説明

情報処理装置とサーバと情報処理システムおよび情報処理方法とプログラム

【課題】秘匿したい行動情報を容易かつ適切に保護することができるようにする。
【解決手段】行動情報生成部201は行動情報を生成する。行動パターン解析部202は、生成された行動情報から行動パターンを解析する。類似性判定部203は、解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う。保護選択部204は、類似性判定の結果に基づき行動情報の保護レベルを選択する。行動情報保護部205は、選択された保護レベルに基づき行動情報の保護を行う。秘匿したい行動情報に対して保護の設定操作を行わなくとも、保護対象行動履歴パターンに類似した行動パターンの行動情報が保護されるので、秘匿したい行動情報を容易かつ適切に保護できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この技術は、情報処理装置とサーバと情報処理システムおよび情報処理方法とプログラムに関する。詳しくは、秘匿したい行動履歴情報を容易かつ適切に保護できるようにする。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型情報端末装置のように、位置情報を取得する機能を有した機器が広く普及しつつある。また、マイクで集音した音声や加速度センサのセンサ出力などを用いて、例えば歩行中であるか電車等の交通機関を利用して移動中であるか等の移動状況を推定することも研究されている。
【0003】
さらに、このような位置情報を取得する機能等を有した機器を用いて、行動履歴の公開や位置情報の共有等を行うサービスも開始されている。
【0004】
しかし、行動履歴の全てを公開すると、自宅や勤務先および通学先等の位置情報や、他人に知られたくない行き先などの位置情報等が知られてしまう危険性がある。したがって、行動履歴を公開する際に、個人情報が漏洩するか否かを毎回判断しなければならない。このような問題を解決するために、特許文献1では、測定された位置情報が予め設定された保護領域内であるかどうか判別して、判別結果に基づき情報の公開を制御することで、個人情報にかかわる位置情報を保護している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−151379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、保護領域を設定する場合、保護領域が狭いと、公開されている位置情報から保護領域内の公開したくない行き先が推測されてしまうおそれがある。また、保護領域が広いと、公開したくない行き先に向かっていなくとも位置情報が公開されず、過剰に保護される可能性が高くなる。また、ユーザが保護領域の設定を忘れた場合には、公開したくない行き先の位置情報を保護することができない。
【0007】
そこで、この技術では、秘匿したい行動履歴情報を容易かつ適切に保護することができる情報処理装置と情報処理システムとサーバおよび情報処理方法とプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この技術の第1の側面は、行動情報を生成する行動情報生成部と、前記行動情報から行動パターンを解析する行動パターン解析部と、前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う類似性判定部と、前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する保護選択部と、前記選択された保護レベルに基づき行動情報の保護を行う行動情報保護部とを備える情報処理装置、および情報処理方法とプログラムにある。
【0009】
この技術においては、位置情報または位置情報と移動手段を示す情報を時間情報とともに含めた行動情報が生成されて、この行動情報から行動パターンが解析される。解析された行動パターンは、ユーザによって指定された位置や領域を示す行動履歴情報に基づく行動パターンである保護対象行動履歴パターンと類似性、例えば位置情報に基づいた経路の類似性、または位置情報に基づいた経路の類似性と時間情報に基づいた行動時間帯の類似性の判定が行われる。また、行動情報に移動手段を示す情報が含まれている場合は、移動手段の類似性の判定も行われる。この類似性判定の結果に基づき行動情報の保護レベルを選択が行われて、類似性が高くなるに伴い高い保護レベルが選択されて、選択された保護レベルに基づき行動情報の保護が行われる。保護対象行動履歴パターンは、保護対象行動履歴パターンデータベース部に登録されている。また、登録されている保護対象行動履歴パターンは、新たな行動情報の生成に応じて、あるいは外部から供給された保護対象行動履歴パターンを用いて更新される。また、行動履歴情報の保護レベルは変更可能とされる。
【0010】
この技術の第2の側面は、端末装置で生成された行動情報から行動パターンが解析されて、該解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定に基づき前記行動情報の保護レベルが選択されている行動情報を行動履歴情報として記録した行動履歴情報記録部と、前記行動履歴情報の要求元を判別する判別部と、前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択するアクセス権データベース部と、前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う情報提供処理部とを備えるサーバ、および情報処理方法とプログラムにある。
【0011】
この技術においては、記録している行動履歴情報の要求がなされた場合、要求元の判別が行われてアクセス権が選択される。この要求された行動履歴情報が要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、要求元に対して行動履歴情報の提供、例えば行動履歴情報に基づく行動履歴パターンを示す表示情報が提供される。
また、情報端末から供給された行動情報に基づく行動パターンの解析と、解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定、類似性判定の結果に基づき行動情報の保護レベルの選択、および選択された保護レベルに応じた行動情報の保護をサーバが行うことで、簡易な構成の情報端末も利用可能となる。さらに、各情報端末の保護対象行動履歴パターンデータベース部に登録されている保護対象行動履歴パターンを統合して、統合後のデータベースを各情報端末の保護対象行動履歴パターンデータベース部に登録することで、保護対象行動履歴パターンを共有して情報の保護が可能となる。
【0012】
この技術の第3の側面は、情報処理システムの一部を構成するサーバであって、前記サーバは、行動履歴情報の要求元を判別する判別部と、前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択するアクセス権データベース部と、前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う情報提供処理部とを備え、前記システムは、さらに情報端末を含み、かつ前記情報端末と前記サーバの少なくとも何れかに、前記情報端末から供給された行動情報に基づいて行動パターンを解析する行動パターン解析部と、前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う類似性判定部と、前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する保護選択部と、保護レベルが選択されている行動情報である前記行動履歴情報の保護を前記選択されている保護レベルに応じて行う行動情報保護部とをさらに備えるサーバにある。
【0013】
この技術の第4の側面は、行動情報を生成する情報端末と、要求に応じて行動履歴情報の提供を行うサーバを有した情報処理システムにおいて、前記情報端末と前記サーバの少なくとも何れかに、前記行動情報から行動パターンを解析する行動パターン解析部と、前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う類似性判定部と、前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する保護選択部と、前記選択された保護レベルに応じて行動情報の保護を行う行動情報保護部とを設け、前記サーバには、前記行動情報を行動履歴情報として記録する行動履歴情報記録部と、前記行動履歴情報の要求元を判別する判別部と、前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択するアクセス権データベース部と、前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う情報提供処理部とを設けた情報処理システム、および情報処理方法にある。
【0014】
この技術においては、情報端末で行動情報が生成される。この生成された行動情報に基づく行動パターンの解析、解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定、類似性判定の結果に基づき行動情報の保護レベルの選択、選択された保護レベルに応じた行動情報の保護が、情報端末またはサーバで行われる。さらに、行動履歴情報の要求がなされた場合、要求元の判別が行われてアクセス権が選択される。この要求された行動履歴情報が要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、要求元に対して行動履歴情報の提供、例えば行動履歴情報に基づく行動履歴パターンを示す表示情報が提供される。また、行動情報に基づく行動パターンの解析、解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定、類似性判定の結果に基づき行動情報の保護レベルの選択、選択された保護レベルに応じた行動情報の保護が情報端末で行われる場合、例えばサーバには、各情報端末の保護対象行動履歴パターンデータベース部から行動履歴パターンを取得して統合し、統合後のデータベースが各情報端末に登録される。
