説明

情報処理装置およびその制御方法、並びにプログラム

【課題】フォトブックの一般ユーザへの普及とともに、ネット等を通じて様々なフォトブックテンプレートの提供と共有が行われ、フォトブックを簡単に作成できるが、撮影した複数の写真群に適したテンプレートかどうかを、中身を参照して探すのは手間がかかる。
【解決手段】複数の画像を配置するためのフォトブックテンプレートを検索する情報処理装置であって、前記フォトブックテンプレートに含まれる複数の画像枠それぞれに定義された位置情報と、前記複数の画像それぞれの位置情報とを比較し、適合する画像枠に前記複数の画像それぞれを配置する配置手段と、前記配置手段により配置された画像のレイアウトに基づき、前記複数の画像に対する前記フォトブックテンプレートの適合度を算出する算出手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
フォトブックのデータを作成および検索する情報処理装置およびその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラの普及やコンピュータ技術、ネットワーク技術の発展により、フォトブックの作成もパーソナルコンピュータ上で行われ、デジタルデータで入稿するようになってきた。フォトブックの作成では、専用のエディタなどを用いて作成されることが多く、作成する手間を省くための工夫もなされてきている。
【0003】
例えば、観光地を訪れた際のフォトブックを作成する場合の工夫として、撮影シーンに対応したテンプレートを予め用意しておくことが考えられる(例えば、特許文献1参照)。観光地などでは決まった撮影スポットがあり、多くの人が同様の撮影を行う。そのため、予め撮影シーンをテンプレート化しておくことで、フォトブック作成の手間を軽減することができる。特許文献1では、ユーザが撮影画像を選択すると、その撮影位置に関連したテンプレートデータのみが表示され、ユーザがテンプレートデータを選択すると、そのテンプレートデータに対応する撮影画像のみが表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−246822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、ユーザはフォトブックを作成するたびに構成を考えたり、撮影シーンを選択したりする等、編集の手間がかかる。フォトブック全体をテンプレート化し、画像を自動挿入させることにすれば、手間を軽減することができる。しかし、フォトブックをテンプレートとして再利用させるには、フォトブックテンプレートが共有される仕組みが必要になる。単なる共有であれば、フォトブックがWeb上で公開されるようになると、ネットワーク等を通してテンプレートを共有することが可能になると考えられる。
【0006】
しかし、テンプレートがネットワーク等で共有された場合でも、複数のテンプレートの中から、ユーザが所望するテンプレートを探すのには手間がかかる。また、ユーザは、フォトブックテンプレートを一見しただけでは、撮影した複数の画像が挿入可能なテンプレートであるかどうかの判断は難しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願発明は以下の構成を有する。すなわち、複数の画像を配置するためのフォトブックテンプレートを検索する情報処理装置であって、前記フォトブックテンプレートに含まれる複数の画像枠それぞれに定義された位置情報と、前記複数の画像それぞれの位置情報とを比較し、適合する画像枠に前記複数の画像それぞれを配置する配置手段と、前記配置手段により配置された画像のレイアウトに基づき、前記複数の画像に対する前記フォトブックテンプレートの適合度を算出する算出手段とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本願発明により、ユーザが所望するブックテンプレートを取得することができ、フォトブックデータの作成にかかる手間が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】コンピュータの構成例を示す図。
【図2】ネットワークの構成例を示す図。
【図3】アプリケーションの構成例を示す機能ブロック図。
【図4】観光地とその撮影スポットを表すイメージ図。
【図5】フォトブックデータの自動作成を説明する図。
【図6】位置情報に基づく画像と画像枠との対応関係の一例を示す図。
【図7】画像枠と画像を設定するエディタの一例を示す図。
【図8】フォトブックテンプレート検索を説明する図。
【図9】撮影位置の適合判断を説明する図。
【図10】方角の許容差異を説明する図。
【図11】フォトブックテンプレート検索画面の一例を示す図。
【図12】フォトブックテンプレートのインデックス情報を説明する図。
【図13】フォトブックテンプレート検索結果画面の一例を示す図。
【図14】フォトブックテンプレート検索結果詳細画面の一例を示す図。
【図15】フォトブックテンプレート検索のフローチャート。
【図16】フォトブックテンプレート検索時の順位付けに関するフローチャート。
【図17】広範囲を対象とするフォトブックテンプレート検索を説明する図。
【図18】最適なフォトブックテンプレート作成について説明する図。
【図19】エリアの作成について説明する図。
【図20】フォトブックテンプレート作成に関するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
<第一実施形態>
[機器構成]
図1は、本発明を実施するための一実施形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。図1において、情報処理装置は、CPU102、メモリ103、記憶部104、ビデオインタフェース105、Input/Output(以下I/Oと略称)インタフェース106、通信インタフェース107を備えている。また、情報処理装置内の各構成要素はシステムバス101を介して互いに接続されている。CPU102は、システムバス101を介して各構成要素を制御したり、データの計算や加工を行ったりする中央処理装置である。メモリ103は、データやプログラムを記憶する装置で、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)から構成される。記憶部104は、記憶されたデータの書き込み/読み出しを行う。記憶部104には、ハードディスクドライブ(HDD)111、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)112、不揮発性のデータソースとして利用されるCD−ROMドライブ113がある。図1には示されていないが、記憶部104としては、磁気テープドライブ、DVD−ROM、USBメモリなども使用されることがある。
