説明

情報処理装置及び情報処理装置に用いるプログラム

【課題】 タッチパネル等の絶対座標型入力装置を用いた情報処理装置において、表示範囲指定に係るユーザ操作性を向上させる。
【解決手段】 情報処理装置1において、絶対座標型入力装置2に関する複数の入力操作モードの変更を可能とし、該モードの1つには、絶対座標型入力装置2に一体化された表示装置4の最大解像度が、画面全体の解像度よりも小さい状態で所望の表示範囲に移動させるための操作モードが含まれる。当該モードにおいて、絶対座標型入力装置2の操作面に対する接触操作によってドラッグ操作が行われたときに、該操作による移動量を検出して表示装置上で表示範囲の移動又は変更が行われるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル等の座標入力装置(あるいは座標読取装置)を使って画面表示を見ながらユーザが操作入力を行えるように構成された情報処理装置において、表示範囲指定の操作性を向上させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型コンピュータ等の情報処理装置における操作入力形態として、タッチパネルやタブレット等のような絶対座標型の入力装置又は読み取り装置を用いた構成形態が知られており、スタイラス等の入力ペンや手指により、装置への操作指示が可能である。例えば、装置に搭載されたオペレーティングシステム(以下、「OS」という。)上で動作するアプリケーションが起動された状態で、ユーザは表示画面上の情報を見ながら、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を利用して操作を行うことができる。
【0003】
マウス等のポインティングデバイスを用いたGUI環境での操作に慣れたユーザが、タッチパネルを具備する装置でも同様の操作感覚をもって入力操作や選択操作を行えるように、例えば、マウスの左クリックと右クリックの切換機能を有する入力ペンシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−81951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の装置にあっては、タッチパネルが絶対座標値型のポインティング装置であることに起因して表示範囲指定上の操作性に問題がある。
【0006】
図8は、絶対位置座標入力装置の最大解像度が、表示すべき画面の解像度よりも小さい状態についての説明図である。
【0007】
図中の矩形枠Wが画面を示し、その枠内に示す小面積の矩形枠ωが表示装置(タブレット一体型表示装置等)の表示範囲(あるいは表示領域)を示している。
【0008】
画面解像度が、CRT(陰極線管)や液晶式ディスプレイ等での表示上想定される解像度(表示可能な最大解像度)を超えた場合には、枠W内で矩形枠ωに相当する範囲だけが部分的に表示される状態(以下、「パニング状態」という。)となる。つまり、該状態は、画面解像度よりも表示装置の最大解像度が小さい場合の表示状態である(但し、画像データの削減等を考えない場合)。
【0009】
このようなパニング状態において、タッチパネル上での操作ではその表示範囲の外側(上記ωの枠外)をユーザが指示することは不可能である。即ち、現在の表示範囲から画面内の別の表示範囲へと移動する操作を、タッチパネルの操作のみでは実現することができず、他の相対座標型デバイスの併用が不可欠とされる。例えば、トラックポイントや操作スティック、マウス等を使ってポインタを、表示範囲の端部を越えてさらに外側へと移動させる操作を所望の方向に沿って行うことで、意図する表示範囲に移動させる必要がある。
【0010】
パニング状態での入力操作モード(以下、「パニングモード」という。)においては、絶対座標型入力装置のみの操作では所望の表示範囲指定を行うことができないか、又は他のデバイスの使用が必要とされ、ユーザの操作性等に影響を及ぼす虞が生じ、あるいは回路構成や制御の複雑化により部品点数やコストの上昇を齎すといった問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、タッチパネル等の絶対座標型入力装置を用いた情報処理装置において、表示範囲指定に係るユーザ操作性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る情報処理装置は、上記した課題を解決するために、画面全体の一部分のみが表示装置上に表示される状態での表示範囲の移動又は変更を行うための表示範囲操作モード(パニングモード)において、絶対座標型入力装置の操作面に対する接触操作によって表示画面上の表示子を移動させる操作が行われたときに、該操作による移動量を検出して上記表示装置上での表示範囲の移動又は変更が行われるように構成したものである。
