説明

情報収集装置、情報収集方法、及び、プログラム

【課題】機器が動作した結果を示す動作情報を収集するのに好適な情報収集装置等を提供する。
【解決手段】本発明に係る情報収集装置100は、複数の機器200が接続された電力線の電流及び電圧波形を測定し、当該測定した電流及び電圧波形から当該電力線の高調波成分を検出する高調波検出部101と、検出された高調波成分に基づいて、複数の機器200のうち、動作している機器200を同定する機器同定部102と、同定された機器200が動作した結果を示す動作情報を収集し、当該動作情報に日時情報を付加して、当該機器200毎に動作履歴情報を生成する履歴情報生成部103と、機器200が消費した電力量を測定する電力量測定部104と、測定された電力量と生成された動作履歴情報とに基づいて、機器200を動作させる時間を制御する機器制御部106と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器が動作した結果を示す動作情報を収集するのに好適な情報収集装置、情報収集方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の機器の動作情報を収集し、当該動作情報をフィードバックさせて、複数の機器の動作を制御する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−26305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、機器毎の使用電力や動作時間を示す動作情報を把握できない場合があった。そこで、機器が動作した結果を示す動作情報を収集するのに好適な新たな手法が求められている。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、機器が動作した結果を示す動作情報を収集するのに好適な情報収集装置、情報収集方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る情報収集装置は、
複数の機器が接続された電力線の電流及び電圧波形を測定し、当該測定した電流及び電圧波形から当該電力線の高調波成分を検出する高調波検出部と、
前記検出された高調波成分に基づいて、前記複数の機器のうち、動作している機器を同定する機器同定部と、
前記同定された機器が動作した結果を示す動作情報を収集し、当該動作情報に日時情報を付加して、当該機器毎に動作履歴情報を生成する履歴情報生成部と、
前記機器が消費した電力量を測定する電力量測定部と、
前記測定された電力量と前記生成された動作履歴情報とに基づいて、前記機器を動作させる時間を制御する機器制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明のその他の観点に係る情報収集方法は、
高調波検出部、機器同定部、履歴情報生成部、電力量測定部、機器制御部を備える情報収集装置にて実行される情報収集方法であって、
前記高調波検出部は、複数の機器が接続された電力線の電流及び電圧波形を測定し、当該測定した電流及び電圧波形から当該電力線の高調波成分を検出する高調波検出工程と、
前記機器同定部は、前記検出された高調波成分に基づいて、前記複数の機器のうち、動作している機器を同定する機器同定工程と、
前記履歴情報生成部は、前記同定された機器が動作した結果を示す動作情報を収集し、当該動作情報に日時情報を付加して、当該機器毎に動作履歴情報を生成する履歴情報生成工程と、
前記電力量測定部は、前記機器が消費した電力量を測定する電力量測定工程と、
前記機器制御部は、前記測定された電力量と前記生成された動作履歴情報とに基づいて、前記機器を動作させる時間を制御する機器制御工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
複数の機器が接続された電力線の電流及び電圧波形を測定し、当該測定した電流及び電圧波形から当該電力線の高調波成分を検出する高調波検出部と、
前記検出された高調波成分に基づいて、前記複数の機器のうち、動作している機器を同定する機器同定部と、
前記同定された機器が動作した結果を示す動作情報を収集し、当該動作情報に日時情報を付加して、当該機器毎に動作履歴情報を生成する履歴情報生成部と、
前記機器が消費した電力量を測定する電力量測定部と、
前記測定された電力量と前記生成された動作履歴情報とに基づいて、前記機器を動作させる時間を制御する機器制御部と、して機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、機器が動作した結果を示す動作情報を収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る情報収集装置の構成を示すブロック図である。
