説明

情報処理装置

【課題】情報処理装置に関し、非接触型ICカードとの連続的交信を可能にすることにより、使い勝手を向上させることを目的とする。
【解決手段】筐体1前面部に非接触型ICカード2を斜め姿勢で立て掛けて支持するカード支持部3を備えるとともに、
前記カード支持部3の背面部で、前記非接触型ICカード2との交信可能位置に非接触型ICカードリーダ4が配置されることにより構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
非接触型カードリーダ/ライタを組み込んだ情報処理装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来例において、コンピュータ本体には、ワイヤレスマウスに組み込まれたRFタグを読み込むためのRFタグ読取装置が収容される。ワイヤレスマウス側のRFタグには固有のIDが付されており、ワイヤレスマウスをRFタグのコンピュータ本体との交信可能距離に接近させると、コンピュータ本体がワイヤレスマウスのIDを読み取り、以後、当該ワイヤレスマウスを周辺装置として認識する。
【特許文献1】特開2002-341983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、一般に多用される密着型、あるいは近接型RFIDにおいては、リーダとの交信距離が短いために、上述した従来例のように、一旦リーダにRFIDを接近させたタイミングで相互に交信し、以後、交信を要しないような場合には使用可能であるが、コンピュータ本体の使用中に交信が可能なような場合には、そのたびにRFIDを接近させる必要があり使い勝手が悪いという問題がある。
【0004】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、非接触型ICカードとの連続的交信を可能にすることにより、使い勝手を向上させた情報処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
情報処理装置は、情報処理装置の筐体1内に必要な処理用モジュール回路を収容して形成される。筐体1の前面部には非接触型ICカード2を傾斜姿勢で支承可能な傾斜面5が形成され、その背面部に非接触型ICカードリーダ4が配置される。
【0006】
非接触型ICカードリーダ4は傾斜面5に載せられる非接触型ICカード2との交信が可能な位置に配置され、情報処理装置使用時に、非接触型ICカード2を傾斜面5上に載せておくだけで、必要に応じて相互に交信が可能になる。
【0007】
この結果、例えば、情報処理装置が所定タイミングで非接触型ICカード2により使用権限の認証を行う場合、あるいはインターネット等による決済手段として非接触型ICカード2を使用する場合、非接触型ICカード2を傾斜面5に載せておくだけで、作業を継続することができ、使い勝手が向上する。また、非接触型ICカード2は斜めに保持されるために、筐体1の高さ寸法を低くすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、非接触型ICカードとの連続的交信を可能にすることにより、使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1にパーソナルコンピュータとして構成された本発明の実施の形態を示す。この実施の形態において、パーソナルコンピュータは、筐体1にディスプレイ部7を連結して形成される。筐体1にはCPU等が実装された実装基板8が格納されており、筐体1に対してヒンジ9周りに回転自在なディスプレイ部7と実装基板8とはケーブル10等を介して電気的に接続される。
【0010】
筐体1の前面壁には、電源スイッチ14配置されるとともに、必要な周辺装置の接続部を配置したIO配置凹部11が形成され、ヒンジ12周りに回転操作自在な蓋体13により閉塞される。この実施の形態において、IO配置凹部11には、USB15(Universal Serial Bus)、オーディオ入力力端子等の外部機器接続端子16、および外部記憶装置の挿入部17が配置される。
【0011】
図2(a)に示すように、IO配置凹部11の端部には、傾斜面5からなるカード支持部3が形成される。図1(b)に示すように、カード支持部3の傾斜面5は非接触型ICカードリーダ4(以下、単に「カードリーダ」という。)のカード読み取り面により形成されており、傾斜面5下端には、カードストッパ6が突設される。また、カードリーダ4は、実装基板8とリード線18等により結線され、電気的に接続される。
【0012】
したがってこの実施の形態において、図2(b)に示すように、蓋体13を回転させてIO配置凹部11を開くと、下端縁をカードストッパ6に係止させた状態で非接触型ICカード2(以下、「ICカード」)を外部に露出した傾斜面5に立て掛けることができる。この状態でICカード2とカードリーダ4とは相互に交信をするために十分に接近しており、例えば、ICカード2を決済手段として使用する場合には、決済の度毎にICカード2を所定の読み出し可能位置にセットする必要がない。
【0013】
なお、図1において、カード支持部3は斜め姿勢で固定されたカードリーダ4の読み取り面を利用して形成されている場合を示したが、ICカード2の上下端縁を支承して該ICカード2を傾斜姿勢に保持することができれば、単なる突起であってもよく、この場合、ICカード2と筐体1内部を隔てる隔壁は傾斜面5である必要はなく、さらに、この隔壁をカードリーダ4のカード読み取り面を利用して形成することも可能である。
【0014】
さらに、図1において、カードストッパ6は筐体1の底壁部に形成されているが、図3に示すように、蓋体13裏面に形成することもでき、カード支持部3も、図4に示すように、蓋体13の背面に形成し、蓋体13を開放した姿勢でICカード2を載せるように形成することもできる。この場合、カードリーダ4と実装基板8は、蓋体13のヒンジ12を挿通するリード線18等を使用して結線される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】カード支持部を示す図で、(a)は斜視図、(b)はカード支持部に非接触型ICカードを保持した状態を示す図である。
【図3】図1の変形例を示す図で、(a)は蓋体が閉まっている状態を示す図、(b)はカード支持部に非接触型ICカードを保持した状態を示す図である。
【図4】図1の他の変形例を示す図で、(a)は蓋体が閉まっている状態を示す図、(b)はカード支持部に非接触型ICカードを保持した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0016】
1 筐体
2 非接触型ICカード
3 カード支持部
4 非接触型ICカードリーダ
5 傾斜面
6 突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体前面部に非接触型ICカードを斜め姿勢で立て掛けて支持するカード支持部を備えるとともに、
前記カード支持部の背面部で、前記非接触型ICカードとの交信可能位置に非接触型ICカードリーダが配置される情報処理装置。
【請求項2】
前記カード支持部は、非接触型ICカードリーダの読み取り面により形成される傾斜面と、非接触型ICカードの下端を支持する突部とから形成される請求項1記載の情報処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−305056(P2008−305056A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−150143(P2007−150143)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】