説明

情報処理装置

【課題】様々の処理を再開させることを容易にする。
【解決手段】第1の処理手段を含む複数の処理手段と、処理手段を動作させる制御手段と、第1の処理手段が動作中で情報を出力中に、入力手段から動作中の処理手段に依存しない所定の動作状況記憶指示入力がされた場合、第1の処理手段を識別する情報と、第1の処理手段が出力中の情報を識別するパラメータとからなる動作状況を記憶手段に記憶させる動作状況格納手段と、入力手段から所定の動作状況表示指示入力がされた場合、記憶手段に記憶された動作状況を識別する情報の一覧を表示手段に表示させ、その一覧表示された動作状況の1つが入力手段からの所定の入力によって選択されると、その選択された動作状況で識別される処理手段を動作させ、その動作状況に含まれるパラメータで識別される情報を出力させる動作状況再開手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置に処理を行わせている際、その処理を中断させ、後刻、中断させた際の状況からその処理を再開させる処理が知られている。この中断及び再開の処理は、情報処理装置が携帯可能である際に、例えば、その装置が移動通信装置である際に、特に求められる。
【0003】
なぜなら、移動通信装置の使用者は、例えば、出勤途上に駅で電車の到着を待つ間や、乗車中に、受信された電子メールを読み、ウェブ(Web)サイトにアクセスしてニュースに目を通す等をしているが、これらは、電車の到着や、下車によって中断せざるを得ない。更には、使用者は、出勤途上に返信が必要な全ての電子メールへの返信や、熟読すべき全てのニュースの熟読を終えることは少ない。返信を要する電子メールはどのメールであるか、また、どのウェブサイトに熟読を要するニュースが記憶されていたか、言い換えると、後刻処理を要する事柄を短時間のうちに知ることが主な関心事であることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−337794号公報(第2−3頁、図7、図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、後刻処理を要する事柄は様々であって、例えば、ウェブサイトへのアクセスに限られるものではなく、また、1つに限られるものでもない。そこで、それらの事柄は、使用者が記憶する他なく、後刻それらの処理を確実に再開させることは容易でない問題点があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、様々の処理を再開させることが容易な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、記憶手段と、入力手段と、表示手段と、第1の処理手段を含む複数の処理手段と、前記処理手段を動作させる制御手段と、前記第1の処理手段が動作中で情報を出力中に、前記入力手段から動作中の前記処理手段に依存しない所定の動作状況記憶指示入力がされた場合、前記第1の処理手段を識別する情報と、前記第1の処理手段が出力中の情報を識別するパラメータとからなる動作状況を前記記憶手段に記憶させる動作状況格納手段と、前記入力手段から所定の動作状況表示指示入力がされた場合、前記記憶手段に記憶された動作状況を識別する情報の一覧を前記表示手段に表示させ、その一覧表示された動作状況の1つが前記入力手段からの所定の入力によって選択されると、その選択された動作状況で識別される前記処理手段を動作させ、その動作状況に含まれるパラメータで識別される情報を出力させる動作状況再開手段とを備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る移動通信装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係るメモ帳部によって表示されるメモ帳画面の一例を示す図。
【図3】本発明の実施形態に係る動作状況の構成の一例を示す図。
【図4】本発明の実施形態に係る動作状況管理部の第1の動作のフローチャート(動作状況を記憶部に記憶させる動作)。
【図5】本発明の実施形態に係る動作状況管理部の第2の動作のフローチャート(動作状況が示す動作を再開させる動作)。
【図6】本発明の実施形態に係る動作状況の一覧表示の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る情報処理装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置が適用された移動通信装置の構成を示すブロック図である。この移動通信装置は、装置全体の制御を行う制御部11と、移動通信網通信部12と、移動通信網に属する基地局(図示せず)との間で無線信号の送受信を行うアンテナ12aと、移動通信網送受信部13と、通話部14と、受話音声出力に用いられるスピーカ14aと、送話音声入力に用いられるマイクロフォン14bと、装置の使用者に情報を視覚的に提示する表示部15と、表示部15の表示画面に接して設置されたタッチパッド16と、使用者からの操作指示を入力するキー入力部17と、記憶部18と、動作状況管理部21と、各種のアプリケーションからなるアプリケーション部31とからなる。
【0011】
なお、表示部15及びタッチパッド16はタッチパネルを構成する。また、制御部11、動作状況管理部21及びアプリケーション部31は、情報処理を行い、記憶部18に記憶されたプログラムがCPU(図示せず)に実行されることによって実装される。制御部11は、OSの機能を実行し、動作状況管理部21及びアプリケーション部31を起動して動作させる。記憶部18には、これらのプログラムの他、各部で使用される情報が主にファイルとして記憶される。
【0012】
上記のように構成された、本発明の実施形態に係る移動通信装置の各部の機能を、図1を参照して説明する。
【0013】
移動通信網通信部12は、アンテナ12aが基地局から受信した無線信号から高周波信号を得て、この高周波信号を移動通信網送受信部13に送信する。また、移動通信網送受信部13から送信された高周波信号をアンテナ12aに送信する。
【0014】
移動通信網送受信部13は、移動通信網通信部12からの高周波信号を増幅、周波数変換及び復調し、それによって得たデジタル音声信号を通話部14へ、制御信号を制御部11へ、それぞれ送信する。更には、移動通信網送受信部13は、通話部14から送信されたデジタル音声信号と、制御部11から送信された制御信号とを変調、周波数変換及び増幅し、高周波信号を得て、それを移動通信網通信部12に送信する。また、アプリケーション部31の要求に従い、各種のサーバ装置(図示せず)との間の通信を行う。
