説明

情報処理装置

【課題】キーやボタンに割り当てられる機能を周囲の明るさに応じて変更することの可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態に係る情報処理装置は、本体筐体と、前記本体筐体の上面を覆う閉じ位置と、前記本体筐体の上面が開放される開き位置との間で回動可能となるように前記本体筐体に接続される表示筐体と、前記本体筐体周囲の照度を検出する照度センサと、前記本体筐体の上面に設けられた少なくとも一つのボタンと、前記照度センサにより検出される照度と前記ボタンに割り当てられる機能とを対応付けて設定するためのユーザインタフェースと、前記ボタンが操作された時に、前記照度センサによる検出結果と前記ユーザインタフェースを通じた設定とに応じた機能を実行するためのコードを出力する手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照度センサを備える情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータに代表される情報処理装置は、ユーザが装置を持ち運ぶことを前提に設計されていることが多い。ノート型のパーソナルコンピュータは、オフィス以外にも、飛行機等の輸送機内や出張先のホテルで使用されることもある。そのため、パーソナルコンピュータが十分に明るい場所で使用されることもあれば、例えば飛行機内の消灯時の客席や、間接照明で照らされたホテル室内のように薄暗い場所で使用されることもある。パーソナルコンピュータを一例として、明るさの異なる環境での使用が想定される機器には照度センサが設けられることがある。
【0003】
ユーザの利便性向上のために、周囲環境の照度に応じた制御を行う機器の例として、特許文献1にはリモコン装置が開示されている。リモコン装置に照度計測部を配置し、計測した照度が予め設定されている閾値未満の場合、特定のキー操作のみを有効とする制限モードを設けている。ホームシアター等で周囲の照明を暗くした状態でDVD再生を行っている状態であれば、リモコン装置はDVDの再生に必要な機能に対応したキーのみを有効とし、その他のキーはあえて無効にしてしまうことで、ユーザの操作間違いを防ぐことを意図している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−111451号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パーソナルコンピュータにおいて実行される機能は年々増える傾向にあるが、新たにキーやボタンを配置しようとしてもスペース上の制限から、単純にキーやボタンを追加できないことがある。そのため、より多くの機能を搭載するためには工夫が必要となる。
【0006】
特許文献1に記載された技術では、周囲環境の照度に応じて特定のキーを有効とするか無効とするかを切り替えていると言える。周囲環境に応じて単純に特定のキーの機能を無効とするだけではなく機能を変更することができれば、1つのキーやボタンに複数の機能を持たせることができる。結果として、新たにキーやボタンを追加せずにより多くの機能を搭載することが可能となる。
【0007】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、その目的はキーやボタンに割り当てられる機能を周囲の明るさに応じて変更することの可能な情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明に係る情報処理装置は、情報処理装置であって、本体筐体と、前記本体筐体の上面を覆う閉じ位置と、前記本体筐体の上面が開放される開き位置との間で回動可能となるように前記本体筐体に接続される表示筐体と、前記本体筐体周囲の照度を検出する照度センサと、前記本体筐体の上面に設けられた少なくとも一つのボタンと、前記照度センサにより検出される照度と前記ボタンに割り当てられる機能とを対応付けて設定するためのユーザインタフェースと、前記ボタンが操作された時に、前記照度センサにより検出結果と前記ユーザインタフェースを通じた設定とに応じた機能を実行するためのコードを出力する手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、キーやボタンに割り当てられる機能を周囲の明るさに応じて変更することの可能な情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るコンピュータを示す外観斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係るコンピュータの構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施形態に係るファンクションボタンの機能設定インタフェースを模式的に示す図。
【図4】本発明の実施形態に係るファンクションボタンの機能設定例を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係るファンクションボタン押下時の機能実行の手順例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明に係る実施の形態を、図面を参照して説明する。本実施形態では電子機器としてノート型のコンピュータを例に説明する。図1は本発明の実施形態に係るコンピュータを示す外観斜視図である。
【0012】
