情報取得装置の位置検出装置及び方法、情報取得システム、カプセル内視鏡システム、並びに情報取得装置の位置検出用アンテナ及び位置検出用アンテナユニット
【課題】カプセル内視鏡の位置を高精度に検出する。
【解決手段】カプセル内視鏡システム2を、カプセル内視鏡3と、第1〜第3フェイズドアレイユニット4A,4B,4C、及び受信装置本体5とからなる受信装置6と、から構成する。各フェイズドアレイユニット4A,4B,4Cは、それぞれx軸及びy軸方向で放射角を変更し、カプセル内視鏡3が発する電波の到来方向を割り出す。受信装置本体7では、割り出した電波の到来方向に直線を延ばし、これらの直線の交点を幾何学的に算出して、この交点位置をカプセル内視鏡3の位置として検出する。
【解決手段】カプセル内視鏡システム2を、カプセル内視鏡3と、第1〜第3フェイズドアレイユニット4A,4B,4C、及び受信装置本体5とからなる受信装置6と、から構成する。各フェイズドアレイユニット4A,4B,4Cは、それぞれx軸及びy軸方向で放射角を変更し、カプセル内視鏡3が発する電波の到来方向を割り出す。受信装置本体7では、割り出した電波の到来方向に直線を延ばし、これらの直線の交点を幾何学的に算出して、この交点位置をカプセル内視鏡3の位置として検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体内に導入された情報取得装置の位置を検出する位置検出装置及び方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
被検体内に導入されて被検体内の情報を取得する情報取得装置として、例えば、体腔内に嚥下されて体腔内の被観察部位の画像情報を取得するカプセル内視鏡が知られている。カプセル内視鏡を利用した医療診断では、患者にカプセル内視鏡を嚥下させ、撮像素子で撮像した体腔内の被観察部位の画像データを電波として体外に発信する。発信された電波は体に装着された受信装置で受信される。
【0003】
特許文献1記載のシステムは、カプセル内視鏡と受信装置とを備え、この受信装置は人体に装着される複数のアンテナを有している。受信装置では、カプセル内視鏡からの電波を複数のアンテナでそれぞれ受信させた上で、受信順序と逆の順序になるようにして複数のアンテナからカプセル内視鏡へ電力信号を送信している。これにより、カプセル内視鏡に効率的に電力を供給することを試みている。
【0004】
また、特許文献2記載のシステムは、カプセル内視鏡と受信装置とを備え、この受信装置は、複数のアンテナ素子をアレイ状に並べたアンテナアレーベルトを有する。カプセル内視鏡からの電波は、アンテナアレーベルトの各アンテナ素子で受信される。電波の信号強度は距離が離れると減衰することから、信号強度と距離との関係式を用いて、各アンテナ素子からカプセル内視鏡までの距離を推定することができる。この距離推定結果に基づいて、カプセル内視鏡の位置が算出される。
【特許文献1】特開2006−502785号公報
【特許文献2】特開2003−19111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カプセル内視鏡を備えたシステムにおいては、カプセル内視鏡の体内位置を高精度に検出することが要求されている。しかしながら、特許文献1記載のシステムでは、カプセル内視鏡への電力供給技術が記載されているだけであり、位置検出技術については言及がない。
【0006】
また、特許文献2記載のシステムでは、各アンテナ素子の受信信号強度から距離を推定した上でカプセル内視鏡の体内位置を検出しているが、体内には各種臓器が分布していることから信号強度の減衰率が体内位置に応じて異なり、このため、カプセル内視鏡の位置を大まかにしか推定できないという問題があった。その上、受信信号強度から直接に距離を推定する技術では、信号強度レベルを正確に測定する必要があるため、強い電波を用いなければならず、例えば、近年注目されている超広帯域を利用して高速通信を行うUWB(Ultra Wide Band)通信技術に使用されるような微弱な電波を使用することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、情報取得装置の被検体内の位置を高精度に検出することができる情報取得装置の位置検出装置及び方法、情報取得システム、並びに情報取得装置の位置検出用アンテナ及び位置検出用アンテナユニットを提供することを目的とする。また、カプセル内視鏡の体腔内の位置を高精度に検出することができるカプセル内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出する位置検出装置に関し、可変指向性を有し前記情報取得装置から送信されるビーコンを受信する少なくとも二つのアンテナと、前記アンテナの放射角を変更する変更手段と、前記ビーコンの受信強度を測定する測定手段と、前記放射角、および前記測定手段の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記の位置検出装置において、前記アンテナは、直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有するフェイズドアレイアンテナであることが好ましい。前記アンテナ素子の駆動を前記二つの軸毎に切り替える切り替え手段を備えることが好ましい。前記変更手段は、前記アンテナ素子の移相量を変化させる移相器であることが好ましい。前記複数のアンテナ素子の一部は、前記二つの軸で共用されていることが好ましい。前記算出手段は、前記測定結果が最大となる前記放射角を用いて、前記算出を行うことが好ましい。前記情報と前記データとを関連付けて記憶する記憶手段を備えることが好ましい。前記放射角、および前記測定結果に基づいて、前記少なくとも二つのアンテナから、前記電波を受信するアンテナを選定し、最大利得となる条件で選定したアンテナを駆動させる制御手段を備えることが好ましい。
【0010】
本発明の情報取得システムは、被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置と、可変指向性を有し前記情報取得装置から送信されるビーコンを受信する少なくとも二つのアンテナ、前記アンテナの放射角を変更する変更手段、前記ビーコンの受信強度を測定する測定手段、並びに、前記放射角、および前記測定手段の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出する算出手段を備える受信装置とから構成されることを特徴とする。
【0011】
上記の情報取得システムにおいて、前記アンテナは、直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有するフェイズドアレイアンテナであることが好ましい。前記受信装置は、前記アンテナ素子の駆動を前記二つの軸毎に切り替える切り替え手段を備えることが好ましい。前記変更手段は、前記アンテナ素子の移相量を変化させる移相器であることが好ましい。前記複数のアンテナ素子の一部は、前記二つの軸で共用されていることが好ましい。前記算出手段は、前記測定結果が最大となる前記放射角を用いて、前記算出を行うことが好ましい。
【0012】
また、上記の情報取得システムにおいて、前記受信装置は、前記情報と前記データとを関連付けて記憶する記憶手段を備えることが好ましい。前記受信装置は、前記放射角、および前記測定結果に基づいて、前記少なくとも二つのアンテナから、前記電波を受信するアンテナを選定し、最大利得となる条件で選定したアンテナを駆動させる制御手段を備えることが好ましい。前記情報取得装置は、前記電波の前記情報が重畳される領域とは別の領域に、前記ビーコンを重畳することが好ましい。前記情報取得装置は、前記情報が重畳される領域と、前記ビーコンが重畳される領域とが一定周期で繰り返されるように、前記ビーコンを重畳することが好ましい。前記ビーコンは、一定の振幅を有することが好ましい。前記ビーコンは、パルス波であることが好ましい。
【0013】
本発明は、被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出する位置検出方法に関し、可変指向性を有する少なくとも二つのアンテナで、その放射角を変更しながら前記情報取得装置から送信されるビーコンを受信して、ビーコンの受信強度を測定し、前記放射角、および前記受信強度の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出することを特徴とする。
【0014】
本発明のカプセル内視鏡は、体腔内に嚥下され、前記体腔内の被観察部位を撮像して、これにより得られた画像データを電波に変調して送信するカプセル内視鏡と、可変指向性を有し前記カプセル内視鏡から送信されるビーコンを受信する少なくとも二つのアンテナ、前記アンテナの放射角を変更する変更手段、前記ビーコンの受信強度を測定する測定手段、並びに、前記放射角、および前記測定手段の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出する算出手段を備える受信装置とから構成されることを特徴とする。
【0015】
本発明は、被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出するために用いられるアンテナに関し、直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有し、前記アンテナ素子の駆動が前記二つの軸毎に切り替えられるフェイズドアレイアンテナであることを特徴とする。
【0016】