【0015】
通話部14は、移動通信網送受信部13から送信されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、それを増幅してスピーカ14aに送って出力させる。また、マイクロフォン14bが送信するアナログ音声信号を増幅し、それをデジタル音声信号に変換して移動通信網送受信部13へ送信する。
【0016】
表示部15は、使用者に操作を促す表示や、使用者が操作した内容の表示や、装置の動作状態の表示等に用いられる有機ELディスプレー(Organic Electro-Luminescence Display)又はバックライト付きのLCD(Liquid Crystal Display)であって、制御部11及び装置の各部に制御されることで、文字、数字、更に、アイコンを含む画像データを表示、出力する。なお、画像の一部は、操作を識別するソフトキーであり、タッチパッド16のその画像に対応する位置への接触(以後、この接触を単にソフトキーへの接触と称する。)は、その位置と関係付けられた所定の動作をさせるための入力操作とされる。
【0017】
タッチパッド16は、表示部15の表示画面の大きさと略等しい大きさであって、指やスタイラスペン(以後、指及びスタイラスペンを指等と称する。)が接触されたこと、及び、接触がなくなったことを検出する。ここで、接触とは、距離が所定の閾値未満であることを含む。そして、接触が検出された際、接触が検出された位置を制御部11に通知する。また、指等が接触されたままタッチパッド16上を移動した場合、所定の検出時間間隔で接触が検出された位置を制御部11に通知する。
【0018】
このように、表示部15及びタッチパッド16は、タッチパネルとして動作し、タッチパッド16への指等の接触は入力操作となる。なお、以後、指等の接触を単に接触と称する。また、タッチパッド16への接触による入力操作を単に入力操作と称する。なお、接触を検出する方式は、抵抗膜方式、静電容量方式、電磁波の指等による反射を検出する方式等、任意の方式である。
【0019】
キー入力部17は、使用者によって押下される操作キーからなり、操作キーが押下されると、そのキーの識別子を制御部11に通知する。操作キーは、電源のオン、オフキー、通話の際の音量の調整キー、通話の着呼、発信、終話キー等の限られた数の指示キーからなる。
【0020】
動作状況管理部21は、アプリケーション部31の動作中に動作状況記憶を指示する入力操作がされると、その際のアプリケーション部31の動作の状況を動作状況として記憶部18に記憶させる。ここで、動作状況は、動作していたアプリケーション部31中のアプリケーションを識別する情報と、そのアプリケーションが用いたパラメータ等である。このパラメータ等によって、そのアプリケーションの動作の状況が識別される。なお、動作状況記憶の特殊な一例は、その際にそのアプリケーションによって表示部15に表示されていた画像、例えば、そのアプリケーションに割当てられたウィンドウの画像と等しい静止画(以後、キャプチャと称する。)の記憶である。キャプチャは、記憶部18にファイルとして記憶される。
【0021】
また、動作状況再開を指示する入力操作がされると、動作状況管理部21は、記憶部18に記憶された動作状況を表示部15に一覧表示させる。そして、その一覧表示された動作状況の1つを選択する入力操作がされると、その動作状況で識別されるアプリケーションの動作を再開させる。ここで、動作状況再開の特殊な一例は、キャプチャを表示部15に表示させることである。
【0022】
アプリケーション部31は、各種のアプリケーションからなり、移動通信網送受信部13を介してウェブページへアクセスしてそのウェブページが示す画像を表示部15に表示させるブラウザ部(図示せず)や、移動通信網送受信部13を介して電子メールを送受信させ、また、その電子メールや、その電子メールの一覧を表示部15に表示させる電子メール送受信部(図示せず)を含む。また、移動通信網送受信部13を介して接続された外部電子メール送受信装置(図示せず)から電子メールを送受信させ、また、その電子メールや、その電子メールの一覧を表示部15に表示させる外部電子メール送受信部(図示せず)を含む。このように外部電子メール送受信装置を介した電子メールサービスの一例は、ジイメール(登録商標、GMAIL)等のウェブメールサービスである。
【0023】
更に、アプリケーション部31は、移動通信網送受信部13を介してメッセージを掲示板装置(図示せず)に送受信させ、その受信されたメッセージを表示部15に表示させる掲示板処理部(図示せず)を含む。掲示板サービスは、ツイッター(登録商標、TWITTER)のようなリアルタイム性が高いものであっても良く、低いものであっても良い。
【0024】
また、アプリケーション部31は、メモ帳部(図示せず)を含む。メモ帳部は、起動されると、図2に一例を示すメモ帳画面を表示部15に表示させてメモ等のコンテンツを作成して、又は、移動通信網送受信部13を介してコンテンツをダウンロードして記憶部18にファイルとして記憶させ、また、記憶部18にファイルとして記憶されたコンテンツを読出して、出力させて使用者に提示し、入力操作に応じてそのコンテンツの修正や、記憶部18への更新記憶を行う。更には、入力操作に応じてそのファイルを記憶部18から削除する。
【0025】
メモ帳画面には、コンテンツ種類指示ソフトキー15aと、メモ帳コマンドソフトキー15bと、テンキー及び機能キーに対応するソフトテンキー15cとのソフトキーが表示された領域と、文字入力欄15dとからなる。コンテンツ種類指示ソフトキー15aは、入力されるコンテンツの種類を指示するキーであり、コンテンツの種類は、コンテンツ種類指示ソフトキー15aで左に表示されたキーから右に表示されたキーに対応して、以下のいずれかであり、更に、組合せが可能であり、以下に説明するように、装置によって作成可能である。
【0026】
第1に、キー入力文字である。この文字は、ソフトテンキー15cへの接触によって入力、また、修正される文字コードからなり、文字入力欄15dに表示される文字列である。第2に、手書き文字を含む手書き画像である。この画像は、指等が文字入力欄15dに接触されたまま移動した軌跡からなり、その軌跡が文字入力欄15dに表示される画像である。なお、この画像の消去は、消去を指示した上で、消去される画像又は画像の一部が表示された文字入力欄15d中の位置への接触による。
