情報処理装置及びその設定項目の初期化方法
【課題】複数の設定項目についてのパラメータを用いて制御される情報処理装置において、個々の設定項目を初期化する際の操作性を向上させる。
【解決手段】選択された設定項目が、パラメータに初期値が存在する項目である場合に、表示画面上に初期化用アイコンを表示させ、選択ステップにより選択された設定項目が、パラメータに初期値が存在しない項目である場合に、表示画面上に初期化用アイコンを表示させない。そして、ユーザーの操作入力により、初期化用アイコンの選択が指令された場合に、選択された設定項目のパラメータを初期値に戻す。
【解決手段】選択された設定項目が、パラメータに初期値が存在する項目である場合に、表示画面上に初期化用アイコンを表示させ、選択ステップにより選択された設定項目が、パラメータに初期値が存在しない項目である場合に、表示画面上に初期化用アイコンを表示させない。そして、ユーザーの操作入力により、初期化用アイコンの選択が指令された場合に、選択された設定項目のパラメータを初期値に戻す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の設定項目についてのパラメータを用いて制御される情報処理装置に関し、特に、個々の設定項目を初期化する際の操作性を向上させた情報処理装置及びその設定項目の初期化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日普及している業務用・民生用の各種の電子機器では、電子機器を制御するための複数の項目について、ユーザーがテンキー等によって任意のパラメータを入力して設定を行えるようになっているものが少なくない。
【0003】
例えば、放送業務用の電子機器の一種に、スイッチャと呼ばれる画像切り換え装置が存在する。スイッチャは、複数チャンネルの入力映像信号(ビデオカメラやVTR等からの映像信号)中から映像信号を選択し、選択した2つの映像信号のうちの一方の映像信号から残りの一方の映像信号に遷移するようなエフェクトを施した映像信号を出力する装置である。
【0004】
こうしたスイッチャとしては、例えば、エフェクトに関して、次の(1),(2)の項目を含む複数の設定項目について、GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)画面上のテンキーによって任意にパラメータを入力できるようになっているものが製品化されている。
(1)エフェクトのパターン
(2)遷移させる2つの映像信号の境界線の色に関する項目
【0005】
ユーザーは、これらの項目を任意に設定してスイッチャを操作することができるが、その後、いずれかの設定項目を初期化したい(パラメータを、例えば工場で設定された初期値に戻したい)場合がある。そのため、スイッチャとしては、GUI画面で、個々の設定項目を初期化するための操作を行えるようにしたものも既に製品化されている。
【0006】
図1は、そうしたGUI画面を示す図である。画面右上に、初期化のための釦である「Default Recall」釦が設けられている。画面中央のメインメニュー欄には、設定項目をグループ化した複数のアイコンが表示される。表示されているアイコンのうち、「Eff Ptn」は、上記(1)のエフェクトに関するアイコンである。「Color」は、上記(2)の境界線の色に関するアイコンである。
【0007】
このGUI画面上で、個々の設定項目を初期化するための操作手順は、次の通りである。例えば、ユーザーが、境界線の色についての設定を初期化したい場合には、メインメニュー上のアイコン「Color」を押す。すると、図2に示すように、画面下側に、境界線の色についての3つの設定項目である輝度(ルミナンス),彩度(サチュレーション),色相(ヒュー)をそれぞれ表す3つのアイコン「Lum」,「Sat」,「Hue」が表示される。
【0008】
例えば境界線の輝度を初期化したい場合には、「Default Recall」釦を押した後、アイコン「Lum」を押すと、境界線の輝度のパラメータが初期値に戻される。同様にして、「Default Recall」釦を押した後でアイコン「Sat」を押すと、境界線の彩度のパラメータが初期値に戻され、「Default Recall」釦を押した後でアイコン「Hue」を押すと、境界線の色相のパラメータが初期値に戻される。
【0009】
ところが、このような電子機器では、本明細書中で示す機能以外にも、非常に多数の機能を備えており、実際に機器を利用する操作者であっても、全ての機能・操作方法について熟知するのが困難となっている。このため、取扱説明書を熟読しなくても、希望する機能の操作方法を容易に見つけ出せる電子機器が望まれている。
【0010】
この課題に対する一つの解決策として、本明細書でも示すようなGUI画面が設けられており、画面上に機能を説明する文字列や、操作ボタン(スイッチ)、各種の図形・文字列などによる状態を表示をし、見るだけで操作方法を推測できるようにしている。
【0011】
ところで、図1および図2などの添付図面では、本発明の特徴に関係する部分のみを描いているが、実際のこれら電子機器のGUI画面は、多数の機能を制御するため、多数のアイコン釦等が表示されている。このため、説明する文字列を表示をしていても、多数の表示の中から所望のアイコン等を見つけ出すのが難しくなる場合がある。
【0012】
これに対しては、画面を階層的な構造にする解決策がある。すなわち、操作を希望するカテゴリを示すアイコンを指示(押下)すると、ポップアップ表示により新たな画面(窓)を表示し、そのポップアップされた表示の中だけに着目して操作することで、操作対象を絞りこんで、探す手間を省き、使いやすいユーザー・インターフェースを実現している。
【0013】
従来技術の電子機器においては、パラメータの初期化には、「Default Recall」釦を押した後で該当パラメータのアイコンを押す、という手順であった。しかし、「Default Recall」釦は、常時画面に表示されているが、何に対して有効なのか、どの順序で使うのか、画面を見ただけでは分かりにくいという問題があった。
【0014】
また、パラメータ(設定項目)に対して数値を入力する際は、該当パラメータを指示する操作を行うことでポップアップでテンキーを表示し、テンキーに数値を入力し、確定するという方法が提供されている。操作者は、このようなテンキー入力の操作に習熟しても、従来技術の「Default Recall」釦の操作は推測が困難で、別途習得する必要があるという問題があった。
【0015】
一方、図1のGUI画面において、ユーザーが、エフェクトに関する設定を初期化しようとして、メインメニュー上のアイコン「Eff Ptn」を押したとする。すると、図3に示すように、画面下側に、今度は、エフェクトのパターンを表すアイコン「Ptn No」が表示される。
【0016】
ところが、このスイッチャでは、エフェクトのパターンについては、もともと初期設定状態が存在しない(ユーザーがパラメータとしてパターン番号を入力したエフェクトが実行されるだけであり、パターン番号の初期値は存在しない)ので、初期化は不可能である。
【0017】
しかし、ユーザーにとっては、この画面上ではそうしたことは分からない。そのため、「Default Recall」釦を押した後、アイコン「Ptn No」を押して、エフェクトのパターンの設定が初期化されたと思い込んでしまうが、実際にはエフェクトのパターンは全く変化していないという事態が生じ得る。
【0018】
このように、従来製品化されているスイッチャの初期化用のGUI画面では、複数の設定項目のうち、初期設定状態が存在する(パラメータに初期値が存在する)項目と存在しない項目との区別がつきにくく、初期設定状態が存在しない項目について無駄な操作を行ってしまうことがあるため、操作性がよいとは言い難かった。
【0019】
なお、文献上、電子機器がデフォルト(初期)状態から次の状態に移行するのに応じて、同じソフトキーの機能を変化させることによって操作性を高めるようにした技術は、既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この技術は、初期化を行う際の操作性を高めるものではなく、逆に、初期状態からだんだん離れていく際の操作性を高めるものである。初期化を行う際の操作性を高める技術を記載した文献は、調査した範囲では見当たらなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開平7−297891号公報(段落番号0011〜0014、図2〜4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上述の点に鑑み、こうしたスイッチャのように、複数の設定項目についてのパラメータを用いて制御される情報処理装置において、個々の設定項目を初期化する際の操作性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置は、ユーザーの操作入力により、複数の項目の中から、項目のパラメータ設定を行う設定項目を選択する選択手段と、選択手段により選択された設定項目が、パラメータに初期値が存在する項目である場合に、表示画面上に初期化用アイコンを表示させ、選択手段により選択された設定項目が、パラメータに初期値が存在しない項目である場合に、表示画面上に初期化用アイコンを表示させない表示制御手段と、ユーザーの操作入力により、初期化用アイコンの選択が指令された場合に、選択された設定項目のパラメータを初期値に戻す初期化処理手段とを備える。
