説明

情報媒体およびその製造方法

【課題】側面において、基材やフレームが剥離することを防止した情報媒体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の情報媒体10は、第一フレーム11および第二フレーム12と、これらが積層されてなる積層体13に内設されたモジュール15と、少なくとも積層体15の一部と接する接着層16と、積層体13およびモジュール15を挟持する一対の基材17,18と、を備え、第一フレーム11は、少なくとも四隅に、基材の外郭線よりも内側に凹んだ凹部11bが形成され、第二フレーム12は、少なくとも四隅が外側に突出した凸部12bをなし、積層体13を平面視した場合、凸部12bが凹部11bの内側に配され、接着層16の一部は、凹部11b内に充填された接着剤と、凸部12bを覆う接着剤とからなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な回路を有するモジュールを備えたカード型またはシート型の情報媒体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の進展に伴って、情報をカードに記録し、そのカードを用いた情報管理や決済などが行われている。
このような情報管理や決済などに用いられるカードとしては、ICチップが内蔵されたICカードや、磁気により情報が書き込まれた磁気カードなどが挙げられる。これらのICカードや磁気カードなどのカード型の情報媒体は、専用の装置を用いて情報の書込みや読み出しが行われる。
このカード型の情報媒体は、電気的な回路を有するモジュールを備えている。また、この情報媒体では、モジュールを、基材に対して所定の位置に配置するためにフレームが用いられている。すなわち、この情報媒体は、モジュールが所定の位置に内設されたフレームが、接着剤を介して、一対の基材で挟持された構造をなしている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−236937号公報
【特許文献2】特開2004−110142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような情報媒体は、モジュールが内設されたフレームが、接着剤を介して一対の基材で挟持された後、これらの部材からなる積層体が、その厚さ方向に打ち抜かれるなどして裁断され、最終的な形状(カード形状など)に加工されている。したがって、この情報媒体は、その側面において、基材と接着剤の界面、および、接着剤とフレームの界面が露出しているため、これらの界面にて、基材やフレームが剥離しやすいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その側面において、基材やフレームが剥離することを防止した情報媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報媒体は、略四角形状をなし、形状が異なる一対のフレームと、該一対のフレームが積層されてなる積層体に内設されたモジュールと、少なくとも前記積層体の一部と接する接着層と、該接着層に接し、前記積層体および前記モジュールを挟持する一対の基材と、を備えた情報媒体であって、前記一対のフレームのうち第一フレームは、少なくとも四隅に、前記基材の外郭線よりも内側に凹んだ凹部が形成されたものであり、前記一対のフレームのうち第二フレームは、少なくとも四隅が外側に突出した凸部であり、該凸部と凹部からなる凹凸の外郭形状をなしており、前記積層体を平面視した場合、前記第二フレームの凸部が前記第一フレームの凹部の内側に配され、前記接着層の一部は、前記第一フレームの凹部内に充填された接着剤と、前記第二フレームの凸部を覆う接着剤とからなることを特徴とする。
【0007】
本発明の情報媒体の製造方法は、略四角形状をなし、形状が異なる一対のフレームと、該一対のフレームが積層されてなる積層体に内設されたモジュールと、少なくとも前記積層体の一部と接する接着層と、該接着層に接し、前記積層体および前記モジュールを挟持する一対の基材と、を備え、前記一対のフレームのうち第一フレームは、少なくとも四隅に、前記基材の外郭線よりも内側に凹んだ凹部が形成されたものであり、前記一対のフレームのうち第二フレームは、少なくとも四隅が外側に突出した凸部であり、該凸部と凹部からなる凹凸の外郭形状をなしており、前記積層体を平面視した場合、前記第二フレームの凸部が前記第一フレームの凹部の内側に配され、前記接着層の一部は、前記第一フレームの凹部内に充填された接着剤と、前記第二フレームの凸部を覆う接着剤とからなる情報媒体の製造方法であって、第一基材における第二基材に対向させる面に、外縁部の少なくとも四隅に、前記情報媒体の外郭線よりも内側に凹んだ凹部、または、その厚さ方向に貫通する貫通部が、前記外郭線を跨ぐように形成され、かつ、内側に前記モジュールを嵌入する嵌入部が形成された略四角形状の第一フレームを接合する工程Aと、前記第二基材における前記第一基材に対向させる面に、少なくとも四隅が前記情報媒体の外郭線よりも外側に突出した凸部であり、該凸部と凹部からなる凹凸の外郭形状をなし、前記凹部は前記外郭線よりも内側に凹んでおり、かつ、内側に前記モジュールを嵌入する嵌入部が形成された略四角形状の第二フレーム、または、外縁部に、少なくとも四隅を除いて、その厚さ方向に貫通する貫通部が前記外郭線を跨ぐように形成され、かつ、内側に前記モジュールを嵌入する嵌入部が形成された略四角形状の第二フレームを接合する工程Bと、前記第一フレームの嵌入部または前記第二フレームの嵌入部に、前記モジュールを嵌入する工程Cと、前記第一フレームの前記第一基材と対向する面とは反対の面側、および/または、前記第二フレームの前記第二基材と対向する面とは反対の面側に、接着剤を塗布する工程Dと、前記接着剤を介して、前記第一フレームと前記第二フレームを重ね合わせて、前記第一フレームと前記第二フレームを互いに押圧することにより、前記第一フレームと前記第二フレームの間に、前記接着剤を