説明

情報処理装置

【課題】使用者の利き手に対する対応はもちろん、個人の都合に合わせて使い勝手の良い配置をすることができるキーボードを提供する。
【解決手段】釦キー4A〜8Aを関連するグループ別にユニットケース9〜13に集めた複数のキーユニット4〜8を、複数組の配置に対して対応可能なように、キーケース2に設けた取付孔25にスナップ固定するように、キーケース2に所定間隔で配設された取付孔25の間隔の整数倍の間隔を有する取付脚19〜23をユニットケース9〜13に設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータをはじめとする各種の情報処理装置に関し、特に入力デバイスとしてのキーボードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、職場や家庭内など様々な場所でノートパソコンをはじめとする各種の情報処理装置が広く使用されており、これらの情報処理装置の入力デバイスとしては、文字や数字を入力するための釦キーを備えたキーボードと表示画面上の特定箇所をポイントするためのマウスが主として用いられている。
【0003】
そして、キーボードに配置されている釦キーとしては、アルファベットおよび平仮名の文字キーと数字を入力するテンキーやカーソルを移動するカーソルキーが代表的であるが、各種の変換キーやマウスパッドなども含めてその有無や配列が、キーボードの大きさや種類、メーカによって異なっている。
【0004】
また、このようなキーボードを使用する人の立場で考えると、その人の利き手や、手の大きさ、使用目的による使用頻度の高いキーの違いなどにより使い易さに差が生じる。
【0005】
また、職場と家庭で異なるノートパソコンを使用する場合や、パソコンを買い換えた場合などにおいてもキーボードの釦キーの配列がパソコン間で違っているという不便もあった。
【0006】
そして、このような使い難さに対処するために、釦キーを文字キーを中心とする標準入力部分とテンキーを中心とする演算用入力部分のキーユニットとに二分して、右利き用と左利き用とでキーユニットの配置を交換できるものや、釦キーをユニット分けして使用頻度などにより不具合の生じたユニットだけを交換できるようにするものも提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2002−278680号公報
【特許文献2】特開平7−99553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、キーボードを大きく二分して配置交換する方法は、左利きの人にはメリットがあるが右利きの人にとっては特にメリットはなく、また不具合を生じた部分のユニットを交換するものも、日常の使用においてキーボードを使用する人の不都合に対して対応できるものではなかった。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、新しくキーボードを入手した人が、利き手に対する対応はもちろん、自分の使い勝手に応じて、関連する機能毎の釦キーを集めたキーユニットを任意の位置に配置することができ、使用者に使い勝手が良いキーボードを備えた情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、少なくともキーボードを備えた情報処理装置であって、キーボードは、ひとつのユニットケースに複数個の釦キーまたはマウスパッドを配置した複数のキーユニットとキーユニットを載置するキーケースとを備え、キーケースに所定間隔で配設された取付孔を設けるとともに、ユニットケースに取付孔の間隔の整数倍の間隔を有する取付脚を設けている。
【0010】
このような構成によれば、関連するグループ別にユニットケースに集めた複数のキーユニットで構成されるキーボードとし、各ユニットケースに設けた取付脚の間隔をキーケースに設けた取付孔の間隔の整数倍とすることで、キーケース上で各ユニットケースの配列を自在に変更することが可能となり、使い勝手が良いキーボードを実現することができる。
【0011】
さらに、キーケースに設けた取付孔が所定間隔で配設した溝であることが望ましく、各ユニットケースをスライドさせるだけで、キーケース上で任意にその配列を変更することができる。
【0012】
さらに、キーケースの中央部底部に釦キーまたはマウスパッドと接続したそれぞれのキーユニットから延伸された導線を貫通させる開口部を設けることが望ましい。このような構成によれば、それぞれのキーユニットの配列を自在に変更しても、それぞれのキーユニットからの導線の引き回しを容易にすることができる。
【0013】
さらに、キーユニットの少なくともひとつは釦キーからの接点情報に対応したパラレル信号をシリアル信号に変換する変換ICを備え、導線を変換ICを経由した導線とすることが望ましい。このような構成によれば、それぞれのキーユニットから導出される導線を少なくすることができ、キーボード全体の高さ寸法を低くしてキーユニットの配列を自在に変更しても、それぞれのキーユニットからの導線の引き回しをさらに容易にすることができる。
