説明

情報処理装置及び情報処理方法及びプログラム

【課題】複数種の計算機アーキテクチャに対応させて計算機システムの構築を効率的に行う。
【解決手段】資源管理用計算機7が、要求元計算機2から、構築が要求される計算機アーキテクチャを示す構築要求を受信し、構築要求、構成情報データベース8及び資源情報データベース9の情報を参照して、計算機を計算機プール11から選択し、ストレージをストレージプール13から選択し、計算機アーキテクチャの構築に必要なシステムディスクイメージをシステムディスクイメージ格納用ストレージ14の複数種のシステムディスクイメージの中から抽出し、抽出したシステムディスクイメージをストレージプール13から選択したストレージに格納し、システムディスクイメージが格納された状態のストレージと計算機プール11から選択した計算機とを接続して、要求された計算機アーキテクチャを構築する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計算機システムを構築する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の計算機システムの構築手法では、異なるジョブに使用する複数の計算機システムを構成する場合、予めジョブ別にシステム設計された計算機と計算機に直結されたストレージからなる非共有な計算機システムが複数用意される。
【0003】
また、予め用意された計算機プールから1台の計算機を選択し、選択した1台の計算機を用いて任意のジョブ用の計算機システムを構築する方式もある。
この方式の場合、選択した計算機にネットワークを介してアプリケーションプログラムをダウンロードすることにより、任意の計算機上で任意のジョブを動作させることが行われる(例えば、特許文献1)。
また、ジョブの実行環境を任意の計算機用に変換すると共に、選択した計算機にジョブに必要なデータをネットワークを介して転送することにより、異なる計算機環境であっても任意のジョブを動作させることが行われる(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2001−195238号公報 第1図
【特許文献2】特開2004−264957号公報 第3頁〜5頁、第1図
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の予め用意された計算機プールから計算機を割り当てて任意のジョブ用の計算機システムを構築する方式では、以下のような課題がある。
(1)要求された計算機の環境構築に計算機本体が必要な為、環境構築のための設定処理の間は当該計算機本体は他の用途に使用することができず、計算機本体が使用されていない期間が生じる。
(2)要求された計算機のオペレーティングシステムが異なる、又は、バージョンが異なる場合が考慮されていない為、異なるオペレーティングシステム、又は、バージョンが必要な場合は別途オペレーティングシステムのインストール作業が人手で必要となる。
(3)一度構築された環境の再利用が考慮されていない為、後ほど同様の計算機環境を要求されると同じ手間をかけて再度環境構築を行う必要がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決することを主な目的としており、計算機が使用されない期間を削減し、また、複数のオペレーティングシステム、複数のバージョンに対応させて計算機システムの構築を効率的に行い、また、一度構築した計算機システムを有効に活用することができる仕組みを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、
複数の計算機が含まれる計算機プールと、複数のストレージ装置が含まれるストレージプールと、複数種の計算機アーキテクチャのシステムディスクイメージを格納するシステムディスクイメージ格納装置とを管理し、
構築が要求される計算機アーキテクチャを要求アーキテクチャとして示す構築要求情報を受信する構築要求受信部と、
前記要求アーキテクチャの構築に用いる計算機を前記計算機プールから選択する計算機選択部と、
前記要求アーキテクチャの構築に用いるストレージ装置を前記ストレージプールの中から選択するストレージ選択部と、
前記要求アーキテクチャの構築に用いるシステムディスクイメージを前記システムディスクイメージ格納装置の複数種のシステムディスクイメージから抽出するシステムディスクイメージ抽出部と、
前記システムディスクイメージ抽出部により抽出された抽出システムディスクイメージを前記ストレージ選択部により選択された選択ストレージ装置に格納し、前記抽出システムディスクイメージが格納されている前記選択ストレージ装置と前記計算機選択部により選択された選択計算機とを接続するシステム構築部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数種の計算機アーキテクチャに対応させたシステムディスクイメージの中から要求アーキテクチャの構築に用いるシステムディスクイメージを抽出し、抽出したシステムディスクイメージをストレージプールから選択したストレージ装置に格納し、システムディスクイメージが格納されたストレージ装置を計算機プールから選択された計算機に接続して要求アーキテクチャを構築するので、複数種の計算機アーキテクチャの各々を効率的に構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係るシステム構成例を示す図である。
【0009】
本実施の形態に係るシステムは、複数の計算機が含まれる計算機プール11、複数のストレージ装置(以下、単にストレージともいう)が含まれるストレージプール13、計算機システムの構築を要求する要求元計算機2、要求元計算機2の要求に基づいて計算機システムを構築する資源管理用計算機7、資源管理用計算機7が参照する構成情報データベース8及び資源情報データベース9、複数種の計算機アーキテクチャのシステムディスクイメージを格納するシステムディスクイメージ格納用ストレージ14に大別される。