本発明は、被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出するために、前記被検体の外面に貼り付けて用いられる情報取得装置の位置検出用アンテナユニットに関し、直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有し、前記アンテナ素子の駆動が前記二つの軸毎に切り替えられるフェイズドアレイアンテナと、前記フェイズドアレイアンテナを保持するとともに、シート状に形成されて一方の面が貼り付け面になっている基体と、前記基体に一端部が取り付けられた柔軟な線状体とを備え、前記線状体は、前記二つの軸のうちいずれか一方に沿うように延ばしたときに、この延長線上に、前記アンテナユニットの重心位置が位置するようにして、前記基体に取り付けられていることを特徴とする。前記線状体は、細糸であってもよいし、前記フェイズドアレイアンテナに電気的に接続された電気ケーブルであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数のアンテナの放射角およびビーコンの受信強度に基づいて、情報取得装置の位置に関するデータを算出するので、情報取得装置の被検体内での位置を高精度に検出することができる。このとき、情報取得装置が発する電波が微弱であっても位置検出は問題なく高精度に行うことができる。
【0018】
本発明によれば、複数のアンテナの放射角およびビーコンの受信強度に基づいて、カプセル内視鏡の位置に関するデータを算出するので、カプセル内視鏡の体腔内での位置を高精度に検出することができる。このとき、カプセル内視鏡が発する電波が微弱であっても位置検出は問題なく高精度に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に示すように、カプセル内視鏡システム2は、患者の口部から体腔(被検体)内に嚥下されるカプセル内視鏡(情報取得装置)3と、患者の体に貼り付けられる第1〜第3フェイズドアレイアンテナユニット(以下、第1〜第3アンテナユニットと略する)4A,4B,4C及びベルトなどに取り付けられて携帯される受信装置本体5からなる受信装置(位置検出装置)6と、から構成される。
【0020】
第1アンテナユニット4Aは、略正方形のシート状の基体11Aと、この基体11Aに取り付けられた3つのアンテナ素子10A‐1,10A‐2,10A‐3と、基体11Aの上端部に取り付けられたコネクタ13aと、を有する。基体11Aにはアンテナ素子の他に、移相器(変更手段)14A、切替器(切り替え手段)15A、及び合成分配器16Aなども取り付けられる(図5参照)。アンテナ素子10A‐1とアンテナ素子10A‐2とは、基体11Aの上辺に沿うようにして基体11Aの上部に並べられ、アンテナ素子10A‐1とアンテナ素子10A‐3とは、基体11Aの側辺に沿うようにして基体11Aの左部に並べられている。基体11Aの裏面(紙面奥側の面)は粘着性を有する貼付面になっており、この貼付面が人体に貼り付けられる。
【0021】
第2及び第3アンテナユニット4B,4Cは、第1アンテナユニット4Aと同様の構成である。第2アンテナユニット4Bは、3つのアンテナ素子10B‐1,10B‐2,10B‐3を有し、また、移相器14B、切替器15B、合成分配器16Bを有する(図5参照)。第3アンテナユニット4Cは、3つのアンテナ素子10C‐1,10C‐2,10C‐3を有し、また、移相器14C、切替器15C、合成分配器16Cを有する(図5参照)。第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cの各コネクタには、それぞれ受信装置本体5から延びるケーブル17A,17B,17Cが接続される。第1アンテナユニット4Aに関係する構成要素には数字の後にAを付し、また、第2アンテナユニット4Bに関係する構成要素には数字の後にBを付し、第3アンテナユニット4Cに関係する構成要素には数字の後にCを付す。
【0022】
第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cは、それぞれ体の胴部の定められた箇所に貼り付ける。本実施形態では、第1アンテナユニット4Aを肋骨下部上に貼り付け、第2アンテナユニット4Bを前から見て左の骨盤上に貼り付け、第3アンテナユニット4Cを右の骨盤上に貼り付けている。
【0023】
第1アンテナユニット4Aのアンテナ素子10B‐1の中心を原点とし、上辺に沿う方向にx軸を、側辺に沿う方向にy軸を、奥方向をz軸に設定した座標系を、アンテナユニット座標系(xyz座標系)と定義する。xyzの各軸は互いに直交する。また、直立した人を前から見て左胸に原点を配し、水平方向にX軸を、鉛直方向にY軸を、奥方向にZ軸を設定した座標系を、人体座標系(XYZ座標系)と定義する。XYZの各軸は互いに直交する。第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cを体に貼り付ける際には、水平を保ちながら定められた位置に貼り付けることにより、各アンテナユニット座標系の原点を人体座標系の定められた位置に配し、各アンテナユニット座標系のxyzの各軸を人体座標系のXYZの各軸に平行にする。
【0024】
図2に示すように、カプセル内視鏡3は、カプセル内視鏡3の各部を制御する制御部20を有する。この制御部20にはメモリ21が接続されており、制御部20はメモリ21に記憶されたプログラムに基づいて各部の動作を制御する。メモリ21は、ROMまたはRAMである。制御部20にはバッテリ23が接続されており、このバッテリ23から各部に電力が供給される。
【0025】
制御部20には撮像部24が接続されている。この撮像部24は対物レンズと撮像素子とを有し、対物レンズを透過した体腔内の被観察部位の画像光は撮像素子によって撮像されて画像信号とされる。この画像信号は各種画像処理が施されて画像データとして制御部20に出力される
【0026】
制御部20にはビーコン信号生成部25と変調部26とが接続されている。ビーコン信号生成部25は、制御部20の制御に基づいてビーコン信号を生成し、このビーコン信号を変調部26に出力する。ビーコン信号は、受信装置6がカプセル内視鏡3の位置を検出するときに用いられる。
【0027】
変調部26は、ビーコン信号生成部25で生成されたビーコン信号と、撮像部24で生成された画像データとを電波に変調してアンテナ27に出力する。アンテナ27には無指向性の全方位アンテナが用いられており、変調部26からの電波を外部に発信する。
【0028】
図3に示すように、変調部26は、1コマ分の画像データの先頭にビーコン信号を配し、これを電波に変調(重畳)する。ビーコン信号と1コマ分の画像データを組み合わせたものを送信フレームと定義するとき、変調部26では送信フレームを順次作成して、この送信フレームを順次アンテナに出力する。なお、本実施形態では、ビーコン信号を画像データ1コマ毎に配したが、複数コマ毎に配してもよい。ビーコン信号は、複数のパルス波によって構成される。パルス波の振幅は全て同じである。
【0029】
以下では、受信装置6の電気的構成を説明するが、その前に、フェイズドアレイアンテナの放射特性の一般式について説明する。フェイズドアレイアンテナの放射特性は以下の式で表すことができる。これから、フェイズドアレイの放射特性を制御するのはアレイファクタ分であることが分かる。以下の式は、本郷廣平著「アンテナの基礎理論と設計法」より抜粋している。
E(フェイズドアレイアンテナ)=E(単一アンテナ素子)×AF(アレイファクタ)
【0030】
また、2つのアンテナ素子のアレイファクタは以下の式で表すことができる。
【数1】
k=2π/λ:波数
d:素子間隔
δ:位相差
θ:アレイアンテナ角度
この式でδを変更する制御(移相制御)を行うことで、フェイズドアレイアンテナの放射角が変化することが分かる。フェイズドアレイアンテナの放射角を変化させることで、フェイズドアレイアンテナの利得を変えることができる。図4に、δを変更したときの放射角の変化の様子を示す。
【0031】
以下、図5を用いて、受信装置6の電気的構成について説明する。移相器14Aはアンテナ素子10A‐1に接続し、切替器15Aはアンテナ素子10A‐2及びアンテナ素子10A‐3に接続し、合成分配器16Aは移相器14A及び切替器15Aに接続している。また、移相器14A、切替器15A、及び合成分配器16Aは、それぞれ受信装置本体5の第1制御部30Aにケーブルを介して接続されている。
【0032】
移相器14Aは、第1制御部30Aの制御に基づいて、その設定移相量を変更設定する。アンテナ素子10A‐1は常に駆動されており、このアンテナ素子10A‐1が受信した電波は移相器14Aを介して合成分配器16Aへと送られるが、このとき設定移相量分だけ電波の位相が変更される。移相器14Aでの設定移相量の変更タイミングは、上述したビーコン信号のパルス波の周期に同期するよう設定されている。
【0033】
切替器15Aは、第1制御部30Aの制御に基づいて、アンテナ素子10A‐2またはアンテナ素子10A‐3のいずれかを駆動する。駆動されたいずれかのアンテナ素子は電波を受信し、この電波を合成分配器16Aへと送る。
【0034】
合成分配器16Aは、アンテナ素子10A‐1からの電波と、アンテナ素子10A‐2またはアンテナ素子10A‐3からの電波とを合成し、この合成した電波を第1制御部30Aに送信する。
【0035】
アンテナ素子10A‐1を移相制御しながら、アンテナ素子10A‐2を駆動することにより、図6に示すように、x軸方向における放射角(θXで示す)を順次変更することができる。以下では、このx軸方向における放射角の変更動作を、x軸方向走査と称する。また、アンテナ素子10A‐1を移相制御しながら、アンテナ素子10A‐3を駆動することにより、図7に示すように、y軸方向における放射角(θYで示す)を順次変更することができる。以下では、このy軸方向における放射角の変更動作を、y軸方向走査と称する。
【0036】
図5に戻って、受信装置本体5は、第1〜第3制御部30A,30B,30Cと、中央制御部(制御手段)31と、データストレージ(記憶手段)32とを有する。第1制御部30Aは、中央制御部31の指示に基づいて、移相器14A及び切替器15Aの動作を制御し、また、合成分配器16Aからの電波を復調する。
【0037】
第1制御部30Aは測定部33A及びメモリ34Aを有する。第1制御部30Aは、合成分配器16Aからの電波がビーコン信号であった場合に、このビーコン信号を測定部33Aに送る。また、第1制御部30Aは、合成分配器16Aからの電波が画像データであった場合に、この画像データを中央制御部31に出力する。