【0012】
本実施形態に係るプログラムは、記憶部104から読み込まれ、メモリ103に格納した上で、CPU102によって実行される。なお、本実施形態ではプログラムを記憶部104から読み込む構成としているが、ROM(不図示)から読み込んだり、通信インタフェース107を介して外部から読み込んだりする構成としてもよい。
【0013】
ビデオインタフェース105は、ディスプレイ装置114への表示出力を制御する。ディスプレイ装置114には、CRTや液晶等の方式を用いたものがある。I/Oインタフェース106には、キーボード115やポインティングデバイス116等の入力装置が接続される。操作者は、キーボード115を操作することにより情報処理装置に対する動作指令等を行う。ポインティングデバイス116は、ディスプレイ装置114上のカーソルを移動させてメニューやオブジェクトの選択や操作等を行う。通信インタフェース107は、コンピュータネットワーク117を通して外部機器との通信を行う。接続先のネットワークには、LANやWAN、インターネットのような公衆回線等がある。また、通信インタフェース107は、ローカルプリンタ118などの出力機器との通信も行う。
【0014】
図2は、本実施形態に係るネットワーク構成図である。コンピュータネットワーク201は、クライアントパーソナルコンピュータ(以下クライアントPCと略称)202、サーバコンピュータ(以下サーバと略称)203が接続されている。コンピュータネットワーク201には、LAN、WAN、インターネット等がある。クライアントPC202は、コンピュータネットワーク201を通じてサーバ203と通信を行う。なお、本実施形態において、クライアントPC202およびサーバ203はいずれも、図1にて示した情報処理装置の構成を有するものとする。しかし、これに限定するものではなく、他の機能を備えていても構わない。
【0015】
[アプリケーションプログラム]
続いて、本実施形態に係る検索アプリケーションに関して説明する。なお、本実施形態に係る検索アプリケーションは、主にサーバ203で動作する形態を想定している。しかし、検索アプリケーションプログラムがクライアントPC202で動作する形態も可能である。サーバ203で動作する形態の場合、クライアントPC202上にフォトブックテンプレートを検索するための画面を表示する。検索画面にはWebブラウザで表示する方法や、クライアントアプリケーションをインストールする方法などがある。ユーザは、フォトブックを作成するための画像をクライアントPC202からサーバにアップロードし、サーバ203で画像の解析と検索処理が実行される。なお、画像のアップロード時の送信負荷を下げるため、クライアントPC202で画像の解析を行う実施形態も考えられる。
【0016】
図3は、本実施形態に係る検索アプリケーションの機能ブロック図である。本実施形態において、フォトブックを作成しようとしている画像群を元に、作成しようとしているフォトブックに近い既存のフォトブックテンプレートを検索する手段を提供する。
【0017】
検索処理部301は、検索処理全体を統括する。例えば、検索処理部301は、検索処理の指示の受信、各処理の呼び出し、検索結果の作成などを行う。フォトブックテンプレート取得部302は、データサーバなどのフォトブックテンプレート格納場所から、フォトブックテンプレートを取得する。フォトブックテンプレート解析部303は、取得したフォトブックテンプレートのデータを参照し、構成内容を解析する。インデックス情報作成部304は、フォトブックテンプレートの検索処理を速めるためのデータ(インデックス情報)を作成する。インデックス情報比較部305は、各フォトブックテンプレートに対して作成されたインデックス情報を比較し、所望するフォトブックテンプレートか否かのフィルタリングを行う。属性情報解析部306は、画像やフォトブックテンプレートの画像枠に設定される属性情報を取得する。ここで取得される属性情報としては、例えば経度・緯度といった位置情報などが挙げられる。なお、属性情報は他の情報を含んでいても構わない。属性情報比較部307は、画像または画像枠の属性情報を比較して、フォトブックテンプレートが所望するテンプレートに近いかどうかを詳細に判定する。エリア作成部308とフォトブックテンプレート抽出・結合部309は、より適切なフォトブックテンプレートを取得するために、画像群に対する検索範囲を細分化し、それぞれの範囲の画像群にてフォトブックテンプレートを検索する。そして、フォトブックテンプレート抽出・結合部309は、それぞれ取得されたフォトブックテンプレートを結合するための機能を担う。画像配置部310とフォトブックデータ作成部311は、検索によって取得されたフォトブックテンプレートに画像を配置してフォトブックデータを作成する。
【0018】
[フォトブックデータの作成]
図4から図7を用いて、フォトブックテンプレートと撮影した画像から、フォトブックデータを作成する例を説明する。この機能を背景として、フォトブックテンプレートの共有・検索がより有効に活用される。
【0019】
図4は、観光地の撮影スポットを表すイメージ図である。図4は一例として公園のような観光地を示しており、オブジェクト401、402、403、404は、建物や庭園、噴水やオブジェなど、撮影対象となりうるものを示している。アイコン411等で示されるカメラのアイコンは、それぞれ撮影スポットを示している。つまり、撮影者がアイコンの位置から各オブジェクトを撮影することを示している。また、各アイコンに示された矢印は、撮影する方向を示しており、各アイコンに付記されている番号は図5で示される画像の番号に対応している。
【0020】
観光地には撮影スポットがあり、多くの観光者がその撮影スポットで撮影を行う。同じ撮影スポットで撮影された画像は、同じ位置で同じように撮影されることが多いため、画像も似た内容(構図等)になる。従って、撮影スポットごとに、位置情報および画像のレイアウトやトリミング等の編集情報をテンプレートに予め保持しておくことで、同じ観光地のフォトブックデータを作成する手間を削減することができる。
【0021】
