説明

情報収集システム、情報収集方法、情報収集プログラム

【課題】現場で発生するイベント情報の持つ2次的、3次的な意味内容も即時に理解することができる情報収集システムを提供する。
【解決手段】情報収集システムは、データベースから各補足情報を検索する。そして、検索された各補足情報を追加してイベント情報を順次再構成する。さらに、イベント情報に含まれる現場データ及び新たに追加された各補足情報のうちの各種組み合わせを検索キーとして他の種類の補足情報を検索する。当該検索と再構成を順次繰り返して、イベント情報に2次的、3次的な補足情報を追加していく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場やオフィス等で発生する現場データを収集する情報収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場やオフィス等においては、各種の設備が稼働しており、それら設備がエラー情報やステータス情報等の設備に対する観測結果を示す現場データを出力する。この現場データは、ユーザにより入力される場合もある。ユーザは、設備等にモバイル端末を接続し、モバイル端末をユーザインターフェースとして用いて現場データを入力する。現場データは、コード化された、若しくは観測結果である数値として出力され、発生した場所や日時の情報が付加されたイベント情報として、固定資産管理者によりモニタリングされる。固定資産管理者は、例えば、工場では設備の保守管理者であり、オフィスではサーバ等の設備管理者である。
【0003】
このイベント情報は、工場やオフィスの稼働管理、製品の品質管理、経営管理等に寄与する貴重な情報である。しかしながら、設備から直接出力されるイベント情報は、コード若しくは単なる観測数値、及び発生場所や発生日時等の直接的な意味以外には、2次的、3次的な意味を有していない。そのため、従来は、現場レベルで得られた情報を管理や経営レベルに至るまでの間に各層で順次解釈し直し、イベント情報を2次的、3次的な意味を持つ情報に変化させていくことで、各レベルにおいてイベント情報を活用していた。
【0004】
そのため、現場レベルと管理や経営レベルとでは、情報の伝わり方にタイムラグが発生しがちとなり、現場レベルと経営管理レベルが遊離しがちとなっている。
【0005】
そのため、従来より、各種の情報収集システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。例えば、イベント情報は、一般的に、データベースに一度蓄積され、各部署で必要な情報を得るための定義に従って当該データベースが検索される。そして、各部署において、必要なイベント情報が抽出され、そのイベント情報の持つ2次的、3次的な意味が解析される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−164182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような情報収集システムにおいては、現場レベルと管理や経営レベルが同時に同じイベント情報を取得できる。しかしながら、上述したように、設備で発生するイベント情報には、2次的、3次的な意味内容がない。そのため、イベント情報が持つ2次的、3次的な意味内容を必要とする各担当者は、得られるイベント情報の解析を繰り返す作業を要していた。すなわち、イベント情報を解釈し、その解釈から得られる新たな解釈を行い、これを繰り返し、段階的にイベント情報に2次的、3次的意味内容を与えていく作業が必要となる。
【0008】
例えば、ある設備において、歩留まり率を示す現場データが得られた場合、その歩留まり率が設備の異常を示しているのか、異常であれば、その異常の原因は消耗部品にあるのか、他にあるのか、消耗部品に原因があれば、その消耗部品はどこに保管されているのか、消耗部品を在庫から持ち出した場合、在庫を補充しなくてはならないのか、在庫を補充するのであれば、どの販売会社から消耗部品を購入するのか、更に重要顧客への納期遅延連絡等、これらを遅滞なく順番に解釈を繰り返さなくてはならない。
【0009】
従って、情報収集システムにより、イベント情報がタイムラグなく、各部署に届くようにはなったが、イベント情報の解釈に要する時間は各部署でばらばらであった。そのため、イベント情報に対する認識においては、現場レベルと管理や経営レベルとでタイムラグを避けることができず、結局、現場レベルと管理や経営レベルとの遊離は解消できていない。
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、現場で発生するイベント情報の持つ2次的、3次的な意味内容も即時に理解することができる情報収集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報収集システムは、現場データが発生するデータ発生装置にネットワークを介して接続された情報収集システムであって、前記現場データに付加する各補足情報の種類を定義する辞書を記憶する辞書記憶手段と、各種各内容の補足情報が記憶されたデータベースと、前記辞書に従って、前記データベースから前記各補足情報を検索する検索手段と、前記検索された各補足情報を前記現場データに追加してイベント情報を再構成する第1の再構成手段と、を備え、前記検索手段は、前記第1の再構成手段で再構成されたイベント情報に含まれる前記現場データ及び前記追加された各補足情報のうちの各種組み合わせを検索キーとして他の種類の補足情報を検索し、前記第1の再構成手段は、前記検索手段で順次検索された前記補足情報を前記イベント情報に順次追加すること、を特徴とする。
【0012】
前記辞書記憶手段には、前記データ発生装置が設置される現場レベルで活用可能な直接部門用の補足情報に加え、前記現場データから間接的に導かれ、営業活動を管理する各種管理レベルで活用可能な間接部門用の補足情報、及び経営レベルで活用可能な経営判断用の補足情報が定義され、イベント情報は、前記検索手段と前記第1の再構成手段により、直接部門用の補足情報に加えて前記間接部門用の補足情報及び経営判断用の補足情報も追加されて再構築されるようにしてもよい。
【0013】