【0038】
測定部33Aは、ビーコン信号の信号強度を測定し、この測定した信号強度と、このときの放射角とを関連付けてメモリ34Aに記憶する。x軸方向走査で得たビーコン信号の信号強度(SigXで示す)と、y軸方向走査で得たビーコン信号の信号強度(SigYで示す)が、メモリ34Aに記憶される。
【0039】
また、測定部33Aは、メモリ34Aに記憶された、1回分のx軸方向走査で得たビーコン信号の信号強度SigXの中から、最大の信号強度(SigX1で示す)を選び出して、この最大信号強度SigX1と、このときの放射角(θX1で示す)とを中央制御部31に出力する。図8に、1回分のx軸方向走査で得たビーコン信号の信号強度SigXのデータをプロットしたグラフの例を示す。y軸方向走査においても、x軸方向走査のときと同様の動作を行い、最大信号強度SigY1と、このときの放射角θY1とを中央制御部31に出力する。
【0040】
第2制御部30B及び第3制御部30Cは、第1制御部30Aと同様の構成であり、第2制御部30Bは測定部33B及びメモリ34Bを有し、第3制御部30Cは測定部33C及びメモリ34Cを有する。第2制御部30Bは、最大信号強度SigX2及び放射角θX2、及び最大信号強度SigY2及び放射角θY2を出力し、第3制御部30Cは、最大信号強度SigX3及び放射角θX3、及び最大信号強度SigY3及び放射角θY3を出力する。
【0041】
中央制御部31は、第1〜第3制御部30A,30B,30Cからの出力情報に基づいてカプセル内視鏡3の位置を算出する位置算出部(算出手段)35と、第1〜第3制御部30A,30B,30Cからの出力情報に基づいて、ビーコン信号に続く画像データを受信するアンテナユニットを選択する受信条件決定部36とを有する。
【0042】
位置算出部35は、放射角θX1,θY1の情報に基づいて第1アンテナユニット4Aに対する電波の到来方向を求め、放射角θX2,θY2の情報に基づいて第2アンテナユニット4Bに対する電波の到来方向を求め、放射角θX3,θY3の情報に基づいて第3アンテナユニット4Cに対する電波の到来方向を求める。そして、人体座標系で各アンテナユニット4A,4B,4Cに対する到来方向に直線を延ばし、これらの直線の交点を幾何学的に算出する。この交点位置がカプセル内視鏡3の位置になる。なお、上述したように、人体座標系での各アンテナユニット4A,4B,4Cの位置は予め分かっている。
【0043】
受信条件決定部36では、6の最大信号強度SigX1,SigY1,SigX2,SigY2,SigX3,SigY3の中で一番大きいものを選択し、この一番大きい最大信号強度のビーコン信号を受信したときと同じ受信条件(つまり最大利得になる条件)になるように、第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cの中からアンテナユニットを1機選択し、このアンテナユニットの走査方向を決定し(駆動するアンテナ素子を決定し)、さらに放射角を決定する。例えば、一番大きい最大信号強度がSigY2であった場合には、第2アンテナユニット4Bを選択し、y軸方向走査に決定し、さらに放射角を放射角θY2に決定する。中央制御部31では、受信条件決定部36で決定された受信条件になるように、第1〜第3制御部30A,30B,30Cを制御する。
【0044】
中央制御部31にはデータストレージ32が接続されている。データストレージ32には、カプセル内視鏡3からの画像データと、位置算出部35で算出された位置データとが関連付けられて記憶される。
【0045】
以下、上記構成による作用について説明する。患者の体に第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cを貼り付け、ベルトに受信装置本体5を取り付ける。患者の口部から嚥下されたカプセル内視鏡3は、ビーコン信号と画像データとを電波として発信する。ビーコン信号と画像データとは送信フレーム単位で順次発信される。
【0046】
図9及び図10のフローチャートの流れに沿って、受信装置6の受信動作について説明する。第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cは、それぞれ同様に動作するため、以下では第1アンテナユニット4Aを代表に挙げ、第2及び第3アンテナユニットの詳細な動作説明を省略する。
【0047】
電波の受信前、第1アンテナユニット4Aはx軸方向走査に設定され、放射角θXは初期値(例えば0度)に設定される。第1アンテナユニット4Aが電波を受信すると、この電波が第1制御部30Aに送られる。第1制御部30Aでは電波を復調してビーコン信号(1パルス分)とし、ビーコン信号の信号強度SigXと放射角θXとをメモリ34Aに記憶する。次に、第1制御部30Aは第1アンテナユニット4Aを制御して放射角θXを変更し、新たに受信したビーコン信号(1パルス分)の信号強度SigXと放射角θXとをメモリ34Aに追加して記憶する。この動作はx軸方向での全領域(例えば放射角:0度〜180度)を終えるまで繰り返す。x軸方向走査を終えると、測定部33Aによって、今回のx軸方向走査でメモリ34Aに記憶された信号強度SigXの中から最大信号強度SigX1が選び出され、最大信号強度SigX1及び放射角θX1の情報が中央制御部31に送られる。
【0048】
次に、第1アンテナユニット4Aがy軸方向走査に設定され、放射角θYが初期値に設定され、y軸方向走査がx軸方向走査と同様に行われる。測定部33Aで最大信号強度SigY1が選び出され、最大信号強度SigY1及び放射角θY1の情報が中央制御部31に送られる。
【0049】
第2及び第3アンテナユニットの走査は、第1アンテナユニット4Aの走査と同時に行われ、最大信号強度SigX2及び放射角θX2,最大信号強度SigY2及び放射角θY2,最大信号強度SigX3及び放射角θX3,最大信号強度SigY3及び放射角θY3の情報が中央制御部31に送られる。
【0050】
中央制御部31の位置算出部35では、放射角θX1,θY1,θX2,θY2,θX3,θY3の情報に基づいて、カプセル内視鏡3の人体座標系における現在の位置データを算出する。また、受信条件決定部36では、最大信号強度SigX1,SigY1,SigX2,SigY2,SigX3,SigY3の情報に基づいて、最大利得となる受信条件が決定、すなわち、最大利得となる特定の1機のアンテナユニット,走査方向,放射角が決定される。
【0051】
中央制御部31の指示に基づいて第1〜第3制御部30A,30B,30Cが第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cを制御する。カプセル内視鏡3が発した電波は、最大利得となる特定の1機のアンテナユニット,走査方向,放射角で受信され、第1〜第3制御部30A,30B,30Cのいずれかで復調されて画像データとされ、中央制御部31に送られる。特定の1機のアンテナユニットだけを駆動するため消費電力を抑えることができる。
【0052】
中央制御部31に送られた画像データは、位置算出部35で算出した位置データと関連付けられて、データストレージ32にファイルとして記憶される。以上が、送信フレーム1つ分の電波を受信したときの動作である。各アンテナユニット4A,4B,4Cが再びビーコン信号を受信した場合には、上記の動作が繰り返されて、画像データ及び位置データがデータストレージ32に順次蓄積される。
【0053】
カプセル内視鏡3が体外に排出されて検査が完了すると、受信装置6を体から取り外して図示しない画像処理装置に接続し、データストレージ32に蓄積されたデータを画像処理装置に伝送し、画像処理装置のモニタに所望の体内位置の内視鏡画像を表示させる。
【0054】
本発明によれば、カプセル内視鏡3が発する電波の到来方向に基づいてカプセル内視鏡3の位置を算出することから、カプセル内視鏡3の位置を高精度に検出することができる。本発明では、カプセル内視鏡3が発する電波が微弱であっても、問題なくカプセル内視鏡3の位置を高精度に検出することができる。
【0055】
なお、アンテナユニットを水平を保って貼り付けるために、本実施形態のアンテナユニットには工夫が施されている。図11に示すのは、体に貼り付ける前の第1アンテナユニット4Aである。基体11Aの上端部には細糸50の端部が取り付けられており、この細糸50の途中に摘み部51が設けられている。細糸50は、摘み部51を摘んで第1アンテナユニット4Aを鉛直方向に垂らしたときに、基体11Aの上辺が水平になり、細糸50の延長線上に第1アンテナユニット4Aの重心位置(符号52で示すバツ印)が位置するように取り付けられている。
【0056】
第1アンテナユニット4Aを体に貼り付ける際には、摘み部51を摘んで第1アンテナユニット4Aを平衡状態にして位置決めして第1アンテナユニット4Aを体に押し付ける。第1アンテナユニット4Aの貼付後、細糸50を取り除いてから、コネクタ13aに受信装置本体5から延ばされたケーブル17Aを接続する。これにより、第1アンテナユニット4Aの貼付時に、ケーブル17Aが干渉することはなく、第1アンテナユニット4Aを正確に位置決めすることができる。なお、細糸50を用いる替わりに、コネクタ13aに予め接続された柔軟なケーブルを用い、このケーブルを摘んで第1アンテナユニット4Aの貼り付け作業を行ってもよい。
【0057】
上記実施形態では、受信装置6が有するフェイズドアレイユニットは3機であったが、2機でもよいし、4機以上でもよい。フェイズドアレイユニットの数を増やすことで、より高精度にカプセル内視鏡3の位置を検出することができる
【0058】
上記実施形態では、フェイズドアレイユニットが有するアンテナ素子は3つであったが、4つ以上でもよい。アンテナ素子の数を増やすことで、より高精度に電波の到来方向を割り出すことができる。
【0059】