【図2】動作履歴情報の構成例を示す図である。
【図3】予め記憶された機器毎の電力量の例を示す図である。
【図4】機器毎の電力量の内訳の例を示す図である。
【図5】機器毎のタイムシフト表の例を示す図である。
【図6】機器毎の動作スケジュールの例を示す図である。
【図7】情報収集処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】動作パターンから構成された動作スケジュールの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下に記載する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る情報収集装置100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、情報収集装置100は、複数の機器200が接続された電力線に接続され、当該電力線を通じて、機器200が動作した結果を示す動作情報を収集する。機器200は、電力線に接続され、当該電力線から供給される電力により動作する。機器200は、例えば、空調機器、照明機器、給湯機器等、電力線に接続できる任意の機器である。
【0013】
情報収集装置100は、高調波検出部101、機器同定部102、履歴情報生成部103、電力量測定部104、電力量算出部105、機器制御部106、記憶部107、通信部108、表示部109等を備える。以下に情報収集装置100の各構成要素について説明する。なお、各部の機能は互いに連関し合っているが、用途に応じて各部の採否を適宜変更することができる。
【0014】
高調波検出部101は、例えば、電流計や波形測定器等から構成され、所定時間(例えば、50ms)、機器200が接続されている電力線から、電流及び電圧波形を測定する。また、高調波検出部101は、測定した電流及び電圧波形から、高調波成分(例えば、周波数1kHz〜20kHzの電流成分)を取り出して、当該高調波成分から、特徴量(例えば、周波数、位相、レベル)を抽出する。特徴量の抽出には、例えば、ウェーブレット(wavelet)変換が用いられる。
なお、高調波を検出する方法は、公知の手法を用いることができ、また、特許4400610号公報に記載される内容を含み、当該内容が参酌される。
【0015】
機器同定部102は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等から構成され、予め記憶されている機器の特徴量と高調波検出部101により抽出された特徴量とを比較し、当該比較結果に基づいて、機器200を同定する。例えば、機器同定部102は、所定の割合以上、特徴量が一致している場合、特徴量が一致しているとみなして、特徴量が抽出された機器と、予め特徴量が記憶されている機器と、が一致するとして、機器200を同定する。
なお、機器を同定する方法は、公知の手法を用いることができ、また、特許4400610号公報に記載される内容を含み、当該内容が参酌される。
【0016】
履歴情報生成部103は、例えば、水晶振動子や発振回路等から構成され、日時(年月日時分秒及び曜日を含む)を計時(カウント)する。そして、履歴情報生成部103は、日時を計時することにより、カレンダーや時計として機能する。また、履歴情報生成部103は、CPUやRAM等から構成され、機器同定部102により同定された機器200が動作した結果を示す動作情報を収集し、当該動作情報に日時情報を付加することにより、機器200毎に動作履歴情報を生成する。ここで、動作情報とは、機器が動作しているか否かを示す情報、機器が消費している電力量、高調波検出部101により抽出された特徴量等、機器の動作を示す任意の情報をいう。
【0017】
図2は、動作履歴情報の構成例を示す図である。同図に示すように、履歴情報生成部103は、機器200が動作した動作時間が積算された積算動作時間、一日毎の動作時間の平均値を示す平均動作時間、一日のうちでどの時間帯に動作していたかを示す動作時間帯、機器200の電源がオン・オフされた回数を示すオン・オフ回数、皮相電力に対する有効電力の割合を示す機器200の力率等を機器毎に生成する。また、履歴情報生成部103は、例えば、秒、分、時、日、週、月、年、季節、もしくは、曜日の情報を、動作情報に付加することにより、動作履歴情報を生成することもできる。
【0018】
電力量測定部104は、例えば、電力計等から構成され、所定の周期で電力線から電力量を測定する。電力量測定部104は、電力線に接続された機器200全体が消費する電力量や、機器同定部102により同定された機器200が消費する電力量を測定する。
なお、電力量を測定する方法は、公知の手法を用いることができ、また、特許4400610号公報に記載される内容を含み、当該内容が参酌される。