そして、要求元計算機2と資源管理用計算機7がネットワーク10で接続され、資源管理用計算機7、計算機プール11の各計算機、ストレージプール13の各ストレージ、構成情報データベース8、資源情報データベース9、システムディスクイメージ格納用ストレージ14が、SAN(Storage Area Network)12により接続されている。
なお、資源管理用計算機7は情報処理装置の例であり、資源情報データベース9は計算機仕様情報記憶装置の例であり、システムディスクイメージ格納用ストレージ14はシステムディスクイメージ格納装置の例である。
【0010】
図1において、要求送信部1は操作員がCPU(Central Processing Unit)性能、ディスク容量、オペレーティングシステム種類などを指定して計算機資源を要求するためのマン・マシン・インターフェースを備えた手段である。
【0011】
資源管理用計算機7は、例えば、図2に示す内部構成要素を有する。
資源管理用計算機7の内部構成要素の各々の内容は、後述する。
【0012】
構成情報データベース8は、資源管理用計算機7が検索するシステムディスクイメージなどの情報を管理するデータベースである。
構成情報データベース8は、例えば、図7に示す各種情報テーブルを記憶している。
【0013】
資源情報データベース9は、資源管理用計算機7が検索する計算機資源の情報を管理するデータベース、
資源情報データベース9は、例えば、図6に示す各種情報テーブルを記憶している。
図6の詳細は後述するが、資源情報データベース9には、計算機プール11に含まれている各計算機の仕様が示される情報及びストレージプール13に含まれている各ストレージの仕様が示される情報が格納されている。
資源情報データベース9は、計算機仕様情報記憶装置の例である。
【0014】
ストレージプール13は、要求に従い割付を行うストレージ装置群である。
【0015】
システムディスクイメージ格納用ストレージ14は、要求に従い生成するシステム環境の元となる各種システムディスクイメージを格納したディスクである。
図1の例では、システムディスクイメージ格納用ストレージ14には、計算機アーキテクチャA用のシステムディスクイメージ、計算機アーキテクチャB用のシステムディスクイメージ、計算機アーキテクチャC用のシステムディスクイメージが格納されている。
また、計算機アーキテクチャAの例、計算機アーキテクチャBの例、計算機アーキテクチャCの例は図1に示すとおりである。
システムディスクイメージ格納用ストレージ14の計算機アーキテクチャA用のシステムディスクイメージ、計算機アーキテクチャB用のシステムディスクイメージ、計算機アーキテクチャC用のシステムディスクイメージの各々がストレージプール13の各ストレージに格納され、また、計算機プール11の計算機とストレージが接続されて、計算機アーキテクチャA、計算機アーキテクチャB、計算機アーキテクチャCの各々が実現されることになる。
【0016】
ここで、図1に基づいて、本実施の形態に係るシステムの動作の概要を説明する。
【0017】
まず、要求元計算機2において、要求送信部1が操作員の要求に基づいて、構築が要求される計算機アーキテクチャを要求アーキテクチャとして示す構築要求情報を資源管理用計算機7に送信する。
例えば、要求送信部1は図5に示す構築要求情報を送信する。図5の例では、要求アーキテクチャの詳細として、CPUの性能、メモリサイズ、LAN(Local Area Network)の性能、ディスク性能、OS(Operating System)の種類等が示されている。
【0018】
資源管理用計算機7では、要求送信部1から送信された構築要求情報を受信する。
そして、資源管理用計算機7は、要求アーキテクチャの構築に用いる計算機を計算機プール11から選択する。
また、資源管理用計算機7は、要求アーキテクチャの構築に用いる空のストレージ装置をストレージプールから選択する。空のストレージ装置とは、システムディスクイメージが格納されていないストレージ装置である。
更には、資源管理用計算機7は、要求アーキテクチャの構築に必要なシステムディスクイメージをシステムディスクイメージ格納用ストレージ14の複数種のシステムディスクイメージの中から抽出する。
そして、資源管理用計算機7は、システムディスクイメージ格納用ストレージ14から抽出したシステムディスクイメージをストレージプール13から選択した空のストレージ装置に格納し、抽出したシステムディスクイメージが格納された状態のストレージ装置と計算機プール11から選択した計算機とを接続して、要求アーキテクチャを構築する。
【0019】
また、資源管理用計算機7は、ストレージプール13からの空のストレージ装置の選択に先立ち、ストレージプール13のストレージ装置のうち、既にシステムディスクイメージが格納されているがいずれの計算機とも接続されていない既構成ストレージ装置に対して、要求アーキテクチャの構築に必要なシステムディスクイメージが格納されている否かを判断し、いずれかの既構成ストレージ装置に対象のシステムディスクイメージが格納されている場合は、空のストレージ装置の選択を行わずに、対象のシステムディスクイメージが格納されている既構成ストレージ装置と計算機プール11から選択した計算機とを接続して、要求アーキテクチャを構築する。
このように、資源管理用計算機7は一度システムディスクイメージを格納した既構成ストレージ装置には原則としてシステムディスクイメージを残しておき、システムディスクイメージを格納したままの状態にしている既構成ストレージを後刻再利用することとしている。
【0020】
次に、図2を参照して、資源管理用計算機7の内部構成要素の各々を説明する。
【0021】
図2において、要求管理部3は、要求送信部1からの構成要求情報を受信するとともに、受信した構成要求情報に基づいて構成情報管理部4、資源管理部5、システム構築部6を介して計算機資源を用意し、要求送信部1に計算機システムの構築を回答する手段である。
要求管理部3は、構築要求受信部の例である。
【0022】
構成情報管理部4は、要求された環境に最も適したシステムディスクイメージなどを検索し回答する手段である。