前記イベント情報の収集を依頼する依頼端末にネットワークを介して接続され、前記依頼端末から前記補足情報の各種類を受信する受信手段と、前記現場データと前記受信手段で受信した前記各種類の前記補足情報とを前記第1の再構成手段で再構成されたイベント情報から抽出して新たなイベント情報を再構成する第2の再構成手段と、前記第2の再構成手段で再構成されたイベント情報を前記依頼端末に関連づけて記憶するイベント情報記憶手段と、前記イベント情報記憶手段に記憶されたイベント情報を前記依頼端末に送信する送信手段と、を更に備えるようにしてもよい。
【0014】
前記依頼端末に対して、前記辞書に定義された各種補足情報の一覧を表示させ、当該一覧から選択された前記補足情報の各種類を送信させるための表示画面を表示させる表示制御手段を更に備えるようにしてもよい。
【0015】
前記データベースは、インターネット上に公開されたサーバであるようにしてもよい。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る情報収集方法は、現場データが発生するデータ発生装置にネットワークを介して接続された情報収集システムの情報収集方法であって、前記情報収集システムは、前記現場データに付加する各補足情報の種類を定義する辞書を記憶する辞書記憶手段と、各種各内容の補足情報が記憶されたデータベースと、を備え、前記辞書に従って、前記データベースから前記各補足情報を検索する検索ステップと、前記検索された各補足情報を前記現場データに追加してイベント情報を再構成する第1の再構成ステップと、を行い、前記検索ステップでは、前記第1の再構成ステップで再構成されたイベント情報に含まれる前記現場データ及び前記追加された各補足情報のうちの各種組み合わせを検索キーとして他の種類の補足情報を検索し、前記第1の再構成ステップでは、前記検索ステップで順次検索された前記補足情報を前記イベント情報に順次追加すること、を特徴とする。
【0017】
前記辞書記憶手段には、前記データ発生装置が設置される現場レベルで活用可能な直接部門用の補足情報に加え、前記現場データから間接的に導かれ、営業活動を管理する各種管理レベルで活用可能な間接部門用の補足情報、及び経営レベルで活用可能な経営判断用の補足情報が定義され、イベント情報は、前記検索ステップと前記第1の再構成ステップにより、直接部門用の補足情報に加えて前記間接部門用の補足情報及び経営判断用の補足情報も追加されて再構築されるようにしてもよい。
【0018】
前記情報収集システムは、前記イベント情報の収集を依頼する依頼端末にネットワークを介して接続され、前記依頼端末から前記補足情報の各種類を受信する受信ステップと、前記現場データと前記受信ステップで受信した前記各種類の前記補足情報とを前記第1の再構成ステップで再構成されたイベント情報から抽出して新たなイベント情報を再構成する第2の再構成ステップと、前記第2の再構成ステップで再構成されたイベント情報を前記依頼端末に関連づけて記憶するイベント情報記憶ステップと、前記イベント情報記憶ステップに記憶されたイベント情報を前記依頼端末に送信する送信ステップと、を更に行うようにしてもよい。
【0019】
前記依頼端末に対して、前記辞書に定義された各種補足情報の一覧を表示させ、当該一覧から選択された前記補足情報の各種類を送信させるための表示画面を表示させる表示制御ステップを更に備えるようにしてもよい。
【0020】
前記データベースは、インターネット上に公開されたサーバであるようにしてもよい。
【0021】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る情報収集プログラムは、現場データが発生するデータ発生装置にネットワークを介して接続され、前記現場データに付加する各補足情報の種類を定義する辞書を記憶する辞書記憶手段と、各種各内容の補足情報が記憶されたデータベースと、を備える情報収集システムを、前記辞書に従って、前記データベースから前記各補足情報を検索する検索手段と、前記検索された各補足情報を前記現場データに追加してイベント情報を再構成する第1の再構成手段と、して機能させ、前記検索手段は、前記第1の再構成手段で再構成されたイベント情報に含まれる前記現場データ及び前記追加された各補足情報のうちの各種組み合わせを検索キーとして他の種類の補足情報を検索し、前記第1の再構成手段は、前記検索手段で順次検索された前記補足情報を前記イベント情報に順次追加すること、を特徴とする。
【0022】
前記辞書記憶手段には、前記データ発生装置が設置される現場レベルで活用可能な直接部門用の補足情報に加え、前記現場データから間接的に導かれ、営業活動を管理する各種管理レベルで活用可能な間接部門用の補足情報、及び経営レベルで活用可能な経営判断用の補足情報が定義され、イベント情報は、前記検索手段と前記第1の再構成手段により、直接部門用の補足情報に加えて前記間接部門用の補足情報及び経営判断用の補足情報も追加されて再構築されるようにしてもよい。
【0023】
前記情報収集システムは、前記イベント情報の収集を依頼する依頼端末にネットワークを介して接続され、前記依頼端末から前記補足情報の各種類を受信する受信手段と、前記現場データと前記受信手段で受信した前記各種類の前記補足情報とを前記第1の再構成手段で再構成されたイベント情報から抽出して新たなイベント情報を再構成する第2の再構成手段と、前記第2の再構成手段で再構成されたイベント情報を前記依頼端末に関連づけて記憶するイベント情報記憶手段と、前記イベント情報記憶手段に記憶されたイベント情報を前記依頼端末に送信する送信手段と、して更に機能させるようにしてもよい。
【0024】
前記依頼端末に対して、前記辞書に定義された各種補足情報の一覧を表示させ、当該一覧から選択された前記補足情報の各種類を送信させるための表示画面を表示させる表示制御手段として更に機能させるようにしてもよい。
【0025】