【0023】
また、本発明に係る設定項目の初期化方法は、複数の設定項目についてのパラメータを用いて制御される情報処理装置における設定項目の初期化方法において、ユーザーの操作入力により、複数の項目の中から、項目のパラメータ設定を行う設定項目を選択する選択ステップと、選択ステップにより選択された設定項目が、パラメータに初期値が存在する項目である場合に、表示画面上に初期化用アイコンを表示させ、選択ステップにより選択された設定項目が、パラメータに初期値が存在しない項目である場合に、表示画面上に初期化用アイコンを表示させない表示制御ステップと、ユーザーの操作入力により、初期化用アイコンの選択が指令された場合に、選択された設定項目のパラメータを初期値に戻す初期化処理ステップとを有する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、GUI画面において、ユーザーがパラメータ入力時に注視するテンキーの表示に付随して、初期化用アイコンを表示する際に、設定項目ごとに、初期値が存在する項目であるかどうかを判断して、初期化アイコンの表示を制御することができる。このため、ユーザーは、この表示を見ただけで、この初期化用アイコンの押下が、現在操作中の設定項目(パラメータ)にのみ作用することを容易に理解しうる。テンキーがポップアップ表示される前のGUI画面上にどんなに多数の表示があったとしても、テンキー操作中はテンキー表示領域のみを注視することで、初期化を含む操作が可能となる。これにより、ユーザーは広いGUI画面上を探すことなく、現在、入力対象としている設定項目の初期化手順を容易に発見できるため、習得が容易となり、操作性を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図2】従来のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図3】従来のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図4】本発明を適用したスイッチャの全体構成を示す図である。
【図5】エフェクトのパターンを例示する図である。
【図6】境界線の位置及び幅を例示する図である。
【図7】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図8】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図9】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図10】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図11】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図12】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図13】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、放送業務用のスイッチャに本発明を適用した例について、図面を用いて具体的に説明する。図4は、本発明を適用するスイッチャの構成の概要を示すブロック図である。このスイッチャは、スイッチャ本体1と、コントロールパネル2とで構成されている。
【0027】
スイッチャ本体1内には、入力選択回路3,画像合成回路4,内部信号発生回路5及び制御部6が設けられている。また、スイッチャ本体1には、複数チャンネルの映像信号(例えばビデオカメラやVTR等からの映像信号)が入力ライン7a〜7fから入力される。
【0028】
入力選択回路3は、各入力ライン7a〜7fを入力バス3a,3bに接続するマトリクス状の選択スイッチ群を有しており、入力バス3a,3bでそれぞれ1つの入力ラインからの映像信号を選択できる。入力バス3a,3bで選択された2つの映像信号は、画像合成回路4に送られる。
【0029】
画像合成回路4は、スイッチャ本体1から出力する映像信号を、入力選択回路3で選択された2つの映像信号のうちの一方の映像信号から残りの一方の映像信号に遷移させるエフェクトを施す回路である。
【0030】
内部信号発生回路5は、画像合成回路4がエフェクトを施す際に2つの映像信号の境界線を表示するためなどに用いられる映像信号を発生する回路であり、この内部信号発生回路5が発生した映像信号も画像合成回路4に送られる。
【0031】
制御部6は、マイクロコンピュータと通信用のインタフェースとで構成されており、コントロールパネル2から送信される情報に基づいてスイッチャ本体1全体を制御する。
【0032】
コントロールパネル2には、操作部8,GUI部9及び制御部10が設けられている。操作部8には、図示は省略するが、スイッチャ本体1を動作させるための各種の操作手段(入力選択回路3で映像信号を選択するための操作釦や、画像合成回路4からの2つの映像信号の出力割合を手動で調整するためのフェーダー・レバー等)が設けられている。
【0033】
GUI部9は、操作部8を操作してスイッチャ本体1を動作させる前に、スイッチャ本体1を動作させるための各種の項目の設定を行うためのものである。GUI部9は、タッチパネル付きの液晶ディスプレイによって構成されており、この液晶ディスプレイに表示されるGUI画面上でこの設定を行うようになっている。
【0034】
制御部10は、マイクロコンピュータと通信用のインタフェースとで構成されており、操作部8での操作結果やGUI部9での設定結果を示す情報を、スイッチャ本体1内の制御部6に送信する。
【0035】
GUI部9では、例えば、エフェクトに関して、次の(1)〜(3)の項目を含む複数の設定項目について、任意にパラメータを入力できるようになっている。
(1)エフェクトのパターン
(2)遷移させる2つの映像信号の境界線の色に関する項目
(3)この境界線の出現位置及び幅
【0036】
図5は、上記項目(1)として設定可能なパターンを例示する図である。エフェクトのパターンについてのパラメータとして或るパターン番号(整数値)を入力すると、図5(a)に例示するように、現在の画像(白地で描いている)が表示されている画面の端から、別の画像(斜線で描いている)が出現し、この別の画像の割合が徐々に増加して、最後には完全にこの別の画像に切り換わるようなパターンに設定される。
【0037】
また、エフェクトのパターンについてのパラメータとして別のパターン番号を入力すると、図5(b)に例示するように、現在の画像(白地で描いている)が表示されている画面の中から、別の画像(斜線で描いている)が出現し、この別の画像の割合が徐々に増加して、最後には完全にこの別の画像に切り換わるようなパターンに設定される。
【0038】
上記項目(2)は、図5に例示したようにして遷移させる2つの映像信号の境界線(図5(a)では縦線、図5(b)では菱形の線)の輝度,彩度及び色相の設定(例えば、明るく鮮やかな青色にしたり、暗く濁った赤色にするという設定)を行う項目であり、輝度,彩度及び色相のパラメータをそれぞれ小数値(小数点以下2桁を最下位の桁とする数値)で入力するようになっている。
【0039】
上記項目(3)は、この図5に例示したような境界線の出現位置及び幅の設定を行う項目である。図6は、図5(b)のエフェクトパターンを例にとって、菱形の境界線の出現位置及び幅を例示する図である。
【0040】
このうち、図6(a)は出現位置を例示した図であり、左側の図では菱形の出現位置pが画面中央になっており、右側の図はこの出現位置pが画面中央よりも左下寄りになっている。この出現位置は、画面中央を表すパラメータを0として、画面の左右方向の位置のパラメータを−4.00〜4.00の範囲で入力するとともに、画面の上下方向の位置のパラメータを−3.00〜3.00の範囲で入力するようになっている。
【0041】
図6(b)は幅の設定結果を例示した図であり、左側の図は菱形の境界線bdの幅が細めになっており、右側の図はこの境界線bdの幅が太めになっている。この幅のパラメータも、小数値(小数点以下2桁を最下位の桁とする数値)で入力するようになっている。
【0042】
これらの設定項目(1)〜(3)のうち、項目(2) 及び(3)については、工場で設定された初期値が存在しており、また、ユーザーがGUI画面上で初期値そのものを変更することも可能になっている。しかし、項目(1) については、初期値は存在していない(ユーザーがパラメータとしてパターン番号を入力したエフェクトが実行されるだけであり、パターン番号の初期値は存在していない)。
【0043】
