情報出力装置及び情報出力プログラム
【課題】音声出力の速度を設定するための手間を省く。
【解決手段】電子辞書装置1において、図(c)の内容が表示されている状態から、ユーザ操作により反転表示で文字列「assemble」がジャンプ対象単語として指定されると(図(d))、ジャンプ先の辞書データベースとして「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」等の辞書データベース82a〜82gの選択画面が表示部12のディスプレイ10に表示される(図(e))。この選択画面から「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」が指定されると、その格付け「4」が読み出され、当該格付け「4」に対応する変化量「+1ポイント」だけ設定速度ポイントが変更されて更新される。そして、変更後の設定速度ポイントに基づいて音声出力速度が制御される。
【解決手段】電子辞書装置1において、図(c)の内容が表示されている状態から、ユーザ操作により反転表示で文字列「assemble」がジャンプ対象単語として指定されると(図(d))、ジャンプ先の辞書データベースとして「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」等の辞書データベース82a〜82gの選択画面が表示部12のディスプレイ10に表示される(図(e))。この選択画面から「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」が指定されると、その格付け「4」が読み出され、当該格付け「4」に対応する変化量「+1ポイント」だけ設定速度ポイントが変更されて更新される。そして、変更後の設定速度ポイントに基づいて音声出力速度が制御される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力装置及び情報出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、情報出力装置の1種として、電子辞書装置が知られている。この電子辞書装置に内蔵される英和辞典等の辞書データベース(辞書情報)には、多数の見出語に、当該見出語を説明・解説する説明情報が対応付けられて蓄積記憶されている。
【0003】
近年、このような電子辞書装置は、辞書データベースに含まれる見出語や例文の音声データを多数蓄積記憶するようになっており、ユーザにより設定される速度で音声データを音声出力するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−084789
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示の電子辞書装置では、ユーザの語学力が向上して音声出力の速度を上げたいとき等に、手動で音声出力の速度を設定しなければならず、手間がかかっていた。
【0006】
本発明の課題は、音声出力の速度を設定するための手間を省くことができる情報出力装置及び情報出力プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、情報出力装置(例えば、図1の電子辞書装置1B)であって、
各見出語に、説明情報を対応付けてなる辞書情報(例えば、図23の辞書データベース82a〜82g)を記憶する辞書記憶手段(例えば、図23のフラッシュROM8B)と、
前記説明情報中の所定の文字列に音声データを対応付けて記憶する音声データ記憶手段(例えば、図23のフラッシュROM8B)と、
各見出語に、予め設定されたレベルを対応付けて記憶するレベル記憶手段(例えば、図23の見出語レベルテーブル83B)と、
ユーザ操作に基づいて前記辞書情報における何れかの見出語を指定見出語として指定する見出語指定手段(例えば、図1の訳/決定キー2b;図8のステップS11)と、
前記指定見出語に対応する説明情報を前記辞書情報から検索する検索手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B)と、
前記検索手段により検索された説明情報を表示する表示手段(例えば、図23の表示部12;図8のステップS13)と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示手段に表示された説明情報における前記所定の文字列の何れかを指定文字列として指定する文字列指定手段(例えば、図23の訳/決定キー2b;図8のステップS15)と、
前記指定文字列と対応する音声データを音声出力する音声出力手段(例えば、図23の音声出力部13;図8のステップS16)と、
前記指定見出語のレベルを前記レベル記憶手段から検出するレベル検出手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B;図27のステップS55(図8のステップS12))と、
前記レベル検出手段によって検出されたレベルに基づいて前記音声出力手段による音声出力速度を制御する速度制御手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B;図9のステップS31(図8のステップS16))と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、見出語のレベルとは、数値か、或いは数値に換算可能なものである。このようなレベルとしては、例えば難易度を数値化したものを用いることができる。
また、説明情報には見出語自体が含まれることとしても良い。この場合には、所定の文字列は、見出語でも良いし、見出語を含む例文でも良い。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の情報出力装置において、
音声出力速度についての速度情報(例えば、速度ポイント)を記憶する速度記憶手段(例えば、図23の音声出力速度記憶領域86B)と、
前記レベル検出手段によって検出されたレベルに基づいて、見出語の各レベルに、当該レベルの各見出語の検索回数を対応付けて記憶するレベル別検索回数記憶手段(例えば、図23のレベル別回数テーブル88B)と、
前記レベル別検索回数記憶手段中の情報に基づいて、見出語のレベルを、前記検索手段による当該レベルの各見出語の検索回数で重み付けして加重平均することにより検索見出語平均レベルを算出する検索レベル算出手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B;図27のステップS57)と、
前記検索レベル算出手段によって算出された前記検索見出語平均レベルに基づいて前記速度記憶手段における速度情報を変更する速度情報変更手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B;図27のステップS58)と、
を備え、
前記速度制御手段は、前記速度情報変更手段により変更された速度情報に基づいて、音声出力速度を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の情報出力装置において、
音声出力速度についての速度情報(例えば、速度ポイント)を記憶する速度記憶手段(例えば、図23の音声出力速度記憶領域86B)と、
前記レベル検出手段によって検出されたレベルに基づいて、見出語の各レベルに、当該レベルの各見出語に対応する前記所定の文字列の音声出力回数を対応付けて記憶するレベル別出力回数記憶手段(例えば、図23のレベル別回数テーブル88B)と、
前記レベル別出力回数記憶手段中の情報に基づいて、見出語のレベルを、当該レベルの各見出語に対応する前記所定の文字列の音声出力回数で重み付けして加重平均することにより出力見出語平均レベルを算出する出力レベル算出手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B;図27のステップS57)と、
前記出力レベル算出手段によって算出された前記出力見出語平均レベルに基づいて前記速度記憶手段における速度情報を変更する速度情報変更手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B;図27のステップS58)と、
を備え、
前記速度制御手段は、前記速度情報変更手段により変更された速度情報に基づいて、音声出力速度を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の情報出力装置において、
前記検索手段により説明情報の検索された見出語としてのイディオムと、当該説明情報中の前記所定の文字列とを対応付けて蓄積記憶するヒストリ登録手段(例えば、図28のヒストリテーブル84a〜84g)を備え、
前記速度制御手段は、前記ヒストリ登録手段に記憶されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度を高めることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の情報出力装置において、
前記検索手段により説明情報の検索された見出語としてのイディオムと、当該説明情報中の前記所定の文字列とを、ユーザ操作に基づいて対応付けて蓄積記憶する単語帳登録手段(例えば、図28の単語帳テーブル85a〜85g)を備え、
前記速度制御手段は、前記単語帳登録手段に記憶されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度を高めることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の情報出力装置において、
前記所定の文字列は、前記説明情報に含まれる例文であることを特徴とする情報出力装置。
【0014】
請求項7記載の発明は、情報出力プログラム(例えば、図23の情報出力プログラム81B)であって、
各見出語に説明情報を対応付けてなる辞書情報を記憶する辞書記憶手段と、前記説明情報中の所定の文字列に音声データを対応付けて記憶する音声データ記憶手段と、各見出語に予め設定されたレベルを対応付けて記憶するレベル記憶手段と、を備えるコンピュータ(例えば、図1の電子辞書装置1B)に、
ユーザ操作に基づいて前記辞書情報における何れかの見出語を指定見出語として指定する見出語指定機能(例えば、図8のステップS11)と、
前記指定見出語に対応する説明情報を前記辞書情報から検索する検索機能と、
前記検索機能により検索された説明情報を表示する制御を行う表示機能(例えば、図8のステップS13)と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示機能の制御により表示された説明情報における前記所定の文字列の何れかを指定文字列として指定する文字列指定機能(例えば、図8のステップS15)と、
前記指定文字列と対応する音声データを音声出力する音声出力機能(例えば、図8のステップS16)と、
前記指定見出語のレベルを前記レベル記憶手段から検出するレベル検出機能(例えば、図27のステップS55)と、
前記レベル検出機能によって検出されたレベルに基づいて前記音声出力機能による音声出力速度を制御する速度制御機能(例えば、図9のステップS31)と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1,7記載の発明によれば、指定見出語のレベルに基づいて、当該指定見出語に対応する文字列の音声出力速度が制御されるので、従来と異なり、音声出力速度を設定する手間を省くことができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、見出語のレベルを、当該レベルの各見出語の検索回数で重み付けして加重平均することにより検索見出語平均レベルが算出され、算出された検索見出語平均レベルに基づいて速度情報が変更され、変更された速度情報に基づいて音声出力速度が制御されるので、ユーザの語学力に合わせて音声出力速度を設定することができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、見出語のレベルを、当該レベルの各見出語に対応する所定の文字列の音声出力回数で重み付けして加重平均することにより出力見出語平均レベルが算出され、算出された出力見出語平均レベルに基づいて速度情報が変更され、変更された速度情報に基づいて音声出力速度が制御されるので、ユーザの語学力に合わせて音声出力速度を設定することができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、ヒストリ登録手段に記憶されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度が高められるので、音声出力速度をユーザの語学力に確実に合わせることができる。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、単語帳登録手段に記憶されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度が高められるので、音声出力速度をユーザの語学力に確実に合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る情報出力装置を適用した電子辞書装置の概略構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は部分平面図である。
【図2】本発明に係る情報出力装置を適用した電子辞書装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】辞書データベース群を示す図である。
【図4】辞書データベースの構造を示す図である。
【図5】辞書レベルテーブルを示す図である。
【図6】速度制御用テーブルを示す図である。
【図7】格付け−速度変化量テーブルを示す図である。
【図8】辞書検索処理を示すフローチャートである。
【図9】音声読み上げ処理を示すフローチャートである。
【図10】設定速度変更処理を示すフローチャートである。
【図11】辞書検索処理が実行される場合のディスプレイの表示内容を示す図である。
【図12】本発明に係る情報出力装置を適用した電子辞書装置の概略構成を示すブロック図である。
【図13】辞書レベルテーブルを示す図である。
【図14】辞書レベルテーブルを示す図である。
【図15】速度制御用テーブルを示す図である。
【図16】設定速度変更処理を示すフローチャートである。
【図17】辞書検索処理が実行される場合のディスプレイの表示内容を示す図である。
【図18】辞書検索処理が実行される場合のディスプレイの表示内容を示す図である。
【図19】外部情報記憶媒体を示す図である。
【図20】辞書データベース群を示す図である。
【図21】辞書レベルテーブルを示す図である。
【図22】設定速度変更処理の変形例を説明するための図である。
【図23】本発明に係る情報出力装置を適用した電子辞書装置の概略構成を示すブロック図である。
【図24】見出語レベルテーブルを示す図である。
【図25】速度制御用テーブルを示す図である。
【図26】レベル別回数テーブルを示す図である。
【図27】設定速度変更処理を示すフローチャートである。
