の一例について図5を参照しながら説明する。図5には、GPS測位機能とセンサによる相対位置測位の機能を併せ持つ位置情報取得部115の一例が示される。
【0031】
位置情報取得部115は、GPSアンテナ221と、GPS処理部223と、3軸地磁気センサ229と、3軸加速度センサ231と、3軸ジャイロセンサ233と、進行方位算出部139と、歩行速度算出部140と、相対位置算出部142と、気圧センサ235と、高度算出部144と、位置情報生成部145とを主に有する。
【0032】
GPSアンテナ221は、GPS衛星からの信号を受信するアンテナの一例である。GPSアンテナ221は、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信することができ、受信したGPS信号をGPS処理部221に入力する。
【0033】
GPS処理部223は、GPS衛星から受信された信号に基づいて位置情報を算出する機能を有する。GPS処理部223は、GPSアンテナ221から入力された複数のGPS信号に基づいて当該端末装置200の現在の位置情報を算出し、算出した位置情報を出力する。具体的には、GPS処理部223は、GPS衛星の軌道データから各GPS衛星の位置を算出し、GPS信号の送信時刻と受信時刻との差分時間に基づいて、各GPS衛星から当該端末装置100の距離をそれぞれ算出する。そして、算出された各GPS衛星の位置と、各GPS衛星から当該端末装置100までの距離とに基づいて、現在の3次元位置を算出する。ここで、GPS衛星の軌道データは、GPS信号に含まれていてもよい。或いは、GPS衛星の軌道データは、通信部を介して外部のサーバから取得するデータであってもよい。
【0034】
3軸地磁気センサ229は、地磁気を電圧値として検出するセンサである。3軸地磁気センサ229は、X軸方向の地磁気データMx、Y軸方向の地磁気データMy、及びZ軸方向の地磁気データMzをそれぞれ検出する。ここで例えばX軸は端末装置100の表示画面の長手方向、Y軸は上記表示画面の短手方向、Z軸はX軸及びY軸と直交する方向とすることができる。3軸地磁気センサ229は、検出した地磁気データを進行方位算出部139に供給することができる。
【0035】
3軸加速度センサ231は、加速度を電圧値として検出するセンサである。3軸加速度センサ231は、X軸方向に沿った加速度αx、Y軸方向に沿った加速度αy、及びZ軸方向に沿った加速度αzをそれぞれ検出する。3軸加速度センサ231は、検出した加速度データを進行方位算出部139、及び歩行速度算出部140に供給することができる。
【0036】
3軸ジャイロセンサ233は、回転角の変化する速度(角速度)を電圧値として検出するセンサである。3軸ジャイロセンサ233は、X軸周りの角速度であるロールレートωx、Y軸周りの角速度であるピッチレートωy、及びZ軸周りの角速度であるヨーレートωzをそれぞれ検出する。3軸ジャイロセンサ233は、検出した角速度データを進行方位算出部139に供給することができる。
【0037】
進行方位算出部139は、歩行時の加速度の振動方向と地磁気方向とから進行方位θを算出する機能を有する。このとき、3軸地磁気センサ229の検出値は磁場環境により誤差を含む。このため、進行方位算出部139は、3軸ジャイロセンサ233の検出する角速度データを用いて3軸地磁気センサ229により検出される地磁気データを適宜補正することができる。
【0038】
歩行速度算出部140は、歩数と歩幅とを乗算することにより移動距離を算出し、この移動距離と移動にかかった時間とに基づいて歩行の速度Vを算出する機能を有する。歩行速度算出部140は、算出した歩行の速度Vを相対位置算出部142に供給することができる。
【0039】
相対位置算出部142は、歩行速度算出部140により算出された速度Vおよび進行方位算出部139により算出された進行方位θに基づき、前回算出時の位置から現在位置までの変化量を算出する機能を有する。相対位置算出部142は、ここで算出された相対位置の情報を位置情報生成部145に供給することができる。
【0040】
気圧センサ235は、周囲の気圧を電圧値として検出する機能を有するセンサである。気圧センサ235は、気圧を例えば1Hzのサンプリング周波数で検出し、検出した気圧データを高度算出部144に入力する。
【0041】
高度算出部144は、気圧センサ235から入力された気圧データに基づいて、端末装置100の現在の高度を算出し、算出された高度データを位置情報生成部145に供給することができる。
【0042】
位置情報生成部145は、GPS処理部223から供給されたGPS測位による絶対位置情報、進行方位算出部139から供給されたユーザの進行方位、相対位置算出部142から供給された相対位置情報、及び高度算出部144から供給された高度データに基づいて、端末装置100の現在の位置情報を生成する機能を有する。位置情報生成部145は、例えばGPS処理部223から絶対位置情報が供給されているときは、当該絶対位置情報を現在の位置情報としてもよい。また位置情報生成部145は、GPS処理部223から絶対位置情報が供給されないとき、位置算出部142から供給される相対位置に基づいた位置情報を現在の位置情報としてもよい。或いは、位置情報生成部145は、絶対位置情報と相対位置情報とを適宜組合せて用いることができる。また位置情報生成部145が生成する位置情報は、ユーザの進行方位や高度データを含んでもよい。
【0043】
以上、図4及び図5を参照しながら端末装置100aの機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置がこれらの機能を実現する処理手順を記述した制御プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体から制御プログラムを読出し、そのプログラムを解釈して実行することにより行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0044】
なお、上述のような本実施形態に係る端末装置100aの各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作成し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0045】
(2−2.ハードウェア構成例)
以上説明した本開示の第1の実施形態に係る端末装置100aは、上述の通り本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を選択することが可能である。ここでは、この端末装置100aの機能を実現するためのハードウェア構成の一例について図6を参照しながら説明する。図6は、本開示の第1〜第3の実施形態に係る端末装置のハードウェア構成図である。なお、ここで説明するハードウェア構成は一例であり、構成要素の一部を省略及び追加することが可能である。また、ここで説明する構成は、第2の実施形態に係る端末装置100b、及び第3の実施形態に係る端末装置100cにも適用することができる。このため、ここでは端末装置100の構成として説明される。
【0046】