このように、スイッチャ本体1に対する設定項目には、初期値が存在する項目と存在しない項目とが混在している。制御部10(図4)は、スイッチャ本体1に対する各種の設定項目を、初期値が存在する項目と存在しない項目に区別して記憶するとともに、初期値が存在する項目についての現在の初期値(ユーザーが初期値を変更していない場合には、工場で設定された初期値であり、ユーザーが初期値を変更した場合には、その変更後の初期値である)を記憶している。初期値の記憶について説明を追加すると、この装置は、それぞれの項目について、ユーザーが設定する値を現在の初期値として記憶する機能を有している。ユーザーは初期値(User Default)を設定でき、またそれを解除すると、現在の初期値を、工場出荷時に設定した値(Factory Default)に戻すことができる。このような初期値の設定は、GUI画面を用いて容易に実現できる。
【0044】
図7は、これらの設定項目についてのパラメータを入力したり、個々の設定項目を初期化したりするためにGUI部9に表示されるGUI画面を示す図である。画面中央のメインメニュー欄には、設定項目をグループ化した複数のアイコンが表示される。表示されているアイコンのうち、「Eff Ptn」は、上記(1)のエフェクトに関するアイコンである。「Color」は、上記(2)の境界線の色に関するアイコンである。「Position」は、上記(3) の境界線の出現位置及び幅に関するアイコンである。なお、図7を含む添付図面では、GUI画面について、本発明の特徴に関係する表示のみを描いているが、実際の装置のGUI画面には、ほかにも多数の文字やアイコン等が表示される。
【0045】
ユーザーが、このGUI画面上で、例えばメインメニュー上のアイコン「Color」を押したとする。すると、図8に示すように、画面下側に、境界線の色についての3つの設定項目である輝度(ルミナンス),彩度(サチュレーション),色相(ヒュー)をそれぞれ表す3つのアイコン「Lum」,「Sat」,「Hue」が表示される。各アイコン「Lum」,「Sat」,「Hue」内には、それぞれ現在の輝度,彩度,色相のパラメータ値が棒グラフ及び数値で表示される。前述のように、境界線の輝度,彩度及び色相については、初期値が存在している。
【0046】
ユーザーは、例えば境界線の輝度についての設定を初期化したい場合には、アイコン「Lum」を押す。すると、制御部10(図4)の制御の元で、図9に示すようなポップアップ画面が、図8の画面とは別ウィンドウでGUI部9に表示される。
【0047】
このポップアップ画面には、テンキー21が表示されるとともに、初期化のための釦である「Default Recall」釦22が表示される。また、テンキー21で入力された数値が表示される表示欄23と、このポップアップ画面を閉じるための釦である「Close」釦24も表示される。ユーザーは、このポップアップ画面に「Default Recall」釦22が表示されていることから、釦22が現在着目している設定項目「Lum」(輝度)を初期化する手段であることを、容易に推測できる。また、境界線の輝度が初期化可能な項目であることを、容易且つ正確に確認することができる。
【0048】
ユーザーが、このポップアップ画面上で「Default Recall」釦22を押すと、制御部10が境界線の輝度のパラメータを初期値に戻すとともに、このポップアップ画面が閉じられる。また、図示は省略するが、制御部10の制御の元で、図8の画面のアイコン「Lum」内の棒グラフ及び数値が、初期値を表すように変化する。
【0049】
図8の画面でアイコン「Sat」を押した場合にも、図9に示したのと全く同じポップアップ画面が表示される。そして、「Default Recall」釦22を押すと、制御部10が境界線の彩度のパラメータを初期値に戻すとともに、このポップアップ画面が閉じられ、図8の画面のアイコン「Sat」内の棒グラフ及び数値が初期値を表すように変化する。
【0050】
図8の画面でアイコン「Hue」を押した場合にも、図9に示したのと全く同じポップアップ画面が表示される。そして、「Default Recall」釦22を押すと、制御部10が境界線の色相のパラメータを初期値に戻すとともに、このポップアップ画面が閉じられ、図8の画面のアイコン「Hue」内の棒グラフ及び数値が初期値を表すように変化する。
【0051】
なお、図8の画面でアイコン「Lum」や「Sat」や「Hue」を押すことによって図9のポップアップ画面が表示された後、「Default Recall」釦22を押す代わりにテンキー21で任意のパラメータを入力して「Enter」キーを押すと、その入力結果に従って制御部10が境界線の輝度や彩度や色相を設定するとともに、このポップアップ画面が閉じられる。そして、制御部10の制御の元で、図8の画面のアイコン「Lum」や「Sat」や「Hue」内の棒グラフ及び数値が、テンキー21で入力された値を表すように変化する。
【0052】
また、図9のポップアップ画面が表示された後、「Default Recall」釦22を押す代わりに「Close」釦24を押すと、直ちにこのポップアップ画面が閉じられる。
【0053】
ユーザーが、図7のGUI画面上で、例えばメインメニュー上のアイコン「Eff Ptn」を押したとする。すると、図10に示すように、画面下側に、今度は、エフェクトのパターン(図5参照)を表すアイコン「Ptn No」が表示される。アイコン「Ptn No」内には、現在設定されているパターン番号が表示される。前述のように、このパターン番号については、初期値が存在していない。
【0054】
ユーザーが、エフェクトのパターンを初期化しようとして、このアイコン「Ptn No」を押したとする。すると、制御部10の制御の元で、図11に示すようなポップアップ画面が、図10の画面とは別ウィンドウでGUI部9に表示される。
【0055】
このポップアップ画面には、図9に示したポップアップ画面と同じテンキー21,表示欄23及び「Close」釦24が表示されるが、図9のポップアップ画面のような「Default Recall」釦は表示されない。ユーザーは、このポップアップ画面に「Default Recall」釦が表示されていないことから、エフェクトのパターンが初期化不可能な項目であることを、容易且つ正確に確認することができる。
【0056】
ユーザーは、このようにしてエフェクトのパターンが初期化不可能であることを確認した後、「Close」釦24を押すことによって直ちにこのポップアップ画面を閉じることができる。あるいはまた、初期化に代替する方策として、テンキー21によって直ちにエフェクトのパターンを設定し直すこともできる(その場合には、制御部10の制御の元で、図10の画面のアイコン「Ptn No」内のパターン番号が、テンキー21で入力された値を表すように変化する。)
【0057】
ユーザーが、図7のGUI画面上で、例えばメインメニュー上のアイコン「Position」を押したとする。すると、図12に示すように、画面下側に、今度は、境界線の左右方向の出現位置,上下方向の出現位置,幅(図6参照)をそれぞれ表す3つのアイコン「H Pos」,「V Pos」,「Width」が表示される。各アイコン「H Pos」,「V Pos」,「Width」内には、それぞれ現在の左右方向の出現位置,上下方向の出現位置,幅のパラメータ値が棒グラフ及び数値で表示される。前述のように、境界線の出現位置及び幅については、初期値が存在している。
【0058】
ユーザーは、例えば境界線の左右方向の出現位置についての設定を初期化したい場合には、アイコン「H Pos」を押す。すると、制御部10の制御の元で、図13に示すようなポップアップ画面が、図12の画面とは別ウィンドウでGUI部9に表示される。
【0059】
このポップアップ画面は、図9に示したのと全く同じ画面である。ユーザーは、このポップアップ画面に「Default Recall」釦22が表示されていることから、境界線の左右方向の出現位置が初期化可能な項目であることを、容易且つ正確に確認することができる。
【0060】
ユーザーが、このポップアップ画面上で「Default Recall」釦22を押すと、制御部10が境界線の左右方向の出現位置のパラメータを初期値に戻すとともに、このポップアップ画面が閉じられる。また、制御部10の制御の元で、図12の画面のアイコン「「H Pos」内の棒グラフ及び数値が、初期値を表すように変化する。
【0061】
図12の画面でアイコン「V Pos」を押した場合にも、図13に示したのと全く同じポップアップ画面が表示される。そして、「Default Recall」釦22を押すと、制御部10が境界線の境界線の上下方向の出現位置のパラメータを初期値に戻すとともに、このポップアップ画面が閉じられ、図12の画面のアイコン「V Pos」内の棒グラフ及び数値が初期値を表すように変化する。
【0062】
図12の画面でアイコン「Width」を押した場合にも、図13に示したのと全く同じポップアップ画面が表示される。そして、「Default Recall」釦22を押すと、制御部10が境界線の幅のパラメータを初期値に戻すとともに、このポップアップ画面が閉じられ、図12の画面のアイコン「Width」内の棒グラフ及び数値が、初期値を表すように変化する。