前記検索手段は、インターネット上に公開されたサーバにアクセスして検索するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、依頼端末を操作する側からは、必要とする内容が直接的かつ分かりやすく記述されたイベント情報が発生しているように見え、解釈の作業を要することなく、そのイベント情報の到達の時点で、イベント情報の持つ2次的、3次的な意味内容を理解することができる。従って、現場レベルから経営管理レベルに至るまで、イベント情報の到達のタイムラグを解消するのみならず、イベント情報に対する理解のタイムラグをも解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態に係る情報収集システムを含むネットワーク構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る情報収集システムの一次イベント情報を生成する構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る情報収集システムの最終イベント情報を生成する構成を示すブロック図である。
【図4】辞書記憶部に記憶されている辞書を示す模式図である。
【図5】一次イベント情報の再構成態様を示す説明図である。
【図6】最終イベント情報を再構成する過程を示すデータ遷移図である。
【図7】現場データGの発生から最終イベント情報の再構成までの動作を示すフローチャートである。
【図8】一次イベント情報の再構成過程を示す具体例である。
【図9】イベント情報の遷移過程を示す具体例である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る情報収集システムの実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
(ネットワーク構成)
図1は、本実施形態に係る情報収集システムを含むネットワーク構成を示すブロック図である。情報収集システム1は、ネットワークNに接続されている。ネットワークNには、1以上のデータ発生装置200a、200b、200c・・・と、1以上の依頼端末100a、100b、100c・・・と、データベース2とが更に接続されている。
【0030】
情報収集システム1、データベース2、依頼端末100、及びデータ発生装置200は、コンピュータを含み構成され、演算制御装置(CPU)、主記憶装置(RAM)、OS及びアプリケーションが記憶された外部記憶装置(HDD等)、及びネットワークアダプタを備えている。
【0031】
情報収集システム1は、単一のコンピュータ又は分散型コンピュータ群である。また、情報収集システム1とデータベース2とは一体又はネットワークN上に分散した別個のコンピュータである。依頼端末100は、ユーザにより操作される端末であり、マンマシンインターフェースとして、液晶、CRT、有機EL等のスクリーンを有するモニタ、マウス、及びキーボードを更に備える。データ発生装置200は、コンピュータと工場やオフィスで稼働するFA等の設備とを他のネットワークにより接続して備えている。
【0032】
ネットワークNは、IEEE802.3等の有線通信プロトコルや、IEEE802.11で規定される無線通信プロトコル、その他のプロトコルに準拠したネットワークであり、有線LAN網、無線LAN網、インターネット網、若しくは専用回線等の通信回線、又はこれらの複合である。
【0033】
このネットワークNにおいて、データ発生装置200では、現場データGが発生する。現場データGは、エラー情報やステータス情報等の設備に対する観測結果であり、設備が備えるセンサによる各種事象の検知やその解析処理によって出力される。この現場データGは、ユーザにより入力される場合もある。ユーザは、モバイル端末をデータ発生装置200が備える設備に接続し、当該モバイル端末をユーザインターフェースとして用いて、現場データGを入力する。
【0034】
データ発生装置200は、現場データGの種類、データが発生した設備、及び発生時刻を示す補足情報Sを現場データGに付加した上で、情報収集システム1のIPアドレス及び情報収集アプリケーションのポート番号を含むTCPやIPのヘッダを現場データGに付加し、ネットワークNに送出する。現場データGに補足情報Sが付加された一連のデータをイベント情報Eという。ユーザが現場データGを入力する場合には、更にモバイル端末を用いて、現場データGの種類、データが発生した設備、及び発生時刻を示す補足情報Sを入力してもよいし、これらの補足情報Sをデータ発生装置200側でユーザが入力した現場データGに付加してもよい。
【0035】
情報収集システム1は、イベント情報Eに更に各種の補足情報Sを追加していくことで、イベント情報Eを再構築し、また依頼端末100から要求された内容に沿うように補足情報Sを取捨選択することで、更にイベント情報Eを再構築し、依頼端末100へTCP/IPプロトコルに従って送出する。
【0036】
補足情報Sは、現場データGの内容を補足する情報であり、背景情報、説明情報、解析情報、又はその他各種の有用情報である。データベース2には、この各種各内容の補足情報Sが現場データGや他の補足情報Sと相互に関連づけられて記憶されている。情報収集システム1は、データベースマネージメントシステム(DBMS)としてデータベース2を検索し、補足情報Sを取得する。
【0037】
データベース2に記憶されている補足情報Sは、現場レベルで活用可能な直接部門用の補足情報Sに限らず、現場データGから間接的に導かれ、営業活動を管理する各種管理レベルで活用可能な間接部門用の補足情報S、及び経営レベルで活用可能な経営判断用の補足情報Sも記憶されている。直接部門としては、主に製造部門や製造管理部門が挙げられ、間接部門としては、総務、営業、経理、管理等の各部署が挙げられる。このデータベース2は、社内専用のデータベースであってもよいし、インターネット上に公開されているサーバ群であってもよい。
【0038】
ここで、データ発生装置200から送出されるイベント情報Eを原始イベント情報E0と呼び、情報収集システム1で補足情報Sを追加していくことで再構築されたイベント情報Eを一次イベント情報E1と呼び、依頼端末100へ送出されるイベント情報Eを最終イベント情報E2と呼ぶ。
【0039】
一次イベント情報E1に追加される補足情報Sは、情報収集システム1が有する辞書に従って検索される。辞書には、現場データGに付加する補足情報Sが定義されている。この補足情報Sの検索においては、一次イベント情報E1に含まれる現場データGの内容や、既に付加されている補足情報Sの内容が検索キーとなる。検索された補足情報Sは、順次一次イベント情報E1に追加される。すなわち、追加された補足情報Sは、更に他の補足情報Sの検索キーとして用いられる。換言すると、一次イベント情報E1には、現場データGを補足する各種の情報が順次追加されるとともに、他の補足情報Sを検索するための各種の検索キーが順次追加されていくこととなる。