【0015】
なお、本技術のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ上でプログラムに応じた処理が実現される。
【発明の効果】
【0016】
この技術によれば、行動情報が生成されて、この行動情報から解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定に基づき行動情報の保護レベルが選択される。さらに、選択された保護レベルに応じて行動情報の保護が行われる。このため、秘匿したい行動履歴情報を容易かつ適切に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】情報処理装置の構成を示す図である。
【図2】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】保護対象行動履歴パターンのデータベース作成動作を示すフローチャートである。
【図4】情報処理システムの構成を示す図である。
【図5】情報処理システムにおける情報端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】情報処理システムにおけるサーバの動作を示すフローチャートである。
【図7】情報処理システムの他の構成を示す図である。
【図8】行動履歴情報を共有して保護を行う情報処理システムの構成を示す図である。
【図9】行動履歴情報を共有して保護を行う情報処理システムにおける情報端末の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。この技術では、例えば、自宅の位置という個人情報が含まれる行動履歴情報のように、個人が秘匿したい行動履歴情報を自動的に保護する。また、行動履歴情報の保護では、習慣的な行動パターンを判定して、判定結果に基づき行動履歴情報の保護を行う。なお、説明は以下の順序で行う。
【0019】
1.情報処理装置の構成
2.情報処理装置の動作
3.情報処理装置の他の動作
4.情報処理システムの構成
5.情報端末の動作
6.情報処理システムの他の構成と動作
7.情報処理システムの他の構成と動作
<1.情報処理装置の構成>
図1は、本技術の情報処理装置の構成を例示している。情報処理装置20は、行動情報生成部201、行動パターン解析部202、類似性判定部203、保護選択部204、行動情報保護部205、行動履歴情報記録部206、保護対象行動履歴パターンデータベース(DB)部207を備えている。
【0020】
行動情報生成部201は、受信した無線信号に基づき現在位置を検出する位置検出センサや加速度センサ、マイク等を用いて構成されている。位置検出センサは、例えばGPS(Global Positioning System)で用いられている測位信号を受信して現在位置と時刻を検出する。また、携帯電話の基地局からの信号を受信して現在位置と時刻を検出してもよく、WiFi(wireless fidelity)等においてルータから受信した信号に含まれているアドレスに基づきルータの位置情報を取得して、現在位置を検出してもよい。加速度センサは、情報処理装置の動きを検出して、例えば歩行中であるか電車等を利用して移動中であるか等の移動状況を推定可能とする。また、動きだけでなくマイクで集音された周囲の音も利用して移動状況をさらに精度よく推定できるようにしてもよい。行動情報生成部201は、位置検出センサや加速度センサ、マイク等からの信号に基づき、現在位置や移動状況等を示す行動情報を生成して行動パターン解析部202に出力する。また、行動情報生成部201は、行動情報に基づき移動経路等を判別できるように、例えば所定時間間隔で行動情報の生成を行い、行動情報に時刻情報を含める。
【0021】
行動パターン解析部202は、行動情報生成部201で生成された行動情報に基づき、行動パターンを解析する。行動パターン解析部202は、行動情報に基づき、どのような移動経路を辿っているか、またどのような時間帯にどのような行動が行われているか等の行動パターンを解析して、解析結果を類似性判定部203に出力する。
【0022】
類似性判定部203は、行動パターン解析部202で解析された行動パターンが、保護対象行動履歴パターンデータベース部207に登録されている保護対象の行動履歴パターンと類似しているか判定して、判定結果を保護選択部204に出力する。類似性判定部203は、例えば行動パターンの特徴を用いて行動パターンの類似性の判別を行う。行動パターンの特徴は、1つの特徴のみを用いてもよく、多くの特徴を用いて判別を行えば行動パターンを詳細に判別することができる。
【0023】
行動パターンの特徴としては、例えば、移動経路の類似性、行動が記録されている時間帯の類似性、移動状況の類似性等を用いる。移動経路は、行動情報で示される位置の履歴から求めることができる。また、時間帯は時間単位に限らず、日単位や週単位、月単位などであってもよい。さらに、これらの特徴だけでなく、さらに多くの特徴を用いるようにしてもよい。類似性の判定では、例えば保護対象行動履歴パターンが示す移動経路に対して経路幅を設定して、設定した経路幅の中に行動パターンで示される移動経路が含まれる場合、類似していると判定する。また、行動パターンで示される移動経路と保護対象行動履歴パターンが示す移動経路との距離差を利用して、距離差が閾値よりも小さい場合に移動経路が類似していると判定してもよい。また、行動パターンで示される時刻と保護対象行動履歴パターンで示される時刻との時間差が閾値よりも少ない場合には、時間帯が類似していると判定する。
【0024】
保護選択部204は、行動パターンの類似性判定結果に基づき、行動情報の保護レベルを選択する。保護選択部204は、例えば類似していると判定された場合、行動情報の保護を行うように保護レベルを選択して、類似していないと判定された場合、行動情報の保護を行わないように保護レベルを選択する。保護選択部204は、行動パターンの類似性の判定結果に基づいて選択した保護レベルを行動情報保護部205に出力する。
【0025】
行動情報保護部205は、選択された保護レベルに応じて行動情報の保護を行う。行動情報保護部205は、行動情報の保護を行うように保護レベルが選択されている場合、本人や予め設定されている人に対してのみ行動情報を公開する。また、行動情報保護部205は、行動情報の暗号化等を行うことで行動情報の秘匿性を高めてもよい。行動情報保護部205は、行動情報の保護を行わないように保護レベルが選択されている場合、一般の人に対して行動情報を公開できるようにする。
【0026】
行動情報保護部205は、選択された保護レベルに応じて保護した行動情報を、行動履歴情報として行動履歴情報記録部206に記録する。さらに、行動情報保護部205は、行動履歴情報記録部206に記録されている行動履歴情報の保護レベルを変更可能とする。例えば、行動情報を順次処理して行動履歴情報記録部206に記録する。ここで、行動パターンが保護対象行動履歴パターンと類似していると行動の途中で判定された場合、一連の行動パターンにおいて類似していると判定される前の行動パターンの行動情報の保護レベルを変更できるようにすることで、一連の行動パターンの行動情報を保護できる。また、ユーザ等によって新たな保護レベルが指定された場合、記録されている行動履歴情報を指定された保護レベルに変更できるようにしてもよい。
【0027】
保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、保護対象の行動履歴パターンを登録する。保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、例えばユーザによって指示された保護対象エリアや保護対象地点(以下単に「保護対象エリア」という)を示す位置情報に基づき検索を行い、過去の行動履歴情報から保護対象エリアを示した行動履歴情報を選択する。さらに、選択した行動履歴情報に基づき行動履歴パターンを解析して、解析結果をデータベースに登録する。このようにすれば、ユーザは保護したい位置を示す位置情報を入力するだけで、保護対象の行動履歴パターンをデータベースに登録できる。
【0028】
また、保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、行動履歴情報が更新されるに伴いデータベースを更新すれば、データベースを変化に対応させることができる。
【0029】
さらに、保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、保護対象行動履歴パターンの精度に応じて、類似しているか否かの判定に用いる閾値を変更してもよい。例えば、保護対象エリアを示した行動履歴情報を統計的に処理して保護対象行動履歴パターンを決定する。この場合、保護対象エリアを示した行動履歴情報が多いと、保護対象エリアを示した行動履歴情報が少ない場合に比べて、保護対象行動履歴パターンが保護すべき行動履歴情報を精度よく示していると想定される。したがって、保護対象行動履歴パターンの決定に用いた行動履歴情報が少ない場合は、保護対象行動履歴パターンが示す移動経路に対して経路幅を広くすることで、類似していると判定しやすくする。このようにすれば、保護すべき行動履歴情報が保護されなくなってしまうことを防止できる。同様に、保護対象行動履歴パターンの決定に用いた行動履歴情報が少ない場合、行動パターンで示される移動経路と保護対象行動履歴パターンが示す移動経路との距離差が大きくても、類似していると判定しやすくする。このようにすることで、保護すべき行動履歴情報が保護されなくなってしまうことを防止できる。