図5は、フォトブックテンプレートを元にフォトブックデータを自動作成することを表す図である。フォトブックテンプレート500は、フォトブックテンプレートの一例であり、画像510はユーザが撮影した複数の画像を表している。フォトブックデータ520は、フォトブックテンプレート500に、撮影された画像510を自動で挿入して作成されたフォトブックデータの一例を示している。フォトブックテンプレート500内に示された画像枠501は、位置情報や編集情報が保持された画像枠であり、画像510がそれぞれ挿入される。また、画像521は、画像枠501に挿入された画像を示している。フォトブックテンプレート500の各画像枠に付されている番号は、図4の撮影スポット(アイコン)の番号に対応している。また、フォトブックデータ520の各画像に付されている番号も図4の撮影スポットの番号に対応している。すなわち、画像枠501と画像510とは、属性情報を比較することで、自動的に対応付けることができる。
【0022】
図6は、画像枠501及び画像510の属性情報に基づいた対応関係を示した図である。図6に示す画像枠501と画像510には、属性情報として、それぞれ経度・緯度、高度、方角などの位置情報が保持されており、この位置情報が合致するかどうかで、同じ撮影スポットかどうかを判断する。このとき、実際には同じ撮影スポットであっても位置情報に多少の差異が発生するため、差異を含めた判断を行う。例えば、図6の画像枠501と画像510は、緯度が0.003秒、経度が0.002秒、方角が1度、それぞれ異なっているが、予め決められた許容範囲の内であるとし、同じ撮影位置であると判断される。同じ撮影位置であれば、当該画像を画像枠に配置可能であると判定することができる。
【0023】
なお、ここでは、位置情報による対応付けについて説明したが、画像の向きやシーン情報、さらには時間情報など、画像に設定される様々な属性を用いて対応付けを行う実施形態も考えられる。また、上記差異の許容範囲に関しては、撮影スポットや撮影対象の特性を考慮して定義しても構わない。
【0024】
図5に示す画像枠524は、対応付けられる画像が無く、画像が挿入されなかった画像枠を表している。必ずしもフォトブックテンプレート上の全ての撮影スポットで撮影されるとは限らないため、画像が挿入されない画像枠がある場合もある。その場合は、装置側で画像枠を削除するようにしてもよいし、フォトブックデータの作成後、ユーザの指示により削除できるようにしてもよい。逆に、フォトブックテンプレートが撮影スポットを全て包含しているとは限らない。この場合において、フォトブックデータの作成後、ユーザが画像を調整したり、追加したりすることができるようにする。
【0025】
本実施形態において、画像の調整や追加は、フォトブックデータを作成するためのエディタで行う。なお、エディタでは、当然、フォトブックテンプレート無しにフォトブックデータを作成することが可能であり、フォトブックテンプレートもエディタで作成したフォトブックデータから作成することができる。
【0026】
図7は、本実施形態に係るフォトブックデータを作成するエディタのイメージ図であり、画像枠と画像を設定する例を示している。図7に示すエディタにおいて、フォトブックデータのページ701、画像枠702、画像703を含む。また、画像枠702には、対応付けられた画像に対する位置とサイズを表している。画像枠702は、挿入される画像703をトリミングした後の表示イメージを示しており、画像枠702内の領域が実際にフォトブックで表示される画像領域になる。上述のように、画像枠702には、属性情報として、撮影スポットの位置情報の他に編集情報が保持される。編集情報は例えば、ここで示す、枠のサイズ、ページに対する配置位置、画像上のトリミング位置を示す画像に対する位置といった情報である。図7ではピクセル数で配置位置やトリミング位置を保持している例を示しているが、撮影装置による画像解像度の違いを考慮して、比率で保持する等の設定を行えるようにしてもよい。
【0027】
作成されるフォトブックデータは、フォトブックテンプレートとして出力することも可能である。つまり、再利用できるようにするため、トリミングされた画像をページに配置するのではなく、画像703と画像枠702の両方の情報を有することで、位置の再調整や別画像が配置された場合の調整ができるようにしている。エディタ上で画像枠702と画像703を動かすことで、画像に対するトリミング位置を再調整することができる。また、図7に示すエディタでは、画面の左側に各ページの概略を表示している。なお、エディタの構成は図7の構成に限定するものではなく、ユーザの設定に応じて配置を変更できるようにしても構わないし、他の設定情報を表示するようにしても構わない。
【0028】
ユーザは作成したフォトブックデータからフォトブックテンプレートを出力し、Webなどに公開することができる。また、既存のフォトブックテンプレートに、撮影シーンを追加する実施形態も考えられる。そのようにして、公開されるフォトブックテンプレートの数や種類も増え、撮影シーンの網羅性も高まる。
【0029】
上記のように、フォトブックテンプレートが、自分が撮影した画像の撮影スポットをより多く含んでいれば、作業がより軽減される。従って、所望するフォトブックテンプレートをより簡単に取得できるようにすることで、本実施形態に係るフォトブックデータの作成機能が効果的に動作し、全体的なユーザの作業軽減につながる。
【0030】
[フォトブックテンプレート検索]
以下、図8から図16を用いて、所望するフォトブックテンプレートを取得するための検索機能について説明する。なお、ここでは説明の便宜上、広範囲を示す地図に点を描いた図を用いているが、点の大きさが撮影スポットに対する実際の縮尺における大きさを表しているわけではない。
【0031】
図8は、フォトブックテンプレート検索の動作概要を説明する図である。図8(X)は、これからフォトブックを作成しようとしている撮影画像の位置を示した地図である。図8(X)において、点801が画像を撮影した位置(撮影スポット)を表しており、ここでは4つの点に対して4つの画像があることを示している。図8(A)、(B)、(C)は、検索対象となるフォトブックテンプレート上にある撮影スポットの位置を示した地図である。なお、図8(A)、(B)、(C)に対応するこれらのフォトブックテンプレートは、ここでは予め用意されているものとする。
【0032】
図8(A)において、黒い点802は、図8(X)の点801と同じ位置にある撮影スポットを表している。また図8(A)における白い点803は、図8(X)における点801には存在しない撮影スポットを表している。すなわち、図8(A)のフォトブックテンプレートは、図8(X)の4つの撮影位置に対して、3つの合致する撮影スポット(点802)を含み、2つの合致しない撮影スポットを含むことを表す。テンプレート804は、フォトブックテンプレートの簡略図を示し、撮影スポットである点802および点803に対応する画像枠がテンプレートのどの位置に配置されているのかを表している。同様に、図8(B)に示すフォトブックテンプレートは、4つの合致する撮影スポットを含み、1つの合致しない撮影スポットを含む。また、図8(C)に示すフォトブックテンプレートは、4つの合致する撮影スポット含み、3つの合致しない撮影スポットを含む。
