情報処理装置及び情報処理方法
【課題】 ホットフォルダで印刷を行う際の利便性を低下させることなく、ユーザが所望する印刷属性に容易に変更可能とする情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】 ホットフォルダ作成時に設定した印刷属性を、ホットフォルダを介して印刷を実行する際に、変更可能とする。ホットフォルダ作成時に設定する印刷属性の項目単位に、印刷実行時に変更を可能とするか否かをユーザが指定可能とすることにより、ホットフォルダにファイルがドロップされた時点で、変更の要否を問い合わせるダイアログをユーザに提示する。
【解決手段】 ホットフォルダ作成時に設定した印刷属性を、ホットフォルダを介して印刷を実行する際に、変更可能とする。ホットフォルダ作成時に設定する印刷属性の項目単位に、印刷実行時に変更を可能とするか否かをユーザが指定可能とすることにより、ホットフォルダにファイルがドロップされた時点で、変更の要否を問い合わせるダイアログをユーザに提示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットフォルダにより印刷を行うことが可能な情報処理装置及び情報処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータのアプリケーションなどで作成されたデータの印刷を容易に行うためのホットフォルダプリンティングと称される技術が存在している。このホットフォルダプリンティングでは、予めコンピュータのデスクトップ上などに印刷属性を設定したフォルダを作成しておく。そして、そのフォルダに印刷を行いたいデータファイルをドラッグアンドドロップすると、予め設定しておいた印刷属性で印刷を行うことが可能となる。
【0003】
ホットフォルダの印刷属性の設定方法としては、ホットフォルダに予め所望の印刷属性を設定しておき、そのホットフォルダに印刷を行いたいファイルをドラッグアンドドロップして印刷を行う方法があった(特許文献1参照)。
【0004】
また、予め所望の印刷属性を設定しておき、後からその印刷属性で印刷を行う方法としては、プリンタドライバ上で印刷属性の設定を保存しておき、容易にその設定を呼び出して印刷を行うことができるものがあった(特許文献2参照)。なお、特許文献2に記載の技術は、設定した印刷属性を「お気に入り設定」として保存しておけるというものであり、ホットフォルダとは構造が異なる。しかしながら、印刷の際にプリンタドライバ上で、予め設定しておいた「お気に入り属性」を選択し、必要に応じて、一部の印刷属性を変更して印刷を行うことが可能である。
【0005】
さらに付随的な手段として、印刷属性の禁則に関係する設定手順では、はじめの印刷属性設定では禁則条件を考慮せずに一通りの印刷属性設定を許可し、印刷開始直前の印刷結果プレビュー画面で必要な機能の禁則を行う方法があった(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2000−118095号公報
【特許文献2】特開2000−222159号公報
【特許文献3】米国特許公報6134568
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のホットフォルダの技術では、印刷実行時に全ての印刷属性を詳細に設定することを避けることを目的としている。そのため、予め定めた一組の印刷属性設定はひとつのホットフォルダとして生成される。例えば、両面印刷してステイプル処理を行う印刷属性と、両面印刷してステイプル処理を行わない印刷属性とでは、それぞれのホットフォルダを生成する必要がある。結果として、ユーザが一部の印刷属性を変更して印刷したい場合、変更したいパラメータの数のホットフォルダを作成する必要があった。そのため、デスクトップなどに多くのホットフォルダを作成する必要があり、ユーザは所望のホットフォルダを探す手間がかかり、ホットフォルダの管理も煩雑となるという課題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術では、プリンタドライバにおいて予め設定して保存しておいた印刷属性設定の一部を変更して印刷することができる。しかしこの印刷方法では、まず、印刷したいファイルを一度アプリケーションで開き、プリンタドライバのプロパティシートを開いた上で「お気に入り」を選択する。その後、必要に応じてプリンタドライバの印刷属性設定ダイアログで印刷属性を変更するという手順が必要となり、通常のプリンタドライバで一通り印刷属性設定する場合よりは手間が少ないが、ホットフォルダのようにファイルをドラッグアンドドロップして印刷する手順に比べて非常に手間がかかる、という課題があった。
【0008】
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、ホットフォルダで印刷を行う際の利便性を低下させることなく、ユーザが所望する印刷属性に容易に変更可能とする情報処理装置及び情報処理方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、オペレーティングシステム上に生成されたフォルダに対して、当該フォルダに投入されたファイルデータに付加する複数の印刷属性のパラメータと、前記フォルダにファイルデータが投入された場合に、各パラメータを変更するか否か指定する変更可否情報と、を設定可能な設定手段と、前記設定手段で設定されたパラメータ及び前記変更可否情報を前記フォルダに関連付けた状態で保持する保持手段と、を有する。
【0010】
また、本発明は、オペレーティングシステム上に生成されたフォルダに対して、当該フォルダに投入されたファイルデータに付加する複数の印刷属性のパラメータと、前記フォルダにファイルデータが投入された場合に、各パラメータを変更するか否か指定する変更可否情報と、を設定可能な設定工程と、前記設定工程で設定されたパラメータ及び前記変更可否情報を前記フォルダに関連付けた状態で保持する保持工程と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ホットフォルダの利便性を損なうことなく、容易にパラメータの変更が可能となる。また、それぞれのパラメータごとのホットフォルダを作成しておく必要がなくなり、ホットフォルダの管理効率やユーザの操作性が改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、複数の実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
[システム構成]
図1から図14は本発明による印刷システムを示す実施例1を示す図である。特に、本発明の主要な構成を有するクライアントコンピュータにおける処理を中心に説明したものである。
【0014】
図1はホットフォルダを利用して印刷を行うシステムの一例である。図1中の符号101および102は印刷指示を行うためのクライアントコンピュータである。符号103および104はネットワーク105に接続可能でクライアントコンピュータ(101、102)から印刷ジョブを受信して印刷を行うことが可能なプリンタである。クライアントコンピュータ(101、102)はオペレーティングシステムが搭載されており、そのオペレーティングシステム上にホットフォルダのアプリケーションが搭載される。なお、本発明のシステム構成は図1に示した構成に制限されるものではない。
【0015】
次に、図2を用いて、ホットフォルダを利用した印刷の操作を説明する。
【0016】
図2はクライアントコンピュータ101または102のディスプレイに表示される画面を模式的に示したものである。201がデスクトップ画面、202がマウスカーソル、206がこれから印刷しようとするファイルを示している。
【0017】
なお、印刷するファイルのフォーマットはネットワークプリンタ(103、104)が解釈可能なフォーマットである必要がある。このフォーマットは一般にPDF(Portable Document Format)、PS(PostScript)、JPEG、TIFFファイルであることが多いが、これらに限るものではない。
【0018】
図2のデスクトップ画面201中に設けられている203、204、205がホットフォルダである。例えば、203のホットフォルダには予め両面印刷の印刷属性情報が設定されている。また、204のホットフォルダには製本印刷の印刷属性情報が設定されている。また、205のホットフォルダには4−up印刷(4ページの論理ページデータを1枚の用紙の片面に縮小してレイアウトする形態)の両面印刷で10部印刷するといった印刷属性情報が設定されている。こうしたホットフォルダは後述するホットフォルダ作成処理によって作成されるものである。
【0019】
なお、図2では、デスクトップ画面201にホットフォルダを保存し、表示してあるが、ホットフォルダの配置箇所はデスクトップ画面である必要は無い。
【0020】
こうしたホットフォルダを用いてユーザが印刷を実行する場合の処理について説明する。
【0021】
まずユーザはデータファイル206をマウスなどのポインティングデバイスを用いてドラッグするなどし、製本印刷の設定がされているホットフォルダ204にデータファイル206を重ねる。重ねた後、マウスのボタンを離してホットフォルダ204にデータファイルをドロップする。
【0022】
このとき、後述するホットフォルダアプリケーションは印刷属性情報とともにドロップされたファイルを予め設定された製本印刷のためのデータ処理を行った後、オペレーティングシステムを介してネットワークプリンタに送信し、印刷が完了する。
【0023】
次に、ホットフォルダの構成およびホットフォルダのユーザ操作について詳しく説明する。
【0024】
図3は図1に示したクライアントコンピュータ(101、102)に搭載されているオペレーティングシステムおよびホットフォルダアプリケーションのブロック図を概念的に示したものである。301はクライアントコンピュータで、このクライアントコンピュータ301にオペレーティングシステム311が搭載されている。ホットフォルダアプリケーション302はオペレーティングシステム311上に搭載されるアプリケーションプログラムである。オペレーティングシステム311はホットフォルダアプリケーション302の起動や終了を実行する。また、オペレーティングシステム311は、ホットフォルダアプリケーション302によって為される各種処理のうち、オペレーティングシステムに依存する様々な動作を実行する。
【0025】
なお、本実施例におけるホットフォルダアプリケーションは実行形式のアプリケーションとしているが、構成としてはオペレーティングシステムに登録するサービスとすることも可能である。
【0026】
また、本実施例で説明するホットフォルダアプリケーションは、ユーザが設定した印刷属性をXMLフォーマットのジョブチケットとして生成し、保存することとするが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、XMLフォーマットとは、eXtensible Markup Languageで記述された構造化言語であり、メタ言語やメタデータとも称される。
【0027】
さらに、図1に示したネットワークプリンタ(103、104)に相当するプリンタ308はジョブチケットとして生成された印刷属性の解釈が可能であるとする。
【0028】
ホットフォルダアプリケーション302は、印刷属性などの設定を制御するUI制御部304、UI制御部304でユーザが設定した印刷属性に基づいてジョブチケットを生成、保存するジョブチケット制御部306を有する。また、ジョブチケットとフォルダ、プリンタを関連付けるためのジョブチケット管理テーブル303を有する。
【0029】
また、ホットフォルダにドロップされたファイルとそのフォルダに関連付けられたジョブチケットに基づいて印刷ジョブを生成し、送信するジョブ生成送信制御部305などから構成される。
【0030】
なお、本実施例及び他の実施例に関する説明において、ジョブチケットの生成と保存に関してはジョブチケット制御部306が実行するものとする。また、ジョブチケット管理テーブル303の生成や更新はホットフォルダアプリケーション302の別のプログラムによって実行されるものとする。
【0031】
ジョブチケット制御部306が生成したジョブチケットは、オペレーティングシステム311のAPI(Application Programming Interface)を通して、オペレーティングシステム311のジョブチケット保存領域307に保存される。
【0032】
310はクライアントコンピュータ301のネットワークインターフェースであり、プリンタ308のネットワークインターフェース309と通信媒体で接続され、プリントジョブの送信やプリンタのステータス授受などを行う。
【0033】
[ホットフォルダ作成処理]
次にユーザがホットフォルダを作成する処理を説明する。
【0034】
図4はこの処理を示したフロー図である。なお、ユーザは作成するホットフォルダの印刷属性を、ページレイアウト設定を「4−up(4ページ/枚)」、片面/両面設定を「両面」、印刷部数設定を「10部」とする設定を行うものとする。
【0035】
以下のフローでは、ユーザによる作業内容の手順を記載するが、ユーザが行う作業は、クライアントコンピュータのオペレーティングシステムやホットフォルダアプリケーション302が提供するインターフェィスを用いることになる。
【0036】
はじめにS401において、ユーザは任意の場所にフォルダを作成し、ユーザ自身でわかり易い名称を付与する。通常、ホットフォルダはクライアントコンピュータのデスクトップ上にあったほうが便利であるため、デスクトップに作成する。また、フォルダ名称としては、デフォルトから変更した印刷属性がわかるように、「4up−10copies−duplex」と付与する。もちろんこの名称は他のものでもよい。この手順により、デスクトップには図2に示すように、「4up−10copies−duplex」フォルダ205が生成される。この作業は、オペレーティングシステムが有するフォルダ作成処理と同等のものである。
【0037】
次に、S402において、ユーザはホットフォルダアプリケーション302を起動させる。起動したホットフォルダアプリケーション302はホットフォルダ設定ダイアログの表示を行う。なお、ホットフォルダアプリケーション302に関する各種のダイアログの表示や、ダイアログを介して入力される情報は、UI制御部304によって管理される。
【0038】
図5はホットフォルダ設定ダイアログの一例を示したものである。501はホットフォルダ設定ダイアログ、502はホットフォルダを設定するために必要な項目の入力を受け付けるシートである。また、503は既に作成済みのホットフォルダの設定内容を編集するための入力を受け付けるシートである。
【0039】
シート502には、ホットフォルダとして設定をするターゲットフォルダのフォルダパスを指定するコントロール504、ターゲットフォルダパス指定コントロール504でフォルダパスを直接入力する代わりに、フォルダを指定する参照ダイアログを開くためのボタン505が表示される。
【0040】
また、印刷出力ターゲットとするプリンタを選択するためのターゲットプリンタ指定コントロール506、ターゲットプリンタ指定コントロール506でターゲットプリンタを直接入力する代わりに、プリンタを指定する参照ダイアログを開くためのボタン507が表示される。なお、このターゲットプリンタ指定コントロール506でプリンタを指定する方法は、ターゲットプリンタのIPアドレス(192.168.0.100)を入力するものとしているが、プリンタを特定できる方法であれば他の方法でもよい。
【0041】
508はホットフォルダに設定する印刷属性設定ダイアログを開くための設定ボタンである。また、509は現在の状態でターゲットホットフォルダに印刷属性とターゲットプリンタを設定するためのホットフォルダ設定ボタンである。このボタンをユーザが押下することで、S401で生成したフォルダがホットフォルダとして設定される。なお、510はホットフォルダアプリケーションを終了するためのボタンである。以後、説明する処理はこのホットフォルダ設定ダイアログに対してユーザが行うものである。
【0042】
S403において、ターゲットフォルダにS401で作成したフォルダを指定する。上述したように、S401ではデスクトップに「4up−10copies−duplex」という名称のフォルダを作成したので、ターゲットフォルダ指定コントロール504に「c:¥user¥sakura¥desktop¥4up−10cpoies−duplex」と入力する。もちろん、参照ボタン505を用いて指定してもよい。なおフォルダ名より前のフォルダパスはオペレーティングシステムに依存するものである。また、S403では、ターゲットプリンタの指定も行う。これは、ターゲットプリンタ指定コントロール506に、ユーザがホットフォルダを通して印刷出力を所望するプリンタの情報を入力することで行われる。本実施例では、ターゲットとするプリンタのIPアドレスを入力する。もちろん、プリンタが指定できればその他の情報による指定であってもよい。また、参照ボタン507を用いて指定してもよい。
【0043】
次に、S404では、ターゲットフォルダの印刷属性を設定する。ユーザは、印刷属性設定を行うために印刷属性設定ボタン508を押下する。このボタンを押下したとき、ホットフォルダアプリケーション302は図6に示す印刷属性設定ダイアログの表示処理を行う。
【0044】
図6はホットフォルダの印刷属性を設定するダイアログである。601は印刷属性設定ダイアログを示し、604から609はは印刷属性設定項目である。なお、図6は設定できる印刷属性の一部を示したものであり、図6に示した印刷属性以外の設定可能属性は603のスクロールコントロールを用いて表示させることが可能である。なお、本発明では、印刷属性の種類についてはいかなるものであってもよいため、設定可能な全ての印刷属性の説明は省略する。
【0045】