【0063】
また、図12の画面でアイコン「H Pos」や「V Pos」や「Width」を押すことによって図13のポップアップ画面が表示された後、「Default Recall」釦22を押す代わりにテンキー21で任意のパラメータを入力して「Enter」キーを押すと、その入力結果に従って制御部10が境界線の左右方向の出現位置や上下方向の出現位置や幅を設定するとともに、このポップアップ画面が閉じられる。そして、制御部10の制御の元で、図8の画面のアイコン「H Pos」や「V Pos」や「Width」内の棒グラフ及び数値が、テンキー21で入力された値を表すように変化する。
【0064】
また、図13のポップアップ画面が表示された後、「Default Recall」釦22を押す代わりに「Close」釦24を押すと、直ちにこのポップアップ画面が閉じられる。
【0065】
このように、このスイッチャでは、ユーザーは、図7のGUI画面から初期化しようとして指定した設定項目が初期化可能な項目であるか否を、ポップアップ画面上の「Default Recall」釦の表示の有無(図9,図11,図13)に基づいて容易且つ正確に確認することができ、初期化可能な項目である場合にのみ初期化操作(「Default Recall」釦の操作)を行うことができる。これにより、初期化不可能な項目に対して無駄な操作が行われることを防止して、個々の設定項目を初期化する際の操作性を向上させることができる。
【0066】
なお、以上の例では、図7のGUI画面の下側に表示される「Lum」,「Sat」,「Hue」,「Ptn No」等のアイコンを押すことによって、初期化したい項目を指定するようになっており、このアイコンを押した後に、テンキーを設けたポップアップ画面が表示されるようになっている。
【0067】
しかし、別の例として、境界線の輝度,彩度,色相やエフェクトのパターン等の個々の設定項目にそれぞれ固有の項目番号を付与しておくとともに、予めGUI画面にテンキーを表示しておき、そのテンキーで項目番号を入力することによって、初期化したい設定項目を指定する(パラメータに初期値が存在する項目についての項目番号が入力された場合は、そのテンキーの近傍に「Default Recall」釦を表示し、パラメータに初期値が存在しない項目についての項目番号が入力された場合には、「Default Recall」釦を表示しない)ようにしてもよい。それにより、パラメータを入力するためのテンキーを、初期化したい設定項目を指定するための手段として兼用することができるようになる。
【0068】
また、以上の例では、図9のポップアップ画面上で「Default Recall」釦22を押すと、このポップアップ画面が閉じられるようになっている。
【0069】
しかし、別の例として、「Default Recall」釦22による動作を次のようにしても良い。「Default Recall」釦22を押した際に、直ちにパラメータを初期値に戻すのではなく、テンキーのポップアップ画面中の表示欄23に初期値を表示する。そして、 Enter釦が押されれば、その値を確定とし、すなわちパラメータは初期値になる。一方、Close釦24が押されれば、初期値にすることもなく、何もせずにポップアップ画面を終了する。この実施例によると、ポップアップ画面によって初期値の内容を確認してから、本当に適用するか判断ができる。特に、ユーザーが初期値を設定した場合に、適用前に値を確認できることが、有用である。
【0070】
また、以上の例では本発明をスイッチャに適用しているが、本発明は、GUIを備え、初期値が存在する項目を含む複数の設定項目についてのパラメータを用いて制御されるあらゆる業務用・民生用の電子機器に適用することができる。また、本発明は、初期値が存在する項目と存在しない項目とが混在する複数の設定項目についてのパラメータを用いて制御されるあらゆる業務用・民生用の電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 スイッチャ本体、 2 コントロールパネル、 3 入力選択回路、 4 画像合成回路、 5 内部信号発生回路、 9 GUI部、 21 テンキー、 22 「Default Recall」釦
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の設定項目についてのパラメータを用いて制御される情報処理装置に関し、特に、個々の設定項目を初期化する際の操作性を向上させた情報処理装置及びその設定項目の初期化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日普及している業務用・民生用の各種の電子機器では、電子機器を制御するための複数の項目について、ユーザーがテンキー等によって任意のパラメータを入力して設定を行えるようになっているものが少なくない。
【0003】
例えば、放送業務用の電子機器の一種に、スイッチャと呼ばれる画像切り換え装置が存在する。スイッチャは、複数チャンネルの入力映像信号(ビデオカメラやVTR等からの映像信号)中から映像信号を選択し、選択した2つの映像信号のうちの一方の映像信号から残りの一方の映像信号に遷移するようなエフェクトを施した映像信号を出力する装置である。
【0004】
こうしたスイッチャとしては、例えば、エフェクトに関して、次の(1),(2)の項目を含む複数の設定項目について、GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)画面上のテンキーによって任意にパラメータを入力できるようになっているものが製品化されている。
(1)エフェクトのパターン
(2)遷移させる2つの映像信号の境界線の色に関する項目
【0005】
ユーザーは、これらの項目を任意に設定してスイッチャを操作することができるが、その後、いずれかの設定項目を初期化したい(パラメータを、例えば工場で設定された初期値に戻したい)場合がある。そのため、スイッチャとしては、GUI画面で、個々の設定項目を初期化するための操作を行えるようにしたものも既に製品化されている。
【0006】
図1は、そうしたGUI画面を示す図である。画面右上に、初期化のための釦である「Default Recall」釦が設けられている。画面中央のメインメニュー欄には、設定項目をグループ化した複数のアイコンが表示される。表示されているアイコンのうち、「Eff Ptn」は、上記(1)のエフェクトに関するアイコンである。「Color」は、上記(2)の境界線の色に関するアイコンである。
【0007】
このGUI画面上で、個々の設定項目を初期化するための操作手順は、次の通りである。例えば、ユーザーが、境界線の色についての設定を初期化したい場合には、メインメニュー上のアイコン「Color」を押す。すると、図2に示すように、画面下側に、境界線の色についての3つの設定項目である輝度(ルミナンス),彩度(サチュレーション),色相(ヒュー)をそれぞれ表す3つのアイコン「Lum」,「Sat」,「Hue」が表示される。
【0008】
例えば境界線の輝度を初期化したい場合には、「Default Recall」釦を押した後、アイコン「Lum」を押すと、境界線の輝度のパラメータが初期値に戻される。同様にして、「Default Recall」釦を押した後でアイコン「Sat」を押すと、境界線の彩度のパラメータが初期値に戻され、「Default Recall」釦を押した後でアイコン「Hue」を押すと、境界線の色相のパラメータが初期値に戻される。
【0009】
ところが、このような電子機器では、本明細書中で示す機能以外にも、非常に多数の機能を備えており、実際に機器を利用する操作者であっても、全ての機能・操作方法について熟知するのが困難となっている。このため、取扱説明書を熟読しなくても、希望する機能の操作方法を容易に見つけ出せる電子機器が望まれている。
【0010】
この課題に対する一つの解決策として、本明細書でも示すようなGUI画面が設けられており、画面上に機能を説明する文字列や、操作ボタン(スイッチ)、各種の図形・文字列などによる状態を表示をし、見るだけで操作方法を推測できるようにしている。
【0011】
ところで、図1および図2などの添付図面では、本発明の特徴に関係する部分のみを描いているが、実際のこれら電子機器のGUI画面は、多数の機能を制御するため、多数のアイコン釦等が表示されている。このため、説明する文字列を表示をしていても、多数の表示の中から所望のアイコン等を見つけ出すのが難しくなる場合がある。
【0012】
これに対しては、画面を階層的な構造にする解決策がある。すなわち、操作を希望するカテゴリを示すアイコンを指示(押下)すると、ポップアップ表示により新たな画面(窓)を表示し、そのポップアップされた表示の中だけに着目して操作することで、操作対象を絞りこんで、探す手間を省き、使いやすいユーザー・インターフェースを実現している。
【0013】