【0019】
電力量算出部105は、CPUやRAM等から構成され、各機器200の運転時の(平均)電力量を予め記憶し、電力量測定部104により測定された電力量と、機器同定部102により同定された動作している機器200と、に基づいて、動作している機器200の電力量を算出する。また、電力量算出部105は、時間毎に、動作している機器200毎の電力量(電力量の内訳)を算出する。
【0020】
図3は、予め記憶された機器毎の電力量の例を示す図である。また、図4は、機器毎の電力量の内訳の例を示す図である。電力量算出部105は、図3に示すように、機器200毎の電力量を予め記憶し、当該記憶した電力量と一致する電力量があるか否かを判定することにより、機器200毎の電力量の内訳を算出する。例えば、測定された電力量が3kWである場合、図3において、測定された3kWと一致する予め記憶された電力量が存在する。この場合、電力量算出部105は、電力量3kWが一致した機器1を抽出し、当該機器1と、測定された電力量3kWと、を対応付けることにより、機器200毎の電力量を算出する。そして、図4に示すように、電力量算出部105は、機器200毎の電力量を、所定の時間毎に区切り、当該時間において動作している機器200毎の電力量の内訳を算出する。
【0021】
機器制御部106は、CPUやRAM等から構成され、電力量測定部104により測定された電力量と、履歴情報生成部103により生成された動作履歴情報と、に基づいて、機器200の動作を制御する。機器制御部106は、赤外線、無線、もしくは、有線などの通信を通じて、機器の動作を制御する制御信号を機器200に送信することにより、当該機器200の動作を制御する。機器制御部106は、機器200の動作を制御するために、どの機器がタイムシフト可能かを示す情報を予め保持する。ここで、タイムシフトとは、機器を動作させる時間を移動させることをいう。図5は、機器毎のタイムシフト表の例を示す図である。同図に示すように、機器制御部106は、機器200毎に、タイムシフトが可能か否かを示す情報、タイムシフトが可能な時間等を保持する。
【0022】
また、機器制御部106は、機器同定部102が同定した機器200からの各日、各月における機器の平均的な動作パターンを収集する。ここで、動作パターンとは、機器の動作が開始・終了した時間、機器が動作した時間、機器が動作していた時間帯等、機器の動作を示す情報をいう。そして、機器制御部106は、機器の平均的な動作パターンから、各時間あたりの電力量がなるべく平均化(低減化)できるように機器200の動作スケジュールを構成し、当該動作スケジュールに基づいて、機器の動作を制御する制御信号を機器200に送信して、当該機器200の動作を制御する。図6は、機器毎の動作スケジュールの例を示す図である。同図に示すように、機器制御部106は、機器1を0時〜2時、機器2を9時〜20時、機器3を8時〜9時、機器4を21時〜24時の間、動作させる動作スケジュールを構成し、当該動作スケジュールに基づいて、機器200を動作させる。動作スケジュールは、例えば、予め保持されている機器200のタイムシフト可能か否かを示す情報等に基づいて構成される。具体的には、機器制御部106は、機器200の動作時間を検出し、当該機器200のオフ時間の一定時間前に自動的に止めるように、動作スケジュールを構成する。また、機器制御部106は、複数の機器200が同時に動作している場合、タイムシフト可能な機器200を抽出し、機器200が動作していない時間に、当該タイムシフト可能な機器200を動作させる動作スケジュールを構成する。動作スケジュールは、任意に構成され、典型的には、複数の機器が同時間に同時に動作しないように、機器が消費する電力量が平均化されるように、また、機器全体で消費される電力量が減少するように、構成される。
【0023】
記憶部107は、例えば、RAM等の記憶装置から構成され、動作履歴情報や電力量等、任意の情報を記憶する。記憶部107は、図2に示される動作履歴情報、図3に示される機器毎の電力量、図4に示される機器毎の電力量の内訳、図5に示されるタイムシフト表、また、図6に示される機器毎の動作スケジュール等を記憶する。
【0024】
通信部108、有線あるいは無線を通じて、情報収集装置100を通信回路網に接続するための機能を備え、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、無線を用いて接続するためのモデム等と、CPUとの仲立ちを行うインターフェースにより構成される。通信部108は、通信回路網を介して、動作履歴情報や電力量等、任意の情報を送受信する。
【0025】
表示部109は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置から構成され、履歴情報生成部103が生成した動作履歴情報、電力量算出部105が算出した電力量、記憶部107が記憶している情報等、任意の情報を表示する。