つまり、構成情報管理部4は、要求送信部1からの構成要求情報に示される要求アーキテクチャの構築に必要なシステムディスクイメージをシステムディスクイメージ格納用ストレージ14の複数種のシステムディスクイメージから抽出する。構成情報管理部4が抽出したシステムディスクイメージを抽出システムディスクイメージともいう。
構成情報管理部4は、システムディスクイメージ抽出部の例である。
【0023】
資源管理部5は、要求された環境に必要な計算機資源を検索し回答する手段である。
つまり、資源管理部5は、要求送信部1からの構成要求情報に示される要求アーキテクチャの構築に用いる計算機を計算機プール11から選択し、また、要求アーキテクチャの構築に用いるストレージ装置をストレージプール13から選択する。
資源管理部5が選択した計算機を選択計算機ともいい、また、資源管理部5が選択したストレージ装置を選択ストレージ装置ともいう。
資源管理部5は、計算機選択部及びストレージ選択部の例である。
【0024】
システム構築部6は、用意された計算機資源上に要求された環境を構築する手段である。
つまり、システム構築部6は、構成情報管理部4により抽出された抽出システムディスクイメージを資源管理部5により選択された選択ストレージ装置に格納し、システムディスクイメージが格納されている状態の選択ストレージ装置と資源管理部5により選択された選択計算機とを接続して、要求アーキテクチャを構築する。
【0025】
通信部15は、要求元計算機2、構成情報データベース8、資源情報データベース9、システムディスクイメージ格納用ストレージ14等と通信を行う手段である。
【0026】
次に動作について説明する。
図3は、本実施の形態に係る資源管理用計算機7の基本動作を示す動作フロー図である。
【0027】
まず、要求送信部1により計算機の利用要求を入力するための入力画面が表示装置に表示され、操作員による設定内容の入力がなされた後に、操作員の設定内容を示す構築要求情報(図5)が資源管理用計算機7に送信される。
資源管理用計算機7において、要求管理部3が通信部15を介して構築要求情報を受信し、受信した構築要求情報を受付ける(S301)(構築要求受信ステップ)。
【0028】
次に、要求管理部3は、要求元計算機2からの構築要求情報に基づき計算機本体に関する必要資源の検索要求を生成し、検索要求を資源管理部5に対して送信する(S302)。
資源管理部5は、要求管理部3からの検索要求に基づき、利用可能な計算機本体の検索を実施し、検索結果を要求管理部3に返す(S310)(計算機選択ステップ)。
【0029】
要求管理部3は、資源管理部5からの検索結果を調べ、利用可能な計算機本体がなかった場合(S303でNO)は、要求元計算機2が要求する計算機アーキテクチャを用意できなかった旨を通信部15を介して要求元計算機2の要求送信部1に回答する(S309)。
一方、利用可能な計算機本体が用意できた場合(S303でYES)は、3は、要求元計算機2からの構築要求情報に基づき計算機環境に関する必要資源の検索要求を生成し、検索要求を構成情報管理部4に対して送信する(S304)。
構成情報管理部4は、要求管理部3からの検索要求に基づき、要求された環境に合致する既構成ストレージがあるかを検索し、検索結果を要求管理部3に回答する(S313)。
【0030】
要求管理部3は、構成情報管理部4からの検索結果を調べ、要求に合致する利用可能な既構成ストレージがあった場合(S305でYES)にはS308に進み、要求に合致する利用可能な既構成ストレージがなかった場合(S305でNO)はストレージに関する必要資源の検索要求を生成し、検索要求を資源管理部5に対して送信する(S306)。
資源管理部5は、利用可能なストレージの検索を実施し、検索結果を要求管理部3に返す(S311)(ストレージ選択ステップ)。
【0031】
要求管理部3は、資源管理部5からの検索結果を調べ、利用可能なストレージがなかった場合(S307でNO)は、要求元計算機2が要求する計算機アーキテクチャを用意できなかった旨を通信部15を介して要求元計算機2の要求送信部1に回答する(S309)。
他方、利用可能なストレージを用意できた場合(S307でYES)は、要求管理部3は、要求元計算機2からの構築要求情報に基づき、システム構築部6に対して計算機環境構築を要求する(S308)。
【0032】
システム構築部6は、構成情報管理部4に要求元計算機2から要求されている計算機アーキテクチャを構築するために必要なシステムディスクイメージの保存場所の検索を依頼し、構成情報管理部4が、要求されている計算機アーキテクチャを構築するために必要なシステムディスクイメージの保存場所を検索する(S314)(システムディスクイメージ抽出ステップ)。
そして、システム構築部6は、構成情報管理部4により検索された保存場所から必要なシステムディスクイメージを用意されたストレージにSAN12を介してコピーし、また、SAN12を介して、システムディスクイメージが格納されたストレージを用意された計算機本体と接続する(S312)(システム構築ステップ)。
そして、要求管理部3は、要求された計算機環境が用意できた旨を通信部15を介して要求元計算機2の要求送信部1に回答する(S309)。
【0033】
以上のように、本実施の形態では、異なる計算機アーキテクチャ、異なるOS、異なるバージョンが混在する様々な計算機の環境を別途用意してあるシステムディスクイメージから構築可能とすることにより、ユーザの要求に応じた計算機リソースを短期間で提供可能となり、ユーザは必要な計算機リソースを必要な時に必要な期間だけ使うことが可能となる為、システム全体の計算機リソースの有効活用が図れる。
つまり、要求された計算機環境の構築作業に計算機本体は不要であり、ストレージのみで環境構築が可能な為、計算機本体の稼働率が向上する。
また、予め複数バージョンの複数のオペレーティングシステムをシステムディスクイメージの状態で保持する為、異なるオペレーティングシステム、又は、バージョンを要求されてもインストール作業が不要となり、計算機環境構築の自動化が可能となる。
【0034】
実施の形態2.