【図28】ヒストリ一覧テーブルまたは単語帳テーブルを示す図である。
【図29】音声読み上げ処理を示すフローチャートである。
【図30】音声読み上げ処理の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1〜図30を参照して、本発明に係る情報出力装置を適用した電子辞書装置の実施形態について説明する。
【0022】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態における電子辞書装置の構成を説明する。
[外観構成]
図1(a)は本実施形態における電子辞書装置1の斜視外観図である。
この図に示すように、電子辞書装置1は、ディスプレイ10、スピーカ11、カードスロット5及びキー群2を備えている。
【0023】
ディスプレイ10は、ユーザによるキー群2の操作に応じた文字や符号等、各種データを表示する部分であり、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等によって構成されている。
スピーカ11は、ユーザによるキー群2の操作に応じた見出語や例文の音声を出力する部分である。
カードスロット5は、種々の情報を記憶した外部情報記憶媒体5aと着脱可能に設けられている。
【0024】
キー群2は、ユーザが電子辞書装置1を操作するための各種キーを有している。具体的には、図1(b)に示すように、キー群2は、電源キー2aと、訳/決定キー2bと、文字キー2cと、辞書選択キー2dと、カーソルキー2eと、シフトキー2fと、戻るキー2gと、単語音声出力キー2hと、例文読み上げキー2iと、速度設定キー2jと、単語帳キー2kと、ヒストリキー2mと、ジャンプキー2n等とを有している。
【0025】
電源キー2aは、電源のON/OFFを切り替えるためのキーである。訳/決定キー2bは、検索の実行や、見出語の決定等に使用されるキーである。文字キー2cは、ユーザによる文字の入力等に使用されるキーであり、本実施の形態においては“A”〜“Z”キーを備えている。辞書選択キー2dは、後述の辞書データベースの選択に使用されるキーである。
【0026】
カーソルキー2eは、画面内の反転表示位置、つまりカーソル位置の移動等に使用されるキーである。シフトキー2fは、日本語の単語を検索対象に設定するとき等に使用されるキーである。戻るキー2gは、前回表示した画面に戻るとき等に使用されるキーである。
【0027】
単語音声出力キー2hは、見出語を音声出力させるとき等に使用されるキーである。例文読み上げキー2iは、例文を構成する単語の音声を、先頭の単語から順次出力させるとき等に使用されるキーである。
【0028】
速度設定キー2jは、音声出力速度を設定するとき等に使用されるキーであり、例えばカーソルキー2eと組み合わせて使用されるようになっている。単語帳キー2kは、説明情報の表示された見出語や例文を登録して後述の単語帳テーブル群85(図2参照)に蓄積記憶させるときや、単語帳テーブル群85に蓄積記憶された見出語や例文を一覧表示するとき等に使用されるキーであり、本実施の形態においては、単語帳登録を行う場合にはシフトキー2fと組み合わせて使用され、登録内容を一覧表示する場合には単独で使用されるようになっている。
【0029】
ヒストリキー2mは、後述のヒストリテーブル群84(図2参照)に蓄積記憶された見出語や例文を一覧表示するとき等に使用されるキーである。ジャンプキー2nは、ジャンプ機能を起動するときに使用されるキーである。なお、ジャンプ機能とは、説明情報が表示されている際に当該説明情報中の単語(以下、ジャンプ対象単語とする)をユーザが選択すると、そのジャンプ対象単語に対応する見出語がジャンプ先、つまり再検索先の辞書で再度検索される機能のことである
【0030】
[内部構成]
図2は、電子辞書装置1の概略構成を示すブロック図である。
この図に示すように、電子辞書装置1は、表示部12、音声出力部13、記録媒体読取部15、入力部14、CPU6、RAM7及びフラッシュROM8を備えている。
【0031】
表示部12は、上述のディスプレイ10を備えており、CPU6から入力される表示信号に基づいて各種情報をディスプレイ10に表示するようになっている。
音声出力部13は、上述のスピーカ11を備えており、CPU6から入力される音声出力信号に基づいて音声データをスピーカ11に再生させるようになっている。
【0032】
記録媒体読取部15は、上述のカードスロット5を備えており、当該カードスロット5に装着された外部情報記憶媒体5aから情報を読み出すようになっている。
入力部14は、上述のキー群2を備えており、押下されたキーに対応する信号をCPU6に出力するようになっている。
【0033】
CPU6は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、電子辞書装置1を統括的に制御するようになっている。具体的には、CPU6は、入力部14から入力される操作信号等に応じてフラッシュROM8に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU6は、処理結果をRAM7に保存するとともに、当該処理結果を表示するための表示信号を適宜表示部12に出力して、対応した表示内容を表示させる。
【0034】
フラッシュROM8は、電子辞書装置1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するメモリである。本実施の形態においては、フラッシュROM8は、本発明に係る情報出力プログラム81と、辞書データベース群82と、ヒストリテーブル群84と、単語帳テーブル群85と、辞書レベルテーブル83と、音声出力速度記憶領域86と、速度制御用テーブル87と、格付け−速度変化量テーブル88等とを記憶している。
【0035】
情報出力プログラム81は、後述の辞書検索処理(図8〜図10参照)をCPU6に実行させるためのプログラムである。
【0036】
辞書データベース群82は、電子辞書装置1に内蔵されている複数種類の辞書データベースを有しており、本実施の形態においては、図3に示すように、英語関連の辞書データベースとして、「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」の辞書データベース82aと、「ジ○ニアス英和辞典」の辞書データベース82bと、「ジ○ニアス和英辞典」の辞書データベース82cと、「ロ○グマンロ○ェシソーラス辞典」の辞書データベース82dと、「英語類語辞書」の辞書データベース82eと、「カタカナで引くスペリング辞典」の辞書データベース82fと、「リ○ダーズ英和辞典」の辞書データベース82g等とを有している。
【0037】
これらの辞書データベース82a〜82gは、例えば図4に1例を示すように、複数の見出語と、この見出語を詳細に説明する説明情報とを対応付けて格納している。ここで、説明情報には、見出語を含む例文が含まれる。また、これら辞書データベース82a〜82gには、例文に対応する音声データが格納されている。
【0038】
また、図2に示すように、ヒストリテーブル群84は、各辞書データベース82a〜82gに関するヒストリ一覧テーブル84a〜84gを有している。これらヒストリ一覧テーブル84a〜84gは、対応する辞書データベース82a〜82gの検索履歴を示すものであり、辞書データベース82a〜82g中の説明情報が読み出されて表示された際に、その見出語や例文を蓄積して格納する、つまりヒストリ登録するようになっている。
【0039】
単語帳テーブル群85は、各辞書データベース82a〜82gに関する単語帳テーブル85a〜85gを有している。これら単語帳テーブル85a〜85gは、対応する辞書データベース82a〜82g中の説明情報が読み出されて表示され、ユーザ操作により単語帳登録が指示された際に、その見出語や例文を単語帳見出語として蓄積して格納する、つまり単語帳登録するようになっている。
【0040】
なお、この単語帳テーブル85a〜85gと上述のヒストリ一覧テーブル84a〜84gには、蓄積記憶される見出語や例文の数に上限があり、これを超えた場合には、古いものから順に削除されるようになっている。
【0041】
辞書レベルテーブル83は、電子辞書装置1の各内蔵辞書の格付けを定義したデータテーブルであり、図5に示すように、内蔵された辞書データベース82a〜82g毎に、辞書名と、その辞書の難易度などのレベルを示す格付けとを対応付けて格納している。なお、図5では、格付けを星マーク「☆」の個数で示しており、難易度の高い辞書ほど個数が多くなっている。
【0042】
音声出力速度記憶領域86は、音声出力部13による音声出力の設定速度を設定速度ポイントとして記憶するようになっている。ここで、本実施の形態においては、設定速度ポイントは0〜1000の値をとるようになっている。
【0043】
速度制御用テーブル87は、音声出力速度記憶領域86における設定速度ポイントに基づいて音声出力部13による音声出力の速度を制御するためのテーブルであり、本実施の形態においては、音声出力速度を「低速」、「やや低速」、「中速」、「やや高速」及び「高速」の5段階で制御するようになっている。より詳細には、速度制御用テーブル87は、速度ポイントを音声出力速度に対応付けて格納しており、図6に示すように、速度ポイントが「0〜199」の場合には音声出力速度を「低速」に、速度ポイントが「200〜399」の場合には音声出力速度を「やや低速」に、速度ポイントが「400〜599」の場合には音声出力速度を「中速」に、速度ポイントが「600〜799」の場合には音声出力速度を「やや高速」に、速度ポイントが「800〜1000」の場合には音声出力速度を「高速」にするようになっている。
【0044】
格付け−速度変化量テーブル88は、図7に示すように、辞書データベース82a〜82gの格付けと、当該格付けに対応する設定速度ポイントの変化量とを対応付けて格納している。
【0045】
また、上述の図2に示すように、RAM7は、CPU6が実行する各種プログラムや、これらプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持するメモリ領域を備えるものであり、本実施の形態においては、指定見出語記憶領域71、指定辞書種別格納領域72及びジャンプ対象単語記憶領域73を備えている。
【0046】
指定見出語記憶領域71には、辞書引きする対象の見出語としてユーザによって指定された指定見出語が記憶されるようになっている。この指定見出語は、本実施の形態においては、入力文字や指定文字に前方一致するようアルファベット順或いは五十音順に辞書データベースから読み出された見出語の一覧から選択されるようになっている。
【0047】
指定辞書種別格納領域72には、ユーザによって指定された辞書データベース82a〜82gの種類が記憶されるようになっている。
ジャンプ対象単語記憶領域73には、ジャンプ対象単語が記憶されるようになっている。
【0048】
[辞書検索処理]
続いて、電子辞書装置1の動作について説明する。図8〜図10は、CPU6がフラッシュROM8から情報出力プログラム81を読み出して実行する辞書検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【0049】
まず、図8に示すように、CPU6は、ユーザ操作に応じて辞書検索処理の実行が指示されると、音声出力速度記憶領域86から音声出力の設定速度ポイントを読み出す(ステップS1)。
【0050】
次に、CPU6は、辞書選択キー2dの操作によって辞書データベース82a〜82gが指定されたか否かを判定する(ステップS2)。
【0051】
このステップS2において辞書データベース82a〜82gが指定されていないと判定した場合(ステップS2;No)には、CPU6は、例えばヒストリキー2mの操作などにより、RAM7やフラッシュROM8中のテキスト、つまり見出語や例文が指定されているか否かを判定し(ステップS3)、指定されていないと判定した場合(ステップS3;No)には、他の処理へ移行する。
【0052】
また、ステップS3においてテキストが指定されていると判定した場合(ステップS3;Yes)には、CPU6は指定のテキストを読み出して表示部12に表示させた後(ステップS4)、単語音声出力キー2hや例文読み上げキー2iが操作されるか否かを判定し(ステップS5)、操作されないと判定した場合(ステップS5;No)には、他の処理へ移行する。
【0053】
また、ステップS5において単語音声出力キー2hや例文読み上げキー2iが操作されたと判定した場合(ステップS5;Yes)には、CPU6は、ユーザ操作に基づいてテキスト中の読み上げ範囲を指定し(ステップS6)、音声読み上げ処理を行う(ステップS7)。
【0054】
具体的には、図9に示すように、まずCPU6は、音声出力速度記憶領域86から音声出力の設定速度ポイントを読み出す(ステップS30)。次に、CPU6は、読み出した設定速度ポイントを速度制御用テーブル87によって音声出力速度に変換した後、この音声出力速度で指定範囲のテキストを音声出力し(ステップS31)、これにより音声読み上げ処理を終了する。
【0055】
そして、音声読み上げ処理が終了すると、図8に示すように、CPU6は、上述のステップS5の処理に移行する。
【0056】
一方、上述のステップS2において辞書データベース82a〜82gが指定されていると判定した場合(ステップS2;Yes)には、CPU6は、辞書選択キー2dの押下に応じて、辞書データベース群82の中から何れか1つの辞書データベースを指定辞書データベースとして指定した後、指定辞書データベースの種別を指定辞書種別格納領域72に記憶するとともに、指定辞書データベースの種別に対応する文字入力画面を表示部12に表示させる(ステップS8)。
【0057】
例えば、ユーザ操作によって「ジ○ニアス和英辞典」の辞書データベース82cが指定された場合(ステップS2;Yes)には、表示部12のディスプレイ10には、図11(a)に示すような文字入力画面が表示される(ステップS8)。
【0058】
次に、図8に示すように、CPU6は、文字キー2cの操作によって検索対象の見出語、つまり検索語が入力されると(ステップS9)、当該検索語に前方一致する見出語を先頭にして、指定の辞書データベースに記憶されている順に見出語を読み出し、表示部12に一覧表示させる(ステップS10)。
【0059】
例えば、図11(a)の内容が表示されている状態からユーザ操作によって検索語「あつまる」が入力されると(ステップS9)、図11(b)に示すように、当該検索語に対応する見出語が表示部12のディスプレイ10に一覧表示される(ステップS10)。
【0060】
次に、図8に示すように、CPU6は、カーソルキー2eや訳/決定キー2b等の操作によって何れかの見出語が指定見出語として指定されると(ステップS11)、当該指定見出語を指定見出語記憶領域71に記憶するとともに、音声出力の設定速度変更処理を行う(ステップS12)。
【0061】
具体的には、図10に示すように、CPU6は、指定辞書種別格納領域72内の情報に基づいて指定辞書データベース82a〜82gの格付けを辞書レベルテーブル83から読み出した後(ステップS35)、格付け−速度変化量テーブル88に基づいて、当該格付けに対応する変化量だけ音声出力速度記憶領域86内の設定速度ポイントを変更して更新し(ステップS36)、設定速度変更処理を終了する。