【0033】
本実施形態におけるフォトブックテンプレートの検索では、合致する撮影スポットの数が多いほど、適合度合が高いと判断する。従って、図8に示す例においては、図8(B)および図8(C)は、図8(A)よりも適合度が高いと判断される。さらに、画像が挿入された場合にレイアウトの変更が少ないほうがより適したフォトブックテンプレートと判断される。フォトブックデータを作成する際、画像はただ単一で配置されるわけではなく、他の画像との相対的な位置や全体とのバランスなどを考慮して配置される。そのため、フォトブックテンプレートに挿入されない画像がある場合、画像の位置がずれたり、不要なページが削除されたりすることが少ない方が、全体的なバランスが崩れる可能性も少なくなる。
【0034】
4つの合致する撮影スポットを含む図8(B)と図8(C)とを比較した場合、図8(B)は最後のページが不要になるだけだが、図8(C)は左から2ページ目が不要になるほか、3ページ目と4ページ目の画像が片方無くなることになる。従って、図8(B)と図8(C)は合致する撮影スポットの数は同じであるが、図8(B)の方がレイアウトの変更が少ないと想定されるため、検索時の適合度合は高いと判断される。したがって、図8に示す例においては、適合度が高い順に、(B)、(C)、(A)となる。
【0035】
図9は、撮影位置の適合判断を説明する図である。図8で、図8(X)の点801における撮影スポットと図8(A)の点802における撮影スポットとが同じ位置であると判断しているが、実際には同じ撮影スポットであっても値が完全に一致するとは限らない。そのため、ある程度の差異を考慮して位置が適合するかを判定する必要がある。点901は、撮影スポットを表しており、撮影スポットには属性情報として、図9中に示すような緯度・経度の他にも高度や方角といった情報が含まれている。領域902は、点901に対して同じ撮影スポットとして合致すると判断される差異の範囲を表したものである。例えば、経度・緯度が上下左右に0.01秒異なる部分までを許容範囲(領域902の範囲)と設定する。点911、912は実際の画像が有する属性情報に基づいた撮影位置を表している。画像の撮影スポットが、フォトブックテンプレートに定義された点901に示す撮影スポットと適合するかどうかの比較を行った場合、点911は領域902に含まれているため、適合すると判断される。一方、点912は領域902の範囲外であるため、点901が示す撮影スポットとは適合しないと判断される。
【0036】
なお、ここではプログラムの計算処理の負荷軽減のため、領域902を四角い区画で表しているが、領域902は、点901を中心とする円などで表わされてもよい。また、算出する際の画像の撮影位置とフォトブックテンプレートの撮影スポットが逆であってもよい。つまり、画像の位置を中心とした範囲にフォトブックテンプレートの画像枠の位置が含まれるかを判定してもよい。
【0037】
また、図9では、経度・緯度のみで撮影位置の判断を説明しているが、高度や方角など他の属性を含めて判断してもよい。ここで用いられる他の属性の場合も経度・緯度と同様に、差異の許容範囲を設定しておき、適合の判定時に差異を考慮することが考えられる。
【0038】
図10は、方角の許容差異に関する一例を表している。図10において、被写体1001、撮影位置1011を示す。また、許容範囲1012、1013は、撮影位置1011の経度・緯度における差異の許容範囲を表している。許容範囲1012よりも許容範囲1013の方が経度・緯度における差異の許容範囲が広い。この場合には、同時に被写体1001に対して撮影位置から被写体に対する角度も広くなっている。従って、方角においても許容範囲1012よりも許容範囲1013の場合のほうが大きくなると考えられる。
【0039】
このように、各属性の許容範囲には関連性があり、他の属性と連動して決定するような方法も考えられる。例えば、図10のように経度・緯度に関する差異の許容範囲に応じて、方角に関する差異の許容範囲を決定する例が考えられる。被写体の位置情報が特定できれば、より詳細な調整が可能であるが、撮影装置におけるレンズの画角などを参考にしてもよい。
【0040】
[検索画面]
図11は、本実施形態に係るフォトブックテンプレートの検索画面の一例である。図11において、テキストボックス1101は、フォトブックにしたい撮影画像の参照先を指定するテキストボックスである。テキストボックス1101には、画像ファイル名を直接入力する方法や画像ファイルを選択する方法がある。参照ボタン1102を押すと、コンピュータ上のファイルを参照する画面が表示され、その中から所定の画像ファイルを選択できる。画像ファイルは複数存在するため、テキストボックス1101には、画像ファイルを列挙して指定することができる。また、画像ファイルが格納されているフォルダを指定する方法もある。フォルダを指定する場合には、参照ボタン1102で表示される画面もフォルダを選択する画面となる。
【0041】
チェックボックス1103およびリストボックス1104は、フォトブックのデザインを選択するためのコントロールである。フォトブックには、例えば、ナチュラルなデザイン、ポップ調のデザイン、かわいらしいデザイン、といったカテゴリに分類されたテンプレートが、ユーザの好みに合わせて適用されていることも多い。チェックボックス1103を選択状態にすると、検索範囲をリストボックス1104で指定したデザインに絞り込むことができる。なお、指定するデザインは複数であってもよく、指定方法もリストボックスに限らない。
【0042】
チェックボックス1105およびテキストボックス1106は、撮影位置と撮影スポットとの比較を行う場合に用いられる経度・緯度の差異の許容範囲を指定するためのコントロールである。チェックボックス1105を選択状態にすると、テキストボックス1106で指定された値が、差異の許容範囲となる。指定しない場合は、デフォルトの値が利用される。
【0043】