図12に示すのは、5つのアンテナ素子101〜105を有するフェイズドアレイユニット100である。x軸方向でビーム走査を行う場合には、アンテナ素子102,103,104を駆動する。このとき、アンテナ素子102はアンテナ素子103に対して位相を所定量進め、一方、アンテナ素子104はアンテナ素子103に対して位相を所定量遅らせる。また、y軸方向でビーム走査を行う場合には、アンテナ素子101,103,105を駆動する。このとき、アンテナ素子101はアンテナ素子103に対して位相を所定量進め、一方、アンテナ素子105はアンテナ素子103に対して位相を所定量遅らせる。また、図13に示すように、4つのアンテナ素子201〜204を有するフェイズドアレイユニット200を用いてもよい。
【0060】
上記実施形態では、情報取得装置としてカプセル内視鏡3を用いて説明を行ったが、pH測定センサを有するハイデルベルクカプセルや、温度センサを有するコアテンプカプセル、腸内の圧力を測定する圧力センサを有するカプセルなどにも本発明を適用することが可能であり、この場合、画像データの替わりに、pHデータ、温度データ、圧力データなどが電波として発信される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】カプセル内視鏡システムの構成を示す概略図である。
【図2】カプセル内視鏡の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】送信フレームの構成を示すタイムチャートである。
【図4】2つのアンテナ素子を移相制御して放射角が変化した様子を示す説明図である。
【図5】受信装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】x軸方向走査を説明する説明図である。
【図7】y軸方向走査を説明する説明図である。
【図8】x軸方向走査で得たビーコン信号の信号強度をプロットしたグラフである。
【図9】受信装置の電波受信動作の全体の流れを示すフローチャートである。
【図10】第1アンテナユニットの走査動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】貼付前の第1アンテナユニットの外観図である。
【図12】5つのアンテナ素子を有するアンテナユニットの外観図である。
【図13】4つのアンテナ素子を有するアンテナユニットの外観図である。
【符号の説明】
【0062】
2 カプセル内視鏡システム
3 カプセル内視鏡
4A,4B,4B アンテナユニット
6 受信装置
14A,14B,14C 移相器
15A,15B,15C 切替器
31 中央制御部
32 データストレージ
33A,33B,33C 測定部
35 位置算出部
36 受信条件決定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体内に導入された情報取得装置の位置を検出する位置検出装置及び方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
被検体内に導入されて被検体内の情報を取得する情報取得装置として、例えば、体腔内に嚥下されて体腔内の被観察部位の画像情報を取得するカプセル内視鏡が知られている。カプセル内視鏡を利用した医療診断では、患者にカプセル内視鏡を嚥下させ、撮像素子で撮像した体腔内の被観察部位の画像データを電波として体外に発信する。発信された電波は体に装着された受信装置で受信される。
【0003】
特許文献1記載のシステムは、カプセル内視鏡と受信装置とを備え、この受信装置は人体に装着される複数のアンテナを有している。受信装置では、カプセル内視鏡からの電波を複数のアンテナでそれぞれ受信させた上で、受信順序と逆の順序になるようにして複数のアンテナからカプセル内視鏡へ電力信号を送信している。これにより、カプセル内視鏡に効率的に電力を供給することを試みている。
【0004】
また、特許文献2記載のシステムは、カプセル内視鏡と受信装置とを備え、この受信装置は、複数のアンテナ素子をアレイ状に並べたアンテナアレーベルトを有する。カプセル内視鏡からの電波は、アンテナアレーベルトの各アンテナ素子で受信される。電波の信号強度は距離が離れると減衰することから、信号強度と距離との関係式を用いて、各アンテナ素子からカプセル内視鏡までの距離を推定することができる。この距離推定結果に基づいて、カプセル内視鏡の位置が算出される。
【特許文献1】特開2006−502785号公報
【特許文献2】特開2003−19111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カプセル内視鏡を備えたシステムにおいては、カプセル内視鏡の体内位置を高精度に検出することが要求されている。しかしながら、特許文献1記載のシステムでは、カプセル内視鏡への電力供給技術が記載されているだけであり、位置検出技術については言及がない。
【0006】
また、特許文献2記載のシステムでは、各アンテナ素子の受信信号強度から距離を推定した上でカプセル内視鏡の体内位置を検出しているが、体内には各種臓器が分布していることから信号強度の減衰率が体内位置に応じて異なり、このため、カプセル内視鏡の位置を大まかにしか推定できないという問題があった。その上、受信信号強度から直接に距離を推定する技術では、信号強度レベルを正確に測定する必要があるため、強い電波を用いなければならず、例えば、近年注目されている超広帯域を利用して高速通信を行うUWB(Ultra Wide Band)通信技術に使用されるような微弱な電波を使用することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、情報取得装置の被検体内の位置を高精度に検出することができる情報取得装置の位置検出装置及び方法、情報取得システム、並びに情報取得装置の位置検出用アンテナ及び位置検出用アンテナユニットを提供することを目的とする。また、カプセル内視鏡の体腔内の位置を高精度に検出することができるカプセル内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出する位置検出装置に関し、可変指向性を有し前記情報取得装置から送信されるビーコンを受信する少なくとも二つのアンテナと、前記アンテナの放射角を変更する変更手段と、前記ビーコンの受信強度を測定する測定手段と、前記放射角、および前記測定手段の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記の位置検出装置において、前記アンテナは、直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有するフェイズドアレイアンテナであることが好ましい。前記アンテナ素子の駆動を前記二つの軸毎に切り替える切り替え手段を備えることが好ましい。前記変更手段は、前記アンテナ素子の移相量を変化させる移相器であることが好ましい。前記複数のアンテナ素子の一部は、前記二つの軸で共用されていることが好ましい。前記算出手段は、前記測定結果が最大となる前記放射角を用いて、前記算出を行うことが好ましい。前記情報と前記データとを関連付けて記憶する記憶手段を備えることが好ましい。前記放射角、および前記測定結果に基づいて、前記少なくとも二つのアンテナから、前記電波を受信するアンテナを選定し、最大利得となる条件で選定したアンテナを駆動させる制御手段を備えることが好ましい。
【0010】
本発明の情報取得システムは、被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置と、可変指向性を有し前記情報取得装置から送信されるビーコンを受信する少なくとも二つのアンテナ、前記アンテナの放射角を変更する変更手段、前記ビーコンの受信強度を測定する測定手段、並びに、前記放射角、および前記測定手段の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出する算出手段を備える受信装置とから構成されることを特徴とする。
【0011】
上記の情報取得システムにおいて、前記アンテナは、直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有するフェイズドアレイアンテナであることが好ましい。前記受信装置は、前記アンテナ素子の駆動を前記二つの軸毎に切り替える切り替え手段を備えることが好ましい。前記変更手段は、前記アンテナ素子の移相量を変化させる移相器であることが好ましい。前記複数のアンテナ素子の一部は、前記二つの軸で共用されていることが好ましい。前記算出手段は、前記測定結果が最大となる前記放射角を用いて、前記算出を行うことが好ましい。
【0012】
また、上記の情報取得システムにおいて、前記受信装置は、前記情報と前記データとを関連付けて記憶する記憶手段を備えることが好ましい。前記受信装置は、前記放射角、および前記測定結果に基づいて、前記少なくとも二つのアンテナから、前記電波を受信するアンテナを選定し、最大利得となる条件で選定したアンテナを駆動させる制御手段を備えることが好ましい。前記情報取得装置は、前記電波の前記情報が重畳される領域とは別の領域に、前記ビーコンを重畳することが好ましい。前記情報取得装置は、前記情報が重畳される領域と、前記ビーコンが重畳される領域とが一定周期で繰り返されるように、前記ビーコンを重畳することが好ましい。前記ビーコンは、一定の振幅を有することが好ましい。前記ビーコンは、パルス波であることが好ましい。
【0013】
本発明は、被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出する位置検出方法に関し、可変指向性を有する少なくとも二つのアンテナで、その放射角を変更しながら前記情報取得装置から送信されるビーコンを受信して、ビーコンの受信強度を測定し、前記放射角、および前記受信強度の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出することを特徴とする。
【0014】
本発明のカプセル内視鏡は、体腔内に嚥下され、前記体腔内の被観察部位を撮像して、これにより得られた画像データを電波に変調して送信するカプセル内視鏡と、可変指向性を有し前記カプセル内視鏡から送信されるビーコンを受信する少なくとも二つのアンテナ、前記アンテナの放射角を変更する変更手段、前記ビーコンの受信強度を測定する測定手段、並びに、前記放射角、および前記測定手段の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出する算出手段を備える受信装置とから構成されることを特徴とする。
