説明

情報出力装置、情報出力方法、情報出力プログラムおよび記録媒体

【課題】同乗者の忘れ物を防止すること。
【解決手段】情報出力装置100は、移動体に搭載されている。検知部101は、移動体内の同乗者を検知する。出力部104は、検知部101によって検知された同乗者に対して所定の携行品の携行の有無を確認する確認情報を出力する。より詳細には、登録部103には、識別部102によって識別された同乗者と携行品の品目とを関連づけて登録されており、出力部104は、識別部102によって識別された同乗者に関連づけられた携行品に関する確認情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、運転者とともに移動体に搭乗する同乗者に対して情報を出力する情報出力装置、情報出力方法、情報出力プログラムおよび記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は、上述した情報出力装置、情報出力方法、情報出力プログラムおよび記録媒体に限られない。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが車両に乗車した際、運転免許証や財布などの必要品の携帯、持参を忘れないように、注意を喚起する技術が知られている(たとえば、下記特許文献1参照)。下記特許文献1には、必要品の携帯、持参について、音で注意を喚起する警告ブザーや、光で注意を喚起する警告ランプ等の警告手段が設けられた車載の忘れ物防止用の警報装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−002209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、主に運転者に対する注意喚起のみをおこなっている。このため、車両内に同乗者がいる場合であっても、同乗者に対して携行品についての注意喚起をおこなうことができないという問題点が一例として挙げられる。たとえば、複数人で車両に乗車する場合、運転者は車両の状態や運転そのものに気を配ることが期待されるため、携行品については同乗者が気を配ることが多い。この場合、同乗者に対して携行品に関する注意喚起をおこなわなければ、注意喚起の実益が薄いと考えられる。
【0005】
また、上記の従来技術では、車両への乗車時にのみ注意喚起をおこない、降車時には注意喚起をおこなうことができないという問題点が一例として挙げられる。たとえば、乗車時には然るべき携行品を携行していても、降車時に車両内に忘れてしまうことは日常的に起こり得る。特に、同乗者は、運転者と比較して車両に戻ることができない場合が多く、降車時に携行品に関する注意喚起をおこなう必要性が高いと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる情報出力装置は、移動体に搭載された情報出力装置であって、前記移動体内の同乗者を検知する検知手段と、前記検知手段によって検知された前記同乗者に対して所定の携行品の携行の有無を確認する確認情報を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項5の発明にかかる情報出力方法は、移動体内に情報を出力する情報出力方法であって、前記移動体内の同乗者を検知する検知工程と、前記検知工程で検知された前記同乗者に対して所定の携行品の携行の有無を確認する確認情報を出力する出力工程と、を含んだことを特徴とする。
【0008】
また、請求項6の発明にかかる情報出力プログラムは、請求項5に記載の情報出力方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項7の発明にかかる記録媒体は、請求項6に記載の情報出力プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態にかかる情報出力装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】情報出力装置による情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】ナビゲーション装置による忘れ物確認処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】ユーザの識別情報および確認情報のデータベースの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報出力装置、情報出力方法、情報出力プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる情報出力装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態にかかる情報出力装置100は、車両などの移動体に搭載されており、検知部101、識別部102、登録部103、出力部104によって構成される。
【0013】
検知部101は、移動体内の同乗者を検知し、その乗降を検知する。検知部101は、たとえば、移動体内に設置されたカメラによって撮影された画像を解析して同乗者の有無を検知する。また、検知部101は、たとえば、移動体内に設置されたマイクによって収集された音声を解析して同乗者の有無を検知する。さらに、検知部101は、たとえば、同乗者が保持しているRFID(Radio Frequency IDentification)タグなどから発せられる信号を用いて同乗者の有無を検知してもよい。
【0014】
識別部102は、同乗者を識別する。識別部102は、たとえば、上記カメラによって撮影された画像や、マイクによって収集された音声、RFIDタグなどから発せられる信号を用いて、同乗者を識別する。
【0015】