チェックボックス1107から1110は、撮影位置と撮影スポットの比較を行う場合に、経度・緯度以外の属性を比較するかどうかを指定するコントロールである。これらの他にも、画像に設定される属性であれば、撮影スポットの適合条件として検索に含める実装方法が考えられる。チェックボックス1111、およびテキストボックス1112、1113は、検索対象となるフォトブックテンプレートの作成日時を範囲指定する場合に指定される。チェックボックス1111を選択状態にすると、テキストボックス1112、1113に設定された日付の範囲内に検索対象が絞り込まれる。テキストボックス1112には範囲の開始日、テキストボックス1113には範囲の終了日が指定される。ボタン1120は検索を実行するためのボタンである。ボタン1120を押すと、図11に示す画面内で指定された条件で、フォトブックテンプレートの検索が実行される。なお、検索画面は図11に示す構成に限定するものではなく、より詳細な設定が可能になるように設定するようにしても構わないし、詳細設定を行う画面に遷移するためのボタンを設けても構わない。
【0044】
[インデックス情報]
図12は、フォトブックテンプレートのインデックス情報を説明する図である。フォトブックテンプレートの検索では、検索対象が膨大な数になることも考えられる。そのような状況でフォトブックテンプレートに設定されている撮影スポットを全て比較していると、検索に膨大な時間かかってしまう。そのため、検索対象を大まかにフィルタリングするためのインデックス情報を有する方法が考えられる。本実施形態において適用される、図12にフィルタリングに関する例を示す。
【0045】
図12において、点1201は、フォトブックテンプレートに配置されている撮影スポットの位置情報を示し、図12には5つの撮影スポットがある。縦軸1202は、5つの撮影スポットにおける経度の最小値を指し、縦軸1203は最大値を指している。すなわち、5つの撮影スポットは、経度が縦軸1202から縦軸1203に示される領域に含まれることを表す。同様に緯度も最小値と最大値を出すことができる。したがって、ある範囲における緯度・経度の値に基づいて生成されたインデックス情報(領域情報)、比較対象をフィルタリングする。また、インデックス情報1204は、横軸・縦軸にて示された範囲のインデックス情報を示している。インデックス情報には、フォトブックテンプレートが有する撮影スポットの経度・緯度、高度の範囲などが保持される。なお、本実施形態において、方角は撮影スポットに応じて全く異なるため、インデックス情報には含まない。
【0046】
ここで用いられるフォトブックテンプレートのインデックス情報は、テンプレート作成時に予め作成しておく。また、フォトブックテンプレートだけではなく、フォトブックに挿入される画像に関してもインデックス情報が作成される。図11に示す画面を介して検索が実行された際に、まずテキストボックス1101で指定された画像群から、図12と同様の方法でインデックス情報が作成される。検索時、画像群のインデックス情報とテンプレートのインデックス情報とを比較することで、各撮影スポットの比較を行わずにフィルタリングを行うことが可能となる。フィルタリングの結果、対象となるフォトブックテンプレートに対して各撮影スポットの比較を行う。
【0047】
図13は、図11を介して検索が行われた後に表示されるフォトブックテンプレート検索結果画面の一例である。ガイダンス文字列1301は検索でヒットしたフォトブックのテンプレート数を示す。ガイダンス文字列1301の下にヒットしたフォトブックテンプレートの一覧が表示される。表示される順序は、図8で説明した適合度合の高い順になる。タイトル1311は、最も条件に合致した1番目のフォトブックテンプレートのタイトルである。なお、各テンプレートのタイトルは、フォトブックデータ作成時、あるいは、フォトブックテンプレート作成時に設定される。画像ヒット数1312および作成日1313は、1番目のフォトブックテンプレートの書誌情報を表す文字列である。画像ヒット数1312は、フォトブックを作成しようとしている画像の位置情報と、フォトブックテンプレートの撮影スポットが合致した数を示している。画像ヒット数1312の例では、17個の画像のうち、合致した撮影スポットが17個フォトブックテンプレートの中に存在していることを意味する。作成日1313は、フォトブックテンプレートが作成された日付である。ボタン1314を押下すると、フォトブックテンプレートに関する詳細画面が表示される。詳細画面については、図14を用いて後述する。ボタン1315を押下すると、そのフォトブックテンプレートを用いてフォトブックデータの作成が行われる。フォトブックデータの作成に関しては、図4から図7で説明した通りである。タイトル1321は、2番目のフォトブックテンプレートのタイトルである。以下、1番目のフォトブックテンプレートと同様に表示される。
【0048】
なお、検索でヒットするフォトブックテンプレートを画像のヒット数などで限定することもできる。例えば、表示条件として、「画像ヒット数が12個以上」とした場合、画像ヒット数が12個未満のフォトブックテンプレートはヒットしたと見なされず、一覧に表示されないようにしてもよい。また、テンプレートの書誌情報を用いて、ヒットしたテンプレートを並べ替えるようにしてもよい。例えば、ユーザの設定に基づき、作成日の新しい順にしてもよいし、タイトル名を基準として並べ替えるようにしてもよい。
【0049】
図14は、フォトブックテンプレート検索結果詳細画面の一例であり、図13に示すボタン1314が押された場合に表示される。図14に示す画面は、図13の4番目のフォトブックテンプレート「花見2011」に対応する詳細ボタンが押された場合に表示される内容をイメージしている。タイトル1401は、フォトブックテンプレートのタイトルである。図14に示すタイトルは、図13に示すタイトルに対応している。図14に示す詳細画面には、書誌情報として、フォトブックテンプレートの作成日1402、作成者1403、ページ数1404、デザイン1405を表している。なお、デザイン1405に関しては、フォトブックデータ作成時、あるいは、フォトブックテンプレート作成時に設定される。
【0050】
ヒット画像1406は、フォトブックを作成しようとしている画像の位置情報と、フォトブックテンプレートの撮影スポットが合致した数を示している。ヒット画像1406の下に、フォトブックを作成しようとしている画像群がサムネイルで表示される。テンプレートの撮影スポットにヒットした画像のサムネイルは画像1407のようにハイライトされ、ヒットしなかった画像は画像1408のようにハイライトされずに表示される。ユーザは、フォトブックデータ作成後、ヒットしなかった画像を含めたい場合は手作業で追加することができる。なお、ヒットしたか否かを示す表示形式については、ハイライトに限定するものではなく、ユーザに対して明示できればよい。