【0040】
最終イベント情報E2で取捨選択される補足情報Sは、依頼者端末100から入力される収集条件情報に従う。収集条件情報は、収集を要求する現場データGの種類、最終イベント情報Eに付加される補足情報Sの種類、及び現場データGの収集期間等が示されている。
【0041】
(システム構成)
図2及び3は、この情報収集システム1の機能上の構成を示すブロック図である。情報収集システム1は、外部記憶装置に記憶されているアプリケーションにより、検索部11と、一次再構成部12と、テンポラリメモリ13と、ミッション記憶部14と、二次再構成部15と、最終イベント情報記憶部16と、送受信部17と、辞書記憶部18とを備える。検索部11、一次再構成部12、テンポラリメモリ13、及び辞書記憶部18は、一次イベント情報E1を生成する。ミッション記憶部14、二次再構成部15、最終イベント情報記憶部16、及び送受信部17は、最終イベント情報E2を生成する。
【0042】
(一次イベント情報E1の生成)
検索部11は、CPUを含み構成される。この検索部11は、辞書記憶部18に記憶されている辞書を参照して、データベース2から補足情報Sを検索する。一次再構成部12は、CPUを含み構成される。この一次再構成部12は、検索された補足情報Sを原始イベント情報E0、次いで一次イベント情報E1に追加することで、一次イベント情報E1を順次再構成する。テンポラリメモリ13は、RAMを含み構成される。このテンポラリメモリ13には、再構成された一次イベント情報E1が一時的に格納される。
【0043】
図4は、辞書記憶部18に記憶されている辞書を示す模式図である。辞書には、一次イベント情報E1の各種モデルが記憶されている。各モデルには、一次イベント情報E1に含まれる補足情報Sが定義されている。すなわち、各モデルには、現場データGの種別を示すイベント種別情報と、補足情報Sの種別を示す補足種別情報とが記述されている。補足種別情報は、現場レベルで活用可能な直接部門用の補足情報S、現場データGから間接的に導かれ、営業活動を管理する各種管理レベルで活用可能な間接部門用の補足情報S、及び経営レベルで活用可能な経営判断用の補足情報Sを示す。
【0044】
データ発生装置200から出力される現場データGには、イベント種別情報、発生時刻を示す補足情報S、現場データGが発生した設備を示す補足情報Sが付加されている。検索部11は、現場データGに付加されているイベント種別情報が記述されたモデルを辞書から検索し、モデルに列挙されている補足種別情報が示す補足情報Sをデータベース2から検索する。
【0045】
図5は、一次イベント情報E1の再構成態様を示す説明図である。検索部11は、補足情報Sの検索において、一次イベント情報E1に含まれる現場データGの内容、既に付加されている補足情報Sの内容を検索キーとして他の種類の補足情報Sをデータベース2から検索する。検索部11は、検索する補足情報Sの種類に応じて用いる検索キーの種類及び組み合わせを検索クエリ情報として予め記憶しており、それら検索キーを一次イベント情報E1に含まれる現場データGや補足情報Sから取得して、データベース2のアンド検索を行う。尚、データベース2の検索手法としては、アンド検索に限らず、各種の手法を用いることができる。例えば、あいまい検索等を用いてもよい。あいまい検索は、セマンティック検索とも呼ばれ、検索キーの持つ意味内容から検索を行う手法である。
【0046】
例えば、検索部11は、辞書から得たモデルに含まれている補足種別情報が示す種類Bの補足情報Sの検索に際し、原始イベント情報E0から現場データGと種類Aの補足情報Sの内容を読み出し、データベース2に対してアンド検索を行い、その結果、種類Bに関して内容B1の補足情報Sを得る。一次再構成部12は、この新たに得られた補足情報Sを原始イベント情報E0に追加することで、一次イベント情報E1を生成する。
【0047】
さらに、検索部11は、辞書から得たモデルに含まれている補足種別情報が示す種類Cの補足情報Sの検索に際し、新たに生成された一次イベント情報E1から、現場データGと種類A及びBの補足情報Sの内容を読み出し、データベース2に対してアンド検索を行い、その結果、種類Cに関して内容C1の補足情報Sを得る。一次再構成部12は、この新たに得られた補足情報Sを一次イベント情報E1に追加することで、新たな一次イベント情報E1を再構成する。
【0048】
尚、データベース2が公開されたサーバである場合には、この検索部11は、インターネット経由でアクセス可能な検索エンジンに検索を要求するクエリー・リトリーブのクライアントであってもよい。
【0049】
(メッセージ情報の生成)
ミッション記憶部14は、CPU、及びRAM又はHDD等を含み構成される。このミッション記憶部14には、依頼端末100から入力された収集条件情報が記憶される。また、ミッション記憶部14は、画面制御手段として、辞書に記述された各種補足種別情報の一覧を表示させ、当該一覧からキーボードやマウスを用いて補足種別情報が一つ又は複数選択されると、その補足種別情報を情報収集システム1に送信させる。そして、この送信された補足種別情報群を収集条件情報として記憶する。
【0050】
二次再構成部15は、CPUを含み構成される。この二次再構成部15は、収集条件情報を参照して、一次イベント情報E1から現場データGと収集条件情報により要求された補足情報Sを抽出し、最終イベント情報E2を生成する。最終イベント情報記憶部16は、HDD等を含み構成される。この最終イベント情報記憶部16は、生成された最終イベント情報E2を記憶する。送受信部17は、CPU及びネットワークアダプタを含み構成される。この送受信部17は、依頼端末100に対して収集条件の選択のためのGUI操作画面を提供し、収集条件情報を受信し、更に依頼端末100から要求された最終イベント情報E2を最終イベント情報記憶部16から読み出して依頼端末100へ送信する。
【0051】