端末装置100は、例えば、GPSアンテナ221と、GPS処理部223と、通信アンテナ225と、通信処理部227と、地磁気センサ229と、加速度センサ231と、ジャイロセンサ233と、気圧センサ235と、A/D(Analog/Digital)変換部237と、CPU(Central Processing Unit)239と、ROM(Read Only Memory)241と、RAM(Random Access Memory)243と、操作部247と、表示部249と、デコーダ251と、スピーカ253と、エンコーダ255と、マイク257と、記憶部259とを有する。
【0047】
GPSアンテナ221は、測位衛星からの信号を受信するアンテナの一例である。GPSアンテナ221は、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信することができ、受信したGPS信号をGPS処理部223に入力する。
【0048】
GPS処理部223は、測位衛星から受信された信号に基づいて位置情報を算出する算出部の一例である。GPS処理部223は、GPSアンテナ221から入力された複数のGPS信号に基づいて現在の位置情報を算出し、算出した位置情報を出力する。具体的には、GPS処理部223は、GPS衛星の軌道データからそれぞれのGPS衛星の位置を算出し、GPS信号の送信時刻と受信時刻との差分時間に基づいて、各GPS衛星から当該端末装置100までの距離をそれぞれ算出する。そして、算出された各GPS衛星の位置と、各GPS衛星から当該端末装置100までの距離とに基づいて、現在の3次元位置を算出することができる。なお、ここで用いられるGPS衛星の軌道データは、例えばGPS信号に含まれていてもよい。或いは、GPS衛星の軌道データは、通信アンテナ225を介して外部のサーバから取得されてもよい。
【0049】
通信アンテナ225は、例えば携帯通信網や無線LAN(Local Area Network)通信網を介して通信信号を受信する機能を有するアンテナである。通信アンテナ225は、受信した信号を通信処理部227に供給することができる。
【0050】
通信処理部227は、通信アンテナ225から供給された信号に各種の信号処理を行う機能を有する。通信処理部227は、供給されたアナログ信号から生成したデジタル信号をCPU239に供給することができる。
【0051】
地磁気センサ229は、地磁気を電圧値として検出するセンサである。地磁気センサ229は、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の地磁気をそれぞれ検出する3軸地磁気センサであってよい。ここで例えばX軸は端末装置100の表示画面の長手方向、Y軸は上記表示画面の短手方向、Z軸はX軸及びY軸と直交する方向とすることができる。地磁気センサ229は、検出した地磁気データをA/D変換部237に入力する。
【0052】
加速度センサ231は、加速度を電圧値として検出するセンサである。加速度センサ231は、X軸方向に沿った加速度、Y軸方向に沿った加速度、及びZ軸方向に沿った加速度をそれぞれ検出する3軸加速度センサであってよい。加速度センサ231は、検出した加速度データをA/D変換部237に入力する。
【0053】
ジャイロセンサ233は、物体の角度や角速度を検出する計測器の一種である。このジャイロセンサ233は、X軸、Y軸、及びZ軸周りの回転角の変化する速度(角速度)を電圧値として検出する3軸ジャイロセンサであることが望ましい。ジャイロセンサ233は、検出した角速度データをA/D変換部237に入力する。
【0054】
気圧センサ235は、周囲の気圧を電圧値として検出するセンサである。気圧センサ235は、気圧を所定のサンプリング周波数で検出し、検出した気圧データをA/D変換部237に入力する。
【0055】
A/D変換部237は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する機能を有する。A/D変換部237は、例えばアナログ信号をデジタル信号に変換する変換回路である。なお、このA/D変換部237は、各センサに内蔵されていてもよい。
【0056】
CPU239は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って端末装置100内の動作全般を制御する。またCPU239は、マイクロプロセッサであってもよい。このCPU239は、各種プログラムに従って様々な機能を実現することができる。例えば、CPU239は、加速度センサ231により検出された加速度データに基づいて姿勢角を検出し、この姿勢角と地磁気センサ229により検出された地磁気データとを用いることによって方位を算出する方位算出部として機能することができる。またCPU239は、加速度センサ231により検出された加速度データとジャイロセンサ233により検出された角速度データとに基づいて端末装置100の移動の速度を算出する速度算出部として機能することができる。また、CPU239は、気圧センサ235により検出される気圧データに基づいて現在位置の高度を算出する高度算出部として機能することもできる。
【0057】
ROM241は、CPU239が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶することができる。RAM243は、CPU239の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶することができる。
【0058】
操作部247は、ユーザが所望の操作をするための入力信号を生成する機能を有する。操作部247は、例えばタッチパネル、マウス、キーボード、ボタン、マイク、スイッチ及びレバーなどユーザが情報を入力するための入力部と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU239に出力する入力制御回路などから構成されてよい。
【0059】
表示部249は、出力装置の一例であり、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)装置、有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ装置などの表示装置であってよい。表示部249は、ユーザに対して画面を表示することにより情報を提供することができる。
【0060】
デコーダ251は、CPU239の制御に従い、入力されたデータのデコード及びアナログ変換などを行う機能を有する。デコーダ251は、例えば通信アンテナ225及び通信処理部227を介して入力された音声データのデコード及びアナログ変換などを行い、音声信号をスピーカ253に出力する。スピーカ253は、デコーダ251から供給される音声信号に基づいて音声を出力することができる。
【0061】
エンコーダ255は、CPU239の制御に従い、入力されたデータのデジタル変換及びエンコードなどを行う機能を有する。エンコーダ255は、マイク257から入力される音声信号のデジタル変換及びエンコードなどを行い、音声データを出力することができる。マイク257は、音声を集音し、音声信号として出力することができる。
【0062】