【0015】
本発明は、被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出するために用いられるアンテナに関し、直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有し、前記アンテナ素子の駆動が前記二つの軸毎に切り替えられるフェイズドアレイアンテナであることを特徴とする。
【0016】
本発明は、被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出するために、前記被検体の外面に貼り付けて用いられる情報取得装置の位置検出用アンテナユニットに関し、直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有し、前記アンテナ素子の駆動が前記二つの軸毎に切り替えられるフェイズドアレイアンテナと、前記フェイズドアレイアンテナを保持するとともに、シート状に形成されて一方の面が貼り付け面になっている基体と、前記基体に一端部が取り付けられた柔軟な線状体とを備え、前記線状体は、前記二つの軸のうちいずれか一方に沿うように延ばしたときに、この延長線上に、前記アンテナユニットの重心位置が位置するようにして、前記基体に取り付けられていることを特徴とする。前記線状体は、細糸であってもよいし、前記フェイズドアレイアンテナに電気的に接続された電気ケーブルであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数のアンテナの放射角およびビーコンの受信強度に基づいて、情報取得装置の位置に関するデータを算出するので、情報取得装置の被検体内での位置を高精度に検出することができる。このとき、情報取得装置が発する電波が微弱であっても位置検出は問題なく高精度に行うことができる。
【0018】
本発明によれば、複数のアンテナの放射角およびビーコンの受信強度に基づいて、カプセル内視鏡の位置に関するデータを算出するので、カプセル内視鏡の体腔内での位置を高精度に検出することができる。このとき、カプセル内視鏡が発する電波が微弱であっても位置検出は問題なく高精度に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に示すように、カプセル内視鏡システム2は、患者の口部から体腔(被検体)内に嚥下されるカプセル内視鏡(情報取得装置)3と、患者の体に貼り付けられる第1〜第3フェイズドアレイアンテナユニット(以下、第1〜第3アンテナユニットと略する)4A,4B,4C及びベルトなどに取り付けられて携帯される受信装置本体5からなる受信装置(位置検出装置)6と、から構成される。
【0020】
第1アンテナユニット4Aは、略正方形のシート状の基体11Aと、この基体11Aに取り付けられた3つのアンテナ素子10A‐1,10A‐2,10A‐3と、基体11Aの上端部に取り付けられたコネクタ13aと、を有する。基体11Aにはアンテナ素子の他に、移相器(変更手段)14A、切替器(切り替え手段)15A、及び合成分配器16Aなども取り付けられる(図5参照)。アンテナ素子10A‐1とアンテナ素子10A‐2とは、基体11Aの上辺に沿うようにして基体11Aの上部に並べられ、アンテナ素子10A‐1とアンテナ素子10A‐3とは、基体11Aの側辺に沿うようにして基体11Aの左部に並べられている。基体11Aの裏面(紙面奥側の面)は粘着性を有する貼付面になっており、この貼付面が人体に貼り付けられる。
【0021】
第2及び第3アンテナユニット4B,4Cは、第1アンテナユニット4Aと同様の構成である。第2アンテナユニット4Bは、3つのアンテナ素子10B‐1,10B‐2,10B‐3を有し、また、移相器14B、切替器15B、合成分配器16Bを有する(図5参照)。第3アンテナユニット4Cは、3つのアンテナ素子10C‐1,10C‐2,10C‐3を有し、また、移相器14C、切替器15C、合成分配器16Cを有する(図5参照)。第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cの各コネクタには、それぞれ受信装置本体5から延びるケーブル17A,17B,17Cが接続される。第1アンテナユニット4Aに関係する構成要素には数字の後にAを付し、また、第2アンテナユニット4Bに関係する構成要素には数字の後にBを付し、第3アンテナユニット4Cに関係する構成要素には数字の後にCを付す。
【0022】
第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cは、それぞれ体の胴部の定められた箇所に貼り付ける。本実施形態では、第1アンテナユニット4Aを肋骨下部上に貼り付け、第2アンテナユニット4Bを前から見て左の骨盤上に貼り付け、第3アンテナユニット4Cを右の骨盤上に貼り付けている。
【0023】
第1アンテナユニット4Aのアンテナ素子10B‐1の中心を原点とし、上辺に沿う方向にx軸を、側辺に沿う方向にy軸を、奥方向をz軸に設定した座標系を、アンテナユニット座標系(xyz座標系)と定義する。xyzの各軸は互いに直交する。また、直立した人を前から見て左胸に原点を配し、水平方向にX軸を、鉛直方向にY軸を、奥方向にZ軸を設定した座標系を、人体座標系(XYZ座標系)と定義する。XYZの各軸は互いに直交する。第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cを体に貼り付ける際には、水平を保ちながら定められた位置に貼り付けることにより、各アンテナユニット座標系の原点を人体座標系の定められた位置に配し、各アンテナユニット座標系のxyzの各軸を人体座標系のXYZの各軸に平行にする。
【0024】
図2に示すように、カプセル内視鏡3は、カプセル内視鏡3の各部を制御する制御部20を有する。この制御部20にはメモリ21が接続されており、制御部20はメモリ21に記憶されたプログラムに基づいて各部の動作を制御する。メモリ21は、ROMまたはRAMである。制御部20にはバッテリ23が接続されており、このバッテリ23から各部に電力が供給される。
【0025】
制御部20には撮像部24が接続されている。この撮像部24は対物レンズと撮像素子とを有し、対物レンズを透過した体腔内の被観察部位の画像光は撮像素子によって撮像されて画像信号とされる。この画像信号は各種画像処理が施されて画像データとして制御部20に出力される
【0026】
制御部20にはビーコン信号生成部25と変調部26とが接続されている。ビーコン信号生成部25は、制御部20の制御に基づいてビーコン信号を生成し、このビーコン信号を変調部26に出力する。ビーコン信号は、受信装置6がカプセル内視鏡3の位置を検出するときに用いられる。
【0027】
変調部26は、ビーコン信号生成部25で生成されたビーコン信号と、撮像部24で生成された画像データとを電波に変調してアンテナ27に出力する。アンテナ27には無指向性の全方位アンテナが用いられており、変調部26からの電波を外部に発信する。
【0028】
図3に示すように、変調部26は、1コマ分の画像データの先頭にビーコン信号を配し、これを電波に変調(重畳)する。ビーコン信号と1コマ分の画像データを組み合わせたものを送信フレームと定義するとき、変調部26では送信フレームを順次作成して、この送信フレームを順次アンテナに出力する。なお、本実施形態では、ビーコン信号を画像データ1コマ毎に配したが、複数コマ毎に配してもよい。ビーコン信号は、複数のパルス波によって構成される。パルス波の振幅は全て同じである。
【0029】
以下では、受信装置6の電気的構成を説明するが、その前に、フェイズドアレイアンテナの放射特性の一般式について説明する。フェイズドアレイアンテナの放射特性は以下の式で表すことができる。これから、フェイズドアレイの放射特性を制御するのはアレイファクタ分であることが分かる。以下の式は、本郷廣平著「アンテナの基礎理論と設計法」より抜粋している。
E(フェイズドアレイアンテナ)=E(単一アンテナ素子)×AF(アレイファクタ)
【0030】
また、2つのアンテナ素子のアレイファクタは以下の式で表すことができる。
【数1】
k=2π/λ:波数
d:素子間隔
δ:位相差
θ:アレイアンテナ角度
この式でδを変更する制御(移相制御)を行うことで、フェイズドアレイアンテナの放射角が変化することが分かる。フェイズドアレイアンテナの放射角を変化させることで、フェイズドアレイアンテナの利得を変えることができる。図4に、δを変更したときの放射角の変化の様子を示す。
【0031】
以下、図5を用いて、受信装置6の電気的構成について説明する。移相器14Aはアンテナ素子10A‐1に接続し、切替器15Aはアンテナ素子10A‐2及びアンテナ素子10A‐3に接続し、合成分配器16Aは移相器14A及び切替器15Aに接続している。また、移相器14A、切替器15A、及び合成分配器16Aは、それぞれ受信装置本体5の第1制御部30Aにケーブルを介して接続されている。
【0032】
移相器14Aは、第1制御部30Aの制御に基づいて、その設定移相量を変更設定する。アンテナ素子10A‐1は常に駆動されており、このアンテナ素子10A‐1が受信した電波は移相器14Aを介して合成分配器16Aへと送られるが、このとき設定移相量分だけ電波の位相が変更される。移相器14Aでの設定移相量の変更タイミングは、上述したビーコン信号のパルス波の周期に同期するよう設定されている。
【0033】
切替器15Aは、第1制御部30Aの制御に基づいて、アンテナ素子10A‐2またはアンテナ素子10A‐3のいずれかを駆動する。駆動されたいずれかのアンテナ素子は電波を受信し、この電波を合成分配器16Aへと送る。
【0034】
合成分配器16Aは、アンテナ素子10A‐1からの電波と、アンテナ素子10A‐2またはアンテナ素子10A‐3からの電波とを合成し、この合成した電波を第1制御部30Aに送信する。
【0035】