図6は、最終イベント情報E2を再構成する過程を示すデータ遷移図である。図6に示すように、現場データGとイベント種別情報の他に、種類A〜Eまでの補足情報Sが付加された一次イベント情報E1が生成されたものとする。また、ミッション記憶部14には、種類BとDの補足情報Sの要求を示す収集条件情報が依頼端末100aに関連づけられて記憶され、種類BとCの補足情報Sの要求を示す収集条件情報が依頼端末100bに関連づけられて記憶されているものとする。
【0052】
このとき、二次再構成部15は、依頼端末100aに関連づけられた収集条件情報を参照して、現場データGの他に種類A〜Dの補足情報Sを含む一次イベント情報E1から、現場データGと種類BとDの補足情報Sを抽出し、最終イベント情報E2を再構成する。また、二次再構成部15は、依頼端末100bに関連づけられた収集条件情報を参照して、現場データGと種類BとCの補足情報Sを抽出し、最終イベント情報E2を生成する。
【0053】
(動作)
このような情報収集システム1の動作について図7に基づき詳細に説明する。図7は、現場データGの発生から最終イベント情報E2の再構成までの動作を示すフローチャートである。
【0054】
まず、データ発生装置200で現場データGが発生すると(ステップS01)、データ発生装置200は、情報収集システム1に現場データGを送信する(ステップS02)。情報収集システム1において、検索部11は、辞書記憶部18に記憶されている辞書から現場データGに付加されているイベント種別情報を含むモデルを読み出す(ステップS03)。
【0055】
モデルを読み出すと、検索部11は、モデルから第N番目の補足種別情報を読み出し(ステップS04)、その補足種別情報と関連づけられている検索クエリ情報から検索キー種別を読み出し(ステップS05)、検索キー種別に該当する現場データGや各補足情報Sの内容を一次イベント情報E1から読み出し、読み出した現場データGや各補足情報Sの内容をアンド検索の検索キーとして用いてデータベース2を検索する(ステップS06)。検索の結果、補足情報Sが得られると、一次再構成部12は、得られた補足情報Sを追加した一次イベント情報E1を再構成する(ステップS07)。
【0056】
検索部11は、N=N+1とし(ステップS08)、モデルに第N番目の補足種別情報が存在すれば(ステップS09,Yes)、ステップS05に戻り、検索を繰り返す。一方、全ての補足種別情報についての検索が終了していれば(ステップS09,No)、検索処理は終了する。
【0057】
検索処理が終了すると、二次再構成部15は、ミッション記憶部14に記憶されている収集条件情報を読み出し(ステップS10)、収集条件情報に含まれているイベント種別情報が示す一次イベント情報E1をテンポラリメモリ13から検索する(ステップS11)。該当の一次イベント情報E1が見つかると、二次再構成部15は、収集条件情報に含まれる補足種別情報に該当する補足情報Sと現場データGとを一次イベント情報E1から抽出し(ステップS12)、抽出した情報を纏めて最終イベント情報E2を再構成し(ステップS13)、収集条件情報に付随する依頼端末識別情報に関連づけて最終イベント情報E2を最終イベント情報記憶部16に記憶させる(ステップS14)。
【0058】
次に、送受信部17は、依頼端末100から最終イベント情報E2の送信要求が入力されると(ステップS15)、依頼を送出した依頼端末100に関連づけて記憶している最終イベント情報E2を当該依頼端末100へ送信する(ステップS16)。
【0059】
(作用)
この情報収集システム1の作用について図8及び9に基づき説明する。図8は、一次イベント情報E1の再構成過程を示す具体例である。図9は、イベント情報Eの遷移過程を示す具体例である。
【0060】
図8及び9に示す具体例においては、情報収集システム1は、工程A〜Cを含む製品Aの製造工場Aに敷設されたネットワークNに接続されている。製造工場は、少なくともA〜Cが存在し、製造工場Aで製造される製品Aの顧客は、顧客A〜Cのうち、顧客Aである。工程Aの設備は、工程Aの最後段において不良品を検査し、歩留まり率を算出している。また、工程Aの設備には、当該製造工場Aで使用される消耗部品A〜Cのうち、消耗部品Aが用いられ、当該消耗部品Aは、保管倉庫A〜Cのうちの保管倉庫Aで保管されているものとする。また、この製造工場Aが購入している消耗部品Aは、販売会社A〜Cのうち、販売会社Aから納入されている。
【0061】
(一次再構成)
(1)原始イベント情報E0
まず、図8の(1)に示すように、工程Aの設備が不良品発生を示す現場データGを出力すると、この工程Aの設備を管理するデータ発生装置200は、当該現場データGに、不良品発生を示すイベント種別情報と、工程Aがイベント発生地点であることを示す補足情報Sと、製造工場Aであることを示す補足情報Aを追加し、原始イベント情報E0を生成する。データ発生装置200は、生成した原始イベント情報E0をネットワークNを介して情報収集システム1に送出する。
【0062】
検索部11は、原始イベント情報E0が入力されると、辞書から不良品発生を示すイベント種別情報で識別されるモデルを読み出す。当該モデルには、歩留まり率、許容される歩留まり率、故障の判定結果、故障である場合に連絡すべき顧客を示す補足情報S、設備で使われている消耗部品、消耗部品の取り替え予定日、消耗部品の取り替え予定日が経過している場合の保管倉庫、及び消耗部品の販売会社の補足種別情報が記述されている。
【0063】
(2)歩留まり率及び許容歩留まり率の検索
検索部11は、不良品発生を示すイベント種別情報で識別されるモデルを読み出す。そして、検索部11は、歩留まり率と許容歩留まり率を示す補足情報Sを検索するための検索クエリ情報に従い、原始イベント情報E0から、不良品発生を示すイベント種別情報と、工程Aの補足情報Sを読み出して、これらのアンド検索を行う。
【0064】
データベース2には、不良品発生の項目と各工程A〜Cの組み合わせに応じて、不良品発生を契機に逐次算出される歩留まり率A、及び許容歩留まり率の各補足情報Sが格納されている。歩留まり率Aは、不良品発生を示す原始イベント情報E0の発生回数と生産量とから算出され、データベース2内に更新されている。検索部11は、「歩留まり率A*工程A」の検索により、工程Aの歩留まり率A及び許容歩留まり率Aを示す補足情報Sを得る。一次再構成部12は、この検索により得られた歩留まり率A及び許容歩留まり率Aの補足情報Sを原始イベント情報E0に追加して一次イベント情報E1を再構成する。