記憶部259は、データ格納用の装置であり、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置、および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含むことができる。ここで記憶媒体としては、例えばフラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)、及びEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリや、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記録媒体などが用いられてよい。この記憶部259は、例えば地図DB261などを記憶することができる。この地図DB263には、POI(Point Of Interest)の情報や、高度情報、道路情報など位置情報と対応づけられた各種の情報を含むことができる。なお、この地図DB263は、ここでは端末装置100が有することとしたが本技術はかかる例に限定されない。地図DB261は、外部の装置が有していてもよい。端末装置100は、外部装置の有する地図DB261に適宜アクセスすることによって位置情報と対応づけられた各種の情報を取得することができる構成であってもよい。また、地図DB261は、外部の装置から適宜現在位置周辺の地図情報を取得する構成であってもよい。
【0063】
(2−3.揺れ検出データ)
ここで、揺れ検出部101が供給する揺れ検出データの詳細について図7〜図12を参照しながら考えてみよう。図7は、端末装置をポケット内に入れて持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(加速度センサにより検出)の一例を示すグラフである。図8は、端末装置を手持ちで持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(加速度センサにより検出)の一例を示すグラフである。図9は、混雑時の揺れ検出データ(加速度センサにより検出)の一例を示すグラフである。図10は、端末装置を腰に設置した場合の通常時の揺れ検出データ(ジャイロセンサにより検出)の一例を示すグラフである。図11は、端末装置をポケット内に入れて持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(ジャイロセンサにより検出)の一例を示すグラフである。図12は、端末装置を手持ちで持ち歩いた場合の通常時の揺れ検出データ(ジャイロセンサにより検出)の一例を示すグラフである。
【0064】
まず図7〜図9を参照すると、加速度センサを用いて検出された揺れ検出データについて、端末装置100をポケット内に入れて持ち歩いた場合、端末装置100を手持ちで持ち歩いた場合、そして混雑時の揺れ検出データが示される。このとき、端末装置100をポケット内に入れて持ち歩いた場合と、手持ちで持ち歩いた場合とでは、ポケット内に入れて持ち歩いた場合の方が揺れ検出データの振幅が大きくなる。ところが、図9を参照すると、図7の揺れ検出データの振幅と、図8の揺れ検出データの振幅との差異よりも、図7の揺れ検出データの振幅と図9の揺れ検出データの振幅との差異、及び図8の揺れ検出データの振幅と図9の揺れ検出データの振幅との差異の方が大きい。従って、この場合、端末装置100の持ち歩きの方法によらず、揺れ検出データを混雑判定に用いることができる。
【0065】
また、図7〜図9を参照すると、加速度センサにより検出された揺れ検出データについていうと、特に上下方向(鉛直方向)の揺れ検出データは、端末装置100の持ち歩き方の影響を受けにくい。また、上下方向の揺れ検出データは、ユーザの徒歩のピッチの影響が反映されやすいため、混雑判定部107は、上下方向の揺れ検出データの振幅及びピッチの値に基づいて混雑判定することが好ましい。
【0066】
また、図10〜図12を参照すると、ジャイロセンサを用いて検出された揺れ検出データについて、端末装置100を腰に設置した場合、端末装置100をポケットに入れて持ち歩いた場合、そして端末装置100を手持ちで持ち歩いた場合の揺れ検出データが示される。図10〜図12から、ジャイロセンサを用いて検出された揺れ検出データは、端末装置100の持ち歩き方により振幅が大きく変動する。このため、混雑判定部107は、ジャイロセンサを用いて検出された揺れ検出データに基づいて混雑判定を行う場合には、揺れ検出データの振幅は用いずに、ピッチを用いて混雑判定を行うことが望ましい。また、ジャイロセンサを用いて検出された揺れ検出データのうちyaw角を示す揺れ検出データは、も比較的端末装置100の持ち方に影響されにくく、ユーザの歩行ピッチの影響が反映されやすい(2歩で1周期)ため、混雑判定部107は、yaw角を示す揺れ検出データのピッチの値に基づいて混雑判定することが好ましい。
【0067】
また、混雑判定に用いられる揺れ検出データは、気圧センサにより検出されてもよい。現状の気圧センサの分解能及びサンプリング周期は、未だ歩行のピッチを計測するために十分でない。しかし、歩行に伴う上下動を検出できる程度の性能を有する気圧センサを用いれば、気圧センサにより検出された揺れ検出データを混雑判定に用いることもできる。
【0068】
なお、気圧センサを用いて取得される揺れ検出データに含まれるノイズを除去するために、フィルタを用いて歩行のピッチを検出するための帯域(例えば1.5〜3.5Hz)だけを抽出することが好ましい。例えば気圧は、車とすれ違ったり、窓を開閉したりするだけでも大きく変動する。このため、このようなノイズ成分を取り除く処理が重要となる。
【0069】
(2−4.動作例)
次に、図13〜図15を参照しながら本開示の第1の実施形態に係る端末装置100aの動作例について説明する。図13は、本開示の一実施形態に係る混雑判定処理の一例を示すフローチャートである。図14は、同実施形態に係る混雑判定処理の他の一例を示すフローチャートである。図15は、本開示の第1の実施形態に係る端末装置の動作を示すフローチャートである。
【0070】
なお、ここでは2つの混雑判定処理について説明する。図13に示される混雑判定処理においては、判定結果は、後に説明するコンテンツ提供時に利用するだけで、記憶されない。また、図14に示される混雑判定処理においては、判定結果は、位置情報とともに記憶される。
【0071】
まず、図13を参照すると、揺れ検出部101は、揺れ検出データを取得する(S101)。そして、揺れ検出部101は取得した揺れ検出データを計測部103に供給する。計測部103は、供給された揺れ検出データの振幅とピッチとを計測する(S103)。計測部103は、計測して得た揺れ検出データの振幅とピッチとを混雑判定部107に供給する。混雑判定部107は、計測部103から供給された現時点の振幅及びピッチの値と、通常歩行学習部105から取得した通常歩行時の振幅及びピッチの値との大小を比較する(S105)。
【0072】
そして、混雑判定部107は、計測部103から供給された値が通常時よりも閾値以上振幅が小さいか否かを判断する(S107)。そして、通常時よりも閾値以上振幅が小さい場合には、混雑判定部107は、次に計測部103から供給された値が通常時よりも閾値以上ピッチが小さいか否かを判断する(S109)。そして、通常時よりも閾値以上ピッチが小さいと判断された場合には、混雑判定部107は、混雑状態であると判定する(S111)。
【0073】
なお、ここでは、混雑判定部107は、閾値を用いて、混雑状態であるか否かを判断することにより混雑度を判定したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、通常時のピッチ及び振幅と、現時点のピッチ及び振幅とを比較して、その差異の値に応じて段階的に、あるいは連続的な値をもって混雑度を判定してもよい。また、混雑判定部107は、通常時の揺れを、振幅とピッチの2次元の分布(例えば平均値と分散)として記憶し、現在の揺れが通常時の分布から何σ離れているかにより、確率的に混雑度を判定してもよい。
