説明

情報処理装置及び入力制御プログラム

【課題】操作性の向上を図る。
【解決手段】入力装置及び表示装置が複数接続された情報処理装置1は、入力装置を識別する識別情報ごとに表示装置をそれぞれ対応付けた表示先情報を保持する表示先情報保持手段4aと、入力装置が入力情報を入力すると、入力情報を入力した入力装置の識別情報を取得する識別情報取得手段4bと、取得した識別情報と表示先情報とを基に、入力された入力情報を表示させる表示装置を確定する表示先確定手段4cと、を有する。この情報処理装置1では、入力装置に対応する表示装置のアクティブ化を行わずに、入力した入力情報を当該入力装置に対応する表示装置に表示できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
情報処理装置及び入力制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置においては、アプリケーションプログラム等の様々なプログラムに応じたウィンドウを、情報処理装置に接続された表示装置の表示画面上に表示することが可能である。表示画面に表示されたウィンドウに対して操作入力を行うためには、事前に操作入力対象となるウィンドウをアクティブにしておく必要がある。
【0003】
所望のウィンドウをアクティブにするためには、情報処理装置に接続された入力装置の、例えばマウスを表示画面上でクリックして、クリックした位置に所望のウィンドウが有る場合には、最前面のウィンドウをアクティブ対象として特定し、特定したウィンドウが非アクティブであればアクティブ状態に切り替える。また、クリックした位置に所望のウィンドウが無い場合には、表示画面上に表示されている最前面のウィンドウをアクティブにする。なお、このようなウィンドウのアクティブ状態の切り替えを、マウスの他にも、キーボードの複数の所定のキーを同時に押下することにより実行することも可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
一方、1台の情報処理装置に対して、入力装置(キーボード、マウス等)及び表示装置(ディスプレイ、モニタ等)がセットになって複数組接続することも可能である。
以下に、銀行の窓口業務において、1台の情報処理装置に対して、オペレータ用・顧客用として入力装置・表示装置がセットになってそれぞれ接続されている場合について説明する。
【0005】
図16は、1台の情報処理装置に接続されたオペレータ用・顧客用のディスプレイに対する操作入力を説明するための図である。
なお、図16は、顧客が自身の口座から所定の金額を引き出す取引を実行するアプリケーションにおける、操作入力が行われるウィンドウW1,W2を表している。また、図16は、紙面左側をオペレータ用のディスプレイ1の表示画面D1を、紙面右側を顧客用のディスプレイ2の表示画面D2をそれぞれ表している。また、ウィンドウW1,W2の外枠は、アクティブ状態を表しており、実線(太線)がアクティブを、破線は非アクティブである。また、ディスプレイ1,2は同時にアクティブになることはできず、片方のみがアクティブとなり、アクティブのディスプレイに対して操作入力が可能となる。
【0006】
オペレータ用のディスプレイ1は表示画面D1にウィンドウW1が表示されている。ウィンドウW1には、顧客番号が入力される顧客番号入力領域W1a、取引金額が入力される取引金額入力領域W1b及び顧客の操作入力に応じて口座番号が表示される口座番号表示領域W1cが設けられている。さらに、ウィンドウW1には、クリックしてウィンドウW2に顧客番号を表示させる表示ボタンW1dと、取引終了後、クリックすることで顧客との取引を確定させる確定ボタンW1eとがさらに設けられている。
【0007】
一方、顧客用のディスプレイ2は表示画面D2にウィンドウW2が表示されている。ウィンドウW2には、オペレータの操作入力に応じて顧客番号が表示される顧客番号表示領域W2a、口座番号が入力される口座番号入力領域W2b及び残高が表示される残高表示領域W2cが設けられている。さらに、ウィンドウW2には、クリックして残高表示領域W2cに残高を表示させる残高照会ボタンW2dと、口座が確定すると、クリックしてオペレータ側に口座番号を表示させる確定ボタンW2eがさらに設けられている。
【0008】
まず、オペレータは、ディスプレイ1,2の表示画面D1,D2にそれぞれウィンドウW1,W2を立ち上げて、さらに、ディスプレイ1の表示画面D1に表示されているウィンドウW1をクリックしてウィンドウW1をアクティブにしておく。
【0009】
オペレータは、顧客番号(例えば、「003」)を顧客番号入力領域W1aに入力して、表示ボタンW1dをクリックすると、ウィンドウW2の顧客番号表示領域W2aに顧客番号(「003」)が表示される(図16(A))。
【0010】
次いで、顧客は、オペレータに口座番号の入力を指示されると、ウィンドウW2をクリックして、ウィンドウW2を一旦アクティブにし、口座番号(例えば、「1234567」)を口座番号入力領域W2bに入力する。そして、残高照会ボタンW2dをクリックすると、残高表示領域W2cに、入力した口座の残高が表示される。顧客は、口座番号、残高等を確認して、間違いが無ければ、確定ボタンW2eをクリックして、入力した情報を確定する。
【0011】
その後、オペレータは、ウィンドウW1をクリックして、ウィンドウW1をアクティブにし、顧客から指定された金額を取引金額入力領域W1bに入力して、確定ボタンW1eをクリックして、これらの取引が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−10984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、1台の情報処理装置に入力装置及び表示装置がセットになって複数組接続されている場合、各表示装置の表示画面に表示されたウィンドウに対して操作入力を行うには、ウィンドウを表示する表示装置に対応する入力装置でクリック等の操作を行って、所望のウィンドウをアクティブにする必要がある。
【0014】