本実施例では、ターゲットフォルダに設定する印刷属性情報として、出力用紙サイズをA4サイズ、用紙タイプを普通紙、部数を10部、ページレイアウトを4ページ/枚、両面印刷、スタンプ(描画文字列は「CONFIDENTIAL」)に設定するものとする。図6は、上記の設定が行われた状態である。
【0046】
図中、602の列に示したチェックボックス群は、ホットフォルダにファイルがドロップされた際に、設定された印刷属性の設定情報(パラメータ)の変更を可能とするか否かを選択指示するチェックボックス群である。このチェックボックスは各印刷属性に対して夫々設けられており、印刷属性単位で個別に指定が可能である。
【0047】
図6では、用紙タイプ変更チェックボックス605、部数変更チェックボックス606、ページレイアウト変更チェックボックス607にチェックした状態を示している。即ち、用紙タイプ、部数、ページレイアウトの3つの印刷属性については、ホットフォルダにファイルがドロップされた際に、ダイアログ601で設定された印刷属性情報を変更することが可能となる。必要があれば、他の印刷属性についても同様の操作を行う。
【0048】
ユーザは、設定した印刷属性及び各印刷属性の変更可否に問題なければ、OKボタン610を押下して設定内容を確定する。OKボタン610が押下されると、ホットフォルダアプリケーションは設定内容を任意の記憶領域に保存するとともに、印刷属性設定ダイアログ701を閉じる処理を行う。なお、内容を破棄して図5のホットフォルダ設定ダイアログ501に戻るにはキャンセルボタン611を押下する。
【0049】
S405で、ユーザはS403及びS404で設定した内容に問題がなければ、図5のホットフォルダ設定ダイアログ501において、ホットフォルダ設定ボタン509を押下する。
【0050】
S405でホットフォルダ設定ボタン509をユーザが押下したことを検知すると、S406に処理が移行する。S406では、ホットフォルダアプリケーション302のジョブチケット制御部305は、ユーザが設定した各種情報に基づいて、指定されたターゲットフォルダに対するジョブチケットを生成する。そして、指定されたターゲットプリンタの情報とともにジョブチケット管理テーブルの更新処理を実行する。なお、ジョブチケット及びジョブチケット管理テーブルの詳細については次に述べる。
【0051】
なお、S405では、ホットフォルダアプリケーション302は、ジョブチケットの生成前に、ユーザが指定したターゲットプリンタで、ユーザが設定した印刷属性による印刷が実行可能か否かを判定するようにしてもよい。例えば、ユーザが指定したターゲットプリンタではA3サイズの用紙の印刷が実行不可であるにも関わらず、ユーザが用紙サイズとして「A3」を設定することが考えられる。そこで、設定ボタン509をユーザが押下した時点でホットフォルダアプリケーション302が、指定されたターゲットプリンタの機能情報と、ユーザが設定した印刷属性との比較処理を行うことで、実際には実行不可能な印刷属性設定がなされることを防止することができる。この場合、ユーザに対して、不図示の警告ダイアログを表示し、ターゲットプリンタまたは印刷属性設定の少なくともどちらかの変更を促すように構成するのが好適である。
【0052】
また、ユーザがターゲットプリンタと印刷属性を同時に設定するのではなく、まず、ターゲットプリンタを指定して、その情報をホットフォルダアプリケーション302が認識し、当該ターゲットプリンタにおいて設定可能な印刷属性の内容のみを表示するようにしてもよい。つまり、プリンタの指定と、印刷属性の指定を段階的にユーザに設定させるようにすれば、上述の比較処理を行わなくとも、実行不可能な設定がなされることを防止することができる。
【0053】
なお、ターゲットプリンタの機能情報は、任意の手段により予めホットフォルダアプリケーション302が取得しているものとする。
【0054】
[ジョブチケットと管理テーブルの更新]
ここでは、図4のS406でホットフォルダアプリケーションが生成するジョブチケットとその保存処理、及びジョブチケット管理テーブルについて説明する。
【0055】
図7は上述した処理により設定された印刷属性に対するジョブチケットの一例を示したものである。ジョブチケットとは、プリンタに対して印刷データとともに送信される情報であり、プリンタが印刷データに対して行う処理内容を記述したものである。換言すれば、プリンタに対する指示コマンドに相当するものである。なお、本実施例で説明するジョブチケットはXML形式を採用しているが、XML形式以外に印刷属性を記録、識別できる方法であれば他の方法でもかまわない。
【0056】
XML形式で記述したジョブチケットの内容について説明を行う。701は用紙サイズを規定する情報の記述に相当するものであり、この例では用紙サイズ印刷属性設定ダイアログ701で指定されたパラメータであるA4と記述されている。また、702は用紙タイプを規定する情報の記述に相当するものであり、この例では普通紙を示す”Plain”と記述されている。なお、用紙タイプは印刷属性設定ダイアログ601中の属性変更対象チェックボックスにチェックされ、パラメータの変更が可能な印刷属性として指定されているため、ジョブチケット中にこの設定を記録する。本実施例では、ジョブチケット中に記述する変更対象属性を示すタグとして、”AttributeChange”、キーとして”Flag”、キーの値として”ON”を使用する。そのため、用紙タイプを規定する情報として<AttributeChange Flag =”ON”>と記述する。なお、変更対象ではない属性に対してはジョブチケットの容量の観点から、このタグを記述しておらず、記述していない状態を”OFF”と解釈することとする。もちろん、<AttributeChange=“OFF”>などのように明示的に記述してかまわない。
【0057】
上記と同様に、703は部数が10部で変更対象属性であることを記述している。また、704はページレイアウトが4ページ/枚で変更対象属性であることを記述している。また、705は両面設定で変更対象属性ではないことを記述している。さらに、706はスタンプ印刷がON、文字列が「CONFIDENTIAL」であることを示している。なお、図7は、図6に示した印刷属性に対応したジョブチケットを示しているが、ここに示していない他の印刷属性についても同様の方法で記述されるものとする。このように生成されたジョブチケットは、任意の名称を付与され、オペレーティングシステム311のAPI(Application Programming Interface)を通して、オペレーティングシステム管理下の保存領域中のジョブチケット保存領域307に保存される。
【0058】
続いて、ジョブチケット管理テーブルについて説明する。図8はホットフォルダアプリケーション302が内部に保持するジョブチケット管理テーブル801を示したものである。これは、図3に示したジョブチケット管理テーブル303と同じものである。この管理テーブル801には、ホットフォルダとして指定されたターゲットフォルダのフォルダパス格納欄802、ターゲットプリンタとして指定されたプリンタの情報格納欄803が設けられている。また、ジョブチケットの名称格納欄804が設けられている。もちろん、これ以外の情報を格納する欄が存在していても良い。このテーブルは、ホットフォルダとして指定されたターゲットフォルダと、上述したホットフォルダ作成処理において設定された印刷属性情報であるジョブチケットとを関連付けるものである。
【0059】
図8におけるターゲットフォルダのフォルダパスはフルパスが格納されている。また、ターゲットプリンタは指定されたIPアドレスが格納されている。また、ジョブチケットはファイル名のみの記載となっている。しかし、管理テーブル801に格納する情報の形式はこれらに限定されるものではない。
【0060】
また、ホットフォルダアプリケーション302は、ユーザがホットフォルダに印刷を所望するファイルをドロップした際に、ドロップされたフォルダ名をオペレーティングシステム311から取得する。取得したフォルダ名をキーとして、管理テーブル801から、ファイルがドロップされたホットフォルダに指定されたターゲットプリンタと、ホットフォルダに設定された印刷属性を記述したジョブチケットを知ることが可能となる。
【0061】
[ホットフォルダ印刷属性の変更と解除]
次に、ホットフォルダの印刷属性の変更方法およびホットフォルダの解除方法を説明する。
【0062】
図9は、ホットフォルダの印刷属性設定を変更する手順を示したフローチャートである。
【0063】
まずS901において、ユーザはホットフォルダアプリケーション302を起動させてホットフォルダ設定ダイアログ501の編集シート503を選択する。
【0064】
図10は、ホットフォルダ設定ダイアログ501の編集シート503を示した図である。1001はホットフォルダ設定ダイアログであり、図5における設定ダイアログ501と同じものである。1002は編集シートであり、図5における編集シート503と同じものである。また、1003は編集対象とするターゲットホットフォルダを選択するコントロールである。なお、このコントロールはドロップダウンリスト形式を採用しており、このリストに表示されるホットフォルダは、ジョブチケット管理テーブル801のフォルダパスに格納されている情報に相当する。
【0065】
1004はターゲットフォルダ選択コントロール1003で選択されたホットフォルダに設定されているターゲットプリンタを示す表示領域である。1005は印刷設定を行う印刷属性設定ダイアログを表示するボタンである。
【0066】
S902において、ユーザはターゲットフォルダ選択コントロール1003から、印刷属性を編集するターゲットホットフォルダを選択する。この選択により、ホットフォルダアプリケーション302は管理テーブル801を参照して、選択されたフォルダに対応するターゲットプリンタの情報を表示領域1004に表示する。
【0067】
続いて、S903では、ユーザが印刷属性設定ボタン1005を押下して、印刷属性設定ダイアログを表示する。なお、このステップで表示される印刷設定ダイアログおよびその操作方法は図6に示した印刷属性設定ダイアログ及びその操作方法と同じものであるため、説明は省略する。
【0068】
ユーザが印刷属性設定の変更処理を行い、変更処理が完了した場合は、S904で、ユーザがホットフォルダ設定ダイアログ編集シート1002のホットフォルダ設定ボタン1006を押下する。ホットフォルダ設定ボタン1006がユーザにより押下されると、ホットフォルダアプリケーション302は、変更された印刷属性設定に対するジョブチケットを再生成する。そして、オペレーティングシステム311は、再生成されたジョブチケットをジョブチケット保存領域307に保存されている既存のジョブチケットに対して上書きして保存する。また、ホットフォルダアプリケーション302は、ジョブチケット管理テーブル801の更新処理も行う。このようにしてホットフォルダの印刷属性の変更が可能となる。もちろん、この場合も、ホットフォルダアプリケーション302は、印刷実行不可能な印刷設定に変更されることが無いように処理を行う。この処理方法は、上述したホットフォルダ作成処理の項目で記載した方法や、その他の方法で構わない。
【0069】
次に、ホットフォルダの設定を解除する手順を図11のフローチャートを用いて説明する。
【0070】
まず、S1101で、ユーザはホットフォルダアプリケーション302を起動させて、ホットフォルダ設定ダイアログ編集シート1002を表示させる。次に、ユーザはS1102において、ターゲットフォルダ選択コントロール1003からホットフォルダ設定を解除したいフォルダを選択する。
【0071】
最後に、S1103において、ホットフォルダ設定ダイアログ編集シート1002のホットフォルダ解除ボタン1007を押下する。解除ボタン1007が押下されると、ホットフォルダアプリケーション302は、ホットフォルダ管理テーブル801から、選択されたホットフォルダに関する情報を消去する処理を行う。この一連の手順により、ホットフォルダの解除が完了する。
【0072】
[ホットフォルダの動作]
続いて、これまでに説明した手順で作成したホットフォルダに、ユーザがファイルをドロップしたときのホットフォルダの動作を説明する。
【0073】
図12は、ユーザがホットフォルダにファイルをドロップしたときの動作手順を示したものである。
【0074】
なお本実施例では、図6及び図7に示した設定がされたホットフォルダを用いて説明する。このホットフォルダは、図2に示したホットフォルダ205に相当するものとする。また、本実施例では、ホットフォルダが作成された時点で、ホットフォルダアプリケーション302が起動され、オペレーティングシステム上に常駐するものとして説明する。従って、以下に説明する動作手順は常駐しているホットフォルダアプリケーション302が主体となって実行するものである。
【0075】
まずS1201で、ホットフォルダアプリケーション302は、ユーザがホットフォルダ205にファイルをドロップするのを継続的に監視する。ユーザがホットフォルダ205に印刷を所望するファイルをドロップすると、ホットフォルダアプリケーション302は、ホットフォルダ205にファイルがドロップされたことを検知し、次のステップに進む。
【0076】
S1202では、ホットフォルダアプリケーション302がホットフォルダ管理テーブル303を参照し、ジョブチケット管理テーブル303から、このホットフォルダに関連付けられているターゲットプリンタの情報およびジョブチケットの情報を取得する。この管理テーブル303は図8に示したものであるので、ホットフォルダアプリケーション302は、ファイルがドロップされたホットフォルダに関連付けられているターゲットプリンタが192.168.0.100であることが取得できる。また、同様にしてジョブチケットファイルが4up−10copies−duplex.xmlであることが取得できる。
【0077】
ホットフォルダアプリケーションは取得したジョブチケットファイルの情報に基づいて、ジョブチケット保存領域307からこのファイルを取得し、内容のスキャンを行う。このスキャンは、続くステップであるS1203において、ジョブチケット中に印刷属性パラメータの変更対象フラグ(<AttributeChange Flag=“ON”/>)が記述されている印刷属性があるか否かを判定するために行う。
【0078】
S1203では、ジョブチケット中に印刷属性の変更対象フラグが記述されているか否かを判定し、記述の有無により移行するステップを切り替える。本実施例では、ホットフォルダアプリケーション302が取得し、スキャンしたジョブチケットファイルの内容は図7に示したものである。よって、ホットフォルダアプリケーション302は属性設定変更対象フラグが記述されていることを認識し、S1204に処理を進める。このとき、アプリケーション302は、設定変更対象フラグが記述されている印刷属性の情報も合わせて取得する。これは、後述するS1204で表示する属性設定ダイアログを生成するために行うものである。
【0079】
なお、ホットフォルダアプリケーション302がS1203において、スキャンしたジョブチケット中に属性設定変更対象フラグが存在しないと判定した場合は、S1208に処理を進める。
【0080】
S1204では、ホットフォルダアプリケーション302が、属性設定変更対象フラグがONとなっている印刷属性について、属性設定のダイアログを表示する。具体的には、図7のジョブチケットにおいて、属性設定変更となる印刷属性は、「メディアタイプ」「部数」「ページレイアウト」であることから、属性設定ダイアログにはこの3つの印刷属性のコントロールを表示する。ホットフォルダアプリケーション302が生成し、表示する属性設定ダイアログを図13に示す。なお、本実施例では、ホットフォルダ205にファイルがドロップされ、ステップS1203の処理を行った時点で、ホットフォルダアプリケーション302が属性設定ダイアログを生成するように記載するが、本発明はこの時点でダイアログを生成することに限定されるものではない。ホットフォルダが作成された時点で、ホットフォルダに対して属性変更対象として指定された印刷属性は判明している。よって、予め属性設定ダイアログを生成し、必要に応じて表示するように構成することもできる。
【0081】
図13はS1204で表示される印刷属性設定ダイアログ1301である。1302は用紙タイプの設定コントロール、1303は部数の設定コントロール、1304はページレイアウトのコントロールである。各印刷属性はユーザによって変更可能であるとともに、ホットフォルダ作成時に設定した値がデフォルト値として表示されている。
【0082】
ユーザは、このダイアログを用いて、必要に応じて印刷属性の変更を行う。例えば、部数を増減させるなどの処理が可能である。ユーザは、印刷を実行する場合はOKボタン1305を押下する。また、印刷をキャンセルする場合は、ユーザがキャンセルボタン1306を押下する。キャンセルボタン1306が押下された場合、全ての印刷処理をキャンセルする。即ち、ホットフォルダにファイルがドロップされなかったものとする。なお、この印刷属性設定ダイアログに表示された各印刷属性のままで印刷を実行する場合は、各印刷属性に対して変更処理をせずに、OKボタンを押下すればよい。なお、このステップでは、ユーザは用紙タイプを普通紙から厚紙に変更、部数を10部から1部に変更したものとする。さらに、当初設定したターゲットプリンタでは、厚紙に対して両面印刷ができないものとする。
【0083】
ユーザがOKボタンを押下すると、ホットフォルダアプリケーション302は、印刷属性設定ダイアログ1301で変更を許可した各印刷属性に対して、変更処理がされたか否かを判定する。それとともに、これらの印刷属性の設定内容を任意の記憶領域に格納する。
【0084】
続いて、S1206では、ホットフォルダアプリケーション302が、ユーザが指定した印刷属性設定で正しく印刷が実行できるか否かを検査する。この検査は、S1205でユーザが変更した印刷属性の設定内容が、その他の印刷属性と矛盾を生じることなく、印刷実行可能な条件に適合しているか否か(禁則が生じていないか否か)を判定するために行われる。この判定処理は、ホットフォルダ作成処理の項目で記載した方法や、その他の方法を用いれば実行可能である。