【0074】
次に、図14を参照しながら、この混雑判定処理の他の一例について説明する。まず揺れ検出部101は、揺れ検出データを取得する(S201)。そして、揺れ検出部101は取得した揺れ検出データを計測部103に供給する。計測部103は、供給された揺れ検出データの振幅とピッチとを計測する(S203)。計測部103は、計測して得た揺れ検出データの振幅とピッチとを混雑判定部107に供給する。混雑判定部107は、計測部103から供給された現時点の振幅及びピッチの値と、通常歩行学習部105から取得した通常歩行時の振幅及びピッチの値との大小を比較する(S205)。
【0075】
そして、混雑判定部107は、計測部103から供給された値が通常時よりも閾値以上振幅が小さいか否かを判断する(S207)。そして、通常時よりも閾値以上振幅が小さい場合には、混雑判定部107は、次に計測部103から供給された値が通常時よりも閾値以上ピッチが小さいか否かを判断する(S209)。そして、通常時よりも閾値以上ピッチが小さいと判断された場合には、混雑判定部107は、混雑状態であると判定する(S211)。
【0076】
混雑判定部107は、端末装置100aのユーザが混雑状態であると判定すると、位置情報取得部115に現在の位置情報を取得させる(S213)。そして、混雑判定部107は、混雑状態と判定された場所、及び時刻の記録を更新する(S215)。このとき、混雑判定部107は、混雑状態と判定されている状態の継続時間を計測して記録してもよい。
【0077】
なお、図13及び図14に示された混雑判定処理の結果を用いて、端末装置100aは、図15示されるフローチャートのように動作してもよい。すなわち、ステップS301の混雑判定処理は、図13に示される混雑判定処理であってもよいし、図14に示される混雑判定処理であってもよい。混雑度判定処理(S301)が実行されると、コンテンツ提供部113は、判定結果が混雑状態であるか否かを判断する(S303)。そして、コンテンツ提供部113は、混雑状態であると判定された場合に、混雑状態に合わせたコンテンツを選択する(S305)。コンテンツ提供部113は、選択されたコンテンツを提供する(S307)。
【0078】
ここでステップS305のコンテンツ選択の詳細について説明する。コンテンツ提供部113は、例えばユーザが混雑状態であると判定されたときに、ユーザのストレスを軽減するコンテンツを選択してもよい。例えば、ユーザのストレスを軽減するコンテンツとは、曲調解析や映像解析によりストレス緩和に効果があるとされる音楽コンテンツや映像コンテンツであってもよい。このとき、コンテンツの選択にはコンテンツの属性を判断するための様々なアルゴリズムが用いられてよい。
【0079】
また、混雑状態であるときには、ユーザは通常のペースで歩いているときよりも、端末装置100により提供されるコンテンツに興味を持ちやすいと考えられる。このため、コンテンツ提供部113は、混雑状態であると判定されたときにプッシュ式でユーザにコンテンツを提供してもよい。またコンテンツ提供部113は、このプッシュ式でユーザにコンテンツを提供する頻度を混雑状態に応じて変更してもよい。コンテンツ提供部113は、混雑状態であるとき、通常時よりも高い頻度でユーザにコンテンツを提供することができる。
【0080】
なお、ここでは、混雑状態であると判定されたときにのみ混雑状態に合わせたコンテンツが選択されることとしたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、混雑状態ではないと判定された場合にも、判定結果に応じてコンテンツが選択されてもよい。
【0081】
(2−5.効果の例)
以上、第1の実施形態に係る端末装置100aについて説明してきた。かかる構成によれば、ユーザの所有する端末装置100aにより取得される揺れ検出データに基づいて、少なくとも歩行のピッチを通常歩行時と比較することによりユーザ個人の混雑状態を判定することができる。このとき、揺れ検出データから歩行のピッチを検出することにより、ユーザが歩いていることと、そのペースが低下したことを検知することができる。例えば単に速度が低下したことを検知する方法では、動く歩道、やエスカレータに乗っている状態で速度が低下しているときにも混雑状態であると誤って判定されてしまう恐れがある。しかし、本実施形態に係る端末装置100aは、乗り物に乗って速度が低下しているときには混雑状態と判定されず、歩行しているときに混雑状態であることを精度よく判定することができる。
【0082】
このとき、端末装置100aは、通常歩行時との差異に基づいて混雑判定を行う。単純に速度の変化により混雑判定する場合には、元々足の遅いご老人はいつも混雑状態であると判定されてしまう。しかし、端末装置100aによれば、通常歩行時との差異に基づいて判定されるため、混雑判定の精度が向上する。
【0083】
また、さらに揺れ検出データの振幅を混雑判定に用いることにより、混雑判定の精度が向上する。例えば、背の高い人がゆっくり進むには歩幅が小さくなる。このとき、歩幅が小さくなると、身体の上下動が小さくなるため、検出される揺れ検出データの振幅は小さくなる。この歩幅の変化を混雑判定に用いることで、混雑判定の精度が向上する。
【0084】
この混雑判定によれば、上述の通り、精度よく歩行時の混雑判定を行うことができる。このため、ユーザにコンテンツを提供するタイミングや提供するコンテンツの選択に混雑判定結果を利用することが有効である。例えば通常歩行時には、端末装置100aのコンテンツ提供部113がプッシュ通知を行ったとしてもユーザが気づかない可能性が高い。しかし、混雑時には、ユーザは低速で移動している上に周囲の動きに合わせて進むため、端末装置100aの画面に目を向ける余裕がある可能性が非常に高い。したがって、混雑状態のときにプッシュ通知を行う場合には、通常歩行時にプッシュ通知を行う場合に比べてユーザが通知されたコンテンツに興味を持つ可能性が高まる。
【0085】
<3.第2の実施形態(サーバに混雑情報をアップロードする例)>
(3−1.システム構成例)
次に、本開示の第2の実施形態に係る混雑情報生成システムの構成例について図16を参照しながら説明する。図16は、本開示の第2の実施形態に係る混雑情報生成システムの構成図である。
【0086】
混雑情報生成システム1は、端末装置100bと、混雑度マップ生成サーバ200bと、サービスサーバ300bとを主に有する。ここで、混雑度マップ生成サーバ200bとサービスサーバ300bとは別体のサーバであることとしたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、混雑度マップ生成サーバ200bとサービスサーバ300bとは一体のサーバで構成されてもよい。
【0087】
端末装置100bは、揺れ検出データから混雑度を判定する混雑状態判定装置の一例であり、混雑状態であると判定されたときに現在の位置情報を取得して混雑度マップ生成サーバ200bに位置情報をアップロードする。また、端末装置100bは、混雑度マップ生成サーバ200bから混雑度マップを取得することができる。例えば現在の位置情報に基づいて現在位置周辺の混雑度を示す混雑度マップが取得されてよい。さらに端末装置100bは、サービスサーバ300にサービスの提供を要求することにより情報を取得することができてもよい。