【0030】
なお、図1は、行動情報の保護を行ってから行動履歴情報記録部206に記録する構成を示したが、行動情報生成部201で取得した行動情報を行動履歴情報記録部に全て行動履歴情報として記録したのち行動履歴情報の保護を、上述のように行ってもよい。
【0031】
<2.情報処理装置の動作>
図2は、情報処理装置の動作を示すフローチャートである。ステップST1で情報処理装置20は、行動情報を生成する。情報処理装置20の行動情報生成部201は、位置検出センサや加速度センサ、マイク等を用いて、現在位置や移動状況等を示す行動情報を生成してステップST2に進む。
【0032】
ステップST2で情報処理装置20は、行動パターンの解析を行う。情報処理装置20の行動パターン解析部202は、ステップST1で生成された行動情報に基づき、どのような移動経路を辿っているか、またどのような時間帯にどのような行動が行われているか等の行動パターンを解析してステップST3に進む。
【0033】
ステップST3で情報処理装置20は、保護対象行動履歴パターンと類似するか判別する。情報処理装置20の類似性判定部203は、ステップST2で解析された行動パターンが、保護対象行動履歴パターンデータベース部207の各保護対象行動履歴パターンと類似するか例えば行動パターンの特徴に基づいて判定する。ここで、類似していると判定した場合にはステップST4に進み、類似していないと判定した場合にはステップST6に進む。
【0034】
ステップST4で情報処理装置20は、保護レベルの選択を行う。情報処理装置20の保護選択部204は、行動パターンと保護対象行動履歴パターンが類似していると判定されていることから、行動パターンの行動情報を保護するように保護レベルを選択してステップST5に進む。
【0035】
ステップST5で情報処理装置20は、保護レベルに応じて行動情報を保護する。情報処理装置20の行動情報保護部205は、ステップST4で設定された保護レベルに応じて行動情報の保護を行いステップST6に進む。
【0036】
ステップST6で情報処理装置20は、行動情報を記録する。情報処理装置20の行動履歴情報記録部206は、行動情報をハードディスクドライブや半導体メモリ等の記録媒体に行動履歴情報として記録する。
【0037】
次に、保護対象行動履歴パターンのデータベース作成動作について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。ステップST11で保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、保護対象位置情報の取得を行う。保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、ユーザによって保護対象エリアや保護対象地点が指示されたことに応じて、指示された保護対象エリアを示す保護対象位置情報を取得してステップST12に進む。
【0038】
ステップST12で保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、行動履歴情報を取得する。保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、行動履歴情報記録部206に記録されている行動履歴情報を取得してステップST13に進む。
【0039】
ステップST13で保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、行動履歴情報が保護対象エリアを示しているか判別する。保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、取得した行動履歴情報が保護対象エリア内の位置を示している場合、例えば行動履歴情報が保護対象エリアを通過したことを示している場合、あるいは行動履歴情報が保護対象エリア内の位置を出発点または到着点としている場合、ステップST14に進む。また、保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、取得した行動履歴情報が保護対象エリア内の位置を示していない場合はステップST12に戻り、次の行動履歴情報を取得する。
【0040】
ステップST14で保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、行動パターンの解析を行う。保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、保護対象エリア内の位置を示す行動履歴情報に基づき行動パターンを解析してステップST15に進む。
【0041】
ステップST15で保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、データベースに行動パターンを登録する。保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、解析した行動パターンをデータベースに保護対象行動履歴パターンとして登録してステップST16に進む。
【0042】
ステップST16で保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、他の行動履歴情報がないか判別する。保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、行動履歴情報記録部206に記録されている行動履歴情報で、取得していない行動履歴情報がある場合にはステップST12に戻り、新たな行動履歴情報を取得して上述の処理を繰り返す。また、保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、行動履歴情報記録部206に記録されている行動履歴情報を全て取得しており、他の行動履歴情報がない場合は処理を終了する。
【0043】
なお、保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、行動履歴情報記録部206に新たな行動情報が記録される毎に、または新たな行動情報が所定回数記録される毎に、データベースを更新すれば、データベースを常に最新の状態とすることできる。
【0044】
このように、情報処理装置20では、保護対象行動履歴パターンに類似した行動パターンの行動情報の保護レベルを高く設定して、ユーザが設定した保護対象エリアを所定の時間帯に通過したり、保護対象エリア内の位置を所定の時間帯に出発または到着する行動パターンを示す行動履歴情報を保護することができる。例えば、夜の時間帯にA駅からB駅まで電車に乗って、決まったルートを歩いて帰るといった習慣的な行動パターンを示す行動履歴情報を保護することができる。
【0045】
したがって、この技術によれば、ユーザが毎回、明示的に保護するかしないかの判定をすることなく、自動的に秘匿したい行動パターンの行動履歴情報を保護することができる。また、ユーザが本来保護したい行動履歴情報を保護し忘れるというミスから生じる情報漏洩を防ぐことができる。さらに、リアルタイムに行動履歴情報の保護を行うようにすれば、情報処理装置を紛失した場合でも情報漏洩の危険性を低減できる。
【0046】
<3.情報処理装置の他の動作>
行動履歴情報の保護は、上述の動作に限らず保護する行動履歴情報に応じて保護対象エリアの設定や類似性の判定基準や保護レベルの選択基準や保護レベルの程度を切り替えてもよい。
【0047】
次に、例えば自宅に関連した行動履歴情報について、会社や学校に関連した行動履歴情報よりも秘匿性を高くする場合について説明する。
【0048】
保護対象行動履歴パターンデータベース部207は、自宅に対する保護対象エリアを設定する場合、保護対象エリアを会社や学校に対するエリアよりも広く設定する。このように保護対象エリアを設定すれば、自宅に対する保護対象エリアが広く設定されるので、公開されている行動履歴情報から位置を推定する場合、会社や学校に比べて自宅の位置の推定をより困難とすることができる。
【0049】
類似性判定部203は、自宅に対する保護対象行動履歴パターンを用いる場合、類似性判定基準を会社や学校に対する保護対象行動履歴パターンを用いる場合に比べて、類似していると判定されやすくなるように設定する。例えば、保護対象行動履歴パターンに経路幅を設定する場合、自宅に関する移動経路についての経路幅を広く設定する。また、行動パターンで示される移動経路と保護対象行動履歴パターンの移動経路との距離差を利用する場合、自宅に関する移動経路についての閾値を大きくする。このようにすれば、行動パターンで示される移動経路が自宅までの移動経路と多少離れていても、この移動経路に関する行動履歴情報が保護されるので、会社や学校に比べて自宅の位置の推定をより困難とすることができる。
【0050】
