説明

情報処理装置及びプログラム

【課題】クライアント装置の表示画面領域をテキスト入力エリアが無駄に占めてしまうことなく、なるべく多くの情報を表示させることが可能になるサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置を提供する。
【解決手段】クライアント装置からの入力イベントに応じて生成される描画データGにテキスト入力エリアTAが含まれる場合、当該テキスト入力エリアTAに文字が入力されているか否かを判断し、この文字入力の判断結果に応じて当該描画データG内のテキスト入力エリアTAをその余白部分が小さくなるようサイズ変更する。具体的には、文字が未入力の場合は1行分の高さにサイズ変更し、文字入力がある場合はその文字の表示に必要な行数分の高さにサイズ変更する。そして前記テキスト入力エリアTAがサイズ変更された状態で描画データGを更新し前記イベント入力元のクライアント装置へ送信転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続されたサーバ・クライアント・システムにおいて、クライアント装置にて入出力・表示される全てのアプリケーションをサーバ装置上で動作させるようにしたサーバベース・コンピューティング・システム(SBC)のサーバ装置およびサーバ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、社内LANなどのネットワークに接続された各端末装置(PC端末)では、その個々の端末装置が独立して文書作成や表作成などのアプリケーションを起動実行し、またこれに伴い生成された種々のファイルも当該端末装置において自身の記憶装置に保存、あるいは磁気ディスク,光ディスク,小型半導体メモリ等の外部記憶媒体に保存するか、ネットワーク上のサーバ装置が管理する記憶装置に転送して保存している。
【0003】
このような従来のサーバ・クライアント・システムでは、各端末装置自身において生成ファイルが管理されるため、当該端末装置を紛失したり不正に持ち出したりして第3者の手に渡った場合、保存ファイルが読み出されて重要情報や機密情報が漏洩する恐れがある。
【0004】
しかも、各端末装置が独立してアプリケーションを起動実行していたのでは、当該アプリケーションの更新,変更,追加の作業を個々の端末装置毎に行う必要があり、管理が面倒でコストも掛かってしまう。
【0005】
このため近年のサーバ・クライアント・システムでは、各端末装置にて入出力・表示される全てのアプリケーションをサーバ装置上で起動実行させ、これに伴う全ての生成ファイルもサーバ装置側で管理するようにしたSBC(Server Based Computing)システムが導入されるようになっている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0006】
このようなサーバベース・コンピューティング・システムでは、サーバ装置側で実行されるアプリケーションソフトの描画データが端末装置(クライアント装置)に転送されて該クライアント装置にてこの描画データを表示するものである(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
そして、最近このサーバベース・コンピューティング・システムでも、携帯電話機のように表示画面の小さな携帯端末をクライアント装置として使用することが考えられている(例えば、特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−171063号公報
【特許文献2】特開2003−158534号公報
【特許文献3】特表2004−503862号公報
【特許文献4】特開2004−348380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記従来のサーバベース・コンピューティング・システムにおいて、クライアント装置として表示画面の小さな携帯端末を使用した場合、サーバ装置から取得される表示画面データ(描画データ)は通常PC端末の画面サイズに対応させて生成されているために、当該携帯端末の表示画面にて表示される描画データの領域はその一部の領域となる。このため、Webページなどの描画データにおいて例えばボックスで囲んだテキスト入力エリアが存在し、当該描画データ上のテキスト入力エリアが表示画面にて表示される領域に入った場合、その表示画面の領域をテキスト入力エリアが広範囲に占めてしまう状態となり、その他の情報の表示が乏しくなってしまう。
【0010】
特に、前記テキスト入力エリアに何のテキストも入力されていなかったり、少しのテキストしか入力されていなかったりした場合、当該テキスト入力エリアの余白ばかりが無駄に目立ってしまう状態になる。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、クライアント装置の表示画面領域をテキスト入力エリアが無駄に占めてしまうことなく、なるべく多くの情報を表示させることが可能になるサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置およびサーバ制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載のサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置は、クライアント装置からの入力イベントに応じて描画データを生成する描画データ生成手段と、この描画データ生成手段により生成された描画データにテキスト入力エリアが含まれるか否かを判断するテキストエリア判断手段と、このテキストエリア判断手段により前記描画データにテキスト入力エリアが含まれると判断された場合に、当該テキスト入力エリアに入力されている文字が有るか否かを判断する文字入力判断手段と、この文字入力判断手段により判断結果に応じて、前記描画データに含まれるテキスト入力エリアのエリアサイズを小さく変更するテキストエリアのサイズ変更手段と、前記テキストエリアのサイズ変更手段によりサイズ変更されたテキスト入力エリアで前記描画データの描画を更新する描画更新手段と、この描画更新手段により更新された描画データを前記クライアント装置へ送信する描画データ送信手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載のサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置は、前記請求項1に記載のサーバ装置において、前記テキストエリアのサイズ変更手段は、前記文字入力判断手段により前記テキスト入力エリアに入力されている文字が有ると判断された場合には、当該テキスト入力エリアのエリアサイズをその文字の表示行数に対応する高さに変更する行数対応サイズ変更手段を有する、ことを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載のサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置は、前記請求項2に記載のサーバ装置において、前記テキストエリアのサイズ変更手段は、前記文字入力判断手段により前記テキスト入力エリアに入力されている文字が無いと判断された場合には、当該テキスト入力エリアのエリアサイズを1行に対応する高さに変更する1行対応サイズ変更手段を有する、ことを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載のサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置は、前記請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のサーバ装置において、前記クライアント装置からの入力イベントが前記描画データに含まれるテキスト入力エリアを指定した入力イベントであるか否かを判断するエリア指定判断手段と、このエリア指定判断手段により前記入力イベントが前記描画データに含まれるテキスト入力エリアを指定した入力イベントであると判断された場合に、当該テキスト入力エリアに入力された文字のフォントサイズを上げるフォントサイズ上げ手段と、このフォントサイズ上げ手段により前記テキスト入力エリアに入力された文字のフォントサイズを上げた後に、当該テキスト入力エリアのエリアサイズを変更する第2のテキストエリアサイズ変更手段と、をさらに備えたことを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載のサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置は、前記請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のサーバ装置において、前記クライアント装置からの入力イベントが前記描画データに含まれるテキスト入力エリアの指定を外した入力イベントであるか否かを判断する指定外し判断手段と、この指定外し判断手段により前記入力イベントが前記描画データに含まれるテキスト入力エリアの指定を外した入力イベントであると判断された場合に、当該テキスト入力エリアに入力された文字のフォントサイズを下げるフォントサイズ下げ手段と、このフォントサイズ下げ手段により前記テキスト入力エリアに入力された文字のフォントサイズを下げた後に、当該テキスト入力エリアのエリアサイズを変更する第3のテキストエリアサイズ変更手段と、をさらに備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載のサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置は、前記請求項5に記載のサーバ装置において、前記第3のテキストエリアサイズ変更手段によりサイズ変更されたテキスト入力エリアに対し、文字が入力されていることを示すガイダンスを設定するガイダンス設定手段をさらに備えたことを特徴としている。
【0018】
請求項7に記載のサーバ制御プログラムは、サーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置のコンピュータを制御するためのサーバ制御プログラムであって、前記コンピュータを、クライアント装置からの入力イベントに応じて描画データを生成する描画データ生成手段、この描画データ生成手段により生成された描画データにテキスト入力エリアが含まれるか否かを判断するテキストエリア判断手段、このテキストエリア判断手段により前記描画データにテキスト入力エリアが含まれると判断された場合に、当該テキスト入力エリアに入力されている文字が有るか否かを判断する文字入力判断手段、この文字入力判断手段により判断結果に応じて、前記描画データに含まれるテキスト入力エリアのエリアサイズを小さく変更するテキストエリアサイズ変更手段、前記テキストエリアのサイズ変更手段によりサイズ変更されたテキスト入力エリアで前記描画データの描画を更新する描画更新手段、この描画更新手段により更新された描画データを前記クライアント装置へ送信する描画データ送信手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、クライアント装置の表示画面領域をテキスト入力エリアが無駄に占めてしまうことなく、なるべく多くの情報を表示させることが可能になるサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置およびサーバ制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係るサーバ装置10およびそのクライアント装置20(20P,20M),…を備えたサーバベース・コンピューティング・システムの構成を示すブロック図。
【図2】前記サーバベース・コンピューティング・システムにおけるサーバ装置10の回路構成を示すブロック図。
【図3】前記サーバベース・コンピューティング・システムにおけるクライアント装置20(20P,20M)の回路構成を示すブロック図。
【図4】前記サーバベース・コンピューティング・システムにおいて、クライアント装置20の入力イベントに応じてサーバ装置10により生成された描画データGと当該描画データG上に存在するテキスト入力エリアTA、クライアント装置20のユーザ操作に応じて切り出されて表示される表示画面領域Eとの関係を示す図。
【図5】前記サーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置10によるサーバ制御処理を示すフローチャート。