【0088】
混雑度マップ生成サーバ200bは、複数の端末装置100bから混雑状態である位置情報を取得することにより混雑度マップを生成する機能を有する。例えば混雑度マップは、地図上に混雑状態にある端末装置100bの位置を重畳したものであってよい。このとき、混雑度マップ生成サーバ200bは、端末装置100bの位置に加えて端末装置100bの進行方向、すなわち混雑の向きを混雑度マップ上に示してもよい。
【0089】
サービスサーバ300bは、混雑度マップに基づいて、ユーザに提供する情報を生成するサーバである。例えばサービスサーバ300bは、混雑度マップに基づいて、ユーザが混雑を回避するためのルートを探索して提供することができる。またはサービスサーバ300bは、過去の混雑状態継続時間に基づいて、混雑が解消されるまでの時間を予想して端末装置100bに提供することができる。
【0090】
(3−2.端末装置の機能構成例)
次に、本開示の第2の実施形態に係る端末装置100bの機能構成例について図17を参照しながら説明する。図17は、同実施形態に係る端末装置の機能構成図である。端末装置100bは、揺れ検出部101と、計測部103と、通常歩行学習部105と、混雑判定部107と、記憶部109と、コンテンツ提供部113と、位置情報取得部115と、送受信部117とを主に有する。
【0091】
なお、ここでは第1の実施形態に係る端末装置100aと異なる構成要素について主に説明し、端末装置100aと同様の部分については説明を省略する。
【0092】
端末装置100bは、送受信部117を介して混雑度マップを混雑度マップ生成サーバ200bから取得することができる。混雑判定部107は、取得した混雑度マップの情報に基づいて、混雑判定に用いる閾値を調整してもよい。例えば、混雑度マップより、端末装置100bの周囲にある端末が混雑状態であると判定していることがわかると、端末装置100bも混雑状態である可能性が高い。このため、ギリギリ閾値を超えておらず、かつ周囲が混雑状態である場合には、端末装置100bは、その時点において混雑状態と判定されるように閾値を調整することが望ましい。また、コンテンツ提供部113は、送受信部117を介して外部のサーバから取得したコンテンツをユーザに提供することができる。例えば、コンテンツ提供部113は、サービスサーバ300bから取得したコンテンツをユーザに提供してもよい。
【0093】
また、混雑判定部107は、混雑状態であると判定されたとき、送受信部117を介して現在の位置情報を混雑度マップ生成サーバ200に送信することができる。ここで、現在の位置情報には、ユーザの進行方位から算出された混雑の向きを含むことができる。このとき、混雑判定部107は、端末装置100bを識別するための情報を混雑度マップ生成サーバ200に送信してもよい。
【0094】
(3−3.動作例)
次に、図18及び図19を参照しながら、本開示の第2の実施形態に係る混雑情報生成システムの動作例について説明する。図18は、同実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の一例を示すシーケンス図である。図19は、同実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の他の一例を示すシーケンス図である。なお、図18の動作例と図19の動作例とは、混雑状態に関する情報を端末装置100bが混雑度マップ生成サーバ200bに送信するタイミングが相違する。
【0095】
図18を参照すると、まず端末装置100bは、混雑判定処理を実行する(S401)。そして、混雑判定部107は、混雑状態であると判定されたか否かを判断し(S403)、混雑状態であると判定された場合には、混雑度マップ生成サーバ200bに現在の位置情報と端末装置100bを識別するための情報を送信する(S405)。
【0096】
そして、端末装置100bの現在の位置情報と端末識別情報とを受信した混雑度マップ生成サーバ200bは、当該端末装置100bについての混雑状態の継続時間と場所と時刻との記録を更新する(S407)。
【0097】
一方、端末装置100bは、再び混雑判定処理を実行する(S409)。そして、混雑判定部107は、混雑状態が継続中であるか否かを判断する(S411)。混雑状態が継続中である場合には、混雑判定部107は、再び混雑度マップ生成サーバ200bに現在の位置情報と端末装置100bを識別するための情報を送信する。このステップS405〜ステップS411の処理は、端末装置100bが混雑状態から抜け出すまで繰り返される。
【0098】
なお、ステップS401及びステップS409の混雑判定処理は、例えば図13に示される混雑判定処理であってよい。或いは、ステップS401及びステップS409の混雑判定処理は、図14に示される混雑判定処理であってもよい。
【0099】
また、本実施形態に係る混雑情報生成システムは、図19に示すように動作してもよい。この場合、端末装置100bは、まず混雑判定処理を実行する(S501)。ここでステップS501の混雑判定処理は、例えば図13に示される混雑判定処理であってよい。或いは、ステップS501の混雑判定処理は、図14に示される混雑判定処理であってもよい。
【0100】
そして、混雑判定部107は、端末装置100bが混雑状態を抜け出したか否かを判断する(S503)。そして、混雑判定部107は、端末装置100bが混雑状態を抜け出したときに、混雑状態の継続時間と現在の位置情報とを取得して混雑度マップ生成サーバ200bに送信する(S505)。混雑度マップ生成サーバ200bは、混雑状態の継続時間、場所、時刻を記録する(S507)。
【0101】
(3−4.効果の例)
以上、本開示の第2の実施形態に係る混雑情報生成システムについて説明してきた。本実施形態においては、端末装置100bは、混雑状態であるという情報を混雑度マップ生成サーバ200bに送信することができる。混雑度マップは、上述の通り、混雑判定に用いる閾値を調整するために利用される。これにより、混雑判定の精度が向上する。なお、ここで提供される混雑度マップとサービスサーバにより提供されるサービスの例については、次に説明する第3の実施形態と共通するため、後に適用例として説明される。
【0102】
<4.第3の実施形態(サーバ側で混雑判定を実行する例)>
(4−1.システム構成例)
次に、本開示の第3の実施形態に係る混雑情報生成システムの構成について図20を参照しながら説明する。図20は、本開示の第3の実施形態に係る混雑情報生成システムの構成図である。
【0103】
本実施形態に係る混雑情報生成システムは、端末装置100cと、混雑度マップ生成サーバ200cと、サービスサーバ300cとを主に有する。第1及び第2の実施形態においては、端末装置100が混雑判定処理を実行していた。本実施形態においては、端末装置100cにより取得された揺れ検出データを混雑度マップ生成サーバ200cに送信し、混雑度マップ生成サーバ200cにおいて混雑判定処理が行われる。
【0104】
(4−2.機能構成例)
次に、本実施形態にかかる混雑情報生成システムのうち、端末装置100c及び混雑度マップ生成サーバ200cについての機能構成を図21を参照しながら説明する。図21は、同実施形態に係る混雑情報生成システムの機能構成図である。
【0105】