【0062】
例えば、図11(b)の内容が表示されている状態からユーザ操作により反転表示で見出語「あつまる[集まる]」が指定見出語として指定されると(ステップS11)、辞書レベルテーブル83(図5参照)から、「ジ○ニアス和英辞典」の辞書データベース82cの格付け「3」が読み出され(ステップS35)、格付け−速度変化量テーブル88(図7参照)に基づいて、当該格付け「3」に対応する変化量「変化なし」だけ音声出力速度記憶領域86(図6参照)内の設定速度ポイントが変更されて更新される(ステップS36)。
【0063】
次に、図8に示すように、CPU6は、指定見出語記憶領域71内の情報に基づいて指定見出語の説明情報を指定辞書データベース82a〜82gから検索して表示部12に表示させる(ステップS13)。
【0064】
例えば、図11(b)の内容が表示されている状態からユーザ操作により反転表示で見出語「あつまる[集まる]」が指定見出語として指定されると(ステップS11)、図11(c)に示すように、当該指定見出語の説明情報が表示部12のディスプレイ10に表示される。
【0065】
次に、図8に示すように、CPU6は、単語音声出力キー2hまたは例文読み上げキー2iが操作されるか否かを判定する(ステップS14)。このステップS14において単語音声出力キー2hまたは例文読み上げキー2iが操作されたと判定した場合(ステップS14;Yes)には、CPU6は、ユーザ操作に基づいて読み上げ範囲を指定し(ステップS15)、上述のステップS30〜ステップS31(図9参照)の音声読み上げ処理を行った後(ステップS16)、ステップS14の処理に移行する。
【0066】
また、ステップS14において単語音声出力キー2h及び例文読み上げキー2iが操作されないと判定した場合(ステップS14;No)には、CPU6は、ジャンプキー2nが操作されるか否かを判定し(ステップS17)、操作されないと判定した場合(ステップS17;NO)には、他の処理へ移行する。
【0067】
また、ステップS17においてジャンプキー2nが操作されたと判定した場合(ステップS17;Yes)には、CPU6は、ユーザ操作に基づいて、説明情報中の文字列をジャンプ対象単語として指定するとともに、当該ジャンプ対象単語をジャンプ対象単語記憶領域73に記憶する(ステップS18)。また、CPU6は、ジャンプ先の辞書データベース82a〜82gを指定辞書データベース82a〜82gとして指定するとともに、当該指定辞書データベース82a〜82gを指定辞書種別格納領域72に記憶する(ステップS19)。
【0068】
次に、CPU6は、上述のステップS35〜ステップS36(図10参照)の設定速度変更処理を行い(ステップS20)、ステップS18で指定されたジャンプ対象単語に対応する見出語の説明情報を指定辞書データベース82a〜82gから検索して表示部12に表示させた後(ステップS21)、上述のステップS14の処理に移行する。
【0069】
例えば、図11(c)の内容が表示されている状態から、図11(d)に示すように、ユーザ操作により反転表示で文字列「assemble」がジャンプ対象単語として指定されると(ステップS18)、図11(e)に示すように、ジャンプ先の辞書データベースとして「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」等の辞書データベース82a〜82gの選択画面が表示部12のディスプレイ10に表示される。次に、この選択画面から「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」の辞書データベース82aが指定されると(ステップS19)、辞書レベルテーブル83(図5参照)から当該辞書データベース82aの格付け「4」が読み出され(ステップS35)、格付け−速度変化量テーブル88(図7参照)に基づいて、当該格付け「4」に対応する変化量「+1ポイント」だけ音声出力速度記憶領域86(図6参照)内の設定速度ポイントが変更されて更新される(ステップS36)。そして、図11(f)に示すように、ジャンプ対象単語「assemble」に対応する見出語の説明情報が辞書データベース82aから検索されて表示部12のディスプレイ10に表示される(ステップS21)。
【0070】
以上の電子辞書装置1によれば、図10のステップS35〜ステップS36に示したように、辞書データベース82a〜82gの格付けに基づいて設定速度ポイントが更新されて音声出力速度が制御されるので、従来と異なり、音声出力速度を設定する手間を省くことができる。また、検索に使用される辞書データベース82a〜82gの格付けに基づいて音声出力速度が制御されるので、ユーザの語学力に合わせて音声出力速度を設定することができる。
【0071】
<第1実施形態の変形例>
続いて、上記第1実施形態の変形例について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0072】
図12に示すように、本変形例における電子辞書装置1Aは、フラッシュROM8Aを備えており、このフラッシュROM8Aは、本発明に係る情報出力プログラム81Aと、辞書レベルテーブル83A、音声出力速度記憶領域86Aと、速度制御用テーブル87Aと記憶している。
【0073】
情報出力プログラム81Aは、後述の辞書検索処理(図8,図9,図16参照)をCPU6に実行させるためのプログラムである。
【0074】
辞書レベルテーブル83Aは、図13,図14に示すように、内蔵された辞書データベース82a〜82g毎に、辞書名と、その辞書の難易度などのレベルを示す格付けと、使用回数及び使用割合とを対応付けて格納している。ここで、図13はデフォルト状態の辞書レベルテーブル83Aを、図14はユーザによって電子辞書装置1Aが使用された後の辞書レベルテーブル83Aを示している。
【0075】
なお、図13,図14では、格付けを星マーク「☆」の個数で示しており、難易度の高い辞書ほど個数が多くなっている。また、これらの図では、辞書の一部の図示を省略している。また、この辞書レベルテーブル83Aには、使用回数の総数に上限があり、これを超えた場合には、各使用回数が所定の定数で除算されるようになっている。
【0076】
音声出力速度記憶領域86Aは、音声出力部13による音声出力の設定速度を設定速度ポイントとして記憶するようになっており、本実施の形態においては、設定速度ポイントは0.00〜5.00の値をとるようになっている。
【0077】
速度制御用テーブル87Aは、音声出力速度記憶領域86Aにおける設定速度ポイントに基づいて音声出力部13による音声出力の速度を制御するためのテーブルであり、本実施の形態においては、音声出力速度を「低速」、「やや低速」、「中速」、「やや高速」及び「高速」の5段階で制御するようになっている。より詳細には、速度制御用テーブル87Aは、速度ポイントを音声出力速度に対応付けて格納しており、図15に示すように、速度ポイントが「0.00〜0.99」の場合には音声出力速度を「低速」に、速度ポイントが「1.00〜1.99」の場合には音声出力速度を「やや低速」に、速度ポイントが「2.00〜2.99」の場合には音声出力速度を「中速」に、速度ポイントが「3.00〜3.99」の場合には音声出力速度を「やや高速」に、速度ポイントが「4.00〜5.00」の場合には音声出力速度を「高速」にするようになっている。
【0078】
続いて、電子辞書装置1Aの動作について説明する。図8,図9,図16は、CPU6がフラッシュROM8Aから情報出力プログラム81Aを読み出して実行する辞書検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、電子辞書装置1Aの動作は、上述の電子辞書装置1の動作と比較してステップS12,ステップS20の設定速度変更処理(図8,図10参照)のみが異なっているため、これ以外の処理については説明を省略する。
【0079】
本変形例の設定速度変更処理においては、まずCPU6は、図16に示すように、ステップS2またはステップS19(図8参照)で指定された辞書データベース82a〜82gの格付けを辞書レベルテーブル83から読み出した後(ステップS45)、レベル別回数テーブル88Aにおける当該レベルの検索回数を「1」だけ増やし(ステップS46)、この変更に基づいて各辞書データベース82a〜82gの使用割合を変更する。
【0080】
次に、CPU6は、辞書レベルテーブル83Aにおける各辞書データベース82a〜82gの(検索割合)×(格付け)の値を合算した値を検索辞書平均レベルとして算出する(ステップS46)。
【0081】
次に、CPU6は、算出された検索辞書平均レベルに基づいて、音声出力速度記憶領域86内の設定速度ポイントを更新し(ステップS47)、設定速度変更処理を終了する。ここで、本実施の形態においては、CPU6は、算出された検索辞書平均レベルの値を設定速度ポイントとして更新する。
【0082】
例えば、辞書レベルテーブル83Aが上述の図13の状態である場合には、検索辞書平均レベルの値は「2.6」(=4×0.2+3×0.2+2×0.2+4×0.2+1×0.2)となり、辞書レベルテーブル83Aが上述の図14の状態である場合には、検索辞書平均レベルの値は「3.5」(=4×0.5+3×0.15+2×0.1+4×0.2+1×0.05)となる。そして、この値が設定速度ポイントとして更新される結果(ステップS47)、ステップS7やステップS16(図8参照)の音声読み上げ処理においては、速度制御用テーブル87A(図15参照)に基づいて「中速」または「やや高速」で音声出力される。
【0083】
続いて、以上の辞書検索処理の動作例について説明する。
まず、図17(a)に示すように、ユーザ操作によって「ジ○ニアス和英辞典」の辞書データベース82cが指定された後(ステップS2;Yes(図8参照))、図17(b)に示すように、検索語「あつまる」が入力されると(ステップS9(図8参照))、当該検索語に対応する見出語が表示部12のディスプレイ10に一覧表示される(ステップS10(図8参照))。
【0084】
次に、反転表示によって見出語「あつまる[集まる]」が指定見出語として指定されると(ステップS11(図8参照))、指定辞書データベース82cの使用回数が「1」増やされる(ステップS45(図16参照))。そして、検索辞書平均レベルが算出され(ステップS46(図16参照))、設定速度ポイントが更新された後(ステップS47(図16参照))、図17(c)に示すように、当該指定見出語の説明情報が表示部12のディスプレイ10に表示される(ステップS13(図8参照))。
【0085】
次に、図18(a)に示すように、ユーザ操作により反転表示で文字列「assemble」がジャンプ対象単語として指定されると(ステップS18(図8参照))、図18(b)に示すように、ジャンプ先の辞書データベースとして「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」等の辞書データベース82a〜82gの選択画面が表示部12のディスプレイ10に表示される。
【0086】
次に、この選択画面から「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」の辞書データベース82aが指定されると(ステップS19(図8参照))、指定辞書データベース82aの使用回数が「1」増やされる(ステップS45(図16参照))。そして、検索辞書平均レベルが算出され(ステップS46(図16参照))、設定速度ポイントが更新された後(ステップS47(図16参照))、図18(c)に示すように、当該指定見出語の説明情報が表示部12のディスプレイ10に表示される(ステップS13(図8参照))。
【0087】
次に、例文読み上げキー2iが操作され(ステップS14;Yes(図8参照))、図18(d),(e)に示すように、ユーザ操作により反転表示で「2」の例文が読み上げ範囲として指定されると(ステップS15(図8参照))、音声出力速度記憶領域86から音声出力の設定速度ポイントが読み出されて(ステップS30(図9参照))、音声出力速度に変換された後、この音声出力速度で「2」の例文が音声出力される(ステップS31(図9参照))。
【0088】
以上の電子辞書装置1Aによれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、図16のステップS46〜ステップS47で示したように、各辞書データベース82a〜82gの格付けと検索割合との乗算値を合算することにより検索辞書平均レベルが算出され、算出された検索辞書平均レベルに基づいて速度情報が更新され、変更された速度情報に基づいて音声出力速度が制御されるので、音声出力速度をユーザの語学力に確実に合わせることができる。
【0089】
なお、上記第1実施形態及びその変形例においては、辞書データベース群82や辞書レベルテーブル83がフラッシュROM8,8Aのみに格納されていることとして説明したが、例えば図19に示すように、外部情報記憶媒体5aにも辞書データベース群500及び辞書レベルテーブル505が格納されることとしても良い。
【0090】
より詳細には、図20に示すように、辞書データベース群500は英語関連の辞書データベースとして、「英和活用大辞典」の辞書データベース500aと、「ア○ティベータ」の辞書データベース500bと、「英会話とっさのひとこと」の辞書データベース500c等とを有しており、図21に示すように、辞書レベルテーブル505は辞書データベース500a〜500c毎に、辞書名と、その辞書の難易度などのレベルを示す格付けとを対応付けて格納している。
【0091】
更に、このような外部情報記憶媒体5aがカードスロット5に接続される場合、CPU6は、辞書検索処理のステップS1(図8参照)で音声出力速度記憶領域86,86A内の設定速度ポイントを読み出した後、フラッシュROM8に記憶されている内蔵辞書データベース82a〜82gの個数「7」に設定速度ポイントを乗算した値と、外部情報記憶媒体5aに記憶されている辞書データベース500a〜500cそれぞれの格付けとを合算し、辞書データベースの総数で割った値を速度ポイントとして設定しなおすこととしても良い。
【0092】
具体的には、図22に示すように、現在の設定速度ポイントが「2」であり、「6」個の辞書データベースがフラッシュROM8に内蔵され、図21に示すような格付けの辞書データベースが外部情報記憶媒体5aに内蔵されている場合には、設定速度ポイントが「2.66」(=(6×2+5+4+3)/9)に設定しなおされる。
【0093】
この場合にも、ユーザの語学力に合わせて音声出力速度を設定し、音声出力速度を設定する手間を省くことができる。但し、外部情報記憶媒体5aがカードスロット5から抜かれた場合には、CPU6は、通常の辞書検索処理を行うことが好ましい。
【0094】
<第2実施形態>
続いて、本発明に係る情報出力装置を適用した電子辞書装置の第2実施形態について説明する。なお、上記の第1実施形態及び変形例と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0095】
