説明

情報処理装置及び情報処理方法、並びにプログラム

【課題】通常用いている入力手段への入力操作が行えない状態であっても、入力を行うことができること。
【解決手段】情報処理装置1は、第1入力部11と、カード検出部41と、第2入力部13とを備える。第1入力部11は、入力操作により情報を入力する。カード検出部41は、第1入力部11への入力を妨げる事象を検出する。第2入力部13は、カード検出部41により第1入力部11への入力操作を妨げる事象が検出された場合には、第1入力部11の代替として、入力操作により情報を入力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常用いている入力手段への入力操作が行えない状態であっても、入力を行うことができる情報処理装置及び情報処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、NFC(Near Field Communication)等の通信規格に準拠して、非接触IC(Integrated Circuit)カードと近距離通信を行い、当該非接触ICカードに記憶されるデータを読み出して情報処理に利用する情報処理装置が知られている。
特許文献1には、このような情報処理装置として、非接触ICカードとの通信を行うことができるように構成されるとともに、通常用いる入力手段としてキーボードを備える情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−193474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の情報処理装置では、キーボードを囲むように、非接触通信ICカードとの通信用のアンテナが配置されている。このため、ユーザは、非接触ICカードをアンテナ近傍にかざすと、非接触ICカードによりキーボードが覆い隠されてしまうため、キーボードへの入力操作ができなくなってしまう。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、通常用いる入力手段への入力操作が行えない状態であっても、入力を行うことができる情報処理装置及び情報処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、入力操作により情報を入力する第1の入力手段と、前記第1の入力手段への入力を妨げる事象を検出する検出手段と、前記検出手段により前記第1の入力手段への入力操作を妨げる事象が検出された場合には、前記第1の入力手段の代替として、入力操作により情報を入力する第2の入力手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通常用いている入力手段への入力操作が行えない状態であっても、入力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における外観構成の概略を示す上面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置におけるハードウェアの内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2の情報処理装置における機能的構成のうち、入力機能発揮処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図3の機能的構成を有する図2の情報処理装置が実行する入力機能発揮処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置における外観構成の概略を示す上面図である。詳しくは、図1(a)は、待機状態の情報処理装置における外観構成の概略を示す図であり、図1(b)は、非接触ICカードがかざされた状態での情報処理装置における外観構成の概略を示す図である。
【0011】
情報処理装置1は、図1(a)に示すように、キーボードにより構成される第1入力部11と、ディスプレイにより構成される表示部12と、を備えるとともに、非接触ICカード100との通信機能を有している。このため、情報処理装置1においては、非接触ICカード100との通信用のアンテナ14が、第1入力部11(キーボード)の周囲を囲むようにして配置されている。
【0012】
情報処理装置1は、ユーザにより非接触ICカード100がアンテナ14の近傍、即ち第1入力部11の上方にかざされると、非接触ICカード100からデータを送受信し、各種情報処理を実行する。例えば非接触ICカード100がユーザの会員証や社員証の役割を果たす場合には、情報処理装置1は、非接触ICカード100に記憶されたデータに基づいて認証処理を実行する。
【0013】
ここで、図1(b)に示すように、非接触ICカード100がアンテナ14の近傍にかざされることは、第1入力部11(キーボード)が非接触ICカード100により覆い隠されてしまうことを意味する。この場合ユーザは、通常用いている第1入力部11(キーボード)への入力操作をすることができなくなる。
一方で、表示部12の表示画面の全体に対して、第2入力部13としてタッチパネルが積層されて配置されている。非接触ICカード100により第1入力部11が覆いかぶされた場合であっても、第2入力部13(タッチパネル)に対しては、ユーザの指等の物体を接触又は近接させる操作(以下、「タッチ操作」と呼ぶ)を行うことが可能である。
そこで、本実施形態の情報処理装置1は、非接触ICカード100がかざされた場合には、ソフトウェアキーボードとして機能させるためのGUI(Graphical User Interface)用の画像SKを表示部12に表示させて、第2入力部13(タッチパネル)と連動させることによって、第1入力部11(キーボード)の代替入力手段として機能させる。
ここで、「ソフトウェアキーボード」とは、表示部12に表示されたGUI画像用の画像SK(以下、ソフトウェアキーボード画像SK)のうち、所定キーに対応する位置に対してタッチ操作をすることで、物理キーボードの所定キーを押下操作したことと等価になり、当該所定キーに割り当てられた情報を情報処理装置1に入力する入力手段をいう。