端末装置100cは、揺れ検出部101と、コンテンツ提供部113と、位置情報取得部115と、送受信部117とを主に有する。送受信部117は、揺れ検出部101が検出した揺れ検出データを混雑度マップ生成サーバ200cに送信する。
【0106】
混雑度マップ生成装置200cは、送受信部201と、計測部203と、通常歩行学習部205と、混雑判定部207と、記憶部209と、混雑度マップ生成部211とを主に有する。
【0107】
ここで、計測部203は、計測部103と同様の機能を有する。通常歩行学習部205は、通常歩行学習部205と同様の機能を有する。混雑判定部207は、混雑判定部107と同様の機能を有する。また記憶部209は記憶部109と同様の機能を有する。
【0108】
ただし、混雑度マップ生成サーバ200cは、複数の端末装置100cについての混雑状態の情報を記憶するため、記憶部209は、端末装置100cを識別するための情報と共に混雑状態の情報を記憶することが好ましい。このとき、端末装置100cを識別するための情報は、同じ端末装置100cについての情報であることを識別できればよく、端末装置100c又はそのユーザを特定する情報でなくてもよい。ユーザのプライバシーを考慮すると、端末装置100c又はそのユーザを特定できない情報である方が好ましい場合もある。
【0109】
(4−3.動作例)
次に、図22を参照しながら本実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の一例について説明する。図22は、同実施形態に係る混雑情報生成システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0110】
まず、端末装置100cの揺れ検出部101が揺れ検出データを取得する(S601)。そして、位置情報取得部115は、端末装置100cの現在の位置情報を取得する(S603)。端末装置100cは、送受信部117を介して、取得した揺れ検出データ及び位置情報を混雑度マップ生成サーバ200cに送信する(S605)。揺れ検出データ及び位置情報を受信した混雑度マップ生成サーバ200cは、混雑判定、記録処理を実行する(S607)。なお、ステップS607の混雑判定、記録処理は、例えば図14に示される処理であってよい。
【0111】
(4−4.効果の例)
以上説明したように、本実施形態に係る混雑情報生成システムによれば、サーバ側で混雑判定処理が実行される。このため、端末装置100cの処理負荷が軽くなるという効果を奏する。すなわち、処理能力の低い端末装置100cについても混雑判定処理を行うことができる。
【0112】
<5.適用例>
次に、図23〜図28を参照しながら、本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムを利用して提供することのできるサービスの一例について説明する。図23〜図28は、本開示の第2及び第3の実施形態に係る混雑情報生成システムにより提供される混雑情報の一例を示す説明図である。
【0113】
例えば混雑度マップ生成サーバ200は、図23に示す混雑度マップを提供してもよい。ここでは、エリアA1及びエリアA2付近で混雑が発生していることがわかる。このとき、例えばサービスサーバ300は、混雑度マップに加え、さらに混雑しているエリアA1及びエリアA2を回避するためのルートを探索して端末装置100のユーザに提供してもよい。
【0114】
また、図24に示されるように、お店Sにできた行列に並んでいるユーザの端末装置100に対して、サービスサーバ300は、推定待ち時間の情報を提供してもよい。例えばサービスサーバ300は、過去の同じ曜日の同じ時間帯における同じ位置からの混雑状態の継続時間の情報から、待ち時間を推定してユーザに提供してもよい。またサービスサーバ300は、行列の先にあるお店Sについての情報をユーザの端末装置100に対して提供してもよい。例えばお店Sが飲食店である場合には、サービスサーバ300は、メニュー情報をユーザに提供してもよい。或いは、サービスサーバ300は、お勧めメニューの情報をユーザに提供してもよい。
【0115】
或いは、図25に示されるように、特定のエリアA3内で混雑状態であると判定された端末装置100が密集している場合には、監視カメラCの方向DをエリアA3の方向に向けてもよい。或いは、このとき混雑状態であると判定された端末装置100が密集しているエリアA3に対して警備員を派遣するためにこの混雑情報は用いられてもよい。例えば、図26に示される画面13のように、地図上で混雑状態の端末装置100が密集しているエリアを示す画面を警備員の有する端末装置の表示部に表示させることにより、警備員を必要な場所に適切に配置することができる。例えばゲリラライブの開催など、突発的な異常事態に対応することができる。
【0116】
また、図27に示すように、前の駅を出発するときに、電車の扉付近で混雑状態であることが多数検知される(エリアA4)ことは、ある程度大勢の人が電車に乗り込むために電車への乗り降りの際に混雑が生じていることを示す。このため、サービスサーバ300は、混雑状態である端末装置100の位置から、それぞれの端末装置100のユーザが乗り込む車両を特定することができる。サービスサーバ300は、例えば図28に示す画面15によりユーザに空いている車両を案内するためにこの混雑情報を利用してもよい。
【0117】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本技術はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0118】
例えば、上記実施形態では、揺れ検出データのピッチと振幅の値に基づいて混雑判定を行うこととしたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、ピッチのみに基づいて混雑判定が行われてもよい。このとき、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチの一次元分布と取得部により取得されたピッチとの差異に基づいて混雑判定は行われてよい。また、取得部により取得されたピッチと通常歩行時のピッチとの差異量に基づいて混雑判定は行われてよい。例えば揺れ検出データの振幅が、端末装置100の持ち方などに依存しにくく、混雑度の影響が反映されやすい場合には、ピッチに加えて振幅の値を用いて混雑判定することが望ましい。
【0119】
例えば、上記実施第3の形態では、混雑度マップを生成する混雑度マップ生成サーバが混雑判定処理を実行することとしたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、混雑度マップ生成サーバとは別体のサーバが混雑判定処理を実行してもよい。
【0120】
尚、本明細書において、フローチャート又はシーケンス図に記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【0121】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、
を備える、情報処理装置。
(2)前記混雑判定部は、前記通常歩行時のピッチの分布と前記取得部により取得されたピッチとの差異に基づいて混雑度を判定する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)前記混雑判定部は、前記取得部により取得されたピッチと前記通常歩行時のピッチとの差異量に基づいて混雑度を判定する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(4)前記取得部は、さらに前記揺れ検出データの振幅を取得し、