【0014】
さらに、キーケースにそれぞれのキーユニットから導出した導線を集結して接続する接続コネクタを設けることが望ましい。このような構成によれば、キーユニットのキーケース上での配列を任意に変更しても、キーボードから本体などへの配線の引き回しを容易にすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の情報処理装置は、キーボードとして文字入力や数字入力、あるいはマウスパッドなどの各ユニットの配列をキーボード上で自在に変更することが可能となり、使い勝手が良いキーボードを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態における情報処理装置のキーボードを示す平面図、図2は同キーボードを構成するキーユニットである文字ユニットの構成を示す図であり、図2(a)はその正面図、図2(b)はその側面図である。また、図3は同キーボードの他のキーユニットの構成を示す図であり、図3(a)は第1ユニットとしての数字を入力するテンキーユニットの側面図、図3(b)は第2ユニットとしてのカーソルを上下左右へ移動するカーソルキーユニットの側面図、図3(c)は第3ユニットとしての入力位置調整キーユニットの側面図、図3(d)は第4ユニットとしてのファンクションキーユニットの側面図である。また、図4は同キーボードを構成するキーケースの平面図、図5は図1のA−A線断面図である。
【0018】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態における情報処理装置のキーボード1は、樹脂製のキーケース2の収容凹部3内に、アルファベットおよび平仮名を入力する文字キーを集めた最も大きいグループのキーユニットである文字ユニット4、数字を入力するテンキーを備えたキーユニットである第1ユニット5、カーソルを上下左右へ移動するカーソルキーを備えたキーユニットである第2ユニット6、入力位置調整関係の釦キーを集めたキーユニットである第3ユニット7およびアプリケーション毎の機能を割り当てるファンクションキーを集めたキーユニットである第4ユニット8の5つのキーユニットが装着されている。
【0019】
そして、図1、図2および図3に示すように、これらの5つのキーユニット4〜8は、それぞれ四角形のユニットケース9〜13の外周枠9A〜13Aの中に複数個ずつの釦キー4A〜8Aが、それぞれの操作釦4B〜8Bが露出するように縦横に整列して配置されたものである。
【0020】
なお、文字ユニット4と第1ユニット5は使用頻度が高いと思われる釦キーの操作釦を大きくしたり少し形状を変えたりして、全体として四角形のユニットケース9とユニットケース10内に配置され、第2ユニット6は二ヶ所のスペースに外周枠11Aと同じ高さのダミー板6Cを配して、四角形のユニットケース11内に配置されている。
【0021】
また、それぞれのユニットケース9〜13の下面には各釦キー4A〜8Aを構成するプッシュスイッチ(図示せず)に導通した導線である、折り重ねたフレキシブル配線基板14およびリード線15〜18が、所定の配線数で所定の長さずつ導出されている。また、ユニットケース9〜13の下面の対向する端部には段部19A〜23Aが設けられその先端に、抜け止め付きの取付脚よりなるスナップ脚19〜23が一定の間隔でそれぞれ設けられている。
【0022】
なお、これら5つのキーユニット4〜8から導出される導線のうち、文字ユニット4からは約20本の導線が導出されるためリード線では太くなってしまうので、折り重ねたフレキシブル配線基板14が使用されているが、他の第1ユニット5〜第4ユニット8から導出される導線は5本以内であるので、リード線15〜18が使用されている。
【0023】
そして、キーユニット4〜8の配置を変更する場合に対応するために、フレキシブル配線基板14は折り重ねられた長い寸法であり、またリード線15〜18も配置変更に対応できるように、余裕のある長さで柔軟性を有するものとなっている。このように、最も多くの導線が導出される文字ユニット4からの導線を薄くし、しかも文字ユニット4の位置の変動に対応することができるようにしている。また、図5に示すように、文字ユニット4を含む全キーユニット4〜8の下面から導出された導線が通るように、全キーユニット4〜8のユニットケースの段部13A〜23Aにより形成される空間部26の高さ寸法を低くして、キーボード全体の高さを低くしている。
【0024】