コンピュータ1は、本体筐体2と表示筐体3とを備えている。本体筐体2は、上壁2a、左右の側壁2b、底壁2c、を有する偏平な箱状をなしている。上壁2aは、キーボード9を支持している。
【0013】
さらに、本体筐体2は、底壁2cを有するベース6と、上壁2aを有するトップカバー7とに分割されている。トップカバー7は、ベース6を上方から覆うとともに、このベース6に取り外し可能に支持されている。
【0014】
本体筐体2には表示筐体3がヒンジ部4を介して回動可能に取り付けられている。表示筐体3は本体筐体2の上壁2aが開放される開き位置と、本体筐体2の上壁2aが覆われる閉じ位置とで回動可能である。表示筐体3内にはLCD(Liquid Crystal Display)3aから構成される表示装置が組み込まれる。
【0015】
本体筐体2の上壁2aには、ユーザによる入力操作を行うためのタッチパッド8およびキーボード9が取り付けられる。また、本体筐体2の上壁2aにはコンピュータ1の電源をオン/オフするための電源スイッチ10も設けられる。
【0016】
本体筐体2の上壁2aには、LED11、照度センサ12、ファンクションボタン13も設けられる。
LED11は、コンピュータ1の電源状態やHDDへのアクセス状態を示すインジケータとしての役割を果たす。また、暗い部屋でコンピュータ1が使用されている時に、点灯したり点滅したりすることでコンピュータ1を装飾するイルミネーションとしての役割を果たすこともできる。
【0017】
照度センサ12は、照度センサ12に照射される光量を測定することで照度センサ12周囲の照度を検出することができる。結果として、照度センサ12はコンピュータ1の周囲環境の照度を検出することができる。図1では、本体筐体2の上壁2aに照度センサ12が設けられている例を示しているが、コンピュータ1の周囲環境の照度を検出することができるのであれば、他の位置に設けても良い。
【0018】
ファンクションボタン13は、予め割り当てられた機能を実行するためのボタンである。ファンクションボタン13が操作された時に実行される機能としては、例えば、LCD3aの輝度を調整する機能や、DVDを再生する機能や、LED11を点灯/消灯する機能などが挙げられる。このファンクションボタン13にどの機能を割り当てるかはユーザインタフェースを通じて設定することができる。図1にはファンクションボタン13を二つ図示しているが、ファンクションボタン13をいくつ設けるかは任意である。また複数設けたファンクションボタン13に、それぞれ異なる機能を割り当てても良い。
【0019】
図2は本発明の実施形態に係るコンピュータの構成を示すブロック図である。コンピュータ1には、CPU20、チップセット21、主メモリ(RAM)22、グラフィックスコントローラ23、ハードディスクドライブ(HDD)24、BIOS−ROM25、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)30、および表示装置3a、タッチパッド8、キーボード9、電源スイッチ10、LED11、照度センサ12、ファンクションボタン13等が設けられている。
【0020】
CPU20は、コンピュータ1の各コンポーネントの動作を制御するプロセッサである。このCPU20は、HDD24から主メモリ(RAM)22にロードされるオペレーティングシステムおよび各種アプリケーションプログラム/ユーティリティプログラムを実行する。主メモリ(RAM)22は、各種データバッファの格納にも用いられる。
【0021】
また、CPU20は、BIOS−ROM25に格納されたBIOS(Basic Input Output System)も実行する。BIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。BIOSにはBIOSドライバ群が含まれ、各BIOSドライバは、ハードウェア制御のための複数の機能をオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに提供するために、それらの機能に対応する複数のファンクション実行ルーチン群を含んでいる。
【0022】
また、BIOSはHDD24のような記憶装置からオペレーティングシステムを主メモリ(RAM)22に展開して、コンピュータ1をユーザが操作可能な状態にするための処理も実行する。
【0023】
チップセット21は、CPU20とのインタフェース、主メモリ(RAM)22とのインタフェース、グラフィックスコントローラ23とのインタフェースを備えている。また、エンベデッドコントローラ30との通信も行う。
【0024】
グラフィックスコントローラ23は、コンピュータ1のディスプレイモニタとして使用されるLCD3aを制御する。グラフィックスコントローラ23は、OSまたはアプリケーションプログラムによってVRAM231に書き込まれた表示データに対応する映像信号をLCD3aに送出する。
【0025】
HDD24は、OSや各種のアプリケーションプログラム/ユーティリティプログラムおよびデータファイルを格納する。また、ファンクションボタン13に割り当てられる機能と、照度との対応付けを規定した設定テーブルもHDD24に格納される。
【0026】
EC/KBC(エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラ)30は、コンピュータ1の電源管理のためのコントローラと、タッチパッド8、キーボード9、ファンクションボタン13などを制御するキーボードコントローラとが集積された1チップのマイクロコンピュータである。