登録部103は、識別部102によって識別された同乗者と、後述する確認情報に含ませる携行品の品目とを関連づけて登録する。登録部103は、たとえば、個々の同乗者から確認情報に含めたい携行品の入力を受け付け、個々の同乗者と携行品の品目とを関連づけたデータベースを作成し、保持する。
【0016】
出力部104は、検知部101によって検知された同乗者に対して所定の携行品の携行の有無を確認する確認情報を出力する。出力部104は、同乗者が移動体に乗ったときや降りたときに確認情報を出力する。確認情報とは、たとえば、携行品が携帯電話である場合「携帯電話を忘れていませんか?」などのメッセージや携帯電話をあらわす画像などである。出力部104は、たとえば音声やテキスト、画像などの形態で確認情報を出力する。また、出力部104は、識別部102によって同乗者が識別された場合、その同乗者に関連づけられた携行品に関する確認情報を出力する。
【0017】
図2は、情報出力装置による情報出力処理の手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、情報出力装置100は、検知部101で同乗者の乗降を検知するまで待機する(ステップS201:Noのループ)。同乗者の乗降を検知すると(ステップS201:Yes)、情報出力装置100は、識別部102で同乗者を識別する(ステップS202)。
【0018】
そして、情報出力装置100は、識別された同乗者の確認情報が登録部103に登録されているか否かを判断する(ステップS203)。確認情報が登録されている場合(ステップS203:Yes)、情報出力装置100は、同乗者に関連づけられた確認情報を出力部104から出力して(ステップS204)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、確認情報が登録されていない場合(ステップS203:No)、情報出力装置100は、一般的な確認情報を出力部104から出力して(ステップS205)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0019】
以上説明したように、情報出力装置100は、移動体内の同乗者を検知して、同乗者に対して携行品に関する確認情報を出力する。これにより、同乗者が必要な携行品を携行し忘れるのを防止することができる。より詳細には、同乗者が移動体に乗った際に確認情報を出力すれば、自宅や職場などに携行品を忘れるのを防止し、同乗者が移動体から降りた際に確認情報を出力すれば、移動体内に携行品を忘れるのを防止することができる。
【0020】
一般に、移動体内にいる同乗者は、運転者と比較して数が多い。このため、運転者に限らず同乗者に対しても確認情報を出力することによって、より多くの忘れ物を防止することができる。また、一般に、同乗者は運転者と比較して、忘れ物を取るために移動体に戻ることが困難であると考えられる。これは、同乗者は移動体のキーを所持していない場合が多いことや、所定の地点に送迎した場合など、同乗者のみが移動体を降りる場合が多いことに起因する。このため、同乗者に対して確認情報を出力することは、運転者に対して確認情報を出力するのと比較して、より有用性が高い情報を提供することになる。
【0021】
また、情報出力装置100は、同乗者を識別し、識別された同乗者ごとに登録されている確認情報を出力する。これにより、それぞれの同乗者の生活パターンに即した携行品に関する確認情報を出力し、出力する情報の有用性を向上させることができる。
【実施例】
【0022】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、車両に搭載されたナビゲーション装置300を情報出力装置100として本発明を適用した場合の一例について説明する。
【0023】
(ナビゲーション装置300のハードウェア構成)
まず、ナビゲーション装置300のハードウェア構成について説明する。図3は、ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図3において、ナビゲーション装置300は、CPU301、ROM302、RAM303、磁気ディスクドライブ304、磁気ディスク305、光ディスクドライブ306、光ディスク307、音声I/F(インターフェース)308、マイク309、スピーカ310、入力デバイス311、映像I/F312、ディスプレイ313、カメラ314、通信I/F315、GPSユニット316、各種センサ317を備えている。また、各構成部301〜317は、バス320によってそれぞれ接続されている。
【0024】
まず、CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、経路探索プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。
【0025】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0026】
また、光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどを用いることができる。
【0027】
磁気ディスク305および光ディスク307に記録される情報の一例としては、コンテンツデータや地図データが挙げられる。コンテンツデータは、たとえば楽曲データや静止画データ、動画データなどである。また、地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを含んでおり、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0028】
また、磁気ディスク305および光ディスク307に記録される他の情報として、ナビゲーション装置300が搭載された車両に乗車するユーザを識別するための識別情報データベースや、忘れ物がないか確認する確認情報を記録した確認情報データベースが挙げられる。これらのデータベースの詳細は後述する。