【0013】
また、本発明に係る情報処理装置に用いるプログラムは、入力操作モードが上記表示範囲操作モードに移行したことを判断する処理ステップと、該モードに移行した後に、絶対座標型入力装置の操作面に対する接触操作によって表示画面上の表示子を移動させる操作が行われたときに、該操作による移動量を検出して上記表示装置上での表示範囲を移動させ又は変更するための処理ステップを有する。
【0014】
従って、本発明では、画面の一部分を表示させるパニング状態において、絶対座標型入力装置による操作だけで、所望の表示範囲へと移動することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、パニング状態での操作において他の相対座標型デバイスを必要としないので、装置構成の簡素化やコスト低減等に有効である。また、ユーザの操作性や利便性の向上に効果的である。
【0016】
そして、絶対座標型入力装置に設けられた特定の操作領域への接触操作によってモード変更を行えるようにした構成形態では、ハードウェアによる専用の操作キーが不要であり、表示装置の大サイズ化等に適する。その際には、特定の操作領域への接触操作によって巡回式にモード変更が行われるように構成すると、該操作領域の占有面積を必要最小限に抑えることができる。
【0017】
また、操作性の向上にとっては、マウスポインタの移動操作に相当するモード(ホバーモード)への変更や切替を容易に行えるようにすることが有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、タッチパネル等の絶対座標型入力装置及び該絶対座標型入力装置が一体化された表示装置を備えた情報処理装置において、パニング状態での表示範囲の変更を、絶対座標型入力装置による操作のみで行えるようにした構成を提供するものである。尚、本発明に係る情報処理装置は、コンピュータ機器やPDA(個人情報端末)、各種映像機器、音響機器等へ適用が可能である。
【0019】
図1は本発明に係る情報処理装置1の基本構成例を示す概念図である。
【0020】
絶対座標型入力装置2には、後述する表示装置と一体化されたタッチパネルや、ペン入力式デバイス、デジタイザ等が用いられ、例えば、ユーザが手指やペン、スタイラス等で操作面上での位置を指定した場合に絶対位置座標が検出される。尚、本発明を適用する場合に、装置本体部と入力ペン等との接続形態については有線式又は非有線式の如何を問わない。
【0021】
絶対座標型入力装置2を用いてユーザ操作により指示される位置情報や操作情報は、CPU(中央処理装置)やシステムコントローラ等を用いた演算処理手段3によって処理される。
【0022】
表示装置4は絶対座標型入力装置2と一体化されており、液晶式表示パネル等のデバイスが用いられる。ユーザは画面表示を見ながら絶対座標型入力装置2を用いて入力操作や選択操作等を行うことができる。
【0023】
尚、本発明については、装置本体部に操作釦やスイッチ等のハードウェアキーを含む操作部を設けた構成形態と、そのような操作手段を設けることなく、絶対座標型入力装置を用いた操作だけで入力や選択等を完結できるようにした構成形態への適用が可能である。
【0024】
図2は情報処理装置1を例示した概略図であり、本体部5の前面にはタッチパネルと表示デバイスとが一体化された操作表示部6が設けられている。
【0025】
手指やスタイラス等を使ってタッチパネルの操作を行う場合に、本体部5に付設された特定の操作キー7又はタッチパネル上に設けられた特定の操作領域8を使って入力操作モードの変更を行うことができる。
【0026】
タッチパネルに対するユーザ操作には、例えば、下記の操作が挙げられる。
【0027】
・タッチ=指先やスタイラス等でタッチパネルを触り、そのまま触り続けること
・リリース=操作面にタッチした状態から、指先やスタイラス等をタッチパネルから離すこと
・シングルタップ(所謂タップ)=指先やスタイラス等で、タッチパネルにタッチして直ちにリリースすること
・ダブルタップ=シングルタップを2回連続して行うこと
・ドラッグ=操作面にタッチした状態(接触状態)を維持したまま、指先やスタイラス等を動かすこと。
【0028】