【0085】
本実施例の場合、図13の印刷属性設定ダイアログにおいて、ユーザが用紙タイプを普通紙から厚紙に変更する処理を行っている。また、本ホットフォルダのターゲットプリンタでは、用紙タイプが厚紙の場合は両面印刷を実行することができない。ユーザが印刷属性の設定を変更しても、印刷不可能な状況となっていない場合はS1208に処理が移行するが、上述の状況では、ユーザによる用紙タイプの変更により、印刷不可能な状況となっているため、S1207に移行して印刷属性設定の見直し処理を行う。
【0086】
S1207では、まずホットフォルダアプリケーションは印刷不可能な条件設定が為されていることをユーザに知らせるために、不図示の警告ダイアログを表示する。さらに、印刷属性の再設定を可能とする印刷属性設定ダイアログを表示する。図14は印刷属性の再設定を可能とするダイアログ1401を示す図である。1402は用紙タイプ、1403は両面設定の設定コントロールである。図14には示していないが、印刷不可能となった理由をユーザに提示する情報を表示してもよい。つまり、「ターゲットプリンタでは、厚紙を両面印刷することができない」旨の表示を行えばよい。ユーザは、ダイアログ1401において、用紙タイプを普通紙とするか、両面印刷を片面印刷にするか、若しくはどちらも変更するか(用紙タイプを普通紙とし、片面印刷とする設定)を選択し、その選択条件で再設定を行う。これにより、問題となっていた印刷属性設定の不都合が解消される。
【0087】
続いて、S1208では、ホットフォルダアプリケーション302がジョブチケットの再生成処理を行う。S1205やS1207によって、当初の印刷属性値から変更された印刷属性が存在する場合には、ジョブチケットを再生成する。この再生成処理は、新たなジョブチケットを生成し、ジョブチケット保存領域307に保存されているジョブチケットを上書きする処理であってもよいし、S1302で取得したジョブチケットの各印刷属性設定値を、変更が発生した印刷属性のみを更新する処理であってもよい。本実施例では、変更を反映したジョブチケットを用意する処理であれば、どのような方法を用いてもよい。本実施例では、このジョブチケットを用意する処理を再生成として表現している。なお、S1208で再生成されるジョブチケットでは、属性変更対象フラグの記述を削除してもよい。これは、属性変更対象フラグは上述したフローで利用されるものであり、プリンタにおける印刷処理には利用されないためである。
【0088】
こうして生成されたジョブチケットは、オペレーティングシステムを介して、ホットフォルダにドロップされた印刷データとともにジョブ生成送信制御部305によってプリンタに送信される。
【0089】
以上説明したように、ホットフォルダの作成時に、ホットフォルダを用いた印刷処理の実行段階で、ユーザが任意の印刷属性をミスなく変更することができる。これにより、印刷属性の組み合わせごとに多数のホットフォルダを作成することで生じる、管理の煩雑さを解消するとともに、ホットフォルダの利便性を備えた印刷処理が実行できる。
【実施例2】
【0090】
次に実施例2として、プリンタドライバを用いてホットフォルダを設定する手順を説明する。なお、本実施例では、上述した実施例1とは異なる構成のみ説明するものとし、実施例1と同等の構成については説明を省略する。実施例1では、ホットフォルダアプリケーションを用いたホットフォルダの作成と、そのホットフォルダを用いた場合の印刷属性変更制御を説明した。本実施例では、プリンタドライバで設定された印刷条件を用いて、プリンタドライバがホットフォルダの作成を行う点が実施例1と異なる点である。なお、プリンタドライバにより生成されたホットフォルダを用いた場合の印刷属性変更制御は、実施例1に記載した制御と同等のものである。
【0091】
[プリンタドライバの動作概要]
図15〜図17はプリンタドライバ画面の一例を示す模式図である。プリンタドライバは、本システムのプリンタなどの画像形成装置によるプリント動作等の出力動作を指示するのに好適な表示画面構造のGUI(Graphic User Interface)を有する。このGUIは、アプリケーションの操作画面等からユーザからのキー操作により印刷指示したときにコンピュータのディスプレイに表示させる印刷設定用のGUI上において、「プリンタ」に関するプロパティの表示指示をユーザからのキー操作によりなされた場合に該ディスプレイに表示されるものである。ユーザはこのGUIを通して所望の設定パラメータ(印刷出力処理条件)を設定可能である。また、該プリンタドライバは、設定された印刷出力処理条件を、所望の画像データと共にプリンタなどの送信先(出力先とも呼ぶ)にネットワーク等の通信媒体を介して送信するよう制御する。
【0092】
図15において、1501はプリンタドライバのウィンドウである。このプリンタドライバのウィンドウ1501内の設定項目において、1502はターゲットとなる出力先を選択する送信先の選択カラムである。このように画面上に表示させる選択カラム1502を介して、ユーザにより本システムの所望の出力先デバイスを選択可能とする。
【0093】
1503はジョブの中から出力ページを選択するページ設定カラムであり、クライアントコンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像イメージのどのページを出力するかを決定する。このように画面上に表示させるページ設定カラム1503を介して、本システムのプリンタ等のデバイスにて印刷出力させるべきページをユーザにより選択可能とし、全ページ印刷させることも、全ページ印刷させることなく特定のページを印刷させることも可能とする。
【0094】
1504は本システムのプリンタ等のデバイスにて印刷出力すべきジョブの出力部数を指定する部数設定カラムである。また、1505は前記送信先選択カラム1502にて選択された送信先デバイスに関する詳細設定を行うためのプロパティボタンである。ユーザによりボタン1507が押下されたことに応答し、該コンピュータのディスプレイ上に図16、図17に示す各種の詳細画面を表示させるよう制御する。
【0095】
そして、図15〜図17の各種の操作画面を介してユーザによる所望の設定が済んだ上で、OKキーボタン1505を押下すれば、ユーザの所望の設定に従った印刷を開始させることが出来る。当該処理を取り消す場合には、キャンセルボタン1506をユーザが押下することで、これを受け、制御部は印刷を取りやめて、画面1501の表示を終了させる。
【0096】
図16、図17は、図15に示した操作画面上のプロパティボタン1507がユーザによりクリックされたことに応答し、該クライアントコンピュータ画面上に表示させる操作画面(GUI)である。
【0097】
この画面には、例えば「ページ設定」,「仕上げ」,「給紙」,「印刷品質」等のタブキーが設けられている。それらをクリック(図示しないクライアントコンピュータが具備するポインティングデバイス等の操作部で指示)することにより、「ページ設定」に関する設定,「仕上げ」に関する設定,「給紙」に関する設定,「印刷品質」に関する設定等の異なる各種詳細な印刷出力条件の設定を行うことができる。
【0098】
図16は、「ページ設定」タブが押下された場合に表示させる操作画面例である。該画面は、印刷すべきジョブの記録紙の用紙サイズをユーザにより設定可能とする用紙サイズ設定部1601を有する。また、一枚の記録紙の同一面上に複数ページ分の原稿画像データを配列形成させるレイアウトモードを選択するページレイアウト設定部1602を有する。さらに、印刷用紙の向きを選択する印刷の向き設定部1603、処理対象となるジョブの印刷部数をユーザにより設定可能にする為の部数設定部1604等を具備する。
【0099】
また、「仕上げ」タブがユーザによるキー操作により選択された場合、これを受け、制御部は、図17に示すような操作画面を表示させる。当該画面は、本システムが具備するデバイスに関わる固有の設定情報、例えばステープル処理の設定などが行える。
【0100】
また、図示しないが、同様にして「印刷品質」タブでは、解像度やハーフトーン設定などの選択を行うことができる。
【0101】
さらに、1704はOKキーで、このキーを押下(指示)すると、プロパティ設定を有効にして、図15の画面に戻る。また、1705はキャンセルキーで、このキーを押下(指示)すると、プロパティ設定を無効にして、図15の画面に戻る。
【0102】
以上、各種の詳細設定を含む印刷処理条件を図15〜図17の各種の印刷設定画面を介して設定した上で、該クライアントコンピュータからジョブの出力要求とそのジョブの上記印刷条件データとそのジョブの画像データを送出する。
【0103】
[プリンタドライバ構成の説明]
図18はプリンタドライバを含むクライアントコンピュータ内部のソフトウエアの構成を示したものである。1801のクライアントコンピュータには1802のオペレーティングシステム(OS)が搭載されている。1805のプリンタドライバや1806のアプリケーションソフトウエアはこのOS上にインストールされ、OSにより制御される。なお、アプリケーションソフトウエアは図3に示したホットフォルダアプリケーション302に相当するものを含んでいる。
【0104】
プリンタドライバ1801は、表示や設定の保存などを行うユーザI/Fドライバ1806とアプリケーションからOSを通して指示される印刷描画命令をプリンタが解釈可能なコードに変換するグラフィックドライバ1807から構成されている。ユーザI/Fドライバ1806は、アプリケーションからOSを通して印刷設定が指示されたとき、図15〜図17に示す印刷設定ダイアログ、プロパティシートを表示する。
【0105】
なお、OSが管轄する保存領域内に、1803のプリンタドライバの設定保存領域があり、ユーザI/Fドライバ1806にてユーザが設定した印刷属性はこのプリンタドライバ設定保存領域に保存される。また、ユーザI/Fドライバ1806、グラフィックドライバ1807、アプリケーションソフトウエア1808はOSを介してこのプリンタドライバ設定保存領域にアクセスすることができ、ユーザが設定した印刷属性を読み取ることが可能である。
【0106】
さらに、クライアントコンピュータは1810のクライアントコンピュータ側の通信I/Fとプリンタ側の通信I/F1811とがネットワークなどの通信媒体で接続されている。グラフィックドライバ1807はOSを介してプリンタに印刷データの送信が可能であり、またプリンタの構成情報やステータスなどをOSを介して取得することも可能である。
【0107】
[印刷の流れ]
次に、ユーザがプリンタドライバ上で印刷属性の設定を行い、印刷出力されるまでの流れを説明する。図19はユーザが印刷属性を設定する手順を示すフローチャート、図20はユーザが印刷指示を行い印刷されるまでのフローチャートである。
【0108】
まず、S1901においてユーザがアプリケーションソフトウエアのメニューから印刷設定のメニューを選択する。この動作をきっかけとして、S1902において、アプリケーションがOSのAPI(Application Programming Interface)をコールして、プリンタドライバに印刷属性設定のプロパティシートを表示するように指示する。この指示により、OSはプリンタドライバに印刷属性設定のプロパティシート表示の指示を行い、S1903においてプリンタドライバのユーザI/Fドライバはこの指示を受けて、図15に示した印刷属性設定のプロパティシートを表示する。
【0109】
続いて、S1904においてユーザは前述した図15〜図17のプロパティシート上で所望の印刷属性設定を行う。ユーザは印刷属性設定を行った後、図15のプロパティシートのOKボタン1505を押下し、設定した印刷属性を確定する。
【0110】
このOKボタン押下を受けて、S1905のステップにおいて、ユーザI/Fドライバ1806はユーザが設定した印刷属性設定値をOSのAPIをコールし、OS内のプリンタドライバ設定保存領域1803に保存する。これで印刷属性設定とその設定値保存が完了する。
【0111】
次にユーザはドキュメントを印刷するために、S2001のステップにおいて、アプリケーションソフトウエアのメニューから印刷メニューを選択する。
【0112】
この選択指示により、S2002のステップにおいてアプリケーションソフトウエアはOSのAPIをコールしてプリンタドライバに印刷開始指示を行う。なお、この過程で一度、図15に示す印刷設定ダイアログを表示するケースもある。この印刷指示を受けて、OSはプリンタドライバに印刷開始指示を行う。
【0113】
S2003のステップにおいて、プリンタドライバを構成しているグラフィックドライバは、この印刷開始指示によりOSのプリンタドライバ設定保存領域から保存されている印刷属性設定値を読み出し、プリンタに指示する印刷属性設定コードを生成、プリンタに送信する。
【0114】
続いて、S2004のステップにおいてアプリケーションはドキュメントデータに基づきOSを介して印刷描画を行う。S2005のステップにおいてOSに対して指示された印刷描画はグラフィックドライバ1807に描画指示され、グラフィックドライバ1807は受信した印刷描画命令をプリンタが解釈可能な印刷コードに変換してプリンタに送信する。S2006のステップにおいて、プリンタは受信した印刷描画コードに基づきレンダリングを行い印刷を行う。
【0115】
以上述べた手順によりユーザが印刷属性を設定し、印刷出力を得ることが可能となる。
【0116】
[ホットフォルダ作成]
次にプリンタドライバ上からホットフォルダを作成する方法を説明する。図21はその処理のフローを示したものである。
【0117】
まずS2101のステップにおいて、ユーザはプリンタドライバのプロパティシート上で作成したいホットフォルダの印刷属性設定を行う。次にS2102において、いずれかのプロパティシート、図16あるいは図17のシートにおいて、ホットフォルダ作成ボタンを押下する。この押下により、不図示のホットフォルダ印刷属性設定ダイアログが表示される。ユーザは、ターゲットフォルダの設定を行う。このダイアログは、図5に示したダイアログからターゲットプリンタの指定コントロールを除去したものとほぼ同様のものであるため、説明を省略する。なお、ターゲットプリンタは、図15に示した選択カラム1902で選択されているプリンタとなる。
【0118】
次に、ホットフォルダにファイルをドロップしたときに変更したい属性がある場合は、図6に示したダイアログと同様のダイアログを表示させ、変更対象属性の指定を行う。
【0119】
以上の処理により、プリンタドライバはジョブチケットを生成し、この後の制御をホットフォルダアプリケーションに移す。プリンタドライバが生成するジョブチケットは図7に示したジョブチケットと同じものであるため、詳細な説明は省略する。図22はプリンタドライバとホットフォルダアプリケーションの関係を示した図である。ライアントコンピュータ2201に搭載されているオペレーティングシステム2202上にプリンタドライバ2203およびホットフォルダアプリケーション2204が搭載されている。
【0120】
プリンタドライバ2203とホットフォルダアプリケーション2204は相互に情報の授受が可能となっており、プリンタドライバ2203は外部通信制御部2205とエキスポート関数2207が具備されている。また、ホットフォルダアプリケーションも同様に外部通信制御部2206とエキスポート関数2208が具備されている。この構成により、プリンタドライバとホットフォルダアプリケーションは規定された手順、データ構造により相手に対する指示および情報の交換が可能となる。
【0121】
この機構を利用して、プリンタドライバは図7のジョブチケット、ターゲットフォルダ情報、ターゲットプリンタ情報とともにこのジョブチケットの印刷属性をもつホットフォルダを作成するよう、ホットフォルダアプリケーションに指示する。
【0122】
プリンタドライバがターゲットフォルダ、ターゲットプリンタ、ジョブチケットをホットフォルダアプリケーションに通知したあとの動作は、実施例1で説明したホットフォルダアプリケーションの動作と同様となるため説明は省略する。
【0123】
このような方法により、プリンタドライバからホットフォルダを生成する際に、ホットフォルダへのファイルドロップ時に指定した印刷属性の変更が可能となる。
【実施例3】
【0124】
次に実施例2として、印刷設定ウィザードを用いてホットフォルダを設定する手順を説明する。なお、本実施例では、上述した実施例1及び実施例2とは異なる構成のみ説明するものとし、実施例1及び実施例2と同等の構成については説明を省略する。
【0125】
実施例1では、ホットフォルダアプリケーションを用いたホットフォルダの作成処理と、そのホットフォルダを用いた場合の印刷属性変更制御を説明した。また、実施例2では、プリンタドライバを用いたホットフォルダの作成処理を説明した。本実施例では、印刷設定ウィザードを用いて印刷設定を行う場合に、その設定内容を用いて、プリンタドライバがホットフォルダの作成を行う点が上記の実施例と異なる点である。なお、印刷設定ウィザードにより生成されたホットフォルダを用いた場合の印刷属性変更制御は、実施例1に記載した制御と同等のものである。
【0126】
ドキュメントの印刷を行う際に、実施例2で説明したプリンタドライバのプロパティシートで印刷属性を設定する以外に、ユーザに対して対話的に画面を表示し、印刷に必要なパラメータ(印刷属性)を順じ設定するウィザード形式の印刷属性設定方法がある。本実施例ではウィザード形式で印刷属性を設定する際に、ホットフォルダを作成する手順を説明する。なお、この印刷設定ウィザードは、プリンタドライバによって提供されるものでも、専用のアプリケーションによって提供されるものでも構わない。本実施例ではプリンタドライバによって提供されるものとして説明を行う。
【0127】
[ウィザード印刷時のホットフォルダ作成手順]