本実施の形態では、実施の形態1で説明した資源管理部5の動作の詳細を説明する。
【0035】
資源管理部5は、実施の形態1で説明した図3のS310において、図6に示すような資源情報データベース9を使用して、利用可能な実計算機本体又は仮想計算機の検索を行う。
より具体的には、資源管理部5は、資源情報データベース9内の計算機本体情報テーブル又は仮想計算機情報テーブルより、未使用、且つ、要求元計算機2から要求された仕様を満たす実計算機本体又は仮想計算機を検索する。
未使用の実計算機本体又は仮想計算機がない場合は、要求元計算機2から要求された使用開始時には使用が終了しており、且つ、使用終了時と要求元計算機2から要求された使用開始時の差が最も短い実計算機本体又は仮想計算機を検索する。
資源管理部5は、計算機本体情報テーブル又は仮想計算機情報テーブルの「使用/未使用」のカラムを参照して、未使用の実計算機本体又は仮想計算機を検索する。
また、資源管理部5は、計算機本体情報テーブル又は仮想計算機情報テーブルの「使用終了時間」のカラムを参照して、使用中の実計算機本体又は仮想計算機の使用終了時間を判断し、要求元計算機2から要求された使用開始時間との差が最も短いものを選択する。
計算機本体情報テーブル又は仮想計算機情報テーブルは、計算機プール11に含まれている実計算機又は仮想計算機の詳細を示すテーブルである。
【0036】
また、資源管理部5は、実施の形態1で説明した図3のS311において利用可能なストレージの検索を行う際は、資源情報データベース9内のストレージ情報テーブル又は仮想ストレージ情報テーブルより、未使用、且つ、要求元計算機2から要求された容量を満たす最も容量の小さい実ストレージ又は仮想ストレージを検索する。
未使用の実ストレージ又は仮想ストレージがない場合は、要求された使用開始時には使用が終了しており、且つ、使用終了時と要求元計算機2から要求された使用開始時の差が最も短いストレージ又は仮想ストレージを検索する。
資源管理部5は、ストレージ情報テーブル又は仮想ストレージ情報テーブルの「使用/未使用」のカラムを参照して、未使用の実ストレージ又は仮想ストレージを検索する。
また、資源管理部5は、使用中の実ストレージ又は仮想ストレージごとにストレージ情報テーブル又は仮想ストレージ情報テーブルの「接続計算機ID」又は「接続仮想計算機ID」を参照し、「計算機ID」又は「仮想計算機ID」の値が「接続計算機ID」又は「接続仮想計算機ID」の値と一致する計算機本体情報テーブル又は仮想計算機情報テーブルのレコードの「使用終了時間」の値を参照して、使用終了時間を判断し、要求元計算機2から要求された使用開始時間との差が最も短いものを選択する。
ストレージ情報テーブル又は仮想ストレージ情報テーブルは、ストレージプール13に含まれる実ストレージ又は仮想ストレージの詳細を示すテーブルである。
【0037】
以上のように、要求された計算機の環境構築には計算機本体は不要でありストレージ、又は仮想ストレージのみで環境構築が可能な為、使用中の計算機本体であっても要求された期日に利用が終了するような計算機本体を必要とする環境構築も計算機本体が利用中に可能となり、計算機プールにある計算機本体の稼働率が向上する。
【0038】
実施の形態3.