なお、このようなソフトウェアキーボードと明確に区別すべく、以下、物理キーボード(ハードウェアキーボード)を、単に「キーボード」と呼ぶ。
【0014】
次に、上述したような機能を有する情報処理装置1の内部構成ついて説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置1におけるハードウェアの内部構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、例えば携帯端末として構成される。
【0015】
情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)15と、ROM(Read Only Memory)16と、RAM(Random Access Memory)17と、バッテリ18と、バス19と、入出力インターフェース20と、第2入力部13と、表示部12と、第1入力部11と、R/W部21と、通信部22と、出力部23と、記憶部24と、ドライブ25と、を備えている。
【0016】
CPU15は、ROM16に記録されているプログラム、又は、記憶部24からRAM17にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0017】
RAM17には、CPU15が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0018】
バッテリ18は、例えば、リチウムイオン二次電池により構成され、情報処理装置1に駆動用の電力を供給する電力供給源である。
【0019】
ここで、CPU15、ROM16及びRAM17は、バス19を介して相互に接続されている。このバス19にはまた、入出力インターフェース20も接続されている。入出力インターフェース20には、第2入力部13と、表示部12と、第1入力部11と、R/W部21と、通信部22と、出力部23と、記憶部24と、ドライブ25が接続されている。
【0020】
第2入力部13は、上述の如くタッチパネルとして構成され、表示部12に積層して配置され、ユーザのタッチ操作がなされた位置座標を入力する。
【0021】
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイで構成され、例えば、壁紙やソフトウェアキーボード画像SK等を表示する。
【0022】
第1入力部11は、各種物理キーからなるキーボードで構成され、所定の物理キーが押下操作されると、当該所定の物理キーに割り当てられた情報を入力する。
【0023】
R/W部21は、非接触ICカード100が近接されると、アンテナ14を介していわゆる非接触通信を行い、非接触ICカード100に記憶されるデータの読み出しや書き込み等を行う。
【0024】
通信部22は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
出力部23は、スピーカ等で構成され、音声を出力する。
【0025】
記憶部24は、ハードディスク或いはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種画像のデータや、例えば、表示部12における表示状態等のデータ等を記憶する。
【0026】
ドライブ25には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ25によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部24にインストールされる。また、リムーバブルメディア31も、記憶部24に記憶されている画像データ等の各種データを、記憶部24と同様に記憶することができる。
【0027】
図3は、このような情報処理装置1の機能的構成のうち、入力機能発揮処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
入力機能発揮処理とは、第1入力部11への入力操作が行えない状態となった場合、即ち、非接触ICカード100がアンテナ14近傍にかざされた場合に、第2入力部13によるソフトウェアキーボードの機能を発揮させるまでの一連の処理をいう。
【0028】
入力機能発揮処理が実行される場合には、CPU15においては、図3に示すように、カード検出部41と、通信処理部42と、入力状態認識部43と、GUI画像表示制御部44と、入力処理部45と、が機能する。
【0029】
カード検出部41は、R/W部21と非接触ICカード100とが非接触通信を行っているか否かに基づいて、非接触ICカード100を検出する。
通信処理部42は、カード検出部41の検出結果に基づいて、非接触ICカード100とR/W部21との非接触通信を制御し、当該非接触通信でやり取りされるデータ等を処理する。
【0030】
入力状態認識部43は、カード検出部41の検出結果を受けて、第1入力部11及び第2入力部13の入力状態を認識する。入力状態認識部43は、例えば、第2入力部13が入力可能な状態であるか否かを認識する。即ち、入力状態認識部43は、ソフトウェアキーボード画像(例えば、図1(b)に示すようなソフトウェアキーボード画像SK)が表示されているか否かを認識する。
【0031】
GUI画像表示制御部44は、入力状態認識部43での認識結果に基づいて、表示部12におけるGUI画像の表示状態を制御する。具体的には、GUI画像表示制御部44は、入力状態認識部43により第1入力部11が入力不可能な状態であると認識した場合に、ソフトウェアキーボード画像を表示部12に表示させるように制御する。一方、GUI画像表示制御部44は、入力状態認識部43により第1入力部11が入力可能な状態であると認識した場合に、必要に応じて、ソフトウェアキーボード画像の表示部12への表示を削除するように制御する。
【0032】