【0065】
(3)故障又は正常を示す情報の検索
次に、モデルから異常情報を示す補足種別情報を読み出す。異常情報は、故障の判定結果を示す。そして、検索部11は、当該補足種別情報に対応する検索クエリに従い、一次イベント情報E1から、歩留まり率Aの現場データGと、先ほど追加した許容歩留まり率Aを示す補足情報Sを読み出して、これらのアンド検索を行う。
【0066】
データベース2には、各歩留まり率と各許容歩留まり率の組み合わせに応じて故障又は正常を示す情報が格納されている。検索部11は、「歩留まり率A*許容歩留まり率A」の検索により、例えば故障を示す補足情報Sを得る。一次再構成部12は、この検索により得られた故障を示す補足情報Sを一次イベント情報E1に追加する。
【0067】
(4)顧客情報の検索
次に、モデルから故障である場合に連絡すべき顧客を示す補足種別情報を読み出す。そして、検索部11は、当該補足種別情報に対応する検索クエリに従い、一次イベント情報E1から、先ほど追加した故障を示す補足情報Sと、製造工場Aを示す補足情報Sとを読み出して、これらのアンド検索を行う。
【0068】
データベース2には、故障と各製造工場A〜Cの組み合わせに応じて、顧客A〜Cを示す情報が格納されている。検索部11は、「故障A*製造工場A」の検索により、例えば製造工場Aで製造されている製品Aの顧客Aを示す補足情報Sを得る。一次再構成部12は、この検索により得られた顧客Aを示す補足情報Sを一次イベント情報E1に追加する。
【0069】
(5)消耗部品の検索
次に、モデルから設備で使われている消耗部品を示す補足種別情報を読み出す。そして、検索部11は、当該補足種別情報に対応する検索クエリに従い、一次イベント情報E1から、先ほど追加した故障を示す補足情報Sと、工程Aを示す補足情報Sとを読み出して、これらのアンド検索を行う。
【0070】
データベース2には、故障と各工程A〜Cの組み合わせに応じて、消耗部品A〜Cを示す情報が格納されている。検索部11は、「故障A*工程A」の検索により、例えば工程Aで使われる消耗部品Aを示す補足情報Sを得る。一次再構成部12は、この検索により得られた消耗部品Aを示す補足情報Sを一次イベント情報E1に追加する。
【0071】
(6)取替予定日の検索
次に、モデルから消耗部品の取り替え予定日を示す補足種別情報を読み出す。当該補足種別情報に対応する検索クエリに従い、一次イベント情報E1から、先ほど追加した消耗部品Aを示す補足情報Sと、工程Aを示す補足情報Sとを読み出して、これらのアンド検索を行う。
【0072】
データベース2には、消耗部品A〜Cと工程A〜Cの組み合わせに応じて、消耗部品の取り替え予定日を示す情報が格納されている。検索部11は、「消耗部品A*工程A」の検索により、例えば工程Aで使われる消耗部品Aの取り替え予定日である○月×日を示す補足情報Sを得る。一次再構成部12は、この検索により得られた○月×日を示す補足情報Sを一次イベント情報E1に追加する。
【0073】
(7)保管倉庫の検索
次に、モデルから消耗部品の保管倉庫を示す補足種別情報を読み出す。当該補足種別情報に対応する検索クエリに従い、一次イベント情報E1から、消耗部品Aを示す補足情報Sと、製造工場Aを示す補足情報Sと、先ほど追加した○月×日を示す補足情報Sとを読み出して、これらのアンド検索を行う。
【0074】
データベース2には、取り替え予定日と消耗部品A〜Cと製造工場A〜Cの組み合わせに応じて、保管倉庫を示す情報が格納されている。検索部11は、「○月×日*消耗部品A*製造工場A」の検索により、例えば消耗部品Aの製造工場Aにおける保管倉庫Aを示す補足情報Sを得る。一次再構成部12は、この検索により得られた保管倉庫Aを示す補足情報Sを一次イベント情報E1に追加する。
【0075】
(8)販売会社の検索
次に、モデルから消耗部品の販売会社を示す補足種別情報を読み出す。そして、検索部11は、当該補足種別情報に対応する検索クエリに従い、一次イベント情報E1から、消耗部品Aを示す補足情報Sと、製造工場Aを示す補足情報Sと、保管倉庫Aを示す補足情報Sとを読み出して、これらのアンド検索を行う。
【0076】
データベース2には、消耗部品A〜Cと製造工場A〜Cと保管倉庫A〜Cの組み合わせに応じて、消耗部品の販売会社A〜Cを示す情報が格納されている。検索部11は、「消耗部品A*製造工場A*保管倉庫A」の検索により、例えば製造工場Aにおいて購入している消耗部品Aの販売会社Aを示す補足情報Sを得る。一次再構成部12は、この検索により得られた販売会社Aを示す補足情報Sを一次イベント情報E1に追加する。
【0077】
(二次再構成)
図9は、イベント情報Eの遷移過程を示す具体例である。ここで、情報収集システム1にアクセスしている依頼者端末100aは製造工場Aの保守担当者の端末であり、依頼者端末100bは営業部員の端末であり、依頼者端末100cは購買部員の端末であるものとする。
【0078】
保守担当者は、依頼者端末100aを用いてGUI画面操作により、歩留まり率の現場データG、工程、許容歩留まり率、故障の有無、消耗部品、消耗部品の取り替え予定日、及び保管倉庫の補足情報Sを要求する第1の収集条件情報を情報収集システム1に送信させる。
【0079】
営業部員は、依頼者端末100bを用いてGUI画面操作により、歩留まり率の現場データG、製造工場、許容歩留まり率、故障の有無、及び顧客の補足情報Sを要求する第2の収集条件情報を情報収集システム1に送信させる。
【0080】
さらに、購買部員は、歩留まり率の現場データG、工程、許容歩留まり率、故障の有無、消耗部品、消耗部品の取り替え予定日、及び販売会社の補足情報Sを要求する第3の収集条件情報を情報収集システム1に送信させる。
【0081】
このとき、二次再構成部15は、図8において再構成した一次イベント情報E1から、第1の収集条件情報を参照して、歩留まり率Aの現場データA、工程A、許容歩留まり率A、故障を示す情報、消耗部品A、取り替え予定日である○月×日、及び保管倉庫Aの補足情報Sを抽出し、最終イベント情報E2に纏め、依頼端末100aに関連づけて最終イベント情報記憶部16に記憶させる。依頼端末100aから送信要求があると、送受信部17は、依頼端末100aに関連づけられている最終イベント情報E2を最終イベント情報記憶部16から読み出し、依頼端末100aに送信する。