【0027】
第3に、音声である。音声は、マイクロフォン14b又は音声コンテンツ入力用の第2のマイクロフォン(図示せず)によって入力される。第4に、画像である。画像は、カメラ(図示せず)によって写真とした撮影される。第5に、動画である。動画は、カメラによって動画像として撮影されると同時に、マイクロフォン14b又は第2のマイクロフォンによって音声として入力されることにより作成される。
【0028】
これらのコンテンツを出力する際、メモ帳部は、音声はスピーカ14a又は音声コンテンツ出力用の第2のスピーカ(図示せず)から出力させ、文字及び画像は表示部15に表示させる。メモ帳部は、メモ帳コマンドソフトキー15bに含まれるキーへの接触によって、コンテンツをファイルとして記憶部18に記憶させ、また、記憶部18に記憶されたファイルを削除し、更には、動作を終了する。
【0029】
ここで、記憶部18に記憶される動作状況の詳細を説明する。図3は、動作状況の構成の一例を示し、動作状況は、動作状況識別子18aと、登録日時18bと、アプリケーション18cと、動作パラメータ18dと、表示色18eと、動作概要18fとが関連付けられた構成である。
【0030】
動作状況識別子18aは、動作状況を一意に識別可能な任意の識別子である。登録日時18bは、動作状況が記憶された時刻である。アプリケーション18cは、動作状況が記憶される際に動作していたアプリケーション部31中のアプリケーションである。動作パラメータ18dは、アプリケーション18cの動作状況を識別する情報であって、アプリケーション18cは、動作パラメータ18dを参照して動作することによって動作状況が記憶される際の状況に至ったと判断されるものである。例えば、動作パラメータ18dは、アプリケーション18cが参照したパラメータである。なお、動作パラメータ18dは、アプリケーション18cに依存して、異なる種類の情報であることがある。
【0031】
表示色18eは、動作状況を表示部15に一覧表示させる際の表示色であり、例えば、付箋状に表示させるなら、その付箋の表示色である。動作概要18fは、動作状況を表示部15に一覧表示させる際に表示される情報であって、動作状況が付箋状の表示領域に表示されるなら、その領域に表示され、動作状況を使用者に思い出させるための任意の手がかりである。なお、表示される領域の大きさに応じ、動作概要18fの量、例えば文字数は制限されても良い。
【0032】
次に、動作状況管理部21の動作の詳細を説明する。この動作は、第1の動作、即ち、アプリケーションが動作中に所定の入力操作によって起動され、動作状況を記憶部18に記憶させる動作と、第2の動作、即ち、例えば、装置の機能の一覧からなるメニューを介して起動され、主に、記憶部18に記憶された動作状況を表示部15に一覧表示させ、その中の1つが示す動作を再開させる動作とからなる。
【0033】
先ず、図4に示すフローチャートを参照して、動作状況管理部21の第1の動作を説明する。動作状況管理部21は、アプリケーションが動作中に所定の入力操作によって起動されて動作を開始する(ステップS21a)。ここで、この入力操作は、動作中のアプリケーションに依存しない特定の位置に表示される2つのソフトキーのいずれか一方への接触によることが望ましい。後述するように、一方のソフトキーへの接触は、動作中のアプリケーションの動作状況を記憶する指示とし、他方のソフトキーへの接触は、キャプチャを記憶する指示とする。
【0034】
動作状況管理部21は、入力操作による指示を判断し(ステップS21b)、その指示が動作中のアプリケーションの動作状況を記憶する指示である場合、その際に動作中のアプリケーションに応じた動作状況を設定して記憶部18に記憶させて(ステップS21c)、第1の動作を終了する(ステップS21d)。
【0035】
ステップS21cで設定するアプリケーションに応じた動作状況の詳細を説明する。まず、アプリケーションに依存しない情報を説明する。動作状況管理部21は、動作状況識別子18aとして、動作状況を一意に識別可能な任意の情報を設定する。登録日時18bとして、このステップの動作が行われた時刻を設定する。
【0036】
次に、アプリケーションに依存する情報を説明する。動作状況管理部21は、アプリケーション18cとして、この動作ステップの際に入力操作に従って動作していたアプリケーションを設定する。なお、複数のアプリケーションが動作していた場合、表示部15に表示をしていたアプリケーションを設定する。複数のアプリケーションが、例えば、それぞれにウィンドウを割当てられて表示をしていた場合、最も前面に表示されていたウィンドウに対応するアプリケーションを設定する。
【0037】
アプリケーション18cがブラウザ部である場合、動作状況管理部21は、動作パラメータ18dとして、ブラウザ部がアクセスしていたウェブページを識別する情報であって、そのページのURL(Uniform Resource Locator)を設定する。更に、そのページ中のどの部分が表示部15に表示されていたかを示す情報、例えば、表示の冒頭は、そのウェブページが記述されたhtml言語で何行目であったかを含ませても良い。
【0038】
なお、アプリケーション18cがブラウザ部であり、かつ、検索サイトが検索したウェブページの内容概要や、URLが一覧表示されている場合、それぞれの検索されたページのURL全てを設定しても良い。動作パラメータ18dには、1つのウェブページを識別する情報、即ち、1つのURLを記憶させるので、この動作により、複数の動作状況が記憶部18に記憶されることがある。
【0039】
アプリケーション18cが電子メール送受信部、又は、外部電子メール送受信部であり、かつ、電子メールが表示部15に表示されている場合、動作状況管理部21は、動作パラメータ18dとして、表示されていた電子メールを識別する情報であって、受信された電子メールが表示されていた際、その電子メールの送信元と、受信日時とを設定する。また、送信済み電子メールが表示されていた際、その旨と、その送信済み電子メールの送信先と、送信日時とを設定する。更に、それらの電子メールの本文のどの部分が表示部15に表示されていたかを示す情報、例えば、冒頭から何行目であったかを含ませても良い。送信のために作成中で未送信の電子メールが表示されていた際、送信済み電子メールが表示されていた際に準じ、その未送信の電子メールを識別する情報である。