図23に示すように、本実施の形態における電子辞書装置1BはフラッシュROM8Bを備えており、このフラッシュROM8Bは、本発明に係る情報出力プログラム81Bと、見出語レベルテーブル83Bと、音声出力速度記憶領域86Bと、速度制御用テーブル87Bと、レベル別回数テーブル88Bとを記憶している。
【0096】
情報出力プログラム81Bは、後述の辞書検索処理(図8,図9,図27参照)をCPU6に実行させるためのプログラムである。
【0097】
見出語レベルテーブル83Bは、電子辞書装置1における内蔵辞書の見出語の難易度レベルを定義したデータテーブルであり、図24に示すように、見出語と、その難易度レベルとを対応付けて格納している。なお、本実施の形態においては、難易度レベルは、「1(やさしい)」、「2(普通)」及び「3(難しい)」の3レベルとなっている。
【0098】
音声出力速度記憶領域86Bは、音声出力部13による音声出力の設定速度を設定速度ポイントとして記憶する領域である。ここで、本実施の形態においては、設定速度ポイントは0.00〜4.00の値をとるようになっている。
【0099】
速度制御用テーブル87Bは、本実施の形態においては、音声出力速度を「低速」、「中速」及び「高速」の3段階で制御するようになっている。より詳細には、速度制御用テーブル87Bは、図25に示すように、速度ポイントが「0.00〜1.66」場合には音声出力速度を「低速」に、速度ポイントが「1.67〜2.33」の場合には音声出力速度を「中速」に、速度ポイントが「2.34〜4.00」の場合には音声出力速度を「高速」にするようになっている。
【0100】
レベル別回数テーブル88Bは、図26(a)に示すように、見出語の難易度レベルと、レベル別の検索回数とを対応付けて格納している。なお、本実施の形態においては、難易度レベル「1(やさしい)」の検索回数を「x」回、難易度レベル「2(普通)」の検索回数を「y」回、難易度レベル「3(難しい)」の検索回数を「z」回とする。
【0101】
続いて、電子辞書装置1Bの動作について説明する。図8,図9,図27は、CPU6がフラッシュROM8Bから情報出力プログラム81Bを読み出して実行する辞書検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、電子辞書装置1Bの動作は、上述の電子辞書装置1の動作と比較してステップS12,ステップS20の設定速度変更処理(図8,図10参照)のみが異なっているため、これ以外の処理については説明を省略する。
【0102】
本実施の形態の設定速度変更処理においては、まずCPU6は、図27に示すように、ステップS11またはステップS18(図8参照)で指定または選択された見出語の難易度レベルを見出語レベルテーブル83Bから読み出した後(ステップS55)、レベル別回数テーブル88Bにおける当該レベルの検索回数を「1」だけ増やす(ステップS56)。
【0103】
次に、CPU6は、レベル別回数テーブル88Bにおける見出語のレベルを、当該レベルの見出語の音声出力回数で重み付けして加重平均することにより、検索見出語平均レベルを算出する(ステップS57)。より詳細には、CPU6は、各レベルの(レベル値)×(検索回数)の値を合算し、総検索回数で割った値(=(1×x+2×y+3×z)/(w+y+z)を検索見出語平均レベルとする。
【0104】
次に、CPU6は、算出された検索見出語平均レベルに基づいて、音声出力速度記憶領域86B内の設定速度ポイントを更新し(ステップS58)、設定速度変更処理を終了する。ここで、本実施の形態においては、CPU6は、算出された検索見出語平均レベルの値を設定速度ポイントとして更新する。
【0105】
以上の電子辞書装置1Bによれば、図27のステップS45〜ステップS48に示したように、検索対象として指定された見出語のレベルに基づいて、設定速度ポイントが更新され、当該指定見出語に対応する文字列の音声出力速度が制御されるので、従来と異なり、音声出力速度を設定する手間を省くことができる。
【0106】
また、図27のステップS46に示したように、見出語のレベルを、当該レベルの各見出語の検索回数で重み付けして加重平均することにより検索見出語平均レベルが算出され、算出された検索見出語平均レベルに基づいて速度ポイントが変更され、変更された速度情報に基づいて音声出力速度が制御されるので、ユーザの語学力に合わせて音声出力速度を設定することができる。
【0107】
なお、上記第2実施形態においては、レベル別回数テーブル88Bは、見出語の難易度レベルに、検索回数を対応付けて格納していることとして説明したが、図26(b)に示すように、見出語と対応する例文の音声出力回数を対応付けて格納することとしても良い。この場合であっても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0108】
<第1,第2実施形態の変形例>
続いて、上記第1,第2実施形態の変形例について説明する。なお、上記の第1,第2実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0109】
上述の図2,図12または図23に示すように、本変形例における電子辞書装置1Cは、フラッシュROM8Cを備えており、このフラッシュROM8Cは、本発明に係る情報出力プログラム81Cを記憶している。
【0110】
この情報出力プログラム81Cは、後述の辞書検索処理(図8,図9,図29参照)をCPU6に実行させるためのプログラムである。
【0111】
また、本変形例におけるヒストリ一覧テーブル84a〜84gや、単語帳テーブル85a〜85gには、図28に示すように、説明情報の検索されたイディオム等の見出語と、当該説明情報中の例文とが対応付けて格納されている。
【0112】
続いて、電子辞書装置1Cの動作について説明する。図8,図9,図29は、CPU6がフラッシュROM8Cから情報出力プログラム81Cを読み出して実行する辞書検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、電子辞書装置1Cの動作は、上述の電子辞書装置1,1A,1Bの動作と比較してステップS7,ステップS16の音声読み上げ処理(図8,図10参照)のみが異なっているため、これ以外の処理については説明を省略する。
【0113】
本実施の形態の音声読み上げ処理においては、まずCPU6は、図29に示すように、音声出力速度記憶領域86から音声出力の設定速度ポイントを読み出した後(ステップS60)、ステップS6またはステップS15で指定された読み上げ範囲のテキストに、ヒストリ登録,単語帳登録されたイディオムが含まれているか否かを判定する(ステップS61)。
【0114】
このステップS61において、登録されたイディオムが含まれていないと判定した場合(ステップS61;No)には、CPU6は、ステップS60で読み出した設定速度ポイントを速度制御用テーブル87によって音声出力速度に変換した後、この音声出力速度で指定範囲のテキストを音声出力し(ステップS62)、これにより音声読み上げ処理を終了する。
【0115】
一方、ステップS61において、登録されたイディオムが含まれていると判定した場合(ステップS61;Yes)には、CPU6は、ステップS60で読み出した設定速度ポイントを速度制御用テーブル87によって音声出力速度に変換した後、この音声出力速度を1段階上げて指定範囲のテキストを音声出力し(ステップS63)、これにより音声読み上げ処理を終了する。
【0116】
例えば、図28に示すように、イディオム「not only but also」と、このイディオムを含む例文とがヒストリ登録されており、図30(a)に示すように、ヒストリキー2mの操作によって当該例文が表示されるような場合には、図30(b)に示すように、ヒストリ登録されたイディオム「not only but also」が読み上げ範囲のテキスト「The report has not only attracted much attention but also some sharp criticism.」に含まれていると判定される結果(ステップS61;Yes)、このテキストは音声出力速度記憶領域86内の設定速度ポイントに対応する音声出力速度よりも1段階上の速度で音声出力される(ステップS63)。
【0117】
以上の電子辞書装置1Cによれば、図29のステップS61〜ステップS63に示したように、ヒストリ登録または単語帳登録されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度が高められるので、音声出力速度をユーザの語学力に確実に合わせることができる。
【0118】
尚、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本発明に係る情報出力装置を電子辞書装置1,1A〜1Cとして説明したが、例えばパソコンやPDA(Personal Digital Assistance)等、他の電子機器としても良い。
また、第1,第2実施形態の変形例においては、カードスロット5から辞書データベース500a〜500cを追加することとして説明したが、インターネットなどの通信回線を介して追加することとしても良い。
【符号の説明】
【0119】
1,1A〜1C 電子辞書装置(情報出力装置)
2d 辞書選択キー(辞書情報指定手段)
2b 訳/決定キー(見出語指定手段、文字列指定手段)
6 CPU(レベル検出手段、検索手段、速度制御手段、
速度情報変更手段、検索レベル算出手段、
検索レベル算出手段、出力レベル算出手段)
8,8A〜8C フラッシュROM(辞書記憶手段、音声データ記憶手段)
12 表示部(表示手段)
13 音声出力部(音声出力手段)
81,81A〜81C 情報出力プログラム
82a〜82g 辞書データベース(辞書情報)
83 辞書レベルテーブル(レベル記憶手段)
83A 辞書レベルテーブル(検索割合記憶手段)
83B 見出語レベルテーブル83(レベル記憶手段)
84a〜84g ヒストリテーブル(ヒストリ登録手段)
85a〜85g 単語帳テーブル(単語帳登録手段)
86,86A,86B 音声出力速度記憶領域86(速度記憶手段)
88B レベル別回数テーブル(レベル別検索回数記憶手段、
レベル別出力回数記憶手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力装置及び情報出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、情報出力装置の1種として、電子辞書装置が知られている。この電子辞書装置に内蔵される英和辞典等の辞書データベース(辞書情報)には、多数の見出語に、当該見出語を説明・解説する説明情報が対応付けられて蓄積記憶されている。
【0003】
近年、このような電子辞書装置は、辞書データベースに含まれる見出語や例文の音声データを多数蓄積記憶するようになっており、ユーザにより設定される速度で音声データを音声出力するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−084789
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示の電子辞書装置では、ユーザの語学力が向上して音声出力の速度を上げたいとき等に、手動で音声出力の速度を設定しなければならず、手間がかかっていた。
【0006】
本発明の課題は、音声出力の速度を設定するための手間を省くことができる情報出力装置及び情報出力プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、情報出力装置(例えば、図1の電子辞書装置1B)であって、
各見出語に、説明情報を対応付けてなる辞書情報(例えば、図23の辞書データベース82a〜82g)を記憶する辞書記憶手段(例えば、図23のフラッシュROM8B)と、
前記説明情報中の所定の文字列に音声データを対応付けて記憶する音声データ記憶手段(例えば、図23のフラッシュROM8B)と、
各見出語に、予め設定されたレベルを対応付けて記憶するレベル記憶手段(例えば、図23の見出語レベルテーブル83B)と、
ユーザ操作に基づいて前記辞書情報における何れかの見出語を指定見出語として指定する見出語指定手段(例えば、図1の訳/決定キー2b;図8のステップS11)と、
前記指定見出語に対応する説明情報を前記辞書情報から検索する検索手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B)と、
前記検索手段により検索された説明情報を表示する表示手段(例えば、図23の表示部12;図8のステップS13)と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示手段に表示された説明情報における前記所定の文字列の何れかを指定文字列として指定する文字列指定手段(例えば、図23の訳/決定キー2b;図8のステップS15)と、
前記指定文字列と対応する音声データを音声出力する音声出力手段(例えば、図23の音声出力部13;図8のステップS16)と、
前記指定見出語のレベルを前記レベル記憶手段から検出するレベル検出手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B;図27のステップS55(図8のステップS12))と、
前記レベル検出手段によって検出されたレベルに基づいて前記音声出力手段による音声出力速度を制御する速度制御手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B;図9のステップS31(図8のステップS16))と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、見出語のレベルとは、数値か、或いは数値に換算可能なものである。このようなレベルとしては、例えば難易度を数値化したものを用いることができる。
また、説明情報には見出語自体が含まれることとしても良い。この場合には、所定の文字列は、見出語でも良いし、見出語を含む例文でも良い。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の情報出力装置において、
音声出力速度についての速度情報(例えば、速度ポイント)を記憶する速度記憶手段(例えば、図23の音声出力速度記憶領域86B)と、
前記レベル検出手段によって検出されたレベルに基づいて、見出語の各レベルに、当該レベルの各見出語の検索回数を対応付けて記憶するレベル別検索回数記憶手段(例えば、図23のレベル別回数テーブル88B)と、
前記レベル別検索回数記憶手段中の情報に基づいて、見出語のレベルを、前記検索手段による当該レベルの各見出語の検索回数で重み付けして加重平均することにより検索見出語平均レベルを算出する検索レベル算出手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B;図27のステップS57)と、
前記検索レベル算出手段によって算出された前記検索見出語平均レベルに基づいて前記速度記憶手段における速度情報を変更する速度情報変更手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B;図27のステップS58)と、