通常の入力操作モードでは、タッチ直後にリリースを行う操作が、マウス操作時における主釦(通常左釦)のクリック(所謂左クリック)に相当する。
【0029】
マウス操作には、主釦のクリック以外に、副釦(通常右釦)のクリック(所謂右クリック)やマウスポインタのみの移動操作(以下、「ホバー」という。)が挙げられ、ユーザは状況に応じてこれらの操作を使い分けることが必要とされる。
【0030】
例えば、以下に示す入力操作モードを想定して、その変更方法について説明する。
【0031】
・左クリックモード(主釦のクリックモード)
初期状態で設定されるモードであり、ユーザによるタッチパネルの打点時(タップ)にはこれが左クリックのマウスイベントとして認識されてOSに通知される。
【0032】
・右クリックモード(副釦のクリックモード)
ユーザによるタッチパネルの打点時に右クリックのマウスイベントとして認識されてOSに通知される。
【0033】
・ホバーモード(ポインタのみの移動モード)
ユーザによるタッチパネルの打点時にホバーのマウスイベントとして認識されてOSに通知される。
【0034】
・パニングモード
パニング状態の場合にのみ遷移可能なモードであり、表示装置4の最大解像度が表示すべき画面の解像度よりも小さい状態での表示範囲操作モードである(具体的な操作については後で詳述する。)。
【0035】
現在のモードが左クリックモードである場合において、右クリックモードやホバーモード等に変更する方法としては、専用のアプリケーションを起動してモード切替を行う形態が挙げられるが、モードを切り替えるために複数の操作を余儀なくされ、手間や時間がかかり、またユーザがその操作手順を習得することが必要である。
【0036】
そこで、本体部5の操作キー7や、絶対座標型入力装置2に設けられた特定の操作領域8への接触操作によってモード変更を行えるように構成することが好ましい。
【0037】
図3は特定の操作釦(以下、「モード切替釦」という。)を用いて上記したモード間の状態遷移例について説明するための図である。
【0038】
先ず、初期設定状態では左クリックモードが選ばれており、モード切替釦の操作(釦押下又は操作領域のタップ)によって右クリックモードへと移行する。さらにモード切替釦を操作すると、ホバーモードへと移行し、次にモード切替釦を操作した場合においてパニング状態であればパニングモードへと移行するが、パニング状態でない場合には左クリックモードへと戻る。
【0039】
パニングモードにおいてモード切替釦が操作されるか又はパニング状態でなくなった場合には、左クリックモードへと移行する。
【0040】
このように、モード切替釦の操作によって巡回式に入力操作モードの変更が行われる構成形態では、単一の操作釦や操作領域を使用すれば良いので、占有面積を最小限に抑えることができる。つまり、モード毎の操作キー7、7、…を本体部5に付設したり、操作領域8内においてモード別の操作接触部を設ける必要がない(例えば、上記の説明では4つのモードについて示したが、切替のモード数がさらに増えた場合には操作釦等の数を増加させることが実装上必要となり、表示面積への影響が生じてくる。)。
【0041】
尚、タッチパネルに設けられた特定の操作領域への接触操作によって入力操作モードの変更が行われる構成では、専用のハードウェアキーが不要であり、その分だけ表示装置の表示面積を広くとることができる。
【0042】
次に、パニングモードについて説明する。
【0043】
表示装置4としてCRTや液晶表示デバイス等を用いる場合に、複数の解像度での表示が可能であり、画面解像度が表示装置において表示可能な最大解像度以下の場合には、常に画面全体を表示装置上に表示することができる。
【0044】
しかし、画面解像度が表示装置において表示可能な最大解像度を超えた場合には、グラフィックLSI等の画像処理機能により、図8で説明したように、画面の一部領域だけが表示されるパニング状態となる。
【0045】
パニング状態におけるモード切替釦の操作によりパニングモードへの遷移が行われ、該モードにおいてユーザのタッチパネルに対する操作は、例えば、表示範囲の移動と認識される。
【0046】
図4はパニングモードでの操作状況を(A)乃至(D)図に従って説明するための図である(枠W、ωの意味については図8の場合と同じである。)。尚、本例では表示枠を矩形枠として説明するが、本発明の適用においては矩形枠に限らず任意形状の枠を用いることが可能である。
【0047】
先ず、(A)図では、画面枠W内の一部領域が枠ω内に切り出された状態で表示装置4に表示される様子を示しており、表示子9として矢印で示すポインタ(あるいはカーソル)が示されている。