【0027】
EC/KBC30は、電源コントローラ31と共同して、ユーザによる電源スイッチ10の操作に応答してコンピュータ1をパワーオン/パワーオフする処理を実行する。電源コントローラ31は、コンピュータ1に内蔵されたバッテリ32からの電力、またはACアダプタ33を介して外部から供給される電力を用いて、コンピュータ1内の各コンポーネントに電力を供給する。
【0028】
EC/KBC30は、直接にあるいは図示しないLEDコントローラを仲介させて、LED11の点灯、消灯を制御する。EC/KBC30には、レジスタ30aが設けられる。レジスタ30aには、照度センサ12により検出された照度の値が記憶される。
【0029】
図3は本発明の実施形態に係るファンクションボタンの機能設定インタフェースを模式的に示す図である。本実施形態では、ユーティリティプログラムを通じて提供されるユーザインタフェースによりファンクションボタン13に割り当てる機能と照度との対応付けを設定することができる。
【0030】
「ファンクションボタンの機能設定」の項目では、照度センサ12によって得られる周囲の明るさに応じて、ファンクションボタン13に割り当てる機能を設定することができる。明るい時にファンクションボタン13が操作された時に実行される第1の機能と、暗い時にファンクションボタン13が操作された時に実行される第2の機能と、を個別に設定することが可能である。図3では、明るい時にファンクションボタン13が操作された時には、イルミネーションLEDを消灯する機能が実行され、暗い時にファンクションボタン13が操作された時には、DVD再生を開始する(同時にLCD輝度を下げる)機能が実行される設定となった状態が示されている。
【0031】
なお、明るい時にファンクションボタン13が操作された時には、DVD再生が実行され、暗い時にファンクションボタン13が操作された時にも、DVD再生が実行される、といったように、第1の機能と第2の機能として、同じ機能を割り当てることも可能である。また、ファンクションボタン13が操作された場合であっても、特に何も行わない設定とすることも可能である。
【0032】
「基準照度の設定」の項目では、明るい時、暗い時の基準となる照度を設定することができる。ユーザインタフェース画面の中で、照度レベルを表す目盛り上に示されるカーソルC1を移動させることで基準照度(閾値)を設定することができる。
【0033】
図3では、基準照度(閾値)として「照度レベル3」が設定されている例を示している。この照度レベル3を閾値とし、照度センサ13により検出される照度レベルが1〜3であれば(すなわち閾値以下であれば)周囲環境が「暗い」とされ、照度センサ13により検出される照度レベルが4〜8であれば(閾値より大きければ)周囲環境が「明るい」とされる。
【0034】
図3では、照度を8段階に分けて基準照度を設定する例を示しているが、より細かく基準照度を設定できるようにしても良い。また、基準となる照度レベル(閾値)に対して、周囲環境を「暗い」とする照度を、「閾値未満(照度<閾値)」とするか「閾値以下(照度≦閾値)」とするかは任意に設定して良い。同様に基準となる照度レベル(閾値)に対して、周囲環境を「明るい」とする照度を、「閾値以上(照度≧閾値)」とするか「閾値より大きい(照度>閾値)」とするかは任意に設定して良い。
【0035】
「機能設定のオン/オフ」の項目では、ファンクションボタン13に割り当てられる機能を照度に応じて変更するか否かを設定することができる。チェックボックスC2にチェックを入れれば「機能設定オン」の状態となり、チェックボックスC2のチェックを外せば「機能設定オフ」の状態となる。「機能設定オン」の状態では、ファンクションボタン13に割り当てられる機能を照度に応じて変更することが可能となる。既に述べたように、例えば、周囲環境が「明るい」時にファンクションボタン13が操作された時には、イルミネーションLEDを消灯する機能が実行され、周囲環境が「暗い」時にファンクションボタン13が操作された時には、DVD再生を開始する(同時にLCD輝度を下げる)機能が実行される設定が可能となる。「機能設定オフ」の状態では、ファンクションボタン13に割り当てられる機能を照度に応じて変更することは行われない。すなわち周囲環境が「明るい」時であっても、「暗い」時であってもファンクションボタン13にデフォルトとして割り当てられた機能が適用される。例えば、ファンクションボタン13にデフォルトとして割り当てられた機能が「インターネットブラウザを起動する」機能であれば、周囲環境が「明るい」時であっても、「暗い」時であってもファンクションボタン13が操作された時には、インターネットブラウザが起動される。
【0036】
以上の説明のようにユーティリティプログラムが実行され、ファンクションボタン13に割り当てられる機能と、照度との対応が設定される。この設定は設定テーブルとしてHDD24に記憶される。
【0037】
図4は本発明の実施形態に係るファンクションボタンの機能設定例を示す図である。図4では機能設定例として、パターン1からパターン5までを示している。
パターン1では、周囲環境が「明るい」時には「DVD再生を開始する」機能を、周囲環境が「暗い」時には「DVD再生を開始する(同時にLCD輝度を下げる)」機能をファンクションボタン13に割り当てている。周囲が暗いときにLCD3aの輝度を下げる(またはLCD3aの輝度を最低レベルに切り替える)ことにより、DVD再生されて表示される画像に対して感じる眩しさを抑えることができる。また、LCD3aにより消費される電力も抑えることができる。