【0029】
音声I/F308は、音声入力用のマイク309および音声出力用のスピーカ310に接続される。マイク309に受音された音声は、音声I/F308内でA/D変換される。マイク309は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置され、その数は単数でも複数でもよい。スピーカ310からは、所定の音声信号を音声I/F308内でD/A変換した音声が出力される。
【0030】
入力デバイス311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス311は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0031】
映像I/F312は、ディスプレイ313に接続される。映像I/F312は、具体的には、たとえば、ディスプレイ313全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ313を制御する制御ICなどによって構成される。
【0032】
カメラ314は、車両内部あるいは外部の画像を撮影する。画像は静止画像あるいは動画像のどちらでもよく、たとえば、カメラ314によって車両外部の風景や地物、車両内部の搭乗者などを撮影し、撮影した映像を映像I/F312を介して磁気ディスク305や光ディスク307などの記録媒体に出力する。また、ナビゲーション装置300に搭載されたカメラ314の他、ユーザが保有するデジタルカメラや携帯電話を映像I/F312に接続して、ナビゲーション装置300に取り込めるようにしてもよい。
【0033】
ディスプレイ313には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ313には、上述した地図データが、2次元または3次元に描画される。ディスプレイ313に表示された地図データには、ナビゲーション装置300を搭載した車両の現在位置をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。車両の現在位置は、CPU301によって算出される。ディスプレイ313としては、たとえば、TFT液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
【0034】
通信I/F315は、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。また、通信I/F315は赤外線通信やBluetooth(登録商標)などの近距離通信によって、搭乗者が保有する電子機器との間でデータの送受信をおこなう。また、通信I/F315は、テレビやラジオなどの放送波を受信する。通信I/F315で受信された放送波は、音声I/F308や映像I/F312を介して、スピーカ310やディスプレイ313に、音声情報や画像情報として出力される。
【0035】
GPSユニット316は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット316の出力情報は、後述する各種センサ317の出力値とともに、CPU301による車両の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0036】
各種センサ317は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ317の出力値は、CPU301による車両の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
【0037】
図1に示した情報出力装置100の検知部101、識別部102、登録部103、出力部104は、図3に示したナビゲーション装置300におけるROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0038】
(ナビゲーション装置300の忘れ物確認機能)
つぎに、ナビゲーション装置300の忘れ物確認機能について説明する。ナビゲーション装置300は、ユーザが車両に乗降した際、必要な携行品を忘れていないかを確認する忘れ物確認機能を備えている。この忘れ物確認機能では、車両を利用するユーザに対して、必要な携行品を忘れていないか確認する確認情報を出力する。確認情報とは、たとえば、携行品が携帯電話である場合「携帯電話を忘れていませんか?」などのメッセージや携帯電話をあらわす画像などである。これにより、ユーザは携行品への注意が喚起され、忘れ物を防止することができる。
【0039】
ナビゲーション装置300では、運転者のみならず、同乗者に対しても確認情報を出力する。これにより、運転者にはなり得ない子供などに対しても確認情報を出力することができる。また、ナビゲーション装置300は、運転者に対する確認情報の内容と同乗者に対する確認情報の内容とを切り替えて出力する。これは、運転者として車両に乗車した場合と、同乗者として車両に乗車した場合とでは、必要な携行品が異なる場合があるためである。具体的には、たとえば、一家の父親が運転者として乗車するのは、家族で外出する場面などが多い。一方、同乗者として乗車するのは、雨の日に通勤のため駅まで送ってもらう場面などが多い。そして、家族で外出する場面と雨の日の通勤場面とでは、必要な携行品が異なってくる。このように、同じ人物でも運転者である場合と同乗者である場合とでは、携行品の種類が異なることがある。
【0040】
また、ナビゲーション装置300は、ユーザが車両に乗車した時のみならず、降車した時にも確認情報を出力する。これにより、ユーザは車両への乗車時には自宅などへの忘れ物を防止し、車両からの降車時には車両内への忘れ物を防止することができる。さらに、ナビゲーション装置300は、乗車時の確認情報の内容と降車時の確認情報に内容とについても切り替える。これは、自宅などに忘れがちな携行品と車両内に忘れがちな携行品とが異なるためである。