【0048】
この状態でパニングモードへの変更が行われると、(B)図に示すように表示子9の形状がパニングモード用に変更される(本例では、右手の掌形状の記号となる。)。
【0049】
(C)図に示すように、ユーザがタッチパネルにスタイラスや手指等を接触させた状態(タッチ)のままでスライド操作を行うと(ドラッグ操作)、(D)図に示すように、それまでの表示範囲(破線枠参照)が別の表示範囲(実線枠参照)へと移動する。例えば、(C)図に矢印Mで示すように、表示子9を左斜め上方へと移動させてドラッグ操作を行うことにより、該操作の移動距離が検出され、(D)図に矢印mで示すように表示範囲が右斜め下方に移動する(枠ωのサイズは不変のままで平行移動が行われる結果、それまでとは異なる表示範囲の画像が表示装置上に表示されることになる。)。
【0050】
このように、入力操作モードがパニングモードに移行した場合に、絶対座標型入力装置2の操作面に対する接触操作によって表示画面上の表示子を移動させる操作が行われたときには、該操作による移動量が検出され、該移動量に応じて表示範囲の移動や変更の処理が行われる。
【0051】
本処理を実現するためのステップを含むプログラムは、図1の記憶手段10から読み出され、CPUにより解釈されて実行される。つまり、情報処理装置1における処理主体は、CPU等の演算処理手段3を含めたハードウェアと、該手段を用いて実行される各種プログラムの総体であり、操作情報に応じたプログラムの実行によって以下の処理が行われる。
【0052】
(1)入力操作モードがパニングモードに移行したことを判断する処理ステップ
(2)パニングモードに移行した後に、絶対座標型入力装置2の操作面に対する接触操作によって表示画面上の表示子を移動させる操作が行われたときに、該操作による移動量を検出し、表示装置4上で表示範囲を移動させ又は変更するための処理ステップ。
【0053】
上記した装置やプログラム又は該プログラムを含む記憶媒体の適用により、パニング状態での表示範囲の変更を、タッチパネルのみを用いて実現することができる。また、タッチパネルのモード変更用の操作釦等を用意することにより、モード切替を容易に行うことができる。好ましくは、モード変更の機能を単一の操作部に割り当てることで操作系の簡略化を達成することができる。
【実施例】
【0054】
以下に、本発明を携帯型コンピュータ機器に適用した実施の一例について説明する。
【0055】
図5に示すように、情報処理装置11の筐体12は、横長の扁平な矩形状に形成され、その前面13には表示デバイス(液晶式ディスプレイ等)14が設けられている。
【0056】
表示デバイス14の表面15にはタッチパネルが設けられており、ユーザが表示画面を見ながら操作面上の所望の位置を手指や専用ペン(スタイラス等)16で指示することにより選択操作や入力操作等を行うことができる。尚、筐体12の所定の位置には、各種の操作要素(釦やスイッチ等)17、17、…が付設されており、その中の1つにモード切替釦が割り当てられており、例えば、下記に示す構成形態が挙げられる。
【0057】
・キー機能の割り当てが固定された形態
・利き手やユーザの使い勝手等に応じてキー機能の割り当てを変更可能とした形態。
【0058】
図6は情報処理装置11のハードウェア構成例を示したものである。
【0059】
制御中枢であるCPU101は、バス(FSB:Front Side Bus)を介して制御装置102に接続されており、該制御装置102は、後述する制御装置やデバイスとともに前記した演算処理手段3を構成している。制御装置102はメインメモリ103の制御やグラフィック機能に係る制御を担当し、主に大量データを高速に処理する役目をもつ。AT互換機では「ノースブリッジ」と呼ばれ、本例に示す制御装置102には、CPU101、メインメモリ103、制御装置104、液晶表示デバイス等のグラフィック表示装置105が接続されている。
【0060】
制御装置104は、ユーザインターフェース用の制御デバイス等を主に制御するものであり、デバイスのバスリンク等を行う。AT互換機では「サウスブリッジ」と呼ばれ、「PCI to ISA bridge」では、バス(PCI:Peripheral Component Interconnect bus)を低速なバス(ISA:Industry Standard Architecture bus等)に橋渡しする役目をもち、ISAコントローラ、IDE(Integrated Drive Electronics)コントローラ等の機能を有する。