【図6】前記サーバ装置10のサーバ制御処理に伴うイベント処理を示すフローチャート。
【図7】前記サーバ装置10のサーバ制御処理やイベント処理に伴うテキストエリアサイズ変更処理を示すフローチャートである。
【図8】前記サーバベース・コンピューティング・システムのクライアント装置20によるクライアント制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係るサーバ装置10およびそのクライアント装置20(20P,20M),…を備えたサーバベース・コンピューティング・システムの構成を示すブロック図である。
【0023】
このサーバベース・コンピューティング・システムは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)からなるネットワークN上に接続されたサーバ装置10および複数のクライアント装置20(20P,20M),…を備える。
【0024】
サーバ装置10は、例えばネットワークN上に有線接続されたパーソナルコンピュータである。クライアント装置20として、20PはネットワークN上のアクセスポイントAPを介して無線接続された携帯型パーソナルコンピュータ、20Mは同アクセスポイントAPを介して無線接続された携帯電話である。
【0025】
サーバ装置10は、文書作成処理プログラム,表計算処理プログラム,住所録プログラム,メモ帳プログラム,プレゼン資料作成プログラム,メール処理プログラム,インターネット接続処理プログラム、Web表示プログラムなど、種々のアプリケーション・プログラムを有し、当該サーバ装置10に接続されたクライアント装置20(20P,20M),…からの操作入力(入力イベント)信号に応じて起動しその処理を実行する。
【0026】
このサーバ装置10において、クライアント装置20,…からの操作入力信号に応じたアプリケーション・プログラムの実行に伴い生成された表示出力用の描画データは、転送用の描画データに変換されると共に圧縮・暗号化され、アクセス元のクライアント装置20,…へ送信(転送)される。
【0027】
そして、クライアント装置20(20P,20M),…では、前記サーバ装置10から転送された描画データが解凍・復号化され、その表示部25に表示される。
【0028】
この際、サーバ装置10では、クライアント装置20からの操作入力信号(入力イベント信号)に応じて生成された描画データに、例えば一定領域を枠で囲んでなるテキスト入力エリアが存在する場合には、当該テキスト入力エリアの行方向のサイズを該エリア内に入力されている文字数に応じて最低限必要な行数にサイズ変更して描画データを更新し、前記クライアント装置20に送信する機能を有する。これにより、描画データ上にテキスト入力エリアの無駄な余白ができるのを防止し、その他の情報をなるべく多く描画データに含めてクライアント装置20へ提供する。
【0029】
さらに、サーバ装置10は、前記クライアント装置から、前記描画データに存在するテキスト入力エリアに対しフォーカスが当てられたことを示す入力イベント信号が受信された場合には、当該テキスト入力エリア内のフォントサイズをNポイント上げると共にそのエリアサイズを小さく変更し、前記クライアント装置20に送信する機能を有する。また、サーバ装置10は、前記クライアント装置から、前記描画データに存在するテキスト入力エリアからフォーカスが外れたことを示す入力イベント信号が受信された場合には、当該テキスト入力エリア内のフォントサイズをNポイント下げると共にそのエリアサイズを小さく変更し、前記クライアント装置20に送信する機能を有する。これにより、ユーザがテキスト入力エリアに注目した場合にだけ、当該テキスト入力エリアを見易く描画更新してクライアント装置20へ提供し、それ以外の場合には存在のみを示す小さなテキスト入力エリアに描画更新してその他の情報をなるべく多く含めた描画データをクライアント装置20へ提供する。
【0030】
図2は、前記サーバベース・コンピューティング・システムにおけるサーバ装置10の回路構成を示すブロック図である。
【0031】
サーバ装置10は、コンピュータとしてのCPU11を備え、このCPU11には、バス17を介してハードディスクやフラッシュROMからなるメモリ12、RAMからなる記憶部13、クライアント装置20との送受信制御部14、表示部15、入力部16、そして光ディスクや磁気ディスクなどの外部記憶媒体18aにデータを読み書きする記憶媒体読み書き部18が接続される。
【0032】
CPU11は、メモリ12に予め記憶されている、あるいは外部記憶媒体18aからメモリ12に読み込まれて記憶されている、あるいはネットワークN上のプログラムサーバからメモリ12に読み込まれて記憶されているシステムプログラムや種々のアプリケーション・プログラムに従って記憶部13を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力部16からのキー入力信号や送受信制御部14を介して受信されるクライアント装置20(20P,20M),…からのユーザ操作(入力イベント)に応じた処理指令信号などに応じて前記種々のプログラムを起動・実行する。
【0033】
このサーバ装置10において、クライアント装置20からの入力イベント信号に応じて起動・実行されるアプリケーション・プログラムに従い生成された種々のデータは、例えばそのユーザIDに対応付けられてメモリ12に記憶される。また表示用の描画データは、メモリ12内に各クライアント装置20…に対応させて用意された仮想フレームバッファ(FB)12a,12b,…に書き込まれる。そして、前回描画データと今回描画データとの画像変化部分(差分)を抽出した転送用描画データに変換され、送受信制御部14からクライアント装置20へ転送されて表示出力される。
【0034】
図3は、前記サーバベース・コンピューティング・システムにおけるクライアント装置20(20P,20M)の回路構成を示すブロック図である。
【0035】
クライアント装置20は、コンピュータとしてのCPU21を備え、このCPU21には、バス27を介してフラッシュROMからなるメモリ22、RAMからなる記憶部23、サーバ装置10との送受信制御部24、表示コントローラ25aを介した表示部25、入力部26、そしてメモリカードなどの外部記憶媒体28aにデータを読み書きする記憶媒体読み書き部28が接続される。
【0036】