【0040】
なお、電子メール送受信部、又は、外部電子メール送受信部が電子メールを識別する情報を付す場合、動作パラメータ18dは、その識別する情報であるとしても良い。動作状況管理部21は、動作パラメータ18dとして、電子メール送受信部、又は、外部電子メール送受信部が付す識別する情報とは異なる識別する情報を設定する必然性はない。
【0041】
アプリケーション18cが電子メール送受信部、又は、外部電子メール送受信部であり、かつ、複数の電子メールの、例えば、送信元と、標題(Subject)とが表示部15に一覧表示されている場合、動作状況管理部21は、動作パラメータ18dとして、その一覧に含まれる電子メール全てについて、その電子メールが表示されている場合の動作状況を設定する。動作パラメータ18dには、1つの電子メールを識別する情報を記憶させるので、この動作により、複数の動作状況が記憶部18に記憶されることがある。
【0042】
ここで、一覧表示される電子メールは、例えば、全ての受信された電子メールであると限るものではない。電子メール送受信部、又は、外部電子メール送受信部は、入力操作に従って電子メールを複数のフォルダに分類する場合、あるフォルダに分類された電子メールであっても良い。また、電子メール毎に重要、緊急、秘密、お気に入り、その他名目を問わず、入力操作に従ってフラグが付された電子メールであっても良い。
【0043】
外部電子メール送受信部に係る電子メールにこのフラグを付すことは、本発明の実施形態に係る移動通信装置から行われると限るものではない。外部電子メール送受信装置を介した電子メールの送受信を行うことができる装置、例えば、他の移動通信装置や、パソコンから行われても良い。なぜなら、このフラグが付されたか否かは、外部電子メール送受信装置に記憶されるからである。
【0044】
なお、一覧表示される電子メールが多いため表示部15の表示画面に一時には表示されず、全てを表示させるには例えばスクロールが必要となる場合、動作状況管理部21は、表示部15の表示画面に一時に表示されている限られた数の電子メールについて上記のように動作状況を設定しても良く、また、スクロールによれば表示される全ての電子メールについて上記のように動作状況を設定しても良い。
【0045】
アプリケーション18cが掲示板処理部である場合、動作状況管理部21は、動作パラメータ18dとして、アクセスしていた掲示物を識別する情報、例えば、その掲示物のURLを設定する。更に、その掲示物中のどの部分が表示部15に表示されていたかを示す情報、例えば、表示の冒頭は、その掲示物が記述された言語で何行目であったかを含ませても良い。
【0046】
また、掲示板処理部は、掲示物の一覧、例えば、掲示物の投稿者と、標題の一覧を表示する場合、その一覧に含まれる掲示物を識別する情報全てを設定しても良い。動作パラメータ18dには、1つの掲示物を識別する情報を記憶させるので、この動作により、複数の動作状況が記憶部18に記憶されることがある。ここで、一覧表示される掲示物は、全ての掲示物である限るものではなく、あるフォルダに分類された掲示物であっても良く、また、名目を問わず、入力操作に従ってフラグが付された掲示物であっても良い。これは、一覧表示される電子メールの場合の説明で述べたことに準じる。このフラグを付すことは、本発明の実施形態に係る移動通信装置から行われると限るものではないことも電子メールの場合の説明で述べた通りである。
【0047】
アプリケーション18cがメモ帳部である場合、動作状況管理部21は、動作パラメータ18dとして、アクセスしていたファイルのファイル名を設定する。なお、ファイルとして記憶されるコンテンツの種類、例えば、文字であるか画像であるか等は、ファイル名の拡張子に対応するとし、その結果、コンテンツの種類は、動作パラメータ18dに含まれている。
【0048】
動作状況管理部21は、表示色18eとして、アプリケーション18cに対応する色を設定する。なお、表示色18eと、アプリケーション18cとの対応は、動作状況とは別に記憶されるとし、動作状況管理部21の第1の動作で動作状況に記憶させることはないとしても良い。また、表示色18eは、所定の入力操作に従った色が記憶されるとしても良い。具体的には、ステップS21aの動作で説明した動作状況管理部21に動作中のアプリケーションの動作状況を記憶させる契機となるソフトキーが複数表示され、接触されたソフトキーに対応する色が表示色18eとして設定されるとしても良い。このように、入力操作に依存する場合、表示色18eは、例えば、重要度、緊急度、アプリケーション18cが出力していた情報の分野等を示すとすることができ、表示される色であると拘る必要はない。
【0049】
動作概要18fは、上述したように、動作状況を使用者に思い出させるための手がかりであるから、思い出させる効果がありさえすれば如何なる情報でも良い。以下に、アプリケーション18c毎に代表的な情報を例示するが、動作状況管理部21は、以下の情報の全てを設定する必要はない。また、以下の情報に限るものではない。
【0050】
アプリケーション18cがブラウザ部である場合、動作概要18fは、表示されていたウェブページを示すアイコン、そのウェブページが含まれるウェブサイトを示すアイコン、そのページの題名(html言語で、「TITLE」タグに伴われた文字列。)、本文(「BODY」タグに伴われた文字列。)の中の冒頭部分、特徴となる部分、要約等である。更に、そのページが検索サイトによって検索された場合、検索サイトによって作成されたスニペットの冒頭部分、特徴となる部分、要約等である。
【0051】
アプリケーション18cが電子メール送受信部である場合、及び、外部電子メール送受信装置である場合、動作概要18fは、電子メールの発信元を識別する情報(アドレスより、氏名が望ましい。)、電子メールの標題、電子メールの本文の冒頭部分等である。また、送信済み電子メールが表示されていた際、その旨と、そのメールの発信先を識別する情報(アドレスより、氏名が望ましい。)、電子メールの標題、電子メールの本文の冒頭部分等である。送信のために作成中で未送信の電子メールが表示されていた際、送信済み電子メールが表示されていた際に準じる。
【0052】
アプリケーション18cが掲示板処理部である場合、対象とする掲示板サービスがウェブシステムに従っておれば、動作概要18fは、アプリケーション18cがブラウザ部である場合に準じる。また、ウェブシステムに従っているか否かを問わず、掲示物の投稿者や、掲示物の標題や、その掲示物が記憶された装置の識別子や、掲示板の識別子や、掲示物の冒頭部分である。