を備え、
前記速度制御手段は、前記速度情報変更手段により変更された速度情報に基づいて、音声出力速度を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の情報出力装置において、
音声出力速度についての速度情報(例えば、速度ポイント)を記憶する速度記憶手段(例えば、図23の音声出力速度記憶領域86B)と、
前記レベル検出手段によって検出されたレベルに基づいて、見出語の各レベルに、当該レベルの各見出語に対応する前記所定の文字列の音声出力回数を対応付けて記憶するレベル別出力回数記憶手段(例えば、図23のレベル別回数テーブル88B)と、
前記レベル別出力回数記憶手段中の情報に基づいて、見出語のレベルを、当該レベルの各見出語に対応する前記所定の文字列の音声出力回数で重み付けして加重平均することにより出力見出語平均レベルを算出する出力レベル算出手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B;図27のステップS57)と、
前記出力レベル算出手段によって算出された前記出力見出語平均レベルに基づいて前記速度記憶手段における速度情報を変更する速度情報変更手段(例えば、図23のCPU6及び情報出力プログラム81B;図27のステップS58)と、
を備え、
前記速度制御手段は、前記速度情報変更手段により変更された速度情報に基づいて、音声出力速度を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の情報出力装置において、
前記検索手段により説明情報の検索された見出語としてのイディオムと、当該説明情報中の前記所定の文字列とを対応付けて蓄積記憶するヒストリ登録手段(例えば、図28のヒストリテーブル84a〜84g)を備え、
前記速度制御手段は、前記ヒストリ登録手段に記憶されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度を高めることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の情報出力装置において、
前記検索手段により説明情報の検索された見出語としてのイディオムと、当該説明情報中の前記所定の文字列とを、ユーザ操作に基づいて対応付けて蓄積記憶する単語帳登録手段(例えば、図28の単語帳テーブル85a〜85g)を備え、
前記速度制御手段は、前記単語帳登録手段に記憶されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度を高めることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の情報出力装置において、
前記所定の文字列は、前記説明情報に含まれる例文であることを特徴とする情報出力装置。
【0014】
請求項7記載の発明は、情報出力プログラム(例えば、図23の情報出力プログラム81B)であって、
各見出語に説明情報を対応付けてなる辞書情報を記憶する辞書記憶手段と、前記説明情報中の所定の文字列に音声データを対応付けて記憶する音声データ記憶手段と、各見出語に予め設定されたレベルを対応付けて記憶するレベル記憶手段と、を備えるコンピュータ(例えば、図1の電子辞書装置1B)に、
ユーザ操作に基づいて前記辞書情報における何れかの見出語を指定見出語として指定する見出語指定機能(例えば、図8のステップS11)と、
前記指定見出語に対応する説明情報を前記辞書情報から検索する検索機能と、
前記検索機能により検索された説明情報を表示する制御を行う表示機能(例えば、図8のステップS13)と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示機能の制御により表示された説明情報における前記所定の文字列の何れかを指定文字列として指定する文字列指定機能(例えば、図8のステップS15)と、
前記指定文字列と対応する音声データを音声出力する音声出力機能(例えば、図8のステップS16)と、
前記指定見出語のレベルを前記レベル記憶手段から検出するレベル検出機能(例えば、図27のステップS55)と、
前記レベル検出機能によって検出されたレベルに基づいて前記音声出力機能による音声出力速度を制御する速度制御機能(例えば、図9のステップS31)と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1,7記載の発明によれば、指定見出語のレベルに基づいて、当該指定見出語に対応する文字列の音声出力速度が制御されるので、従来と異なり、音声出力速度を設定する手間を省くことができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、見出語のレベルを、当該レベルの各見出語の検索回数で重み付けして加重平均することにより検索見出語平均レベルが算出され、算出された検索見出語平均レベルに基づいて速度情報が変更され、変更された速度情報に基づいて音声出力速度が制御されるので、ユーザの語学力に合わせて音声出力速度を設定することができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、見出語のレベルを、当該レベルの各見出語に対応する所定の文字列の音声出力回数で重み付けして加重平均することにより出力見出語平均レベルが算出され、算出された出力見出語平均レベルに基づいて速度情報が変更され、変更された速度情報に基づいて音声出力速度が制御されるので、ユーザの語学力に合わせて音声出力速度を設定することができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、ヒストリ登録手段に記憶されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度が高められるので、音声出力速度をユーザの語学力に確実に合わせることができる。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、単語帳登録手段に記憶されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度が高められるので、音声出力速度をユーザの語学力に確実に合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る情報出力装置を適用した電子辞書装置の概略構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は部分平面図である。
【図2】本発明に係る情報出力装置を適用した電子辞書装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】辞書データベース群を示す図である。
【図4】辞書データベースの構造を示す図である。
【図5】辞書レベルテーブルを示す図である。
【図6】速度制御用テーブルを示す図である。
【図7】格付け−速度変化量テーブルを示す図である。
【図8】辞書検索処理を示すフローチャートである。
【図9】音声読み上げ処理を示すフローチャートである。
【図10】設定速度変更処理を示すフローチャートである。
【図11】辞書検索処理が実行される場合のディスプレイの表示内容を示す図である。
【図12】本発明に係る情報出力装置を適用した電子辞書装置の概略構成を示すブロック図である。
【図13】辞書レベルテーブルを示す図である。
【図14】辞書レベルテーブルを示す図である。
【図15】速度制御用テーブルを示す図である。
【図16】設定速度変更処理を示すフローチャートである。
【図17】辞書検索処理が実行される場合のディスプレイの表示内容を示す図である。
【図18】辞書検索処理が実行される場合のディスプレイの表示内容を示す図である。
【図19】外部情報記憶媒体を示す図である。
【図20】辞書データベース群を示す図である。
【図21】辞書レベルテーブルを示す図である。
【図22】設定速度変更処理の変形例を説明するための図である。
【図23】本発明に係る情報出力装置を適用した電子辞書装置の概略構成を示すブロック図である。
【図24】見出語レベルテーブルを示す図である。
【図25】速度制御用テーブルを示す図である。
【図26】レベル別回数テーブルを示す図である。
【図27】設定速度変更処理を示すフローチャートである。
【図28】ヒストリ一覧テーブルまたは単語帳テーブルを示す図である。
【図29】音声読み上げ処理を示すフローチャートである。
【図30】音声読み上げ処理の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1〜図30を参照して、本発明に係る情報出力装置を適用した電子辞書装置の実施形態について説明する。
【0022】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態における電子辞書装置の構成を説明する。
[外観構成]
図1(a)は本実施形態における電子辞書装置1の斜視外観図である。
この図に示すように、電子辞書装置1は、ディスプレイ10、スピーカ11、カードスロット5及びキー群2を備えている。
【0023】
ディスプレイ10は、ユーザによるキー群2の操作に応じた文字や符号等、各種データを表示する部分であり、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等によって構成されている。
スピーカ11は、ユーザによるキー群2の操作に応じた見出語や例文の音声を出力する部分である。
カードスロット5は、種々の情報を記憶した外部情報記憶媒体5aと着脱可能に設けられている。
【0024】
キー群2は、ユーザが電子辞書装置1を操作するための各種キーを有している。具体的には、図1(b)に示すように、キー群2は、電源キー2aと、訳/決定キー2bと、文字キー2cと、辞書選択キー2dと、カーソルキー2eと、シフトキー2fと、戻るキー2gと、単語音声出力キー2hと、例文読み上げキー2iと、速度設定キー2jと、単語帳キー2kと、ヒストリキー2mと、ジャンプキー2n等とを有している。
【0025】
電源キー2aは、電源のON/OFFを切り替えるためのキーである。訳/決定キー2bは、検索の実行や、見出語の決定等に使用されるキーである。文字キー2cは、ユーザによる文字の入力等に使用されるキーであり、本実施の形態においては“A”〜“Z”キーを備えている。辞書選択キー2dは、後述の辞書データベースの選択に使用されるキーである。
【0026】
カーソルキー2eは、画面内の反転表示位置、つまりカーソル位置の移動等に使用されるキーである。シフトキー2fは、日本語の単語を検索対象に設定するとき等に使用されるキーである。戻るキー2gは、前回表示した画面に戻るとき等に使用されるキーである。
【0027】
単語音声出力キー2hは、見出語を音声出力させるとき等に使用されるキーである。例文読み上げキー2iは、例文を構成する単語の音声を、先頭の単語から順次出力させるとき等に使用されるキーである。
【0028】
速度設定キー2jは、音声出力速度を設定するとき等に使用されるキーであり、例えばカーソルキー2eと組み合わせて使用されるようになっている。単語帳キー2kは、説明情報の表示された見出語や例文を登録して後述の単語帳テーブル群85(図2参照)に蓄積記憶させるときや、単語帳テーブル群85に蓄積記憶された見出語や例文を一覧表示するとき等に使用されるキーであり、本実施の形態においては、単語帳登録を行う場合にはシフトキー2fと組み合わせて使用され、登録内容を一覧表示する場合には単独で使用されるようになっている。
【0029】
ヒストリキー2mは、後述のヒストリテーブル群84(図2参照)に蓄積記憶された見出語や例文を一覧表示するとき等に使用されるキーである。ジャンプキー2nは、ジャンプ機能を起動するときに使用されるキーである。なお、ジャンプ機能とは、説明情報が表示されている際に当該説明情報中の単語(以下、ジャンプ対象単語とする)をユーザが選択すると、そのジャンプ対象単語に対応する見出語がジャンプ先、つまり再検索先の辞書で再度検索される機能のことである
【0030】
[内部構成]
図2は、電子辞書装置1の概略構成を示すブロック図である。
この図に示すように、電子辞書装置1は、表示部12、音声出力部13、記録媒体読取部15、入力部14、CPU6、RAM7及びフラッシュROM8を備えている。
【0031】
表示部12は、上述のディスプレイ10を備えており、CPU6から入力される表示信号に基づいて各種情報をディスプレイ10に表示するようになっている。
音声出力部13は、上述のスピーカ11を備えており、CPU6から入力される音声出力信号に基づいて音声データをスピーカ11に再生させるようになっている。
【0032】
記録媒体読取部15は、上述のカードスロット5を備えており、当該カードスロット5に装着された外部情報記憶媒体5aから情報を読み出すようになっている。
入力部14は、上述のキー群2を備えており、押下されたキーに対応する信号をCPU6に出力するようになっている。
【0033】
CPU6は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、電子辞書装置1を統括的に制御するようになっている。具体的には、CPU6は、入力部14から入力される操作信号等に応じてフラッシュROM8に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU6は、処理結果をRAM7に保存するとともに、当該処理結果を表示するための表示信号を適宜表示部12に出力して、対応した表示内容を表示させる。
【0034】
フラッシュROM8は、電子辞書装置1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するメモリである。本実施の形態においては、フラッシュROM8は、本発明に係る情報出力プログラム81と、辞書データベース群82と、ヒストリテーブル群84と、単語帳テーブル群85と、辞書レベルテーブル83と、音声出力速度記憶領域86と、速度制御用テーブル87と、格付け−速度変化量テーブル88等とを記憶している。
【0035】
情報出力プログラム81は、後述の辞書検索処理(図8〜図10参照)をCPU6に実行させるためのプログラムである。
【0036】
辞書データベース群82は、電子辞書装置1に内蔵されている複数種類の辞書データベースを有しており、本実施の形態においては、図3に示すように、英語関連の辞書データベースとして、「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」の辞書データベース82aと、「ジ○ニアス英和辞典」の辞書データベース82bと、「ジ○ニアス和英辞典」の辞書データベース82cと、「ロ○グマンロ○ェシソーラス辞典」の辞書データベース82dと、「英語類語辞書」の辞書データベース82eと、「カタカナで引くスペリング辞典」の辞書データベース82fと、「リ○ダーズ英和辞典」の辞書データベース82g等とを有している。
【0037】