【0051】
ボタン1409を押下すると、フォトブックテンプレートを用いてフォトブックデータの作成が行われる。ボタン1410を押下すると、図13の検索結果画面に戻る。
【0052】
[フォトブックテンプレート検索処理フロー]
次に、図15、図16を用いて、フォトブックテンプレート検索処理の流れを説明する。本処理は、図1に示す情報処理装置のCPU102が記憶部であるメモリ103に読みだされたプログラムを実行することにより実現される。
【0053】
図15は、フォトブックテンプレート検索のフローチャートである。CPU102は、検索処理を開始すると、まず、検索対象となるフォトブックテンプレートを取得する(S1501)。ここで取得されるフォトブックテンプレートは、図11にて設定された条件等に基づいて検索対象として抽出されたフォトブックテンプレートである。そして、CPU102は、フォトブックテンプレートの数分だけS1503〜S1510のループ処理を行う(S1502)。ループ処理において、CPU102は、着目フォトブックテンプレートのインデックス情報と画像のインデックス情報とを比較する(S1503)。インデックス情報に重なる範囲が無ければ次のテンプレートへと進み(S1504にてNO)、重なる範囲があれば詳細を確認するためにS1505へ進む(S1504にてYES)。そして、CPU102は、画像の数分だけ、S1506〜S1507のループ処理を行う(S1505)。
【0054】
CPU102は、ループ処理においてフォトブックテンプレートに着目画像に適合する撮影スポットが存在するかどうかを判断する(S1506)。適合する撮影スポットが存在する場合には(S1506にてYES)、CPU102は、画像ヒット数のカウンタを上げる(S1507)。そして、全ての画像に対して上記比較を行う。
【0055】
全ての画像を着目フォトブックテンプレートと比較し終えたら、CPU102は、フォトブックテンプレートのレイアウト評価を行う(S1508)。本処理に関しては、図16を用いて後述する。レイアウト評価の処理が終了した後、CPU102は、画像ヒット数とレイアウト評価の結果から適合度合を算出する(S1509)。そして、CPU102は、ヒットしたフォトブックテンプレートの一覧に追加する(S1510)。そして、全てのテンプレートに対して上記確認を行う。
【0056】
全てのフォトブックテンプレートを確認したら、CPU102は、適合度合の順にフォトブックテンプレートのリストをソートする(S1511)。その後、ソートした検索結果を図13に示すように画面に表示する。
【0057】
図16は、フォトブックテンプレート検索時の順位付けに関するレイアウト評価のフローチャートで、図15のS1508の処理に該当する。本処理についても、CPUが記憶部であるメモリ103に読みだされたプログラムを実行することにより実現される。なお、レイアウトの評価手法は様々考えられるが、ここでは一例をあげる。なお、本評価方法においては、各フォトブックテンプレートに対し、適合度を示すスコア値を有する。そして、条件に応じて適合度を減少させる方式とする。
【0058】
CPU102は、着目フォトブックテンプレートに含まれるページ数分だけS1602〜S1605のループ処理を行う(S1601)。ループ処理において、着目ページ内に画像がヒットした画像枠が一つもなく当該ページが不要となる場合(S1602にてYES)、CPU102は、着目フォトブックテンプレートに対するスコア値を減点する(S1603)。ページが不要とならなくても(S1602にてNO)、着目ページ内に画像がヒットしなかった画像枠が存在する場合には(S1604にてYES)、CPU102は、着目フォトブックテンプレートに対するスコア値を減点する(S1605)。着目フォトブックテンプレートに含まれる全てのページを確認後、CPU102は、着目フォトブックテンプレートに対して全体的な確認を行う。ここでの評価形式では、見開きページが存在し、不要なページが削除されることにより、見開きページの前にブランクページが発生する場合(S1606にてYES)、CPU102は、着目フォトブックテンプレートに対するスコア値を減点する(S1607)。処理の結果、スコア値が低いフォトブックテンプレートほどレイアウトの評価が低くなる。なお、図16に示したフローチャートにおいて、S1603、S1605、S1607にてそれぞれ減点処理が行われているが、具体的に減点される値は、条件に応じて変更しても構わない。
【0059】
上記の処理によって、作成しようとしているフォトブックに近いフォトブックテンプレートを取得することができる。上記処理により、図5で説明しているフォトブックデータの作成がスムーズに行われ、ユーザの手間を軽減することができる。
【0060】
[広範囲にわたる画像群に対するフォトブックテンプレート取得]
次に、図17から図20を用いて、フォトブックに含む画像群の撮影場所が広範囲にわたった場合に、より適切なフォトブックテンプレートの取得の処理について説明する。
【0061】
フォトブックテンプレートは、テンプレートが含む撮影位置の範囲が狭いほど、画像の撮影位置がヒットする可能性が高くなり、範囲が広くなるほど、画像の撮影位置がヒットする可能性は低くなると考えられる。例えば、図4で示す公園のような範囲であれば、撮影スポットは比較的特定されやすく、画像の撮影位置がヒットする可能性が高い。しかし、例えば、県や地方をまたがって転々と旅行し、ある地方全体にわたる画像群を対象としてフォトブックを作成しようとした場合を考える。この場合、その地方内には様々な旅行先や観光地が存在するため、同じ旅行ルートを対象としたフォトブックテンプレートがある可能性は低くなる。従って、画像の撮影位置とフォトブックテンプレート内に定義された撮影スポットとが一致する可能性も低くなる。
【0062】
図17は、広範囲を対象とするフォトブックテンプレート検索に関する図である。図17(X)は、これからフォトブックを作成する画像が撮影された位置を示した地図(範囲)である。図8と同様、地図内の黒い点はそれぞれ画像の撮影位置を表している。図17(A)は、検索によってヒットしたフォトブックテンプレートの地図である。図8と同様、地図内の黒い点はそれぞれフォトブックテンプレートの撮影スポットと画像の撮影スポットとが合致した位置であり、白い点は合致しなかった撮影スポットを表している。図17(X)は、画像の撮影を行った範囲がある地方に渡るような広範囲であるため、この広範囲に対応したフォトブックテンプレートが無く、結果として画像の撮影位置のヒット数も少ない。テンプレート1701はフォトブックテンプレートの簡略図を示すが、挿入可能な画像枠が少ないため、画像の多くは手作業で挿入しなければならなくなる。