図23はウィザード設定で印刷処理を行うとともに、ホットフォルダも作成する手順を示したフローチャートである。このフローチャートをもとにホットフォルダの作成手順を説明する。
【0128】
まずユーザはプリンタドライバにてウィザード形式の印刷属性設定を開始する。なお本実施例では、製本印刷のウィザード設定を行うものとする。
【0129】
S2301において、ウィザード形式に印刷属性設定に先立ち、ユーザはこのウィザード印刷属性設定で設定した内容のホットフォルダの作成を行うかの選択をする。図24はこのときに表示されるダイアログの一例を示したものであり、2402においてホットフォルダを作成するかどうかの選択を行う。2402においてユーザが「いいえ」を選択した場合、S2302において通常のウィザード印刷属性設定、および印刷が実行される。ダイアログ2402において、ユーザが「はい」を選択した場合、S2303以降のステップにより、このウィザードで設定した内容のホットフォルダが作成される。
【0130】
S2303においてウィザード印刷属性設定を開始するが、その際に、各設定ダイアログで、「ホットフォルダの属性変更対象」にするかどうかの選択も追加される。図25〜図27はウィザード印刷属性設定の各ダイアログであり、図25は製本形式を選択するダイアログで、選択肢は「中綴じ製本」と「無線綴じ製本」、図26は用紙タイプを選択するダイアログ、図27は部数を選択するダイアログである。図25において、ユーザは中綴じ製本を選択するものとする。ただし、ユーザはホットフォルダの変更対象属性とはしないものとする。そのため「ホットフォルダの属性変更対象にする」チェックボックスはOFFとしている。図26において、ユーザは用紙タイプで普通紙を選択するものとする。ただし、ユーザはホットフォルダでは用紙タイプを変更する可能性があるので、この属性に関しては「ホットフォルダの属性変更対象にする」チェックボックスをONとしている。
【0131】
図27において部数は10部と設定するものとする。ただし、ユーザはホットフォルダではユーザは部数を変更する可能性があるので、この属性に関しては「ホットフォルダの属性変更対象にする」チェックボックスをONとしている。なお、図25〜図27の各ウィザード設定ダイアログは行き来が可能で、次に進む場合は各ダイアログの「次へ」ボタン(2504、2604、2704)、前に戻る場合は各ダイアログの「戻る」ボタン(2505、2605、2705)を押下すればよろしい。
【0132】
これでウィザード形式の印刷属性設定が終了したため、次のS2304にてホットフォルダの設定を行う。図28はホットフォルダの設定を行うダイアログで、ここではターゲットフォルダの設定のみを2802で行う。なお、2802では直接ターゲットフォルダのパスを入力するが、2803の参照ボタンでリストの中から選択する方法もある。なお、このダイアログでは、ターゲットプリンタ、印刷属性設定のコントロールがないが、ターゲットプリンタではプリンタドライバでターゲットプリンタが指定されているためそのプリンタを、また印刷属性設定は今までの手順で設定した印刷属性設定値を使用する。
【0133】
次にS2305において、プリンタドライバ(ウィザード設定)はホットフォルダ用のジョブチケットを生成する。図29は今までの手順で設定した印刷属性のジョブチケットで、2901は製本タイプが中綴じ製本(Saddle Stitch)、2902は用紙タイプが普通紙(Plain)で、ホットフォルダのファイルドロップ時は属性変更対象であることを示している。また、2903は部数が10部で、これも同様に属性変更対象であることを示している。
【0134】
次にS2306でプリンタドライバは、ホットフォルダアプリケーションにホットフォルダのパス、ターゲットプリンタ、ジョブチケットを送信する。なお、この送信方法は上記の実施例2で図22を用いて説明したものと同様の方法であるため説明は省略する。さらにS2307において、ホットフォルダは受信したホットフォルダのパス、ターゲットプリンタ、ジョブチケットを元にホットフォルダの設定を行う。この設定方法は実施例1で説明した方法であるため説明は省略する。
【0135】
[ホットフォルダの動作]
次に先ほど設定したホットフォルダにユーザがファイルをドロップしたときのホットフォルダの動作を説明する。図30はホットフォルダの動作のフローチャートであり、これを元に説明する。なお、この実施例では、実施例1、実施例2と異なり、ホットフォルダにファイルがドロップされた場合、変更対象属性を一度に表示するのではなく、ウィザード形式でひとつひとつのパラメータを設定する方式としている。もちろん、一度に表示する形式でもかまわない。
【0136】
S3001〜S3003は実施例1のS1201〜S1203と同じであるため説明を省略する。
【0137】
S3004において、変更対象フラグがONの属性のウィザードについてウィザードダイアログを表示する。まずはじめの変更対象フラグがONの属性は、図29のジョブチケットから、用紙タイプであることがわかるため、図31の用紙タイプ設定のウィザードダイアログを表示する。S3005においてユーザが設定を行った後、S3006にて設定値が印刷可能な条件を満たしているかを判定する。もしここで印刷が可能な条件を満たしていない場合、実施例1と同様の処理を行い、S3007においてユーザに適切な値を設定してもらうこととなる。
【0138】
続いて、S3008においてすべての属性変更フラグがONの属性設定を行ったか判定する。図29のジョブチケットにおいて、2903の部数設定が変更対象になっているため、S3004に戻り、部数設定を行う。ここでは3部に変更したとする。図32は部数設定を行うダイアログである。なお、この設定で属性変更対象の設定は終わるため、図32のダイアログに3204の完了ボタンを表示する。ユーザが完了ボタンを押下した後、S3009において、ジョブチケットの更新と、生成およびプリンタへのジョブ送信を行う。
【0139】
以上の手順により、プリンタドライバの印刷属性設定ウィザードにおいて、ホットフォルダが作成でき、作成したホットフォルダにおいて、一部の印刷属性設定変更が可能となる。
【実施例4】
【0140】
次に実施例4として、実施例1と同じ図1のシステムにおいて、プリンタ側にもホットフォルダが存在する場合を説明する。
【0141】
[システム説明]
図33は図1のシステム構成において説明に必要な構成を抽出したものであり、3301はクライアントコンピュータ、3302はネットワークプリンタである。実施例1〜3では、ホットフォルダはクライアントコンピュータ3301で作動していたが、本実施例では、プリンタ3302にもホットフォルダが作動している例を示す。プリンタ3302上ではホットフォルダを作成することが可能であり、一般的にはプリンタのファイルシステムの特定のディレクトリに印刷属性を設定、ネットワークに公開して、そのディレクトリにファイルが投入されると予め設定してある印刷属性で印刷を行う仕組みとなっている。
【0142】
3305はプリンタ3302のファイルシステムで、3306はその特定のディレクトリを公開することを示している。また、このディレクトリへのファイル投入は、3303の通信媒体であるコンピュータネットワークを通じてFTPやSMBなどのファイル転送プロトコルが使用される場合が多い。次にクライアント3301側ではプリンタ3302で公開しているディレクトリに接続することによりホットフォルダの作成を行う。3307はクライアントコンピュータ3301のデスクトップ画面であり、例えばデスクトップなどに、プリンタ3302で公開されているディレクトリ3306に接続して、3304のディレクトリを表示させる。このホットフォルダを利用する場合、印刷したいドキュメントファイルをマウスなどでドラッグし、デスクトップ上のホットフォルダにドロップすることにより印刷を行う。以下、プリンタ3302の内部構成、およびプリンタ側の印刷の流れを説明する。
【0143】
[プリンタ構成]
図34はプリンタ3302の内部構成図である。プリンタは機器制御の基本部分を制御するオペレーティングシステム3402を搭載し、ホットフォルダアプリケーション3403はこのオペレーティングシステム上に搭載される。ホットフォルダアプリケーション3403は、オペレーティングシステムが管理する記憶領域中に作成されているホットフォルダ領域3404にファイルが投入されたかどうかを判定しジョブを生成するジョブ監視制御部3406を有する。また、ホットフォルダに関連づける印刷属性を設定、生成するUI制御部3405とジョブチケット生成部3404から構成される。また、クライアントコンピュータ3301からのドキュメントファイルの受信は、クライアントコンピュータ3301のネットワークインターフェース3409、プリンタ3302のネットワークインターフェース3410の間で通信媒体を通じて行われる。
【0144】
なお、プリンタ3302でUI制御部3405およびジョブチケット生成部3404により設定、生成される手順は、前の実施例で示したクライアントコンピュータ3301のホットフォルダアプリケーションによる印刷属性と同様であるため説明は省略する。
【0145】
図35はホットフォルダ領域3407内のディレクトリ構成を示したものである。ホットフォルダは3502の/usr/hotfolder以下のディレクトリに印刷属性毎に作成される。3503は/usr/hotfolder/duplexというパスのホットフォルダであり、このパスにはこのホットフォルダに関連づけられているジョブチケットduplex.xmlが保存されている。これは、ホットフォルダ3503のUI制御部3405およびジョブチケット生成部3404で生成した際に格納されたものである。/usr/hotfolder3502以下には、ユーザが設定したホットフォルダ分のディレクトリが生成され、各ディレクトリにはユーザが設定したジョブチケットが格納される。なお、ホットフォルダへのジョブチケットの関連付けは、本実施例ではそのホットフォルダに格納しているが、例えば、ホットフォルダパスとそのホットフォルダに関連付けられたジョブチケットファイル名をテーブルで持ち、ジョブチケット本体は別の記憶領域に格納する方法など他の方法でもかまわない。
【0146】
[プリンタ処理の手順]
図36は以上の構成におけるプリンタ3302のホットフォルダの処理手順である。
【0147】
S3601において、ジョブ監視生成制御部3406は/usr/hotfolder3502以下の各ホットフォルダパスのファイル受信を監視する。ファイルが受信されるまでこのステップを繰り返す。
【0148】
次にホットフォルダにファイル受信が発生した場合、S3602において、投入ジョブにジョブチケットが付与されているか判定する。この判定により、投入ジョブにジョブチケットが付与されていると判定された場合、S3603に進み、そのジョブチケットにしたがって印刷が実行される。ジョブチケットが付与されていない場合、S3604においてホットフォルダに関連づけられているジョブチケットで印刷が実行される。例えば、3503のホットフォルダにジョブチケットが付与されていないファイルが受信された場合、3504の/usr/hotfolder/duplex/duplex.xmlのジョブチケットが使用される。
【0149】
[ユーザ操作]
次に、ユーザの操作手順を説明する。
【0150】
ユーザは、前述した手順で接続したプリンタのホットフォルダ、例えば図33に示す3304のホットフォルダに対して、実施例1〜実施例3で示した方法でホットフォルダに対して印刷属性を設定、ホットフォルダの印刷を行う。
【0151】
以上説明したように、プリンタ側でホットフォルダが存在する場合に対して、ユーザがホットフォルダでファイルの印刷を行う場合、一部の印刷属性の変更が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】ホットフォルダ印刷システムの概略図である。
【図2】ホットフォルダ設定が存在するクライアントコンピュータのデスクトップ画面を示す図である。
【図3】コンピュータ内のオペーレティングシステムとホットフォルダアプリケーションのブロック図である。
【図4】ホットフォルダを作成するためのフローチャートである。
【図5】ホットフォルダ設定ダイアログ(作成シート)を示す図である。
【図6】印刷属性設定ダイアログを示す図である。
【図7】ジョブチケットの例を示す図である。
【図8】ジョブチケット管理テーブルを示す図である。
【図9】ホットフォルダ編集のフローチャートである。
【図10】ホットフォルダ設定ダイアログ(編集シート)を示す図である。
【図11】ホットフォルダ解除のフローチャートである。
【図12】ホットフォルダの印刷動作のフローチャートである。
【図13】ホットフォルダの印刷属性設定ダイアログを示す図である。
【図14】印刷属性再設定のためのコントロールの設定ダイアログを示す図である。
【図15】プリンタドライバの印刷ダイアログを示す図である。
【図16】プリンタドライバのページ設定プロパティシートを示す図である。
【図17】プリンタドライバの仕上げ設定プロパティシートを示す図である。
【図18】プリンタドライバのモジュール構成図を示す図である。
【図19】プリンタドライバ印刷属性設定のフローチャートである。
【図20】プリンタドライバの印刷実行時のフローチャートである。
【図21】プリンタドライバのホットフォルダ作成に関するフローチャートである。
【図22】プリンタドライバとホットフォルダの関連を示すブロック図である。
【図23】ウィザード形式設定におけるホットフォルダ作成のフローチャートである。
【図24】ウィザード開始ダイアログを示す図である。
【図25】製本形式選択ウィザードダイアログを示す図である。
【図26】用紙タイプ選択ウィザードダイアログを示す図である。
【図27】部数設定ウィザードダイアログを示す図である。
【図28】ホットフォルダ設定ダイアログを示す図である。
【図29】ホットフォルダのジョブチケットを示す図である。
【図30】ホットフォルダの印刷動作を示すフローチャートである。
【図31】用紙タイプ選択ウィザードダイアログを示す図である。
【図32】部数設定ウィザードダイアログを示す図である。
【図33】実施例4のホットフォルダシステムのシステム構成図である。
【図34】プリンタの内部構成図である。
【図35】ホットフォルダのディレクトリ構成を示す図である。
【図36】プリンタにおける印刷実行処理のフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットフォルダにより印刷を行うことが可能な情報処理装置及び情報処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータのアプリケーションなどで作成されたデータの印刷を容易に行うためのホットフォルダプリンティングと称される技術が存在している。このホットフォルダプリンティングでは、予めコンピュータのデスクトップ上などに印刷属性を設定したフォルダを作成しておく。そして、そのフォルダに印刷を行いたいデータファイルをドラッグアンドドロップすると、予め設定しておいた印刷属性で印刷を行うことが可能となる。
【0003】
ホットフォルダの印刷属性の設定方法としては、ホットフォルダに予め所望の印刷属性を設定しておき、そのホットフォルダに印刷を行いたいファイルをドラッグアンドドロップして印刷を行う方法があった(特許文献1参照)。
【0004】
また、予め所望の印刷属性を設定しておき、後からその印刷属性で印刷を行う方法としては、プリンタドライバ上で印刷属性の設定を保存しておき、容易にその設定を呼び出して印刷を行うことができるものがあった(特許文献2参照)。なお、特許文献2に記載の技術は、設定した印刷属性を「お気に入り設定」として保存しておけるというものであり、ホットフォルダとは構造が異なる。しかしながら、印刷の際にプリンタドライバ上で、予め設定しておいた「お気に入り属性」を選択し、必要に応じて、一部の印刷属性を変更して印刷を行うことが可能である。
【0005】
さらに付随的な手段として、印刷属性の禁則に関係する設定手順では、はじめの印刷属性設定では禁則条件を考慮せずに一通りの印刷属性設定を許可し、印刷開始直前の印刷結果プレビュー画面で必要な機能の禁則を行う方法があった(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2000−118095号公報
【特許文献2】特開2000−222159号公報
【特許文献3】米国特許公報6134568
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のホットフォルダの技術では、印刷実行時に全ての印刷属性を詳細に設定することを避けることを目的としている。そのため、予め定めた一組の印刷属性設定はひとつのホットフォルダとして生成される。例えば、両面印刷してステイプル処理を行う印刷属性と、両面印刷してステイプル処理を行わない印刷属性とでは、それぞれのホットフォルダを生成する必要がある。結果として、ユーザが一部の印刷属性を変更して印刷したい場合、変更したいパラメータの数のホットフォルダを作成する必要があった。そのため、デスクトップなどに多くのホットフォルダを作成する必要があり、ユーザは所望のホットフォルダを探す手間がかかり、ホットフォルダの管理も煩雑となるという課題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術では、プリンタドライバにおいて予め設定して保存しておいた印刷属性設定の一部を変更して印刷することができる。しかしこの印刷方法では、まず、印刷したいファイルを一度アプリケーションで開き、プリンタドライバのプロパティシートを開いた上で「お気に入り」を選択する。その後、必要に応じてプリンタドライバの印刷属性設定ダイアログで印刷属性を変更するという手順が必要となり、通常のプリンタドライバで一通り印刷属性設定する場合よりは手間が少ないが、ホットフォルダのようにファイルをドラッグアンドドロップして印刷する手順に比べて非常に手間がかかる、という課題があった。
【0008】