本実施の形態では、実施の形態1で説明した構成情報管理部4の動作の詳細を説明する。
【0039】
構成情報管理部4は、実施の形態1で説明した図3のS314において、図7に示すような構成情報データベース8を使用して、システムディスクイメージの保存場所の検索を行う。
より具体的には、構成情報管理部4は、まず、構成情報データベース8内のオペレーティングシステムイメージ情報テーブルより要求元計算機2から要求された計算機環境に必要なバージョンのオペレーティングシステムを検索し、そのイメージIDを検索キーとしてパッケージソフトウェアイメージ情報テーブルよりそのシステムイメージにどのようなパッケージソフトウェアが入っているかを検索して、要求された仕様を満たすシステムイメージがあった場合はその旨を要求管理部3に回答し、無い場合は最も近いシステムイメージを選択するとともに、不足分のパッケージソフトウェアをパッケージソフトウェアアーカイブ情報テーブルより検索し、両者を合わせて要求管理部3に回答する。
なお、図7に示すオペレーティングシステムイメージ情報テーブル、パッケージソフトウェアイメージ情報テーブル、パッケージソフトウェアイメージ情報テーブル、パッケージソフトウェアアーカイブ情報テーブルは、システムディスクイメージ格納用ストレージ14に格納されているシステムディスクイメージの詳細を示すテーブルである。
また、既生成システムディスク情報テーブル、生成済みパッケージソフトウェア情報テーブル、パッケージソフトウェア設定情報テーブルは、実施の形態4で説明する。
【0040】
以上のように、本実施の形態では、予め複数バージョンの複数のオペレーティングシステムをシステムディスクイメージの状態で保持する為、異なるオペレーティングシステム、又は、バージョンを要求されてもインストール作業が不要となり、計算機環境構築の自動化が可能となる。
【0041】
実施の形態4.
本実施の形態では、実施の形態1で説明したシステム構築部6の動作の詳細を説明する。
図4は、システム構築部6の基本動作を示す動作フロー図である。
【0042】
システム構築部6は、要求元計算機2から要求された計算機アーキテクチャを構築するために必要なシステムディスクイメージの検索要求を構成情報管理部4に対して行う(S401)。
構成情報管理部4は、実施の形態3で示した手順に従いシステムディスクイメージを検索して結果を回答する(S414)。
システム構築部6は、構成情報管理部4からの回答を調べ、利用可能なシステムディスクイメージが存在する場合は、資源管理部5により選択されたストレージをSAN12を介して資源管理用計算機7に接続し(S402)、構成情報管理部4により抽出されたシステムディスクイメージを当該ストレージにコピーする(S403)。
また、構成情報管理部4により抽出されたシステムディスクイメージが、要求した計算機環境に完全に合致しない場合、即ち、構成情報管理部4により抽出されたシステムディスクイメージのオペレーティングシステムのバージョンが要求されたバージョンと異なる、いくつかのパッケージソフトウェアは入っているが、一部のパッケージソフトウェアが入っていないといった場合(S404でNO)は、システム構築部6は、資源管理部5により選択されたストレージを資源管理用計算機7にファイルシステムとしてマウントし(S405)、構成情報管理部4からの検索の結果で不足しているパッケージソフトウェアのアーカイブをマウントしたファイルシステムに展開し(S406)、利用可能なストレージのマウントを解除し(S407)、利用可能なストレージの接続を解除する(S408)。
このように、S414で検索されたシステムディスクイメージ以外に計算機アーキテクチャの構築のために必要なソフトウェアがある場合に、システム構築部6は、更に、必要なソフトウェアをストレージに格納する。
【0043】
このようにして生成されたシステムディスクの登録要求を構成情報管理部4に対して行い(S409)、構成情報管理部4はシステムディスク情報を構成情報データベース8のパッケージソフトウェア設定情報テーブルに登録する(S415)。
そして、システム構築部6は、利用可能な計算機本体に停止指示を出し(S410)、利用可能なストレージを利用可能な計算機本体と接続設定し(S411)、利用可能な計算機本体に再起動指示を出す(S412)。
【0044】
また、構成情報管理部4は、実施の形態1で示した図3のS313において、要求された計算機環境に合致する利用可能な既構成ストレージの検索を行う際は、図7に示すような構成情報データベース8を使用する。
具体的には、まず、構成情報管理部4は、既生成システムディスク情報テーブルより要求された計算機環境に必要なバージョンのオペレーティングシステムを検索し、その既生成ディスクIDを検索キーとして、生成済みパッケージソフトウェア情報テーブルよりその既生成ディスクにどのようなパッケージソフトウェアが入っているかを検索して、要求された仕様を満たす既生成ディスクがあった場合に、要求された計算機環境に合致する利用可能な既構成ストレージがあった旨を回答する。
また、既構成ストレージを用いる場合にも、システム構築部6は、S404の判断を行い、既構成ストレージにあるシステムディスクイメージに不足しているパッケージソフトウェアがあれば、S405以降の処理を行い、既構成ストレージのシステムディスクイメージのソフトウェア以外に必要なソフトウェアを既構成ストレージに格納することができる。
【0045】
以上のように、本実施の形態では、予め用意された計算機環境だけではなく、必要なパッケージソフトウェアのインストールも行うため、ユーザが計算機環境入手後の環境構築の手間が軽減される。
【0046】
実施の形態5.