【0053】
アプリケーション18cがメモ帳部である場合、動作概要18fは、メモ帳部が提示していたコンテンツを示すアイコンや、そのコンテンツの種類を示すアイコンである。また、そのコンテンツの種類に応じて以下に示すものである。そのコンテンツが文字コードからなる文字列である場合、その文字列(文章)の冒頭部分、特徴となる部分、要約等である。そのコンテンツが手書き文字を含む手書き画像や、写真や、動画像を含む画像である場合、その画像の一部や、サムネイル画像である。また、その画像に含まれる文字を認識した文字列である。そのコンテンツが音声である場合、その音声に含まれる声を認識した文字列(文章)の冒頭部分、特徴となる部分、要約等である。
【0054】
一方、ステップS21bで、入力操作による指示がキャプチャを記憶する指示である場合、動作状況管理部21は、その際に動作していたアプリケーションによって表示部15に表示されていた画像と同じ静止画であるキャプチャを作成する(ステップS21e)。なお、複数のアプリケーションが動作していた場合、動作していたアプリケーションは、表示部15に表示をしていたアプリケーションである。また、複数のアプリケーションが、例えば、それぞれにウィンドウを割当てられて表示をしていた場合、動作していたアプリケーションは、最も前面に表示されていたウィンドウに対応するアプリケーションである。
【0055】
そして、動作状況管理部21は、そのキャプチャに係る動作状況を記憶部18に記憶させて(ステップS21f)、第1の動作を終了する(ステップS21d)。ステップS21fで設定する動作状況の詳細を説明する。まず、動作状況識別子18a、登録日時18b、表示色18e、及び、動作概要18fは、ステップS21cの動作の説明に準じる。
【0056】
動作状況管理部21は、アプリケーション18cとして、動作していたアプリケーションを添えてメモ帳部を設定し、動作パラメータ18dとして、ステップS21cの動作で説明した動作していたアプリケーションに依存する動作パラメータを添えて、ステップS21fでキャプチャを記憶させたファイル名を設定する。図3に示す、動作状況識別子18aが「6」である動作状況は、このように記憶された動作状況の一例である。
【0057】
なお、動作状況管理部21は、ステップS21c及びステップS21fで動作状況を記憶部18に記憶させるとしたが、これに加えて、又は、代えて、その動作状況に対応するソフトキーを装置の機能の一覧中に表示させても良い(図示せず)。これは、入力操作によって、特に緊急、重要であると指定された動作状況に限って行われることが適切である。
【0058】
次に、図5に示すフローチャートを参照して、動作状況管理部21の第2の動作を説明する。動作状況管理部21は、例えば、動作状況管理部21を示す画像をソフトキーとして含む装置の機能の一覧が表示部15に表示されている際、そのソフトキーへの接触により動作を開始し(ステップS21m)、動作状況管理部21は、記憶部18に記憶された動作状況の一覧を表示部15に表示させる(ステップS21n)。
【0059】
ここで、表示は、登録日時18bと、アプリケーション18cと、動作概要18fとをそれぞれ識別する情報を含み、動作パラメータ18dを含んでも良い。そして、背景を含む、いずれかの表示が表示色18eでされる。なお、表示部15が白黒の表示を行い、カラーの表示を行わない場合、表示色18eに従い、明度を異ならせて表示、ハッチングを付して表示、文字の大きさを異ならせて表示等がされる。
【0060】
一覧表示される動作状況は、以下のいずれか、又は、以下の複数の組合せによる。第1に記憶部18に記憶された全てである。第2に、表示色18eが所定の値のものである。この所定の値は、1つ、又は、複数個であり、入力操作に応じて変更されて良い。第3に登録日時18bが所定の範囲のものである。この所定の範囲は、1つ、又は、複数個であり、入力操作に応じて変更されて良い。
【0061】
なお、表示部15の表示画面の大きさに限りがあるため、一覧表示の全てを表示不可能な場合、動作状況管理部21は、入力操作に応じて表示をスクロールさせる。また、表示部15の表示画面に表示させる動作状況の個数は、1つであることを含め、任意である。個数が少ない程、1つの動作状況についての、例えば動作概要18fに広い領域を用いることができる。
【0062】
一覧の表示順は、以下のいずれか、又は、以下の複数の組合せによる。第1の順は、登録日時18b順、即ち、記憶された時刻が新しいものから、又は、古いものからである。第2の順は、表示色18e順であり、例えば、受信された電子メールは使用者に向けて送られてきたのであり、使用者以外の閲覧が期待されていないので先に表示、ウェブページは、使用者のみに向けて用意されたものでないから、後に表示とする。又は、動作状況管理部21の第1の動作の際、緊急である旨が使用者によって設定されたものを先に表示とする。
【0063】
図6は、この一覧表示の一例を示し、図3に示す動作状況識別子18aが「1」〜「6」の動作状況が、それぞれ第1〜第6の動作状況表示15e〜15jとして付箋状に表示されている。表示の順は、登録日時18bが遅いもの(最近のもの。)が上、早いものが下である。なお、付箋状の表示の背景色は、図3に示す表示色18eである(図示せず)。また、第1〜第6の動作状況表示15e〜15j外、例えば、表示部15の表示画面の右上隅に、「+」が表示された新規メモ作成ソフトキー15kが表示されている。
【0064】
第1〜第6の動作状況表示15e〜15j全ての右上に「→」が表示されたソフトキーが、右下に「X」が表示されたソフトキーが含まれている。前者は、その動作状況表示に対応する動作状況を指定して動作再開の指示のためのソフトキーであり、後者は、その動作状況表示に対応する動作状況を指定して記憶部18から削除の指示のためのソフトキーである。
【0065】
第1の動作状況表示15eは、アプリケーション18cがブラウザ部である動作状況の表示であり、1行目に「B」を例示したブラウザ部を示す記号と、動作概要18fに含まれているウェブページの題名とが表示されている。2行目には、動作概要18fに含まれているウェブページの本文の冒頭部分が表示され、更に、3行目には、登録日時18bが表示されている。
【0066】