従来技術の電子機器においては、パラメータの初期化には、「Default Recall」釦を押した後で該当パラメータのアイコンを押す、という手順であった。しかし、「Default Recall」釦は、常時画面に表示されているが、何に対して有効なのか、どの順序で使うのか、画面を見ただけでは分かりにくいという問題があった。
【0014】
また、パラメータ(設定項目)に対して数値を入力する際は、該当パラメータを指示する操作を行うことでポップアップでテンキーを表示し、テンキーに数値を入力し、確定するという方法が提供されている。操作者は、このようなテンキー入力の操作に習熟しても、従来技術の「Default Recall」釦の操作は推測が困難で、別途習得する必要があるという問題があった。
【0015】
一方、図1のGUI画面において、ユーザーが、エフェクトに関する設定を初期化しようとして、メインメニュー上のアイコン「Eff Ptn」を押したとする。すると、図3に示すように、画面下側に、今度は、エフェクトのパターンを表すアイコン「Ptn No」が表示される。
【0016】
ところが、このスイッチャでは、エフェクトのパターンについては、もともと初期設定状態が存在しない(ユーザーがパラメータとしてパターン番号を入力したエフェクトが実行されるだけであり、パターン番号の初期値は存在しない)ので、初期化は不可能である。
【0017】
しかし、ユーザーにとっては、この画面上ではそうしたことは分からない。そのため、「Default Recall」釦を押した後、アイコン「Ptn No」を押して、エフェクトのパターンの設定が初期化されたと思い込んでしまうが、実際にはエフェクトのパターンは全く変化していないという事態が生じ得る。
【0018】
このように、従来製品化されているスイッチャの初期化用のGUI画面では、複数の設定項目のうち、初期設定状態が存在する(パラメータに初期値が存在する)項目と存在しない項目との区別がつきにくく、初期設定状態が存在しない項目について無駄な操作を行ってしまうことがあるため、操作性がよいとは言い難かった。
【0019】
なお、文献上、電子機器がデフォルト(初期)状態から次の状態に移行するのに応じて、同じソフトキーの機能を変化させることによって操作性を高めるようにした技術は、既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この技術は、初期化を行う際の操作性を高めるものではなく、逆に、初期状態からだんだん離れていく際の操作性を高めるものである。初期化を行う際の操作性を高める技術を記載した文献は、調査した範囲では見当たらなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開平7−297891号公報(段落番号0011〜0014、図2〜4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上述の点に鑑み、こうしたスイッチャのように、複数の設定項目についてのパラメータを用いて制御される情報処理装置において、個々の設定項目を初期化する際の操作性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置は、ユーザーの操作入力により、複数の項目の中から、項目のパラメータ設定を行う設定項目を選択する選択手段と、選択手段により選択された設定項目が、パラメータに初期値が存在する項目である場合に、表示画面上に初期化用アイコンを表示させ、選択手段により選択された設定項目が、パラメータに初期値が存在しない項目である場合に、表示画面上に初期化用アイコンを表示させない表示制御手段と、ユーザーの操作入力により、初期化用アイコンの選択が指令された場合に、選択された設定項目のパラメータを初期値に戻す初期化処理手段とを備える。
【0023】
また、本発明に係る設定項目の初期化方法は、複数の設定項目についてのパラメータを用いて制御される情報処理装置における設定項目の初期化方法において、ユーザーの操作入力により、複数の項目の中から、項目のパラメータ設定を行う設定項目を選択する選択ステップと、選択ステップにより選択された設定項目が、パラメータに初期値が存在する項目である場合に、表示画面上に初期化用アイコンを表示させ、選択ステップにより選択された設定項目が、パラメータに初期値が存在しない項目である場合に、表示画面上に初期化用アイコンを表示させない表示制御ステップと、ユーザーの操作入力により、初期化用アイコンの選択が指令された場合に、選択された設定項目のパラメータを初期値に戻す初期化処理ステップとを有する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、GUI画面において、ユーザーがパラメータ入力時に注視するテンキーの表示に付随して、初期化用アイコンを表示する際に、設定項目ごとに、初期値が存在する項目であるかどうかを判断して、初期化アイコンの表示を制御することができる。このため、ユーザーは、この表示を見ただけで、この初期化用アイコンの押下が、現在操作中の設定項目(パラメータ)にのみ作用することを容易に理解しうる。テンキーがポップアップ表示される前のGUI画面上にどんなに多数の表示があったとしても、テンキー操作中はテンキー表示領域のみを注視することで、初期化を含む操作が可能となる。これにより、ユーザーは広いGUI画面上を探すことなく、現在、入力対象としている設定項目の初期化手順を容易に発見できるため、習得が容易となり、操作性を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図2】従来のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図3】従来のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図4】本発明を適用したスイッチャの全体構成を示す図である。
【図5】エフェクトのパターンを例示する図である。
【図6】境界線の位置及び幅を例示する図である。
【図7】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図8】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図9】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図10】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図11】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図12】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【図13】図4のスイッチャの初期化用のGUI画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、放送業務用のスイッチャに本発明を適用した例について、図面を用いて具体的に説明する。図4は、本発明を適用するスイッチャの構成の概要を示すブロック図である。このスイッチャは、スイッチャ本体1と、コントロールパネル2とで構成されている。
【0027】
スイッチャ本体1内には、入力選択回路3,画像合成回路4,内部信号発生回路5及び制御部6が設けられている。また、スイッチャ本体1には、複数チャンネルの映像信号(例えばビデオカメラやVTR等からの映像信号)が入力ライン7a〜7fから入力される。
【0028】
入力選択回路3は、各入力ライン7a〜7fを入力バス3a,3bに接続するマトリクス状の選択スイッチ群を有しており、入力バス3a,3bでそれぞれ1つの入力ラインからの映像信号を選択できる。入力バス3a,3bで選択された2つの映像信号は、画像合成回路4に送られる。
【0029】
画像合成回路4は、スイッチャ本体1から出力する映像信号を、入力選択回路3で選択された2つの映像信号のうちの一方の映像信号から残りの一方の映像信号に遷移させるエフェクトを施す回路である。
【0030】
内部信号発生回路5は、画像合成回路4がエフェクトを施す際に2つの映像信号の境界線を表示するためなどに用いられる映像信号を発生する回路であり、この内部信号発生回路5が発生した映像信号も画像合成回路4に送られる。
【0031】
制御部6は、マイクロコンピュータと通信用のインタフェースとで構成されており、コントロールパネル2から送信される情報に基づいてスイッチャ本体1全体を制御する。
【0032】
コントロールパネル2には、操作部8,GUI部9及び制御部10が設けられている。操作部8には、図示は省略するが、スイッチャ本体1を動作させるための各種の操作手段(入力選択回路3で映像信号を選択するための操作釦や、画像合成回路4からの2つの映像信号の出力割合を手動で調整するためのフェーダー・レバー等)が設けられている。
【0033】
GUI部9は、操作部8を操作してスイッチャ本体1を動作させる前に、スイッチャ本体1を動作させるための各種の項目の設定を行うためのものである。GUI部9は、タッチパネル付きの液晶ディスプレイによって構成されており、この液晶ディスプレイに表示されるGUI画面上でこの設定を行うようになっている。