このため、例えば、上記図16において、オペレータが顧客番号を入力した後(図16(A))、操作に慣れていない顧客がウィンドウW2をアクティブにし忘れて顧客の口座番号を入力すると、入力した顧客の口座番号はウィンドウW1の取引金額に反映されてしまう(図16(B))。このような誤入力が生じると、誤入力の訂正が必要となり、また誤入力されたまま処理が続くと正しく取引ができなくなるという問題点があった。
【0015】
また、誤入力を防止するためには、オペレータ及び顧客は各ディスプレイ(または、ウィンドウ)のアクティブ状態を確認しておく必要があり、入力の際には必要に応じてアクティブ状態の切り替え動作が煩雑になるという問題点があった。
【0016】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、操作性が向上した情報処理装置及び入力制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために提供される入力装置及び表示装置が複数接続された情報処理装置は、入力装置を識別する識別情報ごとに表示装置をそれぞれ対応付けた表示先情報を保持する表示先情報保持手段と、入力装置が入力情報を入力すると、入力情報を入力した入力装置の識別情報を取得する識別情報取得手段と、取得した識別情報と前記表示先情報とを基に、入力された入力情報を表示させる表示装置を確定する表示先確定手段と、を有する。
【0018】
また、上記目的を達成するために提供される複数の入力装置及び表示装置が接続された情報処理装置は、入力装置を識別する識別情報ごとに、前記表示装置に表示されるウィンドウをそれぞれ対応付けた表示先情報を保持する表示先情報保持手段と、入力装置が入力情報を入力すると、入力情報を入力した入力装置の識別情報を取得する識別情報取得手段と、取得した識別情報と前記表示先情報とを基に、入力された入力情報を表示させるウィンドウを確定する表示先確定手段と、を有する。
【発明の効果】
【0019】
上記の情報処理装置及び入力制御プログラムによれば、操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施の形態に係る情報処理装置の機能を示す図である。
【図2】第2の実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】第2の実施の形態に係る情報処理装置が備えるソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図4】第2の実施の形態に係る情報処理装置が備える機能を示すブロック図である。
【図5】第2の実施の形態に係る情報処理装置のディスプレイ対応テーブルの作成を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【図6】キーボードの接続先情報に対応した表示先情報を表すディスプレイ対応テーブルの具体例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態に係る情報処理装置の入力処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態に係る情報処理装置のアクティブ状態の切替処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係る情報処理装置に接続されたオペレータ用・顧客用のディスプレイに対する操作入力を説明するための図である。
【図10】第3の実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図11】第3の実施の形態に係る情報処理装置が備える機能を示すブロック図である。
【図12】第3の実施の形態に係る情報処理装置のウィンドウ対応テーブルの作成を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【図13】キーボードの接続先情報に対応した表示先情報を表すウィンドウ対応テーブルの具体例を示す図である。
【図14】第3の実施の形態に係る情報処理装置のアクティブ状態の切替処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【図15】第3の実施の形態に係る情報処理装置に接続されたオペレータ用・顧客用のウィンドウに対する操作入力を説明するための図である。
【図16】1台の情報処理装置に接続されたオペレータ用・顧客用のディスプレイに対する操作入力を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置の機能を示す図である。
【0022】
情報処理装置1は、入力装置及び表示装置が複数接続されており、任意の入力装置が入力情報を入力すると、当該入力装置に対応付けた表示装置に当該入力情報を表示することができるものである。
【0023】
このような情報処理装置1は、図示しない入力装置及び表示装置が複数接続されている。また、情報処理装置1は、入力装置から入力された入力情報を受け付ける受付部2、入力された入力情報をアクティブ化された表示装置に表示する表示部3及び入力された入力情報を表示させる表示装置をアクティブ化する表示管理プログラム4を備える。
【0024】
さらに、表示管理プログラム4は、表示先情報保持手段4a、識別情報取得手段4b、表示先確定手段4c及び切替要求手段4dを有する。
表示先情報保持手段4aは、入力装置を識別する識別情報ごとに表示装置をそれぞれ対応付けた表示先情報を保持する。
【0025】
識別情報取得手段4bは、入力装置が入力情報を入力すると、受付部2を介して、入力情報を入力した入力装置の識別情報を取得する。
表示先確定手段4cは、取得した識別情報と、表示先情報保持手段4aが保持する表示先情報とを基に、入力された入力情報を表示させる表示装置を確定する。
【0026】
切替要求手段4dは、表示部3に確定した表示装置をアクティブ化させて、入力情報の表示先を変更する。
なお、上記処理機能のうち、例えば、受付部2、表示部3及び表示管理プログラム4は、情報処理装置1が備えるCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)によって所定のプログラムが実行されることで実現される。また、これらの処理機能の少なくとも一部が、個別のハードウェアによって実現されてもよい。