【0041】
このように、ナビゲーション装置300では、ユーザ別にきめ細かく内容を切り替えて確認情報を出力する。これにより、ナビゲーション装置300は、それぞれのユーザの要求に即した確認情報を出力することができ、ユーザが忘れ物をする頻度を低減させることができる。
【0042】
図4は、ナビゲーション装置による忘れ物確認処理の手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、車両への乗車時の処理を示している。図4のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、ユーザ(運転者および同乗者)の車両への乗車を検知するまで待機する(ステップS401:Noのループ)。車両への乗車は、たとえば、座席に設置された着座センサや赤外線センサによる検知結果、車両内のカメラ314で撮影した画像の画像解析結果、搭乗者が保持しているRFIDタグから発せられる信号の受信状況などによって検知する。RFIDタグとしては、たとえば専用の端末やカードの他、携帯電話、ICチップを搭載した定期券や社員証などを用いることができる。
【0043】
車両への乗車を検知すると(ステップS401:Yes)、ナビゲーション装置300は、まず運転者を識別するための識別情報を取得し(ステップS402)、運転者を識別できるか否かを判断する(ステップS403)。運転者の識別は、たとえば、カメラ314で撮影された画像を解析したり、マイク309によって収集された音声を解析したり、RFIDタグ内に記憶されたユーザIDを照合することによっておこなう。識別用データは、たとえば、画像解析用の画像データや音声解析用の音声データ、RFIDタグ内のユーザIDなどである。
【0044】
運転者が識別できる場合(ステップS403:Yes)、ナビゲーション装置300は、運転者用確認情報データベースから、識別された運転者に対応する運転者用確認情報を検索して(ステップS404)、検索した運転者用確認情報を出力する(ステップS405)。確認情報の出力は、たとえばスピーカ310からの音声出力や、ディスプレイ313でのテキスト表示または画像表示などによっておこなう。一方、運転者が識別できない場合(ステップS403:No)、運転者は個別の確認情報が登録されていない人物のため、一般的な運転者用確認情報を出力する(ステップS406)。
【0045】
つぎに、ナビゲーション装置300は、車両内に運転者以外の同乗者がいるか否かを判断し(ステップS407)、同乗者がいない場合は(ステップS407:No)、そのまま本フローチャートによる処理を終了する。一方、同乗者がいる場合(ステップS407:Yes)、同乗者を識別するための識別情報を取得し(ステップS408)、同乗者を識別できるか否かを判断する(ステップS409)。ナビゲーション装置300は、たとえば運転者と同様の方法で同乗者を識別する。
【0046】
同乗者が識別できる場合(ステップS409:Yes)、ナビゲーション装置300は、識別された同乗者に対応する同乗者用確認情報を同乗者用データベースから検索して(ステップS410)、検索された同乗者用確認情報を出力して(ステップS411)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、同乗者が識別できない場合(ステップS409:No)、同乗者は個別の確認情報が登録されていない人物のため、一般的な同乗者用確認情報を出力して(ステップS412)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0047】
図5は、ユーザの識別情報および確認情報のデータベースの一例を示す説明図である。図5には、識別情報データベース501、運転者用確認情報データベース502、同乗者用確認情報データベース503および一般的確認情報データベース504が示されている。これらのデータベースに記録されている情報は、たとえば、それぞれのユーザが初めて車両に乗車した際に登録させる。
【0048】
識別情報データベース501には、各ユーザを識別するための識別情報が記録されている。図5の例では、識別情報の一例として、たとえば、ユーザの顔写真の画像データ511、声を記録した音声データ512、RFIDタグの識別ID513が示されている。ナビゲーション装置300は、これらの識別情報に基づいて、車両に乗降したユーザを識別する。
【0049】
運転者用確認情報データベース502には、それぞれのユーザが運転者として車両に乗車した場合に出力する確認情報が記録されている。図示の例では、運転者用確認情報データベース502には、ナビゲーション装置300が搭載された車両を運転する可能性がある(すなわち、運転者となり得る)AさんおよびBさんの確認情報のみが記録されており、車両を運転する可能性のないCさん、Dさん、Eさんの確認情報は記録されていない。
【0050】
運転者用確認情報データベース502に記録された確認情報は、運転者が乗車した際に出力する乗車時確認情報521と、降車する際に出力する降車時確認情報522とに分かれている。ナビゲーション装置300は、運転者が乗車した際には乗車時確認情報521を出力し、降車する際には降車時確認情報522を出力する。
【0051】
同乗者用確認情報データベース503は、それぞれのユーザが同乗者として車両に乗車した場合に出力する確認情報が記録されている。図示の例では、同乗者用確認情報データベース503には、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんの確認情報が記録されている。同乗者用確認情報データベース503に記録された確認情報も、運転者用確認情報データベース502と同様に、同乗者が乗車した際に出力する乗車時確認情報531と、降車する際に出力する降車時確認情報532とに分かれている。ナビゲーション装置300は、同乗者が乗車した際には乗車時確認情報531を出力し、降車する際には降車時確認情報532を出力する。