【0061】
PCIバスには、無線通信用デバイス106としての無線式LAN(W−LAN)や、外部メモリや外部機器との接続や制御を行うためのデバイス107が接続されている。外部メモリとしては、装置本体部への着脱が可能な半導体メモリ装置、例えば、スティック状記憶媒体のデータを読み書きするための制御用デバイス108や、カード状記憶媒体等の制御用デバイス109が設けられている。また、デバイス107は外部機器との接続用インターフェース(例えば、シリアルデバイスをコンピュータに追加するためのハードウェアの仕様を定義する「IEEE 1394」等)の機能を有する。
【0062】
制御装置104には、LAN(Local Area Network)接続用デバイス110が接続されるとともに、タッチパネル111がUSB(Universal Serial Bus)ポートに接続されている。
【0063】
補助記憶装置112には、例えば、磁気ディスクや光学式ディスクを用いたドライブ装置が用いられるが、本例では、ハードディスク等の大容量記憶媒体を用いたドライブ装置が用いられ、制御装置104(内のIDEコントローラ)に接続される。
【0064】
また、制御装置104に接続されているオーディオ信号処理部(Audio Codec)113は、ディジタル−アナログ変換されたオーディオ信号を、例えば、スピーカ114やヘッドフォン115に送出して音声を出力する。あるいは、マイクロフォンを備えた装置形態では、オーディオ信号処理部113において、音声入力データをディジタル化して取り込む処理等を行う。
【0065】
記憶装置116には、コンピュータを動作させるための制御プログラム等が格納されており、LPC(Low Pin Count:シリアルバス)等を用いて制御装置104、117に接続されている。
【0066】
制御装置117は各種信号の制御を行う汎用装置であり、例えば、「EC」(Embedded Controller:組み込みコントローラ)が用いられ、キーボードコントローラの機能や、システムの電源制御やシステムの付加機能等について制御を行う(携帯型機器等ではマイクロコンピュータが搭載されている。)。尚、記憶装置116内の制御プログラムを変更することによってコンピュータの制御方法を変えることができる。
【0067】
装置本体部に設けられた上記操作要素17を含む操作部118からの信号が制御装置117に対して送出される。装置本体部に外部機器を接続するための接続部119としては、USBコネクタが設けられており、該コネクタは制御装置104に接続されている。
【0068】
尚、図示しない電源部には、ACアダプタからの商用電源電圧の供給、あるいは二次電池や燃料電池等を用いたバッテリパックからの直流電源供給が行われる。
【0069】
図7は、ソフトウェア構成の要部を示した説明図である。
【0070】
操作要素17の一つであるモード切替釦の操作情報(例えば、釦押下又は非押下の検出情報)は、制御装置117(本例ではEC)を経由してデバイスドライバ18が受け取り、ダイナミックリンクライブラリ19に通知される。そして、該ダイナミックリンクライブラリ19は受け取った操作情報をサービスプログラム20に対して通知する。
【0071】
サービスプログラム20はビデオドライバ21を介して現在の画面解像度の設定状況や解像度変更についての監視を行っており、ダイナミックリンクライブラリ19からの上記操作情報の通知を受け取ったときに、当該時点での画面解像度及び入力操作モードに基づいて、次に遷移すべきモードを判断して、その判断結果に基づく指示をタッチパネルドライバ22に通知する。
【0072】
タッチパネル111の操作情報は制御装置104に送出された上で、タッチパネルドライバ22を介して上位階層(OS)23に送られる。タッチパネルドライバ22では、サービスプログラム20からの上記通知に応じたモード設定が行われ、その結果、ユーザによるタッチパネル111の打点時には、設定されたモードに応じてOSにマウスイベントのメッセージを通知する。例えば、パニングモードでは上記のようにユーザの操作が表示範囲の移動として認識される。つまり、表示範囲の移動処理においてはスタイラス等を用いたドラッグ操作の座標から表示範囲変更のための移動距離が計算されてOSに通知される。
【0073】