これらの辞書データベース82a〜82gは、例えば図4に1例を示すように、複数の見出語と、この見出語を詳細に説明する説明情報とを対応付けて格納している。ここで、説明情報には、見出語を含む例文が含まれる。また、これら辞書データベース82a〜82gには、例文に対応する音声データが格納されている。
【0038】
また、図2に示すように、ヒストリテーブル群84は、各辞書データベース82a〜82gに関するヒストリ一覧テーブル84a〜84gを有している。これらヒストリ一覧テーブル84a〜84gは、対応する辞書データベース82a〜82gの検索履歴を示すものであり、辞書データベース82a〜82g中の説明情報が読み出されて表示された際に、その見出語や例文を蓄積して格納する、つまりヒストリ登録するようになっている。
【0039】
単語帳テーブル群85は、各辞書データベース82a〜82gに関する単語帳テーブル85a〜85gを有している。これら単語帳テーブル85a〜85gは、対応する辞書データベース82a〜82g中の説明情報が読み出されて表示され、ユーザ操作により単語帳登録が指示された際に、その見出語や例文を単語帳見出語として蓄積して格納する、つまり単語帳登録するようになっている。
【0040】
なお、この単語帳テーブル85a〜85gと上述のヒストリ一覧テーブル84a〜84gには、蓄積記憶される見出語や例文の数に上限があり、これを超えた場合には、古いものから順に削除されるようになっている。
【0041】
辞書レベルテーブル83は、電子辞書装置1の各内蔵辞書の格付けを定義したデータテーブルであり、図5に示すように、内蔵された辞書データベース82a〜82g毎に、辞書名と、その辞書の難易度などのレベルを示す格付けとを対応付けて格納している。なお、図5では、格付けを星マーク「☆」の個数で示しており、難易度の高い辞書ほど個数が多くなっている。
【0042】
音声出力速度記憶領域86は、音声出力部13による音声出力の設定速度を設定速度ポイントとして記憶するようになっている。ここで、本実施の形態においては、設定速度ポイントは0〜1000の値をとるようになっている。
【0043】
速度制御用テーブル87は、音声出力速度記憶領域86における設定速度ポイントに基づいて音声出力部13による音声出力の速度を制御するためのテーブルであり、本実施の形態においては、音声出力速度を「低速」、「やや低速」、「中速」、「やや高速」及び「高速」の5段階で制御するようになっている。より詳細には、速度制御用テーブル87は、速度ポイントを音声出力速度に対応付けて格納しており、図6に示すように、速度ポイントが「0〜199」の場合には音声出力速度を「低速」に、速度ポイントが「200〜399」の場合には音声出力速度を「やや低速」に、速度ポイントが「400〜599」の場合には音声出力速度を「中速」に、速度ポイントが「600〜799」の場合には音声出力速度を「やや高速」に、速度ポイントが「800〜1000」の場合には音声出力速度を「高速」にするようになっている。
【0044】
格付け−速度変化量テーブル88は、図7に示すように、辞書データベース82a〜82gの格付けと、当該格付けに対応する設定速度ポイントの変化量とを対応付けて格納している。
【0045】
また、上述の図2に示すように、RAM7は、CPU6が実行する各種プログラムや、これらプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持するメモリ領域を備えるものであり、本実施の形態においては、指定見出語記憶領域71、指定辞書種別格納領域72及びジャンプ対象単語記憶領域73を備えている。
【0046】
指定見出語記憶領域71には、辞書引きする対象の見出語としてユーザによって指定された指定見出語が記憶されるようになっている。この指定見出語は、本実施の形態においては、入力文字や指定文字に前方一致するようアルファベット順或いは五十音順に辞書データベースから読み出された見出語の一覧から選択されるようになっている。
【0047】
指定辞書種別格納領域72には、ユーザによって指定された辞書データベース82a〜82gの種類が記憶されるようになっている。
ジャンプ対象単語記憶領域73には、ジャンプ対象単語が記憶されるようになっている。
【0048】
[辞書検索処理]
続いて、電子辞書装置1の動作について説明する。図8〜図10は、CPU6がフラッシュROM8から情報出力プログラム81を読み出して実行する辞書検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【0049】
まず、図8に示すように、CPU6は、ユーザ操作に応じて辞書検索処理の実行が指示されると、音声出力速度記憶領域86から音声出力の設定速度ポイントを読み出す(ステップS1)。
【0050】
次に、CPU6は、辞書選択キー2dの操作によって辞書データベース82a〜82gが指定されたか否かを判定する(ステップS2)。
【0051】
このステップS2において辞書データベース82a〜82gが指定されていないと判定した場合(ステップS2;No)には、CPU6は、例えばヒストリキー2mの操作などにより、RAM7やフラッシュROM8中のテキスト、つまり見出語や例文が指定されているか否かを判定し(ステップS3)、指定されていないと判定した場合(ステップS3;No)には、他の処理へ移行する。
【0052】
また、ステップS3においてテキストが指定されていると判定した場合(ステップS3;Yes)には、CPU6は指定のテキストを読み出して表示部12に表示させた後(ステップS4)、単語音声出力キー2hや例文読み上げキー2iが操作されるか否かを判定し(ステップS5)、操作されないと判定した場合(ステップS5;No)には、他の処理へ移行する。
【0053】
また、ステップS5において単語音声出力キー2hや例文読み上げキー2iが操作されたと判定した場合(ステップS5;Yes)には、CPU6は、ユーザ操作に基づいてテキスト中の読み上げ範囲を指定し(ステップS6)、音声読み上げ処理を行う(ステップS7)。
【0054】
具体的には、図9に示すように、まずCPU6は、音声出力速度記憶領域86から音声出力の設定速度ポイントを読み出す(ステップS30)。次に、CPU6は、読み出した設定速度ポイントを速度制御用テーブル87によって音声出力速度に変換した後、この音声出力速度で指定範囲のテキストを音声出力し(ステップS31)、これにより音声読み上げ処理を終了する。
【0055】
そして、音声読み上げ処理が終了すると、図8に示すように、CPU6は、上述のステップS5の処理に移行する。
【0056】
一方、上述のステップS2において辞書データベース82a〜82gが指定されていると判定した場合(ステップS2;Yes)には、CPU6は、辞書選択キー2dの押下に応じて、辞書データベース群82の中から何れか1つの辞書データベースを指定辞書データベースとして指定した後、指定辞書データベースの種別を指定辞書種別格納領域72に記憶するとともに、指定辞書データベースの種別に対応する文字入力画面を表示部12に表示させる(ステップS8)。
【0057】
例えば、ユーザ操作によって「ジ○ニアス和英辞典」の辞書データベース82cが指定された場合(ステップS2;Yes)には、表示部12のディスプレイ10には、図11(a)に示すような文字入力画面が表示される(ステップS8)。
【0058】
次に、図8に示すように、CPU6は、文字キー2cの操作によって検索対象の見出語、つまり検索語が入力されると(ステップS9)、当該検索語に前方一致する見出語を先頭にして、指定の辞書データベースに記憶されている順に見出語を読み出し、表示部12に一覧表示させる(ステップS10)。
【0059】
例えば、図11(a)の内容が表示されている状態からユーザ操作によって検索語「あつまる」が入力されると(ステップS9)、図11(b)に示すように、当該検索語に対応する見出語が表示部12のディスプレイ10に一覧表示される(ステップS10)。
【0060】
次に、図8に示すように、CPU6は、カーソルキー2eや訳/決定キー2b等の操作によって何れかの見出語が指定見出語として指定されると(ステップS11)、当該指定見出語を指定見出語記憶領域71に記憶するとともに、音声出力の設定速度変更処理を行う(ステップS12)。
【0061】
具体的には、図10に示すように、CPU6は、指定辞書種別格納領域72内の情報に基づいて指定辞書データベース82a〜82gの格付けを辞書レベルテーブル83から読み出した後(ステップS35)、格付け−速度変化量テーブル88に基づいて、当該格付けに対応する変化量だけ音声出力速度記憶領域86内の設定速度ポイントを変更して更新し(ステップS36)、設定速度変更処理を終了する。
【0062】
例えば、図11(b)の内容が表示されている状態からユーザ操作により反転表示で見出語「あつまる[集まる]」が指定見出語として指定されると(ステップS11)、辞書レベルテーブル83(図5参照)から、「ジ○ニアス和英辞典」の辞書データベース82cの格付け「3」が読み出され(ステップS35)、格付け−速度変化量テーブル88(図7参照)に基づいて、当該格付け「3」に対応する変化量「変化なし」だけ音声出力速度記憶領域86(図6参照)内の設定速度ポイントが変更されて更新される(ステップS36)。
【0063】
次に、図8に示すように、CPU6は、指定見出語記憶領域71内の情報に基づいて指定見出語の説明情報を指定辞書データベース82a〜82gから検索して表示部12に表示させる(ステップS13)。
【0064】
例えば、図11(b)の内容が表示されている状態からユーザ操作により反転表示で見出語「あつまる[集まる]」が指定見出語として指定されると(ステップS11)、図11(c)に示すように、当該指定見出語の説明情報が表示部12のディスプレイ10に表示される。
【0065】
次に、図8に示すように、CPU6は、単語音声出力キー2hまたは例文読み上げキー2iが操作されるか否かを判定する(ステップS14)。このステップS14において単語音声出力キー2hまたは例文読み上げキー2iが操作されたと判定した場合(ステップS14;Yes)には、CPU6は、ユーザ操作に基づいて読み上げ範囲を指定し(ステップS15)、上述のステップS30〜ステップS31(図9参照)の音声読み上げ処理を行った後(ステップS16)、ステップS14の処理に移行する。
【0066】
また、ステップS14において単語音声出力キー2h及び例文読み上げキー2iが操作されないと判定した場合(ステップS14;No)には、CPU6は、ジャンプキー2nが操作されるか否かを判定し(ステップS17)、操作されないと判定した場合(ステップS17;NO)には、他の処理へ移行する。
【0067】
また、ステップS17においてジャンプキー2nが操作されたと判定した場合(ステップS17;Yes)には、CPU6は、ユーザ操作に基づいて、説明情報中の文字列をジャンプ対象単語として指定するとともに、当該ジャンプ対象単語をジャンプ対象単語記憶領域73に記憶する(ステップS18)。また、CPU6は、ジャンプ先の辞書データベース82a〜82gを指定辞書データベース82a〜82gとして指定するとともに、当該指定辞書データベース82a〜82gを指定辞書種別格納領域72に記憶する(ステップS19)。
【0068】
次に、CPU6は、上述のステップS35〜ステップS36(図10参照)の設定速度変更処理を行い(ステップS20)、ステップS18で指定されたジャンプ対象単語に対応する見出語の説明情報を指定辞書データベース82a〜82gから検索して表示部12に表示させた後(ステップS21)、上述のステップS14の処理に移行する。
【0069】
例えば、図11(c)の内容が表示されている状態から、図11(d)に示すように、ユーザ操作により反転表示で文字列「assemble」がジャンプ対象単語として指定されると(ステップS18)、図11(e)に示すように、ジャンプ先の辞書データベースとして「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」等の辞書データベース82a〜82gの選択画面が表示部12のディスプレイ10に表示される。次に、この選択画面から「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」の辞書データベース82aが指定されると(ステップS19)、辞書レベルテーブル83(図5参照)から当該辞書データベース82aの格付け「4」が読み出され(ステップS35)、格付け−速度変化量テーブル88(図7参照)に基づいて、当該格付け「4」に対応する変化量「+1ポイント」だけ音声出力速度記憶領域86(図6参照)内の設定速度ポイントが変更されて更新される(ステップS36)。そして、図11(f)に示すように、ジャンプ対象単語「assemble」に対応する見出語の説明情報が辞書データベース82aから検索されて表示部12のディスプレイ10に表示される(ステップS21)。
【0070】
以上の電子辞書装置1によれば、図10のステップS35〜ステップS36に示したように、辞書データベース82a〜82gの格付けに基づいて設定速度ポイントが更新されて音声出力速度が制御されるので、従来と異なり、音声出力速度を設定する手間を省くことができる。また、検索に使用される辞書データベース82a〜82gの格付けに基づいて音声出力速度が制御されるので、ユーザの語学力に合わせて音声出力速度を設定することができる。
【0071】
<第1実施形態の変形例>
続いて、上記第1実施形態の変形例について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0072】
図12に示すように、本変形例における電子辞書装置1Aは、フラッシュROM8Aを備えており、このフラッシュROM8Aは、本発明に係る情報出力プログラム81Aと、辞書レベルテーブル83A、音声出力速度記憶領域86Aと、速度制御用テーブル87Aと記憶している。
【0073】
情報出力プログラム81Aは、後述の辞書検索処理(図8,図9,図16参照)をCPU6に実行させるためのプログラムである。
【0074】
辞書レベルテーブル83Aは、図13,図14に示すように、内蔵された辞書データベース82a〜82g毎に、辞書名と、その辞書の難易度などのレベルを示す格付けと、使用回数及び使用割合とを対応付けて格納している。ここで、図13はデフォルト状態の辞書レベルテーブル83Aを、図14はユーザによって電子辞書装置1Aが使用された後の辞書レベルテーブル83Aを示している。
【0075】
なお、図13,図14では、格付けを星マーク「☆」の個数で示しており、難易度の高い辞書ほど個数が多くなっている。また、これらの図では、辞書の一部の図示を省略している。また、この辞書レベルテーブル83Aには、使用回数の総数に上限があり、これを超えた場合には、各使用回数が所定の定数で除算されるようになっている。
【0076】
音声出力速度記憶領域86Aは、音声出力部13による音声出力の設定速度を設定速度ポイントとして記憶するようになっており、本実施の形態においては、設定速度ポイントは0.00〜5.00の値をとるようになっている。
【0077】