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、ホットフォルダで印刷を行う際の利便性を低下させることなく、ユーザが所望する印刷属性に容易に変更可能とする情報処理装置及び情報処理方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、オペレーティングシステム上に生成されたフォルダに対して、当該フォルダに投入されたファイルデータに付加する複数の印刷属性のパラメータと、前記フォルダにファイルデータが投入された場合に、各パラメータを変更するか否か指定する変更可否情報と、を設定可能な設定手段と、前記設定手段で設定されたパラメータ及び前記変更可否情報を前記フォルダに関連付けた状態で保持する保持手段と、を有する。
【0010】
また、本発明は、オペレーティングシステム上に生成されたフォルダに対して、当該フォルダに投入されたファイルデータに付加する複数の印刷属性のパラメータと、前記フォルダにファイルデータが投入された場合に、各パラメータを変更するか否か指定する変更可否情報と、を設定可能な設定工程と、前記設定工程で設定されたパラメータ及び前記変更可否情報を前記フォルダに関連付けた状態で保持する保持工程と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ホットフォルダの利便性を損なうことなく、容易にパラメータの変更が可能となる。また、それぞれのパラメータごとのホットフォルダを作成しておく必要がなくなり、ホットフォルダの管理効率やユーザの操作性が改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、複数の実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
[システム構成]
図1から図14は本発明による印刷システムを示す実施例1を示す図である。特に、本発明の主要な構成を有するクライアントコンピュータにおける処理を中心に説明したものである。
【0014】
図1はホットフォルダを利用して印刷を行うシステムの一例である。図1中の符号101および102は印刷指示を行うためのクライアントコンピュータである。符号103および104はネットワーク105に接続可能でクライアントコンピュータ(101、102)から印刷ジョブを受信して印刷を行うことが可能なプリンタである。クライアントコンピュータ(101、102)はオペレーティングシステムが搭載されており、そのオペレーティングシステム上にホットフォルダのアプリケーションが搭載される。なお、本発明のシステム構成は図1に示した構成に制限されるものではない。
【0015】
次に、図2を用いて、ホットフォルダを利用した印刷の操作を説明する。
【0016】
図2はクライアントコンピュータ101または102のディスプレイに表示される画面を模式的に示したものである。201がデスクトップ画面、202がマウスカーソル、206がこれから印刷しようとするファイルを示している。
【0017】
なお、印刷するファイルのフォーマットはネットワークプリンタ(103、104)が解釈可能なフォーマットである必要がある。このフォーマットは一般にPDF(Portable Document Format)、PS(PostScript)、JPEG、TIFFファイルであることが多いが、これらに限るものではない。
【0018】
図2のデスクトップ画面201中に設けられている203、204、205がホットフォルダである。例えば、203のホットフォルダには予め両面印刷の印刷属性情報が設定されている。また、204のホットフォルダには製本印刷の印刷属性情報が設定されている。また、205のホットフォルダには4−up印刷(4ページの論理ページデータを1枚の用紙の片面に縮小してレイアウトする形態)の両面印刷で10部印刷するといった印刷属性情報が設定されている。こうしたホットフォルダは後述するホットフォルダ作成処理によって作成されるものである。
【0019】
なお、図2では、デスクトップ画面201にホットフォルダを保存し、表示してあるが、ホットフォルダの配置箇所はデスクトップ画面である必要は無い。
【0020】
こうしたホットフォルダを用いてユーザが印刷を実行する場合の処理について説明する。
【0021】
まずユーザはデータファイル206をマウスなどのポインティングデバイスを用いてドラッグするなどし、製本印刷の設定がされているホットフォルダ204にデータファイル206を重ねる。重ねた後、マウスのボタンを離してホットフォルダ204にデータファイルをドロップする。
【0022】
このとき、後述するホットフォルダアプリケーションは印刷属性情報とともにドロップされたファイルを予め設定された製本印刷のためのデータ処理を行った後、オペレーティングシステムを介してネットワークプリンタに送信し、印刷が完了する。
【0023】
次に、ホットフォルダの構成およびホットフォルダのユーザ操作について詳しく説明する。
【0024】
図3は図1に示したクライアントコンピュータ(101、102)に搭載されているオペレーティングシステムおよびホットフォルダアプリケーションのブロック図を概念的に示したものである。301はクライアントコンピュータで、このクライアントコンピュータ301にオペレーティングシステム311が搭載されている。ホットフォルダアプリケーション302はオペレーティングシステム311上に搭載されるアプリケーションプログラムである。オペレーティングシステム311はホットフォルダアプリケーション302の起動や終了を実行する。また、オペレーティングシステム311は、ホットフォルダアプリケーション302によって為される各種処理のうち、オペレーティングシステムに依存する様々な動作を実行する。
【0025】
なお、本実施例におけるホットフォルダアプリケーションは実行形式のアプリケーションとしているが、構成としてはオペレーティングシステムに登録するサービスとすることも可能である。
【0026】
また、本実施例で説明するホットフォルダアプリケーションは、ユーザが設定した印刷属性をXMLフォーマットのジョブチケットとして生成し、保存することとするが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、XMLフォーマットとは、eXtensible Markup Languageで記述された構造化言語であり、メタ言語やメタデータとも称される。
【0027】
さらに、図1に示したネットワークプリンタ(103、104)に相当するプリンタ308はジョブチケットとして生成された印刷属性の解釈が可能であるとする。
【0028】
ホットフォルダアプリケーション302は、印刷属性などの設定を制御するUI制御部304、UI制御部304でユーザが設定した印刷属性に基づいてジョブチケットを生成、保存するジョブチケット制御部306を有する。また、ジョブチケットとフォルダ、プリンタを関連付けるためのジョブチケット管理テーブル303を有する。
【0029】
また、ホットフォルダにドロップされたファイルとそのフォルダに関連付けられたジョブチケットに基づいて印刷ジョブを生成し、送信するジョブ生成送信制御部305などから構成される。
【0030】
なお、本実施例及び他の実施例に関する説明において、ジョブチケットの生成と保存に関してはジョブチケット制御部306が実行するものとする。また、ジョブチケット管理テーブル303の生成や更新はホットフォルダアプリケーション302の別のプログラムによって実行されるものとする。
【0031】
ジョブチケット制御部306が生成したジョブチケットは、オペレーティングシステム311のAPI(Application Programming Interface)を通して、オペレーティングシステム311のジョブチケット保存領域307に保存される。
【0032】
310はクライアントコンピュータ301のネットワークインターフェースであり、プリンタ308のネットワークインターフェース309と通信媒体で接続され、プリントジョブの送信やプリンタのステータス授受などを行う。
【0033】
[ホットフォルダ作成処理]
次にユーザがホットフォルダを作成する処理を説明する。
【0034】
図4はこの処理を示したフロー図である。なお、ユーザは作成するホットフォルダの印刷属性を、ページレイアウト設定を「4−up(4ページ/枚)」、片面/両面設定を「両面」、印刷部数設定を「10部」とする設定を行うものとする。
【0035】
以下のフローでは、ユーザによる作業内容の手順を記載するが、ユーザが行う作業は、クライアントコンピュータのオペレーティングシステムやホットフォルダアプリケーション302が提供するインターフェィスを用いることになる。
【0036】
はじめにS401において、ユーザは任意の場所にフォルダを作成し、ユーザ自身でわかり易い名称を付与する。通常、ホットフォルダはクライアントコンピュータのデスクトップ上にあったほうが便利であるため、デスクトップに作成する。また、フォルダ名称としては、デフォルトから変更した印刷属性がわかるように、「4up−10copies−duplex」と付与する。もちろんこの名称は他のものでもよい。この手順により、デスクトップには図2に示すように、「4up−10copies−duplex」フォルダ205が生成される。この作業は、オペレーティングシステムが有するフォルダ作成処理と同等のものである。
【0037】
次に、S402において、ユーザはホットフォルダアプリケーション302を起動させる。起動したホットフォルダアプリケーション302はホットフォルダ設定ダイアログの表示を行う。なお、ホットフォルダアプリケーション302に関する各種のダイアログの表示や、ダイアログを介して入力される情報は、UI制御部304によって管理される。
【0038】
図5はホットフォルダ設定ダイアログの一例を示したものである。501はホットフォルダ設定ダイアログ、502はホットフォルダを設定するために必要な項目の入力を受け付けるシートである。また、503は既に作成済みのホットフォルダの設定内容を編集するための入力を受け付けるシートである。
【0039】
シート502には、ホットフォルダとして設定をするターゲットフォルダのフォルダパスを指定するコントロール504、ターゲットフォルダパス指定コントロール504でフォルダパスを直接入力する代わりに、フォルダを指定する参照ダイアログを開くためのボタン505が表示される。
【0040】
また、印刷出力ターゲットとするプリンタを選択するためのターゲットプリンタ指定コントロール506、ターゲットプリンタ指定コントロール506でターゲットプリンタを直接入力する代わりに、プリンタを指定する参照ダイアログを開くためのボタン507が表示される。なお、このターゲットプリンタ指定コントロール506でプリンタを指定する方法は、ターゲットプリンタのIPアドレス(192.168.0.100)を入力するものとしているが、プリンタを特定できる方法であれば他の方法でもよい。
【0041】
508はホットフォルダに設定する印刷属性設定ダイアログを開くための設定ボタンである。また、509は現在の状態でターゲットホットフォルダに印刷属性とターゲットプリンタを設定するためのホットフォルダ設定ボタンである。このボタンをユーザが押下することで、S401で生成したフォルダがホットフォルダとして設定される。なお、510はホットフォルダアプリケーションを終了するためのボタンである。以後、説明する処理はこのホットフォルダ設定ダイアログに対してユーザが行うものである。
【0042】
S403において、ターゲットフォルダにS401で作成したフォルダを指定する。上述したように、S401ではデスクトップに「4up−10copies−duplex」という名称のフォルダを作成したので、ターゲットフォルダ指定コントロール504に「c:¥user¥sakura¥desktop¥4up−10cpoies−duplex」と入力する。もちろん、参照ボタン505を用いて指定してもよい。なおフォルダ名より前のフォルダパスはオペレーティングシステムに依存するものである。また、S403では、ターゲットプリンタの指定も行う。これは、ターゲットプリンタ指定コントロール506に、ユーザがホットフォルダを通して印刷出力を所望するプリンタの情報を入力することで行われる。本実施例では、ターゲットとするプリンタのIPアドレスを入力する。もちろん、プリンタが指定できればその他の情報による指定であってもよい。また、参照ボタン507を用いて指定してもよい。
【0043】
次に、S404では、ターゲットフォルダの印刷属性を設定する。ユーザは、印刷属性設定を行うために印刷属性設定ボタン508を押下する。このボタンを押下したとき、ホットフォルダアプリケーション302は図6に示す印刷属性設定ダイアログの表示処理を行う。
【0044】
図6はホットフォルダの印刷属性を設定するダイアログである。601は印刷属性設定ダイアログを示し、604から609はは印刷属性設定項目である。なお、図6は設定できる印刷属性の一部を示したものであり、図6に示した印刷属性以外の設定可能属性は603のスクロールコントロールを用いて表示させることが可能である。なお、本発明では、印刷属性の種類についてはいかなるものであってもよいため、設定可能な全ての印刷属性の説明は省略する。
【0045】
本実施例では、ターゲットフォルダに設定する印刷属性情報として、出力用紙サイズをA4サイズ、用紙タイプを普通紙、部数を10部、ページレイアウトを4ページ/枚、両面印刷、スタンプ(描画文字列は「CONFIDENTIAL」)に設定するものとする。図6は、上記の設定が行われた状態である。
【0046】
図中、602の列に示したチェックボックス群は、ホットフォルダにファイルがドロップされた際に、設定された印刷属性の設定情報(パラメータ)の変更を可能とするか否かを選択指示するチェックボックス群である。このチェックボックスは各印刷属性に対して夫々設けられており、印刷属性単位で個別に指定が可能である。
【0047】
図6では、用紙タイプ変更チェックボックス605、部数変更チェックボックス606、ページレイアウト変更チェックボックス607にチェックした状態を示している。即ち、用紙タイプ、部数、ページレイアウトの3つの印刷属性については、ホットフォルダにファイルがドロップされた際に、ダイアログ601で設定された印刷属性情報を変更することが可能となる。必要があれば、他の印刷属性についても同様の操作を行う。
【0048】
ユーザは、設定した印刷属性及び各印刷属性の変更可否に問題なければ、OKボタン610を押下して設定内容を確定する。OKボタン610が押下されると、ホットフォルダアプリケーションは設定内容を任意の記憶領域に保存するとともに、印刷属性設定ダイアログ701を閉じる処理を行う。なお、内容を破棄して図5のホットフォルダ設定ダイアログ501に戻るにはキャンセルボタン611を押下する。
【0049】
S405で、ユーザはS403及びS404で設定した内容に問題がなければ、図5のホットフォルダ設定ダイアログ501において、ホットフォルダ設定ボタン509を押下する。
【0050】
S405でホットフォルダ設定ボタン509をユーザが押下したことを検知すると、S406に処理が移行する。S406では、ホットフォルダアプリケーション302のジョブチケット制御部305は、ユーザが設定した各種情報に基づいて、指定されたターゲットフォルダに対するジョブチケットを生成する。そして、指定されたターゲットプリンタの情報とともにジョブチケット管理テーブルの更新処理を実行する。なお、ジョブチケット及びジョブチケット管理テーブルの詳細については次に述べる。
【0051】
なお、S405では、ホットフォルダアプリケーション302は、ジョブチケットの生成前に、ユーザが指定したターゲットプリンタで、ユーザが設定した印刷属性による印刷が実行可能か否かを判定するようにしてもよい。例えば、ユーザが指定したターゲットプリンタではA3サイズの用紙の印刷が実行不可であるにも関わらず、ユーザが用紙サイズとして「A3」を設定することが考えられる。そこで、設定ボタン509をユーザが押下した時点でホットフォルダアプリケーション302が、指定されたターゲットプリンタの機能情報と、ユーザが設定した印刷属性との比較処理を行うことで、実際には実行不可能な印刷属性設定がなされることを防止することができる。この場合、ユーザに対して、不図示の警告ダイアログを表示し、ターゲットプリンタまたは印刷属性設定の少なくともどちらかの変更を促すように構成するのが好適である。
【0052】
また、ユーザがターゲットプリンタと印刷属性を同時に設定するのではなく、まず、ターゲットプリンタを指定して、その情報をホットフォルダアプリケーション302が認識し、当該ターゲットプリンタにおいて設定可能な印刷属性の内容のみを表示するようにしてもよい。つまり、プリンタの指定と、印刷属性の指定を段階的にユーザに設定させるようにすれば、上述の比較処理を行わなくとも、実行不可能な設定がなされることを防止することができる。
【0053】
なお、ターゲットプリンタの機能情報は、任意の手段により予めホットフォルダアプリケーション302が取得しているものとする。
【0054】
[ジョブチケットと管理テーブルの更新]
ここでは、図4のS406でホットフォルダアプリケーションが生成するジョブチケットとその保存処理、及びジョブチケット管理テーブルについて説明する。
【0055】
図7は上述した処理により設定された印刷属性に対するジョブチケットの一例を示したものである。ジョブチケットとは、プリンタに対して印刷データとともに送信される情報であり、プリンタが印刷データに対して行う処理内容を記述したものである。換言すれば、プリンタに対する指示コマンドに相当するものである。なお、本実施例で説明するジョブチケットはXML形式を採用しているが、XML形式以外に印刷属性を記録、識別できる方法であれば他の方法でもかまわない。
【0056】