前記表示コントローラ25aは、フレームバッファ(FB)25bを備え、このフレームバッファ(FB)25bには、前記サーバ装置10により生成転送され、その圧縮が解凍された例えばVGA(Video Graphics Array)サイズの描画データが記憶される。前記表示コントローラ25aは、前記フレームバッファ(FB)25bに記憶された描画データを、ユーザ操作に応じた表示位置で且つ表示部25の表示画面サイズに応じた領域で切り出し、当該表示部25に表示させる。
【0037】
CPU21は、メモリ22に予め記憶されている、あるいは外部記憶媒体28aからメモリ22に読み込まれた、あるいはネットワークN上のプログラムサーバからメモリ22に読み込まれたシステムプログラム(クライアント制御プログラム)に従って記憶部23を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力部26からのキー入力信号や送受信制御部24を介して受信されるサーバ装置10からのアプリケーション応答信号,転送描画データ,表示位置・領域情報などに応じて前記クライアント制御プログラムが起動され実行される。
【0038】
このサーバベース・コンピューティング・システムでは、クライアント装置20からのキー入力などのイベントに応じてサーバ装置10にて生成された描画データは、当該描画データが生成更新される毎にその描画更新後に画像変化のあった領域が差分抽出され、転送用描画データとしてクライアント装置20へ転送される。そして、当該クライアント装置20にて既にフレームバッファ(FB)25bに記憶され表示されていた描画データに対しその画像変化の領域のみ順次書き替えられて表示更新されるものである。これにより、前記サーバ装置10からクライアント装置20へのデータ転送量を大幅に削減している。
【0039】
次に、前記構成のサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置10において、クライアント装置20からの入力イベントに応じて生成された描画データにテキスト入力エリアが含まれている場合に、当該描画データ上のテキスト入力エリアをその無駄な余白部分が無くなるようにサイズ変更して描画更新するためのテキスト入力エリアサイズ変更機能について説明する。
【0040】
図4は、前記サーバベース・コンピューティング・システムにおいて、クライアント装置20の入力イベントに応じてサーバ装置10により生成された描画データGと当該描画データG上に存在するテキスト入力エリアTA、クライアント装置20のユーザ操作に応じて切り出されて表示される表示画面領域Eとの関係を示す図である。
【0041】
サーバ装置10により生成される描画データGは、例えばVGAサイズで生成されてクライアント装置20のフレームバッファ(FB)に書き込まれる。携帯電話などの小さな表示画面(25)のクライアント装置20では、その表示画面領域Eはユーザ操作に応じて任意の位置に移動される表示始点座標(DX,DY)を基準にした縦×横の幅(DH×DW)により設定され、この表示画面領域Eが前記描画データGから切り出されて表示部25に表示される。
【0042】
ここで、サーバ装置10にて生成された描画データGにテキスト入力エリアTAが含まれ、且つ例えば図4(A)に示すように当該テキスト入力エリアTA内に文字が未入力である場合には、サーバ装置10は、その描画データGのテキスト入力エリアTAを例えば図4(B)に示すように1行分のエリアだけ残してサイズ変更し、クライアント装置20の表示画面領域Eにて他の情報OAがより多く含まれるように描画更新する。
【0043】
図5は、前記サーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置10によるサーバ制御処理を示すフローチャートである。
【0044】
図6は、前記サーバ装置10のサーバ制御処理に伴うイベント処理を示すフローチャートである。
【0045】
図7は、前記サーバ装置10のサーバ制御処理やイベント処理に伴うテキストエリアサイズ変更処理を示すフローチャートである。
【0046】
図8は、前記サーバベース・コンピューティング・システムのクライアント装置20によるクライアント制御処理を示すフローチャートである。
【0047】
まず、クライアント装置20において、入力部26のユーザ操作によりサーバ装置10への接続要求を指示すると、送受信制御部24からサーバ装置10に対して接続確立の処理要求が送信され(図8のステップC1)、当該サーバ装置10との間での認証処理などに基づいた接続確立処理が実行される(ステップC2)。
【0048】
サーバ装置10において、前記クライアント装置20から送信された接続確立の処理要求が受信されると(図5のステップS1)、当該接続要求元のクライアント装置20との間での認証処理などに基づいた接続確立処理が実行される(ステップS2)。
【0049】
これにより、サーバ装置10とクライアント装置20との接続が確立した状態で、当該クライアント装置20でのユーザ入力に応じて、任意のWebページを開くなどの入力イベントが受け付けられると(図8のステップC3(YES))、当該入力イベントがサーバ装置10へ送信される(ステップC4)。
【0050】
サーバ装置10において、前記クライアント装置20から送信された例えばWebページを開く入力イベントが受信されると(図5のステップS3(YES))、これに対応したWebブラウザなどのアプリケーション・プログラムに対して前記入力イベントに応じた操作信号が送信される(ステップS4)。
【0051】
ここで、前記入力イベントに応じたアプリケーション・プログラムによって当該入力イベントに応じた処理、この場合にはHTMLで記述されたユーザ指定のWebページが開かれ、その描画データGがイベント入力元のクライアント装置20に対応するメモリ12内のフレームバッファ(FB)12aに読み込まれると(ステップS5(YES)→S6)、その描画データG内にテキスト入力エリアTAが含まれているか否か判断される(ステップS7)。
【0052】
そして、今回読み込まれたHTMLの描画データGにおいてテキスト入力エリアTAが含まれてないと判断されると(ステップS7(NO))、当該描画データGは転送用描画データに変換され前記イベント入力元のクライアント装置20へ送信される(ステップS10)。
【0053】