保護選択部204は、自宅に対する保護レベルを会社や学校に対する保護レベルに比べて高く設定する。また、保護選択部204は、類似性に応じて保護レベルを調整してもよい。例えば、類似性判定部203は、行動パターンと保護対象行動履歴パターンとの位置や時間等の誤差が少ない場合には類似性が高く、誤差が多い場合には類似性が低いと判定する。保護選択部204は、類似性が高いと判定されている場合に高い保護レベルを選択して、判定された類似性が低くなるに伴い保護レベルを低くする。例えば、行動情報保護部205は、保護レベルが高く設定された場合、本人以外の人に対して行動情報(行動履歴情報)の公開を停止する。また、行動情報保護部205は、保護レベルが高く設定された場合、情報の暗号化等を行うことで保護レベルの高い行動情報(行動履歴情報)の秘匿性を高めたり、偽の情報への置き換え等を行ってもよい。行動情報保護部205は、保護レベルが低くなる伴い、行動情報(行動履歴情報)の公開の制限を軽減して、例えば予め設定されている人に対してのみ行動情報(行動履歴情報)を公開する。さらに、行動情報保護部205は、上述の動作に限らず、種々の保護動作を行うようにしてもよい。
【0051】
保護選択部204は、自宅に対する保護レベルを会社や学校に対する保護レベルに比べて高く設定することで、例えば行動パターンの類似性判定結果が等しい場合でも、自宅に関連する行動情報(行動履歴情報)は一切公開しないようにして、会社や学校に関連する行動情報(行動履歴情報)は暗号化して公開できる。
【0052】
また、行動情報保護部205は、ユーザ等によって新たな保護レベルが指定された場合、記録されている行動履歴情報の保護レベルを指定された保護レベルに変更できるようにしてもよい。さらに、記録されている行動履歴情報の保護レベルをどこまで遡って変更可能とするかは、保護レベルに応じて設定してもよい。例えば、保護レベルが高くなるに伴い変更可能な期間を長くすることで、保護レベルを高くして保護したい行動履歴情報をより確実に保護できるようになる。
【0053】
<4.情報処理システムの構成>
次に、情報処理装置を用いて行動履歴情報を保護しながら共有を可能とする情報処理システムについて説明する。図4は、情報処理装置を情報端末として用いた情報処理システムの構成を示している。情報処理システム10aでは、ネットワーク31を介して情報端末である情報処理装置20aとサーバ40aが接続される。また、サーバ40aはネットワーク32を介してクライアント50-1〜50-nと接続される。なお、図ではネットワーク31とネットワーク32を別個に図示しているが、同一のネットワークでもよい。また、ネットワークは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)や3G(3rd Generation)等の種々のネットワークを利用可能とする。
【0054】
情報処理装置20aは、図1に示す情報処理装置20に対応しており、相違部分について説明する。情報処理装置20aの行動履歴情報記録部206aは、行動情報保護部205で選択された保護レベルに応じて保護した行動情報を行動履歴情報として記録媒体に記録する。また、行動履歴情報記録部206aは、ネットワーク31を介してサーバ40aと通信を行うことができるように構成されている。行動履歴情報記録部206aは、新たな行動情報が記録される毎に、または新たな行動情報が所定回数記録される毎に、あるいは、所定の時刻や所定時間経過毎に、サーバ40aと通信を行い、新たな行動情報をサーバ40aの行動履歴情報記録部401に記録する。また、行動履歴情報記録部206aは、上述のようにサーバ40aと通信を行い、行動履歴情報記録部401に記録されている情報処理装置20aの行動履歴情報が、情報処理装置20aの行動履歴情報記録部206aに記録されている行動履歴情報と一致するように処理してもよい。
【0055】
さらに、行動情報保護部205の後段に、ネットワーク31を介してサーバ40aと通信を行う通信部(図示せず)を設けて、行動情報を行動履歴情報記録部206aに記録することなくサーバ40aの行動履歴情報記録部401に記録するように構成してもよい。
【0056】
サーバ40aは、行動履歴情報記録部401、ユーザ判定部402、アクセス権データベース部403、情報提供処理部404を備えている。
【0057】
行動履歴情報記録部401は、情報処理装置20aから供給された行動情報(行動履歴情報)を記録する。行動履歴情報記録部401に記録された行動履歴情報は、後述する情報提供処理部404によって読み出される。
【0058】
ユーザ判定部402は、行動履歴情報の要求を行っているクライアントの判別を行い、判別結果をアクセス権データベース部403に供給する。
【0059】
アクセス権データベース部403は、アクセス許可レベルとクライアントを関連付けたアクセス権データベースが予め登録されている。アクセス権データベース部403は、アクセス権データベースに基づき、行動履歴情報の要求を行っているクライアントに対するアクセス許可レベルを判別して、判別結果を情報提供処理部404に出力する。
【0060】
情報提供処理部404は、クライアントが要求している行動履歴情報を、行動履歴情報記録部401から読み出す。また、読み出した行動履歴情報を要求元のクライアントに出力する。例えば、情報提供処理部404は、行動履歴情報に基づく行動パターンを図や表等で表示可能とする表示情報を生成して、行動履歴情報の要求を行ったクライアントに送信する。また、情報提供処理部404は、判別されたクライアントのアクセス許可レベルに応じて情報の提供を行う。例えば、情報提供処理部404は、クライアントの要求した行動履歴情報の保護レベルが、クライアントのアクセス許可レベルで情報の提供が許可されている保護レベルである場合、クライアントの要求した行動履歴情報を行動履歴情報記録部401から読み出す。さらに読み出した行動履歴情報に基づき表示情報を生成する。また、情報提供処理部404は、クライアントの要求した行動履歴情報が、クライアントのアクセス許可レベルで情報の提供が許可されている保護レベルよりも高いレベル場合、アクセスが許可されていない旨を示す表示情報や、置き換えされている偽の情報を読み出して表示情報の生成を行う。
【0061】
<5.情報端末の動作>
図5は、情報処理システムにおける情報端末の動作を示すフローチャートである。ステップST21で情報処理装置20aは、行動情報を生成する。情報処理装置20aの行動情報生成部201は、位置検出センサや加速度センサ、マイク等を用いて、現在位置や移動状況等を示す行動情報を生成してステップST22に進む。
【0062】
ステップST22で情報処理装置20aは、行動パターンの解析を行う。情報処理装置20aの行動パターン解析部202は、ステップST21で生成された行動情報に基づき、どのような移動経路を辿っているか、またどのような時間帯にどのような行動が行われているか等の行動パターンを解析してステップST23に進む。
【0063】
ステップST23で情報処理装置20aは、保護対象の行動履歴パターンと類似するか判別する。情報処理装置20aの類似性判定部203は、ステップST22で解析された行動パターンが、保護対象の行動パターンと類似するか例えば行動パターンの特徴に基づいて判定する。ここで、類似していると判定した場合にはステップST24に進み、類似していないと判定した場合にはステップST26に進む。
【0064】
ステップST24で情報処理装置20aは、保護レベルを選択する。情報処理装置20aの保護選択部204は、行動パターンの類似性の判別結果に基づき保護レベルを選択してステップST25に進む。
【0065】
ステップST25で情報処理装置20aは、保護レベルに応じて行動情報を保護する。情報処理装置20aの行動情報保護部205は、ステップST24で設定された保護レベルに応じて行動情報の保護を行いステップST26に進む。
【0066】
ステップST26で情報処理装置20aは、行動情報をサーバに記録する。情報処理装置20aの行動履歴情報記録部206aは、ネットワーク31を介してサーバ40aと通信を行い、行動履歴情報記録部206aに記録されている行動履歴情報を、サーバ40aの行動履歴情報記録部401に記録する。
【0067】
図6は、情報処理システムにおけるサーバの動作を示すフローチャートである。ステップST31でサーバ40aは、ユーザ判定を行う。サーバ40aのユーザ判定部402は、行動履歴情報の要求を行っているクライアントを判別してステップST32に進む。
【0068】
ステップST32でサーバ40aは、アクセス許可レベルを判別する。サーバ40aのアクセス権データベース部403は、アクセス権データベースに基づき、行動履歴情報の要求を行っているクライアントに対するアクセス許可レベルを判別してステップST33に進む。
【0069】
ステップST33でサーバ40aは、保護対象の行動履歴情報であるか判別する。サーバ40aの情報提供処理部404は、クライアントが要求している行動履歴情報が、保護対象となっている行動履歴情報であるか判別する。情報提供処理部404は、クライアントが要求している行動履歴情報が保護対象となっている場合はステップST34に進み、保護対象となっていない場合にはステップST35に進む。
【0070】
ステップST34でサーバ40aは、表示権限があるか判別する。情報提供処理部404は、クライアントが要求した行動履歴情報の保護レベルが、クライアントのアクセス許可レベルで情報の提供が許可されている保護レベルの範囲内である場合には、表示権限があると判別してステップST35に進む。また、情報提供処理部404は、クライアントが要求した行動履歴情報の保護レベルが、クライアントのアクセス許可レベルで情報の提供が許可されている保護レベルよりも高い保護レベルである場合には、表示権限がないと判別してステップST36に進む。
【0071】
ステップST35でサーバ40aは、要求された行動履歴情報に基づく表示情報の出力を行う。情報提供処理部404は、クライアントの要求した行動履歴情報を行動履歴情報記録部401から読み出す。さらに、情報提供処理部404は、読み出した行動履歴情報に基づき表示情報を作成して、要求を行ったクライアントに対して出力して処理を終了する。