XML形式で記述したジョブチケットの内容について説明を行う。701は用紙サイズを規定する情報の記述に相当するものであり、この例では用紙サイズ印刷属性設定ダイアログ701で指定されたパラメータであるA4と記述されている。また、702は用紙タイプを規定する情報の記述に相当するものであり、この例では普通紙を示す”Plain”と記述されている。なお、用紙タイプは印刷属性設定ダイアログ601中の属性変更対象チェックボックスにチェックされ、パラメータの変更が可能な印刷属性として指定されているため、ジョブチケット中にこの設定を記録する。本実施例では、ジョブチケット中に記述する変更対象属性を示すタグとして、”AttributeChange”、キーとして”Flag”、キーの値として”ON”を使用する。そのため、用紙タイプを規定する情報として<AttributeChange Flag =”ON”>と記述する。なお、変更対象ではない属性に対してはジョブチケットの容量の観点から、このタグを記述しておらず、記述していない状態を”OFF”と解釈することとする。もちろん、<AttributeChange=“OFF”>などのように明示的に記述してかまわない。
【0057】
上記と同様に、703は部数が10部で変更対象属性であることを記述している。また、704はページレイアウトが4ページ/枚で変更対象属性であることを記述している。また、705は両面設定で変更対象属性ではないことを記述している。さらに、706はスタンプ印刷がON、文字列が「CONFIDENTIAL」であることを示している。なお、図7は、図6に示した印刷属性に対応したジョブチケットを示しているが、ここに示していない他の印刷属性についても同様の方法で記述されるものとする。このように生成されたジョブチケットは、任意の名称を付与され、オペレーティングシステム311のAPI(Application Programming Interface)を通して、オペレーティングシステム管理下の保存領域中のジョブチケット保存領域307に保存される。
【0058】
続いて、ジョブチケット管理テーブルについて説明する。図8はホットフォルダアプリケーション302が内部に保持するジョブチケット管理テーブル801を示したものである。これは、図3に示したジョブチケット管理テーブル303と同じものである。この管理テーブル801には、ホットフォルダとして指定されたターゲットフォルダのフォルダパス格納欄802、ターゲットプリンタとして指定されたプリンタの情報格納欄803が設けられている。また、ジョブチケットの名称格納欄804が設けられている。もちろん、これ以外の情報を格納する欄が存在していても良い。このテーブルは、ホットフォルダとして指定されたターゲットフォルダと、上述したホットフォルダ作成処理において設定された印刷属性情報であるジョブチケットとを関連付けるものである。
【0059】
図8におけるターゲットフォルダのフォルダパスはフルパスが格納されている。また、ターゲットプリンタは指定されたIPアドレスが格納されている。また、ジョブチケットはファイル名のみの記載となっている。しかし、管理テーブル801に格納する情報の形式はこれらに限定されるものではない。
【0060】
また、ホットフォルダアプリケーション302は、ユーザがホットフォルダに印刷を所望するファイルをドロップした際に、ドロップされたフォルダ名をオペレーティングシステム311から取得する。取得したフォルダ名をキーとして、管理テーブル801から、ファイルがドロップされたホットフォルダに指定されたターゲットプリンタと、ホットフォルダに設定された印刷属性を記述したジョブチケットを知ることが可能となる。
【0061】
[ホットフォルダ印刷属性の変更と解除]
次に、ホットフォルダの印刷属性の変更方法およびホットフォルダの解除方法を説明する。
【0062】
図9は、ホットフォルダの印刷属性設定を変更する手順を示したフローチャートである。
【0063】
まずS901において、ユーザはホットフォルダアプリケーション302を起動させてホットフォルダ設定ダイアログ501の編集シート503を選択する。
【0064】
図10は、ホットフォルダ設定ダイアログ501の編集シート503を示した図である。1001はホットフォルダ設定ダイアログであり、図5における設定ダイアログ501と同じものである。1002は編集シートであり、図5における編集シート503と同じものである。また、1003は編集対象とするターゲットホットフォルダを選択するコントロールである。なお、このコントロールはドロップダウンリスト形式を採用しており、このリストに表示されるホットフォルダは、ジョブチケット管理テーブル801のフォルダパスに格納されている情報に相当する。
【0065】
1004はターゲットフォルダ選択コントロール1003で選択されたホットフォルダに設定されているターゲットプリンタを示す表示領域である。1005は印刷設定を行う印刷属性設定ダイアログを表示するボタンである。
【0066】
S902において、ユーザはターゲットフォルダ選択コントロール1003から、印刷属性を編集するターゲットホットフォルダを選択する。この選択により、ホットフォルダアプリケーション302は管理テーブル801を参照して、選択されたフォルダに対応するターゲットプリンタの情報を表示領域1004に表示する。
【0067】
続いて、S903では、ユーザが印刷属性設定ボタン1005を押下して、印刷属性設定ダイアログを表示する。なお、このステップで表示される印刷設定ダイアログおよびその操作方法は図6に示した印刷属性設定ダイアログ及びその操作方法と同じものであるため、説明は省略する。
【0068】
ユーザが印刷属性設定の変更処理を行い、変更処理が完了した場合は、S904で、ユーザがホットフォルダ設定ダイアログ編集シート1002のホットフォルダ設定ボタン1006を押下する。ホットフォルダ設定ボタン1006がユーザにより押下されると、ホットフォルダアプリケーション302は、変更された印刷属性設定に対するジョブチケットを再生成する。そして、オペレーティングシステム311は、再生成されたジョブチケットをジョブチケット保存領域307に保存されている既存のジョブチケットに対して上書きして保存する。また、ホットフォルダアプリケーション302は、ジョブチケット管理テーブル801の更新処理も行う。このようにしてホットフォルダの印刷属性の変更が可能となる。もちろん、この場合も、ホットフォルダアプリケーション302は、印刷実行不可能な印刷設定に変更されることが無いように処理を行う。この処理方法は、上述したホットフォルダ作成処理の項目で記載した方法や、その他の方法で構わない。
【0069】
次に、ホットフォルダの設定を解除する手順を図11のフローチャートを用いて説明する。
【0070】
まず、S1101で、ユーザはホットフォルダアプリケーション302を起動させて、ホットフォルダ設定ダイアログ編集シート1002を表示させる。次に、ユーザはS1102において、ターゲットフォルダ選択コントロール1003からホットフォルダ設定を解除したいフォルダを選択する。
【0071】
最後に、S1103において、ホットフォルダ設定ダイアログ編集シート1002のホットフォルダ解除ボタン1007を押下する。解除ボタン1007が押下されると、ホットフォルダアプリケーション302は、ホットフォルダ管理テーブル801から、選択されたホットフォルダに関する情報を消去する処理を行う。この一連の手順により、ホットフォルダの解除が完了する。
【0072】
[ホットフォルダの動作]
続いて、これまでに説明した手順で作成したホットフォルダに、ユーザがファイルをドロップしたときのホットフォルダの動作を説明する。
【0073】
図12は、ユーザがホットフォルダにファイルをドロップしたときの動作手順を示したものである。
【0074】
なお本実施例では、図6及び図7に示した設定がされたホットフォルダを用いて説明する。このホットフォルダは、図2に示したホットフォルダ205に相当するものとする。また、本実施例では、ホットフォルダが作成された時点で、ホットフォルダアプリケーション302が起動され、オペレーティングシステム上に常駐するものとして説明する。従って、以下に説明する動作手順は常駐しているホットフォルダアプリケーション302が主体となって実行するものである。
【0075】
まずS1201で、ホットフォルダアプリケーション302は、ユーザがホットフォルダ205にファイルをドロップするのを継続的に監視する。ユーザがホットフォルダ205に印刷を所望するファイルをドロップすると、ホットフォルダアプリケーション302は、ホットフォルダ205にファイルがドロップされたことを検知し、次のステップに進む。
【0076】
S1202では、ホットフォルダアプリケーション302がホットフォルダ管理テーブル303を参照し、ジョブチケット管理テーブル303から、このホットフォルダに関連付けられているターゲットプリンタの情報およびジョブチケットの情報を取得する。この管理テーブル303は図8に示したものであるので、ホットフォルダアプリケーション302は、ファイルがドロップされたホットフォルダに関連付けられているターゲットプリンタが192.168.0.100であることが取得できる。また、同様にしてジョブチケットファイルが4up−10copies−duplex.xmlであることが取得できる。
【0077】
ホットフォルダアプリケーションは取得したジョブチケットファイルの情報に基づいて、ジョブチケット保存領域307からこのファイルを取得し、内容のスキャンを行う。このスキャンは、続くステップであるS1203において、ジョブチケット中に印刷属性パラメータの変更対象フラグ(<AttributeChange Flag=“ON”/>)が記述されている印刷属性があるか否かを判定するために行う。
【0078】
S1203では、ジョブチケット中に印刷属性の変更対象フラグが記述されているか否かを判定し、記述の有無により移行するステップを切り替える。本実施例では、ホットフォルダアプリケーション302が取得し、スキャンしたジョブチケットファイルの内容は図7に示したものである。よって、ホットフォルダアプリケーション302は属性設定変更対象フラグが記述されていることを認識し、S1204に処理を進める。このとき、アプリケーション302は、設定変更対象フラグが記述されている印刷属性の情報も合わせて取得する。これは、後述するS1204で表示する属性設定ダイアログを生成するために行うものである。
【0079】
なお、ホットフォルダアプリケーション302がS1203において、スキャンしたジョブチケット中に属性設定変更対象フラグが存在しないと判定した場合は、S1208に処理を進める。
【0080】
S1204では、ホットフォルダアプリケーション302が、属性設定変更対象フラグがONとなっている印刷属性について、属性設定のダイアログを表示する。具体的には、図7のジョブチケットにおいて、属性設定変更となる印刷属性は、「メディアタイプ」「部数」「ページレイアウト」であることから、属性設定ダイアログにはこの3つの印刷属性のコントロールを表示する。ホットフォルダアプリケーション302が生成し、表示する属性設定ダイアログを図13に示す。なお、本実施例では、ホットフォルダ205にファイルがドロップされ、ステップS1203の処理を行った時点で、ホットフォルダアプリケーション302が属性設定ダイアログを生成するように記載するが、本発明はこの時点でダイアログを生成することに限定されるものではない。ホットフォルダが作成された時点で、ホットフォルダに対して属性変更対象として指定された印刷属性は判明している。よって、予め属性設定ダイアログを生成し、必要に応じて表示するように構成することもできる。
【0081】
図13はS1204で表示される印刷属性設定ダイアログ1301である。1302は用紙タイプの設定コントロール、1303は部数の設定コントロール、1304はページレイアウトのコントロールである。各印刷属性はユーザによって変更可能であるとともに、ホットフォルダ作成時に設定した値がデフォルト値として表示されている。
【0082】
ユーザは、このダイアログを用いて、必要に応じて印刷属性の変更を行う。例えば、部数を増減させるなどの処理が可能である。ユーザは、印刷を実行する場合はOKボタン1305を押下する。また、印刷をキャンセルする場合は、ユーザがキャンセルボタン1306を押下する。キャンセルボタン1306が押下された場合、全ての印刷処理をキャンセルする。即ち、ホットフォルダにファイルがドロップされなかったものとする。なお、この印刷属性設定ダイアログに表示された各印刷属性のままで印刷を実行する場合は、各印刷属性に対して変更処理をせずに、OKボタンを押下すればよい。なお、このステップでは、ユーザは用紙タイプを普通紙から厚紙に変更、部数を10部から1部に変更したものとする。さらに、当初設定したターゲットプリンタでは、厚紙に対して両面印刷ができないものとする。
【0083】
ユーザがOKボタンを押下すると、ホットフォルダアプリケーション302は、印刷属性設定ダイアログ1301で変更を許可した各印刷属性に対して、変更処理がされたか否かを判定する。それとともに、これらの印刷属性の設定内容を任意の記憶領域に格納する。
【0084】
続いて、S1206では、ホットフォルダアプリケーション302が、ユーザが指定した印刷属性設定で正しく印刷が実行できるか否かを検査する。この検査は、S1205でユーザが変更した印刷属性の設定内容が、その他の印刷属性と矛盾を生じることなく、印刷実行可能な条件に適合しているか否か(禁則が生じていないか否か)を判定するために行われる。この判定処理は、ホットフォルダ作成処理の項目で記載した方法や、その他の方法を用いれば実行可能である。
【0085】
本実施例の場合、図13の印刷属性設定ダイアログにおいて、ユーザが用紙タイプを普通紙から厚紙に変更する処理を行っている。また、本ホットフォルダのターゲットプリンタでは、用紙タイプが厚紙の場合は両面印刷を実行することができない。ユーザが印刷属性の設定を変更しても、印刷不可能な状況となっていない場合はS1208に処理が移行するが、上述の状況では、ユーザによる用紙タイプの変更により、印刷不可能な状況となっているため、S1207に移行して印刷属性設定の見直し処理を行う。
【0086】
S1207では、まずホットフォルダアプリケーションは印刷不可能な条件設定が為されていることをユーザに知らせるために、不図示の警告ダイアログを表示する。さらに、印刷属性の再設定を可能とする印刷属性設定ダイアログを表示する。図14は印刷属性の再設定を可能とするダイアログ1401を示す図である。1402は用紙タイプ、1403は両面設定の設定コントロールである。図14には示していないが、印刷不可能となった理由をユーザに提示する情報を表示してもよい。つまり、「ターゲットプリンタでは、厚紙を両面印刷することができない」旨の表示を行えばよい。ユーザは、ダイアログ1401において、用紙タイプを普通紙とするか、両面印刷を片面印刷にするか、若しくはどちらも変更するか(用紙タイプを普通紙とし、片面印刷とする設定)を選択し、その選択条件で再設定を行う。これにより、問題となっていた印刷属性設定の不都合が解消される。
【0087】
続いて、S1208では、ホットフォルダアプリケーション302がジョブチケットの再生成処理を行う。S1205やS1207によって、当初の印刷属性値から変更された印刷属性が存在する場合には、ジョブチケットを再生成する。この再生成処理は、新たなジョブチケットを生成し、ジョブチケット保存領域307に保存されているジョブチケットを上書きする処理であってもよいし、S1302で取得したジョブチケットの各印刷属性設定値を、変更が発生した印刷属性のみを更新する処理であってもよい。本実施例では、変更を反映したジョブチケットを用意する処理であれば、どのような方法を用いてもよい。本実施例では、このジョブチケットを用意する処理を再生成として表現している。なお、S1208で再生成されるジョブチケットでは、属性変更対象フラグの記述を削除してもよい。これは、属性変更対象フラグは上述したフローで利用されるものであり、プリンタにおける印刷処理には利用されないためである。
【0088】
こうして生成されたジョブチケットは、オペレーティングシステムを介して、ホットフォルダにドロップされた印刷データとともにジョブ生成送信制御部305によってプリンタに送信される。
【0089】
以上説明したように、ホットフォルダの作成時に、ホットフォルダを用いた印刷処理の実行段階で、ユーザが任意の印刷属性をミスなく変更することができる。これにより、印刷属性の組み合わせごとに多数のホットフォルダを作成することで生じる、管理の煩雑さを解消するとともに、ホットフォルダの利便性を備えた印刷処理が実行できる。
【実施例2】
【0090】
次に実施例2として、プリンタドライバを用いてホットフォルダを設定する手順を説明する。なお、本実施例では、上述した実施例1とは異なる構成のみ説明するものとし、実施例1と同等の構成については説明を省略する。実施例1では、ホットフォルダアプリケーションを用いたホットフォルダの作成と、そのホットフォルダを用いた場合の印刷属性変更制御を説明した。本実施例では、プリンタドライバで設定された印刷条件を用いて、プリンタドライバがホットフォルダの作成を行う点が実施例1と異なる点である。なお、プリンタドライバにより生成されたホットフォルダを用いた場合の印刷属性変更制御は、実施例1に記載した制御と同等のものである。
【0091】
[プリンタドライバの動作概要]
図15〜図17はプリンタドライバ画面の一例を示す模式図である。プリンタドライバは、本システムのプリンタなどの画像形成装置によるプリント動作等の出力動作を指示するのに好適な表示画面構造のGUI(Graphic User Interface)を有する。このGUIは、アプリケーションの操作画面等からユーザからのキー操作により印刷指示したときにコンピュータのディスプレイに表示させる印刷設定用のGUI上において、「プリンタ」に関するプロパティの表示指示をユーザからのキー操作によりなされた場合に該ディスプレイに表示されるものである。ユーザはこのGUIを通して所望の設定パラメータ(印刷出力処理条件)を設定可能である。また、該プリンタドライバは、設定された印刷出力処理条件を、所望の画像データと共にプリンタなどの送信先(出力先とも呼ぶ)にネットワーク等の通信媒体を介して送信するよう制御する。
