説明

情報処理装置

【課題】 複数の設定項目をもつユーザインタフェースにおいて、複数の設定項目を複合設定項目として登録することでその設定項目の値を簡単に変更して設定として反映させる。
【解決手段】 ユーザインタフェースを介して設定を行う際に、複数の設定項目を1つ複合設定項目として複合設定項目リストに登録し、登録されている複合設定項目の1つを選択された場合に、登録された設定項目の値を入力するためのユーザインタフェースを表示して、入力された値を新しい設定値として設定用のユーザインタフェースに反映させて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に、プリンタドライバのユーザインタフェースにおいて、複数設定項目をひとまとめにして扱うための情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に所定の通信媒体を介して印刷装置と通信可能な情報処理装置では、ユーザインタフェースを通して各種設定を行う場合に、設定項目が多くて複雑な依存関係を持つ場合などに、複数の設定項目を区も合わせて1つの複合設定を複合設定リストに登録し、複合設定リストに登録されている複合設定の1つを選択したときに、該複合設定のすべての設定項目を設定して表示する機能を持つものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
例えば、キヤノン社製のプリンタドライバを例にとってみると、入力用紙、出力用紙、給紙方法、排紙方法、部数、ページレイアウトなどの設定をまとめてアイコンに関連付けて登録し、その登録したものを選択すると設定が一斉に切り替わるお気に入りという機能がある。
【特許文献1】特開2000−222159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1及び上記プリンタドライバの例では、設定値を登録することはできるが、設定項目を登録することはできない。そのため、設定値が1つ違うと新しく登録するか、お気に入りを設定した後にその設定項目のコントロールを探して設定値を変更しなければならない。つまり、変更する設定項目が2つであっても、使用する設定値が10パターンあると、10個のお気に入りを登録するか、毎回登録したお気に入りを選択した後に設定値を変更しなければならない。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、複数の設定項目をもつユーザインタフェースにおいて、複数の設定項目を複合設定項目として登録することでその設定項目の値を簡単に変更して設定として反映することができる機能をもった情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明はアプリケーションが生成した文書データに応じて印刷装置が解釈可能な印刷データを生成する情報処理装置であって、ユーザインタフェースを介して設定を行う際に、複数の設定項目を1つ複合設定項目として複合設定項目リストに登録する複合設定項目登録手段と、前記複合設定項目リストに登録されている複合設定項目の1つを選択する選択手段と前記選択手段により複合設定項目が選択された場合に、登録された設定項目の値を入力するためのユーザインタフェースを表示して、入力された値を新しい設定値として保持する設定値変更手段と、変更された設定値で設定用のユーザインタフェースに反映させて表示するように制御する表示制御手段とを有する。
【0007】
また、複合設定項目の名称を入力する入力手段をさらに有し、前記複合設定項目登録手段は前記入力手段により入力された名称と前記複合設定項目を関連付けて登録しておく。
【0008】
本発明は上記の発明は、上記の発明を実現する方法とプログラム記憶媒体に記憶されているプログラムで実現することである。
【発明の効果】
【0009】
本発明はある設定項目の値を変更したときに他の設定項目の値やコントロールの状態に影響をあたえることのある場合において、変更した設定項目の値だけではなく影響のあった設定項目の値やコントロールの状態までもふくめて1ステップ前の状態に戻すことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(ハードウェア構成)
図1は本発明の一実施形態を示す印刷処理システムのブロック構成図である。印刷処理システムは、ホストコンピュータ3000と、プリンタ1500より構成される。
【0011】
ホストコンピュータ3000において、1はシステムバス4に接続される各デバイスを総括的に制御するCPU、2はCPU1の主メモリ、ワークエリア等として機能するRAMである。3は各種プログラム、データを格納するROMであって、各種フォントを記憶するフォントROM3a、ブートプログラムやBIOS等を記憶するプログラムROM3b、および各種データを記憶するデータROM3cに区分けして構成されている。
【0012】
5はキーボードコントローラ(KBC)で、キーボード9や不図示のポインティングデバイス(マウス)からのキー入力を制御する。6はCRTコントローラ(CRTC)であり、CRTディスプレイ(CRT)10の表示を制御する。
【0013】