【0082】
また、二次再構成部15は、第2の収集条件情報を参照して、歩留まり率Aの現場データA、製造工場A、許容歩留まり率A、故障を示す情報、及び顧客Aの補足情報Sを抽出し、最終イベント情報E2に纏め、依頼端末100bに関連づけて最終イベント情報記憶部16に記憶させる。依頼端末100bから送信要求があると、送受信部17は、依頼端末100bに関連づけられている最終イベント情報E2を最終イベント情報記憶部16から読み出し、依頼端末100bに送信する。
【0083】
また、二次再構成部15は、第3の収集条件情報を参照して、歩留まり率Aの現場データA、工程A、許容歩留まり率A、故障を示す情報、消耗部品A、消耗部品Aの取り替え予定日である○月×日、及び消耗部品Aの販売会社Aの補足情報Sを抽出し、最終イベント情報E2に纏め、依頼端末100cに関連づけて最終イベント情報記憶部16に記憶させる。依頼端末100cから送信要求があると、送受信部17は、依頼端末100cに関連づけられている最終イベント情報E2を最終イベント情報記憶部16から読み出し、依頼端末100cに送信する。
【0084】
(効果)
以上のように、本実施形態に係る情報収集システム1は、現場データGに付加する各補足情報Sの種類を定義する辞書を記憶する辞書記憶部18と、各種各内容の補足情報Sが記憶されたデータベース2とを備える。
【0085】
そして、検索部11は、辞書に従ってデータベース2から各補足情報Sを検索する。このとき、検索部11は、一次再構成部12で再構成された一次イベント情報E1に含まれる現場データG及び新たに追加された各補足情報Sのうちの各種組み合わせを検索キーとして他の種類の補足情報Sを検索する。一次再構成部12は、検索部11により順次検索された各補足情報Sを現場データGに追加して一次イベント情報E1を順次再構成する。
【0086】
送受信部17により、依頼端末100から補足情報Sの各種類を受信しておき、二次再構成部15によって、現場データGと収集条件情報に記述された補足情報Sとを一次イベント情報E1から抽出して最終イベント情報E2が再構成される。最終イベント情報E2は、依頼端末100に関連づけて最終イベント情報記憶部16に記憶される。依頼端末100から要求があると、送受信部17は、最終イベント情報記憶部16に記憶された最終イベント情報E2を依頼端末100に送信する。
【0087】
これにより、依頼端末100を操作する側からは、必要とする内容が直接的かつ分かりやすく記述されたイベント情報が発生しているように見え、必要とする情報を過不足無く仕入れることができ、解釈の作業を要することなく、そのイベント情報の到達の時点で、イベント情報の持つ2次的、3次的な意味内容を理解することができる。従って、現場レベルから経営管理レベルに至るまで、イベント情報の到達のタイムラグを解消するのみならず、イベント情報に対する理解のタイムラグをも解消することができる。
【0088】
また、依頼端末100側で収集条件情報を調節することで、他部門で有用な情報も仕入れることができ、また各種部門が横断的に共通情報を共有することができ、各種問題に対して即時かつ臨機応変に対応することが可能となる。
【符号の説明】
【0089】
1 情報収集システム
11 検索部
12 一次再構成部
13 テンポラリメモリ
14 ミッション情報記憶部
15 二次再構成部
16 最終イベント情報記憶部
17 送受信部
18 辞書記憶部
2 データベース
100a 依頼端末
100b 依頼端末
100c 依頼端末
200a データ発生装置
200b データ発生装置
200c データ発生装置
G 現場データ
S 補足情報
E イベント情報
E0 原始イベント情報
E1 一次イベント情報
E2 最終イベント情報
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現場データが発生するデータ発生装置にネットワークを介して接続された情報収集システムであって、
前記現場データに付加する各補足情報の種類を定義する辞書を記憶する辞書記憶手段と、
各種各内容の補足情報が記憶されたデータベースと、
前記辞書に従って、前記データベースから前記各補足情報を検索する検索手段と、
前記検索された各補足情報を前記現場データに追加してイベント情報を再構成する第1の再構成手段と、
を備え、
前記検索手段は、
前記第1の再構成手段で再構成されたイベント情報に含まれる前記現場データ及び前記追加された各補足情報のうちの各種組み合わせを検索キーとして他の種類の補足情報を検索し、
前記第1の再構成手段は、
前記検索手段で順次検索された前記補足情報を前記イベント情報に順次追加すること、
を特徴とする情報収集システム。
【請求項2】
前記辞書記憶手段には、
前記データ発生装置が設置される現場レベルで活用可能な直接部門用の補足情報に加え、前記現場データから間接的に導かれ、営業活動を管理する各種管理レベルで活用可能な間接部門用の補足情報、及び経営レベルで活用可能な経営判断用の補足情報が定義され、
イベント情報は、
前記検索手段と前記第1の再構成手段により、直接部門用の補足情報に加えて前記間接部門用の補足情報及び経営判断用の補足情報も追加されて再構築されること、
を特徴とする請求項1記載の情報収集システム。
【請求項3】
前記イベント情報の収集を依頼する依頼端末にネットワークを介して接続され、
前記依頼端末から前記補足情報の各種類を受信する受信手段と、
前記現場データと前記受信手段で受信した前記各種類の前記補足情報とを前記第1の再構成手段で再構成されたイベント情報から抽出して新たなイベント情報を再構成する第2の再構成手段と、
前記第2の再構成手段で再構成されたイベント情報を前記依頼端末に関連づけて記憶するイベント情報記憶手段と、
前記イベント情報記憶手段に記憶されたイベント情報を前記依頼端末に送信する送信手段と、
を更に備えること、
を特徴とする請求項1又は2記載の情報収集システム。
【請求項4】
前記依頼端末に対して、前記辞書に定義された各種補足情報の一覧を表示させ、当該一覧から選択された前記補足情報の各種類を送信させるための表示画面を表示させる表示制御手段を更に備えること、
を特徴とする請求項3記載の情報収集システム。
【請求項5】
前記データベースは、インターネット上に公開されたサーバであること、