【0052】
一般的確認情報データベース504は、ユーザが識別できないときに出力する一般的な確認情報が記録されている。一般的確認情報データベース504についても、運転者用確認情報505および同乗者用確認情報506が記録されており、それぞれ乗車時確認情報551,561、降車時確認情報552,562が用意されている。ナビゲーション装置300は、運転者または同乗者を識別できない場合には、一般的確認情報データベース504内の確認情報を出力する。
【0053】
なお、図4に示したフローチャートでは、運転者を先に識別したが、同乗者を先に識別してもよいし、運転者と同乗者を同時に識別してもよい。また、複数の同乗者がいる場合は、複数の同乗者をそれぞれ識別し、それぞれに対応する確認情報を出力する。また、本実施例では、個人別に確認情報を登録することとしたが、男性と女性、大人と子供、家族と家族以外の人物など、運転者および同乗者の属性別に確認情報を登録してもよい。この場合、運転者および同乗者はその属性が識別できればよい。
【0054】
また、車両からの降車時については、乗車時と同様の方法でユーザの降車を検知し、対応する確認情報を出力する。このとき、運転者および同乗者は乗車時に識別されているため、ユーザの識別はおこなわなくてよい。
【0055】
以上説明したように、ナビゲーション装置300は、車両内の同乗者を検知して、運転者のみならず同乗者に対して携行品に関する確認情報を出力する。これにより、同乗者が必要な携行品を携行し忘れるのを防止することができる。より詳細には、同乗者が車両に乗った際に確認情報を出力すれば、自宅や職場などに携行品を忘れるのを防止し、同乗者が車両から降りた際に確認情報を出力すれば、車両内に携行品を忘れるのを防止することができる。
【0056】
一般に、車両内にいる同乗者は、運転者と比較して数が多い。このため、運転者に限らず同乗者に対しても確認情報を出力することによって、より多くの忘れ物を防止することができる。また、一般に、同乗者は運転者と比較して、忘れ物を取るために車両に戻ることが困難であると考えられる。これは、同乗者は車両のキーを所持していない場合が多いことや、所定の地点に送迎した場合など、同乗者のみが車両を降りる場合が多いことに起因する。このため、同乗者に対して確認情報を出力することは、運転者に対して確認情報を出力するのと比較して、より有用性が高い情報を提供することになる。
【0057】
また、ナビゲーション装置300は、同乗者を識別し、識別された同乗者ごとに登録されている確認情報を出力する。これにより、それぞれの同乗者の生活パターンに即した携行品に関する確認情報を出力し、出力する情報の有用性を向上させることができる。
【0058】
なお、本実施の形態で説明した情報出力方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
100 情報出力装置
101 検知部
102 識別部
103 登録部
104 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載された情報出力装置であって、
前記移動体内の同乗者を検知する検知手段と、
前記検知手段によって検知された前記同乗者に対して所定の携行品の携行の有無を確認する確認情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする情報出力装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記同乗者の前記移動体への乗降を検知し、
前記出力手段は、前記同乗者が前記移動体に乗った際に前記確認情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項3】
前記検知手段は、前記同乗者の前記移動体への乗降を検知し、
前記出力手段は、前記同乗者が前記移動体を降りた際に前記確認情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項4】
前記同乗者を識別する識別手段と、
前記識別手段によって識別された前記同乗者と前記携行品の品目とを関連づけて登録する登録手段を備え、
前記出力手段は、前記識別手段によって識別された前記同乗者に関連づけられた前記携行品に関する前記確認情報を出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の情報出力装置。
【請求項5】
移動体内に情報を出力する情報出力方法であって、
前記移動体内の同乗者を検知する検知工程と、
前記検知工程で検知された前記同乗者に対して所定の携行品の携行の有無を確認する確認情報を出力する出力工程と、
を含んだことを特徴とする情報出力方法。
【請求項6】
請求項5に記載の情報出力方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報出力プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の情報出力プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−182189(P2010−182189A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26450(P2009−26450)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(500403929)パイオニアシステムテクノロジー株式会社 (58)
【出願人】(502196463)株式会社テック・エキスパーツ (37)
【Fターム(参考)】