【0063】
図18は、広範囲にわたって撮影された画像群を対象とした場合に、適切なフォトブックテンプレートを作成する処理に関する図である。図18(X)は、図17(X)と同じ、これからフォトブックを作成する画像が撮影された位置を示した地図であり、広範囲の地域を画像の撮影範囲としている。この範囲に含まれる画像全てを対象に検索を実行してしまうと、図17で説明したように適切なフォトブックテンプレートが見つからない。
【0064】
[エリア作成]
そこで、上記問題に対応するために、本実施形態では、画像の位置情報が近い値を有する画像同士をグループ化する。このグループ化された範囲をここでは「エリア」と呼ぶ。エリア1801、1802、1803は、それぞれ位置情報が近い値を有する画像同士をまとめている。エリアを作成すると、各画像が含まれる範囲が狭くなるため、エリアごとに検索を行うことでそれぞれ適切なフォトブックテンプレートを取得することが可能となる。
【0065】
エリア1801に対して検索を行って取得されたフォトブックテンプレートの範囲が図18(A)に示すものである。ここでは、エリア1801が特定の観光地を対象としており、撮影スポットが包含されたフォトブックテンプレートを取得することができる。同様に、エリア1802を範囲として検索し取得されたのが図18(B)、エリア1803を範囲として検索し取得されたのが図18(C)である。それぞれのフォトブックテンプレートは各エリアが有する撮影スポットを包含している。なお、ここでの例においては、図18(A)、(B)、(C)に示したフォトブックテンプレートは、それぞれエリアに手検出されたテンプレートのうち、最も高い適合度を有するテンプレートを用いるものとする。
【0066】
本例では、3つのエリアに分割して検索を行ったため、3つのフォトブックテンプレートが検出されている。したがって、図18(X)で所望するフォトブックテンプレートを取得するためには、分かれたフォトブックテンプレートをまとめる必要がある。ここで、3つのフォトブックテンプレートをまとめたフォトブックテンプレートの簡略図をテンプレート1804として示す。テンプレート1804に示すフォトブックテンプレートは、図18(A)、図18(B)、図18(C)において検索されたエリアの範囲内にある画像枠を含むページを抽出し、マージしたものである。例えば図18(A)の場合、エリア1801の範囲内に含まれる画像枠を有するページを抽出する。各エリア内には、検索で指定された画像の撮影位置以外の画像枠も存在するが、なるべくレイアウトを崩さないようにするため、マージしたフォトブックテンプレートの中に含めている。当然、画像枠単位で抽出してマージしたり、抽出はせずに検出されたフォトブックテンプレートをそのままマージしたりするなどの実施形態も考えられる。
【0067】
図19は、図18のエリア1801、1802、1803の作成に関する図である。点1901は画像の撮影位置を表している。領域1902は、図9の領域902で示している撮影スポットの差異の範囲を表している。本実施形態におけるエリアの作成では、撮影位置が近い画像同士をグループ化して行く。撮影位置が近いか否かの判断は予め設定された閾値に基づいて行われる。例えば、撮影位置間の距離が経度もしくは緯度で0.2秒以内と設定しておき、その距離内にある撮影位置同士をグループ化する。その際、グループ化する撮影位置に既にグループ化されていた撮影位置があれば、その撮影位置もグループ化される。つまり、図19において、点1901にて示す撮影位置と点1903にて示す撮影位置とは0.2秒の範囲内ではないが、間にある撮影位置を通じてグループ化されることになる。もちろん、撮影位置間の距離の閾値は上記値に限定するものではなく、また、ある範囲における撮影位置の密度や数にて判定しても構わない。
【0068】
撮影位置のグループ化が終了したら、そのグループの最北、最南、最西、最東の位置(経度・緯度)を算出する。ここでの算出処理は、領域1902で示す差異の範囲も含めて行われる。例えば、最北の線を表したのが線1904である。最北、最南、最西、最東の位置をそれぞれ算出したら、その位置(その位置を通る線)から所定の距離だけ外側の位置を算出し、枠で囲んでエリア1905として定義する。この算出の際に用いられる所定の距離の値も予め設定しておく。例えば、最北、最南から緯度0.2秒、最西、最東から経度0.2秒と設定しておき、それぞれ0.2秒の距離だけ外側にある枠をエリアと定義する。図19に示す例においては、フォトブックテンプレート側の点1911はエリア1905内の撮影位置として含まれ、点1912はエリア1905に含まれないことになる。なお、上記領域は四角形の範囲として示したが、これに限定するものではなく、例えば、画像群が含まれる領域の中心座標から所定の半径を有する円をエリア1905としてもよい。
【0069】
また、エリアを作成した場合、図12で説明したインデックス情報もエリアごとに作成される。また、フォトブックテンプレート側にもエリアを有することが可能である。この場合、インデックス情報は複数になるため、インデックス情報の比較処理も複数のインデックス情報が対象になる。
【0070】
上記、図18と図19の説明では、各エリアの検索で最も適合度合の高いフォトブックテンプレートを結合している。そのため、検索結果は1つのフォトブックテンプレートとなる。しかし、エリアごとのフォトブックテンプレートに対するいくつかの組み合わせを実施して、複数の検索結果を出す実施形態も考えられる。
【0071】
[処理フロー]
図20は、図18で示すフォトブックテンプレートの検索とマージ処理のフローチャートである。本処理は、CPU102が記憶部であるメモリ103に読みだされたプログラムを実行することにより実現される。
【0072】
まず、CPU102は、フォトブックを作成する画像群に対してエリアを作成する(S2001)。ここで、エリアを作成するかどうかの判断は、インデックス情報を作成した際の経緯度の範囲に基づいて行う。予めエリアを作成する際の判断基準としての閾値を決めておき、フォトブックに含める画像が撮影された範囲が、閾値を超えるような広範囲であれば、エリアを作成する。次に、CPU102は、生成したエリア数分だけS2003〜S2004のループ処理を行う(S2002)。ループ処理において、CPU102は、フォトブックテンプレートを取得する(S2003)。そして、CPU102は、取得したフォトブックテンプレートに含まれるページの中からヒットした画像枠を含むページを抽出する(S2004)。S2003では、図15の検索を行い、最も適合度合の高いフォトブックテンプレートを取得する。なお、本実施形態では、各エリアの最も適合度合の高いテンプレートを取得しているが、取得した複数のフォトブックテンプレートをユーザに提示し、選択させるようにしてもよい。