展開させるとともに、前記第一フレームの凹部または貫通部内、および、前記第二フレームの凸部の周囲または貫通部内に、前記接着剤を流入させる工程Eと、前記第一基材、前記第一フレーム、前記モジュール、前記接着剤、前記第二フレームおよび前記第二基材を含む積層体を、前記外郭線に沿って裁断する工程Fと、を有し、前記工程Aと前記工程Bと前記工程Cを順不同に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の情報媒体によれば、第一フレームと第二フレームを積層してなる積層体を平面視した場合、第二フレームの凸部が第一フレームの凹部の内側に配され、接着層の一部は、第一フレームの凹部内に充填された接着剤と、第二フレームの凸部を覆う接着剤とからなるので、その四隅において、第一基材から第二基材にわたって、中央部に第二フレームの凸部が配された接着層が連続に形成されている。したがって、本発明の情報媒体は、第一フレームの凹部および第二フレームの凸部と対向する部分にて、接着層とその中央部に配された第二フレームの凸部を介して、第一基材と第二基材が対向しているから、その四隅において、第一基材と第二基材の間は、大部分が接着層からなり、第一フレームおよび第二フレームと、接着層との界面が露出する面積が少なくなる。また、本発明の情報媒体は、その四隅において、接着層の中央部に第二フレームの凸部が配されているので、第一基材と第二基材の間を接着層のみとした場合よりも、強度が高くなる。ゆえに、本発明の情報媒体は、その四隅において、第一フレームと接着層が剥離することがない上に、強度も保持しているので、耐久性に優れている。
【0009】
本発明の情報媒体の製造方法によれば、外縁部の少なくとも四隅に、情報媒体の外郭線よりも内側に凹んだ凹部、または、その厚さ方向に貫通する貫通部が、情報媒体の外郭線を跨ぐように形成された第一フレームと、少なくとも四隅が情報媒体の外郭線よりも外側に突出した凸部であり、その凸部と凹部からなる凹凸の外郭形状をなし、凹部が情報媒体の外郭線よりも内側に凹んでいる第二フレーム、または、外縁部に、少なくとも四隅を除いて、その厚さ方向に貫通する貫通部が外郭線を跨ぐように形成された第二フレームと用い、第一フレームと第二フレームを重ね合わせて、第一フレームと第二フレームの間に、接着剤を展開させるとともに、第一フレームの凹部または貫通部内、および、第二フレームの凸部の周囲または貫通部内に、接着剤を流入させ、第一基材、接着剤、第一フレーム、モジュール、第二フレームおよび第二基材を含む積層体を、前記の外郭線に沿って裁断するので、その四隅において、第一基材と第二基材の間は、大部分が接着層からなり、第一フレームおよび第二フレームと、接着層との界面が露出する面積が少ない情報媒体を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の情報媒体の一実施形態を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】本発明の情報媒体の一実施形態を示す概略構成図であり、図1のB−B線に沿う断面図である。
【図3】本発明の情報媒体の一実施形態を構成する第一フレームを示す概略平面図である。
【図4】本発明の情報媒体の一実施形態を構成する第二フレームを示す概略平面図である。
【図5】本発明の情報媒体の他の実施形態を示す概略平面図である。
【図6】本発明の情報媒体の製造方法の一実施形態において用いられ、印刷層が設けられた第一基材を示す概略斜視図である。
【図7】本発明の情報媒体の製造方法の一実施形態において、第一基材への接着剤の塗布工程を示す概略斜視図である。
【図8】本発明の情報媒体の製造方法の一実施形態において、工程Aを示す概略斜視図である。
【図9】本発明の情報媒体の製造方法の一実施形態において用いられ、印刷層が設けられた第二基材を示す概略斜視図である。
【図10】本発明の情報媒体の製造方法の一実施形態において、第二基材への接着剤の塗布工程を示す概略斜視図である。
【図11】本発明の情報媒体の製造方法の一実施形態において、工程Bを示す概略斜視図である。
【図12】本発明の情報媒体の製造方法の一実施形態において、工程Cを示す概略斜視図である。
【図13】本発明の情報媒体の製造方法の一実施形態において、工程Dを示す概略斜視図である。
【図14】本発明の情報媒体の製造方法の一実施形態において、工程Eを示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の情報媒体およびその製造方法の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0012】
(1)第一の実施形態
「情報媒体」
図1は、本発明の情報媒体の一実施形態を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。図2は、本発明の情報媒体の一実施形態を示す概略構成図であり、図1のB−B線に沿う断面図である。図3は、本発明の情報媒体の一実施形態を構成する第一フレームを示す概略平面図である。図4は、本発明の情報媒体の一実施形態を構成する第二フレームを示す概略平面図である。
この実施形態の情報媒体10は、平面視略長方形状をなし、形状が異なる一対のフレーム11,12(第一フレーム11、第二フレーム12)と、これらのフレーム11,12が積層されてなる積層体13に内設され、表示素子14を有するモジュール15と、積層体13およびモジュール15を被覆する接着層16と、接着層16を介して、積層体13およびモジュール15を挟持する一対の基材17,18(第一基材17、第二基材18)とから概略構成されている。
【0013】
すなわち、情報媒体10は、モジュール15を内設した積層体13が、接着層16を介して第一基材17および第二基材18に挟持され、これらの部材がその厚さ方向において積層された構造をなしている。したがって、積層体13は、接着層16を形成する接着剤によって、第一基材17および第二基材18に接着されている。これにより、情報媒体10は、平面視略長方形状をなしている。