入力処理部45は、第1入力部11又は第2入力部13からの入力された情報を処理する。入力処理部45は、第1入力部11又は第2入力部13からの入力情報に応じて、例えば、認証コードの入力や文字入力等の処理を行う。
【0033】
次に、情報処理装置1が実行する入力機能発揮処理について説明する。
図4は、図3の機能的構成を有する図2の情報処理装置1が実行する入力機能発揮処理の流れを説明するフローチャートである。
入力機能発揮処理は、ユーザによって、入力機能発揮処理の開始の操作がされることを契機に開始される。
【0034】
ステップS11において、入力状態認識部43は、その時点のGUI表示状態を初期状態として認識する。即ち、入力状態認識部43は、第2入力部13による入力が可能か否か、具体的には、入力状態認識部43は、表示部12にソフトウェアキーボード画像(例えば、図1(b)に示すようなソフトウェアキーボード画像SK)が表示されている状態か否かを認識する。入力状態認識部43は、ソフトウェアキーボードのGUI画像が表示されている場合には、GUI表示状態を有効な表示状態と認識とし、ソフトウェアキーボード画像が表示されていない場合には、GUI表示状態を無効な表示状態と認識とする。
このようにして初期状態として認識されたGUI表示状態は記憶部24に記憶される。即ち、記憶部24は、初期状態が有効な表示状態であったか、無効な表示状態であったかを記憶する。
【0035】
ステップS12において、カード検出部41は、非接触ICカード100を検出したか否かを判断する。
非接触ICカード100が検出されない場合、ステップS12においてNOであると判定され、処理はステップS12に戻されてそれ以降の処理が実行される。即ち、非接触ICカード100が検出されるまでの間、ステップS12の判定処理が繰り返し実行され、入力機能発揮処理は待機状態になる。その後、ユーザにより、非接触ICカード100がアンテナ14の近傍、即ち、第1入力部11の上方にかざされると、非接触ICカード100が検出される。このような場合、第1入力部11に対する入力操作が不可能になるので、ステップS12においてYESであると判定され、処理はステップS13に進み、次のような処理が実行される。
【0036】
ステップS13において、入力状態認識部43は、GUI表示状態が有効であるか否かを判断する。具体的には、入力状態認識部43は、表示部12にソフトウェアキーボード画像が表示されているか否かを判断する。
GUI表示状態が有効な表示状態でない表示状態(無効な表示状態)の場合、即ち、表示部12にソフトウェアキーボード画像が表示されていない場合、ステップS13においてNOであると判断され、処理はステップS14に進む。
一方、GUI表示状態が有効な表示状態の場合、即ち、表示部12にソフトウェアキーボード画像が表示されている場合、既に、第1入力部11以外の第2入力部13での入力が可能であるため、ステップS13においてYESであると判断され、処理はステップS15に進む。
【0037】
ステップS14において、GUI画像表示制御部44は、ソフトウェアキーボード画像(例えば、図1(b)に示すようなソフトウェアキーボード画像SK)を表示部12に表示させる。これにより、ユーザは、第1入力部11に代替して、第2入力部13で入力操作を行うことが可能となる。
【0038】
ステップS15において、R/W部21は、非接触ICカード100と非接触通信を行う。
【0039】
ステップS16において、通信処理部42は、通信が終了したか否かを判定する。
通信が終了しない場合、ステップS16においてNOであると判定され、処理はステップS15に戻されてそれ以降の処理が実行される。即ち、通信が終了するまでの間、ステップS16の判定処理が繰り返し実行される。その後、通信が終了した場合、ステップS16においてYESであると判定され、処理はステップS17に進み、次のような処理が実行される。
【0040】
ステップS17において、入力状態認識部43は、初期状態が有効な表示状態であったか否かを判断する。具体的には、入力状態認識部43は、記憶部24に記憶される初期状態の情報を参照して、初期状態の表示状態を判断する。
初期状態が有効な表示状態の場合には、ステップS17においてYESであると判断され、処理はステップS18に進む。
初期状態が有効でない表示状態(無効の表示状態)の場合には、表示部12における表示状態を初期状態に戻すために、ステップS17においてNOであると判断され、処理はステップS19に進む。
【0041】
ステップS18において、GUI画像表示制御部44は、ソフトウェアキーボード画像(例えば、図1(b)に示すようなソフトウェアキーボード画像SK)を表示部12に表示させる(継続して表示させる)。これにより、入力機能発揮処理は終了する。
【0042】
ステップS19において、GUI画像表示制御部44は、ソフトウェアキーボード画像を非表示にする。即ち、通信が終了したことで、非接触ICカード100がかざされなくなり第1入力部11が使用可能な状態となったため、表示部12においては、ソフトウェアキーボード画像を初期状態である非表示に変更する。これにより、入力機能発揮処理は終了する。
【0043】
従って、情報処理装置1においては、通常用いている第1入力部11への入力操作が行えない状態であっても、入力を行うことができる。
【0044】
以上のように構成される情報処理装置1は、第1入力部11と、カード検出部41と、第2入力部13とを備える。
第1入力部11は、入力操作により情報を入力する。
カード検出部41は、第1入力部11への入力を妨げる事象を検出する。
第2入力部13は、カード検出部41により第1入力部11への入力操作を妨げる事象が検出された場合には、第1入力部11の代替として、入力操作により情報を入力する。
【0045】
このように構成される情報処理装置1では、カード検出部41により第1入力部11への入力操作を妨げる事象が検出された場合には、第2入力部13により第1入力部11の代替として、入力操作により情報を入力する。このため、情報処理装置1では、通常用いている入力手段への入力操作が行えない状態であっても、第2入力部13で代替して、入力を行うことができる。また、第1入力部11を常設のキーボード、即ち、物理キーボード(ハードウェアキーボード)として構成した場合には、第2入力部13は、第1入力部11の操作が妨げられた場合にのみ入力機能を発揮するようにすればよいために、ソフトウェアキーボードにより構成することができる。