クライアント装置20において、前記サーバ装置10から送信された例えばWebページの描画データGが受信されると(図8のステップC5(YES))、既にフレームバッファ(FB)25bに記憶されている前回の描画データGとの差分画像として当該フレームバッファ(FB)25bに書き込まれる。そして、ユーザ操作に応じた表示の始点座標(DX,DY)と表示部25の表示画面サイズに応じた縦横長さ(DH×DW)に対応した表示画面領域Eとして表示コントローラ25aにより切り出され、表示部25に出力されて表示される(ステップC6)。
【0054】
例えば、Webページを開いた初期には、そのページ全体の描画データが差分画像として受信され、前記フレームバッファ(FB)25bに書き込まれ、この後、当該Webページの描画内容が更新された場合には、当該描画更新された部分の差分画像だけがその位置情報と共に受信され、前記フレームバッファ(FB)25bに記憶されている描画データGが更新される。
【0055】
こうして、クライアント装置20の表示部25にサーバ装置10により生成転送された描画データGがその表示画面領域Eに応じて表示された状態で、当該描画データGに対するユーザ操作に応じた入力イベントが受け付けられてサーバ装置10へ送信されると(ステップC3(YES)→C4)、当該サーバ装置10では、前記クライアント装置20からの入力イベントに応じて、図6におけるイベント処理が起動される(図5のステップS3〜S5(NO)→SA)。
【0056】
この図6に示すサーバ装置10のイベント処理では、前記クライアント装置20からの入力イベントの内容が、描画データG上のテキスト入力エリアTAを操作対象としてフォーカスFを当てた入力イベントであるか、または当該テキスト入力エリアTAからフォーカスFを外した入力イベントであるか、またはそれ以外か判断される(ステップA1,A2)。
【0057】
ここで、前記クライアント装置20からの入力イベントが、前記描画データG上のテキスト入力エリアTAに対するフォーカスFの当て込みまたは外しの何れの入力イベントでもないと判断されると(ステップA1(NO)→A2(NO))、当該入力イベントに応じたその他の処理が実行される(ステップA3)。そして、前記入力イベントに応じた処理により描画データGの内容が変わった場合には(ステップA4)、前記イベント入力元のクライアント装置20に対応してフレームバッファ12aに書き込まれている前回の描画データGが更新され(ステップA5)、その差分画像データが当該クライアント装置20へ送信される(ステップA6)。
【0058】
これにより、クライアント装置20におけるユーザ入力イベントに応じて、サーバ装置10により生成されて転送された描画データGがフレームバッファ(FB)25bに逐次更新されながら記憶され、ユーザ操作に応じた表示画面領域Eとして表示部25に表示される。
【0059】
一方、サーバ装置10において、前記クライアント装置20から新たなWebページを開くなどの入力イベントが受信されることで(図5のステップS3(YES))、HTMLで記述されたユーザ指定のWebページが開かれ、その描画データGが前記イベント入力元のクライアント装置20に対応するフレームバッファ(FB)12aに読み込まれた際に(ステップS4,S5(YES)→S6)、当該描画データG内にテキスト入力エリアTAが含まれていると判断された場合には(ステップS7(YES))、図7におけるテキストエリアサイズ変更処理に移行される(ステップSB)。
【0060】
この図7に示すテキストエリアサイズ変更処理が起動されると、前記描画データG上のテキスト入力エリアTAに入力されている文字列の取得処理が実行され(ステップB1)、当該テキスト入力エリアTA内に文字が未入力であるか否か判断される(ステップB2)。
【0061】
ここで、例えば図4(A)に示すように、前記描画データG上のテキスト入力エリアTA内に文字が未入力であると判断された場合には(ステップB2(YES))、例えば図4(B)に示すように、当該テキスト入力エリアTAの行方向の高さが1行分の高さに対応して小さく変更され、無駄な余白部分が最小限に削減される(ステップB3)。
【0062】
一方、前記描画データG上のテキスト入力エリアTA内に既に文字が入力されていると判断された場合には(ステップB2(NO))、当該入力されている全文字数にそのフォントサイズを乗算してなる当該文字列の描画に必要な長さが、前記テキスト入力エリアTAの横幅により除算され、その除算結果の切り上げ値が、変更後のテキスト入力エリアTAの行数として算出される(ステップB4)。
【0063】
すると、前記テキスト入力エリアTAの行方向の高さが、前記ステップB4にて算出された現在の入力文字数に必要な行数分の高さに対応して小さく変更され、無駄な余白部分が最小限に削減される(ステップB5)。
【0064】
そして、前記一連のテキストエリアサイズ変更処理(図5のステップSB)は、前記描画データG内に存在している全てのテキスト入力エリアTAを対象にして順次実行される(ステップSB→S8→SB)。
【0065】
こうして、前記描画データG内に存在する全てのテキスト入力エリアTAについて、その無駄な余白部分を圧縮するサイズ変更処理が実行されると(ステップS8(YES))、当該テキスト入力エリアTAのサイズ変更後の描画データGについて、他の情報OAをレイアウトし直す描画更新処理が実行され(ステップS9)、この描画更新後の描画データGが前記イベント入力元のクライアント装置20へ送信される(ステップS10)。
【0066】
これにより、クライアント装置20の表示部25にて表示される描画データG上のテキスト入力エリアTAは、その無駄な余白部分を最小限に圧縮した状態にして表示されると共に、当該テキスト入力エリアTAが小さくなった領域に合わせてより多くの他の情報OAが表示されるようになり、ユーザが得られる情報量を増やすことができる。
【0067】
この後、前記クライアント装置20において、表示部25に表示されている描画データG上のテキスト入力エリアTAに対し、入力部26のユーザ操作によりフォーカスFが当てられ、その入力イベント信号がサーバ装置10へ送信されると(図8のステップC3(YES)→C4)、当該サーバ装置10では、図6におけるイベント処理へ移行される(ステップS3〜S5(NO)→SA)。
【0068】