【0092】
図15において、1501はプリンタドライバのウィンドウである。このプリンタドライバのウィンドウ1501内の設定項目において、1502はターゲットとなる出力先を選択する送信先の選択カラムである。このように画面上に表示させる選択カラム1502を介して、ユーザにより本システムの所望の出力先デバイスを選択可能とする。
【0093】
1503はジョブの中から出力ページを選択するページ設定カラムであり、クライアントコンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像イメージのどのページを出力するかを決定する。このように画面上に表示させるページ設定カラム1503を介して、本システムのプリンタ等のデバイスにて印刷出力させるべきページをユーザにより選択可能とし、全ページ印刷させることも、全ページ印刷させることなく特定のページを印刷させることも可能とする。
【0094】
1504は本システムのプリンタ等のデバイスにて印刷出力すべきジョブの出力部数を指定する部数設定カラムである。また、1505は前記送信先選択カラム1502にて選択された送信先デバイスに関する詳細設定を行うためのプロパティボタンである。ユーザによりボタン1507が押下されたことに応答し、該コンピュータのディスプレイ上に図16、図17に示す各種の詳細画面を表示させるよう制御する。
【0095】
そして、図15〜図17の各種の操作画面を介してユーザによる所望の設定が済んだ上で、OKキーボタン1505を押下すれば、ユーザの所望の設定に従った印刷を開始させることが出来る。当該処理を取り消す場合には、キャンセルボタン1506をユーザが押下することで、これを受け、制御部は印刷を取りやめて、画面1501の表示を終了させる。
【0096】
図16、図17は、図15に示した操作画面上のプロパティボタン1507がユーザによりクリックされたことに応答し、該クライアントコンピュータ画面上に表示させる操作画面(GUI)である。
【0097】
この画面には、例えば「ページ設定」,「仕上げ」,「給紙」,「印刷品質」等のタブキーが設けられている。それらをクリック(図示しないクライアントコンピュータが具備するポインティングデバイス等の操作部で指示)することにより、「ページ設定」に関する設定,「仕上げ」に関する設定,「給紙」に関する設定,「印刷品質」に関する設定等の異なる各種詳細な印刷出力条件の設定を行うことができる。
【0098】
図16は、「ページ設定」タブが押下された場合に表示させる操作画面例である。該画面は、印刷すべきジョブの記録紙の用紙サイズをユーザにより設定可能とする用紙サイズ設定部1601を有する。また、一枚の記録紙の同一面上に複数ページ分の原稿画像データを配列形成させるレイアウトモードを選択するページレイアウト設定部1602を有する。さらに、印刷用紙の向きを選択する印刷の向き設定部1603、処理対象となるジョブの印刷部数をユーザにより設定可能にする為の部数設定部1604等を具備する。
【0099】
また、「仕上げ」タブがユーザによるキー操作により選択された場合、これを受け、制御部は、図17に示すような操作画面を表示させる。当該画面は、本システムが具備するデバイスに関わる固有の設定情報、例えばステープル処理の設定などが行える。
【0100】
また、図示しないが、同様にして「印刷品質」タブでは、解像度やハーフトーン設定などの選択を行うことができる。
【0101】
さらに、1704はOKキーで、このキーを押下(指示)すると、プロパティ設定を有効にして、図15の画面に戻る。また、1705はキャンセルキーで、このキーを押下(指示)すると、プロパティ設定を無効にして、図15の画面に戻る。
【0102】
以上、各種の詳細設定を含む印刷処理条件を図15〜図17の各種の印刷設定画面を介して設定した上で、該クライアントコンピュータからジョブの出力要求とそのジョブの上記印刷条件データとそのジョブの画像データを送出する。
【0103】
[プリンタドライバ構成の説明]
図18はプリンタドライバを含むクライアントコンピュータ内部のソフトウエアの構成を示したものである。1801のクライアントコンピュータには1802のオペレーティングシステム(OS)が搭載されている。1805のプリンタドライバや1806のアプリケーションソフトウエアはこのOS上にインストールされ、OSにより制御される。なお、アプリケーションソフトウエアは図3に示したホットフォルダアプリケーション302に相当するものを含んでいる。
【0104】
プリンタドライバ1801は、表示や設定の保存などを行うユーザI/Fドライバ1806とアプリケーションからOSを通して指示される印刷描画命令をプリンタが解釈可能なコードに変換するグラフィックドライバ1807から構成されている。ユーザI/Fドライバ1806は、アプリケーションからOSを通して印刷設定が指示されたとき、図15〜図17に示す印刷設定ダイアログ、プロパティシートを表示する。
【0105】
なお、OSが管轄する保存領域内に、1803のプリンタドライバの設定保存領域があり、ユーザI/Fドライバ1806にてユーザが設定した印刷属性はこのプリンタドライバ設定保存領域に保存される。また、ユーザI/Fドライバ1806、グラフィックドライバ1807、アプリケーションソフトウエア1808はOSを介してこのプリンタドライバ設定保存領域にアクセスすることができ、ユーザが設定した印刷属性を読み取ることが可能である。
【0106】
さらに、クライアントコンピュータは1810のクライアントコンピュータ側の通信I/Fとプリンタ側の通信I/F1811とがネットワークなどの通信媒体で接続されている。グラフィックドライバ1807はOSを介してプリンタに印刷データの送信が可能であり、またプリンタの構成情報やステータスなどをOSを介して取得することも可能である。
【0107】
[印刷の流れ]
次に、ユーザがプリンタドライバ上で印刷属性の設定を行い、印刷出力されるまでの流れを説明する。図19はユーザが印刷属性を設定する手順を示すフローチャート、図20はユーザが印刷指示を行い印刷されるまでのフローチャートである。
【0108】
まず、S1901においてユーザがアプリケーションソフトウエアのメニューから印刷設定のメニューを選択する。この動作をきっかけとして、S1902において、アプリケーションがOSのAPI(Application Programming Interface)をコールして、プリンタドライバに印刷属性設定のプロパティシートを表示するように指示する。この指示により、OSはプリンタドライバに印刷属性設定のプロパティシート表示の指示を行い、S1903においてプリンタドライバのユーザI/Fドライバはこの指示を受けて、図15に示した印刷属性設定のプロパティシートを表示する。
【0109】
続いて、S1904においてユーザは前述した図15〜図17のプロパティシート上で所望の印刷属性設定を行う。ユーザは印刷属性設定を行った後、図15のプロパティシートのOKボタン1505を押下し、設定した印刷属性を確定する。
【0110】
このOKボタン押下を受けて、S1905のステップにおいて、ユーザI/Fドライバ1806はユーザが設定した印刷属性設定値をOSのAPIをコールし、OS内のプリンタドライバ設定保存領域1803に保存する。これで印刷属性設定とその設定値保存が完了する。
【0111】
次にユーザはドキュメントを印刷するために、S2001のステップにおいて、アプリケーションソフトウエアのメニューから印刷メニューを選択する。
【0112】
この選択指示により、S2002のステップにおいてアプリケーションソフトウエアはOSのAPIをコールしてプリンタドライバに印刷開始指示を行う。なお、この過程で一度、図15に示す印刷設定ダイアログを表示するケースもある。この印刷指示を受けて、OSはプリンタドライバに印刷開始指示を行う。
【0113】
S2003のステップにおいて、プリンタドライバを構成しているグラフィックドライバは、この印刷開始指示によりOSのプリンタドライバ設定保存領域から保存されている印刷属性設定値を読み出し、プリンタに指示する印刷属性設定コードを生成、プリンタに送信する。
【0114】
続いて、S2004のステップにおいてアプリケーションはドキュメントデータに基づきOSを介して印刷描画を行う。S2005のステップにおいてOSに対して指示された印刷描画はグラフィックドライバ1807に描画指示され、グラフィックドライバ1807は受信した印刷描画命令をプリンタが解釈可能な印刷コードに変換してプリンタに送信する。S2006のステップにおいて、プリンタは受信した印刷描画コードに基づきレンダリングを行い印刷を行う。
【0115】
以上述べた手順によりユーザが印刷属性を設定し、印刷出力を得ることが可能となる。
【0116】
[ホットフォルダ作成]
次にプリンタドライバ上からホットフォルダを作成する方法を説明する。図21はその処理のフローを示したものである。
【0117】
まずS2101のステップにおいて、ユーザはプリンタドライバのプロパティシート上で作成したいホットフォルダの印刷属性設定を行う。次にS2102において、いずれかのプロパティシート、図16あるいは図17のシートにおいて、ホットフォルダ作成ボタンを押下する。この押下により、不図示のホットフォルダ印刷属性設定ダイアログが表示される。ユーザは、ターゲットフォルダの設定を行う。このダイアログは、図5に示したダイアログからターゲットプリンタの指定コントロールを除去したものとほぼ同様のものであるため、説明を省略する。なお、ターゲットプリンタは、図15に示した選択カラム1902で選択されているプリンタとなる。
【0118】
次に、ホットフォルダにファイルをドロップしたときに変更したい属性がある場合は、図6に示したダイアログと同様のダイアログを表示させ、変更対象属性の指定を行う。
【0119】
以上の処理により、プリンタドライバはジョブチケットを生成し、この後の制御をホットフォルダアプリケーションに移す。プリンタドライバが生成するジョブチケットは図7に示したジョブチケットと同じものであるため、詳細な説明は省略する。図22はプリンタドライバとホットフォルダアプリケーションの関係を示した図である。ライアントコンピュータ2201に搭載されているオペレーティングシステム2202上にプリンタドライバ2203およびホットフォルダアプリケーション2204が搭載されている。
【0120】
プリンタドライバ2203とホットフォルダアプリケーション2204は相互に情報の授受が可能となっており、プリンタドライバ2203は外部通信制御部2205とエキスポート関数2207が具備されている。また、ホットフォルダアプリケーションも同様に外部通信制御部2206とエキスポート関数2208が具備されている。この構成により、プリンタドライバとホットフォルダアプリケーションは規定された手順、データ構造により相手に対する指示および情報の交換が可能となる。
【0121】
この機構を利用して、プリンタドライバは図7のジョブチケット、ターゲットフォルダ情報、ターゲットプリンタ情報とともにこのジョブチケットの印刷属性をもつホットフォルダを作成するよう、ホットフォルダアプリケーションに指示する。
【0122】
プリンタドライバがターゲットフォルダ、ターゲットプリンタ、ジョブチケットをホットフォルダアプリケーションに通知したあとの動作は、実施例1で説明したホットフォルダアプリケーションの動作と同様となるため説明は省略する。
【0123】
このような方法により、プリンタドライバからホットフォルダを生成する際に、ホットフォルダへのファイルドロップ時に指定した印刷属性の変更が可能となる。
【実施例3】
【0124】
次に実施例2として、印刷設定ウィザードを用いてホットフォルダを設定する手順を説明する。なお、本実施例では、上述した実施例1及び実施例2とは異なる構成のみ説明するものとし、実施例1及び実施例2と同等の構成については説明を省略する。
【0125】
実施例1では、ホットフォルダアプリケーションを用いたホットフォルダの作成処理と、そのホットフォルダを用いた場合の印刷属性変更制御を説明した。また、実施例2では、プリンタドライバを用いたホットフォルダの作成処理を説明した。本実施例では、印刷設定ウィザードを用いて印刷設定を行う場合に、その設定内容を用いて、プリンタドライバがホットフォルダの作成を行う点が上記の実施例と異なる点である。なお、印刷設定ウィザードにより生成されたホットフォルダを用いた場合の印刷属性変更制御は、実施例1に記載した制御と同等のものである。
【0126】
ドキュメントの印刷を行う際に、実施例2で説明したプリンタドライバのプロパティシートで印刷属性を設定する以外に、ユーザに対して対話的に画面を表示し、印刷に必要なパラメータ(印刷属性)を順じ設定するウィザード形式の印刷属性設定方法がある。本実施例ではウィザード形式で印刷属性を設定する際に、ホットフォルダを作成する手順を説明する。なお、この印刷設定ウィザードは、プリンタドライバによって提供されるものでも、専用のアプリケーションによって提供されるものでも構わない。本実施例ではプリンタドライバによって提供されるものとして説明を行う。
【0127】
[ウィザード印刷時のホットフォルダ作成手順]
図23はウィザード設定で印刷処理を行うとともに、ホットフォルダも作成する手順を示したフローチャートである。このフローチャートをもとにホットフォルダの作成手順を説明する。
【0128】
まずユーザはプリンタドライバにてウィザード形式の印刷属性設定を開始する。なお本実施例では、製本印刷のウィザード設定を行うものとする。
【0129】
S2301において、ウィザード形式に印刷属性設定に先立ち、ユーザはこのウィザード印刷属性設定で設定した内容のホットフォルダの作成を行うかの選択をする。図24はこのときに表示されるダイアログの一例を示したものであり、2402においてホットフォルダを作成するかどうかの選択を行う。2402においてユーザが「いいえ」を選択した場合、S2302において通常のウィザード印刷属性設定、および印刷が実行される。ダイアログ2402において、ユーザが「はい」を選択した場合、S2303以降のステップにより、このウィザードで設定した内容のホットフォルダが作成される。
【0130】
S2303においてウィザード印刷属性設定を開始するが、その際に、各設定ダイアログで、「ホットフォルダの属性変更対象」にするかどうかの選択も追加される。図25〜図27はウィザード印刷属性設定の各ダイアログであり、図25は製本形式を選択するダイアログで、選択肢は「中綴じ製本」と「無線綴じ製本」、図26は用紙タイプを選択するダイアログ、図27は部数を選択するダイアログである。図25において、ユーザは中綴じ製本を選択するものとする。ただし、ユーザはホットフォルダの変更対象属性とはしないものとする。そのため「ホットフォルダの属性変更対象にする」チェックボックスはOFFとしている。図26において、ユーザは用紙タイプで普通紙を選択するものとする。ただし、ユーザはホットフォルダでは用紙タイプを変更する可能性があるので、この属性に関しては「ホットフォルダの属性変更対象にする」チェックボックスをONとしている。
【0131】
図27において部数は10部と設定するものとする。ただし、ユーザはホットフォルダではユーザは部数を変更する可能性があるので、この属性に関しては「ホットフォルダの属性変更対象にする」チェックボックスをONとしている。なお、図25〜図27の各ウィザード設定ダイアログは行き来が可能で、次に進む場合は各ダイアログの「次へ」ボタン(2504、2604、2704)、前に戻る場合は各ダイアログの「戻る」ボタン(2505、2605、2705)を押下すればよろしい。
【0132】
これでウィザード形式の印刷属性設定が終了したため、次のS2304にてホットフォルダの設定を行う。図28はホットフォルダの設定を行うダイアログで、ここではターゲットフォルダの設定のみを2802で行う。なお、2802では直接ターゲットフォルダのパスを入力するが、2803の参照ボタンでリストの中から選択する方法もある。なお、このダイアログでは、ターゲットプリンタ、印刷属性設定のコントロールがないが、ターゲットプリンタではプリンタドライバでターゲットプリンタが指定されているためそのプリンタを、また印刷属性設定は今までの手順で設定した印刷属性設定値を使用する。
【0133】
次にS2305において、プリンタドライバ(ウィザード設定)はホットフォルダ用のジョブチケットを生成する。図29は今までの手順で設定した印刷属性のジョブチケットで、2901は製本タイプが中綴じ製本(Saddle Stitch)、2902は用紙タイプが普通紙(Plain)で、ホットフォルダのファイルドロップ時は属性変更対象であることを示している。また、2903は部数が10部で、これも同様に属性変更対象であることを示している。
【0134】
次にS2306でプリンタドライバは、ホットフォルダアプリケーションにホットフォルダのパス、ターゲットプリンタ、ジョブチケットを送信する。なお、この送信方法は上記の実施例2で図22を用いて説明したものと同様の方法であるため説明は省略する。さらにS2307において、ホットフォルダは受信したホットフォルダのパス、ターゲットプリンタ、ジョブチケットを元にホットフォルダの設定を行う。この設定方法は実施例1で説明した方法であるため説明は省略する。
【0135】
[ホットフォルダの動作]
次に先ほど設定したホットフォルダにユーザがファイルをドロップしたときのホットフォルダの動作を説明する。図30はホットフォルダの動作のフローチャートであり、これを元に説明する。なお、この実施例では、実施例1、実施例2と異なり、ホットフォルダにファイルがドロップされた場合、変更対象属性を一度に表示するのではなく、ウィザード形式でひとつひとつのパラメータを設定する方式としている。もちろん、一度に表示する形式でもかまわない。
【0136】
S3001〜S3003は実施例1のS1201〜S1203と同じであるため説明を省略する。
【0137】