一方、図4に示すように、樹脂製のキーケース2の外周枠2Aに囲まれた収容凹部3は、5つのキーユニットのうちの縦寸法および横寸法が最大である文字ユニット4よりも大きい縦寸法および横寸法であり、5つのキーユニット4〜8の合計投影面積よりも広い面積を有している。また、その中央部には大きな開口部24が設けられるとともに、5つのキーユニットの複数組の配置に対応して、5組のスナップ脚19〜23をスナップ固定するために所定間隔で開口された多数の取付孔25が設けられている。
【0025】
本発明の第1の実施の形態における情報処理装置のキーボード1では、5つのキーユニット4〜8のうち使用頻度が高いと思われる文字ユニット4とテンキーを備えた第1ユニット5およびカーソルキーを備えた第2ユニット6を手前側に配置している。また、使用頻度が低いと思われるファンクションキーを集めた第4ユニット8を後ろ側に配置するように、キーケース2の収容凹部3の縦方向の対向する両端面を基準として取付孔25を設けている。
【0026】
また、図1において、各キーユニット4〜8の上下端の外周部に設けた黒く塗りつぶした部分が、それぞれのスナップ脚19〜23を示し、スナップ脚19〜23の先端部を取付孔25の中に押し込んで取付孔25の裏面にスナップ固定させている箇所を示している。
【0027】
このスナップ固定されたキーユニット4〜8のスナップ脚19〜23と取付孔25との結合は、スナップ脚19〜23の抜け止め部を内側へ押して外すことができ、再度取り付けることも可能である。
【0028】
また、図5に示すように、5つのキーユニット4〜8から導出されたフレキシブル配線基板14およびリード線15〜18は、5つのユニットケース9〜13の下面の段部19A〜23Aにより形成された空間部26からキーケース2の収容凹部3の中央に設けられた開口部24まで引き回されている。さらに、情報処理装置の本体との連結用として、キーケース2に装着された接続コネクタ27に接続されている。
【0029】
図5にはユニットケース13から導出されたリード線18しか示されていないが、他のユニットケース10〜12から導出されたリード線15〜17および文字ユニット4のユニットケース9から導出されたフレキシブル配線基板14も、同様に開口部24を通して接続コネクタ27に接続されている。
【0030】
なお、このような開口部24を通した、フレキシブル配線基板14およびリード線15〜18と接続コネクタ27との接続は、キーボードのメーカにおいてあらかじめ行なわれているものである。したがって、メーカから出荷されて使用者が入手する段階において、本発明の第1の実施の形態におけるキーボードは、5つのキーユニット4〜8のそれぞれの導線であるフレキシブル配線基板14および各リード線15〜18がキーケース2の開口部24を通して接続コネクタ27に接続されている。また、5つのキーユニット4〜8自体は、キーケース2の収容凹部3内に固定されていない状態であるか、または、5つのキーユニット4〜8を、使用される可能性が最も高い標準的な配置である図1に示した状態に配置されている。
【0031】
本発明の第1の実施の形態におけるキーボードによれば、図4に示すように、キーケース2にはその長手方向に所定間隔P1で多数の取付孔25が設けられ、図1に示すように5つのキーユニット4〜8のユニットケース9〜13には取付孔25の間隔P1の整数倍の間隔P9a、P10a、P11a、P12a、P13aで配設されたスナップ脚19〜23が設けられている。
【0032】
さらに、図4に示すように、キーケース2に設けられた多数の取付孔25はキーケース2の短手方向でP2の間隔で設けられ、図1に示すように5つのキーユニット4〜8のユニットケース9〜13に設けられたスナップ脚19〜23の短手方向間隔P9b、P10b、P11b、P12b、P13bもP2の整数倍の間隔で設けられている。
【0033】
したがって、5つのキーユニット4〜8のスナップ脚19〜23をキーケース2の取付孔25に配列可能な範囲で固定することができる。すなわち、キーユニット4〜8をキーケース2の任意の位置に固定配置することができる。
【0034】
したがって、キーボード1を入手した使用者が、5つのキーユニット4〜8を自分にとって都合の良い配置となるように、キーケース2上でキーユニット4〜8を取り外したり、再配置をするようにすることが可能となる。
【0035】
ここで、図1に示した本発明の第1の実施の形態における情報処理装置のキーボード1は標準的な右利き用の配置であるため、キーユニット4〜8の配置は、テンキーを備えた第1ユニット5とカーソルキーを備えた第2ユニット6が文字ユニット4の右側に配置されている。また、図6は、本発明の第1の実施の形態における情報処理装置のキーボードのキーユニットを左利き用として配置したキーボードの平面図であり、同じキーケース2の取付孔25に対して同じ5つのキーユニット4〜8を左利き用として配置したキーボード31である。この場合、テンキーを備えた第1ユニット5とカーソルキーを備えた第2ユニット6は、文字ユニット4の右側に配置されている。
【0036】