【0034】
制御部10は、マイクロコンピュータと通信用のインタフェースとで構成されており、操作部8での操作結果やGUI部9での設定結果を示す情報を、スイッチャ本体1内の制御部6に送信する。
【0035】
GUI部9では、例えば、エフェクトに関して、次の(1)〜(3)の項目を含む複数の設定項目について、任意にパラメータを入力できるようになっている。
(1)エフェクトのパターン
(2)遷移させる2つの映像信号の境界線の色に関する項目
(3)この境界線の出現位置及び幅
【0036】
図5は、上記項目(1)として設定可能なパターンを例示する図である。エフェクトのパターンについてのパラメータとして或るパターン番号(整数値)を入力すると、図5(a)に例示するように、現在の画像(白地で描いている)が表示されている画面の端から、別の画像(斜線で描いている)が出現し、この別の画像の割合が徐々に増加して、最後には完全にこの別の画像に切り換わるようなパターンに設定される。
【0037】
また、エフェクトのパターンについてのパラメータとして別のパターン番号を入力すると、図5(b)に例示するように、現在の画像(白地で描いている)が表示されている画面の中から、別の画像(斜線で描いている)が出現し、この別の画像の割合が徐々に増加して、最後には完全にこの別の画像に切り換わるようなパターンに設定される。
【0038】
上記項目(2)は、図5に例示したようにして遷移させる2つの映像信号の境界線(図5(a)では縦線、図5(b)では菱形の線)の輝度,彩度及び色相の設定(例えば、明るく鮮やかな青色にしたり、暗く濁った赤色にするという設定)を行う項目であり、輝度,彩度及び色相のパラメータをそれぞれ小数値(小数点以下2桁を最下位の桁とする数値)で入力するようになっている。
【0039】
上記項目(3)は、この図5に例示したような境界線の出現位置及び幅の設定を行う項目である。図6は、図5(b)のエフェクトパターンを例にとって、菱形の境界線の出現位置及び幅を例示する図である。
【0040】
このうち、図6(a)は出現位置を例示した図であり、左側の図では菱形の出現位置pが画面中央になっており、右側の図はこの出現位置pが画面中央よりも左下寄りになっている。この出現位置は、画面中央を表すパラメータを0として、画面の左右方向の位置のパラメータを−4.00〜4.00の範囲で入力するとともに、画面の上下方向の位置のパラメータを−3.00〜3.00の範囲で入力するようになっている。
【0041】
図6(b)は幅の設定結果を例示した図であり、左側の図は菱形の境界線bdの幅が細めになっており、右側の図はこの境界線bdの幅が太めになっている。この幅のパラメータも、小数値(小数点以下2桁を最下位の桁とする数値)で入力するようになっている。
【0042】
これらの設定項目(1)〜(3)のうち、項目(2) 及び(3)については、工場で設定された初期値が存在しており、また、ユーザーがGUI画面上で初期値そのものを変更することも可能になっている。しかし、項目(1) については、初期値は存在していない(ユーザーがパラメータとしてパターン番号を入力したエフェクトが実行されるだけであり、パターン番号の初期値は存在していない)。
【0043】
このように、スイッチャ本体1に対する設定項目には、初期値が存在する項目と存在しない項目とが混在している。制御部10(図4)は、スイッチャ本体1に対する各種の設定項目を、初期値が存在する項目と存在しない項目に区別して記憶するとともに、初期値が存在する項目についての現在の初期値(ユーザーが初期値を変更していない場合には、工場で設定された初期値であり、ユーザーが初期値を変更した場合には、その変更後の初期値である)を記憶している。初期値の記憶について説明を追加すると、この装置は、それぞれの項目について、ユーザーが設定する値を現在の初期値として記憶する機能を有している。ユーザーは初期値(User Default)を設定でき、またそれを解除すると、現在の初期値を、工場出荷時に設定した値(Factory Default)に戻すことができる。このような初期値の設定は、GUI画面を用いて容易に実現できる。
【0044】
図7は、これらの設定項目についてのパラメータを入力したり、個々の設定項目を初期化したりするためにGUI部9に表示されるGUI画面を示す図である。画面中央のメインメニュー欄には、設定項目をグループ化した複数のアイコンが表示される。表示されているアイコンのうち、「Eff Ptn」は、上記(1)のエフェクトに関するアイコンである。「Color」は、上記(2)の境界線の色に関するアイコンである。「Position」は、上記(3) の境界線の出現位置及び幅に関するアイコンである。なお、図7を含む添付図面では、GUI画面について、本発明の特徴に関係する表示のみを描いているが、実際の装置のGUI画面には、ほかにも多数の文字やアイコン等が表示される。
【0045】
ユーザーが、このGUI画面上で、例えばメインメニュー上のアイコン「Color」を押したとする。すると、図8に示すように、画面下側に、境界線の色についての3つの設定項目である輝度(ルミナンス),彩度(サチュレーション),色相(ヒュー)をそれぞれ表す3つのアイコン「Lum」,「Sat」,「Hue」が表示される。各アイコン「Lum」,「Sat」,「Hue」内には、それぞれ現在の輝度,彩度,色相のパラメータ値が棒グラフ及び数値で表示される。前述のように、境界線の輝度,彩度及び色相については、初期値が存在している。
【0046】
ユーザーは、例えば境界線の輝度についての設定を初期化したい場合には、アイコン「Lum」を押す。すると、制御部10(図4)の制御の元で、図9に示すようなポップアップ画面が、図8の画面とは別ウィンドウでGUI部9に表示される。
【0047】
このポップアップ画面には、テンキー21が表示されるとともに、初期化のための釦である「Default Recall」釦22が表示される。また、テンキー21で入力された数値が表示される表示欄23と、このポップアップ画面を閉じるための釦である「Close」釦24も表示される。ユーザーは、このポップアップ画面に「Default Recall」釦22が表示されていることから、釦22が現在着目している設定項目「Lum」(輝度)を初期化する手段であることを、容易に推測できる。また、境界線の輝度が初期化可能な項目であることを、容易且つ正確に確認することができる。
【0048】
ユーザーが、このポップアップ画面上で「Default Recall」釦22を押すと、制御部10が境界線の輝度のパラメータを初期値に戻すとともに、このポップアップ画面が閉じられる。また、図示は省略するが、制御部10の制御の元で、図8の画面のアイコン「Lum」内の棒グラフ及び数値が、初期値を表すように変化する。
【0049】
図8の画面でアイコン「Sat」を押した場合にも、図9に示したのと全く同じポップアップ画面が表示される。そして、「Default Recall」釦22を押すと、制御部10が境界線の彩度のパラメータを初期値に戻すとともに、このポップアップ画面が閉じられ、図8の画面のアイコン「Sat」内の棒グラフ及び数値が初期値を表すように変化する。
【0050】
図8の画面でアイコン「Hue」を押した場合にも、図9に示したのと全く同じポップアップ画面が表示される。そして、「Default Recall」釦22を押すと、制御部10が境界線の色相のパラメータを初期値に戻すとともに、このポップアップ画面が閉じられ、図8の画面のアイコン「Hue」内の棒グラフ及び数値が初期値を表すように変化する。
【0051】
なお、図8の画面でアイコン「Lum」や「Sat」や「Hue」を押すことによって図9のポップアップ画面が表示された後、「Default Recall」釦22を押す代わりにテンキー21で任意のパラメータを入力して「Enter」キーを押すと、その入力結果に従って制御部10が境界線の輝度や彩度や色相を設定するとともに、このポップアップ画面が閉じられる。そして、制御部10の制御の元で、図8の画面のアイコン「Lum」や「Sat」や「Hue」内の棒グラフ及び数値が、テンキー21で入力された値を表すように変化する。
【0052】
また、図9のポップアップ画面が表示された後、「Default Recall」釦22を押す代わりに「Close」釦24を押すと、直ちにこのポップアップ画面が閉じられる。
【0053】
ユーザーが、図7のGUI画面上で、例えばメインメニュー上のアイコン「Eff Ptn」を押したとする。すると、図10に示すように、画面下側に、今度は、エフェクトのパターン(図5参照)を表すアイコン「Ptn No」が表示される。アイコン「Ptn No」内には、現在設定されているパターン番号が表示される。前述のように、このパターン番号については、初期値が存在していない。
【0054】
ユーザーが、エフェクトのパターンを初期化しようとして、このアイコン「Ptn No」を押したとする。すると、制御部10の制御の元で、図11に示すようなポップアップ画面が、図10の画面とは別ウィンドウでGUI部9に表示される。
【0055】