アンテナ素子10A‐1を移相制御しながら、アンテナ素子10A‐2を駆動することにより、図6に示すように、x軸方向における放射角(θXで示す)を順次変更することができる。以下では、このx軸方向における放射角の変更動作を、x軸方向走査と称する。また、アンテナ素子10A‐1を移相制御しながら、アンテナ素子10A‐3を駆動することにより、図7に示すように、y軸方向における放射角(θYで示す)を順次変更することができる。以下では、このy軸方向における放射角の変更動作を、y軸方向走査と称する。
【0036】
図5に戻って、受信装置本体5は、第1〜第3制御部30A,30B,30Cと、中央制御部(制御手段)31と、データストレージ(記憶手段)32とを有する。第1制御部30Aは、中央制御部31の指示に基づいて、移相器14A及び切替器15Aの動作を制御し、また、合成分配器16Aからの電波を復調する。
【0037】
第1制御部30Aは測定部33A及びメモリ34Aを有する。第1制御部30Aは、合成分配器16Aからの電波がビーコン信号であった場合に、このビーコン信号を測定部33Aに送る。また、第1制御部30Aは、合成分配器16Aからの電波が画像データであった場合に、この画像データを中央制御部31に出力する。
【0038】
測定部33Aは、ビーコン信号の信号強度を測定し、この測定した信号強度と、このときの放射角とを関連付けてメモリ34Aに記憶する。x軸方向走査で得たビーコン信号の信号強度(SigXで示す)と、y軸方向走査で得たビーコン信号の信号強度(SigYで示す)が、メモリ34Aに記憶される。
【0039】
また、測定部33Aは、メモリ34Aに記憶された、1回分のx軸方向走査で得たビーコン信号の信号強度SigXの中から、最大の信号強度(SigX1で示す)を選び出して、この最大信号強度SigX1と、このときの放射角(θX1で示す)とを中央制御部31に出力する。図8に、1回分のx軸方向走査で得たビーコン信号の信号強度SigXのデータをプロットしたグラフの例を示す。y軸方向走査においても、x軸方向走査のときと同様の動作を行い、最大信号強度SigY1と、このときの放射角θY1とを中央制御部31に出力する。
【0040】
第2制御部30B及び第3制御部30Cは、第1制御部30Aと同様の構成であり、第2制御部30Bは測定部33B及びメモリ34Bを有し、第3制御部30Cは測定部33C及びメモリ34Cを有する。第2制御部30Bは、最大信号強度SigX2及び放射角θX2、及び最大信号強度SigY2及び放射角θY2を出力し、第3制御部30Cは、最大信号強度SigX3及び放射角θX3、及び最大信号強度SigY3及び放射角θY3を出力する。
【0041】
中央制御部31は、第1〜第3制御部30A,30B,30Cからの出力情報に基づいてカプセル内視鏡3の位置を算出する位置算出部(算出手段)35と、第1〜第3制御部30A,30B,30Cからの出力情報に基づいて、ビーコン信号に続く画像データを受信するアンテナユニットを選択する受信条件決定部36とを有する。
【0042】
位置算出部35は、放射角θX1,θY1の情報に基づいて第1アンテナユニット4Aに対する電波の到来方向を求め、放射角θX2,θY2の情報に基づいて第2アンテナユニット4Bに対する電波の到来方向を求め、放射角θX3,θY3の情報に基づいて第3アンテナユニット4Cに対する電波の到来方向を求める。そして、人体座標系で各アンテナユニット4A,4B,4Cに対する到来方向に直線を延ばし、これらの直線の交点を幾何学的に算出する。この交点位置がカプセル内視鏡3の位置になる。なお、上述したように、人体座標系での各アンテナユニット4A,4B,4Cの位置は予め分かっている。
【0043】
受信条件決定部36では、6の最大信号強度SigX1,SigY1,SigX2,SigY2,SigX3,SigY3の中で一番大きいものを選択し、この一番大きい最大信号強度のビーコン信号を受信したときと同じ受信条件(つまり最大利得になる条件)になるように、第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cの中からアンテナユニットを1機選択し、このアンテナユニットの走査方向を決定し(駆動するアンテナ素子を決定し)、さらに放射角を決定する。例えば、一番大きい最大信号強度がSigY2であった場合には、第2アンテナユニット4Bを選択し、y軸方向走査に決定し、さらに放射角を放射角θY2に決定する。中央制御部31では、受信条件決定部36で決定された受信条件になるように、第1〜第3制御部30A,30B,30Cを制御する。
【0044】
中央制御部31にはデータストレージ32が接続されている。データストレージ32には、カプセル内視鏡3からの画像データと、位置算出部35で算出された位置データとが関連付けられて記憶される。
【0045】
以下、上記構成による作用について説明する。患者の体に第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cを貼り付け、ベルトに受信装置本体5を取り付ける。患者の口部から嚥下されたカプセル内視鏡3は、ビーコン信号と画像データとを電波として発信する。ビーコン信号と画像データとは送信フレーム単位で順次発信される。
【0046】
図9及び図10のフローチャートの流れに沿って、受信装置6の受信動作について説明する。第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cは、それぞれ同様に動作するため、以下では第1アンテナユニット4Aを代表に挙げ、第2及び第3アンテナユニットの詳細な動作説明を省略する。
【0047】
電波の受信前、第1アンテナユニット4Aはx軸方向走査に設定され、放射角θXは初期値(例えば0度)に設定される。第1アンテナユニット4Aが電波を受信すると、この電波が第1制御部30Aに送られる。第1制御部30Aでは電波を復調してビーコン信号(1パルス分)とし、ビーコン信号の信号強度SigXと放射角θXとをメモリ34Aに記憶する。次に、第1制御部30Aは第1アンテナユニット4Aを制御して放射角θXを変更し、新たに受信したビーコン信号(1パルス分)の信号強度SigXと放射角θXとをメモリ34Aに追加して記憶する。この動作はx軸方向での全領域(例えば放射角:0度〜180度)を終えるまで繰り返す。x軸方向走査を終えると、測定部33Aによって、今回のx軸方向走査でメモリ34Aに記憶された信号強度SigXの中から最大信号強度SigX1が選び出され、最大信号強度SigX1及び放射角θX1の情報が中央制御部31に送られる。
【0048】
次に、第1アンテナユニット4Aがy軸方向走査に設定され、放射角θYが初期値に設定され、y軸方向走査がx軸方向走査と同様に行われる。測定部33Aで最大信号強度SigY1が選び出され、最大信号強度SigY1及び放射角θY1の情報が中央制御部31に送られる。
【0049】
第2及び第3アンテナユニットの走査は、第1アンテナユニット4Aの走査と同時に行われ、最大信号強度SigX2及び放射角θX2,最大信号強度SigY2及び放射角θY2,最大信号強度SigX3及び放射角θX3,最大信号強度SigY3及び放射角θY3の情報が中央制御部31に送られる。
【0050】
中央制御部31の位置算出部35では、放射角θX1,θY1,θX2,θY2,θX3,θY3の情報に基づいて、カプセル内視鏡3の人体座標系における現在の位置データを算出する。また、受信条件決定部36では、最大信号強度SigX1,SigY1,SigX2,SigY2,SigX3,SigY3の情報に基づいて、最大利得となる受信条件が決定、すなわち、最大利得となる特定の1機のアンテナユニット,走査方向,放射角が決定される。
【0051】
中央制御部31の指示に基づいて第1〜第3制御部30A,30B,30Cが第1〜第3アンテナユニット4A,4B,4Cを制御する。カプセル内視鏡3が発した電波は、最大利得となる特定の1機のアンテナユニット,走査方向,放射角で受信され、第1〜第3制御部30A,30B,30Cのいずれかで復調されて画像データとされ、中央制御部31に送られる。特定の1機のアンテナユニットだけを駆動するため消費電力を抑えることができる。
【0052】
中央制御部31に送られた画像データは、位置算出部35で算出した位置データと関連付けられて、データストレージ32にファイルとして記憶される。以上が、送信フレーム1つ分の電波を受信したときの動作である。各アンテナユニット4A,4B,4Cが再びビーコン信号を受信した場合には、上記の動作が繰り返されて、画像データ及び位置データがデータストレージ32に順次蓄積される。
【0053】
カプセル内視鏡3が体外に排出されて検査が完了すると、受信装置6を体から取り外して図示しない画像処理装置に接続し、データストレージ32に蓄積されたデータを画像処理装置に伝送し、画像処理装置のモニタに所望の体内位置の内視鏡画像を表示させる。
【0054】
本発明によれば、カプセル内視鏡3が発する電波の到来方向に基づいてカプセル内視鏡3の位置を算出することから、カプセル内視鏡3の位置を高精度に検出することができる。本発明では、カプセル内視鏡3が発する電波が微弱であっても、問題なくカプセル内視鏡3の位置を高精度に検出することができる。
【0055】
なお、アンテナユニットを水平を保って貼り付けるために、本実施形態のアンテナユニットには工夫が施されている。図11に示すのは、体に貼り付ける前の第1アンテナユニット4Aである。基体11Aの上端部には細糸50の端部が取り付けられており、この細糸50の途中に摘み部51が設けられている。細糸50は、摘み部51を摘んで第1アンテナユニット4Aを鉛直方向に垂らしたときに、基体11Aの上辺が水平になり、細糸50の延長線上に第1アンテナユニット4Aの重心位置(符号52で示すバツ印)が位置するように取り付けられている。
【0056】
第1アンテナユニット4Aを体に貼り付ける際には、摘み部51を摘んで第1アンテナユニット4Aを平衡状態にして位置決めして第1アンテナユニット4Aを体に押し付ける。第1アンテナユニット4Aの貼付後、細糸50を取り除いてから、コネクタ13aに受信装置本体5から延ばされたケーブル17Aを接続する。これにより、第1アンテナユニット4Aの貼付時に、ケーブル17Aが干渉することはなく、第1アンテナユニット4Aを正確に位置決めすることができる。なお、細糸50を用いる替わりに、コネクタ13aに予め接続された柔軟なケーブルを用い、このケーブルを摘んで第1アンテナユニット4Aの貼り付け作業を行ってもよい。