第2の動作状況表示15fは、アプリケーション18cが電子メール送受信部である動作状況の表示であり、1行目に封筒状の電子メール送受信部を示す記号と、動作概要18fに含まれている電子メールの発信元とが表示されている。2行目には、動作概要18fに含まれている電子メールの標題が表示され、更に、3行目には、登録日時18bと、動作概要18fに含まれている電子メールの本文の冒頭部分とが表示されている。
【0067】
第3の動作状況表示15gは、アプリケーション18cが外部電子メール送受信部である動作状況の表示であり、1行目に表示される外部電子メール送受信部を示す記号が第2の動作状況表示15fに含まれる電子メール送受信部を示す記号と異なる他は、第2の動作状況表示15fに準じた表示である。
【0068】
第4の動作状況表示15hは、アプリケーション18cが掲示板処理部である動作状況の表示であり、1行目に「掲」を例示した掲示板処理部を示す記号と、動作概要18fに含まれている投稿者とが表示されている。2行目には、動作概要18fに含まれている掲示物の標題が表示され、更に、3行目には、登録日時18bと、動作概要18fに含まれている掲示物の冒頭部分とが表示されている。
【0069】
第5の動作状況表示15iは、アプリケーション18cがメモ帳部であり、メモ帳部が提示していたコンテンツは手書き文字である場合の動作状況の表示であり、1行目には、磁気ドラム状のメモ帳部を示す記号と、動作概要18fに含まれている手書き文字を含む画像の一部とが表示されている。更に、2行目には、登録日時18bが表示されている。
【0070】
第6の動作状況表示15jは、アプリケーション18cがメモ帳部であり、動作していたアプリケーションとしてブラウザ部が付された動作状況の表示であり、1行目には、メモ帳部を示す記号とブラウザ部を示す記号とが並んで表示されて、ブラウザ部が動作中のキャプチャをメモ帳部が表示することが示されている。その他の表示は、アプリケーション18cがブラウザ部である第1の動作状況表示15eと等しい。なぜなら、図3に示す動作状況識別子18aが「6」である動作状況の動作概要18fは、その動作状況が記憶された際に動作していたブラウザ部の動作状況を使用者に思い出させるための手がかりであるからである。
【0071】
図5に示すフローチャートを参照した動作状況管理部21の第2の動作の説明に戻る。次に、動作状況管理部21は、タッチパッド16からの入力操作を判断し(ステップS21o)、その操作が一覧表示された動作状況の1つを指定して動作再開する指示である場合(図6に示す例では、「→」が表示されたソフトキーへの接触。)、その動作状況のアプリケーション18cに動作パラメータ18dを指定して動作させる(ステップS21p)。この動作により、アプリケーション18cの動作が、動作状況が示す状態、即ち、動作状況が記憶された際の状態から再開され、動作状況管理部21の動作は中断される。
【0072】
ここで、動作再開の一例は、記憶されたキャプチャが表示されることである。このキャプチャを記憶させ、表示させる動作は、動作状況が記憶された際に動作していたアプリケーションがブラウザ部、外部電子メール送受信部、及び、掲示板処理部、即ち、動作に移動通信網送受信部13を介した通信を伴うアプリケーションである場合に特に有効である。なぜなら、既に述べたように、動作状況管理部21は、記憶された動作状況に基づいてアプリケーションの動作を再開させるのであるが、動作の再開に代えてキャプチャの表示によれば、再開させる際に装置が移動通信網の圏外にあっても支障はない。また、通信料の発生がない。
【0073】
なお、動作状況としてキャプチャが記憶されている場合、キャプチャは記憶部18に記憶された画像であって、メモ帳部によってアクセスされるので、アプリケーション18cは、メモ帳部である。しかしながら、アプリケーション18cに動作状況が記憶された際に動作していたアプリケーションを添え、動作パラメータ18dにそのアプリケーションに依存する動作パラメータを添えた。これによれば、動作状況がキャプチャの記憶であることを識別可能である。
【0074】
そこで、一覧表示された動作状況の中で、キャプチャの表示であるものを識別可能に表示することができるだけでなく、所定の入力操作に基づいて、キャプチャが記憶された際に動作していたアプリケーションを、その際に参照していた動作パラメータを参照させて動作再開をさせることもできる。この動作再開によれば、キャプチャとして記憶された画像の周辺の画像、例えば、キャプチャが一部として含まれていたウェブページのキャプチャに含まれない部分や、そのページからリンクが張られたウェブページに容易にアクセスし、表示させることができる。
【0075】
例えば、そのキャプチャが表示されている際、表示のリフレッシュを指示する所定の入力操作に対して上記動作再開をさせることにより、キャプチャの記憶から表示の間にウェブページが更新された場合であっても、容易に更新後の情報へアクセスし、表示させることができる。
【0076】
なお、このウェブページの更新への対応として、動作状況管理部21は、所定の入力操作に基づいて、又は、所定の時間間隔で、動作パラメータ18dに含まれるURLを参照して、キャプチャを作成した際にアクセスしていたウェブページへアクセスし、表示される画像(表示部15に実際に表示されることを要しない。)からキャプチャを作成して更新記憶させても良い。この動作によれば、更新された情報をキャプチャとして記憶させることによって、移動通信網を介することなく新しい情報を表示させることができる。
【0077】
アプリケーション18cの動作が入力操作に基づいて終了すると、動作状況管理部21の動作が再開され、動作状況管理部21は、上記指定された動作状況を記憶部18から削除して(ステップS21q)、ステップS21nの記憶部18に記憶された動作状況の一覧を表示部15に表示させる動作に移る。ここで、動作状況の削除は、ステップS21pでアプリケーション18cの動作が終了したことによって、その動作状況に係る使用者の処理が終了したと判断されるからであるが、これに限るものではない。削除しないとしても良い。また、表示部15に削除するか否かの選択の入力を促す表示をさせ、この表示に応じて入力された操作によって削除するか否かを判断しても良い。
【0078】