を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の情報収集システム。
【請求項6】
現場データが発生するデータ発生装置にネットワークを介して接続された情報収集システムの情報収集方法であって、
前記情報収集システムは、
前記現場データに付加する各補足情報の種類を定義する辞書を記憶する辞書記憶手段と、
各種各内容の補足情報が記憶されたデータベースと、
を備え、
前記辞書に従って、前記データベースから前記各補足情報を検索する検索ステップと、
前記検索された各補足情報を前記現場データに追加してイベント情報を再構成する第1の再構成ステップと、
を行い、
前記検索ステップでは、
前記第1の再構成ステップで再構成されたイベント情報に含まれる前記現場データ及び前記追加された各補足情報のうちの各種組み合わせを検索キーとして他の種類の補足情報を検索し、
前記第1の再構成ステップでは、
前記検索ステップで順次検索された前記補足情報を前記イベント情報に順次追加すること、
を特徴とする情報収集システムの情報収集方法。
【請求項7】
前記辞書記憶手段には、
前記データ発生装置が設置される現場レベルで活用可能な直接部門用の補足情報に加え、前記現場データから間接的に導かれ、営業活動を管理する各種管理レベルで活用可能な間接部門用の補足情報、及び経営レベルで活用可能な経営判断用の補足情報が定義され、
イベント情報は、
前記検索ステップと前記第1の再構成ステップにより、直接部門用の補足情報に加えて前記間接部門用の補足情報及び経営判断用の補足情報も追加されて再構築されること、
を特徴とする請求項6記載の情報収集システムの情報収集方法。
【請求項8】
前記情報収集システムは、
前記イベント情報の収集を依頼する依頼端末にネットワークを介して接続され、
前記依頼端末から前記補足情報の各種類を受信する受信ステップと、
前記現場データと前記受信ステップで受信した前記各種類の前記補足情報とを前記第1の再構成ステップで再構成されたイベント情報から抽出して新たなイベント情報を再構成する第2の再構成ステップと、
前記第2の再構成ステップで再構成されたイベント情報を前記依頼端末に関連づけて記憶するイベント情報記憶ステップと、
前記イベント情報記憶ステップに記憶されたイベント情報を前記依頼端末に送信する送信ステップと、
を更に行うこと、
を特徴とする請求項6又は7記載の情報収集システムの情報収集方法。
【請求項9】
前記依頼端末に対して、前記辞書に定義された各種補足情報の一覧を表示させ、当該一覧から選択された前記補足情報の各種類を送信させるための表示画面を表示させる表示制御ステップを更に備えること、
を特徴とする請求項8記載の情報収集システムの情報収集方法。
【請求項10】
前記データベースは、インターネット上に公開されたサーバであること、
を特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の情報収集システムの情報収集方法。
【請求項11】
現場データが発生するデータ発生装置にネットワークを介して接続され、
前記現場データに付加する各補足情報の種類を定義する辞書を記憶する辞書記憶手段と、
各種各内容の補足情報が記憶されたデータベースと、
を備える情報収集システムを、
前記辞書に従って、前記データベースから前記各補足情報を検索する検索手段と、
前記検索された各補足情報を前記現場データに追加してイベント情報を再構成する第1の再構成手段と、
して機能させ、
前記検索手段は、
前記第1の再構成手段で再構成されたイベント情報に含まれる前記現場データ及び前記追加された各補足情報のうちの各種組み合わせを検索キーとして他の種類の補足情報を検索し、
前記第1の再構成手段は、
前記検索手段で順次検索された前記補足情報を前記イベント情報に順次追加すること、
を特徴とする情報収集プログラム。
【請求項12】
前記辞書記憶手段には、
前記データ発生装置が設置される現場レベルで活用可能な直接部門用の補足情報に加え、前記現場データから間接的に導かれ、営業活動を管理する各種管理レベルで活用可能な間接部門用の補足情報、及び経営レベルで活用可能な経営判断用の補足情報が定義され、
イベント情報は、
前記検索手段と前記第1の再構成手段により、直接部門用の補足情報に加えて前記間接部門用の補足情報及び経営判断用の補足情報も追加されて再構築されること、
を特徴とする請求項11記載の情報収集プログラム。
【請求項13】
前記情報収集システムは、前記イベント情報の収集を依頼する依頼端末にネットワークを介して接続され、
前記依頼端末から前記補足情報の各種類を受信する受信手段と、
前記現場データと前記受信手段で受信した前記各種類の前記補足情報とを前記第1の再構成手段で再構成されたイベント情報から抽出して新たなイベント情報を再構成する第2の再構成手段と、
前記第2の再構成手段で再構成されたイベント情報を前記依頼端末に関連づけて記憶するイベント情報記憶手段と、
前記イベント情報記憶手段に記憶されたイベント情報を前記依頼端末に送信する送信手段と、
して更に機能させること、
を特徴とする請求項11又は12記載の情報収集プログラム。
【請求項14】
前記依頼端末に対して、前記辞書に定義された各種補足情報の一覧を表示させ、当該一覧から選択された前記補足情報の各種類を送信させるための表示画面を表示させる表示制御手段として更に機能させること、
を特徴とする請求項13記載の情報収集プログラム。
【請求項15】
前記検索手段は、インターネット上に公開されたサーバにアクセスして検索すること、
を特徴とする請求項11乃至14の何れかに記載の情報収集プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−234496(P2012−234496A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104532(P2011−104532)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【特許番号】特許第4958129号(P4958129)
【特許公報発行日】平成24年6月20日(2012.6.20)
【出願人】(511016877)株式会社smart−FOA (2)
【Fターム(参考)】