【0057】
上記実施形態では、受信装置6が有するフェイズドアレイユニットは3機であったが、2機でもよいし、4機以上でもよい。フェイズドアレイユニットの数を増やすことで、より高精度にカプセル内視鏡3の位置を検出することができる
【0058】
上記実施形態では、フェイズドアレイユニットが有するアンテナ素子は3つであったが、4つ以上でもよい。アンテナ素子の数を増やすことで、より高精度に電波の到来方向を割り出すことができる。
【0059】
図12に示すのは、5つのアンテナ素子101〜105を有するフェイズドアレイユニット100である。x軸方向でビーム走査を行う場合には、アンテナ素子102,103,104を駆動する。このとき、アンテナ素子102はアンテナ素子103に対して位相を所定量進め、一方、アンテナ素子104はアンテナ素子103に対して位相を所定量遅らせる。また、y軸方向でビーム走査を行う場合には、アンテナ素子101,103,105を駆動する。このとき、アンテナ素子101はアンテナ素子103に対して位相を所定量進め、一方、アンテナ素子105はアンテナ素子103に対して位相を所定量遅らせる。また、図13に示すように、4つのアンテナ素子201〜204を有するフェイズドアレイユニット200を用いてもよい。
【0060】
上記実施形態では、情報取得装置としてカプセル内視鏡3を用いて説明を行ったが、pH測定センサを有するハイデルベルクカプセルや、温度センサを有するコアテンプカプセル、腸内の圧力を測定する圧力センサを有するカプセルなどにも本発明を適用することが可能であり、この場合、画像データの替わりに、pHデータ、温度データ、圧力データなどが電波として発信される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】カプセル内視鏡システムの構成を示す概略図である。
【図2】カプセル内視鏡の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】送信フレームの構成を示すタイムチャートである。
【図4】2つのアンテナ素子を移相制御して放射角が変化した様子を示す説明図である。
【図5】受信装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】x軸方向走査を説明する説明図である。
【図7】y軸方向走査を説明する説明図である。
【図8】x軸方向走査で得たビーコン信号の信号強度をプロットしたグラフである。
【図9】受信装置の電波受信動作の全体の流れを示すフローチャートである。
【図10】第1アンテナユニットの走査動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】貼付前の第1アンテナユニットの外観図である。
【図12】5つのアンテナ素子を有するアンテナユニットの外観図である。
【図13】4つのアンテナ素子を有するアンテナユニットの外観図である。
【符号の説明】
【0062】
2 カプセル内視鏡システム
3 カプセル内視鏡
4A,4B,4B アンテナユニット
6 受信装置
14A,14B,14C 移相器
15A,15B,15C 切替器
31 中央制御部
32 データストレージ
33A,33B,33C 測定部
35 位置算出部
36 受信条件決定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出する装置であって、
可変指向性を有し、前記情報取得装置から送信されるビーコンを受信する少なくとも二つのアンテナと、
前記アンテナの放射角を変更する変更手段と、
前記ビーコンの受信強度を測定する測定手段と、
前記放射角、および前記測定手段の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出する算出手段とを備えることを特徴とする情報取得装置の位置検出装置。
【請求項2】
前記アンテナは、直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有するフェイズドアレイアンテナであることを特徴とする請求項1に記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項3】
前記アンテナ素子の駆動を前記二つの軸毎に切り替える切り替え手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項4】
前記変更手段は、前記アンテナ素子の移相量を変化させる移相器であることを特徴とする請求項2または3に記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項5】
前記複数のアンテナ素子の一部は、前記二つの軸で共用されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記測定結果が最大となる前記放射角を用いて、前記算出を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項7】
前記情報と前記データとを関連付けて記憶する記憶手段を備えることを特徴とする1ないし6のいずれかに記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項8】
前記放射角、および前記測定結果に基づいて、前記少なくとも二つのアンテナから、前記電波を受信するアンテナを選定し、最大利得となる条件で選定したアンテナを駆動させる制御手段を備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項9】
被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置と、
可変指向性を有し、前記情報取得装置から送信されるビーコンを受信する少なくとも二つのアンテナ、
前記アンテナの放射角を変更する変更手段、
前記ビーコンの受信強度を測定する測定手段、
並びに、前記放射角、および前記測定手段の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出する算出手段を備える受信装置とから構成されることを特徴とする情報取得システム。
【請求項10】
前記アンテナは、直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有するフェイズドアレイアンテナであることを特徴とする請求項9に記載の情報取得システム。
【請求項11】
前記受信装置は、前記アンテナ素子の駆動を前記二つの軸毎に切り替える切り替え手段を備えることを特徴とする請求項10に記載の情報取得システム。
【請求項12】
前記変更手段は、前記アンテナ素子の移相量を変化させる移相器であることを特徴とする請求項10または11に記載の情報取得システム。
【請求項13】
前記複数のアンテナ素子の一部は、前記二つの軸で共用されていることを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項14】
前記算出手段は、前記測定結果が最大となる前記放射角を用いて、前記算出を行うことを特徴とする請求項9ないし13のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項15】
前記受信装置は、前記情報と前記データとを関連付けて記憶する記憶手段を備えることを特徴とする9ないし14のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項16】
前記受信装置は、前記放射角、および前記測定結果に基づいて、前記少なくとも二つのアンテナから、前記電波を受信するアンテナを選定し、最大利得となる条件で選定したアンテナを駆動させる制御手段を備えることを特徴とする請求項9ないし15のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項17】
前記情報取得装置は、前記電波の前記情報が重畳される領域とは別の領域に、前記ビーコンを重畳することを特徴とする請求項9ないし16のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項18】
前記情報取得装置は、前記情報が重畳される領域と、前記ビーコンが重畳される領域とが一定周期で繰り返されるように、前記ビーコンを重畳することを特徴とする請求項17に記載の情報取得システム。
【請求項19】
前記ビーコンは、一定の振幅を有することを特徴とする請求項9ないし18のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項20】
前記ビーコンは、パルス波であることを特徴とする請求項9ないし19のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項21】
被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出する方法であって、
可変指向性を有する少なくとも二つのアンテナで、その放射角を変更しながら前記情報取得装置から送信されるビーコンを受信して、ビーコンの受信強度を測定し、前記放射角、および前記受信強度の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出することを特徴とする情報取得装置の位置検出方法。
【請求項22】
体腔内に嚥下され、前記体腔内の被観察部位を撮像して、これにより得られた画像データを電波に変調して送信するカプセル内視鏡と、
可変指向性を有し、前記カプセル内視鏡から送信されるビーコンを受信する少なくとも二つのアンテナ、
前記アンテナの放射角を変更する変更手段、
前記ビーコンの受信強度を測定する測定手段、