ステップS21oで、入力操作が一覧表示された動作状況の1つを指定して削除する指示である場合(図6に示す例では、「X」が表示されたソフトキーへの接触。)、動作状況管理部21は、指定された動作状況を記憶部18から削除して(ステップS21r)、ステップS21nの記憶部18に記憶された動作状況の一覧を表示部15に表示させる動作に移る。ステップS21rで、削除する指示がメモ帳部を起動する動作状況である場合、動作状況管理部21は、その動作状況の動作パラメータ18dで識別されるファイルを記憶部18から削除するが、これに限るものではなく、削除しなくとも良く、また、削除するか否かの指示の入力を促す表示を行い、この表示に応じた入力に従っても良い。
【0079】
ステップS21oで、入力操作がメモ帳部を起動する指示である場合、動作状況管理部21は、メモ帳部を起動する(ステップS21s)。この動作により、動作状況管理部21の動作は中断される。メモ帳部は、図2を参照して説明した表示を行い、入力操作に基づいてファイルを新たに作成し、既存のファイルを出力し、修正し、又は、削除した後、入力操作に基づいて動作を終了する際、その際に使用者に提示していたコンテンツを識別する情報、例えば、そのコンテンツが記憶されたファイル名を制御部11に通知する。ここで、上記既存のファイルは、動作パラメータ18dに記憶されているか否かに依存しない。
【0080】
メモ帳部を起動する指示の一例は、アプリケーション18cがメモ帳部である動作状況を指定して動作再開させる指示(図6に示す例では、「→」が表示されたソフトキーへの接触。)であるが、その指示の別の一例は、新規メモ作成ソフトキー15kへの接触である。このソフトキーへの接触によってメモ帳部を起動する場合、動作状況管理部21は、新規にコンテンツを作成してファイルとして記憶部18に記憶させることをメモ帳部に指示する。
【0081】
メモ帳部の動作が終了すると、動作状況管理部21の動作が再開され、動作状況管理部21は、ステップS21sでメモ帳部によって通知されたファイル名を参照して、メモ帳部が動作を終了する際の動作状況を記憶部18に記憶させ(ステップS21t)、ステップS21nの記憶部18に記憶された動作状況の一覧を表示部15に表示させる動作に移る。ステップS21tの記憶させる動作は、既に説明した第1の動作のステップS21cの動作である。
【0082】
ここで、動作状況として記憶部18に記憶させることは、ステップS21sでメモ帳部が作成してファイルとして記憶させたコンテンツは、使用者が後刻処理すべき事柄を記載した、又は、思い出させるコンテンツであり、そのコンテンツの存在の忘却を避けるためであるが、これに限るものではない。動作状況管理部21は、ファイルとして記憶させたコンテンツが新規に作成された場合に限って動作状況として記憶させても良い。更新された場合に限って更新記憶させても良い。また、動作状況として記憶部18に記憶させるか否かの入力を促す表示をさせ、この表示に応じて入力された操作によって記憶させるか否かを判断しても良い。なお、メモ帳部によってファイルが記憶部18から削除された場合、動作状況管理部21は、動作パラメータ18dがそのファイルのファイル名と等しい動作状況を記憶部18から削除する。
【0083】
ステップS21oで、入力操作が動作状況管理部21の動作終了を指示するものである場合、動作状況管理部21は、第2の動作を終了する(ステップS21u)。
【0084】
なお、動作状況に対応するソフトキーが装置の機能の一覧中に表示されている場合、そのソフトキーへの接触がされると、動作状況管理部21は、動作状況の一覧表示をすることなく、直ちにその動作状況で識別される動作を再開させる(図示せず)。この動作によれば、特に緊急、重要であると指定された動作状況に係る動作の再開が容易である。
【0085】
動作状況管理部21は、例えば、第2の動作中に新規メモ作成ソフトキー15kへの接触によってメモ帳部を起動するとして、他のアプリケーションとは異なる扱いをする。これは、装置の使用者は、他のアプリケーションについては、その出力を視聴して初めて動作状況として記憶させるべきか否かの判断ができるのに対し、メモ帳部については、事前に動作状況として記憶させると決めた上で、例えば文字コンテンツを作成することがあるからである。そのため、新たに処理すべき事柄に気が付いた場合、一旦動作状況管理部21の動作を終了させて、メモ帳部を動作させた上で動作状況を記憶させることなく、容易に動作状況として記憶させ、修正し、又は、削除することができる。
【0086】
なお、このメモ帳部を起動する動作は、動作状況管理部21の第2の動作の中で異質な動作である。そこで、ステップS21nの動作状況を表示する動作の前に、入力操作がメモ帳部を起動する指示であるか否かを判断するとし、その指示で判断される場合、ステップS21s及びステップS21tの動作の後、その指示であるか否かを判断する動作に移っても良い。また、このメモ帳部を起動する動作は、動作状況管理部21の第1の動作に含めても良い。即ち、図4に示す第1の動作のフローチャートで、ステップS21bで、入力操作がメモ帳部を起動する指示であると判断される場合、動作状況管理部21は、ステップS21s及びステップS21tの動作の後、ステップS21bの判断の動作に移っても良い。
【0087】
動作状況管理部21は、以上説明した他、以下の動作状況を記憶部18から削除する(図示せず)。第1に、動作状況の最大件数を事前に定め、それを超える件数の動作状況である。第2に登録日時18bから所定の時間が経過した動作状況である。第3に、毎日所定の時刻となった場合、全ての動作状況である。第4に、毎週所定の曜日の所定の時刻となった場合、全ての動作状況である。第5に、毎月所定の日の所定の時刻となった場合、全ての動作状況である。
【0088】
なお、削除する動作状況は、上記説明で明らかなように、登録日時18bが古いものからが基本であるが、これに限るものではない。表示色18eが所定の値のものからとしても良く、また、組み合わせても良い。例えば、登録日時18bから所定の時間が経過した動作状況を削除するに際し、この所定の時間は、表示色18eが異なると、異なる時間としても良い。ここで、表示色18eが動作状況の緊急度を示していれば、当然に緊急度が低いものをより早く削除する。表示色18eがアプリケーション18cに対応していれば、多数の人がアクセス可能な情報の表示に係るアプリケーション(具体的には、ブラウザ部と、掲示板処理部。)に対応するものをより早く削除する。
【0089】
以上説明した実施形態によれば、動作させている処理に拘らず、後刻再開させたい動作の状況を容易に記憶させることができ、また、その記憶された動作の状況を参照することにより、容易に動作の再開が可能である。
【0090】