ここで、積層体13にモジュール15を内設するとは、積層体13の内側にモジュール15を設けることを言う。
【0014】
第一基材17の第二基材18と対向する面とは反対側の面(以下、「一方の面(外面)」と言う。)17aには、非印刷部19aを有し、種々の印刷からなる印刷層19が設けられている。なお、非印刷部19aは、印刷層19が設けられていない部分であり、モジュール15を構成する表示素子14の表示部14aと対向する窓部をなしている。
第二基材18の第一基材17と対向する面とは反対側の面(以下、「一方の面(外面)」と言う。)18aには、種々の印刷からなる印刷層20が設けられている。
【0015】
第一フレーム11の内側には、モジュール15を嵌入するために、その厚さ方向に貫通し、モジュール15の外形とほぼ形状が等しい嵌入部11aが設けられている。さらに、この嵌入部11aは、モジュール15を嵌入した場合、表示素子14の表示部14aが非印刷部19aに対向する位置に配置されるように設けられている。
また、第一フレーム11の外縁には、その四隅に、第一基材17および第二基材18の外郭線(外周)よりも内側に凹んだ、平面視略長方形状の凹部11bが形成されている。
さらに、情報媒体10の側面において、第一フレーム11の側面と、第一基材17および第二基材18の側面とが同一面をなしている。
【0016】
第二フレーム12の内側には、モジュール15を嵌入するために、その厚さ方向に貫通し、モジュール15の外形とほぼ形状が等しい嵌入部12aが設けられている。さらに、この嵌入部12aは、モジュール15を嵌入した場合、表示素子14の表示部14aが非印刷部19aに対向する位置に配置されるように設けられている。
【0017】
また、第二フレーム12は、四隅が外側に突出した凸部12bであり、この4つの凸部12bの間で、それぞれの辺に沿って延在し、第一基材17および第二基材18の外郭線(外周)よりも内側に凹んだ、平面視略長方形状の凹部12c,12dが形成された凹凸の外郭形状をなしている。すなわち、第二フレーム12は、凸部12bと、凹部12c,12dが交互に形成された凹凸の外郭形状をなしている。
さらに、情報媒体10の四隅において、第二フレーム12の凸部12bの端面12eと、第一基材17および第二基材18の側面とが同一面をなしている。
【0018】
また、第一フレーム11と第二フレーム12は厚さが等しくなっている。そして、第一フレーム11と第二フレーム12を積層してなる積層体13の厚さは、モジュール15の厚さとほぼ等しくなっており、積層体13に嵌入されたモジュール15の表面(両面)は、第一フレーム11および第二フレーム12の表面(第一フレーム11と第二フレーム12が互いに接する面とは反対側の面)とほぼ同一面をなしている。
より詳細には、第一フレーム11と第二フレーム12は厚さが等しいので、第一フレーム11には、モジュール15の厚さ方向において、モジュール15の半分が嵌入されており、第二フレーム12には、モジュール15の厚さ方向において、モジュール15の半分が嵌入されている。
【0019】
さらに、第一フレーム11と第二フレーム12を積層してなる積層体13を平面視した場合、第二フレーム12の凸部12bが第一フレーム11の凹部11bの内側に配されるようになっている。
より詳細には、図3に示す第一フレーム11の凹部11bの幅をl、図4に示す第二フレーム12の凸部12bの幅をlとした場合、l>lの関係を満たすようになっており、積層体13を平面視した場合、第二フレーム12の凸部12bが第一フレーム11の凹部11bの内側に配されるようになっている。すなわち、第二フレーム12の凸部12bと第一フレーム11の凹部11bの間には隙間がある。
【0020】
また、情報媒体10の四隅において、接着層16は、第一フレーム11の凹部11b内に充填された接着剤と、第二フレーム12の凸部12bの表面(一方の面12f、他方の面12g、側面12h)を覆う接着剤と、第二フレーム12の凸部12bと第一フレーム11の凹部11bの間の隙間に充填された接着剤とから形成されている。これにより、情報媒体10の四隅において、第一基材17から第二基材18にわたって、接着層16が連続に形成されている。したがって、情報媒体10では、凹部11bおよび凸部12bと対向する部分にて、接着層16とその中央部に配された凸部12bを介して第一基材17と第二基材18が対向している。ゆえに、情報媒体10の四隅において、第一基材17と第二基材18の間は、大部分が接着層16からなり、第一フレーム11および第二フレーム12と、接着層16との界面の露出する面積が少なくなっている。また、情報媒体10の四隅において、接着層16の中央部に凸部12bが配されているので、第一基材17と第二基材18の間を接着層16のみとした場合よりも、強度が高くなる。
【0021】
また、積層体13を平面視した場合、第二フレーム12の凹部12c、12dが、第一フレーム11の外縁部よりも内側に凹んでいる。さらに、第二フレーム12の凹部12c、12d内にも接着層16が形成されている。これにより、情報媒体10の側面において、第一フレーム11の側面と、第一基材17および第二基材18の側面とが同一面をなしている一方、第二フレーム12の側面は接着層16に覆われて、露出しないようになっている。
【0022】
第一フレーム11および第二フレーム12の材質としては、少なくとも表層部に、ガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの;ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの;ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合基材;ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン−ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材;ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン−ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材にマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理、オゾン処理、または各種易接着処理などの表面処理を施したもの、発泡PET(ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を押出発泡成形したシート)などの公知のものから選択して用いられる。