【0027】
次に、このような構成を備える情報処理装置1において、入力情報を入力する入力装置に応じて、当該入力情報を表示させる表示装置を切り替える方法について説明する。なお、以下では入力装置としてキーボード、表示装置としてディスプレイの場合について説明する。
【0028】
ユーザが任意のキーボードのキーを押下して操作入力を行うと、受付部2は、当該操作入力のキーに基づく入力情報と、操作入力が行われたキーボードを識別する識別情報とを受け付ける。
【0029】
識別情報取得手段4bは受付部2が受け付けた識別情報を取得する。表示先確定手段4cは、表示先情報保持手段4aから表示先情報を読み取り、当該表示先情報を基に、取得した識別情報に対応する表示装置を確定する。切替要求手段4dは、確定された表示装置に入力情報を表示する表示要求を表示部3に送信する。
【0030】
表示部3は、入力された入力情報を、送信された表示要求に基づいて、確定された表示装置に表示する。
このように、情報処理装置1では、表示先確定手段4cが、入力情報を入力した入力装置の識別情報と、入力装置の識別情報に表示装置を対応付けた表示先情報とから、入力した入力情報を表示させる表示装置を確定する。
【0031】
これにより、情報処理装置1に接続された入力装置に操作入力を行うユーザは、当該入力装置に対応する表示装置のアクティブ化を行わずに、入力した入力情報を当該入力装置に対応する表示装置に表示することができる。また、表示装置のアクティブ化をし忘れて、操作入力を行っても、所定の表示装置に、入力した入力情報を表示することができる。したがって、表示装置をアクティブ化するための操作入力を省略及び誤入力することを防止でき、操作性が向上する。
【0032】
[第2の実施の形態]
次に、情報処理装置としてコンピュータを適用して、銀行等の窓口において、オペレータ用及び顧客用として、ディスプレイ、キーボード及びマウスがセットとなり、それぞれ1組ずつ設置された例について説明する。なお、ディスプレイ等の設置数は2組に限らず、3組以上であっても構わない。
【0033】
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
情報処理装置10は、例えば、図2に示すようなコンピュータとして実現される。このコンピュータは、CPU10a、RAM10b、HDD10c、グラフィック処理部10d及び入力インタフェース10eを備えている。これらの各部はバス10fで相互に接続されている。
【0034】
CPU10aは、HDD10c等の記憶媒体に記憶された各種プログラムを実行することにより、このコンピュータ全体を統括的に制御する。
RAM10bは、CPU10aに実行させるプログラムの少なくとも一部、並びにこのプログラムによる処理に必要な各種データを一時的に記憶する。
【0035】
HDD10cは、CPU10aにより実行されるプログラム、並びにその実行に必要な各種のデータ等を記憶する。
グラフィック処理部10dには、表示手段である、2つのディスプレイ21,22が接続されている。このグラフィック処理部10dは、CPU10aからの命令に従って、ディスプレイ21,22の表示画面上に画像を表示させる。
【0036】
入力インタフェース10eには、キーボード31,32及びマウス31a,32aがそれぞれ接続されている。入力インタフェース10eは、キーボード31,32及びマウス31a,32aからの入力信号を、バス10fを介してCPU10aに送信する。
【0037】
なお、情報処理装置10では、ディスプレイ21、キーボード31及びマウス31aをオペレータ用、ディスプレイ22、キーボード32及びマウス32aを顧客用とする。
次いで、情報処理装置10が備えるソフトウェア構成について説明する。
【0038】
図3は、第2の実施の形態に係る情報処理装置が備えるソフトウェア構成を示すブロック図である。
情報処理装置10は、キーボード31,32及びディスプレイ21,22が接続されており、任意のキーボードから入力情報が入力されると、当該キーボードに対応付けたディスプレイに当該入力情報を表示することができるものである。
【0039】
このような情報処理装置10は、入力ドライバ11、オペレーションシステム(Operation System:OS)12、アプリケーション13及び表示管理プログラム14を有する。
入力ドライバ11は、キーボード31,32に対する操作入力に応じて入力された入力情報と、キーボード31,32をそれぞれ識別する接続ポート番号とを受け付ける。
【0040】
OS12は、キーボード31,32、マウス31a,32a及びディスプレイ21,22等の入出力機能、RAM10b及びHDD10cの管理、アプリケーション13から共通して利用される基本的な機能を提供し、情報処理装置10全体の管理等を行う。なお、OS12の主な機能の詳細については後述する。
【0041】
表示管理プログラム14は、入力情報を入力したディスプレイ21,22の接続ポート番号に基づいて、入力された入力情報をディスプレイ21,22のいずれかに表示するかを確定し、確定したディスプレイをアクティブ化する要求をOS12に通知する。
【0042】
ここで、OS12と共に表示管理プログラム14の詳細について説明する。
図4は、第2の実施の形態に係る情報処理装置が備える機能を示すブロック図である。
なお、図4は、図3に示したソフトウェア構成のうちOS12及び表示管理プログラム14のみを記載している。
【0043】
OS12は、アクティブ状態情報12a、入力情報受付部12b及び入力情報通知部12cを有する。
アクティブ状態情報12aは、ディスプレイ21,22のアクティブ状態(アクティブまたは非アクティブ)を表す情報である。なお、アクティブ化されるのは複数のディスプレイのうち1つである。
【0044】
入力情報受付部12bは、ディスプレイ21,22からそれぞれ入力ドライバ11に入力された入力情報を受け付ける。
入力情報通知部12cは、アクティブ状態情報12aを参照して、アクティブ化されたディスプレイに対して、入力情報受付部12bが受け付けた入力情報を通知して、当該ディスプレイに当該入力情報を表示させる。