以上の説明は、本発明をタッチパッドを備えた装置に適用した例を用いたが、本発明は、タッチパッドを備えず、又は、備えたとしても、キーボードや、マウスを主な入力手段とする装置に当然に適用することが可能である。また、以上の説明は、本発明を移動通信装置に適用した例を用いたが、本発明は、当然にあらゆる情報処理装置、例えば、PDAや、パソコン等に適用することが可能である。本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0091】
11 制御部
15 表示部
16 タッチパッド
17 キー入力部
18 記憶部
18a 動作状況識別子
18b 登録日時
18c アプリケーション
18d 動作パラメータ
18e 表示色
18f 動作概要
21 動作状況管理部
31 アプリケーション部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段と、
入力手段と、
表示手段と、
第1の処理手段を含む複数の処理手段と、
前記処理手段を動作させる制御手段と、
前記第1の処理手段が動作中で情報を出力中に、前記入力手段から動作中の前記処理手段に依存しない所定の動作状況記憶指示入力がされた場合、前記第1の処理手段を識別する情報と、前記第1の処理手段が出力中の情報を識別するパラメータとからなる動作状況を前記記憶手段に記憶させる動作状況格納手段と、
前記入力手段から所定の動作状況表示指示入力がされた場合、前記記憶手段に記憶された動作状況を識別する情報の一覧を前記表示手段に表示させ、その一覧表示された動作状況の1つが前記入力手段からの所定の入力によって選択されると、その選択された動作状況で識別される前記処理手段を動作させ、その動作状況に含まれるパラメータで識別される情報を出力させる動作状況再開手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記複数の処理手段は、前記記憶手段に記憶された情報を読出して前記表示手段に表示する情報読出し手段を含み、
前記動作状況格納手段は、前記第1の処理手段が動作中で情報を出力中に、前記入力手段から情報格納指示入力に続いて情報が入力された場合、その入力された情報を前記記憶手段に記憶させ、前記情報読出し手段を識別する情報と、前記記憶手段に記憶させた情報を識別する情報であるパラメータとからなる動作状況を前記記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の処理手段は、前記記憶手段に記憶された情報を読出して前記表示手段に表示する情報読出し手段を含み、
前記動作状況再開手段は、前記入力手段から情報格納指示入力に続いて情報が入力された場合、その入力された情報を前記記憶手段に記憶させ、前記情報読出し手段を識別する情報と、前記記憶手段に記憶させた情報を識別する情報であるパラメータとからなる動作状況を前記記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
記憶手段と、
入力手段と、
表示手段と、
第1の処理手段を含む複数の処理手段と、
前記処理手段を動作させる制御手段と、
前記第1の処理手段が出力可能な複数の情報を識別する情報を前記表示手段に表示中に、前記入力手段から動作中の前記処理手段に依存しない所定の動作状況記憶指示入力がされた場合、前記第1の処理手段を識別する情報と、前記第1の処理手段が表示中の出力可能な複数の情報の1つを識別するパラメータとからなる複数の動作状況を前記記憶手段に記憶させる動作状況格納手段と、
前記入力手段から所定の動作状況表示指示入力がされた場合、前記記憶手段に記憶された動作状況を識別する情報の一覧を前記表示手段に表示させ、その一覧表示された動作状況の1つが前記入力手段からの所定の入力によって選択されると、その選択された動作状況で識別される前記処理手段を動作させ、その動作状況に含まれるパラメータで識別される情報を出力させる動作状況再開手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記動作状況再開手段は、前記動作状況に含まれるパラメータの少なくとも一部を前記動作状況を識別する情報として前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の処理手段は、URLで識別されるウェブページへアクセスして前記表示手段へ出力するブラウザ手段であり、
前記動作状況は、前記ブラウザ手段を識別する情報と、URLを含むパラメータとである
ことを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の処理手段は、電子メールを前記表示手段へ出力する電子メール送受信手段であり、
前記動作状況は、前記電子メール送受信手段を識別する情報と、電子メール送信元を識別する情報を含むパラメータとである
ことを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
記憶手段と、
入力手段と、
表示手段と、
第1の処理手段を含む複数の処理手段と、
前記処理手段を動作させる制御手段と、
前記第1の処理手段が動作中で前記表示手段に情報を表示中に、前記入力手段から動作中の前記処理手段に依存しない所定の表示状況記憶指示入力がされた場合、前記第1の処理手段が表示中の情報からなる動作状況を前記記憶手段に記憶させる動作状況格納手段と、
前記入力手段から所定の動作状況表示指示入力がされた場合、前記記憶手段に記憶された動作状況を識別する情報の一覧を前記表示手段に表示させ、その一覧表示された動作状況の1つが前記入力手段からの所定の入力によって選択されると、その選択された動作状況である前記表示されていた情報を前記表示手段に表示させる動作状況再開手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
前記動作状況再開手段は、前記動作状況に含まれる表示されていた情報の一部、又は、その情報から作成された情報を前記動作状況を識別する情報として前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−254322(P2011−254322A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127115(P2010−127115)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】