【0023】
モジュール15としては、各種の電気的な回路を有するモジュールが挙げられる。例えば、表示素子14および接触型のICチップを備えたモジュール、互いに接続されたアンテナおよび非接触型のICチップを備えたRFID用途のモジュール、これらに、さらに、電池、ダイオード、制御装置などを備えたモジュールなどが挙げられる。
【0024】
表示素子14としては、電子ペーパー、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)などが挙げられる。
また、接触型のICチップとしては、金属端子が表面に剥き出しになっており、その金属端子を情報書込/読出装置に接触させて、情報の読み書きを行うものが用いられる。
【0025】
モジュール15がRFID用途のモジュールである場合、アンテナは、ポリマー型導電インクを用いて所定のパターンにスクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷法により形成されてなるものか、もしくは、導電性箔をエッチングしてなるもの、金属メッキしてなるものである。
【0026】
ポリマー型導電インクとしては、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電微粒子が樹脂組成物に配合されたものが挙げられる。
樹脂組成物として熱硬化型樹脂を用いれば、ポリマー型導電インクは、200℃以下、例えば、100〜150℃程度でアンテナをなす塗膜を形成することができる熱硬化型となる。アンテナをなす塗膜の電気の流れる経路は、塗膜を構成する導電微粒子が互いに接触することにより形成され、この塗膜の抵抗値は10−5Ω・cmオーダーである。
また、本発明におけるポリマー型導電インクとしては、熱硬化型の他にも、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
【0027】
光硬化型のポリマー型導電インクは、光硬化性樹脂を樹脂組成物に含むものであり、硬化時間が短いので、製造効率を向上させることができる。光硬化型のポリマー型導電インクとしては、例えば、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特に、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、導電微粒子が60質量%以上配合され、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、溶剤揮発型あるいは架橋/熱可塑併用型(ただし、熱可塑型が50質量%以上である)のものや、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特に、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、架橋型あるいは架橋/熱可塑併用型のものなどが好適に用いられる。
【0028】
また、アンテナをなす導電性箔としては、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、アルミニウム箔などが挙げられる。
さらに、アンテナをなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
【0029】
モジュール15がRFID用途のモジュールである場合、ICチップとしては、特に限定されず、上記のアンテナを介して非接触状態にて情報の書き込みおよび読み出しが可能であり、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、あるいは、非接触型ICカードなどのRFIDメディアに適用可能なものであればいかなるものでも用いられる。
【0030】
接着層16をなす接着剤としては、使用前は液状であり、加熱、紫外線照射、電子線照射などの外的条件を加えることにより硬化する接着剤が用いられる。このような接着剤としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂が挙げられる。また、外的条件を加えなくても主剤と硬化剤の反応によって硬化する2液硬化型接着剤も用いられる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル系反応樹脂などが挙げられる。
【0031】
紫外線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリウレタン樹脂、紫外線硬化性エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化性イミドアクリレート樹脂などが挙げられる。
電子線硬化性樹脂としては、電子線硬化性アクリル樹脂、電子線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、電子線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、電子線硬化性ポリウレタン樹脂、電子線硬化性エポキシアクリレート樹脂、カチオン硬化型樹脂などが挙げられる。
2液硬化型接着剤としては、ポリエステル樹脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの混合物、ウレタンとポリイソシアネートとの混合物などが挙げられる。