【0045】
また、表示管理プログラム14は、ディスプレイ対応テーブル14aと、ポート情報取得部14bと、表示先確定部14cと、切替要求部14dと、テーブル生成部14eとを有する。
【0046】
ディスプレイ対応テーブル14aには、キーボード31,32をそれぞれ識別する接続ポート番号に、キーボード31,32からそれぞれ入力された入力情報を表示させるディスプレイ21,22が対応付けられた情報が保持されている。
【0047】
ポート情報取得部14bは、入力情報を入力したキーボード31,32の接続ポート番号を表すポート情報を取得する。
表示先確定部14cは、ポート情報取得部14bが取得した接続ポート番号と、ディスプレイ対応テーブル14aとを比較して、ディスプレイ対応テーブル14aから、接続ポート番号に対応するディスプレイを抽出する。そして、抽出したディスプレイを入力情報の表示先として確定する。
【0048】
切替要求部14dは、OS12のアクティブ状態情報12aでアクティブ化されているディスプレイを非アクティブ化し、表示先確定部14cで確定したディスプレイをアクティブ化する。なお、確定したディスプレイが既にアクティブ化されている場合には、そのアクティブ状態を維持する。
【0049】
テーブル生成部14eは、入力ドライバ11に、接続ポート情報に対するディスプレイの登録依頼を通知して、当該要求に対する応答に応じてディスプレイ対応テーブル14aの作成を開始する。また、テーブル生成部14eは、情報処理装置10に接続されているキーボード31,32とディスプレイ21,22との対応付けが定義された情報を有する動作環境ファイル(図示を省略)に基づいて、キーボード31,32を識別する接続ポート番号に、キーボード31,32に対応するディスプレイ21,22をそれぞれ設定して、ディスプレイ対応テーブル14aを生成する。なお、動作環境ファイルは予めRAM10bに保持されているものとする。
【0050】
次に、情報処理装置10で行われる所定の処理手順について説明する。
まず、情報処理装置10の表示管理プログラム14で行われる、ディスプレイ対応テーブル14aの作成を実行する処理手順について説明する。
【0051】
図5は、第2の実施の形態に係る情報処理装置のディスプレイ対応テーブルの作成を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
オペレータは、キーボード31に対して所定の操作入力を行って、以下の作成処理が情報処理装置10で実行される。
【0052】
[ステップS11]
テーブル生成部14eは、ディスプレイ対応テーブル14aの作成にあたって、入力情報を入力するキーボード31,32の接続ポート番号に対するディスプレイ21,22の登録依頼を入力ドライバ11に通知する。
【0053】
[ステップS12]
テーブル生成部14eは、入力ドライバ11から登録依頼に対する応答が通知されると、RAM10bから、情報処理装置10に接続されているキーボード31,32とディスプレイ21,22との対応付けが定義された情報を有する動作環境ファイル(図示を省略)を読み込む。
【0054】
[ステップS13]
テーブル生成部14eは、読み込んだ動作環境ファイルに基づいて、キーボード31,32を識別する接続ポート番号に、ディスプレイ21,22をそれぞれ対応付けて、ディスプレイ対応テーブル14aを生成する。
【0055】
なお、入力ドライバ11は、ステップS11でディスプレイ21,22の登録依頼が通知されると、キーボード31,32の接続ポート番号の通知先を表す通知先管理テーブル(図示を省略)に、通知先として表示管理プログラム14を登録する。
【0056】
ここで、上記の処理手順を経て生成されたディスプレイ対応テーブル14aの具体例について説明する。
図6は、キーボードの接続先情報に対応した表示先情報を表すディスプレイ対応テーブルの具体例を示す図である。
【0057】
ディスプレイ対応テーブル14aは、キーボード31,32の接続先情報に対して、表示先のディスプレイ21,22が対応付けられたテーブルである。第2の実施の形態では、図6に示すように、キーボード31を識別する接続ポート番号1にはディスプレイ21が対応付けられ、キーボード32を識別する接続ポート番号2にはディスプレイ22が対応付けられている。
【0058】
次いで、この入力ドライバ11で行われる、キーボード31,32からそれぞれの入力を受け付ける処理手順について説明する。
図7は、第2の実施の形態に係る情報処理装置の入力処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【0059】
[ステップS31]
入力ドライバ11は、キーボード31,32にそれぞれ操作入力が行われると、キーボード31,32の接続ポート番号と、キーボード31,32の操作入力に応じた入力情報とを取得する。
【0060】
[ステップS32]
入力ドライバ11は、前述の通知先管理テーブルを参照して、当該通知先管理テーブルに、入力情報を入力したキーボード31,32の接続ポート番号の通知先が登録されているか否かを判定する。通知先が登録されている場合には、ステップS33に進められ、登録されていない場合にはステップS34に進められる。
【0061】
[ステップS33]
入力ドライバ11は、入力情報を入力したキーボード31,32を識別する接続ポート番号を、通知先管理テーブルに登録されている表示管理プログラム14に通知する。
【0062】
[ステップS34]
入力ドライバ11は、ステップS33の処理を実行した際に、既にOS12から読み込み依頼があったか否かを判定する。読み込み依頼があった場合にはステップS35に進められ、無かった場合には再びステップS31に進められる。
【0063】
[ステップS35]
入力ドライバ11は、OS12からの読み込み依頼に対して、入力情報を応答したことを表す応答情報をRAM10aの所定領域に登録(キューイング)する。
【0064】
なお、入力ドライバ11は、OS12から読み込み依頼が通知されると、登録したキューの先頭の応答情報を参照して、OS12に対する応答情報の有無を判定する。入力ドライバ11は、応答情報が有る場合には、当該応答情報をOS12に通知すると共に、通知した、キューの先頭の応答情報を削除する。応答情報が無い場合には、入力ドライバ11は、ステップS35のように応答情報が登録されるまで待機する。