【0072】
ステップST36でサーバ40aは、別情報に基づく表示情報の出力を行う。情報提供処理部404は、クライアントの要求した行動履歴情報とは異なる別情報に基づき表示情報を作成して、要求を行ったクライアントに対して出力して処理を終了する。別情報とは、例えば許可されていない旨を示す表示情報や、置き換えられている偽の情報に基づく表示情報を出力する。
【0073】
このような情報処理システムを用いれば、何れのクライアントに対してどのような行動履歴情報の共有を許可するか、個別に設定することができる。したがって、行動履歴情報を共有する際に、自動的に秘匿したい行動履歴情報を保護することが可能となり、行動履歴情報の共有を安心して行うことができる。
【0074】
また、行動履歴情報に応じて保護と表示の方法を変えることで、共有する相手に応じて、どの行動履歴情報まで共有するかを自動的に変更することができる。例えば、会社の同僚であれば、帰宅時において最寄りの駅に到着するまでの行動履歴情報を共有させて、親しい友人等であれば、自宅に到着するまでの行動履歴情報を共有させることができる。さらに、共有を許可しないクライアントに対しては、単に閲覧できないという情報を表示するか、偽の情報を表示するかといった点も、行動履歴情報とクライアント毎に個別に設定できる。
【0075】
<6.情報処理システムの他の構成と動作>
ところで、上述の行動情報を生成する情報端末は、容易に携帯できることが望ましい。また、消費電力が少ないことも望ましい。しかし、情報端末で行動パターンの解析や類似性の判別、保護方法の選択や行動履歴情報の保護を行うと、これらの処理を行うために、処理能力の高い情報端末が必要となり、消費電力を容易に削減することも困難である。そこで、行動パターン解析部と類似性判定部と保護選択部と行動情報保護部とサーバに設けることで、情報端末の構成を簡単として情報端末の消費電力も少なくできる情報処理システムの構成および動作について説明する。
【0076】
図7は、情報処理システムの他の構成を示している。情報処理システム20bでは、ネットワーク31を介して情報端末である情報処理装置20bとサーバ40bが接続される。また、サーバ40bはネットワーク32を介してクライアント50-1〜50-nと接続される。なお、図ではネットワーク31とネットワーク32を別個に図示しているが、同一のネットワークでもよい。また、ネットワークは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)や3G(3rd Generation)等の種々のネットワークを利用可能とする。
【0077】
情報処理装置20bは、行動情報生成部201と行動履歴情報記録部208を備えている。
【0078】
行動情報生成部201は、上述のように受信した無線信号に基づき現在位置を検出する位置検出センサや加速度センサ、マイク等を用いて構成されている。行動情報生成部201は、位置検出センサによって現在位置を検出する。また、行動情報生成部201は、加速度センサやマイクからの信号に基づき移動状況を推定する。行動情報生成部201は、検出した現在位置や推定した移動状況等を示す行動情報を生成して行動履歴情報記録部208に記録する。
【0079】
行動履歴情報記録部208は、行動情報生成部201で生成された行動情報を行動履歴情報として記録する。また、行動履歴情報記録部208は、ネットワーク31を介してサーバ40bと通信を行うことができるように構成されている。行動履歴情報記録部208は、新たな行動情報が記録される毎に、または新たな行動情報が所定回数記録される毎に、あるいは、所定の時刻や所定時間経過毎にサーバ40bと通信を行い、行動履歴情報または新たな行動情報をサーバ40bに送信する。
【0080】
サーバ40bは、上述のサーバ40aと同様に、行動履歴情報記録部401、ユーザ判定部402、アクセス権データベース部403、情報提供処理部404を備えている。また、サーバ40bには、行動情報の保護レベルを設定するため、行動パターン解析部411、類似性判定部412、保護選択部413、行動情報保護部414、保護対象行動履歴パターンデータベース(DB)部415を備えている。
【0081】
行動パターン解析部411は、情報処理装置20bから供給された行動情報(行動履歴情報)に基づき行動パターンを解析する。行動パターン解析部411は、行動情報(行動履歴情報)に基づき、どのような移動経路を辿っているか、またどのような時間帯にどのような行動が行われているか等の行動パターンを上述の行動パターン解析部202と同様にして解析する。また、行動パターン解析部411は、解析結果を類似性判定部412に出力する。
【0082】
類似性判定部412は、行動パターン解析部411で解析された行動パターンが、保護対象行動履歴パターンデータベース部415に登録されている保護対象行動履歴パターンと類似しているか上述の類似性判定部203と同様に判定する。類似性判定部412は、判定結果を保護選択部413に出力する。
【0083】
保護選択部413は、行動パターンの類似性の判別結果に基づき、行動情報(行動履歴情報)の保護レベルを上述の保護選択部204と同様にして選択する。保護選択部413は、行動パターンの類似性の判別結果に基づいて選択した保護レベルを行動情報保護部414に出力する。
【0084】
行動情報保護部414は、選択された保護レベルに応じて行動情報(行動履歴情報)の保護を上述の行動情報保護部205と同様にして行う。行動情報保護部414は、行動情報(行動履歴情報)の保護を行うように保護レベルが選択されている場合、本人や予め設定されている人に対してのみ行動情報(行動履歴情報)を公開する。また、行動情報保護部205は、情報の暗号化等を行うことで行動情報(行動履歴情報)の秘匿性を高めてもよい。行動情報保護部414は、行動情報(行動履歴情報)の保護を行わないように保護レベルが選択されている場合、一般の人に対して行動情報(行動履歴情報)を公開できるようにする。また、類似性に応じて保護レベルが高く設定された場合、公開を停止、情報の暗号化、偽の情報への置き換え等を行う。また、保護レベルが低くなる伴い、行動情報(行動履歴情報)の公開の制限を緩やかにする。行動情報保護部414は、選択された保護レベルに応じて保護した行動情報(行動履歴情報)を行動履歴情報記録部401に記録する。
【0085】
保護対象行動履歴パターンデータベース部415は、保護対象の行動パターンを上述の保護対象行動履歴パターンデータベース部207と同様にして登録する。保護対象行動履歴パターンデータベース部415は、例えばユーザによって指示された保護対象エリアを示す位置情報に基づき検索を行い、それまでに計測された過去の行動履歴情報から、保護対象エリアを示した行動履歴情報を選択する。さらに、選択した行動履歴情報に基づき行動パターンを解析して、解析結果を保護対象行動履歴パターンとしてデータベースに登録する。
【0086】
ユーザ判定部402は、行動履歴情報の要求を行っているクライアントの判別を行い、判別結果をアクセス権データベース部403に供給する。
【0087】
アクセス権データベース部403は、アクセス許可レベルとクライアントを関連付けたアクセス権データベースが予め登録されている。アクセス権データベース部403は、アクセス権データベースに基づき、行動履歴情報の要求を行っているクライアントに対するアクセス許可レベルを判別して、判別結果を情報提供処理部404に出力する。
【0088】
情報提供処理部404は、クライアントが要求している行動履歴情報を、行動履歴情報記録部401から読み出す。また、読み出した行動履歴情報に基づき表示情報を生成する。また、情報提供処理部404は、判別されたクライアントのアクセス許可レベルに応じた表示情報の生成を行い、要求を行ったクライアントに対して出力する。
【0089】
このように構成された情報処理システムでは、情報端末である情報処理装置20bにおいて、図2に示すステップST1およびステップST6の処理、および図5に示すステップST26の処理を行い、行動情報(行動履歴情報)をサーバ40bに出力する。またサーバ40bは、図2に示すステップST2からステップST6の処理を行い、保護が行われている行動情報(行動履歴情報)を行動履歴情報記録部401で記録する。その後、サーバ40bは、図6に示すステップST31〜ST36の処理を行い、クライアントからの要求に対して、クライアントのアクセス許可レベルに応じて、対応する保護レベルの行動履歴情報に基づいて作成された表示情報をクライアントに送信する。
【0090】
このように情報処理システムを構成すれば、情報端末の構成が簡単で消費電力も少なくできる。
【0091】
<7.情報処理システムの他の構成と動作>
また、上述の情報処理システムでは、個々の情報処理装置で生成された行動履歴情報の保護レベルを選択する場合について説明した。しかし、保護レベルの選択では、他の人の行動履歴情報がどのように保護されているかを考慮してもよい。
【0092】
図8は、行動履歴情報を共有して保護を行う情報処理システム10cの構成の一部を示している。なお、図では、2つの情報端末で行動履歴情報を供給する場合を例示している。
【0093】
第1の情報端末である情報処理装置20-1の保護対象行動履歴パターンデータベース部207-1は、ネットワーク33,34を介してサーバ45と接続される。同様に、第2の情報端末である情報処理装置20-2の保護対象行動履歴パターンデータベース部207-2は、ネットワーク33,34を介してサーバ45と接続される。なお、情報処理装置20-1,20-2は、図1や図4に示す情報処理装置と同様に構成されており、図8では、保護対象行動履歴パターンデータベース部のみを図示している。