本実施の形態では、資源管理部5が資源解放を行う際の詳細手順を示す。
図8は、本実施の形態に係る資源管理部5の資源解放動作を示す動作フロー図である。
【0047】
資源管理部5は、資源情報データベース9の計算機本体情報テーブルと仮想計算機情報テーブルにおいて使用終了時間(使用期限)が現時刻を過ぎた計算機を検索し(S801)、使用終了時間が過ぎている計算機又は仮想計算機があった場合には(S802でYES)、計算機本体情報テーブル又は仮想計算機情報テーブルにおいて、「使用中/未使用」の列を「未使用」と設定する(S803)。
また、資源管理部5は、資源情報データベース9のストレージ情報テーブル又は仮想ストレージ情報テーブルにおいて、S803で「未使用」としたレコードの「計算機ID」又は「仮想計算機ID」と同じ値が「接続計算機ID」又は「接続仮想計算機ID」に示されているレコードの「使用中/未使用」の列を「未使用」とする(S804)。
また、S804で「未使用」としたレコードの「最終使用終了時間」の列に現時刻を設定し、構成保持の列にシステムディスクの場合は「YES」、データディスクの場合は「NO」を設定する(S804)。
他にも該当する計算機又は仮想計算機がある場合(S805でYES)には、手順(S803)に戻り、無い場合には一定時間スリープする(S806)。
なお、資源管理部5による計算機又は仮想計算機の使用停止及びストレージ又は仮想ストレージの使用停止のテーブルへの書き込みと並行して、システム構築部6は、使用期限が到来した計算機又は仮想計算機の稼働を停止させるとともに、使用期限が到来した計算機又は仮想計算機に接続されているストレージ又は仮想ストレージの接続を解除する。
【0048】
このように、資源管理部5は、使用期限が到来している計算機を未使用の状態(非選択の状態)とし、また、システム構築部6は、使用期限が到来している計算機と、対応するストレージとの接続を解除するが、計算機との接続を解除した後も、ストレージに格納されているシステムディスクイメージを存置させる。このシステムディスクが存置されているストレージが既構成ストレージとなる。
【0049】
以上のように、本実施の形態によれば、一度構築された環境を保持可能とする為、後ほど別途同じ計算機環境を要求された際も再構築の手間が不要となり、要求から提供までのリードタイムを短縮することが可能となる。
【0050】
以上の実施の形態1〜5では、以下の手段、構成要素を備え、ネットワークとSAN(Storage Area Network)で結ばれた複数台の計算機から構成される計算機資源プールにおいて、資源割り当て要求に従って動的、又は計画的に実行環境を構成することを可能とする計算機資源管理システムを説明した。
(a)ジョブ実行に必要な計算機資源の要求として、計算機アーキテクチャの指定、バージョンを含むオペレーティングシステムの指定、CPU性能の指定、主メモリ容量の指定、ディスク容量の指定、ネットワーク数の指定、各ネットワークアドレスの指定、管理者パスワードの指定、システム常駐プログラムの指定を含むシステム設定のような計算機資源の諸元を資源管理用計算機に要求する要求送信手段;
(b)要求送信手段からの計算機資源の要求を受け付け、要求された計算機本体やディスクなどの計算機資源の確保を資源管理手段により用意し、要求された構成情報に合致するか近いシステムディスクイメージを構成情報管理手段にて検索し、合致するか近いシステムディスクイメージを基にシステム構築手段を用いて要求された構成のシステムディスクを生成し用意された計算機本体との接続設定を行い、要求送信手段に要求された計算機資源が用意できたことを回答する要求管理手段;
(c)構成情報データベースにシステム構築手段により新たに生成されたディスクの情報を登録・更新・削除・検索する機能を持ち、要求管理手段から要求されたシステムと同じシステムディスクイメージ、又は要求されたシステムに近いシステムディスクイメージを検索して回答する構成情報管理手段;
(d)資源管理手段により用意されたディスクのひとつに構成情報管理手段により検索されたシステムディスクイメージをコピーしてシステムディスクとし、システムディスクに対して必要に応じてパッケージソフトウェアのコピーや、ネットワークなどのシステム設定ファイルをコピーし、他の用意されたディスクをフォーマットしてデータディスクとし、用意された計算機とディスクの接続設定を行うことにより計算機システムを構築するシステム構築手段;
(e)計算機プールにある複数台の実計算機、及び、実計算机上で動作する複数台の仮想計算機の使用状況、ストレージプールにある複数台の実ストレージ、及び、実ストレージ内にある複数台の仮想ストレージの使用状況を資源管理データベースにて要求された計算機資源の確保、使用済み計算機資源の解放を行う資源管理手段;
(f)様々な計算機アーキテクチャにおける様々なバージョンのオペレーティングシステムに対応するシステムディスクイメージの保存場所、オペレーティングシステム名、及び、そのバージョン、インストール済みパッケージソフトウェア名、及び、そのバージョン、様々なオペレーティングシステムにおけるシステム設定用のファイルのテンプレートの保存場所、及び、パッケージソフトウェアにおける設定用のファイルのテンプレートの保存場所といったソフトウェア環境を構成する素材に関する情報を管理対象として持つ構成情報データベース;
(g)計算機プールにある各計算機が使用されているか否か、どのストレージを使用しているか、ストレージプールにある各ストレージが使用されているか否か、使用されていないストレージでシステムディスクの場合、どのような構成となっているかを管理する資源情報データベース;
(h)計算機、又は、仮想計算機用のブート可能な領域を含み、実ディスク、又は、仮想ディスクにコピーすることにより、計算機、又は、仮想計算機の起動が可能となるシステムディスクイメージを保存するシステムディスクイメージ格納用ストレージ;
(i)様々なアーキテクチャの計算機がネットワークとSANで接続された計算機プール;
(j)SANで接続されたストレージ群で構成されるストレージプール。
【0051】
最後に、実施の形態1〜5に示した資源管理用計算機7のハードウェア構成例について説明する。
図9は、実施の形態1〜5に示す資源管理用計算機7のハードウェア資源の一例を示す図である。
なお、図9の構成は、あくまでも資源管理用計算機7のハードウェア構成の一例を示すものであり、資源管理用計算機7のハードウェア構成は図9に記載の構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0052】
図9において、資源管理用計算機7は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。
CPU911は、バス912を介して、例えば、ROM(Read Only Memory)913、RAM(Random Access Memory)914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