【0065】
次いで、上記のようにディスプレイ対応テーブル14aを作成し、入力ドライバ11から入力情報及び接続ポート番号を受け付けて、表示管理プログラム14によるアクティブ状態の切替を実行する処理手順について説明する。
【0066】
図8は、第2の実施の形態に係る情報処理装置のアクティブ状態の切替処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
[ステップS41]
ポート情報取得部14bは、前述の図7のステップS31のように、キーボード31,32のいずれかから入力情報が入力されると、入力ドライバ11を介して、入力情報を入力したキーボード31,32の接続ポート番号1,2を取得する。
【0067】
[ステップS42]
表示先確定部14cは、ディスプレイ対応テーブル14aを参照して、取得した接続ポート番号に対応するディスプレイの有無を判定する。次の処理は、対応するディスプレイが有る場合には、ステップS43に進められ、無い場合には切替処理が終了する。
【0068】
[ステップS43]
表示先確定部14cは、取得した接続ポート番号に対応するディスプレイを確定する。
[ステップS44]
切替要求部14dは、確定したディスプレイをアクティブ化にする切替要求をOS12に通知する。なお、通知されたOS12では、アクティブ状態情報12aにおいて、当該切替要求に基づき、確定したディスプレイがアクティブ化していない場合には、表示先確定部14cで確定したディスプレイをアクティブ化し、アクティブ化されているディスプレイを非アクティブ化する。
【0069】
なお、上記の処理は、OS12の入力情報通知部12cがアクティブ状態情報12aを参照するタイミングで行われて、入力情報通知部12cは新たにアクティブ化されたディスプレイに対して、入力情報を通知して表示させる。
【0070】
次に、上記のアクティブ状態切替処理のフローに基づいて、情報処理装置10の動作について具体的に説明する。なお、ディスプレイ対応テーブル14aは既に図6に示されるように作成されているものとする。
【0071】
図9は、第2の実施の形態に係る情報処理装置に接続されたオペレータ用・顧客用のディスプレイに対する操作入力を説明するための図である。
なお、図9では、顧客が自身の口座から所定の金額を送金する取引を実行するアプリケーションを用いて、オペレータ及び顧客によりそれぞれ操作入力が行われる、ディスプレイ21,22に表示されたウィンドウW1,W2を表している。また、図9は、紙面左側をオペレータ用、紙面右側を顧客用のディスプレイ21,22の表示画面21a,22aをそれぞれ表し、処理の流れに沿って(A)、(B)、(C)及び(D)を記載されている。また、ウィンドウW1,W2の外枠は、実線(太線)がアクティブ化された状態を、破線は非アクティブ化された状態をそれぞれ表す。
【0072】
また、オペレータ用のディスプレイ21は表示画面21aにウィンドウW1が表示されている。ウィンドウW1には、顧客番号が入力される顧客番号入力領域W1a、取引金額が入力される取引金額入力領域W1b及び顧客の操作入力に応じて口座番号が出力される口座番号表示領域W1cが設けられている。さらに、ウィンドウW1には、クリックしてウィンドウW2に顧客番号を表示させる表示ボタンW1dと、取引終了後、クリックすることで顧客との取引を確定させる確定ボタンW1eがさらに設けられている。
【0073】
一方、顧客用のディスプレイ22は表示画面22aにウィンドウW2が表示されている。ウィンドウW2には、オペレータの操作入力に応じて顧客番号が出力される顧客番号表示領域W2a、口座番号が入力される口座番号入力領域W2b及び残高が出力される残高表示領域W2cが設けられている。さらに、ウィンドウW2には、クリックして残高表示領域W2cに残高を表示させる残高照会ボタンW2dと、口座が確定すると、クリックしてオペレータ側に口座番号を表示させる確定ボタンW2eがさらに設けられている。
【0074】
まず、オペレータは、情報処理装置10において所定のアプリケーションを実行すると、ディスプレイ21,22の表示画面21a,22aにウィンドウW1,W2がそれぞれ表示される。また、この時のディスプレイ21のウィンドウW1はアクティブ化されている。
【0075】
オペレータは、キーボード31から顧客番号(「003」)をウィンドウW1の顧客番号入力領域W1aに入力し、表示ボタンW1dをクリックする。ディスプレイ22のウィンドウW2の顧客番号表示領域W2aに顧客番号(「003」)が表示されて、当該顧客番号が顧客情報として登録される(図9(A))。
【0076】
顧客は、オペレータによって入力された顧客番号を確認して、ディスプレイ21のウィンドウW1がアクティブ化の状態で、キーボード32を操作して、口座番号(「1234567」)を入力する。
【0077】
この時、情報処理装置10では、まず、ポート情報取得部14bは、入力ドライバ11を介して、キーボード32の接続ポート番号2を取得する(ステップS41)。表示先確定部14cは、ディスプレイ対応テーブル14aを参照して、接続ポート番号2に対応するディスプレイ22を確定する(ステップS42,S43)。切替要求部14dは、OS12のアクティブ状態情報12aでディスプレイ21を非アクティブ化し、ディスプレイ22をアクティブ化する(ステップS44)。そして、OS12は、切り替えられたアクティブ状態情報12aを参照して、入力情報(「1234567」)をディスプレイ22のウィンドウW2の口座番号入力領域W2bに表示させる。
【0078】
顧客は、このようにして口座番号の入力が終了すると、確定ボタンW2eをクリックして、ディスプレイ21のウィンドウW1の口座番号表示領域W1cに口座番号(「1234567」)が表示される(図9(B))。
【0079】
続けて、顧客は、残高照会ボタンW2dをクリックすると、残高表示領域W2cに残高が表示される(図9(C))。
オペレータは、ディスプレイ22のウィンドウW2がアクティブ化の状態で、キーボード31を操作して、顧客から指定された金額(「¥15000」)を取引金額入力領域W1bに入力する。