速度制御用テーブル87Aは、音声出力速度記憶領域86Aにおける設定速度ポイントに基づいて音声出力部13による音声出力の速度を制御するためのテーブルであり、本実施の形態においては、音声出力速度を「低速」、「やや低速」、「中速」、「やや高速」及び「高速」の5段階で制御するようになっている。より詳細には、速度制御用テーブル87Aは、速度ポイントを音声出力速度に対応付けて格納しており、図15に示すように、速度ポイントが「0.00〜0.99」の場合には音声出力速度を「低速」に、速度ポイントが「1.00〜1.99」の場合には音声出力速度を「やや低速」に、速度ポイントが「2.00〜2.99」の場合には音声出力速度を「中速」に、速度ポイントが「3.00〜3.99」の場合には音声出力速度を「やや高速」に、速度ポイントが「4.00〜5.00」の場合には音声出力速度を「高速」にするようになっている。
【0078】
続いて、電子辞書装置1Aの動作について説明する。図8,図9,図16は、CPU6がフラッシュROM8Aから情報出力プログラム81Aを読み出して実行する辞書検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、電子辞書装置1Aの動作は、上述の電子辞書装置1の動作と比較してステップS12,ステップS20の設定速度変更処理(図8,図10参照)のみが異なっているため、これ以外の処理については説明を省略する。
【0079】
本変形例の設定速度変更処理においては、まずCPU6は、図16に示すように、ステップS2またはステップS19(図8参照)で指定された辞書データベース82a〜82gの格付けを辞書レベルテーブル83から読み出した後(ステップS45)、レベル別回数テーブル88Aにおける当該レベルの検索回数を「1」だけ増やし(ステップS46)、この変更に基づいて各辞書データベース82a〜82gの使用割合を変更する。
【0080】
次に、CPU6は、辞書レベルテーブル83Aにおける各辞書データベース82a〜82gの(検索割合)×(格付け)の値を合算した値を検索辞書平均レベルとして算出する(ステップS46)。
【0081】
次に、CPU6は、算出された検索辞書平均レベルに基づいて、音声出力速度記憶領域86内の設定速度ポイントを更新し(ステップS47)、設定速度変更処理を終了する。ここで、本実施の形態においては、CPU6は、算出された検索辞書平均レベルの値を設定速度ポイントとして更新する。
【0082】
例えば、辞書レベルテーブル83Aが上述の図13の状態である場合には、検索辞書平均レベルの値は「2.6」(=4×0.2+3×0.2+2×0.2+4×0.2+1×0.2)となり、辞書レベルテーブル83Aが上述の図14の状態である場合には、検索辞書平均レベルの値は「3.5」(=4×0.5+3×0.15+2×0.1+4×0.2+1×0.05)となる。そして、この値が設定速度ポイントとして更新される結果(ステップS47)、ステップS7やステップS16(図8参照)の音声読み上げ処理においては、速度制御用テーブル87A(図15参照)に基づいて「中速」または「やや高速」で音声出力される。
【0083】
続いて、以上の辞書検索処理の動作例について説明する。
まず、図17(a)に示すように、ユーザ操作によって「ジ○ニアス和英辞典」の辞書データベース82cが指定された後(ステップS2;Yes(図8参照))、図17(b)に示すように、検索語「あつまる」が入力されると(ステップS9(図8参照))、当該検索語に対応する見出語が表示部12のディスプレイ10に一覧表示される(ステップS10(図8参照))。
【0084】
次に、反転表示によって見出語「あつまる[集まる]」が指定見出語として指定されると(ステップS11(図8参照))、指定辞書データベース82cの使用回数が「1」増やされる(ステップS45(図16参照))。そして、検索辞書平均レベルが算出され(ステップS46(図16参照))、設定速度ポイントが更新された後(ステップS47(図16参照))、図17(c)に示すように、当該指定見出語の説明情報が表示部12のディスプレイ10に表示される(ステップS13(図8参照))。
【0085】
次に、図18(a)に示すように、ユーザ操作により反転表示で文字列「assemble」がジャンプ対象単語として指定されると(ステップS18(図8参照))、図18(b)に示すように、ジャンプ先の辞書データベースとして「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」等の辞書データベース82a〜82gの選択画面が表示部12のディスプレイ10に表示される。
【0086】
次に、この選択画面から「ロ○グマン現代アメリカ英語辞典」の辞書データベース82aが指定されると(ステップS19(図8参照))、指定辞書データベース82aの使用回数が「1」増やされる(ステップS45(図16参照))。そして、検索辞書平均レベルが算出され(ステップS46(図16参照))、設定速度ポイントが更新された後(ステップS47(図16参照))、図18(c)に示すように、当該指定見出語の説明情報が表示部12のディスプレイ10に表示される(ステップS13(図8参照))。
【0087】
次に、例文読み上げキー2iが操作され(ステップS14;Yes(図8参照))、図18(d),(e)に示すように、ユーザ操作により反転表示で「2」の例文が読み上げ範囲として指定されると(ステップS15(図8参照))、音声出力速度記憶領域86から音声出力の設定速度ポイントが読み出されて(ステップS30(図9参照))、音声出力速度に変換された後、この音声出力速度で「2」の例文が音声出力される(ステップS31(図9参照))。
【0088】
以上の電子辞書装置1Aによれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、図16のステップS46〜ステップS47で示したように、各辞書データベース82a〜82gの格付けと検索割合との乗算値を合算することにより検索辞書平均レベルが算出され、算出された検索辞書平均レベルに基づいて速度情報が更新され、変更された速度情報に基づいて音声出力速度が制御されるので、音声出力速度をユーザの語学力に確実に合わせることができる。
【0089】
なお、上記第1実施形態及びその変形例においては、辞書データベース群82や辞書レベルテーブル83がフラッシュROM8,8Aのみに格納されていることとして説明したが、例えば図19に示すように、外部情報記憶媒体5aにも辞書データベース群500及び辞書レベルテーブル505が格納されることとしても良い。
【0090】
より詳細には、図20に示すように、辞書データベース群500は英語関連の辞書データベースとして、「英和活用大辞典」の辞書データベース500aと、「ア○ティベータ」の辞書データベース500bと、「英会話とっさのひとこと」の辞書データベース500c等とを有しており、図21に示すように、辞書レベルテーブル505は辞書データベース500a〜500c毎に、辞書名と、その辞書の難易度などのレベルを示す格付けとを対応付けて格納している。
【0091】
更に、このような外部情報記憶媒体5aがカードスロット5に接続される場合、CPU6は、辞書検索処理のステップS1(図8参照)で音声出力速度記憶領域86,86A内の設定速度ポイントを読み出した後、フラッシュROM8に記憶されている内蔵辞書データベース82a〜82gの個数「7」に設定速度ポイントを乗算した値と、外部情報記憶媒体5aに記憶されている辞書データベース500a〜500cそれぞれの格付けとを合算し、辞書データベースの総数で割った値を速度ポイントとして設定しなおすこととしても良い。
【0092】
具体的には、図22に示すように、現在の設定速度ポイントが「2」であり、「6」個の辞書データベースがフラッシュROM8に内蔵され、図21に示すような格付けの辞書データベースが外部情報記憶媒体5aに内蔵されている場合には、設定速度ポイントが「2.66」(=(6×2+5+4+3)/9)に設定しなおされる。
【0093】
この場合にも、ユーザの語学力に合わせて音声出力速度を設定し、音声出力速度を設定する手間を省くことができる。但し、外部情報記憶媒体5aがカードスロット5から抜かれた場合には、CPU6は、通常の辞書検索処理を行うことが好ましい。
【0094】
<第2実施形態>
続いて、本発明に係る情報出力装置を適用した電子辞書装置の第2実施形態について説明する。なお、上記の第1実施形態及び変形例と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0095】
図23に示すように、本実施の形態における電子辞書装置1BはフラッシュROM8Bを備えており、このフラッシュROM8Bは、本発明に係る情報出力プログラム81Bと、見出語レベルテーブル83Bと、音声出力速度記憶領域86Bと、速度制御用テーブル87Bと、レベル別回数テーブル88Bとを記憶している。
【0096】
情報出力プログラム81Bは、後述の辞書検索処理(図8,図9,図27参照)をCPU6に実行させるためのプログラムである。
【0097】
見出語レベルテーブル83Bは、電子辞書装置1における内蔵辞書の見出語の難易度レベルを定義したデータテーブルであり、図24に示すように、見出語と、その難易度レベルとを対応付けて格納している。なお、本実施の形態においては、難易度レベルは、「1(やさしい)」、「2(普通)」及び「3(難しい)」の3レベルとなっている。
【0098】
音声出力速度記憶領域86Bは、音声出力部13による音声出力の設定速度を設定速度ポイントとして記憶する領域である。ここで、本実施の形態においては、設定速度ポイントは0.00〜4.00の値をとるようになっている。
【0099】
速度制御用テーブル87Bは、本実施の形態においては、音声出力速度を「低速」、「中速」及び「高速」の3段階で制御するようになっている。より詳細には、速度制御用テーブル87Bは、図25に示すように、速度ポイントが「0.00〜1.66」場合には音声出力速度を「低速」に、速度ポイントが「1.67〜2.33」の場合には音声出力速度を「中速」に、速度ポイントが「2.34〜4.00」の場合には音声出力速度を「高速」にするようになっている。
【0100】
レベル別回数テーブル88Bは、図26(a)に示すように、見出語の難易度レベルと、レベル別の検索回数とを対応付けて格納している。なお、本実施の形態においては、難易度レベル「1(やさしい)」の検索回数を「x」回、難易度レベル「2(普通)」の検索回数を「y」回、難易度レベル「3(難しい)」の検索回数を「z」回とする。
【0101】
続いて、電子辞書装置1Bの動作について説明する。図8,図9,図27は、CPU6がフラッシュROM8Bから情報出力プログラム81Bを読み出して実行する辞書検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、電子辞書装置1Bの動作は、上述の電子辞書装置1の動作と比較してステップS12,ステップS20の設定速度変更処理(図8,図10参照)のみが異なっているため、これ以外の処理については説明を省略する。
【0102】
本実施の形態の設定速度変更処理においては、まずCPU6は、図27に示すように、ステップS11またはステップS18(図8参照)で指定または選択された見出語の難易度レベルを見出語レベルテーブル83Bから読み出した後(ステップS55)、レベル別回数テーブル88Bにおける当該レベルの検索回数を「1」だけ増やす(ステップS56)。
【0103】
次に、CPU6は、レベル別回数テーブル88Bにおける見出語のレベルを、当該レベルの見出語の音声出力回数で重み付けして加重平均することにより、検索見出語平均レベルを算出する(ステップS57)。より詳細には、CPU6は、各レベルの(レベル値)×(検索回数)の値を合算し、総検索回数で割った値(=(1×x+2×y+3×z)/(w+y+z)を検索見出語平均レベルとする。
【0104】
次に、CPU6は、算出された検索見出語平均レベルに基づいて、音声出力速度記憶領域86B内の設定速度ポイントを更新し(ステップS58)、設定速度変更処理を終了する。ここで、本実施の形態においては、CPU6は、算出された検索見出語平均レベルの値を設定速度ポイントとして更新する。
【0105】
以上の電子辞書装置1Bによれば、図27のステップS45〜ステップS48に示したように、検索対象として指定された見出語のレベルに基づいて、設定速度ポイントが更新され、当該指定見出語に対応する文字列の音声出力速度が制御されるので、従来と異なり、音声出力速度を設定する手間を省くことができる。
【0106】
また、図27のステップS46に示したように、見出語のレベルを、当該レベルの各見出語の検索回数で重み付けして加重平均することにより検索見出語平均レベルが算出され、算出された検索見出語平均レベルに基づいて速度ポイントが変更され、変更された速度情報に基づいて音声出力速度が制御されるので、ユーザの語学力に合わせて音声出力速度を設定することができる。
【0107】
なお、上記第2実施形態においては、レベル別回数テーブル88Bは、見出語の難易度レベルに、検索回数を対応付けて格納していることとして説明したが、図26(b)に示すように、見出語と対応する例文の音声出力回数を対応付けて格納することとしても良い。この場合であっても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0108】
<第1,第2実施形態の変形例>
続いて、上記第1,第2実施形態の変形例について説明する。なお、上記の第1,第2実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0109】
上述の図2,図12または図23に示すように、本変形例における電子辞書装置1Cは、フラッシュROM8Cを備えており、このフラッシュROM8Cは、本発明に係る情報出力プログラム81Cを記憶している。
【0110】
この情報出力プログラム81Cは、後述の辞書検索処理(図8,図9,図29参照)をCPU6に実行させるためのプログラムである。
【0111】
また、本変形例におけるヒストリ一覧テーブル84a〜84gや、単語帳テーブル85a〜85gには、図28に示すように、説明情報の検索されたイディオム等の見出語と、当該説明情報中の例文とが対応付けて格納されている。
【0112】
続いて、電子辞書装置1Cの動作について説明する。図8,図9,図29は、CPU6がフラッシュROM8Cから情報出力プログラム81Cを読み出して実行する辞書検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、電子辞書装置1Cの動作は、上述の電子辞書装置1,1A,1Bの動作と比較してステップS7,ステップS16の音声読み上げ処理(図8,図10参照)のみが異なっているため、これ以外の処理については説明を省略する。
【0113】
本実施の形態の音声読み上げ処理においては、まずCPU6は、図29に示すように、音声出力速度記憶領域86から音声出力の設定速度ポイントを読み出した後(ステップS60)、ステップS6またはステップS15で指定された読み上げ範囲のテキストに、ヒストリ登録,単語帳登録されたイディオムが含まれているか否かを判定する(ステップS61)。
【0114】