【0032】
このような接着剤の具体例としては、主剤(商品名:アロンマイティAP−317A、東亞合成社製)と硬化剤(商品名:アロンマイティAP−317B、東亞合成社製)からなる2液混合型エポキシ系接着剤、主剤(商品名:MLT2900、イーテック社製)と硬化剤(商品名:G3021−B174、イーテック社製)からなる2液混合型ウレタン系接着剤などが挙げられる。
【0033】
また、接着層16を形成する接着剤には、必要に応じて、公知の無機顔料、有機顔料、染料などの着色剤が含まれていてもよい。この着色剤により、接着層16を任意の色に着色することもできる。
【0034】
第一基材17および第二基材18としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレンなどのポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;ポリカーボネート(PC)からなる基材;ポリアリレートからなる基材;ポリイミドからなる基材;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙などの紙からなる基材などが用いられる。
【0035】
この情報媒体10は、第一フレーム11と第二フレーム12を積層してなる積層体13を平面視した場合、第二フレーム12の凸部12bが第一フレーム11の凹部11bの内側に配され、接着層16が、第一フレーム11の凹部11b内に充填された接着剤と、第二フレーム12の凸部12bの表面を覆う接着剤と、第二フレーム12の凸部12bと第一フレーム11の凹部11bの間の隙間に充填された接着剤とから形成されているので、その四隅において、第一基材17から第二基材18にわたって、中央部に第二フレーム12の凸部12bが配された接着層16が連続に形成されている。したがって、情報媒体10は、第一フレーム11の凹部11bおよび第二フレーム12の凸部12bと対向する部分にて、接着層16とその中央部に配された凸部12bを介して、第一基材17と第二基材18が対向しているから、その四隅において、第一基材17と第二基材18の間は、大部分が接着層16からなり、第一フレーム11および第二フレーム12と、接着層16との界面が露出する面積が少なくなる。また、情報媒体10は、その四隅において、接着層16の中央部に凸部12bが配されているので、第一基材17と第二基材18の間を接着層16のみとした場合よりも、強度が高くなる。ゆえに、情報媒体10は、その四隅において、第一フレーム11と接着層16が剥離することがない上に、強度も保持しているので、耐久性に優れている。
【0036】
なお、この実施形態では、第一フレーム11と第二フレーム12を積層してなる積層体13の四隅において、第二フレーム12の凸部12bが第一フレーム11の凹部11bの内側に配された場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、図5に示すように、積層体13のそれぞれの辺においても、第二フレーム12の凸部12iが第一フレーム11の凹部11cの内側に配されていてもよく、第二フレーム12の凸部12jが第一フレーム11の凹部11dの内側に配されていてももよい。
【0037】
また、この実施形態では、第一フレーム11が、接着層16を形成する接着剤によって、第一基材17に接着されている場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、一対の基材の一方に、第一フレームが熱融着されていてもよい。
また、この実施形態では、第二フレーム12が、接着層16を形成する接着剤によって、第二基材18に接着されている場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、一対の基材の他方に、第二フレームが熱融着されていてもよい。
【0038】
また、この実施形態では、第一フレーム11が1つの部材からなり、第二フレーム12が1つの部材からなる場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第一フレームが厚さ方向に積層される2つ以上の部材を組み合わせてなるものであってもよく、第二フレームが厚さ方向に積層される2つ以上の部材を組み合わせてなるものであってもよい。例えば、第一フレームまたは第二フレームが厚さ方向に積層された2つ以上の部材からなる場合、予め2つ以上の部材が接着剤または熱融着により接合されて、1つのフレームとされて用いられる。
【0039】
また、この実施形態では、第一基材17の一方の面17aに印刷層19が設けられた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第一基材の一方の面とは反対側の面(以下、「他方の面」と言う。)に印刷層が設けられていてもよい。
また、この実施形態では、第二基材18の一方の面18aに印刷層20が設けられた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第二基材の一方の面とは反対側の面(以下、「他方の面」と言う。)に印刷層が設けられていてもよい。
【0040】
また、この実施形態では、情報媒体10が平面視略長方形状をなしている場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、情報媒体は、平面視した場合、略正方形状をなしていてもよい。
また、この実施形態では、表示素子14を有するモジュール15を備えた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、モジュールが表示素子を備えていなくてもよい。
【0041】
「情報媒体の製造方法」
次に、図6〜図14を参照して、この実施形態の情報媒体の製造方法を説明する。
まず、図6に示すように、一方の面17aに印刷層19が設けられた第一基材17を用意する。
【0042】