【0094】
サーバ45は、データベース統合部451を備えており、データベース統合部451には、匿名化部451aと統合処理部451bが設けられている。なお、サーバ45は、図4に示すサーバと同様に構成されており、図8では、データベース統合部451のみを図示している。
【0095】
匿名化部451aは、保護対象行動履歴パターンの匿名化を行う。匿名化部451aは、ネットワーク33を介してサーバ45が取得した保護対象行動履歴パターンが、何れの情報処理装置から取得されたデータであるか判別できないようにデータの匿名化を行う。
【0096】
統合処理部451bは、保護対象行動履歴パターンの統合を行う。統合処理部451bは、匿名化後の保護対象行動履歴パターンを用いて、全ユーザの保護対象行動履歴パターンを統合する。また、統合処理部451bは、統合後のデータベースを、ネットワーク34を介して各情報処理装置、例えば情報処理装置20-1,20-2に供給する。
【0097】
情報処理装置20-1,20-2は、サーバ45から保護対象行動履歴パターンデータベースが供給された場合、保護対象行動履歴パターンデータベース部207-1,207-2に記憶しているデータベースを、サーバ45から供給されたデータベースで更新する。
【0098】
なお、保護対象行動履歴パターンの匿名化は、サーバ45で行う場合に限らず、情報処理装置で行うようにしてもよい。また、保護対象行動履歴パターンの統合は、ユーザの性別や世代毎に行うようにしてもよい。
【0099】
図9は、行動履歴情報を共有して保護を行う情報処理システムにおける情報端末の動作を示している。ステップST41で情報処理装置20-1(20-2)は、行動情報を生成する。情報処理装置20-1(20-2)の行動情報生成部201は、位置検出センサや加速度センサ、マイク等を用いて、現在位置や移動状況等を示す行動情報を生成してステップST42に進む。
【0100】
ステップST42で情報処理装置20-1(20-2)は、行動パターンの解析を行う。情報処理装置20-1(20-2)の行動パターン解析部202は、ステップST41で生成された行動情報に基づき、どのような移動経路を辿っているか、またどのような時間帯にどのような行動が行われているか等の行動パターンを解析してステップST43に進む。
【0101】
ステップST43で情報処理装置20-1(20-2)は、保護対象行動履歴パターンのデータベースを更新する。情報処理装置20-1(20-2)の行動パターン解析部202は、行動パターンの解析結果に基づきデータベースの更新を行う。また、行動パターンの解析結果に基づきデータベースの更新を行った場合、更新後の保護対象行動履歴パターンをサーバ45に出力する。さらに、情報処理装置20は、サーバ45から保護対象行動履歴パターンが供給された場合、記憶している保護対象行動履歴パターンを、サーバ45から供給された保護対象行動履歴パターンで更新してステップST44に進む。
【0102】
ステップST44で情報処理装置20-1(20-2)は、保護対象行動履歴パターンと類似するか判別する。情報処理装置20-1(20-2)の類似性判定部203は、ステップST42で解析された行動パターンが、データベースの各保護対象行動履歴パターンと類似するか例えば行動パターンの特徴に基づいて判定する。ここで、類似していると判定した場合にはステップST45に進み、類似していないと判定した場合にはステップST47に進む。
【0103】
ステップST45で情報処理装置20-1(20-2)は、類似性に応じて保護レベルを選択する。情報処理装置20-1(20-2)の保護選択部204は、行動パターンの類似性の判別結果に基づき保護レベルを選択してステップST46に進む。
【0104】
ステップST46で情報処理装置20-1(20-2)は、保護レベルに応じて行動情報を保護する。情報処理装置20-1(20-2)の行動情報保護部205は、ステップST45で設定された保護レベルに応じて行動情報の保護を行いステップST47に進む。
【0105】
ステップST47で情報処理装置20-1(20-2)は、行動情報を記録する。情報処理装置20-1(20-2)の行動履歴情報記録部206は、行動情報をハードディスクドライブや半導体メモリ等の記録媒体に記録する。
【0106】
このように、各情報端末の保護対象行動履歴パターンを統合して、統合後のデータベースを用いて行動履歴情報を保護すれば、誰もが隠したい行動履歴情報をより確実に保護することができる。したがって、例えばセキュリティ知識の乏しいユーザであるため、本来秘匿したほうが好ましい行動履歴情報を保護し忘れていた場合でも、安全に行動履歴情報を保護することができる。
【0107】
また、保護対象行動履歴パターンの統合を性別や世代毎に行えば、同じ性別や同じ世代でデータベースを共有できるので、性別や世代に応じて行動履歴情報の保護を行うことができる。
【0108】
なお、情報処理システムでは、サーバ上に各ユーザの保護対象行動履歴パターンデータベースも保存しておき、行動情報の生成以外の全ての処理をサーバ上で行うような構成も可能である。
【0109】
また、上述のサーバ40a,40bでは、行動履歴情報記録部401を備える構成を例示しているが、行動履歴情報記録部401を外部のデータセンタ等に設けてもよい。この場合、ネットワーク等を介して行動履歴情報記録部401に接続して、行動履歴情報記録部401を備える場合と同様な動作を行うようにする。
【0110】
明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させる。または、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0111】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリカード等のリムーバブル記録媒体に、一時的または永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
【0112】
また、プログラムは、リムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトからLAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを介して、コンピュータに無線または有線で転送してもよい。コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0113】
本技術は、上述した技術の実施の形態に限定して解釈されるべきではない。この技術の実施の形態は、例示という形態で本技術を開示しており、本技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用をなし得ることは自明である。すなわち、本技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【0114】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 行動情報を生成する行動情報生成部と、
前記行動情報から行動パターンを解析する行動パターン解析部と、
前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う類似性判定部と、
前記類似性の判定結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する保護選択部と、
前記選択された保護レベルに基づき行動情報の保護を行う行動情報保護部と、
を備える情報処理装置。
(2) 前記行動情報を行動履歴情報として記録する行動履歴情報記録部と、
前記保護対象行動履歴パターンを登録した保護対象行動履歴パターンデータベース部をさらに備え、
前記保護対象行動履歴パターンデータベース部は、前記行動履歴情報記録部に記録されている行動履歴情報を利用して前記保護対象行動履歴パターンを生成する(1)に記載の情報処理装置。
(3) 前記保護対象行動履歴パターンデータベース部は、ユーザによって指定された位置や領域を示す行動履歴情報に基づく行動パターンを保護対象行動履歴パターンとして登録する(2)に記載の情報処理装置。
(4) 前記保護対象行動履歴パターンデータベース部は、外部から供給された保護対象行動履歴パターンを用いて、データベースを更新する(2)または(3)に記載の情報処理装置。
(5) 前記行動履歴情報記録部に記録された行動履歴情報の保護レベルを変更可能とする(2)乃至(4)の何れかに記載の情報処理装置。
(6) 前記保護選択部は、類似性が高くなるに伴い高い保護レベルを選択する(1)乃至(5)の何れかに記載の情報処理装置。
(7) 前記行動情報生成部は、前記行動情報に少なくとも位置情報または位置情報と移動手段を示す情報を時間情報とともに含める(1)乃至(6)の何れかに記載の情報処 (8) 前記類似性判定部は、前記位置情報に基づいた経路の類似性、または前記位置情報に基づいた経路の類似性と時間情報に基づいた行動時間帯の類似性の判定を行い、前記行動情報に移動手段を示す情報が含まれている場合は、移動手段の類似性の判定を行う(7)に記載の情報処理装置。
(9) 行動情報を生成する工程と、
前記行動情報から行動パターンを解析する工程と、
前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う工程と、
前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する工程と、