外部メモリ11(ディスクコントローラ(DKC)7によりアクセス制御される)は、ハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)等であり、図示の如く、オペレーティングシステムプログラム(以下OS)205をはじめ各種アプリケーション(例えば、図形、イメージ、文字、表等が混在した文書処理を行う文書処理アプリケーションプログラム)201、印刷処理関連プログラム204を記憶する他、ユーザファイル、編集ファイル等も記憶する。印刷処理関連プログラム204は、ページ記述言語を用いて記述される印刷データを生成するプログラムであって、同系列の複数のプリンタに対して共通に利用されうる。また、プリンタ制御コマンド生成モジュール(以下「プリンタドライバ」という)2041、プリンタドライバUI制御モジュール2042を含む。
【0014】
8はプリンタコントローラ(PRTC)であり、双方向性インタフェース21を介してプリンタ1500に接続され、プリンタ1500との通信制御処理を行う。
【0015】
外部メモリ11に記憶されたアプリケーションは、RAM2にロードされてCPU1により実行されることになる。また、CPU1は、例えばRAM2へのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、CRT10上でのWYSIWYG(What you see is What you get)を可能としている。さらに、CPU1は、CRT10上の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは印刷を実行する際、印刷設定設定画面(プリンタドライバUI制御モジュール2042により制御される)を開き、プリンタの設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバ2041に対する印刷処理の設定を行うことができる。
【0016】
プリンタ1500において、12はプリンタ1500の全体を制御するCPUである。19はCPU12の主メモリ、ワークエリア等として機能するとともに、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられるRAMであり、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。13はROMであり、各種フォントを記憶するフォントROM13a、制御プログラム等を記憶するプログラムROM13b、および各種データを記憶するデータROM13cより構成される。
【0017】
外部メモリ14(メモリコントローラ(MC)20によりアクセスを制御される)は、オプションとして接続されるハードディスク(HD)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)、ICカード等であり、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。ハードディスク等の外部メモリ14が接続されていない場合には、ROM13のデータROM13cに、ホストコンピュータ3000で利用される情報等を記憶することになる。なお、外部メモリ14は1個に限らず、複数備えるものであってもよく、例えば、内蔵フォントに加えてオプションフォントカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラム等を格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていてもよい。
【0018】
操作部1501にはユーザからの操作を受け付ける操作パネルが設けられ、その操作パネルには操作のためのスイッチおよびLED表示器等が配されている(図示は省略)。また、図示しないNVRAMを有し、操作パネル1501からのプリンタモード設定情報を記憶するようにしてもよい。
【0019】
プリンタCPU12は、ROM13のプログラムROM13bに記憶された制御プログラム等に基づき、印刷部インタフェース16を介してシステムバス15に接続される印刷部(プリンタエンジン)17に出力情報としての画像信号を出力する。また、CPU12は入力部18を介してホストコンピュータ3000との通信処理が可能となっており、プリンタ1500内の情報等をホストコンピュータ3000に通知可能に構成されている。
【0020】
(ソフトウェア構成)
図2は、所定のアプリケーションおよび印刷処理関連プログラムを起動して、ホストコンピュータ3000上のRAM2にロードされた状態のRAM2のメモリマップを示している。RAM2には、図示の如く、BIOS206、OS205をはじめ、アプリケーション201、印刷処理関連プログラム204、および関連データ203がロードされており、さらに空きメモリ領域202も確保されている。これにより、アプリケーション201および印刷処理関連プログラム204は実行可能状態にある。
【0021】
印刷処理関連プログラム204におけるプリンタドライバUI制御モジュール2042は、ユーザによる印刷設定指令に応じてCRT10に印刷設定画面を表示しユーザからの設定を可能にする。
【0022】
図3に、印刷設定画面の例を示す。
【0023】