次いで、図7に示すように、第一基材17の他方の面(印刷層19が設けられた面とは反対側の面)17bに、接着剤塗布装置のノズル31から吐出される接着剤16Aを塗布する。
【0043】
接着剤16Aとしては、上記の接着層16を形成する接着剤と同様のものが用いられる。
また、第一基材17の他方の面17bに対する接着剤16Aの塗布量は、特に限定されないが、この接着剤16Aによって接着される、第一フレーム11Aの面積、第一フレーム11Aに設けられた嵌入部11aの大きさや深さなどに応じて、適宜調整される。
【0044】
次いで、図8に示すように、外縁部の四隅に、その厚さ方向に貫通する貫通部11eが、上述の情報媒体10の外郭線(最終的な情報媒体10の形状の外郭線)10aを跨ぐように形成され、かつ、内側に、その厚さ方向に貫通し、モジュール15の外形とほぼ形状が等しい嵌入部11aが形成された略長方形状の第一フレーム11Aを用意する。
そして、接着剤16Aを介して、第一基材17の他方の面17bに、第一フレーム11Aを重ね合わせ、第一基材17に対して第一フレーム11Aを押圧することにより、第一基材17と第一フレーム11Aの間に、接着剤16Aを展開させ、第一基材17の他方の面17bに第一フレーム11Aを接着する(工程A)。
【0045】
ここでは、情報媒体10の外郭線10aは、印刷層19の外郭線19aに対応する。
この工程Aでは、第一基材17と第一フレーム11Aの間に、接着剤16Aを展開させる際、第一フレーム11Aの嵌入部11aおよび貫通部11eに、接着剤16Aを流入させてもよい。
また、この工程Aでは、第一基材17と第一フレーム11Aの間に展開させた接着剤16Aの余剰分を、情報媒体10の外郭線10a(印刷層19の外郭線19a)よりも外側に、裾拡がりするように展開させる。
【0046】
また、図9に示すように、一方の面18aに印刷層20が設けられた第二基材18を用意する。
【0047】
次いで、図10に示すように、第二基材18の他方の面(印刷層20が設けられた面とは反対側の面)18bに、接着剤塗布装置のノズル32から吐出される接着剤16Bを塗布する。
【0048】
接着剤16Bとしては、上記の接着層16を形成する接着剤と同様のものが用いられる。
また、第二基材18の他方の面18bに対する接着剤16Bの塗布量は、特に限定されないが、この接着剤16Bによって被覆される、第二フレーム12Aの面積、第二フレーム12Aに設けられた貫通部12k,12lの大きさや深さなどに応じて、適宜調整される。
【0049】
次いで、図11に示すように、外縁部に、少なくとも四隅を除いて、それぞれの辺に沿って延在し、その厚さ方向に貫通する貫通部12k,12lが、上述の情報媒体10の外郭線(最終的な情報媒体10の形状の外郭線)10aを跨ぐように形成され、かつ、内側に、その厚さ方向に貫通し、モジュール15の外形とほぼ形状が等しい嵌入部12aが形成された略長方形状の第二フレーム12Aを用意する。なお、貫通部12kと貫通部12lは、不連続部12mを介して隣接して設けられている。
そして、接着剤16Bを介して、第二基材18の他方の面18bに、第二フレーム12Aを重ね合わせ、第二基材18に対して第二フレーム12Aを押圧することにより、第二基材18と第二フレーム12Aの間に、接着剤16Bを展開させ、第二基材18の他方の面18bに第二フレーム12Aを接着する(工程B)。
【0050】
ここでは、情報媒体10の外郭線10aは、印刷層20の外郭線20aに対応する。
この工程Bでは、第二基材18と第二フレーム12Aの間に、接着剤16Bを展開させる際、第二フレーム12Aの嵌入部12aおよび貫通部12k,12lに、接着剤16Bを流入させてもよい。
また、この工程Bでは、第二基材18と第二フレーム12Aの間に展開させた接着剤16Bの余剰分を、情報媒体10の外郭線10a(印刷層20の外郭線20a)よりも外側に、裾拡がりするように展開させる。
【0051】
次いで、図12に示すように、第一フレーム11Aの内側に形成された嵌入部11aに、表示素子14を有するモジュール15を嵌入する(工程C)。
【0052】
次いで、図13に示すように、第一フレーム11Aの第一基材17と対向する面とは反対側の面(以下、「一方の面」と言う。)11f、および、モジュール15の第一基材17と対向する面とは反対側の面(以下、「一方の面」と言う。)15aに、接着剤塗布装置のノズル33から吐出される接着剤16Cを塗布する(工程D)。
【0053】
接着剤16Cとしては、上記の接着層16を形成する接着剤と同様のものが用いられる。
また、第一フレーム11Aの一方の面11dおよびモジュール15の一方の面15aに対する接着剤16Cの塗布量は、特に限定されないが、この接着剤16Cによって被覆される、第一フレーム11Aの面積、第一フレーム11Aに設けられた貫通部11eの大きさや深さ、第二フレーム12Aの面積、第二フレーム12Aに設けられた貫通部12k,12lの大きさや深さ、などに応じて、適宜調整される。
【0054】
次いで、図14に示すように、第一フレーム11Aおよびモジュール15に塗布した接着剤16Cを介して、第一基材17に接着された第一フレーム11Aと第二基材18に接着された第二フレーム12Aを重ね合わせて、第一フレーム11Aと第二フレーム12Aを互いに押圧することにより、第一フレーム11Aと第二フレーム12Aの間に、接着剤16Cを展開させるとともに、第一フレーム11Aの貫通部11e内、並びに、第二フレーム12Aの不連続部12mの周囲および貫通部12k,12l内に、接着剤16Cを流入させる(工程E)。
【0055】
なお、第二基材18の一方の面18aに設けられた印刷層20の外郭線20aは、情報媒体10の外郭線10a、および、第一基材17に設けられた印刷層19の外郭線19aに対応する。そこで、工程Eでは、第二基材18に設けられた印刷層20の外郭線20aと、第一基材17に設けられた印刷層19の外郭線19aとが重なるとともに、第一フレーム11Aに嵌入されたモジュール15が、第二フレーム12Aの嵌入部12aに嵌入されるように、第一フレーム11Aと第二フレーム12Aを重ね合わせる。