並びに、前記放射角、および前記測定手段の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出する算出手段を備える受信装置とから構成されることを特徴とするカプセル内視鏡システム。
【請求項23】
被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出するために用いられるアンテナであって、
直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有し、前記アンテナ素子の駆動が前記二つの軸毎に切り替えられるフェイズドアレイアンテナであることを特徴とする情報取得装置の位置検出用アンテナ。
【請求項24】
被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出するために、前記被検体の外面に貼り付けて用いられる情報取得装置の位置検出用アンテナユニットであって、
直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有し、前記アンテナ素子の駆動が前記二つの軸毎に切り替えられるフェイズドアレイアンテナと、
前記フェイズドアレイアンテナを保持するとともに、シート状に形成されて一方の面が貼り付け面になっている基体と、
前記基体に一端部が取り付けられた柔軟な線状体とを備え、
前記線状体は、前記二つの軸のうちいずれか一方に沿うように延ばしたときに、この延長線上に、前記アンテナユニットの重心位置が位置するようにして、前記基体に取り付けられていることを特徴とする情報取得装置の位置検出用アンテナユニット。
【請求項1】
被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出する装置であって、
可変指向性を有し、前記情報取得装置から送信されるビーコンを受信する少なくとも二つのアンテナと、
前記アンテナの放射角を変更する変更手段と、
前記ビーコンの受信強度を測定する測定手段と、
前記放射角、および前記測定手段の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出する算出手段とを備えることを特徴とする情報取得装置の位置検出装置。
【請求項2】
前記アンテナは、直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有するフェイズドアレイアンテナであることを特徴とする請求項1に記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項3】
前記アンテナ素子の駆動を前記二つの軸毎に切り替える切り替え手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項4】
前記変更手段は、前記アンテナ素子の移相量を変化させる移相器であることを特徴とする請求項2または3に記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項5】
前記複数のアンテナ素子の一部は、前記二つの軸で共用されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記測定結果が最大となる前記放射角を用いて、前記算出を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項7】
前記情報と前記データとを関連付けて記憶する記憶手段を備えることを特徴とする1ないし6のいずれかに記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項8】
前記放射角、および前記測定結果に基づいて、前記少なくとも二つのアンテナから、前記電波を受信するアンテナを選定し、最大利得となる条件で選定したアンテナを駆動させる制御手段を備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の情報取得装置の位置検出装置。
【請求項9】
被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置と、
可変指向性を有し、前記情報取得装置から送信されるビーコンを受信する少なくとも二つのアンテナ、
前記アンテナの放射角を変更する変更手段、
前記ビーコンの受信強度を測定する測定手段、
並びに、前記放射角、および前記測定手段の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出する算出手段を備える受信装置とから構成されることを特徴とする情報取得システム。
【請求項10】
前記アンテナは、直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有するフェイズドアレイアンテナであることを特徴とする請求項9に記載の情報取得システム。
【請求項11】
前記受信装置は、前記アンテナ素子の駆動を前記二つの軸毎に切り替える切り替え手段を備えることを特徴とする請求項10に記載の情報取得システム。
【請求項12】
前記変更手段は、前記アンテナ素子の移相量を変化させる移相器であることを特徴とする請求項10または11に記載の情報取得システム。
【請求項13】
前記複数のアンテナ素子の一部は、前記二つの軸で共用されていることを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項14】
前記算出手段は、前記測定結果が最大となる前記放射角を用いて、前記算出を行うことを特徴とする請求項9ないし13のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項15】
前記受信装置は、前記情報と前記データとを関連付けて記憶する記憶手段を備えることを特徴とする9ないし14のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項16】
前記受信装置は、前記放射角、および前記測定結果に基づいて、前記少なくとも二つのアンテナから、前記電波を受信するアンテナを選定し、最大利得となる条件で選定したアンテナを駆動させる制御手段を備えることを特徴とする請求項9ないし15のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項17】
前記情報取得装置は、前記電波の前記情報が重畳される領域とは別の領域に、前記ビーコンを重畳することを特徴とする請求項9ないし16のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項18】
前記情報取得装置は、前記情報が重畳される領域と、前記ビーコンが重畳される領域とが一定周期で繰り返されるように、前記ビーコンを重畳することを特徴とする請求項17に記載の情報取得システム。
【請求項19】
前記ビーコンは、一定の振幅を有することを特徴とする請求項9ないし18のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項20】
前記ビーコンは、パルス波であることを特徴とする請求項9ないし19のいずれかに記載の情報取得システム。
【請求項21】
被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出する方法であって、
可変指向性を有する少なくとも二つのアンテナで、その放射角を変更しながら前記情報取得装置から送信されるビーコンを受信して、ビーコンの受信強度を測定し、前記放射角、および前記受信強度の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出することを特徴とする情報取得装置の位置検出方法。
【請求項22】
体腔内に嚥下され、前記体腔内の被観察部位を撮像して、これにより得られた画像データを電波に変調して送信するカプセル内視鏡と、
可変指向性を有し、前記カプセル内視鏡から送信されるビーコンを受信する少なくとも二つのアンテナ、
前記アンテナの放射角を変更する変更手段、
前記ビーコンの受信強度を測定する測定手段、
並びに、前記放射角、および前記測定手段の測定結果に基づいて、前記位置に関するデータを算出する算出手段を備える受信装置とから構成されることを特徴とするカプセル内視鏡システム。
【請求項23】
被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出するために用いられるアンテナであって、
直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有し、前記アンテナ素子の駆動が前記二つの軸毎に切り替えられるフェイズドアレイアンテナであることを特徴とする情報取得装置の位置検出用アンテナ。
【請求項24】
被検体内に導入され、前記被検体内の情報を取得して、この情報を電波に変調して送信する情報取得装置の前記被検体内における位置を検出するために、前記被検体の外面に貼り付けて用いられる情報取得装置の位置検出用アンテナユニットであって、
直交する二つの軸に沿って等間隔に配列された複数のアンテナ素子を有し、前記アンテナ素子の駆動が前記二つの軸毎に切り替えられるフェイズドアレイアンテナと、
前記フェイズドアレイアンテナを保持するとともに、シート状に形成されて一方の面が貼り付け面になっている基体と、
前記基体に一端部が取り付けられた柔軟な線状体とを備え、
前記線状体は、前記二つの軸のうちいずれか一方に沿うように延ばしたときに、この延長線上に、前記アンテナユニットの重心位置が位置するようにして、前記基体に取り付けられていることを特徴とする情報取得装置の位置検出用アンテナユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−200191(P2008−200191A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37968(P2007−37968)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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