さらに、図7は、本発明の第1の実施の形態における情報処理装置のキーボードのキーユニットを入れ換え配置したキーボードの平面図であり、キーボード1のキーケース2の取付孔25に対して同じ5つのキーユニット4〜8を、図1の配置からテンキーを備えた第1ユニット5とカーソルキーを備えた第2ユニット6とを入れ換えたキーボード32である。もちろん、左利き用のキーボード31に対しても、同様に、第1ユニット5と第2ユニット6とを入れ換えて配置することができる。
【0037】
このように、本発明の第1の実施の形態における情報処理装置のキーボードによれば、キーボードを入手した人が、利き手に対する対応はもちろんのこと、自分の都合に合わせた位置にキーユニット4〜8を配置することが容易であるとともに、一度固定したキーユニット4〜8のスナップ結合を外して再取り付けすることもでき、使用者にとって非常に使い勝手が良いキーボードとすることができる。
【0038】
しかし、以上のキーボードは、使用者にとって使い勝手は良いが外観は好ましいものではない。そこで、このようなキーボード装置の外観を良くする方法について説明する。図8は本発明の第1の実施の形態における情報処理装置のキーボードの他の実施例を示す平面図である。
【0039】
図1、図6、図7に示したような配置検討をして、キーボード装置を使用する人の使い勝手の良い配置を決めた後に、まず、キーケース2の収容凹部3上面のキーユニット4〜8が配置されていない空隙部に対して、図8(a)の平面図に示すように、ユニットケース9〜13の外周枠9A〜13Aと同じ高さのダミー体28を貼り付ける。
【0040】
次に、図8(b)の平面図に示すように、キーケース2の収容凹部3の内周と同じ外形寸法で各キーユニット4〜8の操作釦が露出するように切断した裏面に粘着剤が塗布されたカバーシート29をダミー体28とダミー体28に隣接するユニットケース9〜13の外周枠9A〜13Aの表面に貼り付けるものである。
【0041】
なお、ダミー体28は、片面に剥離紙付きの粘着テープが貼り付けられたユニットケース9〜13の外周枠9A〜13Aと同じ厚さの発泡スチロール板を、刃物で適当な大きさの複数個の棒状のブロックに切断して形成すれば、空隙部に合わせたダミー体28を容易に安価に形成することができる。また、カバーシート29は、切断線の目安となる升目を印刷した厚紙を用意しておき、この厚紙を先に切断して型紙を作り、これに合わせて裏面に粘着剤が塗布されたシートを切断するようにすれば、正確な形状寸法のものを作ることができる。
【0042】
このようにすれば、キーボードの外観がスッキリするとともに、複数個のキーユニット4〜8やダミー体28の取り付け状態が安定し、さらに、複数個のキーユニット4〜8同士やキーユニット4〜8とダミー体28との隙間が隠されることによって、この部分から塵埃が進入するのを防止することもできる。
【0043】
以上のように本発明の第1の実施の形態によれば、新しくキーボードを入手した人が、自分の都合に合わせた位置にキーユニット4〜8を配置することが容易であり、さらに一度固定したキーユニット4〜8のスナップ結合を外して再度取り付けることもできるので、使用者に使い勝手が良いキーボードを実現することができる。
【0044】
また、以上の説明においては、各キーユニット4〜8から導出された導線が、キーケース2に装着された情報処理装置の本体との連結用の接続コネクタ27に接続されているとしたが、これは、本体との連結用ケーブルに接続されたコネクタでもよい。
【0045】
(第2の実施の形態)
図9は本発明の第2の実施の形態における情報処理装置のキーボードを示す平面図であり、図10は同キーボードの文字ユニットの構成を示す図、図10(a)は文字ユニットの正面図、図10(b)はその側面図、さらに、図11は同キーボードのキーケースの平面図である。
【0046】
図9に示すように、本発明の第2の実施の形態における情報処理装置のキーボードの標準的なキーユニット配置をしたキーボード41は、樹脂製のキーケース42の収容凹部43内に、第1の実施の形態において説明したキーボード1と同様のキーユニットが配置されている。しかしながら、第1の実施の形態でのキーユニットである、文字キーを集めた最も大きい文字ユニット44、テンキーを備えた第1ユニット5、カーソルキーを備えた第2ユニット6、入力位置調整関係の第3ユニット7およびファンクションキーを集めた第4ユニット8の5つのキーユニットに加えて、マウスパッドとしての第5ユニット45が装着されている。
【0047】
この第5ユニット45は、第1ユニット5と同じ大きさの四角形のユニットケース46の中に、パッド面に指を触れてポイントを移動させるタッチパッド45Aと、機能や項目の選択などに使われる左右のクリック釦45Bが配置されている。また、他のキーユニットと同様に抜け止め付きのスナップ脚が他のキーユニットと同様の配列間隔を有して設けられている。
【0048】