また、第一フレーム11Aと第二フレーム12Aを重ね合わせた場合、第二フレーム12Aの貫通部12kと貫通部12lの間にある不連続部12kが、第一フレーム11Aの貫通部11eの内側に配される。
また、この工程Eでは、第一フレーム11Aと第二フレーム12Aの間に展開させた接着剤16Cの余剰分を、情報媒体10の外郭線10a(印刷層20の外郭線20a)よりも外側に、裾拡がりするように展開させる。
【0056】
次いで、第一基材17、接着剤16A、第一フレーム11A、モジュール15、接着剤16C、第二フレーム12A、接着剤16Bおよび第二基材18から構成される積層体を加圧処理および接着剤を硬化させる処理(例えば、加熱、紫外線照射、電子線照射、エージング〔放置して時間とともに硬化反応をさせていくこと〕処理)する(加圧処理および接着剤硬化処理する工程)ことによって、接着剤16A,16B,16Cを硬化させて、前記の積層体を一体化する。
【0057】
次いで、第一基材17、接着剤16A、第一フレーム11A、モジュール15、接着剤16C、第二フレーム12A、接着剤16Bおよび第二基材18から構成される積層体を、情報媒体10の外郭線10aに沿って裁断して(工程F)、図1に示す情報媒体10を得る。
【0058】
この工程Fでは、上記の積層体の裁断により、接着剤16A,16B,16Cの余剰分も分離、除去される。
【0059】
この実施形態の情報媒体の製造方法によれば、外縁部の四隅に、厚さ方向に貫通する貫通部11eが上述の情報媒体10の外郭線10aを跨ぐように形成された第一フレーム11Aと、外縁部に、四隅を除いて、それぞれの辺に沿って延在し、その厚さ方向に貫通する貫通部12k,12lが、上述の情報媒体10の外郭線(最終的な情報媒体10の形状の外郭線)10aを跨ぐように形成された第二フレーム12Aとを用い、第一基材17に接着された第一フレーム11Aと第二基材18に接着された第二フレーム12Aを重ね合わせて、第一フレーム11Aの貫通部11e内、並びに、第二フレーム12Aの不連続部12mの周囲および貫通部12k,12l内に、接着剤16Cを流入させ、第一基材17、接着剤16A、第一フレーム11A、モジュール15、接着剤16C、第二フレーム12A、接着剤16Bおよび第二基材18から構成される積層体を形成し、接着剤16A,16B,16Cを硬化させた後、前記の積層体を外郭線10aに沿って裁断するので、第一フレーム11の凹部11bおよび第二フレーム12の凸部12bと対向する部分にて、接着層16とその中央部に配された凸部12bを介して、第一基材17と第二基材18が対向し、その四隅において、第一基材17と第二基材18の間は、大部分が接着層16からなり、第一フレーム11および第二フレーム12と、接着層16との界面が露出する面積が少ない情報媒体10を作製することができる。したがって、得られた情報媒体10は、その四隅において、第一フレーム11と接着層16が剥離することがない上に、強度も保持しているので、耐久性に優れている。
【0060】
なお、この実施形態では、外縁部の四隅に、厚さ方向に貫通する貫通部11eが情報媒体10の外郭線10aを跨ぐように形成された第一フレーム11Aを用いた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、外縁部の四隅に、最終的に得られる情報媒体の外郭線よりも内側に凹んだ凹部が形成された第一フレームを用いてもよい。
【0061】
また、この実施形態では、外縁部に、四隅を除いて、それぞれの辺に沿って延在し、その厚さ方向に貫通する貫通部12k,12lが、情報媒体10の外郭線10aを跨ぐように形成された第二フレーム12Aを用いた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、外縁部に、四隅を除いて、それぞれの辺に沿って延在し、最終的に得られる情報媒体の外郭線よりも内側に凹んだ凹部が形成された第二フレームを用いてもよい。
【0062】
また、この実施形態では、工程Aにおいて、第一基材17の他方の面17bに塗布した接着剤16Aによって、第一基材17の他方の面17bに第一フレーム11Aを接着する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第一基材の他方の面に、第一フレームを熱融着により接合してもよい。その場合、第一基材の他方の面に、接着剤を塗布しない。
また、この実施形態では、工程Bにおいて、第二基材18の他方の面18bに塗布した接着剤16Bによって、第二基材18の他方の面18bに第二フレーム12Aを接着する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第二基材の他方の面に、第二フレームを熱融着により接合してもよい。その場合、第二基材の他方の面に、接着剤を塗布しない。
したがって、工程Eにおいて、第一フレームと第二フレームを互いに押圧することにより、第一フレームと第二フレームの間に接着剤を展開させるとともに、第一フレームの凹部または貫通部、および、第二フレームの凹部または貫通部に、接着剤を流入させることのみにより、接着層を形成する。
【0063】
また、この実施形態では、工程Dにおいて、第一フレーム11Aの一方の面11f、および、モジュール15の一方の面15aに接着剤16Cを塗布する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第二フレームの第二基材と対向する面とは反対の面側に、接着剤を塗布してもよい。
【0064】
また、この実施形態では、第一フレーム11が1つの部材からなり、第二フレーム12が1つの部材からなる場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第一フレームが厚さ方向に積層される2つ以上の部材を組み合わせてなるものであってもよく、第二フレームが厚さ方向に積層される2つ以上の部材を組み合わせてなるものであってもよい。例えば、第一フレームまたは第二フレームが厚さ方向に積層された2つ以上の部材からなる場合、予め2つ以上の部材が接着剤または熱融着により接合されて、1つのフレームとされて用いられる。