【0046】
また、情報処理装置1では、第2入力部13は、カード検出部41により第1入力部11への入力操作を妨げる事象が検出されなくなった場合には、入力操作による情報の入力を禁止する。このため、情報処理装置1では、第1入力部11の入力機能が入力可能状態へ復帰することに合わせて自動的に第2入力部13の機能を停止することができ、第1入力部11の入力等の妨げにならない。
【0047】
また、情報処理装置1では、表示部12と、GUI画像表示制御部44とを備える。
表示部12は、画像を表示する。
GUI画像表示制御部44は、表示部12の表示を制御する。
第2入力部13は、表示部12の表示画面に積層されて配置されるタッチパネルにより構成される。
また、GUI画像表示制御部44は、タッチパネルに対する物体の接触又は近接の入力操作により情報を入力するための、ソフトウェアキーボード画像SKにおける表示部12への表示の有無を制御する。
【0048】
このため、情報処理装置1では、ハードウェアとして入力部を別途持つ必要がないために、第2入力部13による配置のレイアウト等への制約を与えることがない、即ち、装置の設計の自由度を高めることができる。
【0049】
また、情報処理装置1では、R/W部21を備える。
R/W部21は、アンテナ14を介して非接触ICカード100と非接触通信を行う。
アンテナ14は、第1入力部11の近傍に配置される。
カード検出部41は、非接触ICカード100との通信を、第1入力部11への入力操作を妨げる事象として検出する。
【0050】
このため、情報処理装置1では、第1入力部11への入力操作を妨げる操作が非接触ICカード100との通信、即ち、非接触ICカード100をかざす操作により行われるものであったとしても、第1入力部11と操作が干渉しない位置にアンテナ14を配置しなくてもよいために、装置の設計の自由度を高めることができる。
【0051】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0052】
上述の実施形態では、第2入力部13は、ソフトウェアキーボードとして構成したがこれに限られない。第2入力部13は、第1入力部11での入力を補完できるような入力手段であればよく、例えば、物理キーボード(ハードウェアキーボード)でもよい。
【0053】
また、上述の実施形態では、第2入力部13は、図1(b)に示すように、GUI画像表示制御部44によりQWERTY配列のフルキーボードを表示して機能を発揮させたがこれに限られない。また、第2入力部13は、例えば、数字のみの認証コード等の非接触ICカード100に対応する表示をして機能を発揮させてもよい。また、第2入力部13は、例えば、起動しているアプリケーションソフトウェア、即ち、アクティブなソフトウェアに対応する表示をして機能を発揮させてもよい。
【0054】
また、上述の実施形態では、情報処理装置1は、第1の入力手段への入力を妨げる事象として、カードとの通信状態等を検出することで、第1入力部11への入力を妨げる事象である非接触ICカード100をかざすことを検出するように構成したが、これに限られない。情報処理装置1では、例えば、通信状態の検出や各種センサ等により、第1入力部11への入力を妨げる事象に関わる状態を検出できればよい。
【0055】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される情報処理装置1は、携帯端末を例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、入力機能発揮処理の機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、認証装置、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0056】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0057】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0058】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図2のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM16や、図2の記憶部24に含まれるハードディスク等で構成される。
【0059】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0060】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0061】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
入力操作により情報を入力する第1の入力手段と、
前記第1の入力手段への入力を妨げる事象を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記第1の入力手段への入力操作を妨げる事象が検出された場合には、前記第1の入力手段の代替として、入力操作により情報を入力する第2の入力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
[付記2]
前記第2の入力手段は、前記検出手段により前記第1の入力手段への入力操作を妨げる事象が検出されなくなった場合には、前記入力操作による情報の入力を禁止する、
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
[付記3]