前記混雑判定部は、前記取得部により取得された振幅と、前記過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時の振幅と、の差異にさらに基づいて混雑度を判定する、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の情報処理装置。
(5)前記混雑判定部は、前記通常歩行時のピッチ及び振幅の2次元の分布と前記取得部により取得されたピッチ及び振幅との差異に基づいて混雑度を判定する、前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)前記混雑判定部は、前記取得部により取得されたピッチと前記通常歩行時のピッチとの差異量、及び前記取得部により取得された振幅と前記通常歩行時の振幅との差異量、に基づいて、混雑度を判定する、前記(4)に記載の情報処理装置。
(7)前記取得部は、鉛直方向の揺れ検出データから歩行のピッチを取得する、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)前記混雑判定部は、周囲のユーザの混雑度に基づいて値が調整された閾値を用いて混雑度を判定する、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9)前記混雑判定部の判定した混雑度に基づいてコンテンツを選択する選択部と、
前記選択部により選択されたコンテンツを提供するコンテンツ提供部と、
をさらに備える、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10)前記選択部は、前記混雑判定部の判定した混雑度に基づいてユーザにコンテンツを提供する頻度を変更する、前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)前記選択部は、前記混雑判定部により混雑状態であると判定されたとき、ユーザにコンテンツを提供する頻度を高める、前記(10)に記載の情報処理装置。
(12)前記混雑度判定部により混雑度が高いと判定されたときに、前記選択部は、ユーザのストレスを軽減する効果のあるコンテンツを選択する、前記(9)または(10)のいずれかに記載の情報処理装置。
(13)現在の位置情報を取得する位置情報取得部、
をさらに備え、
前記選択部は、さらに前記現在の位置情報に基づいてコンテンツを選択する、前記(9)〜(12)のいずれかに記載の情報処理装置。
(14)前記選択部は、前記現在の位置情報に基づいて、ユーザが並んでいる行列の先にある店舗に関するコンテンツを選択する、前記(13)に記載の情報処理装置。
(15)複数の端末装置により取得された揺れ検出データから検出される歩行のピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑状態であると判定されたユーザの位置情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された位置情報を地図上に重畳した混雑度マップを生成する混雑度マップ生成部と、
を備える、混雑度マップ生成装置。
(16)揺れ検出データから歩行のピッチを取得することと、
取得された前記ピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定することと、
を含む、情報処理方法。
(17)コンピュータを、
揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、
を備える、情報処理装置として機能させるためのプログラム。
(18)コンピュータを、
揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、
を備える、情報処理装置として機能させるためのプログラムを記録した、コンピュータに読取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0122】
100 端末装置
101 揺れ検出部
103 計測部
105 通常歩行学習部
107 混雑判定部
109 記憶部
113 コンテンツ提供部
115 位置情報取得部
117 送受信部
200 混雑度マップ生成サーバ
300 サービスサーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記混雑判定部は、前記通常歩行時のピッチの分布と前記取得部により取得されたピッチとの差異に基づいて混雑度を判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記混雑判定部は、前記取得部により取得されたピッチと前記通常歩行時のピッチとの差異量に基づいて混雑度を判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、さらに前記揺れ検出データの振幅を取得し、
前記混雑判定部は、前記取得部により取得された振幅と、前記過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時の振幅と、の差異にさらに基づいて混雑度を判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記混雑判定部は、前記通常歩行時のピッチ及び振幅の2次元の分布と前記取得部により取得されたピッチ及び振幅との差異に基づいて混雑度を判定する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記混雑判定部は、前記取得部により取得されたピッチと前記通常歩行時のピッチとの差異量、及び前記取得部により取得された振幅と前記通常歩行時の振幅との差異量、に基づいて、混雑度を判定する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、鉛直方向の揺れ検出データから歩行のピッチを取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記混雑判定部は、周囲のユーザの混雑度に基づいて値が調整された閾値を用いて混雑度を判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記混雑判定部の判定した混雑度に基づいてコンテンツを選択する選択部と、
前記選択部により選択されたコンテンツを提供するコンテンツ提供部と、
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記選択部は、前記混雑判定部の判定した混雑度に基づいてユーザにコンテンツを提供する頻度を変更する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記選択部は、前記混雑判定部により混雑状態であると判定されたとき、ユーザにコンテンツを提供する頻度を高める、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記混雑度判定部により混雑度が高いと判定されたときに、前記選択部は、ユーザのストレスを軽減する効果のあるコンテンツを選択する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項13】