そして、ユニットケース46の下面には信号を出力するための導線としての柔軟性のあるリード線(図示せず)が、第1ユニット5〜第4ユニット8のリード線15〜18と同様に、配置変更に対応できるような余裕のある長さで導出されている。
【0049】
また、図10(a)に示すように、このキーボード41の文字ユニット44は、ユニットケース47の下面端部に各釦キー4Aからのパラレル信号をシリアル信号に変換する変換IC48を備えており、文字ユニット44の釦キー4Aを構成する各プッシュスイッチ(図示せず)からの信号はこの変換IC48で処理されてから導線を通して導出される。その場合、その導線の数を少なくすることができるので、配置変更に対応できる余裕のある長さで柔軟性のあるリード線49を導線として使用している。
【0050】
このように変換IC48を装着することによって、文字ユニット44から導出される導線の数を大幅に少なく細くすることができるので、文字ユニット44を含む全キーユニットの下面から導出された導線の引き回しが容易となる。さらに、その結果、ユニットケースやキーケースの高さ寸法を低くして、キーボード全体を低くすることが可能となる。
【0051】
一方、図11に示すように、樹脂製のキーケース42の外周枠42Aに囲まれた収容凹部43も、5つのキーユニットに加えてマウスパッドとしての第5ユニット45を収容するので、第1の実施の形態において説明したキーボード1のキーケース2よりも、縦方向の寸法が大きくなっており、その中央に大きな開口部50が設けられるとともに、6つのキーユニットの複数組の配置に対応して、6組のスナップ脚をスナップ固定するための多数の取付孔51が設けられている。
【0052】
本発明の第2の実施の形態におけるキーボード41の場合、6つのキーユニットのうち使用頻度が高いと思われる文字ユニット44とカーソルキーを備えた第2ユニット6およびマウスパッドとしての第5ユニット45を手前側に配置している。さらに、使用頻度が低いと思われるファンクションキーを集めた第4ユニット8およびテンキーを備えた第1ユニット5を後ろ側に配置するように、キーケース42の収容凹部43の縦方向の対向する両端面を基準として多数の取付孔51が設けてある。
【0053】
取付孔51の配列間隔と、各キーユニットのユニットケースに設けたスナップ脚の配列間隔は、第1の実施の形態と同様であり、取付孔51の縦配列と横配列の配列間隔の整数倍となるようにしている。そのため、各キーユニットがキーケース上で自在にその配置位置を変更して固定することができる。
【0054】
また、6つのキーユニットから導出されたリード線が6つのユニットケース下面の段部により形成されている空間部内において、各ユニットケースの下面から収容凹部43の中央に設けられた開口部50まで引き回されて、キーケース42の後端部に装着された接続コネクタに接続されていることも第1の実施の形態と同様である。
【0055】
次に、図12は本発明の第2の実施の形態における情報処理装置のキーボード41を、左利き用として配置したキーボード55の平面図である。この場合、カーソルキーを備えた第2ユニット6とマウスパッドとしての第5ユニット45は、文字ユニット44の左側に配置されている。さらに、図13は本発明の第2の実施の形態における情報処理装置のキーボードのキーユニットを入れ換え配置したキーボード56を示す平面図であり、図9の配置から、カーソルキーを備えた第2ユニット6とマウスパッドとしての第5ユニット45とを入れ換えて配置した例を示す。もちろん、左利き用のキーボード55に対しても、同様に、第2ユニット6と第5ユニット45とを入れ換えて配置することができる。
【0056】
以上のように本発明の第2の実施の形態によれば、マウスパッドも含めて、利き手に対する対応はもちろん、各種のキーユニットを自分の都合に合わせた位置に配置することが容易であり使用者にとって非常に使い勝手が良いキーボードを実現することができる。
【0057】
なお、以上に説明した本実施の形態によるキーボード41に対しても、キーケース42の上面にダミー体やカバーシートを貼り付けて、外観を良くするこができることは、第1の実施の形態の場合と同様である。
【0058】
(第3の実施の形態)
図14は、本発明の第3の実施の形態における情報処理装置のキーボードにおけるキーケースを示す平面図である。
【0059】
図14に示すように、本発明の第3の実施の形態では、キーケース60に設けた取付孔を縦方向間隔P6aを有する溝62としている。また、図示はしないが、例えば第1の実施の形態で述べた各キーユニットのユニットケースに設けたスナップ脚の配列間隔を、溝62の配列間隔の整数倍としている。このような構成とすると、スナップ脚を溝62に固定し、キーケース60上で各キーユニットを横方向、縦方向にスライドさせて配置位置調整をすることが容易となる。特に、全体配置を決定した後で各キーユニットの位置を微調整することが容易になる。
【0060】