S3004において、変更対象フラグがONの属性のウィザードについてウィザードダイアログを表示する。まずはじめの変更対象フラグがONの属性は、図29のジョブチケットから、用紙タイプであることがわかるため、図31の用紙タイプ設定のウィザードダイアログを表示する。S3005においてユーザが設定を行った後、S3006にて設定値が印刷可能な条件を満たしているかを判定する。もしここで印刷が可能な条件を満たしていない場合、実施例1と同様の処理を行い、S3007においてユーザに適切な値を設定してもらうこととなる。
【0138】
続いて、S3008においてすべての属性変更フラグがONの属性設定を行ったか判定する。図29のジョブチケットにおいて、2903の部数設定が変更対象になっているため、S3004に戻り、部数設定を行う。ここでは3部に変更したとする。図32は部数設定を行うダイアログである。なお、この設定で属性変更対象の設定は終わるため、図32のダイアログに3204の完了ボタンを表示する。ユーザが完了ボタンを押下した後、S3009において、ジョブチケットの更新と、生成およびプリンタへのジョブ送信を行う。
【0139】
以上の手順により、プリンタドライバの印刷属性設定ウィザードにおいて、ホットフォルダが作成でき、作成したホットフォルダにおいて、一部の印刷属性設定変更が可能となる。
【実施例4】
【0140】
次に実施例4として、実施例1と同じ図1のシステムにおいて、プリンタ側にもホットフォルダが存在する場合を説明する。
【0141】
[システム説明]
図33は図1のシステム構成において説明に必要な構成を抽出したものであり、3301はクライアントコンピュータ、3302はネットワークプリンタである。実施例1〜3では、ホットフォルダはクライアントコンピュータ3301で作動していたが、本実施例では、プリンタ3302にもホットフォルダが作動している例を示す。プリンタ3302上ではホットフォルダを作成することが可能であり、一般的にはプリンタのファイルシステムの特定のディレクトリに印刷属性を設定、ネットワークに公開して、そのディレクトリにファイルが投入されると予め設定してある印刷属性で印刷を行う仕組みとなっている。
【0142】
3305はプリンタ3302のファイルシステムで、3306はその特定のディレクトリを公開することを示している。また、このディレクトリへのファイル投入は、3303の通信媒体であるコンピュータネットワークを通じてFTPやSMBなどのファイル転送プロトコルが使用される場合が多い。次にクライアント3301側ではプリンタ3302で公開しているディレクトリに接続することによりホットフォルダの作成を行う。3307はクライアントコンピュータ3301のデスクトップ画面であり、例えばデスクトップなどに、プリンタ3302で公開されているディレクトリ3306に接続して、3304のディレクトリを表示させる。このホットフォルダを利用する場合、印刷したいドキュメントファイルをマウスなどでドラッグし、デスクトップ上のホットフォルダにドロップすることにより印刷を行う。以下、プリンタ3302の内部構成、およびプリンタ側の印刷の流れを説明する。
【0143】
[プリンタ構成]
図34はプリンタ3302の内部構成図である。プリンタは機器制御の基本部分を制御するオペレーティングシステム3402を搭載し、ホットフォルダアプリケーション3403はこのオペレーティングシステム上に搭載される。ホットフォルダアプリケーション3403は、オペレーティングシステムが管理する記憶領域中に作成されているホットフォルダ領域3404にファイルが投入されたかどうかを判定しジョブを生成するジョブ監視制御部3406を有する。また、ホットフォルダに関連づける印刷属性を設定、生成するUI制御部3405とジョブチケット生成部3404から構成される。また、クライアントコンピュータ3301からのドキュメントファイルの受信は、クライアントコンピュータ3301のネットワークインターフェース3409、プリンタ3302のネットワークインターフェース3410の間で通信媒体を通じて行われる。
【0144】
なお、プリンタ3302でUI制御部3405およびジョブチケット生成部3404により設定、生成される手順は、前の実施例で示したクライアントコンピュータ3301のホットフォルダアプリケーションによる印刷属性と同様であるため説明は省略する。
【0145】
図35はホットフォルダ領域3407内のディレクトリ構成を示したものである。ホットフォルダは3502の/usr/hotfolder以下のディレクトリに印刷属性毎に作成される。3503は/usr/hotfolder/duplexというパスのホットフォルダであり、このパスにはこのホットフォルダに関連づけられているジョブチケットduplex.xmlが保存されている。これは、ホットフォルダ3503のUI制御部3405およびジョブチケット生成部3404で生成した際に格納されたものである。/usr/hotfolder3502以下には、ユーザが設定したホットフォルダ分のディレクトリが生成され、各ディレクトリにはユーザが設定したジョブチケットが格納される。なお、ホットフォルダへのジョブチケットの関連付けは、本実施例ではそのホットフォルダに格納しているが、例えば、ホットフォルダパスとそのホットフォルダに関連付けられたジョブチケットファイル名をテーブルで持ち、ジョブチケット本体は別の記憶領域に格納する方法など他の方法でもかまわない。
【0146】
[プリンタ処理の手順]
図36は以上の構成におけるプリンタ3302のホットフォルダの処理手順である。
【0147】
S3601において、ジョブ監視生成制御部3406は/usr/hotfolder3502以下の各ホットフォルダパスのファイル受信を監視する。ファイルが受信されるまでこのステップを繰り返す。
【0148】
次にホットフォルダにファイル受信が発生した場合、S3602において、投入ジョブにジョブチケットが付与されているか判定する。この判定により、投入ジョブにジョブチケットが付与されていると判定された場合、S3603に進み、そのジョブチケットにしたがって印刷が実行される。ジョブチケットが付与されていない場合、S3604においてホットフォルダに関連づけられているジョブチケットで印刷が実行される。例えば、3503のホットフォルダにジョブチケットが付与されていないファイルが受信された場合、3504の/usr/hotfolder/duplex/duplex.xmlのジョブチケットが使用される。
【0149】
[ユーザ操作]
次に、ユーザの操作手順を説明する。
【0150】
ユーザは、前述した手順で接続したプリンタのホットフォルダ、例えば図33に示す3304のホットフォルダに対して、実施例1〜実施例3で示した方法でホットフォルダに対して印刷属性を設定、ホットフォルダの印刷を行う。
【0151】
以上説明したように、プリンタ側でホットフォルダが存在する場合に対して、ユーザがホットフォルダでファイルの印刷を行う場合、一部の印刷属性の変更が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】ホットフォルダ印刷システムの概略図である。
【図2】ホットフォルダ設定が存在するクライアントコンピュータのデスクトップ画面を示す図である。
【図3】コンピュータ内のオペーレティングシステムとホットフォルダアプリケーションのブロック図である。
【図4】ホットフォルダを作成するためのフローチャートである。
【図5】ホットフォルダ設定ダイアログ(作成シート)を示す図である。
【図6】印刷属性設定ダイアログを示す図である。
【図7】ジョブチケットの例を示す図である。
【図8】ジョブチケット管理テーブルを示す図である。
【図9】ホットフォルダ編集のフローチャートである。
【図10】ホットフォルダ設定ダイアログ(編集シート)を示す図である。
【図11】ホットフォルダ解除のフローチャートである。
【図12】ホットフォルダの印刷動作のフローチャートである。
【図13】ホットフォルダの印刷属性設定ダイアログを示す図である。
【図14】印刷属性再設定のためのコントロールの設定ダイアログを示す図である。
【図15】プリンタドライバの印刷ダイアログを示す図である。
【図16】プリンタドライバのページ設定プロパティシートを示す図である。
【図17】プリンタドライバの仕上げ設定プロパティシートを示す図である。
【図18】プリンタドライバのモジュール構成図を示す図である。
【図19】プリンタドライバ印刷属性設定のフローチャートである。
【図20】プリンタドライバの印刷実行時のフローチャートである。
【図21】プリンタドライバのホットフォルダ作成に関するフローチャートである。
【図22】プリンタドライバとホットフォルダの関連を示すブロック図である。
【図23】ウィザード形式設定におけるホットフォルダ作成のフローチャートである。
【図24】ウィザード開始ダイアログを示す図である。
【図25】製本形式選択ウィザードダイアログを示す図である。
【図26】用紙タイプ選択ウィザードダイアログを示す図である。
【図27】部数設定ウィザードダイアログを示す図である。
【図28】ホットフォルダ設定ダイアログを示す図である。
【図29】ホットフォルダのジョブチケットを示す図である。
【図30】ホットフォルダの印刷動作を示すフローチャートである。
【図31】用紙タイプ選択ウィザードダイアログを示す図である。
【図32】部数設定ウィザードダイアログを示す図である。
【図33】実施例4のホットフォルダシステムのシステム構成図である。
【図34】プリンタの内部構成図である。
【図35】ホットフォルダのディレクトリ構成を示す図である。
【図36】プリンタにおける印刷実行処理のフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレーティングシステム上に生成されたフォルダに対して、当該フォルダに投入されたファイルデータに付加する複数の印刷属性のパラメータと、前記フォルダにファイルデータが投入された場合に、各パラメータを変更するか否か指定する変更可否情報と、を設定可能な設定手段と、
前記設定手段で設定されたパラメータ及び前記変更可否情報を前記フォルダに関連付けた状態で保持する保持手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記フォルダにファイルデータが投入された場合、前記保持手段に保持された前記変更可否情報を取得し、前記変更可否情報で変更可能と設定された印刷属性のパラメータの変更を受け付ける変更画面を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段で表示した変更画面を介してパラメータが変更された場合、前記変更されたパラメータが印刷可能条件に適合しているか否かを判定する判定手段を有することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定手段が前記変更されたパラメータは印刷可能条件に適合していないと判定した場合、前記表示手段は前記パラメータを変更可能とする変更画面を再度表示することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記フォルダに関連付けられたパラメータ及び変更可否情報を構造化言語で記述されたジョブチケットとして生成する生成手段を有し、前記フォルダにファイルデータが投入された場合、前記表示手段は前記ジョブチケットに記述された変更可否情報に基づいて前記変更画面の表示を行うことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
オペレーティングシステム上に生成されたフォルダに対して、当該フォルダに投入されたファイルデータに付加する複数の印刷属性のパラメータと、前記フォルダにファイルデータが投入された場合に、各パラメータを変更するか否か指定する変更可否情報と、を設定可能な設定工程と、
前記設定工程で設定されたパラメータ及び前記変更可否情報を前記フォルダに関連付けた状態で保持する保持工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
前記フォルダにファイルデータが投入された場合、前記保持工程で保持された前記変更可否情報を取得し、前記変更可否情報で変更可能と設定された印刷属性のパラメータの変更を受け付ける変更画面を表示する表示工程を有することを特徴とする請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記表示工程で表示した変更画面を介してパラメータが変更された場合、前記変更されたパラメータが印刷可能条件に適合しているか否かを判定する判定工程を有することを特徴とする請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記判定工程で前記変更されたパラメータは印刷可能条件に適合していないと判定した場合、前記表示工程は前記パラメータを変更可能とする変更画面を再度表示することを特徴とする請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記フォルダに関連付けられたパラメータ及び変更可否情報を構造化言語で記述されたジョブチケットとして生成する生成工程を有し、前記フォルダにファイルデータが投入された場合、前記表示工程は前記ジョブチケットに記述された変更可否情報に基づいて前記変更画面の表示を行うことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【請求項12】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項1】
オペレーティングシステム上に生成されたフォルダに対して、当該フォルダに投入されたファイルデータに付加する複数の印刷属性のパラメータと、前記フォルダにファイルデータが投入された場合に、各パラメータを変更するか否か指定する変更可否情報と、を設定可能な設定手段と、
前記設定手段で設定されたパラメータ及び前記変更可否情報を前記フォルダに関連付けた状態で保持する保持手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記フォルダにファイルデータが投入された場合、前記保持手段に保持された前記変更可否情報を取得し、前記変更可否情報で変更可能と設定された印刷属性のパラメータの変更を受け付ける変更画面を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段で表示した変更画面を介してパラメータが変更された場合、前記変更されたパラメータが印刷可能条件に適合しているか否かを判定する判定手段を有することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定手段が前記変更されたパラメータは印刷可能条件に適合していないと判定した場合、前記表示手段は前記パラメータを変更可能とする変更画面を再度表示することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記フォルダに関連付けられたパラメータ及び変更可否情報を構造化言語で記述されたジョブチケットとして生成する生成手段を有し、前記フォルダにファイルデータが投入された場合、前記表示手段は前記ジョブチケットに記述された変更可否情報に基づいて前記変更画面の表示を行うことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
オペレーティングシステム上に生成されたフォルダに対して、当該フォルダに投入されたファイルデータに付加する複数の印刷属性のパラメータと、前記フォルダにファイルデータが投入された場合に、各パラメータを変更するか否か指定する変更可否情報と、を設定可能な設定工程と、
前記設定工程で設定されたパラメータ及び前記変更可否情報を前記フォルダに関連付けた状態で保持する保持工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
前記フォルダにファイルデータが投入された場合、前記保持工程で保持された前記変更可否情報を取得し、前記変更可否情報で変更可能と設定された印刷属性のパラメータの変更を受け付ける変更画面を表示する表示工程を有することを特徴とする請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記表示工程で表示した変更画面を介してパラメータが変更された場合、前記変更されたパラメータが印刷可能条件に適合しているか否かを判定する判定工程を有することを特徴とする請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記判定工程で前記変更されたパラメータは印刷可能条件に適合していないと判定した場合、前記表示工程は前記パラメータを変更可能とする変更画面を再度表示することを特徴とする請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記フォルダに関連付けられたパラメータ及び変更可否情報を構造化言語で記述されたジョブチケットとして生成する生成工程を有し、前記フォルダにファイルデータが投入された場合、前記表示工程は前記ジョブチケットに記述された変更可否情報に基づいて前記変更画面の表示を行うことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【請求項12】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公開番号】特開2007−11576(P2007−11576A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−189937(P2005−189937)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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