【0038】
パターン2では、周囲環境が「明るい」時には「DVD再生を開始する」機能を、周囲環境が「暗い」時には「DVD再生を開始する(同時にイルミネーションLEDを消灯する)」機能をファンクションボタン13に割り当てている。周囲が暗くDVD再生を行う時にイルミネーションLEDを消灯することにより、イルミネーションLEDがDVD視聴の邪魔になることを防止することができる。また、LED11により消費される電力も抑えることができる。
【0039】
パターン3では、周囲環境が「明るい」時には「インターネットブラウザを起動する」機能をファンクションボタン13に割り当て、周囲環境が「暗い」時には「何も行わない」設定としている。周囲環境が「明るい」時には、インターネットブラウザを起動するボタンとして使用する一方で、周囲環境が「暗い」時には、ファンクションボタン13に誤って触れたとしてもユーザの意図しない動作が起こらないようにすることができる。
【0040】
パターン4では、周囲環境が「明るい」時には「LCD輝度を変更する」機能を、周囲環境が「暗い」時には「イルミネーションLEDを消灯する」機能をファンクションボタン13に割り当てている。周囲環境が「明るい」時にはユーザの好みに応じてLCD輝度を変更することができるようにする一方で、周囲環境が「暗い」時にはユーザがイルミネーションLEDによる装飾を望むか消費電力の低減を優先するかによってLED11の点灯/消灯をすることができるようにしている。
【0041】
パターン5では、周囲環境が「明るい」時には「LCD輝度を変更する」機能を、周囲環境が「暗い」時にも「LCD輝度を変更する」機能をファンクションボタン13に割り当てている。周囲環境が「明るい」時であっても、「暗い」時であってもユーザの好みに応じてLCD輝度を変更することができるようにしている。
【0042】
このように、コンピュータ1が使用される周囲環境の照度に応じてファンクションボタン13が操作された時の機能を切り替えることができる。周囲環境そのものが「暗い」時でなくても、ユーザが照度センサ13の部分を指などで押さえながら擬似的に「暗い」環境を作り出すこともできる。すなわち周囲環境が「明るい」時であっても、ユーザが通常にファンクションボタン13を操作した時と、照度センサ13の部分を指などで押さえながら擬似的に「暗い」環境を作り出してファンクションボタン13を操作した時とで、ファンクションボタン13により実行される機能を切り替えるといった使い方も可能である。
【0043】
図5は本発明の実施形態に係るファンクションボタン押下時の機能実行の手順例を示すフローチャートである。EC/KBC30を通じてファンクションボタン13が操作されたことを検出する(ステップ1−1)。ファンクションボタン13が操作されたことを検出すると、照度センサ12によりコンピュータ1の周囲環境の照度が検出される(ステップ1−2)。照度センサ12によって検出された照度は、EC/KBC30に通知され、EC/KBC30は通知された照度をレジスタ30aに保持する。EC/KBC30は、ファンクションボタン13が操作されたことに対応するコードを、BIOSを通してOSに通知する。EC/KBC30は、この時に検出された照度が「明るい」か「暗い」かにより、ファンクションボタン13の操作に応答してどのようなコードをBIOS、OSに通知するかを変更する。
【0044】
照度センサ12によりコンピュータ1の周囲環境の照度が検出されると、EC/KBC30は照度センサ12によって検出された照度を閾値と比較する(ステップ1−3)。検出された照度が閾値よりも大きいときには(ステップ1−3のYes)、EC/KBC30は、周囲環境が「明るい」状態でファンクションボタン13が操作されたことに対応するコードを、BIOSを通してOSに通知する(ステップ1−4)。そして、図3や図4に例示したように、周囲環境が「明るい」状態に対応する機能が実行される(ステップ1−5)。
【0045】
一方、検出された照度が閾値以下であるときには(ステップ1−3のNo)、EC/KBC30は、周囲環境が「暗い」状態でファンクションボタン13が操作されたことに対応するコードを、BIOSを通してOSに通知する(ステップ1−6)。そして、図3や図4に例示したように、周囲環境が「暗い」状態に対応する機能が実行される(ステップ1−7)。
【0046】
ステップ1−3では、「照度が閾値より大きい?」として判断しているが、「照度が閾値以上?」、「照度が閾値未満?」、「照度が閾値以下?」として判断しても良い。なお、照度の通知と照度に応じた機能の実行をするにあたり、変形例として以下の方法を採用しても良い。
【0047】
まず第1の変形例を示す。ファンクションボタン13が操作されたときにEC/KBC30は外部照度に関わらず一定のコードをBIOSに通知する。BIOSはコードを受け取ったときにEC/KBC30経由で照度センサ12により外部の照度を読み取り、読み取った値が予め設定された一定の閾値以上の場合、OSに明照度用のコード(周囲環境が「明るい」状態でファンクションボタン13が操作されたことに対応するコード)を返却する。外部の照度が閾値未満の場合、OSに対して暗照度用のコード(周囲環境が「暗い」状態でファンクションボタン13が操作されたことに対応するコード)を返却する。
【0048】