すると、このイベント処理では、まず、前記クライアント装置20からの入力イベントの内容が、描画データG上のテキスト入力エリアTAを操作対象としてフォーカスFを当てた入力イベントであると判断されるので(図6のステップA1(YES))、当該テキスト入力エリアTA内に後述する「文字入力有り」のガイダンス表示があるか否か判断される(ステップA7)。
【0069】
ここで、「文字入力有り」のガイダンス表示があると判断された場合には(ステップA7(YES))、当該ガイダンス表示が前記テキスト入力エリアTAから削除された後(ステップA8)、同テキスト入力エリアTAにおける文字のフォントサイズがNポイント(例えば2ポイント)上げて変更され(ステップA9)、このフォントサイズの上げ変更に合わせて、前記テキスト入力エリアTAのサイズ変更処理が実行される(ステップAB)。
【0070】
すなわち、このテキストエリアサイズ変更処理では、前述した通り、そのフォーカスFが当てられたテキスト入力エリアTA内に文字が未入力である場合には、当該エリアTAのサイズが1行分の高さに変更され(図7のステップB1〜B3)、また、文字が入力されている場合には、当該エリアTAのサイズが前記フォントサイズをNポイント上げた文字列が収まる行数に対応する高さに大きく変更される(ステップB2(NO)→B4,B5)。
【0071】
そして、前記テキスト入力エリアTAのサイズ変更処理により、当該テキスト入力エリアTAのサイズが変更されることで、前記描画データGの内容に変更があったと判断された場合には(図6のステップA4(YES))、このテキスト入力エリアTAのサイズ変更に合わせて他の情報OAをレイアウトし直した描画データGに更新され(ステップA5)、その差分画像データが前記クライアント装置20へ送信される(ステップA6)。
【0072】
これにより、クライアント装置20の表示部25にて表示される描画データG上のテキスト入力エリアTAを操作対象としてフォーカスFを当てた場合には、当該テキスト入力エリアTA内のフォントサイズが上昇変更されると共に、このフォントサイズの上昇変更に合わせて同エリアTAのサイズ変更が行われるようになり、テキスト入力エリアTAの無駄な余白部分を最小限に抑えつつ、同エリアTA内にある文字をより見易く表示させることができる。
【0073】
一方、前記クライアント装置20の表示部25に表示されている描画データG上のテキスト入力エリアTAにフォーカスFが当てられた状態において、入力部26のユーザ操作により当該フォーカスFが外され、その入力イベント信号がサーバ装置10へ送信されると(図8のステップC3(YES)→C4)、当該サーバ装置10では、再び図6におけるイベント処理へ移行される(ステップS3〜S5(NO)→SA)。
【0074】
すると、このイベント処理では、まず、前記クライアント装置20からの入力イベントの内容が、描画データG上のテキスト入力エリアTAからフォーカスFが外れた入力イベントであると判断されるので(ステップA2(YES))、当該テキスト入力エリアTAにおける文字のフォントサイズがNポイント(例えば2ポイント)下げて変更され(ステップA10)、このフォントサイズの下げ変更に合わせて、前記テキスト入力エリアTAのサイズ変更処理が実行される(ステップAB)。
【0075】
すなわち、このテキストエリアサイズ変更処理では、前述した通り、そのフォーカスFが当てられたテキスト入力エリアTA内に文字が未入力である場合には、当該エリアTAのサイズが1行分の高さに変更され(図7のステップB1〜B3)、また、文字が入力されている場合には、当該エリアTAのサイズが前記フォントサイズをNポイント下げた文字列が収まる行数に対応する高さに小さく変更される(ステップB2(NO)→B4,B5)。
【0076】
すると、前記小さくサイズ変更されたテキスト入力エリアTAに対して、当該エリアTA内に文字が記述されていることを示す「文字入力有り」のガイダンス表示が上書きにより設定される(図6のステップA11)。
【0077】
そして、前記テキスト入力エリアTAのサイズ変更処理により、当該テキスト入力エリアTAのサイズが変更されることで、前記描画データGの内容に変更があったと判断された場合には(ステップA4(YES))、このテキスト入力エリアTAのサイズ変更に合わせて他の情報OAをレイアウトし直した描画データGに更新され(ステップA5)、その差分画像データが前記クライアント装置20へ送信される(ステップA6)。
【0078】
これにより、クライアント装置20の表示部25にて表示される描画データG上のテキスト入力エリアTAからフォーカスFを外した場合には、当該テキスト入力エリアTA内のフォントサイズが下げ変更されると共に、このフォントサイズの下げ変更に合わせて同エリアTAのサイズ変更、および「文字入力有り」のガイダンス表示が行われるようになる。よって、テキスト入力エリアTAを操作対象としないときには当該エリアTAによる表示画面領域Eの占有割合を極力抑えて、より多くの他の情報OAを表示させることができ、しかも小さくサイズ変更したエリアTA内の文字が読み取れなくても、「文字入力有り」のガイダンス表示によりテキストの存在を容易に確認することができる。
【0079】
この後、クライアント装置20において、前記サーバ装置10との接続を終了する操作が行われると(図8のステップC7(YES))、当該サーバ装置10に対して接続終了処理信号が送信される(ステップC8)。そして、サーバ装置10において、前記クライアント装置20から送信された接続終了処理信号が受信されると(図5のステップS11(YES))、当該クライアント装置20との接続が終了される(ステップS12)。
【0080】
したがって、前記構成のサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置10によるテキスト入力エリアTAのサイズ変更機能によれば、クライアント装置20からの入力イベントに応じて生成される描画データGにテキスト入力エリアTAが含まれる場合は、当該テキスト入力エリアTAに文字が入力されているか否かを判断し、この文字入力の判断結果に応じて当該描画データG内のテキスト入力エリアTAをその余白部分が小さくなるようにサイズ変更する。具体的には、文字が未入力の場合は1行分の高さを残してサイズ変更し、文字入力がある場合はその文字の表示に必要な行数だけの高さを残してサイズ変更する。そして、前記テキスト入力エリアTAがサイズ変更された状態で前記描画データGを更新し前記イベント入力元のクライアント装置20へ送信転送する。