【0080】
この時、情報処理装置10では、まず、ポート情報取得部14bは、入力ドライバ11を介して、キーボード31の接続ポート番号1を取得する(ステップS41)。表示先確定部14cは、ディスプレイ対応テーブル14aを参照して、接続ポート番号1に対応するディスプレイ21を確定する(ステップS42,S43)。切替要求部14dは、OS12のアクティブ状態情報12aでディスプレイ22を非アクティブ化し、ディスプレイ21をアクティブ化する(ステップS44)。そして、OS12は、切り替えられたアクティブ状態情報12aを参照して、入力情報(「¥15000」)をディスプレイ21のウィンドウW1の取引金額入力領域W1bに表示させる(図9(D))。
【0081】
その後、オペレータは、確定ボタンW1eをクリックして、指定した取引金額が指定先に送金されて、顧客の残高から当該取引金額が引き落とされて取引が完了する。
このように、情報処理装置10では、表示先確定部14cが、入力情報を入力したキーボードの接続ポート番号と、キーボードの接続ポート番号にディスプレイを対応付けたディスプレイ対応テーブル14aとから、入力した入力情報を表示させるディスプレイを確定する。
【0082】
これにより、情報処理装置10に接続されたキーボードに操作入力を行うユーザは、当該キーボードに対応するディスプレイのアクティブ化を行わずに、入力したキーボードを当該キーボードに対応するディスプレイに表示することができる。また、ディスプレイのアクティブ化をし忘れて、操作入力を行っても、所定のディスプレイに、入力した入力情報を表示することができる。したがって、ディスプレイをアクティブ化するための操作入力を省略及び誤入力を防止でき、操作性が向上する。
【0083】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、1つのディスプレイの表示画面に複数のウィンドウを表示させる場合について説明する。
【0084】
図10は、第3の実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
情報処理装置100は、例えば、図10に示すようなコンピュータとして実現される。このコンピュータは、第2の実施の形態と同様に、CPU10a、RAM10b、HDD10c、グラフィック処理部10d及び入力インタフェース10eを備えている。これらの各部はバス10fで相互に接続されている。さらに、入力インタフェース10eには、キーボード31,32及びマウス31a,32aがそれぞれ接続されている。但し、第3の実施の形態では、入力インタフェース10eに1つのディスプレイ23のみが接続されている。
【0085】
なお、情報処理装置100は、第2の実施の形態のソフトウェア構成(図3)と同様に、入力ドライバ11及びアプリケーション13を有する。一方、情報処理装置100は、新たに、OS120及び表示管理プログラム140を有する。
【0086】
ここで、OS120と表示管理プログラム140の詳細について説明する。
図11は、第3の実施の形態に係る情報処理装置が備える機能を示すブロック図である。
【0087】
なお、図11は、ソフトウェア構成のうちOS120及び表示管理プログラム140のみを記載している。
OS120は、第2の実施の形態と同様に、入力情報受付部12b及び入力情報通知部12cを有する。但し、アクティブ状態情報120aは、ウィンドウW1,W2のアクティブ状態(アクティブまたは非アクティブ)を表す情報である。なお、アクティブ化されるのは複数のウィンドウのうち1つである。
【0088】
また、表示管理プログラム140も、第2の実施の形態と同様に、ポート情報取得部14bと、表示先確定部14cと、切替要求部14dと、テーブル生成部14eとを有する。但し、表示管理プログラム140は、新たに、ウィンドウ対応テーブル140aを有する。
【0089】
次に、情報処理装置100の表示管理プログラム140で行われる、ウィンドウ対応テーブル140aの作成を実行する処理手順について説明する。
図12は、第3の実施の形態に係る情報処理装置のウィンドウ対応テーブルの作成を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【0090】
オペレータは、第2の実施の形態と同様に、キーボード31に対して所定の操作入力を行って、以下の作成処理が情報処理装置100で実行される。
[ステップS11a]
テーブル生成部14eは、ウィンドウ対応テーブル140aの作成にあたって、入力情報を入力するキーボード31,32の接続ポート番号に対するウィンドウW1,W2の登録依頼を入力ドライバ11に通知する。
【0091】
[ステップS12a]
テーブル生成部14eは、入力ドライバ11から登録依頼に対する応答が通知されると、RAM10bから、情報処理装置10に接続されているキーボード31,32とウィンドウW1,W2との対応付けが定義された情報を有する動作環境ファイル(図示を省略)を読み込む。
【0092】
[ステップS13a]
テーブル生成部14eは、読み込んだ動作環境ファイルに基づいて、キーボード31,32を識別する接続ポート番号に、ウィンドウW1,W2をそれぞれ対応付けて、ウィンドウ対応テーブル140aを生成する。
【0093】
なお、入力ドライバ11は、第2の実施の形態と同様に、ステップS11aでウィンドウW1,W2の登録依頼が通知されると、キーボード31,32の接続ポート番号の通知先を表す通知先管理テーブル(図示を省略)に、通知先として表示管理プログラム140を登録する。
【0094】
ここで、上記の処理手順を経て生成されたウィンドウ対応テーブル140aの具体例について説明する。
図13は、キーボードの接続先情報に対応した表示先情報を表すウィンドウ対応テーブルの具体例を示す図である。
【0095】
ウィンドウ対応テーブル140aは、キーボード31,32の接続先情報に対して、表示先のウィンドウW1,W2が対応付けられたテーブルである。第3の実施の形態では、図13に示すように、キーボード31を識別する接続ポート番号1にはウィンドウW1が対応付けられ、キーボード32を識別する接続ポート番号2にはウィンドウW2が対応付けられている。