【0026】
次に、本実施形態に係る情報収集装置100の動作について説明する。図7は、情報収集装置100にて実行される情報収集処理を示すフローチャートである。
【0027】
まず、電力量測定部104は、所定の周期で電力線から電力量を測定する(ステップS101)。電力量測定部104は、例えば、1秒周期、1分周期、所定の時刻になった場合等、任意のタイミングにおいて電力量を測定することができる。電力線から電力量を測定することにより、当該電力線に接続されている機器200が消費している電力量が測定される。
【0028】
次に、高調波検出部101は、機器200が接続されている電力線から、電流及び電圧波形を測定することにより、電力線の高調波成分を検出し、当該検出した電力線の高調波成分をウェーブレット変換することにより、当該高調波成分から周波数、位相、及び、レベル等を含む特徴量を抽出する(ステップS102)。
【0029】
次に、機器同定部102は、電力線に接続されている機器200における予め記憶した特徴量と、ステップS101において抽出された特徴量と、を比較することにより(ステップS103)、予め記憶した特徴量と抽出された特徴量とが一致するか否かを判定する(ステップS104)。当該判定により、動作している機器200が同定される。
【0030】
特徴量が一致する場合(ステップS104;Yes)、機器同定部102は、予め記憶した特徴量に対応付けられた機器200を、現在動作している機器200として同定する(ステップS105)。なお、機器同定部102は、周波数、位相、及び、レベルのうち、少なくとも1つが一致している場合、また、特徴量を比較した差が所定の閾値以下の場合等において、抽出された特徴量と予め記憶された特徴量とが一致すると判定することもできる。
【0031】
特徴量が一致しない場合(ステップS104;No)、動作している機器200がないものとして判定され、電力線から高調波成分が検出され続け、特徴量の抽出が続けられる(ステップS102)。
【0032】
次に、履歴情報生成部103は、同定された機器200が動作した結果を示す動作情報を収集し、当該動作情報に日時情報を付加することにより、機器200毎に動作履歴情報を生成する(ステップS106)。特徴量が一致しているということによって、機器200が同定された日時や、高周波電流成分が検出された日時において、同定された機器200が動作していることが示される。このため、履歴情報生成部103が計時する日時と、同定された動作している機器200と、を対応付けることにより、機器毎の動作履歴情報が生成される。履歴情報生成部103は、例えば、図2に示すように、機器の動作開始時間・動作終了時間、積算動作時間、平均動作時間、電源のオン・オフ回数等を含む機器毎の動作履歴情報を生成する。そして、当該生成された動作履歴情報は、記憶部107に記憶される。
【0033】
電力量算出部105は、電力線に接続されている機器200毎の電力量を予め記憶し、当該記憶された電力量と、ステップS101において測定された電力量と、を照合することにより、測定された電力量と一致する記憶された電力量があるか否かを判定する(ステップS107)。
【0034】
一致する電力量がある場合(ステップS107;Yes)、電力量算出部105は、一致した電力量と、当該電力量に対応付けられる機器と、を対応付けることにより、機器200毎の電力量の内訳を算出する(ステップS108)。
【0035】
例えば、ステップS101において測定された電力量が3kWである場合、図3において、測定された電力量3kWと一致する予め記憶された電力量が存在する。この場合、電力量算出部105は、一致した電力量3kWに対応付けられる機器1を抽出し、当該機器1と、測定された電力量3kWと、を対応付けることにより、機器200毎の電力量を算出する。また、電力量算出部105は、電力量が測定された日時、もしくは、高調波成分が検出された日時に基づいて、時間毎に区分した電力量の内訳を算出する。
【0036】
また、ステップS101において測定された電力量が3.5kWである場合、図3において、測定された電力量3.5kWと一致する予め記憶された電力量は存在しない。この場合、電力量算出部105は、予め記憶された各電力量を組み合わせた電力量と、測定された電力量3.5kWと、を照合することにより、一致する電力量があるか否かを判定する。図3に示すように、予め記憶された電力量には、3kWと0.5kWとが存在する。当該電力量が組み合わされると3.5kWとなるため、測定された電力量3.5kWと一致する。このため、電力量算出部105は、電力量3kWに対応付けられる機器1と、電力量0.5kWに対応付けられる機器2と、を抽出し、当該機器1及び機器2と、測定された電力量3.5kWと、を対応付けることにより、図4に示すような、機器200毎の電力量の内訳を算出する。