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の表示を制御する表示制御手段を備え、
前記第2の入力手段は、前記表示手段の表示画面に積層されて配置されるタッチパネルにより構成され、
前記表示制御手段は、前記タッチパネルに対する物体の接触又は近接の入力操作により情報を入力するためのGUI用の画像の前記表示手段への表示の有無を制御する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の情報処理装置。
[付記4]
アンテナを介して非接触ICカードと非接触通信を行うリーダライタ手段を備え、
前記アンテナは、前記第1の入力手段の近傍に配置され、
前記検出手段は、前記非接触ICカードとの通信を、前記第1の入力手段への入力操作を妨げる事象として検出する
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
[付記5]
入力操作により情報を入力する第1の入力手段及び第2の入力手段を備える情報処理装置が実行する情報処理方法において、
入力操作の対象が前記第1の入力手段である場合、前記第1の入力手段の入力操作を妨げる事象を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの処理により前記第1の入力手段の入力操作を妨げる事象が検出された場合には、入力操作の対象として前記第2の入力手段に切り替える入力切替ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
[付記6]
入力操作により情報を入力する第1の入力手段及び第2の入力手段を備える情報処理装置を制御するコンピュータに、
入力操作の対象が前記第1の入力手段である場合に、前記第1の入力手段の入力操作を妨げる事象を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの処理により前記第1の入力手段の入力操作を妨げる事象が検出された場合には、入力操作の対象として前記第2の入力手段に切り替える入力切替ステップと、
を含む制御処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0062】
1・・・情報処理装置,11・・・第1入力部,12・・・表示部,13・・・第2入力部,14・・・アンテナ,18・・・バッテリ,19・・・バス,20・・・入出力インターフェース,22・・・通信部,23・・・出力部,24・・・記憶部,25・・・ドライブ,31・・・リムーバブルメディア,41・・・カード検出部,42・・・通信処理部,43・・・入力状態認識部,44・・・GUI画像表示制御部,45・・・入力処理部,100・・・非接触ICカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力操作により情報を入力する第1の入力手段と、
前記第1の入力手段への入力を妨げる事象を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記第1の入力手段への入力操作を妨げる事象が検出された場合には、前記第1の入力手段の代替として、入力操作により情報を入力する第2の入力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の入力手段は、前記検出手段により前記第1の入力手段への入力操作を妨げる事象が検出されなくなった場合には、前記入力操作による情報の入力を禁止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の表示を制御する表示制御手段を備え、
前記第2の入力手段は、前記表示手段の表示画面に積層されて配置されるタッチパネルにより構成され、
前記表示制御手段は、前記タッチパネルに対する物体の接触又は近接の入力操作により情報を入力するためのGUI用の画像の前記表示手段への表示の有無を制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
アンテナを介して非接触ICカードと非接触通信を行うリーダライタ手段を備え、
前記アンテナは、前記第1の入力手段の近傍に配置され、
前記検出手段は、前記非接触ICカードとの通信を、前記第1の入力手段への入力操作を妨げる事象として検出する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
入力操作により情報を入力する第1の入力手段及び第2の入力手段を備える情報処理装置が実行する情報処理方法において、
入力操作の対象が前記第1の入力手段である場合、前記第1の入力手段の入力操作を妨げる事象を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの処理により前記第1の入力手段の入力操作を妨げる事象が検出された場合には、入力操作の対象として前記第2の入力手段に切り替える入力切替ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
入力操作により情報を入力する第1の入力手段及び第2の入力手段を備える情報処理装置を制御するコンピュータに、
入力操作の対象が前記第1の入力手段である場合に、前記第1の入力手段の入力操作を妨げる事象を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの処理により前記第1の入力手段の入力操作を妨げる事象が検出された場合には、入力操作の対象として前記第2の入力手段に切り替える入力切替ステップと、
を含む制御処理を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−256244(P2012−256244A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129512(P2011−129512)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】