【0096】
なお、ウィンドウ対応テーブル140aを利用するにあたっては、実際の利用時に、ディスプレイ23の表示画面上に、ウィンドウW1,W2を順に立ち上げるようにしておく。
【0097】
次いで、上記のようにウィンドウ対応テーブル140aを作成し、入力ドライバ11から入力情報を受け付けて、表示管理プログラム140によるアクティブ状態の切替を実行する処理手順について説明する。
【0098】
図14は、第3の実施の形態に係る情報処理装置のアクティブ状態の切替処理を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
[ステップS41a]
前述の図7のステップS31のように、キーボード31,32のいずれかから入力情報が入力されると、ポート情報取得部14bは、入力ドライバ11を介して、キーボード31,32のいずれかの接続ポート番号1,2を取得する。
【0099】
[ステップS42a]
表示先確定部14cは、ウィンドウ対応テーブル140aを参照して、取得した接続ポート番号に対応するウィンドウの有無を判定する。次の処理は、対応するウィンドウが有る場合には、ステップS43aに進められ、無い場合には切替処理が終了する。
【0100】
[ステップS43a]
表示先確定部14cは、取得した接続ポート番号に対応するウィンドウを確定する。
[ステップS44a]
切替要求部14dは、OS120のアクティブ状態情報120aにおいて、アクティブ化されているウィンドウを非アクティブ化し、表示先確定部14cで確定したウィンドウをアクティブ化する。
【0101】
なお、上記の処理は、OS120の入力情報通知部12cがアクティブ状態情報120aを参照するタイミングで行われて、入力情報通知部12cは新たにアクティブ化されたウィンドウに対して、入力情報を通知して、表示させる。
【0102】
次に、上記のアクティブ状態切替処理のフローに基づいて、情報処理装置100の動作について具体的に説明する。なお、ウィンドウ対応テーブル140aは既に作成されているものとする。
【0103】
図15は、第3の実施の形態に係る情報処理装置に接続されたオペレータ用・顧客用のウィンドウに対する操作入力を説明するための図である。
なお、図15では、顧客が自身の口座から所定の金額を送金する取引を実行するアプリケーションを用いて、オペレータ及び顧客によりそれぞれ操作入力が行われる、ディスプレイ23の1つの表示画面23aに表示されたウィンドウW1,W2を表している。また、図15は、第2の実施の形態(図9を参照)と同様に、紙面左側をオペレータ用、紙面右側を顧客用のウィンドウW1,W2をそれぞれ表し、処理の流れに沿って(A)、(B)及び(C)が記載されている。また、ウィンドウW1,W2の外枠は、実線(太線)がアクティブ状態を、破線は非アクティブ状態をそれぞれ表す。
【0104】
また、ウィンドウW1,W2にそれぞれ設けられた入力領域・表示領域については、第2の実施の形態(図9を参照)と同様である。
まず、オペレータは、情報処理装置100において所定のアプリケーションを実行すると、ディスプレイ23の表示画面23aにウィンドウW1,W2がそれぞれ表示される。なお、ウィンドウW1,W2はこの順序で立ち上げられる。また、ディスプレイ23の表示画面23aに表示されたウィンドウW1は予めアクティブ化されている。
【0105】
オペレータは、キーボード31から顧客番号(「003」)をウィンドウW1の顧客番号入力領域W1aに入力し、表示ボタンW1dをクリックする。すると、ウィンドウW2の顧客番号表示領域W2aに顧客番号(「003」)が表示されて、当該顧客番号が顧客情報として登録される(図15(A))。
【0106】
顧客は、オペレータによって入力された顧客番号を確認して、ウィンドウW1がアクティブ化の状態で、キーボード32を操作して、口座番号(「1234567」)を入力する。
【0107】
この時、情報処理装置100では、まず、ポート情報取得部14bは、入力ドライバ11を介して、キーボード32の接続ポート番号2を取得する(ステップS41a)。表示先確定部14cは、ウィンドウ対応テーブル140aを参照して、接続ポート番号2に対応するウィンドウW2を確定する(ステップS42a,S43a)。切替要求部14dは、OS120のアクティブ状態情報120aでウィンドウW1を非アクティブ化し、ウィンドウW2をアクティブ化する(ステップS44a)。そして、OS120は、切り替えられたアクティブ状態情報120aを参照して、入力情報(「1234567」)をウィンドウW2の口座番号入力領域W2bに表示させる。
【0108】
顧客は、このようにして口座番号の入力が終了すると、確定ボタンW2eをクリックして、ウィンドウW1の口座番号表示領域W1cに口座番号(「1234567」)が表示される。
【0109】
続けて、顧客は、残高照会ボタンW2dをクリックすると、残高表示領域W2cに残高が表示される(図16(B))。
オペレータは、ウィンドウW2がアクティブ化の状態で、キーボード31を操作して、顧客から指定された金額(「¥15000」)を取引金額入力領域W1bに入力する。
【0110】
この時、情報処理装置100では、まず、ポート情報取得部14bは、入力ドライバ11を介して、キーボード31の接続ポート番号1を取得する(ステップS41a)。表示先確定部14cは、ウィンドウ対応テーブル140aを参照して、接続ポート番号1に対応するウィンドウW1を確定する(ステップS42a,S43a)。切替要求部14dは、OS120のアクティブ状態情報12aでウィンドウW2を非アクティブ化し、ウィンドウW1をアクティブ化する(ステップS44a)。そして、OS120は、切り替えられたアクティブ状態情報120aを参照して、入力情報(「¥15000」)をウィンドウW1の取引金額入力領域W1bに表示させる(図15(C))。
【0111】
その後、第2の実施の形態と同様に、オペレータは、確定ボタンW1eをクリックして、指定した取引金額が指定先に送金されて、顧客の残高らから当該取引金額が引き落とされて取引が完了する。
【0112】