前記選択された保護レベルに応じて行動情報の保護を行う工程と
を設けた情報処理方法。
(10) コンピュータで情報処理を行うプログラムにおいて、
行動情報を生成する手順と、
前記行動情報から行動パターンを解析する手順と、
前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う手順と、
前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する手順と、
前記選択された保護レベルに応じて行動情報の保護を行う手順とを
前記コンピュータで実行させるプログラム。
(11) 端末装置で生成された行動情報から行動パターンが解析されて、該解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定に基づき前記行動情報の保護レベルが選択されている行動情報を行動履歴情報として記録した行動履歴情報記録部と
前記行動履歴情報の要求元を判別する判別部と、
前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択するアクセス権データベース部と、
前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う情報提供処理部とを備えるサーバ。
(12) 各情報端末の保護対象行動履歴パターンデータベース部に登録されている行動履歴パターンを統合して、統合後のデータベースを前記各情報端末の保護対象行動履歴パターンデータベース部に登録するデータベース統合部をさらに設けた(11)に記載のサーバ。
(13) 端末装置で生成された行動情報から行動パターンが解析されて、該解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定に基づき前記行動情報の保護レベルが選択されている行動情報である行動履歴情報の要求元を判別する工程と、
前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択する工程と、
前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う工程とを設けた情報処理方法。
(14) コンピュータで情報処理を行うプログラムにおいて、
端末装置で生成された行動情報から行動パターンが解析されて、該解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定に基づき前記行動情報の保護レベルが選択されている行動情報である行動履歴情報の要求元を判別する手順と、
前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択する手順と、
前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う手順と
を前記コンピュータで実行させるプログラム。
(15) 情報処理システムの一部を構成するサーバであって、
前記サーバは、
行動履歴情報の要求元を判別する判別部と、
前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択するアクセス権データベース部と、
前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う情報提供処理部とを備え、
前記情報処理システムは、さらに情報端末を含み、かつ前記情報端末と前記サーバの少なくとも何れかに、
前記情報端末から供給された行動情報に基づいて行動パターンを解析する行動パターン解析部と、
前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う類似性判定部と、
前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する保護選択部と、
保護レベルが選択されている行動情報である前記行動履歴情報の保護を前記選択されている保護レベルに応じて行う行動情報保護部とをさらに備えるサーバ。
(16) 行動情報を生成する情報端末と、要求に応じて行動履歴情報の提供を行うサーバを有した情報処理システムにおいて、
前記情報端末と前記サーバの少なくとも何れかに、
前記行動情報から行動パターンを解析する行動パターン解析部と、
前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う類似性判定部と、
前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する保護選択部と、
前記選択された保護レベルに応じて行動情報の保護を行う行動情報保護部とを設け、
前記サーバには、
前記行動情報を行動履歴情報として記録する行動履歴情報記録部と
前記行動履歴情報の要求元を判別する判別部と、
前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択するアクセス権データベース部と、
前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う情報提供処理部とを設けた情報処理システム。
(17) 前記行動情報から行動パターンを解析する行動パターン解析部と、前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う類似性判定部と、前記保護対象行動履歴パターンを登録した保護対象行動履歴パターンデータベース部を前記情報端末に設け、
前記サーバには、各情報端末の保護対象行動履歴パターンデータベース部から行動履歴パターンを取得して統合し、統合後のデータベースを前記各情報端末の保護対象行動履歴パターンデータベース部に登録するデータベース統合部を設けた請求項16記載の情報処理システム。
(18) 前記データベース統合部は、各情報端末の保護対象行動履歴パターンデータベース部から取得した行動履歴パターンを匿名化する請求項17記載の情報処理システム。
(19) 行動情報を生成する情報端末と、要求に応じて行動履歴情報の提供を行うサーバを有した情報処理システムの情報処理方法において、
前記情報端末と前記サーバの少なくとも何れかに、
前記行動情報から行動パターンを解析する工程と、
前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う工程と、
前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する工程部と、
前記選択された保護レベルに応じて行動情報の保護を行う工程を設け、
前記サーバには、
前記行動情報を行動履歴情報として記録する工程と
前記行動履歴情報の要求元を判別する工程と、
前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択する工程と、
前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う工程とを設けた情報処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0115】
この技術では、行動情報が生成されて、この行動情報から解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定に基づき行動情報の保護レベルが選択される。さらに、選択された保護レベルに応じて行動情報の保護が行われる。このため、秘匿したい行動履歴情報を容易かつ適切に保護することができるので、携帯通信端末等の電子機器に適している。
【符号の説明】
【0116】
10a,10b・・・情報処理システム、20,20a,20b,20-1,20-2・・・情報処理装置、31,32,33,34・・・ネットワーク、40a,40b,45・・・サーバ、50-1〜50-n・・・クライアント、201・・・行動情報生成部、202411・・・行動パターン解析部、203,412・・・類似性判定部、204,413・・・保護選択部、205,414・・・行動情報保護部、206,206a,208・・・行動履歴情報記録部、207,415・・・保護対象行動履歴パターンデータベース(DB)部、207-1,207-2・・・保護対象行動履歴パターンデータベース部、401・・・行動履歴情報記録部、402・・・ユーザ判定部、403・・・アクセス権データベース部、404・・・情報提供処理部、415 保護対象行動履歴パターンデータベース部、451・・・データベース統合部、451a・・・匿名化部、451b・・・統合処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行動情報を生成する行動情報生成部と、
前記行動情報から行動パターンを解析する行動パターン解析部と、
前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う類似性判定部と、
前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する保護選択部と、
前記選択された保護レベルに基づき行動情報の保護を行う行動情報保護部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記行動情報を行動履歴情報として記録する行動履歴情報記録部と、
前記保護対象行動履歴パターンを登録した保護対象行動履歴パターンデータベース部をさらに備え、