なお、本発明の実施の形態の情報処理装置のキーボードにおいては、釦キーをグループ分けするキーユニットの数は、必ずしも第1の実施の形態および第2の実施の形態で述べた5ユニットや6ユニットである必要はなく、場合によっては多くしても少なくしてもよいものである。
【0061】
なお、本発明の実施の形態の情報処理装置は、キーボードと情報処理装置の本体とが一体であるか別体であるかに限定する必要はなく、キーボード、本体、ディスプレイが一体化されたいわゆるノート型の情報処理装置のキーボードについても適用可能なことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の情報処理装置は、キーボードのキーユニットの配置を任意に容易にすることができ、利き手に対する対応はもちろん自分の都合に合わせた位置にキーユニットを配置できるため、パーソナルコンピュータをはじめとする各種の情報処理装置の入力デバイスとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1の実施の形態における情報処理装置のキーボードを示す平面図
【図2】同キーボードを構成するキーユニットである文字ユニットの構成を示す図
【図3】同キーボードの他のキーユニットの構成を示す図
【図4】同キーボードを構成するキーケースの平面図
【図5】図1のA−A線断面図
【図6】同キーボードのキーユニットを左利き用として配置したキーボードの平面図
【図7】同キーボードのキーユニットを入れ換え配置したキーボードの平面図
【図8】同キーボードの他の実施例を示す平面図
【図9】本発明の第2の実施の形態における情報処理装置のキーボードを示す平面図
【図10】同キーボードの文字ユニットの構成を示す図
【図11】同キーボードのキーケースの平面図
【図12】同キーボードのキーユニットを左利き用として配置したキーボードの平面図
【図13】同キーボードのキーユニットを入れ換え配置したキーボードを示す平面図
【図14】本発明の第3の実施の形態における情報処理装置のキーボードにおけるキーケースを示す平面図
【符号の説明】
【0064】
1,31,32,41,55,56 キーボード
2,42,60 キーケース
2A,9A〜13A,42A 外周枠
3,43 収容凹部
4,44 文字ユニット(キーユニット)
4A〜8A 釦キー
4B〜8B 操作釦
5 第1ユニット(キーユニット)
6 第2ユニット(キーユニット)
6C ダミー板
7 第3ユニット(キーユニット)
8 第4ユニット(キーユニット)
9〜13,46,47 ユニットケース
14 フレキシブル配線基板
15〜18,49 リード線
19〜23 スナップ脚(取付脚)
19A〜23A 段部
24,50 開口部
25,51,61 取付孔
26 空間部
27 接続コネクタ
28 ダミー体
29 カバーシート
45 第5ユニット(キーユニット)
45A タッチパッド
45B クリック釦
48 変換IC
62 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともキーボードを備えた情報処理装置であって、
前記キーボードは、ひとつのユニットケースに複数個の釦キーまたはマウスパッドを配置した複数のキーユニットと前記キーユニットを載置するキーケースとを備え、前記キーケースに所定間隔で配設された取付孔を設けるとともに、前記ユニットケースに前記取付孔の間隔の整数倍の間隔を有する取付脚を設けたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記キーケースに設けた前記取付孔が所定間隔で配設した溝であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記キーケースの中央部底部に前記釦キーまたは前記マウスパッドと接続したそれぞれの前記キーユニットから延伸した導線を貫通させる開口部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記キーユニットの少なくともひとつは前記釦キーからの接点情報に対応したパラレル信号をシリアル信号に変換する変換ICを備え、前記導線が前記変換ICを経由した導線であることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記キーケースにそれぞれの前記キーユニットから導出した導線を集結して接続する接続コネクタを設けたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−269526(P2008−269526A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−115195(P2007−115195)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】