このポップアップ画面には、図9に示したポップアップ画面と同じテンキー21,表示欄23及び「Close」釦24が表示されるが、図9のポップアップ画面のような「Default Recall」釦は表示されない。ユーザーは、このポップアップ画面に「Default Recall」釦が表示されていないことから、エフェクトのパターンが初期化不可能な項目であることを、容易且つ正確に確認することができる。
【0056】
ユーザーは、このようにしてエフェクトのパターンが初期化不可能であることを確認した後、「Close」釦24を押すことによって直ちにこのポップアップ画面を閉じることができる。あるいはまた、初期化に代替する方策として、テンキー21によって直ちにエフェクトのパターンを設定し直すこともできる(その場合には、制御部10の制御の元で、図10の画面のアイコン「Ptn No」内のパターン番号が、テンキー21で入力された値を表すように変化する。)
【0057】
ユーザーが、図7のGUI画面上で、例えばメインメニュー上のアイコン「Position」を押したとする。すると、図12に示すように、画面下側に、今度は、境界線の左右方向の出現位置,上下方向の出現位置,幅(図6参照)をそれぞれ表す3つのアイコン「H Pos」,「V Pos」,「Width」が表示される。各アイコン「H Pos」,「V Pos」,「Width」内には、それぞれ現在の左右方向の出現位置,上下方向の出現位置,幅のパラメータ値が棒グラフ及び数値で表示される。前述のように、境界線の出現位置及び幅については、初期値が存在している。
【0058】
ユーザーは、例えば境界線の左右方向の出現位置についての設定を初期化したい場合には、アイコン「H Pos」を押す。すると、制御部10の制御の元で、図13に示すようなポップアップ画面が、図12の画面とは別ウィンドウでGUI部9に表示される。
【0059】
このポップアップ画面は、図9に示したのと全く同じ画面である。ユーザーは、このポップアップ画面に「Default Recall」釦22が表示されていることから、境界線の左右方向の出現位置が初期化可能な項目であることを、容易且つ正確に確認することができる。
【0060】
ユーザーが、このポップアップ画面上で「Default Recall」釦22を押すと、制御部10が境界線の左右方向の出現位置のパラメータを初期値に戻すとともに、このポップアップ画面が閉じられる。また、制御部10の制御の元で、図12の画面のアイコン「「H Pos」内の棒グラフ及び数値が、初期値を表すように変化する。
【0061】
図12の画面でアイコン「V Pos」を押した場合にも、図13に示したのと全く同じポップアップ画面が表示される。そして、「Default Recall」釦22を押すと、制御部10が境界線の境界線の上下方向の出現位置のパラメータを初期値に戻すとともに、このポップアップ画面が閉じられ、図12の画面のアイコン「V Pos」内の棒グラフ及び数値が初期値を表すように変化する。
【0062】
図12の画面でアイコン「Width」を押した場合にも、図13に示したのと全く同じポップアップ画面が表示される。そして、「Default Recall」釦22を押すと、制御部10が境界線の幅のパラメータを初期値に戻すとともに、このポップアップ画面が閉じられ、図12の画面のアイコン「Width」内の棒グラフ及び数値が、初期値を表すように変化する。
【0063】
また、図12の画面でアイコン「H Pos」や「V Pos」や「Width」を押すことによって図13のポップアップ画面が表示された後、「Default Recall」釦22を押す代わりにテンキー21で任意のパラメータを入力して「Enter」キーを押すと、その入力結果に従って制御部10が境界線の左右方向の出現位置や上下方向の出現位置や幅を設定するとともに、このポップアップ画面が閉じられる。そして、制御部10の制御の元で、図8の画面のアイコン「H Pos」や「V Pos」や「Width」内の棒グラフ及び数値が、テンキー21で入力された値を表すように変化する。
【0064】
また、図13のポップアップ画面が表示された後、「Default Recall」釦22を押す代わりに「Close」釦24を押すと、直ちにこのポップアップ画面が閉じられる。
【0065】
このように、このスイッチャでは、ユーザーは、図7のGUI画面から初期化しようとして指定した設定項目が初期化可能な項目であるか否を、ポップアップ画面上の「Default Recall」釦の表示の有無(図9,図11,図13)に基づいて容易且つ正確に確認することができ、初期化可能な項目である場合にのみ初期化操作(「Default Recall」釦の操作)を行うことができる。これにより、初期化不可能な項目に対して無駄な操作が行われることを防止して、個々の設定項目を初期化する際の操作性を向上させることができる。
【0066】
なお、以上の例では、図7のGUI画面の下側に表示される「Lum」,「Sat」,「Hue」,「Ptn No」等のアイコンを押すことによって、初期化したい項目を指定するようになっており、このアイコンを押した後に、テンキーを設けたポップアップ画面が表示されるようになっている。
【0067】
しかし、別の例として、境界線の輝度,彩度,色相やエフェクトのパターン等の個々の設定項目にそれぞれ固有の項目番号を付与しておくとともに、予めGUI画面にテンキーを表示しておき、そのテンキーで項目番号を入力することによって、初期化したい設定項目を指定する(パラメータに初期値が存在する項目についての項目番号が入力された場合は、そのテンキーの近傍に「Default Recall」釦を表示し、パラメータに初期値が存在しない項目についての項目番号が入力された場合には、「Default Recall」釦を表示しない)ようにしてもよい。それにより、パラメータを入力するためのテンキーを、初期化したい設定項目を指定するための手段として兼用することができるようになる。
【0068】
また、以上の例では、図9のポップアップ画面上で「Default Recall」釦22を押すと、このポップアップ画面が閉じられるようになっている。
【0069】
しかし、別の例として、「Default Recall」釦22による動作を次のようにしても良い。「Default Recall」釦22を押した際に、直ちにパラメータを初期値に戻すのではなく、テンキーのポップアップ画面中の表示欄23に初期値を表示する。そして、 Enter釦が押されれば、その値を確定とし、すなわちパラメータは初期値になる。一方、Close釦24が押されれば、初期値にすることもなく、何もせずにポップアップ画面を終了する。この実施例によると、ポップアップ画面によって初期値の内容を確認してから、本当に適用するか判断ができる。特に、ユーザーが初期値を設定した場合に、適用前に値を確認できることが、有用である。
【0070】
また、以上の例では本発明をスイッチャに適用しているが、本発明は、GUIを備え、初期値が存在する項目を含む複数の設定項目についてのパラメータを用いて制御されるあらゆる業務用・民生用の電子機器に適用することができる。また、本発明は、初期値が存在する項目と存在しない項目とが混在する複数の設定項目についてのパラメータを用いて制御されるあらゆる業務用・民生用の電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 スイッチャ本体、 2 コントロールパネル、 3 入力選択回路、 4 画像合成回路、 5 内部信号発生回路、 9 GUI部、 21 テンキー、 22 「Default Recall」釦
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの操作入力により、複数の項目の中から、前記項目のパラメータ設定を行う設定項目を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された設定項目が、前記パラメータに初期値が存在する項目である場合に、表示画面上に前記初期化用アイコンを表示させ、前記選択手段により選択された設定項目が、前記パラメータに初期値が存在しない項目である場合に、前記表示画面上に前記初期化用アイコンを表示させない表示制御手段と、
前記ユーザーの操作入力により、前記初期化用アイコンの選択が指令された場合に、前記選択された設定項目のパラメータを前記初期値に戻す初期化処理手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記複数の設定項目は、前記設定項目のパラメータに初期値が存在する項目と、前記設定項目のパラメータに初期値が存在しない項目とを含んでいる
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定項目のパラメータに初期値が存在する項目は、映像信号の色に関する項目を含んでおり、
前記設定項目のパラメータに初期値が存在しない項目は、エフェクトのパターンを含む
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
入力される複数の前記映像信号の中から映像信号を選択する入力選択回路と、