【0037】
一方、一致する電力量がない場合(ステップS107;No)、ステップS101の処理に戻り、電力線から電力量が再び測定される(ステップS101)。
【0038】
次に、機器制御部106は、機器200の動作を制御するための、動作スケジュールを構成する(ステップS109)。機器制御部106は、ステップS105の処理において同定された機器200について、各日、各月における機器200の平均的な動作パターンを収集し、当該動作パターンから、各時間あたりの電力量がなるべく平均化できるように機器200の動作スケジュールを構成する。
【0039】
図8は、動作パターンから構成された動作スケジュールの例を示す図である。機器制御部106は、機器毎及び時間毎における動作情報を示す動作履歴情報に基づいて、同図に示すような機器毎の動作パターンを生成する。次に、機器制御部106は、図5に示すようなタイムシフト表を参照することにより、機器200毎の動作パターンから、図8に示すような動作スケジュールを構成する。具体的には、図5に示すように、機器1については「0時〜9時」に、機器2については「動作終了の1時間前」に、機器4については「動作開始時間は任意」に、タイムシフトさせることができる。このため、機器制御部106は、機器1の動作を「7時〜9時」から「0時〜2時」に、また、機器2の動作終了時間を「21時」から「20時」に、また、機器4の動作を「18時〜21時」から「21時から24時」に、タイムシフトさせた動作スケジュールを構成する。これにより、各時間あたりの電力量を平均化することができる。また、複数の機器が同時間に同時に動作しないようにすることができる。さらに、機器の動作時間帯を電力料金が安い時間帯に移動させて、機器全体で消費される電力量を減少させることができる。
【0040】
次に、機器制御部106は、構成された動作スケジュールに基づいて、機器を動作させるための制御信号を機器200に送信し、当該機器200の動作を制御する(ステップS110)。
【0041】
次に、通信部108は、通信回路網を介して、生成された動作履歴情報、算出された電力量の内訳、構成された動作スケジュール等を送信する(ステップS111)。例えば、通信部108は、動作履歴情報を、電力会社に送信する。動作履歴情報には、機器200が動作を開始した開示時間や終了した終了時間、また、機器200の動作時間帯を示す情報が含まれる。このため、電力会社は、様々な機器について動作履歴情報を受信して、機器の使用状況を把握することにより、機器に電力を供給するための最適な電力量を推定することができる。また、通信部108は、動作履歴情報を、機器200を製造した製造会社に送信する。動作履歴情報には、機器200のオン・オフ回数や積算動作時間が含まれる。このため、製造会社は、機器について動作履歴情報を受信して、当該機器の使用状況を把握することにより、機器を設計・改良するための情報を収集することができる。
【0042】
以上の処理により、機器が動作した結果を示す動作情報を収集することができる。また、収集された機器の動作情報に基づいて、各時間あたりの消費電力量が平均化されるように、機器の動作を制御することもできる。
また、機器の動作情報には、機器の動作開始時間・動作終了時間、オン・オフ回数、積算動作時間、及び、電力量等を示す情報が含まれる。このため、機器の動作情報を、機器を設計・改良するための情報として用いることもでき、また、使用される電力量を予測するために用いることもできる。
【0043】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0044】
機器200に電源を供給するためのコンセントに、情報収集装置100を設置することもできる。そして、高調波検出部101は、コンセントの配線から電流及び電圧波形を測定し、当該測定した電流及び電圧波形から、高調波成分を取り出して、当該高調波成分から、特徴量を抽出することもできる。
【0045】
前記のハードウエェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0046】
情報収集装置100は、高調波検出部101、機器同定部102、履歴情報生成部103、電力量測定部104、電力量算出部105、機器制御部106、記憶部107、通信部108、表示部109などから構成される情報収集装置100の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する情報収集装置100を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで情報収集装置100を構成してもよい。
【0047】