このステップS61において、登録されたイディオムが含まれていないと判定した場合(ステップS61;No)には、CPU6は、ステップS60で読み出した設定速度ポイントを速度制御用テーブル87によって音声出力速度に変換した後、この音声出力速度で指定範囲のテキストを音声出力し(ステップS62)、これにより音声読み上げ処理を終了する。
【0115】
一方、ステップS61において、登録されたイディオムが含まれていると判定した場合(ステップS61;Yes)には、CPU6は、ステップS60で読み出した設定速度ポイントを速度制御用テーブル87によって音声出力速度に変換した後、この音声出力速度を1段階上げて指定範囲のテキストを音声出力し(ステップS63)、これにより音声読み上げ処理を終了する。
【0116】
例えば、図28に示すように、イディオム「not only but also」と、このイディオムを含む例文とがヒストリ登録されており、図30(a)に示すように、ヒストリキー2mの操作によって当該例文が表示されるような場合には、図30(b)に示すように、ヒストリ登録されたイディオム「not only but also」が読み上げ範囲のテキスト「The report has not only attracted much attention but also some sharp criticism.」に含まれていると判定される結果(ステップS61;Yes)、このテキストは音声出力速度記憶領域86内の設定速度ポイントに対応する音声出力速度よりも1段階上の速度で音声出力される(ステップS63)。
【0117】
以上の電子辞書装置1Cによれば、図29のステップS61〜ステップS63に示したように、ヒストリ登録または単語帳登録されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度が高められるので、音声出力速度をユーザの語学力に確実に合わせることができる。
【0118】
尚、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本発明に係る情報出力装置を電子辞書装置1,1A〜1Cとして説明したが、例えばパソコンやPDA(Personal Digital Assistance)等、他の電子機器としても良い。
また、第1,第2実施形態の変形例においては、カードスロット5から辞書データベース500a〜500cを追加することとして説明したが、インターネットなどの通信回線を介して追加することとしても良い。
【符号の説明】
【0119】
1,1A〜1C 電子辞書装置(情報出力装置)
2d 辞書選択キー(辞書情報指定手段)
2b 訳/決定キー(見出語指定手段、文字列指定手段)
6 CPU(レベル検出手段、検索手段、速度制御手段、
速度情報変更手段、検索レベル算出手段、
検索レベル算出手段、出力レベル算出手段)
8,8A〜8C フラッシュROM(辞書記憶手段、音声データ記憶手段)
12 表示部(表示手段)
13 音声出力部(音声出力手段)
81,81A〜81C 情報出力プログラム
82a〜82g 辞書データベース(辞書情報)
83 辞書レベルテーブル(レベル記憶手段)
83A 辞書レベルテーブル(検索割合記憶手段)
83B 見出語レベルテーブル83(レベル記憶手段)
84a〜84g ヒストリテーブル(ヒストリ登録手段)
85a〜85g 単語帳テーブル(単語帳登録手段)
86,86A,86B 音声出力速度記憶領域86(速度記憶手段)
88B レベル別回数テーブル(レベル別検索回数記憶手段、
レベル別出力回数記憶手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各見出語に、説明情報を対応付けてなる辞書情報を記憶する辞書記憶手段と、
前記説明情報中の所定の文字列に音声データを対応付けて記憶する音声データ記憶手段と、
各見出語に、予め設定されたレベルを対応付けて記憶するレベル記憶手段と、
ユーザ操作に基づいて前記辞書情報における何れかの見出語を指定見出語として指定する見出語指定手段と、
前記指定見出語に対応する説明情報を前記辞書情報から検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された説明情報を表示する表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示手段に表示された説明情報における前記所定の文字列の何れかを指定文字列として指定する文字列指定手段と、
前記指定文字列と対応する音声データを音声出力する音声出力手段と、
前記指定見出語のレベルを前記レベル記憶手段から検出するレベル検出手段と、
前記レベル検出手段によって検出されたレベルに基づいて前記音声出力手段による音声出力速度を制御する速度制御手段と、
を備えることを特徴とする情報出力装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報出力装置において、
音声出力速度についての速度情報を記憶する速度記憶手段と、
前記レベル検出手段によって検出されたレベルに基づいて、見出語の各レベルに、当該レベルの各見出語の検索回数を対応付けて記憶するレベル別検索回数記憶手段と、
前記レベル別検索回数記憶手段中の情報に基づいて、見出語のレベルを、前記検索手段による当該レベルの各見出語の検索回数で重み付けして加重平均することにより検索見出語平均レベルを算出する検索レベル算出手段と、
前記検索レベル算出手段によって算出された前記検索見出語平均レベルに基づいて前記速度記憶手段における速度情報を変更する速度情報変更手段と、
を備え、
前記速度制御手段は、前記速度情報変更手段により変更された速度情報に基づいて、音声出力速度を制御することを特徴とする情報出力装置。
【請求項3】
請求項1記載の情報出力装置において、
音声出力速度についての速度情報を記憶する速度記憶手段と、
前記レベル検出手段によって検出されたレベルに基づいて、見出語の各レベルに、当該レベルの各見出語に対応する前記所定の文字列の音声出力回数を対応付けて記憶するレベル別出力回数記憶手段と、
前記レベル別出力回数記憶手段中の情報に基づいて、見出語のレベルを、当該レベルの各見出語に対応する前記所定の文字列の音声出力回数で重み付けして加重平均することにより出力見出語平均レベルを算出する出力レベル算出手段と、
前記出力レベル算出手段によって算出された前記出力見出語平均レベルに基づいて前記速度記憶手段における速度情報を変更する速度情報変更手段と、
を備え、
前記速度制御手段は、前記速度情報変更手段により変更された速度情報に基づいて、音声出力速度を制御することを特徴とする情報出力装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の情報出力装置において、
前記検索手段により説明情報の検索された見出語としてのイディオムと、当該説明情報中の前記所定の文字列とを対応付けて蓄積記憶するヒストリ登録手段を備え、
前記速度制御手段は、前記ヒストリ登録手段に記憶されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度を高めることを特徴とする情報出力装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の情報出力装置において、
前記検索手段により説明情報の検索された見出語としてのイディオムと、当該説明情報中の前記所定の文字列とを、ユーザ操作に基づいて対応付けて蓄積記憶する単語帳登録手段を備え、
前記速度制御手段は、前記単語帳登録手段に記憶されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度を高めることを特徴とする情報出力装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の情報出力装置において、
前記所定の文字列は、前記説明情報に含まれる例文であることを特徴とする情報出力装置。
【請求項7】
各見出語に説明情報を対応付けてなる辞書情報を記憶する辞書記憶手段と、前記説明情報中の所定の文字列に音声データを対応付けて記憶する音声データ記憶手段と、各見出語に予め設定されたレベルを対応付けて記憶するレベル記憶手段と、を備えるコンピュータに、
ユーザ操作に基づいて前記辞書情報における何れかの見出語を指定見出語として指定する見出語指定機能と、
前記指定見出語に対応する説明情報を前記辞書情報から検索する検索機能と、
前記検索機能により検索された説明情報を表示する制御を行う表示機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示機能の制御により表示された説明情報における前記所定の文字列の何れかを指定文字列として指定する文字列指定機能と、
前記指定文字列と対応する音声データを音声出力する音声出力機能と、
前記指定見出語のレベルを前記レベル記憶手段から検出するレベル検出機能と、
前記レベル検出機能によって検出されたレベルに基づいて前記音声出力機能による音声出力速度を制御する速度制御機能と、
を実現させることを特徴とする情報出力プログラム。
【請求項1】
各見出語に、説明情報を対応付けてなる辞書情報を記憶する辞書記憶手段と、
前記説明情報中の所定の文字列に音声データを対応付けて記憶する音声データ記憶手段と、
各見出語に、予め設定されたレベルを対応付けて記憶するレベル記憶手段と、
ユーザ操作に基づいて前記辞書情報における何れかの見出語を指定見出語として指定する見出語指定手段と、
前記指定見出語に対応する説明情報を前記辞書情報から検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された説明情報を表示する表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示手段に表示された説明情報における前記所定の文字列の何れかを指定文字列として指定する文字列指定手段と、
前記指定文字列と対応する音声データを音声出力する音声出力手段と、
前記指定見出語のレベルを前記レベル記憶手段から検出するレベル検出手段と、
前記レベル検出手段によって検出されたレベルに基づいて前記音声出力手段による音声出力速度を制御する速度制御手段と、
を備えることを特徴とする情報出力装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報出力装置において、
音声出力速度についての速度情報を記憶する速度記憶手段と、
前記レベル検出手段によって検出されたレベルに基づいて、見出語の各レベルに、当該レベルの各見出語の検索回数を対応付けて記憶するレベル別検索回数記憶手段と、
前記レベル別検索回数記憶手段中の情報に基づいて、見出語のレベルを、前記検索手段による当該レベルの各見出語の検索回数で重み付けして加重平均することにより検索見出語平均レベルを算出する検索レベル算出手段と、
前記検索レベル算出手段によって算出された前記検索見出語平均レベルに基づいて前記速度記憶手段における速度情報を変更する速度情報変更手段と、
を備え、
前記速度制御手段は、前記速度情報変更手段により変更された速度情報に基づいて、音声出力速度を制御することを特徴とする情報出力装置。
【請求項3】
請求項1記載の情報出力装置において、
音声出力速度についての速度情報を記憶する速度記憶手段と、
前記レベル検出手段によって検出されたレベルに基づいて、見出語の各レベルに、当該レベルの各見出語に対応する前記所定の文字列の音声出力回数を対応付けて記憶するレベル別出力回数記憶手段と、
前記レベル別出力回数記憶手段中の情報に基づいて、見出語のレベルを、当該レベルの各見出語に対応する前記所定の文字列の音声出力回数で重み付けして加重平均することにより出力見出語平均レベルを算出する出力レベル算出手段と、
前記出力レベル算出手段によって算出された前記出力見出語平均レベルに基づいて前記速度記憶手段における速度情報を変更する速度情報変更手段と、
を備え、
前記速度制御手段は、前記速度情報変更手段により変更された速度情報に基づいて、音声出力速度を制御することを特徴とする情報出力装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の情報出力装置において、
前記検索手段により説明情報の検索された見出語としてのイディオムと、当該説明情報中の前記所定の文字列とを対応付けて蓄積記憶するヒストリ登録手段を備え、
前記速度制御手段は、前記ヒストリ登録手段に記憶されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度を高めることを特徴とする情報出力装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の情報出力装置において、
前記検索手段により説明情報の検索された見出語としてのイディオムと、当該説明情報中の前記所定の文字列とを、ユーザ操作に基づいて対応付けて蓄積記憶する単語帳登録手段を備え、
前記速度制御手段は、前記単語帳登録手段に記憶されているイディオムの含まれる各所定の文字列の音声出力速度を高めることを特徴とする情報出力装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の情報出力装置において、
前記所定の文字列は、前記説明情報に含まれる例文であることを特徴とする情報出力装置。
【請求項7】
各見出語に説明情報を対応付けてなる辞書情報を記憶する辞書記憶手段と、前記説明情報中の所定の文字列に音声データを対応付けて記憶する音声データ記憶手段と、各見出語に予め設定されたレベルを対応付けて記憶するレベル記憶手段と、を備えるコンピュータに、
ユーザ操作に基づいて前記辞書情報における何れかの見出語を指定見出語として指定する見出語指定機能と、
前記指定見出語に対応する説明情報を前記辞書情報から検索する検索機能と、
前記検索機能により検索された説明情報を表示する制御を行う表示機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示機能の制御により表示された説明情報における前記所定の文字列の何れかを指定文字列として指定する文字列指定機能と、
前記指定文字列と対応する音声データを音声出力する音声出力機能と、
前記指定見出語のレベルを前記レベル記憶手段から検出するレベル検出機能と、
前記レベル検出機能によって検出されたレベルに基づいて前記音声出力機能による音声出力速度を制御する速度制御機能と、
を実現させることを特徴とする情報出力プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2011−170365(P2011−170365A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67221(P2011−67221)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【分割の表示】特願2006−93418(P2006−93418)の分割
【原出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【分割の表示】特願2006−93418(P2006−93418)の分割
【原出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]