次に第2の変形例を示す。ファンクションボタン13が操作されたときにEC/KBC30およびBIOSは外部照度に関わらず一定のコードをOSに通知する。OSはコードを受け取ったときにBIOS、EC/KBC30経由で照度センサ12より外部の照度を読み取り、読み取った値が予め設定された一定の閾値以上の場合に明照度用の機能(周囲環境が「明るい」状態でファンクションボタン13が操作されたことに対応する機能)を実行し、閾値未満の場合に暗照度用の機能(周囲環境が「暗い」状態でファンクションボタン13が操作されたことに対応する機能)を実行する。
【0049】
また、本実施形態ではファンクションボタン13を例に説明しているが、ファンクションボタン13に限らずとも、他のキーやボタンの機能を周囲環境の照度に応じて変更することも可能である。
【0050】
本発明の実施形態によれば、キーやボタンに割り当てられる機能を周囲の明るさに応じて変更することの可能な情報処理装置を提供することができる。
本発明ではその主旨を逸脱しない範囲であれば、上記の実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…コンピュータ、2…本体筐体、3…表示筐体、4…ヒンジ、8…タッチパッド、9…キーボード、10…電源スイッチ、11…LED、12…照度センサ、13…ファンクションボタン、20…CPU、21…チップセット、22…主メモリ、23…グラフィックスコントローラ、24…HDD、25…BIOS−ROM、30…エンベデッドコントローラ、31…電源コントローラ、32…バッテリ、33…ACアダプタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
本体筐体と、
前記本体筐体の上面を覆う閉じ位置と、前記本体筐体の上面が開放される開き位置との間で回動可能となるように前記本体筐体に接続される表示筐体と、
前記本体筐体周囲の照度を検出する照度センサと、
前記本体筐体の上面に設けられた少なくとも一つのボタンと、
前記照度センサにより検出される照度と前記ボタンに割り当てられる機能とを対応付けて設定するためのユーザインタフェースと、
前記ボタンが操作された時に、前記照度センサによる検出結果と前記ユーザインタフェースを通じた設定とに応じた機能を実行するためのコードを出力する手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザインタフェースは、前記照度センサにより第1の照度が検出される場合に前記ボタンに割り当てられる第1の機能と、前記照度センサにより第2の照度が検出される場合に前記ボタンに割り当てられる第2の機能とを設定可能であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザインタフェースは、前記照度センサにより検出される照度を第1の照度として扱うか、第1の照度よりも大きい第2の照度として扱うかを決める閾値となる基準照度を設定可能であることを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記照度センサにより第1の照度が検出される場合に前記ボタンに割り当てられる第1の機能と、前記照度センサにより第2の照度が検出される場合に前記ボタンに割り当てられる第2の機能とを同一の機能として設定可能であることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置であって、
本体筐体と、
前記本体筐体の上面を覆う閉じ位置と、前記本体筐体の上面が開放される開き位置との間で回動可能となるように前記本体筐体に接続される表示筐体と、
前記照度センサ周囲の照度を検出する照度センサと、
前記本体筐体の上面に設けられた少なくとも一つのボタンと、
前記照度センサにより検出される照度と前記ボタンに割り当てられる機能とを対応付けて設定する設定手段と、
前記ボタンが操作された時に、前記照度センサによる検出結果と前記設定手段による設定とに応じた機能を実行させる制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記照度センサにより第1の照度が検出される場合に前記ボタンに割り当てられる第1の機能と、前記照度センサにより第2の照度が検出される場合に前記ボタンに割り当てられる第2の機能とを設定可能であることを特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定手段は、前記照度センサにより検出される照度を第1の照度として扱うか、第1の照度よりも大きい第2の照度として扱うかを決める閾値となる基準照度を設定可能であることを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記照度センサにより第1の照度が検出される場合に前記ボタンに割り当てられる第1の機能と、前記照度センサにより第2の照度が検出される場合に前記ボタンに割り当てられる第2の機能とを同一の機能として設定可能であることを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−159083(P2011−159083A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19690(P2010−19690)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】