【0065】
また、この実施形態では、工程Cにおいて、第一フレーム11Aの嵌入部11aにモジュール15を嵌入する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、工程Cにおいて、第二フレームの嵌入部に、モジュールを嵌入してもよい。
【0066】
また、この実施形態では、工程Aと工程Bと工程Cをこの順に行う場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、工程Aと工程Bと工程Cを順不同に行ってよい。すなわち、本発明にあっては、工程Cにて、第一フレームの嵌入部または第二フレームの嵌入部に、モジュールを嵌入した後、工程Aにて、モジュールを内設した第一フレームを、第一基材の他方の面に接合してもよく、あるいは、工程Bにて、モジュールを内設した第二フレームを、第二基材の他方の面に接合してもよい。
【0067】
また、この実施形態では、第一基材17の一方の面17aに印刷層19が設けられた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第一基材の他方の面に印刷層が設けられていてもよい。
また、この実施形態では、第二基材18の一方の面18aに印刷層20が設けられた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第二基材の他方の面に印刷層が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10・・・情報媒体、11,11A・・・第一フレーム(フレーム)、12,12A・・・第二フレーム(フレーム)、13・・・積層体、14・・・表示素子、15・・・モジュール、16・・・接着層、17・・・第一基材(基材)、18・・・第二基材(基材)、19,20・・・印刷層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略四角形状をなし、形状が異なる一対のフレームと、該一対のフレームが積層されてなる積層体に内設されたモジュールと、少なくとも前記積層体の一部と接する接着層と、該接着層に接し、前記積層体および前記モジュールを挟持する一対の基材と、を備えた情報媒体であって、
前記一対のフレームのうち第一フレームは、少なくとも四隅に、前記基材の外郭線よりも内側に凹んだ凹部が形成されたものであり、
前記一対のフレームのうち第二フレームは、少なくとも四隅が外側に突出した凸部であり、該凸部と凹部からなる凹凸の外郭形状をなしており、
前記積層体を平面視した場合、前記第二フレームの凸部が前記第一フレームの凹部の内側に配され、
前記接着層の一部は、前記第一フレームの凹部内に充填された接着剤と、前記第二フレームの凸部を覆う接着剤とからなることを特徴とする情報媒体。
【請求項2】
略四角形状をなし、形状が異なる一対のフレームと、該一対のフレームが積層されてなる積層体に内設されたモジュールと、少なくとも前記積層体の一部と接する接着層と、該接着層に接し、前記積層体および前記モジュールを挟持する一対の基材と、を備え、前記一対のフレームのうち第一フレームは、少なくとも四隅に、前記基材の外郭線よりも内側に凹んだ凹部が形成されたものであり、前記一対のフレームのうち第二フレームは、少なくとも四隅が外側に突出した凸部であり、該凸部と凹部からなる凹凸の外郭形状をなしており、前記積層体を平面視した場合、前記第二フレームの凸部が前記第一フレームの凹部の内側に配され、前記接着層の一部は、前記第一フレームの凹部内に充填された接着剤と、前記第二フレームの凸部を覆う接着剤とからなる情報媒体の製造方法であって、
第一基材における第二基材に対向させる面に、外縁部の少なくとも四隅に、前記情報媒体の外郭線よりも内側に凹んだ凹部、または、その厚さ方向に貫通する貫通部が、前記外郭線を跨ぐように形成され、かつ、内側に前記モジュールを嵌入する嵌入部が形成された略四角形状の第一フレームを接合する工程Aと、
前記第二基材における前記第一基材に対向させる面に、少なくとも四隅が前記情報媒体の外郭線よりも外側に突出した凸部であり、該凸部と凹部からなる凹凸の外郭形状をなし、前記凹部は前記外郭線よりも内側に凹んでおり、かつ、内側に前記モジュールを嵌入する嵌入部が形成された略四角形状の第二フレーム、または、外縁部に、少なくとも四隅を除いて、その厚さ方向に貫通する貫通部が前記外郭線を跨ぐように形成され、かつ、内側に前記モジュールを嵌入する嵌入部が形成された略四角形状の第二フレームを接合する工程Bと、
前記第一フレームの嵌入部または前記第二フレームの嵌入部に、前記モジュールを嵌入する工程Cと、
前記第一フレームの前記第一基材と対向する面とは反対の面側、および/または、前記第二フレームの前記第二基材と対向する面とは反対の面側に、接着剤を塗布する工程Dと、
前記接着剤を介して、前記第一フレームと前記第二フレームを重ね合わせて、前記第一フレームと前記第二フレームを互いに押圧することにより、前記第一フレームと前記第二フレームの間に、前記接着剤を展開させるとともに、前記第一フレームの凹部または貫通部内、および、前記第二フレームの凸部の周囲または貫通部内に、前記接着剤を流入させる工程Eと、
前記第一基材、前記第一フレーム、前記モジュール、前記接着剤、前記第二フレームおよび前記第二基材を含む積層体を、前記外郭線に沿って裁断する工程Fと、を有し、
前記工程Aと前記工程Bと前記工程Cを順不同に行うことを特徴とする情報媒体の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−63912(P2012−63912A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206677(P2010−206677)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】