前記保護対象行動履歴パターンデータベース部は、前記行動履歴情報記録部に記録されている行動履歴情報を利用して前記保護対象行動履歴パターンを生成する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記保護対象行動履歴パターンデータベース部は、ユーザによって指定された位置や領域を示す行動履歴情報に基づく行動パターンを保護対象行動履歴パターンとして登録する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記保護対象行動履歴パターンデータベース部は、外部から供給された保護対象行動履歴パターンを用いて、データベースを更新する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記行動履歴情報記録部に記録された行動履歴情報の保護レベルを変更可能とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記保護選択部は、類似性が高くなるに伴い高い保護レベルを選択する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記行動情報生成部は、前記行動情報に少なくとも位置情報または位置情報と移動手段を示す情報を時間情報とともに含める請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記類似性判定部は、前記位置情報に基づいた経路の類似性、または前記位置情報に基づいた経路の類似性と時間情報に基づいた行動時間帯の類似性の判定を行い、前記行動情報に移動手段を示す情報が含まれている場合は、移動手段の類似性の判定を行う請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
行動情報を生成する工程と、
前記行動情報から行動パターンを解析する工程と、
前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う工程と、
前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する工程と、
前記選択された保護レベルに応じて行動情報の保護を行う工程と
を設けた情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータで情報処理を行うプログラムにおいて、
行動情報を生成する手順と、
前記行動情報から行動パターンを解析する手順と、
前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う手順と、
前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する手順と、
前記選択された保護レベルに応じて行動情報の保護を行う手順とを
前記コンピュータで実行させるプログラム。
【請求項11】
端末装置で生成された行動情報から行動パターンが解析されて、該解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定に基づき前記行動情報の保護レベルが選択されている行動情報を行動履歴情報として記録した行動履歴情報記録部と
前記行動履歴情報の要求元を判別する判別部と、
前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択するアクセス権データベース部と、
前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う情報提供処理部とを備えるサーバ。
【請求項12】
各情報端末の保護対象行動履歴パターンデータベース部に登録されている行動履歴パターンを統合して、統合後のデータベースを前記各情報端末の保護対象行動履歴パターンデータベース部に登録するデータベース統合部をさらに設けた請求項11記載のサーバ。
【請求項13】
端末装置で生成された行動情報から行動パターンが解析されて、該解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定に基づき前記行動情報の保護レベルが選択されている行動情報である行動履歴情報の要求元を判別する工程と、
前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択する工程と、
前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う工程とを設けた情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータで情報処理を行うプログラムにおいて、
端末装置で生成された行動情報から行動パターンが解析されて、該解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定に基づき前記行動情報の保護レベルが選択されている行動情報である行動履歴情報の要求元を判別する手順と、
前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択する手順と、
前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う手順と
を前記コンピュータで実行させるプログラム。
【請求項15】
情報処理システムの一部を構成するサーバであって、
前記サーバは、
行動履歴情報の要求元を判別する判別部と、
前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択するアクセス権データベース部と、
前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う情報提供処理部とを備え、
前記情報処理システムは、さらに情報端末を含み、かつ前記情報端末と前記サーバの少なくとも何れかに、
前記情報端末から供給された行動情報に基づいて行動パターンを解析する行動パターン解析部と、
前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う類似性判定部と、
前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する保護選択部と、
保護レベルが選択されている行動情報である前記行動履歴情報の保護を前記選択されている保護レベルに応じて行う行動情報保護部とをさらに備えるサーバ。
【請求項16】
行動情報を生成する情報端末と、要求に応じて行動履歴情報の提供を行うサーバを有した情報処理システムにおいて、
前記情報端末と前記サーバの少なくとも何れかに、
前記行動情報から行動パターンを解析する行動パターン解析部と、
前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う類似性判定部と、
前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する保護選択部と、
前記選択された保護レベルに応じて行動情報の保護を行う行動情報保護部とを設け、
前記サーバには、
前記行動情報を行動履歴情報として記録する行動履歴情報記録部と
前記行動履歴情報の要求元を判別する判別部と、
前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択するアクセス権データベース部と、
前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う情報提供処理部とを設けた情報処理システム。
【請求項17】
前記行動情報から行動パターンを解析する行動パターン解析部と、前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う類似性判定部と、前記保護対象行動履歴パターンを登録した保護対象行動履歴パターンデータベース部を前記情報端末に設け、
前記サーバには、各情報端末の保護対象行動履歴パターンデータベース部から行動履歴パターンを取得して統合し、統合後のデータベースを前記各情報端末の保護対象行動履歴パターンデータベース部に登録するデータベース統合部を設けた請求項16記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記データベース統合部は、各情報端末の保護対象行動履歴パターンデータベース部から取得した行動履歴パターンを匿名化する請求項17記載の情報処理システム。
【請求項19】
行動情報を生成する情報端末と、要求に応じて行動履歴情報の提供を行うサーバを有した情報処理システムの情報処理方法において、
前記情報端末と前記サーバの少なくとも何れかに、
前記行動情報から行動パターンを解析する工程と、
前記解析された行動パターンと保護対象行動履歴パターンの類似性判定を行う工程と、
前記類似性判定の結果に基づき前記行動情報の保護レベルを選択する工程部と、
前記選択された保護レベルに応じて行動情報の保護を行う工程を設け、
前記サーバには、
前記行動情報を行動履歴情報として記録する工程と
前記行動履歴情報の要求元を判別する工程と、
前記判別した要求元に対応するアクセス権を選択する工程と、
前記要求元に対応するアクセス権と前記要求された行動履歴情報の保護レベルに基づき、前記要求された行動履歴情報が前記要求元に対応するアクセス権でアクセスが許可された保護レベルである場合に、前記要求された行動履歴情報の提供を行う工程とを設けた情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−8232(P2013−8232A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140935(P2011−140935)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】