【0081】
これにより、クライアント装置20では、テキスト入力エリアTAの無駄な余白部分が圧縮され、その圧縮された部分に、より多く他の情報OAがレイアウトし直された描画データGを得ることができ、当該クライアント装置20が表示画面領域Eの小さい携帯端末であっても、その表示画面(25)が前記テキスト入力エリアTAに占有されてしまうこと無しに、容易に所望の情報を表示させることができる。
【0082】
また、前記構成のサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置10によるテキスト入力エリアTAのサイズ変更機能によれば、前記クライアント装置20から描画データG上のテキスト入力エリアTAを操作対象として指定した入力イベントが受信された場合には、当該テキスト入力エリアTAのフォントサイズをNポイント上げると共に、これに応じて同テキスト入力エリアTAをそのフォントサイズを上げた文字の表示に必要な行数だけの高さを残してサイズ変更する。そして、前記テキスト入力エリアTAがサイズ変更された状態で前記描画データGを更新し前記イベント入力元のクライアント装置20へ送信転送する。
【0083】
これにより、クライアント装置20では、操作対象としたテキスト入力エリアTAの無駄な余白部分を最小限に抑えつつ、同エリアTA内にある文字をより見易く表示させることができる。
【0084】
また、前記構成のサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置10によるテキスト入力エリアTAのサイズ変更機能によれば、前記クライアント装置20から描画データG上のテキスト入力エリアTAに対する操作対象としての指定を外した入力イベントが受信された場合には、当該テキスト入力エリアTAのフォントサイズをNポイント下げると共に、これに応じて同テキスト入力エリアTAをそのフォントサイズを下げた文字の表示に必要な行数だけの高さを残してサイズ変更する。そして、前記テキスト入力エリアTAがサイズ変更された状態で前記描画データGを更新し前記イベント入力元のクライアント装置20へ送信転送する。
【0085】
これにより、クライアント装置20では、テキスト入力エリアTAを操作対象としないときには当該エリアTAによる表示画面領域Eの占有割合を極力抑えて、より多くの他の情報OAを表示させることができる。
【0086】
さらに、前記テキスト入力エリアTAが操作対象から外れたことで当該エリアTA内のフォントサイズを下げて同エリアTAをサイズ変更した場合には、同エリアTA内に「文字入力有り」のガイダンスを設定するので、小さくサイズ変更した前記エリアTA内の文字が読み取れなくても、「文字入力有り」のガイダンス表示によりテキストの存在を容易に確認することができる。
【0087】
なお、前記実施形態のサーバベース・コンピューティング・システムは、クライアント装置20からの入力イベントに応じてサーバ装置10により生成した描画データGを、当該サーバ装置10からイベント入力元のクライアント装置20へ転送し、該クライアント装置20において、その表示部25に対応した表示画面領域Eに切り出して表示する構成となっている。
【0088】
これに対し、他の形態のサーバベース・コンピューティング・システムとして、クライアント装置20は、その入力イベントのサーバ装置10への送信毎に、当該サーバ装置10により生成される描画データG上での現在の表示画面領域Eの位置およびサイズの情報(DX,DY,DW,DH)を送信し、前記サーバ装置10は、前記入力イベントに応じて生成した描画データGから前記現在の表示画面領域Eの位置およびサイズの情報(DX,DY,DW,DH)に対応した部分の描画データを切り出し、前記イベント入力元のクライアント装置20へ転送してその表示部25に表示させるものがある。
【0089】
このような他の形態のサーバベース・コンピューティング・システムでも、前記実施形態同様、サーバ装置10において、クライアント装置20からの入力イベントに応じて生成される描画データGにテキスト入力エリアTAが含まれる場合は、当該テキスト入力エリアTAに文字が入力されているか否かを判断し、この文字入力の判断結果に応じて当該描画データG内のテキスト入力エリアTAをその余白部分が小さくなるようにサイズ変更する。そして、前記テキスト入力エリアTAがサイズ変更された状態で前記描画データGを更新し、前記表示画面領域Eの位置およびサイズの情報(DX,DY,DW,DH)に対応した部分の描画データを切り出し前記イベント入力元のクライアント装置20へ送信転送することで、当該クライアント装置20が表示画面領域Eの小さい携帯端末であっても、その表示画面(25)が前記テキスト入力エリアTAに占有されてしまうこと無しに、容易に所望の情報を表示させることができる。
【0090】
なお、前記実施形態において記載したサーバベース・コンピューティング・システムによる各処理の手法、すなわち、図5のフローチャートに示すサーバ装置10の制御処理、図6のフローチャートに示す前記サーバ装置10の制御処理に伴うイベント処理、図7のフローチャートに示す前記サーバ装置10のサーバ制御処理やイベント処理に伴うテキストエリアサイズ変更処理、図8のフローチャートに示すクライアント装置20の制御処理等の各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録媒体18a,28aに格納して配布することができる。そして、サーバ装置10やクライアント装置20のコンピュータ(CPU11,21)は、この外部記録媒体18a,28aに記憶されたプログラムを記憶装置(メモリ12,22や記憶部13,23)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記実施形態において説明したテキスト入力エリアTAのサイズ変更機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0091】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から前記のプログラムデータを取り込んで記憶装置(メモリ12,22や記憶部13,23)に記憶させ、前述したテキスト入力エリアTAのサイズ変更機能を実現することもできる。