このように、情報処理装置100では、表示先確定部14cが、入力情報を入力したキーボードの接続ポート番号と、キーボードの接続ポート番号にウィンドウを対応付けたウィンドウ対応テーブル140aとから、入力した入力情報を表示させるウィンドウを確定する。
【0113】
これにより、情報処理装置100に接続されたキーボードに操作入力を行うユーザは、当該キーボードに対応するウィンドウのアクティブ化を行わずに、入力したキーボードを当該キーボードに対応するウィンドウに表示することができる。また、ウィンドウのアクティブ化をし忘れて、操作入力を行っても、キーボードに対応した所定のウィンドウに、入力した入力情報を表示することができる。したがって、ウィンドウをアクティブ化するための操作入力を省略及び誤入力を防止でき、操作性が向上する。
【0114】
なお、上記の各実施の形態で示した情報処理装置1,10,100が有する機能の少なくとも一部は、コンピュータによって実現することができる。その場合には、上記機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そして、そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。
【0115】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録された光ディスク等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、そのプログラムを、サーバコンピュータからネットワークを介して他のコンピュータに転送することもできる。
【0116】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【符号の説明】
【0117】
1,10,100 情報処理装置
2 受付部
3 表示部
4 表示管理プログラム
4a 表示先情報保持手段
4b 識別情報取得手段
4c 表示先確定手段
4d 切替要求手段
10a CPU
10b RAM
10c HDD
10d グラフィック処理部
10e 入力インタフェース
10f バス
11 入力ドライバ
12,120 オペレーションシステム(OS)
12a,120a アクティブ状態情報
12b 入力情報受付部
12c 入力情報通知部
13 アプリケーション
14,140 表示管理プログラム
14a ディスプレイ対応テーブル
14b ポート情報取得部
14c 表示先確定部
14d 切替要求部
14e テーブル生成部
140a ウィンドウ対応テーブル
21,22,23 ディスプレイ
21a,22a,23a 表示画面
31,32 キーボード
31a,32a マウス
W1,W2 ウィンドウ
W1a 顧客番号入力領域
W1b 取引金額入力領域
W1c 口座番号表示領域
W1d 表示ボタン
W1e,W2e 確定ボタン
W2a 顧客番号表示領域
W2b 口座番号入力領域
W2c 残高表示領域
W2d 残高照会ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置及び表示装置が複数接続された情報処理装置において、
入力装置を識別する識別情報ごとに表示装置をそれぞれ対応付けた表示先情報を保持する表示先情報保持手段と、
入力装置が入力情報を入力すると、入力情報を入力した入力装置の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
取得した識別情報と前記表示先情報とを基に、入力された入力情報を表示させる表示装置を確定する表示先確定手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記入力情報の表示先を前記表示先確定手段が確定した前記表示装置に切り替える切替要求手段、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記識別情報は接続ポート番号であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の入力装置及び表示装置が接続された情報処理装置において、
入力装置を識別する識別情報ごとに、前記表示装置に表示されるウィンドウをそれぞれ対応付けた表示先情報を保持する表示先情報保持手段と、
入力装置が入力情報を入力すると、入力情報を入力した入力装置の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
取得した識別情報と前記表示先情報とを基に、入力された入力情報を表示させるウィンドウを確定する表示先確定手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
入力装置及び表示装置が複数接続された情報処理装置の入力制御プログラムにおいて、
コンピュータを、
入力装置を識別する識別情報ごとに表示装置をそれぞれ対応付けた表示先情報を保持する表示先情報保持手段、
入力装置が入力情報を入力すると、入力情報を入力した入力装置の識別情報を取得する識別情報取得手段、
取得した識別情報と前記表示先情報とを基に、入力された入力情報を表示させる表示装置を確定する表示先確定手段、
として機能させることを特徴とする入力制御プログラム。
【請求項6】
複数の入力装置及び表示装置が接続された情報処理装置の入力制御プログラムにおいて、
コンピュータを、
入力装置を識別する識別情報ごとに、前記表示装置に表示されるウィンドウをそれぞれ対応付けた表示先情報を保持する表示先情報保持手段、
入力装置が入力情報を入力すると、入力情報を入力した入力装置の識別情報を取得する識別情報取得手段、
取得した識別情報と前記表示先情報とを基に、入力された入力情報を表示させるウィンドウを確定する表示先確定手段、
として機能させることを特徴とする入力制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−221779(P2011−221779A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90037(P2010−90037)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】