更に、CPU911は、FDD904(Flexible Disk Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)、プリンタ装置906、スキャナ装置907と接続していてもよい。また、磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード(登録商標)読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置の一例である。
通信ボード915、キーボード902、マウス903、スキャナ装置907、FDD904などは、入力装置の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力装置の一例である。
【0053】
通信ボード915は、図1に示すように、ネットワークに接続されている。例えば、通信ボード915は、前述したSANの他、LAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット、WAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。
【0054】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。
プログラム群923のプログラムは、CPU911がオペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922を利用しながら実行する。
【0055】
また、RAM914には、CPU911に実行させるオペレーティングシステム921のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。
また、RAM914には、CPU911による処理に必要な各種データが格納される。
【0056】
また、ROM913には、BIOS(Basic Input Output System)プログラムが格納され、磁気ディスク装置920にはブートプログラムが格納されている。
資源管理用計算機7の起動時には、ROM913のBIOSプログラム及び磁気ディスク装置920のブートプログラムが実行され、BIOSプログラム及びブートプログラムによりオペレーティングシステム921が起動される。
【0057】
上記プログラム群923には、実施の形態1〜5の説明において「〜部」、「〜手段」として説明している機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0058】
ファイル群924には、実施の形態1〜5の説明において、「〜の判断」、「〜の計算」、「〜の比較」、「〜の検索」、「〜の抽出」、「〜の選択」、「〜の設定」、「〜の登録」、等として説明している処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。
抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリ、レジスタ、キャッシュメモリ、バッファメモリ等に一時的に記憶される。
また、実施の形態1〜5で説明しているフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0059】
また、実施の形態1〜5の説明において「〜部」、「〜手段」として説明しているものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」、「〜手段」として説明しているものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、実施の形態1〜5の「〜部」、「〜手段」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、実施の形態1〜5の「〜部」、「〜手段」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0060】
このように、実施の形態1〜5に示す資源管理用計算機7は、処理装置たるCPU、記憶装置たるメモリ、磁気ディスク等、入力装置たるキーボード、マウス、通信ボード等、出力装置たる表示装置、通信ボード等を備えるコンピュータであり、上記したように「〜部」、「〜手段」として示された機能をこれら処理装置、記憶装置、入力装置、出力装置を用いて実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施の形態1に係るシステム構成例を示す図。
【図2】実施の形態1に係る資源管理用計算機の構成例を示す図。
【図3】実施の形態1に係る資源管理用計算機における基本動作を示すフローチャート図。
【図4】実施の形態4に係るシステム構築部の動作例を示すフローチャート図。
【図5】実施の形態1に係る構築要求情報の例を示す図。
【図6】実施の形態2に係る資源情報データベースの情報テーブルの例を示す図。
【図7】実施の形態3に係る構成情報データベースの情報テーブルの例を示す図。
【図8】実施の形態5に係る資源管理部の動作例を示すフローチャート図。
【図9】実施の形態1〜5に係る資源管理用計算機のハードウェア構成例を示す図。
【符号の説明】
【0062】
1 要求送信部、2 要求元計算機、3 要求管理部、4 構成情報管理部、5 資源管理部、6 システム構築部、7 資源管理用計算機、8 構成情報データベース、9 資源情報データベース、10 ネットワーク、11 計算機プール、12 SAN、13 ストレージプール、14 システムディスクイメージ格納用ストレージ、15 通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の計算機が含まれる計算機プールと、複数のストレージ装置が含まれるストレージプールと、複数種の計算機アーキテクチャのシステムディスクイメージを格納するシステムディスクイメージ格納装置とを管理し、
構築が要求される計算機アーキテクチャを要求アーキテクチャとして示す構築要求情報を受信する構築要求受信部と、
前記要求アーキテクチャの構築に用いる計算機を前記計算機プールから選択する計算機選択部と、
前記要求アーキテクチャの構築に用いるストレージ装置を前記ストレージプールの中から選択するストレージ選択部と、
前記要求アーキテクチャの構築に用いるシステムディスクイメージを前記システムディスクイメージ格納装置の複数種のシステムディスクイメージから抽出するシステムディスクイメージ抽出部と、
前記システムディスクイメージ抽出部により抽出された抽出システムディスクイメージを前記ストレージ選択部により選択された選択ストレージ装置に格納し、前記抽出システムディスクイメージが格納されている前記選択ストレージ装置と前記計算機選択部により選択された選択計算機とを接続するシステム構築部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記システム構築部は、