【0092】
なお、本願発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0093】
10 …サーバ装置
20 …クライアント装置(携帯端末)
11,21…CPU
12,22…メモリ
12a,12b,…仮想フレームバッファ(FB)
13,23…記憶部
14,24…送受信制御部
15,25…表示部
25a…表示コントローラ
25b…フレームバッファ(FB)
16,26…入力部
17,27…バス
18,28…記憶媒体読み書き部
18a,28a…外部記憶媒体
N …ネットワーク
AP …アクセスポイント
G …描画データ
E …表示画面領域
TA …テキスト入力エリア
OA …他の情報
F …フォーカスマーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント装置からの入力イベントに応じて描画データを生成する描画データ生成手段と、
この描画データ生成手段により生成された描画データにテキスト入力エリアが含まれるか否かを判断するテキストエリア判断手段と、
このテキストエリア判断手段により前記描画データにテキスト入力エリアが含まれると判断された場合に、当該テキスト入力エリアに入力されている文字が有るか否かを判断する文字入力判断手段と、
この文字入力判断手段により判断結果に応じて、前記描画データに含まれるテキスト入力エリアのエリアサイズを小さく変更するテキストエリアのサイズ変更手段と、
前記テキストエリアのサイズ変更手段によりサイズ変更されたテキスト入力エリアで前記描画データの描画を更新する描画更新手段と、
この描画更新手段により更新された描画データを前記クライアント装置へ送信する描画データ送信手段と、
を備えたことを特徴とするサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置。
【請求項2】
前記テキストエリアのサイズ変更手段は、
前記文字入力判断手段により前記テキスト入力エリアに入力されている文字が有ると判断された場合には、当該テキスト入力エリアのエリアサイズをその文字の表示行数に対応する高さに変更する行数対応サイズ変更手段を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記テキストエリアのサイズ変更手段は、
前記文字入力判断手段により前記テキスト入力エリアに入力されている文字が無いと判断された場合には、当該テキスト入力エリアのエリアサイズを1行に対応する高さに変更する1行対応サイズ変更手段を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記クライアント装置からの入力イベントが前記描画データに含まれるテキスト入力エリアを指定した入力イベントであるか否かを判断するエリア指定判断手段と、
このエリア指定判断手段により前記入力イベントが前記描画データに含まれるテキスト入力エリアを指定した入力イベントであると判断された場合に、当該テキスト入力エリアに入力された文字のフォントサイズを上げるフォントサイズ上げ手段と、
このフォントサイズ上げ手段により前記テキスト入力エリアに入力された文字のフォントサイズを上げた後に、当該テキスト入力エリアのエリアサイズを変更する第2のテキストエリアサイズ変更手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記クライアント装置からの入力イベントが前記描画データに含まれるテキスト入力エリアの指定を外した入力イベントであるか否かを判断する指定外し判断手段と、
この指定外し判断手段により前記入力イベントが前記描画データに含まれるテキスト入力エリアの指定を外した入力イベントであると判断された場合に、当該テキスト入力エリアに入力された文字のフォントサイズを下げるフォントサイズ下げ手段と、
このフォントサイズ下げ手段により前記テキスト入力エリアに入力された文字のフォントサイズを下げた後に、当該テキスト入力エリアのエリアサイズを変更する第3のテキストエリアサイズ変更手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記第3のテキストエリアサイズ変更手段によりサイズ変更されたテキスト入力エリアに対し、文字が入力されていることを示すガイダンスを設定するガイダンス設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
サーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置のコンピュータを制御するためのサーバ制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
クライアント装置からの入力イベントに応じて描画データを生成する描画データ生成手段、
この描画データ生成手段により生成された描画データにテキスト入力エリアが含まれるか否かを判断するテキストエリア判断手段、
このテキストエリア判断手段により前記描画データにテキスト入力エリアが含まれると判断された場合に、当該テキスト入力エリアに入力されている文字が有るか否かを判断する文字入力判断手段、
この文字入力判断手段により判断結果に応じて、前記描画データに含まれるテキスト入力エリアのエリアサイズを小さく変更するテキストエリアサイズ変更手段、
前記テキストエリアのサイズ変更手段によりサイズ変更されたテキスト入力エリアで前記描画データの描画を更新する描画更新手段、
この描画更新手段により更新された描画データを前記クライアント装置へ送信する描画データ送信手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能なサーバ制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−138121(P2012−138121A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−91474(P2012−91474)
【出願日】平成24年4月13日(2012.4.13)
【分割の表示】特願2008−70364(P2008−70364)の分割
【原出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】