現在の位置情報を取得する位置情報取得部、
をさらに備え、
前記選択部は、さらに前記現在の位置情報に基づいてコンテンツを選択する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記選択部は、前記現在の位置情報に基づいて、ユーザが並んでいる行列の先にある店舗に関するコンテンツを選択する、請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
複数の端末装置により取得された揺れ検出データから検出される歩行のピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑状態であると判定されたユーザの位置情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された位置情報を地図上に重畳した混雑度マップを生成する混雑度マップ生成部と、
を備える、混雑度マップ生成装置。
【請求項16】
揺れ検出データから歩行のピッチを取得することと、
取得された前記ピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項17】
コンピュータを、
揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、
を備える、情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピュータを、
揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、
を備える、情報処理装置として機能させるためのプログラムを記録した、コンピュータに読取り可能な記録媒体。
【請求項1】
揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記混雑判定部は、前記通常歩行時のピッチの分布と前記取得部により取得されたピッチとの差異に基づいて混雑度を判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記混雑判定部は、前記取得部により取得されたピッチと前記通常歩行時のピッチとの差異量に基づいて混雑度を判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、さらに前記揺れ検出データの振幅を取得し、
前記混雑判定部は、前記取得部により取得された振幅と、前記過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時の振幅と、の差異にさらに基づいて混雑度を判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記混雑判定部は、前記通常歩行時のピッチ及び振幅の2次元の分布と前記取得部により取得されたピッチ及び振幅との差異に基づいて混雑度を判定する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記混雑判定部は、前記取得部により取得されたピッチと前記通常歩行時のピッチとの差異量、及び前記取得部により取得された振幅と前記通常歩行時の振幅との差異量、に基づいて、混雑度を判定する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、鉛直方向の揺れ検出データから歩行のピッチを取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記混雑判定部は、周囲のユーザの混雑度に基づいて値が調整された閾値を用いて混雑度を判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記混雑判定部の判定した混雑度に基づいてコンテンツを選択する選択部と、
前記選択部により選択されたコンテンツを提供するコンテンツ提供部と、
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記選択部は、前記混雑判定部の判定した混雑度に基づいてユーザにコンテンツを提供する頻度を変更する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記選択部は、前記混雑判定部により混雑状態であると判定されたとき、ユーザにコンテンツを提供する頻度を高める、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記混雑度判定部により混雑度が高いと判定されたときに、前記選択部は、ユーザのストレスを軽減する効果のあるコンテンツを選択する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項13】
現在の位置情報を取得する位置情報取得部、
をさらに備え、
前記選択部は、さらに前記現在の位置情報に基づいてコンテンツを選択する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記選択部は、前記現在の位置情報に基づいて、ユーザが並んでいる行列の先にある店舗に関するコンテンツを選択する、請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
複数の端末装置により取得された揺れ検出データから検出される歩行のピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑状態であると判定されたユーザの位置情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された位置情報を地図上に重畳した混雑度マップを生成する混雑度マップ生成部と、
を備える、混雑度マップ生成装置。
【請求項16】
揺れ検出データから歩行のピッチを取得することと、
取得された前記ピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項17】
コンピュータを、
揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、
を備える、情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピュータを、
揺れ検出データから歩行のピッチを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたピッチと、過去の揺れ検出データに基づいて算出された通常歩行時のピッチと、の差異に基づいて混雑度を判定する混雑判定部と、
を備える、情報処理装置として機能させるためのプログラムを記録した、コンピュータに読取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−212365(P2012−212365A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78317(P2011−78317)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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