【0073】
そして、エリア数分だけループ処理が終了した後、CPU102は、S2004で抽出したフォトブックテンプレートのページを結合する(S2005)。その後、CPU102は、結合したフォトブックテンプレートに対し、表紙や裏表紙を追加する(S2006)。また、画像の属性情報に含まれる作成時刻を参照し、マージするテンプレートのページの順を決定してもよい。S2006では、CPU102は、フォトブック単位で必要となるページや情報を追加している。なお、S2004のページ抽出を行わず、各フォトブックテンプレートをそのまま結合する場合は、各フォトブックテンプレートが備える不要な表紙や裏表紙を削除する必要がある。
【0074】
なお、ここでは詳細を記載していないが、結合順序をユーザが選択できるようにしたり、図11に示す画面にてデザインを指定しなかった場合、結合したフォトブックテンプレートのデザインを指定したりするなどの設定があってもよい。
【0075】
以上、ユーザが所望するブックテンプレートを取得することができ、フォトブックデータの作成にかかる手間が軽減される。また、画像群の撮影位置が広範囲であっても適切なフォトブックテンプレートを取得することができる。
【0076】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を配置するためのフォトブックテンプレートを検索する情報処理装置であって、
前記フォトブックテンプレートに含まれる複数の画像枠それぞれに定義された位置情報と、前記複数の画像それぞれの位置情報とを比較し、適合する画像枠に前記複数の画像それぞれを配置する配置手段と、
前記配置手段により配置された画像のレイアウトに基づき、前記複数の画像に対する前記フォトブックテンプレートの適合度を算出する算出手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記配置手段は、前記画像枠に定義された位置情報から所定の範囲の位置情報を有する画像を当該画像枠に配置することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
複数の位置情報から、当該複数の位置情報が含まれる領域情報を作成するインデックス情報作成手段を更に有し、
前記インデックス情報作成手段は、前記複数の画像の位置情報、および前記フォトブックテンプレートの画像枠の位置情報それぞれから前記領域情報を生成し、
前記配置手段は、前記複数の画像の位置情報から生成された領域情報が示す領域が、前記フォトブックテンプレートの画像枠の位置情報から生成された領域情報に含まれる場合に、当該フォトブックテンプレートを前記複数の画像に対する比較対象とすることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記算出手段による適合度に基づき、前記複数の画像に対するフォトブックテンプレートを順位付けし、ユーザに提供する提供手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数の画像の位置情報に基づいて、当該複数の画像それぞれを複数のエリアに分類する分類手段を更に有し、
前記配置手段は、前記分類手段により複数のエリアに分類された画像を、エリアごとに前記フォトブックテンプレートと比較することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記分類手段にて複数のエリアに分類された画像に適合するフォトブックテンプレートそれぞれから、画像を配置する画像枠を有するページを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段にて抽出されたページを結合する結合手段と
を更に有することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記算出手段は、フォトブックテンプレートに配置可能な画像が多いほど、当該フォトブックテンプレートの前記複数の画像に対する適合度を、より高く算出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記算出手段は、前記複数の画像をフォトブックテンプレートに配置した際に、画像が配置されないページ、もしくは、画像が配置されない画像枠を含むページを含むフォトブックテンプレートの適合度を減少するように算出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記算出手段は、前記複数の画像をフォトブックテンプレートに配置した際に、画像が配置されないページの次のページが見開きページであるフォトブックテンプレートの適合度を減少するように算出することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
複数の画像を配置するためのフォトブックテンプレートを検索する情報処理装置の制御方法であって、
配置手段が、前記フォトブックテンプレートに含まれる複数の画像枠それぞれに定義された位置情報と、前記複数の画像それぞれの位置情報とを比較し、適合する画像枠に前記複数の画像それぞれを配置する配置工程と、
算出手段が、前記配置工程において配置された画像のレイアウトに基づき、前記複数の画像に対する前記フォトブックテンプレートの適合度を算出する算出工程と
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、
フォトブックテンプレートに含まれる複数の画像枠それぞれに定義された位置情報と、複数の画像それぞれの位置情報とを比較し、適合する画像枠に前記複数の画像それぞれを配置する配置手段、
前記配置手段により配置された画像のレイアウトに基づき、前記複数の画像に対する前記フォトブックテンプレートの適合度を算出する算出手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−230649(P2012−230649A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100135(P2011−100135)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】