本例では、サービスプログラム20が動的なモード切替の設定を管理し、モード切替釦の操作及び画面解像度に応じて特定される入力操作モードへの移行を判断する処理ステップを有している。そして、タッチパネルドライバ22は、設定されたモードに応じてOSにマウスイベントの通知を行う。例えば、パニングモードへの移行がサービスプログラム20からタッチパネルドライバ22に通知された後で、タッチパネルの操作面に対して図4で説明したように、表示子9を移動させるユーザ操作が行われたときには、該操作時の移動量に応じて既知の方法により表示範囲の移動のための処理がOSの制御下に行われる。尚、本例に限らず、サービスプログラムやタッチパネルドライバの機能を1つのプログラムに集約させるといった各種の実施形態が可能である。
【0074】
以上に説明した構成によれば、下記に示す利点が得られる。
【0075】
・タッチパネルに入力操作に係るモード変更や切替を、単一の操作釦又はタッチパネル上の特定操作領域の操作により瞬時に行えるので、操作性の向上に寄与すること(設定変更用のアプリケーション等を起動させる必要がない。)
・パニング状態での表示範囲変更を、タッチパネルに対する操作のみで行えること(補助的な操作手段が不要であり、構成の簡素化や表示面積の増加等に有効である。)。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の基本構成例を示す図である。
【図2】情報処理装置を例示した概略図である。
【図3】各モード間での状態遷移例についての説明図である。
【図4】パニングモードにおける操作状況を例示した説明図である。
【図5】図6、図7とともに本発明に係る実施例について説明するための図であり、本図は装置の外観構成例を示す斜視図である。
【図6】装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図7】ソフトウェア構成の要部を示した図である。
【図8】パニング状態の説明図である。
【符号の説明】
【0077】
1…情報処理装置、2…絶対座標型入力装置、4…表示装置、8…特定の操作領域、9…表示子、11…情報処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作により指示される位置情報を取得するための絶対座標型入力装置及び該絶対座標型入力装置が一体化された表示装置を備え、画面全体の一部分のみが表示装置上に表示される状態での表示範囲の移動又は変更を行うための表示範囲操作モードを含む複数の入力操作モードの変更が可能な情報処理装置において、
上記入力操作モードが上記表示範囲操作モードに移行した場合に、上記絶対座標型入力装置の操作面に対する接触操作によって表示画面上の表示子を移動させる操作が行われたときに、該操作による移動量を検出して上記表示装置上での表示範囲の移動又は変更が行われる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載した情報処理装置において、
上記絶対座標型入力装置に設けられた特定の操作領域への接触操作によって上記入力操作モードの変更が行われる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載した情報処理装置において、
上記特定の操作領域への接触操作によって巡回式に上記入力操作モードの変更が行われる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載した情報処理装置において、
上記入力操作モードには上記表示子の移動操作だけを行うモードが含まれる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
ユーザ操作により指示される位置情報を取得するための絶対座標型入力装置及び該絶対座標型入力装置が一体化された表示装置を備え、画面全体の一部分のみが表示装置上に表示される状態での表示範囲の移動又は変更を行うための表示範囲操作モードを含む複数の入力操作モードの変更が可能な情報処理装置に用いるプログラムにおいて、
上記入力操作モードが上記表示範囲操作モードに移行したことを判断する処理ステップと、該モードに移行した後に、上記絶対座標型入力装置の操作面に対する接触操作によって表示画面上の表示子を移動させる操作が行われたときに、該操作による移動量を検出して上記表示装置上での表示範囲を移動させ又は変更するための処理ステップを有する
ことを特徴とする情報処理装置に用いるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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