前記抽出システムディスクイメージ以外に前記要求アーキテクチャの構築のために必要なソフトウェアがあるか否かを判断し、必要なソフトウェアがある場合に、前記抽出システムディスクイメージに加えて該当するソフトウェアを前記選択ストレージ装置に格納することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記システムディスクイメージ抽出部は、
前記ストレージ選択部によるストレージ装置の選択に先立ち、
前記ストレージプールのストレージ装置のうち、いずれかのシステムディスクイメージが格納されているがいずれの計算機とも接続されていない既構成ストレージ装置に対して、前記要求アーキテクチャの構築に用いるシステムディスクイメージが格納されている否かを判断し、
前記ストレージ選択部は、
いずれかの既構成ストレージ装置に前記要求アーキテクチャの構築に用いるシステムディスクイメージが格納されている場合に、ストレージ装置の選択を行わず、
前記システム構築部は、
いずれかの既構成ストレージ装置に前記要求アーキテクチャの構築に用いるシステムディスクイメージが格納されている場合に、該当する既構成ストレージ装置と前記選択計算機とを接続することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記システム構築部は、
前記抽出システムディスクイメージ以外に前記要求アーキテクチャの構築のために必要なソフトウェアがあるか否かを判断し、必要なソフトウェアがある場合に、前記抽出システムディスクイメージに加えて該当するソフトウェアを前記既構成ストレージ装置に格納することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記計算機プールの各計算機の仕様が示される計算機仕様情報を記憶する計算機仕様情報記憶装置に接続され、
前記構築要求受信部は、
前記要求アーキテクチャの構築に用いる計算機に要求される要求仕様が示される構築要求情報を受信し、
前記計算機選択部は、
前記計算機仕様情報に基づき、前記要求仕様を満たす計算機を選択することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記計算機選択部は、
選択した選択計算機ごとに要求アーキテクチャのために用いる期限を使用期限として管理しており、いずれかの選択計算機の使用期限が到来している場合に、使用期限が到来している選択計算機の選択を解除して非選択の状態にし、
前記システム構築部は、
前記計算機選択部により使用期限が到来していることが検出された場合に、該当する選択計算機と、対応する選択ストレージ装置との接続を解除することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記システム構築部は、
選択計算機との接続を解除した後も、選択ストレージ装置に抽出システムディスクイメージを存置させることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記計算機選択部は、
前記要求アーキテクチャの構築に用いる計算機として、実計算機又は仮想計算機を選択することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ストレージ選択部は、
前記要求アーキテクチャの構築に用いるストレージ装置として、実ストレージ装置又は
仮想ストレージ装置を選択することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記情報処理装置は、
前記計算機プール、前記ストレージプール、及び前記システムディスクイメージ格納装置と、SAN(Storage Area Network)により接続されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが、複数の計算機が含まれる計算機プールと、複数のストレージ装置が含まれるストレージプールと、複数種の計算機アーキテクチャのシステムディスクイメージを格納するシステムディスクイメージ格納装置とを管理し、
前記コンピュータが、構築が要求される計算機アーキテクチャを要求アーキテクチャとして示す構築要求情報を受信する構築要求受信ステップと、
前記コンピュータが、前記要求アーキテクチャの構築に用いる計算機を前記計算機プールから選択する計算機選択ステップと、
前記コンピュータが、前記要求アーキテクチャの構築に用いるストレージ装置を前記ストレージプールから選択するストレージ選択ステップと、
前記コンピュータが、前記要求アーキテクチャの構築に用いるシステムディスクイメージを前記システムディスクイメージ格納装置の複数種のシステムディスクイメージの中から抽出するシステムディスクイメージ抽出ステップと、
前記コンピュータが、前記システムディスクイメージ抽出ステップにより抽出された抽出システムディスクイメージを前記ストレージ選択ステップにより選択された選択ストレージ装置に格納し、前記抽出システムディスクイメージが格納されている前記選択ストレージ装置と前記計算機選択ステップにより選択された選択計算機とを接続するシステム構築ステップとを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
複数の計算機が含まれる計算機プールと、複数のストレージ装置が含まれるストレージプールと、複数種の計算機アーキテクチャのシステムディスクイメージを格納するシステムディスクイメージ格納装置とを管理するコンピュータに、
構築が要求される計算機アーキテクチャを要求アーキテクチャとして示す構築要求情報を受信する構築要求受信処理と、
前記要求アーキテクチャの構築に用いる計算機を前記計算機プールから選択する計算機選択処理と、
前記要求アーキテクチャの構築に用いるストレージ装置を前記ストレージプールから選択するストレージ選択処理と、
前記要求アーキテクチャの構築に用いるシステムディスクイメージを前記システムディスクイメージ格納装置の複数種のシステムディスクイメージの中から抽出するシステムディスクイメージ抽出処理と、
前記システムディスクイメージ抽出処理により抽出された抽出システムディスクイメージを前記ストレージ選択処理により選択された選択ストレージ装置に格納し、前記抽出システムディスクイメージが格納されている前記選択ストレージ装置と前記計算機選択処理により選択された選択計算機とを接続するシステム構築処理とを実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−140403(P2010−140403A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318214(P2008−318214)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】