図4に、設定項目登録画面の例を示す。図4の画面は、図3の印刷設定画面の登録ボタン301を選択することで表示することができる。登録しない設定項目を左側のリストボックス403に一覧表示し、登録する設定項目を右側のリストボックス402に一覧表示する。2つのコンボボックスの間には移動ボタン404があり、一覧表示された設定項目を選んで移動ボタン404を選択すると、設定項目が登録するほうのリストボックスに表示されていた場合は、登録しないほうのリストボックスに移動し、設定項目が登録しないほうのリストボックスに表示されていた場合は、登録するほうのリストボックスに移動する。このとき、移動ボタン404は追加ボタンと削除ボタンに分かれていても良い。また、この設定項目登録画面ではエディットボックス401に任意の名称を入力することで、名称を設定することができる。最後にOKボタンを選択することで登録が完了する。
【0024】
登録された複合設定項目の呼び出しは、お気に入りのコンボボックスで登録した複合設定項目の名称を選択することでできる。複合設定項目が選択されると、登録されている設定項目に対応するコントロールが表示されたダイアログが表示される。
【0025】
図5は、複合設定項目に登録されたコントロールに設定値を入力するためのフローチャートである。ステップS401では、登録されていて未表示の設定項目に対応したコントロールに表示させる。S402で設定値が入力され、S403で設定ボタンが選択されると、S404により印刷設定の設定値と印刷設定画面の設定値が変更される。S505により、登録された設定項目が全て表示されたか判定し、全て表示されるまで、S401からS405が繰り返される。
【0026】
[他の実施形態]
なお、上述した実施形態では、プリンタ装置に対して、ある設定値の変更が他の設定値やコントロールの状態に影響を及ぼすようなUI制御において1ステップ戻す処理を行う例について説明したが、本発明は、プリンタ装置に限らず、ディジタルカメラ、ディジタルレコーダ、イメージスキャナ等の周辺装置、制御機器の他、モデムやルータといったネットワーク関連機器にも適用可能であることはいうまでもない。これらの複数の機器から構成されるシステムに適用することも可能である。
【0027】
上述したように、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0028】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるに記憶媒体書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態に係る印刷処理システムのブロック構成図である。
【図2】実施形態におけるRAM2のメモリマップを示す図である。
【図3】実施例における印刷設定画面の一例を示す図である。
【図4】実施例における複合設定項目登録画面の一例を示す図である。
【図5】実施例における設定値の入力方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0030】
1 CPU
2 RAM
3 ROM
4 バス
5 KBC
6 CRTC
7 DKC
8 PRTC
9 KB
10 CRT
11 外部メモリ
12 CPU
13 ROM
14 外部メモリ
15 バス
16 印刷部I/F
17 印刷部
18 入力部
19 RAM
20 MC
21 LAN
1500 プリンタ
3000 ホストコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションが生成した文書データに応じて印刷装置が解釈可能な印刷データを生成する情報処理装置であって、
印刷データを生成する際の印刷設定をユーザインタフェースで行う際に、複数の設定項目を組み合わせて1つの複合設定項目を複合設定項目リストに登録する複合設定項目登録手段と、
前記複合設定項目リストに登録されている複合設定項目の1つを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された複合設定項目に登録された設定項目の値を入力するためのユーザインタフェースを表示する表示手段と、
前記表示手段により表示されたインタフェースに入力された値を取得して、設定値を変更する設定値変更手段と、
前記設定値変更手段により変更された設定値を印刷設定を行うためのユーザインタフェースに設定し表示するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
複合設定項目の名称を入力する入力手段を更に有し、
前記複合設定項目登録手段は、前記入力手段により入力された名称と前記複合設定項目を関連付けて登録しておくことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷設定を行うユーザインタフェースが複数の設定シートを用いて印刷設定を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−228103(P2006−228103A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−43920(P2005−43920)
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】