また、情報収集装置100の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0048】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS; Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
この発明は、機器が動作した結果を示す動作情報を収集することができる。
【符号の説明】
【0050】
100 情報収集装置
101 高調波検出部
102 機器同定部
103 履歴情報生成部
104 電力量測定部
105 電力量算出部
106 機器制御部
107 記憶部
108 通信部
109 表示部
200 機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器が接続された電力線の電流及び電圧波形を測定し、当該測定した電流及び電圧波形から当該電力線の高調波成分を検出する高調波検出部と、
前記検出された高調波成分に基づいて、前記複数の機器のうち、動作している機器を同定する機器同定部と、
前記同定された機器が動作した結果を示す動作情報を収集し、当該動作情報に日時情報を付加して、当該機器毎に動作履歴情報を生成する履歴情報生成部と、
前記機器が消費した電力量を測定する電力量測定部と、
前記測定された電力量と前記生成された動作履歴情報とに基づいて、前記機器を動作させる時間を制御する機器制御部と、を備える、
ことを特徴とする情報収集装置。
【請求項2】
前記複数の機器が消費するそれぞれの電力量を記憶した記憶部と、
前記記憶された電力量と前記測定された電力量とを照合させ、当該電力量同士が一致する場合、当該測定された電力量と、当該測定された電力量と一致した当該記憶された電力量を消費した機器と、を対応付けることにより、前記複数の機器が消費したそれぞれの電力量を算出する電力量算出部と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項3】
前記機器制御部は、前記複数の機器が、それぞれ動作した時間及び消費した電力量を特定し、各時間あたりの電力量が減少するよう当該機器の動作を制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報収集装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記複数の機器が動作可能な時間を示す情報を記憶し、
前記機器制御部は、前記動作可能な時間に、前記機器が動作するよう制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報収集装置。
【請求項5】
高調波検出部、機器同定部、履歴情報生成部、電力量測定部、機器制御部を備える情報収集装置にて実行される情報収集方法であって、
前記高調波検出部は、複数の機器が接続された電力線の電流及び電圧波形を測定し、当該測定した電流及び電圧波形から当該電力線の高調波成分を検出する高調波検出工程と、
前記機器同定部は、前記検出された高調波成分に基づいて、前記複数の機器のうち、動作している機器を同定する機器同定工程と、
前記履歴情報生成部は、前記同定された機器が動作した結果を示す動作情報を収集し、当該動作情報に日時情報を付加して、当該機器毎に動作履歴情報を生成する履歴情報生成工程と、
前記電力量測定部は、前記機器が消費した電力量を測定する電力量測定工程と、
前記機器制御部は、前記測定された電力量と前記生成された動作履歴情報とに基づいて、前記機器を動作させる時間を制御する機器制御工程と、を備える、
ことを特徴とする情報収集方法。
【請求項6】
コンピュータを、
複数の機器が接続された電力線の電流及び電圧波形を測定し、当該測定した電流及び電圧波形から当該電力線の高調波成分を検出する高調波検出部と、
前記検出された高調波成分に基づいて、前記複数の機器のうち、動作している機器を同定する機器同定部と、
前記同定された機器が動作した結果を示す動作情報を収集し、当該動作情報に日時情報を付加して、当該機器毎に動作履歴情報を生成する履歴情報生成部と、
前記機器が消費した電力量を測定する電力量測定部と、
前記測定された電力量と前記生成された動作履歴情報とに基づいて、前記機器を動作させる時間を制御する機器制御部と、して機能させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−227545(P2011−227545A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93870(P2010−93870)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】