出力される映像信号を、前記入力選択回路で選択された2つの映像信号のうちの一方の映像信号から残りの一方の映像信号に遷移させるエフェクトを施す画像合成回路と、
前記2つの映像信号の境界線を表示するための映像信号を発生する内部信号発生回路とを有しており、
前記映像信号の色に関する項目は、前記内部信号発生回路により発生する前記境界線を表示するための映像信号の色に関する項目であり、
前記エフェクトのパターンは、前記画像合成回路により施されるエフェクトのパターンである
請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数の設定項目について、設定された初期値を記憶する初期値記憶手段をさらに備える
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記初期値記憶手段は、前記ユーザーの操作入力により前記初期値の変更が指令された場合に、変更後の値を前記初期値として記憶する
請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記初期値記憶手段は、前記ユーザーの操作入力により前記初期値の変更の解除が指令された場合に、前記初期値として記憶する値を、工場の出荷時に設定された値に戻す
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記表示画面上に前記選択手段により選択された設定項目のパラメータを入力するためのテンキーを表示させる
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記表示画面上に前記選択手段により選択された設定項目のパラメータを入力するための、数値入力キーと数値表示手段と確定キーとを含んでいるテンキーを表示させ、
前記数値表示手段は、前記初期化用アイコンの選択が指令された場合に、前記選択された設定項目のパラメータの前記初期値を確定前候補として表示させ、
前記初期化処理手段は、前記数値表示手段に前記初期値が表示された後、前記確定キーが操作されたことに応じて、前記選択された設定項目のパラメータを前記初期値に戻す
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項10】
各々の前記設定項目にそれぞれ固有の項目番号が付与されており、
前記選択手段は、前記テンキーで前記項目番号を入力することにより実現される
請求項8記載の情報処理装置。
【請求項11】
複数の設定項目についてのパラメータを用いて制御される情報処理装置における設定項目の初期化方法において、
ユーザーの操作入力により、複数の項目の中から、前記項目のパラメータ設定を行う設定項目を選択する選択ステップと、
前記選択ステップにより選択された設定項目が、前記パラメータに初期値が存在する項目である場合に、表示画面上に前記初期化用アイコンを表示させ、前記選択ステップにより選択された設定項目が、前記パラメータに初期値が存在しない項目である場合に、前記表示画面上に前記初期化用アイコンを表示させない表示制御ステップと、
前記ユーザーの操作入力により、前記初期化用アイコンの選択が指令された場合に、前記選択された設定項目のパラメータを前記初期値に戻す初期化処理ステップと
を有する設定項目の初期化方法。
【請求項1】
ユーザーの操作入力により、複数の項目の中から、前記項目のパラメータ設定を行う設定項目を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された設定項目が、前記パラメータに初期値が存在する項目である場合に、表示画面上に前記初期化用アイコンを表示させ、前記選択手段により選択された設定項目が、前記パラメータに初期値が存在しない項目である場合に、前記表示画面上に前記初期化用アイコンを表示させない表示制御手段と、
前記ユーザーの操作入力により、前記初期化用アイコンの選択が指令された場合に、前記選択された設定項目のパラメータを前記初期値に戻す初期化処理手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記複数の設定項目は、前記設定項目のパラメータに初期値が存在する項目と、前記設定項目のパラメータに初期値が存在しない項目とを含んでいる
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定項目のパラメータに初期値が存在する項目は、映像信号の色に関する項目を含んでおり、
前記設定項目のパラメータに初期値が存在しない項目は、エフェクトのパターンを含む
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
入力される複数の前記映像信号の中から映像信号を選択する入力選択回路と、
出力される映像信号を、前記入力選択回路で選択された2つの映像信号のうちの一方の映像信号から残りの一方の映像信号に遷移させるエフェクトを施す画像合成回路と、
前記2つの映像信号の境界線を表示するための映像信号を発生する内部信号発生回路とを有しており、
前記映像信号の色に関する項目は、前記内部信号発生回路により発生する前記境界線を表示するための映像信号の色に関する項目であり、
前記エフェクトのパターンは、前記画像合成回路により施されるエフェクトのパターンである
請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数の設定項目について、設定された初期値を記憶する初期値記憶手段をさらに備える
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記初期値記憶手段は、前記ユーザーの操作入力により前記初期値の変更が指令された場合に、変更後の値を前記初期値として記憶する
請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記初期値記憶手段は、前記ユーザーの操作入力により前記初期値の変更の解除が指令された場合に、前記初期値として記憶する値を、工場の出荷時に設定された値に戻す
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記表示画面上に前記選択手段により選択された設定項目のパラメータを入力するためのテンキーを表示させる
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記表示画面上に前記選択手段により選択された設定項目のパラメータを入力するための、数値入力キーと数値表示手段と確定キーとを含んでいるテンキーを表示させ、
前記数値表示手段は、前記初期化用アイコンの選択が指令された場合に、前記選択された設定項目のパラメータの前記初期値を確定前候補として表示させ、
前記初期化処理手段は、前記数値表示手段に前記初期値が表示された後、前記確定キーが操作されたことに応じて、前記選択された設定項目のパラメータを前記初期値に戻す
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項10】
各々の前記設定項目にそれぞれ固有の項目番号が付与されており、
前記選択手段は、前記テンキーで前記項目番号を入力することにより実現される
請求項8記載の情報処理装置。
【請求項11】
複数の設定項目についてのパラメータを用いて制御される情報処理装置における設定項目の初期化方法において、
ユーザーの操作入力により、複数の項目の中から、前記項目のパラメータ設定を行う設定項目を選択する選択ステップと、
前記選択ステップにより選択された設定項目が、前記パラメータに初期値が存在する項目である場合に、表示画面上に前記初期化用アイコンを表示させ、前記選択ステップにより選択された設定項目が、前記パラメータに初期値が存在しない項目である場合に、前記表示画面上に前記初期化用アイコンを表示させない表示制御ステップと、
前記ユーザーの操作入力により、前記初期化用アイコンの選択が指令された場合に、前記選択された設定項目のパラメータを前記初期値に戻す初期化処理ステップと
を有する設定項目の初期化方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−259078(P2010−259078A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124495(P2010−124495)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【分割の表示】特願2005−326381(P2005−326381)の分割
【原出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【分割の表示】特願2005−326381(P2005−326381)の分割
【原出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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